JP2017063591A - 太陽光発電システム、太陽光発電ユニットの診断方法および診断プログラム - Google Patents

太陽光発電システム、太陽光発電ユニットの診断方法および診断プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2017063591A
JP2017063591A JP2016060230A JP2016060230A JP2017063591A JP 2017063591 A JP2017063591 A JP 2017063591A JP 2016060230 A JP2016060230 A JP 2016060230A JP 2016060230 A JP2016060230 A JP 2016060230A JP 2017063591 A JP2017063591 A JP 2017063591A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
unit
power generation
measurement
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016060230A
Other languages
English (en)
Inventor
裕樹 島野
Hiroki Shimano
裕樹 島野
博一 土田
Hirokazu Tsuchida
博一 土田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BETSUKAWA SEISAKUSHO KK
Original Assignee
BETSUKAWA SEISAKUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BETSUKAWA SEISAKUSHO KK filed Critical BETSUKAWA SEISAKUSHO KK
Publication of JP2017063591A publication Critical patent/JP2017063591A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

【課題】 日の出時もしくは夕暮れ時等のシステムの運転開始時または停止時の弱光下の時間に太陽光発電ユニットの診断を行うことで太陽光発電を妨げることなく太陽電池ストリングの電流—電圧特性を計測することが可能で、日の出時もしくは夕暮れ時の日射量の変化を利用して少ない電力量で精度のよい電流—電圧特性、診断結果を得ることができる太陽光発電システムを提供すること。【解決手段】 太陽電池ストリングを備えた太陽光発電ユニット20と、前記太陽光発電ユニット20とネットワークを介して接続された診断装置10を備えた太陽光発電システム100において、予め決められた診断日でかつ日の出後または日の入り前の時間である診断日時に前記電流—電圧特性用の計測を行い、所定期間の前記電流—電圧特性用の計測データ、基準用電流—電圧特性曲線とを比較することにより太陽電池ストリングの異常や劣化を診断する。【選択図】 図1

Description

本発明は、太陽光発電ユニットの異常や劣化を診断する太陽光発電システム、太陽光発電ユニットの診断方法および診断プログラムに関する。
近年、地球環境問題に対する取り組みの一環として、太陽光発電、風力発電、水力発電等の環境に優しくクリーンなエネルギーの普及が急速に進んでいる。
一般的に太陽光発電ユニットは、建築物の屋根や壁面等に設置された太陽電池パネルに太陽光が照射されることにより太陽電池パネルから直流電力が出力され、そして前記直流電力はパワーコンディショナによって交流電力に変換された後、電力供給される。
太陽光発電設備の寿命は、前記太陽電池パネルが約20年、前記パワーコンディショナが約10年であり、一定年数を過ぎると劣化、磨耗等の原因により太陽光発電設備の故障率が上がってくるため、定期的な保守及び点検が重要となる。特に太陽電池パネルは建築物の屋根や壁面等に設置されているため、太陽電池パネルの故障や出力低下等の不具合が発生してもユーザーが不具合に気付き難く、不具合が生じた場合には長期間にわたって電力損失を招くおそれがあるため、定期的な保守点検サービスや遠隔監視による故障診断サービスが重要な技術課題となっている。
太陽電池パネルの保守点検として、モニタ画面に電流電圧特性曲線を描き、その特性曲線のパターンを太陽電池パネルの電流電圧特性の代表的なパターンと比較することによって、太陽電池パネルが正常に動作しているか否かを診断する方法がある。
特許文献1は、太陽電池の特性評価装置に関するものであり、特性評価装置10、コンピュータ12、温度計14,20、日射計16等を備える。特性評価装置10は配線を介して太陽電池モジュール200と接続され、太陽電池モジュール200の電流―電圧特性を計測し、メモリ52に格納された基準特性のデータと計測した電流―電圧特性のデータとを比較することで故障診断を行う(その段落0023、0024、0033、0056)ことが記載されている。
また特許文献2は、太陽電池アレイの診断装置、パワーコンディショナ、太陽電池アレイの診断方法、及びプログラムに関するものであり、パワーコンディショナ10に備えられた切替部32において発電用配線36から診断用配線38に切り替えることにより故障診断を行う。診断時間帯は日の出時もしくは夕暮れ時等のシステムの運転開始時または停止時の弱光下の時間であり、前記時間帯に診断を行うことにより、発電中の運転を妨げることなく太陽電池アレイの電気特性を診断することができる(その段落0024、0030、0046、0050、0053、0065)ことが記載されている。
そして特許文献3は、太陽光発電システムの診断方法、診断装置、および診断プログラムに関するものであり、太陽光発電システム1は診断器17を備え、前記診断器17が電流値と日射強度との時系列データおよび電圧値と温度との時系列データに対する回帰分析から電力値が最大となる最大出力点(MPP)を出力し、前記MPPの挙動によりアレイの出力が正常か否かを判断する(その段落0035、段落0044〜段落0078)ことが記載されている。
特開2007−311487号公報 特開2103−065797号公報 国際公開第2101/089999号パンフレット
しかしながら、特許文献1に開示された発明においては、太陽電池が発電を行うことができる晴天時などの環境下において発電処理を一旦停止させて故障診断のための電流―電圧特性の計測を実施するため、発電量の損失が発生するうえに保守点検作業員を定期的に太陽電池パネルが設置された家屋等に派遣し計測を行う必要があるため、保守点検作業員の育成や派遣のための費用、評価装置の購入等の設備費用等莫大なコストがかかり、太陽光発電事業者にとって大きな負担となってしまう。
また特許文献2に開示された発明においては、診断時間帯を日の出時もしくは夕暮れ時等のシステムの運転開始時または停止時の弱光下の時間としているため、発電中の運転を妨げることなく太陽電池パネルの電気特性を診断することができるが、太陽電池パネルの電流―電圧特性を計測する際に可変抵抗を使用しているため、可変抵抗を制御するために大きな電力を消費し、また1回の測定で故障診断を行っているために経年劣化等による故障などの予測ができない。
そして特許文献3に開示された発明においては、電流値と日射強度との時系列データおよび電圧値と温度との時系列データに対する回帰分析によって故障診断を行っており、経年劣化等の予測診断が可能であるが、電流電圧特性曲線を回帰分析で求めた電圧値と電流値で作成しているため、実際に計測した値を使用して電流―電圧特性曲線を求めて診断する場合と比較して精度が悪くなってしまう。
そこで本発明は、日の出時もしくは夕暮れ時等のシステムの運転開始時または停止時の弱光下の時間に太陽光発電ユニットの診断を行うことで太陽光発電の総発電量に影響を与えることなく太陽電池ストリングの電流―電圧特性を計測することができる太陽光発電システム、太陽光発電ユニットの診断方法および診断プログラムを提供することを目的とする。
また本発明は、日の出時もしくは夕暮れ時の日射量の変化を利用して電流―電圧特性のための計測データを取得するため、少ない電力量で精度のよい電流―電圧特性を得ることができ、高い診断精度を提供することが可能な太陽光発電システム、太陽光発電ユニットの診断方法および診断プログラムを提供することを目的とする。
そして本発明は、太陽電池ストリングの前記電流―電圧特性用の計測データを所定期間使用して故障診断を行うため、経年劣化等の予測診断が可能で太陽光発電ユニットの故障を早期に発見することができる太陽光発電システム、太陽光発電ユニットの診断方法および診断プログラムを提供することを目的とする。
さらに本発明は、既存の接続箱の置き換えまたは回路の追加のみで太陽光発電の故障診断、メンテナンスのためのデータを太陽光発電ユニット使用者やメンテナンス事業者等に自動的に提供可能な太陽光発電システム、太陽光発電ユニットの診断方法および診断プログラムを提供することを目的とする。
ここで「計測データ」とは、電流―電圧特性用の計測データと太陽光発電ユニットが稼動している間に逐次計測を行っている通常稼動時の計測データの二つのデータがある。計測データは、接続箱24からの太陽電池ストリング番号、電圧値、電流値、そして測定部22からの日射量、温度、計測時間、また計測制御部23が設定する電流―電圧特性計測フラグを指すものとし、電流―電圧特性用の計測データは計測制御部23が設定する電流―電圧特性計測フラグがオンになっており、通常稼動時の計測データは計測制御部23が設定する電流―電圧特性計測フラグがオフになっていることとする。
また「計測データ」には、各太陽光発電ユニットを識別するための番号である太陽光発電ユニット番号が含まれていてもよい。
「診断日時」とは、電流―電圧特性用の計測データを取得する日時であり、診断計測開始から診断計測完了までの時間帯を指し、診断時間と診断日を合わせたものである。
「電流―電圧特性曲線」とは、太陽電池が光を受けて発電する際の出力特性を、縦軸に電流値、横軸に電圧値をとって表現した場合のデータを曲線に近似して表したもの、もしくは離散的なデータのセットであり、本発明では接続箱に設けられた電流値、電圧値を使用して電流―電圧特性曲線を算出する。
本発明は、複数の太陽電池ストリングを備えた太陽光発電ユニットと、前記太陽光発電ユニットとネットワークを介して接続された診断装置を備えた太陽光発電システムにおいて、前記太陽光発電ユニットは、予め決められた診断日でかつ日の出後または日の入り前の時間である診断日時に電流―電圧特性用の計測を指示する計測制御部と、前記計測制御部の指示により、日の出後に太陽電池ストリングの電圧が自然に上昇するのを利用して、もしくは日の入り前に太陽電池ストリングの電圧が自然に下降するのを利用して電流―電圧特性用の計測データを計測する電流―電圧特性計測部を備え、前記診断装置は、前記太陽電池ストリングの前記電流―電圧特性用の計測データを前記太陽光発電ユニットから取得する通信部と、前記通信部で取得された前記太陽電池ストリングの前記電流―電圧特性用の計測データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された所定期間の前記電流―電圧特性用の計測データを使用して診断用電流―電圧特性曲線を算出する診断用電流―電圧特性曲線算出部と、前記診断用電流―電圧特性曲線と基準用電流―電圧特性曲線とを比較することにより前記太陽電池ストリングの異常や劣化を診断する判定部を備えたことを特徴とする。
本発明の太陽光発電システムによれば、日の出時もしくは夕暮れ時等のシステムの運転開始時または停止時の弱光下の時間に太陽光発電ユニットの診断を行うことで太陽光発電を妨げることなく太陽電池ストリングの電流―電圧特性を計測することができる。
また本発明の太陽光発電システムによれば、日の出時もしくは夕暮れ時の日射量の変化を利用して電流―電圧特性のための計測データを取得するため、少ない電力量で精度のよい電流―電圧特性を得ることができ、診断結果も精度のよいものを提供することが可能となる。
本発明の太陽光発電システムは、前記電流―電圧特性用の計測データが電流、電圧、日射量および温度であり、前記診断用電流―電圧特性曲線算出部は前記日射量において電流―電圧特性曲線を正規化し、前記診断用電流―電圧特性曲線を算出することを特徴とする。
本発明の太陽光発電システムは、前記診断用電流―電圧特性曲線算出部が前記太陽電池ストリングの等価回路モデルから得られる電流、電圧、日射量および温度の関係式を使用して前記電流―電圧特性曲線を正規化することを特徴とする。
本発明によれば、日射量によって電流―電圧特性曲線を正規化するため、ある規格化した日射量下での診断用電流―電圧特性曲線を利用して診断を行うことが可能となり、簡単な判定方法で故障の有無を判定することが可能となる。
本発明の太陽光発電システムは、前記太陽光発電ユニットが、パワーコンディショナと、日射量を計測する日射量計測部と、時間の計測を行う計時部を備え、前記診断日時は前記日射量及び/又はパワーコンディショナの稼動/停止状況によって決定することを特徴とする。
本発明によれば、診断日時を日射量、パワーコンディショナの稼動/停止状況または時間の少なくともいずれか一つによって決定するため、精度のよい日の出時間、日の入り時間を算出することが可能となる。
本発明の太陽光発電システムは、前記診断装置がさらに前記太陽電池ストリングの状態により前記診断日時を決定する診断日時決定部を備え、前記診断日時を前記太陽光発電ユニットに送信することを特徴とする。
本発明によれば、前記診断装置が前記診断日時を決定する診断日時決定部を備えているため、前記診断装置に送信される計測データを解析することとで適切な診断日時を決定し、前記太陽光発電ユニットに送信することができる。
本発明の太陽光発電システムは、前記太陽光発電ユニットがさらに前記計測制御部からの指示により前記太陽電池ストリングとパワーコンディショナ間の接続または遮断する切替部を有することを特徴とする。
本発明の太陽光発電システムは、前記電流−電圧特性計測部および/または前記切替部が複数の固定抵抗器と接続器または前記複数の固定抵抗器と前記接続器の代替として複数のパワー半導体素子を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、日の出時もしくは夕暮れ時の日射量の変化を利用しているため、回路内に配置された最小限の抵抗を切替制御するだけで多数の計測データを取得することが可能となり、少ない電力で電流―電圧特性を計測することができる。
本発明の太陽光発電システムは、前記切替部が各前記太陽電池ストリングと前記電流―電圧特性計測部とをそれぞれ接続することを特徴とする。
このように各太陽電池ストリングの電流をそれぞれ前記電流―電圧特性計測部に伝送することで、1回の診断時間で全ての太陽電池ストリングの計測が終了していない場合でも、次の計測時に計測が終了していない太陽電池ストリングから計測を開始することが可能であるため、太陽電池ストリングの全計測時間を短縮することが可能となる。
前記電流―電圧特性計測部と接続されていない太陽電池ストリングはパワーコンディショナに接続されて電力系統に伝送されるため、電力容量を抑えることができるうえ、太陽光発電処理を停止する必要がない。
本発明の太陽光発電システムは、前記切替部が前記パワーコンディショナ内の電流計の値と電圧計の値を制御することによって前記太陽電池ストリングとパワーコンディショナ間の接続を遮断することを特徴とする。
本発明の太陽光発電システムはさらに計測データ異常検知装置を備え、前記計測データ異常検知装置は前記電流―電圧特性用の計測データの異常を検知し、異常検知結果を前記診断装置に送信し、前記診断装置は異常が検知された前記電流―電圧特性用の計測データを前記診断用電流―電圧特性曲線を算出するために使用しないことを特徴とする。
本発明によれば、計測データ異常検知装置において計測データの異常を検知することで、精度のよい診断用電流―電圧特性曲線を得ることが可能となる。
また抵抗値を変化させた場合の電圧、電流が一定期間整定しない整定時間に取得した計測データに対しても、フィルタリング処理と前記計測データ異常検知装置を合わせて使用することで前記整定時間に取得した計測データを完全に除去することが可能となる。
本発明の太陽光発電システムは、前記太陽電池ユニットがさらに降雪・積雪計測部を備え、前記計測制御部は前記降雪・積雪計測部が前記太陽電池ストリング上に雪が積もっている及び/又は雪が降っていると計測した場合に前記電流―電圧特性用の計測の指示を行わないことを特徴とする。
本発明によれば、太陽電池ストリング上に雪が積もっている、もしくは降っている場合は、たとえ日射量があったとしても太陽電池ストリングからの発電は限りなくゼロに近くなるため、正確な電流―電圧特性用の計測データを取得することが不可能となる。よって、前記降雪・積雪計測部からの降雪・積雪情報を使用することで、太陽電池ストリング上に積雪・降雪している場合は電流―電圧特性用の計測処理を停止し、不必要な計測データの取得を回避することが可能となる。
また本発明の太陽光発電システムはさらに電力会社が設置した系統側サーバーと接続され、前記系統側サーバーから受信した発電量の出力抑制情報から前記太陽光発電ユニットが電力系統へ出力する発電量を抑制することを特徴とする。
本発明によれば、電力会社から発電量出力抑制指令が行われた場合でも、各電力会社からの発電量の出力抑制情報から、太陽光発電ユニットが電力系統へ出力する発電量を抑制することが可能となるため、抑制指令に対応した太陽光発電システムを簡単かつ容易に導入することが可能となる。
本発明の太陽光発電システムは、太陽電池ストリングと接続箱を備えた太陽光発電ユニットと、前記複数の太陽光発電ユニットが接続されたパワーコンディショナと、前記太陽光発電ユニットとネットワークを介して接続された診断装置を備えた太陽光発電システムにおいて、
前記太陽光発電ユニットは、
予め決められた診断日でかつ日の出後または日の入り前の時間である診断日時に電流―電圧特性用の計測を指示する計測制御部と、
前記計測制御部の指示により、日の出後に太陽電池ストリングの電圧が自然に上昇するのを利用して、もしくは日の入り前に太陽電池ストリングの電圧が自然に下降するのを利用して電流―電圧特性用の計測データを計測する電流―電圧特性計測部と、
前記接続箱内の温度、電流または電圧の異常を検出する異常検知部を備え、
前記診断装置は、
ひとつの太陽光発電ユニットが前記異常検知部により異常を検出した場合に、その他の太陽光発電ユニット対して前記電流―電圧特性用の計測の中断指示を行う太陽光発電ユニット監視部を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、1つのパワーコンディショナに複数の接続箱(太陽光発電ユニット)が接続されている太陽光発電システムにおいて、大部分の接続箱に集電されているストリング上の太陽光パネルは、パワーコンディショナによってMPPT制御された通電発電状態であるのに対し、一部の接続箱(太陽光発電ユニット)に集電されているストリング上の太陽光パネルは電流―電圧特性の計測処理が行われるといった状態を回避し、常に全ての太陽光パネルをMPPT制御された発電状態に置くように管理することが可能となる。
本発明の太陽光発電システム、太陽光発電ユニットの診断方法および診断プログラムによれば、日の出時もしくは夕暮れ時等のシステムの運転開始時または停止時の弱光下の時間に太陽光発電ユニットの診断を行うことで太陽光発電を妨げることなく太陽電池ストリングの電流―電圧特性を計測することができる。
また本発明の太陽光発電システム、太陽光発電ユニットの診断方法および診断プログラムによれば、日の出時もしくは夕暮れ時の日射量の変化を利用して電流―電圧特性のための計測データを取得するため、少ない電力量で精度のよい電流―電圧特性を得ることができ、診断結果も精度のよいものを提供することが可能となる。
そして本発明の太陽光発電システム、太陽光発電ユニットの診断方法および診断プログラムによれば、太陽電池ストリングの前記電流―電圧特性用の計測データを所定期間使用して故障診断を行うため、経年劣化等の予測診断が可能で太陽光発電ユニットの故障を早期に発見することができる。
さらに本発明の太陽光発電システム、太陽光発電ユニットの診断方法および診断プログラムによれば、既存の接続箱の置き換えまたは回路の追加のみで太陽光発電の故障診断、メンテナンスのためのデータを太陽光発電ユニット使用者やメンテナンス事業者等に自動的に提供することが可能となる。
本発明の第1の実施形態の太陽光発電システム100の構成を示す概略図である。 上記実施形態の診断装置10を示す機能ブロック図である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット20の電流―電圧特性計測部28の回路について抵抗素子を3個使用した場合の1構成図である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット20の切替部25の回路図である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット20の測定部22を示す機能ブロック図である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット20における電流―電圧特性の計測処理の概要を示すシーケンス図である。 上記実施形態の電流―電圧特性計測部28の電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフ制御シーケンス図である。 上記実施形態の診断日時テーブルの概念図である。 上記実施形態の時間tにおける入力端子P〜出力端子N間の抵抗を示す表である。 上記実施形態の時間t1における電流―電圧特性計測部28の概略回路図である。 上記実施形態の計測制御部23における電流―電圧特性の計測処理(診断日時を使用した計測処理)の概要を示すフローチャートである。 上記実施形態の日射量とパワーコンディショナの電力変換効率の関係を示すグラフであり、(a)は、縦軸が日射量で横軸が時間を示すグラフ、(b)は縦軸がPCS(パワーコンディショナ)電力変換効率で横軸が時間を示すグラフである。 上記実施形態において抵抗素子4個で構成された電流―電圧特性計測部を用いた場合の電流―電圧特性用の計測データを示すグラフであり、縦軸が電圧値、横軸が電流値である。 上記実施形態の抵抗値を変化させた場合の電圧の変化を示すグラフであり、縦軸が太陽電池ストリングの電圧、横軸が時間である。 上記実施形態の太陽電池セルの等価回路を示す模式図である。 上記実施形態の正規化された診断用電流―電圧特性曲線を示すグラフである。 上記実施形態の他の前記切替部25、前記パワーコンディショナ26の構成例を示す図であり、(a)は前記切替部25の他の構成例を示す概略図、(b)はパワーコンディショナ26内の電流計、電圧計の他の構成例を示す模式図である。 上記実施形態の診断装置10の故障判定処理の概要を示すシーケンス図である。 上記実施形態の計測制御部23における電流―電圧特性の計測処理(診断装置10からの電流―電圧特性計測開始指令、電流―電圧特性計測完了指令による処理)の概要を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態の太陽光発電システム200の構成を示す概略図である。 上記実施形態の診断装置210を示す機能ブロック図である。 上記実施形態のパワーコンディショナ226の稼動/停止状況テーブルの概念図である。 上記実施形態の前記診断日時決定部233における診断日時決定処理の概要(実施例2−1)を示すフローチャートである。 上記実施形態の診断日テーブルの概念図である。 上記実施形態の前記診断日時決定部233における診断日時決定処理の概要(実施例2−2)を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態の太陽光発電ユニット320の測定部22を示す機能ブロック図である。 上記実施形態の計測制御部23における電流―電圧特性の計測処理(降雪・積雪情報を使用した計測処理)の概要を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態の太陽光発電ユニット420の構成を示す概略図である。 上記実施形態の診断装置410を示す機能ブロック図である。 本発明の第5の実施形態の太陽光発電システム500の構成を示す概略図である。 本発明の第6の実施形態の太陽光発電ユニット620の切替部625の構成を示す概略図であり、(a)は接続箱内にスイッチSW_kがない場合の構成例、(b)は接続箱内にスイッチSW_kを追加した場合の他の構成例を示す。 本発明の第7の実施形態の太陽光発電システム700の構成を示す概略図である。 上記実施形態の計測データ異常検知装置750において演算されたΔIstring_tkのグラフ(縦軸がΔIstring、横軸が計測時間tk)である。 本発明の第8の実施形態の太陽光発電システム800の構成を示す概略図である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット820_mの切替部825_mの回路図である。 上記実施形態の診断装置810を示す機能ブロック図である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット820_mの切替部825_mの状態遷移表である。 上記実施形態の太陽光発電システム800における出力抑制処理の概要を示すシーケンス図である。 本発明の第9の実施形態の太陽光発電システム900の構成を示す概略図である。 太陽電池ストリングの出力特性を示したグラフであり、(a)は横軸が出力電圧[V]、縦軸が出力電力[W]で、(b)は横軸が出力電圧[V]、縦軸が出力電流[A]である。 上記実施形態の診断装置910を示す機能ブロック図である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mの切替部925_mの構成例を示す概略図である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mのパワーコンディショナ926_m内の電流計、電圧計周辺の構成例を示す模式図である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mのパワーコンディショナ926_m内の電流計測値変換回路9261_mの構成例を示す模式図である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mの電流計測値変換回路9261_m内の電圧クランプ回路92611_mの構成例を示す模式図である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mにおいて、通常稼動時のパワーコンディショナ926_m内の電流計測値変換回路9261_mの概略図であり、矢印は信号の流れを表している。 