JP2016208786A - 小形スイッチ型発電装置 - Google Patents

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幸久 田中
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Abstract

【課題】スプリング反転高速機構を利用することにより、磁石をより早く、より距離を長く移動させ、大きな起電力を得ることができる小形スイッチ型発電装置を提供する。
【解決手段】 小形スイッチ型発電装置であって、筐体2の内側に配置されるコイル回路3が形成された基板2と、前記コイル回路3から所定の距離を置いて配置される磁石5を備え、前記磁石5が前記コイル回路3に対向して早い速度で移動することにより、起電力を発生させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スイッチの動作に伴って自己発電を行う小形スイッチ型発電装置に関するものである。
従来、小形スイッチは発電装置を備えておらず、専ら電路の開閉を行う働きをするものである。
実公昭41−20665号公報 特表2013−505698号公報 特表2013−505537号公報
しかしながら、電源不要の無線スイッチ等では、スイッチ自体の発電機能による通信への展開が望まれており、より大きな起電力の実現が求められている。
本発明は、上記状況に鑑みて、スイッチのスプリング反転速動機構を利用することにより、磁石をより早く、より距離を長く移動させ、大きな起電力を得ることができる小形スイッチ型発電装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕小形スイッチ型発電装置であって、筐体の内側に配置されるコイル回路が形成された基板と、前記コイル回路から所定の距離を置いて配置される磁石を備え、前記磁石が前記コイル回路に対向して早い速度で移動することにより、起電力を発生させることを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載の小形スイッチ型発電装置において、前記磁石はスプリング反転速動機構に連動し、このスプリング反転速動機構の動作により、早い速度で移動することを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の小形スイッチ型発電装置において、前記コイル回路が形成された基板が前記筐体の内側側面に配置されるプリント回路基板であり、このプリント回路基板から狭い空間距離をおいて前記磁石が移動することを特徴とする。
〔4〕上記〔1〕又は〔2〕記載の小形スイッチ型発電装置において、前記コイル回路が形成された基板が前記筐体の内側両側面に配置されるプリント回路基板であり、このプリント回路基板にそれぞれ前記磁石を対向させることを特徴とする。
〔5〕上記〔1〕又は〔2〕記載の小形スイッチ型発電装置において、前記コイル回路が形成された基板にはさらに磁束ポストが形成され、この基板は前記筐体の内側底面側に配置され、前記磁石は前記コイル回路の上方に所定の距離を置いて配置されることを特徴とする。
〔6〕上記〔1〕から〔5〕の何れか一項記載の小形スイッチ型発電装置において、前記磁石が移動する距離が長くなるようにしたことを特徴とする。
〔7〕上記〔1〕から〔6〕の何れか一項記載の小形スイッチ型発電装置において、前記磁石が磁力の強い磁石であることを特徴とする。
〔8〕上記〔7〕記載の小形スイッチ型発電装置において、前記磁石の材料がネオジムであることを特徴とする。
本発明によれば、小形スイッチ型発電装置のスプリング反転速動機構を利用することにより、磁石をより早く、より距離を長く移動させ、大きな起電力を得ることができる。すなわち、非常に簡単な構造で大きな起電力を得ることができる。よって、電源不要の無線スイッチ等の無線通信に展開が可能である。
本発明の第1実施例を示す小形スイッチ型発電装置の分解斜視図である。 本発明の第1実施例を示す小形スイッチ型発電装置の上面図である。 本発明の第2実施例を示す小形スイッチ型発電装置の上面図である。 本発明の第2実施例を示す小形スイッチ型発電装置のPCBの斜視図である。 本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置の模式図である。 本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置の発電機構の断面斜視図である。 本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置の発電機構の動作説明図である。 本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置の発電機構の要部斜視図である。 