JP2016201589A - 伝送ケーブル検査装置及び伝送ケーブル検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の価格を抑制しつつ、伝送ケーブルの不具合箇所の位置を高精度に検出することができる伝送ケーブル検査装置及び伝送ケーブル検査方法を提供する。【解決手段】伝送ケーブル検査装置の受信部のOFDM信号受信部7は、ベースバンド信号をフーリエ変換する第1のフーリエ変換部71と、伝送ケーブルの周波数特性を推定する伝送路推定部72と、周波数特性を複数の区間に分割する分割処理を行う分割処理部70と、複数の区間の複数の出力の各々から複数の遅延プロファイル推定結果を生成する複数の遅延プロファイル推定部76_1,…,76_Mと、遅延プロファイル推定結果を合成する合成部77と、合成によって得られる信号から不具合箇所を算出する不具合箇所算出部78とを有する。分割処理部70は、複数の区間の各々に含まれる反射波の数がOFDM信号のキャリアの数の半分より小さい値になるように、複数の区間の分割を行う。【選択図】図4
Description
本発明は、電気信号を伝送する伝送ケーブルの不具合箇所を検出する伝送ケーブル検査装置及び伝送ケーブル検査方法に関するものである。
有線通信システムにおいて、電気信号を伝送ケーブル(例えば、同軸ケーブル及びツイストペアケーブルのようなメタル線)に伝送する伝送装置を新たな伝送装置に置き換える際に、既設の伝送ケーブルを再利用することができれば、コストを削減することができる。例えば、アナログ伝送方式の伝送装置をデジタル伝送方式の伝送装置に置き換える際に、アナログ伝送方式の伝送装置による信号伝送に使用されていた既設の伝送ケーブルを、デジタル伝送方式の伝送装置による信号伝送に使用することができれば、新たな伝送ケーブルを敷設する必要が無いので、コストを削減することができる。
しかし、新たな伝送装置による信号伝送に既設の伝送ケーブルを使用すると、新たな伝送装置が所望の伝送性能を得ることができないことがある。例えば、伝送ケーブルの途中に折れ曲がっている箇所がある場合又は中継コネクタ部分で著しいインピーダンス不整合がある場合に、新たな伝送装置による信号伝送に支障を来すおそれがある。このため、新たな伝送装置を導入する場合には、既設の伝送ケーブルが新たな伝送装置に適した特性を持つかどうかを検査する必要がある。
このように、アナログ伝送方式の伝送装置には支障なく使用することができる伝送ケーブルであっても、同じ伝送ケーブルが、デジタル伝送方式の伝送装置に支障を来す場合がある。これは、アナログ伝送方式の伝送装置とデジタル伝送方式の伝送装置は、互いに異なる変調方式を用いており、また、使用する信号の周波数帯域などの方式諸元が互いに異なっているからである。また、伝送装置が採用する方式諸元に応じて、伝送ケーブルの不具合が与える支障の度合いが異なる。したがって、新たな伝送装置を導入する場合には、既設の伝送ケーブルの不具合の有無及び不具合箇所の位置を検知するための検査を行えば、伝送ケーブルの交換のための配線工事が必要か否かの判断又は既設の伝送ケーブルの修理が必要か否かの判断を行うことができる。
また、伝送ケーブルを修理するためには、伝送ケーブルの不具合箇所の位置を正確に把握しなければならない。一般に、伝送ケーブルの不具合箇所を特定する手法として、TDR(Time Domain Reflectometry)法が知られている。TDR法では、伝送ケーブルの一端(近端)からステップ信号を送信した時点から、伝送ケーブルの一端(近端)で、伝送ケーブルの不具合箇所で反射した反射波を受信する時点までの時間(遅延時間)をもとに、伝送ケーブルの不具合箇所の位置を特定する。この遅延時間の最小分解能は、反射波をアナログからデジタルに変換するAD変換器のサンプリング間隔である。したがって、伝送ケーブルの不具合箇所を高精度に検出するためには、高いサンプリング周波数で動作する高価なAD変換器が必要になる。
この対策として、受信部のAD変換器のサンプリング間隔より細かい分解能で遅延時間を推定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、伝送ケーブルに信号を送信する送信部の信号源において、予め決められた数の特定周波数成分の振幅及び位相を特定パターンを用いて連続して変調する。また、反射波を受信する受信部において、特定周波数成分の相関行列に対して、固有値展開に基づくスーパーレゾリューション法としてのMUSIC(MUltiple SIgnal Classification)法を適用する。このため、受信部は、多重波環境においても特定パターンに対するDFT(離散フーリエ変換)時間窓タイミング及び遅延時間を精度よく推定する。具体的には、受信部は、OFDM(直交周波数分割多重)信号を受信して伝送路の周波数特性を推定した後、伝送路の周波数特性の推定結果に対してMUSIC法を適用することで、到来波の遅延時間を推定する。受信部は、MUSIC法を適用することで、AD変換器のサンプリング間隔より細かい分解能の遅延時間を推定することができる。また、受信部は、MUSIC法を伝送ケーブルの不具合箇所の特定に使用することで、低速で安価なAD変換器であっても、精度良く反射波の遅延時間を推定することができ、伝送ケーブルの不具合箇所の位置を精度良く検出することができる。
しかしながら、MUSIC法を用いて反射波の遅延時間を求める場合には、受信部は、伝送路推定結果の相関行列に空間平均を施す必要がある。空間平均数をK(Kは正の整数)とし、精度良く遅延時間を推定できる反射波の数をL(Lは正の整数)とすると、次式(1)を満たす必要がある。
L<K 式(1)
L<K 式(1)
また、相関行列のサイズをN(Nは2以上の整数)とすると、相関行列に空間平均を施した後の相関行列のサイズは、次式(2)を満たす必要がある。
L<N−K 式(2)
ここで、NはOFDM信号のキャリア数でもある。
L<N−K 式(2)
ここで、NはOFDM信号のキャリア数でもある。