上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mにおいて、電流―電圧特性計測用のデータ取得時のパワーコンディショナ926_m内の電流計測値変換回路9261_mの概略図であり、矢印は信号の流れを表している。 上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mにおいて、出力電力抑制時のパワーコンディショナ926_m内の電流計測値変換回路9261_mの概略図であり、矢印は信号の流れを表している。 上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mにおいて、出力電力抑制時の日射量の違いによる太陽光電池ストリングの出力特性のグラフ例であり、横軸が出力電圧[V]、縦軸が出力電力[W]を表している。 上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mにおいて、出力電力抑制時の日射量の違いによる太陽光電池ストリングの出力特性のグラフ例であり、横軸が出力電圧[V]、縦軸が出力電流[A]を表している。 上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mの他の例において、出力電力抑制時の日射量の違いによる太陽光電池ストリングの出力特性のグラフ例であり、横軸が出力電圧[V]、縦軸が出力電力[W]を表している。 上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mの他の例において、出力電力抑制時の日射量の違いによる太陽光電池ストリングの出力特性のグラフ例であり、横軸が出力電圧[V]、縦軸が出力電流[A]を表している。 本発明の第8の実施形態の太陽光発電システム800のその他の構成を示す概略図である。 本発明の第9の実施形態の太陽光発電システム900のその他の構成を示す概略図である。 本発明の第10の実施形態の太陽光発電システム1000の構成を示す概略図である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット1020の接続箱1024の実装模式図である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット1020の電流―電圧特性計測部1028の回路図例である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット1020の電流―電圧特性計測部1028のその他の回路図例である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット1020で使用されるパワー半導体を説明するための説明図である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット1020で使用されるパワー半導体の電流―電圧曲線を示した説明図である。 上記実施形態の電流―電圧特性計測部1028のゲート制御信号の信号波形を示した説明図である。 上記実施形態の電流―電圧特性計測部1028における電流パス(A)を示した説明図である。 上記実施形態の電流―電圧特性計測部1028における電流パス(B)を示した説明図である。 上記実施形態の電流―電圧特性計測部1028における電流パス(C)を示した説明図である。 上記実施形態の電流―電圧特性計測部1028における電流パス(D)を示した説明図である。 上記実施形態の計測制御部1023によるゲート制御信号生成回路のPWM復調回路を示す回路図である。 上記実施形態の計測制御部1023によるゲート制御信号生成回路を示す回路図である。 上記実施形態の切替部1025の回路図である。 上記実施形態の切替部1025の切替SWゲート制御信号生成回路図であり、(a)は切替SWゲート制御信号1生成回路、(b)は切替SWゲート制御信号2生成回路である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット1020の電流―電圧特性計測部1028のその他の回路図例2である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット1020における電流―電圧特性の計測処理の概要を示すシーケンス図である。 上記実施形態の計測制御部1023の内部電源電圧関係を示す模式図である。 上記実施形態のLDOレギュレータの回路図である。 本発明の第11の実施形態の太陽光発電システム1100の構成を示す概略図である。 上記実施形態の診断装置1110を示す機能ブロック図である。 上記実施形態の太陽光発電システム1100における異常検知処理の概要を示すシーケンス図である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット1120_mにおける異常検知処理の概要を示すシーケンス図である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット1110における異常検知処理の概要を示すシーケンス図である。 上記実施形態の異常検知部1150_mを示す機能ブロック図である。 上記実施形態の太陽光発電ユニット1120_mの状態遷移図である。
本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施形態の太陽光発電システム100の構成を示す概略図であり、図3は上記実施形態の太陽光発電ユニット20の電流―電圧特性計測部28の回路について、抵抗素子を3個使用した場合の1構成図である。また、図4は上記実施形態の太陽光発電ユニット20の切替部25の回路図であり、図5は上記実施形態の太陽光発電ユニット20の測定部22を示す機能ブロック図である。図7は上記実施形態の電流―電圧特性計測部28の電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフ制御シーケンス図であり、図8は上記実施形態の診断日時テーブルの概念図である。
太陽光発電システム100は複数の太陽光発電ユニット20と診断装置10と表示装置30から構成され、それぞれネットワークを介して接続される。
ここで太陽光発電ユニット20の構成、処理の流れに関して図を用いて説明する。
前記太陽光発電ユニット20は、太陽光エネルギーによって発電する発電装置であり、複数の太陽電池ストリング27,27,・・・、接続箱24、切替部25、パワーコンディショナ26、計測制御部23、電流―電圧特性計測部28、測定部22、通信部21、記憶部29から構成される。
前記太陽電池ストリング27は、光電効果により光エネルギーを電力に変換する太陽電池パネルモジュールを直列に複数接続したものであり、前記複数の太陽電池ストリング27,27,・・・は電力線を介して前記接続箱24に接続される。複数の太陽電池ストリング27,27,・・・には、個別管理のために、それぞれ固有の太陽電池ストリング番号がつけられている。
前記接続箱24は、前記太陽電池ストリング27,27,・・・で発電した電気エネルギーを集めるための機器であり、入力側は前記複数の太陽電池ストリング27,27,・・・に、出力側は前記切替部25と前記通信部21とに接続され、前記接続箱24に並列に接続された前記太陽電池ストリング27,27,・・・の電力線を1つにまとめて、前記切替部25を介して前記パワーコンディショナ26に電力を伝送する。また、前記切替部25を介して前記電流―電圧特性計測部28に接続されている場合は、前記電流―電圧特性計測部28に前記太陽電池ストリング27,27,・・・の電力を伝送する。また前記接続箱24は、太陽電池ストリング27の電流値をそれぞれ計測する電流計と、前記接続箱24から出力される電圧値を計測する電圧計、さらにデータ送信機能を有し、前記データ送信機能は計測した前記電流値と前記電圧値、太陽電池ストリング番号を前記通信部21に送信する。
前記パワーコンディショナ26は、複数の前記太陽電池ストリング27,27,・・・による直流の発電電力を交流電力に変換するための装置であり、入力側は前記切替部25に、出力側は電力系統40に接続され、前記接続箱24から伝送された直流の発電電力を交流電力に変換して前記電力系統40に電力を供給するとともに、伝送される電力の制御を行う。
前記切替部25は、前記接続箱24から伝送される電力を前記パワーコンディショナ26もしくは前記電流―電圧特性計測部28のどちらか一方に伝送するための切替スイッチであり、電磁開閉器MC01,MC02で構成される(図4)。前記計測制御部23からの指示により前記接続箱24と前記パワーコンディショナ26間の電磁開閉器MC01のオン/オフと前記接続箱24と前記電流―電圧特性計測部28間の電磁開閉器MC02のオン/オフの切替を行う。
図17(a)は前記切替部25の他の構成例を示す概略図である。
前記切替部25は、上述のような前記電磁開閉器MC01,MC02で構成される切替スイッチ(図4)でもよいし、前記接続箱24と前記電流―電圧特性計測部28間の接続は電磁開閉器MC02のオン/オフの切替(図17(a))によって行い、前記接続箱24と前記パワーコンディショナ26間の接続は、前記計測制御部23から前記パワーコンディショナ26に電流計・電圧計制御信号Aを送信し、前記電流計・電圧計制御信号Aによって、パワーコンディショナ26をスタンバイ状態としてもよい(図17(b))。
前記計測制御部23からの前記電流計・電圧計制御信号Aによるパワーコンディショナ26の制御方法を以下に説明する。
図17(b)は、前記パワーコンディショナ26内の電流計、電圧計の他の構成例を示す模式図である。
入力端子Pは前記接続箱24に接続され、出力端子N1は前記パワーコンディショナ26内のDC/DCコンバータに接続されている。また、出力端子N2,N3は、パワーコンディショナ26内のデジタル制御部に接続されている。電圧計の電圧計測値を0V(<<1)にするためのスイッチSW_1、電流計の電流計測値を0AにするためのスイッチSW_2を有する。
前記計測制御部23は、前記接続箱24と前記パワーコンディショナ26間の接続遮断するタイミングで、前記パワーコンディショナ26に前記電流計・電圧計制御信号Aを送信する。前記電流計・電圧計制御信号Aを受信した前記パワーコンディショナ26はスイッチSW_1,SW_2を閉じると、前記デジタル制御部に送信するための電圧計測値が0V(<<1)、電流計測値が0Aに固定される。0V(<<1)の電圧計測値、0Aの電流計測値を受信した前記デジタル制御部は、太陽電池ストリング27,27,・・・からの出力電力がないものと認識し、パワーコンディショナ26はスタンバイ状態を維持する。DC/DCコンバータは非動作状態になるため、パワーコンディショナへの入力抵抗は非常に高い状態が維持され、このことは接続箱とパワーコンディショナ間を実効的に電気的に遮断していることと等しくなる。これによって前記接続箱24と前記パワーコンディショナ26間の接続が切断されている状態と同じ状態を実現することが可能となる。
前記測定部22は前記太陽光発電ユニット20周辺の環境情報や現在時間を測定するためのものであり、前記太陽電池ストリング27,27,・・・に照射される日射量を計測する太陽光日射量計測部221と、前記太陽電池ストリング27,27・・周辺の温度を計測する温度計測部222と、現在日時や電流―電圧特性の計測時間を計測する計時部224から構成される(図5)。
前記計時部224は、マイクロコンピュータ等に搭載されている万年カレンダー機能を使用してもよい。
前記通信部21は、ネットワークを介して接続された前記診断装置10とデータの送受信や通信を行うためのものであり、前記接続箱24からの太陽電池ストリング番号、電圧値、電流値、そして前記測定部22からの日射量、温度、計測時間の計測データをネットワークを介して前記診断装置10に送信する。
また、前記計測制御部23から前記通信部21に電流―電圧特性計測フラグをオンにする開始指令があった場合に、開始指令以降に受信した太陽電池ストリング番号、電圧値、電流値、そして前記測定部22からの日射量、温度、計測時間等の計測データに対して、電流―電圧特性計測フラグをオンにしてセットし、ネットワークを介して前記診断装置10に送信する。また、前記計測制御部23から前記通信部21に電流―電圧特性計測フラグをオフにする終了指令があった場合は、終了指令以降に受信した太陽電池ストリング番号、電圧値、電流値、そして前記測定部22からの日射量、温度、計測時間等の計測データに対して、電流―電圧特性計測フラグをオフにしてセットし、ネットワークを介して前記診断装置10に送信する。
前記接続箱24の電圧値、電流値、前記測定部22からの日射量、温度、計測時間、電流―電圧特性計測フラグ等の計測データは取得するたびに逐次前記診断装置10に送信されている。
また診断装置10で決定された診断日時を受信し、前記診断日時を前記記憶部29に格納する。さらに前記診断装置10からの電流―電圧特性計測開始指令、電流―電圧特性計測完了指令を受信して前記計測制御部23に伝達することで、前記診断装置10から前記太陽光発電ユニット20を遠隔操作し、リアルタイムに電流―電圧特性を計測することも可能である。
前記電流―電圧特性計測部28は、前記太陽電池ストリング27,27,・・・の電流―電圧特性を計測するための回路(図3)であり、機械式リレー等の電磁開閉器(接続器)MC1〜MC7と抵抗素子(固定抵抗器)R1〜R3から構成される。またPおよびNは入出力側端子であり、前記接続箱24に接続される。
前記計測制御部23からの指示により前記切替部25を介して前記接続箱24と前記電流―電圧特性計測部28が接続され、前記電流―電圧特性計測部28に電流が流れる。前記計測制御部23の指示により前記電流―電圧特性計測部28の電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフを行い、前記電流―電圧特性計測部28内の抵抗値を変化させ、前記接続箱24内の電流値、電圧値を計測することで、電流―電圧特性用の計測データを作成することが可能となる。
ここでは、電磁開閉器7個(MC1〜MC7)、抵抗素子3個(R1,R2,R3)の構成について説明したが、抵抗素子の個数を限定するものではなく抵抗素子4個(R1,R2,R3,R4)、電磁開閉器9個(MC1〜MC9)で構成した場合や抵抗素子5個、電磁開閉器11個で構成した場合にも適用可能である。
また、機械式リレー等の電磁開閉器(接続器)と抵抗素子(固定抵抗器)を使用したが、パワーMOSFET、IGBT、サイリスタ、GTO、バイポーラパワートランジスタ等の複数個のパワー半導体素子を使用して、電流―電圧特性計測部28を形成してもよい。その場合は、前記パワー半導体素子への制御電圧を選択接続により変化させて抵抗値を選択し、変化する出力と変化させた抵抗値により得られたデータを使用して計測データを得ることも可能である。
前記記憶部29は、前記計測制御部23が使用するプログラムやデータが格納され、フラッシュメモリ等で構成される。電流―電圧特性を計測する診断日時291(図8)や、前記電流―電圧特性計測部28の電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフ制御シーケンス292(図7)が格納されている。
診断日時は前記診断装置10で決定され、前記通信部21を介して前記記憶部29に格納されるが、前記診断日時は診断日の日の出後または日の入り前の時間が設定される。前記記憶部29に格納された診断日時は前記診断装置10から新しい診断日時が送信されると古い診断日時は消去され、新しい診断日時に書きかえられる。
診断日時は、図8のように計測開始日時と計測継続時間で規定されていてもよいし、計測開始日時と計測終了日時で規定されていてもよい。また計測開始時間と計測終了時間のみ規定され、計測日に関しては1日ごと、3日ごと、1週間ごと、1ヶ月ごと、1年ごと等の規定でもよい。
前記計測制御部23は、前記記憶部29に格納された診断日時291と前記測定部22の前記計時部224の現在日時を参照し、診断を開始/終了する日時であることを判断して前記切替部25に切替指示を行うとともに、前記通信部21に対して電流―電圧特性計測フラグをオン/オフにする開始指令/終了指令を行う。
前記診断装置10から前記通信部21を介して電流―電圧特性計測開始指令や電流―電圧特性計測完了指令を受信した場合も、前記切替部25に切替指示を行うとともに、前記通信部21に対して電流―電圧特性計測フラグをオン/オフにする開始指令/終了指令を行う。
また、前記記憶部29に格納された電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフ制御シーケンス292を参照して前記制御シーケンス292に沿って前記電流―電圧特性計測部28の電磁開閉器MC1〜MC7の切替制御(オン/オフ指示)を行う。
ここで太陽光発電ユニット20における電流―電圧特性の計測処理に関して図6を用いて説明する。
図6は、上記実施形態の太陽光発電ユニット20における電流―電圧特性の計測処理の概要を示すシーケンス図である。
前記計測制御部23は、前記記憶部29に格納された診断日時291と前記測定部22の前記計時部224の現在日時を参照し、診断を開始する日時であることを判断した場合、もしくは、前記診断装置10から電流―電圧特性計測開始指令を受信した場合に前記切替部25に切替指示を行うとともに、前記通信部21に対して電流―電圧特性計測フラグをオンにする開始指令を行う。(S01)
前記切替部25は前記計測制御部23からの指示により、前記電磁開閉器MC01をオフ(開)とし、前記電磁開閉器MC02をオン(閉)することで、前記接続箱24と前記電流―電圧特性計測部28間を接続する(S02)。前記接続箱24と前記電流―電圧特性計測部28間を接続することで、前記太陽電池ストリング27,27・・からの電流が前記電流―電圧特性計測部28に流れる。
前記計測制御部23は前記記憶部29に格納された電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフ制御シーケンス292を参照して前記制御シーケンス292に沿って前記電流―電圧特性計測部28の電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフ指示を行う(S03)。
前記電流―電圧特性計測部28は前記計測制御部23の指示により電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフを行う(S04)。
前記接続箱24は電流値、電圧値を計測し、前記通信部21に前記電流値、前記電圧値を送信する(S05、S06)。
前記測定部22は前記太陽光日射量計測部221で計測された日射量、前記温度計測部222で計測された温度、前記計時部224で計時された計測時間を前記通信部21に送信する(S07)。
ここで前記接続箱24から送信される電流値、電圧値や、前記測定部22から送信される日射量、温度、計測時間は随時送信されており、電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフの切替タイミングとは非同期である。
前記通信部21は前記計測制御部23からの開始指令を受けて電流―電圧特性計測フラグをオンとし、ネットワークを介して電流―電圧特性用の計測データ(太陽電池ストリング番号、電流値、電圧値、日射量、温度、計測時間、電流―電圧特性計測フラグ等)のセットを診断装置10へ送信する(S012)。ここで、前記通信部21は前記計測制御部23からの開始指令から終了指令までの期間に受信した全ての計測データに対して、電流−電圧特性計測フラグをオンにする。また前記計測データは随時診断装置10へ送信されており、電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフの切替タイミングとは非同期である。
前記計測制御部23は、前記記憶部29に格納された診断日時291と前記測定部22の前記計時部224の現在日時を参照し、診断を完了する日時であることを判断した場合、もしくは前記診断装置10から電流―電圧特性計測開始指令を受信した場合に前記切替部25に切替指示を行うとともに、前記通信部21に対して電流―電圧特性計測フラグをオフにする終了指令を行う(S09)。
前記切替部25は前記計測制御部23からの指示により、前記電磁開閉器MC01をオン(閉)とし、前記電磁開閉器MC02をオフ(開)することで、前記接続箱24と前記パワーコンディショナ26間を接続する(S011)。
前記通信部21は前記計測制御部23からの終了指令を受けて、終了指令を受けた後に受信した計測データ(太陽電池ストリング番号、電流値、電圧値、日射量、温度、計測時間等)に対して電流―電圧特性計測フラグをオフとし、ネットワークを介して、通常稼動時の計測データ(太陽電池ストリング番号、電流値、電圧値、日射量、温度、計測時間、電流―電圧特性計測フラグ等)のセットを診断装置10へ送信する(S013)。
次に電流―電圧特性計測部28を使用した電流―電圧特性の計測の詳細および効果に関して図を用いて説明する。
図9は上記実施形態の時間tにおける入力端子P〜出力端子N間の抵抗を示す表であり、図10は上記実施形態の時間t1における電流―電圧特性計測部28の概略回路図である。図12は上記実施形態の日射量とパワーコンディショナの電力変換効率の関係を示すグラフであり、(a)は、縦軸が日射量で横軸が時間を示すグラフ、(b)は縦軸がPCS(パワーコンディショナ)電力変換効率で横軸が時間を示すグラフである。図13は、上記実施形態において抵抗素子4個で構成された電流―電圧特性計測部を用いた場合の電流―電圧特性用の計測データを示すグラフであり、縦軸が電圧値、横軸が電流値である。
図7の前記電流―電圧特性計測部28の電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフ制御シーケンス292は、縦軸が時間(t1〜t20)で、横軸は電磁開閉器MC1〜MC7がオン(ON)の状態であるかオフ(OFF)の状態であるかを示している。例えば、時間t1の時にMC1,MC4,MC7をオン(閉)状態とし、MC2,MC3,MC5,MC6をオフ(開)状態とすると(図10)、電流Iが抵抗素子R1にのみ流れ、入力端子P〜出力端子N間の抵抗値R=R1となる。
図9は上記実施形態の時間(t1〜t20)における入力端子P〜出力端子N間の抵抗を示しており、R1=R0、R2=2R0、R3=4R0と設定した場合の時間の変化における抵抗値の変化を表している。
図7、図9のように時間がt1,t2,t3,・・・,t20と変化するタイミングで電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフ状態を変化させると、前記電流―電圧特性計測部28の入力端子P〜出力端子N間の抵抗が変化する。例えば、R1=R0、R2=2R0、R3=4R0と設定した場合は、電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフ状態の切替制御により、入力端子P〜出力端子N間の抵抗値をR0、2R0、3R0、4R0、5R0、6R0、7R0、∞(電磁開閉器MC1〜MC7を全てオフ状態にした場合にR=∞(無限大)となる)と変化させることが可能となる。このように入力端子P〜出力端子N間の抵抗値を変化させながら電流値、電圧値を計測することで太陽電池ストリング27,27,・・・の電流―電圧特性用の計測データを得ることができる。
前記電流―電圧特性計測部28が抵抗素子4個(R1,R2,R3,R4)、電磁開閉器9個(MC1〜MC9)で構成されている場合も同様のオン/オフ制御シーケンスを設定することが可能であり、R1=R0、R2=2R0、R3=4R0、R4=8R0にすることで、前記電流―電圧特性計測部28の入力端子P〜出力端子N間の抵抗値をR0〜15R0に変化させることが可能となる。
また、パワーMOSFET、IGBT、サイリスタ、GTO、バイポーラパワートランジスタ等の複数個のパワー半導体素子を使用した場合は、前記パワー半導体素子への制御電圧を選択接続により変化させて抵抗値を選択し、変化する出力と変化させた抵抗値により得られたデータを使用して電流―電圧特性用の計測データを得ることも可能である。
電流―電圧特性用の計測を行う診断日時は前記診断装置10で決定され前記通信部21を介して前記記憶部29に格納されるが、前記診断日時は診断日の日の出後または日の入り前の時間が設定される。
日射量とPCS(パワーコンディショナ)電力変換効率(図12)は、日の出後等の日射量の少ない時間帯においては、太陽電池ストリングからの発電量が低いうえ、さらにパワーコンディショナの電力変換効率(太陽電池ストリングで発電された直流電力をパワーコンディショナが交流電力に変換する効率)も低い。よってこの時間帯に前記接続箱28と前記パワーコンディショナ26間を切断して、前記接続箱24と前記電流―電圧特性計測部28間を接続することで電流―電圧特性(I-V特性)の計測を実施しても、太陽光発電ユニット20の総発電量に影響を与えない。
さらに、一般的に太陽電池の出力電流は日射強度に比例するため、日の出後あるいは日の入り前の日射強度の変化が大きい時間帯に電流―電圧特性を測定すると、前記入力端子P〜出力端子N間の抵抗値を変化させなくても日射強度の違いにより前記接続箱24内で計測される電流値が変化し、ひとつの抵抗値で複数のデータ(電流値、電圧値)を取得することが可能となる(図13中の点線で囲んだデータ列)。電磁開閉器MC1〜MC7の切替が最小限で、かつ多数のデータを得ることができるため、精度のよい電流―電圧特性を得ることが可能となるうえ、電磁開閉器MC1〜MC7の煩雑な切替処理を最小限にすることが可能となる。
このように、総発電量に影響を与えない時間帯に日射強度の変化を利用して電流―電圧特性の計測を行うことが本発明の電流―電圧特性の計測の重要なポイントとなる。
電流―電圧特性の計測処理(診断日時を使用した計測処理)の詳細な流れに関して図を用いて説明する。
図11は、上記実施形態の計測制御部23における電流―電圧特性の計測処理(診断日時を使用した計測処理)の概要を示すフローチャートである。
