JP2016207516A - 電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】本明細書が開示する技術は、天板に正極と負極の端子を有する縦型の電池に関し、良好な発電性能を得ることと、捲回電極体の中心に挿通された支持板の短絡を防止することの両立を図る。【解決手段】電池2は、捲回電極体10と、扁平な捲回電極体の中心に挿通されている支持板21を備える。中心線CLの両側で正極シートの上端から複数の集電タブ12aが上方に延びている。複数の集電タブ12aは、集められ、正極端子30に接続されている。捲回電極体10の負極シートの下端が支持板21に接続されている。支持板21の上端にリード部21aが設けられおり、リード部21aが負極端子20に固定されている。短手方向にみたときに、集電タブ12aの横幅の範囲において、支持板21の上端が、正極シートの活物質塗布領域の上端と負極シートの活物質塗布領域の上端との間に位置している。【選択図】図1
Description
本発明は、電池に関する。特に、正極活物質と負極活物質の一方が塗布された第1シートと他方が塗布された第2シートがセパレータを挟んで扁平に捲回されている捲回電極体を備えた電池に関する。
捲回電極体を備えた電池は、ケース本体へ捲回電極体を縦向きに収容するタイプと横向きに収容するタイプがある。ここで、「縦向き」とは、捲回軸がケース本体の開口面に対して垂直な方向を向くように捲回電極体がケース本体に収容されていることを意味し、「横向き」とは、捲回軸がケース本体の開口面に平行な方向を向くように捲回電極体がケース本体に収容されていることを意味する。本明細書では説明の便宜のため、捲回電極体が縦向きにケース本体に収容されているタイプの電池を縦型電池と称する。なお、以下では、ケース本体と、ケース本体の開口を覆う天板を合わせて電池ケースと称する。
縦型電池の多くは、正極と負極の一方の端子が天板に設けられ、他方の端子はケースの底板に設けられる(特許文献1)。これは、次の理由による。捲回電極体の典型的な構造の一つでは、捲回軸方向の一方の端に正極シートだけを露出させた正極集電部が設けられ、他方の端に負極シートだけを露出させた負極集電部が設けられる。正極集電部と負極集電部の一方は天板に固定された端子に接続され、他方は底板に固定された端子に接続される。捲回電極体は、捲回軸方向の両端で電池ケースに安定に支持される。
縦型電池を使う場合、正極と負極の端子が天板と底板に分かれているのは使い勝手がよくない。特許文献2には、正極と負極の端子を共に天板に設けた縦型電池が開示されている。その電池では、捲回前の帯状の正極シートの短手方向の一方の縁に、集電タブと呼ばれる短冊状の複数の突出部を設ける。複数の集電タブは、捲回したときに重なるように、正極シートの長手方向に沿って所定の間隔で設けられている。負極シートにも同様の複数の集電タブが設けられている。正極シートと負極シートは、両方の集電タブ群が捲回電極体から同じ方向に突出するように捲回される。正極シートの集電タブ群は、天板に固定された正極端子に接続され、負極シートの集電タブ群は天板に固定された負極端子に接続される。天板に吊り下げられた捲回電極体は、ケース本体に収容される。こうして、天板に正極端子と負極端子が固定された電池が実現される。
特許文献2の電池では、捲回電極体は天板に吊り下げられた状態で保持される。一方、上記した集電タブは、正極シート(あるいは負極シート)の一部であるため剛性が高くない。従って、天板に吊り下げられた捲回電極体が揺れ易くなる。このことは、例えば、電池の組み立て工程において天板に吊り下げられた捲回電極体をケース本体に挿入する作業に影響を及ぼす。
本願の発明者は、上記課題に鑑み、正極端子と負極端子が共に天板に設けられている縦型電池について、捲回電極体が揺れ難い構造を提案した(特願2015−023630号、2015年2月9日出願、本願出願時は未公開)。その電池は次の構造を有する。捲回電極体の上側の集電部(複数の集電タブ)は、天板の一方の端子に接続されている。捲回電極体の中心に導電性の支持板が挿通されている。捲回電極体の下側の集電部が支持板の下端に接続されている。支持板の上端には、捲回電極体から上方に突出するリード部が設けられており、そのリード部が天板に固定された他方の端子に接続されている。捲回電極体はその中心に挿通された支持板によって支持されており、振動し難い。
