JP2016205587A - ワンウェイクラッチの取付方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】取付性を向上させたワンウェイクラッチの取付方法を提供する。【解決手段】固定プレート15を固定部1bに仮止めするピン23によって固定部1bに固定プレート15を仮止めし、かつ、固定プレート15に第1回転体13aを取り付けた場合における第2回転体13b,13cと固定プレート15とが対向する間隔の長さD8または第2回転体13b,13cと一体の部材であって固定プレート15に軸線方向で対向する回転部材12と固定プレート15とが対向する間隔の長さD4から固定プレート15の厚さD5を減じた寸法D6,D9より長く固定プレート15からピン23を突出(D7)させておき、その後、固定プレート15に第1回転体13aを取り付けると共に回転軸4aに第2回転体13b,13cを連結する。【選択図】図1
Description
この発明は、第1の回転方向ではトルクを伝達し、第2の回転方向ではトルクを伝達しないように構成されたワンウェイクラッチを固定部に取り付ける方法に関するものである。
この種のワンウェイクラッチの一例が特許文献1および特許文献2に記載されている。これらの特許文献1および特許文献2に記載されたワンウェイクラッチは、一方の回転方向ではインナーレースとアウターレースとが係合してトルクを伝達し、他方の回転方向でインナーレースとアウターレースとが相対回転するように構成されている。エンジンを始動させる始動用モータにリングギヤを介してインナーレースが連結され、エンジンのクランク軸にフライホイールと共にアウターレースが連結されている。そのため、始動用モータを駆動させて一方の回転方向にインナーレースを回転させると、該インナーレースとアウターレースとが係合してこれらが一体に回転することによりエンジンがクランキングされる。一方、エンジンのクランク軸の回転速度がリングギヤの回転速度より速くなると、インナーレースとアウターレースとが相対回転する。
特許文献1および特許文献2に記載されているように、エンジンとフライホイールとの間にワンウェイクラッチを組み付ける場合には、先ず、エンジンの出力軸にリングギヤを取り付け、そのリングギヤにワンウェイクラッチを取り付ける。その後に、フライホイールを取り付け、ワンウェイクラッチとフライホイールとを出力軸にボルトによって固定する。この取付時においては、リングギヤやワンウェイクラッチは、見かけ上、フライホイールの奥に配置される。そのため、前記ワンウェイクラッチにフライホイールを取り付けたり、ワンウェイクラッチとフライホイールとを出力軸にボルトによって固定する際に、振動によって出力軸からリングギヤが脱落したり、リングギヤからワンウェイクラッチが脱落したりしてしまうと、フライホイールを、一旦、取り外してからリングギヤやワンウェイクラッチを取り付け直さなければならい。また、リングギヤからワンウェイクラッチが脱落してインナーレースとアウターレースとが相対回転すると、出力軸のボルト穴に対するワンウェイクラッチの他のボルト穴との位置がずれる。この場合には、インナーレースとアウターレースとを相対回転させて前記ボルト穴に対して他のボルト穴の位置を合わせることとなる。このようにリングギヤやワンウェイクラッチがそれらの取り付け位置から脱落すると、煩雑な作業を余儀なくされる。なお、取付時の振動や脱落によってワンウェイクラッチにおける摺動部位に凹凸や傷が生じると、それが要因となってワンウェイクラッチの回転が阻害されあるいは耐久性を損なう可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、取付性を向上させたワンウェイクラッチの取付方法を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、一方向のみの相対回転が可能であってかつ前記一方向とは反対方向には互いに係合して一体となる第1回転体と第2回転体とを有し、固定部に固定プレートを介して前記第1回転体が取り付けられかつ回転軸に前記第2回転体が連結されるワンウェイクラッチの取付方法において、前記第1回転体と前記第2回転体とを前記一方向のみの相対回転が可能であってかつ前記一方向とは反対方向には互いに係合して一体となるように組み付けて前記ワンウェイクラッチを組み立てておき、前記固定プレートを貫通するとともに前記固定プレートに遊嵌して前記固定プレートを前記固定部に仮止めするピンによって前記固定部に前記固定プレートを仮止めし、かつ、前記固定プレートに前記第1回転体を取り付けた場合における前記第2回転体と前記固定プレートとが対向する間隔の長さまたは前記第2回転体と一体の部材であって前記固定プレートに軸線方向で対向する回転部材と前記固定プレートとが対向する間隔の長さから前記固定プレートの厚さを減じた寸法より長く前記固定プレートから前記ピンを突出させておき、その後、前記固定プレートに前記第1回転体を取り付けると共に前記回転軸に前記第2回転体を連結することを特徴とする取付方法である。