前記計測制御部23は、前記記憶部29に格納された前記診断日時テーブル291から診断日時を取得(S101)し、計測開始時間かどうかを判断する(S102)。
計測開始時間である場合は、前記切替部25に切替指示を行い、前記接続箱28と前記パワーコンディショナ26間が切断され、前記接続箱24と前記電流―電圧特性計測部28間が接続される(S103)。また、前記計測制御部23は前記通信部21に対して電流―電圧特性計測フラグをオンにする開始指令を行う。計測開始時間でない場合は、計測開始時間になるまで待機状態とする。
前記計測制御部23は前記記憶部29から前記電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフ制御シーケンス292を取得(S105)し、時間tk(1回目はk=1)の前記電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフ状態を取得し、前記電磁開閉器MC1〜MC7にオン/オフ指示を行う(S106)。ここで、前記接続箱24から送信される電流値、電圧値は電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフの切替タイミングとは非同期であり、随時前記診断装置10に送信されている。
前記計測制御部23は計測完了時間かどうかを確認(S107)し、計測完了時間である場合は、前記切替部25に切替指示を行い、前記接続箱24と前記電流―電圧特性計測部28間が切断され、前記接続箱28と前記パワーコンディショナ26間が接続される(S108)。また、前記計測制御部23は前記通信部21に対して電流―電圧特性計測フラグをオフにする終了指令を行う。
計測完了時間でない場合は、前記電磁開閉器MC1〜MC7の切替時間間隔Δt=t(k+1)―tkが経過したかどうかを確認する(S109)。
ここで、切替時間間隔Δt=t(k+1)―tkが経過したかどうかを確認するために、前記計測制御部28は前記電磁開閉器MC1〜MC7にオン/オフ指示を行うタイミング(S106)から開始して経過時間tpをカウントしており、切替時間間隔Δt≦経過時間tpを確認することにより判別を行う。
切替時間間隔Δtが経過した場合は、時間tkをt(k+1)とし(S110)、経過時間tpを0にリセットする。
S105に戻り、S105からS110までを計測完了時間になるまで複数回繰返す。
次に電流―電圧特性の計測処理(診断装置10からの電流―電圧特性計測開始指令、電流―電圧特性計測完了指令による処理)の詳細な流れに関して図を用いて説明する。
図19は、上記実施形態の計測制御部23における電流―電圧特性の計測処理(診断装置10からの電流―電圧特性計測開始指令、電流―電圧特性計測完了指令による処理)の概要を示すフローチャートである。図19は図11の計測制御部23における電流―電圧特性の計測処理(診断日時を使用した計測処理)と重複するステップがあるため、同様の番号を付して重複する説明を省略する。
前記計測制御部23は、前記診断装置10から前記通信部21を介して電流―電圧特性計測開始指令を受信する(S301)。
S103からS106までを実行する。
前記計測制御部23は電流―電圧特性計測完了指令があった場合(S307)は、前記切替部25に切替指示を行い、前記接続箱24と前記電流―電圧特性計測部28間が切断され、前記接続箱28と前記パワーコンディショナ26間が接続される(S108)。また、前記計測制御部23は前記通信部21に対して電流―電圧特性計測フラグをオフにする終了指令を行う。
計測完了指令がない場合は、S109以降を実行する。
S105からS110までを電流―電圧特性計測完了指令を受信するまで複数回繰返す。
図14は、上記実施形態の抵抗値を変化させた場合の電圧の変化を示すグラフであり、縦軸が太陽電池ストリングの電圧、横軸が時間である。
図14は、時間tkのタイミングで前記電流―電圧特性計測部28の入力端子P〜出力端子N間の抵抗をR(k−1)からRkに、時間t(k+1)のタイミングで前記電流―電圧特性計測部28の入力端子P〜出力端子N間の抵抗をRkからR(k+1)に変更した場合の太陽電池ストリングの電圧の変化の一例であり、前記電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフ切替直後は前記電流―電圧特性計測部28の入力端子P〜出力端子N間の抵抗値が急に変化することによって電圧、電流が一定期間整定しない整定時間が存在する。よって、切替時間間隔Δtを十分に長く設定することによって、整定後のデータ(電流値、電圧値)を十分に取得できるようにする。さらに前記診断装置10ではデータ(電流値、電圧値)に対して適切なフィルタリング処理を行うことにより、整定時間中のデータや誤差の大きい異常なデータを省いて、より正確な電流―電圧特性を得ることができる。
次に診断装置10の構成、処理の流れに関して図を用いて説明する。
図2は上記実施形態の診断装置10を示す機能ブロック図である。
診断装置10は前記太陽光発電ユニット20から送信された計測データを使用して前記太陽電池ストリング27,27,・・・の劣化や故障の診断や予測を行い、また劣化や故障の診断結果によって電流―電圧特性用の計測を行う診断日時を決定する。前記診断装置10は、通信部11と記憶部12と演算部13と表示部14から構成される。
前記通信部11は、ネットワークを介して接続された前記太陽光発電ユニット20や前記表示装置30とデータの送受信や通信を行うためのものであり、前記太陽光発電ユニット20で計測された計測データをネットワークを介して受信し、順次前記記憶部12に格納する。
また前記記憶部12に格納された診断日時や、前記演算部13、前記表示部14からの電流―電圧特性計測開始指令と電流―電圧特性計測完了指令を前記太陽光発電ユニット20に送信する。
前記記憶部12に格納された診断結果を前記表示部14及び/または前記表示装置30に送信する。
前記記憶部12は、計測データ記憶部121、基準データ記憶部122、診断結果データ記憶部123、診断日時記憶部124から構成される。
前記計測データ記憶部121には、太陽光発電ユニット20で計測された計測データ(太陽電池ストリング番号、電圧値、電流値、日射量、温度、計測時間、電流―電圧特性計測フラグ等)のセットが蓄積される。前記計測データは前記太陽光発電ユニット20から順次送信されたものである。
前記基準データ記憶部122には、診断の基準となる基準用電流―電圧特性曲線と対応する日射量が太陽電池ストリング27,27,・・・ごとに格納される。前記基準用電流―電圧特性曲線は、前記太陽光発電ユニット20の初期設置時に計測した電流―電圧特性用の計測データを使用して作成されたものでもよいし、前記太陽電池ストリング27,27,・・・の性能値として事前に決められている電流―電圧特性曲線を使用してもよい。また前記基準用電流―電圧特性曲線は、電流値(Ik)と電圧値(Vk)の(Ik,Vk)のセットが多数格納された離散的なデータ群の形式で格納されていてもよいし、数式として格納されていてもよい。
前記診断結果データ記憶部123には、前記演算部13で診断された前記太陽電池ストリング27,27,・・・の診断結果データ(太陽電池ストリング番号,正常/異常の判定結果,診断用電流―電圧特性曲線,判定日時)が格納される。前記診断結果は太陽電池ストリング番号ごとに格納される。
前記診断日時記憶部124には、前記演算部13で決定された診断日時が格納される。前記太陽光発電ユニット20の前記記憶部29に格納された診断日時291(図8)と同様の形式で格納される。
前記表示部14は、前記太陽電池ストリング27,27,・・・の診断結果を表示する表示装置であり、これにより太陽光発電メーカー、保守点検業者に診断結果を通知することが可能となる。また、前記表示部14に備えられたユーザーインターフェース(マウス、キーボード等)によって各種設定/操作を行うことができ、具体的には診断日時等の設定や、表示されたボタン等を押下することによって手動で故障診断を太陽光発電ユニット20に指示することができる。
手動で故障診断を指示した場合は、前記表示部14から、前記太陽光発電ユニット20に電流―電圧特性計測開始指令、電流―電圧特性計測完了指令を送信することで、リアルタイムに電流―電圧特性を計測することが可能である。
前記演算部13は診断用電流―電圧特性曲線算出部131と判定部132と診断日時決定部133から構成される。
前記診断用電流―電圧特性曲線算出部131は、太陽電池ストリング27,27,・・・の状態を判定するために、所定期間の電流―電圧特性用の計測データを使用して前記太陽電池ストリング27,27,・・・の電流―電圧特性データを算出し、前記基準データ記憶部122に格納されている基準用電流―電圧特性曲線に対応する日射量で正規化することで診断用電流―電圧特性曲線を算出するものである。
診断用電流―電圧特性曲線算出部131の動作に関して図を用いて説明する。
図15は上記実施形態の太陽電池セルの等価回路を示す模式図であり、図16は上記実施形態の正規化された診断用電流―電圧特性曲線を示すグラフである。
前記太陽電池ストリング27は、縦Ns個、横Np個の太陽電池セルを有する太陽電池パネルモジュールをNROW個直列に接続したものであり、前記太陽電池ストリング27は前記接続箱24にNCOL個並列に接続されているものとする。太陽電池セルはダイオードと光の強さに応じて発生する定電流電源IPHで構成される等価回路(図15)で表される。
rsはセルで発生した電流を端子に集める結線の直列抵抗(シリーズ抵抗)であり、rpは太陽電池セルのpn接合部の流れ電流に起因する並列抵抗(シャント抵抗)である。この等価回路から太陽電池セルの両端子PNで観測される電流Iと電圧Vの関係は(数1)、(数2)のように表すことが可能となる。
ここで、Is0:ダイオード飽和電流、A:ダイオード理想因子(多結晶太陽電池セルの場合 A〜1.3)、k:ボルツマン定数(k=1.38×10−23J/K)、q:電子電荷(q=1.6×10−19C)、T:温度である。
(数1)、(数2)は太陽電池セルの場合の電流Iと電流Vの関係であるため、これを太陽電池ストリング27,27・・・(縦Ns個、横Np個の太陽電池セルを有する太陽電池パネルモジュールをNROW個直列に接続した前記太陽電池ストリング27を前記接続箱24にNCOL個並列に接続する)の電流Istringと電圧Vstringの関係に変形すると(数3),(数4),(数5)となる。
SC:セルの短絡電流、K:短絡電流の温度係数、T:セルの動作温度、TRef:セルの基準温度、λ:日射量比(日射量G(W/m)/基準日射量Gn(=10000W/m))である。
電流―電圧特性用の計測データのセットを電流値I_計測値、電圧値V_計測値、日射量比λ_計測値(日射量Gに日射量計測部221で計測された日射量の値を代入したもの)、温度T_計測値とし、正規化する日射量比の値をλ_正規化(日射量Gに正規化する日射量の値を代入したもの)として、正規化した診断用電流―電圧特性データI_正規化(数6)を算出する。
ここで、正規化する日射量の値は、前記基準データ記憶部122に格納されている基準用電流―電圧特性曲線に対応する日射量である。
まず、ratiоの導出方法を説明する。
ratiоは、通常稼動時の計測データである日射量比λk、温度Tk、電圧値Vk、電流値Ikを使用して、(数3),(数4),(数5)にVstring=電圧値Vk、λ=前記日射量比λk、T=前記温度Tkを代入し、Istring(λk,Tk,Vk)/Ik(数7)を計算し、ratiо(λk,Tk,Vk)を算出する。
そして、左辺を(数7)で導出した値とし、右辺を(数8)として、重回帰分析を行う。具体的には、一定期間の通常稼動時の計測データ(日射量比λk、温度Tk、電圧値Vk、電流値Ik(k=1〜N))を(数7)、(数8)に導入することで、係数{μ,a,b,c,d,e,f,g,h,i}を求める。
このように求められた係数{μ,a,b,c,d,e,f,g,h,i}を使用して、日射量比λ、温度T、電圧値Vの関数であるratiо(λ,T,V)を求める。
次に、診断用電流―電圧特性曲線を求める方法を説明する。
(数3),(数4),(数5),(数8)に電流―電圧特性用の計測データVstring=電圧値V_計測値、λ=λ_計測値、T=T_計測値を代入し、Istring(λ_計測値,T_計測値,V_計測値)、Istring(λ_正規化,T_計測値,V_計測値)、ratiо(λ_計測値,T_計測値,V_計測値)を計算し、(数7)によって診断用電流―電圧特性データI_正規化を求める。ここで、Istring(λ_正規化,T_計測値,V_計測値)は、日射量比λに正規化したい値の日射量比λ_正規化(ここでは、日射量Gに前記基準データ記憶部122に格納されている基準用電流―電圧特性曲線に対応する日射量を代入して導出したλを使用する)を代入し、温度Tと電圧値Vは(数6)の分子で使用したT_計測値,V_計測値を使用する。
そして、所定期間の複数の電流―電圧特性用の計測データを使用して上述と同様に電流値Vに対する診断用電流―電圧特性データI_正規化を算出することで、多数の{電圧値V,診断用電流―電圧特性データI_正規化}のセットを得ることができる。この多数の{電圧値V,診断用電流―電圧特性データI_正規化}のセットをグラフ化・曲線化することで診断用電流―電圧特性曲線(図16)を得ることができる。
前記正規化された診断用電流―電圧特性曲線は、前記診断用電流―電圧特性曲線は前記診断結果データ記憶部123に格納される。
このように日射量、温度、電圧値を変数として重回帰分析を行い、日射量で正規化を行うことで様々な日照条件や環境条件に依存しない正確な診断用電流―電圧特性曲線を算出することが可能となる。
ここでは、ratiоは、日射量、温度、電圧値を変数とした重回帰分析で求めたが、温度及び電圧の変化量が小さければ、計算を簡素化するために日射量を変数とした単回帰分析で求めてもよい。
前記判定部132は、前記診断用電流―電圧特性曲線算出部131で算出された前記診断用電流―電圧特性曲線と前記基準データ記憶部122に記憶された基準用電流―電圧特性曲線を比較し、時間の経過にしたがって前記診断用電流―電圧特性曲線が基準用電流―電圧特性曲線からどの程度乖離しているか算出し、乖離の度合いによって故障の有無を判定する。もしくは前記診断用電流―電圧特性曲線を蓄積し、その時系列変化の度合いによって前記太陽電池ストリング27,27,・・・の異常や劣化を判定する。判定結果は前記診断結果データ記憶部123に格納される。
また前記判定部132は、前記計測データ記憶部121に新たな電流―電圧特性用の計測データが格納されたことを判別し、前記診断用電流―電圧特性曲線算出部131に診断用電流―電圧特性曲線の算出指示を行う。ここで電流―電圧特性計測用のデータかどうかは電流−電圧特性用計測フラグがオンになっているかどうかで判断する。
前記判定部132で故障と判定された場合、前記通信部11は前記診断結果記憶部123に格納された診断結果を前記表示部14及び/または前記表示装置30に送信し、前記表示部14及び/または前記表示装置30に診断結果を表示する。前記表示部14及び/または前記表示装置30に表示することによって太陽光発電ユニットの所有者、太陽光発電メーカー、保守点検業者、プラント管理者に診断結果を通知することが可能となる。
ここで診断装置10での故障判定処理の流れに関して説明する。
図18は上記実施形態の診断装置10の故障判定処理の概要を示すシーケンス図である。
前記通信部11は、前記太陽光発電ユニット20から電流―電圧特性用の計測データのセットを受信すると、前記計測データ記憶部121に格納する(S201)。
前記判定部132は、前記計測データ記憶部121に電流―電圧特性用の計測データが格納されたことを確認すると、前記診断用電流―電圧特性曲線算出部131に診断用電流―電圧特性曲線を算出するように指示を行う(S202)。
前記診断用電流―電圧特性曲線算出部131は診断用電流―電圧特性曲線を算出する(S203)
前記診断用電流―電圧特性曲線算出部131は算出した診断用電流−電圧特性曲線を前記診断結果データ記憶部123に格納する(S204)。
前記判定部132は、前記診断結果データ記憶部123に格納された診断用電流―電圧特性曲線と前記基準データ記憶部122に記憶された基準用電流―電圧特性曲線を比較し、前記太陽電池ストリング27,27・・の故障の有無を判定し(S205)、診断結果を前記診断結果データ記憶部123に格納する(S206)。
前記通信部11は、前記診断結果データ記憶部123に記憶された診断結果データを前記表示部14及び/または前記表示装置30に送信する(S207)。
次に前記演算部13の前記診断日時決定部133について説明を行う。
前記診断日時決定部133は、前記太陽電池ストリング27,27,・・の故障診断を行う診断日時を決定するものである。
前記診断日時は、診断日と計測開始時間と計測完了時間から構成される。
診断日時は定期検査の目的で設定される日時と前記太陽電池ストリング27,27,・・・の状態によって緊急で診断を行う場合に設定される日時がある。
定期検査の目的で設定される診断日時に関して説明する。
計測開始時間は診断日の日の出時間を、計測完了時間は日の出時間から所定時間後を設定する。もしくは診断完了時間は日の入り時間を設定し、診断開始時間は日の入り時間から所定時間前を設定する。日の出時間と日の入り時間は診断日、観測地の位置(緯度,経度)、太陽の位置に関するデータ等から計算して導出してもよいし、日の出時間、日の入り時間のテーブルを読み込んで使用してもよい。
診断日は、定期検査として1日ごと、3日ごと、1週間ごと、1ヶ月ごと、1年ごと等設定される。
診断日時は前記表示部14から設定/変更することが可能である。
所定期間分の診断日時は前記診断日時記憶部124に格納されるとともに前記通信部11を介して前記太陽光発電ユニット20に送信され、送信された診断日時は、前記太陽光発電ユニット20の前記記憶部29に格納される。
前記太陽電池ストリング27,27,・・・の状態によって緊急で診断を行う場合に設定される診断日時に関して説明する。
前記判定部132において、前記太陽電池ストリング27,27,・・・が故障であると判定された場合、前記診断日時決定部133は、定期検査とは別に緊急に診断を行う診断日時を設定し、前記太陽光発電ユニット20に送信する。
緊急に診断を行う診断日時情報は事前に前記診断日時記憶部124に設定情報として格納されている。例えば故障と判定された場合は、日の出時間、日の入り時間に毎日診断を行う等の情報が格納されており、前記診断日時記憶部124に格納された診断日時は、前記故障と判定された場合に前記太陽光発電ユニット20に送信され、送信された診断日時は、前記太陽光発電ユニット20の前記記憶部29に格納される。
前述した方法は、前記太陽光発電ユニット20に格納されている診断日時を書き換えることによって、緊急に故障診断を行う方法であるが、前記判定部132において故障であると判定された場合に、前記判定部132から前記太陽光発電ユニット20に対して電流―電圧特性計測開始指令、電流―電圧特性計測完了指令を送信することによってリアルタイムに故障診断を行うことも可能である。
表示装置30は、前記太陽電池ストリング27,27,・・・の診断結果を表示する装置であり、液晶ディスプレイやパーソナルコンピュータ、携帯電話等の表示装置である。前記表示装置30によって太陽光発電ユニット購入者や太陽光発電メーカー、保守点検業者に診断結果を通知することが可能となる。
このように、本発明の太陽光発電システム、太陽光発電ユニットの診断方法および診断プログラムによれば、日の出時もしくは夕暮れ時等のシステムの運転開始時または停止時の弱光下の時間に太陽光発電ユニットの診断を行うことで太陽光発電を妨げることなく太陽電池ストリングの電流―電圧特性を計測することができる。
また本発明の太陽光発電システム、太陽光発電ユニットの診断方法および診断プログラムによれば、日の出時もしくは夕暮れ時の日射量の変化を利用して電流―電圧特性のための計測データを取得するため、少ない電力量で精度のよい電流―電圧特性を得ることができ、高い診断精度を提供することが可能となる。
そして本発明の太陽光発電システム、太陽光発電ユニットの診断方法および診断プログラムによれば、太陽電池ストリングの前記電流―電圧特性用の計測データを所定期間使用して故障診断を行うため、正確な診断結果を得ることができる。
(第2の実施の形態)
図20は本発明の第2の実施形態の太陽光発電システム200の構成を示す概略図であり、図21は上記実施形態の診断装置210を示す機能ブロック図である。図22は上記実施形態のパワーコンディショナ226の稼動/停止状況テーブルの概念図であり、図24は上記実施形態の診断日テーブルの概念図である。
第1の実施の形態の太陽光発電システム100では、前記診断装置20に設けられた診断日時決定部22によって診断日時を決定し、前記太陽光発電ユニット20に送信していたが、第2の実施形態の太陽光発電システム200では、太陽光発電ユニット220に設けられた診断日時決定部233によって診断日時を決定するものであり、その他の構成は第1の実施の形態と同様であるため、同一の構成については同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
太陽光発電システム200は複数の太陽光発電ユニット220と診断装置210と表示装置30から構成され、それぞれネットワークを介して接続される。
前記太陽光発電ユニット220は、複数の前記太陽電池ストリング27,27,・・・、前記接続箱24、前記切替部25、前記パワーコンディショナ226、前記計測制御部223、前記電流―電圧特性計測部28、前記測定部22、前記通信部21、前記記憶部229を有し、さらに前記診断日時決定部233を備える。
前記診断日時決定部233は、前記太陽電池ストリング27,27,・・の故障診断を行う診断日時を決定するもので、前記計測制御部223と接続される。前記診断日時決定部233は、前記パワーコンディショナ26の稼動/停止状況及び/又は前記測定部22に設けられた前記日射量計測部221の日射量の値によって日の出後または日の入り前の時間である診断日時を決定し、前記計測制御部223に計測指令/停止指令を送信する。
通常、パワーコンディショナは太陽電池ストリングの発電が低下し、パワーコンディショナへの直流入力電流が規定値以下となった場合はパワーコンディショナの運転を停止すると共に電力系統からパワーコンディショナの出力を切り離して、パワーコンディショナは待機状態となる。また太陽電池ストリングの発電が回復しパワーコンディショナへの直流入力電圧が正常に回復した場合は、パワーコンディショナを稼動後、パワーコンディショナは電力系統に接続して商用電力系統に電力を供給する。
よって、診断日近傍の一定期間のパワーコンディショナの稼動/停止状況がわかれば、診断日の日の出後または日の入り後の時間を決定することが可能となる。
前記パワーコンディショナ226は、入力側は前記切替部25に、出力側は電力系統40に接続され、前記接続箱24から伝送された直流の発電電力を交流電力に変換して前記電力系統40に電力を供給するとともに、伝送される電力の制御を行う。
さらに前記パワーコンディショナ226は、前記パワーコンディショナ226の稼動/停止状況を前記記憶部229に格納する(図22)。
前記記憶部229は、前記計測制御部23が使用するプログラムやデータが格納され、HDDまたはフラッシュメモリ等で構成される。電流―電圧特性を計測する診断日294(図24)や、前記電流―電圧特性計測部28の電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフ制御シーケンス292(図7)、前記パワーコンディショナ226の稼動/停止状況293(図22)が格納されている。
前記診断日294には計測日が格納され、例えば1日ごと、3日ごと、1週間ごと、1ヶ月ごと、1年ごと等一定期間ごとに行うように予め定めておく(図24)。
前記パワーコンディショナ226の稼動/停止状況293には、前記パワーコンディショナ226の停止時刻と稼動開始時刻が順次蓄積されている(図22)。
前記計測制御部223は、前記診断日時決定部233からの計測指令/停止指令により、前記切替部25に切替指示を行うとともに、前記通信部21に対して電流―電圧特性計測フラグをオン/オフにする開始指令/終了指令を行う。また前記診断装置10から前記通信部21を介して電流―電圧特性計測開始指令や電流―電圧特性計測完了指令を受信した場合も、前記切替部25に切替指示を行う。
また、前記記憶部229に格納された電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフ制御シーケンス292を参照して前記制御シーケンス292に沿って前記電流―電圧特性計測部28の電磁開閉器MC1〜MC7の切替制御(オン/オフ指示)を行う。
診断装置210は、通信部11と記憶部12と演算部113と表示部14から構成される。第1の実施の形態では、診断装置10は前記演算部13に診断日時決定部133と前記記憶部12に診断日時記憶部124を有していたが、第2の実施の形態では、前記診断装置210に診断日時決定部133と診断日時記憶部124は存在せず(図21)、前記太陽光発電ユニット220に診断日時を決定する診断日時決定部233が備えられている。よって、前記太陽光発電ユニット220と診断装置210とは前記通信部21、前記通信部11を介して診断日時のやり取りは行わない。その他の構成は第1の実施の形態と同様であるため、重複する説明を省略する。
ここで、前記診断日時決定部233の診断日時決定処理の流れに関して図を用いて説明する。
診断日時決定処理は、前記パワーコンディショナ226の稼動/停止状況293と予め定められた所定時間tpを使用して決定する場合(実施例2−1)と、前記パワーコンディショナ226の稼動/停止状況293と前記日射量計測部221で計測された日射量を使用する場合(実施例2−2)がある。
まず診断日時決定処理は、前記パワーコンディショナ226の稼動/停止状況293と計測を行う予め定められた所定時間tpを使用して決定する場合(実施例2−1)を説明する。
(実施例2−1)
図23は、上記実施形態の前記診断日時決定部233における診断日時決定処理の概要(実施例2−1)を示すフローチャートである。
前記記憶部229に格納されている前記診断日294と前記計時部224の現在日を参照し、診断日かどうかを判定する(S401)。
診断日である場合は、前記記憶部229に格納されている前記パワーコンディショナ226の稼動/停止状況293を参照し、診断日以前の予め定められた所定期間のパワーコンディショナの平均稼動開始時刻ts.aveを計算する(S402)。