ここで、説明の便宜上の用語を定義する。縦型電池において、捲回電極体の上側の集電部は正極シートのものであっても負極シートのものであってもよい。そこで、以下の説明では、正極シートと負極シートの一方を第1シートと称し、他方を第2シートと称する。また、天板に設けられる正極と負極の端子の一方を第1端子と称し他方を第2端子と称する。なお、正極シートとは、正極活物質が塗布されたシートであり、負極シートは、負極活物質が塗布されたシートである。従って、正極活物質と負極活物質の一方が塗布されたシートが第1シートであり、他方が塗布されたシートが第2シートである。
扁平な捲回電極体を備えた電池では、ケース本体から捲回電極体の短手方向に圧力が加えられる。このとき、第1シートの活物質塗布領域と第2シートの活物質塗布領域が重なった領域に均一な圧力が加わると、良好な発電性能が得られる。第1シートの活物質塗布領域と第2シートの活物質塗布領域が重なった領域を以下では発電領域と称する。捲回電極体は長手方向の両側でシート群が湾曲しているので、捲回中心に何もないと、圧力が均一に加わらない。発明者が提唱する電池では、発電領域は、ケース本体の側板と支持板で挟まれるので、発電領域に均一な圧力が加わり、良好な発電特性が得られる。捲回電極体の上端においても均一な圧力が加わるように、支持板は正極シートと負極シートの夫々の活物質塗布領域の上端よりも上に延びているとよい。しかしながら、第1シートの上端から延びている複数の集電タブは、集められて、端子に接続されている。従って、第2シートの下端と接続されている支持板の上端が第1シートの上端よりも高いと、支持板の上方に集められている複数の集電タブと接触してしまう虞がある。即ち、第1シートと第2シートが支持板を通じて短絡してしまう虞がある。本明細書は、本願の発明者が提唱した電池の改良に関し、良好な発電性能を得ることと、支持板を介した第1シートと第2シートの短絡を防止することの両立を図る技術を提供する。
本明細書が開示する電池は、捲回電極体とケース本体と天板と支持板を備える。捲回電極体は、正極活物質と負極活物質の一方が塗布された第1シートと他方が塗布された第2シートがセパレータを挟んで扁平に捲回されている部品である。支持板は、扁平な捲回電極体を捲回軸方向にみたときに長手方向と平行になるように捲回電極体の中心に挿通されている。ケース本体は、捲回電極体を、その捲回軸がケース本体の開口面に対して垂直な方向を向くように収容している。天板は、ケース本体の開口を封止している。天板には、第1端子及び第2端子が固定されている。また、捲回軸方向にみたときに捲回電極体の長手方向に延びる中心線の両側で第1シートの上端から複数の集電タブが上方に延びている。複数の集電タブは、捲回電極体の短手方向にみたときに重なるように配置されている。その複数の集電タブは、集められており、第1端子に接続されている。捲回電極体の第2シートの下端が支持板に接続されている。支持板の上端に、捲回電極体の短手方向に沿ってみたときに複数の集電タブと重ならない位置から上方に延びているリード部が設けられおり、リード部が第2端子に固定されている。そして、捲回電極体の短手方向にみたときに、複数の集電タブの横幅の範囲において、支持板の上端が、第1シートの活物質塗布領域の上端と第2シートの活物質塗布領域の上端との間に位置している。
上記の電池では、捲回電極体の上部において、支持板は発電領域(正極シートの活物質塗布領域と負極シートの活物質塗布領域が重なった領域)と重なっている。発電領域を捲回電極体の中心側で支持板が支持しているので、捲回電極体の上部において、発電領域に均一に圧力が加わる。即ち、支持板は、良好な発電性能を得ることに寄与する。また、支持板の上端は、一方のシートの上端よりも下に位置する。従って集められた集電タブと支持板上端との間に隙間が確保される。この隙間が、支持板と集電タブとの絶縁確保に貢献する。本明細書が開示する電池は、良好な発電性能を得ることと、支持板を介した第1シートと第2シートの短絡を防止することの両立を図ることができる。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
図面を参照して実施例の電池を説明する。図1に実施例の電池2の分解斜視図を示す。実施例の電池2は、扁平角型形状の電池ケース5に捲回電極体10(後述)を収容するとともに電解液を注入した非水電解質二次電池である。より具体的には、電池2は、角型密閉式のリチウムイオン電池である。図中の座標系のZ軸正方向が「上」に相当し、負方向が「下」に相当する。
