JP2016198298A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明では、遊技開始時の演出の興趣性を向上させることが可能な遊技機を提供することを課題とする。
【解決手段】遊技機は、特別遊技を実行するか否かを判定し、その判定結果に応じて特別遊技を実行する機能を有する。また、遊技機は、遊技者の操作に関連した信号を検知する機能と、特別遊技を実行するか否かの判定結果とは無関係に遊技者の操作に関連した検知信号に基づいて遊技が開始されたか否かを判定する機能を有する。遊技者の操作に関連した検知信号に基づいて遊技が開始されたと判定された場合、所定の演出を実行する。
【選択図】図35

Description

本発明は、特別遊技を実行するか否かの判定の結果に応じて特別遊技を実行する遊技機に関する。
遊技機では、始動口への遊技球の入賞に応じて、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かの判定が行われる。そして、図柄が変動された後に、上記判定の結果を示す図柄が停止される。また、図柄が変動されている間には、特別遊技を実行するか否かの判定の結果に応じた演出が実行される。一方、始動口への遊技球の入賞が行われない場合、一定の条件(例えば図柄が停止されてから次の図柄が変動せず且つ特別遊技が実行されない状況下で所定時間経過した場合)が満たされると客待ち演出が実行される(例えば特許文献1)。
特開2014−208139号公報
ところで、遊技者が遊技を開始する遊技開始時には、客待ち演出が実行されている場合が多い。そして、一旦客待ち演出が実行されると、通常、遊技球が始動口等の入賞口に入賞する条件が満たされない限りその客待ち演出が継続的に実行される。
そこで、本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、遊技開始時の演出の興趣性を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために以下の構成を採用した。
本発明に係る遊技機は、始動条件の成立に応じて遊技者にとって有利な特別遊技を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段と、遊技者の操作に関連した信号を検知する操作検知手段と、前記操作検知手段により信号が検知された場合、前記特別遊技を実行するか否かの判定の結果とは無関係に当該信号に基づいて遊技が開始されたか否かを判定する遊技開始判定手段と、前記遊技開始判定手段により遊技が開始されたと判定された場合、所定の演出を実行可能である特定演出制御手段と、を備える。
また、遊技に関連する情報を記憶する遊技記憶手段を備え、前記特定演出制御手段は、前記遊技記憶手段に記憶される情報に基づいて実行する前記所定の演出の演出内容を変化させてもよい。
本発明によれば、遊技開始時の演出の興趣性を向上させることが可能である。
パチンコ遊技機1の概略正面図 パチンコ遊技機1の一部を示す概略平面図 図1における表示器4の拡大図 特定領域9の内部構造を示す模式図 遊技の流れについて説明するための説明図 メイン液晶表示装置5で行われる新曲発表演出を含む演出の流れについて示した画面図 全ての新曲が発表される以前にパチンコ遊技機1で行われる新曲発表演出の流れの一例について示した説明図 全ての新曲が発表された後にパチンコ遊技機1で行われる新曲発表の流れの一例について示す説明図 通常遊技状態においてメイン液晶表示装置5に表示される楽曲選択画面の一例を示す画面図 大当たり遊技中にメイン液晶表示装置5に表示される楽曲選択画面の一例を示す画面図 時短遊技状態においてメイン液晶表示装置5に表示される楽曲選択画面の一例を示す画面図 携帯端末72と管理サーバ71とを含む遊技システム70の構成例を示すシステム構成図 遊技システム70のシーケンスを示す図 遊技開始時演出の概要とその演出内容の種類を例示する説明図 大当たりによる累積賞球数に基づく演出内容の演出パターンが選択された場合の遊技開始時演出の一例を示す画面図 累積貸球数に基づく演出内容の演出パターンが選択された場合の遊技開始時演出の一例を示す画面図 本遊技中か否かに基づく演出内容の演出パターンが選択された場合の遊技開始時演出の一例を示す画面図 カスタマイズ状態に基づく演出内容の演出パターンが選択された場合の遊技開始時演出の一例を示す画面図 RTC情報に基づく演出に関する演出内容の演出パターンが選択された場合の遊技開始時演出の一例を示す画面図 パチンコ遊技機1が備える制御装置の構成例を示すブロック図 画像音響制御基板140の構成例を示すブロック図 遊技制御基板100によって実行されるメイン処理の一例を示すフローチャート 図22のステップS2におけるスイッチ処理の詳細フローチャート 図23のステップS21における第1始動口スイッチ処理の詳細フローチャート 図23のステップS22における第2始動口スイッチ処理の詳細フローチャート 