JP2016201873A - 駆動力配分装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1駆動軸と第2駆動軸のトルク配分を調整する駆動力配分装置の構成の簡素化及び体格の小型化を実現する。
【解決手段】ステータ33と第2ロータ32間にトルクTTMを発生させた状態で、第1ロータ31と第2ロータ32間にトルクTCMを発生させて右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27間のトルク伝達を許容することで、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27にトルクT,Tを伝達することができる。さらに、第1ロータ31と第2ロータ32間に発生するトルクTCMに応じて、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27のトルク配分を調整することができる。その際には、差動装置を省略することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、第1駆動軸と第2駆動軸のトルク配分を調整する駆動力配分装置に関する。
この種の駆動力配分装置の関連技術が下記特許文献1に開示されている。特許文献1による駆動力配分装置は、差動装置(ディファレンシャルギア)と、第1、第2及び第3遊星歯車機構と、モータとを備える。モータは、ステータ及びロータを有し、ロータが第1遊星歯車機構のサンギアに連結されている。第1及び第2遊星歯車機構のキャリア同士が連結され、第2遊星歯車機構のサンギアの回転は固定されている。第1遊星歯車機構のリングギアは第3遊星歯車機構のリングギアに連結され、第2遊星歯車機構のリングギアは第3遊星歯車機構のサンギアに連結され、第3遊星歯車機構のピニオンギア(遊星ギア)は差動装置のピニオンギアに連結されている。
特許文献1において、差動装置の右サイドギアと左サイドギア(右ドライブシャフトと左ドライブシャフト)が等しい回転速度で同方向に回転している場合は、第1遊星歯車機構のリングギアの回転速度と第2遊星歯車機構のリングギアの回転速度が等しく、ロータの回転は停止している。一方、ステータからロータにトルクを作用させてロータを回転駆動すると、第3遊星歯車機構のリングギアとサンギア(第1遊星歯車機構のリングギアと第2遊星歯車機構のリングギア)に回転差が発生し、第3遊星歯車機構のピニオンギアが差動装置のピニオンギアとともに一体で回転(自転)する。差動装置のピニオンギアの自転によって、右サイドギアと左サイドギア(右ドライブシャフトと左ドライブシャフト)に回転差が発生し、ステータからロータに作用させるトルクに応じて、右ドライブシャフトと左ドライブシャフトのトルク配分が変化する。
国際公開第2011/76542号 国際公開第2012/28372号 特開2014−211169号公報
特許文献1においては、右ドライブシャフトと左ドライブシャフトの回転差を許容するために差動装置(ディファレンシャルギア)を設けているので、駆動力配分装置の構成の複雑化及び体格の大型化を招くことになる。さらに、ロータの回転駆動により差動装置のピニオンギアを回転(自転)させて右ドライブシャフトと左ドライブシャフトのトルク配分を変化させるために、3つの遊星歯車機構を用いる必要があることによっても、駆動力配分装置の構成の複雑化及び体格の大型化を招くことになる。
本発明は、第1駆動軸と第2駆動軸のトルク配分を調整する駆動力配分装置の構成の簡素化及び体格の小型化を実現することを目的とする。
本発明に係る駆動力配分装置は、上述した目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る駆動力配分装置は、第1駆動軸と第2駆動軸のトルク配分を調整する駆動力配分装置であって、第1駆動軸と第2駆動軸間のトルク断続を行うことが可能なトルク断続装置を備え、トルク断続装置は、互いに相対回転可能な第1回転子と第2回転子間、及び固定子と第2回転子間にトルクを発生可能な回転電機であって、第1回転子と第2回転子間にトルクを発生させることで、第1駆動軸と第2駆動軸間のトルク伝達を許容する回転電機を含み、固定子と第2回転子間にトルクを発生させるとともに、第1回転子と第2回転子間にトルクを発生させることで、第1駆動軸と第2駆動軸にトルクが伝達され、さらに、第1回転子と第2回転子間のトルクに応じて第1駆動軸と第2駆動軸のトルク配分が調整されることを要旨とする。
また、本発明に係る駆動力配分装置は、第1駆動軸と第2駆動軸のトルク配分を調整する駆動力配分装置であって、第2駆動軸へトルクを伝達する駆動源と、第1駆動軸と第2駆動軸間のトルク断続を行うことが可能なトルク断続装置と、を備え、トルク断続装置は、互いに相対回転可能な第1回転子と第2回転子間にトルクを発生させることで、第1駆動軸と第2駆動軸間のトルク伝達を許容する回転電機を含み、駆動源から第2駆動軸へトルクが伝達される場合に、第1回転子と第2回転子間にトルクを発生させることで、第1駆動軸と第2駆動軸にトルクが伝達され、さらに、第1回転子と第2回転子間のトルクに応じて第1駆動軸と第2駆動軸のトルク配分が調整されることを要旨とする。
本発明の一態様では、トルク断続装置は、第1回転子とともに回転する第1回転部材と、第2回転子とともに回転する第2回転部材との締結によって、第1駆動軸と第2駆動軸間のトルク伝達を許容するクラッチ機構をさらに含み、第1回転子と第2回転子間のトルクと、クラッチ機構の伝達トルクとに応じて、第1駆動軸と第2駆動軸のトルク配分が調整されることが好適である。
本発明の一態様では、回転電機とクラッチ機構の合計損失が最小になるように、第1回転子と第2回転子間のトルクと、クラッチ機構の伝達トルクとの配分が調整されることが好適である。
本発明の一態様では、要求された第2駆動軸と第1駆動軸のトルク差に対して、第1回転子と第2回転子間のトルクの大きさが最小になるように、第1回転子と第2回転子間のトルクと、クラッチ機構の伝達トルクが調整されることが好適である。
本発明の一態様では、第1回転子は第1駆動軸とともに回転し、第2回転子は第2駆動軸とともに回転することが好適である。
本発明の一態様では、第1回転子と第2回転子間に発生するトルクを第1駆動軸と第2駆動軸にトルクの方向が互いに逆方向で且つトルクの大きさを増幅させるように伝達する伝達装置をさらに備えることが好適である。
本発明の一態様では、伝達装置は、第1回転子とともに回転する第1回転要素と、第2回転子とともに回転する第2回転要素と、第1回転要素と第2回転要素の回転差の発生に応じて回転する第3回転要素と、第3回転要素に結合された第4回転要素と、第1駆動軸とともに回転する第5回転要素と、第2駆動軸とともに回転する第6回転要素と、を有し、第4回転要素の回転に応じて第5回転要素と第6回転要素に回転差が発生し、第3回転要素の半径が第4回転要素の半径より大きいことが好適である。
本発明によれば、差動装置を省略しつつ、第1回転子と第2回転子間のトルクに応じて第1駆動軸と第2駆動軸のトルク配分を調整することができる。その結果、駆動力配分装置の構成の簡素化及び体格の小型化を実現することができる。
