JP2016198912A - 多層構造体 - Google Patents
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Abstract
Description
上記の問題に対し、バリア層に、メタキシリレン基含有ポリアミドに加えてポリエチレンテレフタレートをブレンドして用いることにより層間剥離を防止する方法が提案されている(特開2007−223667号公報(特許文献2)、特許第5387054号明細書(特許文献3)、特開昭58−197050号公報(特許文献4)、特許第4462304号明細書(特許文献5)など)。メタキシリレン基含有ポリアミドに少量のポリエチレンテレフタレートをブレンドしてもバリア性を大きく損なうことがない点でこの方法は優れているが、外部からの衝撃が大きいと、層間剥離を十分に防げない場合があり、取り扱いが困難であるといった課題があった。
一方、バリア性を向上させることを目的として、あるいは、ポリエステルに含まれる微量の不純物であるアルデヒド類を低減させることを目的として、表層にメタキシリレン基含有ポリアミドをブレンドする方法が提案されているが(特開2000−168017号公報(特許文献6)、特開2006−290436号公報(特許文献7))、層間剥離を防止することについては検討されていない。
[1]内層、外層、及び、内層と外層との間に位置する少なくとも一層のバリア層を含む多層構造を少なくとも一部に有する多層構造体であって、
内層及び外層が、それぞれ独立して、テレフタル酸単位を80モル%以上含むジカルボン酸単位とエチレングリコール単位を80モル%以上含むジオール単位とを含むポリエステル(A)94〜99.9質量%、及び、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位とジカルボン酸単位とを含むポリアミド(B)0.1〜6質量%を含む樹脂組成物(C)からなり、
バリア層が、テレフタル酸単位を80モル%以上含むジカルボン酸単位とエチレングリコール単位を80モル%以上含むジオール単位とを含むポリエステル(A)1〜97質量%、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位とジカルボン酸単位とを含むポリアミド(B)2〜98質量%、及び、遷移金属化合物を含む樹脂組成物(D)からなる、多層構造体。
[2]樹脂組成物(D)における遷移金属化合物の含有量が、樹脂組成物(D)の全質量に対して、遷移金属換算で、0.001〜1質量%である、[1]に記載の多層構造体。
[3]ポリアミド(B)が、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位と、アジピン酸単位を70モル%以上含むジカルボン酸単位とを含むポリアミドである、[1]又は[2]に記載の多層構造体。
[4]ポリアミド(B)が、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位と、アジピン酸単位を70〜99モル%及びイソフタル酸単位を1〜30モル%を含むジカルボン酸単位とを含むポリアミドである、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の多層構造体。
[5]ポリエステル(A)が、テレフタル酸単位を80〜99.9モル%及び金属スルホイソフタル酸単位を0.1〜10モル%含むジカルボン酸単位と、エチレングリコール単位を80モル%以上含むジオール単位とを含むポリエステルである、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の多層構造体。
[6]内層/バリア層/外層からなる3層構造を少なくとも一部に有するものである、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の多層構造体。
[7]内層/バリア層/中間層/バリア層/外層からなる5層構造を少なくとも一部に有するものであり、
中間層が、テレフタル酸単位を80モル%以上含むジカルボン酸単位とエチレングリコール単位を80モル%以上含むジオール単位とを含むポリエステル(A)94〜99.9質量%、及び、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位とジカルボン酸単位とを含むポリアミド(B)0.1〜6質量%を含む樹脂組成物(E)からなる、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の多層構造体。
[8]プリフォームである、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の多層構造体。
[9]プリフォームをホットパリソン法あるいはコールドパリソン法にてブロー成形して得られる容器である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の多層構造体。
[10]少なくとも胴部において多層構造を有するものである、[8]又は[9]に記載の多層構造体。
本発明の多層構造体は、内層、外層、及び、内層と外層との間に位置する少なくとも一層のバリア層を含む多層構造を少なくとも一部に有する多層構造体であって、