図22のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャート 図26のステップS307における大当たり判定処理の詳細フローチャート 図22のステップS9における送信処理の詳細フローチャート 演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャート 図29のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャート 図30のステップS103における保留コマンド受信処理の詳細フローチャート 図30のステップS111における変動開始コマンド受信処理の詳細フローチャート 図30のステップS124における客待ちコマンド受信処理の詳細フローチャート 図29のステップS11における客待ち演出開始コマンド設定処理の詳細フローチャート 図29のステップS12における遊技開始時演出処理の詳細フローチャート 画像音響制御基板140において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャート 図36のステップ2100における計測処理の詳細フローチャート 図36のステップS2200における払出情報積算処理の詳細フローチャート 図36のステップS2300における遊技開始時演出制御処理の詳細フローチャート 図36のステップS2500における新曲発表演出開始処理の詳細フローチャート 公開管理テーブルについて説明するための説明図 発表順管理テーブルについて説明するための説明図 図36のステップS2600における通常演出制御処理の詳細フローチャート 図36のステップS2800におけるポイント付与処理の詳細フローチャート 図36のステップS2900における選択可能楽曲更新処理の詳細フローチャート(1) 図36のステップS2900における選択可能楽曲更新処理の詳細フローチャート(2) 図36のステップS3000における客待ち時メニュー処理の詳細フローチャート
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成例]
まず、図1〜3を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す平面図である。図3は、図1における表示器4の拡大図である。
図1に例示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を指示しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
パチンコ遊技機1は、上皿28と、上皿28の下方に設けられた下皿29とを備えている。上皿28は、発射装置(不図示)へ供給される遊技球及び賞球を溜めるものである。この上皿28には遊技者が操作可能な操作手段たる球貸ボタン206及び返却ボタン207が近接配置されている。球貸ボタン206を遊技者が操作すると、所定量の遊技球が貸し出され、その貸し出された遊技球(以下「貸球」ともいう)は上皿28内に溜められる。また、返却ボタン207を遊技者が操作すると、遊技者が遊技球の貸し出しのために不図示の球貸機に投入した有価媒体等の情報が記憶された有価情報記憶媒体(例えばICカード)が、球貸機から返却される。
下皿29は、パチンコ遊技機1から払い出された賞球としての遊技球を溜めるものである。この下皿29には取り出しボタン23が近接配置されており、取り出しボタン23を遊技者が操作すると、下皿29の下面の一部が開口されて、下皿29に溜まった遊技球が下皿29の下方に配置された不図示の箱等に落下する。なお、他の実施形態では、上皿28及び下皿29が1つの皿で構成されてもよい。
パチンコ遊技機1では、遊技者がハンドル20を握って操作手段たるレバー21を時計回り方向に回転させると、上皿28から発射装置へと案内された遊技球がレバー21の回転角度に応じた打球力で遊技領域10における上部位置へと発射される。遊技領域10における上部位置に向けて発射された遊技球は、その上部位置に至るまでの位置に配された発射球検知スイッチ(図20参照)123を通過する。すなわち、発射球検知スイッチ123によって検知された遊技球が、遊技領域10における上部位置に到達し、その上部位置から遊技領域10を流下する。なお、本実施形態では、発射球検知スイッチ123に非接触型の公知の光センサを用いたものを採用しているが、他の方式のセンサ(例えば接触型のセンサ)を採用してもよい。
遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。
遊技者がレバー21を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で発射装置から発射される。この場合、遊技球は、矢印31に例示されるように、遊技領域10における左側を流下する。一方、遊技者がレバー21を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技者が相対的に強い打球力で発射装置から発射される。この場合、遊技球は、矢印32に例示されるように、遊技領域10における右側領域を流下する。