実施形態1に係る駆動力配分装置の概略構成を示す図である。 回転電機30の第1ロータ31と第2ロータ32とステータ33に作用するトルクを説明する図である。 第1ロータ31と第2ロータ32間のトルクTCMに対する左ドライブシャフト27のトルクTの関係を示す図である。 第1ロータ31と第2ロータ32間のトルクTCMに対する右ドライブシャフト26のトルクTの関係を示す図である。 第2ロータ32と第1ロータ31の回転速度差ΔωCMに対するトルクTCMの特性の一例を示す図である。 第1ロータ31と第2ロータ32間のトルクTCMに対する左ドライブシャフト27と右ドライブシャフト26のトルク差ΔTの関係を示す図である。 実施形態2に係る駆動力配分装置の概略構成を示す図である。 実施形態2に係る駆動力配分装置の他の概略構成を示す図である。 実施形態3に係る駆動力配分装置の概略構成を示す図である。 第1ロータ31と第2ロータ32間のトルクTCMに対する左ドライブシャフト27のトルクTの関係を示す図である。 第1ロータ31と第2ロータ32間のトルクTCMに対する右ドライブシャフト26のトルクTの関係を示す図である。 第1ロータ31と第2ロータ32間のトルクTCMに対する左ドライブシャフト27と右ドライブシャフト26のトルク差ΔTの関係を示す図である。 左ドライブシャフト27と右ドライブシャフト26のトルク差ΔTを制御可能な範囲を示す図である。 実施形態3に係る駆動力配分装置の他の概略構成を示す図である。 実施形態3に係る駆動力配分装置の他の概略構成を示す図である。 実施形態4に係る駆動力配分装置の概略構成を示す図である。 実施形態4に係る駆動力配分装置の他の概略構成を示す図である。 実施形態4に係る駆動力配分装置の他の概略構成を示す図である。 実施形態5に係る駆動力配分装置の概略構成を示す図である。 実施形態5に係る駆動力配分装置の他の概略構成を示す図である。 実施形態5に係る駆動力配分装置の他の概略構成を示す図である。 実施形態6に係る駆動力配分装置の概略構成を示す図である。 実施形態6に係る駆動力配分装置の他の概略構成を示す図である。 実施形態6に係る駆動力配分装置の他の概略構成を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
「実施形態1」
図1は、本発明の実施形態1に係る駆動力配分装置の概略構成を示す図である。回転電機30は、第1ロータ31と、所定の空隙を空けて第1ロータ31と対向配置され第1ロータ31に対し相対回転可能な第2ロータ32と、所定の空隙を空けて第2ロータ32と対向配置されたステータ33とを備える。図1の例では、第1ロータ31が第2ロータ32の内周側に同心円状に配置され、ステータ33が第2ロータ32の外周側に同心円状に配置されている。
ステータ33は、ステータコア34と、ステータコア34にその周方向に沿って配設された複数相(例えば3相)のステータ巻線35と、を含む。複数相のステータ巻線35に複数相(例えば3相)の交流電流が流れることで、ステータ巻線35は、ステータ周方向に回転する回転磁界を発生することができる。
第1ロータ31は、ロータコア41と、ロータコア41にその周方向に沿って配設された複数相(例えば3相)のロータ巻線40とを含む。複数相のロータ巻線40に複数相(例えば3相)の交流電流が流れることで、ロータ巻線40は、ロータ周方向に回転する回転磁界を発生することができる。
第2ロータ32は、ロータコア42と、ロータコア42にその周方向に沿って配設され界磁束を発生する永久磁石43,44とを含む。永久磁石43は、ロータコア42の内周部に第1ロータ31と対向して配設されており、永久磁石44は、ロータコア42の外周部にステータ33と対向して配設されている。ここでは、永久磁石43,44を一体化することも可能である。
スリップリング45は、第1ロータ31と機械的に連結されており、さらに、ロータ巻線40の各相と電気的に接続されている。回転が固定されたブラシ46は、スリップリング45に押し付けられて電気的に接触する。スリップリング45は、ブラシ46に対し摺動しながら(ブラシ46との電気的接触を維持しながら)、第1ロータ31とともに同じ回転速度で回転する。
第1ロータ31及びスリップリング45は、右ドライブシャフト(第1駆動軸)26に機械的に連結されており、右ドライブシャフト26は、車両の右駆動輪(第1駆動輪)28と機械的に係合している。第1ロータ31及びスリップリング45は、右ドライブシャフト26及び右駆動輪28とともに同じ回転速度で一体で回転する。一方、第2ロータ32は、左ドライブシャフト(第2駆動軸)27に機械的に連結されており、左ドライブシャフト27は、車両の左駆動輪(第2駆動輪)29と機械的に係合している。第2ロータ32は、左ドライブシャフト27及び左駆動輪29とともに同じ回転速度で一体で回転する。
直流電源として設けられた充放電可能な蓄電装置49は、例えば二次電池により構成することができ、電気エネルギーを蓄える。蓄電装置49とロータ巻線40との間で電力変換を行う電力変換装置として設けられたインバータ47は、スイッチング素子と、スイッチング素子に対し逆並列接続されたダイオード(整流素子)とを備える公知の構成により実現可能であり、スイッチング素子のスイッチング動作により蓄電装置49からの直流電力を交流(例えば3相交流)に変換して、ブラシ46及びスリップリング45を介してロータ巻線40の各相に供給することが可能である。さらに、インバータ47は、ロータ巻線40の各相に流れる交流電流を直流に変換して、電気エネルギーを蓄電装置49に回収する方向の電力変換も可能である。その際には、ロータ巻線40の交流電力がスリップリング45及びブラシ46により取り出され、この取り出された交流電力がインバータ47で直流に変換される。このように、インバータ47は、蓄電装置49とロータ巻線40との間で双方向の電力変換を行うことが可能である。
蓄電装置49とステータ巻線35との間で電力変換を行う電力変換装置として設けられたインバータ48は、スイッチング素子と、スイッチング素子に対し逆並列接続されたダイオード(整流素子)とを備える公知の構成により実現可能であり、スイッチング素子のスイッチング動作により蓄電装置49からの直流電力を交流(例えば3相交流)に変換して、ステータ巻線35の各相に供給することが可能である。さらに、インバータ48は、ステータ巻線35の各相に流れる交流電流を直流に変換して、電気エネルギーを蓄電装置49に回収する方向の電力変換も可能である。このように、インバータ48は、蓄電装置49とステータ巻線35との間で双方向の電力変換を行うことが可能である。
インバータ47のスイッチング動作により複数相のロータ巻線40に複数相(例えば3相)の交流電流が流れることで、ロータ巻線40は、ロータ周方向に回転する回転磁界を発生する。そして、ロータ巻線40で発生した回転磁界と永久磁石43で発生した界磁束との電磁気相互作用(吸引及び反発作用)により、第1ロータ31と第2ロータ32間にトルク(磁石トルク)を作用させることができる。電子制御ユニット(ECU)70は、インバータ47のスイッチング動作を制御してロータ巻線40の各相に流れる交流電流を制御する、例えばロータ巻線40に流れる交流電流の振幅や位相角を制御することで、第1ロータ31と第2ロータ32間に作用するトルクを制御する。
インバータ48のスイッチング動作により複数相のステータ巻線35に複数相(例えば3相)の交流電流が流れることで、ステータ巻線35は、ステータ周方向に回転する回転磁界を発生する。そして、ステータ巻線35で発生した回転磁界と永久磁石44で発生した界磁束との電磁気相互作用(吸引及び反発作用)により、ステータ33と第2ロータ32間にトルク(磁石トルク)を作用させることができ、第2ロータ32を回転駆動することができる。電子制御ユニット70は、インバータ48のスイッチング動作によりステータ巻線35の各相に流れる交流電流を制御する、例えばステータ巻線35に流れる交流電流の振幅や位相角を制御することで、ステータ33と第2ロータ32間に作用するトルクを制御する。
次に、本実施形態に係る駆動力配分装置の動作、特に、右駆動輪28及び左駆動輪29を回転駆動する場合の動作について説明する。
