JP2016208606A - 異常監視装置、プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の異常を監視する際に用いる適切な基準値を定めることを可能にする。【解決手段】異常監視装置10は、情報取得部11と監視部12とを備える。情報取得部11は、日射強度に応じた電力値を太陽電池21から取得する。監視部12は、計算部121とフィルタ部122と記憶部123とを備える。計算部121は、電力値を用いて所定の抽出時間ごとの平均変化率を算出する。フィルタ部122は、晴天日に相当する1日分の平均変化率を標準変化率とし、情報取得部11が取得した電力値のうち同時刻の標準変化率との差が所定の許容範囲内である平均変化率が得られた日時における電力値の値を抽出する。記憶部123は、フィルタ部122が抽出した日時における電力値の値を、該当する時刻についての基準値として記憶する。【選択図】図1

Description

本発明は、装置の電気出力を用いて装置の異常を監視する異常監視装置、コンピュータをこの異常監視装置として機能させるためのプログラムに関する。
従来、太陽電池の電気出力を用いて太陽電池の出力が正常か異常かを判定する技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1では、所定の日照時刻における標準出力電力値に対して、太陽電池の実際の出力電力値の比を算出し、この比を用いて太陽電池の出力が正常か異常かを判定している。特許文献1には、複数の太陽電池アレイについて所定の日照時刻における電力値、あるいは複数日にわたって日照時刻毎に繰り返し実測した太陽電池アレイの出力電力値の最大値を、標準出力電力値として用いることが記載されている。
特開2005−340464号公報
特許文献1に記載された発明は、太陽光発電設備の導入時に太陽電池アレイが適切に設置されているか否かを診断し、また太陽電池アレイの経時変化による発電能力の劣化や故障について診断するために、太陽電池の標準出力電力値を用いている。
しかしながら、太陽電池アレイの出力電力値は、季節による太陽高度の影響で変化するから、特許文献1に記載された標準出力電力値は、年間を通して使用することができない可能性がある。また、出力電力値の最大値を標準出力電力値とする場合、標準出力電力値は、日射の回り込み、あるいは雲の影などの影響を受けるから、太陽電池アレイの劣化や故障を診断するための基準になる標準出力電力値を定めることは困難である。
本発明は、装置の異常を監視する際に用いる適切な基準値を定めることを可能にした異常監視装置を提供することを目的とする。また、本発明は、コンピュータをこの異常監視装置として機能させるプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る異常監視装置は、日射強度に応じた電気出力を装置から取得する情報取得部と、前記情報取得部が1日の時刻ごとに取得した前記電気出力の値と1日の時刻ごとに定めた基準値とを比較することにより前記装置の異常の有無を監視する監視部とを備え、前記装置は、太陽電池と日射計との少なくとも一方を含み、前記監視部は、前記電気出力を用いて所定の抽出時間ごとの平均変化率を算出する計算部と、晴天日に相当する1日分の平均変化率を標準変化率とし、前記情報取得部が取得した前記電気出力のうち同時刻の前記標準変化率との差が所定の許容範囲内である平均変化率が得られた日時における電気出力の値を抽出するフィルタ部と、前記フィルタ部が抽出した前記日時における電気出力の値を、該当する時刻についての前記基準値として記憶する記憶部とを備えることを特徴とする。
本発明に係る太陽光発電設備は、太陽電池と、前記太陽電池に隣接して配置された日射計と、上述した異常監視装置とを備えることを特徴とする。
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、上記した異常監視装置として機能させることを特徴とする。
本発明の構成によれば、装置の異常を監視する際に用いる適切な基準値を定めることが可能になるという利点がある。
実施形態を示すブロック図である。 実施形態において抽出時間を変更した場合の動作説明図である。 実施形態における出力パターンの例を示す図である。 実施形態において標準変化率に許容範囲を設定した例を示す図である。 図5Aは実施形態において理想的な出力パターンを示す図、図5Bは実施形態において理想的な出力パターンに対する変化率パターンを示す図、図5Cは実施形態において実測値の出力パターンを示す図、図5Dは実施形態において実測値の出力パターンに対する変化率パターンを示す図、図5Eは実施形態において実測値から求めた基準値パターンを示す図である。 図6A、図6B、図6Cは、それぞれ異なる日の電力値から基準値パターンを生成した例を示す図であり、図6Dは、異なる日の電力値から求めた基準値パターンを重ね合わせた状態の例を示す図である。 図7Aは実施形態において電力値から基準値を抽出する際の許容範囲の設定例を示し、図7Bは実施形態において基準値に対する反復処理の際の許容範囲の設定例を示す図である。
以下に説明する異常監視装置は、中規模から大規模の太陽光発電設備を対象にして異常を監視するように構成されている。太陽光発電設備の発電規模は、とくに制限はないが、以下に説明する異常監視装置を適用する太陽光発電設備は、数百枚以上の太陽電池パネルが並ぶ程度の発電規模を想定している。たとえば、発電規模が250kW程度であれば、1000枚以上の太陽電池パネルが並び、また、発電規模が1MW程度であれば太陽電池パネルの設置面積は1ha程度になる。ただし、以下に説明する技術は、家庭用などの数kW程度の小規模の太陽光発電設備に適用することも可能である。
