以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームとして、各々を識別可能な複数種類の特別識別情報である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する(つまり、特図の可変表示を実行する)。
例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。そして、可変表示の終了時には、可変表示結果として確定特別図柄(「大当り」又は「ハズレ」の図柄など)を停止表示することで、可変表示結果を導出表示(単に導出ともいう。)する。
なお、可変表示は、可変表示結果の導出表示を含む、つまり、可変表示は、可変表示結果が導出表示されると終了する(後述の飾り図柄の可変表示なども同様)。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて導出表示される可変表示結果や可変表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。可変表示中の点灯パターンには、適宜LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図の特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図の特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。
画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、特別図柄とは異なる識別情報(各々を識別可能な複数種類の装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている(なお、これら表示エリアは、可変表示の進行に応じて画面上を移動可能になっている。)。そして、第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(可変表示)(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果(確定特別図柄)が導出表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果(飾り図柄の可変表示の表示結果)となる確定飾り図柄(最終停止図柄)(「大当り」又は「ハズレ」の図柄など)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、その可変表示の終了時に可変表示結果(確定飾り図柄)を導出表示する。
なお、例えば特別図柄、飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示又は完全停止や最終停止表示又は最終停止ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示(又は仮停止)ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、表示エリア5Hが配置されている。表示エリア5Hでは、実行が保留されている特図ゲームの数を特定可能とする表示が行なわれる。実行が保留されている特図ゲームは、未だ開始されていない特図ゲームであり、保留記憶として記憶される。この実施の形態では、特図ゲームを実行するための情報(後述の保留データなど)が記憶されることで、当該情報に対応する特図ゲームが保留記憶として記憶される。このため、特図ゲームの保留数は、特図保留記憶数ともいう。また、表示エリア5Hで表示される特図ゲームの保留数を特定可能な表示のことを保留記憶表示ともいう。
特図ゲームの保留は、例えば、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞(第1始動入賞口での始動入賞を第1始動入賞といい、第2始動入賞口での始動入賞を第2始動入賞ということもある。)に基づいて発生する。すなわち、特図ゲーム(可変表示ゲーム)を実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく特図ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、特図ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する特図ゲームの保留が行われる。
例えば、第1始動入賞の発生により、第1特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞の発生により、第2特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図ゲームの実行が保留される。
第1特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の特図保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
この実施の形態では、上記保留記憶表示を、保留されている特図ゲームと同じ個数の画像(本実施の形態では、丸印などであり、以下、保留表示画像ともいう。)を表示することによって行う。1つの保留表示画像は、保留されている1つの特図ゲームに対応し、保留されている当該特図ゲームを示す。なお、保留表示画像は、図では黒くなっているが、実際は通常時例えば白色になっている(当然、黒でもよい。)。
第1特図ゲームに対応する保留表示画像(第1保留表示画像ともいう。)は、表示エリア5Hの左側の領域5Haに表示される。領域5Haには、第1保留表示画像の表示位置が複数設定されており、第1保留表示画像は、最も左の表示位置から順に左詰で表示される。
第2特図ゲームに対応する保留表示画像(第2保留表示画像ともいう。)は、表示エリア5Hの右側の領域5Hbに左詰で表示される。領域5Hbには、第2保留表示画像の表示位置が複数設定されており、第2保留表示画像は、最も左の表示位置から順に左詰で表示される。
なお、第1特図ゲーム実行時には、最も左の第1保留表示画像が消去される。このとき、その他の第1保留表示画像がある場合には、当該その他の第1保留表示画像それぞれは、左隣の表示位置にシフトする。第2特図ゲーム実行時には、最も左の第2保留表示画像が消去される。このとき、その他の第2保留表示画像がある場合には、当該その他の第2保留表示画像それぞれは、左隣の表示位置にシフトする。
表示エリア5Hとともに、あるいは表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。
普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。
普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81(図2参照)によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
普通可変入賞球装置6Bは、例えば、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態のときに通常開放状態となり、ソレノイド81がオン状態のときに通常開放状態よりも遊技球が第2始動入賞口に侵入しやすい拡大開放状態となるような構成であってもよい。普通可変入賞球装置6Bは、例えば、第1可変状態と当該第1可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に侵入しやすい第2可変状態とに変化可能であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば第1始動口スイッチ22A(図2参照)によって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば第2始動口スイッチ22B(図2参照)によって検出される。
第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値未満であれば、第2始動条件が成立する。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えばカウントスイッチ23(図2参照)によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)し、可変表示終了時に表示結果を導出表示(ここでは、停止表示によって行われる。)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、遊技領域に形成された通過ゲート41(所定の部材によって遊技球が通過可能に形成され、遊技球の通過は、ゲートスイッチ21によって検出される。)を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、音声を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。なお、音声とは、効果音、歌、台詞、音楽(歌の有無は問わない)など、音によって構成される全般のものを指すものとする。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、第1演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、第2演出制御基板30といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と第1演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、第1演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンド(後述の第1演出制御コマンドなど)を制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図ゲームや第2特図ゲームを制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普図ゲームを制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御して、各種保留記憶数を表示する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100となる1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が書換可能に一時記憶される。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部(ソレノイド回路など)から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部(スイッチ回路110、各種保留表示器25A〜25C、各種図柄表示装置4A、4B、20、中継基板15(第1演出制御基板12)など)へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したこと(スイッチがオンになったこと)を示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する(遊技制御用マイクロコンピュータ100は当該検出信号に基づいて遊技の進行を制御する。)。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態にする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
第1演出制御基板12及び第2演出制御基板30は、ともに演出の実行や制御を行うものであるが、互いに独立しており、かつ、主基板11とは独立したサブ側の制御基板である。第1演出制御基板12は、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。第2演出制御基板30は、画像表示装置5による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。第1演出制御基板12と第2演出制御基板30とは、前記各種回路により、中継基板15を介して主基板11から第1演出制御基板12に伝送される制御信号に基づいて協働して演出を実行する機能を有する。なお、詳しくは後述するが、この実施の形態では、第2演出制御基板30が演出制御を統括している(例えば、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9の制御は、第2演出制御基板30からのコマンドに基づいて第1演出制御基板30が行う)。
第1演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、前記プログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、I/O125とが搭載されている。なお、演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、1チップの演出制御用マイクロコンピュータとして設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、ROM121から読み出したプログラムを実行することにより、第2演出制御基板30と協働して、演出用の電気部品(スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9)による演出動作を制御する処理など(例えば、上記機能を実現するための処理など)を実行する。スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9による演出動作は、第2演出制御基板30からのコマンドに基づいて制御する(詳しくは後述)。
ROM121には、前記プログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータ(例えば、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9を制御するためのパターンデータ)などが格納されている。RAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が記憶される。
I/O125は、例えば第1演出制御基板12の外部(主基板11(中継基板15)や第2演出制御基板30など)から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部(第2演出制御基板30、音声制御基板13、ランプ制御基板14など)へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
第2演出制御基板13には、表示制御部31が搭載されている。表示制御部31は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、I/O(第1演出制御基板12と信号のやりとりや、画像表示装置5への信号供給をするもの)などを含む。表示制御部31は、演出の実行態様(各種演出の実行の有無などを含む)を決定する処理、決定結果に応じた演出を実行する処理(演出用の電気部品(画像表示装置5)による演出動作を制御する処理、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9の制御のためのコマンドを第1演出制御基板12に送信する処理などを含む。)などを実行する(処理の実行はVDPなどが行う。)。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。なお、VDPなどは、どのようなタイプのものであってもよく、プログラムを内蔵したもの、表示制御部123が備える所定の記憶装置に記憶されたプログラムを実行するものなどであってもよい。また、演出の実行態様を決定する処理などを実行するため、CPU、ROM(CPUが実行するプログラムやCPUが使用するデータなどが記憶される。)、RAM(CPUのワーキングメモリとなる。)などを上記VDPなどとは別に用意してもよい。
画像表示装置5による演出動作の制御では、表示制御部31(VDPなど)は、CGROMに記憶された画像データに基づいて、画像表示装置5において表示する演出画像の映像信号を生成して画像表示装置5に出力し、画像表示装置5に演出画像を表示させる。演出画像は、例えば、複数のレイヤー構造を有するようにしてもよく(例えば、第1のレイヤーで背景画像を表示し、第2のレイヤーで保留記憶表示を表示し、第3のレイヤーで飾り図柄の可変表示を表示し、第4のレイヤーでリーチ演出の画像を表示するなど)、この場合には、各レイヤーについて画像データを用意し、演出画像表示時に、各レイヤーについての画像データに基づいて映像信号(各画像データの画像を組み合わせたものを表す映像信号)を生成して出力するようにしてもよい。
表示制御部31が備えるCGROMなどの記憶部には、演出画像の映像信号を生成するための画像データの他、演出の実行態様の決定や演出動作の制御などのために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。なお、テーブルデータやパターンデータなどの画像データ以外のデータは、CGROM以外の記憶部に記憶させるようにしてもよい。また、VRAMは、通常画像データが展開されるためのものであるが、画像データ以外のデータを一時記憶するメインメモリとして使用されてもよい。または、画像データ以外のデータを一時記憶するメインメモリ(RAMなど)をVRAMとは別に用意してもよい。
演出制御パターンは、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出を実行するためのデータの集まりであって、例えばプロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成され、前記パターンデータを組み合わせて構成され、後述の使用パターンとして設定される。また、そのまま演出制御パターンとなるパターンデータも記憶されており、当該パターンデータがそのまま使用パターンとなる演出制御パターンとして設定されることもある。なお、音声制御データ、点灯制御データは、例えば、第1演出制御基板12に送信するコマンドを指定するデータなどであればよい。表示制御データは、表示する画像の画像データを指定するデータなどである(表示制御部31は、当該表示制御データが指定する画像データを用いて映像信号を生成して出力する。)。
また、表示制御部31は、例えば乱数回路などをさらに備え、当該乱数回路により、演出動作を制御するため(演出の実行態様を決定する処理のためなど)に用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。演出用乱数は、主基板11で使用される遊技用乱数と同様に、上記乱数回路などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、VDPなどが所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。
音声制御基板13は、第1演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、第1演出制御基板12からの信号(音声信号)に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(音声信号が指定する音声)を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。
ランプ制御基板14は、第1演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、第1演出制御基板12からの信号(電飾信号)に基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
画像表示装置5は、液晶パネルなどからなる表示パネルと、当該表示パネルを駆動するドライバ回路などを備える。表示制御部31に供給された映像信号は、前記ドライバ回路に入力される。ドライバ回路は、入力された映像信号に基づいて、表示パネルを駆動し、当該映像信号が表す画像を表示パネルに表示させる。これによって、画像表示装置5には、各種の演出画像が表示されることになる。
(遊技の進行例、演出など)
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。
遊技領域を流下した遊技球が通過ゲート41を通過し、ゲートスイッチ21によって検出されたとき(ゲートスイッチ21がオンになったとき)には、この検出に基づいて、普通図柄表示器20にて普図ゲームを実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲーム(普通図柄の可変表示)が開始される。
普図ゲームでは、普通図柄の変動(可変表示)を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果(普図ゲームの表示結果)となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄、例えば「7」など)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄、例えば「−」など)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。
普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御(第2始動入賞口が開放状態になる。)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御(第2始動入賞口が閉鎖状態になる。)が行われる。
普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときなどに、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。また、普通図柄の可変表示期間(変動時間)も、普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲーム)が開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと(第2始動口スイッチ22Bがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲーム)が開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入不可能である(この実施の形態では、高ベース状態のときに、第2始動入賞口が開放されやすい)。
第1特図ゲームが開始されるときや、第2特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果(特図ゲームの表示結果)を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターン(特図や飾り図柄の可変表示の実行時間や、飾り図柄の可変表示のパターンなどを指定するもの)の決定などが行われる。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたとき(確定特別図柄が大当り図柄のとき)には、当該可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたとき(確定特別図柄がハズレ図柄のとき)には、当該可変表示結果が「ハズレ」となる。
一例として、「2」、「4」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球(大入賞口に進入した遊技球)が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特別図柄の可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変A」、「非確変B」、「確変A」、「確変B」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「2」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変A」となり、「4」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変B」となり、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変A」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変B」となる。
大当り種別が「非確変A」、「非確変B」、「確変A」、又は、「確変B」の大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が所定時間(例えば29秒などの第1期間)となる通常開放ラウンドが、15ラウンド(15回)などの所定回数分実行される。
なお、大当り種別が「非確変A」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変A大当り遊技状態」という。大当り種別が「非確変B」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変B大当り遊技状態」という。また、これらを総称して、「非確変大当り遊技状態」ということもある。また、大当り種別が「確変A」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変A大当り遊技状態」という。また、大当り種別が「確変B」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変B大当り遊技状態」という。また、これらを総称して、「確変大当り遊技状態」ということもある。大当り種別が「非確変A」のときの「大当り」を「非確変A大当り」、大当り種別が「非確変B」のときの「大当り」を「非確変B大当り」、これらを総称して「非確変大当り」ということがある。大当り種別が「確変A」のときの「大当り」を「確変A大当り」、大当り種別が「確変B」のときの「大当り」を「確変B大当り」、これらを総称して「確変大当り」ということがある。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。
また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間(可変表示の期間)が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、50回(確変A、非確変Aのとき)又は100回(確変B、非確変Bのとき))の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、時短終了条件が成立するまでの特図ゲームの残りの実行回数を時短残回数ということがある。
この実施の形態では、非確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。なお、非確変A大当り遊技状態のあとの時短状態は、時短残回数の初期値が50回であり、非確変B大当り遊技状態のあとの時短状態は、時短残回数の初期値が100回である。この実施の形態では、確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態及び確変状態になる。なお、確変A大当り遊技状態のあとの時短状態は、時短残回数の初期値が50回であり、確変B大当り遊技状態のあとの時短状態は、時短残回数の初期値が100回である。なお、時短状態や確変状態は、遊技者にとって有利な遊技状態であるともいえる。
時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを開放状態と閉鎖状態とに変化させる。
例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図の可変表示の期間であり、普図変動時間ともいう。)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果(普図ゲームの表示結果)が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で開放状態と閉鎖状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