第1ロータ31と第2ロータ32間にトルクTCMが発生していない場合は、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27間のトルク伝達が遮断される。その場合は、ステータ33と第2ロータ32間にトルクTTMを発生させても、第2ロータ32のトルクTTMは、左ドライブシャフト27(左駆動輪29)に伝達されるだけであり、右ドライブシャフト26(右駆動輪28)には伝達されない。
一方、第1ロータ31と第2ロータ32間にトルクTCMを発生させる場合は、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27間のトルク伝達が許容される。その場合に、ステータ33と第2ロータ32間にトルクTTMを発生させると、第2ロータ32に作用するトルクが左ドライブシャフト27(左駆動輪29)に伝達されるとともに、第1ロータ31に作用するトルクが右ドライブシャフト26(右駆動輪28)に伝達される。ここで、図2に示すように、ステータ33から第2ロータ32に作用するトルクTTMの方向が第2ロータ32の回転方向と同方向である場合をトルクTTMについて正とし、第1ロータ31から第2ロータ32に作用するトルクTCMの方向が第2ロータ32の回転方向と逆方向である場合をトルクTCMについて正とする。左ドライブシャフト27(左駆動輪29)に作用するトルクTは、以下の(1)式で表され、右ドライブシャフト26(右駆動輪28)に作用するトルクTは、以下の(2)式で表される。
=TTM−TCM (1)
=TCM (2)
TM>0である場合、TCMとTの関係は(1)式より図3の関係で表され、TCMとTの関係は(2)式より図4の関係で表される。0<TCM<TTMの範囲においては、T>0且つT>0であり、左駆動輪29と右駆動輪28を駆動トルクT,Tにより同方向に回転駆動することができる。0<TCM<TTM/2の範囲においては、左駆動輪29の駆動トルクTが右駆動輪28の駆動トルクTより大きくなり、さらに、TCMが0に近づくほど、左駆動輪29の駆動トルク配分が増大するとともに右駆動輪28の駆動トルク配分が減少する。一方、TTM/2<TCM<TTMの範囲においては、右駆動輪28の駆動トルクTが左駆動輪29の駆動トルクTより大きくなり、さらに、TCMがTTMに近づくほど、右駆動輪28の駆動トルク配分が増大するとともに左駆動輪29の駆動トルク配分が減少する。また、TCM=TTM/2においては、左駆動輪29の駆動トルクTと右駆動輪28の駆動トルクTが等しくなり、左駆動輪29と右駆動輪28の駆動トルク配分が等しくなる。
また、TCM<0の範囲においては、T>0且つT<0であり、左駆動輪29に駆動トルクTが作用するとともに右駆動輪28に制動トルクTが作用する。また、TCM>TTMの範囲においては、T<0且つT>0であり、左駆動輪29に制動トルクTが作用するとともに右駆動輪28に駆動トルクTが作用する。なお、第1ロータ31と第2ロータ32間のトルクTCMについては、駆動輪28,29の回転速度に関わらず発生させることが可能であり、第2ロータ32と第1ロータ31の回転速度差ΔωCMに対するトルクTCMの特性は、例えば図5の特性で表される。
また、左ドライブシャフト27と右ドライブシャフト26のトルク差ΔTは、以下の(3)式で表される。(3)式より、TCMとΔTの関係は、図6の関係で表される。図6に示すように、TTMの正負に関わらず、TCMが減少するほどトルク差ΔTが大きくなる。また、TTM>0の場合は、ΔT=0となるTCMが正となり、TTM<0の場合は、ΔT=0となるTCMが負となる。
ΔT=T−T=TTM−2×TCM (3)
本実施形態によれば、回転電機30が右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27間のトルク断続を行うことが可能なトルク断続装置として機能し、ステータ33と第2ロータ32間にトルクTTMを発生させるとともに、第1ロータ31と第2ロータ32間にトルクTCMを発生させて右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27間のトルク伝達を許容することで、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27にトルクT,Tを伝達することができる。例えばステータ33から第2ロータ32に駆動トルクTTM(>0)を作用させるとともに、第2ロータ32から第1ロータ31に駆動トルクTCM=TTM/2を作用させることで、右ドライブシャフト26の駆動トルクTと左ドライブシャフト27の駆動トルクTが等しくなる。これによって、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27を同じ回転速度で同方向に回転駆動することができる。
また、ステータ33から第2ロータ32に駆動トルクTTMを作用させるとともに、TTM/2より小さい駆動トルクTCMを第2ロータ32から第1ロータ31に作用させることで、左ドライブシャフト27の駆動トルクTが右ドライブシャフト26の駆動トルクTより大きくなる。これによって、左ドライブシャフト27の回転速度ωを右ドライブシャフト26の回転速度ωより高くすることができる。さらに、第2ロータ32から第1ロータ31に作用させる駆動トルクTCMを減少させることで、左ドライブシャフト27の駆動トルク配分が増大するとともに右ドライブシャフト26の駆動トルク配分が減少する。これによって、左ドライブシャフト27と右ドライブシャフト26の回転速度差(ω−ω)を増加させることができる。その際には、第1ロータ31と第2ロータ32の回転差によって、左ドライブシャフト27と右ドライブシャフト26の回転差を許容することができる。
一方、ステータ33から第2ロータ32に駆動トルクTTMを作用させるとともに、TTM/2より大きく且つTTMより小さい駆動トルクTCMを第2ロータ32から第1ロータ31に作用させることで、右ドライブシャフト26の駆動トルクTが左ドライブシャフト27の駆動トルクTより大きくなる。これによって、右ドライブシャフト26の回転速度ωを左ドライブシャフト27の回転速度ωより高くすることができる。さらに、第2ロータ32から第1ロータ31に作用させる駆動トルクTCMをTTMより小さい範囲で増加させることで、右ドライブシャフト26の駆動トルク配分が増大するとともに左ドライブシャフト27の駆動トルク配分が減少する。これによって、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27の回転速度差(ω−ω)を増加させることができる。なお、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27の回転速度差に関わらず、第1ロータ31と右ドライブシャフト26の回転速度比は一定(図1の例では1)であり、第2ロータ32と左ドライブシャフト27の回転速度比は一定(図1の例では1)である。
したがって、本実施形態によれば、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27の回転駆動時に、ステータ33と第2ロータ32間にトルクTTMを発生させた状態で、第1ロータ31と第2ロータ32間に発生するトルクTCMに応じて、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27のトルク配分を調整することができる。その際には、前述の特許文献1と比較して、差動装置(ディファレンシャルギア)を省略することができ、さらに、3つの遊星歯車機構も省略することができる。その結果、駆動力配分装置の構成の簡素化及び体格の小型化を実現することができる。