太陽光発電設備は、発電規模にかかわらず、太陽電池と、太陽電池が出力した直流電力を交流電力に変換するための電力変換装置とを備える。電力変換装置は、いわゆるパワーコンディショナである。また、以下に説明する太陽光発電設備は、太陽電池に隣接して配置された日射計と、電力変換装置で生成された交流電力を電力系統に供給する機能を有した受変電設備とを備える。日射計は、たとえば太陽電池の傾斜角度を同じ角度で配置される。
異常監視装置は、太陽電池と日射計との少なくとも一方の装置の電気出力を用いて、装置の劣化あるいは故障のような異常の有無を監視する。異常監視装置は、装置の電気出力に基づいて装置が異常か否かを判断するために、晴天とみなせる環境での電気出力の値に相当する基準値を定めており、実測した電気出力の値と基準値との比較により、装置の異常の有無を判断する。装置からの電気出力の値は、日射強度によって変化し、また装置に対する日射の入射角度によって変化する。したがって、天候、季節、1日の時刻などの条件で変化する。また、装置の設置場所の周囲環境、すなわち周囲の地形、周囲の建物、周囲の樹木なども、装置からの電気出力の値を変化させる要因になる。
太陽電池は、複数枚のモジュール(太陽光発電パネル)が直列に接続されてストリングを構成している。ストリングは、複数個ずつ接続箱に接続される。接続箱はストリングモニタを備え、ストリングそれぞれが出力する電流を監視する。太陽電池が出力する直流電力は、接続箱を通して電力変換装置に供給される。太陽光発電設備は、電力変換装置の入力電圧を監視する計測装置を備える。計測装置は、ストリングモニタが監視したストリングごとの電流値を取得する機能も有する。太陽電池が発電した電力は、ストリングモニタが監視した電流値と、計測装置が監視した電圧値とにより求めることが可能である。ストリングモニタは、ストリングそれぞれが出力する電流を監視するだけではなく、ストリングの出力電圧も併せて監視するように構成されていてもよい。
異常監視装置は、太陽電池の劣化あるいは故障のような異常を監視する場合、太陽電池に照射される日射強度を反映する電気出力として、太陽電池が出力する電流値または電力値を用いる。また、異常監視装置は、日射計の劣化あるいは故障のような異常を監視する場合、太陽電池に隣接して配置された日射計の電気出力を用いる。
異常監視装置は、太陽電池の異常を監視する場合、太陽電池の全体を一括して監視することが可能であるが、ストリングを単位と監視すれば、太陽光発電設備を構成する複数枚のモジュールを複数に区分して管理することが可能になる。たとえば、いずれかのストリングにおいて異常が検出された場合に、異常の発生箇所を見つけ出す作業は、該当するストリングを構成しているモジュールの範囲に絞り込んで行えばよく、異常への対応をすばやく行うことが可能になる。
ここに、異常監視装置は、装置の劣化あるいは故障のような異常を判断するために必要なデータを蓄積するように構成されていればよく、装置に異常があるか否かの判断は異常監視装置とは別の装置で行うようにしてもよい。たとえば、装置に異常があるか否かの判断は、インターネットのような通信回線を通して異常監視装置と通信する遠隔診断用のサーバで自動的に行われるように構成すればよい。また、クラウドコンピューティングシステムを用いて異常監視装置からのデータを収集し、太陽光発電設備の管理者が端末装置を用いて太陽電池の異常の判断を行ってもよい。もちろん、装置に異常があるか否かの判断を行う装置が、異常監視装置として兼用されていてもよい。
また、以下では、複数の太陽光発電設備の動作状態を異常監視装置に集約して監視する構成を例として説明するが、複数の太陽光発電設備の動作状態を、太陽光発電設備それぞれに関連付けた端末装置に異常監視装置から送信する構成を採用してもよい。すなわち、複数の太陽光発電設備について動作状態の監視を、1箇所で集中的に行う構成と、複数箇所で分散して行う構成とのどちらでも採用することが可能である。要するに、太陽光発電設備で発生する電気出力のデータが電気通信回線を通して異常監視装置で取得可能な環境であれば、異常監視装置の場所によらずに、太陽光発電設備における異常の有無を監視することが可能である。
異常監視装置は、太陽光発電設備を用いて発電事業を行う事業者、発電事業者から委託を受けたEPC(Engineering, Procurement and Construction)業者、あるいは太陽光発電設備のメンテナンス事業者などが用いる。1台の異常監視装置が監視する太陽光発電設備のサイト数は、たとえば100〜500サイトを想定している。ただし、異常監視装置の台数を増加させるか、異常監視装置の処理能力を高めることにより、監視可能な太陽光発電設備のサイト数は、必要に応じて増加させることが可能である。
ところで、晴天日における装置からの電気出力の値を時間軸に沿って並べた図形は、細部の変化を無視して大局的に見れば、年間を通してほぼ相似形であるという知見が得られている。以下では、装置からの電気出力の値を時間軸に沿って並べた図形を「出力パターン」という。さらに、太陽光発電設備の設置場所、設置条件を前提とし、異なる日の出力パターンであっても、晴天日であれば朝方と夕方との時間帯を除くと、ほぼ重なり合うという知見が得られている。たとえば、太陽光発電設備の設置場所が決まり、太陽電池モジュールが真南向き、傾斜角度30度という設置条件を前提とすれば、晴天日の出力パターンはほぼ重なり合う。