現在時刻t=前記平均稼動開始時刻ts.ave−所定時間tpであるかどうかを判定する(S403)。前記所定時間tpには、電流―電圧特性用の計測を行う場合に必要な時間幅を予め設定しておく。
現在時刻t=前記平均稼動開始時刻ts.ave−所定時間tpである場合は、前記計測制御部223に計測指令を送信(S404)すると、電流―電圧特性用の計測が開始される。
現在時刻t=前記平均稼動開始時刻ts.aveであるかどうかを判定する(S405)。
現在時刻t=前記平均稼動開始時刻ts.aveである場合は、前記計測制御部223に停止指令を送信(S406)すると、電流−電圧特性用の計測が停止する。
S402では、所定期間の平均稼動開始時刻ts.aveを計算したが、平均稼動開始時刻ts.aveのかわりに前日の稼動開始時刻を使用してもよい。
また今回は稼動開始時刻(日の出後の時間)に計測、診断を行う場合を説明したが、停止時刻(日の入り前の時間)に計測、診断を行ってもよい。その場合は、平均停止時刻to.aveを計算し、平均停止時刻to.aveから前記平均停止時刻の所定時間tp後まで計測、診断を行う。
(実施例2−2)
図25は、上記実施形態の前記診断日時決定部233における診断日時決定処理の概要(実施例2−2)を示すフローチャートである。
前記記憶部229に格納されている前記診断日294と前記計時部224の現在日を参照し、診断日かどうかを判定する(S501)。
診断日である場合は、前記記憶部229に格納されている前記パワーコンディショナ226の稼動/停止状況293を参照し、診断日以前の予め定められた所定期間のパワーコンディショナの平均稼動開始時刻ts.aveを計算する(S502)。
全期日射量計測部221で計測された現在の日射量Jを参照し、現在の日射量J≧0か判定する(S503)。日射量Jの値が0よりも大きければ日の出が開始されたと判断する。
現在の日射量J≧0である場合は、前記計測制御部223に計測指令を送信(S504)すると、電流―電圧特性用の計測が開始される。
現在時刻t=前記平均稼動開始時刻ts.aveであるかどうかを判定する(S505)。
現在時刻t=前記平均稼動開始時刻ts.aveである場合は、前記計測制御部223に停止指令を送信(S506)すると、電流−電圧特性用の計測が停止する。
S502では、所定期間の平均稼動開始時刻ts.aveを計算したが、平均稼動開始時刻ts.aveのかわりに前日の稼動開始時刻を使用してもよい。
また今回は稼動開始時刻(日の出後の時間)に計測、診断を行う場合を説明したが、停止時刻(日の入り前の時間)に計測、診断を行ってもよい。その場合は、平均停止時刻to.aveを計算し、平均停止時刻to.aveから現在の日射量Jの値が0に近くなるまで計測を行う。
このようにパワーコンディショナ226の稼動/停止状況や日射量を使用して診断日時を決定するために、日の出時間および日の入り時間を精度よく設定することができ、太陽光発電を妨げることなく太陽電池ストリングの電流―電圧特性を計測することができる。
(第3の実施の形態)
図26は第3の実施形態の太陽光発電ユニット320の測定部22を示す機能ブロック図である。
第1の実施の形態の太陽光発電システム100において前記診断装置20の測定部22に日射量計測部221、温度計測部222、計時部224を備えていたが、第3の実施の形態の太陽光発電システム300では、前記測定部22にさらに降雪・積雪計測部225を備えたものであり、その他の構成は第1の実施の形態と同様であるため、同一の構成については同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
前記計測部22は、日射量計測部221、温度計測部222、計時部224、降雪・積雪計測部225で構成されている。
前記降雪・積雪計測部225は、前記太陽電池ストリング27,27,・・・上の雪(積雪)や降雪を計測する雪検知器であり、赤外線を用いて計測する雪検知器や水分や温度を検知することによって計測する雪検知器等、様々な雪検知器を使用することが可能である。
前記計測制御部23は、前記記憶部29に格納された診断日時291と前記測定部22の前記計時部224の現在日時を参照し、診断を開始する日時であることを判断した場合、前記降雪・積雪計測部225から現在の積雪・降雪情報を取得し、前記太陽電池ストリング27,27,・・・上に雪が積もっている、もしくは雪が降っている場合は、前記切替部25に切替指示を行わずに、電流―電圧特性用の計測を中止する。
電流―電圧特性の計測処理(降雪・積雪情報を使用した計測処理)の詳細な流れに関して図を用いて説明する。
図27は、上記実施形態の計測制御部23における電流―電圧特性の計測処理(降雪・積雪情報を使用した場合)の概要を示すフローチャートである。
前記計測制御部23は、前記記憶部29に格納された前記診断日時テーブル291から診断日時を取得(S601)し、計測開始時間かどうかを判断する(S602)。
計測開始時間である場合は、前記降雪・積雪計測部225から現在の降雪・積雪情報を取得し、前記太陽電池ストリング27,27,・・・上に雪が積もっている、もしくは雪が降っているかどうかを判定する(S603)。
前記太陽電池ストリング27,27,・・・上に雪が積もっている、もしくは雪が降っている場合は、計測処理を中止する。
前記太陽電池ストリング27,27,・・・上に雪が積もっておらず、かつ雪が降っていない場合は、計測処理を続行し、計測制御部23における電流―電圧特性の計測処理(診断日時を使用した計測処理)のS103からS110を実行する。
太陽電池ストリング上に雪が積もっている、もしくは降っている場合は、例え日射量があったとしても太陽電池ストリングからの発電は限りなくゼロに近くなるため、正確な電流―電圧特性用の計測データを取得することが不可能となる。よって、前記降雪・積雪計測部225からの降雪・積雪情報を使用することで、太陽電池ストリング上に積雪・降雪している場合は電流―電圧特性用の計測処理を停止し、不必要な計測データの取得を回避することが可能となる。
(第4の実施の形態)
図28は本発明の第4の実施形態の太陽光発電ユニット420の構成を示す概略図である。
第1,第2,第3の実施の形態の太陽光発電システム100,200,300では、太陽電池ストリング27,27,・・・の故障の診断を行っていたが、第4の実施形態の太陽光発電システム400では診断装置410の判定部4132において、太陽電池ストリング27,27,・・・の故障の診断に加えて、太陽光発電ユニット420の前記接続箱24内の地絡・短絡診断を行うものであり、その他の構成は第1,第2,第3の実施形態と同様であるため、同一の構成については同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
太陽光発電システム400は複数の太陽光発電ユニット420と診断装置410と表示装置30から構成され、それぞれネットワークを介して接続される。
前記太陽光発電ユニット420は、複数の太陽電池ストリング27,27,・・・、接続箱24、切替部25、パワーコンディショナ26、計測制御部423、電流―電圧特性計測部28、測定部22、通信部21、記憶部429から構成される。
前記接続箱24は、太陽電池ストリング27の電流値をそれぞれ計測する電流計と、前記接続箱24から出力される電圧値を計測する電圧計、さらにデータ送信機能を有し、前記データ送信機能は計測した前記電流値と前記電圧値、太陽電池ストリング番号等(計測データ)を前記通信部21に送信するとともに、前記接続箱24が前記パワーコンディショナ26および前記電流―電圧特性計測部28の両方と切断されている場合に、太陽電池ストリング番号と電流値のセット(接続箱データ)を送信する。
前記通信部21は、ネットワークを介して接続された前記診断装置410とデータの送受信や通信を行うためのものであり、前記接続箱24からの太陽電池ストリング番号、電圧値、電流値、そして前記測定部22からの日射量、温度、計測時間、電流―電圧特性計測フラグ等の計測データや、太陽電池ストリング番号と電流値と接続箱診断フラグのセットである接続箱データを前記診断装置410に送信する。
前記記憶部429は、前記計測制御部423が使用するプログラムやデータが格納され、はフラッシュメモリ等で構成される。電流―電圧特性を計測する診断日時291(図8)や前記電流―電圧特性計測部28の電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフ制御シーケンス292(図7)、また設定用のデータとして接続箱のデータを取得する接続箱データ取得時間tcが格納されている。
前記計測制御部423は、前記記憶部429に格納された診断日時291、前記測定部22の前記計時部224の現在日時、接続箱データ取得時間tcを参照し、診断を開始/終了する日時であることを判断して前記切替部25に切替指示を行うとともに、前記通信部21に対して電流―電圧特性計測フラグをオン/オフにする開始指令/終了指令を行う。前記診断装置10から前記通信部21を介して電流―電圧特性計測開始指令や電流―電圧特性計測完了指令を受信した場合も、前記切替部25に切替指示を行う。
また、前記記憶部429に格納された電磁開閉器MC1〜MC7のオン/オフ制御シーケンス292を参照して前記制御シーケンス292に沿って前記電流―電圧特性計測部28の電磁開閉器MC1〜MC7の切替制御(オン/オフ指示)を行う。
次に診断装置410の構成に関して図を用いて説明する。
図29は上記実施形態の診断装置410を示す機能ブロック図である。
診断装置410は前記太陽光発電ユニット420から送信された計測データ、接続箱データを使用して前記太陽電池ストリング27,27,・・・の劣化や故障の診断や接続箱の地絡・短絡の診断を行う。前記診断装置410は、通信部11と記憶部412と演算部413と表示部14から構成される。
前記通信部11は、ネットワークを介して接続された前記太陽光発電ユニット420や前記表示装置30とデータの送受信や通信を行うためのものであり、前記太陽光発電ユニット420で計測された電流―電圧特性用の計測データ、接続箱データをネットワークを介して受信し、順次前記記憶部412に格納する。
また前記記憶部412に格納された診断結果を前記表示部14及び/または前記表示装置30に送信する。
前記記憶部12は、計測データ記憶部121、基準データ記憶部122、診断結果データ記憶部4123、診断日時記憶部124、接続箱データ記憶部125から構成される。
前記診断結果データ記憶部4123には、前記演算部13で診断された前記太陽電池ストリング27,27,・・・の診断結果データ(太陽電池ストリング番号,正常/異常の判定結果,診断用電流―電圧特性曲線等)と接続箱の地絡・短絡の有無の結果が格納される。前記診断結果は太陽電池ストリング番号ごとに格納される。
前記接続箱データ記憶部125には、接続箱データ(太陽電池ストリング番号、電流値、接続箱診断フラグ)のセットが蓄積される。
前記表示部14は、前記太陽電池ストリング27,27,・・・や接続箱の地絡・短絡の診断結果を表示する表示装置であり、これにより太陽光発電メーカー、保守点検業者に診断結果を通知することが可能となる。
前記演算部413は診断用電流―電圧特性曲線算出部131と判定部4132と診断日時決定部133から構成される。
前記判定部4132は前記太陽電池ストリング27,27・・の故障の有無を判定するとともに、前記接続箱24の地絡・短絡の有無を判定する。
通常、接続箱24が前記パワーコンディショナ26および前記電流―電圧特性計測部28と切断されている場合、前記接続箱内に流れる電流値は0となる。よって前記接続箱24の地絡・短絡の有無の判定に関して、接続箱データの電流値が0近傍であるかどうかを判定し、0近傍でない場合は、前記接続箱24内の電路に何らかの地絡、あるいは前記接続箱24内に接続されている前記太陽電池ストリング27,27,・・・の端子に何らかの短絡が発生していると判断し、前記接続箱24の地絡・短絡有りと判定する。
前記判定部4132で地絡・短絡有りと判定された場合、前記通信部11は前記診断結果記憶部4123に格納された診断結果を前記表示部14及び/または前記表示装置30に送信し、前記表示部14及び/または前記表示装置30に診断結果を表示する。前記表示部14及び/または前記表示装置30に表示することによって太陽光発電ユニットの所有者、太陽光発電メーカー、保守点検業者所有者、太陽光発電メーカー、保守点検業者、プラント管理者に診断結果を通知することが可能となる。
(第5の実施の形態)
図30は本発明の第5の実施形態の太陽光発電システム500の構成を示す概略図である。
第1,第2,第3,第4の実施の形態の太陽光発電システム100,200,300,400は複数の太陽光発電ユニットと診断装置と表示装置から構成されていたが、本発明の第5の実施の形態の太陽光発電システム500はさらに故障予知診断装置540を備えたもので、その他の構成は第1,第2,第3,第4の実施形態と同様であるため、同一の構成については同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
太陽光発電システム500は太陽光発電ユニット20と診断装置510と表示装置30と故障予知診断装置540を備える。
診断装置510は通信部11と記憶部512と演算部513と表示部14から構成される。
前記演算部513はあらかじめ設定された時間帯に前記太陽光発電ユニット20から計測データ(太陽電池ストリング番号、電圧値、電流値、日射量、温度、計測時間、電流―電圧特性計測フラグ等)が送信されると、気象庁からの天気情報を取得し、あらかじめ設定された気象条件(晴れ、曇り等で雪は除く)に合致すれば、前記計測データを前記故障予知診断装置540に送信する。
前記故障予知診断装置540は、通信部541と記憶部542と演算部543から構成され、前記診断装置510から送信された前記計測データを前記通信部541が受信し、前記記憶部542に格納する。前記記憶部542に格納された前記計測データを使用して前記演算部543は故障予知診断を行い、故障が発生したと判断した場合は、前記診断装置510に診断結果{故障発生可能性有フラグ信号,対象ストリング番号}を送信し、前記診断装置510は前記表示部14に診断結果を表示する。前記診断結果を所有者、太陽光発電メーカー、保守点検業者、プラント管理者等が確認することによって、前記表示部14において前記ユーザーが適切な診断日時を設定することが可能となる。
前記演算部543の故障予知診断処理に関して説明を行う。
前記演算部543は、前記記憶部542に格納された計測データ(太陽電池ストリング番号、電圧値、電流値、日射量、温度、計測時間、電流―電圧特性計測フラグ)を使用して、(数3),(数4),(数5)を使用してIstringを演算し、(数9)を使用してΔIstringを算出する。
ここで計測データのセットを電流値I_計測値、電圧値V_計測値、日射量比λ_計測値、温度T_計測値とする。
前記太陽光発電ユニット20のパワーコンディショナ26は前記太陽電池ストリング27,27,・・・からの出力電力が最大になるようにMPPT制御を行うため、P=IVとすると、最大出力点では、(数10)を満たす。
したがって、前記太陽電池ストリング27,27,・・・が正常であれば、前記パワーコンディショナ26による制御によって(数11)を満たす。
よって、(数3)をVで微分して、(数10)、(数11)を代入すると(数12)となり、(数14)、(数15)を使用してΔVstringを算出する。
ここで、Vocは、開放端電圧である。
前記記憶部542に格納された計測データを使用して複数の{ΔIstring,ΔVstring}のデータを所定期間、前記記憶部542に蓄積する。所定期間ごとに横軸がΔIstring、縦軸がΔVstringの散布図を作成し、ΔIstringの分布プロファイル、ΔVstringの分布プロファイル、ΔIstring−ΔVstringの相関関係を求める。{ΔIstringの分布プロファイル、ΔVstringの分布プロファイル、ΔIstring−ΔVstringの相関関係}が継続的に同じ方向に変化するようであれば、前記太陽電池ストリング27,27・・・に故障が発生した可能性があると判定する。
このように故障予知診断装置540において、故障の予測が可能となるため早期に太陽電池ストリング27,27・・・の故障を発見することが可能となる。
ここでは、{ΔIstringの分布プロファイル、ΔVstringの分布プロファイル、ΔIstring−ΔVstringの相関関係}の時系列変化を使用して故障が発生した可能性の有無を判定していたが、各太陽電池ストリング27,27・・・における出力電力Pstring=Istring×V_測定値を算出し、出力電力Pstringの時系列データを生成する。時系列分析により、年単位で変化する“トレンド”を抽出し、この“トレンド”の分析によって各ストリングの実効出力電力が設定値よりも低下した場合、太陽電池ストリングに故障が発生した可能性があると判定してもよい。
(第6の実施の形態)
図31は本発明の第6の実施形態の太陽光発電ユニット620の切替部625の構成を示す概略図であり、(a)は接続箱内にスイッチSW_kがない場合の構成例、(b)は接続箱内にスイッチSW_kを追加した場合の他の構成例を示す。
第1,第2,第3,第4,第5の実施形態の太陽光発電ユニットでは、前記接続箱24に並列に接続された前記太陽電池ストリング27,27,・・・の電力線を1つにまとめた前記接続箱24の出力端子と切替部25が接続されていたが、本発明の第6の実施形態の太陽光発電ユニット620の切替部625は、前記切替部625の入力端子が各太陽電池ストリング27の電力線と接続されているものである。その他の構成は第1,第2,第3,第4,第5の実施形態と同様であるため、同一の構成については同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図31(a)では、前記切替部625は、前記太陽電池ストリング27_1,27_2,・・・27_k(k=1,・・・m(太陽電池ストリング数))の一部を前記電流―電圧特性計測部28に伝送するための切替スイッチであり、電磁開閉器MC08,MC09_1,MC09_2,・・・MC09_k(k=1,・・・m(太陽電池ストリング数))で構成される(図31)。
前記電磁開閉器MC08は、計測制御部423からの指示により前記接続箱424と前記パワーコンディショナ26間を接続/切断(オン/オフ)するための切替スイッチであり、前記電磁開閉器MC09_1,MC09_2,・・・MC09_kは、前記計測制御部423からの指示により各太陽電池ストリング27_kの電力線と前記電流―電圧特性計測部28間を接続/切断(オン/オフ)するための切替スイッチである。
前記電磁開閉器MC09_kは、電流―電圧特性用の計測処理を行う場合、前記計測制御部423からの指示により以下のように動作する。
k=1とする(S701)。
MC09_k(k=1)をオン(接続)、その他の電磁開閉器MC09_k(k≠1)をオフ(切断)し、MC09_kの入力端子Pkと出力端子Q間を接続する。そうすると前記電流―電圧特性計測部28に太陽電池ストリング27_kの電流のみが流れる(S702)。
次にk=k+1とする(S703)。
(S702)〜(S703)をk=mになるまで繰返す。
上述の動作の間、MC08はオン(接続)されており、前記接続箱424と前記パワーコンディショナ26間は接続されている。
前記計測制御部423は、途中で計測終了になった場合、前記記憶部29に正常終了したMC09_k,太陽電池ストリング27_k番号を記憶しておき、次回の計測時に次の計測順番であるMC09_k+1,太陽電池ストリング27_k+1から開始するように制御を行う。
また電力容量に余裕があれば、1回の計測において前記電流―電圧特性計測部28と複数の太陽電池ストリング27_kを接続することで、1回の計測で複数の太陽電池ストリング27_k分の電流を流すことも可能である。
例えば、
k=1とする(S801)。
MC09_kをオン(接続)、MC09_k+1をオン(接続)、その他の電磁開閉器をオフ(切断)し、MC09_k,MC09_k+1の入力端子Pk,Pk+1と出力端子Q間を接続する。そうすると前記電流―電圧特性計測部28に太陽電池ストリング27_k,27_k+1の電流が流れる(S802)。
次にk=k+2とする(S803)。
(S802)〜(S803)をk=m−1になるまで繰返す。
このように各太陽電池ストリング27_kの電流をそれぞれ前記電流―電圧特性計測部28に伝送することで、前記電流―電圧特性計測部28と接続されていない太陽電池ストリング27_kは前記パワーコンディショナ26に接続されて電力系統40に伝送されるため、電力容量を抑えることができるうえ、太陽光発電処理を停止する必要がない。
また各太陽電池ストリング27_kの電流をそれぞれ前記電流―電圧特性計測部28に伝送することで、1回の診断時間で全ての太陽電池ストリング27_kの計測が終了していない場合でも、次の計測時に計測が終了していない太陽電池ストリング27_kから計測を開始することが可能であるため、太陽電池ストリング27_kの全計測時間を短縮することが可能となる。
図31(b)は接続箱内にスイッチSW_kを追加した場合の他の構成例を示す概略図である。
図31(b)の構成例では、前記太陽電池ストリング27_1,27_2,・・・27_k(k=1,・・・m(太陽電池ストリング数))からの各電力線上にスイッチSW_1,SW_2,・・・SW_k(k=1,・・・m(太陽電池ストリング数))を追加配置したものであり、その他の構成は図31(a)の実施形態と同様であるため、重複する説明を省略する。
前記切替部625は、前記太陽電池ストリング27_1,27_2,・・・27_kの一部を前記電流―電圧特性計測部28に伝送するための切替スイッチであり、電磁開閉器MC08,MC09_1,MC09_2,・・・MC09_k(k=1,・・・m(太陽電池ストリング数))で構成される(図31(a)(b))。
前記電磁開閉器MC08、電磁開閉器MC09_k、スイッチSW_kは、電流―電圧特性用の計測処理を行う場合に、前記計測制御部423からの指示により、以下のように動作する。
MC08をオンする。(S901)
k=1とする(S902)。
SW_kをオフ(切断)、MC09_kをオン(接続)、その他の電磁開閉器MC09_kをオフ(切断)し、MC09_kの入力端子Pkと出力端子Q間を接続する。そうすると前記電流―電圧特性計測部28に太陽電池ストリング27_kの電流のみが流れるとともに、その他の太陽電池ストリング27,27,・・・は、パワーコンディショナ26に接続される(S903)。
次にk=k+1とする(S904)。
(S903)〜(S904)をk=mになるまで繰返す。
上述の動作の間、MC08はオン(接続)されており、前記接続箱424と前記パワーコンディショナ26間は接続されている。
前記計測制御部423は、途中で計測終了になった場合、前記記憶部29に正常終了したMC09_k,太陽電池ストリング27_k番号を記憶しておき、次回の計測時に次の計測順番であるMC09_k+1,太陽電池ストリング27_k+1から開始するように制御を行う。
また電力容量に余裕があれば、1回の計測において前記電流―電圧特性計測部28と複数の太陽電池ストリング27_kを接続することで、1回の計測で複数の太陽電池ストリング27_k分の電流を流すことも可能である。
例えば、
MC08をオンする。(S1001)
k=1とする(S1002)。
SW_kをオフ(切断)、MC09_kをオン(接続)、SW_k+1をオフ(切断)、MC09_k+1をオン(接続)、その他の電磁開閉器MC09_kをオフ(切断)し、MC09_k,MC09_k+1の入力端子Pk,Pk+1と出力端子Q間を接続する。そうすると前記電流―電圧特性計測部28に太陽電池ストリング27_k,27_k+1の電流が流れるとともに、その他の太陽電池ストリング27,27,・・・は、パワーコンディショナ26に接続される(S1003)。
次にk=k+2とする(S1004)。
(S1003)〜(S1004)をk=m−1になるまで繰返す。
このように各太陽電池ストリング27_kの電流をそれぞれ前記電流―電圧特性計測部28に伝送することで、前記電流―電圧特性計測部28と接続されていない太陽電池ストリング27_kは前記パワーコンディショナ26に接続されて電力系統40に伝送されるため、電力容量を抑えることができるうえ、太陽光発電処理を停止する必要がない。
また各太陽電池ストリング27_kの電流をそれぞれ前記電流―電圧特性計測部28に伝送することで、1回の診断時間で全ての太陽電池ストリング27_kの計測が終了していない場合でも、次の計測時に計測が終了していない太陽電池ストリング27_kから計測を開始することが可能であるため、太陽電池ストリング27_kの全計測時間を短縮することが可能となる。
(第7の実施の形態)
図32は本発明の第7の実施形態の太陽光発電システム700の構成を示す概略図である。
第1,第2,第3,第4,第5,第6の実施の形態の太陽光発電システム100,200,300,400,500,600は複数の太陽光発電ユニットと診断装置と表示装置または故障予知診断装置から構成されていたが、本発明の第7の実施の形態の太陽光発電システム700はさらに計測データ異常検知装置750を備えたもので、その他の構成は第1,第2,第3,第4,第5,第6の実施形態と同様であるため、同一の構成については同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
太陽光発電システム700は太陽光発電ユニット20と診断装置10と表示装置30と計測データ異常検知装置750を備える。
診断装置10は前記太陽光発電ユニット20から送信された計測データ(太陽電池ストリング番号、電圧値、電流値、日射量、温度、計測時間、電流―電圧特性計測フラグ等)の時系列のデータセットを所定のタイミングで前記計測データ異常検知装置750に送信する。また前記診断装置10は異常検知結果{計測データ異常検知フラグ信号,太陽電池ストリング番号,計測時間}を受信すると、対象となる計測データを診断用電流―電圧特性曲線算出処理のデータから除外する。
前記計測データ異常検知装置750は、通信部751と記憶部752と演算部753から構成され、前記診断装置10から送信された前記計測データを前記通信部751が受信し、前記記憶部752に格納する。前記記憶部752に格納された前記計測データを使用して前記演算部753は計測データの異常の有無を判定し、計測データに異常があると判断した場合は、前記診断装置10に異常検知結果{計測データ異常検知フラグ信号,太陽電池ストリング番号,計測時間等}を送信する。