「実施形態2」
図7は、本発明の実施形態2に係る駆動力配分装置の概略構成を示す図である。以下の実施形態2の説明では、実施形態1と同様の構成または対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略する構成については実施形態1と同様である。
本実施形態では、実施形態1と比較して、回転電機30においてステータ33及び第2ロータ32の永久磁石44が省略されている。さらに、駆動源としての駆動モータ80が回転電機30と別に設けられている。駆動モータ80は、ステータ83と、所定の空隙を空けてステータ83と対向するロータ82とを備える。ステータ83は、ステータコア84と、ステータコア84にその周方向に沿って配設された複数相(例えば3相)のステータ巻線85と、を含む。複数相のステータ巻線85に複数相(例えば3相)の交流電流が流れることで、ステータ巻線85は、ステータ周方向に回転する回転磁界を発生することができる。ロータ82は、ロータコア92と、ロータコア92にその周方向に沿ってステータ83と対向して配設され界磁束を発生する永久磁石94とを含む。図7の例では、駆動モータ80のロータ82の回転中心軸が、回転電機30のロータ31,32の回転中心軸、及びドライブシャフト26,27の回転中心軸と一致する。
インバータ48は、スイッチング素子のスイッチング動作により蓄電装置49からの直流電力を交流(例えば3相交流)に変換して、駆動モータ80のステータ巻線85の各相に供給することが可能である。さらに、インバータ48は、ステータ巻線85の各相に流れる交流電流を直流に変換して、電気エネルギーを蓄電装置49に回収する方向の電力変換も可能である。このように、インバータ48は、蓄電装置49とステータ巻線85との間で双方向の電力変換を行うことが可能である。
インバータ48のスイッチング動作により複数相のステータ巻線85に複数相(例えば3相)の交流電流が流れることで、ステータ巻線85は、ステータ周方向に回転する回転磁界を発生する。そして、駆動モータ80では、ステータ巻線85で発生した回転磁界と永久磁石94で発生した界磁束との電磁気相互作用(吸引及び反発作用)により、ステータ83とロータ82間にトルク(磁石トルク)を作用させることができ、ロータ82を回転駆動することができる。電子制御ユニット70は、インバータ48のスイッチング動作によりステータ巻線85の各相に流れる交流電流を制御する、例えばステータ巻線85に流れる交流電流の振幅や位相角を制御することで、ステータ83とロータ82間に作用するトルクを制御する。駆動モータ80のロータ82のトルクは、減速機構90を介して左ドライブシャフト27(左駆動輪29)へ伝達される。
ここで、減速機構90の減速比をγとし、駆動モータ80(ロータ82)のトルクTMGについて、減速機構90を介して回転電機30の第2ロータ32に作用するトルクγ×TMGの方向が第2ロータ32の回転方向と同方向である場合を正とする。左ドライブシャフト27に作用するトルクTは、以下の(4)式で表され、右ドライブシャフト26に作用するトルクTは、以下の(5)式で表され、左ドライブシャフト27と右ドライブシャフト26のトルク差ΔTは、以下の(6)式で表される。したがって、本実施形態に係る駆動力配分装置の動作については、実施形態1のトルクTTMをγ×TMGに置き換えたものを考えればよい。
=γ×TMG−TCM (4)
=TCM (5)
ΔT=T−T=γ×TMG−2×TCM (6)
本実施形態でも、駆動モータ80から減速機構90を介して左ドライブシャフト27へトルクが伝達される場合に、第1ロータ31と第2ロータ32間にトルクTCMを発生させて右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27間のトルク伝達を許容することで、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27にトルクT,Tを伝達することができる。さらに、第1ロータ31と第2ロータ32間に発生するトルクTCMに応じて、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27のトルク配分を調整することができる。その際には、前述の特許文献1と比較して、差動装置(ディファレンシャルギア)を省略することができ、さらに、3つの遊星歯車機構も省略することができる。その結果、駆動力配分装置の構成の簡素化及び体格の小型化を実現することができる。
本実施形態では、例えば図8に示すように、駆動モータ80を回転電機30及びドライブシャフト26,27に対して別軸に配置することも可能である。
「実施形態3」
図9は、本発明の実施形態3に係る駆動力配分装置の概略構成を示す図である。以下の実施形態3の説明では、実施形態1,2と同様の構成または対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略する構成については実施形態1,2と同様である。
本実施形態では、実施形態1と比較して、クラッチ板21,22同士の係合/解放を切り替えるクラッチ機構20がさらに設けられている。クラッチ機構20において、クラッチ板(第1回転部材)21は、第1ロータ31に機械的に連結され、第1ロータ31とともに同じ回転速度で一体で回転する。クラッチ板(第2回転部材)22は、第2ロータ32に機械的に連結され、第2ロータ32とともに同じ回転速度で一体で回転する。
クラッチ板21とクラッチ板22を締結してクラッチ機構20を係合させることで、第1ロータ31と第2ロータ32間(右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27間)のクラッチ板21,22を介したトルク伝達が許容され、第1ロータ31と第2ロータ32が一体となって同じ回転速度で回転する。一方、クラッチ板21とクラッチ板22の締結を解除してクラッチ機構20を解放することで、第1ロータ31と第2ロータ32間(右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27間)のクラッチ板21,22を介したトルク伝達が遮断され、第1ロータ31と第2ロータ32の回転速度差が許容される。
ここでのクラッチ機構20は、例えば油圧力や電磁力を利用してクラッチ板21,22同士の係合/解放を切り替えることが可能な摩擦クラッチであり、さらに、クラッチ機構20に供給する油圧力や電磁力を調整することで、クラッチ板21とクラッチ板22の締結力を調整することもできる。クラッチ板21とクラッチ板22の締結力を調整することで、クラッチ板21とクラッチ板22の回転速度差を許容しながら、クラッチ板21とクラッチ板22間で伝達される摩擦トルク(クラッチ機構20の伝達トルク)を調整することができる。これによって、第1ロータ31と第2ロータ32の回転速度差を許容しながら、第1ロータ31と第2ロータ32間(右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27間)でクラッチ板21,22を介して伝達される摩擦トルクを調整することができる。電子制御ユニット70は、クラッチ板21とクラッチ板22の締結力を制御することで、クラッチ機構20の伝達トルクを制御する。