内層及び外層が、それぞれ独立して、テレフタル酸単位を80モル%以上含むジカルボン酸単位とエチレングリコール単位を80モル%以上含むジオール単位とを含むポリエステル(A)94〜99.9質量%、及び、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位とジカルボン酸単位とを含むポリアミド(B)0.1〜6質量%を含む樹脂組成物(C)からなり、
バリア層が、テレフタル酸単位を80モル%以上含むジカルボン酸単位とエチレングリコール単位を80モル%以上含むジオール単位とを含むポリエステル(A)1〜97質量%、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位とジカルボン酸単位とを含むポリアミド(B)2〜98質量%、及び、遷移金属化合物を含む樹脂組成物(D)からなることを特徴としている。
本発明の多層構造体において、内層及び外層は、内容物を安全かつ安定に保持する層であり、バリア層を保護する役割を有している。本発明の多層構造体に用いられる内層及び外層はそれぞれ、1層であっても2層以上であってもよい。
ポリエステル(A)は、テレフタル酸単位を80モル%以上含むジカルボン酸単位と、エチレングリコール単位を80モル%以上含むジオール単位とを含むポリエステルであり、ポリマー主鎖の繰り返し構造単位中に上記ジカルボン酸単位と上記ジオール単位とから構成されるエステル結合{−C(=O)O−}を有している。
テレフタル酸単位以外のジカルボン酸単位を構成するジカルボン酸としては、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、ダイマー酸などに例示される飽和脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などに例示される不飽和脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体;オルソフタル酸、イソフタル酸、ジフェニン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、パモイン酸、アントラセンジカルボン酸などに例示される芳香族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
これらのなかでも、特に、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体の使用が、得られるポリエステルの物理特性等の点で好ましい。
また、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式二官能性化合物由来の構成単位を含むポリエステルは、製造が容易であり、また、多層構造体の落下衝撃強度や透明性を更に良好なものとすることができるため好ましい。これらのなかでも、容易に入手可能であり高い落下衝撃強度を有する1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の使用が好ましい。
エチレングリコール単位以外のジオール単位を含む場合、該ジオール単位を構成するジオールとしては、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール、ノルボルネンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、1,10−デカメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,12−ドデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどに例示される脂肪族グリコール;ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビスフェノ−ル、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビスフェノールC、2,5−ナフタレンジオール、イソソルビド、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、これらのグリコールにエチレンオキシドが付加されたグリコールなどに例示される芳香族グリコールが挙げられる。
これらのなかでも、特に、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコールが好適に用いられる。
中でも、イソフタル酸由来の構成単位を含む共重合ポリエステルは、成形性に優れており、また、結晶化速度が遅くなることによって、成形品の白化を防ぐという点で優れている。イソフタル酸由来の構成単位の割合は、ジカルボン酸単位の総モル数に対して1〜10モル%が好ましく、より好ましくは1〜8モル%、更に好ましくは1〜6モル%である。
また、ナフタレンジカルボン酸由来の構成単位を含む共重合ポリエステルは、樹脂のガラス転移点を上昇させ、耐熱性が向上するうえ、紫外線を吸収するため、紫外線に対して耐性が求められる多層構造体の製造に好適に使用される。ナフタレンジカルボン酸由来の構成単位の割合は、ジカルボン酸単位の総モル数に対して0.1〜15モル%であることが好ましく、より好ましくは1.0〜10モル%である。上記の割合とすることで、紫外線から多層構造体に収納される内容物を適切に保護することが可能になる。ナフタレンジカルボン酸としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が、製造が容易であり経済性が高いことから好ましい。
