以下、本発明の一実施形態となるパチンコ機について、図面にもとづき詳細に説明する。
(パチンコ機の全体的な説明)
図1は、パチンコ機1を前側から示した説明図である。図2は、電動役物60が退避姿勢にある遊技盤2を前側から示した説明図である。図3は、電動役物60が第1演出姿勢にある遊技盤2を前側から示した説明図である。図4は、電動役物60が第2演出姿勢にある遊技盤2を前側から示した説明図である。図5は、パチンコ機1を後側から示した説明図である。
パチンコ機1は、遊技盤2の前面に形成された遊技領域16内へ遊技球を打ち込み、遊技領域16内を流下させて遊技するものであって、遊技盤2は、支持体として機能する機枠3の前面上部に、金属製のフレーム部材であるミドル枠5を介して設置されている。また、遊技盤2の前方には、ガラス板を支持してなる前扉4が、左端縁を軸として片開き可能に機枠3に蝶着されており、該前扉4によって閉塞される遊技盤2の前方空間が遊技領域16とされている。
当該遊技領域16は、遊技盤2の前面に円弧状に配設された外レール23及び内レール24等によって囲まれており、遊技領域16に左部における両レール23、24間が遊技球を遊技領域16内へ打ち込むための発射通路13とされている。また、遊技領域16の略中央には、「0」〜「9」の数字からなる装飾図柄やキャラクター等を表示するための演出用表示部6が設けられている。さらに、演出用表示部6を囲むようにセンター部材26が遊技盤2に設置されている。そして、該センター部材26における演出用表示部6の下側となる位置には、第1可動装飾部である玉浮き部61と第2可動装飾部である棒浮き部62との何れも演出用表示部6の前方に露出しない退避姿勢と、玉浮き部61が演出用表示部6の前方に露出する第1演出姿勢(第1位置)と、棒浮き部62が演出用表示部6の前方に露出する第2演出姿勢(第2位置)とに姿勢を変更可能である電動役物60(図6に示す)が設けられている。また、センター部材26の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口19と、開閉可能な扉部材を有する第1大入賞装置17とが設けられている。さらにまた、センター部材26の左方から下方にかけては、遊技球が流下可能な左打ち用スペースSLが形成されており、左打ち用スペースSLを流下させることで、効率良く始動入賞口19や開成した第1大入賞装置17へ入賞させ得るようになっている。
一方、センター部材26の右方にも遊技球が流下可能な右打ち用スペースSRが形成されている。また、該右打ち用スペースSRには、遊技球の通過を検出する通過検出部、通過検出部よりも下流側に設けられた入賞検出部、及び通過検出部と入賞検出部との間に設けられ、入賞検出部への遊技球の入賞を可能/不可能とする可動片を有する入賞装置20、及び開閉可能な扉部材を有する第2大入賞装置18が設置されている。そして、遊技球を左打ち用スペースSLではなく右打ち用スペースSRを流下させることにより、入賞可能状態にある入賞装置20や、開成した第2大入賞装置18へ入賞させることができる。なお、左打ち用スペースSLや右打ち用スペースSRには、多数の遊技釘(図示せず)が植設されている。また、遊技領域16外となる遊技盤2の右下部には、第1特別図柄及び第2特別図柄を夫々別個に表示可能とした特別図柄表示部83が設けられている。
また、機枠3の前面側であって上記遊技盤2の下方には、発射装置10へ供給する遊技球を貯留するための供給皿7、及び供給皿7から溢れた遊技球を貯留するための貯留皿8が取り付けられており、供給皿7は前扉4の開放に伴い、貯留皿8はミドル枠5の開放に伴い夫々機枠3に対して片開き可能となっている。さらに、貯留皿8の右側には、発射装置10を作動させ、遊技球の遊技領域16への打ち込み強度を調整するためのハンドル9が回動操作可能に設置されている。加えて、供給皿7の前方には、遊技者が任意に押し込み操作可能な遊技ボタン25が設けられている。
さらに、前扉4の上部には、効果音や各種メッセージ等を報音する一対のスピーカ14、14が設けられている。加えて、前扉4の左右両側部には、パチンコ機1の遊技状態等に応じて点灯・点滅する複数のLEDを内蔵したランプ部材15、15・・が設けられている。
一方、機枠3の後面側には、供給皿7へ貸球や賞品球として払い出される遊技球を貯留するための貯留タンク11、当該貯留タンク11と連結された払出装置12、払出装置12における払い出し動作を制御する払出制御装置28、及び各制御基板や装置・部材に電源電圧を供給するための電源装置29等が設置されている。また、21は、合成樹脂製のカバー状に形成されたセンターカバーであって、当該センターカバー21の内部には、遊技に係る主たる制御(たとえば、所謂大当たり抽選等)を実行するためのメイン制御装置30(図6に示す)、演出用表示部6における表示動作等を制御する表示制御装置50(図6に示す)、ランプ部材15の点灯/点滅動作等を制御する発光制御装置51(図6に示す)、スピーカ14からの報音動作を制御する音制御装置52(図6に示す)、及び表示制御装置50や音制御装置52等の動作を統合的に制御するサブ制御装置40(図6に示す)等が設置されている。尚、22は、パチンコ機1をトランスに接続するためのプラグであり、27は、アースである。
次に、パチンコ機1の制御機構について、図6をもとに説明する。図6は、パチンコ機1の制御機構を示したブロック図である。
メイン制御装置30には、大当たり抽選の実行とともに下記部材の動作を制御するメインCPU32、ROMやRAM等といった記憶手段33、タイマ34、及びインターフェイス35等が搭載されたメイン制御基板31が内蔵されている。そして、該メイン制御基板31は、インターフェイス35を介して、始動入賞口19、第1大入賞装置17や第2大入賞装置18、入賞装置20、及び特別図柄表示部83等と接続されている。また、メイン制御基板31は、サブ制御装置40内に内蔵されたサブ統合基板41とも電気的に接続されている。なお、図6では省略しているが、メイン制御基板31は、払出制御装置28や電源装置29等ともインターフェイス35を介して接続されている。
