JP2016199781A - 微細加工方法、金型の製造方法及びプラスティック成形品の製造方法 - Google Patents

微細加工方法、金型の製造方法及びプラスティック成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複雑かつ任意にデザインされた微細な単位パターン形状を、短時間かつ高精度で金属材の表面に形成することを可能とする、新しい製造科学原理に基づく加工技術を提供する。
【解決手段】予め作成されたCADデータに従い、ステンレス鋼よりなる型素材10の表面にカーボン含有インク12を所定のパターンで印刷し、マスクを形成する工程と、型素材10の表面にプラズマ窒化処理を施し、マスク形成部以外の部分に硬化層16を形成する工程と、型素材10の表面にブラスト処理を施し、マスクを除去すると共に、硬化層16以外の部分にマスクのパターンに対応した形状の凹部42を形成する工程と、からなる微細加工方法。
【選択図】図4

Description

この発明は、金属材の表面に窒素を部分的に固溶させ、その表面を選択的に硬化させた後、非硬化部分を除去することで、金属材の表面に微細加工を施す技術に関する。
金属製品やプラスティック製品の表面に、利用者が認知できない微細なサイズで生産情報や製品情報をマーキングしたり、携帯電話の表面やカバーケースの表面に滑り止めの微小パターンを多数形成し、あるいは意匠デザイン向上のために製品表面に微細な3次元ドット画像を形成したりするには、基本サイズが1mm以下の微小形状パターンの形成技術が欠かせない。
ここで求められるマイクロテクスチュアの共通点として、その単位パターン形状の代表寸法が1mm以下であり、単位パターン形状数が優に100個を超え、それらを製品表面・界面上の所定の位置に高精度で転写形成しなければならない点が、第1条件となる。
また、求められる単位形状が、多角形状パターン、画像パターン、フォントパターンからなる任意の形状であり、それらが急峻な角度で変化する凹凸形状パターンであっても、形状創製できることが第2の条件になる。
さらに、上記のパターンを転写、成形する素材が、ガラス、プラスティック、金属であっても、その種類・グレードに関係なく形状創製できることが、第3の条件となる。
これらのすべてを満足するには、必要なパターン形状を鉄鋼製金型に形成し、それを種々の素材に転写、成形する技術が求められる。
その加工法として、マイクロミリング、マイクロ切削を用いる場合には、上記の単位パターン形状データおよび形状創製データをすべてCAMデータとして作成し、創製すべきパターン数分のデータを作成する必要がある。
さらに実際の切削工程では、単位形状パターンの細部を不具合なく切削する微小工具を使用すると共に、それを高精度で制御することが不可欠となる。例え脆弱な微小工具が全工程上で破損することがないとしても、膨大な情報量となるCAMデータの作成から加工終了までのリーディング時間が、数百時間を越えることが通常である。
マイクロ放電加工においても、一定サイズのワイヤーでの放電加工では、形状が複雑で寸法が微細な単位パターンを形成することは難しい。
一方、型彫り放電加工では上記と同様、CAMデータの作成や加工に膨大な時間を必要とする。
特開2006−334704
この発明は、上記の問題を解決するために案出されたものであり、複雑かつ任意にデザインされた微細な単位パターン形状を、短時間かつ高精度で金属材の表面に形成することを可能とする、新しい製造科学原理に基づく加工技術の提供を目的としている。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載した微細加工方法は、予め作成されたCADデータに従い、金属材の表面にインクを所定のパターンで印刷し、マスクを形成する工程と、上記金属材の表面にプラズマ窒化処理を施し、マスク形成部以外の部分に硬化層を形成する工程と、上記金属材の表面にブラスト処理を施し、上記マスクを除去すると共に、上記硬化層以外の部分にマスクのパターンに対応した形状の凹部を形成する工程とからなることを特徴としている。