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、2つの普通入賞口14、及び電動チューリップ17が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口12、大入賞口13、2つの普通入賞口14、ゲート16、上記電動チューリップ17、特定入賞口19(図4参照)、及び羽根部材90が設けられている。
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、普通入賞口14、及び特定入賞口19のいずれかに入賞し得る。これにより、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
第1始動口11は、常時開放されている始動口であり、第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ17が作動しているときだけ開放される始動口である。パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と称し、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と称し、これらの判定を総称して「特別図柄判定」と称するものとする。
大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この大入賞口13の開口部には、大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。大入賞口13は、通常(大当たり遊技が行われていない状態)はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、すなわち1種大当たりが発生した場合、上記プレートを回動させて大入賞口13を開放する大当たり遊技が実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中は、遊技球を右打ち経路に流下させる右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。なお、第2特別図柄判定の結果が小当たりであることを示す所定の小当たり図柄が表示器4に停止表示されると、後述する羽根部材90を作動させて特定入賞口19(図4参照)を開放する小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技中には、V入賞口92(図4参照)が一時的に開放され、この間にV入賞口92に遊技球が入賞することで2種大当たりが発生する。大入賞口13は、このように2種大当たりが発生した場合にも開放される。
電動チューリップ17は、第2始動口12に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ17は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(図1の実線参照)と、第2始動口12を開放する開姿勢(図1の破線参照)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動口12は、図1に示すように、通常は電動チューリップ17によって閉塞されており、遊技球が通過し難い状態を維持する。一方、遊技球がゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動口12を開放するか否かの判定が行われる。ここで、第2始動口12を開放すると判定された場合、電動チューリップ17の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、電動チューリップ17が動作していない通常時においては、遊技球が通過し難い状態であるのに対して、第2始動口12を開放すると判定されて、電動チューリップ17が開姿勢に姿勢変化すれば遊技球が通過し易い状態となる。なお、以下の説明では、ゲート16に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と称する。
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に、常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
特定領域9は、後述するメイン液晶表示装置5の前面側に設けられている。この特定領域9は、特別図柄判定の結果に応じて一時的に開放されるものであり、図4に基づいて後に詳述する。
[パチンコ遊技機1の演出手段の構成例]