電池ケース5は、ケース本体4と天板3で構成されている。ケース本体4は、長手方向(図中の座標系のY軸方向)の長さに比べて短手方向(図中のX軸方向)の長さが著しく短い扁平角型であり、上部が開口している。このケース本体4に捲回電極体10と電解液が収容され、天板3がケース本体4の上部開口を密閉する。ケース本体4と天板3はアルミニウムで作られている。
天板3の長手方向に沿って貫通孔91a、91bが設けられている。一方の貫通孔91aには絶縁ガスケット93aを介して負極電極端子20の負極露出部6が挿通される。負極電極端子20は、絶縁ガスケット93aを介して天板3に固定される。負極電極端子20は、上部の負極露出部6がケース本体4の外部に露出し、負極露出部6の下端に続く連結部8はケース本体4の内部に位置する。絶縁ガスケット93aは、負極電極端子20(負極露出部6)と貫通孔91aの間を封止するとともに、負極電極端子20を天板3から絶縁する。
他方の貫通孔91bには絶縁ガスケット93bを介して正極電極端子30の正極露出部7が挿通される。正極電極端子30は、絶縁ガスケット93bを介して天板3に固定される。正極電極端子30は、上部の正極露出部7がケース本体4の外部に露出し、正極露出部7の下端に連続する連結部9はケース本体4の内部に位置する。絶縁ガスケット93bは、正極電極端子30と貫通孔91bの間を封止するとともに、正極電極端子30を天板3から絶縁する。
天板3の長手方向の中央には、電池ケース5の内圧が所定の閾値以上に上昇したときに開くガス排出バルブ92が設けられている。
ケース本体4には、扁平形状に捲回された捲回電極体10が収容されているとともに、収容した捲回電極体10を浸す電解液が注入されている。図中のY軸方向が扁平な捲回電極体10の長手方向に対応し、X軸方向が捲回電極体10の短手方向に対応する。図2に、捲回電極体10の斜視図を示す。図2は、捲回電極体10の一部を巻き戻した図である。図2に示すように、捲回電極体10は、正極活物質が塗布された正極シート12と負極活物質が塗布された負極シート14を、セパレータ13a、13bを挟んで扁平形状に捲回したものである。正極シート12と負極シート14は、捲回軸Jの延びる方向に相互に所定距離ずらして捲回されている。図中の座標系でZ軸負方向(即ち下方向)には、負極シート14だけが捲回されている部位があり、その部位を、負極集電部17と称する。正極シート12には、複数の集電タブ12aが形成されている。夫々の集電タブ12aは、帯状に延びる正極シート12の上縁12bから、捲回電極体10の上方(Z軸正方向)に突出するように形成されている。集電タブ12aの材料は、正極シート12の材料と同じものである。
複数の集電タブ12aは、正極シート12、負極シート14、セパレータ13a、13bを捲回したときに互いに重なるように、所定のピッチで正極シート12の上縁12bに設けられている。さらに、図1に示すように、複数の集電タブ12aは、捲回電極体10の中心線CLの両側で正極シート12の上縁12bから上方に延びている。ここで、中心線CLは、捲回電極体10を捲回軸Jの方向にみたときに捲回電極体10の長手方向(Y方向)に延びる直線であり、捲回電極体10をその短手方向(X方向)に二分する直線である。複数の集電タブ12aは、捲回電極体10の短手方向(X方向)にみたときに重なるように設けられている。
捲回電極体10において、正極シート12、負極シート14、セパレータ13a、13bの全てが重なった領域が電気を発生する部分であり、発電領域16と称する。なお、より具体的には、正極シート12において正極活物質が塗布された領域(活物質塗布領域)、負極シート14において負極活物質が塗布された領域(活物質塗布領域)、セパレータ13a、13bの全てが重なった部分が発電領域16である。なお、活物質塗布領域は、塗工部と呼ばれることがある。
捲回電極体10は、その捲回軸Jが、ケース本体4の開口面(図中のXY平面)に対して垂直な方向を向くようにケース本体4に収容されている。ケース本体4に対する捲回電極体10のこの向きを縦向きと称する。捲回電極体10は、複数の集電タブ12aが上側、即ち、天板3の側に位置するように、ケース本体4に収容されている。図1に示すように、複数の集電タブ12aは、中心線CL寄りに集められ、両側に正極電極端子30の連結部9が接続される。集電タブ12aと連結部9は、溶接にて接続される。連結部9の上端に正極露出部7が続いている。