本発明の小形スイッチ型発電装置の発電機構を示す図である。 図6に示した小形スイッチ型発電装置の正面断面図である。 本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置の出力電圧のシミュレーションを示す図である。 本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置の出力エネルギーのシミュレーションを示す図である。 本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置の磁束プロファイルを得るFEM(起電力)シミュレーションを示す図(その1)である。 本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置の磁束プロファイルを得るFEM(起電力)シミュレーションを示す図(その2)である。 本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置の磁束プロファイルを得るFEM(起電力)シミュレーションを示す図(その3)である。 本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置の磁束プロファイルを得るFEM(起電力)シミュレーションを示す図(その4)である。 本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置の磁束プロファイルを得るFEM(起電力)シミュレーションを示す図(その5)である。 本発明の小形スイッチ型発電装置の出力回路図と関係式である。 本発明の小形スイッチ型発電装置のコイル内部のトータルフラックスと磁石位置の関係を示す図である。 本発明の小形スイッチ型発電装置の出力電圧のシミュレーションを示す図である。 本発明の小形スイッチ型発電装置の出力エネルギーのシミュレーション図である。 本発明のテスト装置CAD図である。 本発明のテスト装置の拡大上面図である。 本発明のテスト装置の拡大上面図を示す図面代用写真である。 本発明の磁束プロファイルを得るために用いられるFEAを示す図である。 本発明の出力電圧(N52磁石)のサンプル図である。 本発明の実験(N52磁石)とシミュレーションの対比を示す図である。 本発明の実験(N52磁石)とシミュレーションの対比を示す図である。 本発明の実験(N42磁石)とシミュレーションの対比を示す図である。
本発明の小形スイッチ型発電装置は、筐体の内側に配置されるコイル回路が形成された基板と、前記コイル回路から所定の距離を置いて配置される磁石を備え、前記磁石が前記コイル回路に対向して早い速度で移動することにより、起電力を発生させる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施例を示す小形スイッチ型発電装置の分解斜視図、図2はその小形スイッチ型発電装置の上面図である。
これらの図において、1は小形スイッチ型発電装置、2は小形スイッチ型発電装置の筐体、4はその筐体2の内側側面に配置されるコイル回路3が形成された基板(PCB:プリント回路基板)、6は磁石5が保持される操作装置であり、この操作装置6はスプリング反転速動機構(図示なし)に連動し、早い速度で磁石5を移動させることができる。なお、スプリング反転速動機構としては、例えば、上記した特許文献1に開示されるスイッチの可動片がブランコ式のスプリング反転速動機構を用いることができる。また、2Aは操作装置6の揺動軸6Aの受け部、2Bは基板4の支持溝であり、この支持溝2Bには基板4のコイル回路3のリード線3Aが導出される脚部4Bが支持される。4Aは操作装置6の揺動軸6Aの受け部であり、6Bは操作装置6に形成される磁石5の支持部である。
上記したように、本発明の小形スイッチ型発電装置1は、筐体2の内側側面にコイル回路3が形成された基板(PCB)4を備えている。そこで、この小形スイッチ型発電装置1の操作部材(図示なし)を操作して、スプリング反転速動機構が動作すると、操作装置6に支持された磁石5がコイル回路3に対向して早いスピードで移動する際に起電力が発生し、発電を行うことができる。このように、スプリング反転速動機構を用いることで、磁石5をより早く、より距離を長く移動させ、大きな起電力を得ることができるように構成している。
なお、磁石5としては、ネオジム等の磁力の強い磁石を用いることができる。また、コイル回路3が形成された基板2と磁石5は狭い空間距離、例えば、0.5〜1.0mm程度の距離をあけて配置されるものとする。
図3は本発明の第2実施例を示す小形スイッチ型発電装置の上面図、図4はその小形スイッチ型発電装置のPCBの斜視図である。