上記制御のように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で開放状態と閉鎖状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」、「非時短状態」、「非時短」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」、「非確変状態」、「非確変」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにもならない状態、つまり、通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5R、では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果(特図ゲームの表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるときには、当該導出表示のタイミングに同期して、画像表示装置5の「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示が終了するとともに、可変表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)が導出表示(停止表示)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。
具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「4」〜「7」のいずれかを示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、この実施の形態では、可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。リーチ演出は、飾り図柄の表示態様や変動態様を変化させたり、飾り図柄とは別に画像表示装置5の画面上にキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは別に動画像を再生表示させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作を行う演出である。
この実施の形態では、リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA(ノーマルリーチから発展する)、及び、スーパーリーチB(ノーマルリーチから発展する)が用意されている。この実施の形態では、各リーチ演出が実行されたときの大当り期待度は、スーパーリーチB、スーパーリーチA、ノーマルリーチ(スーパーリーチに発展しないノーマルリーチ)の順で高い。リーチ演出には、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などにおける点灯動作などによる演出が含まれていてもよい(他の演出についても同じ)。
大当り期待度は、例えば、特別図柄の可変表示結果が「大当り」となる割合であり、ここでは、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となる割合でもある。
また、後で詳述するが、この実施の形態では、始動入賞時における判定(保留された特図ゲームの表示結果(飾り図柄の可変表示の表示結果でもある。)が大当りになるか否かなどの判定であり、以下、先読み判定ともいう。)に基づいて所謂先読み予告が実行される。先読み予告は、先読み判定の対象となった特図ゲーム(以下、これらをターゲットともいう。)の大当り期待度を予告するものである。この実施の形態では、先読み予告として、先読みチャンス目予告(単に先読みチャンス目ともいう。)と、第1保留変化演出と、第2保留変化演出とが用意されている。
先読みチャンス目予告は、ターゲット前に実行される可変表示(複数の可変表示が実行される場合には、複数の可変表示それぞれ)の可変表示結果として、予め定められたチャンス目(可変表示においてリーチが成立しない非リーチのときの非リーチチャンス目又は可変表示においてリーチが成立するときのリーチチャンス目)を導出表示する演出である(図33参照)。
第1保留変化演出は、ターゲット前に実行される可変表示において特殊図柄を含む所定の組合せの飾り図柄(最終的には、最終停止図柄として停止表示される。)を仮停止したあとに、当該ターゲットの特図ゲームに対応する保留表示画像の表示態様(ここでは、表示色であり、通常は白色)を変化させる演出である(図34参照)。
第2保留変化演出は、前記特殊図柄の表示を行わず、ターゲットの特図ゲームに対応する保留表示画像の表示態様(ここでは、表示色)を変化させる演出である。
なお、飾り図柄の可変表示中には、上記演出以外にも各種演出が行われる。なお、飾り図柄の可変表示も演出の一種である。
特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「4」〜「7」のいずれか)が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。なお、大当り種別に応じて、停止表示される飾り図柄が異なってもよい(例えば、「確変A」のときは「5」、「確変B」のときは「7」で、「非確変A」のときは「4」、「非確変Bのときは「6」など)。
なお、この実施の形態では、大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態に対応した演出が行われる。
特別図柄の可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示結果として、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非リーチ組合せ(上記非リーチチャンス目とは異なる非リーチ時の組合せ)となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特別図柄の可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示結果として、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、リーチハズレ組合せ(上記リーチチャンス目とは異なるリーチ時の組合せ)となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
(第1演出制御基板12及び第2演出制御基板30の動作概要、第1演出制御コマンドなどの説明)
主基板11は、遊技の進行を制御する。そして、図3に示すように、主基板11は、遊技の進行に応じて制御信号(第1演出制御コマンド)を第1演出制御基板12に送信する。第1演出制御コマンドは、例えば、図4に示すようなコマンドである(詳しくは後述する)。第1演出制御基板12と第2演出制御基板30とは、主基板11から送信される第1演出制御コマンドに基づく演出を実行する。このようなことによって、主基板11によって実行される遊技と、第1演出制御基板12及び第2演出制御基板30によって実行される各種演出との同期が取られることになる。
図4に、主な第1演出制御コマンドの例を示す。なお、以下の「(H)」は16進数であることを示す。なお、第1演出制御コマンドは、中継基板15によって中継される。第1演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目(上位ビット)はMODE(コマンドの種類(分類))を示し、2バイト目(下位ビット)はEXT(コマンドの詳細な内容など)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。つまり、上位と下位のビットで、取り得る値が異なるようになっている。
コマンド8000(H)は、第1特図ゲームの開始つまり第1特図の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する第1演出制御コマンド(第1変動開始指定コマンド)である。コマンド8001(H)は、第2特図ゲームの開始つまり第2特図の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する第1演出制御コマンド(第2変動開始指定コマンド)である。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。なお、第1特図の可変表示を開始するのか第2特図の可変表示を開始するのかを示す情報を、後述の変動パターン指定コマンドに含めるようにしてもよい。変動開始指定コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド81XX(H)は、特別図柄の可変表示(特図ゲーム)や飾り図柄の可変表示の変動パターン(特図や飾り図柄の可変表示の実行時間や、飾り図柄の可変表示のパターンを指定するもの)を指定(通知)する第1演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)である。当該コマンドの「XX」には、各変動パターン(図15参照。詳しくは後述する。)に対応する数値が設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「00」など)。また、変動パターン指定コマンドは、飾り図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもあってもよい。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否かおよび大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定(通知)する第1演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。この実施の形態では、可変表示結果それぞれに対応する表示結果指定コマンドが設定されている。例えば、当該コマンド中の「XX」には、表示結果に対応する数値が設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、「確変A大当り」なら「01」など)。表示結果指定コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド8F00(H)は、特図ゲームの終了(つまり、可変表示結果を導出表示すること)を指定(通知)する第1演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。図柄確定指定コマンドは、飾り図柄の可変表示(変動)を終了するとともに表示結果を導出表示することを指定するものである。図柄確定指定コマンドは、特図ゲームの終了時に送信される。
コマンド95XX(H)は、現在の遊技状態を指定する第1演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)である。当該コマンド中の「XX」には、遊技状態に対応する数値が設定される(例えば、通常状態なら「00」、高確高ベース状態なら「01」など)。遊技状態指定コマンドは、遊技状態が変更され得るタイミング(大当り終了時、可変表示結果導出時など)、特図ゲーム開始時などに送信される。なお、遊技状態に応じて画像表示装置5に表示される演出画面の背景を変えてもよく、この場合には、遊技状態指定コマンドは、背景を指定する背景指定コマンドとしてもよい。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始でもある)を指定(通知)する第1演出制御コマンド(当り開始指定コマンド)である。なお、ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される演出であり、大当り遊技状態になったことを報知する演出などである。このコマンドは、大当り遊技状態の開始時に送信される。
コマンドA3XX(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始でもある)を指定(通知)する第1演出制御コマンド(当り終了指定コマンド)である。なお、エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される演出であり、大当り遊技状態が終了することを報知する演出などである。当該コマンド中の「XX」には、大当り種別に応じた時短回数(時短残回数の初期値)を特定するための値が設定される(例えば、「非確変A」又は「確変A」のとき(時短回数=50回)は「00」が設定され、「非確変B」又は「確変B」のとき(時短回数=100回)は「01」が設定されるなど)。なお、当該「XX」は、時短回数の数値であってもよい。このコマンドは、最後のラウンド遊技の終了時に送信される。
コマンドB100(H)は、第1始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第1始動入賞が発生したことを指定(通知)する第1演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドB200(H)は、第2始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第2始動入賞が発生したことを指定(通知)する第1演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを始動入賞指定コマンドと総称することがある。始動入賞指定コマンドは、始動入賞発生時(始動入賞時)に送信される。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞が発生して第1特図保留記憶数が1つ増加することを指定(通知)する第1演出制御コマンド(第1特図保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞が発生して第2特図保留記憶数が1つ増加することを指定(通知)する第1演出制御コマンド(第2特図保留記憶数加算指定コマンド)である。これらコマンドを特図保留記憶数加算指定コマンドと総称することがある。特図保留記憶数加算指定コマンドは、始動入賞発生時(始動入賞時)に送信される。
コマンドC200(H)は、第1特図ゲームが実行されることで第1特図保留記憶数が1つ減少することを指定(通知)する第1演出制御コマンド(第1特図保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2特図ゲームが実行されることで第2特図保留記憶数が1つ減少することを指定(通知)する第1演出制御コマンド(第2特図保留記憶数減算指定コマンド)である。これらコマンドを特図保留記憶数減算指定コマンドと総称することがある。特図保留記憶数減算指定コマンドは、特図ゲーム開始時に送信される。
コマンドC4XX(H)は、始動入賞時の先読み判定の判定結果を指定(通知)する第1演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。詳しくは後述するが、第1始動入賞又は第2始動入賞が発生したときに、大当りにするか否か、大当り種別、変動パターンを決定するために使用される乱数値MR1〜MR3が抽出される。この実施の形態では、当該抽出された乱数値MR1〜MR3に対応する特図ゲームについて、当該特図ゲームの開始条件の成立前に、この抽出された乱数値MR1〜MR3のうちの乱数値MR1に基づいて、当該特図ゲームの可変表示結果が「大当り」になるか否かを判定する。先読み判定は、この判定のことをいい、当該先読み判定は、後述のステップS211の入賞時乱数値判定処理にて行われる。先読み判定の判定結果(入賞時判定結果ともいう。)が、入賞時判定結果指定コマンド中の「XX」に設定される(図10(B)参照)。入賞時判定結果指定コマンドは、始動入賞発生時(始動入賞時)に送信される。入賞時判定結果指定コマンドの内容(入賞時判定結果)に応じて、第2演出制御基板30側で先読み予告の実行の有無等が決定される(詳しくは後述)。
コマンドC500(H)は、デモ画面の表示を指定する第1演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。客待ちデモ指定コマンドは、特図ゲームを実行しないときに送信される。
第1演出制御基板12(演出制御用CPU120)は、上記第1演出制御コマンドを受信すると、受信した当該第1演出制御コマンドに基づいて第2演出制御コマンドを生成し、生成した第2演出制御コマンドを第2演出制御基板30に送信する(図3参照)。
ここで、第2演出制御コマンドは、図5に示すように、ヘッダとフッタとを有する。ヘッダには、第1演出制御コマンドが設定される。フッタには、時短残回数(時短状態が終了するまでに実行可能な特図ゲームの実行回数)を示すデータが設定される。時短残回数は、第1演出制御基板12でカウントされている。例えば、RAM122に設けたカウンタなどを、可変表示を実行するたびに更新することで、時短残回数をカウントすればよい。なお、時短状態でないときには、当該データは「0回」を示すデータとなる。なお、この実施の形態では、ヘッダ及びフッタは、ともに2バイト構成になっている(第2演出制御コマンドは、全体として合計4バイトになっている)。
第1演出制御基板12は、上記のような第2演出制御コマンドを第2演出制御基板30に送信するが、送信する第2演出制御コマンドに含まれる第1演出制御コマンド(ヘッダに設定された第1演出制御コマンド)が特定コマンドであるときには、当該第2演出制御コマンドについてチェックサムを計算し、計算したチェックサムを当該第2演出制御コマンドに付随させて送信する。特定コマンドは、この実施の形態では、変動パターン指定コマンド、当り開始指定コマンド、当り終了指定コマンド、及び、客待ちデモ指定コマンドである(図4参照)。第1演出制御基板12は、送信する第2演出制御コマンドのヘッダが前記4つのコマンドのうちのいずれかであれば、チェックサム(コマンドの整合性を確認するもの)を計算して付随させる。チェックサムは、例えば、第2演出制御コマンドを構成するデータの各ビットを加算し、先頭ビットを「0」にしたものである(例えば、7F(H)を加算して先頭ビットを「0」にする(桁あふれは無視する。)。)。
また、第1演出制御基板12と第2演出制御基板30とは、他にも信号のやりとりを行う(図3参照)。第2演出制御基板30(表示制御部31)は、図6に示す各種信号を送信する。第1演出制御基板12は、リセット信号を送信する。
第2演出制御基板30が第1演出制御基板12に送信する各種信号としては、コマンド受信信号、音声コマンド、ランプコマンド、正常動作信号、立ち上がり信号などがある(図6)。なお、この実施の形態では、これら信号は、それぞれが第2演出制御コマンドと同様に4バイトのデータを示す情報信号として送信される。
コマンド受信信号は、第2演出制御基板30が、チェックサムが付随した第2演出制御コマンドを受信したときに第1演出制御基板12に送信する信号である。例えば、第2演出制御基板30(表示制御部31)は、第2演出制御コマンドにチェックサムが付随しているときには、当該第2演出制御コマンドについて第1演出制御基板12と同じ方法でチェックサムを計算し、今回計算したチェックサムと第2演出制御コマンドに付随したチェックサムとを比較する。比較した結果、両者が同じであれば、第2演出制御基板30は、第2演出制御コマンドが整合しているので、整合している旨を示すコマンド受信信号(整合)を送信する。比較した結果、両者が異なっていれば、第2演出制御基板30は、第2演出制御コマンドが非整合なので、非整合の旨を示すコマンド受信信号(非整合)を送信する。
音声コマンドは、演出実行時に、スピーカ8L、8Rからの音声出力のための処理を第1演出制御基板12に行わせるためのコマンドであり、音声出力の態様を指定したコマンドである。第2演出制御基板30は、演出実行時において、当該コマンドを第1演出制御基板12に送信する。第1演出制御基板12は、当該コマンドを受信すると、当該コマンドの内容に応じた音声信号を音声制御基板13に供給する。音声制御基板13は、音声信号に応じた音声出力をスピーカ8L、8Rに行わせる。これによって、音声コマンドが指定する態様での音声出力が実現する。
ランプコマンドは、演出実行時に、遊技効果ランプ9を点灯/消灯させるための処理を第1演出制御基板12に行わせるためのコマンドであり、遊技効果ランプ9の点灯態様(消灯も含む。)を指定したコマンドである。第2演出制御基板30は、演出実行時において、当該コマンドを第1演出制御基板12に送信する。第1演出制御基板12は、当該コマンドを受信すると、当該コマンドの内容に応じた電飾信号をランプ制御基板14に供給する。ランプ制御基板14は、電飾信号に基づいて遊技効果ランプ9などを点灯/消灯などさせる。これによって、ランプコマンドが指定する態様での遊技効果ランプ9の点灯/消灯が実現する。
正常動作信号は、第2演出制御基板30が正常に動作しているときに、定期的に第2演出制御基板30から第1演出制御基板12に送信される信号である。正常動作信号が定期的(例えば、1秒ごと)に送信されていると、第2演出制御基板30が正常に動作していることになる。
立ち上がり信号は、第2演出制御基板30(表示制御部31など)が起動(ここでは、リセット信号の供給による再起動)してから通常の動作(演出実行のための動作など)を行うことが可能になったとき(表示制御部31のVDPなどにおいて初期設定などが終わり、演出を実行するための動作などが可能になったとき)に第2演出制御基板30から第1演出制御基板12に送信される信号である。なお、このような通常の動作が可能になったことを、第2演出制御基板30(表示制御部31など)が立ち上がったと表現することがある。
第1演出制御基板12は、第2演出制御基板30にリセット信号を送信することがある(図3参照)。リセット信号は、例えば、正常動作信号が第2演出制御基板30から送信されてこないとき、第1演出制御基板12が特定コマンドを含む第2演出制御コマンドを送信したにも係わらずコマンド受信信号が送信されてこないときに、第1演出制御基板12から第2演出制御基板30に送信される。第2演出制御基板30の表示制御部31(特にVDP等)は、リセット信号が供給されるとリセットされる。
(パチンコ遊技機の主要な動作)
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。なお、以下では、フローチャートなどを参照して動作を説明するが、各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが適宜行われる場合がある。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始(電断後の再開も含む。)されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって例えば遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定などを行う。
遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、所定期間(例えば2ミリ秒)ごとに供給されるCTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、例えば、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU103は、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理を実行する。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(2ms)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオンとなったか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定し、判定結果をRAM102の所定領域に格納する処理である。RAM102の所定領域に格納された判定結果は、後述の特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理において使用される。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。
大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「確変A」、「確変B」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。
変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数の変動パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。
特別図柄プロセス処理では、詳しくは後述するが、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどの決定や、大当り種別や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態の特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理においてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された判定結果がRAM102の所定領域に格納されている場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値を抽出してRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶(RAM102に記憶した乱数値)を用いて普図ゲームの可変表示結果や変動パターン(変動時間などを指定するパターンなど)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行するとともに普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が「普図当り」の場合に普通可変入賞球装置6Bを開放状態にする処理を行ったりする。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の開放状態などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から第1演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(第1演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に第1演出制御基板12に対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる。
次に、特別図柄プロセス処理について説明する。図7は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図8は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンとなったか否かを判定する(ステップS201)。例えば、スイッチ処理において第1始動口スイッチ22Aがオン状態になっていると判定された判定結果がRAM102の所定領域に格納されている場合などに第1始動口スイッチ22Aがオンとなっていると判定すればよい。第1始動口スイッチ22Aがオンとなっている場合(ステップS201;Yes)、第1特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(ここでは「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンとなったか否かを判定する(ステップS204)。例えば、スイッチ処理において第2始動口スイッチ22Bがオン状態になっていると判定された判定結果がRAM102の所定領域に格納されている場合などに第2始動口スイッチ22Bがオンとなっていると判定すればよい。第2始動口スイッチ22Bがオンとなっていると判定した場合(ステップS204;Yes)、第2特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(ここでは「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入する第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部(RAM102の所定領域に設けられる。)における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。
例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図9(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図9(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。
なお、CPU103は、保留データが第1特図保留記憶部にセットされたときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
なお、CPU103は、保留データが第2特図保留記憶部にセットされたときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