捲回電極体10の中央に挿通されている支持板21について説明する。支持板21は、扁平な捲回電極体10の中心孔18に挿通されている。より詳しくは、支持板21は、扁平な捲回電極体10を捲回軸Jの方向にみたときに長手方向(Y方向)に延びる中心線CLに平行になるように、捲回電極体10の中心孔18に挿通されている。支持板21は、導電性の金属で作られている。より具体的には、支持板21は、銅で作られている。支持板21は、正極シート12、負極シート14、セパレータ13a、13bを捲回するときに捲き芯が占めていた部位に挿入される。支持板21の上縁からリード部21aが上方に延びている。リード部21aは、捲回電極体10を短手方向にみたときに集電タブ12aと重ならない位置から上方へと延びている。リード部21aは溶接によって、負極電極端子20の連結部8に固定される。また、支持板21の下端21bは、捲回電極体10の下端から下方に突き出ており、負極シート14だけが積層されている負極集電部17が接続されている。負極集電部17は溶接によって支持板21に接続されている。
図1とともに、図3、図4を使って説明を続ける。図3は、図1のIII−III線に沿った断面図を示しており、図4は、図1のIV−IV線に沿った断面図を示している。図3は、負極電極端子20の負極露出部6とリード部21aを横断する断面図であり、図4は正極電極端子30の正極露出部7と集電タブ12aを横断する断面図である。図3と図4には捲回電極体10の断面を示してあるが、その断面ではセパレータの図示を省略している。図3に示されているように、リード部21aを介して支持板21が天板3に固定されており、その支持板21は、捲回電極体10の中心に挿通されている。そして、支持板21の下端21bに、捲回電極体10の下端の負極集電部17が接続されている。捲回電極体10は、その中心に支持板21が挿通されており、その支持板21は天板3に固定されている。この構造により、捲回電極体10は、天板3に対して揺れ難くなる。また、支持板21は、捲回電極体10の下端の負極集電部17と負極電極端子20を導通する機能を果たしている。
一方、図4に示されているように、捲回電極体10の上側において、集電タブ12aが正極電極端子30に接続されている。その正極電極端子30は、絶縁ガスケット93bを介して天板3に支持されている。結局、捲回電極体10の上側に位置する集電タブ12aは、天板3に支持されることになる。図3と図4に示されているように、捲回電極体10は、その上部と下部が夫々負極電極端子20と正極電極端子30に接続されている。特に、捲回電極体10は、上下に張力が加わるように、その上端の集電タブ12aが正極電極端子30に接続され、捲回電極体10の下端の負極集電部17が支持板21の下端21bに接続される。正極シート12、負極シート14、及び、セパレータ13a、13bの夫々は薄く、柔軟であるが、捲回電極体10が上下方向に張力を受けるので、それらのシートは皺になり難い。
なお、ケース本体4の内側には、絶縁シート29が配置されている。絶縁シート29は捲回電極体10をケース本体4から絶縁する。図3、図4では、捲回電極体10とケース本体4の間には隙間が描かれている。しかし、電池2は複数個が積層されて組電池を構成する。その際、各電池2は、積層方向に加圧される。加圧によってケース本体4が撓み、捲回電極体10は、ケース本体4の両側の側板から、短手方向に圧力を受ける。
正極活物質が塗布された領域(活物質塗布領域)と負極活物質が塗布された領域とセパレータが重なった領域、即ち、発電領域には、均一な圧力が加わることが望ましい。捲回電極体10は長手方向(Y軸方向)の両側が湾曲しているので、中心に何もないと、その短手方向から圧力を受けたときにその圧力が均一に加わらない。捲回電極体10の長手方向の端に近い部分では湾曲の影響を受け、中心に近くなるほど、湾曲の影響が小さくなるからである。捲回電極体10の中心には、捲回電極体10の内側で長手方向の端から端まで拡がる支持板21が挿通されている。従って、正極と負極の活物質塗布領域とセパレータが重なった発電領域はケース本体4の夫々の側板と中心の支持板21に挟まれ、均一に圧力が加わる。
