JP2016204177A - 水素発生方法及び水素発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】残留物としてMg(OH)2 が生成されずMgOが生成されるように低い消費エネルギーでMgH2 から水素を発生させる水素発生方法及び水素発生装置を提供する。
【解決手段】水蒸気雰囲気中でMg(OH)2 及びMgOの夫々が熱力学的に安定に存在し得る水蒸気分圧及び温度を表した状態図から得られた、Mg(OH)2 が安定に存在せずMgOが安定に存在し得る水蒸気分圧及び温度の下で、MgH2 と水とを反応させる。従来よりも低温で、残留物としてMg(OH)2 が生成されず、MgOが生成されるように、MgH2 から水素を発生させる。従来に比べて反応温度が低温であるので、従来よりも低い消費エネルギーで水素及びMgOを生成することが可能となり、生成のためのコストも低下する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素化マグネシウムから水素を発生させる方法に関し、より詳しくは、水素発生時に生じる残留物を、マグネシウムの再利用に適した物質にすることができる水素発生方法及び水素発生装置に関する。
化石燃料を利用しないエネルギー源として、水素(H2 )を用いた燃料電池が開発されている。燃料電池に用いる水素の貯蔵方法としては、高圧でボンベ内に水素を貯蔵する方法、低温で液化した水素を貯蔵する方法、又は水素吸蔵材に水素を吸蔵させて貯蔵する方法等が挙げられる。水素吸蔵材を用いた方法は、他の方法に比べて、高圧又は低温等の特殊な状態で水素を貯蔵する必要が無いので、取扱いが容易で安全性が高く、更に、単位体積当たりの水素貯蔵量が高いという優れた特徴を有している。
水素吸蔵材としてはマグネシウム(Mg)が知られている。Mgと水素ガスとを反応させることによって水素化マグネシウム(MgH2 )が生成される。特許文献1には、MgH2 を生成する方法が開示されている。MgH2 は、空気中では安定であるものの、水(H2 O)を加えた場合は、水と反応して水素を放出する。従って、MgH2 は、予め水素を吸蔵しておき、必要時に水との反応により水素を放出する水素吸蔵材としての利用が可能である。特許文献2には、MgH2 の粉末を収容した反応容器と燃料電池とを備え、必要に応じて反応容器へ水を供給し、MgH2 と水との反応によって発生した水素を用いて発電を行う発電装置が開示されている。MgH2 が水と反応する反応式は次の(1)式で表される。
MgH2 +2H2 O→Mg(OH)2 +2H2 +365.3kJ/mol …(1)
(1)式で表されるように、MgH2 と水との反応によって水素を発生させた場合は、残留物として水酸化マグネシウム(Mg(OH)2 )が生成される。MgH2 を水素吸蔵材として活用するためには、残留物であるMg(OH)2 から効率良くMgH2 を再生して、Mgを再利用する必要がある。Mg(OH)2 は、350℃以上で熱分解して酸化マグネシウム(MgO)となることが知られている。そこで、Mg(OH)2 からMgH2 を再生するには、加熱によってMg(OH)2 からMgOを生成し、通常のMg製錬プロセスによってMgOから金属Mgを生成し、再度Mgと水素とを反応させる方法が考えられる。また、特許文献3には、直流水素化プラズマを利用することで、MgOから直接にMgH2 を生成する方法が開示されている。
特開2008−44832号公報 特開2009−99534号公報 特開2011−32131号公報
"Refinements in an Mg/MgH2/H2O-Based Hydrogen Generator", NASA Tech Briefs, December 2010, pp.19-20
前述のように、従来のMgH2 を再生する方法では、Mg(OH)2 からMgOを製造し、MgOからMgH2 を生成する。MgOからMgH2 を生成する方法が確立していることを考慮すれば、水素発生時の残留物をMg(OH)2 では無くMgOとすることができるのであれば、MgH2 を再生する際にMg(OH)2 からMgOを生成する工程が不必要となり、MgH2 を再生するプロセスがより簡単になる。また、MgH2 の再生に必要なエネルギーが削減される。非特許文献1には、330℃以上の高温の水蒸気とMgH2 とを反応させた場合は、水素が発生し、残留物としてMgOが生成されることが開示されている。残留物がMgOとなるようなMgH2 と水との反応式は、次の(2)式で表される。
MgH2 +H2 O→MgO+2H2 +284.0kJ/mol…(2)
