以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。なお、図1では、後述する演出可動機構50を破線で示している。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、外縁をほぼ円形状とする遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技領域の内部または外部といった遊技盤2の所定位置には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、メイン画像表示装置5MA、サブ画像表示装置5SU、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C、通過ゲート41などが設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力可能なスピーカ8L、8Rが設けられ、遊技領域周辺部には遊技効果ランプ9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられ、打球操作ハンドルの操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力が調整される。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技球を保持(貯留)する上皿(打球供給皿)と、上皿からの余剰球などを保持(貯留)する下皿が設けられている。下皿を形成する部材にはスティックコントローラ31Aが取り付けられ、上皿を形成する部材にはプッシュボタン31Bが設けられている。
第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、メイン画像表示装置5MAの画面上などでは、特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われる。これらの可変表示は、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動入賞の発生に基づいて、あるいは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の発生に基づいて、実行可能となる。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。メイン画像表示装置5MAは、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。メイン画像表示装置5MAの画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄(「第1特図」ともいう)の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄(「第2特図」ともいう)の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、メイン画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示の表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。特別図柄や飾り図柄の可変表示における表示結果は、可変表示結果ともいう。特に、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果は、特図表示結果ともいう。
このように、メイン画像表示装置5MAの画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い短停止時間が経過するまでの期間にて、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄は、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)を含んで構成されていればよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
なお、飾り図柄は、複数種類の識別情報として可変表示されるものに限定されず、例えば特図ゲームにおける特別図柄の変動と対応して、メイン画像表示装置5MAの画面上などに任意の演出画像を表示可能としたものであればよい。メイン画像表示装置5MAの画面上では、ストーリー性をもつ演出画像の表示により、特別図柄の可変表示結果などに応じたストーリーの結果を表示するような演出を実行可能にしてもよい。演出画像の表示による演出として、例えばプロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出が行われてもよい。そして、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、試合やバトルに敗北する演出を行う。これに対し、可変表示結果が「大当り」となる場合には、試合やバトルに勝利する演出を行う。あるいは、例えばメイン画像表示装置5MAの画面上では、特定の表示部位における表示色の変更表示と停止表示とを繰り返す。そして、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、所定の表示色(例えば白色)で停止表示した状態を維持すること、あるいは所定の表示色を非表示とした状態で維持することで、飾り図柄を導出表示する。これに対し、可変表示結果が「大当り」となる場合には、所定の表示色とは異なる表示色(例えば赤色)で停止表示した状態を維持することで、飾り図柄を導出表示する。こうして、飾り図柄の可変表示中には、所定(単一)の図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。そして、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)として、複数種類の図柄のいずれかが導出表示(最終停止表示)されるものであってもよい。また、飾り図柄の可変表示中には、所定の図柄を示す演出画像の表示と非表示とを繰り返し、他の演出画像は表示されないようにしてもよい。そして、飾り図柄の可変表示結果としては、可変表示に用いられた所定の図柄を示す演出画像が停止表示されることはなく、所定の図柄とは異なる特定の数字や記号などを示す演出画像が表示されることで、飾り図柄を導出表示してもよい。
メイン画像表示装置5MAの画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、第1始動入賞や第2始動入賞の発生に基づいて行われる。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞が発生したときに、第1特図を用いた特図ゲームが開始できなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞が発生したときに、第2特図を用いた特図ゲームが開始できなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、第1始動入賞が発生したときに、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達していれば、その始動入賞に基づく特図ゲームは無効とされ、賞球の払出しのみが行われてもよい。また、第2始動入賞が発生したときに、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達していれば、その始動入賞に基づく特図ゲームは無効とされ、賞球の払出しのみが行われてもよい。特図ゲームが開始されることによる保留記憶数(第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数)の減少は、保留の消化とも称される。
第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
図1に示すサブ画像表示装置5SUは、メイン画像表示装置5MAの右側に設けられ、メイン画像表示装置5MAとは別個に演出画像を含む各種画像の表示を行う。なお、メイン画像表示装置5MAとサブ画像表示装置5SUの設置箇所は、遊技盤2における遊技領域の中央付近に限定されず、例えばメイン画像表示装置5MAは遊技領域の中央付近に設置される一方、サブ画像表示装置5SUは遊技領域の外部や遊技機用枠3の前面上部、前面下部、前面側方といった、パチンコ遊技機1における任意の位置に設置されてもよい。
普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図5に示す普通電動役物用となるソレノイド27によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド27がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド27がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド27がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド27がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、図5に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、図5に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
特別可変入賞球装置7は、図5に示す大入賞口扉用となるソレノイド28によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド28がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド28がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、図5に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2には、整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出を実行可能な可動部材として、演出可動機構50が設けられている。演出可動機構50は、複数(例えば4つ)の可動部材を有している。演出可動機構50は、複数の可動部材がメイン画像表示装置5MAの画面上下に分かれて位置する退避状態と、複数の可動部材がメイン画像表示装置5MAの画面前方に位置する進出状態とに変化することができる。なお、以下の説明においては、パチンコ遊技機1の正面に対峙した状態を基準として上下左右前後方向を説明する。
図1に示された演出可動機構50は、退避状態となった場合のものである。この実施の形態では、例えば樹脂などで構成される図示しない透明板によって遊技盤2の遊技領域が構成されており、演出可動機構50は、この透明板の後方に配置されて、遊技球は演出可動機構50の前方を流下する。ただし、こうした例に限定されず、演出可動機構50の複数の可動部材の少なくとも1つが、遊技領域を形成する透明板の前方に配置されてもよい。
図2は、演出可動機構50に設けられた複数の可動部材がメイン画像表示装置5MAの前面に位置する進出状態となった場合を示している。図3は、演出可動機構50の構成例を示している。演出可動機構50は、退避状態においてメイン画像表示装置5MAの画面上側に位置する2つの可動部材51、52を備えた上側機構50Tと、退避状態においてメイン画像表示装置5MAの画面下側に位置する2つの可動部材53、54を備えた下側機構50Bとに分離可能である。すなわち、演出可動機構50は、互いに離間または近接して配置可能な上側機構50Tと下側機構50Bとを含んで構成される。上側機構50Tと下側機構50Bとが互いに離間することで、第1状態としての退避状態となる。一方、上側機構50Tと下側機構50Bとが互いに近接することで、第2状態としての進出状態となる。
上側機構50Tや下側機構50Bには、退避状態と進出状態とに変化させる駆動手段が設けられている。上側機構50Tは、2つの可動部材51、52の他に、上側支持ユニット55と、装飾部材57とを備えている。下側機構50Bは、2つの可動部材53、54の他に、下側支持ユニット56を備えている。
上側支持ユニット55は、メイン画像表示装置5MAの画面上側を覆うようにコの字型に構成されたフレームを備え、このフレームが遊技盤2本体に固定されることで、上側機構50Tの各構成部材を支持する。上側支持ユニット55は、可動部材51に係合した第1動力伝達部を備え、図5に示す動作用モータ60Aからの動力を可動部材51に伝達させる。上側支持ユニット55のフレームには、可動部材51を回動可能に軸支する回動支軸、可動部材51の回動動作をガイドするガイド孔が形成されるとともに、装飾部材57の移動を補助する上下方向に沿ったガイドスリットが形成されている。装飾部材57は、2つの可動部材51、52の左端を軸支し、可動部材51、52は、装飾部材57に対して回動する。装飾部材57は、可動部材51に動作用モータ60Aからの動力が出力されることにより、可動部材51の動作に伴って上下に移動する。上側支持ユニット55では、図5に示す第1位置検出センサ51Aを用いて、可動部材51、52の位置を直接的または間接的に検出するための位置検出信号を出力可能である。例えば、第1位置検出センサ51Aは、動作用モータ60Aの回転位置を検出してもよいし、直接に可動部材51、52の位置を検出してもよい。第1位置検出センサ51Aとして、フォトインタラプタ、ロータリーエンコーダなど、種々のセンサを用いることができる。第1位置検出センサ51Aは、2つ以上のセンサを含んで構成されてもよい。
可動部材51が備えるベース体の前面には、可動部材52を回動させるための動作用モータ60Bと、動作用モータ60Bを覆うモータケースと、動作用モータ60Bの回転軸に取り付けられた外歯歯車のモータギヤと、このモータギヤに噛み合う駆動ギヤが取り付けられている。動作用モータ60Bの回転軸と連結された駆動ギヤは、回転中心から離心して前方に突出する第2動力伝達部を有している。第2動力伝達部は、可動部材52に係合して、動作用モータ60Bからの動力を可動部材52に伝達する。
可動部材52には、装飾部材57と係合する装飾側ガイド孔や、第2動力伝達部を送通する動力側ガイド孔が形成されている。可動部材52は、第2動力伝達部が上方に位置するときに、可動部材51の裏側に重なって位置する。動作用モータ60Bから動力が出力されて第2動力伝達部が下方に回動すると、可動部材52が可動部材51に対して装飾側ガイド孔を支点として下方に回動し、遊技者が視認可能な状態となる。第2動力伝達部が下方に位置するときに動作用モータ60Bから動力が出力されて第2動力伝達部が上方に回動することで、可動部材52は、装飾側ガイド孔を支点として上方に回動して、装飾部材51の裏側に隠れる。こうして、動作用モータ60Bは、可動部材52を動作可能に駆動するための駆動力を提供する。
下側支持ユニット56は、メイン画像表示装置5MAの画面下側を覆う形状に構成されたフレームを備え、このフレームが遊技盤2本体に固定されることで、下側機構50Bの各構成部材を支持する。下側支持ユニット56は、可動部材53に連結されるとともに可動部材54に係合したリンク機構を備え、図5に示す動作用モータ60Cからの動力がリンク機構に係合した第3動力伝達部などを介して可動部材53、54に伝達されることで、可動部材53、54を可動させる。このように、下側機構50Bにおいて、可動部材53、54は、動作用モータ60Cからの動力がリンク機構や第3動力伝達部などを介して伝達されることにより、動作することができる。すなわち、動作用モータ60Cは、可動部材53、54を動作可能に駆動するための駆動力を提供する。下側支持ユニット56のフレームには、リンク機構を支持するための突起やガイド孔などが形成されている。下側支持ユニット56では、図5に示す第2位置検出センサ52Aを用いて、例えばリンク機構の動作位置を把握することにより、可動部材53、54の位置を直接的または間接的に検出するための位置検出信号を出力可能である。第2位置検出センサ52Aは、第1位置検出センサ51Aと同様のものを用いることができる。
上側機構50Tにおいて、可動部材51、52のそれぞれは、マトリクス状に整列配置された複数の発光体を備える。すなわち、可動部材51と可動部材52のそれぞれには、例えば縦横方向(上下左右方向)といった所定方向に沿って、複数の発光体が整列配置されている。可動部材51にて整列配置された複数の発光体は、図5に示す発光体ユニット71を構成する。可動部材52にて整列配置された複数の発光体は、図5に示す発光体ユニット72を構成する。
下側機構50Bにおいて、可動部材53、54のそれぞれは、上側機構50Tの可動部材51、52のそれぞれと同様に、マトリクス状に整列配置された複数の発光体を備える。すなわち、可動部材53と可動部材54のそれぞれには、例えば縦横方向(上下左右方向)といった所定方向に沿って、複数の発光体が整列配置されている。可動部材53にて整列配置された複数の発光体は、図5に示す発光体ユニット73を構成する。可動部材54にて整列配置された複数の発光体は、図5に示す発光体ユニット74を構成する。
発光体ユニット71〜74を構成するように整列配置された複数の発光体は、それぞれが、互いに異なる発光色を有する複数種類の発光素子を含んでいる。例えば、各発光体として、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光可能な発光素子を有するフルカラーLEDが用いられる。これにより、可動部材51〜54は、各種の色を全域で単色にて点灯表示することの他、複数の色を域内で区別表示することによる虹色表示といった、発光体ユニット71〜74にて整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出が実行可能である。このように、発光体ユニット71〜74は、複数の発光体を用いた表示(発光)の色彩や模様を時間経過に伴い変化させて、表示演出を実行することができる。可動部材51〜54が備える発光体ユニット71〜74にて整列配置された複数の発光体の前方には、複数の発光体のそれぞれを区画するように格子状に形成された区画体が設けられている。また、可動部材51〜54の区画体の前面には、可動部材51〜54を装飾する前面板が設けられている。
なお、複数の発光体としては、フルカラーLEDを用いるものに限定されず、例えば単色または複数色のLEDを用いてもよいし、LED以外の発光体を用いてもよい。区画体は、立体的に格子状に形成された部材により構成されてもよいし、例えば格子状の模様が印刷や切込みなどで透明または半透明な板材に形成されることで構成されてもよい。区画体は、複数の発光体を1つずつ区画するように構成されるものに限定されず、複数の発光体を所定数ずつ区画するように構成されてもよいし、所定方向(例えば横方向および縦方向)に沿って区画するように構成されてもよい。さらに、こうした区画体を備えなくてもよい。
図4は、演出可動機構50の動作例を示している。図4では、可動部材51〜54の表面に配置された発光体ユニット71〜74における複数の発光体の配列方向を実線で示している。図4(A)に示すように、上側機構50Tと下側機構50Bとが互いに離間した退避状態では、可動部材51〜54がメイン画像表示装置5MAの表示画面(表示領域)に重ならない。メイン画像表示装置5MAの表示画面は、上側機構50Tと下側機構50Bとが退避状態であるときに、可動部材51〜54が重ならないことで視認可能となる。これに対し、図4(B)に示すように、上側機構50Tと下側機構50Bとが互いに近接した進出状態では、可動部材51〜54がメイン画像表示装置5MAの表示画面(表示領域)に重なる。メイン画像表示装置5MAの表示画面は、上側機構50Tと下側機構50Bとが進出状態であるときに、可動部材51〜54が重なることで視認困難または視認不可能となる。
パチンコ遊技機1には、例えば図5に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。さらに、演出制御基板12との間で演出制御用中継基板16Aを介して接続された制御基板として、駆動制御基板16B、発光体制御基板16Cが、搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯制御と消灯制御とを行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯制御と消灯制御あるいは発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。図5に示す主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド27や大入賞口扉用のソレノイド28に伝送する。
図5に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドに基づいて、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SU、発光体ユニット71〜74、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、動作用モータ60A〜60Cに連結された可動部材51〜54および装飾部材57、その他の演出装置といった、各種の演出用電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUにおける画像表示、スピーカ8L、8Rからの音声出力、発光体ユニット71〜74に整列配置された複数の発光体における点灯、発光体ユニット71〜74とは異なる遊技効果ランプ9および装飾用LEDを構成する発光部材における点灯、可動部材51〜54および装飾部材57を移動させる動作用モータ60A〜60Cの駆動動作などといった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。図5に示す演出制御基板12には、演出制御用マイクロコンピュータ120と、ROM121と、RAM122と、演出データメモリ123A〜123Cとが搭載されている。
演出制御基板12には、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUに対して映像信号を伝送するための配線や、音声出力基板13に対して音声信号(効果音信号)を伝送するための配線、ランプ出力基板14に対して電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。また、演出制御用中継基板16Aを介して駆動制御基板16Bや発光体制御基板16Cに各種信号を伝送するための配線も接続されている。駆動制御基板16Bに伝送される情報信号は、動作用モータ60A〜60Cの駆動により可動部材51〜54や装飾部材57を移動させるための指令や制御データを示す駆動制御信号を含んでいればよい。発光体制御基板16Cに伝送される情報信号は、発光体ユニット71〜74に対して複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。駆動制御基板16Bには、第1位置検出センサ51Aおよび第2位置検出センサ52Aから出力された位置検出信号を、演出制御用中継基板16Aを介して演出制御基板12へと伝送するための配線も接続されている。さらに、図1に示すスティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を受信するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を受信するための配線も、演出制御基板12に接続されていればよい。
音声出力基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力用の基板であり、演出制御基板12からの音声信号に従って、音出力装置となるスピーカ8L、8Rから音声を出力させるための各種回路が搭載されている。ランプ出力基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力用の基板であり、演出制御基板12からの電飾信号に従って、遊技効果ランプ9などに駆動電流を供給するドライバICなどが搭載されている。
演出制御用中継基板16Aは、遊技盤2の裏面に取り付けられた裏パックなどに設置され、演出制御基板12から駆動制御基板16Bや発光体制御基板16Cに向けて伝送される各種信号を中継する。裏パックは、遊技盤2の裏面側の中央部分に取り付けられ、その中央にはメイン画像表示装置5MAが臨む開口が形成されていればよい。裏パックは、主基板11や音声出力基板13、ランプ出力基板14、駆動制御基板16B、発光体制御基板16Cなどを、後方から覆うように設けられてもよい。裏パックの後面側には、演出制御基板12が収容された演出制御基板ボックスが取り付けられてもよい。
駆動制御基板16Bは、演出制御基板12とは別個に設けられた演出可動機構制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、可動部材51〜54の回動制御や装飾部材57の移動制御を行うためのドライバICなどが搭載されている。駆動制御基板16Bからの出力信号は、動作用モータ60A〜60Cに向けて伝送される。また、駆動制御基板16Bには、第1位置検出センサ51Aおよび第2位置検出センサ52Aから出力された位置検出信号を、演出制御用中継基板16Aを介して演出制御基板12へと伝送するための配線などが含まれていればよい。発光体制御基板16Cは、演出制御基板12とは別個に設けられた発光体出力用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、発光体ユニット71〜74に配置された複数の発光体について点灯制御を行うための発光体駆動用となる各種回路が搭載されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えばメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUにおける画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンド、動作用モータ60A〜60Cの駆動力による演出可動機構50の動作などを制御するために用いられる可動機構制御コマンドなどが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。なお、乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものに限定されず、遊技制御用マイクロコンピュータ100に外付されるものであってもよい。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。乱数回路104は、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図6は、演出制御基板12に搭載された各種回路の構成例を示している。演出制御基板12には、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120や、ROM121、RAM122、演出データメモリ123A〜123Cなどが搭載されている。なお、ROM121、RAM122、演出データメモリ123A〜123Cは、一部または全部が演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵されたものであってもよいし、一部または全部が演出制御用マイクロコンピュータ120に外付けされたものであってもよい。図6に示す演出制御用マイクロコンピュータ120は、例えば1チップマイクロコンピュータなどを用いて構成され、CPU130と、FPU(Floating-Point Unit)131、ワークRAM132と、バスステートコントローラ133と、DMA(Direct Memory Access)コントローラ134と、周辺バスコントローラ135と、I/O136と、シリアル通信回路137とを備えている。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU130は、演出制御用のプログラムに従って制御処理を実行するプロセッサコア(CPUコア)を構成する。ROM121は、CPU130が制御処理を実行するために読み出される演出制御用のプログラムや固定データなどを記憶する。RAM122は、演出データメモリ123A〜123Cから読み出した各種の演出データを一時記憶する。RAM122に一時記憶された演出データは、CPU130やFPU131による各種処理を実行するために提供される。ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU130が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、可動部材制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。RAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出データメモリ123A〜123Cは、演出を実行するための固定的なデータを記憶している。演出データメモリ123A〜123Cのうち、演出データメモリ123A、123Bには、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUにおける表示画像を示す各種の画像データ(画像要素データ)を予め記憶する記憶領域が設けられていればよい。演出データメモリ123Cには、動作用モータ60A〜60Cの駆動制御内容を示す各種のモータデータを予め記憶する記憶領域や、遊技効果ランプ9および発光体ユニット71〜74の点灯制御内容を示す各種の発光データを予め記憶する記憶領域などが、設けられていればよい。なお、発光体ユニット71〜74の点灯制御内容を示す発光データは、画像データを用いて生成されるものであってもよい。演出データメモリ123A〜123Cは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、NAND−ROMといったフラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
