以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。なお、図1では、後述する演出可動機構50を破線で示している。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、外縁をほぼ円形状とする遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右下側)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、メイン画像表示装置5MAが設けられている。メイン画像表示装置5MAは、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。メイン画像表示装置5MAの画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。なお、メイン画像表示装置5MAの画面上では、飾り図柄の可変表示以外にも、キャラクタや背景などを示す演出画像を表示することによる表示演出が行われる。こうしたメイン画像表示装置5MAの画面上に飾り図柄を含めた演出図柄を表示することによる表示演出は、第1表示演出となる。すなわち、パチンコ遊技機1では、メイン画像表示装置5MAを用いた第1表示演出が行われる。
一例として、メイン画像表示装置5MAの表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、それぞれに対応した飾り図柄が可変表示される。この場合、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、メイン画像表示装置5MAの画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄は、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)を含んで構成されていればよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
メイン画像表示装置5MAの画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
メイン画像表示装置5MAの右側には、メイン画像表示装置5MAとは別個に複数種類の演出画像を含む各種画像の表示を行うサブ画像表示装置5SUが設けられている。なお、メイン画像表示装置5MAとサブ画像表示装置5SUの設置箇所は、遊技盤2における遊技領域の中央付近に限定されず、例えばメイン画像表示装置5MAは遊技領域の中央付近に設置される一方、サブ画像表示装置5SUは遊技領域の外部や遊技機用枠3の前面上部、前面下部、前面側方といった、パチンコ遊技機1における任意の位置に設置されてもよい。サブ画像表示装置5SUの画面上に演出画像を表示することによる表示演出は、第2表示演出に含まれる。すなわち、パチンコ遊技機1では、サブ画像表示装置5SUを用いた第2表示演出が行われる。
メイン画像表示装置5MAの下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図7に示す普通電動役物用となるソレノイド27によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド27がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド27がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド27がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド27がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図7に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図7に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図7に示す大入賞口扉用となるソレノイド28によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド28がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド28がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図7に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート26を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車や多数の障害釘などが設けられている。第1始動入賞口、第2始動入賞口および大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技盤2には、整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出を実行可能な可動部材として、演出可動機構50が設けられている。演出可動機構50は、複数(例えば4つ)の可動部材を有している。演出可動機構50は、複数の可動部材がメイン画像表示装置5MAの画面上下に分かれて位置する退避状態と、複数の可動部材がメイン画像表示装置5MAの画面前方に位置する進出状態とに変化することができる。なお、以下の説明においては、パチンコ遊技機1の正面に対峙した状態を基準として上下左右前後方向を説明する。
図1に示された演出可動機構50は、退避状態となった場合のものである。この実施の形態では、例えば樹脂などで構成される図示しない透明板によって遊技盤2の遊技領域が構成されており、演出可動機構50は、この透明板の後方に配置されて、遊技球は演出可動機構50の前方を流下する。ただし、こうした例に限定されず、演出可動機構50の複数の可動部材の少なくとも1つが、遊技領域を形成する透明板の前方に配置されてもよい。
図2は、演出可動機構50に設けられた複数の可動部材がメイン画像表示装置5MAの前面に位置する進出状態となった場合を示している。図3は、演出可動機構50の構成例を示している。演出可動機構50は、退避状態においてメイン画像表示装置5MAの画面上側に位置する2つの可動部材51、52を備えた上側機構50Tと、退避状態においてメイン画像表示装置5MAの画面下側に位置する2つの可動部材53、54を備えた下側機構50Bとに分離可能である。すなわち、演出可動機構50は、互いに離間または近接して配置可能な上側機構50Tと下側機構50Bとを含んで構成される。上側機構50Tと下側機構50Bとが互いに離間することで、第1状態としての退避状態となる。一方、上側機構50Tと下側機構50Bとが互いに近接することで、第2状態としての進出状態となる。
上側機構50Tや下側機構50Bには、退避状態と進出状態とに変化させる駆動手段が設けられている。上側機構50Tは、2つの可動部材51、52の他に、上側支持ユニット55と、装飾部材57とを備えている。下側機構50Bは、2つの可動部材53、54の他に、下側支持ユニット56を備えている。
上側支持ユニット55は、メイン画像表示装置5MAの画面上側を覆うようにコの字型に構成されたフレームを備え、このフレームが遊技盤2本体に固定されることで、上側機構50Tの各構成部材を支持する。上側支持ユニット55は、可動部材51に係合した動力伝達部を備え、可動用モータ(図7に示す可動用モータ60に含まれる)からの動力を可動部材51に伝達させる。上側支持ユニット55のフレームには、可動部材51を回動可能に軸支する回動支軸、可動部材51の回動動作をガイドするガイド孔が形成されるとともに、装飾部材57の移動を補助する上下方向に沿ったガイドスリットが形成されている。装飾部材57は、2つの可動部材51、52の左端を軸支し、可動部材51、52は、装飾部材57に対して回動する。装飾部材57は、可動部材51に可動用モータからの動力が出力されることにより、可動部材51の動作に伴って上下に移動する。上側支持ユニット55は、可動部材51の位置を直接的または間接的に把握する位置検出センサを備えていればよい。
下側支持ユニット56は、メイン画像表示装置5MAの画面下側を覆う形状に構成されたフレームを備え、このフレームが遊技盤2本体に固定されることで、下側機構50Bの各構成部材を支持する。下側支持ユニット56は、可動部材53に連結されるとともに可動部材54に係合したリンク機構を備え、可動用モータからの動力がリンク機構に係合した動力伝達部などを介して可動部材53、54に伝達されることで、可動部材53、54を可動させる。下側支持ユニット56のフレームには、リンク機構を支持するための突起やガイド孔などが形成されている。
上側機構50Tにおいて、可動部材51、52のそれぞれは、マトリクス状に整列配置された複数の発光体を備える。すなわち、可動部材51と可動部材52のそれぞれには、例えば縦横方向(上下左右方向)といった所定方向に沿って、複数の発光体が整列配置されている。可動部材51にて整列配置された複数の発光体は、図7に示す発光体ユニット71を構成する。可動部材52にて整列配置された複数の発光体は、図7に示す発光体ユニット72を構成する。
発光体ユニット71、72を構成するように整列配置された複数の発光体は、それぞれが、互いに異なる発光色を有する複数種類の発光素子を含んでいる。例えば、各発光体として、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光可能な発光素子を有するフルカラーLEDが用いられる。これにより、可動部材51と可動部材52は、各種の色を全域で単色にて点灯表示することの他、複数の色を域内で区別表示することによる虹色表示といった、発光体ユニット71と発光体ユニット72にて整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出が実行可能である。このように、発光体ユニット73および発光体ユニット74は、複数の発光体を用いた表示(発光)の色彩や模様を時間経過に伴い変化させて、表示演出を実行することができる。可動部材51、52が備える発光体ユニット71、72にて整列配置された複数の発光体の前方には、複数の発光体のそれぞれを区画するように格子状に形成された区画体が設けられている。また、可動部材51、52の区画体の前面には、可動部材51、52を装飾する前面板が設けられている。
下側機構50Bにおいて、可動部材53、54のそれぞれは、上側機構50Tの可動部材51、52のそれぞれと同様に、マトリクス状に整列配置された複数の発光体を備える。すなわち、可動部材53と可動部材54のそれぞれには、例えば縦横方向(上下左右方向)といった所定方向に沿って、複数の発光体が整列配置されている。可動部材53にて整列配置された複数の発光体は、図7に示す発光体ユニット73を構成する。可動部材54にて整列配置された複数の発光体は、図7に示す発光体ユニット74を構成する。
発光体ユニット73、74を構成するように整列配置された複数の発光体は、それぞれが、互いに異なる発光色を有する複数種類の発光素子を含んでいる。例えば、各発光体として、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光可能な発光素子を有するフルカラーLEDが用いられる。これにより、可動部材53と可動部材54は、各種の色を全域で単色にて点灯表示することの他、複数の色を域内で区別表示することによる虹色表示といった、発光体ユニット73と発光体ユニット74にて整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出が実行可能である。このように、発光体ユニット73および発光体ユニット74は、複数の発光体を用いた表示(発光)の色彩や模様を時間経過に伴い変化させて、表示演出を実行することができる。可動部材53、54が備える発光体ユニット73、74にて整列配置された複数の発光体の前方には、複数の発光体のそれぞれを区画するように格子状に形成された区画体が設けられている。また、可動部材53、54の区画体の前面には、可動部材53、54を装飾する前面板が設けられている。
可動部材51〜54に設けられた区画体は、例えば樹脂といった、透光性が低い材料、または透光性を有しない材料で形成されている。こうした区画体が可動部材51〜54のそれぞれに設けられた発光体ユニット71〜74に対応して設けられる。これにより、可動部材51〜54のそれぞれにおいて、発光体ユニット71〜74を構成するように整列配置された複数の発光体のそれぞれを、容易に区画することができる。また、区画体の材料や各発光体を区画する部分の厚さなどを変更することによって、発光体からの光量を低減(調整)したり、発光体からの光を乱反射させることができる。区画体は、例えば樹脂などの板材に対して格子状に複数の孔を形成することで形成したり、型枠に対して樹脂材などを射出成形することで作成すればよい。なお、複数の発光体としては、フルカラーLEDを用いるものに限定されず、例えば単色または複数色のLEDを用いてもよいし、LED以外の発光体を用いてもよい。区画体としては、立体的に格子状に形成された部材に限定されず、例えば格子状の模様が印刷や切込みなどで透明または半透明な板材に形成されることで構成されてもよい。区画体は、複数の発光体を1つずつ区画するように構成されるものに限定されず、複数の発光体を所定数ずつ区画するように構成されてもよいし、所定方向(例えば横方向および縦方向)に沿って区画するように構成されてもよい。さらに、こうした区画体を備えなくてもよい。
可動部材51〜54に設けられた前面板は、例えばアルミニウムなどによって表面に金属薄膜層が形成され、外側からの光を反射させるとともに内側からの光を透過させる半透明状に構成されている。これにより、複数の発光体が発光しないときに、可動部材51〜54の見栄え(外観)を向上させることができる。装飾部材57についても、このような金属薄膜層が形成されるとともに内側に発光体が設けられてもよい。可動部材51〜54は、表面に金属薄膜層が形成されて構成されるものに限定されず、透明または半透明の塗料による装飾が施されて構成されるなどしてもよい。
図4は、パチンコ遊技機1の前方からみた上側機構50Tの動作例を示している。上側機構50Tが備える可動部材51、52は、装飾部材57に軸支されて回動可能であり、可動部材51と可動部材52とで回動範囲が異なっている。すなわち、可動部材52は、可動部材51に対して退避した位置と進出した位置とに回動できる。可動部材51は、複数の発光体が設けられた前面部の後方にベース体が配置されて構成されており、前面部とベース体との間に可動部材52を保持する。上側機構50Tが退避状態であるときには、例えば図4(a)に示すように、可動部材51の長手方向が略水平方向に沿った状態で上側に位置する。そして、上側機構50Tが退避状態から進出状態へと変化するときには、例えば図4(d)に示すように、可動用モータからの動力により装飾部材57の下方への移動を伴って可動部材51、52が回動する。一方、上側機構50Tが進出状態から退避状態へと変化するときには、可動用モータからの動力により装飾部材57の上方への移動を伴って可動部材51、52が回動する。
図4(a)および図4(c)に示すように、可動部材51と可動部材52の回動量が同程度であるときには、可動部材51と可動部材52のそれぞれに配置された複数の発光体の配列方向が一致せず、その配列が揃わない。すなわち、上側機構50Tが退避状態であるときには、可動部材51や可動部材52において縦横に整列配置された複数の発光体は、可動部材51と可動部材52とで配列方向が一致しない。これに対して、図4(c)および図4(d)に示すように、可動部材51と可動部材52とで回動量の差分が最大であるときには、可動部材51と可動部材52のそれぞれに配置された複数の発光体の配列方向が一致して、その配列が揃った状態となる。すなわち、上側機構50Tが進出状態であるときには、可動部材51や可動部材52において複数列に配置された複数の発光体は、可動部材51と可動部材52とで配列方向が一致する。
図4(a)に示すように、可動部材51および可動部材52がいずれも上方に位置する状態では、上側機構50Tが退避状態であることに対応して、メイン画像表示装置5MAの表示画面(破線参照)に対する視認を妨げず、遊技者はメイン画像表示装置5MAの表示画面と可動部材51とを視認することができる。このように、上側機構50Tが退避状態であるときには、可動部材51と可動部材52とがメイン画像表示装置5MAの表示画面に重ならない。図4(d)に示すように、可動部材51および可動部材52が回動して最も離れた状態では、上側機構50Tが進出状態であることに対応して、メイン画像表示装置5MAの表示画面に対する視認が妨げられる。このように、上側機構50Tが進出状態であるときには、可動部材51と可動部材52とがメイン画像表示装置5MAの表示画面に重なる。これにより、遊技者に可動部材51、52を注目させることができ、可動部材51、52のそれぞれに整列配置された複数の発光体を用いて表示演出を実行することによって演出の興趣を向上させることができる。また、上側機構50Tが進出状態であるときには、可動部材51、52のそれぞれに整列配置された複数の発光体の配列方向が一致する。これにより、可動部材51、52における表示演出に一体感をもたせて、演出効果を向上させることができる。
図5は、パチンコ遊技機1の前方からみた下側機構50Bの動作例を示している。下側機構50Bが備える可動部材53、54は、所定のリンク機構を介して下側支持ユニット56のフレームに連結され、可動用モータ60の動力により所定範囲で移動することができる。リンク機構には、例えば図5(b)に示すリンク部材642a、642bやリンク部材645a、645bなどが含まれている。リンク部材645a、645bは、一端がフレームに軸支されるとともに、他端が可動部材54の下端付近に軸支され、可動部材54の移動をガイドする。
下側機構50Bが退避状態であるときには、例えば図5(a)に示すように、可動部材53、54のそれぞれが下方に位置するとともに、可動部材53が可動部材54の後方に位置して、遊技者は可動部材53をほとんど視認することができない。そして、下側機構50Bが退避状態から進出状態へと変化するときには、例えば図5(b)に示すように、可動部材53が可動部材54の裏側から若干の回動を伴って上方に移動する。さらに可動用モータ60からの動力が出力されると、例えば図5(c)に示すように、可動部材54が可動部材53の移動に伴って上方に移動する。一方、下側機構50Bが進出状態から退避状態へと変化するときには、可動用モータ60からの動力により可動部材53、54のそれぞれが下方に移動してから、可動部材53が可動部材54の裏側に移動する。
図5(a)に示すように、下側機構50Bが退避状態であるときには、可動部材53や可動部材54において縦横に整列配置された複数の発光体は、可動部材53と可動部材54とで配列方向が一致しない。これに対して、図5(c)に示すように、下側機構50Bが進出状態であるときには、可動部材53と可動部材54のそれぞれに配置された複数の発光体の配列方向が一致して、その配列が揃った状態となる。すなわち、下側機構50Bが進出状態であるときには、可動部材53や可動部材54において複数列に配置された複数の発光体は、可動部材53と可動部材54とで配列方向が一致する。
図6は、演出可動機構50の動作例を示している。図6では、可動部材51〜54の表面に整列配置された複数の発光体の配列方向を実線で示している。上側機構50Tと下側機構50Bとが互いに離間した退避状態では、可動部材51〜54がメイン画像表示装置5MAの表示画面(表示領域)に重ならない。したがって、上側機構50Tと下側機構50Bとが退避状態であるときには、図6(a)に示すように、メイン画像表示装置5MAの表示画面が視認可能となる。一方、上側機構50Tと下側機構50Bとが互いに近接した進出状態では、可動部材51〜54がメイン画像表示装置5MAの表示画面(表示領域)に重なる。したがって、上側機構50Tと下側機構50Bとが進出状態であるときには、図6(b)に示すように、メイン画像表示装置5MAの表示画面が視認困難または視認不可能となる。
また、上側機構50Tと下側機構50Bとが退避状態であるときには、図6(a)に示すように、可動部材51〜54のそれぞれに整列配置された複数の発光体の配列方向が一致しない。一方、上側機構50Tと下側機構50Bとが進出状態であるときには、図6(b)に示すように、可動部材51〜54のそれぞれに整列配置された複数の発光体の配列方向が一致する。このように、進出状態であるときに可動部材51〜54のそれぞれに整列配置された複数の発光体の配列方向が揃うことで、可動部材51〜54のそれぞれにおける表示演出に一体感をもたせることができる。特に、進出状態であるときに複数の可動部材51〜54で一体の表示演出を実行することにより、演出の興趣を向上させることができる。加えて、複数の可動部材51〜54の位置によってメイン画像表示装置5MAの表示画面に対する視認性が変化するので、演出が単調となることを防止して、演出の興趣を向上させることができる。
上側機構50Tと下側機構50Bとが退避状態(第1位置)であるときには、可動部材51〜54の全体または大部分が遊技盤2の後方に位置してもよい。このとき、可動部材51〜54に整列配置された複数の発光体が発光することによる表示演出を、遊技者が視認することは困難または不可能になる。上側機構50Tと下側機構50Bとが進出状態(第2位置)であるときには、可動部材51〜54がメイン画像表示装置5MAの表示画面(表示領域)に重なり、可動部材51〜54に整列配置された複数の発光体が発光することによる表示演出を、遊技者が視認可能になる。このように、上側機構50Tと下側機構50Bに含まれる可動部材51〜54は、複数の発光体が発光することによる表示演出を遊技者が認識困難または認識不可能な第1位置と、この表示演出を遊技者が視認可能な第2位置との間で移動可能に構成されていればよい。
上側機構50Tと下側機構50Bに含まれる可動部材51〜54を退避状態(第1位置)から進出状態(第2位置)に移動させるとともに、各可動部材51〜54に整列配置された複数の発光体を点灯させることによる表示演出は、「可動発光演出」ともいう。可動発光演出には、演出制御基板12に搭載されたRTC200から取得した日付データに示される日付の範囲などに応じて演出態様が異なる特定発光演出と、このような日付データに示される日付の範囲にかかわらず演出態様が共通の通常発光演出とが含まれている。こうした発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体を点灯させることによる可動発光演出は、表示演出の一種であり、第2表示演出に含まれる。すなわち、パチンコ遊技機1では、発光体ユニット71〜74を用いた第2表示演出が行われる。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、メイン画像表示装置5MAの周縁部に配置されたフレーム部材など)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。なお、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bは、遊技者による操作が検出された場合、図7に示す演出制御基板12によってメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUにおける表示演出が変更されたり、演出可動機構50における動作やスピーカ8L、8Rからの音声出力や遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などが行われる演出(例えば予告演出やリーチ演出)などにおいて使用されればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図7に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、可動機構制御基板16といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド27、28に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、メイン画像表示装置5MAおよびサブ画像表示装置5SU、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、発光体ユニット71〜74、演出可動機構50といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、メイン画像表示装置5MAおよびサブ画像表示装置5SUにおける表示動作や、発光体ユニット71〜74における点灯態様の全部または一部、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部、演出可動機構50の動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。可動機構制御基板16は、演出制御基板12とは別個に設けられた演出可動機構制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、可動部材51〜54の移動動作制御を行うためのモータドライバ回路などが搭載されている。
図7に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えばメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUにおける画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンド、演出可動機構50の動作などを制御するために用いられる可動機構制御コマンドなどが含まれてもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。乱数回路104は、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。また、演出制御基板12には、RTC(Real Time Clock)200が搭載されている。RTC200は、計時を行うことによる計時値を示すデータとして、少なくとも日付を示す日付データを出力可能である。なお、RTC200は、日付だけでなく時刻も示す日付時刻データを出力可能に構成されたものであってもよい。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御用CPU120には、RTC200がローカルに接続されており、RTC200から出力される日付データが演出制御用CPU120に入力されるようになっている。なお、RTC200には一次電池が接続されており、パチンコ遊技機1に電源が投入されていない状態でも、RTC200は一次電池から電力の供給を受けることで計時を実行可能である。これに対し、一次電池が消耗したときには、RTC200による計時を実行不能となり、日付データの出力が停止される。
演出制御基板12には、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUに対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線、可動機構制御基板16に対して可動用モータ60の駆動により可動部材51〜54を移動させるための指令や制御データを示す情報信号としての駆動制御信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を受信するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を受信するための配線も接続されている。
図7に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、可動部材制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUにおける表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。この実施の形態において、表示制御部123は、可動部材51〜54のそれぞれに整列配置された複数の発光体が構成する発光体ユニット71〜74の点灯態様による表示演出を実行させるための制御を行う。
一例として、図8は表示制御部123の構成例を示している。図8に示す表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)130と、メイン表示用クロック生成回路130Aと、サブ表示用クロック生成回路130Bと、画像データメモリ131と、VRAM(Video RAM)132Aと、フレームバッファ132Bと、メインLCD駆動回路133Aと、サブLCD駆動回路133Bと、発光体制御回路134とを備えている。なお、VRAM132Aやフレームバッファ132Bは、VDP130に外付けされるものであってもよいし、VDP130に内蔵されるものであってもよい。VDP130は、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。画像データメモリ131は、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
VDP130は、例えばメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に各種画像を表示させるための高速描画機能や動画像デコード機能といった画像データ処理機能を有し、演出制御用CPU120からの表示制御指令に従った画像データ処理を実行する画像プロセッサである。メイン表示用クロック生成回路130Aは、VDP130の外部にて、所定周波数の発振信号であってメイン表示用クロックとして使用可能な第1クロック信号を生成する。メイン表示用クロック生成回路130Aにより生成された第1クロック信号は、例えば40MHzの周波数を有し、VDP130に入力される。サブ表示用クロック生成回路130Bは、VDP130の外部にて、メイン表示用クロックとは異なる特定周波数の発振信号であってサブ表示用クロックとして使用可能な第2クロック信号を生成する。サブ表示用クロック生成回路130Bにより生成された第2クロック信号は、例えば27MHzの周波数を有し、VDP130に入力される。
画像データメモリ131は、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUにおける表示画像を示す各種の画像データ(画像要素データ)を予め記憶している。例えば、画像データメモリ131が記憶する画像データには、メイン画像表示装置5MAにおいて可変表示される複数種類の飾り図柄といった、複数種類の演出画像に対応した複数種類の画像要素データが含まれている。その他、画像データメモリ131は、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUに表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号など、および背景画像の画像データをあらかじめ記憶している。この実施の形態では、画像データメモリ131に記憶されている画像データを用いて、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体を点灯制御するためデータ(点灯データ)が作成される。
発光体ユニット71〜74の点灯データを作成するためのデータは、サブ画像表示装置5SUの画面上に表示させる演出画像の画像データに付加されて、画像データメモリ131に予め記憶されてもよい。あるいは、発光体ユニット71〜74の点灯データを作成するためのデータは、サブ画像表示装置5SUの画面上に表示させる演出画像の画像データとは別個の画像データとして画像データメモリ131に予め記憶され、VDP130が描画処理を実行するときには、点灯データの作成に用いられる表示データが、サブ画像表示装置5SUの表示画面における演出画像の表示データに付加されてもよい。
VRAM132Aは、画像データメモリ131から読み出された画像データを一時記憶して、VDP130が画像データ処理を実行するためのワークエリアを提供する。VRAM132Aの記憶領域には、例えばパレットデータが配置されるパレット領域、画像データメモリ131から読み出されたキャラクタ画像データが格納されるキャラクタ用バッファ、CG用バッファなどの各領域が割り当てられている。CG用バッファは、VDP130による描画処理が実行されるときにキャラクタの表示色が定義されたパレットデータを一時的に保存したり、描画処理により作成される演出画像の表示データを一時的に保存したりするために用いられる。
フレームバッファ132Bは、VDP130による描画処理などにより作成される演出画像の表示データなどが展開記憶される仮想表示領域を提供する。フレームバッファ132Bに展開記憶される表示データは、例えばポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータ(ベクタデータ)などに基づいてVDP130が作成したピクセルデータ(ラスタデータ)などであればよい。なお、フレームバッファ132Bには、例えばメイン画像表示装置5MAの画面上に表示される各種画像の表示データを記憶する実表示領域と、メイン画像表示装置5MAの画面上には表示されない各種画像の表示データを記憶する仮想表示領域とが含まれていてもよい。あるいは、フレームバッファ132Bの仮想表示領域にてメイン画像表示装置5MAの表示画面と同じ大きさの画面表示を行うための表示データが作成され、VDP130により読み出された仮想表示領域の表示データがメインLCD駆動回路133Aへと供給されることで、メイン画像表示装置5MAの側に出力されるようにしてもよい。VRAM132Aとフレームバッファ132Bは、同一の半導体メモリ(SDRAMなど)における別個の記憶領域として確保されたものであってもよいし、別個の半導体メモリを用いて構成されたものであってもよい。