前記演算部753の計測データ異常検知処理に関して説明を行う。
前記演算部753は、前記記憶部752に格納された計測データ(太陽電池ストリング番号、電圧値、電流値、日射量、温度、計測時間、電流―電圧特性計測フラグ)のセットを使用して、(数3),(数4),(数5)を使用してIstringを演算し、(数9)を使用してΔIstringを演算し、ΔIstringの時系列データΔIstring_tkのセットを算出する。
図33は、上記実施形態の計測データ異常検知装置750において演算されたΔIstring_tkのグラフ(縦軸がΔIstring、横軸が計測時間tk)である。
計測時間tkのΔIstring_tkは、計測データが正常である場合おおよそ同じ値をとる。図33のEのように一つ前の時刻であるt1のΔIstring_t1の値と比較してΔIstring_t2の値が急激に増大し、かつ一つ後の時刻であるt3のΔIstring_t3の値がΔIstring_t1の値近傍に戻る場合、ΔIstring_t2の値に異常があると検知することが可能となる。
前記演算部753は、異常があると検知されたΔIstringの計測データを電流―電圧特性曲線算出用のデータから除外するために異常検知結果{計測データ異常検知フラグ信号,太陽電池ストリング番号,計測時間}を前記診断装置10に送信する。前記診断装置10は異常検知結果{計測データ異常検知フラグ信号,太陽電池ストリング番号,計測時間}を受信すると、対象となる計測データを診断用電流―電圧特性曲線算出処理のデータから除外する。
このように計測データ異常検知装置750において計測データの異常を検知することで、精度のよい診断用電流―電圧特性曲線を得ることが可能となる。
また抵抗値を変化させた場合の電圧、電流が一定期間整定しない整定時間に取得した計測データに対しても、フィルタリング処理と前記計測データ異常検知装置750を合わせて使用することで前記整定時間に取得した計測データを完全に除去することが可能となる。
(第8の実施の形態)
図34は本発明の第8の実施形態の太陽光発電システム800の構成を示す概略図である。
本発明の第8の実施の形態の太陽光発電システム800は、第1,第2,第3,第4,第5,第6,第7の実施の形態の太陽光発電システム100,200,300,400,500,600,700と比較して、さらに診断装置810内に太陽光発電ユニット820_mの太陽光発電の出力を制御する発電量出力管理部8131を設けたものであり、その他の構成は第1,第2,第3,第4,第5,第6,第7の実施形態と同様であるため、同一の構成については同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
2012年施行の再生エネルギー買取制度によって、自然エネルギー(特に太陽光発電)の売電量が爆発的に増加した。そのため、天候によって各電力会社の電力網に流れる電力量が増減し、火力発電を主とする既存の発電所でこれらを抑え切れない系統崩壊という現象が発生する懸念がある。よって、2015年度の売買契約から、各電力会社が年間定められた時間分だけ自由に発電量の出力を制御(発電量出力抑制指令)できる条件が盛り込まれた。
本発明の太陽光発電システム800は、前記各電力会社からの発電量出力抑制指令に対応するものである。
太陽光発電システム800は、複数の太陽光発電ユニット820_m(m=1,2,・・・,M)と診断装置810と表示装置30から構成され、それぞれネットワークを介して接続される。さらに前記診断装置810はインターネットを介して電力会社等が設置した系統側サーバー60と接続され、前記系統側サーバー60からの出力抑制情報を受信する。
前記出力抑制情報とは、出力制限値、出力制限日等で構成される。
前記出力制限値とは、前記太陽光発電システム800の発電量の抑制量を示す値であり、前記太陽光発電システム800もしくは前記太陽光発電ユニット820_mの最大出力電力に対する割合(%)で規定されていることもあれば、出力電力の一定値で規定されていることもある。
また前記出力制限日は、前記出力制限値で規定される出力抑制を実施する日であり、前記出力制限値と出力制限日は電力会社等が気象情報や過去の需給情報から需給予測を行い、決定する。
前記系統側サーバー60は、電力会社等の商用電力系統が管理・運営するサーバーであり、前記診断装置810は前記系統側サーバー60からの前記出力抑制情報を受信する。
前記診断装置810は前記系統側サーバー60からの前記出力抑制情報を受信すると、前記出力抑制情報によって前記太陽光発電ユニット820_m(m=1,2,・・・,M)のうち、どの太陽光発電ユニット820_mを電力系統から遮断するか、どの太陽光発電ユニット820_mを電力系統に接続するかを決定し、遮断する場合には太陽光発電ユニット820_mに出力抑制要求信号を、接続する場合は出力抑制解除信号を送信する。
前記太陽光発電ユニット820_mは前記出力抑制要求信号を受信すると、前記太陽光発電ユニット820_mと電力系統との接続を遮断し、前記出力抑制解除信号を受信すると、前記太陽光発電ユニット820_mと電力系統との再接続を行う。
ここで、本発明の診断装置810の出力抑制要求処理に関して説明を行う。
図36は上記実施形態の診断装置810を示す機能ブロック図である。
前記診断装置810は演算部813にさらに発電量出力管理部8131を、記憶部812にはさらに出力抑制情報記憶部8121を備え、前記系統側サーバー60から前記通信部11を介して前記出力抑制情報を受信すると、前記記憶部812の出力抑制情報記憶部8121に前記出力抑制情報を記憶する。
そして、前記発電量出力管理部8131は、前記診断装置810が前記出力抑制情報を受信すると、どの前記太陽光発電ユニット820_mと電力系統との接続を遮断するか、接続を再開するかの決定を行う。
例えば、前記発電量出力管理部8131は、送信された前記出力制限値を使用して前記太陽光発電システム800が電力系統に出力可能な出力電力W_outputを計算する。そして、前記発電量出力管理部8131は各太陽光発電ユニット820_mから送信され、前記記憶部821に記憶された計測データ(太陽光発電ユニット番号、太陽電池ストリング番号、電圧値、電流値、日射量、温度、計測時間、電流―電圧特性計測フラグ等)を参照し、前記太陽光発電ユニット820_mの出力電力W_mを各々計算し、全ての太陽光発電ユニット820_mの出力電力W_mを加算した総出力電力W_totalを計算する。W_total―W_outputを計算し、W_total―W_output≦0の場合は、全ての太陽光発電ユニット820_mに対して出力抑制解除信号を送信することで全ての太陽光発電ユニット820_mと電力系統との接続を行う。
W_total―W_output>0の場合は、W_totalとW_outputの差分の出力電力と各太陽光発電ユニット820_mの出力電力W_mを考慮して、どの太陽光発電ユニット820_mと電力系統との接続を遮断するか、接続を再開するかの決定を行う。前記決定処理は、例えば太陽光発電ユニット820_mの全ての組み合わせにおいて、組み合わせで選択された太陽光発電ユニット820_mの電力W_mを加算し、加算された総電力量W_total’が電力系統に出力可能な出力電力W_output≧総電力量W_total’で、かつ一番W_outputに数値が近い総電力量W_total’を選択する。そして、前記総電力量W_total’の組み合わせで選択された太陽光発電ユニット820_mを電力系統と接続する太陽光発電ユニット820_yとして決定する。具体例を挙げると、3つの太陽光発電ユニット820_1,820_2,820_3がネットワークに接続されていた場合、太陽光発電ユニットの組み合わせは{820_1(総電力量W_total’=1kW)},{820_2(総電力量W_total’=0.8kW)},{820_3(総電力量W_total’=0.6kW)},{820_1,820_2(総電力量W_total’=1.8kW)},{820_1,820_3(総電力量W_total’=1.6kW)},{820_2,820_3(総電力量W_total’=1.4kW)},{820_1,820_2,820_3(総電力量W_total’=2.4W)}の7通りある。電力系統に出力可能な出力電力がW_output=1.7kWである場合、前記7通りの組み合わせのうち、総電力量W_total’が、W_output≧W_total’で、かつW_outputに一番近い数値である組み合わせは{820_1,820_3(総電力量W_total’=1.6kW)}であるため、太陽光発電ユニット820_1,820_3を電力系統と接続し、太陽光発電ユニット820_2を電力系統から切断すると決定する。
そして、電力系統との接続を遮断すると決定された太陽光発電ユニット820_n(nは0<n≦Mの間の整数であり、接続を遮断すると決定された太陽光発電ユニットの番号)に対しては出力抑制要求信号を送信し、電力系統との接続を行うと決定された太陽光発電ユニット820_y(yは0<y≦Mの間の整数であり、電力系統と接続すると決定された太陽光発電ユニットの番号)に対しては、出力抑制解除信号を前記通信部11を介して送信する。ここで、前記出力抑制情報として出力制限日が規定されている場合は、前記出力制限日に合わせて前記出力抑制要求信号/出力抑制解除信号を各太陽光発電ユニット820_mに対して送信する。
次に、本発明の太陽光発電ユニット820_mの出力抑制処理に関して説明を行う。
図35は上記実施形態の太陽光発電ユニット820_mの切替部825_mの回路図である。
前記太陽光発電ユニット820_m(m=1,2,・・・,M)は、複数の太陽電池ストリング27,27,・・・、接続箱24、切替部825_m、パワーコンディショナ26、計測制御部823_m、電流―電圧特性計測部28、測定部22、通信部21、記憶部29から構成される。
前記計測制御部823_mは、電流―電圧特性計測用のデータを取得するための前記切替部825_mと前記電流―電圧特性計測部28への切替指示や電流―電圧特性計測フラグをオン/オフする指示に加えて、前記診断装置810からの出力抑制要求信号/出力抑制解除信号を受信すると、前記切替部825_mに対し、前記接続箱24と前記パワーコンディショナ26間の電磁開閉器MC801_mのオン/オフ指示を行う。
前記切替部825_mは、前記接続箱24から伝送される電力を前記パワーコンディショナ26もしくは前記電流―電圧特性計測部28に伝送するもので、前記接続箱24と前記パワーコンディショナ26間の電力線、前記接続箱24と前記パワーコンディショナ26の間から分岐して前記電流―電圧特性計測部28に接続される電力線、前記分岐から前記電流―電圧特性計測部28間に設けられた電磁開閉器MC02、前記接続箱24と前記パワーコンディショナ26の間に設けられた電磁開閉器MC801_mから構成される。前記計測制御部823_mからの指示により前記接続箱24と前記パワーコンディショナ26間の電磁開閉器MC801_mのオン/オフと前記接続箱24と前記電流―電圧特性計測部28間の電磁開閉器MC02のオン/オフを行う。
前記切替部825_mの切替処理に関して、図を用いて説明を行う。
図37は太陽光発電ユニット820_mの切替部825_mの状態遷移表である。
前記計測制御部823_mは、前記診断装置810から前記出力抑制要求信号を受信すると、電磁開閉器MC801_mをオフ(開)するように前記切替部825_mに指示を行う。前記電磁開閉器MC801_mがオフ(開)されると、前記接続箱24と前記パワーコンディショナ26間が切断され、太陽光発電ユニット820_mと電力系統との接続が遮断される。
また前記計測制御部823_mが、前記診断装置810から前記出力抑制解除信号を受信すると、電磁開閉器MC801_mをオン(閉)するように前記切替部825_mに指示を行う。前記電磁開閉器MC801_mがオン(閉)されると、前記接続箱24と前記パワーコンディショナ26間が接続され、太陽光発電ユニット820_mと電力系統とが接続されるため、発電された電力を電力系統に供給することが可能となる。ただし、前記計測制御部823_mが前記出力抑制解除信号を受信した際に電流―電圧特性の計測を行ってる場合(前記切替部825_mの電磁開閉器MC02がオン(閉)になっている場合)は、前記電流―電圧特性の計測が終了し、前記切替部825_mの電磁開閉器MC02に対してオフ(開)の指示を行ってから、前記電磁開閉器MC801_mをオン(閉)するように前記切替部825_mに指示を行う。
次に本発明の太陽光発電システム800全体の出力抑制処理に関して、図を用いて説明を行う。図38は上記実施形態の太陽光発電システム800における出力抑制処理の概要を示すシーケンス図である。
前記診断装置810は、前記系統側サーバー60からの出力抑制情報を受信する(S1101)。
前記診断装置810の発電量出力管理部8131は、前記出力抑制情報からどの太陽光発電ユニット820_mと電力系統との接続を遮断するか、接続を再開するかの決定を行う(S1102)。
前記発電量出力管理部8131は、電力系統との接続を遮断すると決定された太陽光発電ユニット820_n(nは0<n≦Mの間の整数であり、接続を遮断すると決定された太陽光発電ユニットの番号)に対しては前記出力抑制要求信号を前記通信部11を介して送信する(S1103)。
前記出力抑制要求信号を受信した前記太陽光発電ユニット810_nの計測制御部823_nは、切替部825_nに対して電磁開閉器801_nをオフ(開)するように指示する(S1104)。
前記切替部825_nは、電磁開閉器801_nをオフ(開)する(S1105)。
電力系統と切断すると決定した太陽光発電ユニット820_n全てに対して、(S1103)―(S1105)の処理を行う。
また前記発電量出力管理部8131は、電力系統との接続を行うと決定された太陽光発電ユニット820_y(yは0<y≦Mの間の整数であり、電力系統と接続すると決定された太陽光発電ユニットの番号)に対しては、出力抑制解除信号を前記通信部11を介して送信する(S1106)。
前記出力抑制解除信号を受信した前記太陽光発電ユニット810_yの計測制御部823_yは、切替部825_yに対して電磁開閉器801_yをオン(閉)するように指示する(S1107)。
前記切替部825_yは、電磁開閉器801_yをオン(閉)する(S1108)。
電力系統と接続すると決定した太陽光発電ユニット820_y全てに対して、(S1106)―(S1108)の処理を行う。
ここで前記電磁開閉器801_n,801_yのオン/オフの切替タイミングは、上述のようなあらかじめ定められた順序に従って切替を逐次進めていくシーケンス制御でもよいし、全ての電磁開閉器801_n,801_yのオン/オフの切替を同時に行う同時制御を行ってもよい。
このように、電力会社から発電量出力抑制指令が行われた場合でも、診断装置により使用する太陽光発電ユニットを決定し、切替部825_mの切替で電力系統に接続する太陽光発電ユニットを決定することが可能であるため、発電量出力抑制指令に対応したパワーコンディショナを新たに購入する必要がなく、既存のパワーコンディショナを使用して各電力会社からの前記発電量出力抑制指令に対応することが可能となる。各電力会社から前記発電量出力抑制指令が送信された場合でも、簡単かつ安価に太陽光発電システムを導入することが可能となる。
なお、本実施例は、図34のシステム構成に限定されるものではなく、1台のパワーコンディショナが複数の太陽光発電ユニットで共有化される、例えば、図53ようなシステム構成の場合にも適用できるものである。
(第9の実施の形態)
図39は本発明の第9の実施形態の太陽光発電システム900の構成を示す概略図である。
第8の実施の形態の太陽光発電システム800は、前記切替部825_mの前記電磁開閉器MC801_mのオン/オフによって、電力系統と各太陽光発電ユニット820_mとの接続の切替を行っていたが、本発明の第9の実施の形態の太陽光発電システム900は、パワーコンディショナ926_m内に発電量を抑制する電流計測値変換回路9261_mを設けることで、電力会社からの発電量出力抑制指令に対応するものであり、その他の構成は第1,第2,第3,第4,第5,第6,第7,第8の実施形態と同様であるため、同一の構成については同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
太陽光発電システム900は、複数の太陽光発電ユニット920_m(m=1,2,・・・,M)と診断装置910と表示装置30から構成され、それぞれネットワークを介して接続される。さらに前記診断装置910はインターネットを介して電力会社等が設置した系統側サーバー60と接続され、前記系統側サーバー60からの出力抑制情報を受信する。
前記系統側サーバー60は、電力会社等の商用電力系統が管理・運営するサーバーであり、前記診断装置910は前記系統側サーバー60からの前記出力抑制情報を受信する。
前記診断装置910は、前記出力抑制情報を受信すると、前記出力抑制情報に従って、前記太陽光発電ユニット920_mの発電量(出力電力)をどのくらいの量(抑制出力電力Woutputの最大値Woutput_mppt)に抑制するのか、そして前記抑制出力電力量(抑制出力電力Woutputmの最大値Woutput_mppt)に対応する前記抑制出力電力用の最大出力動作電圧Voutput_mpptと抑制出力電力用の最大出力動作電流Ioutput_mpptを算出し、後述する前記太陽光発電ユニット920_mの前記電圧クランプ回路92611_mが使用するクランプ電圧Vclampを計算し、前記クランプ電圧Vclampと出力抑制要求信号を前記太陽光発電ユニット920_mに送信する。
前記太陽光発電ユニット920_mは前記クランプ電圧Vclampと前記出力抑制要求信号を受信すると、パワーコンディショナ926_m内にある電流計測値変換回路9261_mを使用して、前記太陽光発電ユニット920_mから電力系統へ出力される出力電力を抑制し、抑制出力電力量(抑制出力電力Woutputの最大値Woutput_mppt)となるように制御を行う。
なお、本実施例は、図39のシステム構成に限定されるものではなく、1台のパワーコンディショナが複数の太陽光発電ユニットで共有化される、例えば、図54に示すようなシステム構成の場合にも適用できるものである。
この場合、前記太湯光発電ユニット920_m全ての最大出力電力に対する、抑制出力電力量(Woutputの最大値Woutput_mppt)に対応する、抑制出力電力用の最大出力動作電圧Voutput_mpptと最大出力動作電流Ioutput_mpptを算出し、共有化される1台のパワーコンディショナ内に配置される後述される電流計測値変換回路内の電圧クランプ回路が使用するクランプ電圧Vclampallを計算し、パワーコンディショナに送信する。
以下、説明を簡単にするため、図39のシステム構成の場合に関して説明を行う。
ここで、本発明の診断装置910の出力抑制要求処理に関して説明を行う。
図41は上記実施形態の診断装置910を示す機能ブロック図である。
前記診断装置910は演算部913に発電量出力管理部9131を備える。
前記発電量出力管理部9131は、前記系統側サーバー60からの前記出力抑制情報を受信すると、前記出力抑制情報から各太陽光発電ユニット920_m(m=1,2,・・・,M)が抑制して出力する発電量である抑制出力電力Woutputの最大値Woutput_mpptを計算する。そして、前記抑制出力電力Woutputの最大値Woutput_mpptに対応する抑制出力電力用の最大出力動作電圧Voutput_mpptと抑制出力電力用の最大出力動作電流Ioutput_mpptを算出する。そして、(数16)を使用してクランプ電圧Vclampを導出する。
ここで、Vclampはクランプ電圧[V]であり、Κは電流―電圧変換係数[V/A]で、前記パワーコンディショナ926_m内の電流計からの出力アナログ信号である電圧信号VIPV0(電流値Ipv0に比例)は、VIPV0=Κ×Ipv0で与えられる。電流―電圧変換係数Kは、予め前記診断装置910の記憶部812に格納されているものとする。Ioutput_mpptは抑制出力電力用の最大出力動作電流[A]である。
前記クランプ電圧Vclampと出力抑制要求信号を前記太陽光発電ユニット920_mに送信する。ここで、前記出力抑制情報として出力制限日が規定されている場合は、前記出力制限日に合わせて前記クランプ電圧Vclampと前記出力抑制要求信号を各太陽光発電ユニット920_mに対して送信する。
前記抑制出力電力用の最大出力動作電圧Voutput_mpptと前記抑制出力電力用の最大出力動作電流Ioutput_mpptの算出方法を図を用いて説明する。
図40は太陽電池ストリングの出力特性を示したグラフであり、(a)は横軸が出力電圧[V]、縦軸が出力電力[W]で、(b)は横軸が出力電圧[V]、縦軸が出力電流[A]である。
通常、パワーコンディショナは太陽電池ストリングからの不安定な電流と電圧を常にコントロールして最大の電力を取り出すため、デジタル制御部においてMPPT制御(電力点追従制御)を行う。MPPT制御では、前記太陽電池ストリングからの出力電力Wmが最大値Wm_mpptとなるように制御を行い、前記出力電力Wmの最大値Wm_mpptに対応する最大出力動作電流Im_mpptと最大出力動作電圧Vm_mpptを決定する。
出力抑制要求処理において、前記出力抑制情報の出力制限値が例えば「最大出力電力の25%」である場合、前記発電量出力管理部9131は各太陽電池ストリング27,27,・・・の出力特性を利用して通常の出力電力の最大値Wm_mpptから25%減少した抑制出力電力Woutputの最大値Woutput_mpptを求める。そして、前記各太陽電池ストリング27,27,・・・の出力特性から、前記抑制出力電力Woutputの最大値Woutput_mpptに対応する抑制出力電力用の最大出力動作電圧Voutput_mpptと抑制出力電力用の最大出力動作電流Ioutput_mpptを決定する(図40(a),(b))。
算出された抑制出力電力用の最大出力動作電流Ioutput_mpptと(数16)を使用してクランプ電圧Vclampを導出する。
前記発電量出力管理部9131は、前記系統側サーバー60から前記出力抑制情報を受信すると、前記太陽光発電ユニット920_mごとに前記クランプ電圧Vclampを算出し、算出された前記クランプ電圧Vclampと前記出力抑制要求信号を各太陽光発電ユニット920_mに送信する。
今回、出力制限値を「最大出力電力の25%」のように出力制限値は最大出力電力に対する割合(%)で規定したが、出力制限値が出力電力の一定値で規定されている場合は、前記抑制出力電力の最大値Woutput_mppt=出力制限値(出力電力の一定値)とし、前記各太陽電池ストリング27,27,・・・の出力特性から、前記抑制出力電力の最大値Woutput_mpptに対応する抑制出力電力用の最大出力動作電圧Voutput_mpptと最大出力動作電流Ioutput_mpptを算出し、クランプ電圧Vclampを導出する。
各太陽電池ストリング27,27,・・・の出力特性は、電流―電圧特性用の計測データから算出してもよいし、前記太陽電池ストリング27,27,・・・の性能値として事前に決められている出力特性を使用してもよい。
図42は上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mの切替部925_mの回路図である。
前記太陽光発電ユニット920_m(m=1,2,・・・,M)は、複数の太陽電池ストリング27,27,・・・、接続箱24、切替部925_m、パワーコンディショナ926_m、計測制御部923_m、電流―電圧特性計測部28、測定部22、通信部21、記憶部29から構成される。
前記計測制御部923_mは、電流―電圧特性計測用のデータを取得するための前記切替部925_mと前記電流―電圧特性計測部28への切替指示や電流―電圧特性計測フラグをオン/オフする指示に加えて、パワーコンディショナ926_m内の電磁開閉器MCPC_1や電流計測値変換回路9261_mの電磁開閉器MCPC_2,MCPC_3,MCPC_4,MCPC_5,MCPC_6,MCPC_7,MCPC_8のオン/オフ制御を行う。また、前記計測制御部923_mは前記診断装置910から受信した前記クランプ電圧Vclampmを前記電流計測値変換回路9261_m内の電圧クランプ回路92611_mに送信する。
前記切替部925_mは、前記接続箱24から伝送される電力を前記パワーコンディショナ926_mもしくは前記電流―電圧特性計測部28に伝送するもので、前記接続箱24と前記パワーコンディショナ926_m間の電力線、前記接続箱24と前記パワーコンディショナ926_mの間から分岐して前記電流―電圧特性計測部28に接続される電力線、そして前記分岐点から前記電流―電圧特性計測部28間に設けられた電磁開閉器MC02から構成される。前記計測制御部923_mからの指示により前記接続箱24と前記電流―電圧特性計測部28間の電磁開閉器MC02のオン/オフを行う。
図43は、上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mのパワーコンディショナ926_m内の電流計、電圧計周辺の構成例を示す模式図である。
パワーコンディショナ926_mの入力端子Pは前記接続箱24に接続され、出力端子N1は前記パワーコンディショナ926_m内のDC/DCコンバータに接続されている。また、電圧計とアナログ信号線で接続される出力端子N3は、パワーコンディショナ926_m内のデジタル制御部に接続されている。また電流計からのアナログ信号線は電流計測値変換回路9261_mの入力端子N4と接続され、前記電流計測値変換回路9261_mの出力端子N5は出力端子N2とアナログ信号線で接続され、前記出力端子N2はパワーコンディショナ926_m内のデジタル制御部に接続されている。また電圧計の電圧計測値を0V(<<1)にするための電磁開閉器MCpc_1が電圧計と前記出力端子N3間から分岐したアナログ信号線に設けられている。
図44は、上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mのパワーコンディショナ926_m内の電流計測値変換回路9261_mの構成例を示す模式図である。
前記電流計測値変換回路9261_mは、(ア)電流―電圧特性計測用のデータ取得状態、(イ)通常稼動状態、(ウ)出力電力抑制状態、この(ア)、(イ)、(ウ)の状態ごとに異なる変換電圧信号VIPVを出力端子N2からデジタル制御部に出力する回路であり、前記電磁開閉器MCPC_2,MCPC_3,MCPC_4,MCPC_5,MCPC_6,MCPC_7,MCPC_8の切替によって実現する。