空間平均数Kを大きくすると、式(1)による反射波の数Lの上限は大きくなるが、式(2)による反射波の数Lの上限は小さくなる。式(1)及び(2)の両方の条件を満たす反射波の数の上限(最大値)Laは、次式(3)で算出される。
La=(N/2)−1 式(3)
La=(N/2)−1 式(3)
このように、特許文献1に記載の技術では、反射波の数がOFDM信号のキャリア数Nの半分N/2以上の場合には、MUSIC法による遅延時間の推定精度が劣化するという問題がある。例えば、OFDM信号のキャリア数Nが64である場合、式(3)から、精度良く検出可能な反射波の数(伝送ケーブルの不具合箇所の数)の上限Laは、31である。したがって、伝送ケーブルの不具合箇所が多い場合のように、反射波の数が32以上になると、受信部におけるMUSIC法による遅延時間の推定精度が大幅に劣化するという問題がある。
また、キャリア数Nを増やすことで、精度よく検出可能な反射波の数の上限Laは増加するが、OFDM信号の帯域幅が広くなる。このため、キャリア数Nを増やす場合には、サンプリング周波数が高速である高価なAD変換器を使用しなければならないという問題がある。
そこで、本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、装置の価格を抑制しつつ、反射波の数がOFDM信号のキャリア数の半分より多い場合であっても、伝送ケーブルの不具合箇所の位置を高精度に検出することができる伝送ケーブル検査装置及び伝送ケーブル検査方法を提供することを目的とする。
本発明に係る伝送ケーブル検査装置は、複数のキャリアを含むOFDM信号を伝送ケーブルに送出する送信部と、前記伝送ケーブルから到来する信号を受信する受信部と、を有し、前記受信部は、前記送信部から送出された前記OFDM信号の前記伝送ケーブルからの反射波を含むキャリア周波数の信号をアナログのベースバンド信号に周波数変換するダウンコンバート部と、前記アナログのベースバンド信号をデジタルのベースバンド信号に変換するアナログデジタル変換部と、前記デジタルのベースバンド信号をフーリエ変換する第1のフーリエ変換部と、前記フーリエ変換の結果から前記伝送ケーブルの周波数特性を推定する伝送路推定部と、前記伝送路推定部によって推定された前記伝送ケーブルの周波数特性を複数の区間に分割する分割処理部と、前記複数の区間の複数の出力の各々から、予め決められた方法で遅延プロファイルを推定して、複数の遅延プロファイル推定結果を生成する複数の遅延プロファイル推定部と、前記複数の遅延プロファイル推定結果を合成する合成部と、前記複数の遅延プロファイル推定結果の合成によって得られる信号をもとに、伝送ケーブルの不具合箇所を算出する不具合箇所算出部と、を有し、前記分割処理部は、前記複数の区間の各々に含まれる反射波の数が前記OFDM信号の前記複数のキャリアの数の半分より小さい値になるように、前記複数の区間の分割を行うことを特徴とする。
また、本発明に係る伝送ケーブル検査方法は、複数のキャリアを含むOFDM信号を伝送ケーブルに送出する送信ステップと、前記伝送ケーブルから到来する信号を受信する受信ステップと、を有し、前記受信ステップは、前記送信ステップにおいて送出された前記OFDM信号の前記伝送ケーブルからの反射波を含むキャリア周波数の信号をアナログのベースバンド信号に周波数変換するダウンコンバートステップと、前記アナログのベースバンド信号をデジタルのベースバンド信号に変換するアナログデジタル変換ステップと、前記デジタルのベースバンド信号をフーリエ変換する第1のフーリエ変換ステップと、前記フーリエ変換の結果から前記伝送ケーブルの周波数特性を推定する伝送路推定部と、前記伝送路推定部によって推定された前記伝送ケーブルの周波数特性を複数の区間に分割する分割処理ステップと、前記複数の区間の複数の出力の各々から、予め決められた方法で遅延プロファイルを推定して、複数の遅延プロファイル推定結果を生成する複数の遅延プロファイル推定ステップと、前記複数の遅延プロファイル推定結果を合成する合成ステップと、前記複数の遅延プロファイル推定結果の合成によって得られる信号をもとに、伝送ケーブルの不具合箇所を算出する不具合箇所算出ステップと、を有し、前記分割処理ステップでは、前記複数の区間の各々に含まれる反射波の数が前記OFDM信号の前記複数のキャリアの数の半分より小さい値になるように、前記複数の区間の分割を行うことを特徴とする。
本発明によれば、伝送路推定結果を複数の遅延時間の区間に分割し、分割された区間のそれぞれについて遅延プロファイルの推定を行うので、装置の価格を抑制しつつ、反射波の数がOFDM信号のキャリア数の半分より多い場合であっても、伝送ケーブルの不具合箇所の位置を高精度に検出することができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る伝送ケーブル検査装置10の構成を概略的に示すブロック図である。伝送ケーブル検査装置10は、後述の実施の形態3に係る伝送ケーブル検査方法を実施することができる装置である。図1に示されるように、伝送ケーブル検査装置10は、テスト信号としてのOFDM信号を送出する送信部11と、反射波としてのOFDM信号を受信する受信部12と、反射波抽出部4とを備えている。送信部11は、OFDM信号生成部1と、DA(デジタル−アナログ)変換部2と、アップコンバート部3とを有している。受信部12は、ダウンコンバート部5と、AD(アナログ−デジタル)変換部6と、OFDM信号受信部7とを有している。
図1は、本発明の実施の形態1に係る伝送ケーブル検査装置10の構成を概略的に示すブロック図である。伝送ケーブル検査装置10は、後述の実施の形態3に係る伝送ケーブル検査方法を実施することができる装置である。図1に示されるように、伝送ケーブル検査装置10は、テスト信号としてのOFDM信号を送出する送信部11と、反射波としてのOFDM信号を受信する受信部12と、反射波抽出部4とを備えている。送信部11は、OFDM信号生成部1と、DA(デジタル−アナログ)変換部2と、アップコンバート部3とを有している。受信部12は、ダウンコンバート部5と、AD(アナログ−デジタル)変換部6と、OFDM信号受信部7とを有している。