(1)式及び(2)式で表される反応はいずれも発熱反応であるが、発熱は(2)式の反応の方が81.3kj/mol少ない。このため、高温ではMg(OH)2 よりもMgOの方が生成されやすい。しかしながら、反応時の温度を330℃以上の高温にする方法は、加熱によってMg(OH)2 からMgOを生成する方法とほぼ同一の方法となり、消費エネルギー又はコストの観点からメリットに乏しい。従って、水素の発生時に残留物としてMgOを生成する反応を従来よりも低い消費エネルギーで行う方法が必要である。また、Mg(OH)2 及びMgOが混在して生成された場合は、MgOを分離するか又はMg(OH)2 からMgOを生成するための工程が必要となり、消費エネルギーも増大する。従って、Mg(OH)2 が生成されないようにMgOを生成することが望ましい。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、残留物としてMg(OH)2 が生成されずMgOが生成されるように低い消費エネルギーでMgH2 から水素を発生させる水素発生方法及び水素発生装置を提供することにある。
本発明に係る水素発生方法は、水素化マグネシウム(MgH2 )と水とを反応させて水素を発生させる方法において、水蒸気雰囲気中で水酸化マグネシウム(Mg(OH)2 )及び酸化マグネシウム(MgO)の夫々が熱力学的に安定に存在し得る水蒸気分圧及び温度を表した状態図から得られた、Mg(OH)2 が安定に存在せずMgOが安定に存在し得る水蒸気分圧及び温度の下で、水蒸気を含んだガスの中にMgH2 を保持することにより、MgH2 と前記ガス中の水とを反応させて水素及びMgOを生成することを特徴とする。
本発明に係る水素発生方法は、MgH2 と水とを反応させて水素を発生させる方法において、水蒸気分圧を調整した水蒸気を含むガスをMgH2 へ供給し、水蒸気雰囲気中でMg(OH)2 及びMgOの夫々が熱力学的に安定に存在し得る水蒸気分圧及び温度を表した状態図から得られた、Mg(OH)2 が安定に存在せずMgOが安定に存在し得る水蒸気分圧及び温度の条件を満たすように、MgH2 へ供給した前記ガスの温度を調整することにより、MgH2 と前記ガス中の水とを反応させて水素及びMgOを生成することを特徴とする。
本発明に係る水素発生方法は、ガスに液体の水の中を通過させることにより、水蒸気を含むガスの水蒸気分圧を当該ガスの温度での飽和水蒸気圧に調整することを特徴とする。
本発明に係る水素発生方法は、MgH2 と前記ガス中の水とが反応する際の前記ガスの温度が330℃未満であることを特徴とする。
本発明に係る水素発生方法は、前記ガスは水素を主成分とすることを特徴とする。
本発明に係る水素発生装置は、MgH2 と水とを反応させて水素を発生させる装置において、MgH2 を収容する収容部と、水蒸気分圧を調整した水蒸気を含むガスを生成するガス生成部と、該ガス生成部が生成したガスを前記収容部へ供給する供給部と、水蒸気雰囲気中でMg(OH)2 及びMgOの夫々が熱力学的に安定に存在し得る水蒸気分圧及び温度を表した状態図から得られた、Mg(OH)2 が安定に存在せずMgOが安定に存在し得る水蒸気分圧及び温度の条件を満たすように、前記供給部が供給したガスの温度を調整する温度調整部とを備えることを特徴とする。
本発明に係る水素発生装置は、前記収容部は、前記供給部が供給したガスが下から上へ流れる流動層装置であることを特徴とする。
本発明においては、水蒸気雰囲気中でMg(OH)2 及びMgOの夫々が熱力学的に安定に存在し得る水蒸気分圧及び温度を表した状態図から得られた、Mg(OH)2 が安定に存在せずMgOが安定に存在し得る水蒸気分圧及び温度の下で、MgH2 と水とを反応させる。MgH2 から水素が発生し、残留物としてMg(OH)2 が生成されず、MgOが生成される。
また、本発明においては、ガスに液体の水の中を通過させることにより、水蒸気を含むガスを生成する。ガスに十分に水の中を通過させることにより、ガス中の水蒸気分圧を、ガスの温度での飽和水蒸気圧に調整することができる。
また、本発明においては、MgH2 とガス中の水とが反応する際のガスの温度を330℃未満に調整する。従来よりも低い温度で、MgH2 から水素及びMgOが生成される。
また、本発明においては、MgH2 へ供給するガスの主成分を水素としたことによって、ガスから水素以外の成分を除去することなく水素を利用することが可能となる。
また、本発明においては、MgH2 を収容する収容部を流動層装置としている。流動層内でMgH2 がガスに連続的に接触し、MgH2 とガス中の水とが効率的に反応する。
本発明にあっては、従来よりも低い消費エネルギーで、残留物としてMg(OH)2 が生成されずMgOが生成されるようにMgH2 から水素を発生させることができる。MgH2 を再生する際にMg(OH)2 からMgOを生成する工程が不必要となり、MgH2 の再生に必要なエネルギーが削減される等、本発明は優れた効果を奏する。