また、請求項2に記載した金型の製造方法は、予め作成されたCADデータに従い、金属材の表面にインクを所定のパターンで印刷し、マスクを形成する工程と、上記金属材の表面にプラズマ窒化処理を施し、マスク形成部以外の部分に硬化層を形成する工程と、上記金属材の表面にブラスト処理を施し、上記マスクを除去すると共に、上記硬化層以外の部分にマスクのパターンに対応した形状の凹部を形成する工程とからなることを特徴としている。
また、請求項3に記載したプラスティック成形品の製造方法は、請求項2の金型をモールド金型として用い、プラスティック素材の射出成形時に表面にマイクロテクスチャを転写することを特徴としている。
請求項4に記載した微細加工方法は、請求項2の金型をプレス金型として用い、金属シート、プラスティックシート、金属部品、プラスティック部品、ガラス部品の表面にモールドプレスあるいはダイレクトプレスを施すことにより、それぞれの表面にマイクロテクスチャを転写することを特徴としている。
この発明に係る微細加工方法の場合、インクジェット・プリンティング等の一般的な印刷技術を用いてインクを金属材(ステンレス鋼等)の表面に印刷することにより、微細加工用のマスクパターンが形成されるため、比較的作成が容易なCADデータを事前に準備すれば足り、その作成に膨大な時間を要するCAMデータを準備する必要がない。
また、金属材の表面に硬化層を部分的に形成しておき、これにブラスト処理を施すことにより、硬化層以外の部分を一律に除去・掘削するものであるため、個別に凹部を形成する従来の加工方法に比べて、遙かに効率的な加工が実現できる。この結果、作業時間を大幅に短縮化することができる。特殊な切削工具を必要としない点でも、この微細加工方法は優れている。
この微細加工方法を用いることにより、表面に微細な凹部を備えた金型を形成することができる。
また、この金型をモールド金型やプレス金型として用いることで、各種素材の表面に微細な加工パターン(マイクロテクスチャ)を容易に形成することが可能となる。
[概要]
この発明に係るプラズマ窒化援用微細加工技術は、以下の3要素技術からなり、プラスティック・ガラス用のモールドプレス金型、プラスティック・粉末射出成型用金型及び金属プレス用金型へのマイクロテクスチュアを創製するものである。
(1) 型素材表面、型素材界面へのデザインパターンの印刷
(2) 高密度プラズマ窒化による非印刷部位の高濃度窒素固溶
(3) ブラスト法による印刷部位の選択的除去、選択的掘削
[デザインしたマイクロパターンの印刷技術]
まず、インクジェット・プリンティングやドット・プリンティング技術により、図1(a)に示すように、SUS420等よりなる型素材10の表面に、CADで設計したマイクロパターン12を印刷する。
この印刷に用いるインクとしては、黒色インク成分と有機プライマーとの混合物を使用する。好ましくは、表1に示す無機材粒子・無機溶剤を含めたインクとする。より好ましくは、表1に示す無機材粒子・無機溶剤を含めたインクを印刷後に、焼成・調湿する。
Figure 2016199781
[高濃度窒素固溶化による選択的表面硬度化技術]
上記型素材10の表面に対し、図1(b)に示すように、低温高密度プラズマ窒化処理を施す。
この際、マイクロパターン12がマスクとして機能するため、同図(c)に示すように、未プリント部位14の表面のみが選択的に高濃度窒素固溶化され、硬化層16が形成される。
図2は、この発明に係るRF-DC低温プラズマ窒化装置20の構造を示す模式図であり、真空チャンバ22と、その内部に配置されたDCバイアス24と、このDCバイアス24上に載置されたステンレス製の加工対象物26と、DCバイアス24内に装着されたヒータ28と、一対のRF電極30と、真空チャンバ22の外部に配置された出力2MHzのRF発振器32とを備えている。
図示は省略したが、真空チャンバ22の外部には、RF発振器32の制御装置と、DCバイアスの制御装置と、冷却装置が設置されている。
この真空チャンバ22の給気口(図示省略)から原料となるN2とH2の混合ガスを内部に導入し、RF電極30, 30間に高周波を印加すると同時にDCバイアス用電圧を印加し、さらにヒータ28に給電して真空チャンバ22内を摂氏450度以下に加熱すると、混合ガスがプラズマ化し、図3に示すように、高密度の窒素イオン及びNHラディカルが発生し、窒素原子が加工対象物26の表面に浸透する。