送信部11のOFDM信号生成部1は、送信部11及び受信部12の両方で既知である信号(既知信号)から伝送路としての伝送ケーブル8を検査するためのデジタルのOFDM信号を生成する。OFDM信号は、互いに直交する複数のキャリア(搬送波)にデータを乗せて伝送される。ここで、複数のキャリアの数であるキャリア数をN(Nは2以上の整数)とする。
送信部11のDA変換部2は、OFDM信号生成部1で生成されたOFDM信号をデジタル信号からアナログ信号に変換する。送信部11のアップコンバート部3は、DA変換部2から出力されるアナログのOFDM信号であるベースバンド信号をキャリア周波数の信号に周波数変換する。
反射波抽出部4は、伝送ケーブル8に接続されており、送信部11のアップコンバート部3から出力された信号を通過させて伝送ケーブル8に送出する。また、反射波抽出部4は、送信部11のアップコンバート部3から出力された信号のうちの、伝送ケーブル8を介さず直接に受信部12に届く成分を減衰させる。したがって、受信部12には、反射波抽出部4を通過して伝送ケーブル8に送出された後に、伝送ケーブル8で反射して戻ってきた反射波のみが入力される。反射波抽出部4としては、方向性結合器又はサーキュレーターなどを使用することができる。
受信部12のダウンコンバート部5は、アナログ信号である受信信号(反射波)をキャリア周波数の信号からアナログのOFDM信号であるベースバンド信号に周波数変換する。
受信部12のAD変換部6は、ダウンコンバート部5から出力されたベースバンド信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。
受信部12のOFDM信号受信部7は、AD変換部6から出力されたデジタル信号から、伝送ケーブル8からの反射波の遅延時間τを推定し、伝送ケーブル8の不具合箇所を特定する。反射波の遅延時間τは、送信部11から伝送ケーブル8にOFDM信号を送信した時点から受信部12が反射波を受信する時点までの時間である。また、反射波の遅延時間τは、送信部11から伝送ケーブル8にOFDM信号を送信した時点を時刻0としたときに、受信部12が反射波を受信する時点における受信時刻で表すこともできる。
図2は、伝送ケーブル8に不具合箇所が無い場合に、実施の形態1に係る伝送ケーブル検査装置10が伝送ケーブル8にOFDM信号を送出したときに受信する反射波の遅延プロファイル(遅延時間及び電力)を示す図である。図2の例では、検査対象となる伝送ケーブル8の近端8aに伝送ケーブル検査装置10を接続し、伝送ケーブル8の遠端8bは開放する。そして、伝送ケーブル検査装置10のアップコンバート部3から出力される信号を伝送ケーブル8の近端8aから伝送ケーブル8に入力する。伝送ケーブル8の途中に不具合箇所が存在しない場合、アップコンバート部3から送信された信号は、伝送ケーブル8の開放端となっている遠端で反射する。伝送ケーブル検査装置10は、伝送ケーブル8の遠端8bで反射された反射波を受信して、反射波をダウンコンバート部5に入力する。OFDM信号受信部7は、図2に示されるように、反射波の遅延時間τ1及び電力を測定する。図2の遅延プロファイルには、伝送ケーブル8の遠端8bからの反射波のみが含まれる。
図3は、伝送ケーブル8に不具合箇所が有る場合に、実施の形態1に係る伝送ケーブル検査装置10が伝送ケーブル8にOFDM信号を送出したときに受信する反射波の遅延プロファイル(遅延時間及び電力)を示す図である。図3の例では、検査対象となる伝送ケーブル8の近端8aに伝送ケーブル検査装置10を接続し、伝送ケーブル8の遠端8bは開放する。そして、伝送ケーブル検査装置10のアップコンバート部3から出力される信号を伝送ケーブル8の近端8aから伝送ケーブル8に入力する。伝送ケーブル8の途中に不具合箇所8cが存在する場合、アップコンバート部3から送信された信号は、伝送ケーブル8の開放端となっている遠端8bと不具合箇所8cとの両方で反射される。伝送ケーブル検査装置10は、遠端8bで反射した反射波と不具合箇所8cで反射した反射波とが多重化された信号を受信する。このとき、OFDM信号受信部7で推定される遅延プロファイルには、遠端8bで反射した反射波の遅延時間τ1及び電力と、不具合箇所8cで反射した反射波の遅延時間τ2及び電力とが含まれる。
OFDM信号受信部7が遠端8bで反射した反射波を受信した受信時刻(遅延時間)をτ1とし、OFDM信号受信部7が不具合箇所で反射した反射波を受信した受信時刻(遅延時間)をτ2とし、遠端8bで反射した反射波と不具合箇所8cで反射した反射波の遅延時間差をΔτとすると、遅延時間差Δτは、次式(4)で表される。
Δτ=τ1−τ2 式(4)
Δτ=τ1−τ2 式(4)
遠端8bから不具合箇所8cまでの距離をLとし、伝送ケーブル8内での電気信号の伝搬速度をvとすると、距離Lは次式(5)で表される。
L=v×Δτ/2 式(5)
式(5)において、速度vの単位を「m/s(メートル毎秒)」とし、遅延時間差Δτの単位を「s(秒)」とすると、距離Lの単位は「m(メートル)」となる。
L=v×Δτ/2 式(5)
式(5)において、速度vの単位を「m/s(メートル毎秒)」とし、遅延時間差Δτの単位を「s(秒)」とすると、距離Lの単位は「m(メートル)」となる。
図4は、図1の受信部12のOFDM信号受信部7の構成を概略的に示すブロック図である。図4に示されるように、OFDM信号受信部7は、第1のフーリエ変換部71と、伝送路推定部72と、逆フーリエ変換部73と、分割部74と、複数(M個)の第2のフーリエ変換部75_1,…,75_Mと、複数(M個)の遅延プロファイル推定部76_1,…,76_Mと、合成部77と、不具合箇所算出部78とを備えている。Mは2以上の整数である。また、逆フーリエ変換部73と分割部74と第2のフーリエ変換部75_1,…,75_Mとは、分割処理部70を構成する。
図4の第1のフーリエ変換部71は、時間領域の受信信号をN点離散フーリエ変換することで周波数領域の信号に変換する。