本実施形態では、回転電機30だけでなくクラッチ機構20も右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27間のトルク断続を行うことが可能なトルク断続装置として機能し、クラッチ板21とクラッチ板22の締結によって右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27間のトルク伝達が許容される。ステータ33と第2ロータ32間にトルクTTMが発生している場合には、第1ロータ31と第2ロータ32間に発生するトルクTCMだけでなく、クラッチ板21とクラッチ板22の締結力によるクラッチ機構20の伝達トルクTFricによっても、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27にトルクT,Tを伝達することが可能である。クラッチ機構20の伝達トルクTFricの制御範囲は、以下の(7)式で表され、左ドライブシャフト27に作用するトルクTは、以下の(8)式で表され、右ドライブシャフト26に作用するトルクTは、以下の(9)式で表される。
0≦TFric≦TTM (7)
=TTM−TFric−TCM (8)
=TFric+TCM (9)
TM>0である場合、TCMとTの関係は(8)式より図10の関係で表され、TCMとTの関係は(9)式より図11の関係で表される。図10に示すように、Tはクラッチ機構20の伝達トルクTFric分減少し、図11に示すように、Tはクラッチ機構20の伝達トルクTFric分増加する。
また、左ドライブシャフト27と右ドライブシャフト26のトルク差ΔTは、以下の(10)式で表される。(10)式より、TCMとΔTの関係は、図12の関係で表される。
ΔT=T−T=TTM−2×(TFric+TCM) (10)
ステータ33から第2ロータ32に駆動トルクTTM(>0)を作用させる場合は、クラッチ機構20に伝達トルクTFricを作用させるようにクラッチ板21とクラッチ板22の締結力を制御するとともに、第2ロータ32から第1ロータ31にトルクTCM=TTM/2−TFricを作用させることで、右ドライブシャフト26の駆動トルクTと左ドライブシャフト27の駆動トルクTが等しくなる。これによって、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27を同じ回転速度で同方向に回転駆動することができる。さらに、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27を同じ回転速度で同方向に回転駆動する場合は、第1ロータ31と第2ロータ32間にトルクTCMを発生させずに(TCM=0)、クラッチ機構20を完全に係合させることも可能である。これによって、右ドライブシャフト26の駆動トルクTと左ドライブシャフト27の駆動トルクTが等しくなる。
また、ステータ33から第2ロータ32に駆動トルクTTMを作用させる場合は、クラッチ機構20に伝達トルクTFricを作用させるようにクラッチ板21とクラッチ板22の締結力を制御するとともに、TTM/2−TFricより小さいトルクTCMを第2ロータ32から第1ロータ31に作用させることで、左ドライブシャフト27の駆動トルクTが右ドライブシャフト26の駆動トルクTより大きくなる。これによって、左ドライブシャフト27の回転速度ωを右ドライブシャフト26の回転速度ωより高くすることができる。さらに、第2ロータ32から第1ロータ31に作用させるトルクTCMを減少させることで、左ドライブシャフト27の駆動トルク配分が増大するとともに右ドライブシャフト26の駆動トルク配分が減少する。これによって、左ドライブシャフト27と右ドライブシャフト26の回転速度差(ω−ω)を増加させることができる。
一方、ステータ33から第2ロータ32に駆動トルクTTMを作用させる場合は、クラッチ機構20に伝達トルクTFricを作用させるようにクラッチ板21とクラッチ板22の締結力を制御するとともに、TTM/2−TFricより大きく且つTTM−TFricより小さいトルクTCMを第2ロータ32から第1ロータ31に作用させることで、右ドライブシャフト26の駆動トルクTが左ドライブシャフト27の駆動トルクTより大きくなる。これによって、右ドライブシャフト26の回転速度ωを左ドライブシャフト27の回転速度ωより高くすることができる。さらに、第2ロータ32から第1ロータ31に作用させるトルクTCMをTTM−TFricより小さい範囲で増加させることで、右ドライブシャフト26の駆動トルク配分が増大するとともに左ドライブシャフト27の駆動トルク配分が減少する。これによって、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27の回転速度差(ω−ω)を増加させることができる。
したがって、本実施形態によれば、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27の回転駆動時に、ステータ33と第2ロータ32間にトルクTTMを発生させた状態で、クラッチ機構20の伝達トルクTFric(クラッチ板21とクラッチ板22の締結力)と、第1ロータ31と第2ロータ32間に発生するトルクTCMに応じて、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27のトルク配分を調整することができる。その結果、ディファレンシャルギアを省略して駆動力配分装置の構成の簡素化及び体格の小型化を実現することができる。
さらに、本実施形態では、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27の回転駆動時に、クラッチ機構20の伝達トルクTFric分、第1ロータ31と第2ロータ32間のトルクTCMの大きさを減少させることができるので、ロータ巻線40の消費電力を低減することができ、さらに、第1及び第2ロータ31,32の小型化も図ることができる。例えば右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27を同じ回転速度で同方向に回転駆動する場合は、クラッチ機構20を完全に係合させることで、第1ロータ31と第2ロータ32間にトルクTCMを発生させる必要がなく、ロータ巻線40での電力消費をなくすことができる。
なお、本実施形態では、クラッチ機構20の伝達トルクTFricを(7)式の範囲で制御することに加えて、第1ロータ31と第2ロータ32間のトルクTCMを制御することで、図13の斜線部Aの範囲内で左ドライブシャフト27と右ドライブシャフト26のトルク差ΔTを制御することができる。その際に、要求されたトルク差ΔTに対して、クラッチ機構20の伝達トルクTFric、及び第1ロータ31と第2ロータ32間のトルクTCMの取り得る値は無数に存在する。そこで、本実施形態では、回転電機30(第1及び第2ロータ31,32)とクラッチ機構20の合計損失が最小となるように、クラッチ機構20の伝達トルクTFricと、第1ロータ31と第2ロータ32間のトルクTCMとの配分を制御することも可能である。
第1及び第2ロータ31,32の駆動損失LossCMは、第1ロータ31と第2ロータ32間のトルクTCMや、第2ロータ32と第1ロータ31の回転速度差ΔωCMに依存して変化するため、以下の(11)式に示すように、回転速度差ΔωCMとトルクTCMの関数fで表すことが可能である。さらに、関数fの簡単な近似式として以下の(12)式で表すことも可能である。(12)式において、Rは抵抗値、k,kωは定数である。
LossCM=f(ΔωCM,TCM) (11)
LossCM=R×(k×TCM+kω×ΔωCM (12)
クラッチ機構20の駆動損失LossFricは、クラッチ機構20の伝達トルクTFricに依存して変化するため、以下の(13)式に示すように、伝達トルクTFricの関数gで表すことが可能である。さらに、関数gの簡単な近似式として以下の(14)式で表すことも可能である。(14)式において、kFricは定数である。