Mg−H2 O系の状態図である。 実施形態1に係る水素発生装置の一例の構成図である。 実施形態1に係る収容部の構成図である。 第1の実験における反応前後の試料のXRD測定結果を示す特性図である。 第2の実験における反応前後の試料のXRD測定結果を示す特性図である。 第1の実験での反応前後における試料に含まれるMgH2 、MgO及びMg(OH)2 の割合の計算結果を示す図表である。 第2の実験での反応前後における試料に含まれるMgH2 、MgO及びMg(OH)2 の割合の計算結果を示す図表である。 実施形態2に係る水素発生装置の構成図である。 実施形態3に係る水素発生装置の構成図である。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施形態1)
本願の発明者は、熱力学計算により、Mg−H2 O系の状態図を得た。図1は、Mg−H2 O系の状態図である。図中の横軸は雰囲気の温度を示し、縦軸は雰囲気中の水蒸気分圧を示す。この状態図は、水蒸気を含んだ雰囲気中でMg(OH)2 及びMgOの夫々が熱力学的に安定に存在し得る水蒸気分圧及び温度の条件を表している。図中の曲線は、Mg(OH)2 とMgOとの平衡曲線である。平衡曲線よりも低い水蒸気分圧又は高温の条件では、MgOが安定に存在し、Mg(OH)2 は安定に存在できない。より詳しくは、Mg(OH)2 は分解してMgOとなる。平衡曲線よりも高い水蒸気分圧又は低温の条件では、Mg(OH)2 が安定に存在し、MgOは安定に存在できない。より詳しくは、MgOはH2 Oと反応してMg(OH)2 となる。
図1に示した状態図は、従来知られていないものであり、本願の発明者が熱力学計算ソフト「FactSage ver 6.4.」及びそれに付属する熱力学データベースを利用して作成したものである。熱力学データベースから利用したデータは、Mg(OH)2 、MgO及びH2 Oに関するデータである。熱力学データベースにおいてMg(OH)2 、MgO及びH2 Oについて引用している文献は以下の通りである。
・JANAF Thermochemical Tables. D.R.Stull and H. Prophet, U.S., Department of Commerce, Washington, 1985.
・S.K. Saxena, N. Chatterjee, Y. Fei and G. Shen, "Thermodynamic Data on Oxide and Silicates", Springer-Verlag, NY, 1993.
・R.G. Berman and T.H. Brown, Contrib. Miner. Petrol., vol 89, pp.168-183 (1985); Ibid, vol. 94, pp. 262 (1986); R.G. Berman, T.H. Brown and H.J. Greenwood, Atomic Energy of Canada Ltd., TR-377, 62 (1985)
・I. Barin, "Thermochemical Data of Pure Substances", VCH, Weinheim, Germany (1989).
図1に示すように、水蒸気分圧を1bar(≒大気圧)とすると、Mg(OH)2 を熱分解させるには、270℃以上の温度が必要となる。しかしながら、図1から明らかなように、熱力学的には、水蒸気分圧を低下させるほど、より低温でMg(OH)2 を熱分解させることが可能となり、MgOを生成するために必要な温度は低くなる。例えば、水蒸気分圧を0.0045barとした場合は、MgOを生成するための温度の最小値は140℃まで低下する。
本実施形態では、図1に示す状態図から得られた、Mg(OH)2 が安定に存在せずMgOが安定に存在し得る水蒸気分圧及び温度の下で、MgH2 と水とを反応させる。より詳しくは、図1に示す平衡曲線よりも低水蒸気分圧及び高温の条件を満たすように、水蒸気を含むガスの水蒸気分圧及び温度を調整し、水蒸気分圧及び温度を調整したガスの中にMgH2 を保持する。(2)式で表される反応により、ガス中の水とMgH2 とが反応して、水素が発生し、残留物としてMgOが生成される。(1)式で表される反応によりMg(OH)2 が生成されたとしても、Mg(OH)2 は安定に存在できないので、分解してMgOとなり、最終的にMg(OH)2 は残らない。なお、水蒸気を含むガスの全圧はどのような圧力であってもよい。例えば、水蒸気分圧を調整する一方で、全圧は大気圧であってもよい。