フレームバッファ132Bの記憶領域には、画像表示領域と、画像描画領域とが割り当てられる。画像表示領域には、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に演出画像を表示させるための表示データが格納される。画像描画領域には、描画処理により作成された各演出画像の表示データが格納される。画像表示領域と画像描画領域は、Vブランクが発生するごとに互いに切り替わるようにしてもよい。Vブランクは、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に表示される画像を更新する周期で発生する。Vブランクが開始されるごとに、VDP130から演出制御用CPU120に対してVブランク割込信号が出力されるとともに、その他各種割込信号が、VDP130から演出制御用CPU120に対して出力される。
Vブランクが発生するごとに画像表示領域と画像描画領域とを切り替えることで、あるVブランク周期(第1描画表示期間)において画像描画領域として割り当てられた記憶領域では各演出画像の表示データを作成する描画処理が行われるとともに、次のVブランク周期(第2描画表示期間)おいては、この記憶領域が画像表示領域に切り替わる。したがって、第1描画表示期間における描画処理で作成された表示データは、第2描画表示期間にてメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUに向けて出力され、また、第2描画表示期間にて画像描画領域が割り当てられた記憶領域では、描画処理で作成された表示データの格納が行われることになる。
フレームバッファ132Bにおいて画像表示領域や画像描画領域が割り当てられる記憶領域のそれぞれには、メインフレームバッファと、サブフレームバッファとが割り当てられてもよい。メインフレームバッファには、メイン画像表示装置5MAの画面上に演出画像を表示させるための表示データなどが格納される。サブフレームバッファには、サブ画像表示装置5SUの画面上に演出画像を表示させるための表示データと、発光体ユニット71〜74の点灯データを作成するための表示データとが格納される。このように、サブフレームバッファに格納された表示データの一部を用いて、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体を点灯制御するための点灯データが作成される。
演出制御用CPU120は、例えばVDP130が備えるCPUインタフェースを介して、VDP130に内蔵されたシステムレジスタやアトリビュートレジスタにアクセスする。そして、演出制御パターンに含まれる表示制御データなどのプロセスデータに従ってシステムレジスタおよびアトリビュートレジスタに各種指令やデータを格納する。こうして、演出制御用CPU120は、メイン画像表示装置5MAおよびサブ画像表示装置5SUにおける表示動作や、発光体ユニット71〜74における点灯動作を、間接的に制御する。
プロセスデータには、Vブランクが発生するごとに演出制御用CPU120がVDP130のシステムレジスタやアトリビュートレジスタに対して行う設定内容が示されている。システムレジスタの設定内容としては、描画、データ転送の指令や、データ転送を行うCGデータやパレットデータ、アトリビュートの設定などがある。また、アトリビュートレジスタの設定内容は、演出画像の描画処理に使用されるパラメータとしてのアトリビュートを示していればよい。プロセスデータでは、Vブランクが発生するごとに画像の更新が行われるようにアトリビュートが設定されている。これにより、画像の更新を、Vブランクが発生するごとに行うことができる。
メインLCD駆動回路133Aは、VDP130から出力された表示データに応じた色信号(階調制御信号)を作成するとともに、所定のクロック信号(ドットクロック信号)や走査信号(駆動制御信号)をメイン画像表示装置5MAに出力することなどにより、メイン画像表示装置5MAの画面上に各種画像を表示させる回路である。サブLCD駆動回路133Bは、発光体制御回路134を介してVDP130から伝送された表示データに応じた色信号(階調制御信号)を作成するとともに、所定のクロック信号(ドットクロック信号)や走査信号(駆動制御信号)をサブ画像表示装置5SUに出力することなどにより、サブ画像表示装置5SUの画面上に各種画像を表示させる回路である。
発光体制御回路134は、VDP130がフレームバッファ132Bのサブフレームバッファから読み出した表示データを分離した一部のデータを用いて、発光体ユニット71〜74における複数の発光体による点灯態様を制御する回路である。発光体制御回路134は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)といった、専用ICを用いて構成されたものであればよい。あるいは、発光体制御回路134は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)といったプログラム可能な集積回路を用いて構成されたものであってもよい。発光体制御回路134によって分離した表示データのうち、発光体ユニット71〜74の点灯制御に用いられない残りの表示データは、サブLCD駆動回路133Bへと出力される。
VDP130は、表示データを出力するためのデータ信号出力系統として、メイン表示出力系統と、サブ表示出力系統といった、2系統の信号出力構成(出力回路および出力配線)を有している。この2つのデータ信号出力系統のうち一方の出力系統であるメイン表示出力系統は、メインLCD駆動回路133Aを介してメイン画像表示装置5MAに接続され、メイン画像表示装置5MAの画面表示に使用される表示データのデータ信号を伝送する。メイン画像表示装置5MAの画像表示に使用される表示データは、メイン側表示データともいう。2つのデータ信号出力系統のうち他方の出力系統であるサブ表示出力系統は、発光体制御回路134を介して発光体ユニット71〜74とサブLCD駆動回路133Bとに接続され、サブLCD駆動回路133Bからは、さらにサブ画像表示装置5SUへと接続されている。こうしたサブ表示出力系統では、サブ画像表示装置5SUの画面上における画像表示に使用される表示データのデータ信号が伝送されるとともに、発光体ユニット71〜74の点灯制御に使用される表示データのデータ信号が伝送される。発光体ユニット71〜74の点灯制御に使用される表示データは、発光体制御回路134において点灯データへと変換される。なお、メインLCD駆動回路133AやサブLCD駆動回路133B、発光体制御回路134は、演出制御基板12とは異なる別個の基板に搭載されてもよい。サブ画像表示装置5SUの画像表示に使用される表示データや、発光体ユニット71〜74の点灯制御に使用される表示データは、サブ側表示データともいう。
図9は、VDP130における端子接続例を示している。図9に示すVDP130では、メイン表示用クロック生成回路130Aにより生成された第1クロック信号が、メイン表示用ドットクロック入力端子である端子DCLKA1に入力され、サブ表示用クロック生成回路130Bにより生成された第2クロック信号が、サブ表示用ドットクロック入力端子である端子DCLKB1に入力される。また、VDP130において、メイン側表示データの出力用端子である端子TA1、端子TB1、端子TC1、端子TD1や、データ伝送用クロックとなるメイン表示用ドットクロックの出力用端子である端子TCLK1が、それぞれメインLCD駆動回路133Aに接続されている。VDP130およびメインLCD駆動回路133Aの間では、例えばLVDS(Low Voltage Differential Signal)方式といった所定のデジタル信号伝送方式で、データ信号やクロック信号を伝送可能とする。この構成では、4組のデータ信号線と1組のクロック信号線とを用いて、VDP130からメインLCD駆動回路133Aに対するデジタル信号の伝送が行われる。
加えて、VDP130において、サブ表示用ドットクロックの出力用端子である端子DCLK0、サブ表示用水平同期信号の出力用端子である端子HSYN、サブ表示用垂直同期信号の出力用端子である端子VSYN、サブ側表示データの出力用端子である端子RGB[0]〜端子RGB[23]が、それぞれ発光体制御回路134に接続されている。発光体制御回路134では、端子CLKINがVDP130の端子DCLK0に接続され、端子HSYNCがVDP130の端子HSYNに接続され、端子VSYNCがVDP130の端子VSYNに接続され、端子R0〜端子R7と端子G0〜端子G7と端子B0〜端子B7とがVDP130の端子RGB[0]〜端子RGB[23]に接続されている。
図10は、VDP130や発光体制御回路134の端子構成例を示している。VDP130が備える複数の端子は、例えば図10(A)に示すように、クロック入力系統、メイン表示出力系統、サブ表示出力系統といった、複数種類の端子群のいずれかに含まれるように分類される。例えば、メイン表示用ドットクロック入力端子となる端子DCLKA1、サブ表示用ドットクロック入力端子となる端子DCLKB1は、クロック入力系統の端子群に含まれるように分類される。メイン側表示データの出力用端子となる端子TA1、端子TB1、端子TC1、端子TD1と、データ伝送用クロックとなるメイン表示用ドットクロックの出力用端子となる端子TCLK1は、メイン表示出力系統の端子群に含まれるように分類される。サブ表示用ドットクロックの出力用端子となる端子DCLK0と、サブ表示用水平同期信号の出力用端子となる端子HSYNと、サブ表示用垂直同期信号の出力用端子となる端子VSYNと、サブ側表示データの出力用端子となる端子RGB[0]〜端子RGB[23]は、サブ表示出力系統の端子群に含まれるように構成される。
発光体制御回路134が備える複数の入力端子には、例えば図10(B)に示すような各種信号がVDP130から伝送される。例えば、端子CLKINはサブ表示用ドットクロックの入力用端子であり、端子HSYNCはサブ表示用水平同期信号の入力用端子であり、端子VSYNCはサブ表示用垂直同期信号の入力用端子である。また、端子R0〜端子R7は赤色に対応するサブ側表示データの入力用端子であり、端子G0〜端子G7は緑色に対応するサブ側表示データの入力用端子であり、端子B0〜端子B7は青色に対応するサブ側表示データの入力用端子である。
図11は、発光体制御回路134の構成例を示している。発光体制御回路134は、VDP130から出力された表示データの一部に基づき点灯制御情報に応じた制御信号を生成することなどにより、発光体ユニット71〜74のそれぞれに整列配置された複数の発光体を点灯制御する。発光体制御回路134は、信号分離回路140と、バッファメモリ141と、点灯データ生成回路142と、シリアル出力回路143と、発光体駆動部144とを備えている。
信号分離回路140は、VDP130から出力された表示データのうち、発光体ユニット71〜74の点灯制御に使用される一部の表示データを分離して、バッファメモリ141に一時記憶させる。発光体制御回路134には、VDP130から出力された表示データのうち、サブ表示出力系統に対応して出力された表示データが入力される。信号分離回路140は、発光体制御回路134に入力された表示データのうちで、さらに発光体ユニット71〜74の点灯制御に使用される一部の表示データを分離する。例えば信号分離回路140は、所定の同期信号(水平同期信号または垂直同期信号)やクロック信号(ドットクロック信号)に基づいて、点灯制御に使用される表示データを特定する。こうして特定した表示データを、バッファメモリ141における先頭の記憶領域(バッファメモリエリア)から所定順序で書き込んで一時記憶させる。
点灯データ生成回路142は、バッファメモリ141に一時記憶されている表示データを読み出し、所定の変換処理を実行することで、少なくとも点灯制御情報を構成する点灯データを生成する。点灯制御情報は、発光体ユニット71〜74のそれぞれに配置された発光体ごとに輝度(発光量)を設定するために用いられる。バッファメモリ141にはVDP130からサブ表示出力系統に対応して出力された表示データの一部が記憶される。したがって、点灯データ生成回路142は、VDP130によって作成された表示データの一部を点灯データに変換する。点灯データ生成回路142によって生成される点灯データには、点灯制御情報の他にも、ヘッダ情報やドライバ指定情報が含まれてもよい。ヘッダ情報は、予め定められたフォーマット(例えば9ビットが全て「1」、16進数では1FF[H])を有し、所定のデータ構成(データフレーム)を有する点灯データの先頭であることを示す。ドライバ指定情報は、例えば発光体ドライバに予め付与されたドライバID(デバイスID)や発光体ドライバのアドレスを指定し、点灯制御情報の宛先となる発光体ドライバを特定可能に示す。発光体ドライバのアドレスを指定するドライバ指定情報は、アドレス情報ともいう。なお、ヘッダ情報やドライバ指定情報は、点灯データ生成回路142の外部から供給されて、点灯データ生成回路142が生成した点灯制御情報に付加されてもよい。点灯データ生成回路142によって生成される点灯データは、点灯制御情報の内容などに応じて、ダイナミック点灯制御による発光体の駆動制御に用いられる駆動制御データと、発光体の階調制御に用いられて各発光色に対応した輝度(発光量)を指定する階調データとに、分類される。
点灯データ生成回路142は、可動部材51〜54に対応する発光体ユニット71〜74のそれぞれにおいて複数の発光体が配置された領域を複数のブロックに分割し、それらのブロックごとに発光体の点灯データを作成する。この実施の形態では、複数のブロックとして、発光体ブロックB01〜B42が予め設定されている。点灯データ生成回路143は、発光体ブロックB01〜B42のそれぞれに対応する点灯データを生成する。
図12は、可動部材51における複数の発光体が整列配置された領域について、複数のブロックに分割する設定例を示している。可動部材51にて複数の発光体が配置された領域は、図12(a)に示すような発光体ブロックB01〜B06と、図12(b)に示すような発光体ブロックB07〜B15とに分割される。可動部材51以外の可動部材52〜54についても、可動部材51と同様に、複数の発光体が配置された領域を複数のブロックに分割するように設定する。これにより、可動部材51〜54のそれぞれに設けられた発光体ユニット71〜74の全体では、発光体ブロックB01〜B42に分割されている。なお、発光体ブロックの分割数は、演出可動機構50を構成する可動部材の数や、複数の発光体が配置された領域の大きさなどに基づいて、任意に設定されたものであればよい。
発光体ブロックB01〜B42のそれぞれは、長方形または正方形といった方形状を基本形状としている。そのため、可動部材51〜54の形状などによって、発光体ユニット71〜74のそれぞれにて複数の発光体が配置された領域のうちには、方形状の発光体ブロックに収まりきれず、1の発光体ブロックに満たない発光体が配置された余り領域が生じることがある。また、複数の発光体ブロックのうちには、方形状の一部に発光体が配置されていない空き領域が生じることがある。そこで、1の発光体ブロックに満たない発光体が配置された余り領域を、いずれかの発光体ブロックにおける空き領域に含めることで、複数の発光体に対する点灯制御の処理負担を軽減させる。
各発光体ブロックB01〜B42には、1つのハーフブロックのみで構成されるものと、2つのハーフブロックの組合せで構成されるものとがある。ハーフブロックは、例えば最大で列方向(縦方向)には8ドット分の発光体(フルカラーLED)が配列されるとともに行方向(横方向)には12ドット分の発光体(フルカラーLED)が配列され、各発光体ブロックB01〜B42の基本構成単位となる。すなわち、各発光体ブロックB01〜B42は、少なくとも1つのハーフブロックを含んで構成されている。
点灯データ生成回路142は、出力タイミング設定部142Aを含んでいる。出力タイミング設定部142Aは、生成した点灯データをシリアル出力回路143により発光体駆動部144の各発光体ドライバに出力するタイミングを設定する。具体的な一例として、出力タイミング設定部142Aには、タイミング設定用のクロック信号が入力される。出力タイミング設定部142Aは、入力されたクロック信号の立上りタイミングなどに応じてカウントアップするクロックカウンタを含み、そのカウント値が、生成した点灯データごとに予め定められた出力判定値に達したか否かを判定する。点灯データごとの出力判定値は、発光体ブロックB01〜B42のそれぞれに対応して設けられた発光体ドライバによる点灯制御の実行タイミングに応じて、予め計算などにより設定されていればよい。こうして、出力タイミング設定部142Aは、発光体ユニット71〜74のそれぞれに配置された複数の発光体を、発光体駆動部144に含まれる複数の発光体ドライバにより点灯制御するための各種期間を設定する。
シリアル出力回路143は、点灯データ生成回路142が生成した点灯データに含まれる点灯制御情報などを、シリアル信号方式で発光体駆動部144に出力する。点灯データには、点灯制御情報の他に、ヘッダ情報やドライバ指定情報などが含まれてもよい。シリアル出力回路143は、少なくとも点灯データ生成回路142が生成した点灯制御情報を、シリアル信号方式で出力できるものであればよい。シリアル出力回路143から出力されるデータは、シリアル出力データともいう。シリアル出力回路143は、シリアル出力データを伝送するためのシリアル出力系統として、例えば21系統といった、複数の信号出力構成(出力回路および出力配線)を有している。シリアル出力回路143には、21系統のシリアル出力系統K01〜K21のそれぞれに対応するシリアル信号配線が接続され、各配線にシリアル信号方式で、点灯データに含まれる点灯制御情報などを出力する。こうして、シリアル出力回路143は、少なくとも点灯制御情報を含む制御信号をシリアル信号方式で複数系統のシリアル信号配線に出力する。
シリアル出力回路143は、例えばパラレル−シリアル変換回路と、シリアル出力ドライバとを含んで構成されてもよい。パラレル−シリアル変換回路は、点灯データ生成回路142から入力された点灯データを、パラレル信号方式からシリアル信号方式に変換(シリアル変換)する。具体的な一例として、パラレル−シリアル変換回路は、複数(例えば8個)のDフリップフロップを備え、点灯データ生成回路142からのパラレルデータがビット単位でいずれかのDフリップフロップに入力される。各Dフリップフロップには、所定周期で取込信号(ラッチ信号)が入力され、その立上りタイミングでパラレルデータが各Dフリップフロップにラッチされる。また、各Dフリップフロップにはクロック信号が入力され、クロック信号の立上りタイミングで順次シフト動作を行う。これにより、パラレルに入力した制御信号をシリアルデータに変換して出力することになる。変換後のデータは、シリアル出力ドライバに入力される。シリアル出力ドライバは、パラレル−シリアル変換回路にてシリアル変換されたデータを、例えばLVDS方式といった所定のシリアル信号方式で伝送することが可能な出力回路である。LVDSは、データ伝送用の差動インタフェース規格の1つであり、低電圧差動信号伝送方式あるいは小振幅差動信号伝送方式ともいう。なお、LVDSの規格に適合する信号伝送方式に限定されず、RSDS(Reduced Swing Differencial Signaling)方式やmini-LVDS方式、SLVS(Scalable Low Voltage Signaling)方式といった、所定の差動インタフェース規格に適合する信号伝送方式の他、CML(Current Mode Logic)やLVPECL(Low Voltage Positive-referenced Emitter Coupled Logic)といった所定仕様の信号伝送技術を用いたものであってもよい。
LVDS方式では、所定量の電流(例えば3.5mA)を供給する定電流源を設け、2本のデータ線(ツイストペア線)の電位差により信号レベルが決定される差動信号を生成する。差動信号は、シングルエンド信号に比べて外来ノイズに対する耐性が高いという性質を有している。また、差動信号は、シングルエンド信号よりも小さい振幅でのデータ伝送が可能であり、消費電力を低減することができる。差動信号では小さい振幅でのデータ伝送が可能であることに加え、2本のデータ線が結合することにより放射する電界を打ち消しあうので、放射ノイズを低減することができる。デジタル信号の最大速度は、信号のスルー・レート(立上り/立下り電圧変化量)で規定することができ、同じスルー・レートでは振幅が小さいほど速度が上がることになる。したがって、振幅が小さい差動信号を用いることで、振幅が大きいシングルエンド信号よりも高速でデータ伝送を行うことができる。
図13は、シリアル出力系統と発光体ブロックとの接続設定例を示している。図13に示す接続設定例では、シリアル出力系統K01〜K21ごとに、発光体ブロックB01〜B42のうち2つの発光体ブロックが割り当てられるように接続されている。例えば、シリアル出力系統K01には、シリアル信号配線を介して、発光体ブロックB01および発光体ブロックB02を点灯制御するための発光体ドライバなどが接続されている。シリアル出力系統K02には、シリアル信号配線を介して、発光体ブロックB03および発光体ブロックB04を点灯制御するための発光体ドライバなどが接続されている。シリアル出力系統K03以降についても、1のシリアル出力系統に対して2つの発光体ブロックを点灯制御するための発光体ドライバなどが接続されている。1のシリアル出力系統に割り当てられた発光体ブロックに含まれる発光体の点灯制御を行う複数の発光体ドライバは、シリアル信号配線を介したシリアルバス方式で接続されていればよい。なお、シリアルバス方式で接続されるものに限定されず、複数の発光体ドライバが直列接続(デイジーチェーン方式で接続)されてもよい。
なお、シリアル出力回路143は、シリアル出力データに対応する制御信号を21系統のシリアル出力系統K01〜K21に直接出力するものに限定されず、例えば所定のシリアル信号中継装置を介して各シリアル出力系統K01〜K21へと伝送されるものであってよい。具体的な一例として、4つの発光体ユニット71〜74に対応する4つのシリアル信号中継装置を、可動部材51〜54の所定位置に設置する。この場合、シリアル出力回路143には、4組の信号出力構成(出力回路および出力配線)として、パラレル−シリアル変換回路およびシリアル出力ドライバの組合せが、合計で4組設けられればよい。シリアル信号中継装置は、シリアル出力回路143のシリアル出力ドライバからの受信信号を複数系統に分離することで、発光体ユニット71〜74の全体において21系統のシリアル出力系統K01〜K21となるようにすればよい。シリアル信号中継装置は、複数系統に分離したシリアル出力データを、例えばSPI(Serial Peripheral Interface)方式といった所定のシリアル信号方式で伝送できればよい。この場合、シリアル出力回路143からシリアル信号中継装置までの信号伝送経路(第1通信経路)では、シリアル信号中継装置から発光体ドライバまでの信号伝送経路(第2通信経路)に比べて、電源と振幅の電圧がいずれも低電圧のシリアル信号方式で信号伝送が行われればよい。例えば第1通信経路では電源(電圧)が3.3Vであり振幅(電圧)が約0.35Vである一方、第2通信経路では電源(電圧)が5.0Vであり振幅(電圧)が約4.0Vである。すなわち、演出制御基板12に搭載された発光体制御回路134から各可動部材51〜54に設置されたシリアル信号中継装置に対して少なくとも点灯制御情報をシリアル信号方式で出力するシリアル出力ドライバは、各発光体ユニットに対応して受信信号を複数系統に分離してシリアル信号方式で各発光体ドライバに出力するシリアル信号中継装置よりも、低電圧で伝送可能なシリアル信号方式を用いたものであればよい。
また、第1通信経路では、データ通信速度が第2通信経路よりも高速のシリアル信号方式で信号伝送が行われてもよい。第1通信経路は、演出制御基板12と各シリアル信号中継装置とを接続する基板外のシリアル信号配線を含み、配線長が長くなることが多い。そこで、第1通信経路ではデータ通信速度が第2通信経路よりも高速のシリアル信号方式で信号伝送を行い、シリアル信号中継装置にて複数系統に分離して中継することで、基板外の配線数が増大することを防止して製造コストを抑制するとともに、シリアル信号配線からの放射ノイズを好適に抑制することができる。
第1通信経路では基準クロックをそのまま用いることでスペクトラム拡散が行われない一方、第2通信経路では基準クロックを周波数変調することによるスペクトラム拡散が行われる。このように、第2通信経路では、基準クロックを周波数変調したスペクトラム拡散クロック(SSC)を用いたシリアル信号方式で制御信号が伝送される。なお、第1通信経路でも、スペクトラム拡散クロックを用いたシリアル信号方式で制御信号が伝送されてもよい。こうしたスペクトラム拡散クロックを用いたシリアル信号方式で制御信号が伝送されることにより、シリアル信号配線からの放射ノイズを好適に抑制することができる。
図11に示す発光体駆動部144は、発光体ブロックB01〜B42のそれぞれに分割された領域に含まれる複数の発光体を点灯制御する複数の発光体ドライバを含んで構成される。各発光体ドライバは、シリアル信号配線を介してシリアル出力回路143から伝送されたシリアル出力データに含まれる点灯制御情報に基づいて、複数の発光体における点灯態様を変化させることができる。各発光体ドライバは、例えばデータラッチ部、シフトレジスタ、宛先判定部、ドライバ識別データレジスタ、データバッファを含んで構成されている。各発光体ドライバのデータラッチ部は、例えばラッチ回路によって構成され、シリアル信号配線を介して伝送されたデータを1ビットごとにラッチし、シフトレジスタに出力する。シフトレジスタは、データラッチ部から1ビットずつ入力されたデータを順に格納する。また、シフトレジスタは、例えばシリアル信号配線を介して伝送されたシリアルクロックの立上りタイミングに応じて格納データを1ビットずつシフトする。シフトレジスタは、シリアル信号中継装置から伝送されたスペクトラム拡散クロックである駆動クロックの立上りタイミングで順次シフト動作を行うようにしてもよい。このように繰返し格納データを先頭のレジスタ(先頭ビット)から末尾のレジスタ(最終ビット)へと1ビットずつシフトしていくことによって、シリアル信号配線を介して伝送されたデータがシフトレジスタに格納される。
各発光体ドライバの宛先判定部は、シフトレジスタの格納データからドライバ指定情報を検出し、そのドライバ指定情報が自ドライバを指定しているか否かを判定する。各発光体ドライバには、例えば、それぞれの発光体ドライバに予め付与されたドライバIDやアドレスを格納したドライバ識別データレジスタが設けられており、宛先判定部は、シフトレジスタの格納データで示されるドライバ指定情報が、ドライバ識別データレジスタの格納データで示されるものと一致するか否かを判定すればよい。一致した場合には、宛先判定部からデータバッファに入力取込信号(ラッチ信号)が出力される。一致しない場合には、シフトレジスタに格納したデータをデータバッファに出力することなく、そのまま破棄すればよい。発光体駆動部144に含まれる複数の発光体ドライバは、例えば複数のシリアル出力系統K01〜K21のそれぞれに対応して直列に接続されている。各発光体ドライバは、シリアル信号配線を介して伝送されたデータが自ドライバを宛先としているかを確認するために、所定端子から一旦内部に入力されたデータ信号を、自ドライバ用の信号と後続ドライバ用の信号とに分岐させる。こうして、自ドライバ用の信号に対応するデータがシフトレジスタなどで構成された確認用のバッファに一旦格納され、自ドライバを宛先としない場合には破棄する一方、自ドライバを宛先とする場合には対応する点灯制御を行う。なお、複数の発光体ドライバが並列接続されている場合には、各発光体ドライバの内部でデータ信号を分岐させる必要はなく、確認用のバッファにデータが一旦格納された後、自ドライバを宛先としない場合には、そのまま破棄すればよい。
各発光体ドライバのデータバッファは、例えば6ビットのラッチレジスタによって構成され、宛先判定部からの入力取込信号を受けると、シフトレジスタから点灯制御情報に相当するデータを取り込んでラッチする。各発光体ドライバには、例えば、出力端子数(出力信号線数)に対応した複数のデータバッファ(それぞれ6ビット)が設けられており、点灯制御情報に相当するデータを、各データバッファに順次取り込んでラッチすればよい。各発光体ドライバは、すべてのデータバッファにてデータのラッチが完了すると、データバッファの格納データに応じた信号出力を、内部クロックに基づく所定周期で繰り返す。すべてのデータバッファにてデータのラッチが完了するまでは、前回受信した設定値に応じた信号出力を繰り返す。なお、所定のリセットコマンドを受信したことなどに応じてデータバッファの格納データがクリアされた場合には、信号出力を停止する。このように、各発光体ドライバは、例えば新たなデータのラッチが完了することや、データバッファがクリアされることなどの所定条件が成立するまで、シリアル出力回路143から取得した点灯制御情報に基づく点灯制御を繰り返し行う。
各発光体ブロックB01〜B42に含まれる複数の発光体は、それらの配置に応じて、それぞれが複数のグループのうちのいずれかに分類される。複数の発光体ドライバには、複数のグループのうちで1のグループを選択して点灯対象とするグループ選択用の発光体ドライバと、パルス幅変調(PWM;Pulse Width Modulation)により点灯対象となる発光体の階調制御を行うパルス幅変調用の発光体ドライバとがある。発光体ブロックB01〜B42のそれぞれでは、グループ選択用の発光体ドライバが駆動制御データを用いてダイナミック点灯制御による発光体の駆動制御を行い、パルス幅変調用の発光体ドライバが階調データを用いて発光体の階調制御を行う。
グループ選択用の発光体ドライバは、予め定められたグループ選択周期に対応する単位制御期間において、複数のグループのうち1のグループに分類された発光体が点灯可能となるように、1のグループを選択する駆動制御を行う。グループ選択周期は、発光体ユニット71〜74の全体における表示の更新周期である発光フレーム周期を、複数の発光体が分類されるグループ数で等分した時間長を有していればよい。具体的な一例として、各発光体ブロックB01〜B42を構成するハーフブロックの行方向(横方向)に配列された12ドット分の発光体数に対応して、複数の発光体を第1グループから第12グループのいずれかに分類する。そして、発光フレーム周期が1/80秒(12.5ミリ秒)である場合、この発光フレーム周期を12等分した1/960秒(約1.0ミリ秒)の時間長を有するグループ選択周期(単位制御期間)が設けられる。
グループ選択用の発光体ドライバは、複数のグループのうちで点灯対象とするグループの選択を、グループ選択周期で切り替える。すなわち、グループ選択用の発光ドライバは、単位制御期間が終了すると点灯制御の対象となるグループを1のグループから他のグループに順次切り替える。例えば複数の発光体が第1グループから第12グループのいずれかに分類される場合、発光フレーム周期に含まれる最初の単位制御期間(第1単位制御期間)では第1グループが点灯制御の対象となるように選択を行い、次の単位制御期間(第2単位制御期間)では第2グループが点灯制御の対象となるように選択を行う。その後、第3単位制御期間から第11単位制御期間のそれぞれに対応して第3グループから第11グループが点灯制御の対象となるように選択が行われ、発光フレーム周期に含まれる最終の単位制御期間(第12単位制御期間)では第12グループが点灯制御の対象となるように選択が行われる。
グループ選択用の発光体ドライバには、シリアル出力回路143から出力されたシリアル出力データに含まれる点灯制御情報のうち、駆動制御データを構成する点灯制御情報が取り込まれ、データバッファにデータがラッチされる。すべてのデータバッファにデータがラッチされると、出力信号線(デジット信号線)に対するデジット信号(駆動制御信号)の出力を開始または停止する。グループ選択用の発光体ドライバでは、グループ選択の開始に対応してデジット信号の出力を開始するとき、複数のデータバッファのうち点灯対象として選択するグループに対応する1のデータバッファ(6ビット)に、すべてのビットが「1」となるデータが取り込まれてラッチされる。それ以外のデータバッファには、すべてのビットが「0」となるデータが取り込まれてラッチされる。グループ選択用の発光体ドライバは、このようにしてすべてのデータバッファにてデータのラッチが完了すると、データバッファの格納データに応じて、デジット信号の信号状態をオン状態またはオフ状態とする。例えば、すべてのビットが「1」となるデータがラッチされた1のデータバッファに対応する出力信号線(デジット信号)には、信号状態がオン状態となるデジット信号(駆動制御信号)が継続して出力される。これに対し、すべてのビットが「0」となるデータがラッチされた他のデータバッファに対応する出力信号線(デジット信号線)には、信号状態がオフ状態となるデジット信号(駆動制御信号)が継続して出力される。
また、グループ選択用の発光体ドライバでは、デジット信号の出力を停止するとき、すべてのデータバッファにおいてすべてのビットが「0」となるように、データがラッチまたはリセットされる。グループ選択用の発光体ドライバは、このようにしてすべてのデータバッファにてすべてのビットが「0」となるデータのラッチが完了すると、各データバッファに対応する出力信号線(デジット信号線)には、信号状態がオフ状態となるデジット信号(駆動制御信号)が継続して出力される。こうして、グループ選択用の発光体ドライバに接続された1の出力信号線(デジット信号線)におけるデジット信号(駆動制御信号)の信号状態がオン状態となり、他の出力信号線(デジット信号線)におけるデジット信号(駆動制御信号)の信号状態がオフ状態となることで、複数のグループのうちで点灯対象とする1のグループが選択される。
なお、複数のグループのうちで点灯対象とするグループの選択を切り替えるグループ選択周期と、選択された1のグループに対応してグループ選択用の発光体ドライバに接続された1の出力信号線(デジット信号線)におけるデジット信号(駆動制御信号)の信号状態がオン状態となる期間は、必ずしも一致するものではない。グループの選択が切り替えられても、階調データや駆動制御データの取込みに要する期間があり、この期間ではデジット信号の信号状態をオン状態にできないことがある。また、この実施の形態では、1のグループに含まれる複数の発光体に対する階調制御を行う期間が、パルス幅変調による階調制御周期の整数倍となるように、デジット信号の信号状態をオン状態とする期間が設定される。このような1のグループに含まれる複数の発光体に対する階調制御を行う期間は、グループ点灯制御期間(あるいは出力可能期間)と称する。