LossFric=g(TFric) (13)
LossFric=kFric×TFric (14)
電子制御ユニット70は、要求されたトルクTTM及びトルク差ΔTに対して、(7)式及び(10)式を満たすTCMとTFricの組み合わせの中から、LossCM+LossFricが最小となるTCMとTFricの組み合わせを探索する。これによって、第1及び第2ロータ31,32とクラッチ機構20の合計損失が最小になるようなTCMとTFricの組み合わせを選択して、それぞれを制御する。
また、本実施形態では、要求された左ドライブシャフト27と右ドライブシャフト26のトルク差ΔTに対して、第1ロータ31と第2ロータ32間のトルクTCMの大きさが最小になるように、クラッチ機構20の伝達トルクTFricと、第1ロータ31と第2ロータ32間のトルクTCMを制御することも可能である。電子制御ユニット70は、要求されたトルクTTM及びトルク差ΔTに対して、(7)式及び(10)式を満たすTCMとTFricの組み合わせの中から、TCMの大きさが最小となるTCMとTFricの組み合わせを選択する。TCMの大きさを最小化した動作ラインを図13の動作ラインBに示す。−TTM≦ΔT≦TTMの場合は、TCM=0、且つTFric=(TTM−ΔT)/2となる。また、ΔT>TTMの場合は、TCM=(TTM−ΔT)/2、且つTFric=0となる。一方、ΔT<−TTMの場合は、TCM=(−TTM−ΔT)/2、且つTFric=TTMとなる。
本実施形態では、図14,15に示すように、実施形態2に対してクラッチ機構20を追加することも可能である。図14は、図7の構成例に対してクラッチ機構20を追加した構成例を示し、図15は、図8の構成例に対してクラッチ機構20を追加した構成例を示す。図14,15の構成例の動作については、トルクTTMをγ×TMGに置き換えたものを考えればよい。
「実施形態4」
図16は、本発明の実施形態4に係る駆動力配分装置の概略構成を示す図である。以下の実施形態4の説明では、実施形態1〜3と同様の構成または対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略する構成については実施形態1〜3と同様である。
本実施形態では、実施形態3(図15の構成例)と比較して、伝達装置50がさらに設けられている。図16の構成例では、伝達装置50は、サンギア51とリングギア52と複数のピニオンギア(遊星ギア)53,54とサンギア55とキャリア56とを含む遊星歯車機構により構成される。サンギア51,55及びピニオンギア53,54は外歯車により構成され、リングギア52は内歯車により構成される。各ピニオンギア53はサンギア51及びリングギア52と噛み合い(係合し)、各ピニオンギア54はサンギア55と噛み合う(係合する)。各ピニオンギア53,54は、キャリア56に回転自在に支持されている。サンギア51の回転中心軸、リングギア52の回転中心軸、サンギア55の回転中心軸、、及びキャリア56の回転中心軸は互いに一致しており、ピニオンギア53,54の回転中心軸はこれらの回転中心軸と平行である。ピニオンギア53,54同士は、互いに結合されており、同じ回転速度で一体で回転(自転)する。さらに、各ピニオンギア53,54は、キャリア56の回転に応じて、サンギア51,55の回転中心軸まわりに周回(公転)する。
第1回転要素としてのサンギア51は、第1ロータ31、スリップリング45、及びクラッチ板21と機械的に連結されており、第1ロータ31、スリップリング45、及びクラッチ板21とともに同じ回転速度で一体で回転する。第2回転要素としてのリングギア52は、第2ロータ32及びクラッチ板22と機械的に連結されており、第2ロータ32及びクラッチ板22とともに同じ回転速度で一体で回転する。第3及び第4回転要素としてのピニオンギア53,54は、サンギア51とリングギア52の回転差の発生に応じて回転(自転)し、ピニオンギア53,54の回転(自転)に応じてサンギア55とキャリア56に回転差が発生する。第5回転要素としてのサンギア55は、右ドライブシャフト26と機械的に係合し、右ドライブシャフト26及び右駆動輪28とともに同じ回転速度で一体で回転する。第6回転要素としてのキャリア56は、左ドライブシャフト27と機械的に係合し、左ドライブシャフト27及び左駆動輪29とともに同じ回転速度で一体で回転する。サンギア51,55、リングギア52、及びキャリア56の回転中心軸は、回転電機30のロータ31,32の回転中心軸、及びドライブシャフト26,27の回転中心軸と一致する。
サンギア55の半径rsun2は、サンギア51の半径rsun1よりも大きく、ピニオンギア54の半径rpini2は、ピニオンギア53の半径rpini1よりも小さく、リングギア52の半径rring1(=rsun1+2×rpini1)は、サンギア55の半径rsun2とピニオンギア54の直径2×rpini2との和(rsun2+2×rpini2)よりも大きい。つまり、ρ=rsun1/rring1、ρ=rsun2/(rsun2+2×rpini2)とすると、ρ<ρが成立する。
第1ロータ31と第2ロータ32が同じ回転速度で同方向に回転する場合は、ピニオンギア53,54は自転せずに、伝達装置50のサンギア51,55、リングギア52、ピニオンギア53,54、及びキャリア56が一体となって回転し、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27が同じ回転速度で同方向に回転する。一方、第1ロータ31と第2ロータ32に回転速度差が発生する場合は、サンギア51とリングギア52の回転速度差の発生に応じてピニオンギア53,54が自転することで、サンギア55とキャリア56に回転速度差が発生し、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27に回転速度差が発生する。第2ロータ32と第1ロータ31の差動回転速度ΔωCMと、左ドライブシャフト27と右ドライブシャフト26の差動回転速度Δωとの関係は、以下の(15)式で表される。そして、第1ロータ31と第2ロータ32間にトルクTCMを発生させた場合に、伝達装置50を介して左ドライブシャフト27へ伝達されるトルクΔTは、以下の(16)式で表され、伝達装置50を介して右ドライブシャフト26へ伝達されるトルクΔTは、以下の(17)式で表される。(15)〜(17)式において、Γ,Γは、以下の(18)式で表される。
Figure 2016201873
(16)、(17)式から、第1ロータ31と第2ロータ32間のトルクTCMは、伝達装置50を介して右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27に互いに逆方向に作用する。つまり、伝達装置50は、第1ロータ31と第2ロータ32間に発生するトルクTCMを、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27に、トルクの方向が互いに逆方向になるように伝達する。さらに、ピニオンギア53の半径rpini1がピニオンギア54の半径rpini2よりも大きく、ρ<ρが成立するため、Γ>Γが成立し、(1+ρ)×Γ/Γ>1が成立する。つまり、伝達装置50は、第1ロータ31と第2ロータ32間に発生するトルクTCMを、その大きさを増幅させて右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27に伝達する。