この装置20の場合、RFプラズマとDCプラズマとを独立に制御できるため、20Pa〜1kPaの広い高圧力範囲(メゾ圧力領域)で窒化を行うことができる。
このメゾ圧力範囲での窒素イオン、NHラディカルの密度は、5×1017m-3以上であり、その高窒素イオン・高NHラディカル状態で窒化を行うため、低い保持温度でも加工対象物26中に窒素原子を溶質原子として投入できる。
また、従来のプラズマ装置と異なり、入出力パワーのマッチングを周波数領域で行うため、投入エネルギーは無駄なく、迅速にプラズマに投入される。この結果、加工対象物26の表面にムラなく安定的に窒素を固溶させることができる。
以上の処理を所定時間継続すると、加工対象物26の表面に窒素が高濃度で固溶される。
[力学的除去法によるプリント部位の除去・掘削]
つぎに、図4(a)に示すように、型素材10の表面に砂等の研磨材40を吹き付けるサンド・ブラスト処理を施すことにより、マイクロパターン12を除去すると共に、高濃度窒素固溶化がなされていない型素材10の表面に対する掘削を行う。
この結果、同図(b)に示すように、硬化層16以外の箇所に凹部42が多数形成された金型44が得られる。
この金型44は、例えば以下のように用いられる。
[プラスティック素材の射出成形]
上記金型44をモールド金型として用いて、表2に示すプラスティック素材の射出成形時に、そのプラスティック射出成形品の表面、界面にマイクロテクスチュアを形成する。
Figure 2016199781
[金属シート、フィルム素材、金属部品へのプレス転写、成形]
上記金型44をプレス金型として用いて、金属シート、フィルム素材および金属部品表面・界面に、金属プレスにより、マイクロテクスチュアを転写、成形する。
[プラスティック素材へのプレス転写、成形]
上記金型44をプレス金型として用いて、表2に示す各種プラスティックシート・フィルム・バルク部品素材に、モールドプレスあるいはダイレクトプレスにて、マイクロテクスチュアを転写、成形する。
[ガラス素材へのプレス転写、成形]
上記金型44は、十分な高温硬さを有している。これを用いて、表3に示す各種ガラス素材、光学ガラス部品、一般ガラス部品の表面・界面に、モールドプレスあるいはダイレクトプレスにて、マイクロテクスチュアを転写、成形する。
Figure 2016199781
[マイクロテクスチュアを転写、成形した製品]
上記により作製したプラスティック製品、金属製品、ガラス製品は、その表面・界面に設計した形状パターンによる特性変化を有している。
[高濃度窒素固溶化プロセスの最適範囲]
オーステナイト系ステンレス鋼におけるプラズマ窒化に関しては、図5に示すように、領域Iにあたる高温プラズマ窒化では、窒素原子の表面・界面からの拡散と並行して、窒化層先端で析出反応が生じ、生成した微細な窒化物粒子による析出強化、それによる高硬度化が、表面処理に利用される。
実際、下記の文献1及び文献2においても、この高温プラズマ窒化挙動は、プラズマプロセスの種別を問わない共通の窒化現象であるとされている。
さらに下記の文献3にあるように、この領域Iでは、その最大窒素固溶量は平衡状態図に従い、例えば、プラズマ窒化したステンレス鋼、工具鋼などを含む鉄クロム合金では、たかだか0.1〜0.5 mass%に過ぎない。これでは、高濃度窒素固溶化は不可能である。
[文献1]
「金型高品質化のための表面改質(単行本)」/日原政彦(監修)、型技術協会型寿命向上研究委員会(編集)、安齋正博/日刊工業新聞社 2009年3月
[文献2]
「工具鋼の高密度プラズマ窒化とその応用展開(論文)」/相澤龍彦、杉田良雄/芝浦工業大学研究報告理工系57−1 1−10(2013)
[文献3]
「鋼のプラズマ窒化における窒素濃度分布予測技術(論文)」/平岡泰、井上幸一郎/電気製鋼 第81巻 1号 2010年
一方、領域IIにあたる低温プラズマ窒化においては、窒化物を生成する析出反応が生ぜず、鉄鋼素材の表面、界面から拡散する窒素は、固溶窒素として母材中に存在する。