この発明の方法によれば、ピンによって固定部に固定プレートを仮止めし、その後に、固定プレートに予め組み立てておいたワンウェイクラッチの第1回転体を取り付けるとともに回転軸に第2回転体を連結する。この場合において、前記固定プレートから突出するピンの突出長さは、固定プレートに第1回転体を取り付けた場合における第2回転体と固定プレートとが対向する間隔の長さまたは第2回転体に一体の回転部材と固定プレートとが対向する間隔の長さから固定プレートの厚さを減じた寸法より長く設定されている。そのため、固定プレートに第1回転体を取り付けたり、回転軸に第2回転体を連結したりする際に、固定部から固定プレートが脱落したり、ワンウェイクラッチが取り付けられた状態の固定プレートが脱落したりすることを抑制できる。そのため、固定部から脱落したワンウェイクラッチの第1回転体と第2回転体とが相対回転して、回転軸に対する第2回転体の取り付け位置がずれることを抑制できる。それらの結果、ワンウェイクラッチの取付性を向上できる。
図5は、この実施形態におけるワンウェイクラッチを搭載した車両の構成の一例を示す図である。ここに示す車両は、駆動力源としてエンジン(ENG)1ならびに第1モータ(MG1)2および第2モータ(MG2)3を搭載したハイブリッド車である。このハイブリッド車両は、エンジン1が出力するトルクを動力分割機構4によって第1モータ2と駆動軸5とに分割して伝達するように構成されている。また、第1モータ2で発生した電力によって第2モータ3を駆動し、その第2モータ3が出力するトルクを駆動軸5に付加することができるように構成されている。
動力分割機構4は、エンジン1の出力軸1aと同一の軸線上に配置されており、図5に示す例では、シングルピニオン型の遊星歯車機構によって構成されている。すなわち、この動力分割機構4は、外歯歯車であるサンギヤ6と、このサンギヤ6に対して同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤ7と、それらサンギヤ6とリングギヤ7とに噛み合っているピニオンギヤを自転可能および公転可能に保持するキャリア8とを有している。サンギヤ6に第1モータ2が連結されている。なお、第1モータ2は、動力分割機構4に隣接してエンジン1とは反対側に配置されている。リングギヤ7が出力要素となっており、このリングギヤ7に出力部材として出力ギヤ9が取り付けられている。この出力ギヤ9は駆動軸5に対してトルクを伝達するデファレンシャル10に連結されている。そして、出力ギヤ9からデファレンシャル10に到る動力の伝達経路に、第2モータ3が連結されている。キャリア8に動力分割機構4の入力軸4aが連結されている。その入力軸4aに、ダンパ機構11およびフライホイール12ならびにワンウェイクラッチ(以下、OWCと記す。)13を介してエンジン1の出力軸1aが連結されている。
ダンパ機構11は、出力軸1aのトルク変動やトルク変動に起因する捩り振動を低減するためのものであり、エンジン1が出力したトルクの伝達方向でフライホイール12の出力側に配置されている。そして、この実施形態における固定部に相当するエンジン1のエンジンブロック1bとハウジング14との間に、固定プレート15が配置されている。ハウジング14とエンジンブロック1bとによって固定プレート15を挟んだ状態でこれら三者が後述するようにボルト止めされている。なお、フライホイール12の構成については後述する。
OWC13はエンジン1の出力軸1aと同一の回転軸線上に配置されており、相対回転可能な2つの回転部材すなわち内輪13aと外輪13bとを備え、それら内輪13aと外輪13bとが同心円状に配置されている。この内輪13aと固定プレート15とが後述するようにスプラインによって結合されている。上記の外輪13bは後述する連結プレート13cを介して入力軸4aにフライホイール12とともに連結される。またこの外輪13bに、図示しない係合機構が保持されている。係合機構は、外輪13bに正回転方向のトルクが作用する場合に解放されて内輪13aと外輪13bとの間の相対回転を許容し、外輪13bに逆回転方向のトルクが作用する場合に内輪13aと外輪13bとを一体化するように構成されている。したがって、OWC13は、出力軸1aが正回転する場合に、その出力軸1aと入力軸4aとの間でトルクを伝達し、出力軸1aに逆回転方向のトルクが作用する場合には、出力軸1aの回転を止めるように構成されている。上記の正回転は、燃焼運転する際のエンジン1の回転方向の回転であり、逆回転は、前記正回転とは反対方向の回転である。なお、上述した内輪13aがこの実施形態における第1回転体に相当し、上述した外輪13bおよびこれと一体の連結プレートがこの実施形態における第2回転体に相当している。