発光体ユニット71〜74の点灯データ(発光データ)を作成するためのデータは、サブ画像表示装置5SUの画面上に表示させる演出画像の画像データに付加されて、演出データメモリ123A、123Bのいずれかに予め記憶されてもよい。あるいは、発光体ユニット71〜74の点灯データを作成するためのデータは、サブ画像表示装置5SUの画面上に表示させる演出画像の画像データとは別個の画像データあるいは発光データとして演出データメモリ123A〜123Cのいずれかに予め記憶され、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のFPU131が浮動小数点演算を実行するときに、点灯データの作成に用いられる表示データが、サブ画像表示装置5SUの表示画面における演出画像の表示データに付加されてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU130は、ROM121から読み出した演出制御用のプログラムに従って、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理を実行する。このときには、バスステートコントローラ133を用いて、ROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、RAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、RAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作などが行われる。また、CPU130がI/O136やシリアル通信回路137などを介して、例えば主基板11といった、演出制御用マイクロコンピュータ120の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作も行われる。その他、CPU130がI/O136やシリアル通信回路137などを介して、演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。CPU130は、バスステートコントローラ133を用いて演出データメモリ123A〜123Cにアクセスし、記憶データの読み出しなどを行うことができる。
演出制御用マイクロコンピュータ120のFPU131は、浮動小数点演算を実行して、例えばメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に各種画像を表示可能にする画像データの生成などを行う。ワークRAM132は、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPUバスBU1を介してCPU130やFPU131に接続され、CPU130やFPU131による処理や演算で用いられる各種データを一時記憶するためのワークエリアを提供する。バスステートコントローラ133は、例えばCPU130からのアクセス要求などに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ120の外部バスBU10を介し、ROM121、RAM122、演出データメモリ123A〜123Cといった、各種メモリに対する制御信号を出力する。これにより、バスステートコントローラ133は、CPU130から各種メモリに対するアクセス制御を行う。DMAコントローラ134は、CPU130を介することなく独立してデータ転送が可能なDMA転送を制御する。周辺バスコントローラ135は、演出制御用マイクロコンピュータ120の内部バスBU2と周辺バスBU3とに介在して、各種データの受渡しを制御する。I/O136は、演出制御用マイクロコンピュータ120に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。シリアル通信回路137は、シリアルデータの送受信を行い、例えば複数の可動部材51〜54や装飾部材57を動作させる動作用モータ60A〜60Cに対してシリアル通信により動作指令を送信したり、第1位置検出センサ51Aや第2位置検出センサ52Aといった可動部材51〜54の少なくとも一部を含む複数の可動部材のそれぞれに対応する複数の検出センサから、シリアル通信により検出結果を受信したりする。
図7は、シリアル通信回路137の構成例を示している。シリアル通信回路137には、シリアル通信を行うための各種回路が設けられている。図7に示すシリアル通信回路137は、バスインタフェース140と、通信レート設定部141と、送受信コントローラ142と、受信データレジスタ143Rと、受信シフトレジスタ143Sと、送信データレジスタ144Rと、送信シフトレジスタ144Sとを備えている。
バスインタフェース140は、演出制御用マイクロコンピュータ120の周辺バスBU3とシリアル通信回路137の内部バスSB1とのインタフェース機能を有し、演出制御用マイクロコンピュータ120の各種回路との間で制御信号の送受信などを可能にする。通信レート設定部141は、シリアル通信におけるビットレートを設定する。送受信コントローラ142は、シリアル通信回路137におけるシリアル通信によるシリアルデータの送受信を制御する。送受信コントローラ142には、通信設定レジスタ142Aが設けられている。通信設定レジスタ142Aは、例えば、シリアルモードレジスタ、シリアルコントロールレジスタ、シリアルステータスレジスタ、送受信コントロールレジスタなどを含んでいればよい。受信データレジスタ143Rは、シリアル通信により受信したデータをFIFO(First-In First-Out)方式で格納する。受信シフトレジスタ143Sは、受信データをシリアル信号形式からパラレル信号形式に変換(パラレル変換)して受信データレジスタ143Rに転送する。例えば1バイトのシリアルデータの受信が終了すると、受信シフトレジスタ143Sから受信データレジスタ143Rへ受信データを転送して格納する。送信データレジスタ144Rは、シリアル通信により送信するデータをFIFO方式で格納する。送信シフトレジスタ144Sは、送信データレジスタ144Rから転送された送信データを順次に送り出すことでパラレル信号形式からシリアル信号形式に変換(シリアル変換)して送信する。例えば送信シフトレジスタ144Sの空きが検出されたときに、送信データレジスタ144Rに書き込まれた送信データを送信シフトレジスタ144Sに転送してシリアル通信を開始する。
図8は、ROM121および演出データメモリ123A〜123Cにおけるアドレスや記憶内容などの設定例を示している。図8(A)は、ROM121における記憶内容の設定例を示している。ROM121には、先頭アドレスとなるアドレスMA00から最終アドレスとなるアドレスMA10までの連続するアドレスが付与されている。図8(B1)は、演出データメモリ123Aにおける記憶内容の設定例を示している。演出データメモリ123Aには、先頭アドレスとして、ROM121の最終アドレスに連続する次アドレスとなるアドレスMA10+1が付与されるとともに、最終アドレスとなるアドレスMA20までの連続するアドレスが付与されている。図8(B2)は、演出データメモリ123Bにおける記憶内容の設定例を示している。演出データメモリ123Bには、先頭アドレスとして、演出データメモリ123Aの最終アドレスに連続する次アドレスとなるアドレスMA20+1が付与されるとともに、最終アドレスとなるアドレスMA30までの連続するアドレスが付与されている。図8(B3)は、演出データメモリ123Cにおける記憶内容の設定例を示している。演出データメモリ123Cには、先頭アドレスとして、演出データメモリ123Bの最終アドレスに連続する次アドレスとなるアドレスMA30+1が付与されるとともに、最終アドレスとなるアドレスMA40までの連続するアドレスが付与されている。このように、ROM121と演出データメモリ123A〜123Cとに連続するアドレスが付与され、ROM121における最終アドレスの次アドレスが演出データメモリ123Aの先頭アドレスとなっている。
ROM121および演出データメモリ123A〜123Cには、各種の演出装置による演出の実行に用いられるプログラムおよびデータが、演出データ(プログラムモジュールを構成するバイナリーコードなどを含む)として予め格納されている。ROM121および演出データメモリ123A〜123Cには、記憶内容に応じた複数の記憶エリア(記憶領域)が設けられている。例えば、ROM121には、演出制御用のプログラムや各種の管理データが記憶される第1記憶エリアと、音声データが記憶される第2記憶エリアと、第1記憶エリアおよび第2記憶エリア以外のリザーブエリアとが設けられている。例えばROM121の全体で8ギガビットの記憶容量を有する場合に、第1記憶エリアは1ギガビットの記憶容量を有するとともに、第2記憶エリアは6ギガビットの記憶容量を有するものであればよい。なお、第1記憶エリアは、1.5ギガビットあるいは2ギガビットの記憶容量を有する場合があってもよい。演出データメモリ123Aには、音声データが記憶される記憶エリアと、画像データが記憶される記憶エリアとが設けられている。演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU130が各種の判定や決定、設定を行うために用意された各種テーブルのテーブルデータや、演出制御パターンを構成するパターンデータなどは、管理データとしてROM121に記憶されていればよい。ROM121と演出データメモリ123Aには、スピーカ8L、8Rによる音出力を制御するために用いられる音声データが記憶される。演出データメモリ123A、123Bには、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUにおける演出画像の表示を制御するために用いられる画像データが記憶され、さらに、発光体ユニット71〜74に整列配置された複数の発光体における点灯制御のために用いられる画像データが記憶されてもよい。
ROM121には、音声データが記憶される記憶エリアが設けられて、少なくとも音声データが記憶される。したがって、ROM121は、少なくともスピーカ8L、8Rから音声を出力させる音声制御に用いられる第1制御データとしての音声データを記憶する第1領域を提供する。演出データメモリ123Aには、画像データが記憶される記憶エリアが設けられている。したがって、演出データメモリ123Aは、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUに画像を表示させる表示制御あるいは発光体ユニット71〜74に配置された複数の発光体を点灯させる点灯制御に用いられる第2制御データとしての画像データを記憶する第2領域を提供する。
この実施の形態では、音声データを記憶する記憶エリアが、ROM121だけでなく演出データメモリ123Aにも設けられている。ROM121において音声データが記憶される記憶エリアは、図8(A)に示すアドレスMA02から、ROM121における最終アドレスとなるアドレスMA10までに割り当てられている。演出データメモリ123Aにおいて音声データが記憶される記憶エリアは、図8(B1)に示すように、演出データメモリ123Aの先頭アドレスとなるアドレスMA10+1からアドレスMA11までに割り当てられている。このように、第2領域を提供する演出データメモリ123Aには、第1領域を提供するROM121の最終アドレスMA10の次アドレスMA10+1からアドレスMA11までの連続する特定アドレス範囲に、音声データを記憶する記憶エリアが割り当てられている。第2領域を提供する演出データメモリ123Aにおいて、第1領域を提供するROM121の最終アドレスから連続した特定アドレス範囲に対応する記憶エリアには、第1制御データとしての音声データが記憶されている。すなわち、第1制御データとしての音声データは、第1領域を提供するROM121に設けられた記憶エリアだけでなく、第2領域を提供する演出データメモリ123Aに設けられた記憶エリアにおいて、ROM121の最終アドレスMA10の次アドレスとなるアドレスMA10+1からアドレスMA11までの連続するアドレスが付与された記憶エリアにも、記憶されている。
演出データメモリ123Aは、本来、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの表示制御などに用いられる画像データを記憶するための記憶領域を提供する。一方、多様な楽曲に対応する音声データを用意する必要などから、ROM121などにおいて各種の演出装置による演出を制御するために記憶すべき制御情報のデータ量が増大し、記憶容量が不足してしまう場合がある。この場合に、別個の新たな記憶装置を用意すると、パチンコ遊技機1の製造コストが増大する。そこで、演出データメモリ123Aに画像データとは異なる制御に使用されるデータの記憶エリアを設けることで、パチンコ遊技機1の製造コストを低減することができる。音声データの記憶エリアを設ける場合には、ROM121における音声データの記憶エリアに付与された最終アドレスから連続した特定アドレス範囲に対応する記憶エリアを、演出データメモリ123Aに割り当てる。これにより、ROM121の記憶エリアと演出データメモリ123Aの記憶エリアとの双方に跨がって記憶されている音声データであっても、他の音声データと同様にアドレスを更新(インクリメント)しつつ読み出すことで、音声データを適切に読み出すことができる。
図9は、発光体制御基板16Cの構成例を示している。発光体制御基板16Cには、発光体ユニット71〜74における複数の発光体による点灯態様を制御するための各種回路が搭載されている。図9に示す発光体制御基板16Cには、バッファメモリ151と、点灯データ生成回路152と、パラレル−シリアル変換回路153−1〜153−4と、LVDSドライバ154−1〜154−4とを備えている。
バッファメモリ151は、演出制御用中継基板16Aを介して演出制御基板12から伝送されたデータを一時記憶する。バッファメモリ151に一時記憶されるデータは、演出制御用マイクロコンピュータ120などによって生成された表示データあるいは演出データメモリ123Cから読み出された発光データに対応するものであればよい。点灯データ生成回路152は、バッファメモリ151の記憶データを読み出し、所定の変換処理を実行することで、点灯制御情報を構成する点灯データを生成する。点灯データ生成回路152によって生成される点灯データには、発光体の駆動タイミングを指定する駆動制御情報となる駆動制御データと、発光体の各発光色に対応した輝度(階調)を指定する階調制御情報となる階調データとが、含まれていればよい。
点灯データ生成回路152は、可動部材51〜54のそれぞれにおいて発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体が配置された領域を、複数のブロックに分割して、それらのブロックごとに発光体の点灯データを作成する。この実施の形態では、複数のブロックとして、発光体ブロックB01〜B42が予め設定されている。点灯データ生成回路153は、発光体ブロックB01〜B42のそれぞれに対応する点灯データを生成する。
図10は、可動部材51における複数の発光体が整列配置された領域について、複数のブロックに分割する設定例を示している。可動部材51にて複数の発光体が配置された領域は、図10(A)に示すような発光体ブロックB01〜B06と、図10(B)に示すような発光体ブロックB07〜B15とに分割される。可動部材51以外の可動部材52〜54についても、可動部材51と同様に、複数の発光体が配置された領域を複数のブロックに分割するように設定する。これにより、可動部材51〜54のそれぞれに設けられた発光体ユニット71〜74の全体では、発光体ブロックB01〜B42に分割されている。なお、発光体ブロックの分割数は、演出可動機構50を構成する可動部材の数や、複数の発光体が配置された領域の大きさなどに基づいて、任意に設定されたものであればよい。
発光体ブロックB01〜B42のそれぞれは、長方形または正方形といった方形状を基本形状としている。そのため、可動部材51〜54の形状などによって、発光体ユニット71〜74のそれぞれにて複数の発光体が配置された領域のうちには、方形状の発光体ブロックに収まりきれず、1の発光体ブロックに満たない発光体が配置された余り領域が生じることがある。また、複数の発光体ブロックのうちには、方形状の一部に発光体が配置されていない空き領域が生じることがある。そこで、1の発光体ブロックに満たない発光体が配置された余り領域を、いずれかの発光体ブロックにおける空き領域に含めることで、複数の発光体に対する点灯制御の処理負担を軽減させる。
この実施の形態では、4つの可動部材51〜54に設けられた発光体ユニット71〜74に対応して、4つの発光体回路基板61〜64が設けられている。発光体制御回路16Cは、4つの発光体回路基板61〜64に対応して制御信号を出力するためのシリアル出力系統として、4系統に対応する4組の信号出力構成(出力回路および出力配線)を有している。より具体的に、パラレル−シリアル変換回路153−1およびLVDSドライバ154−1を含む第1組の信号出力構成と、パラレル−シリアル変換回路153−2およびLVDSドライバ154−2を含む第2組の信号出力構成と、パラレル−シリアル変換回路153−3およびLVDSドライバ154−3を含む第3組の信号出力構成と、パラレル−シリアル変換回路153−4およびLVDSドライバ154−4を含む第4組の信号出力構成とを備えている。
パラレル−シリアル変換回路153−1〜153−4には、点灯データ生成回路152が生成した点灯データに対応する点灯制御情報を含む制御信号が入力される。各パラレル−シリアル変換回路153−1〜153−4は、例えばアドレスバスとデータバスを介して点灯データ生成回路152に接続されている。また、各パラレル−シリアル変換回路153−1〜153−4は、シリアル信号配線を介して、予め対応付けられたLVDSドライバ154−1〜154−4のいずれかに接続されている。各パラレル−シリアル変換回路153−1〜153−4では、点灯データ生成回路152から入力された制御信号が、パラレル信号形式からシリアル信号形式に変換(シリアル変換)される。変換後の制御信号は、対応するLVDSドライバ154−1〜154−4のいずれかに入力される。より具体的には、パラレル−シリアル変換回路153−1からの出力信号はLVDSドライバ154−1に入力され、パラレル−シリアル変換回路153−2からの出力信号はLVDSドライバ154−2に入力され、パラレル−シリアル変換回路153−3からの出力信号はLVDSドライバ154−3に入力され、パラレル−シリアル変換回路153−4からの出力信号はLVDSドライバ154−4に入力される。
各パラレル−シリアル変換回路153−1〜153−4には、固有のアドレスが予め付与されており、点灯データ生成回路152は、そのアドレスを指定してパラレルデータを出力することで、パラレル−シリアル変換回路153−1〜153−4のいずれかに制御信号を伝送できればよい。一例として、パラレル−シリアル変換回路153−1にはアドレスPS01が付与され、パラレル−シリアル変換回路153−2にはアドレスPS02が付与され、パラレル−シリアル変換回路153−3にはアドレスPS03が付与され、パラレル−シリアル変換回路153−4にはアドレスPS04が付与されている。
各パラレル−シリアル変換回路153−1〜153−4は、複数(例えば8個)のDフリップフロップを備え、点灯データ生成回路152からのパラレルデータがビット単位でいずれかのDフリップフロップに入力される。各Dフリップフロップには、所定周期で取込信号(ラッチ信号)が入力され、その立上りタイミングでパラレルデータが各Dフリップフロップにラッチされる。また、各Dフリップフロップにはクロック信号が入力され、クロック信号の立上りタイミングで順次シフト動作を行う。これにより、パラレルに入力した制御信号をシリアルデータに変換して出力することになる。
LVDSドライバ154−1〜154−4は、パラレル−シリアル変換回路153−1〜153−4にてシリアル変換された信号をLVDS(Low Voltage Differential Signal)方式で伝送することが可能な出力回路である。LVDSは、データ伝送用の差動インタフェース規格の1つであり、低電圧差動信号伝送方式あるいは小振幅差動信号伝送方式ともいう。なお、LVDSの規格に適合する信号伝送方式に限定されず、RSDS(Reduced Swing Differencial Signaling)方式やmini-LVDS方式、SLVS(Scalable Low Voltage Signaling)方式といった、所定の差動インタフェース規格に適合する信号伝送方式の他、CML(Current Mode Logic)やLVPECL(Low Voltage Positive-referenced Emitter Coupled Logic)といった所定仕様の信号伝送技術を用いたものであってもよい。
各LVDSドライバ154−1〜154−4は、所定量の電流(例えば3.5mA)を供給する定電流源を備え、2本のデータ線(ツイストペア線)の電位差により信号レベルが決定される差動信号を生成する。差動信号は、シングルエンド信号に比べて外来ノイズに対する耐性が高いという性質を有している。また、差動信号は、シングルエンド信号よりも小さい振幅でのデータ伝送が可能であり、消費電力を低減することができる。差動信号では小さい振幅でのデータ伝送が可能であることに加え、2本のデータ線が結合することにより放射する電界を打ち消しあうので、放射ノイズを低減することができる。デジタル信号の最大速度は、信号のスルー・レート(立上り/立下り電圧変化量)で規定することができ、同じスルー・レートでは振幅が小さいほど速度が上がることになる。したがって、振幅が小さい差動信号を用いることで、振幅が大きいシングルエンド信号よりも高速でデータ伝送を行うことができる。
図11は、発光体回路基板61の構成例を示している。発光体回路基板62〜64についても、同様の構成を有するものであればよい。発光体回路基板61は、演出制御基板12に搭載された発光体制御基板16CのLVDSドライバ154−1から伝送された制御信号に基づいて、可動部材51に配置された複数の発光体を発光させるための各種回路を備えている。可動部材51に配置されて発光体ユニット71を構成する複数の発光体は、図10(A)に示す発光体ブロックB01〜B06と、図10(B)に示す発光体ブロックB07〜B15とのうち、いずれかの発光体ブロックに含まれて、それぞれの発光状態が制御される。発光体回路基板62は、発光体制御基板16CのLVDSドライバ154−2から伝送された制御信号に基づいて、可動部材52に配置された複数の発光体を発光させるための各種回路を備えている。可動部材52に配置されて発光体ユニット72を構成する複数の発光体は、発光体ブロックB16〜B26のうち、いずれかの発光体ブロックに含まれて、それぞれの発光状態が制御される。発光体回路基板63は、発光体制御基板16CのLVDSドライバ154−3から伝送された制御信号に基づいて、可動部材53に配置された複数の発光体を発光させるための各種回路を備えている。可動部材53に配置されて発光体ユニット73を構成する複数の発光体は、発光体ブロックB27〜B34のうち、いずれかの発光体ブロックに含まれて、それぞれの発光状態が制御される。発光体回路基板64は、発光体制御基板16CのLVDSドライバ154−4から伝送された制御信号に基づいて、可動部材54に配置された複数の発光体を発光させるための各種回路を備えている。可動部材54に配置されて発光体ユニット74を構成する複数の発光体は、発光体ブロックB35〜B42のうち、いずれかの発光体ブロックに含まれて、それぞれの発光状態が制御される。発光体回路基板61には、LVDSレシーバ160、シリアル信号中継装置161の他、発光体駆動部162を構成する複数の発光体ドライバなどが搭載されている。
LVDSレシーバ160は、発光体制御基板16CからLVDS方式で伝送された受信データの信号レベルを、TTLレベル(例えば電源電圧5.0Vに対応するデジタル信号レベル)またはCMOSレベル(例えば電源電圧3.3Vに対応するデジタル信号レベル)に変換する。LVDSレシーバ160では、LVDS方式で使用される2本のデータ線が100Ω程度の終端抵抗に接続され、伝送経路となるデータ線上の電流が終端抵抗の両端に電圧を発生させる。また、LVDSレシーバ160は、差動コンパレータを備え、終端抵抗の両端に発生した電圧の比較結果をデジタル信号として出力する。
発光体回路基板61に搭載されたLVDSレシーバ160は、発光体制御基板16CのLVDSドライバ154−1と2本のデータ線を介して接続され、LVDSドライバ154−1から伝送された差動信号が入力される。すなわち、発光体回路基板61に搭載されたLVDSレシーバ160は、発光体制御基板16Cが備える第1組の信号出力構成に対応して伝送されたシリアルデータを受信する。発光体回路基板62に搭載されたLVDSレシーバ160は、発光体制御基板16CのLVDSドライバ154−2と2本のデータ線を介して接続され、LVDSドライバ154−2から伝送された差動信号が入力される。すなわち、発光体回路基板62に搭載されたLVDSレシーバ160は、発光体制御基板16Cが備える第2組の信号出力構成に対応して伝送されたシリアルデータを受信する。発光体回路基板63に搭載されたLVDSレシーバ160は、発光体制御基板16CのLVDSドライバ154−3と2本のデータ線を介して接続され、LVDSドライバ154−3から伝送された差動信号が入力される。すなわち、発光体回路基板63に搭載されたLVDSレシーバ160は、発光体制御基板16Cが備える第3組の信号出力構成に対応して伝送されたシリアルデータを受信する。発光体回路基板64に搭載されたLVDSレシーバ160は、発光体制御基板16CのLVDSドライバ154−4と2本のデータ線を介して接続され、LVDSドライバ154−4から伝送された差動信号が入力される。すなわち、発光体回路基板64に搭載されたLVDSレシーバ160は、発光体制御基板16Cが備える第4組の信号出力構成に対応して伝送されたシリアルデータを受信する。
シリアル信号中継装置161は、発光体制御基板16Cから伝送された制御信号を中継して、発光体駆動部162に供給するための各種回路を備えている。例えばシリアル信号中継装置161は、シリアルデータバッファ回路161Aと、中継制御部161B0と、クロック生成回路161Cとを備えている。シリアルデータバッファ回路161Aは、LVDSレシーバ160から出力されたデジタル信号としてのシリアルデータを一時記憶する。中継制御部161B0は、シリアル信号中継装置161において制御信号を中継するための各種制御を行う。中継制御部161B0は、拡散制御部161B1と、出力制御部161B2とを含んでいる。