図9(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない第1特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(ここでは「4」)に達するまで記憶する。この実施の形態では、このようにして、未だ開始されていない第1特図ゲーム(ここでは、この第1特図ゲームを実行するための数値データ)が保留記憶として記憶される。
図9(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない第2特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(ここでは「4」)に達するまで記憶する。この実施の形態では、このようにして、未だ開始されていない第2特図ゲーム(ここでは、この第2特図ゲームを実行するための数値データ)が保留記憶として記憶される。
その後、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS211)。図10(A)は、入賞時乱数値判定処理の一例を示すフローチャートである。
入賞時乱数値判定処理にてCPU103は、まず、始動口バッファ値が「1」であれば、第1始動入賞指定コマンドの送信設定を行なってから第1特図保留記憶数加算指定コマンドの送信設定を行い、始動口バッファ値が「2」であれば、第2始動入賞指定コマンドの送信設定を行なってから第2特図保留記憶数加算指定コマンドの送信設定を行う(ステップS401)。
次に、CPU103は、現在が大当り遊技状態であるか否かを判定する(ステップS402)。現在が大当り遊技状態であるか否かは、例えば、後述の特図プロセスフラグの値によって特定できる。ここでは、「4」〜「7」であれば大当り遊技状態中である。特図プロセスフラグの値が「4」〜「7」以外で大当り遊技状態中でない場合(ステップS402;No)、現在が時短状態であるか否かを判定する(ステップS403)。現在が時短状態であるか否かは、時短フラグ(RAM102に設けられ、時短状態中にオン状態になるフラグ)の状態によって特定すればよい(以下、同じ)。
時短フラグがオン状態で現在が時短状態中である場合(ステップS403;Yes)、特図プロセスフラグの値が「4」〜「7」で現在が大当り遊技状態の場合(ステップS402;Yes)、始動口バッファ値が「2」であるかを判定する(ステップS404)。
始動口バッファ値が「2」である場合(ステップS404;Yes)、時短状態中でない場合(ステップS403;No)、CPU103は、ステップS209で抽出した乱数値MR1(今回のステップS210で特図保留記憶部に新たに格納された乱数値MR1)に基づいて、今回保留された特別ゲームの表示結果(特別図柄の可変表示結果であり、以下、特図表示結果ともいう。)が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS405)。当該判定では、特図ゲーム開始時(特図ゲームの開始条件が成立したとき)において特図表示結果を決定するときに参照される第1特図表示結果決定テーブル又は第2特図表示結果決定テーブル(図12参照)が参照される。
第1特図表示結果決定テーブル及び第2特図表示結果決定テーブルのそれぞれでは、例えば、図12に示すように、乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、決定結果となる「大当り」又は「ハズレ」に割り当てられていればよい。遊技状態が確変状態でない非確変状態のときには、第1特図表示結果決定テーブルが参照され、遊技状態が確変状態のときには、第2特図表示結果決定テーブルが参照される。遊技状態が確変状態であるか否かは、RAM102に設けられ確変状態のときにオン状態となる確変フラグに基づいて特定すればよい(以下、同じ)。
ステップS405では、CPU103は、第1特図表示結果決定テーブル(確変フラグがオフ状態のとき)又は第2特図表示結果決定テーブル(確変フラグがオン状態のとき)において「大当り」に割り当てられている決定値の範囲を大当り判定範囲として設定する。確変状態であれば、大当り判定範囲として、「8000」〜「9899」を設定し、非確変状態であれば、大当り判定範囲として、「8000」〜「8189」を設定する。そして、今回の乱数値MR1が、前記で設定した大当り判定範囲内にあるかを判定する。
今回の乱数値MR1が大当り範囲判定内であり、今回保留された特図ゲームの特図表示結果が「大当り」であると判定した場合(ステップS405;Yes)、大当りを入賞時判定結果として指定する入賞時判定結果指定コマンドの送信設定を行う(ステップS407)。大当りの入賞時判定結果(今回保留された特図ゲームの可変表示結果が大当りであるとの判定結果)には、EXTデータの「02」が設定されているため(図10(B)参照)、当該データをEXTデータに含む入賞時判定結果指定コマンドの送信設定を行う。
乱数値MR1が大当り判定範囲内でなく、今回保留された特図ゲームの特図表示結果が「ハズレ」であると判定した(ステップS405;No)、ハズレを入賞時判定結果として指定する入賞時判定結果指定コマンドの送信設定を行う(ステップS408)。ハズレの入賞時判定結果(今回保留された特図ゲームの可変表示結果が「ハズレ」であるとの判定結果)には、EXTデータの「01」が設定されているため(図10(B)参照)、当該データをEXTデータに含む入賞時判定結果指定コマンドの送信設定を行う。
始動口バッファ値が「1」である場合(ステップS404;No)、先読み予告の実行を制限するため、判定無しを入賞時判定結果として指定する入賞時判定結果指定コマンドの送信設定を行う(ステップS412)。これによって、第1演出制御基板12側では先読み予告の実行が制限されることになる。判定無しの入賞時判定結果(始動入賞時の判定を行わず、先読み予告を制限する判定結果)には、EXTデータの「00」が設定されているため(図10(B)参照)、当該データをEXTデータに含む入賞時判定結果指定コマンドの送信設定を行う。
時短状態中での第1始動入賞や大当り遊技状態中での第1始動入賞について先読み予告の実行を制限することで(判定結果を判定無しとすることで)、不適切なタイミングでの先読み演出の実行を防止することができる。
ステップS407、S408、S412のあとは、入賞時乱数値判定処理は終了する。
なお、当該処理にて送信設定された各コマンド(始動入賞指定コマンド、特図保留記憶数加算指定コマンド、入賞時判定結果指定コマンド)の1セットは、始動入賞時コマンドとして、このあとのコマンド制御処理にて一括送信される(送信順序は、上記送信設定順であり、始動入賞指定コマンド→特図保留記憶数加算指定コマンド→入賞時判定結果指定コマンドの順である。)。なお、第1始動入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数加算指定コマンド、入賞時判定結果指定コマンドのセットを第1始動入賞時コマンドといい、第2始動入賞指定コマンド、第2特図保留記憶数加算指定コマンド、入賞時判定結果指定コマンドのセットを第2始動入賞時コマンドという。
ステップS211の入賞時乱数値判定処理のあと、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値(始動口バッファ値)を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値(始動口バッファ値)を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図7に戻り、CPU103は、ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。図11は、特別図柄通常処理として、ステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。CPU103は、第2特図保留記憶数カウント値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データである、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、ステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図ゲームは、第1特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データである、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。例えば、CPU103は、現在が非確変状態のとき(確変フラグがオフのとき)には、図12(A)に示す第1特図表示結果決定テーブルを使用テーブルとしてセットし、現在が確変状態のとき(確変フラグがオンのとき)には、図12(B)に示す第2特図表示結果決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。各特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図9に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、決定結果となる「大当り」又は「ハズレ」に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、読み出した乱数値MR1を示す数値データに基づいて、使用テーブルとしてセットした第1又は第2特図表示結果決定テーブルを参照し、参照する第1又は第2特図表示結果決定テーブルにおいて乱数値MR1に合致する決定値に割り当てられた「大当り」又は「ハズレ」を今回の特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)として決定すればよい。乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変状態のときには、第2特図表示結果決定テーブルを参照して特図表示結果を「大当り」にすると決定し、非確変状態のときには、第1特図表示結果決定テーブルを参照して特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図12に示すように、確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い決定割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図7に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、現在が確変状態であるときには、遊技者にとって有利である。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
その後、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。CPU103は、例えば、図13に示す大当り種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。
大当り種別決定テーブルでは、例えば、図13に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、決定結果となる「非確変A」、「非確変B」、「確変A」、「確変B」のいずれかに割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別決定テーブルを参照し、参照する大当り種別決定テーブルにおいて乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられた「非確変A」、「非確変B」、「確変A」、「確変B」のいずれかを今回の大当り種別として決定すればよい。
ステップS242の処理を実行した後には、前で決定した大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「非確変A」の場合には「0」、「非確変B」の場合には「1」、「確変A」の場合には「2」、「確変B」の場合には「3」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
特図表示結果が「大当り」でない場合(ステップS240;No)、ステップS243のあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合(大当りフラグがオフ状態のとき)には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄(例えば、「−」)を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合(大当りフラグがオン状態のとき)には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれか(例えば、「非確変A」のときは「2」、「非確変B」のときは「4」、「確変A」のときは「5」、「確変B」のときは「7」)を確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。
ステップS235にて第1特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)の開始を指定する第1演出制御コマンド(デモ表示開始指定コマンド)が、主基板11から第1演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、デモ表示開始指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。
図7のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。図14は、変動パターン設定処理として、ステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、大当り用変動パターン決定テーブル(ROM101の所定領域に予め記憶されている)を参照して大当り時変動パターンを決定する(ステップS262)。大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、ハズレ用変動パターン決定テーブル(ROM101の所定領域に予め記憶されている)を参照してハズレ時変動パターンを決定する(ステップS263)。
図15は、本実施形態における変動パターンの具体例を示している。この実施の形態では、ハズレ時変動パターン(可変表示結果が「ハズレ」となるときに選択される変動パターン)として、変動パターンPA1−1、PA2−1、PA3−2〜PA3−4が用意されている。また、大当り時変動パターン(可変表示結果が「大当り」となるときに選択される変動パターン)として、変動パターンPB3−2〜PB3−4が用意されている。
ハズレ時変動パターンのうちの変動パターンPA1−1、PA2−1は、非リーチ(可変表示態様がリーチ態様にならず、可変表示結果が非リーチ組合せになること)を指定する非リーチ変動パターンである。変動パターンPA2−1は、特図変動時間が通常(PA1−1)よりも短くなっている時短用(短縮有り)の非リーチ変動パターンである。ハズレ時変動パターンのうちの変動パターンPA3−2〜PA3−4は、リーチ(可変表示態様がリーチ態様になって、可変表示結果がリーチハズレ組合せになること)を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA3−2は、ノーマルリーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA3−3は、ノーマルリーチの実行からスーパーリーチAに発展させることを指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA3−4は、ノーマルリーチの実行からスーパーリーチBに発展させることを指定するリーチ変動パターンである。
大当り時変動パターンのうちの変動パターンPB3−2は、ノーマルリーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB3−3は、ノーマルリーチの実行からスーパーリーチAに発展させることを指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB3−4は、ノーマルリーチの実行からスーパーリーチBに発展させることを指定するリーチ変動パターンである。
なお、この実施の形態では、上記変動パターンのうち、変動パターンPA3−2と、変動パターンPB3−2とは、対応した変動パターンとなっており、可変表示の開始から途中(例えば可変表示結果の導出直前)までは同じ演出が実行可能になっている。これによって、前記途中のタイミングまでは、可変表示結果が「ハズレ」になるか、「大当り」になるかが分からないようになっている。同様に、変動パターンPA3−3と、変動パターンPB3−3とは、対応した変動パターンとなっており、変動パターンPA3−4と、変動パターンPB3−4とは、対応した変動パターンとなっており、可変表示の開始から途中(例えば可変表示結果の導出直前)までは同じ演出が実行可能になっている。これによって、前記途中のタイミングまでは、可変表示結果が「ハズレ」になるか、「大当り」になるかが分からないようになっている。
ステップS262では、例えば、図16に示す大当り用変動パターン決定テーブルが参照される。図16に示すように、大当り用変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、決定結果となる大当り時変動パターンのいずれか(変動パターンPB3−2〜PB3−4のいずれか)に割り当てられていればよい。
ステップS262において、CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り用変動パターン決定テーブルを参照し、参照する大当り用変動パターン決定テーブルにおいて乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられた変動パターンのいずれかを今回の大当り時変動パターンとして決定(選択)すればよい。
なお、図16では、決定値の範囲の代わりに決定割合が記載されている。実際のテーブルでは、図16の決定割合に応じた範囲の決定値が各変動パターンに対して割り当てられていればよい。例えば、図16であれば、変動パターンPB3−2の決定割合は10/100で、変動パターンPB3−3の決定割合は20/100で、変動パターンPB3−4の決定割合は70/100なので、変動パターンPB3−2には乱数値MR3と比較される決定値1〜10(10%の範囲)が割り当てられ、変動パターンPB3−3には乱数値MR3と比較される決定値11〜30(20%の範囲)が割り当てられ、変動パターンPB3−4には乱数値MR3と比較される決定値31〜100(70%の範囲)が割り当てられる。このようなことは、決定割合を記載した他のテーブルや後述の決定例についても同様である。
ステップS263では、現在の遊技状態が非時短状態の場合(時短フラグがオフ状態の場合)には、例えば、図17(A)に示す第1ハズレ用変動パターン決定テーブルを参照する。現在の遊技状態が時短状態の場合(時短フラグがオン状態の場合)には、例えば、図17(B)に示す第2ハズレ用変動パターン決定テーブルを使用パターンにセットする。
図17に示すように、第1〜第2ハズレ用変動パターン決定テーブルでは、例えば、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、決定結果となるハズレ時変動パターンのいずれか(変動パターンPA1−1、PA3−2〜PA3−4のいずれか、又は、変動パターンPA2−1、PA3−2〜PA3−4のいずれか)に割り当てられていればよい。
ステップS263において、CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、使用パターンとしてセットされた第1又は第2ハズレ用変動パターン決定テーブルのいずれかを参照し、参照する第1又は第2ハズレ用変動パターン決定テーブルにおいて乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられた変動パターンのいずれかを今回のハズレ時変動パターンとして決定(選択)すればよい。
図17に示すハズレ用変動パターン決定テーブルでは、時短状態のときに特図変動時間の短い変動パターンPA2−1が選択されやすくなっており、時短状態のときには、非時短状態のときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。また、可変表示の実行頻度を高めることができる。
図16及び図17を参照すると、大当り時には、スーパーリーチBを実行する変動パターンPB3−4、スーパーリーチAを実行する変動パターンPB3−3、ノーマルリーチを実行する変動パターン(ノーマルリーチからスーパーリーチに発展しない変動パターン)PB3−2の順に決定割合が高い(図16参照)。一方で、ハズレ時における各変動パターンの決定割合の高低はその逆になっている(PA3−2>PA3−3>PA3−4)(図17参照)。このようなことから、スーパーリーチBが実行されたときが、最も高い割合で可変表示結果が「大当り」となる。そして、スーパーリーチA、ノーマルリーチの順で、可変表示結果が「大当り」となる割合(所謂大当り期待度)が下がっていく。
ステップS262又はS263を実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間(変動時間ともいう。)を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示される(可変表示終了時)までの所要時間である。特図変動時間は、各変動パターンによって指定され(図15参照)、CPU103は、ステップS262又はS263の処理で選択した変動パターンが指定する特図変動時間を設定することにより、特別図柄、飾り図柄の可変表示の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームとのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。
一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。
なお、CPU103は、第1特図ゲームを開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。また、CPU103は、第2特図ゲームを開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
その後、特図表示結果や変動パターンの決定結果などを第1演出制御基板12側に通知するために、特別図柄の変動開始時におけるコマンド(変動開始時コマンド)の送信設定が行われる(ステップS271)。
例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合、第1特図ゲームに対応する変動開始時コマンドとして、変動パターン指定コマンド(今回の変動パターンを指定するコマンド)、表示結果指定コマンド(今回の可変表示結果を示す指定コマンド)、遊技状態指定コマンド(現在の遊技状態(時短フラグ及び確変フラグによって特定できる。)に応じたコマンド)、第1特図保留記憶数減算指定コマンド、第1変動開始指定コマンドを順次送信するための送信設定を行う。
他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合、第2特図ゲームに対応する変動開始時コマンドとして、変動パターン指定コマンド(今回の変動パターンを指定するコマンド)、表示結果指定コマンド(今回の可変表示結果を示す指定コマンド)、遊技状態指定コマンド(現在の遊技状態に応じたコマンド)、第2特図保留記憶数減算指定コマンド、第2変動開始指定コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。
上記各コマンドは、このあとのコマンド制御処理にて1回のタイマ割り込みで順次送信される。
ステップS271の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS272)、変動パターン設定処理を終了する。
図7のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。
特別図柄変動処理において、CPU103は、まず、ステップS111で設定した特図変動時間が経過したか否か(特図表示結果を導出するタイミングであるか否か)を判定する。例えば、ステップS111で初期値を設定した遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、減算したタイマ値が「0」になったか否かを判定することで、特図変動時間が経過したか否かを判定すればよい。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので、特図ゲームにおける特図の可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図又は第2特図の表示を更新(所定時間特別図柄の表示を維持させるための更新を適宜含む。以下同じ。)させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い、特別図柄変動処理を終了する。
一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させる制御を行い、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定した確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ(確定特別図柄は、所定時間表示し続けるように制御するとよい。)、図柄確定指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。
特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する。
大当りフラグがオン状態である場合には、時短フラグ、確変フラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にリセットする処理が行われる。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする。そして、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として「15」を設定する。その後、当り開始指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。なお、あとで遊技状態は変更される場合があるので、遊技状態指定コマンドを送信設定してもよい。
大当りフラグがオフ状態である場合(可変表示結果が「ハズレ」の場合)には、時短フラグがオン状態であるかを判定し、オン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し、カウント値が「0」である場合には、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする。その後、確変フラグの状態に基づいて遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行う。時短フラグがオフ状態である場合、「1」減算したあとのカウント値が「0」でない場合、又は、遊技状態指定コマンド(又は当り開始指定コマンド)送信設定後には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。
この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。
減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する。
減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは29秒)に対応するタイマ初期値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。
この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理においてカウントスイッチ23がオンしたと判定された判定結果がRAM102の所定領域に格納される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる。)などによってカウントされればよい。)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、又は、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新され、大当り開放中処理を終了する。