図4の伝送路推定部72は、第1のフーリエ変換部71から出力される周波数領域の信号であるN個のキャリアの信号を、送信部11及び受信部12の両方で既知である信号(既知信号)で除算することで、N個のキャリアの各々に作用する伝送路の周波数特性を推定する。
図4の逆フーリエ変換部73は、伝送路推定部72から出力される伝送路の周波数特性の推定結果をN点逆離散フーリエ変換することで、遅延プロファイルを得る。ここで、逆フーリエ変換部73から出力される遅延プロファイルの遅延時間分解能は、AD変換部6のAD変換のサンプリング間隔である。したがって、仮に、逆フーリエ変換部73の逆離散フーリエ変換によって得られる遅延プロファイルをもとに、反射波の遅延時間を推定すると、TDR法を用いる場合と同じ精度の遅延時間しか得られず、伝送ケーブルの不具合箇所の位置の検出誤差が大きい。また、仮に、逆フーリエ変換部73の逆離散フーリエ変換で得られる遅延プロファイルの遅延時間の検出精度を向上させる場合には、TDR法を用いる場合と同様に、サンプリング周波数の高い高速で高価なAD変換器を使用する必要がある。
図4の分割部74は、逆フーリエ変換部73で得られる遅延プロファイルを、複数の遅延時間の区間に分割する。例えば、キャリア数Nが16であり、反射波の数Lが10個である場合を考える。MUSIC法で精度良く検出可能な反射波の数(伝送ケーブルの不具合箇所の数と解放端の数との合計)の上限Laは、キャリア数Nの半分N/2未満である。上記式(3)から、精度良く検出可能な反射波の数の上限Laは、次式(6)で算出される。
La=(N/2)−1=(16/2)−1=7 式(6)
このように、反射波の数Lが8個以上である場合には、従来の方法(例えば、特許文献1)でMUSIC法を適用しても、精度良く反射波を検出することができない。しかし、実施の形態1に係る伝送ケーブル検査装置10によれば、OFDM信号を送信してから反射波を受信するまでの期間を、互いに等しい時間長を持つ複数の区間に分割し、分割されたそれぞれの区間に対してMUSIC法を適用しているので、分割された複数の区間の各々において、上記式(3)を満たすことができる。このため、実施の形態1に係る伝送ケーブル検査装置10によれば、精度良く反射波を検出することができる。
La=(N/2)−1=(16/2)−1=7 式(6)
このように、反射波の数Lが8個以上である場合には、従来の方法(例えば、特許文献1)でMUSIC法を適用しても、精度良く反射波を検出することができない。しかし、実施の形態1に係る伝送ケーブル検査装置10によれば、OFDM信号を送信してから反射波を受信するまでの期間を、互いに等しい時間長を持つ複数の区間に分割し、分割されたそれぞれの区間に対してMUSIC法を適用しているので、分割された複数の区間の各々において、上記式(3)を満たすことができる。このため、実施の形態1に係る伝送ケーブル検査装置10によれば、精度良く反射波を検出することができる。
図5は、分割部74による遅延プロファイルの区間分割の例を示す図である。図5では、分割部74による区間分割によって得られた複数の区間の数を4とし、4つの区間#1、#2、#3、及び#4に含まれる反射波の数Lはそれぞれ、2個、4個、2個、及び2個となる。区間#1、#2、#3、及び#4のそれぞれに含まれる反射波の数は、精度良く検出可能な反射波の数の上限Laである7個より小さい。このように、伝送ケーブル検査装置10によれば、精度良く反射波を検出することができる。
図6は、図4に示される分割部74の構成を概略的に示すブロック図である。図6に示されるように、分割部74は、分割対象期間決定部741と、分割区間決定部742と、区間分割部743とを備える。
一般に、伝送ケーブル8の不具合箇所で反射して戻ってくる反射波の電力は、遠端8bで反射して戻ってくる反射波の電力より小さい。図6の分割対象期間決定部741は、最も電力の大きな反射波(成分)を伝送ケーブル8の遠端8bで反射して戻ってくる反射波であると判断し、最も電力の大きな反射波の遅延時間よりも、遅延時間の短い期間を分割対象期間とする。
図6の分割区間決定部742は、分割対象期間決定部741で決められた分割対象期間の分割後の区間(分割区間)を決定する。例えば、分割区間決定部742は、予め分割区間の数Mを決めて保持し、分割対象期間を均等にM分割することによって、分割された複数の区間を得る。図5は、分割区間の数Mが4である場合を示している。
また、図6の分割区間決定部742は、分割区間の数Mを、遅延プロファイルに含まれる、電力が予め決められた閾値以上の成分の数をもとに算出してもよい。分割区間決定部742は、電力が予め決められた閾値以上の成分が多い場合には、反射波の数が多いため、分割区間の数Mを大きな値にする。例えば、分割区間決定部742は、電力が予め決められた閾値以上の成分の数がA個の場合、分割区間の数Mとして、α×Aの整数部を用いる。ここで、αは予め決められた正の実数である。なお、上記の予め決められた閾値は、予め決めておいてもよいし、又は、遅延プロファイルに含まれる最大電力値から算出してもよい(例えば、最大電力値に予め決められた係数を乗算した値としてもよい)。
図7(a)から(d)は、図6の区間分割部743による遅延プロファイルの区間分割の例を示す図である。区間分割部743は、分割区間決定部742で決められた区間で遅延プロファイルを分割する。例えば、図5の区間#1、#2、#3、及び#4に分割する場合、区間分割部743からは、図7(a)から(d)に示されるような4つの分割後の結果が出力される。図7(a)から(d)に示されるように、分割されて切り出された区間#1、#2、#3、及び#4以外には、電力0が挿入される。
図4の複数の第2のフーリエ変換部75_1,…,75_Mは、分割部74から出力されるM個の分割結果の各々を、N点離散フーリエ変換する。
図4の複数の遅延プロファイル推定部76_1,…,76_Mは、複数の第2のフーリエ変換部75_1,…,75_MのM個の出力に対して、MUSIC法をそれぞれ適用し、各区間#1〜#Mに含まれる反射波の遅延プロファイルをそれぞれ推定する。また、MUSIC法の代わりに、ESPRIT(Estimation of Signal Parameter via Rotational)法又は最小ノルム法等の、高分解能の遅延プロファイル推定法を使用してもよい。