本実施形態では、Mg(OH)2 が安定に存在せずMgOが安定に存在し得る水蒸気分圧及び温度の条件が満たされる範囲で、反応温度を低下させることができる。例えば、20℃における飽和水蒸気圧は0.023barであるが、水蒸気が飽和した20℃の空気を加熱して空気中の水とMgH2 とを反応させる場合は、反応温度を200℃以下とすることができる。このように、本実施形態では、従来の330℃以上の高温を必要とした方法に比べて、より低温で、残留物としてMg(OH)2 が生成されずMgOが生成されるようにMgH2 から水素を発生させることができる。
次に、残留物としてMgOが生成されるようにMgH2 から水素を発生させた実験結果を説明する。図2は、実施形態1に係る水素発生装置の一例の構成図である。図2に示す水素発生装置を用いて実験を行った。密閉したガラス製の反応管1内に、MgH2 を主成分とする試料を収容する収容部11が配置されている。図3は、実施形態1に係る収容部11の構成図である。収容部11は、ガラス製の管であり、縦に配置されている。収容部11の下端は、グラスウール12で閉塞されており、収容部11の上端は開口している。試料2は、粉末状であり、グラスウール12の上に堆積している。試料2及びグラスウール12は、気体が通過することができるようになっている。反応管1は縦に配置されており、反応管1の少なくとも一部は炉3内に配置されている。反応管1の炉3内に配置されている部分には、収容部11が配置された部分が含まれている。
水素発生装置は、キャリアガスを供給するためのガス源44を備えている。ガス源44は、例えば、水素又はアルゴン(Ar)を充填したボンベである。ガス源44から反応管1まで、MgH2 と反応させるための反応ガスを供給するための供給管4が配置されている。供給管4は本発明における供給部に相当する。供給管4は、反応管1の壁を貫通しており、反応管1の内部と連通している。供給管4は、収容部11の上端から収容部11へ挿入されており、供給管4の先端は収容部11内に位置している。ガス源44から反応管1までの途中には、キャリアガスに水蒸気を混合させる混合部42が設けられている。混合部42は、液体の水を収容する瓶を含んでおり、瓶中の水の中をキャリアガスが通過することによってキャリアガスに水蒸気が混合するように構成されている。キャリアガスに水蒸気が混合することによって、反応ガスが生成される。図2中には二個の混合部42を示しているが、混合部42の数は一個でも三個以上であってもよい。複数の混合部42を用いてキャリアガスに十分な量の水の中を通過させることによって、反応ガスに含まれる水蒸気をほぼ飽和させることができる。これにより、反応ガス中の水蒸気分圧を、キャリアガスが混合部42で水の中を通過する際の温度での飽和水蒸気圧に調整することができる。ガス源44と混合部42との間には、キャリアガスの量を調整するマスフローコントローラ(MFC)43が設けられている。混合部42と反応管1との間には、反応ガス温度及び反応ガス中の湿度を測定する温湿度計41が設けられている。ガス源44、MFC43、混合部42及び温湿度計41は、本発明におけるガス生成部に相当する。
反応ガスは、図2中の矢印で示すように、供給管4を通り、供給管4の先端から収容部11へ供給される。反応ガスは、図3中の破線で示すように収容部11内を通過し、収容部11の底から排出される。炉3は、収容部11を加熱することによって、収容部11内の反応ガスの温度を調整する。炉3は本発明における温度調整部に相当する。収容部11内で反応ガスが試料2を通過する際に、反応ガス中の水とMgH2 とが反応し、水素が発生する。収容部11から排出された反応ガスには水素が含まれている。
更に、反応管1には、ガスを排出するための排出管5が連結されている。排出管5は、反応管1の内部と連通している。排出管5には、排出されるガスの流量を測定する流量計51が設けられている。収容部11から排出された水素を含む反応ガスは、排出管5を通って排出される。排出されたガスに含まれる水素は、例えば、図示しない燃料電池へ供給される。
粒径の異なる二種類のMgH2 に対して実験を行った。粉末状のMgH2 からなる試料2の質量は100mgとした。キャリアガスとしてArガスを用い、MFC43で流量を調整して、流量100mL/minでキャリアガスを流通させた。試料2の位置が設定温度になるように、予め炉3内の温度分布を測定しておき、収容部11内の温度が所定温度になるように炉3で反応管1を加熱した。反応ガス中の水蒸気分圧は、温湿度計41を用いて計測した。具体的には、反応ガスの温度及び湿度を温湿度計41により測定し、測定した温度での飽和水蒸気圧に測定した湿度を乗じることにより、水蒸気分圧を計算した。前述のように試料2中に反応ガスを通流させることにより、反応ガス中の水と試料2中のMgH2 とを反応させた。反応の前後に、XRD(X-ray diffraction )により試料2の成分分析を行った。