この実施例では、小形スイッチ型発電装置11の筐体12の内側両側面にコイル回路13a、13bが形成された基板14a、14bが配置されている。スプリング反転速動機構が動作すると、操作装置16の両側面に支持された磁石15a(15b)がコイル回路13a(13b)に対向するように移動される。なお、ここでもスプリング反転速動機構としては、例えば上記した特許文献1のスプリング反転速動機構を用いることができる。また、コイル回路13a(13b)が形成された基板14a(14b)は、筐体12の内側両側面に配置される点を除くと図1と図2に示されたコイル回路3が形成された基板(PCB:プリント回路基板)4と同じ構成である。
上記したように、本発明の第2実施例を示す小形スイッチ型発電装置11は、筐体12の内側両側面にコイル回路13a(13b)が形成された基板(PCB)14a(14b)を備えており、スイッチのスプリング反転速動機構と連動する操作装置16には、それぞれのコイル回路13a、13bに対向するように磁石15a、15bが取り付けられている。その他の構造は上記第1実施例と同様である。このように、本発明の第2実施例によれば、コイル回路13a、13bが形成された基板(PCB)14a、14bとそれに対向するように配置された磁石15a、15bを備えるので、片側だけに備える第1実施例と比較してより強い出力を得ることができる。
このように、本発明の小形スイッチ型発電装置は、スプリング反転速動機構を利用することにより、磁石をより早く、より距離を長く移動させ、大きな起電力を得ることができるように構成している。
図5は本発明の第3実施例を示す小形トグルスイッチ型発電装置を示す模式図であり、図5(a)は小形トグルスイッチ型発電装置の正面断面図、図5(b)は小形トグルスイッチ型発電装置の断面斜視図を示している。
図5において、21は小形トグルスイッチ型発電装置、22は操作装置、23は引き出し端子、24は蓋体、25はスプリング反転速動機構(スイッチ機構)と連動する操作部材を示している。このようなスプリング反転速動機構を備えるトグルスイッチを基礎として、わずかな変更を加えるだけで本発明の小形スイッチ型発電装置を作製することができる。なお、ここでのスプリング反転速動機構としても、例えば、上記した特許文献1のスプリング反転速動機構を用いることができる。
図6は本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置の発電機構の断面斜視図、図7は本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置の発電機構の動作説明図であり、図7(a)は操作部材を右に倒した場合、図7(b)は操作部材が中立位置にある場合、図7(c)は操作部材を左に倒した場合の動作をそれぞれ示している。また、図8は本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置の発電機構を示す図であり、図8(a)はその発電機構の斜視図、図9(b)はその発電機構の側面図である。図9は本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置の発電機構を示す図であり、図9(a)はその発電機構の正面図、図9(b)はその発電機構の側面図である。また、図10は図6に示した小形スイッチ型発電装置の正面断面図である。
これらの図において、21は小形スイッチ型発電装置、22は操作装置、22aはスイッチ機構、22bは磁石、22cは磁束を形成する磁極片、22dは底基板、22eは磁束を引き寄せる磁束ポスト(1018スチール)、22fは発電コイルである。
図1,2に示した本発明の第1、第2実施例では小形スイッチ型発電装置内側の片側側面または両側側面にコイル回路を形成した基板を配置した。これに対して、本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置においては、図6に示すように、発電装置内側の底面側にコイル回路を形成した底基板22dを配置しており、これに対向するように、磁石22bがスプリング反転速動機構と連動する操作装置22の下端部に配置されている。ここで、磁石22bの寸法は例えば、6mm×3mm×7mmである。このように、スイッチ機構にわずかな変更を加えるだけで、本発明の小形スイッチ型発電装置を作製することができる。
次に、本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置の発電機構の動作を図7(a)〜(c)で説明する。スプリング反転速動機構(スイッチ機構22a)と接続される操作部材(図示なし)を右に倒した場合、操作部材とスプリング反転速動機構との間に載置されるバネ(図示なし)の押圧力により、操作装置22は図7(a)のように急速に右方向へ移動し、接触点に接触して停止する。また、操作部材25を左に倒した場合は、操作装置22は同様に図7(c)のように急速に左方向へ移動し、接触点に接触して停止する。ここで、スプリング反転速動機構の下端部が描く円弧の曲率半径は例えば11mmである。このようにして、コイル回路に対向して配置される磁石22bがコイル回路上を早いスピードで通過する際に起電力が発生し、発電を行うことができる。また、スプリング反転速動機構を利用することにより、磁石22bをより早く、より距離を長く移動させ、大きな起電力を得ることができるように構成している。