図1に例示されるように、遊技盤2又は枠部材3には、各種の演出を行うものとして、メイン液晶表示装置5、サブ液晶表示装置6、ロゴ役物7、スピーカ24、及び盤ランプ25等が設けられている。また、枠部材3には、図1には示されていないが、枠ランプ37(図20参照)が内蔵されている。
メイン液晶表示装置5は、演出画像を表示する画像表示装置であり、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。メイン液晶表示装置5には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などに使用されるキャラクタやアイテム、特別図柄判定が保留されている数だけ表示される保留画像等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。また、メイン液晶表示装置5は、パチンコ遊技機1が遊技者によって遊技されていない客待ち状態のときには、演出画像に替えて客待ち画像を表示する。
サブ液晶表示装置6は、演出画像を表示する画像表示装置であり、メイン液晶表示装置5の下方に設けられている。サブ液晶表示装置6としては、メイン液晶表示装置5に比べて表示画面が小さいものが用いられ、主にメイン液晶表示装置5で行われる演出に対する告知演出に使用される。ここで言う「告知演出」とは、メイン液晶表示装置5において行われる演出、例えば後述する新曲発表演出を示唆する演出である。なお、他の実施形態では、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄を含む演出画像が表示される演出がサブ液晶表示装置6で行われてもよい。
本実施形態では、メイン液晶表示装置5及びサブ液晶表示装置6が共に液晶表示装置によって構成されている場合について説明するが、他の実施形態では、これらの両方又はどちらか一方が例えばEL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。また、画像表示装置は、1つあるいは3つ以上であってもよい。
ロゴ役物7は、遊技盤2に対して可動に構成されており、ロゴ役物7自体の動きと光との両方あるいはそれらのうちの一方によって各種の演出を行う。
盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更等の光による各種の演出を行う。
[パチンコ遊技機1の操作手段の構成例]
図2に例示されるように、枠部材3には、遊技者が操作する操作手段として、演出ボタン26及び演出キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。演出ボタン26は、その上面が枠部材3の上面と略同じ高さにある通常位置と、その上面が枠部材3の上面に対して所定の高さ(例えば10センチ)だけ情報に突出した突出位置との間でその高さを変更可能に構成されている。なお、演出ボタン26は、通常位置と突出位置との間におけるどの高さにあっても押下が可能である。
演出キー27は、遊技者が選択操作を行うためのいわゆる十字キーであり、上を指示するための上キーと、下を指示するための下キーと、左を指示するための左キーと、右を指示するための右キーとから構成されている。パチンコ遊技機1では、演出ボタン26又は演出キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。また、演出ボタン26や演出キー27は、各種の設定操作にも使用される。
[表示器4の構成例]
図3は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図3に例示されるように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、遊技状態表示器47、ラウンド表示器48等を有する。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。この第1特別図柄表示器41には、第1特別図柄判定の結果が大当たり(1種大当たり)であることを示す大当たり図柄、又は第1特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。この第2特別図柄表示器42には、第2特別図柄判定の結果が大当たり(1種大当たり)であることを示す大当たり図柄、第2特別図柄判定の判定結果が小当たりであることを示す小当たり図柄、又は第2特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄判定の保留数を表示する。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。ラウンド表示器48は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に大当たり図柄が停止表示されると、大当たり遊技のラウンド数を表示する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41に表示される図柄を「第1特別図柄」と称し、第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「第2特別図柄」と称し、これらを総称して「特別図柄」と称する。また、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と称する。