第1の実験では、MgH2 の粒径を60μmとした。実験中の水蒸気分圧は、0.028〜0.036barの範囲であった。収容部11の温度は、ほぼ220℃に調整され、最小値は217.6℃、最大値は230℃であった。これらの温度及び水蒸気分圧は、図1に示す状態図から得られた、Mg(OH)2 が安定に存在せずMgOが安定に存在し得る条件を満たしている。反応ガスの通流は14日間(336時間)連続して行った。
第2の実験では、MgH2 の粒径は5μmとした。実験中の水蒸気分圧は、0.031〜0.035barの範囲であった。収容部11の温度は、ほぼ220℃に調整され、加温開始から15分程度の間は230℃を超えた温度となり、最高温度は266.2℃であった。同様に、温度及び水蒸気分圧は、Mg(OH)2 が安定に存在せずMgOが安定に存在し得る条件を満たしている。反応ガスの通流は2日間(48時間)連続して行った。
図4は、第1の実験における反応前後の試料2のXRD測定結果を示す特性図である。図4Aは反応前のXRD測定結果を示し、図4Bは反応後のXRD測定結果を示す。図5は、第2の実験における反応前後の試料2のXRD測定結果を示す特性図である。図5Aは反応前のXRD測定結果を示し、図5Bは反応後のXRD測定結果を示す。図4及び図5の横軸は、試料2へのX線の入射角の2倍である2θであり、縦軸はX線のカウント数である。図4B及び図5B中に矢印で示す信号がMgOに起因するピークである。図4A及び図5Aに示すように、反応前の試料2のXRD測定結果には、MgOに起因するピークは確認が困難である。これに対し、反応後の試料2のXRD測定結果には、MgOに起因するピークが明確に現れている。従って、反応後は反応前よりもMgOの量が増加していることが明らかである。
XRD測定結果に含まれるピークの強度から、試料2に含まれるMgH2 、MgO及びMg(OH)2 が試料2に含まれている割合を簡易的に計算した。図6は、第1の実験での反応前後における試料2に含まれるMgH2 、MgO及びMg(OH)2 の割合の計算結果を示す図表である。第1の実験でのMgH2 の割合は、反応前には98.95%であったのに対し、反応後には96.40%になっている。また、MgOの割合は、反応前には0.50%であり、反応後には3.17%になっている。MgH2 の量が減少し、MgOの量が増加しているので、(2)式の反応によりMgH2 からMgOが生成したと推測される。また、Mg(OH)2 の割合は、反応前には0.55%であり、反応後には0.42%になっている。Mg(OH)2 の量が増加していないので、MgH2 からMg(OH)2 が生成する(1)式の反応はほとんど行われていないと推測される。
図7は、第2の実験での反応前後における試料2に含まれるMgH2 、MgO及びMg(OH)2 の割合の計算結果を示す図表である。第2の実験でのMgH2 の割合は、反応前には98.8±0.3%であったのに対し、反応後には88.1±0.3%になっている。また、MgOの割合は、反応前には0.54±0.29%であり、反応後には11.25±0.23%になっている。MgH2 の量が減少し、MgOの量が増加しているので、(2)式の反応によりMgH2 からMgOが生成したと推測される。また、Mg(OH)2 の割合は、反応前には0.63±0.28%であり、反応後には0.61±0.09%になっている。Mg(OH)2 の量が増加していないので、(1)式の反応はほとんど行われていないと推測される。
第1の実験と第2の実験とで実験結果を比較すれば、第1の実験ではMgOの量は反応の前後で約6(=3.17/0.50)倍となり、第2の実験ではMgOの量は約20(=11.25/0.54)倍となっている。即ち、第2の実験では、反応時間が第1の実験よりも短いのにも拘わらず、MgOの生成量はより多い。この違いは、MgH2 の粒径の違いにより、第2の実験での反応速度が第1の実験に比べて増加しているためと考えられる。理論的には、MgH2 の粒径が第1の実験での60μmから第2の実験での5μmへ小さくなることによって比表面積が増加し、反応速度が増大すると考えられる。
第1の実験及び第2の実験の結果に対して、簡易的な速度解析を行った。rを反応量(%)、kを反応速度定数(%/m2 /h)、Aを粒子の総表面積(m2 )、tを反応時間(h)とすると、rは以下の(3)式で表される。
r=kAt …(3)
ここで、Vを粒子の総体積(m3 )、Rを粒子半径(m)とすれば、Aは以下の(4)式で表される。
A=V/((4/3)πR3 )×4πR2 =3V/R …(4)