ここで、本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置の構成をより詳細に説明する。
コイル回路を形成した基板には、高透磁性材料からなる磁束ポスト22eが複数設けられており、例えば1018スチールが用いられる。複数の磁束ポスト22eはその上面が集合的に円弧形状をなすように形成されていて、磁石22bの描く円形軌道と対応している。磁束ポスト22eの周囲にコイル22fが巻かれている。
磁石22bには高透磁性材料からなる磁極片22cが取り付けられており、この磁極片22cが磁束を形成する。磁極片22cは磁束を広い領域から狭い領域へ集中させるように形成され、磁束ポスト22eが磁束を集中させる。磁束が集中した領域はコイルが巻かれる材料の断面となる。高透磁性材料は磁束をスイッチ境界内に留めるようガイドする。また、磁石22bは操作装置22と一体化しており、コイル22f/磁束ポスト22e組立体と磁石22b/磁極片22c組立体の間には狭い空隙(air gap)が存在する。
スプリング反転速動機構が磁石22bの動きを制御しており、操作部材25の操作と連動してスプリング反転速動機構22が動作する。磁石22bはスプリング反転速動機構により円弧軌道を描きながらより長い距離で、複数のコイル22fを早い速度で通過するので、より高い電圧を発生させることができる。
個々のコイル22fは個別にAC電圧を発生し、直列に足しあわされる。電圧の成分が同じ符号となり、整流前に足しあわされるように、コイル22fは1つの導体から作製され、それぞれのコイル22fは逆方向に巻回される。
コイル22fで発生する出力は、バッテリー、蓄電器、または直接ワイヤレス送信機に供給することができる。
上記第3実施例では単一の磁石が複数のコイルを通過する構成としているが、複数の磁石が複数のコイルを通過する構成としてもよい。
本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置は、図10に示すように、図5に示したスイッチ構造と比較して、元々の内部空洞をわずかに広げ、基礎として用いたスイッチ構造では使用されていなかった領域も利用して磁束ポストとコイルを配置することで、内部のわずかな変更のみで外形仕様は変更することなく小形スイッチ型発電装置を作製することができる。
図11は本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置の出力電圧のシミュレーションを示す図であり、図11(a)は22オームの負荷を通じた電圧における時間と出力の関係を示し、図11(b)は直列に反対に配置された(anti−aligned)コイルに負荷電圧をかけた場合の時間と出力の関係を示している図である。22オームの抵抗を通じて1.05mJが発生した。なお、ここで、各コイルは408巻回され、スイッチング時間はテストに基づき6.5m秒と評価された。
図12は本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置の出力エネルギーのシミュレーションを示す図であり、図12(a)はコイル毎のエネルギーと時間の関係を示し、図12(b)は時間とトータルエネルギーの関係を示す図である。
ここでも、22オームの抵抗を通じて1.05mJが発生した。なお、各コイルは408巻回され、スイッチング時間はテストに基づき6.5m秒と評価された。
(1)出力パラメーターの要約
パラメーター 値 単位
22Ω負荷を通して得られたエネルギー 1.05 mJ
最大電圧(開放回路、シングルコイル) 4.34 v
22Ω負荷を通じた最大電圧(シングルコイル)2.17 v
最大電圧(開放回路、逆接続コイル) 8.2 v
22Ω負荷を通じた最大電圧(逆接続) 4.1 v
各コイルの抵抗 22 Ω
(2)デザインパラメーターの要約
パラメーター 値 単位
発電機のトータル幅 11 mm
発電機のトータル長さ 18 mm
コイル毎の巻数(3コイル合計) 408
電線直径(38標準寸法) 0.1016 mm
磁束ポスト/ コイルの数 3
磁束ポストの形状 3×4×7 mm
磁束ポストの材料 1018スチール
磁石寸法 6×3×7 mm
磁石の材料 N52
磁極片の厚さ 1 mm
磁極片の材料 1018スチール
磁石と磁束ポストのとの間隔 0.5 mm
(3)重要なシミュレーションパラメーターの要約
パラメーター 値 単位 コメント
スイッチ期間 6.5 msec 測定3−5msec、しかしこの設計は