パルス幅変調用の発光体ドライバは、グループ選択用の発光体ドライバにより点灯対象として選択された1のグループに含まれる複数の発光体に対する階調制御を行う。パルス幅変調用の発光体ドライバには、シリアル出力回路143から出力されたシリアル出力データに含まれる点灯制御情報のうち、階調データを構成する点灯制御情報が取り込まれ、データバッファにデータがラッチされる。すべてのデータバッファにデータがラッチされると、出力信号線(データ信号線)に対するデータ信号(階調制御信号)の出力を開始する。パルス幅変調用の発光体ドライバから出力されるデータ信号は、各データ信号線に対応するデータバッファの格納データに応じて、信号状態がオン状態(例えばハイレベルの12V)になるオン期間および信号状態がオフ状態(例えばローレベルの0V)になるオフ期間が設定される。例えば、パルス幅変調用の発光体ドライバは、各データバッファ(6ビット)の格納データを16進数に換算して、そのデータバッファに対応する出力信号線(データ信号線)におけるデータ信号(階調制御信号)のオン期間を、「0」から「63」まで64段階からなるいずれかに設定する。パルス幅変調用の発光体ドライバは、内部クロックに基づく階調制御周期で、データ信号(階調制御信号)の出力を繰り返す。各発光体を構成する発光素子は、階調制御周期においてデータ信号(階調制御信号)の信号状態がオン状態となるオン期間の割合に応じて、輝度(発光量)が変化する。こうして、パルス幅変調用の発光体ドライバは、パルス幅変調による階調制御周期におけるデータ信号のオン期間の割合を制御することで複数の発光体の階調制御を行う。
図14は、具体的な一例として、発光体ブロックB11に対応する発光体ドライバの構成例を示している。図14に示す構成例では、発光体ブロックB11に対応する複数の発光体ドライバとして、グループ選択用の発光体ドライバ411Sと、上側パルス幅変調用の発光体ドライバ411DUと、下側パルス幅変調用の発光体ドライバ411DDとが設けられている。図13に示すシリアル出力系統K06のシリアル信号配線は、シリアル出力回路143から発光体ブロックB11に対応するグループ選択用の発光体ドライバ411S、上側パルス幅変調用の発光体ドライバ411DU、下側パルス幅変調用の発光体ドライバ411DDの順に接続され、続いて発光体ブロックB12に対応して設けられた発光体ドライバへと接続されていればよい。
発光体ドライバ411S、発光体ドライバ411DU、発光体ドライバ411DDのそれぞれには、互いに異なるドライバIDまたはアドレスが割り当てられている。シリアル出力回路143は、ドライバIDまたはアドレスを指定するドライバ指定情報を含めた点灯データを、シリアル出力系統K06に含まれるシリアル信号配線に出力することで、発光体ブロックB11に対応する複数の発光体ドライバのいずれかに点灯制御情報を伝送する。
シリアル信号配線には、シリアルクロックSCが伝送されるシリアルクロック配線と、シリアルクロックSCに同期したシリアルデータSDが伝送されるシリアルデータ配線とが含まれていればよい。シリアル信号配線に接続された発光体ドライバは、シリアルクロックSCに同期したシリアルデータSDとして伝送される駆動制御データまたは階調データを取り込んで、複数の発光体の点灯制御を行う。
発光体ブロックB11は、上側パルス幅変調用の発光体ドライバ411DUによって階調制御される複数の発光体から構成されるハーフブロックB11Uと、下側パルス幅変調用の発光体ドライバ411DDによって階調制御される複数の発光体から構成されるハーフブロックB11Dとの組合せで構成されている。このように、各発光体ブロックは、その発光体ブロックよりも小さいモジュールとなるハーフブロックの組合せで構成されていればよい。なお、複数の発光体ブロックは、2つのハーフブロックの組合せで構成されたものに限定されない。例えば、複数の発光体ブロックのうちには、2つのハーフブロックを組み合わせて構成された発光体ブロックの他に、1つのハーフブロックのみで構成された発光体ブロックが含まれていてもよい。発光体ブロックB11が1つのハーフブロックのみで構成される場合には、グループ選択用の発光体ドライバ411Sと、上側パルス幅変調用の発光体ドライバ411DUとを備える一方、下側パルス幅変調用の発光体ドライバ411DDを備えない構成とすればよい。このように、各発光体ブロックは、グループ選択用の発光体ドライバを1つ備えるとともに、パルス幅変調用の発光体ドライバを1つまたは2つ備えるように構成されればよい。
ハーフブロックB11UとハーフブロックB11Dはそれぞれ、発光体の数が同数となるように構成されていればよい。例えば、グループ選択用の発光体ドライバ411Sは、12本のデジット信号線が接続され、12列(12ドット分)に整列配置された複数の発光体を駆動制御するための駆動制御信号となるデジット信号を出力する。上側パルス幅変調用の発光体ドライバ411DUと下側パルス幅変調用の発光体ドライバ411DDはそれぞれ、8行(8ドット分)に整列配置された複数の発光体を階調制御するための階調データ信号を出力する。1つの発光体(フルカラーLED)は、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光可能な3つの発光素子を含んでいればよい。パルス幅変調用の発光体ドライバは、各ドットに対応する発光体に含まれる3つの発光素子に対して個別の階調制御を行うために、8ドット分の発光体に応じて合計24(=8×3)本のデータ信号線が接続されていればよい。したがって、上側パルス幅変調用の発光体ドライバに対応するハーフブロックB11Uと下側パルス幅変調用の発光体ドライバに対応するハーフブロックB11Dはいずれも、グループ選択用となるデジット信号線側の12列およびパルス幅変調用となるデータ信号線側の8行からなる合計96個の発光体を含むように形成されている。発光体ブロックB11以外の発光体ブロックを構成するハーフブロックについても同様に、合計96個の発光体を含むように形成されていればよい。このように、発光体ブロックを構成するモジュールとしてのハーフブロックは、いずれも同数の発光体を点灯制御できるように構成されていればよい。
各ハーフブロックでは、デジット信号線とデータ信号線の交差位置に、各発光体を構成して所定色で発光する発光素子(LED)が接続されている。例えば、データ信号線にはLEDのアノードが接続され、デジット信号線にはLEDのカソードが接続されていればよい。この場合、デジット信号線に供給されるデジット信号(駆動制御信号)は、オフ状態であるときに電源電圧に対応したハイレベル(例えば12V)となる一方、オン状態であるときに接地電圧に対応したローレベル(例えば0V)となればよい(負論理)。また、データ信号線に供給されるデータ信号(階調制御信号)は、オフ状態であるときに接地電圧に対応したローレベル(例えば0V)となる一方、オン状態であるときに電源電圧に対応したハイレベル(例えば12V)となればよい(正論理)。これにより、デジット信号とデータ信号の少なくともいずれか一方がオフ状態であるときには、発光素子であるLEDが逆バイアス状態または無バイアス状態となって発光しない。これに対し、デジット信号とデータ信号の双方がオン状態であるときには、発光素子であるLEDが順バイアス状態となって発光する。なお、デジット信号とデータ信号における正負論理関係と、デジット信号線とデータ信号線に対する発光素子(LED)の接続関係は、相互に入れ替えられたものであってもよい。
なお、1つのハーフブロックに含まれる発光体の数は、合計96個に限定されず、発光体ドライバの仕様や設計などに基づいて予め定められた任意の個数であればよい。例えば、デジット信号線を8本構成として、8列に整列配置された複数の発光体を駆動制御する場合には、デジット信号線側の8列およびデータ信号線側の8行からなる合計64個の発光体が、1つのハーフブロックに含まれるように形成すればよい。また、1つのハーフブロックで点灯制御できる発光体の数と、実際に1つのハーフブロックに含まれている発光体の数とは、必ずしも常に一致していなくてもよい。例えば、1つのハーフブロックで点灯制御できる発光体の数が96個である一方、実際に1つのハーフブロックに含まれる発光体の数は、発光体ユニット71〜74における発光体の配置などにより、96個よりも少なくなる場合があってもよい。このように、複数の発光体が配置された領域を分割した複数のブロックよりも小さいモジュールとしてのハーフブロックごとに、所定数以下の発光体を点灯制御するように構成されていればよい。
図14に示す発光体ブロックB11に配置された複数の発光体は、グループ選択用となるデジット信号線側の12列に対応して、第1グループから第12グループのいずれかに分類される。グループ選択用の発光体ドライバ411Sは、グループ選択周期に対応する単位制御期間において、第1グループから第12グループのうちいずれか1のグループに分類された発光体の点灯制御(駆動制御)を行い、単位制御期間が終了すると点灯対象となるグループを1のグループから他のグループに順次切り替える。上側パルス幅変調用の発光体ドライバ411DUと下側パルス幅変調用の発光体ドライバ411DDはそれぞれ、階調データを構成する点灯制御情報に基づいて、パルス幅変調による階調制御周期におけるデータ信号(階調制御信号)のオン期間の割合を制御することで、グループ選択用の発光体ドライバ411Sによって選択されたグループに含まれる複数の発光体の階調制御を行う。パルス幅変調による階調制御周期は、パルス幅変調用の各発光体ドライバにおける内部クロックに基づいて設定される。例えば内部クロックの周波数が1MHzであり、パルス幅変調による最小パルス幅が内部クロック周期と同一である場合には、データ信号の出力レベルが1マイクロ秒単位で調整可能となる。データ信号(階調制御信号)のオン期間を「0」から「63」まで64段階からなるいずれかに設定可能にするために、階調制御周期は、予め64マイクロ秒に設定されていればよい。
点灯データ生成回路142は、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、複数の発光体をダイナミック点灯制御するとともに、パルス幅変調(PWM)により階調制御するための点灯データを生成する。例えば発光体の駆動タイミングを指定する駆動制御データとして、デジット信号線ごとに異なるタイミングで複数の発光体を時分割駆動するための制御データを生成する。また、各データ信号線に接続された複数の発光体を構成するR(赤)、G(緑)、B(青)の各発光素子に応じてパルス幅変調されたデータ信号により発光色ごとの輝度(発光量)を指定する階調データを生成する。なお、パルス幅変調用の発光体ドライバは、パルス幅変調方式のようにパルス信号の出力期間(オン期間)に応じて発光体の階調制御を行うものであるが、これに代えて、例えば一定期間内に出力するパルス信号の数(パルス数)や、パルス信号の振幅(駆動電流値)といった、パルス信号の物理量(パルス量)に応じて発光体の階調制御を行う発光体ドライバが設けられてもよい。
シリアル出力回路143は、点灯データ生成回路142によって生成された点灯データをシリアル信号方式で、点灯制御の対象となる発光体ブロックが接続されたシリアル出力系統のシリアル信号配線に出力する。各発光体ブロックに対応して設けられたグループ選択用の発光体ドライバは、駆動制御データに基づくデジット信号を出力することで、デジット信号線に接続された複数の発光体を駆動制御する。各発光体ブロックに対応して設けられた上側パルス幅変調用または下側パルス幅変調用の発光体ドライバは、階調データに基づくデータ信号を出力することで、データ信号線に接続された複数の発光体を階調制御する。
例えばシリアルクロックSCの周波数が2MHzの場合には、階調データとなる点灯データをシリアル信号方式で伝送してパルス幅変調用の発光体ドライバが取り込むための所要時間が、最大184マイクロ秒となる。デジット信号をオン状態またはオフ状態とするための駆動制御データをシリアル信号方式で伝送してグループ選択用の発光体ドライバが取り込むための所要時間は52マイクロ秒となる。一方、シリアルクロックSCの周波数が8MHzの場合には、階調データとなる点灯データを取り込むための所要時間が、最大46マイクロ秒となる。デジット信号をオン状態またはオフ状態とするための駆動制御データを取り込むための所要時間は13マイクロ秒となる。また、シリアルクロックSCの周波数が12MHzの場合には、階調データとなる点灯データを取り込むための所要時間が、最大30マイクロ秒となる。デジット信号をオン状態またはオフ状態とするための駆動制御データを取り込むための所要時間は8マイクロ秒となる。このように、シリアルクロックSCの周波数が増大するに従って、階調データや駆動制御データを取り込むための所要時間が短くなる。ただし、シリアルクロックSCの周波数が増大するに従って、データの取りこぼしが発生する割合が増大し、放射ノイズが発生しやすくなる。このような事情を考慮して、シリアルクロックSCの周波数は、予め所定のクロック周波数(例えば2MHz)に設定されればよい。
こうして、発光体ユニット71〜74のそれぞれでは、整列配置された複数の発光体が、デジット信号がオンとなるグループ点灯制御期間にてデータ信号に応じたデューティ比(階調制御周期におけるオン期間の割合)で発光して、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、ダイナミック点灯方式(パルス点灯方式、デューティ点灯方式、時分割点灯方式ともいう)により点灯態様を変化させることができる。このように、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとにダイナミック点灯制御を行うように構成することで、発光体駆動部144では、複数の発光体ドライバを用いた点灯制御の並列実行が可能になる。
図7に示す演出制御基板12に搭載された乱数回路124は、演出動作の制御に用いられる各種の乱数値を示す数値データを更新可能にカウントする。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。I/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。この遊技球が普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)すると、その遊技球が図7に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどに基づいて第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどに基づいて第1開始条件が成立する。こうして、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
遊技領域に向けて発射された遊技球が、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)すると、その遊技球が図7に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて、第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどに基づいて、第2開始条件が成立する。こうして、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行される。なお、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
普通可変入賞球装置6Bでは、普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに基づいて、電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。開放制御や拡大開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが第1可変状態としての拡大開放状態であるときに、第2始動入賞口を遊技球が通過容易または通過可能になる。普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件は、通過ゲート41を通過した遊技球が図7に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて成立する。普図始動条件が成立した後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図7に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、メイン画像表示装置5MAの画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄は、それぞれ左図柄、中図柄、右図柄ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、メイン画像表示装置5MAにおいて飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として、予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、予め定められたハズレ図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「ハズレ」(非特定表示結果)となる。可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、メイン画像表示装置5MAの画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29.5秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、大入賞口スイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「16」)に達するまで繰返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて遊技状態が確変状態となり、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変制御が行われることがある。確変状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されること、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の確変終了条件が成立するまで継続するように制御される。なお、確変終了条件は、可変表示の実行回数にかかわらず、次回の大当り遊技状態が開始されるときに成立するようにしてもよい。大当り遊技状態が終了した後には遊技状態が時短状態となり、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短制御が行われることがある。時短状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されたこと、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の時短終了条件が成立するまで継続するように制御される。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(「有利遊技状態」ともいう)となる。なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。
メイン画像表示装置5MAにおいて、最終停止図柄(例えば左図柄、中図柄、右図柄のうちの中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して大当り組合せと一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出を、リーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出が含まれる可変表示をリーチ可変表示という。リーチ態様は、飾り図柄の変動パターンなどに対応して予め複数種類が用意されており、リーチ態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。リーチ演出のうちには、ノーマルのリーチ演出と、ノーマルのリーチ演出よりも大当り期待度が高いスーパーリーチのリーチ演出とが含まれていればよい。そして、メイン画像表示装置5MAの画面上で変動表示される図柄の表示結果が大当り組合せでない場合には「ハズレ」となり、変動表示状態は終了する。
メイン画像表示装置5MAの画面上における液晶表示の演出として飾り図柄の可変表示が行われる。加えて、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上では、例えばキャラクタ画像を用いる演出や、大当り判定と変動パターンの判定結果などに基づいて報知画像を表示するような演出も実行される。特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われている可変表示中に実行される各種の演出は、「可変表示中演出」ともいう。可変表示中演出の一例として、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性や、スーパーリーチのリーチ演出が実行される可能性、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを、遊技者に予め示唆するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告演出パターンが予め用意されている。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにハズレ図柄が停止表示(導出)されて可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、可変表示態様が「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)となる場合と、可変表示態様が「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)となる場合とが含まれている。可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組合せ(非リーチ組合せ)が停止表示(導出)される。可変表示態様が「リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り組合せとはならない所定の飾り図柄の組合せ(リーチハズレ組合せ)が停止表示(導出)される。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、遊技制御プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる遊技制御プロセス処理では、RAM102に設けられた遊技プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図15は、遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す遊技制御プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、まず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS11)。一例として、ステップS11では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bから伝送される検出信号となる始動入賞信号の入力状態(オン/オフ)をチェックして、オン状態であれば始動入賞が発生したと判定すればよい。
ステップS11にて始動入賞が発生した場合には(ステップS11;Yes)、入賞時乱数を格納する(ステップS12)。一例として、ステップS12の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵(または外付)の乱数回路104や、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてRAM102とは別個に設けられた内部レジスタを用いて構成されたランダムカウンタなどのうち、少なくとも一部により更新される遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値)を示す数値データの一部または全部を抽出する。このとき抽出された乱数値は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた保留用乱数値記憶部などに、保留番号と対応付けた保留データとして記憶されればよい。
ステップS12の処理に続いて、始動入賞時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS13)。一例として、ステップS13の処理では、始動入賞の発生を通知する始動入賞指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われればよい。ステップS11にて始動入賞が発生していない場合や(ステップS11;No)、ステップS13の処理を実行した後には、遊技プロセスフラグの値を判定する(ステップS21)。そして、遊技制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。
例えば、遊技プロセスフラグの値が“0”であるときには、図柄の可変表示(可変表示ゲーム)が開始可能であるか否かを判定する(ステップS101)。一例として、ステップS101の処理では、保留用乱数値記憶部の記憶内容をチェックすることなどにより、可変表示ゲームの保留数が「0」であるか否かを判定する。このとき、保留数が「0」以外である場合には、可変表示の始動条件が成立した後、未だ開始条件が成立していない可変表示の保留が行われていることから、可変表示が開始可能であると判定する。これに対して、保留数が「0」である場合には、可変表示が開始不可能であると判定する。可変表示が開始不可能であるときには(ステップS101;No)、遊技制御プロセス処理を終了する。
ステップS101にて可変表示が開始可能であるときには(ステップS101;Yes)、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定する(ステップS102)。特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果は、特図表示結果と称される。ステップS102の処理では、保留用乱数値記憶部において先頭(保留番号が最小の記憶領域)に記憶されている遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値など)を読み出す。保留用乱数値記憶部から読み出した遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた可変表示用乱数バッファなどに一時記憶させておけばよい。そして、可変表示結果決定用の乱数値と可変表示結果決定テーブルとを用いて、可変表示結果を「大当り」とするか否かを所定割合で決定する。ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」に決定されるように、可変表示結果決定テーブルにおける判定値が設定されていればよい。
ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときには、さらに遊技状態決定用の乱数値と遊技状態決定テーブルとを用いて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態といった特別遊技状態とするか否かの決定を行う。これらの決定結果に対応して、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定すればよい。
ステップS102の処理に続いて、内部フラグなどの設定を行う(ステップS103)。一例として、ステップS103の処理では、ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする。また、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定されたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変確定フラグをオン状態にセットするなどして、確変状態となることを特定可能に記憶しておいてもよい。その後、遊技プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS104)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“1”であるときには、変動パターンなどを決定する(ステップS111)。図16は、パチンコ遊技機1において用いられる変動パターンの設定例を示している。各変動パターンは、可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定図柄が導出表示されるまでの所要時間(可変表示時間)や演出態様の概略を特定可能に示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。変動パターンは、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における変動時間(可変表示時間)ごとに、予め複数パターンが用意されている。したがって、変動パターンを決定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を決定することができる。
ステップS111の処理では、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パターン決定用の乱数値と変動パターン決定テーブルとを用いて、使用パターンとなる変動パターンを所定割合で決定する。このときには、各変動パターンの決定割合を、可変表示結果が「大当り」に決定されたか否かに応じて異ならせることにより、各変動パターンに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)を異ならせることができる。
また、ステップS111の処理では、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合の変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。あるいは、変動パターンを決定するより前に、リーチ決定用の乱数値とリーチ決定テーブルとを用いて、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かを決定するようにしてもよい。すなわち、ステップS111の処理では、可変表示結果やリーチ有無の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができればよい。
ステップS111の処理に続いて、可変表示開始時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS112)。一例として、ステップS112の処理では、可変表示の開始を指定する可変表示開始コマンドとして、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コマンドや、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを通知する変動パターン指定コマンドなどを、送信するための設定が行われればよい。また、可変表示の開始により保留数が減少することに対応して、減少後の保留数を通知する保留数通知コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
ステップS112の処理により変動パターンが決定されたことに対応して、可変表示時間が設定される。また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bのいずれかによる特別図柄の可変表示を開始させるための設定が行われてもよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかに対して所定の駆動信号を伝送することにより、図柄の可変表示が開始されればよい。いずれの特別図柄表示装置における特別図柄を用いた特図ゲームを実行するかは、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したことに基づく特図ゲームであるかに応じて、設定されればよい。より具体的には、第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが行われる。一方、第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが行われる。その後、遊技プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS113)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“2”であるときには、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS121)。そして、可変表示時間が経過していない場合には(ステップS121;No)、特別図柄の可変表示制御を行ってから(ステップS122)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示時間が経過した場合には(ステップS121;Yes)、特別図柄の可変表示を停止させ、確定図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS123)。
ステップS123の処理に続いて、可変表示終了時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS124)。一例として、ステップS124の処理では、可変表示の終了(停止)を指示する可変表示終了コマンドや、可変表示結果が「大当り」の場合に大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)などを、送信するための設定が行われればよい。