これらの知見によれば、装置の異常の有無を判断するための基準値は、晴天日に相当する1日のうちの所定の時間帯について定めるだけで、年間を通して用いることができることになる。もちろん、季節に応じた太陽高度の違いによって装置からの電気出力の値は変化する。しかしながら、晴天日の出力パターンの形状については季節による変化が比較的小さいから、季節に応じた補正値を基準値に加算あるいは減算すれば、年間を通して同じ基準値を用いることが可能である。
基準値は、装置の種類ごとに定められ、ここでは装置として太陽電池と日射計とを想定しているから、太陽電池に対する基準値と日射計に対する基準値とを設定することが必要である。太陽電池は、最小単位ではストリングを単位として異常の有無を監視しているから、ストリングを単位とした電気出力の値と比較するように基準値が定められる。また、アレイに関する電気出力の値と比較する基準値、パワーコンディショナに関する電気出力の値と比較する基準値、太陽光発電設備に関する電気出力の値と比較する基準値などが、必要に応じて定められる。基準値は、上述した例に限らず、太陽光発電設備の適宜の箇所に対して定めることが可能である。
以下では、装置が太陽電池であって、ストリングからの電気出力の値と比較する基準値が定められる場合を例にして説明する。つまり、装置が太陽電池であって、ストリングからの電気出力の値に対する基準値が設定される場合を例にして説明する。ストリングからの電気出力は所定のサンプリング周期でサンプリングされる。サンプリングされた電気出力の値は時間経過に伴って変化する。そのため、基準値は電気出力がサンプリングされた時刻ごとに設定される。以下では、基準値を時間軸に沿って並べた図形を「基準値パターン」という。
たとえば、以下に説明する構成例ではサンプリング周期は1分間であり、基準値を定める時間帯は10時から13時である。この例では、基準値は、10時、10時1分、…、13時というように1分ごとに定められ、合計181個の基準値が定められる。また、電気出力の値は、サンプリング周期ごとに定めたサンプリング期間における電気出力の積算値または平均値が用いられる。基準値も同様であり、サンプリング期間における電気出力の積算値または平均値が用いられる。
ところで、太陽電池からの電気出力の値は、理想的には晴天日であれば滑らかに変化すると考えられるが、実際には晴天日であっても、雲の状態あるいは太陽電池の周囲環境などによって大きく変動する。すなわち、晴天日の出力パターンは理想的にはベル型であるが、太陽電池からの電気出力の実測値は、ベル型の出力パターンの上に短時間で変化する成分が重なっているかのような複雑な出力パターンになることが多い。言い換えると、実測値から得られる出力パターンは、単峰型の基本波に、高周波成分が重畳したような形状になることが多い。以下では、出力パターンのうち基本波に相当する成分を「基本パターン」、高周波成分に相当する成分を「重畳パターン」と呼ぶ。晴天日であれば、太陽電池からの電気出力の実測値による出力パターンは、通常は基本パターンと重畳パターンとを足し合わせた形になる。
以下に説明する実施形態では、主に、太陽電池からの電気出力の実測値に基づきながらも、雲の状態あるいは太陽電池の周囲環境などの影響を除去した基準値パターンを生成する技術について説明する。なお、以下では電気出力が電流である場合について説明する。ただし、電気出力は電力であってもよい。
(実施形態)
異常監視装置10は、図1に示すように、太陽光発電設備20から電気通信回線31を通してデータを受け取るように構成されている。電気通信回線31は、インターネットを用いたVPN(Virtual Private Network)、移動体通信網、または専用回線などから選択される。また、異常監視装置10は、太陽光発電設備20の運転管理あるいは保守点検管理を行う事業者が管理する端末装置32と通信するコンピュータサーバとして機能する。すなわち、異常監視装置10は、端末装置32と併せて異常監視システムを構築する。図1において、実線は電力の経路を表し、破線は信号の経路を表す。
図1に示す太陽光発電設備20は、太陽電池21のほかに、太陽電池21が出力した直流電力を交流電力に変換する電力変換装置24と、太陽電池21に隣接して配置された日射計25とを備える。本実施形態では用いないが、太陽光発電設備20は、日射計25に加えて温度計が配置されていてもよい。また、太陽光発電設備20は、電力変換装置24で生成された交流電力を電力系統27に供給する受変電設備26を備える。太陽電池21は、複数のストリング211で構成されており、ストリング211それぞれの電気出力がストリングモニタ221で監視される。
ストリングモニタ221は、ストリング211が電気的に接続される接続箱22に収納されている。太陽光発電設備20は、複数個の接続箱22を備え、接続箱22それぞれに複数個ずつのストリング211が接続される。したがって、1個の接続箱22には、接続されるストリング211の個数に応じた個数のストリングモニタ221が収納される。なお、ストリングモニタ221は、接続箱22とは別に設けられていてもよい。接続箱22は、ストリング211から出力された直流電力を集約して電力変換装置24に供給する。ストリングモニタ221は、電流センサを用いて電流を計測する。電流センサは、ホール素子あるいは磁気抵抗素子を磁気コアに取り付けた構成などが用いられる。電流の計測は、シャント抵抗を用いて行ってもよい。