捲回電極体10の上部における圧力の加わり方について説明する。図5に、捲回電極体10の上部の拡大断面図を示す。図5は、集電タブ12aを通るXZ平面で捲回電極体10をカットした断面を示している。捲回電極体10の中心には支持板21が挿通されている。その両側に、セパレータ13aが位置している。セパレータ13aの外側に負極シート14が位置している。図5では、負極シート14に塗布された負極活物質の領域(活物質塗布領域141)も示されている。活物質塗布領域141は、負極シート14の上端に達している。負極シート14の外側にセパレータ13bが位置しており、その外側に正極シート12が位置している。図5では、正極シート12に塗布された正極活物質の領域(活物質塗布領域121)も示されている。活物質塗布領域121は、正極シート12の上端に達している。なお、図5では、正極シート12の上縁に集電タブ12aが続いている。正極シート12の上端は、活物質塗布領域121の上端と同じ位置である。正極シート12の外側に第2巡目のセパレータ13aが位置し、その外側に第2巡目の負極シート14が位置する。このように、セパレータ13a、負極シート14、セパレータ13b、正極シート12が交互に積層されることになる。図5では、一巡目のシート群のみを示しており、2巡目以降のシート群は図示を省略した。
図5に示すように、捲回電極体10は、支持板21と接する最内周にセパレータ13aが位置している。また、セパレータ13a、13bの上端が、正極シート12の上端と負極シート14の上端よりも上に位置している。
集電タブ12aは、支持板21の両側に位置しており、中央寄り(中心線寄り)に集められる。図5では図示されていないが、中央に集められた複数の集電タブ12aに正極電極端子30が接続される。
図5において、符号HNが示す破線は、負極シート14の活物質塗布領域141の上端の高さを示している。符号HPが示す破線は、正極シート12の活物質塗布領域121の上端の高さを示している。符号HSが示す破線は、支持板21の上端の高さを示している。図5に示されているように、支持板21の上端HSは、正極シート12の活物質塗布領域121の上端HPと負極シート14の活物質塗布領域141の上端HNとの間に位置している。なお、本実施例では、負極シート14の活物質塗布領域141の上端HNが、正極シート12の活物質塗布領域121の上端HPよりも上に位置している。
先に述べたように、正極シート12の活物質塗布領域121と負極シート14の活物質塗布領域141とセパレータ13a、13bが重なった領域が発電領域である。図5では、正極シート12の活物質塗布領域121の上端HPが発電領域の上端に相当する。支持板21は、発電領域の上端よりも上に突出している。捲回電極体10が短手方向(X軸方向)の圧力を受ける際、捲回電極体10の上端において、発電領域の内側(捲回電極体の中心に近い側)に支持板21が存在するので、発電領域には均等に圧力が加わる。従って、良好な発電特性が得られる。また、図5に示すように、支持板21の上端HSは、負極シート14の活物質塗布領域141の上端HNよりも低い位置にあるので、中央の側に寄せられた集電タブ12aとの間に隙間G1が確保される。この隙間G1により、下端で負極シート14に接続されている支持板21と正極シート12の集電タブ12aとの短絡が防止される。
図5に示したレイアウトの利点を説明するため、比較例を図6と図7に示す。図6は、支持板21xの上端HSが正極シート12の活物質塗布領域121の上端HPと負極シート14の活物質塗布領域141の上端HNの双方よりも高い場合の断面図である。この場合、支持板21xの上端HSと中央に寄せられた集電タブ12aとの間に隙間が確保できないので、図6の符号P1が示す箇所において、集電タブ12aと支持板21xが短絡する可能性が高まってしまう。
図7は、支持板21yの上端HSが正極シート12の活物質塗布領域121の上端HPと負極シート14の活物質塗布領域141の上端HNの双方よりも低い場合の断面図である。この場合、負極シート14の活物質塗布領域141の上部が湾曲してしまい、負極活物質が剥離する虞がある。また、支持板21xの上端HSより上で正極シート12の活物質塗布領域121と負極シート14の活物質塗布領域141の重なった箇所(即ち、発電領域)は、捲回電極体10の中心側にて支持板21yの支持を受けないので、他の領域と比較して加わる圧力が小さくなる。その結果、発電効率が低下する。
図5−図7から明らかなとおり、支持板21の上端HSが、正極シート12の活物質塗布領域121の上端HPと負極シート14の活物質塗布領域141の上端HNとの間に位置することによって、良好な発電特性が得られるとともに、集電タブ12aと支持板21との短絡が防止される。