拡散制御部161B1は、クロック生成回路161Cにより生成される駆動クロックについて、基準クロックを周波数変調することによるスペクトラム拡散を行うか否かや、スペクトラム拡散を行う場合におけるクロック変調パラメータを設定する。クロック変調パラメータは、スペクトラム拡散の特性に対応するパラメータとして、例えば、中心周波数(変調タイプあるいは拡散方向ともいう)、拡散量(拡散率あるい周波数変調率ともいう)、変調周期などのうち、少なくともいずれか1つの異なる設定に応じて、異なる値となるものであればよい。例えば拡散制御部161B1は、予めROMやレジスタなどの記憶装置に記憶されている変調設定データを読み出してクロック生成回路161Cに供給する。変調設定データは、クロック変調パラメータを含んでいる。拡散制御部161B1によって読み出された変調設定データは、クロック生成回路161Cの内蔵レジスタにセットされるようにすればよい。これにより、クロック変調パラメータの設定が行われる。このように、拡散制御部161B1は、制御信号をシリアル信号方式で発光体駆動部162に送信するための設定として、クロック生成回路161Cにより生成される駆動クロックの設定を行う。スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、スペクトラム拡散を行う場合におけるクロック変調パラメータなどの設定は、発光体回路基板61〜64のそれぞれに応じて予め異なる設定がなされていればよい。なお、拡散制御部161B1が読み出した変調設定データをクロック生成回路161Cの内蔵レジスタにセットするものに限定されず、例えば拡散制御部161B1が読み出した変調設定データに基づいて、クロック生成回路161Cにダウン信号とアップ信号のいずれかが定期的に供給されたり、ダウン信号の供給とアップ信号の供給とが切り替えられたりしてもよい。ダウン信号は、クロック生成回路161Cが生成するクロック信号の位相を遅らせることで周波数を減少させる信号である。アップ信号は、クロック生成回路161Cが生成するクロック信号の位相を進めることで周波数を増加させる信号である。
より具体的に、拡散制御部161B1は、各発光体回路基板61〜64により発光状態が制御される発光体ユニット71〜74のそれぞれに含まれる発光体の個数(発光体数)に応じて、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、スペクトラム拡散を行う場合における拡散量の設定を異ならせてもよい。一例として、発光体ユニット71〜74のうち配置された発光体数が所定数未満である発光体ユニットの発光状態を制御する発光体回路基板では、拡散制御部161B1において、スペクトラム拡散を行わない設定、または拡散量を少量の第1拡散量とする設定にしてもよい。これに対して、発光体ユニット71〜74のうち配置された発光体数が所定数以上である発光体ユニットの発光状態を制御する発光体回路基板では、拡散制御部161B1において、スペクトラム拡散を行う設定、または拡散量を第1拡散量よりも多い第2拡散量とする設定にしてもよい。
あるいは、拡散制御部161B1は、例えば各発光体回路基板61〜64におけるシリアルデータ通信量に応じて、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、スペクトラム拡散を行う場合における拡散量の設定を異ならせてもよい。一例として、各発光体回路基板61〜64におけるシリアルデータ通信量が所定量未満である場合には、放射ノイズの発生が特に問題とならないことから、スペクトラム拡散を行わない設定、または拡散量を少量の第1拡散量とする設定にしてもよい。これに対して、各発光体回路基板61〜64におけるシリアルデータ通信量が所定量以上である場合には、放射ノイズの発生が問題となることから、スペクトラム拡散を行う設定、または拡散量を第1拡散量よりも多い第2拡散量とする設定にしてもよい。
拡散量を多くすることにより、駆動クロックの周波数をより拡散させることが可能になる。一方、拡散量を多くするに従って、各種回路の動作速度が低下するおそれがある。また、拡散量が予め定められた規制量よりも多くなると、使用が禁止される帯域にも周波数成分を有する電磁波が放射されるおそれがある。そこで、放射ノイズの強度を許容上限値に抑制するために必要な最小限の拡散量に設定することで、動作速度の低下や不適切な周波数成分の発生を防止してもよい。
出力制御部161B2は、シリアル信号中継装置161からの信号出力を制御する。例えば出力制御部161B2は、発光体制御基板16Cから伝送された制御信号などに基づいて、発光体駆動部162に対する制御信号の出力開始タイミングと出力停止タイミングを特定し、各タイミングにて信号出力状態と出力停止状態との切替制御を行う。また、出力制御部161B2は、シリアル信号中継装置161における信号出力を行う信号出力実行条件が成立したときに、拡散制御部161B1によるクロック変調パラメータの設定状態に応じて、出力停止状態から信号出力状態に切り替えるか出力停止状態で待機するかの判定を行う。
クロック生成回路161Cは、発光体回路基板61〜64の各基板内において、シリアル信号中継装置161から発光体駆動部162にシリアルデータを伝送するために用いられる駆動クロックとして、基準クロックを周波数変調したスペクトラム拡散クロック(SSC:Spread Spectrum Clock)を生成する。基準クロックは、例えば発光体回路基板61〜64の各基板に搭載された水晶振動子により生成されてもよい。あるいは、基準クロックは、演出制御基板12に搭載された水晶振動子などにより生成され、クロック信号線を介して各発光体回路基板61〜64へと伝送されてもよい。クロック生成回路161Cは、例えばPLL(Phase Locked Loop)に用いられる分周器の分周比を、互いに異なる複数種類の値に切り替えることで、周波数変調を行うことができればよい。あるいは、クロック生成回路161Cは、基準クロックの位相を調整して出力する位相補間器を備え、拡散制御部161B1からのアップ信号とダウン信号に基づいて、基準クロックを周波数変調した駆動クロックを出力してもよい。
各発光体回路基板61〜64では、発光体制御基板16CのLVDSドライバ154−1〜154−4から受信した制御信号を、シリアル信号中継装置161において複数系統に分離する。例えば図11に示す発光体回路基板61では、発光体制御基板16CのLVDSドライバ154−1から受信した制御信号を、シリアル信号中継装置161において3系統に分離した後、発光体駆動部162に送信する。図11に示すシリアル信号中継装置161は、制御信号を出力するためのシリアル出力系統として、3系統の信号出力構成(出力回路および出力配線)を有している。各出力回路に接続されるシリアルクロック配線およびシリアルデータ配線は、シリアル信号中継装置161の内部でバス形式に接続され、シリアルデータバッファ回路161Aから読み出されたシリアルデータが伝送される。各出力回路には、固有のアドレスが予め付与されており、シリアル信号中継装置161は、そのアドレスを指定することで、シリアルデータバッファ回路161Aから読み出したシリアルデータを出力回路に供給できればよい。一例として、図11に示すシリアル信号中継装置161において、3系統の信号出力構成のうち、第1系統の信号出力構成に含まれる出力回路にはアドレスAD01が付与され、第2系統の信号出力構成に含まれる出力回路にはアドレスAD02が付与され、第3系統の信号出力構成に含まれる出力回路にはアドレスAD03が付与されている。なお、シリアル信号中継装置161において分離される系統数は、発光体回路基板61〜64および発光体ユニット71〜74の構成や、制御信号を伝送するために用いられるシリアル信号方式の仕様などに応じて、予め任意に設計されたものであればよい。
図11に示す発光体回路基板61に搭載されたシリアル信号中継装置161では、LVDSレシーバ160により受信したシリアルデータをシリアルデータバッファ回路161Aに一時記憶させ、クロック生成回路161Cで生成された駆動クロックに応じて読み出したシリアルデータを3系統に分離して、駆動クロックとともに発光体駆動部162へ供給する。アドレスAD01が付与された出力回路には、第1系統に対応するシリアル信号配線が接続され、点灯制御情報を含む制御信号をシリアル信号方式で出力する。アドレスAD02が付与された出力回路には、第2系統に対応するシリアル信号配線が接続され、点灯制御情報を含む制御信号をシリアル信号方式で出力する。アドレスAD03が付与された出力回路には、第3系統に対応するシリアル信号配線が接続され、点灯制御情報を含む制御信号をシリアル信号方式で出力する。このように、シリアル信号中継装置161は、点灯制御情報を含む制御信号をシリアル信号方式で複数系統のシリアル信号配線に出力する。シリアル信号中継装置161には、3系統のシリアル出力系統のそれぞれに対応するシリアル信号配線が接続され、各配線にシリアル信号方式で、点灯制御情報を含む制御信号を出力する。
図11に示す発光体回路基板61に搭載されたシリアル信号中継装置161において、第1系統に対応するシリアル信号配線は発光体ブロックB01〜B06を点灯制御するための発光体ドライバなどが接続され、第2系統に対応するシリアル信号配線は発光体ブロックB07〜B10を点灯制御するための発光体ドライバなどが接続され、第3系統に対応するシリアル信号配線は発光体ブロックB11〜B15を点灯制御するための発光体ドライバなどが接続されていればよい。すなわち、第1系統のシリアル出力系統には発光体ブロックB01〜B06が割り当てられ、第2系統のシリアル出力系統には発光体ブロックB07〜B10が割り当てられ、第3系統のシリアル出力系統には発光体ブロックB11〜B15が割り当てられている。なお、いずれの系統に対応して、いずれの発光体ブロックに含まれる発光体を点灯制御するかの設定は、発光体回路基板61〜64および発光体ユニット71〜74の構成や、制御信号を伝送するために用いられるシリアル信号方式の仕様などに応じて、予め任意に設計されたものであればよい。
発光体駆動部162は、複数の発光体ブロックにそれぞれ分割された領域に含まれる複数の発光体を点灯(発光)させる複数の発光体ドライバを含んで構成されている。一例として、発光体回路基板61に搭載された発光体駆動部162において、第1系統に対応するシリアル信号配線に接続された複数の発光体ドライバは、発光体ブロックB01〜B06のそれぞれに分割された領域に含まれる複数の発光体を発光させる。また、第2系統に対応するシリアル信号配線に接続された複数の発光体ドライバは、発光体ブロックB07〜B10のそれぞれに分割された領域に含まれる複数の発光体を発光させる。第3系統に対応するシリアル信号配線に接続された複数の発光体ドライバは、発光体ブロックB11〜B15のそれぞれに分割された領域に含まれる複数の発光体を発光させる。
1のシリアル出力系統に割り当てられた発光体ブロックに含まれる発光体の点灯制御を行う複数の発光体ドライバは、シリアル信号配線を介したデイジーチェーン方式で接続されていればよい。例えば図11に示す発光体回路基板61に搭載された発光体駆動部162において、第1系統に対応するシリアル信号配線には、まず、発光体ブロックB01を点灯制御するために設けられた複数の発光体ドライバがデイジーチェーン方式で接続され、シリアル信号中継装置161から伝送されたシリアルデータが入力される。次に、発光体ブロックB02を点灯制御するために設けられた複数の発光体ドライバがデイジーチェーン方式で接続され、以降は同様に、発光体ブロックB03〜B06を点灯制御するために設けられた複数の発光体ドライバが順にデイジーチェーン方式で接続されていればよい。なお、デイジーチェーン方式で接続されるものに限定されず、複数の発光体ドライバがシリアルバス方式で接続されてもよい。
各発光体ドライバは、シリアル信号配線を介して伝送された制御信号で示される点灯制御情報に基づいて、複数の発光体における発光状態を変化させることができる。各発光体ドライバは、例えばデータラッチ部、シフトレジスタ、データバッファを含んで構成され手いる。各発光体ドライバのデータラッチ部は、例えばラッチ回路によって構成され、シリアル信号中継装置161から伝送された駆動クロックを用いてシリアルデータを1ビットごとにラッチし、シフトレジスタに出力する。例えばデータラッチ部は、シリアル信号中継装置161から伝送されたスペクトラム拡散クロックである駆動クロックの立上りタイミングで入力データをラッチする。
各発光体ドライバのシフトレジスタは、データラッチ部から1ビットずつ入力されたデータを順に格納する。また、シフトレジスタは、シリアル信号中継装置161から伝送された駆動クロックを用いて格納データを1ビットずつシフトする。例えばシフトレジスタは、シリアル信号中継装置161から伝送されたスペクトラム拡散クロックである駆動クロックの立上りタイミングで順次シフト動作を行う。このように繰返し格納データを先頭のレジスタ(先頭ビット)から末尾のレジスタ(最終ビット)へと1ビットずつシフトしていくことによって、シリアル信号中継装置161から伝送されたシリアルデータが格納される。末尾のレジスタまでデータがシフトされた後、さらに駆動クロックの立上りタイミングに達したときには、末尾のレジスタにおける格納データが出力され、デイジーチェーン方式で接続された後段の発光体ドライバへと伝送される。各発光体ドライバのデータバッファは、例えばラッチレジスタによって構成され、所定の取込タイミングでシフトレジスタに格納されているデータをラッチして一時記憶する。データバッファにラッチされたデータは、パラレル信号方式で複数の信号線に出力される。
複数の発光体ドライバはそれぞれ、駆動制御信号で示される駆動制御データに応じて発光体の駆動制御を行う駆動制御回路となるストローブ側の発光体ドライバと、階調データ信号で示される階調データに応じて発光体の階調制御を行う階調制御回路となるデジット側の発光体ドライバとのうち、いずれかに分類される。発光体ブロックB01〜B42のそれぞれでは、ストローブ側の発光体ドライバと、デジット側の発光体ドライバとを用いて、発光体ブロックごとに複数の発光体のダイナミック点灯制御が行われる。
図12は、具体的な一例として、発光体ブロックB11に対応する発光体ドライバの構成例を示している。図12に示す構成例では、発光体ブロックB11に対応する複数の発光体ドライバとして、ストローブ側の発光体ドライバ411Sと、デジット上側の発光体ドライバ411DUと、デジット下側の発光体ドライバ411DDとが設けられている。シリアル信号中継装置161からの出力信号を伝送するシリアル信号配線は、まず発光体ブロックB11に対応するストローブ側の発光体ドライバ411Sに接続され、次にデジット上側の発光体ドライバ411DUに接続され、さらにデジット下側の発光体ドライバ411DDに接続されるという順に、デイジーチェーン方式で接続されていればよい。発光体ブロックB11に対応するデジット下側の発光体ドライバ411DDから引き出されたシリアル信号配線は、続いて発光体ブロックB12に対応して設けられた発光体ドライバへとデイジーチェーン方式で接続されていればよい。以降も同様に、発光体ブロックB13〜B15に対応して設けられた発光体ドライバへとデイジーチェーン方式で接続されていればよい。
シリアル信号配線には、シリアル通信用の駆動クロックとなるシリアルクロックを伝送するシリアルクロック配線と、シリアルクロックに同期したシリアルデータを伝送するシリアルデータ配線とが含まれていればよい。シリアル信号配線に接続された発光体ドライバは、シリアルクロックに同期したシリアルデータとして伝送される駆動制御データまたは階調データを取り込んで、複数の発光体の発光状態を制御(点灯制御)する。シリアル通信用の駆動クロックとなるシリアルクロックは、シリアル信号中継装置161のクロック生成回路161Cによって生成され、基準クロックを周波数変調したスペクトラム拡散クロックとすることができる。図12に示す発光体ブロックB11に対応する発光体ドライバは、発光体回路基板61に搭載されていることに対応して、シリアルクロックSC1を伝送するシリアルクロック配線と、シリアルデータSD1を伝送するシリアルデータ配線とに接続されている。発光体回路基板62に搭載されている発光体ドライバは、シリアルクロックSC2を伝送するシリアルクロック配線と、シリアルデータSD2を伝送するシリアルデータ配線とに接続されていればよい。発光体回路基板63に搭載されている発光体ドライバは、シリアルクロックSC3を伝送するシリアルクロック配線と、シリアルデータSD3を伝送するシリアルデータ配線とに接続されていればよい。発光体回路基板64に搭載されている発光体ドライバは、シリアルクロックSC4を伝送するシリアルクロック配線と、シリアルデータSD4を伝送するシリアルデータ配線とに接続されていればよい。なお、シリアルクロックを伝送するシリアルクロック配線が設けられるものに限定されず、例えばシリアルデータに所定の同期ビットを含ませて、各発光体ドライバにてクロックデータリカバリ(CDR)を行うことにより、スペクトラム拡散クロックに同期してシリアルデータを伝送可能なものとしてもよい。
図12に示す構成例において、シリアル信号中継装置161から出力されたシリアルデータは、まず、発光体ブロックB11に対応するストローブ側の発光体ドライバ411Sに入力される。その後、駆動クロックであるシリアルクロックSC1の立上りタイミングで、デジット上側の発光体ドライバ411DU、デジット下側の発光体ドライバ411DDへと順に転送される。さらに、発光体ブロックB12〜B15に対応して設けられた複数の発光体ドライバへと順に転送される。シリアル信号中継装置161は、デイジーチェーン方式で接続された複数の発光体ドライバのうち、終端に接続された発光体ドライバに供給するシリアルデータを最初に出力し、次に終端よりも1つ前段に接続された発光体ドライバに供給するシリアルデータを出力するといったように、終端の発光体ドライバから前段の発光体ドライバに向かう順に供給するシリアルデータを出力して、最後には、始端に接続された発光体ドライバ(例えば図12に示す発光体ブロックB11に対応するストローブ側の発光体ドライバ411S)に供給するシリアルデータを出力する。こうしてデイジーチェーン方式で接続された複数の発光体ドライバにシリアルデータが順に転送され、各発光体ドライバに供給するシリアルデータの入力が完了した後に取込タイミングとなることで、各発光体ドライバのシフトレジスタに格納されているデータをラッチしてデータバッファに一時記憶させればよい。
例えば発光体ブロックB11は、デジット上側の発光体ドライバ411DUによって階調制御される複数の発光体から構成されるハーフブロックB11Uと、デジット下側の発光体ドライバ411DDによって階調制御される複数の発光体から構成されるハーフブロックB11Dとの組合せで構成されている。このように、各発光体ブロックは、その発光体ブロックよりも小さいモジュールとなるハーフブロックの組合せで構成されていればよい。なお、複数の発光体ブロックは、2つのハーフブロックの組合せで構成されたものに限定されない。例えば、複数の発光体ブロックのうちには、2つのハーフブロックを組み合わせて構成された発光体ブロックの他に、1つのハーフブロックのみで構成された発光体ブロックが含まれていてもよい。発光体ブロックB11が1つのハーフブロックのみで構成される場合には、ストローブ側の発光体ドライバ411Sと、デジット上側の発光体ドライバ411DUとを備える一方、デジット下側の発光体ドライバ411DDを備えない構成とすればよい。このように、各発光体ブロックは、ストローブ側の発光体ドライバを1つ備えるとともに、デジット側の発光体ドライバを1つまたは2つ備えるように構成されればよい。
ハーフブロックB11UとハーフブロックB11Dはそれぞれ、発光体の数が同数となるように構成されていればよい。例えば、ストローブ側の発光体ドライバ411Sは、12本のストローブ信号線が接続され、12列に整列配置された複数の発光体を駆動制御するための駆動制御信号となるストローブ信号を出力する。デジット上側の発光体ドライバ411DUとデジット下側の発光体ドライバ411DDはそれぞれ、8本のデジット信号線が接続され、8行に整列配置された複数の発光体を階調制御するための階調データ信号となるデジット信号を出力する。したがって、デジット上側に対応するハーフブロックB11Uとデジット下側に対応するハーフブロックB11Dはいずれも、ストローブ側の12列およびデジット側の8行からなる合計96個の発光体を含むように形成されている。発光体ブロックB11以外の発光体ブロックを構成するハーフブロックについても同様に、合計96個の発光体を含むように形成されていればよい。このように、発光体ブロックを構成するモジュールとしてのハーフブロックは、いずれも同数の発光体を点灯制御できるように構成されていればよい。
なお、1つのハーフブロックに含まれる発光体の数は、合計96個に限定されず、発光体ドライバの仕様や設計などに基づいて予め定められた任意の個数であればよい。例えば、ストローブ信号線を8本構成として、8列に整列配置された複数の発光体を駆動制御する場合には、ストローブ側の8列およびデジット側の8行からなる合計64個の発光体が、1つのハーフブロックに含まれるように形成すればよい。また、1つのハーフブロックで点灯制御できる発光体の数と、実際に1つのハーフブロックに含まれている発光体の数とは、必ずしも常に一致していなくてもよい。例えば、1つのハーフブロックで点灯制御できる発光体の数が96個である一方、実際に1つのハーフブロックに含まれる発光体の数は、発光体ユニット71〜74における発光体の配置などにより、96個よりも少なくなる場合があってもよい。このように、複数の発光体が配置された領域を分割した複数のブロックよりも小さいモジュールとしてのハーフブロックごとに、所定数以下の発光体を点灯制御するように構成されていればよい。
図9に示す点灯データ生成回路152は、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、複数の発光体をダイナミック点灯制御するための点灯データを生成する。例えば発光体の駆動タイミングを指定する駆動制御情報となる駆動制御データとして、ストローブ信号線ごとに異なるタイミングで複数の発光体を時分割駆動するための制御データを生成する。また、各デジット信号線に接続された複数の発光体に応じたPWM(Pulse Width Modulation)制御により発光色ごとの輝度(階調)を指定する階調制御情報となる階調データを生成する。なお、デジット側の発光体ドライバは、PWM制御方式のようにパルス信号の出力期間に応じて発光体の階調制御を行うものに限定されず、例えば一定期間内に出力するパルス信号の数(パルス数)や、パルス信号の振幅(駆動電流値)といった、パルス信号の物理量(パルス量)に応じて発光体の階調制御を行うものであればよい。
各発光体ブロックに対応して設けられたストローブ側の発光体ドライバは、駆動制御データに基づくストローブ信号を出力することで、ストローブ信号線に接続された複数の発光体を駆動制御する。各発光体ブロックに対応して設けられたデジット上側またはデジット下側の発光体ドライバは、階調データに基づくデジット信号を出力することで、デジット信号線に接続された複数の発光体を階調制御する。こうして、発光体ユニット71〜74のそれぞれでは、整列配置された複数の発光体が、ストローブ信号がオンとなる発光駆動期間にてデジット信号に応じたデューティ比で発光して、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、ダイナミック点灯方式(パルス点灯方式、デューティ点灯方式、時分割点灯方式ともいう)により点灯態様を変化させることができる。このように、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとにダイナミック点灯制御を行うように構成することで、発光体駆動部162では、複数の発光体ドライバを用いた点灯制御の並列実行が可能になる。
図13は、各通信経路におけるシリアル通信方式の設定例を示している。以下では、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120のシリアル通信回路137から演出制御用中継基板16Aおよび発光体制御基板16Cを介して各発光体回路基板61〜64へとシリアルデータを伝送するシリアル信号配線を含む通信経路(信号経路)を第1通信経路と称し、各発光体回路基板61〜64の基板上において、シリアル信号中継装置161から発光体駆動部162を構成する各発光体ドライバへとシリアルデータを伝送するシリアル信号配線を含む通信経路(信号経路)を第2通信経路と称する。
図13に示す設定例において、第1通信経路ではシリアル通信方式としてLVDS方式が用いられる一方、第2通信経路ではシリアル通信方式としてSPI(Serial Peripheral Interface)方式が用いられる。このようなシリアル通信方式の相違に対応して、第1通信経路では電源(電圧)が3.3Vであり振幅(電圧)が約0.35Vである一方、第2通信経路では電源(電圧)が5.0Vであり振幅(電圧)が約4.0Vである。したがって、第1通信経路では、電源と振幅の電圧がいずれも第2通信経路よりも低電圧のシリアル信号方式で制御信号が伝送される。すなわち、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるシリアル通信回路137や、発光体制御基板16Cから各発光体回路基板61〜64に対して制御信号をシリアル信号方式で出力するLVDSドライバ154−1〜154−4は、各発光体回路基板61〜64において受信した制御信号を複数系統に分離してシリアル信号方式で各発光体ドライバに出力するシリアル信号中継装置161よりも、低電圧で伝送可能なシリアル信号方式で制御信号を出力する。第1通信経路は、演出制御基板12から演出制御用中継基板16Aおよび発光体制御基板16Cを経由して各発光体回路基板61〜64までを接続する基板間のシリアル信号配線を含み、配線長が長くなって放射ノイズが発生しやすくなることがある。そこで、第1通信経路では電源と振幅の電圧がいずれも第2通信経路よりも低電圧のシリアル信号方式で制御信号が伝送されることにより、シリアル信号配線からの放射ノイズを好適に抑制することができる。
また、第1通信経路では基準クロック周波数が10MHzである一方、第2通信経路では基準クロック周波数が2〜4MHzである。したがって、第1通信経路では、データ通信速度が第2通信経路よりも高速のシリアル信号方式で制御信号が伝送される。すなわち、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120のシリアル通信回路137や、発光体制御基板16Cから各発光体回路基板61〜64に対して制御信号をシリアル信号方式で出力するLVDSドライバ154−1〜154−4は、各発光体回路基板61〜64において受信した制御信号を複数系統に分離してシリアル信号方式で各発光体ドライバに出力するシリアル信号中継装置161よりも、高速のシリアル信号方式で制御信号を出力する。第1通信経路は、演出制御基板12から各発光体回路基板61〜64までを接続する基板間のシリアル信号配線を含み、配線長が長くなることが多い。そこで、第1通信経路ではデータ通信速度が第2通信経路よりも高速のシリアル信号方式で制御信号が伝送され、各発光体回路基板61〜64に搭載されたシリアル信号中継装置161にて制御信号を複数系統に分離して中継することで、基板間の配線数が増大することを防止して製造コストを抑制するとともに、シリアル信号配線からの放射ノイズを好適に抑制することができる。
第1通信経路では基準クロックをそのまま用いることでスペクトラム拡散が行われない一方、第2通信経路では基準クロックを周波数変調することによるスペクトラム拡散が行われてもよい。このように、低電圧で伝送可能なシリアル信号方式となるLVDS方式が用いられる第1通信経路では、基準クロックの変調を行わないように設定するのに対し、第2通信経路では、基準クロックを周波数変調したスペクトラム拡散クロック(SSC)を用いたシリアル信号方式で制御信号が伝送される。例えば振幅(電圧)が約0.35Vといった低電圧のシリアル信号方式では、高電圧の場合よりも放射ノイズが抑制されやすいので、スペクトラム拡散を行わなくても放射ノイズが増大しにくくなり、回路構成が簡単になり製造コストの増加を防止することができる。こうしたスペクトラム拡散クロックを用いたシリアル信号方式で制御信号が伝送されることにより、シリアル信号配線からの放射ノイズを好適に抑制することができる。