図4の合成部77は、M個の遅延プロファイル推定部76_1,…,76_Mからの出力を合成する。M個の遅延プロファイル推定部76_1,…,76_Mは、各分割区間の遅延プロファイルを出力するので、合成部77はこれらを繋ぎ合わせる。
図4の不具合箇所算出部78は、合成部77から出力される遅延プロファイルの推定結果から伝送ケーブル8の不具合箇所を推定する。具体的には、まず、最も電力の大きい成分を遠端8bからの反射波と判断する。ここで、電力が最も大きい成分の遅延時間をτ1とする。次に、遅延時間がτ1より短い範囲において、予め決められた閾値以上の成分を探索する。例えば、遅延時間τ2(<τ1)の反射波成分が検出された場合、この反射波を発生させる伝送ケーブルの不具合箇所は、Δτ=τ1−τ2とすると、遠端8bから、次式(7)で示される距離Lの位置に存在する。
L=v×Δτ/2 式(7)
L=v×Δτ/2 式(7)
従来の方法(例えば、特許文献1)では、伝送路の周波数特性の推定値に対してMUSIC法を適用しているため、反射波の数がOFDM信号のキャリア数Nの半分N/2以上である環境下で、遅延時間の推定精度が大幅に劣化する。これに対して、実施の形態1に係る伝送ケーブル検査装置10によれば、伝送路の周波数特性を遅延時間の次元でM個の区間に分割し、分割された個々の伝送路の周波数特性に対してMUSIC法を適用している。このため、反射波の数がOFDM信号のキャリア数Nの半分N/2以上の環境であっても、遅延時間を精度良く推定することができる。その結果、高速で高価はAD変換器を備えずに、伝送ケーブル8の不具合箇所の位置を精度良く特定することができる。
図8は、図4に示される分割部74による遅延プロファイルの区間分割の他の例を示す図である。分割部74の分割区間決定部742は、遅延時間0から順に、電力が予め決められた閾値以上の成分をカウントし、そのカウント値が予め決められた数Cを超える位置を分割位置としてもよい。例えば、10個の反射波が存在する場合に、C=2とすると、図8に示されるような5個の区間に分割される。この場合には、分割区間に含まれる反射波の個数は最大でC個となる。また、CはOFDM信号のキャリア数Nの半分N/2より小さな正の整数である。
図9は、図4に示される分割部74による遅延プロファイルの区間分割の更に他の例を示す図である。分割部74の分割区間決定部742は、分割対象期間決定部741で決められた分割対象期間の最大遅延時間から遅延時間0に向かう方向へ順に、電力が予め決められた閾値以上の成分をカウントし、そのカウント値が予め決められた数Bを超える位置を分割位置としてもよい。例えば、10個の反射波が存在する場合に、B=2とすると、図9に示されるような5個の区間に分割される。この場合には、分割区間に含まれる反射波の個数は最大でB個となる。また、BはOFDM信号のキャリア数Nの半分N/2より小さな正の整数である。
実施の形態2.
図10は、本発明の実施の形態2に係る伝送ケーブル検査装置10aの構成を概略的に示すブロック図である。伝送ケーブル検査装置10aは、後述の実施の形態3に係る伝送ケーブル検査方法を実行することができる装置である。図10において、図1に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図1における符号と同じ符号を付す。図10に示されるように、伝送ケーブル検査装置10aは、送信部11と、受信部12aと、反射波抽出部4とを備えている。送信部11は、OFDM信号生成部1と、DA変換部2と、アップコンバート部3とを有している。受信部12aは、ダウンコンバート部5と、AD変換部6と、OFDM信号受信部7aとを有している。実施の形態2に係る伝送ケーブル検査装置10aは、受信部12aのOFDM信号受信部7aの構成が、実施の形態1に係る伝送ケーブル検査装置10と異なる。
図10は、本発明の実施の形態2に係る伝送ケーブル検査装置10aの構成を概略的に示すブロック図である。伝送ケーブル検査装置10aは、後述の実施の形態3に係る伝送ケーブル検査方法を実行することができる装置である。図10において、図1に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図1における符号と同じ符号を付す。図10に示されるように、伝送ケーブル検査装置10aは、送信部11と、受信部12aと、反射波抽出部4とを備えている。送信部11は、OFDM信号生成部1と、DA変換部2と、アップコンバート部3とを有している。受信部12aは、ダウンコンバート部5と、AD変換部6と、OFDM信号受信部7aとを有している。実施の形態2に係る伝送ケーブル検査装置10aは、受信部12aのOFDM信号受信部7aの構成が、実施の形態1に係る伝送ケーブル検査装置10と異なる。
図11は、図10に示されるOFDM信号受信部7aの構成を概略的に示すブロック図である。図10において、図4に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図4における符号と同じ符号を付す。図11に示されるように、OFDM信号受信部7aは、第1のフーリエ変換部71と、伝送路推定部72と、互いに異なる通過帯域を持つ複数のフィルタ部79_1,…,79_Mと、複数の遅延プロファイル推定部76_1,…,76_Mと、合成部77と、不具合箇所算出部78とを備えている。Mは2以上の整数である。複数のフィルタ部79_1,…,79_Mは、分割処理部70aを構成する。
実施の形態1では、伝送路の周波数特性の推定結果を、逆フーリエ変換により遅延時間の次元に変換した後、複数の区間に分割し、第2のフーリエ変換により周波数の次元に戻していた。これに対し、実施の形態2では、フーリエ変換を使用せずに、複数のフィルタ部79_1,…,79_Mによるフィルタ処理により複数の遅延時間の区間に分割する。この点を除き、実施の形態2に係る伝送ケーブル検査装置10aは、実施の形態1に係る伝送ケーブル検査装置10と同じである。