(3)式及び(4)式により、kは以下の(5)式で表される。
k=rR/(3Vt) …(5)
第1の実験の場合、kは(5)式を用いて以下のように計算できる。
k=(3.17−0.50)×(60×10-6/2)/(3V×336)
=7.95×10-8/V
また、第2の実験の場合、kは(5)式を用いて以下のように計算できる。
k=(11.25−0.54)×(5×10-6/2)/(3V×48)
=1.86×10-7/V
反応速度定数tは一定のはずであるが、より粒径の小さいMgH2 を用いた第2の実験の方がより大きい値となっている。このことは、粒径を小さくすることによって、比表面積が増大することによる効果以上に、反応速度が増大していることを示している。
以上のように、図1に示す状態図から得られた適切な水蒸気分圧及び温度の下でMgH2 と水とを反応させることにより、従来技術よりも低温で、MgH2 から水素を発生させる際に残留物としてMg(OH)2 がほとんど生成されずMgOが生成されることが実証された。図1に示す状態図は、理論的に求められたものであるが、Mg(OH)2 が安定に存在せずMgOが安定に存在し得る水蒸気分圧及び温度の条件が状態図に示されるような条件であることが実験により確かめられた。また、MgH2 の粒径を小さくすることによって、MgH2 から水素及びMgOを生成する反応速度を増大させることが可能であることが実験によって確かめられた。
なお、実験ではMgH2 の粒径を60μm及び5μmとしたが、粒径をその他の値とすることも可能である。例えば、MgH2 の粒径を5μmよりも小さくしてもよい。また、実験ではキャリアガスをArとしたが、キャリアガスは水素でもよく、(2)式の反応に影響しない気体であれば、キャリアガスはその他の気体であってもよい。
また、本実施形態では、反応ガスの水蒸気分圧を特定の範囲に保ちながら、図1に示す状態図における平衡曲線に可及的に近づけるように、収容部11の温度を調整してもよい。水蒸気分圧を特定の範囲に保ち、Mg(OH)2 が安定に存在せずMgOが安定に存在し得る条件を満たしながら、温度を平衡曲線に近づけることは、温度を可及的に低下させることとなり、反応に必要な消費エネルギーが低下する。
図2に示した水素発生装置の構成は一例であり、水素発生装置はその他の構成をとることが可能である。例えば、水素発生装置は、複数のキャリアガスを用いる形態であってもよい。この形態では、水素発生装置は、複数のガス源及び複数のキャリアガスを混合する機構を備えるか、又は、予め複数のキャリアガスが混合したガスを貯蔵したガス源を備える。また、水素発生装置は、キャリアガスを液体の水に通過させるのではなく、キャリアガスと水蒸気とを混合することによって反応ガスを生成する形態であってもよい。この形態では、水素発生装置は、混合部42の代わりに、キャリアガスと水蒸気とを混合する機構を備える。また、水素発生装置は、反応ガスとして、水蒸気を含んだ外気を使用する形態であってもよい。この形態では、水素発生装置は、ガス源44及び混合部42の代わりに、外気を取り込む機構を備える。また、水素発生装置は、収容部11へ供給する前の反応ガスを予熱する機構を備えた形態であってもよい。また、水素発生装置は、反応後のガスから水素を分離する機構を備えた形態であってもよい。
以上詳述した如く、本実施形態においては、従来の330℃以上の高温を必要とした方法に比べて、より低温で、残留物としてMg(OH)2 が生成されずMgOが生成されるようにMgH2 から水素を発生させることができる。従来に比べて反応温度が低温であるので、従来よりも低い消費エネルギーで水素及びMgOを生成することが可能となり、生成のためのコストも低下する。また、Mg(OH)2 が生成しないので、MgOを分離する工程又はMg(OH)2 からMgOを生成する工程が不要となり、消費エネルギーがより低下する。このように、MgH2 から水素を発生させる際に残留物としてMg(OH)2 では無くMgOを生成することができるので、MgH2 を再生する際にMg(OH)2 からMgOを生成する工程が不必要となり、MgH2 を再生するプロセスがより簡単になる。更に、MgH2 の再生に必要なエネルギーが削減される。
(実施形態2)
実施形態1に示した方法では、反応速度が比較的低い。反応速度をより増大させるには、MgH2 の更なる小径化が有効であるものの、MgH2 の小径化には限界があり、コストが上昇する。本実施形態では、より効率的にMgH2 と水とを反応させる形態を示す。