したがって、左ドライブシャフト27に作用するトルクTは、以下の(19)式で表され、右ドライブシャフト26に作用するトルクTは、以下の(20)式で表され、左ドライブシャフト27と右ドライブシャフト26のトルク差ΔTは、以下の(21)式で表される。
Figure 2016201873
本実施形態でも、実施形態3と同様に、回転電機30及びクラッチ機構20が右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27間のトルク断続を行うことが可能なトルク断続装置として機能する。そのため、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27の回転駆動時に、駆動モータ80から減速機構90を介して左ドライブシャフト27へトルクが伝達される状態で、クラッチ機構20の伝達トルクTFric(クラッチ板21とクラッチ板22の締結力)と、第1ロータ31と第2ロータ32間に発生するトルクTCMに応じて、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27のトルク配分を調整することができる。その結果、ディファレンシャルギアを省略して駆動力配分装置の構成の簡素化及び体格の小型化を実現することができる。
さらに、本実施形態では、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27の回転駆動時に、第1ロータ31と第2ロータ32間のトルクTCMが伝達装置50で増幅されて右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27に作用するため、第1ロータ31と第2ロータ32間のトルクTCMの大きさを減少させることができる。その結果、ロータ巻線40の消費電力を低減することができ、さらに、第1及び第2ロータ31,32の小型化も図ることができる。さらに、クラッチ機構20の伝達トルクTFricも伝達装置50で増幅されて右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27に作用するため、クラッチ機構20の伝達トルクTFricを減少させることができる。その結果、クラッチ機構20の損失を低減することができ、さらに、クラッチ機構20の小型化も図ることができる。
また、本実施形態において、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27が等しい回転速度で同方向に回転する場合は、伝達装置50のサンギア51,55、リングギア52、ピニオンギア53,54、及びキャリア56が一体となって回転する(差動しない)ため、伝達装置50での損失を低減することができる。
本実施形態の他の構成例を図17,18に示す。図17は、図14の構成例に対して伝達装置50を追加した構成例を示し、図18は、図9の構成例に対して伝達装置50を追加した構成例を示す。図18の構成例の動作については、γ×TMGを(1+ρ)×Γ/Γ×TTMに置き換えたものを考えればよい。
「実施形態5」
図19は、本発明の実施形態5に係る駆動力配分装置の概略構成を示す図である。以下の実施形態5の説明では、実施形態1〜4と同様の構成または対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略する構成については実施形態1〜4と同様である。
本実施形態では、実施形態4(図16の構成例)と比較して、伝達装置50は、ピニオンギア54と噛み合う(係合する)リングギア(内歯車)57をさらに含む。第6回転要素としてのリングギア57は、左ドライブシャフト27と機械的に係合し、左ドライブシャフト27及び左駆動輪29とともに同じ回転速度で一体で回転する。サンギア55の半径rsun2は、サンギア51の半径rsun1よりも大きく、ピニオンギア54の半径rpini2は、ピニオンギア53の半径rpini1よりも小さく、リングギア52の半径rring1(=rsun1+2×rpini1)は、リングギア57の半径rring2(=rsun2+2×rpini2)よりも大きい。つまり、ρ=rsun1/rring1、ρ=rsun2/rring2とすると、ρ<ρが成立する。
第1ロータ31と第2ロータ32が同じ回転速度で同方向に回転する場合は、ピニオンギア53,54は自転せずに、伝達装置50のサンギア51,55、リングギア52,57、ピニオンギア53,54、及びキャリア56が一体となって回転し、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27が同じ回転速度で同方向に回転する。一方、第1ロータ31と第2ロータ32に回転速度差が発生する場合は、サンギア51とリングギア52の回転速度差の発生に応じてピニオンギア53,54が自転し、ピニオンギア53,54の自転に応じてサンギア55とリングギア57に回転速度差が発生することで、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27に回転速度差が発生する。
本実施形態でも、実施形態4と同様に、伝達装置50は、第1ロータ31と第2ロータ32間に発生するトルクTCMを、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27に、トルクの方向が互いに逆方向になるように伝達する。さらに、ピニオンギア53の半径rpini1がピニオンギア54の半径rpini2よりも大きく、ρ<ρが成立するため、伝達装置50は、第1ロータ31と第2ロータ32間に発生するトルクTCMを、その大きさを増幅させて右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27に伝達する。
本実施形態の他の構成例を図20,21に示す。図20は、図14の構成例に対して伝達装置50を追加した構成例を示し、図21は、図9の構成例に対して伝達装置50を追加した構成例を示す。
「実施形態6」
図22は、本発明の実施形態6に係る駆動力配分装置の概略構成を示す図である。以下の実施形態6の説明では、実施形態1〜5と同様の構成または対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略する構成については実施形態1〜5と同様である。
本実施形態では、実施形態5(図19の構成例)と比較して、伝達装置50のリングギア52が省略されている。第2回転要素としてのキャリア56は、第2ロータ32及びクラッチ板22と機械的に連結されており、第2ロータ32及びクラッチ板22とともに同じ回転速度で一体で回転する。サンギア55の半径rsun2は、サンギア51の半径rsun1よりも大きく、ピニオンギア54の半径rpini2は、ピニオンギア53の半径rpini1よりも小さく、サンギア51の半径rsun1とピニオンギア53の直径2×rpini1との和(rsun1+2×rpini1)は、リングギア57の半径rring2(=rsun2+2×rpini2)よりも大きい。つまり、ρ=rsun1/(rsun1+2×rpini1)、ρ=rsun2/rring2とすると、ρ<ρが成立する。
第1ロータ31と第2ロータ32が同じ回転速度で同方向に回転する場合は、ピニオンギア53,54は自転せずに、伝達装置50のサンギア51,55、リングギア57、ピニオンギア53,54、及びキャリア56が一体となって回転し、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27が同じ回転速度で同方向に回転する。一方、第1ロータ31と第2ロータ32に回転速度差が発生する場合は、サンギア51とキャリア56の回転速度差の発生に応じてピニオンギア53,54が自転し、ピニオンギア53,54の自転に応じてサンギア55とリングギア57に回転速度差が発生することで、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27に回転速度差が発生する。