約30%間隔が増加する。
A 0.00255 T−m2 このパラメーターは磁束プロファイル関数 を作るのに用いられる。
B 408 m-1 このパラメーターは磁束プロファイル関数 を作るのに用いられる。
図13〜図17は本発明の第3実施例を示す小形スイッチ型発電装置の磁束プロファイルを得るFEM(起電力)シミュレーションを示す図(その1〜その5)であり、図13(a)〜図17までの各図は、磁石の移動プロセス毎の磁束プロファイルを示す図である。
以下に重要な前提条件(critical assumption)を示す。
1.トータルスイッチング時間は現在のスイッチでは3〜5msecと測定された。トータルのスイッチ距離は現在のスイッチに対して30%増加したので、これに伴い時間も増加した。
2.磁石は一定の速度で移動する。
3.コイルの数は割り当てられた空間に収まるコイルの最大数の85%である。
4.電磁力がスイッチを著しく遅らせる(つまり、スイッチング時間を増加させる)ことはない。
図18は本発明の小形スイッチ型発電装置の出力回路図と関係式である。
なお、図18の関係式において、
Φはコイル内部のトータルフラックス
Bは磁束密度べクトル
Aはコイルによって囲まれる領域
Nはコイル巻回の数
c はコイルのインダクタンス
c はコイル抵抗
L は負荷抵抗
最適出力のためにはRc =RL =Rとする。
Pは負荷の電力
Eは負荷によって消散されるエネルギー、である。
誘導性インピーダンスはコイル抵抗Rc および負荷抵抗RL に比べて低い。
また、シミュレーションのための磁束プロファイル関数は以下の通りである。
Φ(i)=Nlp Acos[ B{xm −xp (i)}]
ここで、Φ(i)は磁束ポストiにおけるトータルフラックス Nは磁束ポストiまわりのコイルの数
AはFEMシミュレーションからフィットされた定数{上記(3)参 照}
BはFEMシミュレーションからフィットされた定数{上記(3)参 照}
m は磁石の中心の位置
p (i)は磁束ポストiの位置
図19は本発明の小形スイッチ型発電装置のコイル内部のトータルフラックスと磁石位置の関係を示す図である。
この図において、実線はFEMシミュレーション、破線は近似曲線である。
図20は本発明の小形スイッチ型発電装置の出力電圧のシミュレーションを示す図であり、図20(a)は18Ω抵抗の負荷を通じた電圧における時間と出力の関係を示す図、図20(b)は直列に反対に配置された(anti−aligned)コイルに負荷電圧をかけた場合の時間と出力の関係を示す図である。
18Ωの抵抗を通じて0.80mJが発生した。ここで、各コイルは363巻回され、スイッチング時間はテストに基づいて5m秒で評価された。
図21は本発明の小形スイッチ型発電装置の出力エネルギーのシミュレーション図であり、図21(a)は、コイル毎のエネルギーと時間の関係を示す図であり、図21(b)は、時間とト−タルエネルギーの関係を示す図である。
ここでも、各コイルは363巻回され, スイッチング時間はテストに基づいて5m秒で評価された。
次に、実験モデルの妥当性を確認する。
図22は本発明のテスト装置CAD図であり、図22(a)はCAD等角図、図22(b)はCAD上面図である。
テスト装置の目的は大変低いコストのベンチトップテスト装置で本発明のモデルの妥当性を確認することである。
図23は本発明のテスト装置の拡大上面図であり、この図において、33は磁石31が埋め込まれ、回転スプリング32が搭載されたローターである。34はコイルが巻回されたフェラスポスト〔Ferrous posts(1018スチール)〕であり、外側の2つの磁束ポスト34a,34cは速度の計測に、内側の磁束ポスト34bは電圧及び電力の計測に用いられる。
図24は本発明のテスト装置の拡大上面図を示す図面代用写真であり、この図において、内側の磁束ポスト34bの回りには200ターンのコイルの巻回、各外側の磁束ポスト34a,34cの回りには100ターンのコイルの巻回がなされている。
図25は本発明の磁束プロファイルを得るために用いられるFEAを示す図であり、ここでは、フェラスポスト(Ferrous posts)における磁束対位置のプロファイルを得るために9つの位置でシミュレーションを行った。図25(a)はポジション1を、図25(b)はポジション2を、図25(c)はポジション3を示している。
図26は本発明の出力電圧(N52磁石)のサンプル図である。ここでは、内側のポストには、44ゲージ(直径50.8μm)線の200巻回コイルが用いられ、外側の両磁束ポストには、100巻回の直列のコイルが用いられている。34Ωであり、開放回路電圧が示されている。
図27は本発明の実験(N52磁石)とシミュレーションの対比を示す図であり、N52磁石を用いたテスト5の電圧と時間の関係を示している。ここに示されるように、開放回路電圧のシミュレーションと実験結果とはみごとに一致している。ここで、10.6m/s速度、2.9ボルト開放回路、34Ω負荷で1.45V、30μJである。