記憶手段33には、入賞装置20の可動片を開動作させるか否かの開放抽選に使用するaカウンタ、大当たり抽選に使用するcカウンタ(大当たり判定用乱数)、特別図柄表示部83における第1特別図柄や第2特別図柄の確定表示態様を決定するdカウンタ(確定表示態様決定用乱数)、及び主に特別図柄や装飾図柄の変動時間である基本変動パターンを決定するeカウンタ(変動時間情報決定用乱数)等の複数のカウンタが内蔵されている。各カウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(たとえば1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウントするループカウンタであって、当該カウンタを用いた数値の取得は、乱数からの数値の取得とみなすことができる。また、aカウンタは0〜10(11通り)の間を、cカウンタは0〜99(100通り)の間を、dカウンタは0〜4(5通り)の間を、及びeカウンタは0〜39(40通り)の間を夫々ループカウントするようになっている。そして、メインCPU32は、入賞装置20での遊技球の通過検出を契機としてaカウンタから1つの数値を取得するとともに、遊技球の始動入賞口19や入賞装置20での入賞検出を契機として、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタから夫々1つの数値を取得する(大当たり抽選を実行する)。
また、記憶手段33には、dカウンタの数値と特別図柄表示部83に確定表示する第1特別図柄や第2特別図柄の確定表示態様とを対応づけた確定表示態様決定テーブル、及び図7に示す如くeカウンタの数値と基本変動パターンとを対応づけた基本変動パターン決定テーブル等が記憶されている。この基本変動パターンとは、主に特別図柄の変動時間(変動開始から確定表示までの時間)を規定するものである。さらに、記憶手段33には、たとえば特別図柄表示部83において第1特別図柄と第2特別図柄との何れかが変動表示中に始動入賞口19や入賞装置20へ遊技球が入賞したような場合に、当該入賞に伴うcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を保留情報として、始動入賞口19と入賞装置20とを区別した状態で夫々最大4つまで(合計8つまで)記憶する保留情報記憶領域36が設けられている。加えて、記憶手段33には、保留情報記憶領域36に記憶されている保留情報を1つずつ移行して記憶可能であり、大当たり抽選の結果が大当たりであるか否か等の大当たり判定を実行するための大当たり判定用記憶領域37が設けられている。尚、保留情報は、特別図柄及び装飾図柄が確定表示される度に所定の順番で順次大当たり判定用記憶領域37へ移行されて消化され(パチンコ機1では、入賞装置20への入賞に係る保留情報が、始動入賞口19への入賞に係る保留情報よりも優先して消化される)、該消化に伴って新たな保留情報が記憶可能となる。
サブ制御装置40には、サブ統合CPU42、記憶手段43、タイマ44、及びインターフェイス45等が搭載されたサブ統合基板41が内蔵されている。該サブ統合基板41は、インターフェイス45を介してメイン制御基板31と電気的に接続されているとともに、表示制御装置50、発光制御装置51、音制御装置52、及び電動役物60と電気的に接続されている。そして、サブ統合CPU42は、後述するようにメイン制御基板31から大当たり抽選に係る信号(後述するような各種コマンド等)を受信すると、その内容に応じて各制御装置を制御し、スピーカ14やランプ部材15の動作や、演出用表示部6における装飾図柄の表示動作、及び電動役物60の動作等を制御するようになっている。
また、記憶手段43には、演出用表示部6に表示する装飾図柄を記憶する図柄記憶領域(図示せず)と、該装飾図柄の詳細な変動表示態様やキャラクターの動画を用いたキャラクター演出等からなる複数の詳細変動パターンを記憶した変動パターン記憶領域46とが設けられており、種々の詳細変動パターンが図8に示す如くメイン制御基板31で決定される基本変動パターンと対応づけて記憶されている。さらに、記憶手段43には、メイン制御基板31から送信されてくる後述するような予定情報を記憶するための予定情報記憶領域47と、予定情報記憶領域47から読み出した予定情報を一時的に記憶するための実行用記憶領域48とが設けられている。
以下、上記パチンコ機1における基本的な遊技動作について簡略に説明する。
まずパチンコ機1では、遊技球が始動入賞口19や入賞装置20へ入賞すると、当該入賞がメインCPU32により検出される(所定条件の充足)。すると、メインCPU32は、所定個数(たとえば3個)の遊技球を賞球として払い出すとともに、入賞検出のタイミングでcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタから夫々1つの数値を取得し、さらに保留情報記憶領域36に記憶されている保留情報の数が最大値に達しているか否かを確認する。そして、保留情報の数が既に最大値に達していると、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を記憶することなく削除する。一方、最大値に達していないと、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値(すなわち、所定条件の充足にもとづく図柄の確定表示態様と図柄の変動時間の決定に係る情報)を保留情報記憶領域36に記憶するとともに、遊技状態毎に設定されている大当たり判定用テーブルを参照して今回cカウンタから取得した数値が所定の「大当たり数値(たとえば通常状態の大当たり判定用テーブルでは、“0”の1通りとなっており、高確率状態の大当たり判定用テーブルでは、“0”、“15”、“30”、“45”、“60”、“75”、“90”の7通りとなっている)」であるか否か(すなわち、大当たり抽選の結果が「大当たり」であるか否か)に加え、当該「大当たり」に係る判定結果を踏まえた上でのdカウンタからの取得数値と、始動入賞口19と入賞装置20との何れへの入賞であるかとにもとづく特別図柄の確定表示態様(「大当たり」である場合には「大当たり」の種別)、及び「大当たり」に係る判定結果を踏まえた上でのeカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンがどうなるかを、後述する大当たり判定よりも事前に事前判定として一旦判定する。さらに、メインCPU32は、当該事前判定の結果、始動入賞口19と入賞装置20との何れへの入賞に伴う保留情報であるのか、及び何個目の保留情報にもとづくものであるのかを含んだ予定情報を作成し、サブ統合CPU42へ送信する。