ステップS124の処理を実行した後には、可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS125)。そして、可変表示結果が「大当り」である場合には(ステップS125;Yes)、遊技プロセスフラグの値を“3”に更新してから(ステップS126)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS125;No)、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS127)、遊技制御プロセス処理を終了する。なお、ステップS127の処理が実行されるときには、確変状態や時短状態を終了させるか否かの判定を行い、所定条件の成立に基づき終了させると判定したときに、これらの遊技状態を終了して通常状態に制御するための設定が行われてもよい。
遊技プロセスフラグの値が“3”であるときには、所定の大当り終了条件が成立したか否かに応じて、大当り遊技状態を終了させるか否かを判定する(ステップS131)。大当り終了条件は、例えば大当り遊技状態において実行されるラウンドがすべて終了したことなどであればよい。大当り遊技状態を終了させない場合には(ステップS131;No)、大当り時における遊技動作制御を行ってから(ステップ132)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、大当り遊技状態を終了させる場合には(ステップS131;Yes)、大当り終了後の遊技状態を制御するための設定を行う(ステップS133)。
一例として、ステップS133の処理では、確変確定フラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。これにより、可変表示結果を「大当り」とすることに決定したときに、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定された場合には、この決定結果に対応して遊技状態を確変状態に制御することができる。時短状態に制御する場合にも、これに相当する設定が行われればよい。その後、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS134)、遊技制御プロセス処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受ける。電源投入により起動用の電力供給が開始された演出制御用CPU120では、演出制御メイン処理が実行される。また、表示制御部123のVDP130では、電力供給が開始されたときに、サブ表示用ドットクロックの出力状態が初期出力状態となり、その後に通常出力状態へと切り替わる。サブ表示用ドットクロックの初期出力状態では、メイン表示用クロック生成回路130Aにより生成された第1クロック信号が、サブ表示用ドットクロックの出力用端子である端子DCLK0から出力される。サブ表示用ドットクロックの通常出力状態では、サブ表示用クロック生成回路130Bにより生成された第2クロック信号が、サブ表示用ドットクロックの出力用端子である端子DCLK0から出力される。このように、電力供給が開始されたときに、VDP130の端子DCLK0から出力されるサブ表示用ドットクロックとして、まずは40MHzといった所定周波数の第1クロック信号が出力され、その後に27MHzといった特定周波数の第2クロック信号が出力されるように切り替わる。こうしたサブ表示用ドットクロックの供給を受ける発光体制御回路134は、例えば回路の個体差などにより、サブ表示用ドットクロックの周波数が切り替わる変化点で正常な動作ができなくなり、発光体ユニット71〜74の点灯制御を適切に行うことができなくなる(点灯不可となる)おそれがある。また、サブLCD駆動回路133Bにおいても、例えば回路の個体差などにより、サブ表示用ドットクロックの周波数が切り替わる変化点で正常な動作ができなくなり、サブ画像表示装置5SUの表示制御を適切に行うことができなくなる(表示不可となる)おそれがある。そこで、この実施の形態では、サブ表示用ドットクロックの出力状態が初期出力状態から通常出力状態へと切り替わるときに、演出制御用CPU120が実行するソフトウェアでの設定により、VDP130の端子DCLK0におけるサブ表示用ドットクロックとなるクロック信号の出力を制限する出力制限期間が設けられる。
図17は、演出制御用CPU120により実行される演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す演出制御メイン処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば表示制御部123のVDP130に内蔵されたシステム制御レジスタの設定といった、起動時の各種設定を行う(ステップS71A)。ステップS71Aの処理では、例えばVDP130のリセット完了まで待機した後、VDP130が備えるインタフェース回路におけるエンディアンとデータバス幅の設定を行ってから、システム制御レジスタの設定が行われてもよい。また、ステップS71Aの処理では、これらの設定以外にも、例えば、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定などが行われてもよい。なお、演出制御基板12がバックアップ機能を有する場合には、ステップS71Aにて所定の演出状態復旧処理が実行されてもよい。演出状態復旧処理では、所定のバックアップ領域にチェックデータが格納されているか否かを判定し、チェックデータが格納されている場合には所定のチェックサム算出処理により算出したチェックサムとの比較結果(チェック結果)が正常(一致)であるか否かを判定する。そして、チェック結果が正常である場合には、RAM122のバックアップデータ記憶領域に格納されているバックアップデータにより各種データを復旧する。一方、チェックデータが格納されていない場合や、チェック結果が正常ではない場合などには、RAM122をクリアするなどの初期化処理を実行する。
ステップS71Aの処理を実行した後には、VDP130におけるサブ表示用ドットクロックの出力制限期間を設定する(ステップS71B)。ステップS71Bでは、例えばVDP130が備えるクロック出力設定用の内蔵レジスタに、サブ表示用ドットクロックの出力を停止するように制限(出力禁止)するサブ出力制限値として、予め定められた値を設定する。その後、出力制限期間が経過するまで待機してから、クロック出力設定用の内蔵レジスタに、サブ表示用ドットクロックの出力を許可するサブ出力許可値として、予め定められた値を設定する。こうして、演出制御用CPU120が実行するソフトウェアでの設定により、VDP130におけるサブ表示用ドットクロックの出力用端子である端子DCLK0からサブ表示用ドットクロックが出力されることを制限する出力制限期間を設けることができる。すなわち、演出制御用CPU120が実行するソフトウェアにより設定された出力制限期間では、VDP130におけるサブ表示用ドットクロックの出力用端子である端子DCLK0からの信号出力を行わないように制限が設けられる。出力制限期間は、例えば1ミリ秒(ms)といった、VDP130と発光体制御回路134との間でのデータ通信リンクが確実に切断(初期化)できる期間として、予め定められた時間長を有する期間であればよい。こうした出力制限期間を設け、サブ表示用ドットクロックの出力を一旦停止してデータ通信リンクを初期化してから再びサブ表示用ドットクロックの出力を開始させることで、例えば発光体制御回路134といったサブ表示用ドットクロックの受信側では、クロックレートの変更が生じる場合でも同期を確立可能とする。これにより、例えばサブ画像表示装置5SUにおける画像表示あるいは発光体ユニット71〜74の点灯などによる表示の不具合を解消することができる。
出力制限期間は、サブ表示用ドットクロックの周波数が切り替わる変化点(初期出力状態から通常出力状態への切替タイミング)が含められるように、予め定められていればよい。あるいは、出力制限期間に変化点を含められない場合でも、変化点より後に出力制限期間となるようにすれば、VDP130と受信側の回路との間でデータ通信リンクを一旦初期化して、変化後の周波数に対応したデータ通信リンクを再び確立することができる。
ステップS71Bの処理を実行した後には、RTC200における異常の有無を検出する(ステップS72)。例えばステップS72の処理では、RTC200から出力される日付データを取得できるか否かを判定する。このとき、日付データを取得できない場合には、パチンコ遊技機1が導入されてから長時間が経過したことによりRTC200に電力を供給している一次電池が消耗した可能性が高いと推定して、RTC200に異常が発生したことを検出する。
ステップS72の処理による検出結果に応じて、RTC200に異常があるか否かを判定する(ステップS73)。RCT200に異常がない場合には(ステップS73;No)、RTC200から出力される日付データを取得する(ステップS74)。続いて、取得した日付データが示す日付などをチェックして、その日付に異常があるか否かを判定する(ステップS75)。このとき、取得した日付データが実際にはあり得ない年月日(例えば13月や32日など)を示していれば、ノイズなどの原因により取得した日付データが異常となった可能性が高いと推定して、日付に異常があると判定する。また、取得した日付データが所定範囲を超える場合(例えばパチンコ遊技機1の導入日から10年の期間を外れる場合など)にも、日付に異常があると判定してもよい。
ステップS75にて日付に異常がないと判定された場合には(ステップS75;No)、ステップS74の処理により取得した日付データを、RAM122の日付データ記憶領域に記憶させる(ステップS76)。これに対し、ステップS73にてRTC200に異常があると判定された場合や(ステップS73;Yes)、ステップS75にて日付に異常があると判定された場合には(ステップS75;Yes)、RTC200の異常を報知するための設定を行う(ステップS77)。ステップS77の処理による設定に応じて、所定の異常報知時間が経過するまで、例えば遊技効果ランプ9を所定色で点滅表示させることにより、RTC200の異常をホール(遊技場)の従業員などが認識可能に報知する。このときには、異常の種類に応じて異なる報知態様で、異常の発生を報知してもよい。具体的な一例として、ステップS73の処理によりRTC200に異常があると判定された場合には遊技効果ランプ9を赤色で点滅表示させる一方、ステップS75の処理により日付に異常があると判定された場合には遊技効果ランプ9を青色で点滅表示させてもよい。これにより、RTC200における異常の原因が、一次電池の消耗によるものであるか、ノイズなどによるものであるかを、従業員などが容易に推察することができる。なお、RTC200の異常や日付の異常があると判定された場合には、予めROM121などに格納されている基準日付を示す日付データを読み出して、日付データ記憶領域に記憶させればよい。例えば基準日付を示す日付データは、パチンコ遊技機1がホール(遊技場)に導入されたときに対応する日付を示すものであればよい。
ステップS76、S77の処理のいずれかを実行した後には、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップ78)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS78;No)、ステップS78の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS78にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS78;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS79)、コマンド解析処理を実行する(ステップS80)。ステップS80にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS80にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS81)。ステップS81の演出制御プロセス処理では、例えばメイン画像表示装置5MAの表示領域やサブ画像表示領域5SUの表示領域における演出画像の表示動作、発光体ユニット71〜74のそれぞれに整列配置された複数の発光体における点灯動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、発光体ユニット71〜74とは異なる遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、可動用モータ60における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS81の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS82)、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS78の処理に戻る。
図18は、図17のステップS81にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に記憶された演出プロセスフラグの値を判定し、演出制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。演出プロセスフラグの判定値に応じて実行される処理には、ステップS170〜S176の処理が含まれている。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、メイン画像表示装置5MAの画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。このような第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、メイン画像表示装置5MAの画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態であるときに実行される大当り中演出における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像をメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に表示させたり、発光体ユニット71〜74による表示演出を実行させたりすること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させること、その他の演出制御を実行して、大当り遊技状態に対応した大当り中演出を実行可能にする。大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態が終了するときに実行される大当り終了演出(エンディング演出)における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像の表示や果音の出力、各種発光部材の点灯/消灯/点滅、その他の演出動作を制御して、大当り遊技状態の終了に対応した大当り終了演出を実行可能にする。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図19は、図18のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS401)。ステップS401の処理として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124またはRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す飾り図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す飾り図柄)のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。大当り中昇格演出は、大当りを想起させるが確変状態を想起させないような飾り図柄の組合せ(非確変大当り組合せ)が一旦は停止表示されてから、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に確変状態となるか否かを報知する演出である。
具体的な一例として、可変表示内容が「非確変(大当り)」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、可変表示内容が「確変(大当り)」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、可変表示内容が「確変(大当り)」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
ステップS401の処理では、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示(再変動)させて同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。ステップS401の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップS401における最終停止図柄などの決定に続いて、可動発光演出を実行するか否かという可動発光演出の有無と、実行する場合における可動発光演出の種別とを決定する(ステップS402)。この実施の形態では、可動発光演出の種別として、通常発光演出を実行することに対応した「通常発光」と、特定発光演出を実行することに対応した「特定発光」とが、予め設けられている。一例として、ステップS402の処理では、可動発光演出の有無と種別を決定するための使用テーブルとして、予め用意された可動発光演出種別決定テーブルを選択してセットする。可動発光演出種別決定テーブルでは、変動パターンや大当り種別に応じて、可動発光演出種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、可動発光演出を実行しない場合に対応する「実行なし」の決定結果や、可動発光演出を実行する場合における「通常発光」や「特定発光」といった可動発光演出の種別などに、割り当てられていればよい。そして、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出用ランダムカウンタ等から抽出した可動発光演出種別決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、可動発光演出種別決定テーブルを参照することにより、可動発光演出の有無と種別とを決定すればよい。
可動発光演出の有無や種別を決定するための大当り種別としては、可変表示内容が「非確変(大当り)」となる場合に対応した「非確変」と、可変表示内容が「確変(大当り)」となる場合に対応した「確変」とが設けられている。すなわち、大当り種別が「非確変」である場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。大当り種別が「確変」である場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
図20(a)は、ステップS402の処理による可動発光演出の決定例を示している。この決定例では、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンが図16に示す変動パターンPA2−2、変動パターンPA2−3、変動パターンPA3−2、変動パターンPA3−3といった、スーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンである場合に、可動発光演出を実行する決定が可能になる。変動パターン指定コマンドに示された変動パターンがスーパーリーチのリーチ演出を伴わない変動パターンである場合には、可動発光演出を実行しない「実行なし」に決定すればよい。スーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンである場合でも、図17に示すステップS73にてRTC200に異常があると判定されたときや、ステップS75にて日付に異常があると判定されたときには、可動発光演出を実行しない「実行なし」に決定してもよいし、可動発光演出の種別が「通常発光」に決定され、「特定発光」には決定されないようにしてもよい。ステップS402の処理では、変動パターンPA2−2や変動パターンPA2−3であるときに比べて、変動パターンPA3−2や変動パターンPA3−3であるときに、高い割合で可動発光演出を実行することに決定される。図16に示すように、変動パターンPA2−2や変動パターンPA2−3は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンである。一方、変動パターンPA3−2や変動パターンPA3−3は、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンである。したがって、スーパーリーチのリーチ演出が実行される可変表示において、可動発光演出が実行された場合には、可動発光演出が実行されなかった場合よりも、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。
加えて、図20(a)に示すような割合で可動発光演出の種別が「通常発光」または「特定発光」に決定されることにより、特定発光演出が実行された場合には、通常発光演出が実行された場合よりも、可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御される可能性が高くなる。さらに、特定発光演出が実行された場合には、通常発光演出が実行された場合よりも、大当り種別が「確変」となる可能性が高くなり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる可能性が高くなる。こうして、RTC200から取得した日付データに示される日付の範囲などに応じて異なる演出態様で特定発光演出が実行された場合には、RTC200から取得した日付データに示される日付の範囲にかかわらず共通の演出態様で通常発光演出が実行された場合や、可動発光演出が実行されない場合よりも、高い割合で可変表示結果が「大当り」となったり、大当り遊技状態の終了後に高い割合で確変状態となればよい。図20(a)に示された決定割合は一例であり、特定発光演出が実行された場合に、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される可能性が高くなるように設定されていればよい。
図19に示すステップS402の処理による決定に基づいて、可動発光演出の種別が「通常発光」であるか否かを判定する(ステップS403)。このとき、「通常発光」であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、通常発光演出を実行するために予め用意された通常発光演出パターンを決定する(ステップS404)。これに対し、ステップS403にて「通常発光」ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、可動発光演出の種別が「特定発光」であるか否かを判定する(ステップS405)。そして、「特定発光」であると判定された場合には(ステップS405;Yes)、日付データ記憶領域における日付データの記憶を読み出す(ステップS406)。続いて、特定発光演出を実行するために予め用意された特定発光演出パターンを決定する(ステップS407)。
この実施の形態では、複数の特定発光演出パターンとして、12の特定発光演出パターンLP1〜特定発光演出パターンLP12が、予め用意されている。一例として、ステップS407の処理では、特定発光演出パターンを決定するための使用テーブルとして、予め用意された特定発光演出パターン決定テーブルを選択してセットする。特定発光演出パターン決定テーブルでは、日付データに示される日付の範囲が1月から12月までのいずれであるかに対応して、特定発光演出パターンLP1〜特定発光演出パターンLP12のそれぞれに決定されるように、テーブルデータが構成されていればよい。
図20(b)は、ステップS407の処理による特定発光演出パターンの決定例を示している。この決定例では、日付データに示される日付の範囲(日付範囲)が1月である場合に特定発光演出パターンLP1とすることが決定され、日付範囲が2月である場合に特定発光演出パターンLP2とすることが決定され、日付範囲が3月である場合に特定発光演出パターンLP3とすることが決定され、日付範囲が4月である場合に特定発光演出パターンLP4とすることが決定され、日付範囲が5月である場合に特定発光演出パターンLP5とすることが決定され、日付範囲が6月である場合に特定発光演出パターンLP6とすることが決定され、日付範囲が7月である場合に特定発光演出パターンLP7とすることが決定され、日付範囲が8月である場合に特定発光演出パターンLP8とすることが決定され、日付範囲が9月である場合に特定発光演出パターンLP9とすることが決定され、日付範囲が10月である場合に特定発光演出パターンLP10とすることが決定され、日付範囲が11月である場合に特定発光演出パターンLP11とすることが決定され、日付範囲が12月である場合に特定発光演出パターンLP12とすることが決定される。これにより、RTC200の計時値を示すデータとしての日付データに基づいて、計時値に応じて異なる種類の表示演出を行うための特定発光演出パターンを決定できる。
このように、図19に示すステップS407の処理では、RTC200から出力された計時値を示す計時データとしての日付データを参照して、特定発光演出パターンが決定される。これに対し、ステップS404の処理では、RTC200から出力された計時データを参照することなく、通常発光演出パターンが決定される。したがって、特定発光演出として、RTC200の計時値に応じて異なる種類の表示演出が実行される。一方、通常発光演出として、RTC200の計時値にかかわらず共通の表示演出が実行される。
ステップS404、S407の処理のいずれかを実行した後や、ステップS405にて可動発光演出の種別が「特定発光」ではなく、可動発光演出を実行しない「実行なし」であると判定された場合には(ステップS405;No)、予告演出を決定する(ステップS408)。ステップS408の処理では、例えば予めROM121の所定領域に記憶するなどして用意された予告演出決定テーブルを用いて、予告演出の有無や、予告演出を実行する場合の演出態様などが決定されればよい。予告演出決定テーブルでは、例えば可変表示内容に応じて、予告演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、予告演出の有無や演出態様の決定結果に、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される予告演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、予告演出決定テーブルを参照することにより、予告演出の有無や演出態様を決定すればよい。
ステップS408の処理に続いて、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS409)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS404の処理による通常発光演出パターンの決定結果、ステップS407の処理による特定発光演出パターンの決定結果、ステップS408の処理による予告演出の決定結果などに対応して、複数用意された演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットしてもよい。
図21(a)は、演出制御パターンの構成例を示している。図21(a)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、可動部材制御データ、操作検出制御データ、終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御プロセスタイマ判定値は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切替タイミングなどを示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの表示画面における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの表示画面における演出画像の表示動作を指定するデータである。この実施の形態では、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体による点灯態様を制御する点灯データの作成に用いられる表示データが、サブ画像表示装置5SUの表示画面における演出画像の表示データに付加されている。したがって、表示制御データによりサブ画像表示装置5SUの表示画面における演出画像の表示動作を指定すれば、発光体ユニット71〜74を構成するように整列配置された複数の発光体による点灯態様も指定することができる。なお、表示制御データにより発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体における点灯態様を指定するものに限定されず、表示制御データとは別個の制御データを用いて、複数の発光体における点灯態様が指定されてもよい。
音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体ユニット71〜74以外の各種発光部材における点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、各種発光部材の点灯動作を指定するデータである。
可動部材制御データには、例えば可動部材51〜54を回動させたり移動させたりする可動用モータ60の駆動態様を示すデータといった、可動部材51〜54の動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、可動部材制御データは、可動部材51〜54の回動動作や移動動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ31Aの操作桿に対する指示操作(傾倒操作)とトリガボタンに対する指示操作(押引操作)とを有効に検出する操作有効期間、あるいはプッシュボタン31Bに対する指示操作(押下操作)を有効に検出する操作有効期間や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、可動部材制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用模型が備える可動部材における動作態様を示す演出用模型制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図21(b)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像をメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上に表示させる制御を行う。この実施の形態では、表示制御データにより指定される態様で発光体ユニット71〜74に整列配置された複数の発光体を点灯させて表示演出(可動発光演出)を実行する制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9等の各種発光部材を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aのトリガボタンや操作桿あるいはプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(メイン画像表示装置5MA、サブ画像表示装置5SU、発光体ユニット71〜74、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9を含む各種発光部材、可動部材51〜54など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、可動部材制御データ#1〜可動部材制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えばVDP130がその指令に示される画像データ(画像要素データ)を画像データメモリ131から読み出してVRAM132Aに一時記憶させる。また、VDP130は、VRAM132Aに記憶されている画像データから、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの表示画面に応じた画像データを選択し、選択した画像データをピクセルデータに変換するなどしてフレームバッファ132Bの所定位置(画像表示装置5の表示領域における表示位置を示す情報等によって示される位置)に配置する。これにより、フレームバッファ132Bに1画面分の表示データを作成する。このとき、サブ画像表示装置5SUの表示画面における演出画像の表示データには、発光体ユニット71〜74の点灯データを作成するために使用される表示データが付加される。その他、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図19に示すステップS409の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS410)。そして、メイン画像表示装置5MAにおける飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS411)。このときには、例えばステップS409にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP130に対して伝送させることなどにより、メイン画像表示装置5MAの画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS411の処理に続き、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を更新するための設定を行う(ステップS412)。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS413)、可変表示開始設定処理を終了する。