図8は、実施形態2に係る水素発生装置の構成図である。箱状の収容部61に、MgH2 を主成分とする反応材62が収容されている。反応材62は、多孔質の塊に形成されている。収容部61は炉63内に配置されている。炉63には、炉63内の温度を制御する温度制御部64が接続されている。炉63は電気炉であり、温度制御部64は、炉63へ供給される電力を制御することによって炉63内の温度を制御する。炉63及び温度制御部64は本発明における温度調整部に相当する。収容部61の上側には、収容部61内へ反応ガスを供給する供給部65が連結されている。供給部65には、反応ガスを生成するガス生成部66が連結されている。例えば、ガス生成部66は、実施形態1と同様のガス源、MFC、混合部及び温湿度計からなり、供給部65は実施形態1と同様の供給管からなる。ガス生成部66は、反応ガスとして、水蒸気を含んだ水素ガスを生成する。例えば、ガス生成部66は、水素ガスに液体の水の中を通過させることによって、反応ガスとして、水蒸気が飽和した水素ガスを生成する。供給部65は、収容部61内に上側から反応ガスを供給する。
収容部61の下側には、収容部61からガスを排出する排出部67が連結されている。排出部67は、収容部61内からガスを吸引する。例えば、排出部67はファンを用いて構成されている。排出部67により排出されたガスは、水素を主成分としており、例えば、図示しない燃料電池へ供給される。水素発生装置は、ガスを冷却する等の方法により、排出部67により排出されたガスから水蒸気を分離する機能を備えていてもよい。
供給部65から収容部61内へ供給された反応ガスは、図中に矢印で示すように反応材62内を通過し、排出部67により排出される。反応材62は多孔質であるので、反応ガスは反応材62内を良好に通過し、反応材62内のMgH2 が反応ガスに接触しやすく、MgH2 と反応ガス中の水とが効率的に反応する。温度制御部64は、炉63により加熱される収容部61内の温度を制御することにより、反応ガスの温度を調整する。ガス生成部66は、反応ガス中の水蒸気分圧を測定し、温度制御部64は、収容部61内での反応ガスの温度及び水蒸気分圧が、図1に示す状態図から得られた、Mg(OH)2 が安定に存在せずMgOが安定に存在し得る条件を満たすように、反応ガスの温度を調整する。MgH2 と水とが反応して、水素及びMgOが生成する。生成された水素は、反応ガスと共に排出部67により排出される。
排出部67によって収容部11からガスが吸引されることに応じて、供給部65から収容部11内へ反応ガスが供給され、反応材62中のMgH2 は、十分な量の水蒸気を含んだ反応ガスと連続的に接触する。このため、MgH2 と反応ガス中の水とが効率的に反応し、反応速度が増大する。また、反応ガスの主成分を水素としたことによって、排出部67により排出されたガスから水素以外の成分を除去することなく、発生した水素を利用することが可能となる。なお、収容部11は、反応材62を内部に収容した状態で交換が可能なカセット状の構成となっていてもよい。収容部11をカセット状の構成とすることによって、MgOの回収及びMgH2 の補充を容易に行うことができる。また、本実施形態では、反応ガスが収容部61内を上から下へ通過する形態を示したが、水素発生装置は、反応ガスが収容部61内を下から上へ通過する形態であってもよい。
本実施形態においても、従来よりも低温で、残留物としてMg(OH)2 が生成されずMgOが生成されるようにMgH2 から水素を発生させることができる。MgH2 を再生するプロセスがより簡単になり、MgH2 の再生に必要なエネルギーが削減される。
(実施形態3)
図9は、実施形態3に係る水素発生装置の構成図である。箱状の収容部71は炉73内に配置されている。炉73には、炉73内の温度を制御する温度制御部74が接続されている。炉73は電気炉であり、温度制御部74は、炉73へ供給される電力を制御することによって炉73内の温度を制御する。炉73及び温度制御部74は本発明における温度調整部に相当する。収容部71の下側には、収容部71内へ反応ガスを供給する供給部75が連結されている。供給部75には、反応ガスを生成するガス生成部76が連結されている。例えば、ガス生成部76は、実施形態1と同様のガス源、MFC、混合部及び温湿度計からなり、供給部75は実施形態1と同様の供給管からなる。ガス生成部76は、反応ガスとして、水蒸気を含んだ水素ガスを生成する。供給部75は、収容部71内に下側から反応ガスを供給する。収容部71の上側には、収容部71からガスを排出する排出部77が連結されている。排出部77は、収容部61内からガスを吸引する。