第1通信経路でも、スペクトラム拡散クロックを用いたシリアル信号方式で制御信号が伝送されてもよい。例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のシリアル通信回路137は、図11に示すシリアル信号中継装置161の中継制御部161B0と同様の拡散制御部161B1および出力制御部161B2などを備え、基準クロックを周波数変調した変調クロックを用いてシリアル通信を行うようにしてもよい。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ120のシリアル通信回路137は、基準クロックを周波数変調などの所定変調方式で変調した変調クロックを用いたシリアル通信が可能であり、シリアル通信の設定を行う拡散制御部や出力制御部などを備えていてもよい。
図14は、発光体回路基板61〜64のそれぞれにおいて用いられるクロック信号の具体例を示している。各発光体回路基板61〜64では、シリアル信号中継装置161が備える中継制御部161B0の拡散制御部161B1により、基準クロックを周波数変調することによるスペクトラム拡散を行うか否かや、スペクトラム拡散を行う場合におけるクロック変調パラメータが設定される。クロック生成回路161Cは、拡散制御部161B1の設定に応じてスペクトラム拡散クロックを生成することができる。図14に示す例では、発光体回路基板61〜64のそれぞれにおいて、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、拡散量などの変調設定を異ならせている。例えば図14(A)に示すように、発光体回路基板61では、基準クロックを周波数変調することなく、シリアル通信用の駆動クロックとなるシリアルクロックSC1に用いる。一方、図14(B)〜(D)に示すように、発光体回路基板62〜64では、基準クロックを周波数変調したスペクトラム拡散クロックを、シリアル通信用の駆動クロックとなるシリアルクロックSC2〜SC4に用いる。
図9に示すような発光体制御基板16Cは、4つの発光体回路基板61〜64に対応して制御信号を出力するためのシリアル出力系統として、4系統の信号出力構成に対応するパラレル−シリアル変換回路153−1〜153−4やLVDSドライバ154−1〜154−4が搭載されている。そして、発光体回路基板61〜64ごとに、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、クロック変調パラメータに応じた変調の設定を異ならせることで、4系統のシリアル出力系統ごとに、基準クロックを周波数変調してスペクトラム拡散クロックを生成するための設定を異ならせることができる。このように、シリアル信号配線の系統に応じて異なる周波数変調の設定を行うことにより、発光体回路基板61〜64の全体における放射ノイズを好適に抑制することができる。
図14に示す例では、発光体回路基板61〜64ごとに、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、拡散量などの変調設定を異ならせている。これに対して、発光体回路基板の基板内でも、シリアルデータを分離して供給する複数系統のシリアル出力系統ごとに、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、拡散量などの変調設定を異ならせてもよい。例えば図11に示す発光体回路基板61に搭載されたシリアル信号中継装置161のように、シリアルデータを3系統に分離して発光体駆動部162へ供給する場合には、第1系統〜第3系統のシリアル出力系統ごとに、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、拡散量などの変調設定を異ならせてもよい。このように、発光体回路基板の基板内でも、シリアル信号配線の系統に応じて異なる周波数変調の設定を行うことにより、各発光体回路基板61〜64からの放射ノイズをさらに抑制することができる。あるいは、演出制御基板12から各発光体回路基板61〜64までを接続する第1通信経路であるか、各発光体回路基板61〜64の基板上における第2通信経路であるかに応じて、異なる周波数変調の設定を行うようにしてもよい。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、各種の入賞口を通過(進入)した場合に、賞球としての遊技球が払い出される。第1始動入賞や第2始動入賞の発生に基づいて特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となった場合には、特別可変入賞球装置7に設けられた大入賞口が開放されて遊技球が通過(進入)しやすい状態となることで、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態となる。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、遊技制御プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる遊技制御プロセス処理では、RAM102に設けられた遊技プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図15は、遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す遊技制御プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、まず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS11)。一例として、ステップS11では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bから伝送される検出信号となる始動入賞信号の入力状態(オン/オフ)をチェックして、オン状態であれば始動入賞が発生したと判定すればよい。
ステップS11にて始動入賞が発生した場合には(ステップS11;Yes)、入賞時乱数を格納する(ステップS12)。一例として、ステップS12の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵(または外付)の乱数回路104や、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてRAM102とは別個に設けられた内部レジスタを用いて構成されたランダムカウンタなどのうち、少なくとも一部により更新される遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値)を示す数値データの一部または全部を抽出する。このとき抽出された乱数値は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた保留用乱数値記憶部などに、保留番号と対応付けた保留データとして記憶されればよい。
ステップS12の処理に続いて、始動入賞時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS13)。一例として、ステップS13の処理では、始動入賞の発生を通知する始動入賞指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われればよい。ステップS11にて始動入賞が発生していない場合や(ステップS11;No)、ステップS13の処理を実行した後には、遊技プロセスフラグの値を判定する(ステップS21)。そして、遊技制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。
例えば、遊技プロセスフラグの値が“0”であるときには、図柄の可変表示(可変表示ゲーム)が開始可能であるか否かを判定する(ステップS101)。一例として、ステップS101の処理では、保留用乱数値記憶部の記憶内容をチェックすることなどにより、可変表示ゲームの保留数が「0」であるか否かを判定する。このとき、保留数が「0」以外である場合には、可変表示の始動条件が成立した後、未だ開始条件が成立していない可変表示の保留が行われていることから、可変表示が開始可能であると判定する。これに対して、保留数が「0」である場合には、可変表示が開始不可能であると判定する。可変表示が開始不可能であるときには(ステップS101;No)、遊技制御プロセス処理を終了する。
ステップS101にて可変表示が開始可能であるときには(ステップS101;Yes)、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定する(ステップS102)。特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果は、特図表示結果と称される。ステップS102の処理では、保留用乱数値記憶部において先頭(保留番号が最小の記憶領域)に記憶されている遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値など)を読み出す。保留用乱数値記憶部から読み出した遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた可変表示用乱数バッファなどに一時記憶させておけばよい。そして、可変表示結果決定用の乱数値と可変表示結果決定テーブルとを用いて、可変表示結果を「大当り」とするか否かを所定割合で決定する。ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」に決定されるように、可変表示結果決定テーブルにおける判定値が設定されていればよい。
ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときには、さらに遊技状態決定用の乱数値と遊技状態決定テーブルとを用いて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態といった特別遊技状態とするか否かの決定を行う。これらの決定結果に対応して、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定すればよい。
ステップS102の処理に続いて、内部フラグなどの設定を行う(ステップS103)。一例として、ステップS103の処理では、ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする。また、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定されたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変確定フラグをオン状態にセットするなどして、確変状態となることを特定可能に記憶しておいてもよい。その後、遊技プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS104)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“1”であるときには、変動パターンなどを決定する(ステップS111)。図16は、パチンコ遊技機1において用いられる変動パターンの設定例を示している。各変動パターンは、可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定図柄が導出表示されるまでの所要時間(可変表示時間)や演出態様の概略を特定可能に示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、メイン画像表示装置5MAにおいて可変表示される飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。変動パターンは、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における変動時間(可変表示時間)ごとに、予め複数パターンが用意されている。したがって、変動パターンを決定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を決定することができる。
ステップS111の処理では、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パターン決定用の乱数値と変動パターン決定テーブルとを用いて、使用パターンとなる変動パターンを所定割合で決定する。このときには、各変動パターンの決定割合を、可変表示結果が「大当り」に決定されたか否かに応じて異ならせることにより、各変動パターンに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)を異ならせることができる。
また、ステップS111の処理では、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合の変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。あるいは、変動パターンを決定するより前に、リーチ決定用の乱数値とリーチ決定テーブルとを用いて、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かを決定するようにしてもよい。すなわち、ステップS111の処理では、可変表示結果やリーチ有無の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができればよい。
ステップS111の処理に続いて、可変表示開始時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS112)。一例として、ステップS112の処理では、可変表示の開始を指定する可変表示開始コマンドとして、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コマンドや、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを通知する変動パターン指定コマンドなどを、送信するための設定が行われればよい。また、可変表示の開始により保留数が減少することに対応して、減少後の保留数を通知する保留数通知コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
ステップS112の処理により変動パターンが決定されたことに対応して、可変表示時間が設定される。また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bのいずれかによる特別図柄の可変表示を開始させるための設定が行われてもよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかに対して所定の駆動信号を伝送することにより、図柄の可変表示が開始されればよい。いずれの特別図柄表示装置における特別図柄を用いた特図ゲームを実行するかは、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したことに基づく特図ゲームであるかに応じて、設定されればよい。より具体的には、第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが行われる。一方、第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが行われる。その後、遊技プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS113)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“2”であるときには、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS121)。そして、可変表示時間が経過していない場合には(ステップS121;No)、特別図柄の可変表示制御を行ってから(ステップS122)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示時間が経過した場合には(ステップS121;Yes)、特別図柄の可変表示を停止させ、確定図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS123)。
ステップS123の処理に続いて、可変表示終了時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS124)。一例として、ステップS124の処理では、可変表示の終了(停止)を指示する可変表示終了コマンドや、可変表示結果が「大当り」の場合に大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)などを、送信するための設定が行われればよい。
ステップS124の処理を実行した後には、可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS125)。そして、可変表示結果が「大当り」である場合には(ステップS125;Yes)、遊技プロセスフラグの値を“3”に更新してから(ステップS126)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS125;No)、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS127)、遊技制御プロセス処理を終了する。なお、ステップS127の処理が実行されるときには、確変状態や時短状態を終了させるか否かの判定を行い、所定条件の成立に基づき終了させると判定したときに、これらの遊技状態を終了して通常状態に制御するための設定が行われてもよい。
遊技プロセスフラグの値が“3”であるときには、所定の大当り終了条件が成立したか否かに応じて、大当り遊技状態を終了させるか否かを判定する(ステップS131)。大当り終了条件は、例えば大当り遊技状態において実行されるラウンドがすべて終了したことなどであればよい。大当り遊技状態を終了させない場合には(ステップS131;No)、大当り時における遊技動作制御を行ってから(ステップ132)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、大当り遊技状態を終了させる場合には(ステップS131;Yes)、大当り終了後の遊技状態を制御するための設定を行う(ステップS133)。
一例として、ステップS133の処理では、確変確定フラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。これにより、可変表示結果を「大当り」とすることに決定したときに、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定された場合には、この決定結果に対応して遊技状態を確変状態に制御することができる。時短状態に制御する場合にも、これに相当する設定が行われればよい。その後、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS134)、遊技制御プロセス処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受ける。起動用の電力供給が開始された演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU130が演出制御メイン処理を実行する。
この実施の形態において、演出制御メイン処理では、予め定められたメモリ検査条件が成立することにより、メモリ検査処理が実行される場合がある。メモリ検査処理は、ROM121や演出データメモリ123A〜123Cに記憶しているプログラムやデータが正常であるか否かを判定する判定処理となる。メモリ検査処理では、判定処理としてチェックサム処理を実行することで、ROM121や演出データメモリ123A〜123Cの記憶内容を検査して、検査結果となるチェックサムを表示可能とする。また、演出制御メイン処理は、演出制御用のタイマ割込みが発生したことに基づいて実行される演出制御プロセス処理といった、各種の演出装置による演出を制御するための処理を含んでいる。
また、演出制御メイン処理では、予め定められた原点確認条件が成立することにより、可動部材51〜54の原点位置を確認する場合がある。可動部材51〜54の原点位置は、例えば図4(A)に示すような退避状態に対応する位置であり、可動部材51、52のそれぞれがメイン画像表示装置5MAの上方に配置されるとともに、可動部材53、54のそれぞれがメイン画像表示装置5MAの下方に配置される位置として、予め定められていればよい。原点確認条件が成立した場合には、可動部材51〜54の初期動作を実行して、可動部材51〜54のそれぞれを原点位置とするための制御が行われる。このときには、第1位置検出センサ51Aや第2位置検出センサ52Aにより可動部材51〜54などの位置を検出した結果に基づいて、可動部材51〜54を原点位置に停止させることができたか否かの確認が行われる。そして、原点位置に停止させることができなかった場合には、原点異常が発生したとして、異常報知が行われる。
図17は、CPU130が実行する演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す演出制御メイン処理において、CPU130は、まず、基板の接続状態を確認する(ステップS51)。ステップS51では、例えば演出制御基板12が主基板11と接続されているか否かと、演出制御基板12が演出制御用中継基板16Aと接続されているか否かとを特定する。主基板11との接続確認を行うために、CPU130は、内部タイマによる計時を開始した後、主基板11から送信される初期化コマンドまたは電源復旧コマンドを受信したかどうかを判定してもよい。そして、初期化コマンドまたは電源復旧コマンドを受信することなく計時開始から所定時間が経過した場合には、演出制御基板12と主基板11とが未接続状態であると判定すればよい。
図18(A)、(B)は、演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとを接続するための構成例を示している。図18(A)に示すように、演出制御基板12には、ハーネスHN1の一端に設けられたコネクタ(プラグ)を挿入することで、演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとを物理的および電気的に接続するためのコネクタ(ソケット)CN1が設けられている。図18(B)に示すように、演出制御用中継基板16Aには、ハーネスHN1の他端に設けられたコネクタ(プラグ)を挿入することで、演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとを物理的および電気的に接続するためのコネクタ(ソケット)CN2が設けられている。ハーネスHN1は、多数の配線ケーブルを結束して構成されたものであればよい。演出制御基板12に設けられたコネクタCN01は、端子TM01〜TM24を備えている。演出制御用中継基板16Aに設けられたコネクタCN11は、端子TN01〜TN24を備えている。コネクタCN01が備える端子TM01〜TM24と、コネクタCN11が備える端子TN01〜TN24は、コネクタCN01およびコネクタCN11にハーネスHN1が取り付けられた場合に、それぞれ対応する番号の端子(例えば端子TM01と端子TN01)が物理的および電気的に接続される関係であればよい。
図18(C)は、演出制御基板12に設けられたコネクタCN01が備える端子TM01〜TM24に対応する入出力内容の設定例を示している。コネクタCN01が備える端子TM01〜TM24は、グランド(GND)やVSL(AC24Vを整流および平滑)、VDL(DC12V)、VCL(DC5V)といった、各種の電圧を提供可能とする。また、端子TM01〜TM24には、駆動制御基板16Bや発光体制御基板16Cあるいは発光体回路基板61〜64に搭載されたドライバIC用のデータ信号やクロック信号を供給する端子TM03、TM04や、シリアル信号方式で各種データを送受信するための端子TM05〜TM08などが含まれている。さらに、端子TM01〜TM24のうちの端子TM22には、演出制御用中継基板16Aとの接続確認に用いられる信号SM1が入力可能となる。図18(A)、(B)に示すように、コネクタCN01の端子TM20、TM21から出力されたVCLの電圧は、ハーネスHN1を介して、演出制御用中継基板16Aに設けられたコネクタCN11の端子TN20、TN21に供給される。コネクタCN11の端子TN20〜TN22は、演出制御用中継基板16Aの基板上で短絡されていればよい。したがって、ハーネスHN1が接続された状態の場合には、コネクタCN11の端子TN22からハーネスHN1を介して、演出制御基板12に設けられたコネクタCN01の端子TM22へと、VCLに対応する電圧が供給される。これに対し、ハーネスHN1が接続されていない未接続状態の場合には、演出制御基板12に設けられたコネクタCN01の端子TM22に対する電圧の供給が行われない。
図17に示すステップS51において、演出制御用中継基板16Aとの接続状態を確認するために、CPU130は、演出制御基板12に設けられたコネクタCN01の端子TM22における信号SM1の入力状態を判定する。そして、信号SM1がVCLに対応した高電圧状態であれば、演出制御基板12と演出制御用中継基板16AとがハーネスHN1を介して接続された状態であると判定する。これに対し、信号SM1が電圧未供給に対応した低電圧状態であれば、演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとが未接続状態であると判定する。このように、接続確認用端子となる端子TM22における電圧に基づいて、演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとの接続状態を確認すればよい。
ステップS51による接続状態の確認結果に基づいて、演出制御用中継基板16Aとの接続があるか否かを判定する(ステップS52)。ステップS52では、端子TM22における信号SM1がVCLに対応した高電圧状態である場合に演出制御用中継基板16Aとの接続ありと判定するのに対し、端子TM22における信号SM1が電圧未供給に対応した低電圧状態である場合に演出制御用中継基板16Aとの接続なしと判定すればよい。ステップS52にて接続なしと判定された場合には(ステップS52;No)、中継未接続フラグをオン状態にセットする(ステップS53)。中継未接続フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵されたワークRAM132あるいは演出制御用マイクロコンピュータ120に外付けされたRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に予め用意されていればよい。ステップS52にて接続ありと判定された場合には、ステップS53の処理を実行しないことで、中継未接続フラグがオフ状態に維持される。
続いて、ステップS51による接続状態の確認結果に基づいて、主基板11との接続があるか否かを判定する(ステップS54)。ステップS54では、計時開始から所定時間が経過するまでに初期化コマンドまたは電源復旧コマンドの受信があった場合に主基板11との接続ありと判定するのに対し、初期化コマンドまたは電源復旧コマンドの受信がないまま所定時間が経過した場合に主基板11との接続なしと判定すればよい。なお、コマンド受信の有無に応じて接続の有無を判定するものに限定されず、演出制御用中継基板16Aとの接続状態と同様に、接続確認用端子となる所定端子における電圧に基づいて、主基板11との接続があるか否かを判定してもよい。ステップS54にて接続なしと判定された場合には(ステップS54;No)、メモリ検査処理(ステップS55)を実行した後、ループ処理を実行して待機する。
この実施の形態では、主基板11と演出制御基板12との間で各種の制御信号を伝送するコマンド線としてのケーブルを結束したハーネスが接続されていない状態で電力供給が開始された場合には、メモリ検査条件が成立して、ステップS55にてメモリ検査処理が実行される。これに対し、主基板11と演出制御基板12との間でハーネスが接続された状態で電力供給が開始された場合には、メモリ検査条件が不成立となり、ステップS55のメモリ検査処理が実行されない。このように、主基板11と演出制御基板12との間に取り付けられるコマンド線となるケーブル(ハーネス)を抜いた状態でパチンコ遊技機1の電源投入が行われることにより、メモリ検査条件が成立するようにしてもよい。