図22は、図18のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。一例として、ステップS451の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS451にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS451;No)、可動用モータ制御期間であるか否かを判定する(ステップS452)。可動用モータ制御期間は、可動用モータ60の駆動制御により演出可動機構50の可動部材51〜54を動作(移動)させる期間であり、例えば図19に示すステップS409の処理にて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。可動用モータ制御期間であるときには(ステップS452;Yes)、可動部材51〜54を移動させるために、可動用モータ60の駆動を制御する(ステップS453)。一例として、ステップS453の処理では、可動発光演出を実行するために決定された演出制御パターンにおいて、演出制御プロセスタイマのタイマ値と合致した演出制御プロセスタイマ判定値に対応づけられた可動部材制御データを読み出す。演出制御用CPU120は、読み出した可動部材制御データに応じた駆動制御信号を、可動機構制御基板16に供給する。これにより、可動部材51〜54の回動動作や移動動作といった動作態様を制御して、退避状態(第1位置)と進出状態(第2位置)との間で移動させるように、可動用モータ60を駆動することができる。
ステップS452にて可動用モータ制御期間ではない場合や(ステップS452;No)、ステップS453の処理を実行した後には、発光演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS454)。発光演出実行期間は、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体における点灯態様を制御することによる表示演出(可動発光演出)を実行する期間であり、例えば図19に示すステップS409の処理にて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。発光演出実行期間であるときには(ステップS454;Yes)、可動発光演出を実行するための制御が行われる(ステップS455)。一例として、ステップS455の処理では、可動発光演出を実行するために決定された演出制御パターンにおいて、演出制御プロセスタイマのタイマ値と合致した演出制御プロセスタイマ判定値に対応付けられた表示制御データを読み出す。演出制御用CPU120は、読み出した表示制御データに応じた表示制御指令を、表示制御部123のVDP130に送る。これにより、複数の発光体における点灯態様を制御して、可動発光演出を各種態様で実行させることができる。
ステップS454にて発光演出実行期間ではない場合や(ステップS454;No)、ステップS455の処理を実行した後には、リーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS456)。リーチ演出実行期間は、変動パターンに応じたリーチ演出を実行する期間であり、例えば図19に示すステップS409の処理にて変動パターンと対応して決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。リーチ演出実行期間である場合には(ステップS456;Yes)、リーチ演出を実行するための制御が行われる(ステップS457)。
ステップS456にてリーチ演出実行期間ではない場合や(ステップS456;No)、ステップS457の処理を実行した後には、例えば飾り図柄の可変表示動作といった、その他の演出動作を実行するための制御を行ってから(ステップS458)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS451にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS451;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS459)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS459;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS459にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS459;Yes)、例えば表示制御部123のVDP130に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS460)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS461)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS462)、可変表示中演出処理を終了する。
図22に示すステップS453、S455、S457、S458の各処理では、図19に示すステップS409の処理で決定された演出制御パターンから演出制御プロセスタイマ値に基づいて読み出されたプロセスデータを用いて、各種の演出装置による演出動作を実行するための制御が行われる。例えば、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたか否かの判定を行い、タイムアウトしたらプロセスデータにおける演出制御実行データの切り替えを行う。すなわち、図21(a)に示すようなプロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている表示制御データに基づいて、メイン画像表示装置5MAおよびサブ画像表示装置5SUの表示制御と、発光体ユニット71〜74に整列配置された複数の発光体の点灯制御とが行われる。また、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている音声制御データに基づいてスピーカ8L、8Rの音声出力制御が行われる。さらに、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されているランプ制御データに基づいて遊技効果ランプ9や装飾LEDの点灯制御が行われる。プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている可動部材制御データに基づいて可動用モータ60の駆動制御が行われる。その他にも、プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、次に設定されている操作検出制御データに基づいてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bによる指示操作の検出制御が行われる。
演出制御用CPU120は、メイン画像表示装置5MAおよびサブ画像表示装置5SUの表示制御と、発光体ユニット71〜74のそれぞれに整列配置された複数の発光体の点灯制御を行うために、表示制御部123のVDP130に対して各種の表示制御指令を送信する。演出制御用CPU120がVDP130に対して送信する表示制御指令には、例えば転送指令、展開指令、出力指令が含まれていればよい。
転送指令は、画像データメモリ131に記憶されている複数種類の画像データ(画像要素データ)から、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUでの画面表示に用いられる画像データと、発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データの作成に用いられる画像データとを読み出して、VRAM132Aに一時記憶させることを示す。例えば、転送指令は、画像データメモリ131における画像データの読出位置や、画像データを展開記憶させた場合の画像サイズなどを、VDP130に通知するためのデータを含んでいればよい。ここで、画像データメモリ131における画像データの読出位置は、画像データメモリ131における読出アドレスであってもよいし、読出対象となる画像データに対応する画像要素に付された特定情報(例えば画像要素データに対応するキャラクタ画像のキャラクタ番号)などといった任意の情報を用いて特定されるものでもよい。
展開指令は、VRAM132Aに一時記憶されている画像データから、メイン画像表示装置5MAおよびサブ画像表示装置5SUの表示領域に応じた画像データと、発光体ユニット71〜74のそれぞれに整列配置された複数の発光体に応じた画像データとを選択し、選択した画像データに基づく描画処理を実行して、表示データをフレームバッファ132Bの画像描画領域に作成することを示す。例えば、展開指令は、VRAM132Aに一時記憶されている画像データを指定するためのデータや、フレームバッファ132Bにおける画像要素の配置(設定位置)を指定するためのデータを含んでいればよい。ここで、VRAM132Aに一時記憶されている画像データを指定するためのデータは、VRAM132Aにおける読出アドレスを指定するデータであってもよいし、選択対象となる画像データに対応する画像要素に付された特定情報などといった任意の情報を示すデータであってもよい。
出力指令は、フレームバッファ132Bの画像描画領域と画像表示領域とを切り替え、画像表示領域となった記憶領域に格納されている表示データをメイン表示出力系統やサブ表示出力系統に供給して、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUおよび発光体ユニット71〜74の側に出力することを示す。VDP130は、出力指令を受信するごとに、フレームバッファ132Bから読み出した1画面分の表示データを出力するとともに、垂直同期信号を供給して、垂直同期信号と同じ周期でVブランク割込みを発生させてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、VDP130からのVブランク割込みの発生に同期して、描画に関わる処理を実行すればよい。
演出制御用CPU120は、転送指令や展開指令、出力指令の他にも、各種の表示制御指令を表示制御部123のVDP130に対して送信できればよい。例えば、表示データを出力するために設定されたフレームバッファ132Bの画像表示領域における記憶内容をVRAM132Aに複写することを示す複写指令や、フレームバッファ132Bの画像描画領域における内容とエフェクト用画像に応じた画像データとの間で演算(例えば加算や減算、半透明化処理を実現するための演算など)を行うことを示す描画指令などが、演出制御用CPU120から表示制御部123のVDP130に対して送信されてもよい。
また、演出制御用CPU120は、電源投入により電力供給が開始されたときに、図17に示すような演出制御メイン処理のステップS71Bにて、VDP130が備えるクロック出力設定用の内蔵レジスタにサブ出力制限値を設定することにより、出力制限期間を設ける。VDP130では、電力供給が開始されたときに、サブ表示用ドットクロックの出力状態が初期出力状態となり、その後に通常出力状態へと切り替わる。
図23は、VDP130によるサブ表示用ドットクロックの出力動作例を示している。この出力動作例では、タイミングT0にて電力供給が開始される。これにより、VDP130におけるサブ表示用ドットクロックの出力状態が初期出力状態となる。初期出力状態では、メイン表示用クロック生成回路130Aにより生成された第1クロック信号が、サブ表示用ドットクロックとしてVDP130の端子DCLK0から出力される。第1クロック信号の周波数は、例えば40MHzの所定周波数となる。
タイミングT0における電力供給の開始に対応して第1クロック信号がサブ表示用ドットクロックとして出力される初期出力状態となった後、状態切替時間が経過してタイミングT1に達すると、サブ表示用ドットクロックの出力状態が初期出力状態から通常出力状態へと切り替わる。このときには、サブ表示用クロック生成回路130Bにより生成された第2クロック信号が、サブ表示用ドットクロックとしてVDP130の端子DCLK0から出力される。第2クロック信号の周波数は、例えば27MHzの特定周波数となる。タイミングT0にて初期出力状態となってからタイミングT1にて通常出力状態となるまでに要する状態切替時間は、例えば電力供給の開始によるVDP130のリセット完了や内部設定の初期化に伴う所要時間として、予め定められていてもよい。なお、状態切替時間は、一定時間となるものに限定されず、例えばVDP130の個体差などにより、所定範囲でばらつくものであってもよい。
演出制御用CPU120にて図17に示すステップS71Bの処理が実行されないことで、出力制限期間が設けられない場合には、図23(A)に示すようなタイミングT1に達したときに、サブ表示用ドットクロックが出力されたまま周波数が切り替わる。このようなタイミングT1にてサブ表示用ドットクロックの周波数が切り替わる変化点となる場合には、発光体制御回路134による点灯制御やサブLCD駆動回路133Bによる表示制御に不具合が生じて正常な動作(点灯や表示)ができなくなるおそれがある。
これに対し、演出制御用CPU120にて図17に示すステップS71Bの処理が実行されることで、例えば図23(B)に示すような出力制限期間SD1が設けられる。図23(B)に示す例では、電力供給が開始されたタイミングT0にて初期出力状態となった後、通常出力状態に切り替わるタイミングT1より前のタイミングT10にて、出力制限期間SD1が開始される。その後、タイミングT1より後のタイミングT11にて、出力制限期間SD1が終了する。出力制限期間SD1では、サブ表示用ドットクロックが出力されないように制限が設けられる。これにより、VDP130と受信側の回路との間におけるデータ通信リンクを一旦切断(初期化)してから、通常出力状態におけるサブ表示用ドットクロックに対応したデータ通信リンクを確立することで、表示に不具合が生じないようにすることができる。
図24は、表示制御部123のVDP130によって実行される画像データ処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す画像データ処理において、VDP130は、演出制御用CPU120から伝送された表示制御指令が転送指令であるか否かを判定する(ステップS701)。そして、転送指令である場合には(ステップS701;Yes)、画像データメモリ131から読み出した画像データをVRAM132Aに書き込んで一時記憶させる(ステップS702)。
ステップS701にて転送指令ではない場合や(ステップS701;No)、ステップS702の処理を実行した後には、演出制御用CPU120から伝送された表示制御指令が展開指令であるか否かを判定する(ステップS703)。そして、展開指令である場合には(ステップS703;Yes)、VRAM132Aにおける指定された記憶領域の画像データを選択してフレームバッファ132Bの画像描画領域に書き込む(ステップS704)。こうしてフレームバッファ132Bの画像描画領域に選択された画像データが書き込まれることなどにより、演出画像の表示や点灯データの生成に用いられる表示データが作成される。VRAM132Aに一時記憶されている画像データを選択するときには、1の画像要素に対応する画像データ(画像要素データ)のうち、一部の画像データだけを抽出(クリッピング)してフレームバッファ132Bに書き込むようにしてもよい。
ステップS703にて展開指令ではない場合や(ステップS703;No)、ステップS704の処理を実行した後には、演出制御用CPU120から伝送された表示制御指令が出力指令であるか否かを判定する(ステップS705)。このとき、出力指令ではない場合には(ステップS705;No)、画像データ処理を終了する。一方、出力指令である場合には(ステップS705;Yes)、フレームバッファ132Bにおける画像描画領域と画像表示領域とを切り替えて、切替後の画像表示領域から表示データを読み出し、メインLCD駆動回路133Aを含むメイン表示出力系統、またはサブLCD駆動回路133Bと発光体制御回路134とを含むサブ表示出力系統に、読み出された表示データを出力する(ステップS706)。
このような画像データ処理を実行することにより、VDP130は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づいて、演出画像の表示に必要なキャラクタ画像データといった各種の画像データを画像データメモリ131から読み出して、VRAM132Aの所定領域に配置する。演出画像を表示するときには、何度も同じキャラクタ画像が繰返し表示されることがある。画像データメモリ131に記憶されている画像データが圧縮されている場合には、これを読み出した後に伸長するための時間を要する。そこで、演出画像の表示を開始する段階で、必要なキャラクタ画像データなどをVRAM132Aの記憶領域に配置することで、各フレームに対応して画像データメモリ131から読出しを行うのに比較して、描画に要する時間を短縮することができる。
演出制御用CPU120は、演出画像の表示が開始された後、Vブランクが発生するごとに、VDP130のアトリビュートレジスタにアトリビュートを設定してから、アトリビュートの読込実行を指示する。これに応じて、VDP130は、アトリビュートを読み込む。この読込みが完了すると、VDP130から演出制御用CPU120に対して読込終了割込信号が出力される。演出制御用CPU120は、読込終了割込信号を受けると、描画処理の実行を指示する。こうして、VDP130は、読み込んだアトリビュートに従ってフレームバッファ132Bに表示データを書き込むことによる描画処理を実行する。
フレームバッファ132Bにおいて画像表示領域や画像描画領域が割り当てられる複数の記憶領域のそれぞれには、メインフレームバッファと、サブフレームバッファとが割り当てられている。メインフレームバッファには、メイン画像表示装置5MAの画面上にて画像表示するための表示データが格納される。例えば、メインフレームバッファには、横方向(X軸方向)に800ドット、縦方向(Y軸方向)に600ドットの画素データを記憶可能なメモリエリアが割り当てられる。サブフレームバッファには、サブ画像表示装置5SUの画面上にて画像表示するための表示データと、発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データの作成に用いられる表示データとが格納される。例えば、サブフレームバッファには、横方向(X軸方向)に480ドット、縦方向(Y軸方向)に885ドットの画素データを記憶可能なメモリエリアが割り当てられる。
図25は、VDP130の描画処理などによる表示データの作成例と出力例を示している。演出画像の表示や表示演出が実行されるときに、VDP130は、スプライト画像の画像データをVRAM132Aから読み出して、メインフレームバッファとサブフレームバッファに表示データを書き込む描画処理を実行する。画像データメモリ131から読み出されてVRAM132Aに一時記憶されるスプライト画像の画像データのうち、発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データの作成に用いられる画像データは、例えば図25(a)に示すように、横方向(X軸方向)に320ドット、縦方向(Y軸方向)に320ドットの画像サイズに対応している。
VDP130は、点灯データ作成用の画像データを、横方向(X軸方向)に80ドット、縦方向(Y軸方向)に80ドットの画像サイズに縮小する。縮小された画像サイズは、複数の発光体が整列配置された発光体ユニット71〜74の解像度に対応している。このように、点灯データ作成用の画像データは、発光体ユニット71〜74の解像度よりも高い解像度を有している。こうして、スーパーサンプリングといったアンチエイリアシング処理を行い、複数の発光体による表示の解像度よりも高い解像度を有する画像データを用いて、点灯データに変換される表示データを作成する。これにより、例えばキャラクタ画像などの輪郭に発生するジャギーを抑制して、発光体ユニット71〜74における表示の円滑性を高めることができる。特に、キャラクタ画像などの演出画像を移動表示させるときには、輪郭部分を円滑に表示して、発光体ユニット71〜74における表示演出の興趣を向上させることができる。なお、画像サイズの縮小は、VDP130による画像データの変形処理や表示データの描画処理において行われてもよいし、所定のスケーラ回路を用いて行われてもよい。スケーラ回路は、フレームバッファ132Bから読み出した表示データの画素数を変換することで、所定の縮小率(例えば1/4)で画像サイズを縮小できればよい。このように、表示データのサイズ変更は、ハードウェア回路によって実現されてもよいし、ソフトウェアとしての所定プログラムを実行することで実現されてもよい。
VDP130は、発光体ユニット71〜74のそれぞれにて複数の発光体が配置された領域を複数の発光体ブロックに分割したことによる各発光体のブロック割当設定に応じて、表示データの一部移動といった変形処理を行う。例えば図25(b)に示すように、1の発光体ブロックに満たない発光体が配置された余り領域に含まれる発光体が、いずれかの発光体ブロックにおける空き領域に含められることに対応して、表示データの一部(図25(b)に示す例では「A」を示す画像の上端部分)を切り取り、他の画像位置に移動させる。高機能な描画処理を実行可能なVDP130を用いて表示データの変形処理を実行することにより、発光体制御回路134における点灯データの処理負担を軽減することができる。
フレームバッファ132Bに割り当てられたサブフレームバッファには、例えば図25(c)に示すような表示データが格納される。この表示データは、サブ画像表示用のデータと、発光体制御用のデータとを含み、1フレーム分の画像表示に対応している。サブ画像表示用のデータは、横方向(X軸方向)に480ドット、縦方向(Y軸方向)に800ドットの画像サイズ(サブ画像表示装置5SUの解像度と同一)に対応して、サブ画像表示装置5SUの画面上における画像表示に用いられる。発光体制御用のデータは、横方向(X軸方向)に80ドット、縦方向(Y軸方向)に80ドットの画像サイズに対応して、発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データの作成に用いられる。
サブフレームバッファに格納される表示データにおいて、サブ画像表示用のデータと、発光体制御用のデータとの間には、例えば5ドットといった、所定のライン数に相当する境界データが設けられている。こうした所定データ量の境界データを設定して、サブ画像表示用のデータと発光体制御用のデータとを離間する。これにより、サブ画像表示装置5SUの画面上に表示される演出画像の表示データと、発光体ユニット71〜74を点灯制御する点灯データに変換される表示データとを、容易に分離可能として、点灯データの生成に伴う処理負担を軽減させることができる。
VDP130は、こうしてサブフレームバッファに格納された表示データを、所定順序で読み出してサブ表示出力系統へと出力する。一例として、図25(c)における左上端のドットから水平方向に右上端のドットまで読み出し、続いて1ドット下のデータを同様に読み出す読出動作を、右下端のドットに達するまで繰り返す。こうして表示データを読み出した順にサブ表示出力系統へと出力することで、例えば図25(d)に示すように、まずは所定の第1表示出力期間にてサブ画像表示用のデータが出力され、続いて第1表示出力期間より後の第2表示出力期間にて発光体制御用のデータが出力される。サブ画像表示用のデータと発光体制御用のデータとの間には境界データが設定されているので、サブ画像表示用のデータが出力される第1表示出力期間と、発光体制御用のデータが出力される第2表示出力期間との間に、所定のインターバル期間が設けられる。
サブフレームバッファに格納された表示データは、例えば1フレーム分が1/60秒(約16.7ミリ秒)で出力される。これにより、サブ画像表示装置5SUは、1/60秒のフレーム周期で表示画像を更新することができる。発光体制御用のデータも、サブ画像表示用のデータに付加されていることから、1/60秒の周期で出力される。発光体制御回路134では、サブ表示出力系統へと出力された表示データに含まれる発光体制御用のデータを、信号分離回路140にて分離してバッファメモリ141に一時記憶させる。したがって、バッファメモリ141には、VDP130が1フレーム分の表示データを出力する1/60秒の周期で、表示データのうちから分離された発光体制御用のデータが格納される。
図25(d)に示すように、サブフレームバッファに格納された表示データが出力される期間のうちで、発光体制御用のデータが出力される期間(第2表示出力期間)は、1フレーム分の表示データが出力される全期間(1/60秒間)よりも十分に短くなる。点灯データ生成回路142は、バッファメモリ141に格納されたデータを、例えばサブ画面表示用のデータが出力される期間(第1表示出力期間)といった、バッファメモリ141に対するデータ書込みが行われない残余期間にて読み出し、点灯データへの変換を行うようにすればよい。
点灯データ生成回路142は、例えばサブ画像表示装置5SUといった、LCD(液晶表示装置)を用いた画像表示装置のフレーム周期(1/60秒など)よりも、短い周期で発光体ユニット71〜74の全体における発光体の点灯態様を更新可能にする点灯データを生成する。具体的な一例として、点灯データ生成回路142は、1/80秒(12.5ミリ秒)の発光フレーム周期で発光体の点灯態様を更新可能にするための点灯データを生成する。このように、点灯データ生成回路142は、VDP130による表示データの出力周期(1/60秒)よりも短い周期(1/80秒)で発光体の点灯データを生成して、シリアル出力回路143により点灯データに基づく制御信号を出力させる。この場合、バッファメモリ141は、VDP130から出力される1フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータ、すなわち、80ドット×80ドットの発光体制御用のデータを、格納できる記憶データ容量を有していればよい。また、比較的に短い周期で発光体を点灯させることで、発光体ユニット71〜74のそれぞれに整列配置された複数の発光体で実行される表示演出におけるちらつき(フリッカー)を抑制して、表示演出の興趣を向上させることができる。発光フレーム周期は1/80秒に設定されるものに限定されず、表示データの出力周期よりも短い任意の周期で行われるものであればよい。例えば、発光フレーム周期を表示データの出力周期に対して1/2となるように設定すれば、サブ画像表示装置5SUのフレーム周期で出力された表示データに対応して、発光体ユニット71〜74の全体における発光体の点灯制御を2回繰り返して行うことができ、容易な制御によりちらつきを抑制して、適切な表示を行うことができる。また、発光フレーム周期を表示データの出力周期に対して1/3となるように設定するなど、より短い周期となるように設定してもよい。
シリアル出力回路143は、1フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータがバッファメモリ141に書き込まれる所要時間よりも長い周期で、点灯データ生成回路142によって生成された点灯データに対応する制御信号の出力を行うように設定されてもよい。このように、点灯データに対応する制御信号が出力される周期よりも短い時間で、1フレーム分に対応する発光制御用のデータをバッファメモリ141に一時記憶させる。これにより、1フレーム分に対応する発光制御用のデータを一時記憶できる記憶データ容量のバッファメモリ141を使用した場合でも、点灯データに対応する制御信号の出力周期よりも短い時間で、点灯データの生成を完了させることができる。
なお、バッファメモリ141は、例えば2フレーム分の画像表示に対応した表示データといった、複数フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータを、格納できる記憶データ容量を有していてもよい。この場合、バッファメモリ141の記憶領域には、複数のバッファ領域が割り当てられる。各バッファ領域は、1フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータを、格納できる記憶データ容量を有していればよい。
そして、点灯データ生成回路142は、複数のバッファ領域のうち、1のバッファ領域にてデータ書込みが行われているときに、他のバッファ領域に格納されているデータを読み出し、点灯データへの変換を行うようにしてもよい。具体的な一例として、バッファメモリ141が、2フレーム分の画像表示に対応した表示データに含まれる発光制御用のデータを格納できる記憶データ容量を有しているものとする。この場合、バッファメモリ141の記憶領域を2つの領域に分割し、それぞれ第1バッファ領域と第2バッファ領域に割り当てる。そして、VDP130から複数フレームのうちの第1フレームに対応する表示データが出力されている第1フレーム期間では、信号分離回路140にて分離された発光制御用のデータを、第1バッファ領域に書き込んで一時記憶させる。次に、第1フレームに続く第2フレームに対応する表示データが出力される第2フレーム期間では、信号分離回路140にて分離された発光制御用のデータを、第2バッファ領域に書き込んで一時記憶させる。この第2フレーム期間において、点灯データ生成回路142は、第1期間にてデータ書込みが完了した第1バッファ領域に格納されているデータを読み出し、点灯データへの変換を行う。さらに次のフレーム期間では、第1バッファ領域と第2バッファ領域とを切り替えて、データの書込みと、読出データを用いた点灯データの生成(変換)とが行われるようにすればよい。このように、バッファメモリ142は、ダブルバッファ方式で発光制御用のデータを一時記憶して、点灯データへの変換を可能にするものであってもよい。ただし、この場合にはバッファメモリ142の記憶データ容量が増加することに伴い、製造コストも増加するという問題が生じる。一方、発光体制御用のデータが出力される期間を表示データの全出力期間よりも十分に短い時間に設定するとともに、点灯データ生成回路142がVDP130による表示データの出力周期よりも短い周期で発光体の点灯データを生成する場合には、バッファメモリ141の記憶データ容量を低減して、製造コストの増加を防止することができる。
点灯データ生成回路142は、表示データから分離された発光制御用のデータを記憶しているバッファメモリ141の記憶位置(読出アドレスなど)に応じて、そのデータを複数のデータ範囲に区分けする。例えば、バッファメモリ141の記憶領域は、その記憶アドレスなどに応じて、複数のバッファメモリエリアに分割される。点灯データ生成回路142は、いずれのバッファメモリエリアに格納されているデータを読み出したかに基づいて、複数の発光体ブロックB01〜B42のうち、いずれの発光体ブロックに含まれる発光体の点灯データに変換するかを特定する。
図26は、バッファメモリエリアの設定例を示している。図26に示す設定例では、バッファメモリ141の記憶領域を、横方向(X軸方向)にエリアインデックスBX0〜BX7が付与された8つのエリアと、縦方向(Y軸方向)にエリアインデックスBY0〜BY7が付与された8つのエリアとに、区分けしている。点灯データ生成回路142は、バッファメモリ141の読出アドレスなどに基づいて、横方向のエリアインデックスBX0〜BX7と、縦方向のエリアインデックスBY0〜BY7を、1つずつ組み合わせたエリア指定情報(BXi,BYj)として、バッファメモリ141の記憶データがいずれのデータ範囲に属するかを特定できればよい。なお、エリア指定情報(BXi,BYj)における添字i、jは、「0」〜「7」のいずれかであることを示している。
バッファメモリ141に一時記憶された表示データは、複数に区分けされたデータ範囲ごとに、発光体ブロックB01〜B42のいずれかに割り当てられる。点灯データ生成回路142は、予め用意された変換設定情報となるアドレス特定テーブルを参照することで、各発光体ブロックB01〜B42に割り当てられたデータ範囲を特定することができる。この特定結果に基づいて、各発光体ブロックB01〜B42に対応して設けられた発光体ドライバのアドレス情報を指定することができる。アドレス特定テーブルは、点灯データ生成回路142に内蔵または外付されたROMの所定領域などに、予め記憶されていればよい。
図27は、点灯データ生成回路142によって参照されるアドレス特定テーブルTA1の構成例を示している。アドレス特定テーブルTA1では、各シリアル出力系統K01〜K21に割り当てられた発光体ブロックB01〜B42ごとに、1のエリア指定情報または2のエリア指定情報で特定されるバッファメモリエリアが割り当てられている。例えば図25に示された発光体ブロックB01〜B12のうち、発光体ブロックB01〜B08は、上側パルス幅変調用の発光体ドライバを備える一方、下側パルス幅変調用の発光体ドライバを備えておらず、1つのハーフブロックのみで構成されている。これに対して、図25に示された発光体ブロックB01〜B12のうち、発光体ブロックB09〜B12は、上側パルス幅変調用および下側パルス幅変調用の発光体ドライバの双方を備えており、2つのハーフブロックの組合せで構成されている。このような発光体ブロックの構成に対応して、発光体ブロックB01〜B08のそれぞれには、1のエリア指定情報で特定される1つのバッファメモリエリアが割り当てられている。1のエリア指定情報は、横方向(X軸方向)のエリアインデックスBX0〜BX7と、縦方向(Y軸方向)のエリアインデックスBY0〜BY7とを、それぞれ1種類ずつ組み合わせて構成される。一方、発光体ブロックB09〜B12のそれぞれには、2のエリア指定情報で特定される2つのバッファメモリエリアが割り当てられている。2のエリア指定情報は、例えば横方向のエリアインデックスBX0〜BX7が1種類と、縦方向のエリアインデックスBY0〜BY7が2種類とを、組み合わせて構成される。