特に、図5において、プロセス温度が420℃以下では、プロセス時間にほとんど依存せずに、導入した窒素が比較的高濃度で固溶することが期待される。
下記の文献4では、イオン注入法を用いて400℃以下の低温で窒素を射出成形用金型素材であるマルテンサイト系ステンレス鋼材に導入し、その濃度が最大で4mass%以上となることを報告している。しかし、イオン注入法では、0.5μm程度の表面層に高濃度窒素を固溶化させることはできるが、実用的な表面層改質は原理上不可能である。さらに、面適用も平板状試験片で10x10mm2程度の試験片形状に限定される。
[文献4]
「Variable lattice expansion in martensitic stainless steel after nitrogen ion implantation(論文)」/D. Manova、G. Thorwarth、他/Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 242 (2006) 285-288
ここで、この発明の技術を用いた、420℃、4時間窒化後の断面組織を図6(a)及び(b)に示す。
試料は、射出成形用金型素材、STAVAX相当のSUS420材である。4時間という短時間プロセスであっても、窒化層厚さは約40μmに達し、その平均窒素濃度も4〜5mass%に達している。
このことは、当該技術を用いることで、イオン注入による窒化能力をはるかに凌ぐ窒化特性を獲得できることを実証している。
[金型素材中の窒素の拡散挙動・固溶化挙動]
高温プラズマ窒化においては、上記文献3にあるように、表面が0.1〜0.5mass%の窒素固溶濃度であっても、拡散現象により表面から材料深部に向け指数関数的に減少する。
一方、低温プラズマ窒化においては、上記文献4におけるイオン注入法の場合、鋼種により多少の差異が認められるが、その窒素原子分布は、注入時のエネルギーで一意的に決定される深さ位置(例えば、文献4では、0.2〜0.3μm)で最大値(鋼種間の最大で24 at% (7 mass%))とするガウス分布形状であり、深さ約3μmでほぼ0mass%であった。
高温プラズマ窒化を利用した市場での窒化深さが50μmであることを考えると、この程度の深さでは、イオン注入による低温プラズマ窒化は、窒化層の厚さの面でも実用的ではない。
ここで、この発明の技術を用いた、420℃、2時間、4時間窒化後のSUS420試料における窒素原子の深さ分布を図7に示す。
この図より、場所による窒化層の相違はなく、一様な窒化層が形成されていることがわかる。
窒化層厚さは、約40μmであり、表面処理用のプラズマ窒化層としても十分な深さ方向分布を呈している。
平均的な固溶窒素濃度は4mass%であり、上記文献3の平衡状態図における固溶度の10倍以上となっている。
[低温プラズマ窒化したSUS420材の硬度]
上記の文献1及び文献2において強調されているように、プラズマ窒化による表面処理では、表面硬度値がプロセスの是非を決定する。
ここで、当該技術による、420℃、4時間でのプラズマ窒化後の硬さ分布を図8に示す。中央部のみを残してマスクをすることで、窒化した中央部と周辺部との差異を明瞭にした。
マスク部位では、縦横両方向ともほとんど窒化進行しないため、母材硬度と同様で、200〜250Hv程度であるが、非マスク部位では硬度は1500Hv近くまで上昇する。
特に、マスク部位と非マスク部位との境界における硬度変化は急峻である。このことは、図7で一様であった窒化層形成が印字マスク近傍で大きく変化していると想定される。
[マスク印字したSUS420試料の固溶窒素分布]
次に、上記と同条件にてプラズマ窒化した場合の、印字マスク部近傍での断面組織と窒素分布を図9に示す。
印字マスク下では、全く窒素元素は検出されず、印字マスクにより完全に鉄鋼母材への窒素原子侵入・拡散は防止されている。一方、印字マスク以外では、図7と同様に厚い窒化層(硬化層)が形成されている。
実際、図8において、印字マスクと非マスク部の境界で急峻な硬度変化が生じていたのは、図9において印字マスクの境界からすぐに窒素原子が侵入、拡散し、硬化現象が生じているためである。