図2は、この実施形態におけるOWCを搭載した車両の構成の一例における一部の断面図である。エンジン1の出力軸1aの先端部に半径方向に延びる第1フランジ1cと、OWC13およびフライホイール12が嵌め合わされる嵌合部1dとが形成されている。上記の嵌合部1dに嵌め合わされたOWC13およびフライホイール12が第1フランジ1cに第1ボルト16によって固定されている。
フライホイール12は、この実施形態における回転部材に相当しており、図2に示すように、回転軸線方向に延びる第1円筒部12aと、その第1円筒部12aの内面から半径方向で内側に延びるフランジ状の円板部12bとを備えている。第1円筒部12aにおけるOWC13とは反対側の一方の端部12cに、第2ボルト17によってダンパ機構11の外周部が一体に取り付けられている。第1円筒部12aにおけるOWC13側の他方の端部12dに、固定プレート15に対して平行な平面12eと、第1傾斜面12fとが形成されている。その第1傾斜面12fは半径方向で平面12eより外側に形成されている。円板部12bの半径方向で内側部分は、その外側部分から回転中心軸線方向でエンジン1側に突出している。そのため、フライホイール12の外側部分に第1凹部12gが形成され、この第1凹部12gに図2に示すように、OWC13が配置されている。また、上記のダンパ機構11の内周部は動力分割機構4の入力軸4aに図示しないスプラインによって結合されている。
図3は、この実施形態におけるワンウェイクラッチの一例における一部破断した断面図である。OWC13の内輪13aの内周部にスプライン穴18aが形成されている。このスプライン穴18aは、例えばプレス加工によって内輪13aを板厚方向に打ち抜いて形成されている。プレス加工によって内輪13aの側面にバリが生じる場合がある。ここに示す例では、前記バリが固定プレート15とは反対側に配置されるように、内輪13aが固定プレート15に取り付けられている。上記のバリを図3に点線で示してある。また、この実施形態では、バリの高さが、後述する連結プレート13cの外側部分に形成された第2凹部13fの深さD1より低くなるように、プレス加工に使用される図示しないダイとパンチとのクリアランスや、プレス加工する際の圧力などが設計されている。こうすることにより、スプライン穴18aとスプライン軸18bとの噛み合いを前記バリが阻害したり、OWC13の内輪13aと外輪13bとが相対回転した際にバリと連結プレート13cとが接触したりすることを抑制できる。また、バリを取り除く加工の精度を低減したり、そのバリを取り除く加工をなくしたりすることができ、加工コストを低減できる。
また、図3に示すように、スプライン18によって固定プレート15にOWC13を組み付けた場合に、そのスプライン穴18aの一部が後述するスプライン軸18bから回転軸線方向に突出するように構成されている。
OWC13の外輪13bは、上述したように、連結プレート13cを介して出力軸1aに連結されている。その連結プレート13cは、図2に示すように、回転軸線方向で内輪13aに隣接して固定プレート15とは反対側に配置されている。また連結プレート13cの半径方向で内側部分は、図2に示すように、その外側部分から回転中心軸線方向でエンジン1側に突出するように形成されている。このように内側部分に対して回転軸線方向に凹んだ連結プレート13cの外側部分に、前記内輪13aが配置されている。また、連結プレート13cにおける外側部分と内側部分との中間部が、滑らかに連続した第1屈曲部13eとなっている。
連結プレート13cの外側部分における前記スプライン穴18aに対応する箇所に、連結プレート13cの板厚方向に窪んだ第2凹部13fが形成されている。この第2凹部13fが、この実施形態における凹部に相当している。また、回転軸線方向での前記スプライン穴18aの幅D2より、この第2凹部13fの底面と、後述する固定プレート15における第2円筒部15aの先端部との間の長さD3が短く設定されている。こうすることにより、固定プレート15と連結プレート13cとの間からOWC13の内輪13aが脱落しにくいようになっている。なお、第2凹部13fの底面と第2円筒部15aの先端部との間の長さD3は、OWC13の内輪13aが脱落しにくい長さに設定されていればよい。そのため、第2円筒部15aの先端部に対応する第2凹部13fの底面の形状は、図2に示す平坦面に替えて傾斜面であってもよい。例えば、回転軸線方向で前記第2円筒部15aの先端部に対応する位置に、前記連結プレート13cの第1屈曲部13eが配置されるように、連結プレート13cが構成されていてもよい。