なお、メモリ検査条件は、コマンド線を抜いた状態で電源投入が行われることにより成立するものに限定されず、例えばプッシュボタン31Bが押下された状態で電源投入が行われることにより成立するものであってもよい。あるいは、例えば開閉可能な遊技機用枠3が開放された状態で電源投入が行われることによりメモリ検査条件が成立してもよい。その他、予め定められた任意の状態が検知されることにより、メモリ検査条件が成立するようにしてもよい。
ステップS55のメモリ検査処理では、ROM121や演出データメモリ123A〜123Cの記憶データを用いたチェックサム演算などが行われ、演算結果などをメイン画像表示装置5MAの画面上に表示可能とすればよい。メモリ検査処理が実行された場合には、パチンコ遊技機1の電源スイッチを一旦オフとした後、コマンド線としてのケーブル(ハーネス)を接続した状態で再び電源スイッチをオンとすることで、演出の制御を実行可能な状態とすればよい。あるいは、コマンド線としてのケーブル(ハーネス)を接続してリセットスイッチを押下することで、電源の再投入を行うことなく、演出の制御を実行可能な状態としてもよい。あるいは、パチンコ遊技機1の電源スイッチを一旦オフとした後、プッシュボタン31Bが押下されていない状態で電源投入を行うことで、演出の制御を実行可能な状態としてもよい。その他、予め定められた演出制御条件が成立することで、ステップS56に進み、演出の制御を実行可能な状態としてもよい。
ステップS54にて接続ありと判定された場合には(ステップS54;Yes)、初期設定処理(ステップS56)が実行される。ステップS56の初期設定処理では、例えばRAM122における記憶領域のクリアや各種初期値の設定、演出制御用のタイマ割込みを発生させるCTC(カウンタおよびタイマ回路)のレジスタ設定などが行われる。この実施の形態では、演出制御用の第1タイマ割込みと、転送通信設定用の第2タイマ割込みとが、定期的に発生可能となるように設定されればよい。ステップS56の初期設定処理には、演出データ転送処理が含まれてもよい。演出データ転送処理は、ROM121や演出データメモリ123A〜123Cに格納されて各種の演出装置による演出の実行に用いられるプログラムおよびデータのうちで、予め定められたデータ(プログラムモジュールを構成するバイナリーコードなどを含む)を、RAM122やワークRAM132などへと転送するための処理であればよい。また、初期設定処理では、演出データ転送処理による演出データの転送とともに、可動部材51〜54および装飾部材57による初期動作の実行制御が行われてもよい。このとき行われる初期動作は、例えば可動部材51〜54を退避状態から進出状態となるように変化(移動)させ、所定時間が経過するまで進出状態で停止させた後に、退避状態へと戻す動作などであればよい。
ステップS56にて初期設定処理を実行した後には、中継未接続フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS57)。中継未接続フラグがオフである場合には(ステップS57;No)、演出制御用中継基板16Aが接続された状態であることに対応して、可動部材51〜54などの原点位置を確認する(ステップS58)。この場合には、原点異常があるか否かを判定し(ステップS59)、原点異常があるときには(ステップS59;Yes)、原点異常の報知を行って(ステップS60)、ステップS58に戻る。なお、ステップS60により原点異常の報知を行った後は、ステップS61に進むようにしてもよい。
ステップS58では、例えば可動部材51〜54の原点位置を確認するために、第1位置検出センサ51Aおよび第2位置検出センサ52Aによる位置検出信号を取得する。第1位置位置センサ51Aによる位置検出信号は、可動部材51〜54のうちで可動部材51、52の位置を直接的または間接的に検出した結果を示している。第2位置検出センサ52Aによる位置検出信号は、可動部材51〜54のうちで可動部材53、54の位置を直接的または間接的に検出した結果を示している。図18(A)に示す演出制御基板12に設けられたコネクタCN01では、図18(C)に示すシリアル受信用の端子TM07に入力される信号で示されるシリアルデータのうちに、第1位置検出センサ51Aおよび第2位置検出センサ52Aによる位置検出信号が含まれていればよい。CPU130は、シリアル通信回路137によって受信したシリアルデータに含まれる第1位置検出センサ51Aおよび第2位置検出センサ52Aの検出結果を確認することで、可動部材51〜54の位置検出信号に基づいて、可動部材51〜54が原点位置にあるか否かを確認できればよい。ステップS60による原点異常の報知は、例えばメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上における画像表示、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9に含まれる報知ランプあるいは遊技効果ランプ9とは別個に設けられた報知ランプの点灯、その他の演出装置を用いた報知動作、あるいは、これらの一部または全部の組合せなどによって、実行可能となるものであればよい。さらに、演出制御基板12に設けられた特定端子からの信号出力を、原点異常の有無に応じて異なる出力状態としてもよい。このように、可動部材の異常報知は、任意の出力を制御することにより実現可能なものであればよい。
ステップS57にて中継未接続フラグがオンであると判定された場合には、演出制御基板12に設けられたコネクタCN01と、ハーネスHN1および演出制御用中継基板16Aに設けられたコネクタCN11との接続がなく、演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとが未接続状態となっている。この場合に、コネクタCN01の端子TM07には第1位置検出センサ51Aや第2位置検出センサ52Aによる検出結果を示すシリアルデータの入力(シリアル受信)がない。そのため、仮に可動部材51〜54などの原点位置を確認したとしても、原点異常ありと判定されてしまい、異常報知が実行されてしまうことになる。特に、製造段階や開発段階において、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120の動作確認などを行う目的で、演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとが未接続状態のときに電源投入を行うことがある。このような製造段階や開発段階における異常報知の頻発を防止して作業効率を向上するために、ステップS57にて中継未接続フラグがオンであるとの判定に対応して、ステップS58〜S60を実行しないようにする。これにより、演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとが未接続状態となっている場合には、可動部材51〜54の原点位置を確認せず、原点異常の発生による異常報知を実行しない。
ステップS57にて中継未接続フラグがオンであると判定された場合や(ステップS57;Yes)、ステップS59にて原点異常がないと判定された場合には(ステップS59;No)、タイマ割込みを禁止とする設定を行い(ステップS61)、演出用乱数更新処理を実行してから(ステップS62)、タイマ割込みを許可する設定を行って(ステップS63)、ステップS61に戻る。こうして、タイマ割込みが発生するまで、ステップS62の演出用乱数更新処理を繰り返し実行可能にする。ステップS62の演出用乱数更新処理では、演出用乱数となる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。演出用乱数は、演出制御に用いる各種の乱数値としてカウントされる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵(または外付け)された乱数回路を用いて、ハードウェアにより更新される演出用乱数については、演出用乱数更新処理では更新されなくてもよい。あるいは、ハードウェアにより更新される乱数値を示す数値データを用いて、ソフトウェアにより演出用乱数が更新されてもよい。
図19は、図17に示す演出制御メイン処理のステップS60による異常報知の実行例を示している。図19に示す実行例では、メイン画像表示装置5MAの画面上における画像表示により、原点異常の発生を報知する。このときには、第1位置検出センサ51Aや第2位置検出センサ52Aなどによる検出結果を示す位置検出信号に基づいて、図3に示す演出可動機構50における上側機構(上側役物)50Tと下側機構(下側役物)50Bのいずれに異常が生じているかを特定可能なエラーメッセージが表示されてもよい。図19に示されたエラーメッセージは、第2位置検出センサ52Aから取得した位置検出信号に基づいて、下側機構50Bが備える2つの可動部材53、54のいずれかに、異常が生じていることを特定可能にする。このように、複数の可動部材を用いて構成された複数種類の役物のうち、いずれの種類の役物に異常が生じているかを遊技場の店員等が認識可能な報知態様で、可動部材の異常報知が行われるようにしてもよい。
なお、メイン画像表示装置5MAの表示画面は、演出可動機構50の上側機構と下側機構とが進出状態である場合に、視認困難または視認不可能となる。そのため、メイン画像表示装置5MAの画面上における画像表示により可動部材の異常報知を行った場合には、遊技場の店員等が異常発生を認識困難または認識不可能となるおそれがある。そこで、メイン画像表示装置5MAなどによる画像表示とともに、あるいは画像表示に代えて、演出可動機構50の上側機構や下側機構の状態にかかわらず視認可能な報知ユニットを用いて、可動部材の異常報知が行われるようにしてもよい。このような報知ユニットとして、例えば遊技機用枠3の上部位置に設けられて、遊技効果ランプ9に含まれる、あるいは遊技効果ランプ9とは別個に設けられた、複数の報知用発光部材が用いられてもよい。これらの報知用発光部材は、例えばLEDを用いて構成されていればよい。複数の報知用発光部材による点灯態様の組合せに応じて、いずれの種類の役物に異常が生じているかを遊技場の店員等が認識可能な報知態様で、可動部材の異常報知が行われるようにしてもよい。一例として、報知ユニットが第1報知用発光部材と第2報知用発光部材とを含む場合に、図17に示す演出制御メイン処理のステップS60では、演出可動機構50の上側機構に異常が発生すれば第1報知用発光部材が点灯する一方、演出可動機構50の下側機構に異常が発生すれば第2報知用発光部材が点灯するように、報知ユニットの点灯制御が行われてもよい。このように、可動部材の状態にかかわらず認識可能な報知ユニットを用いて可動部材の異常報知を行うことで、可動部材の状態によって認識困難または認識不可能となる構成がある場合でも、可動部材に異常が発生したことや、いずれの可動部材に異常が発生したかのかを、特定可能に報知することができる。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU130は、演出制御用のタイマ割込み処理の他に、転送通信設定用のタイマ割込み処理や、コマンド受信用の割込み処理を実行可能である。コマンド受信用の割込み処理では、主基板11から中継基板15を介して伝送される演出制御コマンドを、I/O136などから取得できればよい。このとき取得した演出制御コマンドは、例えばワークRAM132またはRAM122の所定領域などに設けられた受信コマンドバッファに一時記憶させればよい。演出制御用のタイマ割込み処理では、コマンド解析処理が実行されることにより、演出制御コマンドの受信があったか否かの判定が行われ、受信があった場合には受信コマンドに対応した設定や制御などが行われる。また、演出制御用のタイマ割込み処理では、演出制御プロセス処理が実行されることにより、例えばメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上における演出用の画像表示、スピーカ8L、8Rからの音声出力、発光体ユニット71〜74のそれぞれに整列配置された複数の発光体における点灯、発光体ユニット71〜74とは異なる遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの各種発光部材における点灯、可動部材51〜54を移動させる動作用モータ60A〜60Cの駆動動作といった、各種の演出装置を用いた動作制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
図20は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理は、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出制御用の第1タイマ割込みが発生したことに基づいて実行可能であればよい。図20に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU130は、RAM122またはワークRAM132の所定領域などに記憶された演出プロセスフラグの値を判定し、演出制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。演出プロセスフラグの判定値に応じて実行される処理には、可変表示開始待ち処理(ステップS170)、可変表示開始設定処理(ステップS171)、可変表示中演出処理(ステップS172)、可変表示停止処理(ステップS173)、大当り表示処理(ステップS174)、大当り中演出処理(ステップS175)、大当り終了演出処理(ステップS176)が含まれている。
可変表示開始待ち処理(ステップS170)は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この処理では、主基板11から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、メイン画像表示装置5MAの画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かの判定などが行われる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。このような第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
可変表示開始設定処理(ステップS171)は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この処理では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、メイン画像表示装置5MAの画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンなどが決定される。また、メイン画像表示装置5MAの画面上にて飾り図柄の可変表示を開始させる制御などが行われて、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
可変表示中演出処理(ステップS172)は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU130は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
可変表示停止処理(ステップS173)は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この処理では、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かに応じた設定などが行われる。例えば、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
大当り表示処理(ステップS174)は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この処理では、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための制御などが行われる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
大当り中演出処理(ステップS175)は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU130は、例えば大当り遊技状態であるときに実行される大当り中演出における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像をメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に表示させたり、発光体ユニット71〜74による表示演出を実行させたりすること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯または消灯あるいは点滅させること、その他の演出制御を実行して、大当り遊技状態に対応した大当り中演出を実行可能にする。大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
大当り終了演出処理(ステップS176)は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU130は、例えば大当り遊技状態が終了するときに実行される大当り終了演出(エンディング演出)における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像の表示や効果音の出力、各種発光部材の点灯または消灯あるいは点滅、その他の演出制御を実行して、大当り遊技状態の終了に対応した大当り終了演出を実行可能にする。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図21は、図20のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU130は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS401)。ステップS401において、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU130は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、CPU130は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、CPU131は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、CPU130は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す飾り図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す飾り図柄)のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。さらに、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。
ステップS401における最終停止図柄などの決定に続いて、予告演出を決定する(ステップS402)。ステップS402では、例えば予めROM121の所定領域に記憶するなどして用意された予告演出決定テーブルを用いて、予告演出の有無や、予告演出を実行する場合の演出態様などが決定されればよい。予告演出決定テーブルでは、例えば可変表示内容に応じて、予告演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、予告演出の有無や演出態様の決定結果に、割り当てられていればよい。CPU130は、演出用乱数のうちで予告演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、予告演出決定テーブルを参照することにより、予告演出の有無や演出態様を決定すればよい。
ステップS402による予告演出の決定に続いて、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS403)。例えば、CPU130は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、CPU130は、ステップS402の処理による予告演出の決定結果に対応して、複数用意された予告演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS403により演出制御パターンを決定した後、CPU130は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122またはワークRAM132の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS404)。そして、メイン画像表示装置5MAにおける飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS405)。このときには、例えばステップS404にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データなどを用いて、メイン画像表示装置5MAの画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS405の処理に続き、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を更新するための設定を行う(ステップS406)。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS407)、可変表示開始設定処理を終了する。
図22(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。図22(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、可動部材制御データ、操作検出制御データ、終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御プロセスタイマ判定値は、RAM122またはワークRAM132の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU130において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切替タイミングなどを示すデータが設定されていてもよい。このような演出制御パターンを構成するパターンデータは、管理データとして、ROM121に予め記憶されていればよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUを用いた演出画像の表示制御を指定するデータである。サブ画像表示装置5SUに対応した演出画像の表示データには、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体による点灯態様を制御する点灯データの作成に用いられる表示データが付加されてもよい。この場合には、表示制御データによりサブ画像表示装置5SUを用いた演出画像の表示制御を指定すれば、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体を用いた点灯制御も指定することができる。表示制御データにより発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体における点灯態様を制御するものに限定されず、表示制御データとは別個の制御データを用いて、複数の発光体における点灯態様が制御されてもよい。
音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。例えば、音声制御データは、ROM121や演出データメモリ123Aにおいて、楽曲などに対応する音声データの開始アドレスと終了アドレスに加え、ループ再生を行うか否かといった、各種の設定を示すものであればよい。
ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体ユニット71〜74以外の各種発光部材における点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、各種発光部材の点灯動作を指定するデータである。なお、ランプ制御データには、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体における点灯動作態様を示すデータが含まれてもよい。可動部材制御データには、例えば可動部材51〜54および装飾部材57を回動させたり移動させたりする動作用モータ60A〜60Cの駆動態様を示すデータといった、可動部材51〜54および装飾部材57の動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、可動部材制御データは、可動部材51〜54の回動動作や移動動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ31Aの操作桿に対する指示操作(傾倒操作)とトリガボタンに対する指示操作(押引操作)とを有効に検出する操作有効期間、あるいはプッシュボタン31Bに対する指示操作(押下操作)を有効に検出する操作有効期間や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、可動部材制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用模型が備える可動部材における動作態様を示す演出用模型制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図22(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU130は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像をメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に表示させる制御を行う。また、表示制御データにより指定される態様で発光体ユニット71〜74に整列配置された複数の発光体を点灯させて表示演出を実行する制御を行ってもよい。さらに、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9等の各種発光部材を点滅させる制御を行う。その他、可動部材制御データにより指定される態様で動作用モータ60A〜60Cの駆動力により可動部材51〜54および装飾部材57を動作させる制御を行うとともに、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aのトリガボタンや操作桿あるいはプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU130は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122やワークRAM132の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122やワークRAM132の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、CPU130は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(メイン画像表示装置5MA、サブ画像表示装置5SU、発光体ユニット71〜74、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9を含む各種発光部材、可動部材51〜54および装飾部材57の駆動力を生成する動作用モータ60A〜60Cなど)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、可動部材制御データ#1〜可動部材制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った各種データの伝送は、演出制御用マイクロコンピュータ120の内部回路によって制御される。例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のFPU131は、CPU130により設定されたパラメータを用いた浮動小数点演算を実行することにより生成した演出画像の表示データを、ワークRAM132の所定領域に一時記憶させる。DMAコントローラ134は、CPU130による転送用のパラメータ設定に基づいて、DMA転送を制御する。DMA転送は、読出アドレスのバス出力、読出信号出力、書込アドレスのバス出力、書込信号出力を含む一連の処理を、CPU130を介することなく、読出アドレスおよび書込アドレスをインクリメント(1加算)しながら連続的に実行することで、データ転送を実現する転送方式である。DMAコントローラ134は、ワークRAM132、あるいは、ROM121、RAM122、演出データメモリ123A〜123Cの所定領域や、CPU130またはDMAコントローラ134の内蔵レジスタに対応する読出アドレスが設定され、I/O136の出力ポートやシリアル通信回路137の送信データレジスタ144Rに対応する書込アドレスが設定された場合に、演出制御用マイクロコンピュータ120から外部装置に対するデータ送信を行うためのDMA転送を可能にする。これに対し、DMAコントローラ134は、I/O136の入力ポートやシリアル通信回路137の受信データレジスタ143Rに対応する読出アドレスが設定され、RAM122またはワークRAM132の所定領域やCPU130またはDMAコントローラ134の内蔵レジスタに対応する書込アドレスが設定された場合に、演出制御用マイクロコンピュータ120の外部装置からデータ受信を行うためのDMA転送を可能にする。このように、DMAコントローラ134は、CPU130の内蔵レジスタやワークRAM132の所定領域といった演出の実行を制御するために用いられる記憶領域と、シリアル通信回路137の受信データレジスタ143Rや送信データレジスタ144Rといったシリアル通信を行うために用いられる記憶領域との間で行われるデータの転送を制御することができる。