この印字マスク部以外への窒素原子の選択的拡散、及びマスク下部には窒素原子が拡散せず、非マスク部深部のみへ拡散が進む異方的拡散は、この発明に固有の現象である。
下記の文献5においては、CVD窒化装置にて、オーステナイト系ステンレス鋼材へのマイクロテクスチュア形成を試みているが、図10に示すように、3時間を越える窒化時間においても、窒化層厚さも10μm程度にとどまっていることに加え、図8、図9に示されているような選択的窒素拡散も、異方的拡散も生じない。すなわち、マスク形状による窒化拡散プロセスの制御は不能となっている。
[文献5]
「Stainless steel patterning by combination of micro-patterning and driven strain produced by plasma assisted nitriding(論文)」/Gregory Marcos、Stephane Guilet、他/Surface & Coatings Technology 205 (2011) S275-S279
[ディスペンサーによるSUS420試料へのマスクパターン印字]
CADで任意にデザインしたマイクロパターンや、外部入力する画像イメージ・フォント・手書き絵を、描画ツールソフトであるAdobe Illustrator(登録商標)に入力することで、ディスペンサーで直接、SUS420試料上にマスクパターンを印字することができる。
図11に、単位ドット10μm、50μm、100μmと変化させた印字例を示す。10μmまではドットとして金属表面に印字可能である。
[高密度プラズマ窒化によるマスクパターンから硬度分布への変換]
焼入れしたSUS420型材(母材の硬さ:300〜400Hv)の表面に3本のラインマスクパターンを施して窒化した後に、各ラインマスクパターンを横断して硬度分布を測定した結果を図12に示す。
図示の通り、ラインとして印字したマスク部は、ほぼ母材硬度と同じで変化していない。一方、非マスク部は、選択的に1100〜1200Hvまで高硬度化している。
[サンド・ブラスト法による3次元マイクロテクスチュア形成]
SUS型材上の印字パターンが、プラズマ窒化工程によって硬度分布に変換されたので、より低硬度の印字パターン部分を、サンド・ブラスト法により、力学的に除去・掘削した。
初期のμドット径を100μm、300μmとしたときの光学顕微鏡像を、図13に示す。
この発明の技術により、高精度で深さ10μmのマイクロドットパターンがステンレス鋼型材に掘り込まれた。
[当該技術による意匠デザイン性]
マイクロ切削、マイクロミリング、マイクロ放電加工と異なり、初期の印字パターンを変更することで、種々のデザインしたパターンを、ステンレス鋼型材に掘り込むことができる。
例えば、図14に示すように、切削では作製が困難な、星印(同図(a))、三角形(同図(b))、正方形(同図(c))の各パターンをステンレス鋼型材の表面に掘り込むことができる。
深さはいずれも10μmである。星印や三角形の角部も鋭角に彫りこまれており、高い形状精度と、各単位パターンの高配列精度が確保されている。
このような形状は、目的とする形状(星印等)以外の部分にインクを印刷することにより、実現できる。
[射出成形による製品例]
図15(a)に示すように、SUS420よりなる携帯電話のカバージャケット用のキャビティ(雌型)50の内面52に、直径100μm、深さ40μmの微細な円形凹部54を一定のパターンで多数形成した後、同図(b)に示すように、対応の形状を備えたコア(雄型)56と嵌合させ、両者間に形成される間隙58にポリカーボネイトを射出する実験を行った。
この結果、図16に示すように、手と接触する面(65×120 mm2)全体に均一にマイクロボス60が成形されている。
3次元表面形状測定装置で測定したマイクロボス60の詳細形状と、光学顕微鏡で観測した各マイクロボス60の配列パターンを、それぞれ図17(a)及び(b)に示す。
図示の通り、キャビティ50の円形凹部54に対応する頭部形状も平滑に成形され、また配列パターン(千鳥格子配列)も正確に転写されている。
[この発明と既存技術との比較]
上記の実施例において、当該技術による作業時間と、既存技術としてマイクロミリングを選択し、その作業時間との比較を行った。