アドレス特定テーブルTA1では、各発光体ブロックに対応して設けられたグループ選択用の発光体ドライバやパルス幅変調用の発光体ドライバに対して、シリアル出力系統ごとに一意に定められたドライバIDまたはアドレス(発光体ドライバアドレス)が割り当てられている。一例として、シリアル出力系統K01に割り当てられた発光体ブロックB01、B02のうち、一方の発光体ブロックB01に対応するグループ選択用の発光体ドライバにはアドレス(発光体ドライバアドレス)AD1が割り当てられ、パルス幅変調用の発光体ドライバにはアドレスAD2が割り当てられている。また、シリアル出力系統K01に割り当てられた発光体ブロックB01、B02のうち、他方の発光体ブロックB02に対応するグループ選択用の発光体ドライバにはアドレスAD4が割り当てられ、上側パルス幅変調用の発光体ドライバにはアドレスAD5が割り当てられている。他の一例として、シリアル出力系統K05に割り当てられた発光体ブロックB09、B10のうち、一方の発光体ブロックB09に対応するグループ選択用の発光体ドライバにはアドレスAD1が割り当てられ、上側パルス幅変調用の発光体ドライバにはアドレスAD2が割り当てられ、下側パルス幅変調用の発光体ドライバにはアドレスAD3が割り当てられている。また、シリアル出力系統K05に割り当てられた発光体ブロックB09、B10のうち、他方の発光体ブロックB10に対応するグループ選択用の発光体ドライバにはアドレスAD4が割り当てられ、上側パルス幅変調用の発光体ドライバにはアドレスAD5が割り当てられ、下側パルス幅変調用の発光体ドライバにはアドレスAD6が割り当てられている。
発光体ブロックB01〜B42のそれぞれに対応して、グループ選択用の発光体ドライバが1つずつ設けられている。したがって、グループ選択用の発光体ドライバに対しては、複数の発光体ブロックB01〜B42にかかわらず、各発光体ブロックに対応して1のアドレス(発光体ドライバアドレス)を指定するドライバ指定情報が割り当てられている。このように、ダイナミック点灯制御を行うためのグループ選択用の発光体ドライバに対して、複数の発光体ブロックにかかわらず同数のドライバ指定情報が割り当てられている。
一方、パルス幅変調用の発光体ドライバは、発光体ブロックB01〜B42のそれぞれを構成するハーフブロックが1つであるか、2つであるかに応じて、1つの発光体ドライバ(上側パルス幅変調用のみ)が用いられる場合もあれば、2つの発光体ドライバ(上側パルス幅変調用および下側パルス幅変調用)が用いられる場合もある。したがって、パルス幅変調用の発光体ドライバに対しては、複数の発光体ブロックB01〜B42のいずれであるかに応じて、1のアドレス(発光体ドライバアドレス)を指定するドライバ指定情報または2のアドレス(発光体ドライバアドレス)を指定するドライバ指定情報が割り当てられている。このように、階調制御を行うためのパルス幅変調用の発光体ドライバに対して、複数の発光体ブロックに応じた所定数のドライバ指定情報が割り当てられている。
こうして、1の発光体ブロックに対応して設けられたグループ選択用の発光体ドライバおよびパルス幅変調用の発光体ドライバのそれぞれに対して、少なくとも1のアドレス(発光体ドライバアドレス)を指定するドライバ指定情報が割り当てられている。点灯データ生成回路142は、ドライバ指定情報が含まれる点灯データを生成して、シリアル出力回路143により発光体駆動部144へと出力させる。なお、発光体ドライバのアドレス(発光体ドライバアドレス)を指定するドライバ指定情報が割り当てられるものに限定されず、発光体ドライバのドライバIDを指定するドライバ指定情報が割り当てられるものであってもよい。
1の発光体ブロックに対応して設けられたグループ選択用の発光体ドライバは、例えば第1グループから第12グループまでのうち点灯対象とする1のグループを選択し、グループ選択周期で点灯対象を1のグループから他のグループに順次切り替える。このようなグループ選択用の発光体ドライバに割り当てられるアドレス(発光体ドライバアドレス)は、その発光体ドライバによって順次切り替えられる複数のグループに対応して割り当てられることになる。このように、複数のグループに対応して1のアドレスが割り当てられるように設定することで、ドライバの回路数が増大することを防止して装置構成を簡素化するとともに、容易にアドレス管理を行うことができる。
また、点灯データ生成回路142によって生成される点灯データには、複数の発光体のそれぞれを構成する各発光素子の階調制御量を示す階調データが含まれている。例えば、階調データは、パルス幅変調(PWM)におけるパルス信号の出力期間(パルス幅)を、階調制御量として示すものであればよい。点灯データ生成回路142は、バッファメモリ141から読み出された表示データにて示される各表示色のレベル(RGB値)に基づいて、予め用意された色変換設定情報となる点灯データ生成テーブルを参照することで、階調制御量を示す階調データを生成する。点灯データ生成テーブルは、予め複数種類が用意され、所定の選択設定に基づいて、いずれかの点灯データ生成テーブルが使用テーブルとして選択される。
図28(a)は、点灯データ生成テーブルの選択設定例を示している。この設定例では、各発光体に含まれる発光素子の発光色ごとに、異なる点灯データ生成テーブルが選択される。例えば発光体ブロックB01〜B06の場合に、発光色がR(赤)に応じて点灯データ生成テーブルTR01が選択され、発光色がG(緑)に応じて点灯データ生成テーブルTG01が選択され、発光色がB(青)に応じて点灯データ生成テーブルTB01が選択される。それぞれの点灯データ生成テーブルは、VDP130が作成した表示データにて示される各表示色のレベル(RGB値)を、発光体の点灯データに含まれる階調データが示す各発光素子の階調制御量に変換するテーブルデータなどを含んで構成されていればよい。点灯データ生成回路142は、バッファメモリ141から読み出した表示データに示される各表示色のレベル(RGB値)に基づいて、選択された点灯データ生成テーブルを参照することにより、点灯データで指定される階調制御量を決定する。
こうした点灯データ生成回路142が点灯データを生成するために参照する点灯データ生成テーブルは、点灯データ生成回路142に内蔵または外付されたROMの所定領域などに、予め記憶されていればよい。表示データに示される各表示色のレベル(RGB値)と、発光体の点灯データに含まれる階調データが示す各発光素子の階調制御量との対応関係は、各発光色に対応する発光素子の特性(例えば発光効率)やホワイトバランスなどを考慮して、予め決定されていればよい。一例として、各発光体を構成する発光素子となる発光ダイオードは、印加電圧が所定値に達すると、急激に電流量が増加する非線形特性を有している。したがって、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)に比例した階調制御量に変換すると、例えば白飛びや黒潰れといった、複数の発光体による表示演出の不都合が生じてしまうおそれがある。そこで、複数の発光体のそれぞれを構成する各発光色に対応した発光素子が、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)と同等の発光量となるように、表示データから点灯データに変換するときの設定情報を、点灯データ生成テーブルとして予め記憶しておく。また、発光素子の特性は、発光色に応じて異なることがある。そこで、発光体を構成する各発光素子の発光色に応じて、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)との対応関係が異なる階調制御量に変換されるように、表示データから点灯データに変換するときの設定情報を、点灯データ生成テーブルとして予め記憶しておく。
図28(a)に示す設定例では、発光体ブロックに応じて、異なる点灯データ生成テーブルが選択されることがある。例えば発光体ブロックB01〜B06の場合には、発光色に応じて点灯データ生成テーブルTR01、TG01、TB01のそれぞれが選択される。一方、発光体ブロックB07、B08、B15の場合には、発光色に応じて点灯データ生成テーブルTR02、TG02、TB02のそれぞれが選択される。
このように、各発光体ブロックに対応する複数の発光体それぞれの配置に応じて異なる点灯データ生成テーブルを用いて、表示データを点灯データに変換する。発光体ユニット71〜74のそれぞれでは、複数の発光体が整列配置された領域の広さや、各発光体ユニットの前後関係などにより、複数の発光体それぞれの配置に応じて、同一階調で発光させても遊技者には異なる印象を与える場合がある。そこで、各発光体ブロックに対応する複数の発光体それぞれの配置によらず、同一の表示色に対応して可能な限り均一に近い印象を与えられる発光量となるように、表示データから点灯データに変換するときの設定情報を、点灯データ生成テーブルとして予め記憶しておく。
図28(b)は、表示データで示される各表示色の階調数と、点灯データに含まれる階調データに基づく発光体の階調制御による各発光色の階調数との比較を示している。点灯データ生成回路142によって生成される点灯データは、変換に用いた表示データに基づいて表示される画像の階調数よりも少ない階調数に対応している。VDP130から出力されてバッファメモリ141に一時記憶される表示データは、R(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、輝度(階調)が「0」〜「255」のうちいずれかのレベルとなるように、256段階で階調制御を可能にする。このように、VDP130から出力される表示データに基づいて表示される画像の階調数は「256」である。点灯データ生成回路142によって生成される点灯データは、R(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、輝度(階調)が「0」〜「63」のうちいずれかのレベルとなるように、64段階で階調制御を可能にする。このように、点灯データ生成回路142によって生成される点灯データは、「256」よりも少ない「64」の階調数を示している。
こうして、表示データで示される各表示色のレベル(RGB値)だけでなく、発光体を構成する複数の発光素子ごとの発光特性や、複数の発光体の配置などに応じて、それぞれの発光体に応じた階調制御量を示す階調データが生成される。これにより、互いに異なる発光色を有する複数種類の発光素子を含んだ発光体が、発光体ユニット71〜74の所定領域にて整列配置されている場合でも、色の再現性を高めて演出の興趣を向上させる。点灯データ生成回路142は、上側パルス幅変調用または下側パルス幅変調用の発光体ドライバに割り当てられたドライバ指定情報を付加した階調データが含まれる点灯データを生成して、シリアル出力回路143により発光体駆動部144へと出力させる。
さらに、点灯データ生成回路142によって生成される点灯データには、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、複数の発光体をダイナミック点灯制御するためのグループ選択用データとなる駆動制御データが含まれている。点灯データ生成回路142は、グループ選択用の発光体ドライバに割り当てられたドライバ指定情報を付加した駆動制御データが含まれる点灯データを生成して、シリアル出力回路143により発光体駆動部144へと出力させる。
図29は、シリアル出力回路143によるシリアル信号の出力動作例を示している。シリアル出力回路143は、シリアルクロックSCとして、例えば図29(a)に示すように、シリアル出力系統K01〜K21のそれぞれに共通のクロック信号を出力する。シリアル出力回路143から出力されたシリアルクロックSCは、シリアル信号配線を介して、発光体駆動部144に含まれる複数の発光体ドライバのそれぞれに供給される。各発光体ドライバは、シリアルクロックSCに同期して伝送されたシリアルデータSDを受信する。
一方、シリアル出力回路143は、シリアルデータSDとして、例えば図29(b)に示すように、シリアル出力系統K01〜K21のそれぞれに応じて異なるタイミングで、駆動制御データや階調データを含んだ制御信号を出力する。シリアル出力系統K01〜K21のそれぞれに対して同一のタイミングで制御信号を出力した場合には、発光体駆動部144に含まれる多数の発光体ドライバによって、同一のタイミングで多数の発光体の点灯制御が開始されることがある。この場合、短期間で大量の駆動電流が突入電流となって流れることで、雑音電波などによる電波障害が発生するおそれがある。また、大量の駆動電流を生成するための電源回路が必要となることに伴い、製造コストが増加する場合もある。これに対して、シリアルデータSDとなる制御信号を、複数のシリアル出力系統K01〜K21のそれぞれに応じて異なるタイミングで出力することにより、突入電流の発生を抑制して、雑音電波の発生や製造コストの増加を防止することができる。
発光体駆動部144において、各発光体ドライバは、受信したシリアルデータSDに含まれるドライバ指定情報で示される発光体ドライバのアドレス(発光体ドライバアドレス)と、予め自ドライバに割り当てられたアドレスとが一致するか否かを判定する。このとき、一致していれば駆動制御データや階調データとなるシリアルデータSDを取り込んで、データレジスタに格納し、これに基づく発光体の点灯制御を行う。
例えばグループ選択用の発光体ドライバは、シリアルデータSDの取込みが完了すると、第1グループから第12グループまでのうち駆動制御データにより指定された1のグループを選択し、そのグループに対応するデジット信号線におけるデジット信号の信号状態をオフ状態(例えばハイレベルの12V)からオン状態(例えばローレベルの0V)に切り替える場合と、その信号状態をオン状態(例えばローレベルの0V)からオフ状態(例えばハイレベルの12V)に切り替える場合とがある。グループ選択用の発光体ドライバが備える複数のデータバッファのうち1のデータバッファにすべてのビットが「1」となるデータがラッチされた場合には、その1のデータバッファに対応するデジット信号線におけるデジット信号の信号状態をオフ状態(例えばハイレベルの12V)からオン状態(例えばローレベルの0V)に切り替えることで、第1グループから第12グループまでのうち1のグループが選択される。一方、すべてのビットが「1」となるデータがラッチされたデータバッファに、すべてのビットが「0」となるデータが新たにラッチ(またはクリア)された場合には、そのデータバッファに対応するデジット信号線におけるデジット信号の信号状態をオン状態(例えばローレベルの0V)からオフ状態(例えばハイレベルの12V)に切り替える。駆動制御データは、第1グループから第12グループまでの各グループに対応して、デジット信号線の状態(オフ状態またはオン状態)を指定する点灯制御情報を含んでいる。
例えばパルス幅変調用の発光体ドライバは、シリアルデータSDの取込みが完了すると、データ信号線におけるデータ信号の信号状態を、階調データに応じたオン期間にてオン状態(例えばハイレベルの12V)とし、階調データに応じたオフ期間にてオフ状態(例えばローレベルの0V)とする。階調データは、パルス幅変調による階調制御周期においてデータ信号線の状態を所定状態(オフ状態またはオン状態)とする期間の割合を指定する点灯制御情報を含んでいる。
グループ選択用の発光体ドライバにより選択されたグループに分類された発光体を構成する発光素子は、その発光色がR(赤)、G(緑)、B(青)のいずれであるにかかわらず、デジット信号がオン状態になることで、点灯可能な状態になる。パルス幅変調用の発光体ドライバは、階調データに応じてデータバッファごとにラッチされたデータに対応して、データ信号をオン状態として各発光素子を点灯させるオン期間を、発光素子ごとに設定する。このように、グループ選択用の発光体ドライバは、駆動制御データに基づくデジット信号を出力することで、デジット信号線に接続された複数の発光体を駆動制御する。また、上側パルス幅変調用または下側パルス幅変調用の発光体ドライバは、階調データに基づくデータ信号を出力することで、データ信号線に接続された複数の発光体を階調制御する。こうして、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに、複数の発光体のダイナミック点灯制御を行い、演出可動機構50を構成する可動部材51〜54が備える発光体ユニット71〜74のそれぞれにて、整列配置された複数の発光体の点灯態様による表示演出が行われる。
図30は、シリアル出力データに基づく点灯制御の実行例を示すタイミング図である。図30に示す実行例では、第1グループから第12グループまでのうち点灯対象となるグループとして、第1グループがタイミングT11にて選択され、タイミングT21では点灯対象となるグループが第1グループから第2グループに切り替えられる。第1グループを選択するためのグループ選択周期PC1に対応する第1単位制御期間では、第1グループが点灯制御の対象となるように選択が行われる。
図30(A)に示すタイミングT11からタイミングT12までの期間では、シリアル出力データとして、第1グループの階調制御に用いられる階調データLD1となる点灯データを伝送する。例えば図30(B)に示すように、タイミングT11からタイミングT12までの期間では、階調データLD1がパルス幅変調用の発光体ドライバに取り込まれて、この階調データLD1を構成する点灯制御情報が所定ビット単位(6ビット単位)で複数のデータバッファに分配されてラッチされる。すべてのデータバッファにてデータのラッチが完了すると、階調データLD1に応じたデータ信号の出力が開始される。ただし、この時点では未だデジット信号の出力が開始されていないので、発光体の点灯は開始されない。
階調データLD1の伝送に続けて、図30(A)に示すタイミングT12からタイミングT13までの期間では、シリアル出力データとして、第1グループに対応するデジット信号の信号状態をオフ状態からオン状態とするための駆動制御データDS1となる点灯データを伝送する。例えば図30(C)に示すように、タイミングT12からタイミングT13までの期間では、駆動制御データDS1がグループ選択用の発光体ドライバに取り込まれて、この駆動制御データDS1を構成する点灯制御情報が所定ビット単位(6ビット単位)で複数のデータバッファに分配されてラッチされる。すべてのデータバッファにてデータのラッチが完了すると、駆動制御データDS1に応じたデジット信号の出力が開始される。
タイミングT13にてデジット信号の出力が開始されることで、第1グループに分類された複数の発光体に対する駆動制御が開始され、これらの発光体を点灯可能なグループ点灯制御期間PE1が開始される。その後、図30(A)に示すタイミングT14からタイミングT15までの期間では、シリアル出力データとして、オン状態となっている第1グループに対応するデジット信号の信号状態をオフ状態とするための駆動制御データDE1となる点灯データを伝送する。例えば図30(C)に示すように、タイミングT14からタイミングT15までの期間では、駆動制御データDE1がグループ選択用の発光体ドライバに取り込まれて、この駆動制御データDE1を構成する点灯制御情報が所定ビット単位(6ビット単位)で複数のデータバッファに分配されてラッチされる。すべてのデータバッファにてデータのラッチが完了すると、駆動制御データDE1に対応してデジット信号の出力が終了する。デジット信号の出力が終了しても、階調データLD1に応じたデータ信号の出力は、階調制御周期で繰返し行われる。ただし、この時点では既にデジット信号の出力が終了しているので、発光体の点灯も終了している。
こうして、駆動制御データDS1の取込みが完了するタイミングT13から、駆動制御データDE1の取込みが完了するタイミングT15までの期間は、第1グループに分類された複数の発光体を点灯可能なグループ点灯制御期間PE1となる。このグループ点灯制御期間PE1では、例えば図30(D)に示すように第1グループの点灯制御が行われ、パルス幅変調用の発光体ドライバにおける内部クロックに基づく階調制御周期で、階調データLD1に応じたオン期間を有するデータ信号により各発光体の発光素子を繰返し点灯させることができる。
図31は、第1グループに分類された発光体について、駆動制御と階調制御の実行例を示している。図31(A1)および図31(A2)は、グループ点灯制御期間PE1が650マイクロ秒(μs)である場合を示している。図31(B1)および図31(B2)は、グループ点灯制御期間PE1が640マイクロ秒(μs)である場合を示している。これらのグループ点灯制御期間PE1は、図30(A)に示されたタイミングT13からタイミングT15までの期間に対応している。第1グループに分類された発光体の階調制御において、パルス幅変調用の発光体ドライバによる内部クロックに基づく階調制御周期PP1は、64マイクロ秒(μs)に設定される。パルス幅変調用の発光体ドライバは、グループ点灯制御期間PE1において、階調制御周期PP1でデータ信号の出力制御を繰り返す。
図31(A1)および図31(A2)に示す場合には、グループ点灯制御期間PE1が階調制御周期PP1の整数倍とは異なっている。より具体的に、グループ点灯制御期間PE1が650マイクロ秒であり、階調制御周期PP1が64マイクロ秒であることから、データ信号の出力制御を第N周期(=第10周期)まで繰り返した後、10マイクロ秒の余り時間が生じる。パルス幅変調用の発光体ドライバは、新たな階調データの取込みが完了するまで前回受信したデータによる出力を繰り返す。そのため、10マイクロ秒の余り時間でデータ信号の信号状態がオン状態となる不要信号が発生して、グループ点灯制御期間PE1においてデータ信号の信号状態がオン状態となるオン期間の割合が、設計とは相違してしまうおそれがある。このような不要信号の発生は、ちらつき(フリッカー)といった表示の不都合を生じさせる。
そこで、グループ点灯制御期間PE1が階調制御周期PP1の整数倍となるように、第1グループの駆動制御を行う。図31(B1)および図31(B2)に示す場合には、グループ点灯制御期間PE1が階調制御周期PP1の整数倍となっている。より具体的に、グループ点灯制御期間PE1が640マイクロ秒であり、階調制御周期PP1が64マイクロ秒であることから、データ信号の出力制御を第N周期(=第10周期)まで繰り返した後には、余り時間がなく、不要信号が発生しない。このように、階調制御周期PP1の整数倍となるグループ点灯制御期間PE1にてオン状態のデジット信号を出力し、第1グループの駆動制御をオン状態として発光体を点灯可能に制御することで、ちらつき(フリッカー)の発生を防止して適切な表示を行うことができる。
図30(A)に示すように、タイミングT15にて駆動制御データDE1となる点灯データの伝送が完了し、図30(C)に示すような取込みが行われれて、図30(D)に示すように第1グループの点灯制御が終了する。このようなタイミングT15から、タイミングT21にて点灯対象となるグループが第1グループから第2グループに切り替えられるまでの期間では、階調制御周期PP1に対応するデータ信号の出力を完了させることができず、余り時間となって不要信号が発生するおそれがある。そこで、このような期間をグループ点灯停止期間PE2とし、デジット信号の信号状態をオフ状態として点灯信号を出力しないように設定する。このように、階調制御周期PP1に対応するデータ信号の出力が完了できないグループ点灯停止期間PE2にてデジット信号の出力を停止させ、発光体を点灯不可に制御することで、ちらつき(フリッカー)の発生を防止して適切な表示を行うことができる。
また、デジット信号の出力を停止させずに、階調データの取込みとグループ選択の切替えに伴う新たなデジット信号の出力を開始させると、前回受信した階調データに基づく階調制御がグループ選択の切替えに伴うデジット信号の変更が完了するまで繰り返されることで、不要信号が発生するおそれがある。そこで、グループ選択周期PC1が経過するより前に、所定タイミングで駆動制御データを伝送して、デジット信号の信号状態をオン状態からオフ状態に切り替える。このように、グループ選択周期PC1が経過するより前にグループ点灯制御期間PE1の終了に伴いデジット信号の出力を停止させ、発光体を点灯不可に制御することで、ちらつき(フリッカー)の発生を防止して適切な表示を行うことができる。
デジット信号の出力タイミングは、グループ選択用の発光体ドライバが備える複数のデータバッファに、駆動制御データを取り込んで分配されたデータのラッチが完了するタイミングに対応している。点灯データ生成回路142が備える出力タイミング設定部142Aは、グループ点灯制御期間PE1が階調制御周期PP1の整数倍となるように、また、グループ点灯停止期間PE2にて発光体が点灯不可となるように、デジット信号の信号状態をオン状態またはオフ状態とする駆動制御データの出力タイミングを設定する。
発光体ユニット71〜74に配置された複数の発光体による表示演出において、各発光体の輝度(発光量)が比較的に低輝度(少量)である場合には、比較的に高輝度(多量)である場合に比べて、パルス幅変調における不要信号の発生によるオン期間の割合変化量が大きくなり、ちらつき(フリッカー)の発生と認識される可能性や認識程度が増大し、設計とは異なる点灯態様となるおそれが大きくなる。これに対し、グループ点灯制御期間PE1を階調制御周期PP1の整数倍となるように設定したり、グループ点灯停止期間PE2を設けて発光体を点灯不可に制御したりすることで、発光体の輝度(発光量)が比較的に低輝度(少量)の場合でも、ちらつき(フリッカー)の発生を防止して、設計段階と同様の適切な表示を行うことができる。
あるいは、発光体ユニット71〜74に配置された複数の発光体による表示演出において、各発光体における発光色(表示色)が比較的に少ない場合(例えば単一色の場合)には、比較的に多い発光色(表示色)である場合に比べて、近隣に配置された発光体の間で不要信号の発生による発光色(表示色)の相違が目立ちやすくなり、ちらつき(フリッカー)の発生と認識される可能性や認識程度が増大し、設計とは異なる点灯態様となるおそれが大きくなる。これに対し、グループ点灯制御期間PE1を階調制御周期PP1の整数倍となるように設定したり、グループ点灯停止期間PE2を設けて発光体を点灯不可に制御したりすることで、複数の発光体における発光色(表示色)が比較的に少ない場合(例えば単一色の場合)でも、ちらつき(フリッカー)の発生を抑制して、設計段階と同様の適切な表示を行うことができる。
点灯対象となるグループが第1グループから第2グループに切り替えられた後には、第1グループの場合と同様のタイミングで階調データや駆動制御データが伝送されればよい。例えば図30(A)に示すタイミングT21からタイミングT22までの期間では、第2グループの階調制御に用いられる階調データLD2となる点灯データを伝送する。タイミングT22からタイミングT23までの期間では、第2グループに対応するデジット信号の信号状態をオフ状態からオン状態とするための駆動制御データDS2となる点灯データを伝送する。その後、タイミングT24からタイミングT25までの期間では、オン状態となっている第2グループに対応するデジット信号の信号状態をオフ状態とするための駆動制御データDE2となる点灯データを伝送する。こうして、駆動制御データDS2の取込みが完了するタイミングT23から、駆動制御データDE2の取込みが完了するタイミングT25までの期間では、例えば図30(D)に示すように第2グループの点灯制御が行われ、階調制御周期PP1で階調データLD2に応じたオン期間を有するデータ信号により各発光体の発光素子を繰返し点灯させることができる。タイミングT23からタイミングT25までの期間も、グループ点灯制御期間PE1となり、階調制御周期PP1の整数倍となるように設定される。また、点灯対象となるグループが第3グループに切り替えられる前でも、階調制御周期PP1に対応するデータ信号の出力が完了できない期間にてデジット信号の出力を停止させ、発光体を点灯不可に制御する。
グループ選択用の発光体ドライバやパルス幅変調用の発光体ドライバにおける内部クロックは、シリアルクロックSCとは同期していない。各発光体ドライバは、パチンコ遊技機1の電源投入時から内部クロックに基づいて信号の出力制御を行う。そのため、グループ選択の切替タイミングだけを複数のパチンコ遊技機1において共通のタイミングに設定しても、階調制御動作を同期させることができず、パルス幅変調における不要信号が発生するおそれがある。そこで、複数のパチンコ遊技機1が設けられる場合でも、それぞれのパチンコ遊技機1において、階調データの伝送に続けて駆動制御データを伝送し、デジット信号の出力を開始させたり停止させたりするタイミングを調整することで、不要信号によるちらつき(フリッカー)の発生などを防止できる。
このように、発光体制御回路134は、VDP130により作成された表示データの一部を用いて、発光体ユニット71〜74のそれぞれにて整列配置された複数の発光体を点灯制御する点灯データを生成し、発光体ブロックB01〜B42ごとにダイナミック点灯制御を行う。したがって、VDP130は、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUの画面上における演出画像の表示データと同様に、汎用の表示データを作成して出力することで、演出可動機構50による表示演出の実行内容を設定できるので、回路構成が複雑化することを抑制しつつ、多様な演出の実行による興趣を向上させることができる。
演出可動機構50による具体的な表示演出の一例として、上側機構50Tと下側機構50Bとが離間してメイン画像表示装置5MAの表示画面が視認可能な退避状態(第1位置)にあるときには、遊技者が視認可能な可動部材51〜54に配置された複数の発光体を用いた表示演出を、メイン画像表示装置5MAによる表示演出に連動させて実行する。退避状態のときには、可動部材51、52が上方に位置するとともに下側機構50Bの可動部材53、54が下方に位置している。このように可動部材51〜54が回動動作していない退避状態のとき(停止しているとき)には、複数の発光体のうちで、パチンコ遊技機1の前方から視認可能な発光体のみを点灯制御する。これにより、電力消費を低減することができる。こうした発光体の点灯制御による表示演出としては、例えば文字やシンボルを表示させたり、複数の発光体における点滅や発光色を所定順序で移動させて、メイン画像表示装置5MAによる可変表示に合わせた可変表示演出などが実行されてもよい。また、リーチ演出が実行されるときには、可動部材51〜54の少なくとも1つを可動(振動、進出など)させたり、複数の発光体を用いて「リーチ」などの文字やシンボルを表示してもよい。
一方、上側機構50Tと下側機構50Bとが近接してメイン画像表示装置5MAの表示画面が視認困難または視認不可能な進出状態(第2位置)にあるときには、可動部材51〜54に配置された複数の発光体をすべて用いた表示演出(可動発光演出)を、メイン画像表示装置5MAによる表示演出に連動させて、あるいはメイン画像表示装置5MAによる表示演出とは別個独立に、実行する。進出状態のときには、上側機構50Tにおける装飾部材57の下方への移動に伴って可動部材51、52が回動するとともに下側機構50Bの可動部材53、54が上方に位置している。このように可動部材51〜54が回動動作している進出状態のとき(動作しているとき)には、複数の発光体をすべて点灯制御する。
図32は、スーパーリーチのリーチ演出が実行される場合における各種演出の実行タイミングを示している。図32(a)は、変動パターンPA2−2または変動パターンPA3−2に対応して、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(リーチ成立)となりノーマルのリーチ演出に続いて発展演出やスーパーAのリーチ演出が実行された後、可変表示結果が導出されるまでに実行される各種演出を示している。図32(b)は、変動パターンPA2−3または変動パターンPA3−3に対応して、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(リーチ成立)となりノーマルのリーチ演出に続いて発展演出やスーパーAのリーチ演出が実行され、さらにスーパーBのリーチ演出が実行された後、可変表示結果が導出されるまでに実行される各種演出を示している。
図32(a)および図32(b)に示す場合では、ノーマルのリーチ演出が実行されてから、スーパーリーチのリーチ演出に発展することを遊技者が認識可能に報知する発展演出が実行される。そして、図19に示すステップS402の処理により可動発光演出を実行することに対応して可動発光演出の種別が「通常発光」または「特定発光」に決定された場合には、ステップS409の処理により決定された演出制御パターンの設定などに基づいて、発展演出の実行期間にて可動用モータ制御期間や発光演出実行期間が設けられる。発展演出の実行に続いてスーパーAのリーチ演出が実行され、図32(a)に示す場合では、スーパーAのリーチ演出が終了するタイミングT01にて、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出される。図32(b)に示す場合では、スーパーAのリーチ演出から大当り信頼度がより高いスーパーBのリーチ演出に移行する。その後、スーパーBのリーチ演出が終了するタイミングT02にて、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出される。
図19に示すステップS402の処理では、図20(a)に示すように、変動パターンに応じた割合で可動発光演出の種別を「通常発光」や「特定演出」のいずれかに決定することができる。このとき、可動発光演出の種別が「通常発光」に決定されると通常発光演出が実行されるのに対し、可動発光演出の種別が「特定発光」に決定されると特定発光演出が実行される。これにより、通常発光演出と特定発光演出のうち、いずれか一方を選択的に実行することができる。また、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンPA2−2または変動パターンPA2−3であれば、可動発光演出の種別が「通常発光」に決定される割合は「特定発光」に決定される割合よりも高くなる。一方、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合に対応した変動パターンPA3−2または変動パターンPA3−3であれば、可動発光演出の種別が「特定演出」に決定される割合は「通常発光」に決定される割合以上の割合になる。したがって、特定発光演出が実行された場合には、通常発光演出が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御される可能性が高くなるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。こうして、通常発光演出が実行されたときよりも特定発光演出が実行されたときに大当り遊技状態に制御される割合が高くなるといった、遊技者にとって有利な状態に制御される割合が高くなるように、通常発光演出と特定発光演出のうちいずれか一方を選択的に実行することができる。