また、メインCPU32は、特別図柄表示部83において特別図柄を変動表示しているか、それとも確定表示しているかを常に確認しており、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらの特別図柄についても確定表示していると保留情報の有無を確認する。そして、保留情報が存在すると、消化する優先度が最も高い保留情報(本実施形態では、入賞装置20への入賞に係る保留情報が存在すると、その保留情報のうち最も以前に記憶した保留情報となり、入賞装置20への入賞に係る保留情報が存在しないと、始動入賞口19への入賞に係る保留情報のうち最も以前に記憶した保留情報となる)を読み出して大当たり判定用記憶領域37へ移行するとともに、当該保留情報について以下の大当たり判定を実行する。すなわち、保留情報を大当たり判定用記憶領域37へ移行した時点での遊技状態に対応した大当たり判定用テーブルを参照して、当該保留情報に係るcカウンタからの取得数値が上記所定の「大当たり数値」であるか否か、つまり大当たり抽選の結果が「大当たり」であるか、それとも「はずれ」であるかを判定する。また、大当たり抽選の結果が「大当たり」である(cカウンタからの取得数値が「大当たり数値」である)と、dカウンタからの取得数値及び始動入賞口19と入賞装置20との何れへの入賞であるかにもとづき特別図柄の確定表示態様を決定するとともに、図7(b)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、eカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す(すなわち、大当たりの種別、及び図柄の変動時間を含む基本変動パターンを決定する)。一方、大当たり抽選の結果が「はずれ」である(cカウンタからの取得数値が「大当たり数値」以外の数値である)と、dカウンタからの取得数値及び始動入賞口19と入賞装置20との何れへの入賞であるかにもとづき特別図柄の確定表示態様を決定するとともに、図7(a)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、eカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す(すなわち、図柄の変動時間を含む基本変動パターンを決定する)。
その後、メインCPU32は、始動入賞口19と入賞装置20との何れへの入賞に伴うものであるか、大当たり抽選の結果(「大当たり」であるか「はずれ」であるか)、特別図柄の確定表示態様、及び読み出した基本変動パターンの種類を示す情報を含んだ開始コマンドを作成するとともに、当該開始コマンドをサブ統合CPU42へ送信する。また、特別図柄表示部83において、始動入賞口19への入賞に係る保留情報の消化であると第1特別図柄を、入賞装置20への入賞に係る保留情報の消化であると第2特別図柄を所定の態様で夫々変動させるとともに、タイマ34による計時を開始する。そして、読み出した基本変動パターンに応じた図柄の変動時間が経過すると、大当たり抽選の結果を踏まえた上でのdカウンタからの取得数値及び始動入賞口19と入賞装置20との何れへの入賞であるかにもとづく確定表示態様で対応する特別図柄を確定表示させるとともに、停止信号を含んだ停止コマンドをサブ統合CPU42へと送信する。
なお、確定表示する特別図柄については、たとえば、始動入賞口19への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、且つ、dカウンタからの取得数値が“0”〜“2”である場合には、「確変大当たり」として特定大当たり特別図柄確定表示態様(特別確定表示態様)である『7』で、「大当たり」であり、且つ、dカウンタからの取得数値が“3”か“4”である場合には、「非確変大当たり」として非特定大当たり特別図柄確定表示態様(特別確定表示態様)である『2』で第1特別図柄を夫々確定表示させる。また、入賞装置20への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、且つ、dカウンタからの取得数値が“0”〜“2”である場合には、「確変大当たり」として特定大当たり特別図柄確定表示態様(特別確定表示態様)である『3』で、「大当たり」であり、且つ、dカウンタからの取得数値が“3”か“4”である場合には、「非確変大当たり」として非特定大当たり特別図柄確定表示態様(特別確定表示態様)である『8』で第2特別図柄を夫々確定表示させる。一方、始動入賞口19への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「はずれ」であると、はずれ確定表示態様である『−』で第1特別図柄を確定表示させ、入賞装置20への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「はずれ」であると、同じくはずれ確定表示態様である『−』で第2特別図柄を確定表示させる。
さらに、メインCPU32は、始動入賞口19への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「大当たり」であると、上記第1特別図柄の特別な確定表示態様での確定表示後、特別遊技状態である第1の大当たり状態の開始を報知する開始デモ、第1大入賞装置17の所定回数にわたる断続的な開成、及び大当たり状態の終了を報知する終了デモからなる第1の大当たり状態を生起させる。一方、メインCPU32は、入賞装置20への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「大当たり」であると、上記第2特別図柄の特別な確定表示態様での確定表示後、特別遊技状態である第2の大当たり状態の開始を報知する開始デモ、第2大入賞装置18の所定回数にわたる断続的な開成、及び大当たり状態の終了を報知する終了デモからなる第2の大当たり状態を生起させる。そして、大当たり状態の生起に伴い開成した第1大入賞装置17や第2大入賞装置18に遊技球が入賞すると、始動入賞口19や入賞装置20へ入賞した場合と比較して多くの遊技球(たとえば10個)を賞球として払い出す。