1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号の供給を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。
タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持され、最後に大入賞口が閉鎖される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。
この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、図18に示す処理を実行する。まず、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態におけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する(ステップS601)。また、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じた値(「確変A」又は「非確変A」ときは「00」、「確変B」又は「非確変B」ときは「01」)を当り終了指定コマンドを送信する設定を行い(ステップS602)、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理(ステップS603)なども行う。第1演出制御基板12側では、当り終了指定コマンドのEXTデータ(XX)が「00」であれば、時短残回数(時短状態が終了するまでに実行可能な特図ゲームの実行回数)の初期値として50回が特定される。当り終了指定コマンドのEXTデータ(XX)が「01」であれば、時短残回数の初期値として100回が特定される。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS114で大入賞口が開放されてからタイマ割り込みの発生ごとにS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される(図19参照)。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値が0であるか否かなどによってエンディング待ち時間が終了しているかを判定する(ステップS611)。1減じたタイマ値が0でないとき、つまり、エンディング待ち時間が終了していないときには(ステップS611;No)、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。
1減じたタイマ値が0になった場合、つまり、エンディング待ち時間が終了した場合(ステップS611;Yes)には、エンディングが終了するので、次に、今回の大当り種別が確変(「確変A」又は「確変B」)であるかを判定する(ステップS612)。大当り種別は、大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定すればよい。大当り種別が「確変A」又は「確変B」である場合(ステップS612;Yes)、確変フラグをオン状態にセットする(ステップS613)。ステップS613のあと、又は、今回の大当り種別が確変でない場合(ステップS612;No)、大当り種別に応じた時短回数を時短回数カウンタに初期値(時短残回数の初期値)として設定するとともに、時短フラグをオン状態にする(ステップS615)。大当り種別が「確変A」又は「非確変A」であれば、時短回数カウンタにカウント初期値として「50」を設定する。大当り種別が「確変B」又は「非確変B」であれば、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。
以上のような処理によって、大当り種別が「確変A」又は「確変B」のときの大当り遊技状態のあとの遊技状態は、高確高ベース状態となる。また、時短残回数(時短状態が終了するまでに実行可能な特図ゲームの実行回数)は、「確変A」のときには「50回」が設定され、「確変B」のときには「100回」が設定される(図13参照)。また、大当り種別が「非確変A」又は「非確変B」のときの大当り遊技状態のあとの遊技状態は、低確高ベース状態となる。また、時短残回数は、「非確変A」のときには「50回」が設定され、「非確変B」のときには「100回」が設定される(図13参照)。以上のように、時短残回数の時短開始時の最初の回数は大当り種別に応じた回数で設定される。
ステップS615の後は、特図プロセスフラグの値を“0”に更新して(ステップS616)、本処理を終了する。
なお、上記一連の処理において、特図プロセスフラグの値を“0”に更新するときは、1回の可変表示等が終了したことになるので、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値、各種フラグの状態などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットするとよい。
次に、第1演出制御基板12における主な動作を説明する。
第1演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、例えば、所定の演出制御メイン処理(図20)を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また第1演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う(ステップS701)。そして、リセット信号を第2演出制御基板30に送信して(ステップS702)、最初に第2演出制御基板30の表示制御部31(VDPなど)をリセットする。その後、立ち上がり待ち時間タイマ(RAM122の所定領域に設けられる。)に、予め定められた立ち上がり待ち時間に対応したタイマ初期値を設定する(ステップS703)。立ち上がり待ち時間は、表示制御部31(VDPなど)が起動(ここでは、リセット信号による再起動、図20、図22)してから通常の動作を行うことが可能になるまでの期間(すなわち、VDPなどが立ち上がるまでの時間)に対応した時間である(立ち上がりの有無を判定するために、立ち上がりまでの時間に余裕を持たせた時間など)。立ち上がり待ち時間タイマによって当該立ち上がり待ち時間が測定される。
ステップS703のあとは、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS704)。タイマ割込みフラグは、演出制御メイン処理とは別に実行されるタイマ割込処理にて、例えばCTCのレジスタ設定などに基づき、所定時間(例えば、画像表示装置5の画像の表示周期に対応した33ms)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。このため、後述の処理は、タイマ割り込みが発生するごと(33msごと)に実行されることになる。
なお、第1演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの第1演出制御コマンドや第2演出制御基板30からの信号を取り込むため(受信するため)の処理が適宜行われる。受信した第1演出制御コマンドや信号は、例えばRAM122に設けられた第1演出制御コマンド受信用バッファや信号受信用バッファに格納する。各バッファに格納されたコマンドや信号は、受信確認(後述のステップS707;Yesのあとなど)や当該格納されたコマンドや信号に基づいて所定の処理が演出制御用CPU120によって行われたときに当該演出制御用CPU120によって適宜のタイミングで当該各バッファから削除されるものとする。
タイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS704;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS705)、正常動作確認タイマが動作中であるか(例えば、タイマ値が0でなければ動作中とする)を判定する(ステップS706)。正常動作確認タイマは、RAM122の所定領域に設けられ、第2演出制御基板30から定期的に送信される正常動作信号の受信待ち時間を測定するためのタイマである。当該タイマ値が0であり当該タイマが動作中でなければ(ステップS706;No)、第2演出制御基板30からの立ち上がり信号(立ち上がり時に送信される信号)を受信しているかを判定する(ステップS707)。例えば、立ち上がり信号のデータ(上記立ち上がり信号として設定されている4バイトのデータ)が信号受信用バッファに格納されているか否かで当該受信を判定する。信号受信用バッファに立ち上がり信号のデータが格納されておらず、立ち上がり信号を受信していない場合には(ステップS707;No)、立ち上がり待ち時間タイマのタイマ値を1減じ(ステップS708)、減じたあとのタイマ値が「0」であるかを判定する(ステップS709)。タイマ値が「0」である場合には(ステップS709;Yes)、立ち上がり信号の受信が無いまま、立ち上がり待ち時間が経過したことになるので、第2演出制御基板30(表示制御部31)が正常に立ち上がらなかったとして、再度第2演出制御基板30のリセット等を行うため、再度ステップS702の処理を実行する。なお、演出制御用CPU120は、所定の音声信号や電飾信号を音声制御基板13やランプ制御基板14に供給して、スピーカ8L、8Rから異常を報知する音声を出力させたり、遊技効果ランプ9を異常報知の態様で点灯させたりしてもよい。
立ち上がり信号の受信がある場合(立ち上がり信号のデータが信号受信用バッファに格納されている場合)(ステップS707;Yes)、第2演出制御基板30(表示制御部31)が正常に立ち上がったことになるので、今度は、正常動作確認タイマにタイマ初期値を設定する(ステップS714)。なお、ステップS714を実行する前に、立ち上がり待ち時間タイマのタイマ値を0にリセットするようにしてもよい。正常動作確認タイマのタイマ初期値は、正常動作信号の送信間隔(例えば、1秒)に応じた期間(例えば、予め定められており、例えば、前記の1秒に余裕を見て所定時間加えた期間の1.1秒など)に対応した値であればよい。
正常動作確認タイマが動作中である場合には(ステップS706)、正常動作信号の受信が有るかを判定する(ステップS710)。例えば、正常動作信号のデータ(上記正常動作信号として設定されている4バイトのデータ)が信号受信用バッファに格納されているか否かで当該受信を判定する。当該データが格納されているなどして、正常動作信号の受信が有る場合(ステップS710;Yes)、第2演出制御基板30は正常に動作しており、次の正常動作信号の受信を待つために、上記ステップS714の処理を実行する。
正常動作信号のデータの格納が無いなどして正常動作信号の受信が無い場合(ステップS710;No)、正常動作確認タイマのタイマ値を1減じ(ステップS711)、減じた後のタイマ値が0であるかを判定し(ステップS712)、0であると判定した場合には(ステップS712;Yes)、第2演出制御基板30に異常が発生したと考えられるので、異常からの復帰を行うための異常復帰処理(ステップS713)を行ってから、第2演出制御基板30をリセット等するためにステップS702の処理を再度実行する。異常復帰処理は、例えば、第1演出制御コマンド受信用バッファや信号受信用バッファに格納されているコマンドや信号を削除したり、演出が実行設定(ステップS723)されている場合には当該演出(例えば、スピーカ8L、8Rからの音声出力や遊技効果ランプ9の点灯など)の実行をリセットしたり(例えば、ステップS723で使用パターンとして設定されているパターンデータをRAM122から削除するなど)、各種タイマのタイマ値をリセットしたりする。なお、演出制御用CPU120は、所定の音声信号や電飾信号を音声制御基板13やランプ制御基板14に供給して、スピーカ8L、8Rから異常を報知する音声を出力させたり、遊技効果ランプ9を異常報知の態様で点灯させたりしてもよい。
ステップS714のあと、又は、減じた後のタイマ値が0でない場合(ステップS712;No)、演出制御用CPU120は、受信確認用タイマが動作中であるか(例えば、タイマ値が0でなければ動作中とする。)を判定する(ステップS716)。受信確認用タイマは、RAM122の所定領域に設けられ、第2演出制御基板30に特定コマンドを含む第2演出制御コマンドを送信したときに当該第2演出制御基板30から返信されるコマンド受信信号の受信待ち時間を測定するためのタイマである。タイマ値が0で、受信確認用タイマが動作中でない場合(ステップS715;No)、第2演出制御基板30に特定コマンドを含む第2演出制御コマンドを送信していないので、ステップS721の処理にスキップする。
タイマ値が0でなく、受信確認用タイマが動作中である場合(ステップS715;Yes)、コマンド受信信号の受信が有るかを判定する(ステップS716)。例えば、コマンド受信信号のデータ(上記コマンド受信信号として設定されている4バイトのデータ)が信号受信用バッファに格納されているか否かで当該受信を判定する。当該データが格納されているなどして、コマンド受信信号の受信が有る場合(ステップS716;Yes)、特定コマンドを含む第2演出制御コマンドの送信に対する返答が第2演出制御基板30から返ってきたことになるので、受信確認用タイマをリセットする(ステップS717)。なお、コマンド受信信号が非整合を示すコマンド受信信号(非整合)の場合には、上記と同様に異常復帰処理を実行してから、第2演出制御基板30をリセット等するためにステップS702の処理を再度実行してもよい。また、コマンドが非整合のときには、第1演出制御コマンド受信用バッファに格納されているコマンドの削除のみを実行するようにしてもよい。
コマンド受信信号のデータが信号受信用バッファに格納されていないなどして、コマンド受信信号の受信が無い場合(ステップS716;No)、受信確認用タイマのタイマ値を1減じ(ステップS718)、減じた後のタイマ値が0であるかを判定し(ステップS719)、0であると判定した場合には(ステップS719;Yes)、特定コマンドを含む第2演出制御コマンドの送信に対する返答が第2演出制御基板30から返ってこず、第2演出制御基板30に異常が発生したと考えられるので、異常復帰処理(ステップS720)を行ってから、第2演出制御基板30をリセット等するためにステップS702の処理を再度実行する。異常復帰処理は、上記と同様の処理であればよい。なお、演出制御用CPU120は、所定の音声信号や電飾信号を音声制御基板13やランプ制御基板14に供給して、スピーカ8L、8Rから異常を報知する音声を出力させたり、遊技効果ランプ9を異常報知の態様で点灯させたりしてもよい。
ステップS717のあと、受信確認用タイマのタイマ値が0でない場合(ステップS719;No)、第1演出制御コマンドの解析等を行う第1演出制御コマンド解析等処理を行う(ステップS721)。第1演出制御コマンドでは、例えば、図21の処理を行う。
第1演出制御コマンド解析等処理では、第1演出制御コマンド受信用バッファをチェックし、未解析の受信コマンド(第1演出制御コマンド)があるか否かを判定する(ステップS751)。上述のように、第1演出制御コマンド受信用バッファに格納されたコマンドは、所定の処理(ここでは、コマンドの解析等)が行われたときに当該各バッファから削除されるので、第1演出制御コマンド受信用バッファに現在格納されている第1演出制御コマンドが未解析の受信コマンドとなる。なお、当該受信コマンドは、受信順に格納されるものとする。
第1演出制御コマンド受信用バッファにコマンドが格納されていない場合には(ステップS751;No)、解析すべきコマンドが無いので本処理を終了する。コマンドが格納されているときには(ステップS751;Yes)、格納されているコマンド(未解析のコマンド)のうち、最も早く受信した最先のコマンドを解析する(ステップS752)。演出制御用CPU120は、最先のコマンドのデータ内容をチェックして、当該コマンドが、第1演出制御コマンドのうちのどれであるかを特定することで、コマンドの解析を行う。例えば、先頭ビットが「1」であるMODEデータを特定し、特定したMODEデータのデータ内容によって、第1演出制御コマンドがどのコマンドであるかを特定する。
ステップS752のあとは、解析した受信コマンドが当り終了指定コマンドであるかを確認する(ステップS753)。当り終了指定コマンドであるときには(ステップS753;Yes)、当該コマンドのEXTデータの「XX」で特定される値に応じた今回の時短状態において実行可能な可変表示の回数(「00」であれば50回、「01」であれば100回)を時短残回数カウンタに初期値としてセットする(ステップS754)。時短残回数カウンタは、時短残回数(時短状態が終了するまでに実行可能な特図ゲームの実行回数)を第1演出制御基板12側でカウントするためのものであり、RAM122の所定領域に設けられる。時短残回数カウンタのカウント値と、主制御基板11側のカウント値は一致する。
当り終了指定コマンドでないときには(ステップS753;No)、解析した受信コマンドが変動パターン指定コマンドであるかを判定し(ステップS755)、変動パターン指定コマンドである場合には(ステップS755;Yes)、時短残回数カウンタのカウント値を1減じる(ステップS756)。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームの開始時に送信されてくるものであり、このときに当該カウント値を1減じることで、時短残回数カウンタのカウント値は時短残回数を正確に反映したものになる(なお、この実施の形態での時短残回数は、今回実行される可変表示を1回と数えない回数である。)。
なお、時短残回数カウンタのカウント値がすでに「0」であるときは(つまり、非時短状態であるとき)、当該カウント値は「0」のままとする。これによって、時短残回数カウンタによって、時短状態の有無が分かる。なお、現在が時短状態であるかを判定し、時短状態であるときにステップS755やS756を実行するようにしてもよい。時短状態であるか否かは、例えば、遊技状態指定コマンドが送信されてくるごとに、当該コマンドが指定する遊技状態に応じて演出側時短フラグ(時短のときにオンとなるフラグで、RAM122に設けられる。)を切り替えるようにしておき、当該フラグの状態によって特定するようにしてもよい。
ステップS754、S756のあと、又は、解析した受信コマンドが変動パターン指定コマンドでない場合(ステップS755;No)、演出制御用CPU120は、受信コマンド(第1演出制御コマンド)をヘッダとし、時短残回数カウンタのカウント値(つまり、時短残回数)を示すデータ(2バイトで時短残回数を示す数値データ)をフッタとした第2演出制御コマンド(図5参照)を生成する(ステップS757)。なお、時短状態でないときには、時短残回数カウント値は「0」なので「0000(H)」がフッタとして設定される。また、今回解析した受信コマンドが変動パターン指定コマンド以外の第1演出制御コマンドである場合には、時短残回数に係わらずフッタを「0000(H)」(時短残回数=0を示すデータ)としてもよい。時短状態のときには、後述のように、第2演出制御基板30の制御によって時短残回数が表示されるが、第2演出制御基板30は、変動パターン指定コマンドを含む第2演出制御コマンドを受信したときに、時短残回数の表示を更新するからである(詳しくは後述)。
ステップS757のあと、解析した受信コマンド(生成した第2演出制御コマンドに含まれる第1演出制御コマンド)が特定コマンド(変動パターン指定コマンド、当り開始指定コマンド、当り終了指定コマンド、客待ちデモ指定コマンドのうちのいずれか)であるかを判定する(ステップS758)。
特定コマンドであるときは(ステップS758;Yes)、ステップS757で今回生成した第2演出制御コマンドの数値に基づいてチェックサムを計算し(ステップS759)、第2演出制御コマンドを第2演出制御基板30に送信するとともに、当該コマンドに付随させてチェックサムも送信する(ステップS760)。その後、受信確認用タイマに初期値を設定する(ステップS761)。初期値は、予め設定されており、特定コマンドを含む第2演出制御コマンドを送信してからその返答としてコマンド受信信号を第2演出制御基板30から正常に受信するまでに必要な期間に対応する値などである。
特定コマンドでないときは(ステップS758;No)、ステップS757で今回生成した第2演出制御コマンドを第2演出制御基板30に送信する(ステップS762)。
ステップS761又はS762のあとは、ステップS751の処理を実行する。このようにすることで、第1演出制御コマンド受信用バッファに格納されたコマンド全てについて解析等の処理を行うことができる。
図20に戻り、第1演出制御コマンド解析等処理(ステップS721)のあとは、音声コマンド又はランプコマンドの受信があるかを判定する(ステップS722)。例えば、音声コマンド又はランプコマンドのデータ(上記音声コマンド又はランプコマンドとして設定されている4バイトのデータ)が信号受信用バッファに格納されているか否かで当該受信を判定する。当該データが格納されているなどして、音声コマンド又はランプコマンドの受信が有る場合(ステップS716;Yes)、音声コマンド又はランプコマンドが指定する態様での演出実行設定を行う(ステップS723)。例えば、音声コマンド又はランプコマンドに対応するパターンデータ(ROM121に記憶されている)を使用パターンとしてセットする(RAM122に読み出すなど)。パターンデータは、例えば、プロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた音声信号のデータや電飾信号のデータなどを含んだプロセスデータから構成される。また、例えば、RAM122に設けられたプロセスタイマに音声コマンド又はランプコマンドに対応する初期値を設定する。なお、音声コマンドとランプコマンドとの両者を受信しているときには、スピーカ8L、8Rでの演出と遊技効果ランプ9での演出との両者について演出実行設定を行う。
ステップS723のあと、音声コマンド及びランプコマンドの受信がない場合(ステップS722;No)、スピーカ8L、8Rでの演出と遊技効果ランプ9での演出との少なくともいずれかの実行設定があるかを判定し(ステップS724)、例えば使用パターンとしてパターンデータがセットされている場合などで実行設定がある場合には、実行設定されている演出について演出動作制御を行う(ステップS725)。例えば、プロセスタイマのタイマ値を1減じ、減じたタイマ値に合致するプロセスタイマ判定値に対応するデータ(使用パターンに含まれるデータ)が示す音声信号及び/又は電飾信号を音声制御基板13及び/又はランプ制御基板14に送信する。これによって、スピーカ8L、8Rでの音声出力や遊技効果ランプ9での点灯などが実行される。このようなステップS725の処理がタイマ割り込みごとに実行されることで、音声コマンドに応じた音声出力による演出をスピーカ8L、8Rで実行でき、ランプコマンドに応じた点灯態様の演出を遊技効果ランプ9で実行できる。
ステップS725のあと、実行設定がない場合には(ステップS724;No)、ステップS704の処理を実行する。
このような一連の処理がタイマ割り込み毎に行われることで、第1演出制御基板12(演出制御用CPU120)は、第2演出制御基板30のリセット(リセット信号の送信)、第2演出制御基板30の立ち上がりの確認(立ち上がり信号によって確認)、第2演出制御コマンドの生成や送信やサムチェックの付随送信(時短残回数の付加などもある)、第2演出制御コマンドの受信の確認(コマンド受信信号によって確認)、第2演出制御基板30が正常に動作していかの確認(正常動作信号によって確認)、スピーカ8L、8Rや遊技効果ランプ9を用いた演出の実行などを行える。
次に、第2演出制御基板30における主な動作を説明する。
第2演出制御基板30では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると表示制御部31が一旦起動するが、その後第1演出制御基板12からリセット信号が供給される。表示制御部31(VDPなど)は、リセット信号が供給されると、再起動して図22の第2演出制御メイン処理を実行する(なお、当該処理は、電源投入後以外にも、リセット信号が供給されて再起動したときに実行開始される)。
表示制御部31は、まず、所定の初期化処理を実行して、VRAMなどのクリアや各種初期値の設定、また表示制御部31が備えるCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う(ステップS71)。これによって、表示制御部31はリセットされたことになる。当該初期化処理が終了すると、表示制御部31は、演出実行のための通常の処理を実行可能な状態(つまり、立ち上がった状態)になるので、立ち上がり信号を第1演出制御基板12に送信する(ステップS71)。表示制御部31は、主基板11のCPU103や第1演出制御基板12の演出制御用CPU120などに比べ立ち上がり(初期設定等)に時間がかかる場合があり、立ち上がり信号によって、第1演出制御基板12に立ち上がったことを知らせることができる(なお、立ち上がり後は、デモ表示が行われ、これによって遊技者は遊技を開始する。)。
ステップS72のあとは、表示制御部31は、動作確認用タイマに予め定められたタイマ初期値を設定する(ステップS73)。動作確認用タイマは、表示制御部31のVRAMなどに設けられ、正常動作信号の次回の送信タイミングまでの期間を計測するためのものであり、タイマ初期値は、正常動作信号の送信間隔(ここでは、1秒)に対応した値である。
ステップS73のあとは、表示制御部31は、VRAMなどの所定領域に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS74)。タイマ割込みフラグは、第2演出制御メイン処理とは別に実行されるタイマ割込処理にて、例えばCTCのレジスタ設定などに基づき、所定時間(例えば、画像表示装置5の画像の表示周期に対応した33ms)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。このため、後述の処理は、タイマ割り込みが発生するごと(33msごと)に実行されることになる。
なお、第2演出制御基板30の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、第1演出制御基板12からの第2演出制御コマンドを取り込むため(受信するため)の処理が適宜行われる。受信した第2演出制御コマンドは、例えばVRAMなどに設けられた第2演出制御コマンド受信用バッファに受信順に格納する(なお、チェックサムが付随しているときには、当該チェックサムも第2演出制御コマンドに対応して格納される)。なお、第2演出制御コマンド受信用バッファに格納されたコマンドは、後述の第2演出制御コマンド解析等処理で使用されときに適宜のタイミングで表示制御部31によって削除されるものとする。
タイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS74;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS75)、第2演出制御コマンド解析等処理(図23)を実行する(ステップS76)。
第2演出制御コマンド解析等処理において、表示制御部31は、第2演出制御コマンド受信用バッファをチェックし(ステップS772)、当該データが受信コマンドである第2演出制御コマンドとして揃ったデータであるかを判定する(ステップS773)。上述のように、第2演出制御コマンドのヘッダは、第1演出制御コマンドになっており、第1演出制御コマンドの上位バイトのデータであるMODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となる。一方で、第1演出制御コマンドの下位バイトのデータであるEXTデータの先頭ビット(2進数)は「0」となる。また、第2演出制御コマンドのフッタは、時短残回数を指定するもので、10進数で最大100までしか値を取らないので、当該フッタの上位の1バイト及び下位の1バイトの各データの先頭ビットも「0」である。さらに、サムチェックも上述のように先頭ビットは「0」になる。このため、先頭ビットが「1」となる1バイトのデータは、第2演出制御コマンドのヘッダ(第1演出制御コマンドのMODEデータ)であることが分かる。また、第2演出制御コマンドに含まれる第1演出制御コマンドが上記特定コマンド(変動パターン指定コマンド、当り開始指定コマンド、当り終了指定コマンド、客待ちデモ指定コマンドのうちのいずれか)であるときには(第2演出制御コマンドのヘッダ(第1演出制御コマンドのMODEデータ)により特定できる)、チェックサムがつく。つまり、第2演出制御コマンドに含まれる第1演出制御コマンドが特定コマンドでないときは、先頭ビットが「0」の1バイトのデータ(以下、後続1バイトデータという。)が3つ続く(ヘッダ下位とフッタとが後続1バイトデータによって構成される。)。第2演出制御コマンドに含まれる第1演出制御コマンドが特定コマンドのときは、後続1バイトデータが4つ続く(ヘッダ下位とフッタとが後続1バイトデータのうちの先頭側の3バイトで構成され、チェックサムが最後の1バイトによって構成される。)。一方、後続1バイトデータが2つ以下又は5つ以上の場合(例えば、MODEデータに続く後続1バイトデータが1つのみで、その後に続くデータがバッファに格納されていない場合や、MODEデータに続く後続1バイトデータが1つでその後に続くデータが他のMODEデータの場合など)、第2演出制御コマンドを構成するデータが揃っていないことになる。表示制御部31は、ステップS773で、第2演出制御コマンド受信用バッファ内のデータ全てが1以上の第2演出制御コマンドとして揃ったデータであるかを判定し(バッファ内の全ての第2演出制御コマンドについて判定する。)、揃っていない場合(例えば、第2演出制御コマンドが特定コマンドを含むときは後続1バイトデータが4つ続いていない場合、第2演出制御コマンドが特定コマンド以外の第1演出制御コマンドを含むときは後続1バイトデータが3つ続いていない場合)(ステップS773;No)には異常受信なので、第2演出制御コマンド受信用バッファ内のコマンド(データ)を全て削除して(ステップS774)、本処理を終了する。なお、ステップS774では、実行中の演出がある場合、当該演出の実行を中止してもよい(例えば、後述の使用パターンとしてセットされている演出制御パターンをリセットする、演出プロセスフラグを0にリセットするなど)。また、表示制御部31は、所定の映像信号を画像表示装置5に供給して異常が発生したこと画面を表示するようにしてもよい。