可動発光演出が実行される場合には、発展演出の実行開始に伴い、図22に示すステップS452の処理により可動用モータ制御期間であると判定される。この判定結果に応じて実行されるステップS453の処理により、可動用モータ60の駆動制御が行われる。こうした可動用モータ60の駆動制御に応じて、演出可動機構50の可動部材51〜54が退避状態(第1位置)から進出状態(第2位置)へと移動(進出)する。続いて、図22に示すステップS454の処理により発光演出実行期間であると判定される。この判定結果に応じて実行されるステップS455の処理により、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体における点灯態様が制御される。発光演出実行期間が終了すると、再び図22に示すステップS452の処理により可動用モータ制御期間であると判定される。このとき実行されるステップS453の処理では、可動部材51〜54が進出状態(第2位置)から退避状態(第1位置)へと移動(退避)するように、可動用モータ60の駆動制御が行われる。
なお、可動用モータ制御期間と発光演出実行期間は、少なくとも一部が重複していてもよい。すなわち、可動部材51〜54(発光体ユニット71〜74)における一体の表示演出は、上側機構50Tと下側機構50Bとが退避状態(第1位置)から進出状態(第2位置)へと動作(移動)する前または移動している最中に開始され、可動用モータ60の駆動制御により可動部材51〜54を移動させながら、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体における点灯態様を変化させてもよい。このように、可動部材51〜54が回動しているときには、パチンコ遊技機1の前方から視認可能か否かにかかわらず、複数の発光体をすべて点灯させて表示演出を実行すればよい。これにより、可動部材51〜54の回動動作の演出効果を大きくすることができる。また、パチンコ遊技機1の前方から視認可能か否かにかかわらず複数の発光体をすべて点灯させることで、簡易な制御によって、点灯制御を行っていない発光体が遊技者に視認されてしまうのを抑制できる。可動用モータ制御期間が一旦終了した後、複数の発光体における点灯態様を変化させているときに、再び可動用モータ制御期間となり、可動部材51〜54を動作(移動)させることがあってもよい。
図33は、通常発光演出の実行例を示している。図19に示すステップS402の処理により可動発光演出の種別が「通常発光」に決定された場合には、ステップS404の処理にて決定した通常発光演出パターンによる通常発光演出が実行される。図33に示す実行例では、演出可動機構50を構成する可動部材51〜54が進出状態(第2位置)となったときの形状がチョウのハネを象っていることから、通常発光演出となる発光体の点灯態様として、チョウのハネ模様を示すように各発光体の表示色などが設定される。
図34および図35は、特定発光演出の実行例を示している。図19に示すステップS402の処理により可動発光演出の種別が「特定発光」に決定された場合には、ステップS407の処理にて決定した特定発光演出パターンによる特定発光演出が実行される。ステップS407の処理では、ステップS406の処理で読み出した日付データを用いて特定発光演出パターンが決定される。これにより、図20(b)に示すような日付範囲が1月から12月までの各場合に対応して、特定発光演出パターンLP1〜特定発光演出パターンLP12のいずれかによる特定発光演出を実行することができる。
図34(a)は、日付範囲が4月である場合に対応した特定発光演出パターンLP4による特定発光演出の実行例を示している。この実行例では、特定発光演出パターンLP4による特定発光演出となる発光体の点灯態様として、サクラの花柄を示すように各発光体の発光色などが設定される。
図34(b)は、日付範囲が7月である場合に対応した特定発光演出パターンLP7による特定発光演出の実行例を示している。この実行例では、特定発光演出パターンLP7による特定発光演出となる発光体の点灯態様として、花火の打ち上げを示すように各発光体の発光色などが設定される。
図35(a)は、日付範囲が9月である場合に対応した特定発光演出パターンLP9による特定発光演出の実行例を示している。この実行例では、特定発光演出パターンLP9による特定発光演出となる発光体の点灯態様として、満月(十五夜)を示すように各発光体の発光色などが設定される。
図35(b)は、日付範囲が12月である場合に対応した特定発光演出パターンLP12による特定発光演出の実行例を示している。この実行例では、特定発光演出パターンLP12による特定発光演出となる発光体の点灯態様として、雪だるまを示すように各発光体の発光色などが設定される。
上側機構50Tと下側機構50Bとが近接した進出状態(第2位置)にあるときには、可動部材51〜54のそれぞれで複数の発光体の配列方向が同一方向に一致する。したがって、可動部材51〜54で一体の表示演出となる可動発光演出を実行するときに、表示形式の円滑性を高めることができる。可動部材51〜54における一体の表示演出となる可動発光演出としては、可動部材51〜54にて複数の発光体が整列配置された領域をすべて用いて、例えば文字、図形、記号などのシンボル、キャラクタやそのシルエットなどの表示をすればよい。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示された全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態では、パチンコ遊技機1がサブ画像表示装置5SUと発光体ユニット71〜74の双方を備え、サブ画像表示装置5SUの画面上に演出画像を表示することによる表示演出が行われるとともに、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体を点灯させることによる可動発光演出としての表示演出が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、パチンコ遊技機1がサブ画像表示装置5SUまたは発光体ユニット71〜74のいずれか一方のみを備え、他方は備えないように構成されてもよい。例えばパチンコ遊技機1がサブ画像表示装置5SUを備えて発光体ユニット71〜74を備えない場合には、図9に示す端子接続例において、発光体制御回路134に代えて、サブLCD駆動回路133BがVDP130と接続されるように構成すればよい。一方、パチンコ遊技機1が発光体ユニット71〜74を備えてサブ画像表示装置5SUを備えない場合には、図11に示す信号分離回路140による表示データの分離を行うことなく、VDP130から出力された表示データをバッファメモリ141に一時記憶させるように構成すればよい。
上記実施の形態では、演出制御用CPU120が実行するソフトウェアでの設定により、出力制限期間が設けられるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、VDP130のハードウェア構成により、出力制限期間が設けられるようにしてもよい。例えばVDP130は、電力供給が開始されてからの経過時間を計測するタイマ回路を内蔵して、図23(B)に示すタイミングT10を検知して出力制限期間SD1を開始させ、タイミングT11を検知して出力制限期間SD1を終了するようにしてもよい。
上記実施の形態では、電力供給の開始に対応して第1クロック信号がサブ表示用ドットクロックとして出力される初期出力状態となった後、状態切替時間が経過すると、所定の設定によることなく、サブ表示用ドットクロックの出力状態が初期出力状態から通常出力状態へと切り替わるものとして説明した。これに対し、サブ表示用ドットクロックの出力状態は、例えば演出制御用CPU120が実行するソフトウェアでの設定により、初期出力状態から通常出力状態へと切り替わるものでもよい。この場合、演出制御用CPU120は、例えば図17に示すステップS71Bの処理にて、サブ表示用ドットクロックが出力されないように制限する出力制限期間を開始させた後、VDP130が備えるクロック周波数設定用の内蔵レジスタに周波数切替設定値を設定することにより、サブ表示用ドットクロックの出力状態を初期出力状態(例えば40MHz)から通常出力状態(例えば27MHz)へと切り替える。こうした出力状態の切替えに続いて、出力制限期間を終了させ、サブ表示用ドットクロックが再び出力されるようにすればよい。
上記実施の形態では、演出制御基板12の表示制御部123が発光体制御回路134を備え、VDP130と発光体制御回路134との間が図9に示されたように接続されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば発光体制御回路134が搭載された発光体回路基板を、演出制御基板12とは別個に設けた構成としてもよい。この場合、演出制御基板12は、VDP130からの出力信号をパラレル信号形式からシリアル信号形式に変換(シリアル変換)してから発光体回路基板に対して送信する送信回路を備えてもよい。これに対応して、発光体回路基板は、演出制御基板12からの伝送信号をシリアル信号形式からパラレル信号形式に変換(パラレル変換)してから発光体制御回路134に供給する受信回路を備えてもよい。このような構成において、出力制限期間を設けない場合に、例えば発光体回路基板における受信回路は、回路の個体差などにより、サブ表示用ドットクロックの周波数が切り替わる変化点で正常な動作ができなくなり、発光体ユニット71〜74やサブ画像表示装置5SUによる表示に不具合が生じるおそれがある。これに対し、サブ表示用ドットクロックの出力状態が初期出力状態から通常出力状態へと切り替えられるときに出力制限期間を設け、サブ表示用ドットクロックの出力を一旦停止してデータ通信リンクを初期化してから再びサブ表示用ドットクロックの出力を開始させることで、表示の不具合を解消することができる。
このような発光体回路基板に対して演出制御基板12からのサブ表示用ドットクロックが伝送される場合に限定されず、任意の基板間で信号伝送が行われる場合に、電力供給の開始に伴い信号出力を制限する出力制限期間が設けられるものであってもよい。すなわち、第1基板と、第2基板と、第1基板および第2基板に対してコマンド等となる所定信号を送信する信号送信手段とを備える構成において、信号送信手段が、第1基板に対して所定周波数の第1信号を出力可能とする第1出力部と、第2基板に対して所定周波数とは異なる特定周波数の第2信号を出力可能とする第2出力部とを含む場合に、第2出力部は、電力供給が開始されたときに、所定周波数の第1信号が出力される初期出力状態となった後に特定周波数の第2信号が出力される通常出力状態へと切り替わるとともに、初期出力状態から通常出力状態へと切り替わるときに、信号出力を制限する出力制限期間が設けられてもよい。
上記実施の形態において、VDP130は、メイン表示出力系統と、サブ表示出力系統といった、2系統の信号出力構成を有し、サブ表示出力系統にて伝送されるサブ表示用ドットクロックについて、出力制限期間を設けるものとして説明した。これに対し、VDP120が3系統以上となる複数の信号出力系統を有し、少なくとも1の信号出力系統にて他の信号出力系統とは異なる周波数のクロック信号が伝送される場合に、電力供給の開始に対応した出力制限期間を設けるものであってもよい。また、メイン表示出力系統やサブ表示出力系統といった表示装置に対する信号伝送に用いられる信号出力系統に限定されず、例えばスピーカ8L、8Rによる効果音出力に用いられる効果音信号などを伝送する音声出力系統、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光体の点灯制御に用いられる電飾信号などを伝送する電飾出力系統といった任意の演出装置に対する信号伝送に用いられる信号出力系統も含めた複数の信号出力系統のうち、少なくとも1の信号出力系統にて伝送されるクロック信号について、出力制限期間を設けるものであってもよい。
すなわち、第1演出を行う第1演出装置と、第2演出を行う第2演出装置と、第1演出装置および第2演出装置の演出状態を制御する演出コントローラとを備える構成において、演出コントローラが、第1演出装置の制御に用いられる所定周波数のクロック信号を出力可能とする第1クロック出力回路と、所定周波数のクロック信号とは異なり第2演出装置の制御に用いられる特定周波数のクロック信号を出力可能とする第2クロック出力回路とを含む場合に、第2クロック出力回路は、電力供給が開始されたときに、所定周波数のクロック信号が出力される初期出力状態となった後に特定周波数のクロック信号が出力される通常出力状態へと切り替わるとともに、初期出力状態から通常出力状態へと切り替わるときに、クロック信号の出力を制限する出力制限期間が設けられてもよい。
また、クロック信号線がデータ信号線とは別個に設けられる構成に限定されず、例えば差動伝送方式によるシリアル通信を行う場合のように、少なくともデータ伝送用に設けられた2本を1組とするデータ信号線により電気的な状態の変化に伴いデジタル信号伝送が可能となるように構成されたものであってもよい。そして、第1信号出力系統と第2信号出力系統とにおけるデータ信号伝送用の信号周波数が相違する場合に、第2信号出力系統では、電力供給が開始されたときに、第1信号出力系統で用いられる信号周波数となる初期周波数状態となった後に第2信号出力系統で通常に用いられる信号周波数となる通常周波数状態へと切り替わるとともに、初期周波数状態から通常周波数状態へと切り替わるときに、信号出力を制限する出力制限期間が設けられてもよい。すなわち、第1回路と、第2回路と、第1回路および第2回路に対して所定信号を送信する信号送信手段とを備える構成において、信号送信手段が、第1回路に対して所定周波数の第1信号を出力可能とする第1出力部と、第2回路に対して所定周波数とは異なる特定周波数の第2信号を出力可能とする第2出力部とを含む場合に、第2出力部は、電力供給が開始されたときに、所定周波数の第1信号が出力される初期出力状態となった後に特定周波数の第2信号が出力される通常出力状態へと切り替わるとともに、初期出力状態から通常出力状態へと切り替わるときに、信号出力を制限する出力制限期間が設けられてもよい。
VDP130は、例えば図8に示すようなメインLCD駆動回路133Aや発光体制御回路134あるいはサブLCD駆動回路133Bなどが接続されているか否かにかかわらず、電力供給の開始に伴い信号出力を制限する出力制限期間が設けられてもよい。すなわち、所定周波数の第1信号を出力可能とする第1出力部と、所定周波数とは異なる特定周波数の第2信号を出力可能とする第2出力部とを備える構成において、第2出力部は、電力供給が開始されたときに、所定周波数の第1信号が出力される初期出力状態となった後に特定周波数の第2信号が出力される通常出力状態へと切り替わるとともに、初期出力状態から通常出力状態へと切り替わるときに、信号出力を制限する出力制限期間が設けられてもよい。
上記実施の形態では、図19に示すステップS402の処理により可動発光演出の種別を「通常発光」または「特定発光」に決定することができ、「通常発光」に決定された場合には通常発光演出を実行する一方、「特定発光」に決定された場合には特定発光演出を実行するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば特定発光演出のみを実行するか否かが決定されるものであってもよい。例えば図19に示すステップS402の処理では、可動発光演出を実行するか否かを決定し、実行することに決定された場合には、ステップS406、S407の処理を実行して、日付データに示される日付の範囲に応じた特定発光演出パターンが決定されるようにすればよい。このように、可動部材51〜54(発光体ユニット71〜74)における一体の表示演出となる可動発光演出として、RTC200による計時値に応じて発光体の点灯態様を異ならせる演出を実行できるものであればよく、計時値にかかわらず発光体の点灯態様が共通の演出を実行しないものであってもよい。
上記実施の形態では、図19に示すステップS402の処理において、図20(a)に示すような割合で可動発光演出の種別が「通常発光」や「特定発光」に決定されることで、通常発光演出が実行されたときよりも特定発光演出が実行されたときに、大当り遊技状態などの遊技者にとって有利な状態に制御される割合が高くなるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、通常発光演出が実行されたときに特定発光演出が実行されたときよりも有利な状態に制御される割合が高くなることがあってもよい。例えば通常発光演出を実行するための通常発光演出パターンを複数パターン用意しておき、そのうち1の通常発光演出パターンは、可変表示結果が「大当り」となる場合にのみ使用パターンに決定され、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には使用パターンに決定されないように設定してもよい。このように、発光体の点灯態様が異なる複数種類の通常発光演出には、特定発光演出が実行されたときよりも有利な状態に制御される割合が高い演出と、その割合が低い演出とが含まれていてもよい。
上記実施の形態では、演出可動機構50が有する可動部材51〜54に整列配置されて発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体における点灯態様を変化させることにより、可動発光演出となる表示演出を実行するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば7セグメントのLEDや、発光体ユニット71〜74よりも少ないLEDをドットマトリクス状に配置した発光部材といった、予め用意された複数の表示パターンに応じて点灯態様を変化させることで各種の表示が可能なものであってもよい。また、複数の発光体は格子状に整列配置されたものに限定されず、それらの発光体が配置される可動部材の形状などに応じて、間欠的に配置されたものであってもよい。
あるいは、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体とともに、または複数の発光体に代えて、例えばサブ画像表示装置5SUのようなサブ側の表示器を可動部材に設置して、この表示器による表示演出として、特定発光演出や通常発光演出と同様の演出が実行されてもよい。可動部材に設置されるサブ側の表示器は、LCD(液晶表示装置)で構成されたものでもよいし、EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成されたものでもよい。複数の発光体とともにサブ側の表示器を可動部材に設けた場合には、特定発光演出に対応する演出としてサブ側の表示器における表示内容を変更するとともに、その表示内容にあわせて複数の発光体における点灯態様を異ならせることで、可動部材における演出効果を高めることができる。
上記実施の形態では、特定発光演出として、演出可動機構50を構成する可動部材51〜54に配置された複数の発光体における点灯態様を、RTC200による計時値に応じて異なる点灯態様に変化させる演出が実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば図19に示すステップS402の処理により可動発光演出の種別が「特定発光」に決定されたときには、メイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SUに表示する演出画像、スピーカ8L、8Rから出力する効果音、遊技効果ランプ9や装飾用LEDに含まれる所定の発光部材の点灯態様、演出可動機構50を構成する可動部材51〜54の動作内容(移動態様)、あるいは、これらの一部または全部の組合せを、ステップS407の処理にて決定された特定発光演出パターンなどに応じて異ならせるように構成してもよい。例えば、可動部材51〜54の動作内容(移動態様)を異ならせる複数の可動用モータ制御パターンを用意して、RTC200から出力された日付データに示される日付の範囲に応じて異なる可動用モータ制御パターンを使用パターンに決定する。複数の可動用モータ制御パターンは、可動部材51〜54の動作内容(移動態様)として、可動用モータ制御期間における可動部材51〜54の振動、往復運動、途中停止、あるいは、これらの一部または全部の組合せについて、各動作の有無や回数を異ならせるように可動用モータ60の駆動制御を行うためのものであればよい。このように、複数の発光体を有し、退避状態(第1位置)と進出状態(第2位置)との間で移動可能な可動部材51〜54の動作内容(移動態様)を、RTC200による計時値に応じて異ならせるように構成してもよい。その他、RTC200による計時値に応じて複数の発光体における点灯態様を変化させることに連動して、各種の演出装置による演出態様を変化させることができればよい。
上記実施の形態では、図19に示すステップS407にて特定発光演出パターンを決定するときに、ステップS406の処理にて読み出した日付データに示される日付の範囲が1月から12月までのいずれであるかに対応して、特定発光演出パターンLP1〜特定発光演出パターンLP12のそれぞれに決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば日付データに示される日付が、1月から12月までの各月における何週目(第1週目から第5週目までのいずれかなど)であるかに対応して、複数の特定発光演出パターンのいずれかに決定するものでもよい。あるいは、日付データに示される日付が、各週における何曜日(月曜日から日曜日までのいずれかなど)であるかに対応して、複数の特定発光演出パターンのいずれかに決定するものでもよい。あるいは、RTC200から日付だけでなく時刻も示す日付時刻データが出力される場合に、その日付時刻データに示される時刻が、朝(例えば10時から12時までなど)、昼(例えば12時から17時までなど)、夜(例えば17時から23時までなど)といった複数の時間帯のうちいずれであるかに対応して、複数の特定発光演出パターンのいずれかに決定するものでもよい。さらに、月、週、曜日、時間帯の一部または全部の組合せに対応して、複数の特定発光演出パターンのいずれかに決定するものでもよい。
また、図20(b)に示したように、日付範囲が1月から12月までのいずれであるかに対応して、特定発光演出パターンLP1〜特定発光演出パターンLP12のうちから1の特定発光演出パターンに決定されるものに限定されず、日付範囲ごとに複数の特定発光演出パターンのうちから1の特定発光演出パターンが所定割合で決定されるものであってもよい。この場合、日付範囲ごとにすべて個別の特定発光演出パターンを複数用意してもよいし、少なくとも一部が重複する特定発光演出パターンを複数用意してもよい。例えば日付範囲が1月である場合には特定発光演出パターンLP1、特定発光演出パターンLP3、特定発光演出パターンLP4のうちいずれかに所定割合で決定され、日付範囲が2月である場合には特定発光演出パターンLP2、特定発光演出パターンLP3、特定発光演出パターンLP4のうちいずれかに所定割合で決定されてもよい。この場合、特定発光演出パターンLP1は、日付範囲が1月である場合に対応して個別に用意され、1月である場合にのみ決定可能となる。特定発光演出パターンLP2は、日付範囲が2月である場合に対応して個別に用意され、2月である場合にのみ決定可能になる。これに対し、特定発光演出パターンLP3や特定発光演出パターンLP4は、日付範囲が1月である場合と2月である場合で重複して用意され、1月である場合でも2月である場合でも所定割合で決定可能となる。
あるいは、例えば日付範囲が1月から3月までのいずれかである場合には、いずれの場合も特定発光演出パターンLP1〜特定発光演出パターンLP3のうちいずれかに決定されるが、それぞれの特定発光演出パターンに決定される割合を、1月である場合と2月である場合と3月である場合とで異なる割合に設定してもよい。このように、RTC200による計時値が複数の判定範囲に含まれる複数の特定判定範囲のいずれかに含まれる場合に、これらの特定判定範囲に共通する複数種類の特定発光演出から選択した演出を実行可能とし、各演出の選択割合を、計時値がいずれの特定判定範囲に含まれるかに応じて異ならせてもよい。すなわち、計時値がいずれの特定判定範囲に含まれるかに応じて異なる割合で、共通する特定発光演出のいずれかを選択的に実行してもよい。また、計時値がいずれの判定範囲に含まれるかに応じて、複数種類の特定発光演出ごとの大当り期待度を異ならせるように設定してもよい。
上記実施の形態では、日付範囲が1月から12月までのいずれであるかに対応して、特定発光演出パターンLP1〜特定発光演出パターンLP12のうちから1の特定発光演出パターンに決定されることで、日付範囲にかかわらず常に特定発光演出を実行可能とするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、計時値に応じて特定発光演出を実行可能な期間と特定発光演出を実行不可能な期間とを設けてもよい。例えば日付範囲が1月から12月までのうち、4月、7月、9月、12月のいずれかである場合には、それぞれ図34(a)、図34(b)、図35(a)、図35(b)に示された特定発光演出を実行可能とする。これに対し、日付範囲が4月、7月、9月、12月以外である場合には、特定発光演出を実行不可能とし、通常発光演出のみを実行可能としてもよい。このように、計時値が複数の判定範囲のいずれに含まれるかに応じて、特定発光演出を実行可能とするか特定発光演出を実行不可能とするかが決定されてもよい。
あるいは、計時値に応じて特定発光演出のみを実行可能な期間と通常発光演出および特定発光演出を実行可能な期間とを設けてもよい。例えば日付範囲が1月から12月までのうち、4月、7月、9月、12月のいずれかである場合には、可動発光演出として、それぞれ図34(a)、図34(b)、図35(a)、図35(b)に示された特定発光演出のみを実行可能とし、通常発光演出は実行不可能とする。これに対し、日付範囲が4月、7月、9月、12月以外である場合には、上記実施の形態と同様に、通常発光演出と特定発光演出のうち、いずれか一方を選択的に実行可能としてもよい。このように、計時値が複数の判定範囲のいずれに含まれるかに応じて、特定発光演出のみを実行可能とするか通常発光演出と特定発光演出のうちで一方を選択的に実行可能とするかが決定されてもよい。
例えば月、週、曜日といった、日付の範囲に基づいて特定発光演出パターンが決定される場合には、上記実施の形態のように、演出制御基板12における電力供給の開始に対応して図17に示す演出制御メイン処理が実行されたときに、ステップS74、S76の処理を実行することにより取得して記憶させた日付データを用いて、日付範囲に応じた特定発光演出パターンを決定できればよい。これに対し、例えば時間帯といった、現在時刻に基づいて特定発光演出パターンが決定される場合には、図19に示す可変表示開始設定処理が実行されるごとに、RTC200から日付時刻データを取得して、現在時刻に応じた特定発光演出パターンを決定できればよい。より具体的に、図19に示すステップS406の処理では、RAM122の日付データ記憶領域に記憶されている日付データを読み出すことに代えて、RTC200から出力された日付時刻データを取得する。こうして、演出の実行が開始されるごとに取得した日付時刻データに示される日付や時刻に応じた特定発光演出パターンを決定することにより、現在の日付や時刻といった計時値に応じて異なる種類の表示演出を実行できればよい。日付の範囲に基づいて特定発光演出パターンが決定される場合でも、図19に示すステップS406の処理にてRTC200から出力された日付データ(または日付時刻データ)を用いて、現在の日付などを特定するようにしてもよい。
例えば月、週、曜日といった、日付の範囲に基づいて特定発光演出パターンが決定される場合には、図17にステップS74、S76の処理を実行することにより取得した日付データを日付データ記憶領域に記憶させておき、図19に示すステップS406の処理により日付データ記憶領域から日付データを読み出すものに限定されず、例えばステップS74の処理により日付データを取得して、ステップS75の処理により日付に異常がないと判定されたときに、その日付データに示される日付の範囲に応じた特定発光演出パターンを決定しておくようにしてもよい。この場合、図19に示すステップS406、S407の処理では、電力供給が開始されたときに決定した特定発光演出パターンを使用パターンに設定すればよい。これにより、演出の実行が開始されるごとに日付範囲に応じた特定発光演出パターンを決定する処理が不要になり、特定発光演出を実行するための処理負担を軽減することができる。このように、RTC200による計時値に応じて特定発光演出の演出態様を異ならせるための決定処理は、飾り図柄の可変表示などに対応した演出の実行が開始されるごとに実行されてもよいし、演出制御基板12における電力供給が開始されたときに実行されてもよい。
上記実施の形態では、図19に示すステップS402の処理にて図20(a)で示すような割合で可動発光演出の種別を決定することで、変動パターンPA2−2や変動パターンPA2−3に対応して可変表示結果が「ハズレ」となる場合でも、特定発光演出を実行できるものとして説明した。これに対し、特定発光演出は、可変表示結果が「大当り」となることを確定的に報知する演出(いわゆる大当り確定演出)として実行されてもよい。例えば、図20(a)に示す変動パターンPA2−2や変動パターンPA2−3の場合には、可動発光演出の種別が「特定発光」には決定されないように設定(決定割合が0%に設定)されてもよい。ただし、特定発光演出が大当り確定演出として実行される場合には、特定発光演出の出現率が低下してしまい、遊技者が見落としてしまうなど認識が困難になるおそれがある。これに対し、上記実施の形態のように、可変表示結果が「ハズレ」となる場合でも特定発光演出を実行可能にすることで、遊技者が特定発光演出を認識しやすくして、遊技の興趣を向上させることができる。あるいは、各日付範囲に対応して複数の特定発光演出パターンを設け、一部の特定発光演出パターンは、可変表示結果が「大当り」となる場合にのみ使用パターンとすることができるように設定してもよい。また、可変表示結果が「大当り」となる場合には、可動発光演出として常に特定発光演出が実行されるようにしてもよい。例えば、図20(a)に示す変動パターンPA3−2や変動パターンPA3−3の場合には、可動発光演出の種別が「特定発光」のみに決定されるように設定(決定割合が100%に設定)されてもよい。
上記実施の形態では、例えば図32(a)および図32(b)に示されたノーマルのリーチ演出が実行された後、スーパーAのリーチ演出が開始されるまでに実行される発展演出に伴い、可動発光演出を実行できるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、可動発光演出を実行できる複数の期間が設けられてもよい。例えば上記実施の形態と同様にノーマルのリーチ演出からスーパーAのリーチ演出に移行(発展)するまでの期間に加えて、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となってノーマルのリーチ演出が開始されるときの所定期間や、スーパーAのリーチ演出(大当り期待度が比較的に低いスーパーリーチ)からスーパーBのリーチ演出(大当り期待度が比較的に高いスーパーリーチ)に移行(発展)するまでの期間のいずれかにて、可動発光演出が実行できるように構成してもよい。この場合、複数の実行期間ごとに、特定発光演出や通常発光演出における演出態様(発光体の点灯態様)を異ならせてもよいし、複数の実行期間にかかわらず、特定発光演出や通常発光演出における演出態様(発光体の点灯態様)を共通のものとしてもよい。あるいは、複数の実行期間ごとに、特定発光演出や通常発光演出の実行割合を異ならせてもよい。あるいは、複数の実行期間ごとに、特定発光演出が実行された場合の大当り期待度を異ならせてもよい。例えば第1の実行期間にて特定発光演出が実行された場合に比べて、第1の実行期間よりも遅い第2の実行期間にて特定発光演出が実行された場合に、大当り期待度が高くなるように、各実行期間における可動発光演出の有無や種別が決定されてもよい。
上記実施の形態では、例えば図20(a)に示された変動パターンPA2−2、変動パターンPA2−3、変動パターンPA3−2、変動パターンPA3−3といった、スーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンが指定された場合に、可動発光演出を実行できるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、これら以外の変動パターンが指定された場合でも、可動発光演出を実行できるように構成してもよい。例えば、「擬似連」の可変表示演出を伴う変動パターンが指定された場合に、飾り図柄を一旦停止(仮停止)させてから可変表示を再度実行するときの所定期間などにて、可動発光演出が実行できるように構成してもよい。「擬似連」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果が導出されるまでの間に仮停止表示を行ってから可変表示を再度実行する再可変表示が所定回行われる。この場合、再可変表示の回数が増加するにしたがって、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるように、変動パターンなどを決定すればよい。また、例えば非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示された後に再抽選演出が実行される場合に、確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されるときの所定期間などにて、可動発光演出が実行できるように構成してもよい。この場合、可動発光演出のうちの特定発光演出が、確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることを確定的に報知する確変確定演出として実行されてもよい。あるいは、再抽選演出の実行に伴い通常発光演出と特定発光演出のいずれかが実行され、特定発光演出が実行された場合には、通常発光演出が実行された場合よりも高い割合で、確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されるように構成してもよい。例えば大当り中昇格演出といった、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に確変状態となるか否かを報知する演出が実行されるときの所定期間などにて、可動発光演出が実行できるように構成してもよい。この場合、可動発光演出のうちの特定発光演出が、確変状態となることを確定的に報知する確変確定演出として実行されてもよい。あるいは、大当り中昇格演出の実行に伴い通常発光演出と特定発光演出のいずれかが実行され、特定発光演出が実行された場合には、通常発光演出が実行された場合よりも高い割合で、確変状態となるように構成されてもよい。また、例えば特別図柄や飾り図柄の可変表示が停止しているデモ表示中の所定期間などにて、可動発光演出が実行できるように構成してもよい。デモ表示中には、メイン画像表示装置5MAの画面上に所定のデモンストレーション画像が表示される。