太陽光発電設備20は、電力変換装置24への入力電圧を監視する計測装置23を備えている。計測装置23は、ストリング211それぞれが出力する電流値をストリングモニタ221から取得する機能と、日射計25の電気出力を取得する機能とを有している。なお、日射計25が電力変換装置24に接続され、計測装置23が電力変換装置24を経由して日射計25の電気出力を取得してもよい。ストリング211が出力した電圧を電流と併せてストリングモニタ221が計測できる場合には、電流値と電圧値とを用いることにより計測装置23が電力値を求めてもよい。
計測装置23は、上述した電気通信回線31を通して異常監視装置10と通信するための通信部231を備える。異常監視装置10は、太陽電池21の電気出力と日射計25の電気出力との少なくとも一方を監視することが可能であるが、以下では、太陽電池21の電気出力を用いて太陽電池21の異常の有無を監視する場合について説明する。日射計25の電気出力を用いて日射計25の異常の有無を監視する技術は、以下の説明において、太陽電池21の電気出力を日射計の25の電気出力に読み替えることにより実現可能である。
図1に示す異常監視装置10は、太陽電池21を構成するストリング211ごとの電気出力を取得する情報取得部11と、情報取得部11が取得した電流値を基準値と比較することにより太陽電池21の異常の有無を監視する監視部12とを備える。つまり、異常監視装置10は、上述した計測装置23から、電気通信回線31を通してストリング211ごとの電流値および電力変換装置24に入力される電圧値のデータを取得し、ストリング211ごとに発電した電力値を求める。この電力値は、ストリング211に異常がなければ、ストリング211が受けた日射強度との値に所定の関係を持つ。なお、異常監視装置10が計測装置23から電流値および電圧値のデータを受け取るのではなく、異常監視装置10が計測装置23から電力値のデータを受け取るように構成されていてもよい。つまり、計測装置23が電流値と電力値とから電力値を計算する構成であってもよい。
異常監視装置10において太陽電池21の異常の有無を監視するには、同じ時刻において太陽電池21が出力した電力値と基準値とを比較し、基準値に対して電力値が所定の正常範囲内か否かを判断する。監視部12は、電力値が基準値に対して所定の正常範囲を逸脱している場合でも、ただちに異常と判断するのではなく、たとえば1日分の基準値に対して、電力値が正常範囲を逸脱している割合が80%以上である場合に、異常と判断することが望ましい。なお、異常と判断する割合の数値は、一例であって適宜に定めることが可能である。
情報取得部11は、太陽電池21を構成するストリング211それぞれについて、一定のサンプリング周期ごとの電気出力を取得する。サンプリング周期は、30秒から10分程度の範囲から選択することが可能であるが、たとえば1分に定めることが望ましい。情報取得部11は、サンプリング周期ごとに定めたサンプリング期間における電気出力の積算値を監視部12に出力する。異常監視装置10は、日時を計時し、またサンプリング周期を定めるために、リアルタイムクロックのような内蔵時計13を備える。
監視部12では、太陽光発電設備20に異常があるか否かを監視し、異常を検出した場合には、出力部14を通して端末装置32にプッシュ方式で通知する。端末装置32は、サーバである異常監視装置10に対してクライアントであって、一般的には、異常監視装置10と通信するパーソナルコンピュータが用いられる。異常監視装置10と端末装置32との通信には、インターネットを用いたVPN(Virtual Private Network)、移動体通信網、専用回線などから選択される通信路を用いる。端末装置32は、パーソナルコンピュータのほか、タブレット端末、スマートフォンなどから選択することが可能であり、また、シンクライアント(thin client)であってもよい。
なお、異常監視装置10が把握している太陽光発電設備20の動作状態は、太陽光発電設備20で発電した電力を受電する需要者が使用する端末装置32に転送することが可能であり、需要者への情報提供のツールとして用いることも可能である。
サンプリング周期およびサンプリング期間は、情報取得部11が定める代わりに計測装置23が定めてもよい。つまり、情報取得部11は、サンプリング周期ごとにサンプリング期間における電気出力の積算値を計測装置23から受け取る構成であってもよい。情報取得部11は、電気出力のサンプリング期間における積算値に代えて、電気出力のサンプリング期間における平均値を監視部12に出力してもよい。
監視部12は、情報取得部11から引き渡された電力値(つまり、出力パターン)から基本パターンに相当する電力値を抽出し、抽出した電力値を基準値と比較するように構成されている。情報取得部11が取得した電力値から基本パターンに相当する電力値を抽出するために、本実施形態では、サンプリング周期より長い抽出時間を定め、抽出時間における電力値の平均変化率を用いている。抽出時間は、出力パターンにおける短時間の変動成分が抑圧され、かつ電力値の変化傾向の抽出が可能になるように定められる。具体的には、抽出時間は、サンプリング周期の20倍から40倍程度の範囲であり、より望ましくはサンプリング周期の30倍前後である。
本実施形態の平均変化率は、抽出時間の始点のサンプリング期間に取得した電力値と、終点のサンプリング期間に取得した電力値との差分を、抽出時間で除した値である。平均変化率は、サンプリング周期ごとに求められる。たとえば、抽出時間をサンプリング周期の30倍、n番目のサンプリング期間の電力値をP(n)、30分後の電力値をP(n+30)とすると、平均変化率は{P(n+30)−P(n)}/30と計算される。また、n番目のサンプリング期間に対応した時刻を、11時00分とすると、11時00分の平均変化率が、{P(n+30)−P(n)}/30になる。同様にして、11時01分の平均変化率は、{P(n+31)−P(n+1)}/30と計算される。