また、図2に示すように、ハウジング14とエンジンブロック1bとの間に固定プレート15が配置されると共にそれら三者が更に第3ボルト19によって固定されている。図4は、この実施形態における固定プレートの一例を示す図であって、図4の(a)は固定プレートの正面図を示し、図4の(b)は(a)に示すb−b線に沿う断面図である。図4の(a)および(b)に示すように、固定プレート15は、全体として環状に形成されており、その内周部に軸線方向に延びる第2円筒部15aが形成されている。この第2円筒部15aの外周面に前記内輪13aに形成されたスプライン穴18aに嵌まり合うスプライン軸18bが形成されている。第2円筒部15aの一端部に外周側に延びる第2フランジ15bが設けられている。固定プレート15の半径方向で第2フランジ15bの内側部分は、その外側部分からエンジン1側に突出するように形成されている。これら内側部分と外側部分との間の中央部が滑らかに連続した第2屈曲部15cとなっている。この第2屈曲部15cにおけるOWC13側の側面に第2傾斜面15dが形成されている。
回転軸線方向で前記第2屈曲部15cに隣接してエンジン1とは反対側に、図2に示すように、前記フライホイール12における他方の端部12dの第1傾斜面12fが位置している。前記固定プレート15の第2傾斜面15dと前述したフライホイール12の第1傾斜面12fとのなす角度θ1は、回転軸線方向における第1傾斜面12fと第2傾斜面15dとの間の長さが半径方向で内側から外側に向けて次第に長くなる角度となっている。そのため、後述するように半径方向にフライホイール12が振動したとしても、第1傾斜面12fと第2傾斜面15dとが接触しにくくなっている。また、第2フランジ15bのOWC13側の側面15eは、前記フライホイール12の他方の端部12dにおける平面12eと平行になっている。そのため、後述するように回転軸線方向にフライホイール12が振動した場合に、フライホイール12と固定プレート15とが面接触して凹凸や傷が生じにくくなっている。
これら第2フランジ15bの側面15eと、フライホイール12の他方の端部12dにおける平面12eとの間の長さD4およびこの隙間の長さD4から固定プレート15における第2フランジ15bの厚さD5を減じた長さD6は、後述するノックピンの突出長さD7より短く設定されている。つまり回転軸線方向に固定プレート15が移動可能な長さよりノックピンの突出長さD7が長く設定されている。こうすることにより後述するように、エンジンブロック1bにノックピンによって仮止めした固定プレート15が上記の隙間に脱落しにくいようになっている。なお、固定プレート15における第2フランジ15bの外側部分は、エンジンブロック1bに固定プレート15を取り付ける際に、エンジンブロック1bの取付面1eに面接触するフランジ面15fとなっている。
また、図4の(a)に示すように、第2フランジ15bの外周部分に、この実施形態におけるピンに相当するノックピンが挿入されるノック穴20が形成されている。ここに示す例では、2つのノック穴20が形成されている。このノックピンおよびノック穴20は、エンジンブロック1bに固定プレート15およびハウジング14を取り付ける際に、エンジンブロック1bに固定プレート15を仮止めしたり、それら三者を位置合わせしたりするためのものである。したがって、前記エンジンブロック1bの取付面1eおよびハウジング14の取付面14aにおける前記ノック穴20に対応する位置に、エンジン側ノック穴およびハウジング側ノック穴がそれぞれ形成されている。また、第2フランジ15bの外周部分に、前記更に第3ボルト19が挿入されるボルト穴21が形成されている。図4に示す例では、9つのボルト穴21が形成されている。前記エンジンブロック1bの取付面1eおよびハウジング14の取付面14aにおける前記ボルト穴21に対応する位置に、エンジン側ボルト穴およびハウジング側ボルト穴がそれぞれ形成されている。