これらのなかでも、ポリエステル製造の容易性及びそれらの製造コストの観点から、安息香酸、2,4,6−トリメトキシ安息香酸、2−ナフトエ酸、ステアリン酸及びステアリルアルコールが好ましい。単官能性化合物由来の構成単位の割合は、ポリエステル(A)の全構成単位の総モル数に対して5モル%以下、好ましくは3%以下、更に好ましくは1%以下である。単官能性化合物は、ポリエステル分子鎖の末端基又は分岐鎖の末端基封止として機能し、それによりポリエステル(A)の過度の架橋を抑制し、ゲル化を防止することができる。
多官能性化合物由来の構成単位の割合は、ポリエステル(A)の全構成単位の総モル数に対して、10モル%以下が好ましく、より好ましくは5モル%以下、更に好ましくは3モル%以下である。
上述したもののうち、好ましい多官能性化合物としては、ポリエステル(A)の製造のし易さと製造コストの観点から、トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールが挙げられる。
金属スルホネートに由来する構成単位は、金属スルホネート基含有化合物を、ポリエステルの共重合体成分として用いることで、ポリエステル(A)に導入することができる。
金属スルホネート基含有化合物は、式:X−Rで表され、Xはジカルボン酸又はジオールであり、Rは、−SO3Mである。Mは、Li、Na、Zn、Sn、KおよびCaから選択され得る+1価または+2価状態の金属で示される。これらのなかでも、Na又はLiが製造が容易である点で好ましい。該金属スルホネート基含有化合物は、2個以上の官能基を含有し、Rは、ジオール、ジカルボン酸であるXの芳香族環、またはメチレン基のような側鎖に直接結合する。
式中のXとしては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニル−4,4−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの直鎖状脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸から選ばれる化合物から水素原子を1つ除いたものが挙げられる。これらのなかでも、製造が容易であることからイソフタル酸が好ましい。
また、式中のXとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコールなどの直鎖脂肪族グリコール;1,3−シクロヘキサンジオール等のシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ジオール等から水素原子を1つ除いたものが挙げられる。これらのなかでも、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびシクロヘキサンジオールが好ましい。
これらのなかでも、本発明においては、式中のXがイソフタル酸である金属スルホネート基含有化合物によって導入される金属スルホイソフタル酸単位を有していることが特に好ましい。金属スルホイソフタル酸単位を有していることにより、ポリエステル(A)とポリアミド(B)との相溶性を高め、透明性を向上させることができる。
金属スルホネート(−SO3M)の量比は、ポリエステル(A)の全構成単位の総モル数に対して、好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは0.2モル%以上、更に好ましくは0.4モル%以上であり、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下、更に好ましくは4モル%以下、特に好ましくは2モル%以下である。金属スルホネートの量比は、ポリエステル(A)中の硫黄及び金属の量を測り、モル量に換算することによって測定することができる。
使用する重縮合触媒としては、公知の三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン化合物、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、酢酸チタン等のチタン化合物、塩化アルミニウム等のアルミニウム化合物等を例示することができるが、これらに限定されない。
また、他の製造方法として、長い滞留時間及び/又は高温押出などの方法で、異なる種のポリエステルをエステル交換する方法を採用してポリエステル(A)を製造してもよい。
ポリアミド(B)は、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位とジカルボン酸単位とを含むポリアミドであり、ポリマー主鎖の繰り返し構造単位中に上記ジアミン単位と上記ジカルボン酸単位とから構成されるアミド結合{−NH−C(=O)−}を有している。
[式(II−1)中、nは2〜18の整数であり、式(II−2)中、Arはアリーレン基である。]
一般式(II−1)中、nは2〜18の整数を表し、好ましくは3〜16、より好ましくは4〜12、更に好ましくは4〜8である。