上述した平均変化率の計算式は一例であって、他の計算式を用いてもよい。たとえば、特定の時刻の平均変化率を、前後15分の値を用いることにより、次式のように定義してもよい。すなわち、{P(n+15)−P(n−15)}/31として求めてもよい。
上述の計算により求められる平均変化率は、対応した時刻における電力値の傾きを表している。ここで、適切な抽出時間で求めた平均変化率は、重畳パターンを除去した基本パターンの平均変化率にほぼ等しくなることがわかっている。また、平均変化率は電力値の傾きを表しているから、時間経過に伴う平均変化率の変化は、出力パターンの形状を表すが、電力値の大きさには依存しない。以下では、平均変化率を時間軸に沿って並べた図形を「変化率パターン」という。
ここで、抽出時間について簡単に考察する。抽出時間がサンプリング周期に一致している場合、つまり抽出時間が1分である場合、図2Aのように、変化率パターンから重畳パターンに相当する成分を除去することはできない。また、抽出時間が7分である場合、図2Bのように、変化率パターンから重畳パターンに相当する成分の一部が除去されるが、依然として変化率パターンに重畳パターンに相当する成分が比較的多く残されている。一方、抽出時間が31分である場合、図2Cのように、変化率パターンから重畳パターンに相当する成分がほぼ除去され、おおむね基本パターンに相当する成分が抽出される。したがって、抽出時間を比較的長く設定することによって、変化率パターンを用いて基本パターンの抽出が可能になる。
ここに、平均変化率を用いずに、複数日(たとえば、15日間)の電力値から1日の時刻毎の最大値を抽出すると、図3に破線で示すように、時刻毎の電力値(図3では電力値に等価な値として日射強度の値を用いている)の変化が大きくなる。これは、晴天日であっても、雲の状態あるいは太陽電池の周囲環境などによって太陽電池21に照射される日射強度が大きく変動するからと考えられる。つまり、図3に破線で示すように、複数日の出力パターンから抽出した時刻毎の最大値を並べた図形は、基本パターンに重畳パターンを重ねたような形状になる。これに対して、以下に説明する本実施形態の技術を採用すると、図3に実線で示すように重畳パターンに相当する成分を除去して基本パターンに相当する成分を抽出することが可能になる。
監視部12は、基準値パターンを生成する動作と、生成した基準値パターンを用いて太陽電池21の異常の有無を監視する動作とを切り替えるように構成されている。さらに、基準値を生成する動作は、理想的な晴天日の変化率パターンを生成する動作と、太陽電池21の電気出力から基準値パターンを生成する動作とを含んでいる。ここでは、理想的な晴天日について変化率パターンを生成する動作を「前置動作」といい、太陽電池21の電気出力から基準値パターンを生成する動作を「生成動作」という。
監視部12は、判断部120と計算部121とフィルタ部122と記憶部123とを備える。記憶部123は、出力パターンのデータを記憶する第1領域1231と、前置動作で得られた変化率パターンのデータを記憶する第2領域1232と、生成動作で得られた基準値パターンのデータを記憶する第3領域1233とを備える。
判断部120は、記憶部123に格納された基準値パターンのデータと、情報取得部11が取得した電力値のデータとを比較し、上述のような判断を行うことによって、太陽電池21に異常があるか否かを判断する。
計算部121は、前置動作と生成動作との両方において、第1領域1231が記憶している出力パターンのデータを用いて平均変化率を求める。すなわち、第1領域1231には、太陽電池21からの電力値のデータが1日の時刻に一対一に対応付けられて格納されており、計算部121は、2個ずつの電力値のデータを用いて平均変化率を計算する。
前置動作では、ユーザが快晴と判断した日の出力パターンを理想的な晴天日の出力パターンとみなす。計算部121は、この出力パターンのデータ(つまり、各時刻の電力値)を用いて1日の各時刻の平均変化率を求め、求めた時刻毎の平均変化率を時刻毎の標準変化率として記憶部123の第2領域1232に格納させる。つまり、前置動作では、1日の各時刻に標準変化率を対応付けた変化率パターンが生成される。
生成動作では、計算部121は、適宜の日の出力パターンのデータから各時刻の平均変化率を求める。フィルタ部122は、求めた時刻毎の平均変化率を、記憶部123に格納されている同じ時刻の標準変化率と比較する。具体的には、フィルタ部122は、図4に示すように、記憶部123が格納している各時刻の標準変化率RCに所定の許容範囲ARを設定し、計算部121が求めた同時刻の平均変化率が許容範囲AR内であれば、当該平均変化率が求められた日時における電力値を基準値とみなす。フィルタ部122が基準値とみなした電力値のデータは、記憶部123の第3領域1233に格納される。許容範囲ARは、標準変化率RCに対する割合、または一定値に定められる。許容範囲ARを標準変化率RCに対する割合で設定する場合、たとえば、±0.1RC〜±0.3RC程度から選択すればよい。
一例として、記憶部123の第2領域1232に格納された11時00分の標準変化率が0.001であり、フィルタ部122に設定された許容範囲が±0.0002である場合を仮定する。フィルタ部122は、計算部121が求めた11時00分の平均変化率が0.0011であれば、この平均変化率を求めた日時の電力値を、基準値とみなして、該当する日時の電力値のデータを時刻に対応付けて記憶部123の第3領域1233に格納する。一方、計算部121が求めた11時00分の平均変化率が0.003であれば、フィルタ部122は、この平均変化率を求めた日時の電力値を破棄する。