[特定領域9の構成]
図4は、特定領域9の内部構造を示す模式図である。図4における鉛直方向34及び幅方向35は、図1に示すパチンコ遊技機1の鉛直方向34及びその幅方向35に対応している。特定領域9は、小当たりが発生することによって遊技球が進入可能に開放される領域であり、その入口である特定入賞口19には、特定入賞口19を開閉する羽根部材90が設けられている。また、特定領域9の内部には、案内部材91、V入賞口92、ハズレ入賞口93、及びスライド部材94が設けられている。
案内部材91は、特定入賞口19から特定領域9に進入した遊技球をV入賞口92又はハズレ入賞口93へと案内するものである。V入賞口92又はハズレ入賞口93に遊技球が入賞した場合、所定数の賞球が払い出される。ハズレ入賞口93が常時開放されているのに対して、V入賞口92は、特定入賞口19が開放された後の所定期間だけ開放される。具体的には、V入賞口92は、小当たりが発生して特定入賞口19が開放されてから、例えば0.5秒後にスライド部材94がスライドして開放され、V入賞口92の開放から0.2秒が経過するとスライド部材94が図4に示す元の位置に戻って閉塞される。このV入賞口92の開放期間中に遊技球がV入賞口92に入賞(V入賞)することで、「2種大当たり」が発生する。
なお、本実施形態では、V入賞口92がスライド部材94によって開閉される場合について説明するが、パチンコ遊技機1の奥行方向を軸方向として回転する羽根部材によってV入賞口92を開閉するようにしてもよい。また、1回の小当たり遊技中の羽根部材90の動作パターン(特定入賞口19を開放する時間及び回数)等も適宜変更可能である。
[遊技の流れについて]
図5は、遊技の流れについて説明するための説明図である。図5に例示されるように、本実施形態のパチンコ遊技機1は、「通常遊技状態」又は「時短遊技状態」にて遊技が制御される。
「通常遊技状態」は、時短遊技状態において発揮されるいわゆる電チューサポート機能が付与されない通常の遊技状態である。具体的には、普通図柄判定において、第2始動口12を開放すると判定される割合が時短遊技状態に比べて相対的に低い割合(例えば1/12)に設定され、普通図柄の変動時間が時短遊技状態に比べて相対的に長い時間(例えば25秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が時短遊技状態に比べて相対的に短い時間(例えば0.1秒×1回)に設定される遊技状態である。
「時短遊技状態」は、電チューサポート機能が付与される遊技状態である。「時短遊技状態」は、具体的には、普通図柄判定において、第2始動口12を開放すると判定される割合が通常遊技状態に比べて相対的に高い割合(例えば12/12)に設定され、普通図柄の変動時間が通常遊技状態に比べて相対的に短い時間(例えば2秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が通常遊技状態に比べて相対的に長い時間(例えば0.3秒×5回)に設定される遊技状態である。すなわち、「時短遊技状態」は、通常遊技状態に比べて、第2始動口12が開放状態に制御され易い遊技状態である。
通常遊技状態のときに遊技者が左打ちを行って、遊技領域10の左側領域に打ち出された遊技球が第1始動口11に入賞すると、第1特別図柄判定が行われ、第1特別図柄表示器41に第1特別図柄が変動表示された後にその第1特別図柄判定の結果を示す判定図柄が停止表示される。ここで、第1特別図柄判定によって1種大当たりと判定された場合には、第1特別図柄表示器41にその旨を示す大当たり図柄が停止表示され、大入賞口13を開放する第1大当たり遊技が実行される。そして、この第1大当たり遊技開始時に第1特別図柄表示器41に停止表示されていた大当たり図柄に応じて、第1大当たり遊技終了時に遊技状態が設定される。本実施形態では、図5に示すように、第1大当たり遊技終了後に50%の割合で「通常遊技状態」が継続される一方で、残りの50%の割合で「通常遊技状態」から「時短遊技状態」へと遊技状態が変化する。
ここで、「第1大当たり遊技」は、1種大当たりと称される大当たりに基づいた大当たり遊技であり、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄判定の結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄が判定図柄として停止表示されると実行される。本実施形態では、第1大当たり遊技として、長当たり遊技と短当たり遊技の2種類の大当たり遊技が設けられている。