一般式(II−1)で示される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を構成する化合物としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸等を例示できるが、これらに限定されない。これらは1種で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミド(B)に優れたガスバリア性を付与することに加え、加熱殺菌後の耐熱性を保持する観点からは、アジピン酸単位、セバシン酸単位及び1,12−ドデカンジカルボン酸単位からなる群から選ばれる少なくとも1種を、ジカルボン酸単位中に合計で50モル%以上含むことが好ましく、より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上である。
一般式(II−2)中、Arはアリーレン基を表す。前記アリーレン基は、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜15のアリーレン基であり、例えば、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。
一般式(II−2)で示される芳香族ジカルボン酸単位を構成しうる化合物としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等を例示できるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミド(B)中の芳香族ジカルボン酸単位は、イソフタル酸単位、テレフタル酸単位、及び2,6−ナフタレンジカルボン酸単位からなる群から選ばれる少なくとも1種を、芳香族ジカルボン酸単位中に合計で50モル%以上含むことが好ましく、より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上である。これらのなかでも、イソフタル酸及び/又はテレフタル酸を芳香族ジカルボン酸単位中に含むことが好ましい。イソフタル酸単位とテレフタル酸単位との含有比(イソフタル酸単位/テレフタル酸単位)は、特に制限されなく、用途に応じて適宜決定される。例えば、適度なガラス転移温度や結晶性を下げる観点からは、両単位の合計を100としたとき好ましくは0/100〜100/0、より好ましくは0/100〜60/40、更に好ましくは0/100〜40/60、更に好ましくは0/100〜30/70である。
また、本発明の他の一実施形態では、バリア性及び機械的物性に加えて、成形加工性が良好であることから、ポリアミド(B)として、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位と、アジピン酸単位を70〜99モル%及びイソフタル酸単位を1〜30モル%含むジカルボン酸単位とを含むポリアミドを用いることが好ましい。
数平均分子量=2×1,000,000/([NH2]+[COOH])
[NH2]:末端アミノ基濃度(μeq/g)
[COOH]:末端カルボキシル基濃度(μeq/g)
滴下し、縮合水を除去しながら重縮合させる方法である。この方法においては、生成するポリアミド化合物の融点よりも反応温度が下回らないように、反応系を昇温しながら重縮合反応を行う。常圧滴下法は、加圧塩法と比較すると、塩を溶解するための水を使用しないため、バッチ当たりの収量が大きく、また、原料成分の気化・凝縮を必要としないため、反応速度の低下が少なく、工程時間を短縮できる。
加圧滴下法は、まず、重縮合缶にジカルボン酸成分を仕込み加熱溶融し、次いで、缶内を好ましくは0.3〜0.4MPaG程度に加圧しながらジアミン成分を連続的に滴下し、縮合水を除去しながら重縮合させる方法である。この方法においては、生成するポリアミド化合物の融点よりも反応温度が下回らないように、反応系を昇温しながら重縮合反応を行う。設定モル比に達したらジアミン成分の滴下を終了し、缶内を徐々に常圧に戻しながら、ポリアミド(B)の融点+10℃程度まで昇温し、保持した後、更に、0.02MPaGまで徐々に減圧しつつ、そのままの温度で保持し、重縮合を継続する。一定の撹拌トルクに達したら、缶内を窒素で0.3MPaG程度に加圧してポリアミド(B)を回収する。
ポリアミド(B)の溶融粘度すなわち、数平均分子量の調整方法は、上記した重合方法中の撹拌トルクでの重合終了点を判断する方法の他に、予め、モノマーの仕込み段階で、モル比を1からずらして調整することで、目標の数平均分子量を設定する方法がある。
リン原子含有化合物としては、ジメチルホスフィン酸、フェニルメチルホスフィン酸等のホスフィン酸化合物;次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸エチル等のジ亜リン酸化合物;ホスホン酸、ホスホン酸ナトリウム、ホスホン酸カリウム、ホスホン酸リチウム、ホスホン酸カリウム、ホスホン酸マグネシウム、ホスホン酸カルシウム、フェニルホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸ナトリウム、フェニルホスホン酸カリウム、フェニルホスホン酸リチウム、フェニルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸ナトリウム、エチルホスホン酸カリウム等のホスホン酸化合物;亜ホスホン酸、亜ホスホン酸ナトリウム、亜ホスホン酸リチウム、亜ホスホン酸カリウム、亜ホスホン酸マグネシウム、亜ホスホン酸カルシウム、フェニル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸ナトリウム、フェニル亜ホスホン酸カリウム、フェニル亜ホスホン酸リチウム、フェニル亜ホスホン酸エチル等の亜ホスホン酸化合物;亜リン酸、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸リチウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、ピロ亜リン酸等の亜リン酸化合物等が挙げられる。