ところで、日中に晴天である期間が比較的長い1日であれば、記憶部123の第3領域1233には、電力値のデータが比較的多く格納される。しかし、日中に晴天である期間が短い1日、日中に曇天である1日、日中に雨天である1日では、記憶部123の第3領域1233に格納される電力値のデータは少数になる。基準値パターンを構成する電力値のデータを用いて太陽電池21の異常の有無を判断しようとする場合、一般的には、データ量が多いほうが判断の確実性が高まると言える。
ただし、1日分の電力値のデータであっても、南中時刻の前後の時間帯(たとえば、10時から13時)において、晴天である期間のデータが所定値以上の割合を占めている場合には、1日分の電力値のデータを基準値パターンとして用いることが可能である。所定値以上の割合とは、たとえば80%以上などである。なお、この数値は限定する趣旨ではなく、一例として示している。
上述した手順で基準値パターンを抽出する例を図5に示す。図5Aは理想的な出力パターンを示しており、計算部121の計算によって変化率パターンを抽出すると、図5Bのようになる。一方、図5Cは実測値の出力パターンを示しており、計算部121の計算によって変化率パターンを抽出すると、図5Dのようになる。フィルタ部122では、図5Dに示す変化率パターンを図5Bに示す変化率パターンと照合することによって、図5Eのような基準値パターンを抽出する。すなわち、フィルタ部122は、図5Bに示す変化率パターンと図5Dに示す変化率パターンとから、平均変化率が一致する時刻を求め、求めた時刻を図5Cの出力パターンに照らし合わせることによって、当該時刻の電力値を抽出する。なお、図5A、図5C、図5Eにおいて、縦軸は日射強度を用いているが、太陽電池21が出力する電力値と等価である。
基準値パターンを構成するデータ量を増やすには、フィルタ部122が抽出した複数日分の電力値のデータを用いることが可能である。同じ季節とみなせる複数日分の電力値であれば、時刻に応じた太陽高度はほぼ等しいから、晴天時の日射強度もほぼ等しい。このことを利用して、本実施形態では、同時刻の太陽高度の変化が所定範囲である期間内の複数日を含むように設定した区分期間について、フィルタ部122が抽出した電力値のデータを記憶部123の第3領域1233に格納する。この場合、記憶部123の第3領域1233は、同じ時刻について複数の電力値のデータを格納することを許容する。
ここに、区分期間は、2週間から1ヶ月程度の範囲で選択される。たとえば、同じ季節と見なせる期間は、二十四節季のうちの1つの節季に含まれる複数日(15日間)とすることが可能である。また、同じ季節とみなせる期間として、毎月の前半の複数日、および毎月の後半の複数日、1ヶ月の複数日などを採用することも可能である。要するに、太陽高度がほぼ等しい期間を同じ季節とみなせる期間として選択する。
いま、3日分の電力値に基づいて、それぞれの日の電力値から、図6A、図6B、図6Cに示すような3種類の基準値パターンが抽出されたとする。この場合、これらの基準値パターンを重ね合わせることにより、図6Dのような基準値パターンを生成することが可能になる。図6A、図6B、図6Cにそれぞれ示す基準値パターンは形状が乱れており、1日分の基準値パターンとして使用することができないが、図6Dのように複数の基準値パターンを重ね合わせることにより、ほぼ完全な基準値パターンが含まれることになる。
ところで、図6Dに示す基準値パターンは、同時刻に複数の値を含んでおり、このままでは基準値パターンとして使用することができない。そのため、監視部12は、記憶部123の第3領域1233において同時刻に複数の電力値のデータが存在している場合に、複数の電力値のデータのうちの1つを選択して基準値を定めるように構成された選択部124を備える。
選択部124は、記憶部123に格納された電力値のデータのうちの1つを基準値として選択し、選択した基準値を記憶部123の第3領域1233に格納するように構成される。基準値としては、同時刻における複数の電力値のデータから、一定の規則に従って適宜の1個の電力値のデータを選択すればよい。基準値を選択するための規則は、複数の電力値のデータのうちの最大値を採用するように定める。
ここに、上述した動作例では、複数日から求めた同時刻の電力値のデータを記憶部123に記憶した後に、選択部124が基準値として用いる電力値のデータを選択している。これに対し、記憶部123の第3領域1233に電力値のデータを格納しようとするときに、当該電力値のデータと同時刻の電力値のデータが第3領域1233にすでに格納されていれば、一方のみを記憶部123に格納するように選択部124を構成してもよい。この場合、選択部124は、記憶部123に格納されている電力値のデータと、記憶部123に格納しようとする電力値のデータとの大小を比較し、大きいほうの電力値のデータを記憶部123の第3領域1233に格納するという規則を用いる。
ところで、フィルタ部122は、電力値の平均変化率を用いて基準値となる電力値を抽出するから、1日の出力パターンによっては、基準値の候補として誤認して抽出される可能性がある。つまり、フィルタ部122は、電力値の平均変化率が、標準変化率に対して設定した許容範囲内であれば、該当する電力値を、電力値の絶対値とは無関係に基準値の候補として抽出するから、晴天日に相当しない電力値を基準値の候補として抽出することがある。晴天日に相当しない電力値は、たとえば図6Aであれば、右側部分のように電力値が不連続である部分などである。