長当たり遊技は、所定条件(例えば大入賞口13への9個の遊技球の入賞、又は大入賞口13が開放されてから29秒が経過)を満たすまで大入賞口13を開放した状態を維持した後に大入賞口13を閉塞する長開放ラウンド遊技を規定回数実行するものである。本実施形態では、1種大当たりに対応する長当たり遊技として、長開放ラウンド遊技が4回実行される4R長当たり遊技と、長開放ラウンド遊技が7回実行される7R長当たり遊技との2種類の長当たり遊技が設けられている。なお、長開放ラウンド遊技は、大入賞口13を複数の遊技球が入球可能に長開放するものであれば、本実施形態で例示した開放パターンとは異なる開放パターンで大入賞口13を開閉するものであってもよい。
短当たり遊技は、大入賞口13を開放してから所定時間(例えば0.2秒)が経過するまで大入賞口13を開放した状態を維持した後に大入賞口13を閉塞する短開放ラウンド遊技を規定回数(例えば15回)実行するものである。本実施形態では、1種大当たりに対応する短当たり遊技として、15R短当たり遊技が設けられている。なお、規定回数は、複数回であれば15回に限定されるものではない。また、短開放ラウンド遊技は、大入賞口13を遊技球が入球困難に短開放するものであれば、本実施形態で例示した開放パターンとは異なる開放パターンで大入賞口13を開閉するものであってもよい。
そして、本実施形態では、図5に示すように、第1大当たり遊技として7回の長開放ラウンド遊技が行われた後には、通常遊技状態にて遊技が制御される(時短無し7R当たり)。通常遊技状態において1種大当たりに当選すると、その50%はこの時短無し7R当たりとなる。これに対して、第1大当たり遊技として4回の長開放ラウンド遊技が行われた後には、時短遊技状態にて遊技が制御され(時短付き4R当たり)、また第1大当たりとして15回の短開放ラウンド遊技が行われた後には、時短遊技状態にて遊技が制御される(突然時短当たり)。1種大当たりに当選すると、その50%はこれら2種類(時短付き4R当たりと突然時短当たり)の時短付き当たりのいずれかとなる。
時短遊技状態において、第2始動口12に遊技球が入賞すると、第2特別図柄判定が行われ、第2特別図柄表示器42に第2特別図柄が変動表示された後に、その第2特別図柄判定の結果を示す判定図柄が停止表示される。第2特別図柄判定によって小当たりと判定された場合には、第2特別図柄表示器42にその旨を示す小当たり図柄が停止表示され、特定領域9及びV入賞口92を一時的に開放する小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技中に遊技球がV入賞口92に入賞すると、2種大当たりとなって当該小当たり遊技を含む第2大当たり遊技が実行される。そして、この小当たり遊技のときに第2特別図柄表示器42停止表示されていた小当たり図柄の種類に応じて、第2大当たり遊技終了時に遊技状態が設定される。本実施形態では、図5に示すように、第2大当たり遊技終了後に70%の割合で「時短遊技状態」が継続される一方で、残りの30%の割合で「時短遊技状態」から「通常遊技状態」に戻されることになる。
ここで、「第2大当たり遊技」は、小当たり遊技に続いて長当たり遊技が実行される大当たり遊技である。具体的には、特定領域9を3.2秒間だけ開放する小当たり遊技に続いて、大入賞口13を長開放する3回の長開放ラウンド遊技からなる長当たり遊技、又は大入賞口13を長開放する14回の長開放ラウンド遊技からなる長当たり遊技が実行される。すなわち、1回の小当たり遊技と3回の長開放ラウンド遊技とを含む計4Rの大当たり遊技、又は1回の小当たり遊技と14階の長開放ラウンド遊技とを含む計15Rの大当たり遊技が実行される。
本実施形態では、図5に示すように、第2大当たり遊技として1回の小当たり遊技と3回の長開放ラウンド遊技とが行われた後には、通常遊技状態にて遊技が制御される(時短無し4R当たり)。2種大当たりに当選すると、その30%がこの時短無し4R当たりとなる。また、第2大当たり遊技として1回の小当たり遊技と14回の長開放ラウンド遊技とが行われた後には、時短遊技状態にて遊技が制御され(時短付き15R当たり)、1回の小当たり遊技と3回の長開放ラウンド遊技とが行われた後には、時短遊技状態にて遊技が制御される(時短付き4R当たり)。2種大当たりに当選すると、その70%がこれら2種類(時短付き15R当たりと時短付き4R当たり)の時短付き当たりのいずれかとなる。
なお、詳細な説明は省略するが、「時短遊技状態」において100回の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)が行われる間に大当たりに当選しなかった場合には、遊技状態が「時短遊技状態」から「通常遊技状態」に戻されることになる。
[各種演出の説明]
以下、本実施形態のパチンコ遊技機1で実行される各種の演出について説明する。
[全曲発表前の新曲発表演出]