これらの中でも特に次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム等の次亜リン酸金属塩が、アミド化反応を促進する効果が高くかつ着色防止効果にも優れるため好ましく用いられ、特に次亜リン酸ナトリウムが好ましい。なお、本発明で使用できるリン原子含有化合物はこれらの化合物に限定されない。
リン原子含有化合物の添加量は、ポリアミド中のリン原子濃度換算で0.1〜1000ppmであることが好ましく、より好ましくは1〜600ppmであり、更に好ましくは5〜400ppmである。0.1ppm以上であれば、重合中にポリアミドが着色し難く透明性が高くなる。1000ppm以下であれば、ポリアミドがゲル化し難く、また、リン原子含有化合物に起因すると考えられるフィッシュアイの成形品中への混入も低減でき、成形品の外観が良好となる。
アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属水酸化物やアルカリ金属酢酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アルコキシド等が好ましい。本発明で用いることのできるアルカリ金属化合物の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムメトキシド、リチウムメトキシド、炭酸ナトリウム等が挙げられるが、これらの化合物に限定されることなく用いることができる。なお、リン原子含有化合物とアルカリ金属化合物の比率は、重合速度制御の観点や、黄色度を低減する観点から、リン原子含有化合物/アルカリ金属化合物=1.0/0.05〜1.0/1.5の範囲が好ましく、より好ましくは、1.0/0.1〜1.0/1.2、更に好ましくは、1.0/0.2〜1.0/1.1である。
本発明の多層構造体において、バリア層は、内層と外層との間に位置し、容器外部から酸素が器壁を通して容器内部に侵入することを防止する層である。本発明の多層構造体に用いられるバリア層は、一層であっても二層以上であってもよい。
また、バリア層を構成する樹脂組成物(D)中に含まれるポリアミド(B)の配合量は、2〜98質量%であり、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%であり、また、好ましくは97質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。
バリア層を構成する樹脂組成物(D)中に上記範囲でポリエステル(A)及びポリアミド(B)を含むことにより、高いバリア性を維持しながら、落下や外部からの衝撃に対して層間剥離を生じ難く、耐衝撃性に優れた多層構造体を得ることができる。
好ましい遷移金属としては、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ロジウム、バナジウム、クロム、セリウム及びルテニウムなどが挙げられる。これらのなかでも、コバルト、鉄、マンガンが好ましく、特にコバルトが最も好ましい。
遷移金属の塩の形態としては、塩化物、酢酸塩、ステアリン酸塩、パルミチン酸塩、2−エチルヘキサン酸塩、ナフテン酸塩、ネオデカン酸塩、及びナフトエ酸塩などが好ましく挙げられるが、これらに制限されない。
これらのなかでも、樹脂組成物(D)に配合する遷移金属の塩としては、2−エチルヘキサン酸コバルト(II)、ネオデカン酸コバルト(II)、ステアリン酸コバルト(II)、ナフテン酸コバルト(II)、パルミチン酸コバルトコバルト(II)が好ましい。
樹脂組成物(D)中に含まれる遷移金属化合物の配合量は、樹脂組成物(D)の全質量に対し、遷移金属換算で、0.001〜1質量%であり、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上であり、また、好ましくは0.7質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下である。
バリア層を構成する樹脂組成物(D)中に上記範囲で遷移金属化合物を含むことにより、層間密着性を犠牲にすることなく、バリア性を高めることができる。
中間層としては、各バリア層との層間密着性が良好であり、且つ、構造体の強度を保持できること、さらに成型加工性に優れることから、テレフタル酸単位を80モル%以上含むジカルボン酸単位とエチレングリコール単位を80モル%以上含むジオール単位とを含むポリエステル(A)94〜99.9質量%、及び、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位とジカルボン酸単位とを含むポリアミド(B)0.1〜6質量%を含む樹脂組成物(E)からなる層が好ましく用いられる。