このように晴天日に相当しない電力値を「誤差成分」と呼ぶことにする。記憶部123の第3領域1233に格納された基準値によって形成される基準値パターンは、誤差成分を含んでいる場合には、晴天日に相当する電力値と晴天日ではない電力値とを含んでいることになる。このような基準値パターンから誤差成分を低減させるために、フィルタ部122は、情報取得部11から取得した電力値のデータと同様の処理を、基準値パターンについて行う反復処理が可能になるように構成されている。反復処理は、少なくとも1回行われ、必要に応じて複数回の反復処理を行うことが可能になっている。反復処理の回数は、通常は1回あるいは2回程度でよい。
また、フィルタ部122は、反復処理の際には、標準変化率に対して設定する許容範囲を、最初に基準値の候補を抽出する際に用いた許容範囲よりも狭めることが望ましい。たとえば、図7Aのように情報取得部11が取得した電力値のデータを用いて基準値の候補を抽出する際に用いる許容範囲AR1を±αとする。また、図7Bのように記憶部123の第3領域1233に格納した基準値のデータに対して反復処理を行う際に用いる許容範囲AR2を±β(α>β>0)とする。このように、反復処理を行うだけではなく、反復処理の際に許容範囲を狭めることによって、誤差成分がより一層除去され、結果的に、晴天日に相当する基準値の割合が高い基準値パターンを生成することが可能になる。
上述した構成例では、1日分の基準値(基準値パターン)を生成し、1日分の基準値を年間を通して使用することを想定している。情報取得部11が太陽電池21から取得した電力値は、季節に応じて比較的大きく変動するが、上述したように、日中の所定時間(たとえば、10時から13時)であれば、絶対値は変化しても、平均変化率はほぼ一致する。そのため、上述した構成例では、年間を通して1日分の基準値を使用する構成を採用している。しかしながら、絶対値には変化が生じるから、1年間を複数の期間に区分し、区分した期間ごとに基準値を設定してもよい。この場合でも、少数の基準値(基準値パターン)を記憶部123の第3領域1233に格納するだけで、年間を通して太陽電池21の異常の有無を判断することが可能である。
上述した異常監視装置10は、プログラムを実行するプロセッサを備えるデバイスと、外部装置を接続するためのインターフェイス用のデバイスとを主なハードウェア要素として備える。プロセッサを備えるデバイスは、メモリを別に接続するマイクロプロセッサのほか、メモリを一体に備えるマイコン(Microcontroller)などから選択される。
プログラムは、あらかじめROM(Read Only Memory)に書き込まれた状態で提供されるようにしてもよいが、書換可能な不揮発性メモリに格納できるように、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を用いて提供されることが望ましい。また、プログラムは、記録媒体に代えて、インターネットのような電気通信回線を通して提供されてもよい。
以上説明した異常監視装置10は、情報取得部11と監視部12とを備える。情報取得部11は、日射強度に応じた電気出力を装置から取得する。監視部12は、情報取得部11が1日の時刻ごとに取得した電気出力の値と1日の時刻ごとに定めた基準値とを比較することにより装置の異常の有無を監視する。装置は、太陽電池21と日射計25との少なくとも一方を含む。さらに、監視部12は、計算部121とフィルタ部122と記憶部123とを備える。計算部121は、電気出力を用いて所定の抽出時間ごとの平均変化率を算出する。フィルタ部122は、晴天日に相当する1日分の平均変化率を標準変化率とし、情報取得部11が取得した電気出力のうち同時刻の標準変化率との差が所定の許容範囲内である平均変化率が得られた日時における電気出力の値を抽出する。記憶部123は、フィルタ部122が抽出した日時における電気出力の値を、該当する時刻についての基準値として記憶する。
この構成によれば、装置の電気出力の実測値に基づいて、晴天日に相当する基準値を精度よく生成することが可能になる。このようにして設定した基準値は、長期間にわたって使用することが可能である。
この異常監視装置10において、情報取得部11は、所定のサンプリング周期で電気出力を取得することが望ましい。この場合、抽出時間は、サンプリング周期の整数倍であって、サンプリング周期での電気出力の変動成分が抑圧され、かつ電気出力の変化傾向の抽出が可能になるように定められる。また、記憶部123は、基準値をサンプリング周期ごとの時刻に割り当てて記憶する。
この構成によれば、抽出時間が適正に設定されることによって、平均変化率は、電気出力の短時間での変動成分の影響を除去するように求められる。すなわち、上述した出力パターンから不要な変動成分を除去した基準値のデータを記憶部123に記憶させることが可能になる。
記憶部123は、複数日分の電気出力からフィルタ部122が抽出した電気出力を1日における時刻に割り当てて記憶していることが望ましい。
この構成によれば、1日分の電気出力では晴天日に相当する電気出力の個数が十分に得られない場合でも、複数日分の電気出力を重ね合わせることによって、晴天日に相当する電気出力の個数を増やすことが可能になる。
ここに、監視部12は、異なる日の同時刻についてフィルタ部122が複数の電気出力を抽出した場合に、同時刻について抽出された複数の電気出力のうちの最大値を基準値として記憶部123に記憶させる選択部124を備えることが望ましい。
この構成によれば、複数日分の電気出力を用いて適正な基準値を抽出することが可能になる。