なお、ステップS773では、MODEデータに続く後続1バイトデータが3つ又は4つであるかを判定することで、第2演出制御コマンドを構成するデータが揃っているかを判定してもよい。
第2演出制御コマンド受信用バッファ内のデータ全てが1以上の第2演出制御コマンドとして揃ったデータである場合(例えば、第2演出制御コマンドが特定コマンドを含むときは後続1バイトデータが4つ続いている場合、第2演出制御コマンドが特定コマンド以外の第1演出制御コマンドを含むときは後続1バイトデータが3つ続いている場合)(ステップS771;Yes)、1以上の第2演出制御コマンドのうちでチェックサムが付随したものがあるかを判定する(ステップS781)。例えば、後続1バイトデータが4つのコマンドがあるかを判定すればよい。または、第1演出制御コマンドのMODEデータによって当該第2演出制御コマンドが特定コマンドを含んだものであるかを判定すればよい。チェックサムが付随している場合には(ステップS781;Yes)、第2演出制御コマンドを構成する各ビットのデータを加算し、先頭ビットを0にするために加算した値に7Fを加算することで、チェックサムを計算する。計算したチェックサムと付随しているチェックサムとが同じになるかで、当該コマンドの整合性を判定する(ステップS782)。その後、非整合と判定した場合には(ステップS783;No)、受信コマンドを全て削除するなどの処理を行い(ステップS784、当該処理はステップS774と同様である。)、第1演出制御基板12にコマンド受信信号(非整合)を送信し(ステップS785)、本処理を終了する。コマンドが整合している場合(ステップS783;No)、コマンド受信信号(整合)を送信する(ステップS786)。
ステップS786のあと、チェックサムが付随した受信コマンド(第2演出制御コマンド)がない場合(ステップS781;No)、受信コマンドの内容(MODEデータ)に応じた処理、つまり、受信コマンドがどの第1演出制御コマンドを含む第2演出制御コマンドであるかに応じて図24に示す処理を行う(ステップS78)。なお、ステップS786では、第2演出制御コマンドが複数ある場合には、全ての第2演出制御コマンドについて図24に示す処理を行う。
図24に、第2演出制御コマンドに含まれる第1演出制御コマンド(第1演出制御コマンド名)と、その第2演出制御コマンドに対応する処理内容と、の関係を示す。なお、図24における各コマンド受信フラグ、各コマンド格納領域、コマンドバッファは、表示制御部31のVRAMなどに設けられる。また、各コマンド受信フラグについて「セット」とは、当該フラグをオン状態にすることである。なお、各コマンド受信フラグの状態や各コマンド格納領域に格納されたコマンド(第2演出制御コマンド)は、適宜のタイミングでリセットや消去されるようにすればよい(フラグの状態やコマンドを確認する必要がないタイミングでリセット又は消去されればよい。)。
遊技状態指定コマンドを含む第2演出制御コマンドの受信時には、当該遊技状態指定コマンドが指定する遊技状態に応じて、高確フラグ(高確時にオンとなるフラグであり、VRAMなどの所定領域に設けられる。)の状態や高ベースフラグ(高ベース時にオンとなるフラグであり、VRAMなどなどに設けられる。)の状態を切り替える。遊技状態指定コマンドが確変状態を指定している場合には、高確フラグをオン状態とする(すでにオン状態であれば、その状態を維持する)。遊技状態指定コマンドが時短状態を指定している場合には、高ベースフラグをオン状態とする(すでにオン状態であれば、その状態を維持する)。
図25A)に示すように、第1始動入賞時コマンドバッファには、バッファ番号となる保留表示番号(第1保留表示番号)が設定されている。第1始動入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数加算指定コマンド、及び、入賞時判定結果指定コマンドをそれぞれ含む各第2演出制御コマンドの受信時には、当該第1始動入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数加算指定コマンド、及び、入賞時判定結果指定コマンドを、1セットして第1保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納する。
図25(B)に示すように、第2始動入賞時コマンドバッファには、バッファ番号となる保留表示番号(第2保留表示番号)が設定されている。第2始動入賞指定コマンド、第2特図保留記憶数加算指定コマンド、及び、入賞時判定結果指定コマンドをそれぞれ含む各第2演出制御コマンドの受信時には、当該第1始動入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数加算指定コマンド、及び、入賞時判定結果指定コマンドを、1セットとして第2保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納される。
なお、入賞時判定結果指定コマンドは、第1始動入賞指定コマンド及び第1特図保留記憶数加算指定コマンドとともに送信されてきたとき(第2演出制御コマンドのヘッダとして送信されてきたとき)には第1始動入賞時コマンドバッファに格納され、第2始動入賞指定コマンド及び第2特図保留記憶数加算指定コマンドとともに送信されてきたとき(第2演出制御コマンドのヘッダとして送信されてきたとき)には第2始動入賞時コマンドバッファに格納される。例えば、入賞時判定結果指定コマンドは、始動入賞時指定コマンド及び特図保留記憶数加算指定コマンドが格納されているが入賞時判定結果指定コマンドは格納されていない保留表示番号に対応する格納領域に格納されればよい。または、新たに格納した始動入賞指定コマンドの格納場所(保留表示番号)を特定可能な情報をVRAMなどに格納しておき、入賞時判定結果指定コマンドの解析時には、当該情報が特定する保留表示番号に対応させて当該入賞時判定結果指定コマンドを格納するようにしてもよい。また、第1始動入賞発生時の入賞時判定結果指定コマンドとして第1入賞時判定結果指定コマンドを用意し、第2始動入賞発生時の入賞時判定結果指定コマンドとして第2入賞時判定結果指定コマンドを用意し、第1入賞時判定結果指定コマンド(第2演出制御コマンドのヘッダとして送信されてきたとき)は第1始動入賞時コマンドバッファに格納し、第2入賞時判定結果指定コマンド(第2演出制御コマンドのヘッダとして送信されてきたとき)は第2始動入賞時コマンドバッファに格納するようにしてもよい。
なお、第1始動入賞時コマンドバッファに入賞時判定結果指定コマンドを格納したときには、第1入賞時判定結果指定コマンド受信フラグをセットする(オンにする)。第2始動入賞時コマンドバッファに入賞時判定結果指定コマンドを格納したときには、第2入賞時判定結果指定コマンド受信フラグをセットする(オンにする)。1セットの始動入賞時コマンドのうち、入賞時判定結果指定コマンドは最後に送信されてくるので、当該フラグの状態によって、一セットの始動入賞時コマンドの受信及び当該コマンドがどちらの始動入賞時コマンドバッファに格納されたかを把握できる。
第1始動入賞時コマンドは、第1特図ゲームの保留の発生に対応して主基板11から第1演出制御基板12を介して第2演出制御コマンドの一部として送信されるので、当該第1特図ゲームの保留の発生時(第1始動入賞発生時)には、第1始動入賞時コマンドバッファに格納される1セットの受信コマンド(第1始動入賞時コマンド)が1つ増えることになる。第2始動入賞時コマンドは、第2特図ゲームの保留の発生に対応して主基板11から第1演出制御基板12を介して第2演出制御コマンドの一部として送信されるので、当該第2特図ゲームの保留の発生に対応して、第2始動入賞時コマンドバッファに格納される1セットの受信コマンド(第2始動入賞時コマンド)が1つ増えることになる。
また、詳しくは後述するが、第1特図ゲームの実行時には、第1保留表示番号「2」〜「4」に対応して記憶されている第1始動入賞時コマンドがそれぞれ上位の番号の第1保留表示番号「1」〜「3」にシフトする(後述のステップS321参照)。同様にして、第2特図ゲームの実行時には、第2保留表示番号「2」〜「4」に対応して記憶されている第2始動入賞時コマンドがそれぞれ上位の番号の第2保留表示番号「1」〜「3」にシフトする(後述のステップS321参照)。
上記のようなことにより、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号と第1特図保留記憶部の保留番号とで同じ番号に対応して記憶される、第1始動入賞時コマンドと保留データ(及び当該保留データに対応する第1特図ゲーム)とが対応することになり、第1始動入賞時コマンドバッファに格納される第1始動入賞時コマンドの数は、第1特図ゲームの第1特図保留記憶数と同じになる。また、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号と第2特図保留記憶部の保留番号とで同じ番号に対応して記憶される、第2始動入賞時コマンドと保留データ(及び当該保留データに対応する第2特図ゲーム)とが対応することになり、第2始動入賞時コマンドバッファに格納される第2始動入賞時コマンドの数は、第2特図ゲームの第2特図保留記憶数と同じになる。
さらに、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファにおける各保留表示番号は、保留表示画像の各表示位置にも対応する。具体的には、第1始動入賞時コマンドバッファの各保留表示番号は、表示エリア5Hの領域5Haに設けられている第1保留表示画像の各表示位置に対応し、保留表示番号「1」は領域5Haにおける最も左の表示位置に対応し、保留表示番号「2」は領域5Haにおける左から2番目の表示位置に対応し、保留表示番号「3」は領域5Haにおける左から3番目の表示位置に対応し、保留表示番号「4」は領域5Haにおける左から4番目(最も右)の表示位置に対応する。具体的には、第2始動入賞時コマンドバッファの各保留表示番号は、表示エリア5Hの領域5Hbに設けられている第2保留表示画像の各表示位置に対応し、保留表示番号「1」は領域5Hbにおける最も左の表示位置に対応し、保留表示番号「2」は領域5Hbにおける左から2番目の表示位置に対応し、保留表示番号「3」は領域5Hbにおける左から3番目の表示位置に対応し、保留表示番号「4」は領域5Hbにおける左から4番目(最も右)の表示位置に対応する。
さらに、第1始動入賞時コマンドバッファ、第2始動入賞時コマンドバッファそれぞれには、各保留表示番号に対応して、第1保留変化演出を実行することを示す情報である第1保留変化演出情報を格納する格納領域と、先読みチャンス目を実行することを示す情報である先読みチャンス目情報を格納する格納領域とが設けられている。
第1保留変化演出情報は、ここでは、当該情報に対応する保留表示番号に対応する特図ゲームをターゲットとする第1保留変化演出を実行することを示し、かつ、第1保留変化演出の種類(詳しくは後述する。)を示す情報である。
先読みチャンス目情報は、ここでは、当該情報に対応する保留表示番号に対応する特図ゲームをターゲットとする先読みチャンス目を実行することを示し、かつ、先読みチャンス目の種類(詳しくは後述する。)を示す情報である。
詳しくは後述するが、可変表示の実行時に第1保留変化演出情報や先読みチャンス目情報がチェックされて、当該可変表示における第1保留変化演出や先読みチャンス目の実行の有無やその実行する演出の種類が特定される。
なお、図25の始動入賞時コマンドバッファにおいて、「0000(H)」は、コマンドが格納されていないことを示し、第1保留変化演出情報の欄の「−」は、第1保留変化演出情報が格納されていないこと(当該情報に対応する保留表示番号に対応した特図ゲームをターゲットとする第1保留変化演出が実行されないこと)を示す。先読みチャンス目情報の欄の「−」は、先読みチャンス目情報が格納されていないこと(当該情報に対応する保留表示番号に対応した特図ゲームをターゲットとする先読みチャンス目が実行されないこと)を示す。
また、第1特図保留記憶数加算指定コマンドを含む第2演出制御コマンドの受信時には、表示エリア5Hの領域5Haに第1保留表示画像を新たに表示させる処理を行う。第2特図保留記憶数加算指定コマンドを含む第2演出制御コマンドの受信時には、表示エリア5Hの領域5Haに第2保留表示画像を新たに表示させる処理を行う。このようなことによって、第1始動入賞の発生に基づいて第1特図ゲームが新たに保留されたことに対応して、第1保留表示画像が1つ増やされる。また、第2始動入賞の発生に基づいて第2特図ゲームが新たに保留されたことに対応して、第2保留表示画像が1つ増やされる。なお、当該保留表示画像の更新は、後述の先読み予告設定処理にて行うようにしてもよい。
また、客待ちデモ指定コマンドを含む第2演出制御コマンドの受信時には、画像表示装置5を制御して(順次映像信号を送信して)、デモ表示を画像表示装置5に行わせる。なお、デモ表示は、可変表示が開始されるまで行われる。また、表示制御部31は、スピーカ8L、8Rからの音声出力や遊技効果ランプ9の点灯などによる演出を実行するためのランプコマンドや音声コマンドを第1演出制御基板12に送信してもよい。
図22に戻り第2演出制御コマンド解析等処理(ステップS76)を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS77)。演出制御プロセス処理は後述する。そして、演出用乱数更新処理を実行する(ステップS78)。演出用乱数更新処理では、演出制御に用いる各種の乱数値として、VRAMなどのランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、動作確認用タイマのタイマ値を1減じ(ステップS79)、減じたあとのタイマ値が0になったかを判定し(ステップS80)、0になった場合には(ステップS80;Yes)、正常動作信号を送信し(ステップS81)、その後に動作確認用タイマに初期値(ステップS73の初期値と同じ)を設定して(ステップS82)、ステップS74の処理を再度実行する(減じたあとのタイマ値が0になっていないときも同様(ステップS80;No))。ステップS79〜S82などによって、正常動作信号が定期的に第1演出制御基板12に送信される。
次に演出制御プロセス処理を説明する。図26は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す演出制御プロセス処理では、表示制御部31は、まず、先読み予告設定処理(ステップS161)を実行したあと、VRAMなどの所定領域に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
まず、先読み予告設定処理を説明する。図27は、先読み予告設定処理の一例を示すフローチャートである。
先読み予告設定処理では、表示制御部31は、まず、今回新たに始動入賞時コマンドを受信したか否か(第2演出制御コマンドのヘッダとして受信したか否か。以下、他の第1演出制御コマンドについて同じ。)を判定する(ステップS671)。例えば、第1入賞時判定結果指定コマンド受信フラグ又は第2入賞時判定結果指定コマンド受信フラグがオン状態となっているときには、第1始動入賞時コマンドバッファ又は第2始動入賞時コマンドバッファに新たな一セットの始動入賞時コマンドが格納されているので、新たな始動入賞時コマンドの受信有りと判定する(ステップS671;Yes)。
なお、第1入賞時判定結果指定コマンド受信フラグと第2入賞時判定結果指定コマンド受信フラグとのいずれもがオン状態となっているときには、ここでは、第2始動入賞時コマンドバッファに格納された新たな始動入賞時コマンドについて、つまり、第2始動入賞時コマンドの新たな受信がありと判定して以下の処理を行う。
なお、複数セットの始動入賞時コマンドが始動入賞時コマンドバッファに格納されたときに各セットの始動入賞時コマンドについて以下の処理を行うようにしてもよい。例えば、今回の新たな受信コマンドが第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファに格納された始動入賞時コマンドのうちのどれであるか、当該始動入賞時コマンドの受信順などを特定できる情報をコマンド解析処理のときにVRAMなどに保持しておき、当該先読み予告設定処理では、各セットの始動入賞時コマンド(各保留)について、所定順序(第2特図ゲームが優先かつ保留表示番号順、又は、始動入賞時コマンドの受信順など)に従って以下の処理を行うようにしてもよい。
第1入賞時判定結果指定コマンド受信フラグと第2入賞時判定結果指定コマンド受信フラグとの両者がオフであるなどして、新たな始動入賞時コマンドの受信が無い場合(ステップS671;No)、先読み予告を実行することはないので、先読み予告設定処理を終了する。
新たな始動入賞時コマンドの受信が有る場合(ステップS671;Yes)、当該新たに受信した始動入賞時コマンドに対応する保留表示番号が「1」であるかを判定し(ステップS672)、当該新たに受信した始動入賞時コマンドに対応する保留表示番号が「1」でない場合(「2」〜「4」の場合)には(ステップS672;No)、先読み予告の実行禁止条件が成立しているかを判定する(ステップS673)。当該実行禁止条件は、先読み予告の実行を禁止するときの条件であり、ここでは、当該新たに受信した始動入賞時コマンドに含まれる入賞時判定結果指定コマンドが「判定無し」を判定結果として指定しているとき、ターゲット前に実行される可変表示において「大当り」の判定があるとき(始動入賞時コマンドバッファの内容をチェックし、当該新たに受信した始動入賞時コマンドに対応する保留表示番号よりも前の保留表示番号の各入賞時判定結果指定コマンドや、当該新たに受信した始動入賞時コマンドが第1始動入賞時コマンドのときに第2始動入賞時コマンドバッファに格納された各入賞時判定結果指定コマンドに「大当り」の入賞時判定結果を指定しているコマンドがあったときなど)に成立する条件である。
先読み予告の実行禁止条件が成立していない場合(ステップS673;No)、第1保留変化演出が実行予定であるかを判定する(ステップS674A)。例えば、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファの記憶内容をチェックし、各コマンドバッファのいずれかに第1保留変化演出情報が格納されている場合に第1保留変化演出が実行予定であると判定する(ステップS674A;Yes)。
第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファのいずれにも第1保留変化演出情報が格納されておらず、第1保留変化演出を実行予定でない場合(ステップS674A;No)、先読みチャンス目が実行予定であるかを判定する(ステップS674B)。例えば、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファの記憶内容をチェックし、各コマンドバッファのいずれかに先読みチャンス目情報が格納されている場合に先読みチャンス目が実行予定であると判定する(ステップS674B;Yes)。
第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファのいずれにも先読みチャンス目情報が格納されておらず、先読みチャンス目を実行予定でない場合(ステップS674B;No)、先読みチャンス目の実行の有無などを決定する(ステップS675)。
ステップS675において、表示制御部31は、まず、乱数回路または演出用ランダムカウンタ等(VRAMなどに設けられる。)により更新される先読みチャンス目の実行有無の決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出する。続いて、当該乱数値SR1に基づいて、CGROMなどに予め記憶されて用意された先読みチャンス目実行決定テーブルを参照して先読みチャンス目の実行の有無などを決定する。
先読みチャンス目実行決定テーブルでは、例えば、乱数値SR1と比較される数値(決定値)が、入賞時判定結果指定コマンドが指定する入賞時判定結果に応じて異なる範囲(図28の決定割合を実現するような数値範囲)で、決定結果となる「実行無し」、「先読みチャンス目A」、「先読みチャンス目B」に割り当てられていればよい。
この実施の形態では、2種類の先読みチャンス目が用意されており、一方が「先読みチャンス目A」で、他方が「先読みチャンス目B」である。「先読みチャンス目A」と「先読みチャンス目B」とでは、ターゲットの大当り期待度が異なり、かつ、停止するチャンス目が異なる(図19のように、先読みチャンス目Aでは偶数の所定チャンス目が停止し、先読みチャンス目Bでは奇数の所定チャンス目が停止する。)。なお、チャンス目停止時において、飾り図柄を発光させるようにしてもよく、この場合には、「先読みチャンス目A」と「先読みチャンス目B」とで異なる発光色とすることで、両者を区別するようにしてもよい。
表示制御部31は、先読みチャンス目実行決定テーブルにおいて、今回抽出した乱数値SR1に合致する決定値に入賞時判定結果に応じて割り当てられた決定結果が「実行無し」であれば先読みチャンス目を実行しないと決定し、「先読みチャンス目A」であれば先読みチャンス目Aを実行すると決定し、「先読みチャンス目B」であれば先読みチャンス目Bを実行すると決定する(決定結果はVRAMなどの所定領域に格納しておけばよい。他の決定についても同様)。
図28の決定割合から分かるように、入賞時判定結果が「大当り」のときには、「先読みチャンス目B」、「先読みチャンス目A」、「実行無し」の順で決定されやすくなっており、「ハズレ」のときはその逆になっている。このため、大当り期待度は、「先読みチャンス目B」が実行されたときが最も高く、先読みチャンス目を実行しないときが最も低くなっている。このように、先読みチャンス目は、ターゲットの大当り期待度が高いことを予告し、かつ、先読みチャンス目Bの方が先読みチャンス目Aよりも大当り期待度が高いことを予告する。
ステップS675のあと、第1保留変化演出の実行の有無などを決定する(ステップS676)。ステップS676において、表示制御部31は、まず、乱数回路または演出用ランダムカウンタ等により更新される第1保留変化演出の実行有無の決定用の乱数値SR2を示す数値データを抽出する。続いて、当該乱数値SR2に基づいて、CGROMなどに予め記憶されて用意された第1保留変化演出実行決定テーブルを参照して第1保留変化演出の実行の有無などを決定する。
第1保留変化演出実行決定テーブルでは、例えば、乱数値SR2と比較される数値(決定値)が、入賞時判定結果指定コマンドが指定する入賞時判定結果に応じて異なる範囲(図29の決定割合を実現するような数値範囲)で、決定結果となる「実行無し」、「保留→青」、「保留→赤」に割り当てられていればよい。
この実施の形態では、2種類の第1保留変化演出が用意されており、一方が保留記憶画像の色を白色(通常時の色)から青色に変化させる演出(「保留→青」の演出であり、以下、第1保留変化演出(青)ともいう。)で、他方が保留記憶画像の色を白色から赤色に変化させる演出(「保留→赤」の演出であり、以下、第1保留変化演出(赤)ともいう。)である。なお、特殊図柄は両者で共通である。
表示制御部31は、第1保留変化演出実行決定テーブルにおいて、今回抽出した乱数値SR2に合致する決定値に入賞時判定結果に応じて割り当てられた決定結果が「実行無し」であれば第1保留変化演出を実行しないと決定し、「保留→青」であれば第1保留変化演出(青)を実行すると決定し、「保留→赤」であれば第1保留変化演出(赤)を実行すると決定する。
図29の決定割合から分かるように、入賞時判定結果が「大当り」のときには、「保留→赤」、「保留→青」、「実行無し」の順で決定されやすくなっており、「ハズレ」のときはその逆になっている。このため、大当り期待度は、「第1保留変化演出(赤)」が実行されたとき(つまり、保留表示画像が赤色になったとき)が最も高く、「第1保留変化演出(青)」が実行されたとき(つまり、保留表示画像が青色になったとき)が次に高く、第1保留変化演出を実行しないときが最も低くなっている。このように、第1保留変化演出は、保留表示画像の表示色を変化させることで、ターゲット(保留表示画像に対応する可変表示)の大当り期待度が高いことを予告し、かつ、保留表示画像が赤色に変化したときの方が、保留表示画像が青色に変化したときよりも大当り期待度が高いことを予告する。
ステップS676のあと、表示制御部31は、ステップS675及びS676により、先読みチャンス目B及び第1保留変化演出を実行すると決定したか否かを判定し(ステップS677)、両者を実行すると決定している場合に(ステップS677;Yes)、第1保留変化演出のキャンセルの有無を決定する(ステップS678)。
ステップS678において、表示制御部31は、まず、乱数回路または演出用ランダムカウンタ等により更新される第1保留変化演出のキャンセル有無の決定用の乱数値SR3を示す数値データを抽出する。続いて、当該乱数値SR3に基づいて、CGROMなどに予め記憶されて用意されたキャンセル有無決定テーブルを参照して第1保留変化演出のキャンセルの有無を決定する。
キャンセル有無決定テーブルでは、例えば、乱数値SR3と比較される数値(決定値)が図30の決定割合を実現するような数値範囲で決定結果となる「実行キャンセル」、「キャンセル無し」に割り当てられていればよい。
表示制御部31は、キャンセル有無決定テーブルにおいて、今回抽出した乱数値SR3に合致する決定値に割り当てられた決定結果が「実行キャンセル」であれば第1保留変化演出の実行をキャンセルすると決定し、「キャンセル無し」であれば第1保留変化演出の実行をキャンセルしないと決定する。
図30に示すように、第1保留変化演出と先読みチャンス目とを実行すると決定した場合には、高い割合で第1保留変化演出の実行をキャンセルする。
先読みチャンス目B及び第1保留変化演出のいずれかを実行すると決定していない場合(ステップS677;No)、ステップS678のあとは、上記の決定結果を、第1始動入賞時コマンドバッファ又は第2始動入賞時コマンドバッファに、今回の新たな始動入賞時コマンドの保留表示番号に対応させて記録する(ステップS679)。
例えば、先読みチャンス目Aを実行すると決定している場合には、先読みチャンス目Aを実行することを示す情報(例えば、「先読みチャンス目A」)を先読みチャンス目情報として記録する。例えば、先読みチャンス目Bを実行すると決定している場合には、先読みチャンス目Bを実行することを示す情報(例えば、「先読みチャンス目B」)を先読みチャンス目情報として記録する。
なお、先読みチャンス目を実行しないと決定したときには、先読みチャンス目情報を記録しないことになるが、先読みチャンス目を実行しない旨の情報(先読みチャンス目情報が格納されていないことを示す情報でもある。)を、先読みチャンス目情報の格納領域に格納するようにしてもよい。
例えば、第1保留変化演出(青)を実行すると決定している場合には、第1保留変化演出(青)を実行することを示す情報(例えば、「保留→青」)を第1保留変化演出情報として記録する。例えば、第1保留変化演出(赤)を実行すると決定している場合には、第1保留変化演出(赤)を実行することを示す情報(例えば、「保留→赤」)を第1保留変化演出情報として記録する。但し、第1保留変化演出の実行がステップS678でキャンセルされているときには第1保留変化演出情報は記録されない。
なお、第1保留変化演出を実行しないと決定したときや前記のキャンセルがあったときには、第1保留変化演出情報を記録しないことになるが、第1保留変化演出を実行しない旨の情報(第1保留変化演出情報が格納されていないことを示す情報でもある。)を、第1保留変化演出情報の格納領域に格納するようにしてもよい。