実施例の支持板21は、フラットな上端を有しており、そのフラットな上端の全領域が、正極シート12の活物質塗布領域121の上端HPと負極シート14の活物質塗布領域141の上端HNとの間に位置していた。支持板21は、集電タブ12aとの接触が避けられればよい。従って、支持板は、短手方向(X軸方向)にみたときに、集電タブ12aの横幅の範囲において、正極シート12の活物質塗布領域121の上端HPと負極シート14の活物質塗布領域141の上端HNとの間に位置していればよい。なお、「集電タブ12aの横幅の範囲」とは、別言すれば、集電タブ12aの正極シート12と接続している縁の両端の間の範囲を意味する。そのような支持板を有する捲回電極体の例を図8に示す。図8の捲回電極体10aは、その中心に支持板221が挿通されている。支持板221の上端には切欠221aが設けられている。捲回電極体10aを短手方向(X軸方向)にみたときに、切欠221aは、集電タブ12aの横幅の範囲と重なるように設けられている。そして、切欠221aの底縁221bが、正極シートの活物質塗布領域の上端HPと負極シートの活物質塗布領域の上端HNとの間に位置している。切欠221a以外の範囲においては、支持板221の上端221cは、正極シートの活物質塗布領域の上端HPと負極シートの活物質塗布領域の上端HNの双方よりも上側に位置している。このような形状の支持板221であっても、上記した支持板21と同じ効果が得られる。
実施例で説明した電池の特徴のいくつかを列挙する。支持板21は、捲回電極体10の中心孔18の長手方向(Y軸方向)の端から端まで拡がっている。セパレータ13a、13bの上端は、正極シート12、負極シート14の上端よりも上まで延びている。
実施例で説明した技術の留意点について述べる。実施例では、正極シート12の上部に集電タブ12aが設けられ、負極シート14の下端が支持板21の下端に接続されている。実施例の正極シート12が「第1シート」の一例に相当し、負極シート14が「第2シート」の一例に相当する。正極シートと負極シートが逆であってもよい。即ち、負極シートの上部に集電タブが設けられ、正極シートの下端が支持板の下端に接続されていてもよい。
図5に示した態様では、捲回電極体10の最内周にセパレータ13aが位置し、その外側に負極シート14(第2シート)が位置している。そして、正極シート12(第1シート)の活物質塗布領域121の上端HPが、負極シート14(第2シート)の活物質塗布領域141の上端HNよりも下である。活物質塗布領域の上端の上下関係は、図5に示した関係に限られない。図9に、別の変形例の捲回電極体10bの上端付近の部分拡大断面図を示す。捲回電極体10bでは、正極シート12(第1シート)の活物質塗布領域121の上端HPが、負極シート14(第2シート)の活物質塗布領域141の上端HNよりも上である。図9に示す捲回電極体10bでも、図5に示した捲回電極体10と同じ効果が得られる。
実施例の支持板21の下端に水平方向に拡がる補助板を接続し、第2シートの下端をその補助板の上に溶接してもよい。その場合、捲回電極体は、その中央に挿通された支持板と、支持板の下端で水平方向に拡がる補助板の双方で支持されることになり、より一層揺れ難くなる。
正極電極端子30と負極電極端子20は、導電性の材料であれば何でもよいが、典型的には、正極電極端子30はアルミニウムで作られ、負極電極端子20は銅で作られる。その場合、負極電極端子20と接続される支持板21(リード部21aを含む)も銅で作られるのがよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:電池
3:天板
4:ケース本体
5:電池ケース
6:負極露出部
7:正極露出部
8、9:連結部
10、10a、10b:捲回電極体
12:正極シート(第1シート)
12a:集電タブ
13a、13b:セパレータ
14:負極シート(第2シート)
17:負極集電部
20:負極電極端子(第2端子)
21、221:支持板
21a:リード部
30:正極電極端子(第1端子)
92:ガス排出バルブ
93a、93b:絶縁ガスケット
3:天板
4:ケース本体
5:電池ケース
6:負極露出部
7:正極露出部
8、9:連結部
10、10a、10b:捲回電極体
12:正極シート(第1シート)
12a:集電タブ
13a、13b:セパレータ
14:負極シート(第2シート)
17:負極集電部
20:負極電極端子(第2端子)