まず、本実施形態に係るパチンコ遊技機1において実行される新曲発表演出について説明する。図6は、メイン液晶表示装置5で行われる新曲発表演出を含む演出の流れについて示した画面図である。例えば、通常遊技状態にて遊技が制御されているときに、第1始動口11に遊技球が入賞して第1特別図柄判定が行われた場合、第1特別図柄表示器41において、第1特別図柄が変動表示された後に判定図柄が停止表示される。これに伴い、メイン液晶表示装置5の表示画面では、装飾図柄が変動表示された後に第1特別図柄判定の結果を示す装飾図柄が停止表示される(図6(A)参照)。
このように、通常時は、遊技球を用いた遊技に伴って、メイン液晶表示装置5、スピーカ24、枠ランプ37等を用いた通常演出が実行される。ここで、通常演出とは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出(装飾図柄の変動表示を含む演出)と、大当たり遊技及び小当たり遊技に伴う当たり演出とを含むものである。なお、この通常演出の画像は、通常演出のみが行われているときには、本実施形態では、メイン液晶表示装置5の全体領域に表示される(図6(A)参照)。
一方、パチンコ遊技機1の電源投入から所定の設定時間(例えば1時間)が経過したタイミングになれば、未公開コンテンツとしての新曲を発表する新曲発表演出(本実施形態では新曲のムービー再生)が開始される(図6(B)参照)。ここで、この新曲発表演出は、遊技球を用いた遊技や通常演出の状況とは無関係に、電源投入から所定の設定時間が経過すると強制的に開始される。その一方で、遊技球を用いた遊技は、新曲発表演出が行われている間も継続されるため、この遊技に対する通常演出を新曲発表演出と並行して行う必要がある。そのため、パチンコ遊技機1では、新曲発表演出が行われている間、メイン液晶表示装置5においては、上部側の領域(以下「上部領域」という)を用いて新曲発表演出が行われる一方で、当該メイン液晶表示装置5の下部側の領域(以下「下部領域」という)を用いて通常演出が行われる(図6(B)参照)。
このように、通常演出の画像は、新曲発表演出が行われていないときにはメイン液晶表示装置5の全体領域に表示される。一方、新曲発表演出が行われているときには、メイン液晶表示装置5の表示画面が上下の領域に分割されて、上部領域に新曲発表演出の画像が表示され、下部領域に通常演出の画像が表示される。
新曲発表演出が終了すると、メイン液晶表示装置5の下部領域を用いて通常演出が行われていた状態から、全体領域を用いて通常演出が行われる状態へと戻る(図6(B)及び(C)参照)。そして、新曲発表演出が行われた後の通常演出では、新曲発表演出で発表された新曲に基づく演出が実行可能となる。具体的には、新曲発表演出開始前の通常演出において使用されていなかった新曲に関する演出データが、新曲発表演出が実行されたことを契機として通常演出に使用されるようになる。
なお、他の実施形態では、新曲発表演出の画像をメイン液晶表示装置5の全体領域に表示し、通常演出の画像をサブ液晶表示装置6の全体領域に表示してもよい。この場合、通常演出の画像の一部(例えば装飾図柄)はメイン液晶表示装置5に表示し、通常演出の画像の残りの部分をサブ液晶表示装置6に表示するようにしてもよい。
ここで、上述した新曲発表演出は、パチンコ遊技機1の電源が投入されてから、例えば1時間が経過したときにだけ実行されるわけではなく、1度新曲発表演出が行われた後は、電源が投入されてからの経過時間が1時間経過する度に実行される。すなわち、パチンコ遊技機1の電源が投入されてから1時間が経過したときに、例えば新曲Aの新曲発表演出がその日に初めて実行された場合、その後1時間おきに新曲Aの新曲発表演出が行われる。また本実施形態では、1つの新曲に対する新曲発表演出は、その新曲の初回の新曲発表演出が実行されてから1週間継続され、次の1週間では他の新曲の新曲発表演出が行われるというように、新曲発表演出に使用される楽曲が1週間ごとに切り替えられる。このようにして、本実施形態では、約3か月間に亘って全12曲の新曲に関する新曲発表演出が実行され、その都度、通常演出で使用可能な演出データが増えていく。
このような通常演出の変化について、図7を参照してより詳細に説明する。図7は、全ての新曲が発表される以前にパチンコ遊技機1で行われる新曲発表演出の流れの一例について示した説明図である。なお、以下においては、説明を容易にするめに、いずれの日においてもパチンコホールのオープン時間(本実施形態では午前10時)の1時間前、つまり午前9時にパチンコ遊技機1の電源が投入されるものとして説明を行う。
図7(A)に示すように、パチンコ遊技機1が例えば3/23の月曜日にパチンコホールに導入された場合、導入から1週間が経過するまでは、新曲発表演出が一度も行われていない状態であるため、デフォルトの通常演出が行われる。
そして、例えば、パチンコ遊技機1がパチンコホールに導入されてから1週間が経過した3/30の月曜日であって、パチンコ遊技機1の電源が投入されてから3時間が経過したときに、新曲Aの初回新曲発表演出が実行される(図7(B)参照)。すなわち、図7(B)に示すように、パチンコ遊技機1に電源投入された時間が午前9時ちょうどであるから、その時間から3時間後の正午ちょうどに新曲Aの初めての新曲発表演出が実行され、その後1時間おきに新曲Aの新曲発表演出が実行される。そして、新曲Aの初回発表演出が実行されてから1週間が経過するまでは、新曲Aに基づいた新曲発表演出が実行される。