樹脂組成物(E)に含まれるポリエステル(A)及びポリアミド(B)ならびにその量比の範囲は、内層及び外層を構成する樹脂組成物(C)と同じであり、好ましい実施態様及び好ましい量比の範囲等についても同様である。中間層を構成する樹脂組成物(E)として、内層及び外層を構成する樹脂組成物(C)と同一の組成を有するものを使用することもできるし、上記の範囲で内層及び外層を構成する樹脂組成物(C)と異なる組成を有するものを使用してもよい。バリア層とバリア層の間に樹脂組成物(E)からなる中間層を有していることで、バリア層/中間層/バリア層の層間密着性を高めながら、複数のバリア層を積層させることができ、多層構造体のバリア性をより高めることができる。
なお、本発明の目的を損なわない範囲であれば、中間層として上記以外の層、例えば、接着剤層、酸素吸収層などを有していてもよい。
また、外層の厚みは、好ましく0.01mm以上、より好ましくは0.05mm以上、更に好ましくは0.05mm以上であり、また、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.5mm以下、更に好ましくは1.0mm以下である。
また、バリア層の厚みは、好ましく0.005mm以上、より好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.02mm以上であり、また、好ましくは0.2mm以下、より好ましくは0.15mm以下、更に好ましくは0.1mm以下である。バリア層を二層以上有している場合、各バリア層の厚みの合計が上記の厚みを有していることが好ましい。
また、バリア層を二層以上有しており、バリア層とバリア層の間に中間層を有している場合、該中間層の厚みは、好ましく0.01mm以上、より好ましくは0.03mm以上、更に好ましくは0.05mm以上であり、また、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.5mm以下、更に好ましくは1.0mm以下である。
本発明の多層構造体がプリフォームである場合、ブロー延伸後の容器が上記厚みとなるように適宜選択すればよい。
3層構造を有する多層プリフォームの製造方法は特に制限されなく、公知の方法を利用することができる。例えば、スキン側射出シリンダーから内層及び外層を構成する樹脂組成物(C)を射出し、コア側射出シリンダーからバリア層を構成する樹脂組成物(D)を射出する工程において、先ず、内層及び外層を構成する樹脂組成物(C)を射出し、次いでバリア層を構成する樹脂組成物(D)と内層及び外層を構成する樹脂組成物(C)とを同時に射出し、次に内層及び外層を構成する樹脂組成物(C)を必要量射出して金型キャビティーを満たすことにより3層構造(内層/バリア層/外層)の多層プリフォームを製造することができる。
また、例えば、5層構造を有するブロー成形体である多層構造体は、5層構造を有する多層プリフォームを公知の方法によって二軸延伸ブロー成形することにより得られる。
例えば、内層及び外層を構成する樹脂組成物と中間層を構成する樹脂組成物とが同一の組成を有している場合、先ず、内層、中間層及び外層を構成する樹脂組成物(C)(または樹脂組成物(E))を射出し、次いでバリア層を構成する樹脂組成物(D)を単独で射出し、最後に内層、中間層及び外層を構成する樹脂組成物(C)を必要量射出して金型キャビティーを満たすことにより5層構造(内層/バリア層/中間層/バリア層/外層)の多層プリフォームを製造することができる。
内層及び外層を構成する樹脂組成物(C)と中間層を構成する樹脂組成物(E)とが異なる組成を有している場合、先ず、内層及び外層を構成する樹脂組成物(C)を射出シリンダーから射出し、次いでバリア層を構成する樹脂組成物(D)を別の射出シリンダーから単独で射出し、最後に中間層を構成する樹脂組成物(E)を、必要量射出してキャビティ−を満たすことにより5層構造(内層/バリア層/中間層/バリア層/外層)の多層プリフォームを製造することができる。
多層プリフォームを製造する方法は、上記方法に限定されるものではない。当業者であれば、上記方法を参考にしながら所望の多層構造を有する多層プリフォームを製造することができる。
多層シートを製造する方法としては、特に制限されないが、共押出法が生産効率の点で好ましい。共押出法は、押出機を2機以上使用し、バリア層をダイリップより押出す前に、マルチマニホールドダイ内で内層・外層を両表面に積層し、ダイリップから同時に押出して本発明の多層構造体の前駆体である多層シートを得る方法である。
得られた前駆体である多層シートを熱成形して多層構造体とする方法としては、一般的な真空成形又は圧空成形等が挙げられるが、これらに制限されない。
例えば、本発明の多層構造体が図3に示すようなプリフォームの形状を有している場合、あるいは、図4に示すようなボトルの形状を有している場合、バリア層2は少なくとも胴部に存在していればよく(すなわち、胴部において、内層1/バリア層2/外層3の3層構造を有していればよい)、口栓部先端付近または底部付近にまでバリア層2が延びていなくてもよい。
また、バリア層は必ずしも連続層である必要はなく、バリア性を大きく損なわない範囲であれば不連続層であってもよい。バリア層が不連続層である場合としては、例えば、容器の胴部においてバリア層が存在する領域とバリア層が存在しない領域とが縞状あるいは帯状に繰り返すように配されて剥離防止効果を高めたものが望ましい。