前記電流計測値変換回路9261_mは、電流計からのアナログ信号線が入力端子N4に接続され、出力端子N5はデジタル制御部に接続される出力端子N2とアナログ信号線で接続されている。
前記電流計測値変換回路9261_mの入力端子N4には電流計で計測した電流計測値に比例した電圧信号VIPV0が入力され、前記電流計測値変換回路9261_mは前記(ア)、(イ)、(ウ)の状態および前記入力された電圧信号VIPV0の値によって、前記入力された電圧信号VIPV0の値を変換電圧信号VIPVに変更して、出力端子N5,N2から変換電圧信号VIPVを前記デジタル制御部に出力する。
出力端子N4と出力端子N5間には、増幅率(ゲイン)が1である増幅回路AMP_1と、電磁開閉器MCPC_2,MCPC_3が直列に接続される。また出力端子N4と増幅回路AMP_1間のノードXから分岐して電圧クランプ回路92611_mの入力端子N6が接続され、前記電圧クランプ回路92611_mの出力端子N8は、電磁開閉器MCPC_6の入力端子に接続される。前記電磁開閉器MCPC_6の出力端子は電磁開閉器MCPC_7の入力端子に接続され、前記電磁開閉器MCPC_7の出力端子は、前記電磁開閉器MCPC_3と前記出力端子N5間の分岐であるノードYに接続される。前記ノードYと前記電磁開閉器MCPC_7の出力端子間のノードZには、分岐して電磁開閉器MCPC_4,MCPC_5,MCPC_8が接続される。
前記電磁開閉器MCPC_2,MCPC_3,MCPC_4,MCPC_5,MCPC_6,MCPC_7,MCPC_8の切替は、計測制御部923_mからの指示により行われる。
図45は、上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mの電流計測値変換回路9261_m内の電圧クランプ回路92611_mの構成例を示す模式図である。
前記電圧クランプ回路92611_mは、電流計で計測した電流計測値に比例した電圧信号VIPV0の値によって、前記電圧クランプ回路92611_mの出力端子N8から出力される変換電圧信号VIPVを変化させるものであり、電圧上限リミッタ回路として機能する。電流計測値に比例した電圧信号VIPV0が前記クランプ電圧Vclampよりも大きい場合は、前記電圧クランプ回路92611_mから出力される変換電圧信号VIPVを前記クランプ電圧Vclampとして出力し、電流計測値に比例した電圧信号VIPV0が前記クランプ電圧Vclampよりも小さい場合は、前記電圧クランプ回路92611_mから出力される変換電圧信号VIPVを電流計測値に比例した電圧信号VIPV0として出力する。
前記電圧クランプ回路92611_mは、ノードXからのアナログ信号線が入力端子N6に接続され、出力端子N8は前記電磁開閉器MCPC_6の入力端子に接続されている。入力端子N6と出力端子N8間には電圧上限リミッタ回路が接続されており、例えば、抵抗R,R1,R2、オペアンプAMP_2、可変電圧器V_92611m、整流器Z_92611mが設けられ、前記オペアンプAMP_2の反転入力端子(―)には、入力端子N6が抵抗R1,R2を介して接続され、非反転出力端子(+)には、前記可変電圧器V_92611mが抵抗Rを介して接続されている。また前記オペアンプAMP_2の出力端子には前記オペアンプAMP_2の出力端子側から出力端子N8への電流が流れないようにするための整流器Z_92611mが接続されている。
前記電圧クランプ回路92611_mは、前述したように電流計測値に比例した電圧信号VIPV0が、VIPV0>Vclampの場合に変換電圧信号VIPV=クランプ電圧Vclampとして出力する。一方、電流計測値に比例した電圧信号VIPV0がVIPV0≦Vclampの場合は、変換電圧信号VIPV=VIPV0として出力する。
次に、本発明の太陽光発電ユニット920_mのパワーコンディショナ926_m内の処理に関して説明を行う。
(通常稼動時のパワーコンディショナ926_m内の処理)
図46は、上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mにおいて、通常稼動時のパワーコンディショナ926_m内の電流計測値変換回路9261_mの概略図であり、矢印は信号の流れを表している。
前記計測制御部923_mは、通常稼動時(電流―電圧特性計測用のデータ取得時、出力電力抑制時以外の時)、電磁開閉器MCPC_1をオフ(開)し、電流計測値変換回路9261_m内の電磁開閉器MCPC_2,MCPC_3をオン(閉)し、電磁開閉器MCPC_4,MCPC_5,MCPC_6,MCPC_7,MCPC_8をオフ(開)するように指示を行う。
上述のように切替を行うと、パワーコンディショナ926_m内のデジタル制御部にN3端子から渡す電圧信号Vpvは、Vpv=電圧計の計測値Vpv0となる。またパワーコンディショナ926_m内のデジタル制御部にN2端子から渡す変換電圧信号VIPVは、電流計測値に比例した電圧信号VIPV0が増幅率が1である増幅回路AMP_1を介してN2端子に流れるため、VIPV=VIPV0となる。
よって、通常稼動時、パワーコンディショナ926_m内のデジタル制御部には、電圧計の計測値Vpv0、電流計測値に比例した電圧信号VIPV0を出力することとなり、パワーコンディショナ926_m内の電流計測値変換回路9261_mは電流計の値(電流計測値に比例した電圧信号)を変換することなく、デジタル制御部に出力する。
(電流電圧特性計測用のデータ取得時のパワーコンディショナ926_m内の処理)
図47は、上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mにおいて、電流―電圧特性計測用のデータ取得時のパワーコンディショナ926_m内の電流計測値変換回路9261_mの概略図であり、矢印は信号の流れを表している。
前記計測制御部923_mは、電流―電圧特性計測用のデータ取得時、電磁開閉器MCPC_1をオン(閉)し、電流計測値変換回路9261_m内の電磁開閉器MCPC_4,MCPC_5,MCPC_8をオン(閉)し、電磁開閉器MCPC_2,MCPC_3,MCPC_6,MCPC_7をオフ(開)するように指示を行う。
上述のように切替を行うと、前記デジタル制御部に送信するための電圧信号Vpvが0V(<<1)、変換電圧信号VIPVが0V(<<1)に固定される。よって、0Vの電圧信号Vpvと0Vの変換電圧信号VIPVを受信した前記デジタル制御部は、太陽電池ストリング27,27,・・・からの出力電力がないものと認識し、パワーコンディショナ926_mはスタンバイ状態を維持する。DC/DCコンバータは非動作状態になるため、パワーコンディショナへの入力抵抗は非常に高い状態が維持され、このことは接続箱とパワーコンディショナ間を実効的に電気的に遮断していることと等しくなる。これによって前記接続箱24と前記パワーコンディショナ926_m間の接続が切断されている状態と同じ状態を実現することが可能となる。
(出力電力抑制時のパワーコンディショナ926_m内の処理)
図48は、上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mにおいて、出力電力抑制時のパワーコンディショナ926_m内の電流計測値変換回路9261_mの概略図であり、矢印は信号の流れを表している。
前記計測制御部923_mは、前記抑制出力電力用の最大出力動作電圧Voutput_mpptと前記出力抑制要求信号を前記診断装置910から通信部を介して受信すると、出力電力抑制状態と判断し、電磁開閉器MCPC_1をオフ(開)し、電流計測値変換回路9261_m内の電磁開閉器MCPC_6,MCPC_7をオン(閉)し、電磁開閉器MCPC_2,MCPC_3,MCPC_4,MCPC_5,MCPC_8をオフ(開)するように指示を行い、前記電圧クランプ回路92611_mに前記クランプ電圧Vclampを送信する。
上述のように切替を行うと、パワーコンディショナ926_m内のデジタル制御部にN3端子から渡す電圧信号Vpvは、Vpv=電圧計の計測値Vpv0となる。またパワーコンディショナ926_m内のデジタル制御部にN2端子から渡す変換電圧信号VIPVは、電流計測値に比例した電圧信号VIPV0が前記電圧クランプ回路92611_mを介してN2端子に流れるため、以下のように変化する。
前記電圧クランプ回路92611_mは、電流計測値に比例した電圧信号VIPV0が、VIPV0≦クランプ電圧Vclampの場合に変換電圧信号VIPV=VIPV0として出力する。一方、電流計測値に比例した電圧信号VIPV0が、VIPV0>クランプ電圧Vclampの場合は変換電圧信号VIPV=クランプ電圧Vclampとして出力する。
上述のような制御を前記電圧クランプ回路92611_mが行うとパワーコンディショナ926_m内のデジタル制御部は電流計の値が小さい場合(電流計測値に比例した電圧信号VIPV0≦クランプ電圧Vclamp)は、電流計の値は変換されることなく電流計が計測した値をそのまま受け取り、電流計の値が大きくなると(電流計測値に比例した電圧信号VIPV0>クランプ電圧Vclampの場合)、電流計の値が一定値(抑制出力電力用の最大出力動作電流Ioutput_mppt)に固定(クランプ)された状態であると認識する。
図49は、上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mにおいて、出力電力抑制時の日射量の違いによる太陽光電池ストリングの出力特性のグラフ例であり、横軸が出力電圧[V]、縦軸が出力電力[W]を表している。図50は、上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mにおいて、出力電力抑制時の日射量の違いによる太陽光電池ストリングの出力特性のグラフ例であり、横軸が出力電圧[V]、縦軸が出力電流[A]を表している。
図49、図50のグラフ例に示されるように、出力電力抑制時、パワーコンディショナ926_m内のデジタル制御部は前記太陽電池ストリング27,27,・・・からの最大出力電力が抑制出力電力用の最大値Woutput_mpptであり、最大出力動作電圧が抑制出力電力用の最大出力動作電圧Voutput_mpptで最大出力動作電流が抑制出力電力用の最大出力動作電流Ioutput_mpptであると認識して、MPPT制御を行う。よって、前記パワーコンディショナ926_mは、抑制出力電力用の最大値Woutput_mpptを出力することとなり、出力電力の抑制が行われる。
以上は説明を簡単にするため、日射量が1000[W/m]の場合についてのみ説明した。
このように、本発明の第9の実施の形態の太陽光発電システム900は、パワーコンディショナ926_m内に発電量を抑制する電流計測値変換回路9261_mを設けることで、電力会社からの発電量出力抑制指令に対応することが可能となる。
(その他の例)
前述では、前記診断装置910の発電量出力管理部9131においてクランプ電圧Vclampmを一定の値として決定して前記太陽光発電ユニット920_mに送信していたが、前記クランプ電圧Vclampを電圧計からの電圧信号Vpvの値によって、変化させてもよい。
例えば、出力電力抑制時、前記診断装置910の発電量出力管理部9131において、抑制出力電力用の最大出力動作電圧Voutput_mpptと抑制出力電力用の最大出力動作電流Ioutput_mpptおよび短絡電流Iscを導出する。そして、電圧計からの電圧信号Vpv>抑制出力電力用の最大出力動作電圧Voutput_mpptとなった場合は、クランプ電圧Vclampを(数16)を使用して算出した一定値を使用する。一方、電圧計からの電圧信号Vpv≦抑制出力電力用の最大出力動作電圧Voutput_mpptとなった場合は、(数17),(数18)を使用して、クランプ電圧Vclampを計算する。
ここで、Ipvは(数17)で導き出された電流値[A]である。
(数17),(数18)を使用したクランプ電圧Vclampの計算は、パワーコンディショナ926_m内に演算部を設け、前記診断装置910からの抑制出力電力用の最大出力動作電圧Voutput_mppt、抑制出力電力用の最大出力動作電流Ioutput_mpptおよび短絡電流Iscを受信して計算してもよいし、前記診断装置910の発電量出力管理部9131において、前記パワーコンディショナ926_m内の電圧計からの電圧信号Vpvを逐次受信して計算してもよい。
図51は、上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mの他の例において、出力電力抑制時の日射量の違いによる太陽光電池ストリングの出力特性のグラフ例であり、横軸が出力電圧[V]、縦軸が出力電力[W]を表している。図52は、上記実施形態の太陽光発電ユニット920_mの他の例において、出力電力抑制時の日射量の違いによる太陽光電池ストリングの出力特性のグラフ例であり、横軸が出力電圧[V]、縦軸が出力電流[A]を表している。
クランプ電圧Vclampを一定の値として出力電力抑制を行っていた場合、電流計の値が大きくなると電流計の値が一定値(抑制出力電力用の最大出力動作電流Ioutput_mppt)に固定(クランプ)された状態となって、短絡電流Iscも同様に、短絡電流Isc=抑制出力電力用の最大出力動作電流Ioutput_mpptとなるため、出力電力抑制時の出力特性が抑制出力電力用の最大値Woutput_mppt(最大出力動作点)を中心として鋭角に変化する(図49)。これは抑制出力電力用の最大値Woutput_mppt(最大出力動作点)近傍での出力電圧に対する出力電力変化率[W/V]が大きいことを意味し、デジタル制御部におけるMPPT制御(電力点追従制御)において、出力電力変化率が大きいことによる抑制出力電力用の最大値Woutput_mppt(最大出力動作点)への収束性が悪化してしまう。
ここで、クランプ電圧Vclampを電圧計からの電圧信号Vpvの値によって変化させた場合、出力電力抑制時の出力特性が図51のように抑制出力電力用の最大値Woutput_mppt(最大出力動作点)近傍において、クランプ電圧Vclampを一定値として使用した場合と比較して出力電力変化率が小さくなり、MPPT制御(電力点追従制御)での抑制出力電力用の最大値Woutput_mppt(最大出力動作点)への収束性を緩和することが可能となる。
(第10の実施の形態)
図55は、本発明の第10の実施形態の太陽光発電システム1000の構成を示す概略図であり、図56は、上記実施形態の太陽光発電ユニット1020の接続箱1024の実装模式図である。図57は、上記実施形態の太陽光発電ユニット1020の電流―電圧特性計測部1028の回路図例であり、図59は、上記実施形態の太陽光発電ユニット1020で使用されるパワー半導体を説明するための説明図である。
本発明の第1の実施形態の太陽光発電ユニット20は、切替部25が電磁開閉器MC01,MC02で構成され(図4)、また電流―電圧特性計測部28が機械式リレー等の電磁開閉器(接続器)MC1〜MC7と抵抗素子(固定抵抗器)R1〜R3から構成(図3)されていたが、本発明の第10の実施形態の太陽光発電ユニット1020は、切替部1025と電流―電圧特性計測部1028をパワー半導体素子で構成し、接続箱1024内に電流―電圧特性計測部1028、計測制御部1023、通信部1021、記憶部1029、測定部1022および切替部1025を配置したものであり、その他の構成は第1の実施の形態と同様であるため、同一の構成については重複した説明を省略する。
前記接続箱1024は、電流―電圧特性計測部1028、計測制御部1023、通信部1021、記憶部1029、測定部1022および切替部1025から構成され、各構成部材は前記接続箱1024内において、2つの基板ボードCB1,CB2に半導体等による電子部品で実装されている(図56)。
前記接続箱1024は、前記接続箱1024に並列に接続された前記太陽電池ストリング27,27,・・・の電力線を1つにまとめて前記太陽電池ストリング27,27,・・・で発電した電気エネルギーを集め、前記切替部1025を介して前記パワーコンディショナ1026に電力を伝送する。また、前記電流―電圧特性計測部1028と前記太陽電池ストリング27,27,・・・が接続されている場合は、前記電流―電圧特性計測部1028に前記太陽電池ストリング27,27,・・・の電力を伝送する。
前記電流―電圧特性計測部1028は、前記太陽電池ストリング27,27,・・・の電流―電圧特性を計測するための回路(図57)であり、前記太陽電池ストリング27,27,・・・のP端子(太陽電池ストリングからの発電出力電流が電流―電圧特性計測部1028側へ流れる端子)に入力端子P2,P3が接続され、前記太陽電池ストリング27,27,・・・のN端子(電流―電圧特性計測部1028側から太陽電池ストリングへ電流が流れる端子)に出力端子N2,N3が接続される
前記電流―電圧特性計測部1028は、前記計測制御部1023からの計測指示信号によって前記太陽電池ストリング27,27,・・・から前記電流―電圧特性計測部1028への電流パスが形成され、前記計測制御部1023からの計測指示信号の出力停止(“L”レベルを保持)により、前記太陽電池ストリング27,27,・・・から前記電流―電圧特性計測部1028への電流パスを遮断する。
前記計測制御部1023からの計測指示信号により前記太陽電池ストリング27,27,・・・と前記電流―電圧特性計測部1028が電気的に接続されることで前記電流―電圧特性計測部1028に電流が流れ電流―電圧特性用の計測データを取得することが可能となる。
前記電流―電圧特性計測部1028は、パワーMOSFET等のパワー半導体M1〜M6と抵抗素子(固定抵抗器)R5〜R8から構成される(図57)。
前記電流―電圧特性計測部1028は、入力端子P2から順に直列に抵抗素子R5、R6、R7、R8が接続され、抵抗素子R8の出力側にはパワー半導体M6のドレイン電極が、パワー半導体M6のソース電極は出力端子N2に接続されている。そして、入力端子P3はパワー半導体M1のドレイン電極が接続され、パワー半導体M1のソース電極はノードXに、パワー半導体M1のゲート電極は抵抗素子R5と抵抗素子R6間のノードXから分岐して接続されている。ノードXから分岐し、パワー半導体M2〜M5のドレイン電極が並列に接続され、パワー半導体M2〜M5のソース電極はノードXを介して出力端子N3に接続されている。
またパワー半導体M2〜M6のゲート電極は計測制御部1023と接続されている。
前記計測制御部1023からパワー半導体M6のゲート電極に対して電流―電圧特性を計測するための計測指示信号が出力されると、パワー半導体M6のゲート・ソース間電圧がゲートしきい値電圧(ドレイン電流が流れはじめる電圧)よりも大きくなり、パワー半導体M6をスイッチ素子として考えた場合にスイッチがONの状態となる。パワー半導体M6がONの状態になることによって、ノードXから入力端子P2の高電圧と出力端子N2の低電圧間を分圧された電圧BIAS_Aがパワー半導体M1のゲート電極に印加される。入力端子P3−出力端子N3間には太陽電池ストリング27,27・・・(太陽光パネル)からの高い出力電圧がかかるが、パワー半導体M1によってノードXにかかる電圧がBIAS_A−Vgs(M1)(Vgs(M1):パワー半導体M1のゲート・ソース間電圧)となって高い出力電圧を分圧し、パワー半導体M2〜M5を安全に動作できる安全動作領域(SOA)を広げることが可能となっている。ノードXから、パワー半導体M2〜M5のいずれかひとつに電流が流れ、前記太陽電池ストリング27,27,・・・の電流―電圧特性を計測することが可能となる。
反対に前記計測制御部1023からパワー半導体M6のゲート電極に対して計測指示信号の出力が停止されると、パワー半導体M6がOFFの状態となる。パワー半導体M6がOFFの状態となると、入力端子P2―出力端子N2間の電流が遮断されるため、入力端子P2―出力端子N2間の電流バスによる電流損失はゼロになる。よって、電圧BIAS_Aには、入力端子P2−出力端子N2間に電流が流れないため、入力端子P2にかかる高電圧が電圧BIAS_Aとしてパワー半導体M1のゲート電極にそのまま印加される。前記計測制御部1023からの計測指示信号が停止されると、パワー半導体M2〜M5のゲート電極にそれぞれアサートされるゲート制御信号BIAS_W_PULSE,BIAS_X_PULSE,BIAS_Y_PULSE,BIAS_Z_PULSE(ゲート電圧Vg)が全て“L”レベルとなり、パワー半導体M2〜M5がOFF状態となってノードXの電位が上昇する。結果的には、パワー半導体M1のゲート・ソース間電圧Vgs(=BIAS_A―ノードXの電圧)は、ゲートしきい値電圧(ドレイン電流が流れはじめる電圧)以下となり、パワー半導体M1はOFF状態となり、入力端子P3−出力端子N3の電流パスが遮断される。
パワー半導体M2〜M5のゲート電極にはそれぞれ計測制御部1023からのゲート制御信号BIAS_W_PULSE,BIAS_X_PULSE,BIAS_Y_PULSE,BIAS_Z_PULSEが与えられる。前記ゲート制御信号BIAS_W_PULSE,BIAS_X_PULSE,BIAS_Y_PULSE,BIAS_Z_PULSEは、それぞれパワー半導体M2〜M5に与えられるゲート電圧Vg(図59)であり、前記ゲート制御信号の電圧の大きさ、前記ゲート制御信号のアサートタイミング(波形)を変更することによって、前記電流―電圧特性計測部1028内の抵抗値を時系列的に変化させ、その際に前記接続箱1024内の電流値、電圧値を計測することで、電流―電圧特性用の計測データを作成することが可能となる。
ここで、図58は上記実施形態の太陽光発電ユニット1020の電流―電圧特性計測部1028のその他の回路図例である。
図57では電流―電圧特性計測部1028の入力端子P3にはパワー半導体M1がひとつ接続されていたが、図58のように入力端子P3から順にパワー半導体M1とパワー半導体M7が直列に接続されていてもよい。
入力端子P3はパワー半導体M1のドレイン電極が接続され、パワー半導体M1のソース電極はパワー半導体M7のドレイン電極に、パワー半導体M7のソース電極はノードXに接続される。パワー半導体M1のゲート電極は抵抗素子R5と抵抗素子R6間のノードXから分岐され、パワー半導体M7のゲート電極は抵抗素子R7と抵抗素子R8間のノードXから分岐されて接続されている。パワー半導体M7のゲート電極は、他のノード、例えば抵抗素子R6と抵抗素子R7間のノードから分岐されて接続されていてもよい。
このように入力端子P3に接続されるパワー半導体の数を増やすことによって、太陽電池ストリング27,27・・・(太陽光パネル)が大容量化、高電圧化した場合でも、パワー半導体M1,M7によってノードXにかかる電圧がBIAS_A,BIAS_B(BIAS_B:ノードXから分圧された電圧BIAS_B)によって分圧され、パワー半導体M2〜M5が安全に動作できる安全動作領域(SOA)を広げることが可能となる。
前記計測制御部1023は、前記記憶部1029に格納された診断日時291と前記記憶部1022の前記計時部224の現在日時を参照し、診断を開始する日時であることを判断して前記電流―電圧特性計測部1028と前記切替部1025に電流―電圧特性の計測を行うための計測指示信号を出力するとともに、診断を終了する日時であることを判断して計測指示信号の出力停止(“L”レベルを保持)を行う。
また前記診断装置10から前記通信部1021を介して電流―電圧特性計測開始指令を受信した場合は前記電流―電圧特性計測部1028と前記切替部1025に電流―電圧特性の計測を行うための計測指示信号を出力するとともに、電流―電圧特性計測完了指令を受信した場合は計測指示信号の出力停止(“L”レベルを保持)を行う。
そして、前記電流―電圧特性計測部1028のパワー半導体に対してゲート制御信号BIAS_W_PULSE,BIAS_X_PULSE,BIAS_Y_PULSE,BIAS_Z_PULSEの出力および出力停止(“L”レベルを保持)を行う。
前記切替部1025は、前記接続箱1024によって集められた前記太陽電池ストリング27,27,・・・からの電力をパワーコンディショナ1026へ伝送するための切り替えスイッチであり、前記計測制御部1023からの計測指示信号により電流―電圧特性の計測を行わない場合には前記接続箱1024からの電力をそのまま前記パワーコンディショナ1026に伝送し(通常接続処理)、電流―電圧特性の計測を行う場合には前記切替部1025に流れる電流を完全には遮断せず、適当な微小電流を前記切替部1025に流す処理(不完全電流遮断処理)を行う。入力端子N6はパワーコンディショナ1026の出力端子N4と、出力端子N5は前記太陽電池ストリング27,27,・・・のN端子に接続される。
(太陽光発電ユニット1020の電流―電圧特性の計測処理フロー)
ここで太陽光発電ユニット1020における電流―電圧特性の計測処理に関して図71を用いて説明する。
図71は、上記実施形態の太陽光発電ユニット1020における電流―電圧特性の計測処理の概要を示すシーケンス図である。
前記計測制御部1023は、前記記憶部1029に格納された診断日時291と前記記憶部1022の前記計時部224の現在日時を参照し、診断を開始する日時であることを判断した場合、もしくは前記診断装置10から電流―電圧特性計測開始指令を受信した場合に前記切替部1025と前記電流―電圧特性計測部1028に計測指示信号を出力するとともに、前記通信部1021に対して電流―電圧特性計測フラグをオンにする開始指令を行う。(S1201)
前記切替部1025は前記計測制御部1023からの計測指示信号により、前記切替部1025に流れる電流を完全には遮断せず、適当な微小電流を前記切替部1025に流す処理(不完全電流遮断処理)を行う(S1202)。
前記電流―電圧特性計測部1028は前記計測制御部1023からの計測指示信号により、パワー半導体M6をスイッチ素子としてON状態とする(S1203)。パワー半導体M6がONの状態になると、ノードXから入力端子P2の高電圧と出力端子N2の低電圧間を分圧された電圧BIAS_Aがパワー半導体M1のゲート電極に印加される。前記電流―電圧特性計測部1028にパワー半導体M7が設けられている場合は、ノードXから入力端子P2の高電圧と出力端子N2の低電圧間を分圧された電圧BIAS_Bがパワー半導体M7のゲート電極に印加される。
前記計測制御部1023は、“H”レベルの異なるゲート制御信号BIAS_W_PULSE,BIAS_X_PULSE,BIAS_Y_PULSE,BIAS_Z_PULSEを前記電流―電圧特性計測部1028のパワー半導体M2〜M5に順次与える(S1204)。