図1は、この実施形態におけるワンウェイクラッチの取付工程の一例を示す図である。先ず、エンジンブロック1bの取付面1eに形成されているエンジン側ノック穴22にノックピン23を挿入する。このノックピン23によってエンジンブロック1bに対して固定プレート15が位置合わせされて、図1の(a)に示すように、エンジンブロック1bに固定プレート15が仮止めされる。この場合に、固定プレート15から予め定めた長さD7だけノックピン23を突出させる。このノックピン23の突出長さD7は、図2に示すように、OWC13を取り付けた場合における第2フランジ15bの側面15eとフライホイール12の他方の端部12dにおける平面12eとの間の長さD4およびこの隙間の長さD4から第2フランジ15bの厚さD5を減じた長さD6より長く設定される。なお、この段階では、エンジンブロック1bに固定プレート15は固定されていない。
次いで、図1の(b)に示すように、エンジン1の出力軸1aの先端部に形成された嵌合部1dにOWC13を嵌め合わせると共にエンジン1側にOWC13を移動させる。そして、図1の(c)に示すように、OWC13における内輪13aのスプライン穴18aと固定プレート15における第2円筒部15aのスプライン軸18bとを嵌合させる。その後、図1の(d)に示すように、エンジン1側にOWC13を更に移動させることにより出力軸1aの先端部に形成された第1フランジ1cとOWC13とを接触させる。さらに、図1の(e)に示すように、フライホイール12の内周部分を前記嵌合部1dに嵌め合わせる。こうすることにより、OWC13はフライホイール12によって覆われ、フライホイール12側から見えにくくなる。なお、この段階では、エンジンブロック1bに固定プレート15は未だ固定されておらず、フライホイール12およびOWC13は出力軸1aに固定されていない。
次いで、図1の(f)に示すように、第1ボルト16によって第1フランジ1cにフライホイール12とOWC13とが固定される。ここで、前述したように、ノックピン23の突出長さD7は、前記隙間の長さD4および前記隙間の長さD4から第2フランジ15bの厚さD5を減じた長さD6より長い。また、OWC13のスプライン穴18aの幅D2は、前記連結プレート13cにおける第2凹部13fの底面と固定プレート15における第2円筒部15aの先端部との間の長さD3より長い。そのため、この取付時の振動に伴って回転軸線方向に固定プレート15やOWC13が振動した場合であっても、固定プレート15がノックピン23から外れたり、スプライン軸18bからOWC13の内輪13aが外れたりすることが抑制される。
そして、図1の(g)に示すように、ダンパ機構11の外周部とフライホイール12の一方の端部12cとが位置合わせされ、これらが図1の(h)に示すように、第2ボルト17によって固定される。また、これとは別に、前記ハウジング14の内部に動力分割機構4や第1モータ2などを組み付けたいわゆる変速ユニットを用意し、その変速ユニットをエンジンブロック1bに取り付ける。すなわち、図1の(i)に示すように、動力分割機構4の入力軸4aとダンパ機構11とをスプラインによって結合するとともに前記変速ユニットをエンジン1側に押し込む。これら図1の(g)から図1の(i)に示す取付工程であっても、上記と同様の理由により、固定プレート15がノックピン23から外れたり、スプライン軸18bからOWC13の内輪13aが外れたりすることが抑制される。
次いで、図1の(j)に示すように、ハウジング側ノック穴24にノックピン23が挿入され、すなわちノックピン23によってエンジンブロック1bに対してハウジング14が位置合わせされる。その後、図1の(k)に示すように、ボルト穴21およびエンジン側ボルト穴25ならびにハウジング側ボルト穴26に前記更に第3ボルト19が挿入され、エンジンブロック1bに固定プレート15とともにハウジング14が固定される。このようにしてエンジンブロック1bに変速ユニットが組み付けられる。
上記構成の実施形態では、取付時の振動によって固定プレート15がノックピン23から外れたり、スプライン軸18bからOWC13の内輪13aが外れたりすることを抑制できる。また、取付時の振動によって、フライホイール12の第1円筒部12aの他方の端部12dが固定プレート15に接触するとしても、前記他方の端部12dの平面12eが固定プレート15の側面15eに面接触するため、これらが点接触する場合に比較して単位面積当たりの荷重を低減できる。その結果、前記接触によって固定プレート15が凹んだり、傷がついてコーティングが剥がれたりすることを抑制できる。さらに、前記他方の端部12dには、固定プレート15の第2屈曲部15cから離隔するように、第1傾斜面12fが形成されているため、半径方向にフライホイール12が振動した場合であっても、フライホイール12と固定プレート15との接触を抑制できる。