例えば、図8(B3)に示す演出データメモリ123Cの先頭アドレスとなるアドレスMA30+1からアドレスMA31までのうち、いずれかのアドレスが読出アドレスに設定され、シリアル通信回路137の送信データレジスタ144Rに対応する書込アドレスが設定された場合には、DMAコントローラ134の制御によりCPU130を介することなくモータデータの転送が行われる。シリアル通信回路137にて送信データレジスタ144Rに格納されたモータデータは、送信シフトレジスタ144Sに転送された後に、シリアルデータとしてシリアル送信される。図18(A)に示す演出制御基板12に設けられたコネクタCN01では、図18(C)に示すシリアル送信用の端子TM05から出力される信号で示されるシリアルデータのうちに、動作用モータ60A〜60Cの駆動制御内容を示すモータデータが含まれていればよい。こうして演出制御用マイクロコンピュータ120のシリアル通信回路137によりシリアル送信されたモータデータは、演出制御基板12から演出制御用中継基板16Aを介して駆動制御基板16Bへと伝送され、動作用モータ60A〜60Cの駆動制御に用いられる。こうして、シリアル通信回路137は、複数の可動部材51〜54や装飾部材57を動作させる動作用モータ60A〜60Cに対して、シリアル通信により動作指令を送信可能にする。
DMAコントローラ134の制御によりCPU130を介することなく発光データの転送が行われてもよい。この場合には、例えば図8(B3)に示す演出データメモリ123CのアドレスMA31+1からMA40までのうち、いずれかのアドレスが読出アドレスに設定され、シリアル通信回路137の送信データレジスタ144Rに対応する書込アドレスが設定されるようにすればよい。シリアル通信回路137にて送信データレジスタ144Rに格納された発光データは、送信シフトレジスタ144Sに転送された後に、シリアルデータとしてシリアル送信される。こうして演出制御用マイクロコンピュータ120のシリアル通信回路137によりシリアル送信された発光データは、演出制御基板12から演出制御用中継基板16Aを介して発光体制御基板16Cへと伝送され、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体の点灯制御、あるいは、その他の装飾用LEDを構成する発光部材の点灯制御に、用いられることができるようにすればよい。こうして、シリアル通信回路137は、1または複数の発光部材を点灯させる制御を行う発光体制御基板16Cなどに対して、シリアル通信により点灯指令を送信可能にしてもよい。
図23は、図20のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す可変表示中演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU130は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。一例として、ステップS451では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS451にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS451;No)、各種演出の実行期間であるか否かを判定する(ステップS452)。各種演出の実行期間は、例えば図21に示すステップS403の処理にて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。各種演出の実行期間ではないときには(ステップS452;No)、可変表示中演出処理を終了する。各種演出の実行期間であるときには(ステップS452;Yes)、演出制御処理を実行してから(ステップS453)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS451にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS451;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS454)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS454;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS454にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS454;Yes)、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS455)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS456)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS457)、可変表示中演出処理を終了する。
図24は、転送通信設定処理の一例を示すフローチャートである。転送通信設定処理は、演出制御用マイクロコンピュータ120において転送通信設定用の第2タイマ割込みが発生したことに基づいて実行可能であればよい。図24に示す転送通信設定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU130は、センサ状態データを取得する(ステップS191)。センサ状態データは、例えば第1位置検出センサ51Aや第2位置検出センサ52Aといった、センサによる検出結果を示すデータである。演出制御用マイクロコンピュータ120では、DMAコントローラ134の制御によるDMA転送が行われ、シリアル通信回路137の受信データレジスタ143Rに一時記憶されたセンサ状態データが読み出されて、RAM122またはワークRAM132の所定領域やDMAコントローラ134の内蔵レジスタなどに格納される。CPU130は、DMAコントローラ134の内蔵レジスタなどに格納されたセンサ状態データを読み出して、ワークRAM132の所定領域やCPU130の内蔵レジスタなどに格納すればよい。このとき、CPU130は、DMAコントローラ134と通信することにより、センサ状態データを取得することがあってもよい。
ステップS191に続いて、DMA転送の停止を確認する(ステップS192)。DMA転送の実行状態は、DMAコントローラ134に内蔵されたアービトレーションステータスレジスタにおいて、シリアル受信用のチャネルに対応するビット値を参照することで、確認できればよい。CPU130は、DMA転送の停止が確認するまで待機してもよい。そして、DMA転送の停止を確認した後には、シリアル通信設定を初期化する(ステップS193)。ステップS193において、CPU130は、例えばシリアル通信回路137の受信データレジスタ143Rにおける格納データを読み出すことにより、受信データレジスタ143Rを初期状態に設定する。このとき受信データレジスタ143Rから読み出されたデータは、センサ状態データなどには使用せず、そのまま破棄(消去)すればよい。また、ステップS193において、CPU130は、例えばシリアル通信回路137の送受信コントローラ142が備える通信設定レジスタ142Aに含まれるシリアルステータスレジスタにおいて、受信データフルに対応するビット値をクリアすることで、通信設定レジスタ142Aを初期状態に設定すればよい。このように、ステップS193では、シリアル通信設定を初期化することにより、例えばシリアル通信による受信データに関する記憶内容といった、シリアル通信に関する記憶内容をリセットする。
ステップS193の後には、受信用DMA転送の設定(ステップS194)、送信用DMA転送の設定(ステップS195)を、順次に行う。ステップS194では、シリアル受信用のチャネルに対応するレジスタの設定などを行うことで、シリアル通信によるデータ受信について、DMA転送のモード設定や、ソースアドレス(読出アドレス)、デスティネーションアドレス(書込アドレス)、転送サイズの指定などが、行われるようにすればよい。ステップS194にて設定されるDMA転送の読出アドレスは、シリアル通信回路137が備える受信データレジスタ143Rのアドレスであればよい。ステップS194にて設定されるDMA転送の書込アドレスは、RAM122またはワークRAM132の所定領域やCPU130またはDMAコントローラ134の内蔵レジスタなどに対応するアドレスであればよい。ステップS195では、シリアル送信用のチャネルに対応するレジスタの設定などを行うことで、シリアル通信によるデータ送信について、DMA転送のモード設定や、ソースアドレス(読出アドレス)、デスティネーションアドレス(書込アドレス)、転送サイズの指定などが、行われるようにすればよい。ステップS195にて設定されるDMA転送の読出アドレスは、RAM122、演出データメモリ123A〜123CまたはワークRAM132の所定領域やCPU130またはDMAコントローラ134の内蔵レジスタなどに対応するアドレスであればよい。ステップS195にて設定されるDMA転送の書込アドレスは、シリアル通信回路137が備える送信データレジスタ144Rのアドレスであればよい。
そして、シリアル通信の開始設定を行ってから(ステップS196)、転送通信設定処理を終了する。ステップS196では、シリアル通信回路137の送受信コントローラ142が備える通信設定レジスタ142Aに含まれる送受信コントロールレジスタの設定などを行うことで、受信データレジスタ143Rと送信データレジスタ144Rをリセットした後にエラーフラグをクリアしてからリセットを解除する。また、通信設定レジスタ142Aに含まれるシリアルコントロールレジスタの設定などを行うことで、シリアル送信動作とシリアル受信動作の開始を許可すればよい。
図24に示す転送通信設定処理では、ステップS191にてCPU130がDMAコントローラ134と通信することによりセンサ状態データを取得する。その後、ステップS192にてDMA転送の停止が確認されると、ステップS196によりシリアル通信の開始設定が行われるより前に、ステップS193にてシリアル通信設定が初期化される。このように、演出制御用マイクロコンピュータ120では、演出制御用のプログラムを実行するCPU130が、DMA転送によるデータの転送を制御するDMAコントローラ134と通信した後、シリアル通信回路137によるシリアル通信を行う前に、シリアル通信回路137におけるシリアル通信に関する記憶内容をリセットする。また、ステップS194にて受信用DMA転送の設定やステップS195にて送信用DMA転送の設定が行われるより前に、ステップS193にてシリアル通信設定が初期化される。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU130がDMAコントローラ134と通信した後、DMAコントローラ134の制御によるデータの転送を行う前に、シリアル通信回路137におけるシリアル通信に関する記憶内容をリセットする。
シリアル通信回路137の受信データレジスタ143Rには、例えば第1位置検出センサ51Aおよび第2位置検出センサ52Aによる検出結果を示す位置検出信号に対応するデータを含むシリアル通信による受信データが格納される。このような受信データレジスタ143Rの記憶データが処理中断などにより残存した状態になると、不適切な検出結果を示すデータが読み出されることなどにより、可動部材51〜54の位置を正確に特定することができない不具合が発生するおそれがある。そこで、演出制御用のプログラムを実行するCPU130がデータの転送を制御するDMAコントローラ134と通信した後には、シリアル通信回路137によるシリアル通信を行う前に、シリアル通信に関する記憶内容をリセットすることにより、通信の不具合を防止して、正確な検出結果を取得することができる。
なお、ステップS193にて初期化されるシリアル通信設定は、受信データレジスタ143Rの記憶内容や受信データフルに対応するビット値といった、シリアル通信による受信データに関する記憶内容に限定されず、シリアル通信に関する任意の記憶内容をリセットするものであればよい。例えば、シリアル通信回路137の送信データレジスタ144Rの記憶内容をリセットしてもよい。送信データレジスタ144Rには、例えば動作用モータ60A〜60Cの駆動制御に用いられるモータデータ、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体または他の発光部材の点灯制御に用いられる発光データなどが格納され、シリアルデータとしてシリアル送信を可能にする。このような送信データレジスタ144Rの記憶データが通信障害などにより残存した状態になると、送信データレジスタ144Rに対する新たなデータの書込みができなくなることなどにより、可動部材51〜54を動作させることができない不具合(フリーズ)が発生したり、発光部材を点灯させることができない不具合が発生したりするおそれがある。あるいは、不適切なデータ送信が行われることにより、可動部材51〜54の動作に異常が発生したり、発光部材の点灯に異常が発生したりするおそれがある。そこで、演出制御用のプログラムを実行するCPU130がデータの転送を制御するDMAコントローラ134と通信した後には、シリアル通信回路137によるシリアル通信を行う前に、シリアル通信に関する記憶内容をリセットすることにより、通信の不具合を防止して、可動部材51〜54の動作や発光部材の点灯を適切に行うことができる。
演出制御用マイクロコンピュータ120のシリアル通信回路137がシリアル信号中継装置161の中継制御部161B0と同様の拡散制御部161B1および出力制御部161B2などを備える場合には、ステップS193にて初期化されるシリアル通信設定として、基準クロックを周波数変調して変調クロックを生成するためのクロック設定パラメータなどの記憶内容をリセットしてもよい。このように、基準クロックを周波数変調などの所定変調方式で変調した変調クロックを用いてシリアル通信が行われる場合に、CPU130がDMAコントローラ134と通信した後には、シリアル通信回路137によるシリアル通信を行う前に、変調クロックの生成に関する記憶内容をリセットしてもよい。なお、CPU130がDMAコントローラ134と通信した後でも、シリアル通信回路137によるシリアル通信が行われている期間では、変調クロックの生成に関する記憶内容がリセットされないようにしてもよい。こうして、ステップS193では、少なくともシリアルデータなどの送受信に関わる記憶内容をリセットできればよい。
図23に示す可変表示中演出処理では、図21に示すステップS403にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン、予告演出制御パターンなど)から演出制御プロセスタイマ値に基づいて取得したプロセスデータを用いて、各種の演出装置による演出動作を実行するための制御が行われる。図20に示すステップS175の大当り中演出処理やステップS176の大当り終了演出処理などにおいても、CPU130がROM121などから演出制御パターンを読み出し、演出制御プロセスタイマ値に基づいて取得したプロセスデータを用いて、各種の演出装置による演出の制御が行われるようにすればよい。
こうした演出制御を行うために、CPU130は、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたか否かの判定を行い、タイムアウトしたらプロセスデータにおける演出制御実行データの切り替えを行う。すなわち、図22(A)に示すようなプロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている表示制御データに基づいて、メイン画像表示装置5MAおよびサブ画像表示装置5SUの表示制御が行われる。この表示制御とともに、発光体ユニット71〜74に整列配置された複数の発光体の点灯制御が行われてもよい。また、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている音声制御データに基づいてスピーカ8L、8Rの音声出力制御が行われる。さらに、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されているランプ制御データに基づいて遊技効果ランプ9や装飾LEDの点灯制御が行われる。プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている可動部材制御データに基づいて動作用モータ60A〜60Cの駆動制御が行われる。その他にも、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている操作検出制御データに基づいてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bによる指示操作の検出制御が行われる。
演出制御用マイクロコンピュータ120では、演出画像の表示に必要なキャラクタ画像データといった各種の画像データを演出データメモリ123A、123Bから読み出し、RAM122またはワークRAM132の所定領域に配置してもよい。演出画像を表示するときには、何度も同じキャラクタ画像が繰返し表示されることがある。演出データメモリ123A、123Bに記憶されている画像データが圧縮されている場合には、これを読み出した後に伸長するための時間を要する。そこで、演出画像の表示を開始する段階で、必要なキャラクタ画像データなどを予め配置することで、各フレームに対応して演出データメモリ123A、123Bから読出しを行うのに比較して、描画に要する時間を短縮することができる。
RAM122やワークRAM132には、画像表示領域や画像描画領域が割り当てられる複数の記憶領域が設けられてもよい。RAM122やワークRAM132とは別個に構成されたVRAMにおいて、画像表示領域や画像描画領域が割り当てられる複数の記憶領域が設けられてもよい。こうした複数の記憶領域のそれぞれには、メインフレームバッファと、サブフレームバッファとが割り当てられている。メインフレームバッファには、メイン画像表示装置5MAの画面上にて画像表示するための表示データが格納される。例えば、メインフレームバッファには、横方向(X軸方向)に800ドット、縦方向(Y軸方向)に600ドットの画素データを記憶可能なメモリエリアが割り当てられる。サブフレームバッファには、サブ画像表示装置5SUの画面上にて画像表示するための表示データが格納されるとともに、発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データの作成に用いられる表示データが格納されてもよい。例えば、サブフレームバッファには、横方向(X軸方向)に480ドット、縦方向(Y軸方向)に885ドットの画素データを記憶可能なメモリエリアが割り当てられる。なお、点灯データの作成に用いられる表示データがサブフレームバッファに格納されるものに限定されず、例えば点灯データの生成に用いられる発光データは、DMAコントローラ134の制御により演出データメモリ123Cからシリアル通信回路134の送信データレジスタ144RにDMA転送された後に、シリアルデータとして発光体制御基板16Cまでシリアル送信されてもよい。
発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データの作成に用いられる画像データは、例えば横方向(X軸方向)に320ドット、縦方向(Y軸方向)に320ドットの画像サイズに対応している。点灯データ作成用の画像データは、横方向(X軸方向)に80ドット、縦方向(Y軸方向)に80ドットの画像サイズに縮小されてもよい。縮小された画像サイズは、複数の発光体が整列配置された発光体ユニット71〜74の解像度に対応している。このように、点灯データ作成用の画像データは、発光体ユニット71〜74の解像度よりも高い解像度を有している。一例として、スーパーサンプリングといったアンチエイリアシング処理を行う。他の一例として、画像データにおける縦横が4ドット×4ドットの矩形範囲ごとに、左上のドットに対応するRGB値を取得して表示データとすることで、縦方向と横方向がそれぞれ1/4に縮小された表示データを作成してもよい。こうして、複数の発光体による表示の解像度よりも高い解像度を有する画像データを用いて、点灯データに変換される表示データを作成する。これにより、例えばキャラクタ画像などの輪郭に発生するジャギーを抑制して、発光体ユニット71〜74における表示の円滑性を高めることができる。特に、キャラクタ画像などの演出画像を移動表示させるときには、輪郭部分を円滑に表示して、発光体ユニット71〜74における表示演出の興趣を向上させることができる。
演出データメモリ123A、123Bから読み出された画像データは、サブフレームバッファにおける所定領域(発光体点灯用データ領域)に書き込まれることで、点灯データの作成に用いられてもよい。一方、画像データがメインフレームバッファに書き込まれることで、メイン画像表示装置5MAの画面上における画像表示に用いられる。他方、画像データがサブフレームバッファにおける発光体点灯用データ領域以外の領域に書き込まれることで、サブ画像表示装置5SUの画面上における画像表示に用いられる。このように、同一の画像データであっても、記憶領域の書込位置に応じて、用途を異ならせることができればよい。こうして、演出データメモリ123A、123Bから読み出されてRAM122またはワークRAM132などに一時記憶される画像データは、メイン画像表示装置5MAまたはサブ画像表示装置5SUの画面上における画像表示用、あるいは、発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データの作成用として、兼用することができればよい。したがって、演出データメモリ123A、123Bに記憶されている画像データは、メイン画像表示装置5MAまたはサブ画像表示装置5SUにおける演出画像の表示制御と、発光体ユニット71〜74の点灯制御とのうち、少なくともいずれかの制御に使用することが可能であればよい。
サブフレームバッファに格納された表示データは、例えば1フレーム分が1/60秒(約16.7ミリ秒)で出力される。これにより、サブ画像表示装置5SUは、1/60秒のフレーム周期で表示画像を更新することができる。発光体制御用のデータも、サブ画像表示用のデータに付加されている場合には、1/60秒の周期で出力可能となる。発光体制御基板16Cでは、演出制御用中継基板16Aを介して演出制御基板12から伝送された表示データを、バッファメモリ151に一時記憶させる。したがって、バッファメモリ151には、1フレーム分の表示データが伝送される1/60秒の周期で、発光体制御用のデータが格納されてもよい。
発光体制御基板16Cにおいて、点灯データ生成回路152は、例えばサブ画像表示装置5SUといった、LCD(液晶表示装置)を用いた画像表示装置のフレーム周期(1/60秒など)よりも、短い周期で複数の発光体を点灯制御するための点灯データを生成してもよい。具体的な一例として、点灯データ生成回路152は、1/120秒(約8.3ミリ秒)の周期で発光体を点灯制御するための点灯データを生成する。このように、点灯データ生成回路152は、演出制御用マイクロコンピュータ120などによる表示データの出力周期(1/60秒)よりも短い周期(1/120秒)で発光体の点灯データを生成して、点灯データに基づく制御信号を出力させる。この場合、バッファメモリ151は、演出制御基板12から演出制御用中継基板16Aを介して伝送される1フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータ、すなわち、80ドット×80ドットの発光体制御用のデータを、格納できる記憶データ容量を有していればよい。また、比較的に短い周期で発光体を点灯させることで、発光体ユニット71〜74のそれぞれに整列配置された複数の発光体で実行される表示演出におけるフリッカー(ちらつき)を抑制して、表示演出の興趣を向上させることができる。発光体の点灯制御は、表示データの出力周期に対して1/2の周期で行われるものに限定されず、例えば、より短い周期(例えば1/3の周期など)といった、表示データの出力周期よりも短い任意の周期で行われるものであればよい。
発光体制御基板16Cでは、1フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータがバッファメモリ151に書き込まれる所要時間よりも長い周期で、点灯データ生成回路152によって生成された点灯データに対応する制御信号の出力を行うように設定されてもよい。このように、点灯データに対応する制御信号が出力される周期よりも短い時間で、1フレーム分に対応する発光制御用のデータをバッファメモリ151に一時記憶させる。これにより、1フレーム分に対応する発光制御用のデータを一時記憶できる記憶データ容量のバッファメモリ151を使用した場合でも、点灯データに対応する制御信号の出力周期よりも短い時間で、点灯データの生成を完了させることができる。
なお、バッファメモリ151は、例えば2フレーム分の画像表示に対応した表示データといった、複数フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータを、格納できる記憶データ容量を有していてもよい。この場合、バッファメモリ151の記憶領域には、複数のバッファ領域が割り当てられる。各バッファ領域は、1フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータを、格納できる記憶データ容量を有していればよい。
点灯データ生成回路152によって生成される点灯データには、複数の発光体のそれぞれを構成する各発光素子の階調制御量を示す階調データが含まれている。例えば、階調データは、PWM制御におけるパルス信号の出力期間(パルス幅)を、階調制御量として示すものであればよい。点灯データ生成回路152は、バッファメモリ151から読み出された表示データにて示される各表示色のレベル(RGB値)に基づいて、予め用意された色変換設定情報となる点灯データ生成テーブルを参照することで、階調制御量を示す階調データを生成する。点灯データ生成テーブルは、点灯データ生成回路152に内蔵(または外付け)されたROMの所定領域などに、予め記憶されていればよい。