フィルタ部122は、すでに抽出した平均変化率を標準変化率と再度比較し、すでに抽出した平均変化率のうち標準変化率との差が所定の許容範囲内である変化率を抽出する反復処理を1回以上繰り返すように構成されていることが望ましい。
この構成によれば、フィルタ部122が抽出した電気出力に誤差成分が含まれている場合であっても、反復処理を行うことによって、誤差成分の割合が低減し、晴天日に相当する電気出力の割合を相対的に高めることが可能になる。
フィルタ部122は、反復処理を1回行うたびに許容範囲を狭めることが望ましい。
この構成によれば、反復処理を繰り返すたびに、電気出力を抽出する基準を厳しくすることにより、誤差成分をより低減させることが可能になる。
標準変化率は、複数日を含むように設定された区分期間ごとに設定されていることが望ましい。
この構成によれば、太陽高度の違いを基準値に反映させることが可能になり、適切な基準値を用いることによって、装置に異常があるか否かの判定条件をより厳しく設定して、判定精度を高めることが可能になる。
本実施形態における太陽光発電設備20は、太陽電池21と、太陽電池21に隣接して配置された日射計25と、上述した異常監視装置10とを備える。
この構成によれば、太陽光発電設備20において、太陽電池21と日射計25との少なくとも一方について異常が生じているか否かを監視することが可能になる。
本実施形態のプログラムは、コンピュータを、異常監視装置10として機能させるためのものである。
上述した構成例では、太陽電池21に異常が生じているか否かを判断するための基準値を生成しているが、日射計25に異常が生じているか否かを判断するための基準値を生成するために、上述した技術を採用することが可能である。つまり、上述した技術では、太陽電池21を日射計25と読み替えることが可能である。また、異常監視装置10は、太陽電池21と日射計25との両方について、異常が生じているか否かを監視するように構成してもよい。
また、上述した構成例では、太陽電池21の異常は、ストリング211を単位として監視しているが、アレイを単位として異常を監視することも可能である。
上述した実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんのことである。
たとえば、図1に示す太陽光発電設備20は、電力変換装置24を含んでいるが、太陽電池21の電力を用いて直流を給電する場合、あるいは太陽電池21が出力する電流により蓄電池を充電する場合などでは、電力変換装置24は省略可能である。
10 異常監視装置
11 情報取得部
12 監視部
20 太陽光発電設備
21 太陽電池
25 日射計
121 計算部
122 フィルタ部
123 記憶部

Claims (8)

  1. 日射強度に応じた電気出力を装置から取得する情報取得部と、
    前記情報取得部が1日の時刻ごとに取得した前記電気出力の値と1日の時刻ごとに定めた基準値とを比較することにより前記装置の異常の有無を監視する監視部とを備え、
    前記装置は、太陽電池と日射計との少なくとも一方を含み、
    前記監視部は、
    前記電気出力を用いて所定の抽出時間ごとの平均変化率を算出する計算部と、
    晴天日に相当する1日分の平均変化率を標準変化率とし、前記情報取得部が取得した前記電気出力のうち同時刻の前記標準変化率との差が所定の許容範囲内である平均変化率が得られた日時における電気出力の値を抽出するフィルタ部と、
    前記フィルタ部が抽出した前記日時における電気出力の値を、該当する時刻についての前記基準値として記憶する記憶部とを備える
    ことを特徴とする異常監視装置。
  2. 前記情報取得部は、所定のサンプリング周期で前記電気出力を取得し、
    前記抽出時間は、前記サンプリング周期の整数倍であって、前記サンプリング周期での前記電気出力の変動成分が抑圧され、かつ前記電気出力の変化傾向の抽出が可能になるように定められ、
    前記記憶部は、前記基準値を前記サンプリング周期ごとの時刻に割り当てて記憶する
    ことを特徴とする請求項1記載の異常監視装置。
  3. 前記記憶部は、複数日分の前記電気出力から前記フィルタ部が抽出した前記電気出力を1日における時刻に割り当てて記憶している
    ことを特徴とする請求項2記載の異常監視装置。
  4. 前記監視部は、
    異なる日の同時刻について前記フィルタ部が複数の電気出力を抽出した場合に、前記同時刻について抽出された前記複数の電気出力のうちの最大値を前記基準値として前記記憶部に記憶させる選択部を備える
    ことを特徴とする請求項3記載の異常監視装置。
  5. 前記フィルタ部は、
    すでに抽出した前記平均変化率を前記標準変化率と再度比較し、すでに抽出した前記平均変化率のうち前記標準変化率との差が所定の許容範囲内である変化率を抽出する反復処理を1回以上繰り返すように構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の異常監視装置。
  6. 前記フィルタ部は、前記反復処理を1回行うたびに前記許容範囲を狭める
    ことを特徴とする請求項5記載の異常監視装置。
  7. 前記標準変化率は、複数日を含むように設定された区分期間ごとに設定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の異常監視装置。
  8. コンピュータを、請求項1〜7のいずれか1項に記載の異常監視装置として機能させることを特徴とするプログラム。
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