21、221:支持板
21a:リード部
30:正極電極端子(第1端子)
92:ガス排出バルブ
93a、93b:絶縁ガスケット
Claims (1)
- 正極活物質と負極活物質の一方が塗布された第1シートと他方が塗布された第2シートがセパレータを挟んで扁平に捲回されている捲回電極体と、
前記捲回電極体を収容しているケース本体であり、前記捲回電極体を、その捲回軸を当該ケース本体の開口面に対して垂直に向けて収容しているケース本体と、
前記ケース本体の開口を封止しており、第1端子及び第2端子が固定されている天板と、
前記捲回電極体を捲回軸方向にみたときに前記捲回電極体の長手方向と平行になるように前記捲回電極体の中心に挿通されている支持板と、
を備えており、
前記捲回軸方向にみたときに前記捲回電極体の長手方向に延びる中心線の両側で前記第1シートの上端から複数の集電タブが上方に延びているとともに、前記複数の集電タブが前記捲回電極体の短手方向にみたときに重なるように位置しており、
前記複数の集電タブが集められているとともに、前記第1端子に接続されており、
前記捲回電極体の前記第2シートの下端が前記支持板に接続されており、
前記支持板の上端に、前記短手方向にみたときに前記複数の集電タブと重ならない位置から上方に延びているリード部が設けられおり、当該リード部が前記第2端子に固定されており、
前記短手方向にみたときに、前記複数の集電タブの横幅の範囲において、前記支持板の上端が、前記第1シートの活物質塗布領域の上端と前記第2シートの活物質塗布領域の上端との間に位置している、
ことを特徴とする電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015088938A JP2016207516A (ja) | 2015-04-24 | 2015-04-24 | 電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015088938A JP2016207516A (ja) | 2015-04-24 | 2015-04-24 | 電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016207516A true JP2016207516A (ja) | 2016-12-08 |
Family
ID=57490461
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015088938A Pending JP2016207516A (ja) | 2015-04-24 | 2015-04-24 | 電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016207516A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113270671A (zh) * | 2021-05-13 | 2021-08-17 | 宁德新能源科技有限公司 | 电芯及用电装置 |
CN115000635A (zh) * | 2022-05-28 | 2022-09-02 | 楚能新能源股份有限公司 | 一种辅助电池极耳揉平的集流盘 |
CN116114117A (zh) * | 2021-02-09 | 2023-05-12 | 宁德时代新能源科技股份有限公司 | 电极组件及电池单体、电池、装置、制备方法和制备装置 |
-
2015
- 2015-04-24 JP JP2015088938A patent/JP2016207516A/ja active Pending
Cited By (5)
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CN116114117A (zh) * | 2021-02-09 | 2023-05-12 | 宁德时代新能源科技股份有限公司 | 电极组件及电池单体、电池、装置、制备方法和制备装置 |
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CN113270671B (zh) * | 2021-05-13 | 2024-04-16 | 宁德新能源科技有限公司 | 电芯及用电装置 |
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