先読みチャンス目が実行予定である場合(ステップS674B;Yes)、第2保留変化演出の実行の有無などを決定する(ステップS681)。
ステップS681において、表示制御部31は、まず、乱数回路または演出用ランダムカウンタ等により更新される第2保留変化演出の実行有無の決定用の乱数値SR4を示す数値データを抽出する。続いて、当該乱数値SR4に基づいて、CGROMなどに予め記憶されて用意された第2保留変化演出実行決定テーブル(図29)を参照して第2保留変化演出の実行の有無などを決定する。
第2保留変化演出実行決定テーブルでは、例えば、乱数値SR4と比較される数値(決定値)が、入賞時判定結果指定コマンドが指定する入賞時判定結果に応じて異なる範囲で、決定結果となる「実行無し」、「保留→青」、「保留→赤」に割り当てられていればよい。
この実施の形態では、2種類の第2保留変化演出が用意されており、一方が保留記憶画像の色を白色から青色に変化させる演出(「保留→青」の演出であり、以下、第2保留変化演出(青)ともいう。)で、他方が保留記憶画像の色を白色から赤色に変化させる演出(「保留→赤」の演出であり、以下、第2保留変化演出(赤)ともいう。)である。
表示制御部31は、第2保留変化演出実行決定テーブルにおいて、今回抽出した乱数値SR4に合致する決定値に入賞時判定結果に応じて割り当てられた決定結果が「実行無し」であれば第2保留変化演出を実行しないと決定し、「保留→青」であれば第2保留変化演出(青)を実行すると決定し、「保留→赤」であれば第2保留変化演出(赤)を実行すると決定する。
図29の決定割合から分かるように、入賞時判定結果が「大当り」のときには、「保留→赤」、「保留→青」、「実行無し」の順で決定されやすくなっており、「ハズレ」のときはその逆になっている。このため、大当り期待度は、「第2保留変化演出(赤)」が実行されたとき(つまり、保留表示画像が赤色になったとき)が最も高く、「第2保留変化演出(青)」が実行されたとき(つまり、保留表示画像が赤色になったとき)が次に高く、第2保留変化演出を実行しないときが最も低くなっている。このように、第2保留変化演出は、保留表示画像の表示色を変化させることで、ターゲット(保留表示画像に対応する可変表示)の大当り期待度が高いことを予告し、かつ、保留表示画像が赤色に変化したときの方が、保留表示画像が青色に変化したときよりも大当り期待度が高いことを予告する。
ステップS681のあとは、第2保留変化演出の実行を決定したかを判定し(ステップS682)、第2保留変化演出を実行すると決定している場合には(ステップS682;Yes)、決定した種類の第2保留変化演出を実行する(ステップS683)。例えば、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることなどによって、ターゲットの保留表示画像(今回の新たに受信した始動入賞時コマンドに対応する保留表示番号に対応した保留表示画像)の色を変化させることで、第2保留変化演出を実行する。第2保留変化演出(青)を実行する場合にはターゲットの保留表示画像を青に変化させ、第2保留変化演出(赤)を実行する場合にはターゲットの保留表示画像を赤に変化させる。
このように第2保留変化演出は、保留表示画像の表示後すぐに実行される(見た目上は、第2保留変化演出実行後の色で保留表示画像の表示が開始されたように見える)。一方で、第1保留変化演出は、保留表示画像を表示後すぐには実行されず、そのあとに開始される可変表示で実行される(詳しくは後述する)。第1保留変化演出で保留表示画像の色を変化させたあとの色と、第2保留変化演出で保留表示画像の色を変化させたあとの色とは、共通であり、各色の大当り期待度も同様であり、第1保留変化演出と第2保留変化演出とでは、特殊図柄の表示の有無や実行タイミングが異なり、保留表示画像を変化させる点で共通する。
ステップS679のあと、ステップS683のあと、保留表示番号が「1」のとき(ステップ672;Yes)、先読み予告の実行禁止条件が成立したとき(ステップ673;Yes)、第1保留変化演出の実行予定があるとき(ステップS674A;Yes)、新たな始動入賞時コマンドの受信が無いとき(ステップS671;No)、第2保留変化演出を実行しないと決定したとき(ステップS682;No)には、先読み予告設定処理を終了する。
図28及び図29に示すように、先読みチャンス目B>第1保留変化演出(赤)及び第2保留変化演出(赤)>第1保留変化演出(青)及び第2保留変化演出(青)>先読みチャンス目Aの順で大当り期待度が高くなっている。また、先読みチャンス目Bと第1保留変化演出とを実行されると決定した場合には、図30に示すように、第1保留変化演出の実行がキャンセルされる可能性が高い。このため、先読みチャンス目Bと第1保留変化演出とは、同じターゲットについて実行されにくくなっている。なお、第1保留変化演出は、後述のように、次に開始される可変表示で実行される。また、先読みチャンス目は、後述のように、次の開始される可変表示からターゲット前に実行される可変表示までの各可変表示で実行されることになる。なお、第1保留変化演出と大当り期待度の低い先読みチャンス目Aとを実行すると決定したときには、次に開始される可変表示(最初の可変表示)において、先読みチャンス目のチャンス目に特殊図柄が差し替えられて表示され(特殊図柄以外は、先読みチャンス目の種類に応じたチャンス目を構成する飾り図柄が導出表示される。)、ターゲットの保留表示画像の色を変化させることが行われ、第1保留変化演出が優先して実行される。
次にステップS170〜S175の処理を説明する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。
この可変表示開始待ち処理では、表示制御部31は、主基板11からの変動開始指定コマンド(第2演出制御コマンドのヘッダとして受信したか否か。以下、他のコマンドについても適宜同じ。)を受信したか否かを判定する。なお、当該判定は、例えば、第2演出制御コマンド解析等処理にて制御される第1又は第2変動開始指定コマンド受信フラグがオン状態になっているか否かによって判定すればよい(オンのときに受信)。なお、他のコマンドについて受信の有無を確認する場合についても例えば同様であり、確認対象のコマンドに対応する受信フラグの状態に基づいて当該コマンドの受信の有無の確認を行えばよい。
変動開始指定コマンドを受信している場合、特図ゲームの開始に同期して飾り図柄の可変表示を開始するため、演出プロセスフラグの値を“1”に更新してから、可変表示開始待ち処理は終了する。変動開始指定コマンドを受信していない場合、可変表示開始待ち処理はそのまま終了する。
なお、可変表示開始待ち処理では、変動開始指定コマンドの代わりに変動パターン指定コマンドを受信している場合(第2演出制御コマンドのヘッダとして受信している場合)に演出プロセスフラグの値を“1”に更新してもよい。この場合、変動パターン指定コマンドは、今回実行される可変表示が第1特図についてのものか第2特図ゲームについてのものかを特定する情報も指定するものとする。また、変動パターン指定コマンド受信フラグを設け、変動パターン指定コマンドを受信しているときには第2演出制御コマンド解析等処理にて当該フラグをセットし、可変表示開始待ち処理では、当該フラグの状態に基づいて変動パターン指定コマンドの受信の有無を判定するようにしてもよい。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。図31は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。
可変表示開始設定処理において、表示制御部31は、まず、第1始動入賞時コマンドバッファ又は第2始動入賞時コマンドバッファの記憶内容をシフトさせるとともに、シフト後の記憶内容をチェックする(ステップS321)。記憶内容のシフトでは、第1変動開始指定コマンドを受信しているときには、第1始動入賞時コマンドバッファの第1保留表示番号「2」〜「4」に対応して記憶されている第1始動入賞時コマンド、先読みチャンス目情報、第1保留変化演出情報をそれぞれ上位の番号の第1保留表示番号「1」〜「3」にシフトさせる(シフト前の第1保留表示番号「1」に対応した記憶内容は削除される)。第2変動開始指定コマンドを受信しているときには、第2始動入賞時コマンドバッファの第2保留表示番号「2」〜「4」に対応して記憶されている第2始動入賞時コマンド、先読みチャンス目情報、第2保留変化演出情報をそれぞれ上位の番号の第2保留表示番号「1」〜「3」にシフトさせる(シフト前の第2保留表示番号「1」に対応した記憶内容は削除される)。
ステップS321のあと、シフト後の第1始動入賞時コマンドバッファ又は第2始動入賞時コマンドバッファに先読みチャンス目情報が格納されているかを判定する(ステップS323)。先読みチャンス目情報が格納されている場合(ステップS323;Yes)、今回の変動パターン(変動パターン指定コマンド格納領域に格納された変動パターン指定コマンドで指定される)と、今回の先読みチャンス目の種類(前記先読みチャンス目情報により示される)とに応じたチャンス目を最終停止図柄(確定飾り図柄)として決定する(ステップS324)。例えば、変動パターンがリーチ変動パターンである場合には、「4 2 4」(「先読みチャンス目A」の場合)又は「5 3 5」(「先読みチャンス目B」の場合)のリーチチャンス目を最終停止図柄として決定する。例えば、変動パターンが非リーチ変動パターンである場合には、「4 4 2」(「先読みチャンス目A」の場合)又は「5 5 3」(「先読みチャンス目B」の場合)の非リーチチャンス目を最終停止図柄として決定する。
先読みチャンス目情報が格納されていない場合(ステップS323;No)、シフト後の第1始動入賞時コマンドバッファ又は第2始動入賞時コマンドバッファに第1保留変化演出情報が格納されているかを判定する(ステップS325)。第1保留変化演出情報が格納されている場合(ステップS325;Yes)、今回の変動パターンに応じた組合せであって、特殊図柄を含む飾り図柄の組合せを最終停止図柄(確定飾り図柄)として決定する(ステップS326)。例えば、変動パターンがリーチ変動パターンである場合には、「6 保 6」又は「7 保 7」を最終停止図柄として決定する(どちらにするかは、乱数値とテーブルとを用いてランダムに決定すればよい。)。例えば、変動パターンが非リーチ変動パターンである場合には、「6 保 4」又は「7 保 5」を最終停止図柄として決定する(どちらにするかは、乱数値とテーブルとを用いてランダムに決定すればよい。)。「保」は、保留が変化すること示す、第1保留変化演出で使用される特殊図柄である。上記のように、ここでは、最終停止図柄を構成する飾り図柄のうち特殊図柄以外の図柄は、チャンス目を構成しないようになっている。つまり、チャンス目崩れが最終停止図柄に決定されることはない。なお、チャンス目崩れとは、最終停止図柄停止前(最後の飾り図柄の停止前)にチャンス目を期待させる組合せをいい、この実施の形態では、「左」→「右」→「中」の順に飾り図柄が停止するので、最終停止図柄のうちの「左」の飾り図柄(飾り図柄表示エリア5Lに表示される飾り図柄)と「右」の飾り図柄(飾り図柄表示エリア5Rに表示される飾り図柄)とが先読みチャンス目のチャンス目と一致する組合せをいう。
第1保留変化演出情報が格納されていない場合(ステップS325;No)、今回の変動パターン及び今回の表示結果(表示結果指定コマンド格納領域に格納された表示結果指定コマンドによって指定される表示結果)に応じた飾り図柄の組合せを最終停止図柄(確定飾り図柄)として決定する(ステップS327)。例えば、今回の表示結果が「大当り」のときには、「4 4 4」、「5 5 5」、「6 6 6」、「7 7 7」のいずれかを最終停止図柄として決定する。今回の表示結果が「ハズレ」のときは、今回の変動パターンがリーチ変動パターンであれば、予め用意された複数のリーチハズレ組合せのうちのいずれかを最終停止図柄として決定し(どのリーチハズレ組合せにするかは、乱数値とテーブルとを用いてランダムに決定すればよい。)、今回の変動パターンが非リーチ変動パターンであれば、予め用意された複数の非リーチ組合せのうちのいずれかを最終停止図柄として決定する(どの非リーチ組合せにするかは、乱数値とテーブルとを用いてランダムに決定すればよい。)。ここで最終停止図柄として決定され得るリーチハズレ組合せと非リーチ組合せとしては、上記チャンス目崩れが含まれる(上記チャンス目そのものも除外される。)。これによって、「左」の停止図柄と「右」の停止図柄とが停止したときに、これら停止図柄がチャンス目の一部を構成していた場合に、チャンス目が成立する場合(ステップS324を実行した場合)と成立しない場合(ステップS327を実行した場合)とを存在させることができる(「左」と「右」で図柄が停止したタイミングでチャンス目が確定してしまうことを防止できる(特に非リーチの場合))。
なお、最終停止図柄をランダムに決定するときには、偶数の飾り図柄が停止表示されるよりも、奇数の飾り図柄が停止するときの方が大当り期待度が高くなるような決定を行ってもよい。
ステップS324のあとは、シフト後の第1始動入賞時コマンドバッファ又は第2始動入賞時コマンドバッファに第1保留変化演出情報が格納されているかを判定する(ステップS330)。
第1保留変化演出情報が格納されている場合(ステップS330;Yes)、また、ステップS326のあとは、第1保留変化演出情報が示す種類の第1保留変化演出を実行することを決定する(ステップS331)。ステップS331では、ステップS324又はS326で決定した最終停止図柄のうち、「中」の停止図柄を特殊図柄に差し替えるとともに(ステップS326の処理によって、すでに特殊図柄になっているときには、差し替え不要である。)、第1保留変化演出情報が第1保留変化演出(青)を実行することを示す場合には、第1保留変化演出情報に対応する保留表示番号に対応した保留表示画像(ターゲットの保留表示画像)を青に変化させる第1保留変化演出を実行すると決定し、第1保留変化演出情報が第1保留変化演出(赤)を実行することを示す場合には、第1保留変化演出情報に対応する保留表示番号に対応した保留表示画像(ターゲットの保留表示画像)を赤に変化させる第1保留変化演出を実行すると決定する。その後、当該第1保留変化演出情報を削除する(ステップS332)。これによって、第1保留変化演出は、当該演出の実行決定後に最初に実行される可変表示のみで実行されることになる。
ステップS332のあと、ステップS327のあと、第1保留変化演出情報が格納されていない場合(ステップS330;No)、今回の変動パターンや上記の決定結果などに応じた演出制御パターンを今回の飾り図柄の可変表示に使用する使用パターンとして設定する(ステップS333)。具体的には、今回の変動パターンが指定する態様かつ上記で決定した最終停止図柄(特殊図柄への差し替えがあったときには、差し替え後の最終停止図柄)を確定飾り図柄として導出表示させる態様で飾り図柄の可変表示を実行する演出制御パターンを今回の使用パターンとして設定する。また、上記第1保留変化演出を実行すると決定した場合には、決定した種類の第1保留変化演出を実行する演出制御パターンを今回の使用パターンとして設定する。
ステップS333のあとには、表示制御部31は、例えば今回の変動パターンに対応する特図変動時間に応じたタイマ値を、VRAMなどの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマに初期値として設定する(ステップS334)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄の変動を開始させる(ステップS327)。このときには、例えばステップS333にて使用パターンとして設定された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて、画像表示装置5を制御し(映像信号の送信等。以下制御について同じ。)、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させる。
その後、保留表示画像の表示の更新設定を行う(ステップS336)。例えば、第1特図保留記憶数減算指定コマンドを受信しているとき(第2演出制御コマンドのヘッダとして受信しているとき)には、画像表示装置5を制御して表示エリア5Hの左の領域5Haの最も左の第1保留表示画像を消去し、他の第1保留表示画像それぞれを左隣の表示位置にシフトさせる(第1保留表示画像が一つのときは、当該第1保留表示画像の消去のみが行われる。)。例えば、第2特図保留記憶数減算指定コマンドを受信しているとき(第2演出制御コマンドのヘッダとして受信しているとき)には、画像表示装置5を制御して表示エリア5Hの右の領域5Hbの最も左の第2保留表示画像を消去し、他の第2保留表示画像それぞれを左隣の表示位置にシフトさせる(第2保留表示画像が一つのときは、当該第2保留表示画像の消去のみが行われる。)。
その後、高ベースフラグがオン状態であるかを判定し(ステップS337)、オン状態のときには(ステップS337;Yes)、時短残回数が表示されているので(図36)、変動パターン指定コマンド格納領域に格納された第2演出制御コマンド(変動パターン指定コマンドをヘッダとして有する第2演出制御コマンド)のフッタによって特定される時短残回数(時短状態中に実行可能な可変表示の残りの実行回数)を画像表示装置5に更新表示する制御を行う(ステップS338)。
ステップS338、高ベースフラグがオフ状態のとき(ステップS337;No)、演出プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS339)、可変表示開始設定処理を終了する。
ステップS172の可変表示中処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。図32は、可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。
可変表示中処理において、表示制御部31は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、今回の変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御パターンに含まれるデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS551;No)、現在が第1保留変化演出実行期間であるかを判定する(ステップS552)。当該期間は、演出制御パターンなどによって規定されていればよい。現在が第1保留変化演出実行期間である場合(ステップS552;Yes)、表示制御部31は、例えば、現在設定されている演出制御パターンに含まれる、第1保留変化演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)のうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データに基づいて、第1保留変化演出を実行する演出動作制御(基本的には、画像表示装置5を制御して演出画像を表示させる制御であるが、スピーカ8L、8Rから音声を出力させたり、遊技効果ランプ9などに点灯/消灯駆動を行なわせたりする演出を実行するためにランプコマンドや音声コマンドを第1演出制御基板12に送信してもよい。以下、演出動作制御について同じ。)を行う。タイマ割り込み毎にステップS552が繰り返し実行されることで、第1保留変化演出の実行が実現される。
なお、第1保留変化演出では特殊図柄を含む最終停止図柄を一端仮停止させたあと(例えば、わずかに揺動させながら停止させるなど)、ターゲットの保留表示画像の表示色を変化させる(図34)。なお、仮停止させた最終停止図柄はその後に完全停止し、可変表示が終了する(後述のステップS572)。このように、第1保留変化演出では、特殊図柄が、第1保留変化演出が実行されないときによりも、仮停止によって早く停止するので、最終停止図柄の導出前において保留表示図柄を変化させる期間を確保することができる。なお、第1保留変化演出の実行時、特殊図柄以外の飾り図柄(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rで可変表示される飾り図柄)の停止タイミング(仮停止タイミング)は、第1保留変化演出を実行していないときと同じとするとよい。また、特殊図柄の停止タイミングを第1保留変化演出を実行していないときと同じとしてもよい(この場合、当該停止タイミングは、後述のステップS572の最終停止図柄停止タイミングなどになる)。
ステップS553のあと、現在が第1保留変化演出実行期間でない場合(ステップS552;No)、表示制御部31は、現在がリーチ演出実行期間であるかを判定する(ステップS554)。当該実行期間は、演出制御パターンなどによって規定されていればよい。当該実行期間である場合(ステップS554;Yes)、表示制御部31は、例えば、現在設定されている演出制御パターンに含まれる、リーチ演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)のうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データに基づいて、リーチ演出を実行する演出動作制御を行う(ステップS555)。タイマ割り込み毎にステップS555が繰り返し実行されることで、リーチ演出の実行が実現される。
ステップS555のあと、又は、リーチ演出実行期間でない場合(ステップS554;No)、表示制御部31は、現在設定されている演出制御パターンに従ったその他の演出動作制御(例えば、飾り図柄の可変表示を実行するための演出動作制御など)を行う(ステップS556)。ステップS556のあと、可変表示中処理は終了する。
ステップS551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS551;Yes)、図柄確定指定コマンドの受信があったか否か(第2演出制御コマンドのヘッダとして受信があったか否か)(対応する受信フラグがオンであるか否かなど)を判定する(ステップS571)。このとき、当該コマンドの受信がなければ(ステップS571;No)、可変表示中処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS561にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS571;Yes)、例えば画像表示装置5を制御して、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄を導出表示させる(ステップS572)。最終停止図柄は、ステップS171で決定した最終停止図柄(特殊図柄の差し替え処理が行われたときには特殊図柄を含む)である。最終停止図柄が先読みチャンス目のチャンス目であるときには、当該チャンス目の停止によって先読みチャンス目が実行される。第1保留変化演出を実行しているときには、仮停止させている最終停止図柄(特殊図柄を含む組合せの飾り図柄)を完全停止させて停止図柄を確定させる(例えば、揺動を停止させて完全停止させる)。なお、導出表示の制御内容は例えば演出制御パターンにて規定されていればよいが、例えば最終停止図柄のデータをVRAMなどに保持しておき、保持したデータに基づいて最終停止図柄を導出表示してもよい。ステップS572のあとには、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS573)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS574)、可変表示中処理を終了する。
なお、ステップS572において、特殊図柄を初めて停止させてもよい。この場合、当該可変表示終了後に保留表示画像を変化させるようにしてもよい。
タイマ割り込み毎にステップS172が繰り返し実行されることで、飾り図柄の可変表示、第1保留変化演出、リーチ演出などの各種演出の実行が実現する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。
特図当り待ち処理において、表示制御部31は、当り開始指定コマンドの受信があったか否か(第2演出制御コマンドのヘッダとして受信があったか否か)を判定する。そして、当り開始指定コマンドの受信があったと判定した場合には、大当り中演出(大当り遊技状態中に実行される演出)の実行設定を行う。当該大当り中演出は、大当り遊技状態中に実行される演出のうちファンファーレ開始からエンディングの前までの演出である。大当り中演出の実行設定では、例えば、上記大当り中演出を実行するための演出制御パターンを使用パターンに設定し、使用パターンとして設定した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。その後、演出プロセスフラグの値を“4”に更新し、特図当り待ち処理を終了する。
一方で、当り開始指定コマンドの受信がまだないと判定した場合には、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したかを判定する。例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が「0」であるかを判定することで、待ち時間の経過を判定する。1減算後のタイマ値が「0」でない場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間は経過していないことになるので、そのまま本処理を終了する。
1減算後のタイマ値が「0」である場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していることになるので、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、本処理を終了する。
ステップS174の当り中処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。
当り中処理において、表示制御部31は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして設定された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)に基づいて、演出動作制御を行う。
当り中処理では、さらに、当り終了指定コマンドを受信したか(第2演出制御コマンドのヘッダとして受信があったか)を判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出プロセスフラグの値を更新せずに当り中処理を終了する。また、当り終了指定コマンドを受信した場合には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新して当り中処理を終了する。
なお、上記更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターンを使用パターンとして設定し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。エンディングの演出制御パターンは、予め設定されていればよい。
タイマ割り込み毎にステップS174(特に上記演出動作制御)が繰り返し実行されることで、ステップS173で実行設定した大当り中演出の実行が実現する。
ステップS175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。
エンディング処理において、表示制御部31は、エンディング実行期間が経過したかを判定する。例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御パターンに含まれるデータが終了コードであるか否かを判定することによって、エンディング期間が経過したかを判定する。
前記演出制御パターンに含まれるデータが終了コードでなく、エンディング実行期間が経過していない場合、使用パターンとして設定された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、前記で1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)に基づいて、エンディングの演出動作制御を行い、本処理を終了する。前記演出制御パターンに含まれるデータが終了コードであり、エンディング実行期間が経過した場合、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、本処理を終了する。
タイマ割り込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、当り中処理で実行設定されたエンディングの演出の実行が実現する。
なお、上記一連の処理において、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新するときには、1回の可変表示等が終了したことになるので、演出制御プロセスタイマや、各種フラグの状態やカウンタの値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットするとよい。