本実施形態でも、実施形態4,5と同様に、伝達装置50は、第1ロータ31と第2ロータ32間に発生するトルクTCMを、右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27に、トルクの方向が互いに逆方向になるように伝達する。さらに、ピニオンギア53の半径rpini1がピニオンギア54の半径rpini2よりも大きく、ρ<ρが成立するため、伝達装置50は、第1ロータ31と第2ロータ32間に発生するトルクTCMを、その大きさを増幅させて右ドライブシャフト26と左ドライブシャフト27に伝達する。
本実施形態の他の構成例を図23,24に示す。図23は、図14の構成例に対して伝達装置50を追加した構成例を示し、図24は、図9の構成例に対して伝達装置50を追加した構成例を示す。
実施形態1〜3では、第1ロータ31のトルクを第1減速機構を介して右ドライブシャフト26へ伝達し、第2ロータ32のトルクを第2減速機構を介して左ドライブシャフト27へ伝達することも可能である。その場合は、第1減速機構と第2減速機構とで減速比を等しくする。また、実施形態4〜6では、クラッチ機構20を省略することも可能である。
また、図7,8,14〜17,19,20,22,23の構成例においては、第1ロータ31に永久磁石43を設け、第2ロータ32にロータ巻線40を設け、スリップリング45を第2ロータ32に接続することも可能である。また、図1,7〜9,14〜24の構成例において、第1ロータ31と第2ロータ32間にトルクTCMを発生させる構成は、永久磁石43を設ける等、磁石トルクを発生させる構成に限られるものではなく、例えばリラクタンストルクを発生させる構成であってもよい。また、図1,9,18,21,24の構成例において、ステータ33と第2ロータ32間にトルクTTMを発生させる構成は、永久磁石44を設ける等、磁石トルクを発生させる構成に限られるものではなく、例えばリラクタンストルクを発生させる構成であってもよい。また、図7,8,14〜17,19,20,22,23の構成例においては、駆動源として駆動モータ80の代わりにエンジン(内燃機関)を用いることも可能である。
以上の実施形態では、車両の右駆動輪28と左駆動輪29のトルク配分を調整する場合について説明した。ただし、本発明については、車両の前駆動輪と後駆動輪のトルク配分を調整する場合に対しても適用することが可能である。さらに、本発明については、車両以外の用途に対しても適用することが可能である。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
20 クラッチ機構、21,22 クラッチ板、26 右ドライブシャフト、27 左ドライブシャフト、28 右駆動輪、29 左駆動輪、30 回転電機、31 第1ロータ、32 第2ロータ、33,83 ステータ、34,84 ステータコア、35,85 ステータ巻線、40 ロータ巻線、41,42,92 ロータコア、43,44,94 永久磁石、45 スリップリング、46 ブラシ、47,48 インバータ、49 蓄電装置、50 伝達装置、51,55 サンギア、52,57 リングギア、53,54 ピニオンギア、56 キャリア、70 電子制御ユニット、80 駆動モータ、82 ロータ、90 減速機構。

Claims (8)

  1. 第1駆動軸と第2駆動軸のトルク配分を調整する駆動力配分装置であって、
    第1駆動軸と第2駆動軸間のトルク断続を行うことが可能なトルク断続装置を備え、
    トルク断続装置は、
    互いに相対回転可能な第1回転子と第2回転子間、及び固定子と第2回転子間にトルクを発生可能な回転電機であって、第1回転子と第2回転子間にトルクを発生させることで、第1駆動軸と第2駆動軸間のトルク伝達を許容する回転電機を含み、
    固定子と第2回転子間にトルクを発生させるとともに、第1回転子と第2回転子間にトルクを発生させることで、第1駆動軸と第2駆動軸にトルクが伝達され、
    さらに、第1回転子と第2回転子間のトルクに応じて第1駆動軸と第2駆動軸のトルク配分が調整される、駆動力配分装置。
  2. 第1駆動軸と第2駆動軸のトルク配分を調整する駆動力配分装置であって、
    第2駆動軸へトルクを伝達する駆動源と、
    第1駆動軸と第2駆動軸間のトルク断続を行うことが可能なトルク断続装置と、
    を備え、
    トルク断続装置は、
    互いに相対回転可能な第1回転子と第2回転子間にトルクを発生させることで、第1駆動軸と第2駆動軸間のトルク伝達を許容する回転電機を含み、
    駆動源から第2駆動軸へトルクが伝達される場合に、第1回転子と第2回転子間にトルクを発生させることで、第1駆動軸と第2駆動軸にトルクが伝達され、
    さらに、第1回転子と第2回転子間のトルクに応じて第1駆動軸と第2駆動軸のトルク配分が調整される、駆動力配分装置。
  3. 請求項1または2に記載の駆動力配分装置であって、
    トルク断続装置は、
    第1回転子とともに回転する第1回転部材と、第2回転子とともに回転する第2回転部材との締結によって、第1駆動軸と第2駆動軸間のトルク伝達を許容するクラッチ機構をさらに含み、
    第1回転子と第2回転子間のトルクと、クラッチ機構の伝達トルクとに応じて、第1駆動軸と第2駆動軸のトルク配分が調整される、駆動力配分装置。
  4. 請求項3に記載の駆動力配分装置であって、
    回転電機とクラッチ機構の合計損失が最小になるように、第1回転子と第2回転子間のトルクと、クラッチ機構の伝達トルクとの配分が調整される、駆動力配分装置。
  5. 請求項3に記載の駆動力配分装置であって、
    要求された第2駆動軸と第1駆動軸のトルク差に対して、第1回転子と第2回転子間のトルクの大きさが最小になるように、第1回転子と第2回転子間のトルクと、クラッチ機構の伝達トルクが調整される、駆動力配分装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1に記載の駆動力配分装置であって、
    第1回転子は第1駆動軸とともに回転し、
    第2回転子は第2駆動軸とともに回転する、駆動力配分装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか1に記載の駆動力配分装置であって、
    第1回転子と第2回転子間に発生するトルクを第1駆動軸と第2駆動軸にトルクの方向が互いに逆方向で且つトルクの大きさを増幅させるように伝達する伝達装置をさらに備える、駆動力配分装置。
  8. 請求項7に記載の駆動力配分装置であって、
    伝達装置は、
    第1回転子とともに回転する第1回転要素と、
    第2回転子とともに回転する第2回転要素と、
    第1回転要素と第2回転要素の回転差の発生に応じて回転する第3回転要素と、
    第3回転要素に結合された第4回転要素と、
    第1駆動軸とともに回転する第5回転要素と、
    第2駆動軸とともに回転する第6回転要素と、
    を有し、
    第4回転要素の回転に応じて第5回転要素と第6回転要素に回転差が発生し、
    第3回転要素の半径が第4回転要素の半径より大きい、駆動力配分装置。
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