図11において、M個のフィルタ部79_1,…,79_Mは、互いに異なる通過帯域を持つバンドパスフィルタである。フィルタ部79_1,…,79_Mの各々の構成は、FIR(有限インパルス応答)型フィルタ又はIIR(無限インパルス応答)型フィルタのいずれでもよい。M個のフィルタ部79_1,…,79_Mの各々の通過帯域が、遅延時間の分割区間(例えば、図5の区間#1、#2、#3、及び#4又は図8の区間#1、#2、#3、#4、及び#5)に相当するよう、フィルタを設計する。
図12は、図11に示されるM個のフィルタ部79_1,…,79_Mの周波数特性を示す図である。例えば、4つの区間に分割する場合、フィルタ部79_1,…,79_Mの各々の時間軸の次元における通過帯域は、図12に示されるようになる。実施の形態2では、伝送路の周波数特性を逆フーリエ変換しないため、実施の形態1の場合のように、遅延プロファイルに応じて分割する区間を決めることはできない。したがって、実施の形態2においては、分割対象期間と区間分割の数Mを予め決められた値としている。
従来の方法(例えば、特許文献1)では、伝送路の周波数特性の推定値に対してMUSIC法を適用しているため、反射波の数がOFDM信号のキャリア数Nの半分N/2以上である環境下で、遅延時間の推定精度が大幅に劣化する。これに対して、実施の形態2に係る伝送ケーブル検査装置10aによれば、伝送路の周波数特性を遅延時間の次元で複数の区間に分割し、分割された個々の伝送路の周波数特性に対してMUSIC法を適用している。このため、反射波の数がOFDM信号のキャリア数Nの半分N/2以上の環境であっても、遅延時間を精度良く推定することができる。その結果、高速で高価はAD変換器を備えずに、伝送ケーブル8の不具合箇所の位置を精度良く特定することができる。
実施の形態3.
図13(a)及び(b)は、本発明の実施の形態3に係る伝送ケーブル検査方法を示すフローチャートである。図13(a)は、送信ステップを示し、図13(b)は、受信ステップを示す。実施の形態3に係る伝送ケーブル検査方法は、実施の形態1又は2に係る伝送ケーブル検査装置10又は10aが実行することができる方法である。したがって、実施の形態3に係る伝送ケーブル検査方法の説明に際しては、図1及び図4、又は、図10及び図11を参照する。
図13(a)及び(b)は、本発明の実施の形態3に係る伝送ケーブル検査方法を示すフローチャートである。図13(a)は、送信ステップを示し、図13(b)は、受信ステップを示す。実施の形態3に係る伝送ケーブル検査方法は、実施の形態1又は2に係る伝送ケーブル検査装置10又は10aが実行することができる方法である。したがって、実施の形態3に係る伝送ケーブル検査方法の説明に際しては、図1及び図4、又は、図10及び図11を参照する。
図13(a)に示されるように、送信部11は、先ず、送信部及び受信部の両方で既知の信号から直交する複数のキャリアで伝送するOFDM信号を生成する(ステップS11)。ここで、キャリア数をNとする。このステップの処理は、図1又は図10のOFDM信号生成部1が行う処理と同じである。
次に、送信部11は、ステップS11で生成されたOFDM信号をデジタル信号からアナログ信号に変換する(ステップS12)。このステップの処理は、図1又は図10のDA変換部2が行う処理と同じである。
次に、送信部11は、ステップS12で生成されたベースバンド信号をキャリア周波数に周波数変換するアップコンバートを行う(ステップS13)。このステップの処理は、図1又は図10のアップコンバート部3が行う処理と同じである。
図13(b)に示されるように、受信部12は、伝送ケーブルからの受信信号をキャリア周波数からベースバンドに周波数変換する(ステップS21)。このステップの処理は、図1又は図10のダウンコンバート部5が行う処理と同じである。
次に、受信部12は、受信信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する(ステップS22)。このステップの処理は、図1又は図10のAD変換部6が行う処理と同じである。
次に、受信部12は、反射波の遅延時間を推定し、伝送ケーブル8の不具合箇所の位置を特定する。このステップの処理は、図1のOFDM信号受信部7が行う処理又は図10のOFDM信号受信部7aが行う処理と同じである。
図14は、図13(b)のOFDM信号受信処理(ステップS23)の一例を示すフローチャートである。図14に示されるように、受信部12は、時間領域の受信信号をN点離散フーリエ変換することで周波数領域に変換する第1のフーリエ変換処理を行う(ステップS231)。このステップの処理は、図4の第1のフーリエ変換部71が行う処理と同じである。
次に、受信部12は、図14のステップS231において生成されるN個のキャリアの信号を、送信部11と受信部12の両方で既知の信号で除算することで、N個のキャリアの各々に作用する伝送路の周波数特性を推定する(ステップS232)。このステップの処理は、図4の伝送路推定部72が行う処理と同じである。
次に、受信部12は、図14のステップS232において生成された伝送路の周波数特性の推定結果を、N点逆離散フーリエ変換することで、遅延プロファイルを得る(ステップS233)。このステップの処理は、図4の逆フーリエ変換部73が行う処理と同じである。
次に、受信部12は、図14のステップS234において、ステップS233で得られる遅延プロファイルを複数の遅延時間の区間に分割する。このステップの処理は、図4の分割部74が行う処理と同じである。
図15は、図14の分割ステップS234の処理を示すフローチャートである。図15の分割対象期間決定ステップS2341の処理は、図6の分割対象期間決定部741が行う処理と同じである。
図15の分割区間決定ステップS2342の処理で、分割対象期間決定ステップS2341で決められた期間の分割区間を決定する。分割区間決定ステップS2342の処理は、図6の分割区間決定部742が行う処理と同じである。