(演出画面等)
上記一連の処理で実現される演出画面の一例について説明する。
まず、図33を参照して先読みチャンス目について説明する。先読みチャンス目の実行が決定されたあと(ターゲットの保留発生後)、次の可変表示が開始されると(図33(A)、保留表示画像Tがターゲットである。)、これ以降で先読みチャンス目が実行される。前記次の可変表示が非リーチであるとすると、非リーチチャンス目(5 5 3)が最終停止図柄(確定飾り図柄)として導出表示される(図33(B))。その後、次変動(次の可変表示)が開始される(図33(C))。当該可変表示でリーチ成立があるとすると、リーチチャンス目(5 3 5)が最終停止図柄(確定飾り図柄)として導出表示される(図33(D))。その後、ターゲットの変動(可変表示)が開始される(図33(E))。このように、ターゲット前の各可変表示でチャンス目が導出表示されることで、先読みチャンス目が実行される(なお、図24では先読みチャンス目Bが実行されている)。
次に、図34を参照して第1保留変化演出について説明する。第1保留変化演出の実行が決定されたあと(ターゲットの保留発生後)の次の可変表示(図34(A))において、図柄確定指定コマンド受信前に特殊図柄を含む最終停止図柄を仮停止する(図34(B))。このとき、各図柄は、揺動等して完全に停止はしていないものとする。その後、ターゲットである保留表示画像Tの表示色が赤又は青に変化し(図34(C))、その後、特殊図柄を含む最終停止図柄は完全停止して停止図柄として確定する(図34(D))。
次に、図35を参照して第1保留変化演出と先読みチャンス目Bとの関係を説明する。この実施の形態では、同じターゲットについて第1保留変化演出と先読みチャンス目Bとを実行すると決定した場合には、高い確率で第1保留変化演出の実行がキャンセルされる(ステップS678など)。一方、第1保留変化演出の実行時の飾り図柄の可変表示の最終停止図柄は、先読みチャンス目Bとともに実行されない限りチャンス目崩れとならない(ステップS331、S326など)。上記のように、第1保留変化演出は、ほとんどの場合、先読みチャンス目Bとともに実行されないので、第1保留変化演出の実行時の最終停止図柄がチャンス目崩れとなる割合はチャンス目崩れとならない割合よりも低い。このように、この実施の形態では、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5R(特殊図柄が停止する「中」の飾り図柄表示エリアを5Cとは異なる位置)にて先読みチャンス目Bのチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されたときには(先読みチャンス目Bのチャンス目発生の可能性があるとき)(図35(A))、先読みチャンス目Bのチャンス目が最終停止図柄として導出表示される可能性(先読みチャンス目Bのチャンス目が成立する可能性)が、当該チャンス目が成立せずに特殊図柄を含むチャンス目崩れの組合せが最終停止図柄として導出表示される可能性よりも高くなっている(図35(B)及び(C))。また、別の観点から捉えると、特殊図柄が表示されるときには、先読みチャンス目Bのチャンス目を構成する飾り図柄(ここでは、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて表示される飾り図柄)が停止する可能性が低くなっているともいえる。
また、図36に示すように、この実施の形態では、時短状態のときに、時短残回数が表示され、可変表示が実行されるごとに、当該表示された回数が減っていく。
(他の例1)
なお、先読みチャンス目Bを実行する場合には、第1保留変化演出を実行しないようにしてもよい。この場合、表示制御部31は、例えば、図37及び図38に示す処理を実行する。
表示制御部31は、ステップS674B(図27)で、Noと判定した場合に、図37の処理を行う。表示制御部31は、まず、先読みチャンス目の実行の有無などを決定する(ステップS675)。その後、ステップS675で先読みチャンス目Bを実行すると決定したかを判定し(ステップS691)、先読みチャンス目Bを実行すると決定している場合(ステップS691;Yes)、第1保留変化演出の実行の有無などを決定する(ステップS678)。ステップS675、S678は、図27のステップS675、S678と同じであるが、各演出(先読みチャンス目A、先読みチャンス目B、第1保留変化演出(青)、第1保留変化演出(赤))の決定割合は、上記大当り期待度の関係を満たすような決定割合とする(参照テーブルにおいて設定する決定値の範囲を調整すればよい)。ステップS678のあと、先読みチャンス目Bを実行すると決定していない場合(ステップS691;No)、図27のステップS679以降の処理を実行する。
また、表示制御部31は、図31の可変表示開始設定処理において、図38の処理を行う。表示制御部31は、まず、先読みチャンス目の実行の有無などを決定する(ステップS675)。表示制御部31は、まず、図31のステップS321と同様の処理を行い、シフト後の記憶内容において先読みチャンス目情報が格納されているかを判定する(ステップS381)。当該処理は、図31のステップS323と同様の処理である。先読みチャンス目情報が格納されている場合(ステップS381;Yes)、今回の変動パターン、先読みチャンス目の種類に応じたチャンス目を最終停止図柄として決定する(ステップS382)。当該処理は、図22のステップS324と同様の処理である(但し、チャンス目は、「7」や「6」を含むものであってもよい。)。
先読みチャンス目情報が格納されていない場合(ステップS381;No)、シフト後の記憶内容において第1保留変化演出情報が格納されているかを判定する(ステップS383)。当該処理は、ステップS325と同様の処理である。第1保留変化演出情報が格納されている場合(ステップS383;Yes)、変動パターンに応じた最終停止図柄(チャンス目崩れ及びチャンス目以外の最終停止図柄)を決定する(ステップS384)。当該処理は、ステップS326と同様の処理である(但し、最終停止図柄は、「4」や「5」を含むものであってもよい。)。
第1保留変化演出情報が格納されていない場合(ステップS383;No)、変動パターンに応じた最終停止図柄(チャンス目崩れであってもよいが、チャンス目以外)を決定する(ステップS385)。当該処理は、図22のステップS327と同様の処理である(最終停止図柄を構成する飾り図柄は適宜調整してもよい)。ステップS382のあとは、シフト後の記憶内容において第1保留変化演出情報が格納されているかを判定する(ステップS391)。当該処理は、ステップS325と同様の処理である。
第1保留変化演出情報が格納されている場合(ステップS391;Yes)及びステップS384のあとは、第1保留変化演出情報が示す種類の第1保留変化演出の実行決定を行う(ステップS392)。ステップS392の処理は、ステップS331の処理と同様である。ステップS392の処理のあとは、第1保留変化演出情報を消去する(ステップS393)。ステップS393の処理は、ステップS332の処理と同様である。
ステップS393のあと、第1保留変化演出情報が格納されていない場合(ステップS391;No)、ステップS385のあとは、ステップS333以降の処理が実行される。
このように、この例では、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5R(特殊図柄が停止する「中」の飾り図柄表示エリアを5Cとは異なる位置)にて先読みチャンス目Bのチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されたときには、特殊図柄を含むチャンス目崩れの組合せが最終停止図柄として導出表示されることが禁止されている。また、特殊図柄が表示されるときには、先読みチャンス目Bのチャンス目を構成する飾り図柄(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて表示される飾り図柄)が停止されなくなっているともいえる。
(他の例2)
また、第1保留変化演出を実行するときには先読みチャンス目を実行ないようにしてもよい。この場合、表示制御部31は、例えば、図39及び図40に示す処理を実行する。
表示制御部31は、ステップS674B(図27)で、Noと判定した場合に、図39の処理を行う。表示制御部31は、まず、第1保留変化演出の実行の有無などを決定する(ステップS678)。その後、ステップS678で第1保留変化演出を実行すると決定したかを判定し(ステップS691B)、第1保留変化演出を実行すると決定している場合(ステップS691B;Yes)、先読みチャンス目の実行の有無などを決定する(ステップS675)。ステップS675、S678は、ステップS675、S678と同じであるが、各演出(先読みチャンス目A、先読みチャンス目B、第1保留変化演出(青)、第1保留変化演出(赤))の決定割合は、上記大当り期待度の関係を満たすような決定割合とする(参照テーブルにおいて設定する決定値の範囲を調整すればよい)。ステップS678のあと、第1保留変化演出を実行すると決定していない場合(ステップS691B;No)、ステップS679以降の処理を実行する。
また、表示制御部31は、図31の可変表示開始設定処理において、図40の処理を行う。図40の処理は、図38の処理からステップS391〜S393の処理を除いたものである(詳細な説明は図38の説明を参照。)。
このように、この例では、特殊図柄が表示されるときには、先読みチャンス目Bのチャンス目を構成する飾り図柄が停止されなくなっている。また、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5R(特殊図柄が停止する「中」の飾り図柄表示エリアを5Cとは異なる位置)にて先読みチャンス目のチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されたときに、特殊図柄を含むチャンス目崩れの組合せが最終停止図柄として導出表示されることが禁止されているともいえる。
(上記実施形態等の効果その1)
上記実施形態等では、先読みチャンス目のチャンス目を構成する飾り図柄が「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて停止されたときにおいて(当該チャンス目が導出表示される可能性があるときにおいて)、第1保留変化演出の実行(特殊図柄の停止)が制限(上記のように、実行割合を下げることを含むし、実行割合を「0」にする禁止も含む。制限について同じ。)される(図35など)(特に他の例2参照)。さらに、先読みチャンス目Bのチャンス目を構成する飾り図柄が「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて停止されたときにおいて(当該チャンス目が導出表示される可能性があるときにおいて)、第1保留変化演出の実行(特殊図柄の停止)が制限される(図35など)。また、特殊図柄が停止するときには、特殊図柄の停止位置(「中」の飾り図柄表示エリア5C)以外で、先読みチャンス目Bのチャンス目を構成する飾り図柄が「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて停止されることが制限される(図35など)。このため、先読みチャンス目(特に先読みチャンス目B)が実行される可能性があるときに、先読みチャンス目Bよりも大当り期待度の低い第1保留変化演出が実行されて遊技者が落胆してしまうことを抑制できる。
また、先読みチャンス目が実行されるときには、他の保留記憶をターゲットとした第1保留変化演出の実行が制限されるので、他の契機によって特殊図柄が停止して先読みチャンス目が実行されないことを防止でき、遊技者が落胆してしまうことを抑制できる。
(上記実施形態等の効果その2)
上記実施形態等では、第2演出制御コマンドのヘッダとして特定コマンドを第1演出制御基板12から第2演出制御基板30に送信するときにのみ、チェックサムを付随して送信する。このため、全てのコマンドについてチェックサムを計算する必要がないので処理負担が軽減する。また、第1演出制御コマンド12で管理する時短残回数の情報を第1演出制御コマンドとともに第2演出制御コマンドに含ませて一緒に第2演出制御基板30に送信する。一般に同じデータ量の情報を送信する場合には、複数回で送信するよりも1回で送信した方が処理負担は少ない。この実施の形態では、時短残回数の情報を第1演出制御コマンドとともに送信するので、時短残回数の情報と第1演出制御コマンドとを個別に送信するよりも処理負担を軽減できる。
また、この実施の形態では、第2演出制御基板30(表示制御部31のVDPなど)が立ち上がったときに、立ち上がり信号を第2演出制御基板30から第1演出制御基板12に送って、立ち上がりを知らせる。第2演出制御基板30は、画像処理系のVDPなどを含むため、その立ち上がりが遅い場合があるが、前記のように立ち上がりを第1演出制御基板12に知らせるので、第1演出制御基板12は、当該立ち上がりを把握でき、第2演出制御基板30が立ち上がる前に第1演出制御基板12が通常動作を開始してしまうといった不都合を解消できる。また、第1演出制御コマンドは、上位と下位との数値データの取り得る範囲が異なるので、当該コマンドの上位及び下位を明確に把握できる。また、第2演出制御基板30は、第1演出制御基板12に正常動作信号を定期的に送信するので、第1演出制御基板12側で第2演出制御基板30が正常に動作しているかを監視できる。また、第2演出制御基板30は、チェックサム付きの第2演出制御コマンドを受信したときに、当該コマンドの整合性をチェックサムに基づいて確認し、整合の有無に応じたコマンド受信信号(整合)又は(非整合)を第1演出制御基板12に送信し、第1演出制御基板12は、チェックサム付きの第2演出制御コマンドを送信したあとにコマンド受信信号を受信できないときに第2演出制御基板30にリセット信号を供給する。このようにすることで、第1演出制御基板12側では、送信したコマンドが異常であるか、第2演出制御基板30が異常であるかを特定できる(第1演出制御基板12側では送信コマンドが異常であるか、第2演出制御基板30が異常であるかに応じて異なる処理(異常やその異常がコマンド異常なのか第2演出制御基板30の異常なのかなどを報知する処理などであってもよい。)を実行することもできる)。
(上記実施形態等の少なくとも一部を一例とする構成など)
次に、上記実施形態等の少なくとも一部を一例とする構成などについて説明するが、下記の構成は、適宜一部省略してもよいし、一部のみを採用してパチンコ遊技機1を構成してもよい。
上記実施形態等では、上記構成によって、可変表示(例えば、飾り図柄の可変表示など)を実行し、所定条件が成立したとき(例えば、大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されたときなど)に遊技者にとって有利な特定状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御する遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)が構成されることになる。
さらに、可変表示に対応する特定表示(例えば、保留表示画像)を表示する特定表示手段(例えば、保留表示画像を表示する表示制御部31など)と、可変表示において特殊識別情報(例えば、特殊図柄など)を停止させてから前記特定表示の表示態様を変化させる変化演出(例えば、第1保留変化演出など)を実行する変化演出実行手段(例えば、ステップS172を実行する表示制御部31など)と、可変表示を特定態様(例えば、チャンス目など)により停止させ、前記所定条件の成立期待度を予告する予告演出(例えば、先読みチャンス目など)を実行する予告演出実行手段(例えば、ステップS172を実行する表示制御部31など)と、が構成されることになる。
なお、上記特定表示は、実行中の可変表示に対応して表示されるアクティブ表示(例えば、実行中の可変表示を表す表示)などであってもよい。例えば、画像表示装置5の表示画面にアクティブ表示を表示する表示領域を設け、実行が開始される保留表示画像が当該表示領域に移動してアクティブ表示として表示されるようにすればよい。つまり、アクティブ表示は、保留表示画像が移動したものであってもよい(このとき、表示態様は引き継ぐとよい。)。なお、アクティブ表示は、当該対応する可変表示の実行中に表示が終了してもよいし、可変表示終了時まで表示されてもよいし、途中で消えて再度表示されてもよい。
上記特定表示の表示態様は、表示色の他、形状、大きさ、点滅/非点滅、文字や記号の有無などであってもよい。
上記特殊識別情報(特殊図柄)の停止は、完全停止(導出表示)の他、仮停止も含む。例えば、特定表示がアクティブ表示のときには、変化演出において、特殊識別情報を仮停止(例えば、擬似連変動における仮停止など)してアクティブ表示の表示態様を変化させるようにしてもよい(この場合、例えば、先読み判定結果の他、変動開始時に、変動パターンや可変表示結果に基づいて変化演出(この場合、変化演出は、例えば実行中の可変表示の大当り期待度(所定条件の成立期待度)などを予告する。)の実行の有無やその種類(実行する変化演出の種類であり、特定表示の表示態様など)を決定するようにしてもよい。)。特定表示が保留表示画像のときにも、特殊識別情報を仮停止してアクティブ表示の表示態様を変化させるようにしてもよい。このようなことは、演出制御パターンなどで規定されていればよい。特殊識別情報(上記特殊図柄)は、普段から変動するものでなく、可変表示において停止時(停止前の所定期間を含む。)に初めて登場するものであってもよい(上記実施形態における特殊図柄についても同様)。可変表示(識別情報の可変表示)で仮停止又は完全停止される識別情報(特殊識別情報を含む。)は、可変表示当初から変動するものであってもよいし、途中から登場するものであってもよい。
なお、上記擬似連変動とは、飾り図柄の可変表示などを仮停止(仮停止される図柄は、可変表示中に変動していた図柄でなくてもよく、仮停止専用の図柄が使用されてもよい。)させてから、当該可変表示を再開させる演出である。擬似連は、変動パターンによって指定してもよいし、第1演出制御基板12側で実行の有無などを決定してもよい。なお、擬似連は、一般的には、仮停止の数が多いほど大当り期待度が高い。
特殊識別情報は、上記では「保」の特殊図柄であるが、他の識別情報(キャラクタ、図形など)であってもよい。但し、可変表示される他の識別情報とは異なる特殊な識別情報(特殊な飾り図柄)であることが望ましい(例えば、特定表示の表示態様を変化させることを遊技者に認識させることが可能な態様のものなど)。特殊図柄などの特殊識別情報を複数種類用意してもよく、この場合、特殊識別情報の種類(例えば、複数種類の特殊図柄のうちのどれで停止させるか)に応じて大当り期待度などの前記成立期待度を異ならせるように、特殊識別情報の種類(変化演出の種類)を決定するようにしてもよい(例えば、テーブルの決定値等で調整すればよい。他の場合でも同じ。)。特殊識別情報が停止しても、特定表示の表示態様を変化させない所謂ガセの演出パターンがあってもよい。
予告演出での前記特定態様は、チャンス目などであればよく、特定態様の停止も完全停止(導出表示)と仮停止とを含む。仮停止の場合には、予告演出は、擬似連(識別情報を一度仮停止させ、再度可変表示を再開する演出)のチャンス目仮停止などであればよい。擬似連のチャンス目仮停止では、実行中の可変表示での所定条件の成立期待度(大当り期待度など)を予告してもよいし(この場合には、変動パターンなどに基づいて、擬似連のチャンス目仮停止の実行の有無などを決定すればよい。)、保留中のターゲットの可変表示での所定条件の成立期待度(大当り期待度など)を予告してもよい。予告演出での可変表示が特定態様で停止するとは、変動している識別情報が特定の組合せで停止する他、前記特殊識別情報とは異なる特別な特別識別情報を含む組合せで停止することなどを含む。
成立期待度は、上記特定状態になる割合などである。なお、特定状態は、確変状態、時短状態などの遊技状態であってもよく、この場合の成立期待度は、確変期待度や時短期待度になる。成立期待度は、上記でも言及したように、スーパーリーチの実行など可変表示が特定態様になることの期待度(所定条件の成立期待度に依存する期待度など)によって表されてもよい。
変化演出における特殊図柄の停止と、予告演出における特定態様による停止とのうち、一方を仮停止、他方を完全停止(導出表示)としてもよいし、両方を仮停止又は完全停止としてもよい。特殊識別情報を完全停止させる変化演出の場合には、特定表示の表示態様を可変表示終了後に変化させればよい。また、特殊識別情報を仮停止させる変化演出の場合には、特定表示の表示態様を可変表示終了前(完全停止前)に変化させてもよく、特定表示の表示態様を可変表示終了後(完全停止後)に変化させてもよく、特定表示の表示態様を可変表示終了前後(完全停止前後)に亘る一定期間かけて、徐々に変化させたり、キャラクタなどの所定画像を表示してから変化させたりしてもよい。
なお、上記可変表示は、識別情報などを複数箇所で変動させることのほか、識別情報などを一箇所で変動させることであってもよい。
上記では、予告演出及び変化演出についてそれぞれ2種類用意したが、少なくとも一方を1種類又は3種類以上としてもよい。
また、上記実施の形態では、先読み判定は、ターゲットの可変表示結果が「大当り」となるか否かの判定となっているが、スーパーリーチが実行されるか否かの判定などであってもよく(例えば、入賞時乱数値判定処理にて、乱数値MR3に基づいて図17のテーブルを参照して当該判定を行えばよい)、上記各先読み予告は、スーパーリーチが実行される可能性(期待度)を予告するものであってもよい。先読み予告(特に上記予告演出など)は、スーパーリーチなどが実行される可能性(可変表示が所定の態様になる可能性)などを予告することで、上記所定条件の成立期待度(大当り期待度など)を予告するものであってもよい。上記予告演出や変化演出が実行中の可変表示の所定条件の成立期待度(大当り期待度など)を予告する場合であっても、スーパーリーチなどが実行される可能性(可変表示が所定の態様になる可能性)などを予告することで(変動パターン等に基づいて予告演出や変化演出の実行の有無や種類を決めるとよい。)、上記所定条件の成立期待度(大当り期待度など)を予告するものであってもよい。
さらに、上記実施形態等では、上記構成によって、可変表示が前記特定態様により停止する可能性がある状態において、前記変化演出の実行を制限する変化演出実行制限手段(例えば、ステップS677、S678及びステップS326や、他の例2の処理などを実行する表示制御部31など)が構成される。当該構成は、上記のように、予告演出の実行の有無などを優先して変化演出の実行を制限することで実現され、変化演出の実行の有無などを決めてから予告演出の実行を制限することで実現され、変化演出の実行時に特定態様の一部が停止しないようにすることによって実現される(以下、同様。)。
可変表示が特定態様で停止する(特定態様により停止する)可能性がある状態は、可変表示が、特定態様の一部を構成する態様となっている状態であればよい。特に、可変表示が、複数箇所で識別情報を可変表示するものであるときには、可変表示が特定態様で停止する可能性がある状態は、例えば、複数箇所の一部(特殊識別情報が停止しない箇所など)で前記特定態様の一部を構成する識別情報が停止している状態であればよい。可変表示が特定態様で停止する(特定態様により停止する)可能性がある状態は、上記実施の形態では、チャンス目を構成する2つの飾り図柄が停止している状態(特定態様(チャンス目)のリーチ(テンパイ)の状態)であるが、例えば、チャンス目を構成する1つの飾り図柄が停止している状態であってもよい(この場合には、例えば、ステップS326などで特殊図柄を含む停止図柄(仮停止図柄であってもよい。)の組合せを決定するときなどに、チャンス目を構成する1つの飾り図柄を停止図柄として決定しないようにする。)。
上記構成のパチンコ遊技機1によれば、可変表示が特定態様で停止する可能性があるのに(予告演出が実行される可能性があるにも係わらず)、特殊識別情報の停止によって、当該可能性が無くなるという遊技者の落胆を抑制(軽減も含む。抑制について同じ。)できる。これは、特に特定態様が所定条件の成立期待度が変化演出よりも高い予告演出のものであるときに言える。
特殊図柄(特殊識別情報)は、他の識別情報が全て停止(仮停止も含む。)し、最後に停止するものでなくてもよい。例えば、2つ目の停止図柄(「右」の飾り図柄表示エリア5Rの停止図柄)として特殊図柄を停止してもよい。この場合、1つ目の停止図柄(「左」の飾り図柄表示エリア5Lの停止図柄)によりチャンス目(特定態様)の一部が構成されることが分かることが望ましい。例えば、チャンス目としては、「3 2 1」(例えば、先読みチャンス目Bのチャンス目)と「1 2 3」(例えば、先読みチャンス目Aのチャンス目)としかないようなときには、最初に「1」又は「3」が停止することで、チャンス目成立の可能性があることが分かる。可変表示が前記特定態様で停止する可能性がある状態は、例えば、特殊図柄が停止し得る前のタイミングでの状態であればよい。また、変化演出では、特殊識別情報の停止位置以外の位置での識別情報の停止に係わらず、特殊識別情報の停止(仮停止であってもよい。)によって特定表示の表示態様を変化させてもよいし、特殊識別情報を含む全て識別情報が停止(仮停止であってもよい。)したことに基づいて特定表示の表示態様を変化させてもよい。また、変化演出は、特殊図柄(特殊識別情報)が複数箇所で停止したときに特定表示の表示態様を変化させるものであってもよい。このとき、特殊図柄の数や組合せ(表示箇所の組合せ及び/又は特殊図柄の種類の組合せ)によって、大当り期待度などを異ならせてもよい。
なお、上記実施の形態などでは、上記構成によって、前記変化演出実行手段は、前記所定条件の成立期待度が異なる複数種類の前記変化演出(例えば、第1保留変化演出(青)、第1保留変化演出(赤)など)を実行可能であり、前記変化演出実行制限手段は、実行される可能性がある前記予告演出によって予告される前記所定条件の成立期待度よりも低い前記所定条件の成立期待度の前記変化演出の実行を制限する(例えば、ステップS677、S678及びステップS326や、他の例1の処理などを実行する表示制御部31など)、ことにもなっている。
この構成によれば、可変表示が特定態様で停止する可能性があるのに(前記特定態様により停止する可能性がある状態によって所定条件の成立期待度の高い予告演出が実行される可能性があるにも係わらず)、特殊識別情報の停止によって、当該可能性が無くなるという遊技者の落胆を抑制できる。なお、上記実行される可能性がある前記予告演出によって予告される前記所定条件の成立期待度よりも高い前記所定条件の成立期待度の前記変化演出の実行については、実行を制限しないようにする又は制限度合いを前記の場合よりも小さいものとするとよい。これによって、成立期待度の高い変化演出の実行機会を確保でき遊技興趣を向上させることができる。なお、上記実行される可能性がある前記予告演出によって予告される前記所定条件の成立期待度よりも高い前記所定条件の成立期待度の前記変化演出の実行については、実行を制限しないようにするとよい。
上記実施の形態などでは、上記構成によって、可変表示において前記特殊識別情報が停止するときには当該特殊識別情報が停止しない場所において前記特定態様を構成する識別情報が停止することを制限する停止制限手段(ステップS677、S678及びステップS326や、他の例1及び2の処理などを実行する表示制御部31など)が構成されることになる。
さらに、上記実施の形態などでは、上記構成によって、可変表示において前記特定態様を構成する識別情報が停止するときには前記特殊識別情報が停止することを制限する停止制限手段(ステップS677、S678及びステップS326や、他の例1及び2の処理などを実行する表示制御部31など)が構成されることになる。
なお、上記構成などの一例として、ステップS171の最初に飾り図柄の最終停止図柄(特にハズレの最終停止図柄)を変動パターンに応じてランダムなどで決定してもよい。この場合、先読みチャンス目を実行すると決定しているとき以外には、チャンス目にならないように最終停止図柄を決定するとよい。また、決定した最終停止図柄がチャンス目崩れの場合には、第1保留変化演出の実行を一定割合で又は必ずキャンセルするようにしてもよい。同様に、例えば、ステップS326にて決定する最終停止図柄がチャンス目崩れであってもいいようにしてもよく、チャンス目崩れになったときには、第1保留変化演出の実行を一定割合で又は必ずキャンセルするようにしてもよい。第1保留変化演出の実行をキャンセルしても、特殊図柄の停止のみをキャンセルし、保留表示画像の表示態様は変化させるようにしてもよい(変化タイミングは可変表示開始など適宜のタイミングでよい。)。
これら構成によれば、上記構成と同様の理由で遊技者の落胆を抑制できる。特に、上記構成のように、所定条件の成立期待度の高い予告演出が実行される可能性があるときに、上記2つのいずれかの構成を採用することによって、遊技者の落胆を抑制できる。