点灯データ生成回路152によって生成される点灯データは、変換に用いた表示データに基づいて表示される画像の階調数よりも少ない階調数に対応している。例えば演出制御基板12から演出制御用中継基板16Aを介して伝送されてバッファメモリ151に一時記憶される表示データは、R(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、輝度(階調)が「0」〜「255」のうちいずれかのレベルとなるように、256段階で階調制御を可能にする。このように、演出制御基板12から伝送される表示データに基づいて表示される画像の階調数は「256」である。点灯データ生成回路152によって生成される点灯データは、R(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、輝度(階調)が「0」〜「63」のうちいずれかのレベルとなるように、64段階で階調制御を可能にする。このように、点灯データ生成回路152によって生成される点灯データは、「256」よりも少ない「64」の階調数を示している。
表示データに示される各表示色のレベル(RGB値)と、発光体の点灯データに含まれる階調データが示す各発光素子の階調制御量との対応関係は、各発光色に対応する発光素子の特性(例えば発光効率)やホワイトバランスなどを考慮して、予め決定されていればよい。一例として、各発光体を構成する発光素子となる発光ダイオードは、印加電圧が所定値に達すると、急激に電流量が増加する非線形特性を有している。したがって、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)に比例した階調制御量に変換すると、例えば白飛びや黒潰れといった、複数の発光体による表示演出の不都合が生じてしまうおそれがある。そこで、複数の発光体のそれぞれを構成する各発光色に対応した発光素子が、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)と同等の発光量となるように、表示データから点灯データに変換するときの設定情報を、点灯データ生成テーブルとして予め記憶しておいてもよい。
点灯データ生成回路152によって参照される点灯データ生成テーブルでは、表示データにて示される各表示色のレベル(RGB値)に対応して、点灯データが示す各表示色のレベル(RGB値)が設定されている。ここで、表示データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、いずれも輝度(階調)が「0」〜「10」のうちいずれかのレベルとなる場合には、点灯データが示す各表示色の輝度(階調)が「0」のレベルとなるように、テーブルデータが構成されてもよい。すなわち、1ドットに対応する1の発光体に含まれる各表示色の発光素子について、表示データに示される輝度(階調)がいずれも「10」以下となる場合には、各表示色の輝度(階調)が「0」となる点灯データを生成することで、その発光体を点灯させないように制限を設ける。
一方、点灯データ生成テーブルは、表示データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、少なくともいずれか1の輝度(階調)が「11」以上のレベルとなる場合に、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)に比例したRGB値を示す点灯データが生成されるように、テーブルデータが構成されてもよい。例えば表示データにて示されるB(青)の輝度(階調)が「11」である場合に、点灯データにて示されるB(青)の輝度(階調)は「2」となり、この場合に、表示データにて示されるR(赤)やG(緑)の輝度が「0」〜「3」であれば輝度(階調)が「0」を示す点灯データが生成され、「4」〜「7」であれば輝度(階調)が「1」を示す点灯データが生成され、「8」〜「11」であれば輝度(階調)が「2」を示す点灯データが生成されるように、点灯データ生成テーブルのテーブルデータが構成されている。
演出制御用マイクロコンピュータ120にて演出データメモリ123A、123Bから読み出される画像データは、メイン画像表示装置5MAまたはサブ画像表示装置5SUの画面上における画像表示用と、発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データの作成用とに、兼用されることがある。このとき、画像表示に用いられる画像データから作成された表示データで示される各表示色の輝度(階調)がいずれも所定量未満である場合に、所定量以上である場合と同じ比例関係の下で点灯データを生成すると、発光ダイオードにおける非線形特性の影響が顕著となり、不自然な表示演出が行われてしまうおそれがある。そこで、表示データで示される各表示色の輝度(階調)によると発光体の発光量が所定量未満となる場合には、その発光体を点灯させないように、点灯制御に制限が設けられてもよい。こうして、複数の発光体のうち発光量が所定量未満となる発光体と所定量以上となる発光体とでは、点灯制御を異ならせることができる。特に、表示データのRGB値によると発光量が所定量未満となってしまう発光体の点灯制御を行わないように制限を設ける一方、発光量が所定量以上となる発光体は、表示データのRGB値と比例関係にある点灯データのRGB値に応じた点灯制御が行われるようにしてもよい。このように、発光量が所定量未満であるか否かに応じて点灯制御を異ならせることにより、発光素子の非線形特性による影響などを軽減し、遊技者に表示演出の違和感を与えないようにして、演出の興趣低下を防止することができる。
なお、すべての点灯データが点灯データ生成テーブルを参照することにより生成されるものに限定されず、少なくとも一部の点灯データは、点灯データ生成回路152が所定のデータ処理プログラムを実行することにより生成されてもよい。例えば表示データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、発光量が所定量未満となるか否かを判定し、いずれの発光量も所定量未満となる場合には、その発光体を点灯させないように輝度(階調)が「0」となる点灯データを生成する処理が実行されてもよい。
表示データを1ドット分ずつ取得して点灯データの設定や生成を行うものに限定されず、例えば所定のマスクデータを用いることにより点灯データの設定や生成が一括して行われてもよい。この場合には、バッファメモリ151に一時記憶されている1フレーム分の表示データに対して、RGB値がすべて「10」以下であるドットを検知し、検知されたドットに対応する点灯データにおけるRGB値をすべて「0」に設定するためのマスクデータを予め用意してもよい。
演出データメモリ123A、123Bに記憶されている画像データは、表示制御と点灯制御とに兼用されるものに限定されず、点灯データを作成するために専用の画像データが用意され、予め演出データメモリ123A、123Bに記憶されてもよい。この場合には、表示データと比例関係の下で点灯データを生成すると発光量が所定量未満となってしまう発光体は点灯制御が行われない無点灯となるように、画像データが予め設定されるようにしてもよい。演出データメモリ123Cに記憶されている発光データを用いて点灯データが作成されてもよい。この場合にも、発光量が所定量未満となってしまう発光体は点灯制御が行われない無点灯となるように、発光データが予め設定されるようにしてもよい。
点灯データ生成回路152は、デジット上側またはデジット下側の発光体ドライバに供給する階調データが含まれる点灯データを生成して、パラレル−シリアル変換回路153−1〜153−4やLVDSドライバ154−1〜154−4により発光体回路基板61〜64へと出力させる。また、点灯データ生成回路により生成される点灯データには、ストローブ側の発光体ドライバに供給される駆動制御データが含まれている。点灯データ生成回路152は、生成された点灯データを供給するシリアル信号配線の系統や供給順序の決定結果に応じて、パラレル−シリアル変換回路153−1〜153−4やLVDSドライバ154−1〜154−4により発光体回路基板61〜64へと出力させる。
発光体回路基板61〜64では、LVDSレシーバ160により受信したシリアルデータを、シリアル信号中継装置161において複数系統に分離して発光体駆動部162に供給する。このとき、シリアル通信用の駆動クロックとなるシリアルクロックSC1〜SC4は、発光体回路基板61〜64ごとに、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、拡散量の設定を異ならせている。シリアル信号中継装置161のクロック生成回路161Cにより生成されたシリアルクロックは、シリアル信号配線を介して、発光体駆動部162に含まれる複数の発光体ドライバのそれぞれに供給される。各発光体ドライバは、シリアルクロックに同期して伝送されたシリアルデータを受信する。
このように、発光体回路基板61〜64ごとに、シリアルクロックSC1〜SC4のスペクトラム拡散に関する設定が異なることから、駆動制御データや階調データを含む制御信号が各発光体ドライバへと伝送されるタイミングを、発光体回路基板61〜64に対応する複数系統のシリアル信号配線ごとに異ならせることができる。同一のタイミングで制御信号を出力した場合には、発光体駆動部162に含まれる多数の発光体ドライバによって、同一のタイミングで多数の発光体の点灯制御が開始されることがある。この場合、短期間で大量の駆動電流が突入電流となって流れることで、放射ノイズが発生するおそれがある。また、大量の駆動電流を生成するための電源回路が必要となることに伴い、製造コストが増加する場合もある。これに対して、シリアルデータとなる制御信号を、発光体回路基板61〜64に対応する複数系統のシリアル信号配線ごとに異なるタイミングで出力することにより、突入電流の発生を抑制して、放射ノイズの発生や製造コストの増加を防止することができる。なお、シリアル通信用の駆動クロックとなるシリアルクロックをスペクトラム拡散することに加えて、各発光体ドライバが備えるシフトレジスタの格納データをラッチしてデータバッファに一時記憶させる取込タイミングを、発光体回路基板61〜64に対応する複数系統のシリアル信号配線ごとに異ならせてもよい。
発光体駆動部162において、各発光体ドライバは、受信したシリアルデータをシフトレジスタに格納し、シリアルクロックに応じて順次シフト動作を行う。また、シフトレジスタに格納された最終ビットを出力して、デイジーチェーン方式で接続された後段の発光体ドライバへと伝送させる。こうしてデイジーチェーン方式で接続された全部の発光体ドライバにシリアルデータが伝送された後、取込タイミングに達することでシフトレジスタの格納データをラッチしてデータバッファに一時記憶することで、シリアルデータをパラレルデータに変換し、これに基づく発光体の点灯制御を行う。例えばストローブ側の発光体ドライバは、駆動制御データに基づくストローブ信号を出力することで、ストローブ信号線に接続された複数の発光体を駆動制御する。また、デジット上側またはデジット下側の発光体ドライバは、階調データに基づくデジット信号を出力することで、デジット信号線に接続された複数の発光体を階調制御する。こうして、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、複数の発光体のダイナミック点灯制御を行い、演出可動機構50を構成する可動部材51〜54が備える発光体ユニット71〜74のそれぞれにて、整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出が行われる。
演出可動機構50による具体的な表示演出の一例として、上側機構50Tと下側機構50Bとが離間してメイン画像表示装置5MAの表示画面が視認可能な退避状態(第1状態)では、遊技者が視認可能な可動部材51〜54に配置された複数の発光体を用いた表示演出を、メイン画像表示装置5MAによる表示演出に連動させて実行する。退避状態のときには、可動部材51、52が上方に位置するとともに下側機構50Bの可動部材53、54が下方に位置している。このように可動部材51〜54が回動動作していない退避状態のとき(停止しているとき)には、複数の発光体のうちで、パチンコ遊技機1の前方から視認可能な発光体のみを点灯制御する。これにより、電力消費を低減することができる。こうした発光体の点灯制御による表示演出としては、例えば文字やシンボルを表示させたり、複数の発光体における点滅や発光色を所定順序で移動させて、メイン画像表示装置5MAによる可変表示に合わせた可変表示演出などが実行されてもよい。また、リーチ演出が実行されるときには、可動部材51〜54の少なくとも1つを可動(振動、進出など)させたり、複数の発光体を用いて「リーチ」などの文字やシンボルを表示してもよい。
一方、上側機構50Tと下側機構50Bとが近接してメイン画像表示装置5MAの表示画面が視認困難または視認不可能な進出状態(第2状態)では、可動部材51〜54に配置された複数の発光体をすべて用いた表示演出を、メイン画像表示装置5MAによる表示演出に連動させて、あるいはメイン画像表示装置5MAによる表示演出とは別個独立に、実行する。進出状態のときには、上側機構50Tにおける装飾部材57の下方への移動に伴って可動部材51、52が回動するとともに下側機構50Bの可動部材53、54が上方に位置している。このように可動部材51〜54が回動動作している進出状態のとき(動作しているとき)には、複数の発光体をすべて点灯制御する。
発光体回路基板61〜64のそれぞれに搭載されたシリアル信号中継装置161では、中継制御部161B0において、スペクトラム拡散クロックを生成するための変調設定が行われるとともに、シリアル信号の出力制御が行われる。これらの変調設定と出力制御とを行うために、中継制御部161B0では、周波数変調設定処理と信号出力制御処理とが実行される。周波数変調設定処理および信号出力制御処理は、中継制御部161B0において、例えば拡散制御部161B1と出力制御部161B2とにより並行して実行されてもよいし、逐次処理として順次に実行されてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ120のシリアル通信回路137が中継制御部161B0と同様の構成を備えて、周波数変調設定処理と信号出力制御処理とが実行されてもよい。あるいは、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU130が所定のプログラムを実行して、ソフトウェアにより中継制御部161B0と同様の機能を実現することで、周波数変調設定処理および信号出力制御処理を実行可能にしてもよい。
図25は、中継制御部161B0などにおいて実行される周波数変調設定処理の一例を示すフローチャートである。中継制御部161B0では、例えば拡散制御部161B1により周波数変調設定処理が実行されることで、クロック生成回路161Cにて生成される駆動クロックの周波数(クロック周波数)を変調して周波数スペクトラムを拡散するための設定が行われる。
図25に示す周波数変調設定処理では、まず、変調設定実行条件が成立したか否かを判定する(ステップS201)。変調設定実行条件は、クロック生成回路161Cによりクロック信号の周波数を変調させるための設定を行う条件として、予め定められていればよい。例えば所定時間が経過した場合や、可変表示の実行回数が所定回数に達したこと、大当り遊技状態が終了したことなど、パチンコ遊技機1における遊技制御の進行に応じた特定の遊技制御タイミングとなった場合、可動部材51〜54の動作や発光体ユニット71〜74の点灯による演出の実行回数が所定回数に達したこと、デモンストレーション表示が行われたことなど、パチンコ遊技機1における演出制御の進行に応じた特定の演出制御タイミングとなった場合、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせた特定タイミングとなった場合に、変調設定実行条件が成立すればよい。
あるいは、可動部材51〜54の動作量が第1基準量よりも多くなる場合または第2基準量よりも少なくなる場合に、変調設定実行条件が成立するようにしてもよい。発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体における点灯輝度が第1基準量よりも高くなる場合または第2基準量よりも低くなる場合に、変調設定実行条件が成立するようにしてもよい。可動部材の動作量が多い場合には、動作用モータ60A〜60Cの駆動による消費電力が増加する。可動部材の動作量が少ない場合には、動作用モータ60A〜60Cの駆動による消費電力が減少する。また、点灯輝度が高い場合には、発光体ユニット71〜74の点灯による消費電力が増加する。点灯輝度が低い場合には、発光体ユニット71〜74の点灯による消費電力が減少する。消費電力が減少したときには、放射ノイズが増大しにくいので、スペクトラム拡散を行わない設定、または拡散量を少量の第1拡散量とする設定を行うための変調設定実行条件が成立してもよい。これに対して、消費電力が増加したときには、放射ノイズが増大しやすくなるので、スペクトラム拡散を行う設定、または拡散量を第1拡散量よりも多い第2拡散量とする設定を行うための変調設定実行条件が成立してもよい。
ステップS201にて変調設定実行条件が成立したと判定された場合には(ステップS201;Yes)、演出制御状態を特定する(ステップS202)。ステップS202にて特定される演出制御状態には、初期制御状態、通常制御状態、省エネ制御状態が含まれていればよい。初期制御状態は、電源投入後に演出制御の初期設定を行う制御状態であり、シリアル信号の出力が行われない制御状態である。通常制御状態は、初期設定が行われた後に演出装置を用いて通常の各種演出を実行可能な制御状態であり、信号出力実行条件の成立に基づいてシリアル信号の出力が行われる制御状態である。省エネ制御状態は、消費電力が通常制御状態よりも少なくなるように、演出装置の動作を停止あるいは動作量を低下させる制御状態であり、シリアル信号の出力が行われない制御状態である。通常制御状態となった後に、例えば遊技が行われることなく所定時間が経過した場合など、予め定められた省エネ制御期間になると、演出制御状態が通常制御状態から省エネ制御状態へと切り替えられる。省エネ制御状態となった後には、例えば遊技が開始された場合などに、演出制御状態が省エネ制御状態から通常制御状態へと切り替えられる。省エネ制御状態では、例えば可動部材51〜54の動作や発光体ユニット71〜74の点灯による演出を行わないようにするなど、消費電力量の範囲を定めるとともに演出装置の動作に限界を定めることで、演出装置による演出の実行に制限が設けられる。
その後、ステップS202にて特定された演出制御状態は、通常制御状態であるか否かを判定する(ステップS203)。このとき通常制御状態であると判定された場合には(ステップS203;Yes)、信号出力中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。信号出力中フラグは、シリアル信号が出力中である場合にオンとなり、シリアル信号の出力が停止されている場合にオフとなる。より具体的に、信号出力中フラグは、図26に示された信号出力制御処理のステップS223によりオン状態にセットされ、ステップS232によりクリアされてオフ状態となる。
ステップS203にて通常制御状態とは異なる演出制御状態であると判定された場合や(ステップS203;No)、ステップS204にて信号出力中フラグがオフであると判定された場合には(ステップS204;No)、変調設定中フラグをオン状態にセットする(ステップS205)。続いて、変調設定データを読み出す(ステップS206)。変調設定データは、中継制御部161B0などに内蔵されたROMといったデータメモリに予め記憶されていればよい。変調設定データとして、クロック変調パラメータに応じて異なる値を示す複数のデータが予め用意されていればよい。
ステップS206による読出データは、クロック生成回路161Cにセットされる(ステップS207)。例えば、ステップS206にて読み出された変調設定データは、クロック生成回路161Cの内蔵レジスタにセットされる。これにより、クロック変調パラメータの設定が行われる。このときには、変調設定中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS208)。
ステップS208に続いて、変調設定待機フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS209)。変調設定待機フラグは、ステップS204にて信号出力中フラグがオンであると判定された場合に、ステップS211においてオン状態にセットされる。ステップS209にて変調設定待機フラグがオフであると判定された場合には(ステップS209;No)、ステップS201に戻る。ステップS209にて変調設定待機フラグがオンであると判定された場合には(ステップS209;Yes)、変調設定待機フラグをクリアしてオフ状態としてから(ステップS210)、ステップS201に戻る。
ステップS204にて信号出力中フラグがオンであると判定された場合には(ステップS204;Yes)、変調設定待機フラグをオン状態にセットしてから(ステップS211)、ステップS201に戻る。
ステップS201にて変調設定実行条件が成立していないと判定された場合には(ステップS201;No)、変調設定待機フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS212)。このとき、変調設定待機フラグがオフであると判定された場合には(ステップS212;No)、ステップS201に戻る。これに対し、変調設定待機フラグがオンであると判定された場合には(ステップS212;Yes)、ステップS204に進み、信号出力中フラグがオフであればクロック生成回路161Cの設定を可能にする。
図26は、中継制御部161B0などにおいて実行される信号出力制御処理の一例を示すフローチャートである。中継制御部161B0では、例えば出力制御部161B2により信号出力制御処理が実行されることで、クロック生成回路161Cにて生成された駆動クロックを用いてシリアル信号を出力するための制御が行われる。
図26に示す信号出力制御処理では、まず、信号出力実行条件が成立したか否かを判定する(ステップS221)。信号出力実行条件は、シリアル信号中継装置161から発光体駆動部162を構成する複数の発光体ドライバに対してシリアル信号を出力するための条件として、予め定められていればよい。例えばシリアルデータバッファ回路161Aに一時記憶されたシリアルデータが特定の記憶量に達したことや、クロック生成回路161Cによる駆動クロックの生成が開始されたことなど、シリアル信号を出力可能な特定の信号出力タイミングとなった場合に、信号出力実行条件が成立すればよい。
ステップS221にて信号出力実行条件が成立したと判定された場合には(ステップS221;Yes)、変調設定中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS222)。変調設定中フラグは、クロック生成回路161Cによりクロック信号を周波数変調させるための設定が行われている場合にオンとなり、このような設定が行われていない場合にオフとなる。より具体的に、変調設定中フラグは、図25に示された周波数変調設定処理のステップS205によりオン状態にセットされ、ステップS208によりクリアされてオフ状態となる。
ステップS222にて変調設定中フラグがオフであると判定された場合には(ステップS222;No)、信号出力中フラグをオン状態にセットする(ステップS223)。続いて、シリアル信号の出力を開始させるための制御を行う(ステップS224)。例えば出力制御部161B2は、シリアル信号中継装置161に設けられたシリアル信号の出力回路を制御して、シリアルデータバッファ回路161Aに一時記憶されているシリアルデータの読出しを開始させ、クロック生成回路161Cから供給される駆動クロックを用いたシリアル信号の出力を可能にする。
ステップS224による制御が行われた後には、信号出力待機フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS225)。信号出力待機フラグは、ステップS222にて変調設定中フラグがオンであると判定された場合に、ステップS227においてオン状態にセットされる。ステップS225にて信号出力待機フラグがオフであると判定された場合には(ステップS225;No)、ステップS221に戻る。ステップS225にて信号出力待機フラグがオンであると判定された場合には(ステップS225;Yes)、信号出力待機フラグをクリアしてオフ状態としてから(ステップS226)、ステップS221に戻る。
ステップS222にて変調設定中フラグがオンであると判定された場合には(ステップS222;Yes)、信号出力待機フラグをオン状態にセットしてから(ステップS227)、ステップS221に戻る。
ステップS221にて信号出力実行条件が成立していないと判定された場合には(ステップS221;No)、信号出力待機フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS228)。このとき、信号出力待機フラグがオンであると判定された場合には(ステップS228;Yes)、ステップS222に進み、変調設定中フラグがオフであればシリアル信号の出力を可能にする。
ステップS228にて信号出力待機フラグがオフであると判定された場合には(ステップS228;No)、信号出力中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS229)。このとき、信号出力中フラグがオフであると判定された場合には(ステップS229;No)、ステップS221に戻る。ステップS229にて信号出力中フラグがオンであると判定された場合には(ステップS229;Yes)、シリアル信号の出力が完了したか否かを判定する(ステップS230)。このとき、信号出力が完了していないと判定された場合には(ステップS230;No)、ステップS221に戻る。
ステップS230にて信号出力が完了したと判定された場合には(ステップS230;Yes)、シリアル信号の出力を終了させる制御を行う(ステップS231)。このときには、シリアル信号中継装置161に設けられたシリアル信号の出力回路に対する電源電圧の供給を停止することで、消費電力の増大を防止してもよい。ステップS231による制御が行われた後には、信号出力中フラグをクリアしてオフ状態としてから(ステップS232)、ステップS221に戻る。
図27は、クロック変調パラメータの設定に応じて周波数変調における中心周波数と拡散量を変更可能とした変調プロファイルの設定例を示している。変調プロファイルは、時間に対するクロック信号の周波数変化を示している。図27(A)は、周波数変調における中心周波数が基準クロックの周波数(基準周波数)と共通になるセンタースプレッドの場合を示している。図27(B)は、周波数変調における中心周波数が基準周波数よりも低下するダウンスプレッドの場合を示している。図27に示す設定例では、クロック変調パラメータに応じた拡散量の設定として、例えば周波数変調率(拡散率)を±0.5%、±1.0%、±1.5%、±2.0%のいずれかといった、複数種類の拡散量から選択して設定できればよい。
図27(A)に示すセンタースプレッドの場合には、周波数変調における中心周波数fc0が、基準クロックの周波数である基準周波数frと共通(同一)になっている。この場合のうちで、変調プロファイルPR01は周波数変調率(拡散率)が±0.5%に設定され、変調プロファイルPR02は周波数変調率(拡散率)が±1.0%に設定され、変調プロファイルPR03は周波数変調率(拡散率)が±1.5%に設定され、変調プロファイルPR04は周波数変調率(拡散率)が±2.0%に設定されている。
図27(B)に示すダウンスプレッドの場合には、周波数変調における中心周波数fc1〜fc4がいずれも、基準周波数frよりも低下している。この場合のうちで、変調プロファイルPR11は中心周波数がfc1で周波数変調率(拡散率)が±0.5%に設定され、変調プロファイルPR12は中心周波数がfc2で周波数変調率(拡散率)が±1.0%に設定され、変調プロファイルPR13は中心周波数がfc3で周波数変調率(拡散率)が±1.5%に設定され、変調プロファイルPR14は中心周波数がfc4で周波数変調率(拡散率)が±2.0%に設定されている。