また、メインCPU32は、「確変大当たり」に起因して生起させた大当たり状態が終了した場合には、大当たり状態が終了してから次回大当たり判定において大当たり抽選の結果が「大当たり」(種別には依らない)となるまで、大当たり抽選の結果が「大当たり」となる確率が上述の如く向上した高確率状態を生起させるとともに、入賞装置20の可動片が開状態となりやすい、若しくは、長時間にわたって開状態となるとの少なくとも何れか一方としたことで、入賞装置20へ遊技球が入賞しやすくなるサポート状態を生起させる。
一方、「非確変大当たり」に起因して生起させた大当たり状態が終了した場合には、大当たり状態が終了してから、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の確定表示回数が特定回数(たとえば50回)に達するまでに限り、上記サポート状態を生起させる。なお、「次回大当たり判定において大当たり抽選の結果が「大当たり」となるまで」という事項は、たとえば上記特定回数を10000回と設定することにより実現してもよい。
また、入賞装置20における可動片の開閉動作もメインCPU32で制御しており、遊技球が入賞装置20の通過検出部を通過すると、当該通過がメインCPU32により検出される。すると、メインCPU32は、通過検出のタイミングでaカウンタから1つの数値を取得する(開放抽選を行う)とともに、aカウンタからの取得数値が所定の「開放数値(たとえばサポート状態が生起していると“0”〜“9”の10通り、サポート状態が生起していないと“0”の1通りのみとなっている)」であるか否かを判定する。そして、aカウンタからの取得数値が「開放数値」である、すなわち開放抽選の結果が「当選」であると、可動片を閉状態から開状態へ所定の態様で作動させる。このとき、サポート状態が生起していると、たとえばサポート状態が生起していない場合と比べて長い時間(2秒間)に亘り開状態とすることを断続的に3回繰り返す態様等の特別開放動作態様で可動片を作動させる。したがって、入賞装置20において、可動片よりも下流側に設けられた入賞検出部へ遊技球が入賞しやすくなる。一方、サポート状態が生起していないと、たとえばサポート状態が生起している場合と比べて短い時間(0.2秒)に亘り、しかも1回しか開状態としない等の通常開放動作態様で可動片を作動させる。したがって、たとえ開放抽選に当選して可動片が開動作したとしても、遊技球は入賞検出部へ極めて入賞しにくくなっている。
さらに、aカウンタからの取得数値が「開放数値」でない、すなわち開放抽選の結果が「はずれ」であると、可動片を閉状態のまま作動させない。したがって、遊技球が入賞検出部へ入賞することはない。加えて、可動片の作動中等に遊技球の通過を検出した場合は、上記保留情報と同様、当該通過のタイミングで取得したaカウンタの数値を所定個数まで記憶手段33に記憶するとともに、可動片の作動が終了する度に記憶した順で開放抽選の結果の確認等を実行するようになっている。
一方、サブ統合CPU42は、予定情報を受信すると予定情報記憶領域47へ記憶するとともに、所定の保留表示体(図示せず)を演出用表示部6に1つ追加表示する。また、開始コマンドを受信すると、演出用表示部6に保留表示体を表示している場合には、受信した開始コマンドに対応する保留表示体を演出用表示部6における所定の消化位置へ移動させるとともに、図柄を確定表示する(すなわち停止コマンドを受信する)までの間に所定の態様で消去する。さらに、該開始コマンドに対応する予定情報を予定情報記憶領域47から読み出して実行用記憶領域48へ移動させ、読み出した予定情報を参照しつつ、電動役物60を作動させる等する。加えて、その開始コマンドに含まれている大当たり抽選の結果に係る情報及び特別図柄の確定表示態様等に応じて最終的に確定表示する装飾図柄の表示態様を決定するとともに、基本変動パターンに係る情報に対応する詳細変動パターンを変動パターン記憶領域46から読み出し、タイマ44により計時しながら、読み出した詳細変動パターンにしたがって演出用表示部6における装飾図柄を変動表示させたり、電動役物を作動させる等する。そして、停止コマンドの受信に伴い、上記決定した表示態様で装飾図柄を演出用表示部6に確定表示させるとともに、実行用記憶領域48へ移動させた予定情報を消去する。つまり、大当たり抽選の結果が「確変大当たり」であると、同一の特別な装飾図柄を3つ並べる特定大当たり装飾図柄表示態様(たとえば“7・7・7”や“3・3・3”)で確定表示させ、大当たり抽選の結果が「非確変大当たり」であると、特別な装飾図柄以外の同一な装飾図柄を3つ並べる非特定大当たり装飾図柄表示態様(たとえば“2・2・2”や“4・4・4”)で確定表示させる。また、大当たり抽選の結果が「はずれ」であると、3つのうち少なくとも1つの装飾図柄が他の2つの装飾図柄とは異なるはずれ装飾図柄表示態様(たとえば“1・2・3”)で確定表示させる。
また、サブ統合CPU42は、大当たり状態を生起させるにあたり、たとえば開始デモ中には、演出用表示部6を利用して大当たり状態の開始を報知し、第1大入賞装置17や第2大入賞装置18の開成が開始されると、「大当たり」の種別等に対応した演出用表示部6での表示演出を記憶手段43から読み出し、演出用表示部6での表示動作を制御する。さらに、終了デモになると、演出用表示部6を利用して大当たり状態が終了する旨等を遊技者に報知する。
ここで、遊技者によるパチンコ機1での遊技を一般的な流れに沿って説明すると、遊技者は高確率状態やサポート状態が生起していない通常状態から遊技を開始することになり、ハンドル9を回動操作して発射装置10を作動させ、発射通路13を介して遊技球を遊技領域16内へ打ち込み、まずは左打ち用スペースSLを流下させて始動入賞口19への遊技球の入賞を狙う。そして、入賞した遊技球による大当たり抽選の結果が「大当たり」となり、第1の大当たり状態が生起すると、断続的に開成する第1大入賞装置17への遊技球の入賞を狙う。また、第1の大当たり状態の終了後、サポート状態が生起すると右打ち用スペースSRを流下させる「右打ち」を行い、サポート状態にあって遊技球が入賞しやすい入賞装置20への遊技球の入賞を狙う。そして、入賞装置20への遊技球の入賞に起因して第2の大当たり状態が生起すると「右打ち」を継続し、断続的に開成する第2大入賞装置18への遊技球の入賞を狙う。一方、大当たり抽選の結果が「大当たり」とならないままサポート状態が終了すると、「右打ち」を止めて左打ち用スペースSLを流下させる上記遊技へと戻る。