図15の区間分割ステップS2343の処理で、分割区間決定ステップS2342で決められた区間で遅延プロファイルを分割する。区間分割ステップS2343の処理は、図6の区間分割部743が行う処理と同じである。
次に、受信部12は、図14のステップS233において、ステップS232において生成されるM個の分割結果に対して、順にN点離散フーリエ変換する。このステップの処理は、図4のM個の第2のフーリエ変換部75_1,…,75_Mが行う処理と同じである。
次に、受信部12は、図14のステップS236において、第2のフーリエ変換ステップの出力に対してMUSIC法を適用し、各分割区間に含まれる反射波の遅延プロファイルを推定する。また、MUSIC法の代わりに、ESPRIT法又は最小ノルム法等、高分解能の遅延プロファイル推定法を使用してもよい。このステップの処理は、図4のM個の遅延プロファイル推定部76_1,…,76_Mが行う処理と同じである。図14において、ステップS235とS236は、全ての分割区間に対する処理が完了するまで繰り返される(ステップS235〜S237)。
次に、受信部12は、図14のステップS238において、ステップS235〜S237で順次推定されるM区間分の遅延プロファイルを合成する。ステップS235〜S237では、各分割区間の遅延プロファイルを順次出力するので、ステップS238では、これら分割区間の遅延プロファイルを時間順に順次を繋ぎ合わせる。このステップの処理は、図4の合成部77が行う処理と同じである。
次に、受信部12は、図14のステップS239において、ステップS238で生成される遅延プロファイルの推定結果から伝送ケーブルの不具合箇所を推定する。このステップの処理は、図4の不具合箇所算出部78が行う処理と同じである。
図16は、図13(b)のOFDM信号受信処理(ステップS23)の他の例を示すフローチャートである。図16において、図14に示されるステップと同じステップには、図14に示されるステップ番号と同じステップ番号を付す。図16に示されるOFDM信号受信処理は、図14のステップS233、S234、及びS235を、図16のフィルタ処理のステップS240に置き換えた点において、図14に示されるOFDM信号受信処理と相違する。ステップS240の処理は、図11のフィルタ部78_1,…,78_Mが行う処理と同じである。
実施の形態3に係る伝送ケーブル検査方法によれば、伝送路の周波数特性を遅延時間の次元で複数の区間に分割し、分割された個々の伝送路の周波数特性に対してMUSIC法等の推定法を適用しているので、反射波の数がOFDM信号のキャリア数Nの半分N/2以上の環境であっても、遅延時間を精度良く推定することができる。その結果、伝送ケーブル8の不具合箇所の位置を精度良く特定することができる。
変形例.
図17は、本発明の実施の形態1及び2に係る伝送ケーブル検査装置の変形例を示すハードウェア構成図である。図1に示される伝送ケーブル検査装置10の一部は、ソフトウェアとしてのプログラムを格納する記憶装置としてのメモリ91と、メモリ91に格納されたプログラムを実行する情報処理部としてのプロセッサ92とを用いて(例えば、コンピュータにより)実現することができる。この場合には、図1におけるOFDM信号生成部1、DA変換部2、アップコンバート部3、ダウンコンバート部5、AD変換部6、及びOFDM信号受信部7の一部を、図17に示されるメモリ91と、プログラムを実行するプロセッサ92とによって実現してもよい。特に、図4に示される、第1のフーリエ変換部71、伝送路推定部72、逆フーリエ変換部73、分割部74、第2のフーリエ変換部75_1,…,75_M、遅延プロファイル推定部76_1,…,76_M、合成部77、及び不具合箇所算出部78は、メモリ91と、プログラムを実行するプロセッサ92とによって実現してもよい。
図17は、本発明の実施の形態1及び2に係る伝送ケーブル検査装置の変形例を示すハードウェア構成図である。図1に示される伝送ケーブル検査装置10の一部は、ソフトウェアとしてのプログラムを格納する記憶装置としてのメモリ91と、メモリ91に格納されたプログラムを実行する情報処理部としてのプロセッサ92とを用いて(例えば、コンピュータにより)実現することができる。この場合には、図1におけるOFDM信号生成部1、DA変換部2、アップコンバート部3、ダウンコンバート部5、AD変換部6、及びOFDM信号受信部7の一部を、図17に示されるメモリ91と、プログラムを実行するプロセッサ92とによって実現してもよい。特に、図4に示される、第1のフーリエ変換部71、伝送路推定部72、逆フーリエ変換部73、分割部74、第2のフーリエ変換部75_1,…,75_M、遅延プロファイル推定部76_1,…,76_M、合成部77、及び不具合箇所算出部78は、メモリ91と、プログラムを実行するプロセッサ92とによって実現してもよい。
また、図10に示される伝送ケーブル検査装置10aの一部は、ソフトウェアとしてのプログラムを格納する記憶装置としてのメモリ91と、メモリ91に格納されたプログラムを実行する情報処理部としてのプロセッサ92とを用いて(例えば、コンピュータにより)実現することができる。この場合には、図10におけるOFDM信号生成部1、DA変換部2、アップコンバート部3、ダウンコンバート部5、AD変換部6、及びOFDM信号受信部7aの一部を、図17に示されるメモリ91と、プログラムを実行するプロセッサ92とによって実現してもよい。特に、図11に示される、第1のフーリエ変換部71、伝送路推定部72、フィルタ部79_1,…,79_M、遅延プロファイル推定部76_1,…,76_M、合成部77、及び不具合箇所算出部78は、メモリ91と、プログラムを実行するプロセッサ92とによって実現してもよい。
1 OFDM信号生成部、 2 DA変換部、 3 アップコンバート部、 4 反射波抽出部、 5 ダウンコンバート部、 6 AD変換部、 7,7a OFDM信号受信部、 10,10a 伝送ケーブル検査装置、 11 送信部、 12,12a 受信部、 70,70a 分割処理部、 71 第1のフーリエ変換部、 72 伝送路推定部、 73 逆フーリエ変換部、 74 分割部、 75_1,…,75_M 第2のフーリエ変換部、 76_1,…,76_M 遅延プロファイル推定部、 77 合成部、 78 不具合箇所算出部、 79_1,…,79_M フィルタ部、 741 分割対象期間決定部、 742 分割区間決定部、 743 区間分割部。