なお、変調プロファイルに対応する中心周波数と周波数変調率(拡散率)の設定は、図27(A)、(B)に示された場合のものに限定されず、クロック生成回路151Cの仕様に応じて任意に設定できるものであればよい。図25に示すステップS206、S207では、変調プロファイルに対応する中心周波数や周波数変調率(拡散率)の設定に応じた変調設定データを読み出して、クロック変調パラメータがクロック生成回路161Cにセットされるようにすればよい。
図25に示す周波数変調設定処理では、ステップS203にて通常制御状態ではないと判定された場合に、そのままステップS205に進み、ステップS206、S207の処理によりクロック変調パラメータなどの設定を可能にする。初期制御状態や省エネ制御状態といった、通常制御状態とは異なる演出制御状態である場合には、シリアル信号の出力が行われない。そこで、初期制御状態や省エネ制御状態である期間のように、シリアル信号中継装置161からシリアル信号を出力することによるシリアルデータの送信が行われない期間では、中継制御部161B0の拡散制御部161B1などにより、クロック変調パラメータの設定といったクロック信号の周波数変調を実行可能にする設定が行われる。
一方、図25に示すステップS203にて通常制御状態であると判定された場合には、ステップS204にて信号出力中フラグがオンであるか否かを判定する。このとき、シリアル信号を出力中であるために信号出力中フラグがオンである場合には、ステップS211にて変調設定待機フラグをオン状態にセットして待機する。その後、ステップS204にて信号出力中フラグがオフであると判定されたときに、ステップS205に進み、ステップS206、S207の処理によりクロック変調パラメータなどの設定を可能にする。このように、通常制御状態である場合には、ステップS204にて信号出力中フラグがオフであると判定されて、シリアル信号中継装置161から発光体駆動部162に対して制御信号をシリアル信号方式で出力することによる送信が行われていないと判定されたときに、中継制御部161B0の拡散制御部161B1などにより、クロック変調パラメータの設定といったクロック信号の周波数変調を実行可能にする設定が行われる。すなわち、制御信号の送信が終了したと確認されたことを条件に、周波数変調を実行可能にする設定が行われる。また、制御信号の送信が終了した後に、周波数変調を実行可能にする設定が行われる。シリアル信号中継装置161による制御信号の送信が送信実行期間にて行われる場合に、その送信実行期間が終了したと判定されたときに、周波数変調を実行可能にする設定が行われる。
他方、図26に示す信号出力制御処理では、ステップS221にて信号出力実行条件が成立したと判定された場合に、ステップS222にて変調設定中フラグがオンであるか否かを判定する。このとき、周波数変調を実行可能にする設定が行われているために変調設定中フラグがオンである場合には、ステップS227にて信号出力待機フラグをオン状態にセットして待機する。その後、ステップS222にて変調設定中フラグがオフであると判定されたときに、ステップS223に進み、ステップS224の処理によりシリアル信号の出力を開始させる制御を行う。このように、シリアル信号を出力する場合には、ステップS222にて変調設定中フラグがオフであると判定されて、中継制御部161B0の拡散制御部161B1などによる周波数変調の設定が終了した後に、中継制御部161B0の出力制御部161B2などにより、シリアル信号を出力させて発光体駆動部162への制御信号をシリアル信号方式で送信する。すなわち、周波数変調の設定が行われていないと判定されたときに、制御信号を送信する。また、周波数変調の設定が終了したと確認されたことを条件に、制御信号を送信する。駆動クロックの周波数変調に関する設定が変調設定期間にて行われる場合に、その変調設定期間が終了した後に、制御信号を送信する。
図28は、変調設定と信号出力の実行例を示すタイミング図である。図28に示すタイミングT01では、図28(A)に示す演出制御状態が初期制御状態であり、シリアル信号の出力が行われない。このとき、図28(B)に示すように変調設定実行条件が成立すると(図25のステップS201;Yes)、演出制御状態が通常制御状態とは異なる初期制御状態であるので(図25のステップS203;No)、図28(C)に示すように変調設定中フラグをオン状態にセットするとともに(図25のステップS205)、図28(D)に示すようにクロック生成回路161Cでは周波数変調を実行可能にする設定が行われる(図25のステップS206、S207)。
その後、タイミングT02にて図28(A)に示す演出制御状態が初期制御状態から通常制御状態に切り替わり、図28(E)に示すように信号出力実行条件が成立すると(図26のステップS221;Yes)、図28(C)に示すように変調設定中フラグがオフであるので(図26のステップS222;No)、図28(F)に示すように信号出力中フラグをオン状態にセットするとともに(図26のステップS223)、図28(G)に示すようにシリアル信号の出力を開始して制御信号を送信する(図26のステップS224)。
タイミングT03にて図28(B)に示すように変調設定実行条件が成立したときには、図28(A)に示す演出制御状態が通常制御状態であり(図25のステップS203;Yes)、図28(F)に示すように信号出力中フラグがオンになっているので(図25のステップS204;Yes)、クロック生成回路161Cの設定は変更されない。続いて、タイミングT04にて図28(G)に示すようにシリアル信号の出力が終了し、図28(F)に示す信号出力中フラグがオフになると(図25のステップS204;No)、クロック変調パラメータなどの設定が可能になり、クロック生成回路161Cの設定を変更することができる。
タイミングT05にて図28(B)に示すように変調設定実行条件が成立したときには、図28(A)に示す演出制御状態が通常制御状態であり、図28(F)に示すように信号出力中フラグがオフになっているので、直ちにクロック変調パラメータなどの設定が可能になり、クロック生成回路161Cの設定を変更することができる。次に、タイミングT06にて図28(E)に示すような信号出力実行条件が成立したときには、図28(C)に示すように変調設定中フラグがオンであるので(図26のステップS222;Yes)、シリアル信号の出力は開始されない。続いて、タイミングT07にて図28(D)に示すクロック生成回路161Cにおける周波数変調の設定が終了し、図28(C)に示す変調設定中フラグがオフになると(図26のステップS222;No)、シリアル信号の出力が可能になり、制御信号を送信することができる。
タイミングT08では、図28(A)に示す演出制御状態が省エネ制御状態であり、シリアル信号の出力が行われない。このとき、図28(B)に示すように変調設定実行条件が成立すると、演出制御状態が通常制御状態とは異なる省エネ制御状態であるので、図28(C)に示すように変調設定中フラグをオン状態にセットするとともに、図28(D)に示すようにクロック生成回路161Cではクロック変調パラメータなどの設定が可能であり、クロック生成回路161Cの設定を変更することができる。
このように、図11に示すような発光体回路基板61などに設けられたシリアル信号中継装置161が備える中継制御部161B0では、例えば拡散制御部161B1により周波数変調といった変調方式の設定が行われ、出力制御部161B2により制御信号をシリアル信号方式で出力して発光体駆動部162へと送信するための制御が行われる。そして、例えば初期制御状態や省エネ制御状態といった、演出制御状態が通常制御状態とは異なりシリアル信号が出力されず制御信号が送信されない状態である期間に、クロック生成回路161Cに対するクロック変調パラメータなどの設定を行う。これにより、例えばシリアル信号を出力するための初期設定を行う前でも、クロック生成回路161Cによる駆動クロックの周波数変調に関する設定を行うことができる。
演出制御状態が通常制御状態である場合には、クロック生成回路161Cの設定が終了した後に、制御信号をシリアル信号方式で送信する。また、制御信号の送信が行われていないと判定されたときに、クロック生成回路161Cの設定を行う。これにより、クロック変調パラメータの設定といった駆動クロックの周波数変調に関する設定と、シリアル信号方式での制御信号の送信とが、同一期間にて競合することによる送信動作の不安定を回避して、変調方式の設定を確実に行うことができるとともに、制御信号の送信を確実に行うことができる。
図25に示す周波数変調設定処理のステップS201では、例えば中継制御部161B0の拡散制御部161B1により、変調設定実行条件が成立したか否かを判定し、成立したと判定されたことに基づいてステップS206、S207によるクロック変調パラメータなどの設定を可能にする。このように、発光体回路基板61〜64のそれぞれに搭載されたシリアル信号中継装置161では、中継制御部161B0の拡散制御部161B1などにより、演出制御基板12から特別なコマンド(制御指令)を受けることなく、クロック変調パラメータなどの設定を行うことが決定されてもよい。あるいは、中継制御部161B0の拡散制御部161B1などでは、演出制御基板12から伝送された特別なコマンド(制御指令)を受けることにより、クロック変調パラメータなどの設定を行うことが決定されてもよい。
図26に示す信号出力制御処理のステップS221では、例えば中継制御部161B0の出力制御部161B2により、信号出力実行条件が成立したか否かを判定し、成立したと判定されたことに基づいてステップS224によるシリアル信号の出力を開始する制御を可能にする。このように、発光体回路基板61〜64のそれぞれに搭載されたシリアル信号中継装置161では、中継制御部161B0の出力制御部161B2などにより、演出制御基板12から特別なコマンド(制御指令)を受けることなく、制御信号をシリアル信号方式で送信することが決定されてもよい。あるいは、中継制御部161B0の出力制御部161B2などでは、演出制御基板12から伝送された特別なコマンド(制御指令)を受けることにより、制御信号をシリアル信号方式で送信することが決定されてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ120のシリアル通信回路137が中継制御部161B0と同様の構成を備えている場合には、CPU130がDMAコントローラ134と通信した後に記憶内容がリセットされるシリアル通信について、基準クロックを周波数変調などの所定変調方式で変調した変調クロックを用いたシリアル通信を行うことができ、そのシリアル通信が行われない期間に、クロック変調パラメータなどの設定といった、変調クロックを生成するための設定を行う。また、クロック変調パラメータなどの設定が終了した後に、制御信号をシリアル信号方式で送信する。これにより、変調方式の設定を確実に行うことができるとともに、モータデータなどに対応する制御信号の送信を確実に行うことができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示された全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態では、演出制御用のプログラムを実行するCPU130が内蔵された演出制御用マイクロコンピュータ120において、DMAコントローラ134によりデータの転送を制御して、シリアル通信回路137によりシリアル通信を行う場合に、シリアル通信に関する記憶内容のリセットが可能であるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、演出制御とは異なる制御を行うプロセッサなどを備えるマイクロコンピュータにおいて、プロセッサを介することなくデータの転送やシリアル通信を行う場合に、シリアル通信に関する記憶内容のリセットを可能なものであってもよい。すなわち、パチンコ遊技機1における任意の制御を実行可能であり、プロセッサを介することなく転送可能なデータを送受信するシリアル通信が可能なマイクロコンピュータにおいて、データの転送が行われた後、シリアル通信を行う前に、シリアル通信に関する記憶内容をリセットできればよい。また、シリアル通信を行う場合に限定されず、パラレル通信を含めた任意の通信が可能なマイクロコンピュータにおいて、データの転送が行われた後、マイクロコンピュータの外部装置と通信を行う前に、通信に関する記憶内容をリセットできればよい。
上記実施の形態において、図24に示す転送通信設定処理では、ステップS191にてセンサ状態データを取得した後、ステップS192にてDMA停止を確認してからステップS193にてシリアル通信設定を初期化するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばシリアル通信回路137によるシリアルデータの送信が終了した後に、シリアル通信に関する記憶内容をリセットできるようにしてもよい。その他、シリアル通信回路137によるシリアル通信が行われていない場合に、予め定められたリセット条件が成立したときに、シリアル通信に関する記憶内容をリセットできるものであればよい。リセット条件の一例として、シリアル通信回路137によるシリアル通信に異常が発生して所定のエラーフラグがオンである場合にリセット条件が成立して、シリアル通信に関する記憶内容がリセットされてもよい。
上記実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120のシリアル通信回路137が動作用モータ60A〜60Cの駆動制御に用いられるモータデータをシリアルデータとして送信可能であり、駆動制御基板16Bに対するシリアル通信により動作指令を送信するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、任意の演出装置を動作させるための動作指令を、シリアル通信により送信可能なものであればよい。例えばシリアル通信回路137は、スピーカ8L、8Rの音声出力制御に用いられる音声データを、シリアルデータとして送信可能であってもよい。この場合には、シリアル通信回路137から音声出力基板13に対するシリアル通信により音声出力指令を送信可能であるところ、CPU130がDMAコントローラ134と通信した後、シリアル通信回路137によるシリアル通信で音声出力指令を送信する前に、シリアル通信に関する記憶内容をリセットできるようにしてもよい。その他、シリアル通信回路137は、遊技効果ランプ9の点灯制御に用いられるランプデータを、シリアルデータとして送信可能であってもよい。
上記実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120のシリアル通信回路137が可動部材51〜54に対応する第1位置検出センサ51Aおよび第2位置検出センサ52Aなどによる検出結果を示すシリアルデータを受信可能であるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、任意の演出装置に対応するセンサなどによる検出結果を、シリアル通信により受信可能なものであればよい。例えばシリアル通信回路137は、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作といった、遊技者による動作の検出結果を、シリアル通信により受信可能であってもよい。この場合には、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対応して設けられたセンサの検出結果をシリアル通信により受信可能であるところ、CPU130がDMAコントローラ134と通信した後、シリアル通信回路137によるシリアル通信で検出結果を受信する前に、シリアル通信に関する記憶内容をリセットできるようにしてもよい。
上記実施の形態では、発光体回路基板61〜64のそれぞれにおいて、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、拡散量の設定を異ならせることで、シリアル信号配線の系統に応じて異なる周波数変調の設定を行うものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば発光体回路基板61〜64のそれぞれにおいて、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、拡散量の設定は共通の設定とする一方、拡散コード(PNコード)を異ならせることで、シリアル信号配線の系統に応じて異なる周波数変調の設定を行うものであってもよい。クロック生成回路161Cは、拡散制御部161B1の設定によらず、一定のスペクトラム拡散処理を実行するものであってもよい。複数のパチンコ遊技機1ごとに、スペクトラム拡散を行うか否かの設定や、拡散量の設定、拡散コード(PNコード)の設定などを異ならせてもよい。
上記実施の形態では、各発光体回路基板61〜64に搭載されたクロック生成回路161Cにより、基準クロックを周波数変調したスペクトラム拡散クロックを生成して、第2通信経路における制御信号の伝送に用いるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、シリアル信号方式で制御信号を伝送するために使用可能な任意の変調方式で変調した変調クロックを用いるものであればよい。例えばデジタル信号である基準クロックを周波数変調したスペクトラム拡散クロックは、パルス幅変調方式(PWM:Pulse width Modulation)で変調した場合でも、同様の波形にすることができる。また、位相変調を含めた角度変調方式で変調してもよい。さらに、基準クロックを変調するときには、水晶振動子などから出力された一定周波数のクロック信号を変調するものに限定されず、例えば電圧制御水晶発振器(VCXO:Voltage Controlled Crystal Oscillator)により生成されるクロック信号の周波数を直接に変化させてもよい。シリアル信号中継装置161は、クロック生成回路161Cにより所定変調方式で変調された変調クロックとしての駆動クロックを用いて、発光体駆動部162への制御信号をシリアル信号方式で送信できればよい。演出制御用マイクロコンピュータ120のシリアル通信回路137が中継制御部161B0と同様の構成を備える場合にも、任意の変調方式で変調した変調クロックを使用可能であればよい。
上記実施の形態では、図17に示す演出制御メイン処理のステップS57にて中継未接続フラグがオンであると判定された場合に、ステップS58、S59の処理を、ステップS60の処理とともに実行しないようにすることで、可動部材の異常報知だけでなく、原点位置の確認も行わないように制御するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば中継未接続フラグがオンである場合にもステップS58、S59の双方またはステップS58のみを、実行するようにしてもよい。すなわち、演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとが未接続状態である場合には、第1位置検出センサ51Aおよび第2位置検出センサ52Aなどからの位置検出信号に基づいて可動部材51〜54の原点位置を確認したり、原点異常の有無を判定したりする一方で、原点異常が発生した場合に可動部材の異常報知を行わないように制御してもよい。
あるいは、演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとが未接続状態である場合にも可動部材の異常報知を行うことができる一方で、異常報知の報知態様は、演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとが接続されている場合における異常報知の報知態様と比べて、認識しにくい報知態様となるようにしてもよい。例えばメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上における画像表示により可動部材の異常報知が行われる場合には、画像の表示サイズを小さくすること、画像の透明度を高めること、画像の表示期間を短縮すること、画像の表示回数を減少させること、あるいは、これらの一部または全部の組合せなどによって、可動部材の異常報知を認識しにくい報知態様とすることができればよい。複数の演出装置を用いて報知動作が行われる場合に、報知動作に用いられる演出装置の数を減少させることによって、可動部材の異常報知を認識しにくい報知態様としてもよい。このように、演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとが接続されているか否かという接続状態の範囲を定めるとともに、可動部材の異常報知を実行しないという異常報知の限界を定めること、あるいは認識しにくい報知態様で実行するという異常報知の限界を定めることで、接続状態に応じて可動部材の異常報知に制限を設けたものであればよい。
上記実施の形態では、可動部材51〜54などの可動部材における状態を検出する構成として、第1位置検出センサ51Aおよび第2位置検出センサ52Aを用いて、可動部材51〜54の位置などを検出可能にするものとして説明した。これに対し、可動部材における任意の状態を検出可能とし、その検出結果に基づいて可動部材の異常報知を実行可能なものであればよい。例えば、可動部材51〜54の速度、加速度、移動量、回転量、動作時間、形状、温度、あるいは、これらの一部または全部を、直接的または間接的に検出可能なセンサなどを所定位置に設定して、その検出結果に基づいて可動部材の異常報知を実行可能とするものであればよい。また、可動部材51〜54などの可動部材における状態とともに、あるいは、可動部材における状態に代えて、動作用モータ60A〜60Cのような可動部材を変化(移動)させる駆動力を供給する駆動機構における任意の状態を検出可能とし、その検出結果に基づいて異常報知を実行可能なものであってもよい。動作用モータ60A〜60Cに代えて、例えばソレノイドといった駆動力を供給する任意の駆動機構により、可動部材を変化(移動)させるものであってもよい。このように、任意の駆動機構における任意の状態を検出可能とし、その検出結果に基づいて異常報知を実行可能なものであってもよい。
上記実施の形態では、演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとの接続状態といった、複数の基板間における接続状態に応じて、異常報知の有無を異ならせるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば単一の基板内あるいは基板外に設けられた任意の回路や装置その他の素子における接続状態に応じて、異常報知の有無を異ならせるものであってもよい。すなわち、互いに接続可能な第1接続部と第2接続部とが設けられた構成において、第1接続部と第2接続部とが接続されている場合に任意の異常報知を実行可能とする一方、第1接続部と第2接続部とが未接続状態である場合には異常報知を行わないように制御するものであればよい。異常報知に限定されず、互いに接続可能な第1接続部と第2接続部とが設けられた構成において、第1接続部と第2接続部とが接続されている場合に任意の出力を可能とする一方、第1接続部と第2接続部とが未接続状態である場合には出力を行わないように制御するものであってもよい。また、基板どうしの未接続状態や、接続部どうしの未接続状態としては、少なくとも一部の配線が接続されており他の一部の配線が未接続である状態を含むものであってもよい。
上記実施の形態では、図15に示すステップS102の処理にて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態といった特別遊技状態とするか否かの決定を行い、確変状態とする決定に基づいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、遊技領域における所定位置に設けられた確変アタッカーにおいて大入賞口(第2大入賞口)に入賞(進入)した遊技球が確変検出スイッチによって検出されたことに基づいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態に制御してもよい。確変アタッカーの大入賞口(第2大入賞口)は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が所定回数(例えば「16」)であるときに、閉鎖状態から開放状態に変化可能であり、ラウンド遊技の実行回数が所定回数以外であるときには、閉鎖状態のまま開放状態には変化不能であるとしてもよい。このように、パチンコ遊技機1は、遊技領域に設けられた特別可変入賞装置の一例となるアタッカー内にて遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、確変制御条件を成立させることが可能となるように構成されてもよい。
パチンコ遊技機1としては、特別図柄や飾り図柄の可変表示を行わないものであってもよい。一例として、遊技領域に設けられた始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことに基づいて、遊技領域に設けられた可変入賞装置を閉鎖状態(第2状態)から開放状態(第1状態)へと変化させ、可変入賞装置の内部に進入した遊技球が複数の領域のうちの特定領域(V入賞口)に進入したときに、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されるものであってもよい。このようなパチンコ遊技機1において、演出制御用のプログラムを実行する演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU130がデータの転送を制御するDMAコントローラ134と通信した後、シリアル通信回路137によるシリアル通信を行う前に、シリアル通信に関する記憶内容をリセットできるようにしてもよい。
この発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの画像表示装置を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。すなわち、スロットマシンにおいて、図24に示すような転送通信設定処理が実行されることにより、データの転送が行われた後、外部装置と通信を行う前に、通信に関する記憶内容をリセット可能に構成されたものであってもよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプおよび装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上に説明したように、上記実施の形態では、例えば図24に示すステップS191にてデータの転送に基づくセンサ状態データを取得した後、ステップS192にてDMA転送の停止を確認した場合には、ステップS196などによるシリアル通信が開始される前に、ステップS193にてシリアル通信設定を初期化することで、シリアル通信に関する記憶内容をリセットする。これにより、シリアル通信回路137の各種レジスタに残された各種データが完全に消去されるので、例えば先に行なわれたシリアル通信に対するシリアル通信設定が、後に行われる新たなシリアル通信に対して影響することがなくなるため、通信の不具合を防止できる。
演出制御用マイクロコンピュータ120のシリアル通信回路137は、動作用モータ60A〜60Cの駆動制御に用いられるモータデータをシリアルデータとしてシリアル送信が可能であり、ステップS193にてシリアル通信に関する記憶内容をリセットすることで、通信の不具合を防止して、可動部材51〜54の動作を適切に行うことができる。
演出制御用マイクロコンピュータ120のシリアル通信回路137は、可動部材51〜54に対応する第1位置検出センサ51Aおよび第2位置検出センサ52Aなどによる検出結果となる位置検出信号を、シリアルデータとしてシリアル受信が可能であり、ステップS193にてシリアル通信に関する記憶内容をリセットすることで、通信の不具合を防止して、正確な検出結果を取得することができる。
シリアル信号中継装置161やシリアル通信回路137では、基準クロックを周波数変調などの所定変調方式で変調して生成された変調クロックを用いて、制御信号をシリアル信号方式で送受信が可能であり、シリアル通信が行われていない期間に、所定変調方式の設定を行う。これにより、変調方式の設定を確実に行い、放射ノイズを抑制できる。
図17に示すステップS57にて中継未接続フラグがオンであると判定した場合に、ステップS60による原点異常の報知を行わないようにする。これに対し、ステップS57にて中継未接続フラグがオフであると判定した場合には、ステップS60による原点異常の報知を実行可能である。これにより、製造段階や開発段階で頻繁に異常報知が実行されることを防止して、作業効率を向上できる。