さらに、図柄の変動表示中において、後述の如き所定の遊技条件が満たされると、サブ制御装置40による制御のもと電動役物60を作動させ、玉浮き部61や棒浮き部32を演出用表示部6の前方へ露出させる等して役物演出を実行し、遊技者に「大当たり状態」生起の期待感を抱かせる。
(電動役物を用いた役物演出に係る説明)
ここで、本発明の要部となる電動役物60を用いた役物演出について、図9〜図12にもとづき詳細に説明する。
図9は、fカウンタの数値と役物演出の可否及び種別との対応関係を示した説明図である。図10は、gカウンタの数値と役物演出の可否及び種別との対応関係を示した説明図である。図11は、予定情報を受信した際の電動役物60を用いた役物演出に係る制御のフローチャート図である。図12は、開始コマンドを受信した際の電動役物60を用いた役物演出に係る制御のフローチャート図である。
まず、電動役物60の構造について説明すると、電動役物60は、前後方向を軸として回転する駆動装置(図示せず)と、駆動装置の回転軸と平行な所定軸を中心とした第1の放射方向へ突設されており、駆動装置の作動に応じて所定軸周りで回動する玉浮き部61と、所定軸を中心とした第1の放射方向とは異なる第2の放射方向へ突設されており、駆動装置の作動に応じて、玉浮き部61と一体的に所定軸周りで回動する棒浮き部62とを備えてなる。そして、該電動役物60は、サブ制御装置40による制御のもと、前後方向を軸とした回転動作により、図2に示すように玉浮き部61及び棒浮き部62の両者が演出用表示部6の前方に位置しない退避姿勢と、図3に示すように玉浮き部61が演出用表示部6の前方に位置し、棒浮き部62が演出用表示部6の前方に位置しない第1演出姿勢(第1姿勢)と、図4に示すように玉浮き部61が演出用表示部6の前方に位置せず、棒浮き部62が演出用表示部6の前方に位置する第2演出姿勢(第2姿勢)とに、姿勢を割出可能となっている。また、棒浮き部62は、玉浮き部61よりも放射方向へ長く成形されており、第1演出姿勢よりも第2演出姿勢をとった場合の方が、演出用表示部6を広範囲にわたり覆うようになっている。なお、当然ながら退避姿勢であるよりも、第1演出姿勢や第2演出姿勢をとった場合の方が、演出用表示部6を広範囲にわたり覆うことになる。
一方、サブ制御装置40は、通常状態において先読み抽選に当選する等といった遊技条件が満たされると、電動役物60の駆動装置を作動させて第1演出姿勢をとらせる等する電動役物60を用いた役物演出を実行する。また、サブ制御装置40は、この役物演出を実行するか否かの決定に係り、大当たり抽選同様の乱数からの数値の取得を利用して決定しており、記憶手段43には、大当たり抽選に使用するcカウンタ等と同様、高速で0〜99(100通り)の間をループカウントするfカウンタ(先読み抽選用乱数)、及び高速で0〜99(100通り)の間をループカウントするgカウンタ(実行抽選用乱数)が内蔵されている。さらに、記憶手段43には、図9に示すような先読み抽選用テーブルや、図10に示すような実行抽選用テーブル等も記憶されている。
そして、上記電動役物60を用いた役物演出に係る制御について、図11及び図12に示すフローチャートに沿って説明する。
サブ統合CPU42は、通常状態においてメインCPU32から予定情報を受信する(S1)と、今回受信した予定情報が始動入賞口19への入賞にもとづくものであるかを確認するとともに、予定情報記憶領域47及び実行用記憶領域48を参照して、役物演出タグがつけられている予定情報が存在するかを確認する。すなわち、所定の第1遊技条件が満たされているか否かを確認する(S2)。その結果、受信した予定情報が始動入賞口19への入賞にもとづくものであり、且つ、役物演出タグがつけられている予定情報が存在しない、すなわち第1遊技条件が充足されている(S2でYESと判断する)と、fカウンタから1つの数値を取得する、すなわち先読み抽選を実行する(S3)。そして、今回受信した予定情報の内容にもとづいて、fカウンタからの取得数値を図9に示す先読み抽選用テーブルに対応させ、当該取得数値が電動役物を用いた役物演出を実行させる第1実行数値であるか否かを確認する、すなわち先読み抽選に当選したか否かを判断する(S4)。そして、S4での判断の結果、fカウンタからの取得数値が第1実行数値である(すなわち、先読み抽選の結果が「当選」である)と、予定情報に役物演出タグをつける(S5)とともに、電動役物60を作動させて取得数値に応じた姿勢とする等して役物演出を実行し(S6)、新たな予定情報の受信を待つ。
すなわち、受信した予定情報に係る大当たり抽選の結果が「はずれ」である場合、fカウンタからの取得数値が“0”〜“94”であると第1実行数値でない(先読み抽選の結果が「はずれ」)と判断する一方、“95”〜“98”であると第1実行数値である判断して(S4でYESと判断して)電動役物60を作動させ、玉浮き部61が演出用表示部6の前方に露出する第1演出姿勢とし(役物演出を実行し)、さらに“99”であっても第1実行数値であると判断して電動役物60を作動させ、棒浮き部62が演出用表示部6の前方に露出する第2演出姿勢とする(役物演出を実行する)。また、受信した予定情報に係る大当たり抽選の結果が「大当たり」である場合、fカウンタからの取得数値が“0”〜“79”であると第1実行数値でないと判断する一方、“80”〜“84”であると第1実行数値であると判断し、電動役物60を作動させて第1演出姿勢とし、さらに“85”〜“99”であっても第1実行数値であると判断し、電動役物60を作動させて第2演出姿勢とする。
一方、受信した予定情報が入賞装置20への入賞にもとづくものであったり、すでに役物演出タグがつけられた予定情報が存在したりすると、第1遊技条件が充足されていないとして(S2でNOと判断して)、先読み抽選を実行することなく、新たな予定情報の受信を待つ。また、先読み抽選の結果が「はずれ」である(S4でNOと判断する)場合にも、役物演出を実行することなく電動役物60を退避姿勢のままとして、新たな予定情報の受信を待つ。