さらに、上記実施の形態などでは、上記構成によって、前記予告演出は、未だ開始されていない可変表示での前記所定条件の成立期待度を予告する演出であることになり、この構成によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、上記実施の形態などでは、上記構成によって、前記特定表示は、未だ開始されていない可変表示に対応し、前記予告演出は、未だ開始されていない可変表示での前記所定条件の成立期待度を予告する演出であり、前記変化演出実行制限手段は、前記予告演出が実行されるときに、当該予告演出の対象となる可変表示以外の可変表示に対応する前記特定表示を対象とした前記変化演出の実行を制限する(例えば、ステップS674Bを実行する表示制御部31など)、ことになる。
この構成によれば、他の契機によって特殊識別情報が停止して予告演出が実行されないことによって遊技者が落胆してしまうことを抑制できる。また、上記実施の形態では、予告演出の実行時には、他のターゲットについて特殊識別情報の停止無しに特定表示の表示態様を変化させる第2変化演出(第2保留変化演出)を実行するようにしているので、特定表示の表示態様を変化させる機会を確保できる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(上記実施形態等の少なくとも一部を一例とする構成など。その2)
次に、上記実施形態等の少なくとも一部を一例とする構成などについて説明するが、下記の構成は、適宜一部省略してもよいし、一部のみを採用してパチンコ遊技機1を構成してもよい。
遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、コマンド(例えば、第1演出制御コマンドなど)を送信する第1制御手段(例えば、第1演出制御基板12など)と、前記第1制御手段が送信したコマンドを受信し、受信したコマンドに応じた制御(例えば、スピーカ8L、8Rに対する音声出力制御など)を行う第2制御手段(例えば、第2演出制御基板12など)と、を備え、前記第1制御手段は、送信対象のコマンドに当該送信対象のコマンドの整合性を確認するための所定情報(例えば、チェックサムなど)を付随させて送信可能であり、前記第2制御手段は、前記所定情報に基づいて、当該所定情報が付随するコマンドの整合性を判定可能であり(例えば、ステップS784など)、前記第1制御手段は、送信可能な複数種類のコマンドのうちの一部の特定コマンド(例えば、特定コマンドなど)にのみ、前記所定情報を付随させて送信する(例えば、図5、ステップS760など)、を備える遊技機。
この構成によれば、全てのコマンドについて所定情報を付加するときよりも第1制御手段や第2制御手段の処理負担を軽減できる。
上記実施の形態では、遊技機としてパチンコ遊技機1を例示しているが、上記遊技機として、例えば、スロットマシンを採用してもよい。また、第1制御手段と第2制御手段とは、異なる基板や、同じ基板における離れた部分などであってもよい。例えば、第1制御手段を主基板11として、第2制御手段を第1演出制御基板として、第1演出制御コマンドのうちの特定コマンドを送信するときにのみチェックサムを付随させて送信させるようにしてもよい。
前記所定情報は、上記実施の形態では、チェックサムとしたが、他の誤り検出符号などを採用してもよい。またチェックサムの算出方法も任意のものを使用できる。但し、上記実施の形態のように、コマンドの所定部分(上記第1演出制御コマンドのヘッダの上位バイト、又は、コマンド全体などであってもよい。)の先頭ビットのデータとは異なるように、所定情報を計算することで、コマンドの所定部分と、所定情報との区別をしやすくするとよい。なお、所定情報を付随させて送信する他の例として、所定情報と特定コマンドとを一つのコマンドとして送信してもよい。チェックサムなど所定情報の計算方法などは、任意のものを使用できる。
特定コマンドは、遊技の進行の上で特に整合性を確認する必要のある、遊技の進行において重要度の高いコマンドであることが望ましい。例えば、特定コマンドとしては、停電復旧コマンド(停電復旧時に主基板11から第1演出制御基板12に送信されるコマンド)、電源投入コマンド(停電復旧時に主基板11から第1演出制御基板12に送信されるコマンド)、大入賞口開放又は閉鎖指定コマンド(大入賞口が開放したこと又は閉鎖したことを通知するコマンド)などであってもよい。特定コマンドは、大入賞口が開放又は閉鎖したとき、可変表示が開始されるときなどに送信される遊技の進行に関連して送信されるコマンドであることが望ましい。特定コマンドは、送信可能な複数種類のコマンドのうち、遊技の進行において重要度の高いコマンドを少なくとも含む1種類以上のコマンド(前記複数種類のうちの一部の種類のコマンド)であればよい。このような特定コマンドにチェックサムなどを付随させることで、コマンドを誤認識したまま遊技が進行してしまうこと(誤った演出が実行されることなども含む。)を防止でき、遊技の興趣の低下を防止できる。さらにいうと、チェックサムなどによってコマンドの整合性を確認しながら演出を実行するとともに、チェックサムなどを送信可能なコマンドのうちの一部の種類のコマンドにのみ付随させることで、遊技が正常に進行すること(演出が正確に実行されることなど)を担保しながら、チェックサムなどの演算等による処理負担を軽減することができる。
前記第1制御手段は、前記特定コマンドに基づいて第1の演算(例えば、チェックサムの算出など)を行い、当該第1の演算の結果を前記所定情報として送信し、前記第2制御手段は、前記特定コマンドを受信したときに、受信した前記特定コマンドに基づいて第2の演算(例えば、チェックサムの算出など)を行い、当該第2の演算の結果と当該特定コマンドに付随する前記所定情報とを比較して前記特定コマンドの整合性を判定する(例えば、ステップS784など)。
この構成によれば、コマンドの整合性を担保できる。
なお、コマンドが整合していないときの対処法は任意である。上記実施の形態では、第2制御手段は、コマンドが整合していなときには、現在受信しているコマンドを全て削除しているが(ステップS784)(この場合、例えば新たなコマンドの受信まで演出がしばらく実行されないことになる。)、これに加えて又は代えて、所定期間が経過するまで(例えば、新たな変動パターン指定コマンドが送信されて新たな可変表示の実行が開始されるまで)、演出の実行を禁止してもよいし、整合していないコマンドのみを削除するようにしてもよい。コマンドに基づく演出が実行されないときは、第2演出制御基板30は、演出が実行できない旨など(「しばらくお待ちください」などの表示)を画像表示装置5に表示するようにしてもよい。
前記複数種類のコマンドは、それぞれ、上位ビット(例えば、上位バイトのデータなど)と下位ビット(例えば、上位バイトのデータなど)とを含み(例えば、図5など)、前記上位ビットが取り得る数値範囲と前記下位ビットが取り得る数値範囲とは異なる(例えば、図4、上位のMODEデータと下位のEXTデータとで数値範囲が異なるなど)。
この構成によれば、第2制御手段においてコマンドの上位ビット及び下位ビットを明確に把握できる。
特に上記実施の形態などのように、コマンドを複数のビット(上記実施の形態では8ビット)のグループに分割可能な場合に、コマンドの先頭のビットのグループ(上記実施の形態では、ヘッダの上位バイト)の先頭ビットを他のグループの先頭ビットとは異なる値にすることによって、他のビットのグループと、先頭のビットのグループとの区別を付けやすくすることができる。所定情報の先頭ビットも、コマンドの先頭のビットのグループの先頭ビットと異なるようにすることで、所定情報との区別も用意になる。このようなことは、各基板間などでやりとりされる信号、コマンドなど全ての情報について言える。
前記第2制御手段は、前記特定コマンドを受信したときに、受信した前記特定コマンドの整合性を当該特定コマンドに付随する前記所定情報により判定し(例えば、ステップS784など)、当該特定コマンドが整合している場合には第1情報(例えば、コマンド受信信号(整合)など)を前記第1制御手段に送信し、当該特定コマンドが整合していない場合には第2情報(例えば、コマンド受信信号(非整合)など)を前記第1制御手段に送信し、前記第1制御手段は、前記第1情報と前記第2情報とのいずれも受信しなかったときに、前記第2制御手段をリセットするリセット信号を前記第2制御手段に送信する(例えば、図6、ステップS719、S702など)。
この構成によれば、第2制御手段が異常のときに適切な対応ができる。
なお、第2情報を受信したときに第1制御手段が実行する処理は任意のものでよい。上記実施の形態で説明したような、コマンドなどの削除や異常報知の他、演出を一定期間実行しないなどであってもよい。
前記第2制御手段は、前記遊技機の電源投入後に動作可能なったときに動作可能になったことを示す所定信号(例えば、立ち上がり信号など)を前記第1制御手段に送信する(例えば、図6、ステップS72など)。
この構成によれば、第2制御手段が動作可能となったことを第1制御手段が把握できる。
なお、「第2制御手段が動作可能」とは初期設定等が終了して演出を実行できる状態などであればよい。第2制御手段は、「動作可能」になったときに所定信号を送信し、第1制御手段は、当該所定信号を受信してから演出制御を開始するようにすると、第2制御手段が動作可能な状態になるまでに時間が掛かったとしても、演出制御を適切に行える。
前記第2制御手段は、正常に動作していることを示す動作確認信号(例えば、正常動作信号など)を所定の周期毎に前記第1制御手段に送信する(例えば、図6、ステップS81など)。
この構成によれば、第2制御手段が正常に動作していることを第1制御手段が確認できる。
遊技の進行を制御し、遊技の進行に応じてコマンドを送信する遊技制御手段(例えば、主基板11など)をさらに備え、前記第1制御手段は、前記遊技制御手段から受信したコマンド(例えば、ヘッダに設定された第1演出制御コマンドなど)に当該第1制御手段が管理する情報(例えば、時短残回数を示すデータなど)を付加して1つのコマンド(例えば、第2演出制御コマンドなど)として前記第2制御手段に送信する(図5、ステップS757など)。
第1制御手段が管理する情報は、どのような情報(第1制御手段が記憶するコマンドなどでもよい。)であってもよい。例えば、第1制御手段も演出の実行の有無やその態様などを決定できるようにし、決定した当該演出の実行の有無などの情報を前記「第1制御手段が管理する情報」として第1制御手段から第2制御手段に送信するようにしてもよい。第2制御手段は、例えば、第1制御手段からの情報を元に演出制御(所定の演出の実行の有無などの決定を含む。)を行うようにしてもよい。
また、第1制御手段が管理する情報を、確変残回数を示すデータとしてもよい(第2演出制御基板30では、確変残回数を表示してもよい。)。例えば、パチンコ遊技機1をST機とし(例えば、確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の確変終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるようにし)、第1演出制御基板12では、確変終了条件が成立するまでの特図ゲームの残りの実行回数を確変残回数として時短残回数と同様の方法でカウントしてもよい。例えば、第1演出制御基板12では、当り終了指定コマンド(大当り種別に応じた値がEXTデータで設定されていればよい。)や表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別などに応じて確変残回数の初期値をカウンタなどに設定すればよい。このような場合、また、第2演出制御コマンドのフッタの上位バイトを、確変残回数を示すデータとし、フッタの下位バイトを、時短残回数を示すデータとしてもよい(第2演出制御基板30では、確変残回数及び時短残回数を表示してもよい。)。なお、確変残回数や時短残回数は、大当り種別によらず固定でもよく(時短と確変で異なる回数でもよい。)、この場合には、第1演出制御基板12では、大当り終了時に固定値を確変残回数や時短残回数の初期値として設定すればよい。
この構成によれば、第1制御手段が管理する情報をコマンドとは別に個別に送信するよりも第1制御手段や第2制御手段の処理負担を軽減できる。
(変形例)
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、さらに様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態などで示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下では、上記実施形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
(変形例1)
上記実施の形態では、第1演出制御基板12側で実行される演出は、第2演出制御基板30側からのコマンドに基づいて実行していたが、所定の演出については第1演出制御基板12で実行の有無の決定、演出の実行などを行ってもよい。上記実施の形態では、第1演出制御基板12は、スピーカ8L、8Rからの音声出力の制御や遊技効果ランプ9の点灯などの制御を行うので、これらを用いた演出(特に画像表示を行わない演出)については、第1演出制御基板12側で演出実行の有無の決定、演出の実行などを行ってもよい。このように、第1演出制御基板12が制御可能な電気部品を使用する演出については、第1演出制御基板12で演出の実行等を決定してもよい。また、第1演出制御基板12側で演出の実行のためのコマンドを第2演出制御基板30に供給して、第1演出制御基板12の制御のもとで第2演出制御基板30が演出画像を表示してもよい。
(変形例2)
第1演出制御コマンドは、主基板11から第1演出制御基板12を経由せずに第2演出制御基板30に送信されてもよい。但し、第1演出制御基板12を経由させた方が、例えば、上記実施の形態のように、第1演出制御基板12から送信すべき情報を第1演出制御コマンドとともに送信できたり、第1演出制御基板12でチェックサムなどを付随させることで、コマンドの誤送信があったときの対応がとれたりするので、より望ましい。また、主基板11と第1演出制御基板12とについては既存のものを使用し、第2演出制御基板30については新製品を使用する場合、主基板11と第1演出制御基板12とを使用することで、主基板11からのコマンドの送信経路について従前使用していた仕様を使用でき、第2演出制御基板30の導入が容易になる。
(変形例3)
主基板11、第1演出制御基板12、第2演出制御基板30は、互いにシリアル通信するものであっても、パラレル通信するものであってもよい。リセット信号については、専用の通信ポートを用意してもよい。第2演出制御基板30は、一連の演出についての音声出力パターンや点灯パターンを指定する音声コマンドやランプコマンドを演出の開始時に第1演出制御基板12に送信し、第1演出制御基板12による音声出力や遊技効果ランプ9の点灯と、第2演出制御基板30による画像表示とを並行して行って演出を実行するようにしてもよい。また、第2演出制御基板30は、音声出力するタイミング毎、遊技効果ランプ9を点灯させるタイミング毎に、その態様を指定する音声コマンドやランプコマンドを送信するようにしてもよい。
(変形例4)
スピーカ8L、8Rからの音声の音量、遊技効果ランプ9の点灯輝度、画像表示装置5の画面の明るさなどを調整可能な操作手段をパチンコ遊技機に設けてもよい。この場合、当該操作手段の操作信号は、第1演出制御基板12に供給され、第1演出制御基板12は、前記画面の明るさを指定する情報を第2演出制御コマンドに含ませて第2演出制御基板30に送信してもよい(又は別コマンドとして送信してもよい。)。第2演出制御基板30は、当該情報が指定する明るさで画面を表示する。なお、音声の音量、点灯輝度、画面の明るさの少なくとも2つをそれぞれ一つのコマンド(例えば、ヘッダとフッタとに分けて設定するなど)に含ませて、第1演出制御基板12から第2演出制御基板30に送信するようにしてもよい。また、プッシュボタンなどの演出用の操作手段を設けてもよい。この場合、当該演出用の操作手段の操作信号は、第1演出制御基板12に供給され、第1演出制御基板12は、操作に応じた第2演出制御コマンドに含ませて第2演出制御基板30に送信してもよい(又は別コマンドとして送信してもよい。)。第2演出制御基板30は、操作(コマンド)に応じた演出を実行する。また、電源投入後所定期間経過後までに、第1演出制御基板12が主基板11からコマンドを受信しなかったときには、第1演出制御基板12は、ロムチェック、チェックサムなどによる所定のチェックを行うようにして、その旨を第1演出制御基板12から第2演出制御基板30にコマンドとして送信してもよい(この場合、第2演出制御基板30では、ロムチェックなどをしている旨を表示するようにしてもよい。)。なお、第1演出制御基板12と第2演出制御基板30とでやりとりされるコマンドや信号などは上位の情報を固定とするなどして、コマンドや情報の種類を受信側で認識しやすくするとよい。また、第1演出制御基板12及び第2演出制御基板30は、動作確認用のLEDなどを備えるようにしてもよく、電源投入時などにおいて、当該LEDなどを所定態様で点灯等(点滅等を含む)させることで、正常に動作していることを報知するようにしてもよい。また、コマンドや各種信号の受信時に当該LEDなどを所定態様で点灯等(点滅等を含む)させることで、人間に視覚的に正常動作(コマンドなどの送受信が行われていることなど)を報知してもよい。
(変形例5)
第2演出制御基板30は、例えば、ある第2演出制御コマンドのヘッダとフッタとの間に他の第2演出制御コマンドを受信した場合など(MODEデータ(先頭ビットが「1」のデータ)と後続1バイトデータ(先頭ビットが「0」のデータ)との位置関係で分かる。)、第2演出制御コマンドを構成するデータを本来の並び順序で受信できなかったときには、現在受信している全てのコマンドをバッファなどから消去して、これらコマンドに基づいて処理しないようにするとよい。これによって、間違った演出を実行するなどの不都合を防止できる。なお、正常な順序でデータを受信したコマンドについては削除せず、非正常な順序で受信したデータのコマンドのみを削除してもよい。
(変形例6)
なお、ステップS713やS720での異常復帰処理を所定期間内に所定回数(2回以上の任意の回数)実行したとき、第2制御手段が異常である旨の報知を行ってもよい。例えば、第1演出制御基板12では、ステップS720の処理をステップS717の処理を挟まず所定回数(2回以上の任意の回数)だけ実行した場合に、第2演出制御基板30が異常である旨の報知(スピーカ8L、8Rからの音声出力及び/又は遊技効果ランプ9の点灯態様などによる報知)を行ってもよい。例えば、ステップS720を実行するごとにカウントするカウンタであって、ステップS717を実行するとカウント値がリセットされる所定のカウンタを設け、当該カウンタが所定値に達したときに報知を行う。また、第1演出制御基板12では、異常復帰処理を実行すると、所定のタイマを用いて当該異常復帰処理の実行タイミングからの経過時間を計測するとともに、計測する経過時間が所定期間に達するまでのその後の異常復帰処理の実行回数をカウントし、当該実行回数が予め定められた所定回数に達したときに、第2演出制御基板30が異常である旨の報知(スピーカ8L、8Rからの音声出力(例えば、警報音の出力)及び/又は遊技効果ランプ9の点灯態様(点滅など)などによる報知)を行ってもよい(このとき、各異常復帰処理の実行ごとに、前記経過時間の計測を個別に始めて、それぞれの経過時間について異常復帰処理の実行回数をカウントするようにしてもよい)。
上記の構成の他、第1演出制御基板12は、例えば、第2演出制御基板30の異常を所定期間内に所定回数検知したときに(コマンド受信信号の受信がない、正常動作信号の受信がないなど)、異常の報知(音声出力などによる報知)を行うようにすればよい。また、パチンコ遊技機1の電源投入後、異常の検知が所定回数に達したときに異常の報知を行うようにしてもよい。
また、各異常復帰処理における異常の報知態様と、異常復帰処理の回数が所定回数に達したときの報知態様とを異なるようにしてもよい。さらに、各異常復帰処理における異常の報知を行わず、異常復帰処理の回数が所定回数に達したときにのみ異常の報知を行うようにしてもよい。
(変形例7)
上記実施の形態などでは、上記構成によって、前記変化演出を実行するか否かを決定する変化演出決定手段(例えば、ステップS161を実行する表示制御部31など)と、前記予告演出を実行するか否かを決定する予告演出決定手段(例えば、ステップS161を実行する表示制御部31など)と、をさらに備えることになるが、前記変化演出実行制限手段は、前記予告演出決定手段により前記予告演出を実行すると決定されたときに、前記変化演出決定手段により前記変化演出を実行すると決定されることを禁止する、ようにしてもよい(例えば、先読みチャンス目を実行すると決定したときには第1保留変化演出を実行すると決定しないなど)。この構成によれば、特殊識別情報の停止のための処理を容易化できる。
(変形例8)
また、前記特定表示を新たに表示するときに当該特定表示の表示に伴う表示演出(例えば、保留表示演出など)を実行可能な表示演出実行手段(例えば、保留表示演出を実行する表示制御部31など)をさらに備えるようにしてもよく、前記表示演出実行手段は、前記表示演出の実行中に新たな前記特定表示が表示されるときに、当該新たな特定表示の表示に伴う表示演出を実行する(例えば、図31参照)、ようにしてもよい。
上記表示演出としては、図41に示す保留表示演出などがある。保留表示演出は、保留表示画像を徐々に表示する演出である。例えば、表示制御部31は、保留表示画像を表示するときに、徐々に保留表示画像が現れるように保留表示画像を表示す保留表示演出を実行するようにする(例えば、第2演出制御コマンド解析等処理で保留表示画像を表示する制御を行うときに保留表示演出の実行を開始するように表示制御部123に所定の制御指令を送る。又は、タイマ割り込みごとに表示制御部123に所定の制御指令を送って保留表示演出を実行する。)。そして、この保留表示演出の実行中に、新たな始動入賞があり、新たな保留表示画像を表示することになったときには、実行中の保留表示演出は中止して保留表示画像を表示させ、そして、新たな保留表示画像について保留表示演出を実行する(例えば、第2演出制御コマンド解析等処理で新たな保留表示画像を表示する制御を行うときに、実行中の保留表示演出を中止して最終形態の保留表示画像を表示させるとともに、新たな保留表示画像について保留表示演出を開始するように表示制御部123に所定の制御指令を送る。又は、表示制御部123に所定の制御指令を送って保留表示演出を実行することを中止して最終形態の保留表示画像を表示させるとともに、新たな保留表示画像についてタイマ割り込みごとに表示制御部123に所定の制御指令を送って保留表示演出を実行する。)。この構成によれば、演出が不自然になることを抑制できる。
上記のように、表示演出実行手段は、表示演出の実行中に新たな保留記憶(未だ開始されていない可変表示(例えば、可変表示を実行するための保留データなど)を保留記憶として記憶したもの。)が記憶されたときに、実行中の表示演出を中断し、該保留記憶に対応した新たな特定表示の表示に伴う表示演出を実行することで、保留表示(特定表示)の状態を分かりやすくすることができる。
(変形例9)
識別情報(特図、飾り図柄、普図など)の可変表示(単に可変表示であってもよい。)は、識別情報が点滅することも含む。例えば、特図や普図において、全てのセグメントが消灯したパターンと少なくとも一部のセグメントを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すもの識別情報の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(例えばハズレ図柄)が点滅して見える)。また、飾り図柄や普通図柄についても、点滅させることによって、可変表示を行ってもよい。また、可変表示にて可変表示される識別情報と、可変表示結果としての識別情報とは、異なるものであってもよい。例えば、特図又は普図の可変表示として、横棒一本の表示(「−」)を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の表示(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」など)を導出表示することも識別情報の可変表示に含まれる。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。なお、1回の可変表示において、当初の所定期間では表示されなかった識別情報が所定期間経過後表示される態様も識別情報の可変表示に含まれる(上記特殊図柄は、最終停止図柄の仮停止時などに初めて登場する飾り図柄であってもよい。)。上記遊技機は、例えば可変表示を行うものであればよい。
(変形例10)
先読み判定は、第1演出制御基板12側で行っても良い。例えば、始動入賞時の各乱数値を示すコマンドを始動入賞時に主基板11から第1演出制御基板12に送信し、第1演出制御基板12において先読み判定を行ってもよい。
(変形例11)
上記実施の形態では、変動開始時に大当り種別を決定することで大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするか否かを決定しているが、変動開始時には大入賞口の開放パターン(ラウンド遊技の態様)のみを決定し、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて当該大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするようにしてもよい。
(変形例12)
上記実施の形態では、始動入賞が発生して新たな保留が発生したときに、第2演出制御コマンド解析等処理にて保留表示画像を表示しているが、ステップS161の先読み予告設定処理にて保留表示画像を表示してもよい(先読み予告設定処理時において複数の保留が発生している場合には、各保留について保留表示画像を表示する。)。この場合、ステップS161で第2保留表示変化演出を実行すると決定したときには、ターゲットの保留表示画像を表示開始時から白色以外の色にしてもよい(つまり、赤や青で保留表示画像の表示を開始するようにしてもよい。)。
(変形例13)
保留表示画像は、通常、白色であり、第1保留変化演出又は第2保留変化演出によって、白色から赤色や青色に変化するが、先読みチャンス目や第1保留変化演出を実行すると決定したときには、ターゲットの保留表示図柄の表示態様を通常とは異なる特殊態様(例えば、点滅等)として、当該保留表示画像がターゲットであることを遊技者に分かり易く知らせてもよい。なお、変形例12のようにステップS161で新たな保留表示画像を表示する場合には、ターゲットの保留表示画像の表示開始時から当該保留表示画像を前記特殊態様とするようにしてもよい(特殊態様で保留表示画像の表示を開始するようにしてもよい。)。
(変形例14)
上記実施の形態では、ステップS161において、ステップS675やステップS676の決定結果をVRAMなどに保持しており、ステップS678でキャンセル有りの場合に、ステップS679において、第1保留変化演出情報となる決定結果を始動入賞時コマンドバッファ(今回のターゲットの保留表示番号に対応する格納領域)に格納しないようにしているが、例えば、ステップS678でキャンセル有りを決定した場合にはVRAMなどに保持した決定結果(第1保留変化演出を実行すると決定したときの決定結果)を消去又は第1保留変化演出を実行しない旨の情報に書き換えておき、ステップS679では保持している決定結果をキャンセルの有無の判定無しでそのまま記録するようにしてもよい(第1保留変化演出を実行すると決定したときの決定結果を消去したときには情報が記録されないことになる。)。
(変形例15)
先読みチャンス目は、最後の飾り図柄(特殊図柄が停止する位置の飾り図柄)が停止する前までの停止図柄は、先読みチャンス目の種類によらず共通であってもよい。これによって遊技の興趣を向上させることができる。なお、このような場合には、先読みチャンス目の種類(大当り期待度)によらず、上記のように変化演出の実行を制限することで、遊技者の落胆を防止できる。
(変形例16)
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを第1演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを第1演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、第1演出制御基板12は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については第1演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(変形例17)
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。