図28は本発明の実験(N52磁石)とシミュレーションの対比を示す図であり、速度とピーク電圧の関係を示している。ここでは、速度対ピーク電圧を得るために異なったプレ負荷をかけて種々の試験を行った。速度対ピーク電圧は予測されたように直線的である。シミュレーションと実験結果とは良好な一致をみた。
図29は本発明の実験(N42磁石)とシミュレーションの対比を示す図であり、N42磁石を用いたテスト12の電圧と時間の関係を示している。
N52磁石に変えてN42磁石で同様のテストを行った。ここでも、開放回路電圧のシミュレーションと実験結果はみごとに一致している。ここで、10.6m/s速度、2.5ボルト開放回路、34Ω負荷で1.45V、21.3μJである。
上記からして、以下のよう結論を得ることができた。
(1)同じスイッチング機構で1mJのエネルギーを発生させることができる。この場合、
(a)22Ω抵抗で3つのコイルは各々2.1Vを発生させた。
(b)スイッチの内部空間を少しだけ大きくする必要がある。
(c)外的なスイッチ寸法は変わらない。
(2)同じ内部空間の大きさを保持して0.8mJのエネルギーを発生させることができる。
本発明によれば、小形スイッチ型装置に発電機能を付加することにより、小形スイッチ自体によって発電することができ、緊急時などに、例えば、無線通信を可能にする付加的な機能を展開することができる。
また、本発明の小形スイッチ型発電装置は、トグルスイッチ型をはじめ、ロッカスイッチ型、スライドスイッチ型など各種の小形スイッチ型に適用可能である。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の小形スイッチ型発電装置は、スプリング反転高速機構を利用することにより、磁石をより早く、より距離を長く移動させ、大きな起電力を得ることができる発電機能付小形スイッチとして利用することができる。
1、11、21 小形スイッチ型発電装置
2、12 小形スイッチ型発電装置の筐体
2A、4A 操作装置の揺動軸の受け部
2B 基板の支持溝
3、13a、13b コイル回路
3A コイル回路のリード線
4、14a、14b 基板(PCB)
4B コイル回路のリード線が導出される脚部
5、15a、15b、22b、31 磁石
6、22 操作装置
6A 操作装置の揺動軸
6B 磁石の支持部
22a スイッチ機構
22c 磁束を形成する磁極片
22d 底基板
22e 磁束を引き寄せる磁束ポスト(1018スチール)
22f 発電コイル
23 引き出し端子
24 蓋体
25 操作部材
32 回転スプリング
33 ローター
34 フェラスポスト〔Ferrous posts(1018スチール)〕
34a、34c 外側の2つの磁束ポスト
34b 内側の磁束ポスト

Claims (8)

  1. 筐体の内側に配置されるコイル回路が形成された基板と、前記コイル回路から所定の距離を置いて配置される磁石を備え、前記磁石が前記コイル回路に対向して早い速度で移動することにより、起電力を発生させることを特徴とする小形スイッチ型発電装置。
  2. 請求項1記載の小形スイッチ型発電装置において、前記磁石はスプリング反転速動機構に連動し、該スプリング反転速動機構の動作により、早い速度で移動することを特徴とする小形スイッチ型発電装置。
  3. 請求項1または2記載の小形スイッチ型発電装置において、前記コイル回路が形成された基板が前記筐体の内側側面に配置されるプリント回路基板であり、該プリント回路基板から狭い空間距離をおいて前記磁石が移動することを特徴とする小形スイッチ型発電装置。
  4. 請求項1または2記載の小形スイッチ型発電装置において、前記コイル回路が形成された基板が前記筐体の内側両側面に配置されるプリント回路基板であり、該プリント回路基板にそれぞれ前記磁石を対向させることを特徴とする小形スイッチ型発電装置。
  5. 請求項1または2記載の小形スイッチ型発電装置において、前記コイル回路が形成された基板にはさらに磁束ポストが形成され、該基板は前記筐体の内側底面側に配置され、前記磁石は前記コイル回路の上方に所定の距離を置いて配置されることを特徴とする小形スイッチ型発電装置。
  6. 請求項1から5の何れか一項記載の小形スイッチ型発電装置において、前記磁石が移動する距離が長くなるようにしたことを特徴とする小形スイッチ型発電装置。
  7. 請求項1から6の何れか一項記載の小形スイッチ型発電装置において、前記磁石が磁力の強い磁石であることを特徴とする小形スイッチ型発電装置。
  8. 請求項7記載の小形スイッチ型発電装置において、前記磁石の材料がネオジムであることを特徴とする小形スイッチ型発電装置。
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