収容部71は、流動層装置になっている。供給部75から収容部71内へ供給された反応ガスは、図中に矢印で示すように下から上へ流れる。収容部71に収容されている反応材72は、MgH2 を主成分としており、粉末状になっている。収容部71の中は、下から上へ流れる反応ガス中に粉末状の反応材72が浮遊している流動層になっている。このため、反応材72内のMgH2 が反応ガスに容易に接触し、MgH2 と反応ガス中の水とが効率的に反応する。温度制御部74は、炉73によって収容部61内の温度を制御することにより、反応ガスの温度を調整する。ガス生成部76は、反応ガス中の水蒸気分圧を測定し、温度制御部74は、収容部71内での反応ガスの温度及び水蒸気分圧が、図1に示す状態図から得られた、Mg(OH)2 が安定に存在せずMgOが安定に存在し得る条件を満たすように、反応ガスの温度を調整する。MgH2 と水とが反応して、水素及びMgOが生成する。生成された水素は、反応ガスと共に排出部77により排出される。排出部77により排出されたガスは、水素を主成分としており、例えば、図示しない燃料電池へ供給される。
収容部71内を流動層とすることによって、MgH2 が反応ガスに連続的に接触する。また、排出部77により収容部11から反応ガスが吸引されることに応じて、供給部65から収容部11内へ反応ガスが供給され、MgH2 は十分な量の水蒸気を含んだ反応ガスと連続的に接触する。このため、MgH2 と反応ガス中の水とが効率的に反応し、反応速度が増大する。なお、水素発生装置は、更に、収容部71内へ反応材72を投入する機構と、収容部71内の反応材72から比重に基づいてMgOを分離する機構とを備えた形態であってもよい。この形態では、MgOの回収及びMgH2 の補充を継続的に行うことができ、より効率的にMgH2 と水とを反応させることができる。
本実施形態においても、従来よりも低温で、残留物としてMg(OH)2 が生成されずMgOが生成されるようにMgH2 から水素を発生させることができる。MgH2 を再生するプロセスがより簡単になり、MgH2 の再生に必要なエネルギーが削減される。
1 反応管
11、61、71 収容部
2 試料
3、63、73 炉
4 供給管
62、72 反応材
64、74 温度制御部
65、76 供給部
66、76 ガス生成部

Claims (7)

  1. 水素化マグネシウム(MgH2 )と水とを反応させて水素を発生させる方法において、
    水蒸気雰囲気中で水酸化マグネシウム(Mg(OH)2 )及び酸化マグネシウム(MgO)の夫々が熱力学的に安定に存在し得る水蒸気分圧及び温度を表した状態図から得られた、Mg(OH)2 が安定に存在せずMgOが安定に存在し得る水蒸気分圧及び温度の下で、水蒸気を含んだガスの中にMgH2 を保持することにより、MgH2 と前記ガス中の水とを反応させて水素及びMgOを生成すること
    を特徴とする水素発生方法。
  2. MgH2 と水とを反応させて水素を発生させる方法において、
    水蒸気分圧を調整した水蒸気を含むガスをMgH2 へ供給し、
    水蒸気雰囲気中でMg(OH)2 及びMgOの夫々が熱力学的に安定に存在し得る水蒸気分圧及び温度を表した状態図から得られた、Mg(OH)2 が安定に存在せずMgOが安定に存在し得る水蒸気分圧及び温度の条件を満たすように、MgH2 へ供給した前記ガスの温度を調整することにより、MgH2 と前記ガス中の水とを反応させて水素及びMgOを生成すること
    を特徴とする水素発生方法。
  3. ガスに液体の水の中を通過させることにより、水蒸気を含むガスの水蒸気分圧を当該ガスの温度での飽和水蒸気圧に調整すること
    を特徴とする請求項2に記載の水素発生方法。
  4. MgH2 と前記ガス中の水とが反応する際の前記ガスの温度が330℃未満であること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の水素発生方法。
  5. 前記ガスは水素を主成分とすること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の水素発生方法。
  6. MgH2 と水とを反応させて水素を発生させる装置において、
    MgH2 を収容する収容部と、
    水蒸気分圧を調整した水蒸気を含むガスを生成するガス生成部と、
    該ガス生成部が生成したガスを前記収容部へ供給する供給部と、
    水蒸気雰囲気中でMg(OH)2 及びMgOの夫々が熱力学的に安定に存在し得る水蒸気分圧及び温度を表した状態図から得られた、Mg(OH)2 が安定に存在せずMgOが安定に存在し得る水蒸気分圧及び温度の条件を満たすように、前記供給部が供給したガスの温度を調整する温度調整部と
    を備えることを特徴とする水素発生装置。
  7. 前記収容部は、前記供給部が供給したガスが下から上へ流れる流動層装置であること
    を特徴とする請求項6に記載の水素発生装置。
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