Claims (9)
- 複数のキャリアを含むOFDM信号を伝送ケーブルに送出する送信部と、
前記伝送ケーブルから到来する信号を受信する受信部と、
を有し、
前記受信部は、
前記送信部から送出された前記OFDM信号の前記伝送ケーブルからの反射波を含むキャリア周波数の信号をアナログのベースバンド信号に周波数変換するダウンコンバート部と、
前記アナログのベースバンド信号をデジタルのベースバンド信号に変換するアナログデジタル変換部と、
前記デジタルのベースバンド信号をフーリエ変換する第1のフーリエ変換部と、
前記フーリエ変換の結果から前記伝送ケーブルの周波数特性を推定する伝送路推定部と、
前記伝送路推定部によって推定された前記伝送ケーブルの周波数特性を複数の区間に分割する分割処理部と、
前記複数の区間の複数の出力の各々から、予め決められた方法で遅延プロファイルを推定して、複数の遅延プロファイル推定結果を生成する複数の遅延プロファイル推定部と、
前記複数の遅延プロファイル推定結果を合成する合成部と、
前記複数の遅延プロファイル推定結果の合成によって得られる信号をもとに、伝送ケーブルの不具合箇所を算出する不具合箇所算出部と、
を有し、
前記分割処理部は、前記複数の区間の各々に含まれる反射波の数が前記OFDM信号の前記複数のキャリアの数の半分より小さい値になるように、前記複数の区間の分割を行う
ことを特徴とする伝送ケーブル検査装置。 - 前記分割処理部は、
前記伝送路推定部によって推定された前記伝送ケーブルの周波数特性を逆フーリエ変換する逆フーリエ変換部と、
前記逆フーリエ変換部の出力を分割対象期間内で前記複数の区間に分割する分割部と、
前記分割部で前記逆フーリエ変換部の出力を分割して得られた複数の信号をそれぞれフーリエ変換して、複数に分割された前記伝送ケーブルの周波数特性を生成する複数の第2のフーリエ変換部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の伝送ケーブル検査装置。 - 前記分割部は、前記逆フーリエ変換部から出力される信号を同じ時間長の複数の区間に分割することを特徴とする請求項2に記載の伝送ケーブル検査装置。
- 前記分割部は、前記逆フーリエ変換部から出力される信号のうち、予め決められた閾値以上の電力を持つ成分の数をカウントし、カウントされた前記成分の数が大きいほど、分割数を大きくすることを特徴とする請求項2に記載の伝送ケーブル検査装置。
- 前記分割部は、前記逆フーリエ変換部から出力される信号に対して、前記分割対象期間内において遅延時間0から順に予め決められた閾値以上の電力を持つ成分の数をカウントし、カウントされた前記成分の数が、予め決められた数を超える位置を分割位置とし、
前記予め決められた数は、前記OFDM信号のキャリア数の半分より小さい値である
ことを特徴とする請求項2に記載の伝送ケーブル検査装置。 - 前記分割部は、前記逆フーリエ変換部から出力される信号に対して、前記分割対象期間内において、前記分割対象期間の最大遅延時間から遅延時間0に向かう方向へ順に、予め決められた閾値以上の電力を持つ成分をカウントし、カウントされた前記成分の数が、予め決められた数を超える位置を分割位置とし、
前記予め決められた数は、前記OFDM信号のキャリア数の半分より小さい値である
ことを特徴とする請求項2に記載の伝送ケーブル検査装置。 - 前記分割処理部は、前記伝送路推定部によって推定された前記伝送ケーブルの周波数特性を複数の区間に分割する、互いに異なる通過帯域を持つ複数のフィルタ部を有することを特徴とする請求項1に記載の伝送ケーブル検査装置。
- 前記複数の遅延プロファイル推定部は、MUSIC法、ESPRIT法、及び最小ノルム法の内のいずれか1つを用いて処理を行うことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の伝送ケーブル検査装置。
- 複数のキャリアを含むOFDM信号を伝送ケーブルに送出する送信ステップと、
前記伝送ケーブルから到来する信号を受信する受信ステップと、
を有し、
前記受信ステップは、
前記送信ステップにおいて送出された前記OFDM信号の前記伝送ケーブルからの反射波を含むキャリア周波数の信号をアナログのベースバンド信号に周波数変換するダウンコンバートステップと、
前記アナログのベースバンド信号をデジタルのベースバンド信号に変換するアナログデジタル変換ステップと、
前記デジタルのベースバンド信号をフーリエ変換する第1のフーリエ変換ステップと、
前記フーリエ変換の結果から前記伝送ケーブルの周波数特性を推定する伝送路推定部と、
前記伝送路推定部によって推定された前記伝送ケーブルの周波数特性を複数の区間に分割する分割処理ステップと、
前記複数の区間の複数の出力の各々から、予め決められた方法で遅延プロファイルを推定して、複数の遅延プロファイル推定結果を生成する複数の遅延プロファイル推定ステップと、
前記複数の遅延プロファイル推定結果を合成する合成ステップと、
前記複数の遅延プロファイル推定結果の合成によって得られる信号をもとに、伝送ケーブルの不具合箇所を算出する不具合箇所算出ステップと、
を有し、
前記分割処理ステップでは、前記複数の区間の各々に含まれる反射波の数が前記OFDM信号の前記複数のキャリアの数の半分より小さい値になるように、前記複数の区間の分割を行う
ことを特徴とする伝送ケーブル検査方法。
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JP2015078342A JP2016201589A (ja) | 2015-04-07 | 2015-04-07 | 伝送ケーブル検査装置及び伝送ケーブル検査方法 |
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