本発明の多層構造体が、深絞り状容器、カップ状容器などである場合も同様である。
また、本発明の多層構造体は、落下や衝撃による層間剥離を生じ難く、層間剥離の生じ易い凹凸部、屈曲部を含む形状であっても内容物を安定に保存することができるため、多層構造体の形状は凹凸部、屈曲部の少ない形状に限定されず、デザインの自由度が大きくなるといった利点も有している。
ここで「多層構造体の作製後100時間後」とは、多層構造体が最終的な形態に成形された時点を「多層構造体作製後0時間」とし、ここから100時間経過した時点を意味するものとする。例えば、多層構造体がボトル形状である場合、最終的に使用されるボトルの形状に作製された時点から100時間経過後を「多層構造体の作製後100時間後」とし、ボトルの成形においてプリフォームを経由したとしても、プリフォーム作製時は「多層構造体作製後0時間」の起点にはならないものとする。
ASTM D3985に準じて、MOCON法による酸素透過度試験を行った。ボトル作製後100時間経過後の測定にはMOCON社製OX−TRAN2/61を使用した。各実施例及び比較例で得られた500mLのボトルに100mLの水を充填し、酸素分圧0.21atmの条件下で温度23℃、ボトル内部湿度100%RH、外部湿度50%RHにて、ボトル内部に1atmの窒素を20mL/minで流通し、クーロメトリックセンサーにてボトル内部を流通後の窒素中に含まれる酸素を検出することで測定した。数値が低いほど、酸素の透過量が少なく、ガスバリア性に優れていることを示す。
ASTM D2463−95 ProcedureBに基づき、以下の方法に準拠したボトルの落下試験により層間剥離高さ(層間剥離が起こる最小落下距離)を求めた。
まず、各実施例及び比較例で得られたボトルを500mLの着色水で満たし、キャップをした後、5℃で24時間静置した。その後、ボトルを底部が床に接触するよう丸筒を通して所定の高さから垂直落下させた。層間剥離した箇所は白濁様になり目視で区別することができるため、該ボトルの層間剥離の有無を目視で判定した。
なお、一部でも層間剥離したボトルは層間剥離が起こったものとした。落下高さの間隔は15cmずつ増やしていった。テストボトル数は30本とした。
各実施例及び比較例で得られたボトルについて、内層、バリア層及び外層の3層構造を有する胴部を切り取り、測定部位が剥離していない状態で全層を重ねたまま、JIS K7136に準拠した日本電色工業(株)製「SH7000」(光源として12V/50Wハロゲンランプを使用)を用いて、透過法により測定した。
各実施例及び比較例で得られたボトルについて、内層、バリア層及び外層の3層構造を有する胴部を切り取り、内層、バリア層及び外層に分離後、各層を走査型蛍光X線分析装置ZSX primusII(株式会社リガク製、測定モデル:薄膜、基板:なし)を用いて、各元素のX線強度を測定し、半定量分析ソフト(SQX)を用いて遷移金属元素の含有量を定量した。
2本の射出シリンダーを有する射出成形機(住友重機械製、型式DU130CI)及び2個取りの金型(Kortec製)を使用して、以下に示した条件で(Y)/(X)/(Y)からなる3層構造を一部に有するプリフォームを製造した。
まず、内層および外層となる層(Y)を構成する材料として、ポリエステル(A1)(イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、日本ユニペット製、商品名「ユニペットBK−2180」))とポリアミド(B1)(ポリメタキシリレンアジパミド(三菱瓦斯化学製、MXナイロンS6007)とを表1に記載の割合でブレンドしてなる樹脂組成物(C)を射出シリンダーから射出し、次いで、バリア層となる層(X)を構成する材料として表1に記載の割合でポリエステル(A1)、ポリアミド(B1)及び遷移金属化合物(ステアリン酸コバルト)をブレンドした樹脂組成物(D)を別の射出シリンダーから、層(Y)を構成する樹脂組成物(C)と同時に射出し、最後に層(Y)を構成する樹脂組成物(C)を必要量射出してキャビティーを満たすことにより、(Y)/(X)/(Y)の3層構造を一部に有するパリソン(27g)を得た。プリフォームの形状は、全長95mm、外径22mm、肉厚4.2mmであった。
スキン側射出シリンダー温度 :280℃
金型内樹脂流路温度 :290℃
金型冷却水温度 :15℃
サイクルタイム :40s
なお、層(X)を構成する材料は、ポリエステル(A1)、ポリアミド(B1)及び遷移金属化合物をブレンドした樹脂混合物(D)を原料としているが、これらの原料は射出成形機内で溶融混練されることによって樹脂組成物(D)となっている。同様に、層(Y)を構成する材料は、ポリエステル樹脂(A1)とポリアミド樹脂(B1)とを含む樹脂混合物(C)を原料としているが、これらの原料が射出成形機内で溶融混練されることにより樹脂組成物(C)となっている。
プリフォーム加熱温度:108℃
延伸ロッド用圧力:0.5MPa
一次ブロー圧力:0.7MPa
二次ブロー圧力:2.5MPa
一次ブロー遅延時間:0.34sec
一次ブロー時間:0.30sec
二次ブロー時間:2.0sec
ブロー排気時間:0.6sec
金型温度:30℃
得られたボトルについて作製後100時間経過後の酸素バリア性、層間剥離高さ及び胴部ヘイズを評価し、表1に示した。