前者の場合、マイクロパターンの型材表面への印字時間は、設定時間なども含め、10分、型材のハンドリング・加熱・冷却も含め、当該プラズマ窒化に5時間、ブラスト処理は装置始動などを含め10分、合計5時間20分で済む。
これに対し後者の場合には、1つのパターン形成を3.6秒の短時間でミリングでき、CAM作成時間・刃物交換時間などを無視する。図15、図16より、マイクロドット数は3. 75×104 個(37,500個)と推定される。したがって、マイクロ工具で切削する時間のみで、37時間30分を要する。
以上より、当該技術により、図15、図16の金型作成時間を1/7に短縮できる。
この発明を用いて金型を製造する過程を示す模式図である。 この発明に係るRF-DC低温プラズマ窒化装置の構造を示す模式図である。 窒素原子が加工対象物の表面に浸透する様子を示す概念図である。 この発明を用いて金型を製造する過程を示す模式図である。 プラズマ窒化挙動の温度・時間依存性を示すグラフである。 SUS420材に形成された窒化層の深さ方向の断面を示す写真である。 SUS420材に形成された窒化層の深さ方向の濃度分布を示すグラフである。 SUS420材に形成された窒化層の表面硬度を示すグラフである。 SUS420材に形成された窒化層のマスク近傍における深さ分布を示す写真である。 文献5におけるステンレス鋼中の窒素拡散挙動を示す写真である。 この発明に係るマスクパターンの印字例を示す写真である。 SUS420材に形成された窒化層の硬度分布を示すグラフである。 この発明を用いてステンレス鋼型材上に形成された円形凹部を示す顕微鏡像を示す写真である。 この発明を用いてステンレス鋼型材上に形成された様々な形状の凹部を示す顕微鏡像を示す写真である。 この発明を用いて携帯電話のカバージャケット用のキャビティの内面にマイクロドットパターンを形成した状態を示す断面図である。 携帯電話のカバージャケットの表面に多数のマイクロボスが形成された状態を示す写真である。 携帯電話のカバージャケットの表面に形成されたマイクロボスの3次元表面形状を示す図、及び各マイクロボスの配列を示す顕微鏡写真である。
10 型素材
12 マイクロパターン
14 未プリント部位
16 硬化層
20 低温プラズマ窒化装置
22 真空チャンバ
24 DCバイアス
26 加工対象物
28 ヒータ
30 RF電極
32 RF発振器
40 研磨材
42 凹部
44 金型
50 キャビティ
52 キャビティの内面
54 円形凹部
56 コア
58 間隙
60 マイクロボス

Claims (4)

  1. 予め作成されたCADデータに従い、金属材の表面にインクを所定のパターンで印刷し、マスクを形成する工程と、
    上記金属材の表面にプラズマ窒化処理を施し、マスク形成部以外の部分に硬化層を形成する工程と、
    上記金属材の表面にブラスト処理を施し、上記マスクを除去すると共に、上記硬化層以外の部分にマスクのパターンに対応した形状の凹部を形成する工程と、
    からなることを特徴とする微細加工方法。
  2. 予め作成されたCADデータに従い、金属材の表面にインクを所定のパターンで印刷し、マスクを形成する工程と、
    上記金属材の表面にプラズマ窒化処理を施し、マスク形成部以外の部分に硬化層を形成する工程と、
    上記金属材の表面にブラスト処理を施し、上記マスクを除去すると共に、上記硬化層以外の部分にマスクのパターンに対応した形状の凹部を形成する工程と、
    からなることを特徴とする金型の製造方法。
  3. 請求項2の金型をモールド金型として用い、プラスティック素材の射出成形時に表面にマイクロテクスチャを転写することを特徴とするプラスティック成形品の製造方法。
  4. 請求項2の金型をプレス金型として用い、金属シート、プラスティックシート、金属部品、プラスティック部品、ガラス部品の表面にモールドプレスあるいはダイレクトプレスを施すことにより、それぞれの表面にマイクロテクスチャを転写することを特徴とする微細加工方法。
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