前記電流―電圧特性計測部1028では、レベルの異なるゲート制御信号BIAS_W_PULSE,BIAS_X_PULSE,BIAS_Y_PULSE,BIAS_Z_PULSEがパワー半導体M2〜M5のゲート電極に順次与えられると、チャンネル抵抗の値がそれぞれ異なるパワー半導体M2〜M5に順に電流が流れる(S1205)。
前記接続箱1024内に配置されている電流計(ストリングモニタ)(図示なし)、電圧計(図示なし)で、電流値、電圧値を計測し、前記通信部1021に前記電流値、前記電圧値を送信する(S1206、S1207)。
前記計測制御部1023は、前記記憶部1029に格納された診断日時291と前記記憶部1022の前記計時部224の現在日時を参照し、診断を完了する日時であることを判断した場合、もしくは前記診断装置10から電流―電圧特性計測開始指令を受信した場合に前記切替部1025と前記電流―電圧特性計測部1028に計測指示信号の出力を停止するとともに(S1208)、前記通信部1021に対して電流―電圧特性計測フラグをオフにする終了指令を行う(S1211)。
前記切替部1025は前記計測制御部1023からの計測指示信号の出力停止(“L”レベルを保持)により、前記接続箱1024と前記パワーコンディショナ1026間の通常接続処理を行う(S1209)。
前記記電流―電圧特性計測部1028は前記計測制御部1023からの計測指示信号の出力停止(“L”レベルを保持)により、パワー半導体M6およびパワー半導体M2〜M5をスイッチ素子としてOFF状態とし、前記電流―電圧特性計測部1028と前記接続箱1024間を電気的に遮断状態とする(S1210)。
(電流―電圧特性計測部1028で使用するゲート制御信号の電圧の大きさとアサートタイミング)
図60は、上記実施形態の太陽光発電ユニット1020で使用されるパワー半導体の電流―電圧曲線を示した説明図であり、図61は、上記実施形態の電流―電圧特性計測部1028のゲート制御信号の信号波形を示した説明図である。図62は、上記実施形態の電流―電圧特性計測部1028における電流パス(A)を示した説明図であり、図63は、上記実施形態の電流―電圧特性計測部1028における電流パス(B)を示した説明図である。図64は、上記実施形態の電流―電圧特性計測部1028における電流パス(C)を示した説明図であり、図65は、上記実施形態の電流―電圧特性計測部1028における電流パス(D)を示した説明図である。
パワー半導体のバイアスレベル1、バイアスレベル2、バイアスレベル3、バイアスレベル4の異なる大きさのゲート電圧Vgを選択し、それぞれスイープさせると、パワー半導体の電流―電圧曲線(図60)が得られる。前記ゲート制御信号BIAS_W_PULSE,BIAS_X_PULSE,BIAS_Y_PULSE,BIAS_Z_PULSEの電圧の大きさをそれぞれBIAS_W_PULSE=バイアスレベル1、BIAS_X_PULSE=バイアスレベル2、BIAS_Y_PULSE=バイアスレベル3、BIAS_Z_PULSE=バイアスレベル4に設定すると、バイアスレベルの値によってパワー半導体M2〜M5の抵抗値はそれぞれ異なる値となる。例えば、パワー半導体M2のゲート電圧Vgをバイアスレベル1に設定し、ドレイン・ソース間電圧Vds=Vp、ドレイン電流Ids=Ipとすると、パワー半導体M2のチャンネル抵抗Rm2=Vp/Ipとなる。またパワー半導体M4のゲート電圧Vgをバイアスレベル3に設定し、ドレイン・ソース間電圧Vds=Vq、ドレイン電流Ids=Iqとすると、パワー半導体M4のチャンネル抵抗Rm4=Vq/Iqとなる。このように、パワー半導体M2〜M5のゲート電極に与えるゲート制御信号(ゲート電圧Vg)をそれぞれ異なる値を選択することによって、パワー半導体M2〜M5のチャンネル抵抗の値を変更することが可能となる。
またパワー半導体M2〜M5の前記ゲート制御信号は、T_onのON期間時間であたえるパルス列信号であり、BIAS_W_PULSE、BIAS_X_PULSE、BIAS_Y_PULSE、BIAS_Z_PULSEの順で“H”レベルにアサートする(図61)。前記ゲート制御信号BIAS_W_PULSE、BIAS_X_PULSE、BIAS_Y_PULSE、BIAS_Z_PULSEのアサートは周期T_mfで繰り返す。
例えば、時刻T2の場合、BIAS_W_PULSEに対してバイアスレベル1の電圧の大きさでT_onのON期間時間で“H”レベルにアサートし、その他のBIAS_X_PULSE、BIAS_Y_PULSE、BIAS_Z_PULSEは“L”レベルを保持する。そうすると、前記電流―電圧特性計測部1028内部の入力端子P3―出力端子N3間では、図62のような電流パス(A)に沿って電流が流れるようになる。具体的には、パワー半導体M2〜M5のうち、パワー半導体をスイッチ素子と考えた場合に、パワー半導体M2のみONの状態となり、バイアスレベル1に対応するドレイン電流Idsが流れ、パワー半導体M3〜M5はOFFの状態となる。
時刻T4の場合、BIAS_X_PULSEに対してバイアスレベル2の電圧の大きさでT_onのON期間時間で“H”レベルにアサートし、その他のBIAS_W_PULSE、BIAS_Y_PULSE、BIAS_Z_PULSEは“L”レベルを保持する。そうすると、前記電流―電圧特性計測部1028内部の入力端子P3―出力端子N3間では、図63のような電流パス(B)に沿って電流が流れるようになる。具体的には、パワー半導体M2〜M5のうち、パワー半導体をスイッチ素子と考えた場合に、パワー半導体M3のみONの状態となり、バイアスレベル2に対応するドレイン電流Idsが流れ、パワー半導体M2,M4,M5はOFFの状態となる。
時刻T6の場合、BIAS_Y_PULSEに対してバイアスレベル3の電圧の大きさでT_onのON期間時間で“H”レベルにアサートし、その他のBIAS_W_PULSE、BIAS_X_PULSE、BIAS_Z_PULSEは“L”レベルを保持する。そうすると、前記電流―電圧特性計測部1028内部の入力端子P3―出力端子N3間では、図64のような電流パス(C)に沿って電流が流れるようになる。具体的には、パワー半導体M2〜M5のうち、パワー半導体をスイッチ素子と考えた場合に、パワー半導体M4のみONの状態となり、バイアスレベル3に対応するドレイン電流Idsが流れ、パワー半導体M2,M3,M5はOFFの状態となる。
時刻T8の場合、BIAS_Z_PULSEに対してバイアスレベル4の電圧の大きさでT_onのON期間時間で“H”レベルにアサートし、その他のBIAS_W_PULSE、BIAS_X_PULSE、BIAS_Y_PULSEは“L”レベルを保持する。そうすると、前記電流―電圧特性計測部1028内部の入力端子P3―出力端子N3間では、図65のような電流パス(D)に沿って電流が流れるようになる。具体的には、パワー半導体M2〜M5のうち、パワー半導体をスイッチ素子と考えた場合に、パワー半導体M5のみONの状態となり、バイアスレベル4に対応するドレイン電流Idsが流れ、パワー半導体M2〜M4はOFFの状態となる。
時刻T3,T5,T7,・・・の場合は、BIAS_W_PULSE、BIAS_X_PULSE、BIAS_Y_PULSE、BIAS_Z_PULSEは全て“L”レベルを保持する。よって、前記電流―電圧特性計測部1028内部の入力端子P3―出力端子N3間は電流が流れない状態となる。
(前記計測制御部1023によるゲート制御信号生成処理)
図66は、上記実施形態の計測制御部1023によるゲート制御信号生成回路のPWM復調回路を示す回路図であり、図67は、上記実施形態の計測制御部1023によるゲート制御信号生成回路を示す回路図である。
図66は、PWM(Pulse Width Modulate)信号を復調するPWM復調回路である。PWM信号(PWM_W、PWM_X、PWM_Y、PWM_Z)は、前記計測制御部1023において計測指示信号アサート直前または直後に生成し、出力される。
ゲート制御信号BIAS_W_PULSEに対応するPWM信号PWM_W、ゲート制御信号BIAS_X_PULSEに対応するPWM信号PWM_X、ゲート制御信号BIAS_Y_PULSEに対応するPWM信号PWM_Y、ゲート制御信号BIAS_Z_PULSEに対応するPWM信号PWM_Zを、それぞれオペアンプOpAmp1で構成されるボルテージフォロア回路にて受けて、抵抗R9と容量C1で構成されるローパスフィルタ回路でアナログ信号に復調する。そして、オペアンプOpAmp2で構成されるボルテージフォロア回路によって、アナログ信号Bias_W_ref_buf,Bias_X_ref_buf,Bias_Y_ref_buf,Bias_X_ref_bufを生成し、図67で構成される回路に送る。
図67においては、前記計測制御部1023において、診断を開始する日時であることを判断した場合や前記診断装置10から前記通信部1021を介して電流―電圧特性計測開始指令を受信した場合に生成する計測指示信号が電流―電圧特性の計測処理中にアサートされ、計測指示信号のアサート直後にSW_Bias_W_ref_ON信号、SW_Bias_X_ref_ON信号、SW_Bias_Y_ref_ON信号、SW_Bias_Z_ref_ON信号が順次アサートされる。
SW_Bias_W_ref_ON信号、SW_Bias_X_ref_ON信号、SW_Bias_Y_ref_ON信号、SW_Bias_Z_ref_ON信号がアサートされると、対応した回路のM8がON状態となり、PWM復調回路(図66)で生成されたアナログ信号Bias_W_ref_buf,Bias_X_ref_buf,Bias_Y_ref_buf,Bias_X_ref_bufを、オペアンプOpAmp3,抵抗素子R10,可変抵抗R11で構成されるアナログ増幅回路に伝達し、さらに抵抗素子R12、容量C2で構成されるローパスフィルタで回路によって、立ち上がり波形、立ち下り波形をなまらせてゲート制御信号BIAS_W_PULSE、BIAS_X_PULSE、BIAS_Y_PULSE、BIAS_Z_PULSEを生成する。ゲート制御信号BIAS_W_PULSE、BIAS_X_PULSE、BIAS_Y_PULSE、BIAS_Z_PULSEは、電流―電圧特性計測部1028のパワー半導体M2〜M5のゲート電極に順次供給される信号である。
ここで、オペアンプOpAmp3,抵抗素子R10,R11で構成されるアナログ増幅回路においては、出力電圧V=(1+R11/R10)×入力電圧Vとなる。可変抵抗R11の値を変更することで、出力電圧V0の増幅率(1+R11/R10)を変更することが可能となり、結果としてゲート制御信号BIAS_W_PULSE、BIAS_X_PULSE、BIAS_Y_PULSE、BIAS_Z_PULSEの電圧の大きさ(バイアスレベル1,2,3,4)を変更することができる。
また、ゲート制御信号BIAS_W_PULSE、BIAS_X_PULSE、BIAS_Y_PULSE、BIAS_Z_PULSEの立ち上がりの波形、立ち下りの波形をなまらせることで、電流―電圧特性計測部1028における急な電流のON/OFFを回避し、電流―電圧特性の計測処理におけるサージ電圧を抑制することができる。
図70は、上記実施形態の太陽光発電ユニット1020の電流―電圧特性計測部1028のその他の回路図例2である。
図57、図58で示された電流―電圧特性計測部1028の回路図においては、計測制御部1023から生成されるPWM信号を一旦、アナログ信号にPWM復調させて、パワー半導体M2〜M5へのゲート制御信号BIAS_W_PULSE、BIAS_X_PULSE、BIAS_Y_PULSE、BIAS_Z_PULSEを生成していたが、図70の回路図例2においては、PWM信号(PWM_W,PWM_X,PWM_Y,PWM_Z)をアナログ信号に復調せず、PWM信号(PWM_W,PWM_X,PWM_Y,PWM_Z)と、SW_Bias_W_ref_ON信号、SW_Bias_X_ref_ON信号、SW_Bias_Y_ref_ON信号、SW_Bias_Z_ref_ON信号と、計測指示信号をそれぞれANDをとることで出力される出力信号PWM_W_buf,PWM_X_buf,PWM_Y_buf,PWM_Z_bufを生成する。出力信号PWM_W_buf,PWM_X_buf,PWM_Y_buf,PWM_Z_bufをパワー半導体M2〜M5のゲート電極に与える。この場合、太陽電池ストリング27,27・・・から出力されるストリング電流のSW_Bias_W_ref_ON信号、SW_Bias_X_ref_ON信号、SW_Bias_Y_ref_ON信号、SW_Bias_Z_ref_ON信号の“H”レベル期間中の平均を求めることで、実効的にPWM復調したアナログ信号をパワー半導体M2〜M5へ与えた時のストリング電流と一致する。
(切替部1025の不完全電流遮断処理と通常接続処理の説明)
図68は、上記実施形態の切替部1025の回路図であり、図69は、上記実施形態の切替部1025の切替SWゲート制御信号生成回路図であり、(a)は切替SWゲート制御信号1生成回路、(b)は切替SWゲート制御信号2生成回路である。
前記切替部1025は、パワーMOSFET等のパワー半導体M10〜M15と抵抗素子(可変抵抗器)R13と、コンデンサC3と、電源PS1から構成される(図68、図69)。
前記切替部1025は、出力端子N5から分岐して並列にパワー半導体M10,M11,M11・・・のソース電極が接続され、パワー半導体M10,M11,M11・・・のドレイン電極は入力端子N6に接続される(図68)。
また、パワー半導体M10のゲート電極には、切替SWゲート制御信号1生成回路で生成された切替SWゲート制御信号1が入力され、パワー半導体M11,・・・のゲート電極には切替SWゲート制御信号2生成回路で生成された切替SWゲート制御信号2が入力される。
ここで、切替SWゲート制御信号1生成回路(図69(a))に関して説明を行う。
切替SWゲート制御信号1生成回路は、パワー半導体M14とパワー半導体M15によって形成されたCMOSインバータを備え、前記CMOSインバータは前記計測制御部1023からの計測指示信号を入力とし、CMOSインバータの出力側には抵抗素子(可変抵抗器)R13とコンデンサC3の遅延回路を備える。
前記計測制御部1023から計測指示信号がCMOSインバータに入力されると(CMOSインバータの入力電圧が高い状態)、切替SWゲート制御信号1は抵抗素子(可変抵抗器)R13とコンデンサC3の遅延回路によって、設定された速度で徐々に電源PS1の電圧であるバイアスBPに近づき、最終的にはバイアスBPに落ち着く。
前記計測制御部1023からの計測指示信号の出力が停止すると(CMOSインバータの入力電圧が低い状態)、出力電圧VDDが切替SWゲート制御信号1として生成される。ここで、VDDとは正電圧である。
次に、切替SWゲート制御信号2生成回路(図69(b))に関して説明を行う。
切替SWゲート制御信号2生成回路は、パワー半導体M12とパワー半導体M13によって形成されたCMOSインバータで構成され、前記CMOSインバータは前記計測制御部1023からの計測指示信号を入力とする。
前記計測制御部1023から計測指示信号がCMOSインバータに入力されると(CMOSインバータの入力電圧が高い状態)、値が0の出力電圧が切替SWゲート制御信号2として生成される。
前記計測制御部1023からの計測指示信号の出力が停止すると(CMOSインバータの入力電圧が低い状態)、出力電圧VDDが切替SWゲート制御信号2として生成される。
パワー半導体MOSFETの中で、特にSic MOSFETの中には、Vgs(パワー半導体のゲート・ソース間電圧)にDC的に印加できる電圧に制限を与えているものがある。このようなパワー半導体MOSFETを一部使用する場合は、VDD(24V)から適当な電圧、例えば、2Vほど電圧ドロップさせた電圧VDD_ローカル電源を作るLDOレギュレータ(図73)を配置すればよい。
よって、前記計測制御部1023から計測指示信号が入力された場合は、徐々にバイアスBPとなる切替SWゲート信号1がパワー半導体M10のゲート電極に入力され、かつ値が0の電圧である切替SWゲート制御信号2がパワー半導体M11,・・・のゲート電極に入力されるため、パワー半導体M10,M11,・・・をスイッチ素子と考えた場合、パワー半導体M11,・・・は計測指示信号が入力されるとすぐにOFFの状態に遷移するが、パワー半導体M10は、徐々にバイアスBPとなる切替SWゲート信号1によって、チャンネル抵抗が徐々に上昇し、パワー半導体M10に流れるドレイン電流が徐々に少なくなり、最終的にはバイアスBPとなる切替SWゲート信号1に対応する少量のドレイン電流が流れる(不完全電流遮断処理)。
ここで、パワー半導体M10のチャンネル抵抗の上昇速度は、パワーコンディショナ1026が通常のMPPT制御動作から外れ、スタンバイ状態に移行するに従い、パワーコンディショナ1026の入力抵抗の上昇速度に合わせるように、抵抗素子(可変抵抗器)R13と電源PS1の電圧であるバイアスBPを調整する。
また、前記計測制御部1023から計測指示信号の入力が停止された場合は、正電圧VDDである切替SWゲート信号1,切替SWゲート制御信号2がパワー半導体M10,M11,・・・のゲート電極に入力されるため、前記切替部1025は正電圧VDDをゲート電圧としたドレイン電流がパワー半導体M10,M11,・・・に流れる(通常接続処理)。
よって、前記計測制御部1023から計測指示信号が入力された場合は、前記接続箱1024から前記パワーコンディショナ1026へ徐々に電流が少なくなり、最終的には少量の電流が前記切替部1025を介して流れ(不完全電流遮断処理)、前記計測制御部1023から計測指示信号の入力が停止された場合は、前記接続箱1024から出力される電力がそのまま前記パワーコンディショナ1026へ前記切替部1025を介して伝送される(通常接続処理)。
電流―電圧特性の計測を行う際に前記接続箱1024と前記パワーコンディショナ1026間の電流を徐々に小さくする効果としては、電流―電圧特性の計測を行う際に前記パワーコンディショナ1026がフル稼働していた状態から切替部1025のパワー半導体に過電圧がかかることなく、電流―電圧特性の計測に移行することが可能となる。
また電流―電圧特性の計測を行う際に前記接続箱1024と前記パワーコンディショナ1026間の電気的な接続を完全に遮断しない効果としては、パワーコンディショナ1026内のDC/DCコンバータが非稼働状態の場合、パワーコンディショナ1026の入力抵抗が無限大であれば前記接続箱1024と前記パワーコンディショナ1026間の電気的な接続を完全に遮断したとしても、太陽光パネルの出力電圧が分圧されて切替部1025のパワー半導体に過電圧が印加されることはない。しかし、パワーコンディショナ1026がある有限の大きさの入力抵抗を持つ場合は、切替部1025に印加される電圧は(数19)となる。
ここで、V切替部は切替部1025のパワー半導体に印加される電圧、V太陽光パネルは太陽光パネルの出力電圧、R切替部は切替部1025のパワー半導体のOFF抵抗、Rパワーコンディショナはパワーコンディショナ1026の非稼働状態の入力抵抗とする。
切替部≒Rパワーコンディショナとなるように、バイアスBPを適当に設定することによって、切替部1025のパワー半導体への高電圧印加を回避することが可能となる。
図72は、上記実施形態の計測制御部1023の内部電源電圧関係を示す模式図である。
前記計測制御部1023は、ゲート制御信号回路1023aと制御部1023bから構成される。
ゲート制御信号回路1023aは、ゲート制御信号生成回路(図66、図67)と切替SWゲート制御信号生成回路(切替SWゲート制御信号1生成回路、切替SWゲート制御信号2生成回路)(図69)から構成され、ノードNの電位に対してVDD高い電位であるVDDとノードNの電位の間で動作する。
VDDは、太陽光パネルからの出力ノード(P,N)のうち、低電圧側のノードN(太陽光パネルからの発電電圧がパワーコンディショナを通って太陽光パネル側に帰ってくるノード)に対して、図示していない電源回路によって適当な電圧(例えば24V)だけ高く発生させた電圧レベルである。
制御部1023bは(VDD〜24V,フローティングGND〜0V)の内部電圧で各制御信号群を生成し、前記ゲート制御信号回路1023aで信号を受ける。前記制御部1023bと前記ゲート制御信号回路1023aは、電気的に絶縁されているため、フォトカプラーで受ける。
このような内部電源である絶縁型DC/DCコンバータ(例えばフライバックコンバータ等)で実現することが可能となる。
(第11の実施の形態)
図74は、本発明の第11の実施形態の太陽光発電システム1100の構成を示す概略図である。
第1,第2,第3,第4,第5,第6,第7の実施形態の太陽光発電システム100,200,300,400,500,600,700は、1台のパワーコンディショナに対して1台の接続箱が接続される構成であったが、本発明の第11の実施の形態の太陽光発電システム1100は、1台のパワーコンディショナに対して複数の接続箱(太陽光発電ユニット1120_m)が接続されてパワーコンディショナが共有化されるシステム構成であって、かつ複数の太陽光発電ユニット1120_mのうちのひとつでも電流―電圧特性計測時に温度、電流または電圧の異常が発生した場合、その他の太陽光発電ユニット1120_αの電流―電圧特性の計測処理を中止するものであり、その他の構成は第1,第2,第3,第4,第5,第6,第7の実施形態と同様であるため、同一の構成については同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
なお、図74においては、接続箱1124_m、切替部1125_m、電流―電圧特性計測部1128_m、計測制御部1123_m、通信部21、測定部22、記憶部29、異常検知部1150_mが別々の構成となるような構成例となっているが、接続箱1124_m内に切替部1125_m、電流―電圧特性計測部1128_m、計測制御部1123_m、通信部21、測定部22、記憶部29、異常検知部1150_mが配置されている構成(第10の実施の形態と同様(図55))についても同様に成り立つものである。
太陽光発電システム1100は複数の太陽光発電ユニット1120_m(m=1,2,・・・,M M:太陽光発電ユニットの総数)と診断装置1110と表示装置30と複数の太陽光発電ユニット1120_mに接続されたパワーコンディショナ1126から構成され、それぞれネットワークを介して接続される。また太陽光発電システム1100は、1台のパワーコンディショナ1126に対して複数の太陽光発電ユニット1120_mが接続される構成となっている。
前記太陽光発電ユニット1120_mは、複数の太陽電池ストリング27,27,・・・、接続箱1124_m、切替部1125_m、異常検知部1150_m、計測制御部1123_m、電流―電圧特性計測部1128_m、測定部22、通信部21、記憶部29から構成される。
前記接続箱1124_mは、入力側は前記複数の太陽電池ストリング27,27,・・・に、出力側は前記切替部1125_mと前記通信部21とに接続され、前記接続箱1124_mに並列に接続された前記太陽電池ストリング27,27,・・・の電力線を1つにまとめて、前記切替部1125_mを介して前記パワーコンディショナ1126と前記電流―電圧特性計測部1128_mに電力を伝送する。また前記接続箱1124_mは、太陽電池ストリング27の電流値をそれぞれ計測する電流計と、前記接続箱1124_mから出力される電圧値を計測する電圧計、データ送信機能を有し、前記データ送信機能は計測した前記電流値と前記電圧値、太陽電池ストリング番号を前記通信部21に送信する。
前記切替部1125_mは、前記接続箱1124_mから伝送される電力を前記パワーコンディショナ1126もしくは前記電流―電圧特性計測部1128_mのどちらか一方に伝送するための切替スイッチであり、電磁開閉器で形成してもよいし、パワーMOSFET、IGBT、サイリスタ、GTO、バイポーラパワートランジスタ等のパワー半導体素子で形成してもよい。
図79は、上記実施形態の異常検知部1150_mを示す機能ブロック図である。
前記異常検知部1150_mは、接続箱1124_m、切替部1125_m、電流―電圧特性計測部1128_m内の異常を検知(異常検知処理)し、異常検知信号(高温検知信号、電流値異常検知信号、電圧値異常検知信号)を計測制御部1123_mに伝送するものであり、温度異常を検出する温度異常検知部1151_mと、接続箱1124_m、切替部1125_m、電流―電圧特性計測部1128_m内に流れる電流値の異常を検出する電流値異常検知部1152_mと、接続箱1124_m、切替部1125_m、電流―電圧特性計測部1128_m内の電圧値の異常を検出する電圧値異常検知部1153_mから構成される。
前記異常検知部1150_mは、前記計測制御部1123_mからの異常検知開始指令によって、異常検知処理を開始し、前記計測制御部1123_mからの異常検知終了指令によって異常検知処理を停止する。
前記温度異常検知部1151_mは、接続箱1124_m、切替部1125_m、電流―電圧特性計測部1128_m内の温度を検出する温度センサ1154_mを備え、前記温度センサ1154_mにより検出された温度が基準値以上となった場合に温度が高温であると判断し、高温検知信号を計測制御部1123_mに伝送する。
前記電流値異常検知部1152_mは、前記接続箱1124_m内の電流計から電流値を取得し、前記電流値が基準値以上となった場合に接続箱1124_m、切替部1125_m、電流―電圧特性計測部1128_mに流れる電流値が異常であると判断し、電流値異常検知信号を計測制御部1123_mに伝送する。
前記電圧値異常検知部1153_mは、電圧値を前記接続箱1124_m内の電圧計から取得し、前記電圧値が基準値以上となった場合に接続箱1124_m、切替部1125_m、電流―電圧特性計測部1128_m内の電圧値が異常であると判断し、電圧値異常検知信号を計測制御部1123_mに伝送する。
なお、前記電流値異常検知部1152_m、前記電圧値異常検知部1153_mを切替部1125_m、電流―電圧特性計測部1128_mにそれぞれ配置させた構成をとってもよい。
前記計測制御部1123_mは、前記電流―電圧特性の計測処理の制御を行う制御部であり、診断を開始/終了する日時である場合や前記診断装置1110から電流―電圧特性計測開始指令、電流―電圧特性計測完了指令を受信した場合の前記切替部1125_mへの切替指示や、前記電流―電圧特性計測部1128_mの抵抗値の切替制御を行う。また前記通信部21に対して電流―電圧特性計測フラグをオン/オフにする開始指令/終了指令を行う。