また、上述したように、OWC13の連結プレート13cにおけるスプライン穴18aに対応する箇所に第2凹部13fが形成されている。そのため、前記取付時に固定プレート15の第2円筒部15aの先端部が連結プレート13cに接触して該連結プレート13cに凹凸が形成されたり、コーティングが剥がれたりしたとしても、それらが要因となって、内輪13aと外輪13bとの相対回転が阻害されることを抑制できる。また、プレス加工によって内輪13aにバリが形成されたとしても、そのバリに対応する位置には第2凹部13fが形成されているため、バリが連結プレート13cに接触することを抑制できる。それらの結果、OWC13を滑らかに作動させることができ、ひいてはOWC13の耐久性を向上できる。
図6は、この実施形態におけるワンウェイクラッチを自動変速機に適用した一例を示す図であって、図7は、図6に示す自動変速機に適用した一例の一部を示す断面図である。ここに示す自動変速機は、2つの遊星歯車機構27,28、2つのクラッチ機構29,30、2つのブレーキ機構31,32、および、上記構成のOWC13を備えている。そして、OWC13によって、遊星歯車機構28のキャリア軸28aの回転方向をいずれか一方向のみに規制するように構成されている。
図6および図7に示す自動変速機にOWCを組み付ける順序について簡単に説明する。先ず、トランスミッションケース(以下、TMケースと記す。)33に遊星歯車機構27,28、クラッチ機構29,30、ブレーキ機構31,32などを組み付けたユニットを構成し、そのユニットに図示しないノックピンを取り付ける。そのノックピンによって固定プレート15が位置合わせされてTMケース33に取り付けられる。また、スプライン18によって固定プレート15にOWC13を結合する。次いで、第4ボルト34によってキャリア軸28aにOWC13の連結プレート13cを固定する。この場合、固定プレート15はTMケース33に固定されていない。また、回転軸線方向でのOWC13と固定プレート15との間の長さD8およびこの隙間の長さD8から第2フランジ15bの厚さD5を減じた長さD9より、図示しないノックピンの突出長さD7が長い。そのため、OWC13の取付時の振動によって回転軸線方向に固定プレート15が移動するとしても、ノックピンから固定プレート15が外れることを抑制できる。その後、エンドカバー35がノックピンによって位置合わせされて、TMケース33に取り付けられると共に、第4ボルト36によってTMケース33に固定プレート15とともにエンドカバー35が固定される。したがって、この他の実施形態であっても、上述した実施形態と同様の作用・効果を得ることができ、OWC13の取付性を向上できる。
1b…エンジンブロック(固定部)、 4a…動力分割機構の入力軸(回転軸)、 12…フライホイール(回転部材)、 13…ワンウェイクラッチ、 13a…内輪(第1回転体)、 13b…外輪(第2回転体)、 15…固定プレート、 23…ノックピン(ピン)、 D7…ノックピン(ピン)の突出長さ、 D4…フライホイール(回転部材)と固定プレートとの間隔、 D5…固定プレートにおける第2フランジの厚さ、 D8…外輪(第2回転体)と固定プレートとの間隔、 D6,D9…D4またはD8からD5を減じた寸法。
Claims (1)
- 一方向のみの相対回転が可能であってかつ前記一方向とは反対方向には互いに係合して一体となる第1回転体と第2回転体とを有し、固定部に固定プレートを介して前記第1回転体が取り付けられかつ回転軸に前記第2回転体が連結されるワンウェイクラッチの取付方法において、
前記第1回転体と前記第2回転体とを前記一方向のみの相対回転が可能であってかつ前記一方向とは反対方向には互いに係合して一体となるように組み付けて前記ワンウェイクラッチを組み立てておき、
前記固定プレートを貫通するとともに前記固定プレートに遊嵌して前記固定プレートを前記固定部に仮止めするピンによって前記固定部に前記固定プレートを仮止めし、かつ、前記固定プレートに前記第1回転体を取り付けた場合における前記第2回転体と前記固定プレートとが対向する間隔の長さまたは前記第2回転体と一体の部材であって前記固定プレートに軸線方向で対向する回転部材と前記固定プレートとが対向する間隔の長さから前記固定プレートの厚さを減じた寸法より長く前記固定プレートから前記ピンを突出させておき、
その後、前記固定プレートに前記第1回転体を取り付けると共に前記回転軸に前記第2回転体を連結する
ことを特徴とするワンウェイクラッチの取付方法。
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2015
- 2015-04-28 JP JP2015091051A patent/JP2016205587A/ja active Pending
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