層(Y)を構成する樹脂組成物(C)及び層(X)を構成する樹脂組成物(D)として表1に記載の組成を用いたこと以外は、実施例1と同様にプリフォームを成形し、さらに2次延伸ブローすることによりボトルを得た。得られたボトルについて、作製後100時間経過後の酸素バリア性、層間剥離高さ及び胴部ヘイズを評価し、表1に示した。
層(Y)を構成する樹脂組成物(C)のうち、ポリエステル(A1)をポリエステル(A2)(ポリエチレンテレフタレート−ナトリウムスルホイソフタレート共重合樹脂、固有粘度=0.8dl/g、ジカルボン酸100モル%に対してイソフタル酸を2.0モル%、および5−スルホイソフタル酸ナトリウムを0.45モル%共重合したポリエチレンテレフタレート樹脂)に変更し、及び層(X)を構成する樹脂組成物(D)のうち、ポリエステル(A1)をポリエステル(A2)として表1に記載の組成を用いたこと以外は、実施例1と同様にプリフォームを成形し、さらに2次延伸ブローすることによりボトルを得た。得られたボトルについて、作製後100時間経過後の酸素バリア性、層間剥離高さ及び胴部ヘイズを評価し、表1に示した。
層(Y)を構成する樹脂組成物(C)及び層(X)を構成する樹脂組成物(D)として表2に記載の組成を用いたこと以外は、実施例1と同様にプリフォームを成形し、さらに2次延伸ブローすることによりボトルを得た。得られたボトルについて、作製後100時間経過後の酸素バリア性、層間剥離高さ及び胴部ヘイズを評価し、表2に示した。
2、2A、2B バリア層
3 外層
4 中間層
Claims (10)
- 内層、外層、及び、内層と外層との間に位置する少なくとも一層のバリア層を含む多層構造を少なくとも一部に有する多層構造体であって、
内層及び外層が、それぞれ独立して、テレフタル酸単位を80モル%以上含むジカルボン酸単位とエチレングリコール単位を80モル%以上含むジオール単位とを含むポリエステル(A)94〜99.9質量%、及び、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位とジカルボン酸単位とを含むポリアミド(B)0.1〜6質量%を含む樹脂組成物(C)からなり、
バリア層が、テレフタル酸単位を80モル%以上含むジカルボン酸単位とエチレングリコール単位を80モル%以上含むジオール単位とを含むポリエステル(A)1〜97質量%、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位とジカルボン酸単位とを含むポリアミド(B)2〜98質量%、及び、遷移金属化合物を含む樹脂組成物(D)からなる、多層構造体。 - 樹脂組成物(D)における遷移金属化合物の含有量が、樹脂組成物(D)の全質量に対して、遷移金属換算で、0.001〜1質量%である、請求項1に記載の多層構造体。
- ポリアミド(B)が、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位と、アジピン酸単位を70モル%以上含むジカルボン酸単位とを含むポリアミドである、請求項1又は2に記載の多層構造体。
- ポリアミド(B)が、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位と、アジピン酸単位を70〜99モル%及びイソフタル酸単位を1〜30モル%を含むジカルボン酸単位とを含むポリアミドである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多層構造体。
- ポリエステル(A)が、テレフタル酸単位を80〜99.9モル%及び金属スルホイソフタル酸単位を0.1〜10モル%含むジカルボン酸単位と、エチレングリコール単位を80モル%以上含むジオール単位とを含むポリエステルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の多層構造体。
- 内層/バリア層/外層からなる3層構造を少なくとも一部に有するものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多層構造体。
- 内層/バリア層/中間層/バリア層/外層からなる5層構造を少なくとも一部に有するものであり、
中間層が、テレフタル酸単位を80モル%以上含むジカルボン酸単位とエチレングリコール単位を80モル%以上含むジオール単位とを含むポリエステル(A)94〜99.9質量%、及び、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位とジカルボン酸単位とを含むポリアミド(B)0.1〜6質量%を含む樹脂組成物(E)からなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多層構造体。 - プリフォームである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の多層構造体。
- プリフォームをホットパリソン法あるいはコールドパリソン法にてブロー成形して得られる容器である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の多層構造体。
- 少なくとも胴部において多層構造を有するものである、請求項8又は9に記載の多層構造体。
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