そして、上述したような先読み抽選に「当選」して実行される役物演出は、以下のような態様となる。まず、先読み抽選に「当選」したタイミングで電動役物60を作動させ、fカウンタからの取得数値に応じた姿勢とする。その後、先読み抽選に「当選」した予定情報(役物抽選タグがつけられた予定情報であって、以下特定予定情報と称す)に対応する開始コマンドを受信するまで当該姿勢を継続させる。そして、特定予定情報に対応する開始コマンドを受信し、特定予定情報に係る図柄の変動が開始されると、当該図柄の変動表示中における所定のタイミング(たとえばリーチの成立)において、電動役物60の姿勢を退避姿勢へ復帰させる。
また、サブ統合CPU42は、通常状態においてメインCPU32から開始コマンドを受信する(S11)と、今回受信した開始コマンドが始動入賞口19への入賞にもとづくものであるかを確認するとともに、予定情報記憶領域47及び実行用記憶領域48を参照して、役物演出タグがつけられている予定情報が存在するかを確認する。すなわち、所定の第2遊技条件が満たされているか否かを確認する(S12)。その結果、受信した予定情報が始動入賞口19への入賞にもとづくものであり、且つ、役物演出タグがつけられている予定情報が存在しない、すなわち第2遊技条件が充足されている(S12でYESと判断する)と、gカウンタから1つの数値を取得する、すなわち実行抽選を実行する(S13)。そして、今回受信した開始コマンドの内容にもとづいて、gカウンタからの取得数値を図10に示す実行抽選用テーブルに対応させ、当該取得数値が電動役物を用いた役物演出を実行させる第2実行数値であるか否かを確認する、すなわち実行抽選に当選したか否かを判断する(S14)。そして、S14での判断の結果、gカウンタからの取得数値が第2実行数値である(すなわち、実行抽選の結果が「当選」である)と、実行用記憶領域48に記憶されている予定情報に役物演出タグをつける(S15)とともに、電動役物60を作動させて取得数値に応じた姿勢とする等して役物演出を実行した(S16)後、新たな開始コマンドの受信を待つ。
すなわち、受信した開始コマンドに係る大当たり抽選の結果が「はずれ」であり、且つ、基本変動パターンAである場合、fカウンタからの取得数値が“0”〜“94”であると第2実行数値でないと判断する一方、“95”〜“99”であると第2実行数値であると判断し、電動役物60を作動させて第1演出姿勢とする。また、受信した開始コマンドに係る大当たり抽選の結果が「はずれ」であり、且つ、基本変動パターンBである場合、fカウンタからの取得数値が“0”〜“94”であると第2実行数値でないと判断する一方、“95”〜“98”であると第2実行数値であると判断し、電動役物60を作動させて第1演出姿勢とし、さらに“99”であっても第2実行数値であると判断し、電動役物60を作動させて第2演出姿勢とする。また、受信した開始コマンドに係る大当たり抽選の結果が「はずれ」であり、且つ、基本変動パターンCである場合、fカウンタからの取得数値が“0”〜“79”であると第2実行数値でないと判断する一方、“80”〜“97”であると第2実行数値であると判断し、電動役物60を作動させて第1演出姿勢とし、さらに“98”〜“99”であっても第2実行数値であると判断し、電動役物60を作動させて第2演出姿勢とする。また、受信した開始コマンドに係る大当たり抽選の結果が「はずれ」であり、且つ、基本変動パターンDである場合、fカウンタからの取得数値が“0”〜“69”であると第2実行数値でないと判断する一方、“70”〜“94”であると第2実行数値であると判断し、電動役物60を作動させて第1演出姿勢とし、さらに“95”〜“99”であっても第2実行数値であると判断し、電動役物60を作動させて第2演出姿勢とする。
一方、受信した開始コマンドに係る大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、且つ、基本変動パターンBである場合、fカウンタからの取得数値が“0”〜“59”であると第2実行数値でないと判断する一方、“60”〜“89”であると第2実行数値であると判断し、電動役物60を作動させて第1演出姿勢とし、さらに“90”〜“99”であっても第2実行数値であると判断し、電動役物60を作動させて第2演出姿勢とする。また、受信した開始コマンドに係る大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、且つ、基本変動パターンCである場合、fカウンタからの取得数値が“0”〜“59”であると第2実行数値でないと判断する一方、“60”〜“69”であると第2実行数値であると判断し、電動役物60を作動させて第1演出姿勢とし、さらに“70”〜“99”であっても第2実行数値であると判断し、電動役物60を作動させて第2演出姿勢とする。また、受信した開始コマンドに係る大当たり抽選の結果が「はずれ」であり、且つ、基本変動パターンDである場合、fカウンタからの取得数値が“0”〜“49”であると第2実行数値でないと判断する一方、“50”〜“69”であると第2実行数値であると判断し、電動役物60を作動させて第1演出姿勢とし、さらに“70”〜“99”であっても第2実行数値であると判断し、電動役物60を作動させて第2演出姿勢とする。
なお、受信した開始コマンドが入賞装置20への入賞にもとづくものであったり、すでに役物演出タグがつけられた予定情報が存在したりすると、第2遊技条件が充足されていないとして(S12でNOと判断して)、実行抽選を実行することなく、新たな開始コマンドの受信を待つ。また、実行抽選の結果が「はずれ」である(S14でNOと判断する)場合にも、役物演出を実行することなく電動役物60を退避姿勢のままとして、新たな開始コマンドの受信を待つ。
そして、上述したような実行抽選に「当選」して実行される役物演出は、以下のような態様となる。まず、実行抽選に「当選」したタイミングで電動役物60を作動させ、fカウンタからの取得数値に応じた姿勢とする。その後、図柄の変動表示中における所定のタイミング(たとえばリーチの成立)において、電動役物60の姿勢を退避姿勢へ復帰させる。