また、可動発光演出は、リーチ演出とは異なる予告演出として、可変表示結果が「大当り」となる可能性や飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性、スーパーリーチのリーチ演出が実行される可能性などを遊技者に予め示唆するように実行されてもよい。この場合、可動発光演出として特定発光演出が実行された場合には、通常発光演出が実行された場合よりも、可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなるように、予告演出パターンなどが決定されるように構成してもよい。
例えば図20(a)に示された決定例のように、大当り遊技状態に制御されるか否かの割合や、確変状態などの特別遊技状態に制御されるか否かの割合に限定されず、遊技者にとって有利な任意の状態に制御される割合や、遊技者にとって有利な任意の遊技価値が付与される割合を、特定発光演出が実行された場合と通常発光演出が実行された場合とで異ならせるように構成したものであればよい。例えば特定発光演出が実行された場合には通常発光演出が実行された場合よりも高い割合で、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となったり、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となったり、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となったり、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン回数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン回数(例えば「10」)となったりするように構成してもよい。
上記実施の形態では、サブ画像表示装置5SUを設け、VDP130から出力された表示データのうち、サブ表示出力系統に対応して出力された表示データから発光体ユニット71〜74の点灯制御に使用される一部の表示データを分離して点灯データに変換することで、可動部材51〜54に配置された複数の発光体における点灯態様を変化させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、サブ画像表示装置5SUを備えない構成のものであってもよい。この場合、サブ表示出力系統に対応して出力された表示データの全部を使用して点灯データに変換することで、可動部材51〜54に配置された複数の発光体における点灯態様を変化させてもよい。あるいは、メイン画像表示装置5MAの画面表示に使用される表示データのデータ信号を伝送するメイン表示出力系統に対応して出力された表示データから一部を分離して点灯データに変換することで、可動部材51〜54に配置された複数の発光体における点灯態様を変化させるように構成されてもよい。
上記実施の形態では、グループ点灯制御期間が階調制御周期の整数倍となるように設定するとともに、グループ点灯停止期間ではデジット信号の出力を停止して発光体を点灯不可に制御するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、グループ点灯制御期間が階調制御周期の整数倍となるように設定する一方で、グループ点灯停止期間は設けられないようにグループ選択周期などが設定されてもよい。
あるいは、グループ点灯制御期間が階調制御周期の整数倍にはならないように設定される一方で、階調制御周期においてデータ信号の信号状態がオン状態となる最長期間が経過した後には、グループ点灯停止期間として発光体を点灯不可に制御してもよい。例えば、階調制御周期に満たない期間でも、階調データに応じたデータ信号の出力をすべての発光素子について完了できる場合には、階調制御周期の整数倍となる期間を超過していてもデジット信号の出力を停止させず、発光体を点灯可能にする。そして、データ信号の出力をすべての発光素子について完了したタイミングにてデジット信号の出力を停止させ、発光体を点灯不可に制御すればよい。
このように、グループ点灯制御期間が階調制御周期の整数倍となるように設定することと、および、グループ点灯停止期間を設けることは、常に双方の特徴を備えるように構成する必要があるものではなく、いずれか一方の特徴のみを備えるように構成したものであってもよい。
上記実施の形態では、発光体制御回路134に設けられた点灯データ生成回路142が備える出力タイミング設定部142Aにより点灯データの出力タイミングを設定することで、グループ点灯制御期間PE1を階調制御周期PP1の整数倍にするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、グループ選択用の発光体ドライバやパルス幅変調用の発光体ドライバにおいて、グループ点灯制御期間が階調制御周期の整数倍となるように、デジット信号やデータ信号の出力タイミングが設定されてもよい。例えばグループ選択用の発光体ドライバとパルス幅変調用の発光体ドライバにおける内部クロックの周波数を調整することで、グループ点灯制御期間が階調制御周期の整数倍となるようにしてもよい。また、グループ選択用の発光体ドライバは、シリアル信号配線などを介して伝送される駆動制御データによらず、所定のグループ選択周期で点灯対象とするグループの選択を切り替えてもよい。この場合、パルス幅変調用の発光体ドライバにおける内部クロックの周波数を調整することなどにより、グループ点灯制御期間が階調制御周期の整数倍となるようにしてもよい。
上記実施の形態では、グループ点灯制御期間が階調制御周期の整数倍となり、グループ点灯停止期間では発光体が点灯不可となるように、デジット信号の出力を開始させたり停止させたりするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、データ信号の出力を開始させたり停止させたりすることで、グループ点灯制御期間が階調制御周期の整数倍となり、グループ点灯停止期間では発光体が点灯不可となるようにしてもよい。例えば上記実施の形態にてデジット信号の出力を停止させたタイミングにて、パルス幅変調用の発光体ドライバの動作をリセットさせるリセットコマンドを伝送することなどにより、階調データに応じたデータ信号の出力を停止させるものでもよい。具体的な一例として、図31(A1)および図31(A2)に示したようにグループ点灯制御期間PE1が650マイクロ秒(μs)である場合に、タイミングT13から640マイクロ秒(μs)が経過したときに、デジット信号の出力が停止していなくても、データ信号の出力を停止させることで、データ信号の出力制御を第N周期(=第10周期)まで繰り返した後には、不要信号が発生しないようにしてもよい。デジット信号とデータ信号とについて、信号出力を開始または停止させるためのデータ取込みなどに要する時間を比較するなどして、デジット信号とデータ信号のうちいずれの出力を停止させるかを決定してもよい。
上記実施の形態では、グループ点灯停止期間において常に発光体が点灯不可となるように制御するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばグループ点灯制御期間が階調制御周期の整数倍に満たない場合に、予め設けられたグループ点灯停止期間を短縮して、階調制御周期の整数倍となる期間にて発光体が点灯可能となるように制御してもよい。具体的な一例として、図30(A)に示したタイミングT15からタイミングT21までのグループ点灯停止期間PE2は、初期状態で60マイクロ秒(μs)となるように設定されている。そして、階調制御周期PP1が64マイクロ秒(μs)であり、図31(B1)および図31(B2)に示したようにグループ点灯制御期間PE1が640マイクロ秒(μs)である場合には、グループ点灯制御期間PE1が階調制御周期PP1の整数倍となることから、グループ点灯停止期間PE2を初期状態のまま64マイクロ秒(μs)として発光体の点灯制御を行う。これに対し、図31(A1)および図31(A2)に示したようにグループ点灯制御期間PE1が650マイクロ秒(μs)である場合には、このグループ点灯制御期間PE1における10マイクロ秒(μs)の余り時間と、グループ点灯停止期間PE2における54マイクロ秒(μs)を使用すれば、階調制御周期PP1と同じ64マイクロ秒(μs)となり、発光体の点灯制御を行う期間が階調制御周期PP1の整数倍となる。そこで、グループ点灯停止期間PE2を初期状態の60マイクロ秒(μs)から6マイクロ秒(μs)に短縮するとともに、グループ点灯制御期間PE1を650マイクロ秒(μs)から704マイクロ秒(μs)に延長することで、階調制御周期の整数倍となる期間にて発光体が点灯可能となるように制御すればよい。このように、グループ点灯制御期間を初期状態よりも長い期間に延長することで、階調制御周期の整数倍となるように設定してもよい。
上記実施の形態では、階調データの伝送に続けてデジット信号をオフ状態からオン状態とするための駆動制御データを伝送し、その後、オン状態となっているデジット信号をオフ状態とするための駆動制御データを伝送してから、グループ点灯停止期間を設けることで、グループ点灯制御期間が階調制御周期の整数倍となるように設定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば階調データを伝送してからグループ点灯停止期間を設け、その後にデジット信号をオフ状態からオン状態とするための駆動制御データを伝送するものでもよい。この場合でも、グループ点灯停止期間を正確に設定すれば、グループ点灯制御期間を階調制御周期の整数倍とすることができる。
ただし、階調データの伝送に続けてグループ点灯停止期間を設ける場合には、グループ選択周期が経過するタイミングで、デジット信号の出力を停止させるとともに、新たなグループ選択周期に対応して選択されるグループに応じた階調データの伝送が開始される。そのため、デジット信号の出力を停止させるタイミングに遅れが生じると、新たに選択されるグループに応じた階調データによる発光体の階調制御が開始されてしまうおそれがある。また、各発光体を構成する発光素子の残存電荷による発光が終了するより前に新たな階調データによる発光体の階調制御が開始されてしまうおそれがある。これに対し、上記実施の形態のように、デジット信号の出力を停止してからグループ点灯停止期間を設けることで、不適切な階調制御によるちらつき(フリッカー)の発生などを防止して、適切な表示を行うことができる。
上記実施の形態では、各発光体における輝度(発光量)にかかわらず、グループ点灯制御期間が階調制御周期の整数倍となり、グループ点灯停止期間では発光体が点灯不可となるように設定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば各発光体における輝度(発光量)が所定輝度(所定発光量)に達しない場合にのみ、これらの設定が行われるようにしてもよい。例えば点灯データ生成回路142は、バッファメモリ141から読み出した表示データなどに基づいて、各発光体における輝度(発光量)が所定輝度(所定発光量)に達するか否かを判定する。このとき、所定輝度(所定発光量)に達しないと判定された場合にのみ、グループ点灯制御期間が階調制御周期の整数倍となり、グループ点灯停止期間では発光体が点灯不可となるように、デジット信号の出力設定などが行われるようにしてもよい。一方、所定輝度(発光量)に達する場合には、例えば図31(A2)に示したような不要信号が発生しても、グループ点灯制御期間の全体でみれば、データ信号がオン状態となるオン期間の割合変化量は小さく、ちらつき(フリッカー)による影響は少なくなるものと考えられる。そこで、各発光体における輝度(発光量)が所定輝度(所定発光量)に達するか否かを判定し、達する場合にはデジット信号の出力を停止させる駆動制御データの伝送を行わないことなどにより、伝送データ量の低減や駆動制御の負担軽減を図ることができる。
あるいは、例えば複数の発光体における発光色(表示色)の数が所定数に達しない場合にのみ、グループ点灯制御期間が階調制御周期の整数倍となり、グループ点灯停止期間では発光体が点灯不可となるように設定してもよい。例えば点灯データ生成回路142は、バッファメモリ141から読み出した表示データなどに基づいて、複数の発光体における発光色(表示色)の数が所定数に達するか否かを判定する。このとき、所定数に達しないと判定された場合にのみ、グループ点灯制御期間が階調制御周期の整数倍となり、グループ点灯停止期間では発光体が点灯不可となるように、デジット信号の出力設定などが行われるようにしてもよい。一方、所定数に達する場合には、例えば図31(A2)に示したような不要信号が発生しても、近隣に配置された発光体の間で発光色(表示色)の相違が目立つことがなく、ちらつき(フリッカー)による影響は少なくなるものと考えられる。そこで、複数の発光体における発光色(表示色)の数が所定数に達するか否かを判定し、達する場合にはデジット信号の出力を停止させる駆動制御データの伝送を行わないことなどにより、伝送データ量の低減や駆動制御の負担軽減を図ることができる。
上記実施の形態では、グループ選択周期に対応する単位制御期間が終了するごとに、階調データと駆動制御データの伝送が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば発光体ユニット71〜74の全体において単一色の表示が行われる場合のように、グループの選択が切り替えられても各発光体の点灯態様に変化がない場合などには、単位制御期間が終了しても階調データの伝送が行われない場合があってもよい。また、グループ選択用の発光体ドライバは、シリアル信号配線を介して伝送される駆動制御データによらず、所定のグループ選択周期で点灯対象とするグループの選択を切り替えるものであれば、駆動制御データの伝送が行われなくてもよい。あるいは、パルス幅変調用の発光体ドライバには、第1グループから第12グループまでの各グループに対応する階調データを取り込んでラッチできるデータバッファを設けておき、発光体ユニット71〜74の全体における表示の更新周期である発光フレーム周期で、階調データの伝送が行われるようにしてもよい。シリアル出力回路143は、グループ選択周期に限定されない所定周期で少なくとも階調データを構成する点灯制御情報をシリアル信号方式で出力するものであればよい。
上記実施の形態では、演出可動機構50が備える複数の可動部材51〜54に設けられた発光体ユニット71〜74のそれぞれに、複数の発光体が整列配置されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、1つの可動部材に設けられた発光体ユニットに複数の発光体が整列配置されたものであってもよいし、固定された表示手段としての発光体ユニットに複数の発光体が整列配置されたものであってもよい。
上記実施の形態では、複数の発光体ブロックB01〜B42のそれぞれが、各発光体ブロックよりも小さいモジュールとなるハーフブロックの組合せで構成されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、複数の発光体ブロックのうちには、複数のハーフブロックの組合せで構成されるものと、ハーフブロックに分割されず全体で1つの発光体ブロックを構成するものとが含まれていてもよい。一例として、横方向(X軸方向)に12個(12列)の発光体が並ぶとともに、縦方向(Y軸方向)に16個(16行)の発光体が並んだ領域については、ハーフブロックに分割することなく、全体が1つの発光体ブロックに割り当てられるように設定してもよい。このように、複数の発光体が整列配置された広い領域については、ハーフブロックに分割することなく一括して多数の発光体を点灯制御する。これにより、回路構成を簡単化して製造コストを低減したり、点灯制御に伴う処理負担を軽減したりすることができる。
上記実施の形態では、図28(a)に示すような設定により、発光体ブロックに応じて異なる点灯データ生成テーブルが選択される。この場合、同一の発光体ブロックに対応する発光体については、共通の点灯データ生成テーブルを用いて、表示データから点灯データへの変換が行われる。しかしながら、この発明はこれに限定されず、同一の発光体ブロックに対応する発光体であっても、その配置などに応じて異なる点灯データ生成テーブルが選択されるようにしてもよい。具体的な一例として、バッファメモリ141から表示データが読み出された記憶アドレスに応じて、異なる点灯データ生成テーブルが選択されるようにしてもよい。このように、より詳細な発光体の配置などに応じて、表示データから点灯データに変換するための設定情報を異ならせてもよい。
点灯データ生成回路142は、点灯データ生成テーブルに代えて、所定の演算処理によって表示データから点灯データへの変換を行うようにしてもよい。表示データから点灯データへの変換に使用可能な複数種類の演算処理プログラムを予め用意しておき、点灯データ生成回路142は、発光体の発光色や配置(発光体ブロックなど)に応じていずれかの演算処理プログラムを選択して実行することで、表示データを点灯データに変換してもよい。
本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的に、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの前面側に設けられた演出可動機構を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。具体的には、上記実施の形態におけるメイン画像表示装置5MAやサブ画像表示装置5SU、発光体ユニット71〜74といった、複数の表示装置に対応して、VDPなどの画像処理プロセッサから、それぞれの表示装置を制御するためのクロック信号が出力されるように構成されていればよい。このような構成において、少なくともいずれか1の表示装置を制御するためのクロック信号を出力する端子では、電力供給が開始されたときに、他の表示装置を制御するためのクロック信号となる第1周波数のクロック信号が出力される初期出力状態となった後に、制御対象の表示装置に対応した第2周波数のクロック信号が出力される通常出力状態へと切り替わる。こうした初期出力状態から通常出力状態へと切り替わるときには、クロック信号の出力を停止させるように制限する出力制限期間が設けられるように構成されていればよい。
また、このようなスロットマシンにおいて、退避状態(第1位置)と進出状態(第2位置)との間で移動可能な演出可動機構などに配置された複数の発光体における点灯態様に応じた表示演出が実行される場合に、RTCなどの計時手段による計時値に応じて異なる種類の特定発光演出が実行されるように構成されていればよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには発光体ユニットや遊技効果ランプおよび装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
上記実施の形態では、電力供給が開始されたときに、VDP130におけるサブ表示用ドットクロックの出力状態が初期出力状態となり、メイン表示用クロック生成回路130Aにより生成された第1クロック信号が、サブ表示用ドットクロックの出力用端子である端子DCLK0から出力される。その後、初期出力状態から通常出力状態へと切り替わり、サブ表示用クロック生成回路130Bにより生成された第2クロック信号が端子DCLK0から出力される。そして、初期出力状態から通常出力状態へと切り替わるときに、例えば図23(B)に示す出力制限期間SD1のように、サブ表示用ドットクロックの出力を制限する期間が設けられる。これにより、例えば発光体制御回路134のように、VDP130の外部にてサブ表示用ドットクロックの受信側となる回路では、クロックレートの変更が生じる場合でも同期を確立して、適切な表示を行うことができる。
また、演出可動機構50を構成する複数の可動部材51〜54に設けられた複数の発光体ユニット71〜74にて複数の発光体が整列配置された領域を、複数の発光体ブロックB01〜B42に分割する。複数の発光体を点灯制御するために用いられる点灯データは、複数の発光体ブロックB01〜B42ごとに作成される。発光体駆動部144に含まれる複数の発光体ドライバは、点灯データに対応する制御信号に基づいて、各発光体ブロックB01〜B42に対応する複数の発光体を点灯制御する。このように、点灯データを複数の発光体ブロックごとに作成して複数の発光体を点灯制御することで、例えば点灯制御の並列実行などにより処理負荷を分散して、点灯制御の処理負担を軽減させることができる。
各発光体ブロックB01〜B42は、例えば図14に示したハーフブロックB11UおよびハーフブロックB11Dのように、その発光体ブロックよりも小さいモジュールとなるハーフブロックの組合せで構成される。このように、発光体ブロックをより小さいモジュールの組合せで構成することで、発光体ブロックの割当てを柔軟に行うことができ、これに伴い複数の発光体を配置する柔軟性を高めることができる。
ハーフブロックB11UおよびハーフブロックB11Dのようなハーフブロックは、例えば合計96個の発光体といった、いずれも同数の発光体を含むように構成される。これにより、点灯データのような発光体の点灯制御を行うための制御情報を、複数の発光体ブロックに対して統一したフォーマットで作成可能として、点灯制御の処理負担を軽減させることができる。
1の発光体ブロックに満たない発光体が配置された余り領域は、いずれかの発光体ブロックにおける空き領域に含めるように発光体ブロックの割当てが行われ、例えば図25(b)に示すように、余り領域の割当てに対応した表示データの一部移動などを行う。これにより、点灯データのような発光体の点灯制御を行うための制御情報を効率よく作成可能として、点灯制御の処理負担を軽減させることができる。
演出可動機構50は複数の可動部材51〜54を備えており、各可動部材51〜54にて発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体が配置された領域を、複数の発光体ブロックB01〜B42に分割する。このように、複数の可動部材にて複数の発光体が配置された領域を複数の発光体ブロックに分割し、点灯データを複数のブロックごとに作成して複数の発光体を点灯制御することで、複数の可動部材を用いた演出の興趣を向上させるとともに、点灯制御の処理負担を軽減させることができる。
シリアル出力回路143は、複数のシリアル出力系統K01〜K21を有し、それぞれに対応するシリアル信号配線にシリアル信号方式で制御信号を出力する。各発光体ブロックB01〜B42に対応して設けられた発光体ドライバは、1のシリアル出力系統に対応するシリアル信号配線を介して接続されている。これにより、各シリアル出力系統に割り当てられた発光体ブロックごとに複数の発光体を点灯制御することで、例えば点灯制御の並列実行などにより処理負荷を分散して、点灯制御の処理負担を軽減させることができる。
発光体ブロックB01〜B42のそれぞれでは、例えば図14に示す発光体ドライバ411Sのようなグループ選択用の発光体ドライバと、例えば図14に示す発光体ドライバ411DU、411DDのようなパルス幅変調用の発光体ドライバとを用いて、発光体ブロックごとに複数の発光体のダイナミック点灯制御が行われる。こうした1の発光体ブロックに含まれる発光体の駆動制御を行うグループ選択用の発光体ドライバと発光体の階調制御を行うパルス幅変調用の発光体ドライバのそれぞれに対して、少なくとも1の発光体ドライバアドレスを指定するドライバ指定情報が割り当てられている。これにより、発光体の駆動制御や階調制御を適切に実現することができる。
例えば図27に示すようなアドレス特定テーブルTA1の設定などにより、グループ選択用の発光体ドライバに対しては、複数の発光体ブロックB01〜B42にかかわらず、各発光体ブロックに対応して同数(例えば「1」)の発光体ドライバアドレスを指定するドライバ指定情報が割り当てられている。また、パルス幅変調用の発光体ドライバに対しては、複数の発光体ブロックB01〜B42に応じた所定数(例えば「1」または「2」)の発光体ドライバアドレスを指定するドライバ指定情報が割り当てられている。これにより、各発光体ブロックに含まれる複数の発光体の配置に応じて、例えばパルス幅変調用の発光体ドライバを増減可能に構成することで、柔軟に制御信号を出力させることができる。
シリアル出力回路143は、シリアルクロックSCとして、例えば図29(a)に示すように、シリアル出力系統K01〜K21のそれぞれに共通のクロック信号を出力する。したがって、複数のシリアル出力系統K01〜K21を設けた場合でも、個別のクロック生成回路やクロック遅延回路などを設ける必要がなく、回路構成を簡素化して、製造コストの増加を防止することができる。
シリアル出力回路143は、シリアルデータSDとして、例えば図29(b)に示すように、シリアル出力系統K01〜K21のそれぞれに応じて異なるタイミングで、駆動制御データや階調データを含んだ制御信号を出力する。これにより、突入電流の発生を抑制して、雑音電波の発生や製造コストの増加を防止することができる。
バッファメモリ141にはVDP130からサブ表示出力系統に対応して出力された表示データが一時記憶される。点灯データ生成回路142は、バッファメモリ141に一時記憶されている表示データを読み出し、所定の変換処理を実行することで、点灯制御情報を構成する点灯データを生成する。このように、表示データを点灯データに変換するので、LCD(液晶表示装置)などの一般的な表示装置の画面上に表示させる演出画像の画像データと同様の画像データを作成して、複数の発光体の点灯制御に用いることができ、遊技機の開発負担や点灯制御の処理負担を軽減させることができる。
バッファメモリ141の記憶領域に複数のバッファ領域を割り当て、1のバッファ領域に信号分離回路140によって分離された表示データを一時記憶させているときに、他のバッファ領域から読み出した表示データを点灯データに変換してもよい。このようなダブルバッファ方式で表示データを一時記憶して、点灯データへの変換を適切に行うことができる。
点灯データ生成回路142は、画像表示装置のフレーム周期よりも、短い周期で複数の発光体を点灯制御するための点灯データを生成し、シリアル出力回路143により点灯データに基づく制御信号を出力させる。これにより、表示演出におけるちらつきを抑制して、演出の興趣を向上させることができる。
点灯データ生成回路142は、例えば図26に示すようなバッファメモリ141の記憶領域を分割した複数のバッファメモリエリアのうち、いずれのバッファメモリエリアに格納されているデータを読み出したかに基づいて、図27に示すようなアドレス特定テーブルTA1を参照することにより、複数の発光体ブロックB01〜B42のうち、いずれの発光体ブロックに含まれる発光体の点灯データに変換するかを特定する。こうしたアドレス特定テーブルTA1を用いて点灯データに変換することで、データ処理が複雑化することを防止して、点灯制御の処理負担を軽減させることができる。
信号分離回路140は、VDP130からサブ表示出力系統に対応して出力された表示データの一部を分離してバッファメモリ141に一時記憶させる。点灯データ生成回路142は、バッファメモリ141に一時記憶された表示データを点灯データに変換して、複数の発光体の点灯制御に用いることができ、遊技機の開発負担や点灯制御の処理負担を軽減させることができる。
VDP130により作成される表示データのうち、フレームバッファ132Bの記憶領域に割り当てられたサブフレームバッファに格納される表示データにおいて、図25(c)に示すようなサブ画像表示用のデータと発光体制御用のデータとの間には、例えば5ドットといった、所定のデータ量を有する境界データが設けられている。こうした境界データによって用途が異なるデータを離間することで、点灯データに変換される表示データを容易に分離可能として、点灯制御の処理負担を軽減させることができる。
VDP130は、点灯データの作成に用いられる画像データとして、複数の発光体による表示の解像度よりも高い解像度を有する画像データを用いて、発光体制御用の表示データを作成する。これにより、例えば演出画像を移動表示させるときなどに、輪郭表示の円滑性といった表示の円滑性を高めて、演出の興趣を向上させることができる。
発光体ユニット71〜74を構成するように整列配置された複数の発光体は、それぞれが互いに異なる発光色を有する複数種類の発光素子を含んだフルカラーLEDを用いて構成される。点灯データ生成回路142は、例えば図28(a)に示すような点灯データ生成テーブルの選択設定に基づいて、発光素子の発光色ごとに異なる点灯データ生成テーブルを選択する。そして、バッファメモリ141から読み出した表示データに示される各表示色のレベルに基づいて、選択された点灯データ生成テーブルを参照することにより、点灯データで指定される階調制御量を決定する。これにより、各発光色に対応する発光素子の特性などを考慮して、複数の発光体を用いた表示演出における色の再現性を高めることで、演出の興趣を向上させることができる。
点灯データ生成回路142によって生成される点灯データは、例えば図28(b)に示すように、変換に用いた表示データに基づいて表示される画像の階調数よりも少ない階調数に対応している。これにより、LCD(液晶表示装置)などの一般的な表示装置の画面上に表示させる演出画像の画像データと同様の画像データを作成して、複数の発光体の点灯制御に用いることができ、遊技機の開発負担や点灯制御の処理負担を軽減させることができる。
また、例えば図28(a)に示すように、発光体ブロックB01〜B42のいずれであるかに応じて、異なる点灯データ生成テーブルが選択されることがある。このように、各発光体ブロックに対応する複数の発光体の配置に応じて異なる点灯データ生成テーブルを用いた点灯データへの変換により、複数の発光体の配置によらず同一の表示色に対応して均一に近い印象を与えることで、複数の発光体を用いた表示演出における色の再現性を高めて演出の興趣を向上させることができる。
ダイナミック点灯制御において選択が切り替えられる複数のグループのうち1のグループに含まれる複数の発光体に対する階調制御を行うグループ点灯制御期間を、パルス幅変調による階調制御周期の整数倍となるように設定し、このグループ点灯制御期間にてデジット信号をオン状態とすることなどにより発光体を点灯可能にする。これにより、パルス幅変調における不要信号の発生を抑制して、ちらつき(フリッカー)などを防止した適切な表示を行うことができる。
あるいは、ダイナミック点灯制御において点灯対象とするグループの選択が切り替えられるグループ選択周期に対応する単位制御期間のうち階調制御周期に対応する出力が完了できないグループ点灯停止期間では、デジット信号をオフ状態とすることなどにより発光体を点灯不可に制御する。これにより、パルス幅変調における不要信号の発生を防止して、ちらつき(フリッカー)などを防止した適切な表示を行うことができる。
例えば発光体駆動部144に含まれるパルス幅変調用の発光体ドライバは、シリアル出力回路143から出力された階調データを取り込んだ後に新たなデータのラッチが完了することや、データバッファがクリアされることなどの所定条件が成立するまで、シリアル出力回路143から取得した階調データを構成する点灯制御情報に基づく点灯制御(階調制御)を繰り返し行う。このように、シリアル出力回路143から出力された点灯制御情報を取得した後に終了条件が成立するまで同じ点灯制御を繰り返し行うことで、点灯制御に用いられるデータを生成する処理負担を軽減して、点灯制御を容易に行うことができる。
点灯データ生成回路142には、デジット信号の出力タイミングを設定することなどにより階調制御周期の整数倍となるグループ点灯制御期間を設定する出力タイミング設定部142Aが設けられる。これにより、ちらつき(フリッカー)などを防止した適切な表示を容易に行うことができる。
例えば第1グループから第12グループまでといった、複数のグループのうち点灯対象とする1のグループを選択し、グループ選択周期で点灯対象を1のグループから他のグループに順次切り替えるグループ選択用の発光体ドライバには、1のアドレス(発光体ドライバアドレス)が割り当てられる。こうして、複数のグループに対応して1のアドレスが割り当てられるように設定することで、ドライバの回路数が増大することを防止して装置構成を簡素化するとともに、容易にアドレス管理を行うことができる。
以上説明したように、上記実施の形態では、発光体ユニット71〜74を構成する複数の発光体が配置された可動部材51〜54といった、退避状態(第1位置)と進出状態(第2位置)との間で移動可能な可動部材において複数の発光体を発光(点灯)させる可動発光演出を実行する場合に、RTC200による計時値に応じて演出態様が異なる特定発光演出を実行可能である。これにより、可動部材における表示を多様化して、遊技の興趣を向上させることができる。
可動発光演出には、特定発光演出の他に、RTC200による計時値にかかわらず共通の演出態様となる通常発光演出があり、特定発光演出と通常発光演出のうち、いずれか一方を選択的に実行可能である。これにより、通常発光演出とは異なる特定発光演出が実行されたときに、計時値に応じた表示の意外性を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
そして、通常発光演出が実行されたときよりも特定発光演出が実行されたときの方が、大当り遊技状態などの遊技者にとって有利な状態に制御される割合が高くなる。これにより、特定発光演出に対する期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。