さらに、前記計測制御部1123_mは、前記電流―電圧特性の計測処理を開始するタイミングで、前記異常検知部1150_mに対して異常検知開始指令を伝送し、また前記電流―電圧特性の計測処理を終了するタイミングで、前記異常検知部1150_mに対して異常検知終了指令を伝送する。
また、前記異常検知部1150_mから異常検知信号(高温検知信号、電流値異常検知信号、電圧値異常検知信号)を受信した際に、通信部21を介して、異常検知情報(異常を検知した時刻、自分の太陽光発電ユニット番号、異常検知信号フラグ)を前記診断装置1110に送信する。
ここで、異常検知信号フラグとは、(高温検知信号フラグ、電流値異常検知信号フラグ、電圧値異常検知信号フラグ)のセットであり、異常を検知した場合はオン、異常を検知しなかった場合はオフとするフラグで、例えば温度の異常を検知し電流値と電圧値の異常を検知しなかった場合は、高温検知信号フラグ=オン、電流値異常検知信号フラグ=オフ、電圧値異常検知信号フラグ=オフとなる。
前記パワーコンディショナ1126は、入力側は前記複数の切替部1125_mに、出力側は電力系統40に接続され、前記複数の接続箱1124_mから伝送された直流の発電電力を交流電力に変換して前記電力系統40に電力を供給するとともに、伝送される電力の制御を行う。
次に診断装置1110の構成に関して図を用いて説明する。
図75は、上記実施形態の診断装置1110を示す機能ブロック図である。
前記診断装置1110は、通信部11と記憶部1112と演算部1113と表示部14から構成され、前記太陽光発電ユニット1120_mから異常検知情報を受信すると、異常検知情報が未検出でかつ電流―電圧特性の計測状態である太陽光発電ユニット1120_αに対して電流―電圧特性計測完了指令を送信し、電流―電圧特性の計測処理を終了させる。
前記記憶部1112は、計測データ記憶部121、基準データ記憶部122、診断結果データ記憶部123、診断日時記憶部124、異常検知情報記憶部126から構成される。
前記異常検知情報記憶部126には、太陽光発電ユニット1120_mから送信された異常検知情報(異常を検知した時刻、自分の太陽光発電ユニット番号、異常検知信号フラグ)が蓄積される。
前記演算部1113は診断用電流―電圧特性曲線算出部131、判定部132、診断日時決定部133、太陽光発電ユニット監視部134から構成される。
前記太陽光発電ユニット監視部134は、前記太陽光発電ユニット1120_mから異常検知情報を受信すると、異常検知情報が未検出でかつ電流―電圧特性の計測状態である太陽光発電ユニット1120_αを算出し、前記太陽光発電ユニット1120_αに対して、通信部11を介して電流―電圧特性計測完了指令を送信する。
ここで、太陽光発電ユニット1120_mが電流―電圧特性の計測状態か否かの判定方法であるが、前記計測データ記憶部121に格納された計測データのうち、太陽光発電ユニット番号、計測時間、電流―電圧特性計測フラグと、前記異常検知情報記憶部126に格納された異常検知情報(異常を検知した時刻、自分の太陽光発電ユニット番号、異常検知信号フラグ)を比較し、異常を検知した時刻以降の計測時間に電流―電圧特性計測フラグがオンされている太陽光発電ユニット番号をもつ太陽光発電ユニット1120_mを電流―電圧特性の計測状態と判定してもよいし、太陽光発電ユニット1120_mに対して電流―電圧特性の計測状態かどうかの問い合わせをしてもよい。
また前記太陽光発電ユニット監視部134が電流―電圧特性の計測状態か否かの判断をせずに、異常検知情報が送信されていない全ての太陽光発電ユニット1120_mに電流―電圧特性計測完了指令を送信し、太陽光発電ユニット1120_mが電流―電圧特性の計測状態でない場合に電流―電圧特性計測完了指令を受信しても無視する処理を行ってもよい。
次に太陽光発電システム1100における異常検知処理に関して図76を用いて説明する。
図76は、上記実施形態の太陽光発電システム1100における異常検知処理の概要を示すシーケンス図であり、図80は、上記実施形態の太陽光発電ユニット1120_mの状態遷移図である。
太陽光発電ユニット1120_mにおいて電流―電圧特性の計測処理を開始する日時であることを判断した場合、もしくは前記診断装置1110から電流―電圧特性計測開始指令を受信した場合に前記切替部1125_mに切替指示を行うとともに、前記通信部21に対して電流―電圧特性計測フラグをオンにする開始指令を行い、電流―電圧特性の計測処理を開始する(S1301)。前記通信部21は前記計測制御部1123_mからの開始指令を受けて電流―電圧特性計測フラグをオンとし、ネットワークを介して電流―電圧特性用の計測データを診断装置1110へ送信する。
次に、複数の太陽光発電ユニット1120_mのうちひとつの太陽光発電ユニット(図76においては、簡単のために太陽光発電ユニット1120_1とする)が、接続箱1124_m、切替部1125_m、電流―電圧特性計測部1128_m内の異常を検知する(S1302)。
異常を検知した前記太陽光発電ユニット1120_1は前記診断装置1110に対して、異常検知情報(異常を検知した時刻、自分の太陽光発電ユニット番号、異常検知信号フラグ)を送信する(S1303)。
前記診断装置1110は、異常検知情報を前記太陽光発電ユニット1120_1から受信した場合、異常検知情報が未検出でかつ電流―電圧特性の計測状態である太陽光発電ユニット1120_α(図76においては、α=2,4,・・・Mとする)を算出し、前記太陽光発電ユニット1120_αに対して、通信部11を介して電流―電圧特性計測完了指令を送信する(S1304)。電流―電圧特性の未計測状態である太陽光発電ユニット(図76においては、太陽光発電ユニット1120_3)に対しては、電流―電圧特性計測完了指令は送信しない。
前記太陽光発電ユニット1120_αは、前記診断装置1110から電流―電圧特性計測完了指令を受信すると、電流―電圧特性の計測処理を中止する(S1305)。
ここで、太陽光発電システム1120_mにおける異常検知処理に関して図77を用いて説明する。
図77は、上記実施形態の太陽光発電ユニット1120_mにおける異常検知処理の概要を示すシーケンス図である。
前記計測制御部1123_mは、電流―電圧特性の計測処理を開始する日時であることを判断した場合、もしくは前記診断装置1110から電流―電圧特性計測開始指令を受信した場合に前記通信部21に対して電流―電圧特性計測フラグをオンにする開始指令を行うとともに(S1401)、前記異常検知部1150_mに対して異常検知開始指令を行う(S1401)。
前記計測制御部1123_mは、前記切替部1125_mに切替指示を行う(S1402)。
前記切替部1125_mは前記計測制御部1123_mからの指示により、前記接続箱1124_mと前記電流―電圧特性計測部1128_m間を接続する(S1403)。
前記電流―電圧特性計測部1128_mは前記計測制御部1123_mの指示により電流―電圧特性計測を開始し(S1404)、前記接続箱1124_mは電流値、電圧値を計測し(S1406)、前記通信部21に前記電流値、前記電圧値を送信する(S1407)。
また前記異常検知部1150_mは、前記計測制御部1123_mからの異常検知開始指令により接続箱1124_m、切替部1125_m、電流―電圧特性計測部1128_m内の異常を検知するための異常検知処理を開始する(S1405)。
前記接続箱1124_m、前記切替部1125_mまたは前記電流―電圧特性計測部1128_m内に高温、電流異常または電圧異常が発生した場合、前記異常検知部1150_mは異常を検知し(S1409)、異常検知信号(高温検知信号、電流値異常検知信号、電圧値異常検知信号)を計測制御部1123_mに伝送する(S1410)。
前記計測制御部1123_mは、前記異常検知部1150_mから異常検知信号(高温検知信号、電流値異常検知信号、電圧値異常検知信号)を受信すると、前記切替部1125_mと前記電流―電圧特性計測部1128_m対してインタロック信号を発生(S1411)させるとともに、前記異常検知部1150_mに対して異常検知終了指令を行い(S1412)、前記通信部21に対して電流―電圧特性計測フラグをオフにする終了指令を行う(S1413)。
前記切替部1125_mは、前記計測制御部1123_mからのインタロック信号を受信すると、前記接続箱1124_mの接続を切断し、前記電流―電圧特性計測部1128_mは電流―電圧特性計測処理を中止し(S1415)、前記接続箱1124_mと前記パワーコンディショナ1126間が接続される(S1414)。
また前記異常検知部1150_mは、前記計測制御部1123_mからの異常検知終了指令により異常検知処理を停止する(S1416)。
そして、前記計測制御部1123_mは通信部21に異常検知情報(異常を検知した時刻、自分の太陽光発電ユニット番号、異常検知信号フラグ)を送信する(S1417)。
前記通信部21は、前記計測制御部1123_mから受信した異常検知情報(異常を検知した時刻、自分の太陽光発電ユニット番号、異常検知信号フラグ)を診断装置1110へ送信する(S1418)。
そして、太陽光発電ユニット1110における異常検知処理に関して図78を用いて説明する。
図78は、上記実施形態の太陽光発電ユニット1110における異常検知処理の概要を示すシーケンス図である。
前記通信部11は、前記太陽光発電ユニット1120_mから異常検知情報を受信すると(S1501、S1502)、前記異常検知情報記憶部126に格納する(S1503)。
前記太陽光発電ユニット監視部134は、前記太陽光発電ユニット1120_mから異常検知情報を受信すると、異常検知情報が未検出でかつ電流―電圧特性の計測状態である太陽光発電ユニット1120_αを算出する(S1504)。
前記太陽光発電ユニット監視部134は、前記太陽光発電ユニット1120_αの太陽光発電ユニット番号と電流―電圧特性計測完了指令を前記通信部11に送信する(S1505)。
前記通信部11は、太陽光発電ユニット番号に対応する太陽光発電ユニット1120_αに対して電流―電圧特性計測完了指令を送信する(S1505)。
このように、複数の太陽光発電ユニット1120_mのうちのひとつが電流―電圧特性計測時に温度、電流または電圧の異常が発生した場合、その他の太陽光発電ユニット1120_αの電流―電圧特性の計測処理を中止することは以下の効果がある。
前記切替部1125_mや前記電流―電圧特性計測部1128_mには太陽電池ストリング27,27・・・からの発電電流が流れるが、前記切替部1125_mや前記電流―電圧特性計測部1128_mをパワー半導体素子で構成すると、大幅な小型化が実現できるメリットがある。一方、各パワー半導体素子のデータシートで規定された許容温度、許容電流、許容電圧を越えると、前記パワー半導体素子が故障する恐れがあり、信頼性が保障されない。本発明の第11の実施形態によれば、計測制御部1123_mにインタロックによる制限は、パワー半導体素子の信頼性を担保するものである。
なお、インタロックによる使用制限があったとしても、本発明による電流―電圧特性計測処理に全くの障害にならない。
10 診断装置、
11 通信部、
12 記憶部、
13 演算部、
14 表示部、
20 太陽光発電ユニット、
21 通信部、
22 測定部、
23 計測制御部、
24 接続箱、
25 切替部、
26 パワーコンディショナ、
27 太陽電池ストリング、
28 電流―電圧特性計測部、
29 記憶部、
30 表示装置、
40 電力系統

Claims (13)

  1. 複数の太陽電池ストリングを備えた太陽光発電ユニットと、前記太陽光発電ユニットとネットワークを介して接続された診断装置を備えた太陽光発電システムにおいて、
    前記太陽光発電ユニットは、
    予め決められた診断日でかつ日の出後または日の入り前の時間である診断日時に電流―電圧特性用の計測を指示する計測制御部と、
    前記計測制御部の指示により、日の出後に太陽電池ストリングの電圧が自然に上昇するのを利用して、もしくは日の入り前に太陽電池ストリングの電圧が自然に下降するのを利用して電流―電圧特性用の計測データを計測する電流―電圧特性計測部を備え、
    前記診断装置は、
    前記太陽電池ストリングの前記電流―電圧特性用の計測データを前記太陽光発電ユニットから取得する通信部と、
    前記通信部で取得された前記太陽電池ストリングの前記電流―電圧特性用の計測データを記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された所定期間の前記電流―電圧特性用の計測データを使用して診断用電流―電圧特性曲線を算出する診断用電流―電圧特性曲線算出部と、
    前記診断用電流―電圧特性曲線と基準用電流―電圧特性曲線とを比較することにより前記太陽電池ストリングの異常や劣化を診断する判定部を備えたことを特徴とする太陽光発電システム。
  2. 前記電流―電圧特性用の計測データは電流、電圧、日射量および温度であり、前記診断用電流―電圧特性曲線算出部は前記日射量において電流―電圧特性曲線を正規化し、前記診断用電流―電圧特性曲線を算出することを特徴とする請求項1記載の太陽光発電システム。
  3. 前記診断用電流―電圧特性曲線算出部は前記太陽電池ストリングの等価回路モデルから得られる電流、電圧、日射量および温度の関係式を使用して前記電流―電圧特性曲線を正規化することを特徴とする請求項2記載の太陽光発電システム。
  4. 前記太陽光発電ユニットは、パワーコンディショナと、日射量を計測する日射量計測部と、時間の計測を行う計時部を備え、前記診断日時は前記日射量及び/又はパワーコンディショナの稼動/停止状況によって決定することを特徴とする請求項1記載の太陽光発電システム。
  5. 前記診断装置はさらに前記太陽電池ストリングの状態により前記診断日時を決定する診断日時決定部を備え、前記診断日時を前記太陽光発電ユニットに送信することを特徴とする請求項1記載の太陽光発電システム。
  6. 前記太陽光発電ユニットはさらに前記計測制御部からの指示により前記太陽電池ストリングとパワーコンディショナ間の接続または遮断する切替部を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の太陽光発電システム。
  7. 前記電流−電圧特性計測部および/または前記切替部は、複数の固定抵抗器と接続器または前記複数の固定抵抗器と前記接続器の代替として複数のパワー半導体素子を備えたことを特徴とする請求項6記載の太陽光発電システム。
  8. 前記太陽電池ユニットはさらに降雪・積雪計測部を備え、前記計測制御部は前記降雪・積雪計測部が前記太陽電池ストリング上に雪が積もっている及び/又は雪が降っていると計測した場合に前記電流―電圧特性用の計測の指示を行わないことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載の太陽光発電システム。
  9. 前記切替部は各前記太陽電池ストリングと前記電流―電圧特性計測部とをそれぞれ接続することを特徴とする請求項6記載の太陽光発電システム。
  10. 前記切替部は前記パワーコンディショナ内の電流計の値と電圧計の値を制御することによって前記太陽電池ストリングとパワーコンディショナ間の接続を遮断することを特徴とする請求項6記載の太陽光発電システム。
  11. 前記太陽光発電システムはさらに計測データ異常検知装置を備え、前記計測データ異常検知装置は前記電流―電圧特性用の計測データの異常を検知し、異常検知結果を前記診断装置に送信し、前記診断装置は異常が検知された前記電流―電圧特性用の計測データを前記診断用電流―電圧特性曲線を算出するために使用しないことを特徴とする請求項1記載の太陽光発電システム。
  12. 前記太陽光発電システムはさらに電力会社が設置した系統側サーバーと接続され、前記系統側サーバーから受信した発電量の出力抑制情報から前記太陽光発電ユニットが電力系統へ出力する発電量を抑制することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項記載の太陽光発電システム。
  13. 太陽電池ストリングと接続箱を備えた太陽光発電ユニットと、前記複数の太陽光発電ユニットが接続されたパワーコンディショナと、前記太陽光発電ユニットとネットワークを介して接続された診断装置を備えた太陽光発電システムにおいて、
    前記太陽光発電ユニットは、
    予め決められた診断日でかつ日の出後または日の入り前の時間である診断日時に電流―電圧特性用の計測を指示する計測制御部と、
    前記計測制御部の指示により、日の出後に太陽電池ストリングの電圧が自然に上昇するのを利用して、もしくは日の入り前に太陽電池ストリングの電圧が自然に下降するのを利用して電流―電圧特性用の計測データを計測する電流―電圧特性計測部と、
    前記接続箱内の温度、電流または電圧の異常を検出する異常検知部を備え、
    前記診断装置は、
    ひとつの太陽光発電ユニットが前記異常検知部により異常を検出した場合に、その他の太陽光発電ユニット対して前記電流―電圧特性用の計測の中断指示を行う太陽光発電ユニット監視部を備えたことを特徴とする太陽光発電システム。
JP2016060230A 2015-04-30 2016-03-24 太陽光発電システム、太陽光発電ユニットの診断方法および診断プログラム Pending JP2017063591A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015092637 2015-04-30
JP2015092637 2015-04-30
JP2015190827 2015-09-29
JP2015190827 2015-09-29

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017063591A true JP2017063591A (ja) 2017-03-30

Family

ID=58429492

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016060230A Pending JP2017063591A (ja) 2015-04-30 2016-03-24 太陽光発電システム、太陽光発電ユニットの診断方法および診断プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017063591A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109756185A (zh) * 2017-11-03 2019-05-14 财团法人资讯工业策进会 判断太阳能板阵列是否异常的计算机装置与方法
CN110035591A (zh) * 2019-04-30 2019-07-19 上海电力学院 一种基于mppt的太阳能路灯开关控制装置及方法
WO2020095553A1 (ja) * 2018-11-06 2020-05-14 住友電気工業株式会社 監視システム、収集制御装置、監視装置、監視方法および収集制御方法
CN111401689A (zh) * 2020-02-19 2020-07-10 远景智能国际私人投资有限公司 光伏场站降雪日期的确定方法、装置、设备及存储介质
JP2023500167A (ja) * 2020-01-09 2023-01-04 エンヴィジョン デジタル インターナショナル ピーティーイー.エルティーディー. 太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法および装置ならびに記憶媒体
CN115864994A (zh) * 2023-02-08 2023-03-28 山东奥客隆太阳能科技有限公司 一种用于光伏组件测试装置的可靠性评估方法及系统

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109756185A (zh) * 2017-11-03 2019-05-14 财团法人资讯工业策进会 判断太阳能板阵列是否异常的计算机装置与方法
WO2020095553A1 (ja) * 2018-11-06 2020-05-14 住友電気工業株式会社 監視システム、収集制御装置、監視装置、監視方法および収集制御方法
CN110035591A (zh) * 2019-04-30 2019-07-19 上海电力学院 一种基于mppt的太阳能路灯开关控制装置及方法
JP2023500167A (ja) * 2020-01-09 2023-01-04 エンヴィジョン デジタル インターナショナル ピーティーイー.エルティーディー. 太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法および装置ならびに記憶媒体
JP7289995B2 (ja) 2020-01-09 2023-06-12 エンヴィジョン デジタル インターナショナル ピーティーイー.エルティーディー. 太陽光発電ストリングの動作状態を認識する方法および装置ならびに記憶媒体
CN111401689A (zh) * 2020-02-19 2020-07-10 远景智能国际私人投资有限公司 光伏场站降雪日期的确定方法、装置、设备及存储介质
CN111401689B (zh) * 2020-02-19 2023-08-04 远景智能国际私人投资有限公司 光伏场站降雪日期的确定方法、装置、设备及存储介质
CN115864994A (zh) * 2023-02-08 2023-03-28 山东奥客隆太阳能科技有限公司 一种用于光伏组件测试装置的可靠性评估方法及系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017063591A (ja) 太陽光発電システム、太陽光発電ユニットの診断方法および診断プログラム
Islam et al. Performance evaluation of maximum power point tracking approaches and photovoltaic systems
US8471408B2 (en) Photovoltaic array systems, methods, and devices with bidirectional converter
Padmavathi et al. Performance analysis of a 3 MWp grid connected solar photovoltaic power plant in India
AbdelHady Modeling and simulation of a micro grid-connected solar PV system
Farhoodnea et al. Performance evaluation and characterization of a 3-kWp grid-connected photovoltaic system based on tropical field experimental results: new results and comparative study
KR101135386B1 (ko) 단위 그룹별 최대전력점 추종을 수행하는 태양광 발전 시스템
KR101132323B1 (ko) 단위 그룹별 최대전력점 추종을 수행하는 태양광 발전 시스템
Khatib et al. Novel simplified hourly energy flow models for photovoltaic power systems
WO2016069810A1 (en) Systems and methods for dispatching maximum available capacity for photovoltaic power plants
WO2016166991A1 (ja) 太陽光発電設備の診断システムおよびプログラム
KR20190100800A (ko) 태양광 발전 시스템
Jed et al. Analysis of the performance of the photovoltaic power plant of Sourdun (France)
Tossa et al. Artificial intelligence technique for estimating PV modules performance ratio under outdoor operating conditions
Boyd Comparative performance and model agreement of three common photovoltaic array configurations
Cova et al. Photovoltaic plant maintainability optimization and degradation detection: Modelling and characterization
Rahman et al. Performance analysis of a grid-connected PV system at Malaysian Energy Centre, Malaysia
TW201419009A (zh) 追日式太陽能光電系統增益之預估方法
JP6759081B2 (ja) 太陽電池特性の把握方法および太陽光発電制御システム
Barnes et al. Modelling PV clouding effects using a semi-markov process with application to energy storage
WO2016166992A1 (ja) 異常監視システムおよびプログラム
Silva Analysis of new indicators for Fault detection in grid connected PV systems for BIPV applications
Herteleer Outdoor thermal and electrical characterisation of photovoltaic modules and systems
Ndapuka Design and development of a monitoring station for the long-term investigation of dust pollution effects on the performance of pv panels
Ruchira et al. Experimental Investigation of PV Microinverter Technology for Low-Power Applications