(本実施形態のパチンコ機による効果)
以上のような構成を有するパチンコ機1によれば、先読み抽選や実行抽選の結果に関し、その当選確率を大当たり抽選の結果に関連づけており、役物演出が実行された場合の方が、役物演出が実行されない場合よりも「大当たり」となる期待度が高くなっている。また、電動役物60が第1演出姿勢をとる場合の期待度は約1.9%となる(後述する第1はずれ先読み事象+第1はずれ実行事象を第1はずれ事象とし、第1大当たり先読み事象+第1大当たり実行事象を第1大当たり事象とすると、第1大当たり事象/(第1はずれ事象+第1大当たり事象)によって算出することができる)となる一方、電動役物60が第2演出姿勢をとる場合の期待度は約13.2%となる(後述する第2はずれ先読み事象+第2はずれ実行事象を第2はずれ事象とし、第2大当たり先読み事象+第2大当たり実行事象を第2大当たり事象とすると、第2大当たり事象/(第2はずれ事象+第2大当たり事象)によって算出することができる)。すなわち、電動役物60によって演出用表示部6がより広範囲に覆われている場合の方が、大当たり抽選の結果が「大当たり」である確率が高くなっている。したがって、遊技者は、演出用表示部6が電動役物60によってどの程度覆われるのかに興趣を抱きながら遊技することができることになり、遊技性の高いパチンコ機1とすることができる。
また、特に先読み抽選に「当選」した場合、電動役物60が第1演出姿勢をとる場合の期待度は約1.2%となる(大当たり抽選の結果がはずれとなる確率×はずれ時に先読み抽選に当選して玉浮き部61を露出させる確率を第1はずれ先読み事象とし、大当たりとなる確率×大当たり時に先読み抽選に当選して玉浮き部61を露出させる確率を第1大当たり先読み事象とすると、第1大当たり先読み事象/(第1大当たり先読み事象+第1はずれ先読み事象)によって算出することができる)一方、電動役物60が第2演出姿勢をとる場合の期待度は約13.2%となる(大当たり抽選の結果がはずれとなる確率×はずれ時に先読み抽選に当選して棒浮き部62を露出させる確率を第2はずれ先読み事象とし、大当たりとなる確率×大当たり時に先読み抽選に当選して棒浮き部62を露出させる確率を第2大当たり先読み事象とすると、第2大当たり先読み事象/(第2大当たり先読み事象+第2はずれ先読み事象)によって算出することができる。すなわち、電動役物60によって演出用表示部6がより広範囲に覆われる場合の方が、大当たり抽選の結果が「大当たり」である確率が高い。したがって、遊技者は、図柄始動口19への遊技球の入賞時に、演出用表示部6が電動役物60によってどの程度覆われるのかに興趣を抱きながら遊技することができることになり、遊技性の高いパチンコ機1とすることができる。
さらに、特に実行抽選に「当選」した場合、電動役物60が第1演出姿勢をとる場合の期待度は約2.2%となる(大当たり抽選の結果がはずれ時に実行抽選に当選して玉浮き部61を露出させる確率を第1はずれ実行事象とし、大当たり時に実行抽選に当選して玉浮き部61を露出させる確率を第1大当たり実行事象とすると、第1大当たり実行事象/(第1大当たり実行事象+第1はずれ実行事象)によって算出することができる)一方、電動役物60が第2演出姿勢をとる場合の期待度は約21.1%となる(大当たり抽選の結果がはずれ時に実行抽選に当選して棒浮き部62を露出させる確率を第2はずれ実行事象とし、大当たり時に実行抽選に当選して棒浮き部62を露出させる確率を第2大当たり実行事象とすると、第2大当たり実行事象/(第2大当たり実行事象+第2はずれ実行事象)によって算出することができる)。すなわち、電動役物60によって演出用表示部6がより広範囲に覆われる場合の方が、大当たり抽選の結果が「大当たり」である確率が高い。したがって、遊技者は、図柄の変動開始時に、演出用表示部6が電動役物60によってどの程度覆われるのかに興趣を抱きながら遊技することができることになり、遊技性の高いパチンコ機1とすることができる。
加えて、電動役物60は、玉浮き部61と棒浮き部62との2つの可動装飾部を備えており、前後方向を軸とした回転動作によって、玉浮き部61が演出用表示部6の前方に露出する第1演出姿勢や、棒浮き部62が演出用表示部6の前方に露出する第2演出姿勢をとるようになっている。したがって、電動役物60が従来にない態様で作動することになり、極めて遊技性の高いパチンコ機1とすることができる。
(本発明の変更例について)
なお、本発明の遊技機に係る構成は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、遊技機全体の構成は勿論、電動役物を用いた役物演出に係る制御等に係る構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更可能である。
たとえば、電動役物の作動態様として、第1位置や第2位置に位置決めした後、上下方向や左右方向へスライドさせたり、駆動装置を小刻みに正回転及び逆回転させたりすることで、第1可動装飾部や第2可動装飾部を揺らせる等してもよいし、遊技ボタンの操作に応じてスライドさせる等してもよい。さらには、一度第1位置に位置決めした後、再度作動させて第2位置に位置決めする等してもよく、第1位置や第2位置に位置決めするにあたり、その前後の動作は上記実施形態の動作に何ら限定されることはない。
また、上記実施形態では、第1可動装飾部と第2可動装飾部との何れも演出用表示部の前方に露出しない退避姿勢を設定しているが、退避姿勢を設定せず、通常、第1可動装飾部が演出用表示部の前方に露出する第1位置にあり、所定の遊技条件が充足されると、電動役物が作動して第2位置へ位置決めされるように構成することも可能である。
さらに、第1位置や第2位置をどのような位置とするかについても適宜変更可能であり、たとえば第1可動装飾部と第2可動装飾部との両装飾部が露出する位置を第2位置としても何ら問題はない。
さらにまた、3つ以上の可動装飾部を設けてもよく、たとえば、第2位置では、第2可動装飾部と第3可動装飾部とを演出用表示部の前方に露出させるように構成することも可能である。
またさらに、上記実施形態における電動役物は、前後方向を軸とした回転動作により第1位置や第2位置に位置決めされるように構成しているが、上下方向や左右方向へのスライドにより第1位置や第2位置へ位置決めされるように構成することも可能である。
また、第1可動装飾部及び第2可動装飾部の大きさや形状等は適宜変更可能であり、上記実施形態では、第2可動装飾部を第1可動装飾部よりも大きく形成しているが、たとえば第2可動装飾部を第1可動装飾部と同じ大きさ、若しくは、第1可動装飾部よりも小さく形成し、第2位置では、第1可動装飾部と第2可動装飾部との両装飾部を露出させることによって、第2位置に位置決めされた場合の方が、演出用表示部が広範囲にわたり覆われるように構成することも可能である。なお、上記実施形態の如く、第1可動装飾部と第2可動装飾部とを別体とするのではなく、連続的に(一体的に)設けることも当然可能である。
さらに、電動役物の位置と大当たり抽選の結果との関連づけについても、当然ながら上記実施形態のものに限定されることはなく、電動役物が第1位置に位置決めされた場合の期待度や、第2位置に位置決めされた場合の期待度を適宜変更しても何ら問題ない。
さらにまた、上記実施形態では、通常状態においてのみ電動役物を作動させるとしているが、高確率状態やサポート状態においても、入賞装置への入賞に起因して先読み抽選や実行抽選を行い、所定の遊技条件が充足されると電動役物を作動させ、第2位置に位置決めさせる等しても何ら問題はない。
加えて、電動役物を複数設けることは当然可能であるし、電動役物を特別遊技状態中に作動させるように構成してもよい。さらに、第1可動装飾部や第2可動装飾部にLED等の発光部材を内蔵させ、電動役物の作動に応じて所定に態様で点灯/点滅させるように構成することも可能である。
また、上記実施形態では、メイン制御装置からサブ制御装置へ開始コマンドと停止コマンドとを送信するようにしているが、サブ制御装置のタイマを用いる等することで、停止コマンドについては送信しない構成としても何ら問題はない。
さらに、上記実施形態では、メイン制御装置とサブ制御装置との2つの制御装置に分けて制御するように構成しているが、メイン制御装置1つで制御するように構成してもよく、メイン制御装置の記憶手段にfカウンタやgカウンタを設けても何ら問題はないし、メイン制御装置1つで制御する際には、開始コマンドや予定情報等を作成する必要はない。
加えて、上記実施形態では、特別図柄と装飾図柄との2種類の図柄を用いるパチンコ機としているが、特別図柄のみを用いたパチンコ機であってもよいし、特別図柄表示部を演出用表示部内に設けてもよい。
さらにまた、上記実施形態では、大当たり抽選としてcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタの3つのカウンタから数値を取得するとしているが、1つのカウンタのみで対応することも可能であるし、2つのカウンタ若しくは4つ以上のカウンタから数値を取得するように構成することも当然可能である。なお、抽選手段としての乱数は、ソフト乱数、ハード乱数のどちらでも採用可能である。
またさらに、特別入賞手段の数や特別遊技状態における特別入賞手段の可動態様等についても、上記実施形態のものに何ら限定されることはなく、たとえば特別入賞手段を1つし設置しなかったり、同じ特別遊技状態において複数の特別入賞手段をそれらを交互に開動作させるようにしてもよい。また、特別入賞手段が開動作する回数が異なる複数の特別遊技状態を選択的に生起させるように構成してもよいし、特別遊技状態における特別入賞手段の可動態様として、遊技球がほぼ入賞しないような可動態様を含んでいたとしても何ら問題はない。
また、上記実施形態では、保留情報を消化するにあたり、入賞装置への入賞に係る保留情報が存在すると、その保留情報のうち最も以前に記憶した保留情報を、入賞装置への入賞に係る保留情報が存在しないと、始動入賞口への入賞に係る保留情報のうち最も以前に記憶した保留情報を優先して消化するとしているが、他の順序(たとえば、単純に保留情報を記憶した順等)で保留情報を消化するように構成することも勿論可能である。
さらに、たとえば入賞装置に代えて所謂チューリップ式電動役物を設けたとしても何ら問題はない。
さらにまた、上記実施形態では、事前判定として大当たり抽選の結果に加え、基本変動パターンの種類までもを判定するとしているが、保留情報の数等により基本変動パターンは変化することもある。したがって、事前判定では、基本変動パターンの種類を一義的に判定するのではなく、たとえば図柄の変動が何秒以上となるかといった判定をしてもよい。さらには、事前判定では、少なくとも大当たり抽選の結果を判定していればよいと言える。
加えて、上記実施形態では、遊技機の一例であるパチンコ機について説明しているが、本発明は、たとえば封入式パチンコ機等といった他の遊技機に対しても当然適用可能である。
なお、特許請求の範囲、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、図柄表示部、演出用表示部、特別入賞手段、制御手段、可動装飾部、電動役物等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、特許請求の範囲や明細書等で使用している要素名(要素につけた名称)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。すなわち、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「制御手段」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。さらには、前記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、敢えて特許請求の範囲等において特定していない限り、何れも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、あえて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。したがって、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施例に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。