なお、新曲発表演出に新曲Aが使用される期間は1週間に限定されるものではなく、他の実施形態においては、新曲Aを新曲発表演出に例えば2週間使用する構成を採用してもよい。また、新曲B以降の新曲についても、全ての新曲の新曲発表演出が行われた状態となるまでは、各新曲の使用期間が予め1週間に設定されているが、これらの新曲の使用期間も、1週間以外の期間であってもよい。
通常演出に説明を戻すと、新曲Aの初回新曲発表演出が実行されると、新曲Aに関する演出データが通常演出において使用可能になる。具体的には、例えば、新曲Aの初回新曲発表演出が実行される前には、通常演出中においてデフォルトの背景画像しかメイン液晶表示装置5に表示されないのに対して、新曲Aの初回新曲発表演出の実行以降は、新曲Aの新曲発表演出データの一部を用いて予め生成された新曲A対応の背景画像がメイン液晶表示装置5に表示されるようになる。
また、詳細な説明は省略するが、通常演出に関する変化は背景画像の変化に限らず、例えば、大当たり遊技のオープニング期間中に行われるオープニング演出が新曲A対応のオープニング演出に変化したり、装飾図柄の変動表示中に行われる予告演出の一部が新曲A対応のものに変化したり、新曲Aに基づくリーチ演出が行われたりするようになる。このような通常演出に対する演出変化は、新曲Aの初回新曲発表演出が行われた場合に限らず、新曲B以降の新曲の初回新曲発表演出が行われた場合にも同様に発生する。
続いて、新曲Aの初回新曲発表演出が実行されてから1週間が経過した4/6の月曜日であって、パチンコ遊技機1の電源が投入されてから3時間が経過すると、新曲Bの初回新曲発表演出が実行される(図7(C)参照)。そして、新曲Bの初回発表演出が実行されてから1週間が経過するまでは、新曲Bを用いた新曲発表演出が実行される。
また、新曲Bの初回新曲発表演出が実行されると、新曲Bに関する演出データが通常演出において使用可能になる。具体的には、例えば、新曲Bの初回新曲発表演出が実行される前には、通常演出中にメイン液晶表示装置5にデフォルトの背景画像や新曲A対応の背景画像しか表示されないのに対して、新曲Bの初回新曲発表演出が実行された以降は、新曲Bの新曲発表演出データの一部を用いて予め生成された新曲B対応の背景画像が表示されるようになる。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、各新曲の初回新曲発表演出が行われる毎に、通常演出の演出態様が各新曲に対応したものへと変化する。
なお、図7に示した新曲発表のスケジュールは一例であって、パチンコ遊技機1の導入初日に新曲Aの初回新曲発表演出を行うようにしたり、同じ新曲の新曲発表演出が実行される時間間隔を1時間未満又は1時間を超える時間にしたり、新曲の種類によって新曲発表演出の時間間隔を異ならせたりするといった変更を行ってもよい。
[全新曲発表後の新曲発表演出]
続いて、図8を参照しつつ、全ての新曲が発表された後の新曲発表演出の流れについて説明する。ここで、「全ての新曲が発表された後」とは、新曲発表演出に使用される新曲が12曲あって、12曲目の新曲(新曲L)の初回新曲発表演出が行われてから1週間が経過した以降の状態を意味する。図8は、全ての新曲が発表された後にパチンコ遊技機1で行われる新曲発表の流れの一例について示す説明図である。
本実施形態では、図7(D)に示すように、全12曲の新曲のうちの12曲目の新曲Lの初回新曲発表演出が行われて、その日から1週間が経過するまでは、新曲Lの新曲発表演出が電源投入を基準として1時間毎に行われる。そして、1週間が経過した6/22の月曜日からは、全ての新曲が発表された後の状態となっており、1時間毎に行われる新曲発表演出において新曲の種類が順次変化していく。例えば、図8(A)に示すように、パチンコ遊技機1の電源が午前9時に投入されたと仮定すると、その1時間後の10時に新曲Aの新曲発表演出が行われ、さらにその1時間後の午前11時に新曲Bの新曲発表演出が行われる。同様に、その後も、1時間毎に異なる新曲、具体的には新曲C,D・・・のように新曲の種類が変化しながら新曲発表演出が行われる。
かかる構成により、新曲A〜新曲Lの新曲発表演出が行われる12週間に亘って毎週遊技をしなければ楽しむことができなかった新曲発表演出を、全12曲の新曲の発表後は1日で楽しむことが可能となる。
また、本実施形態では、電源投入から経過時間が同じであっても、日によって発表される新曲の種類が異なる(図8参照)。例えば、図8(A)〜(D)に示すように、6/22の月曜日には電源投入から1時間が経過したときに新曲Aの新曲発表演出が行われるのに対して、その翌日の6/23の火曜日には電源投入から1時間が経過したときには新曲Bの新曲発表演出が行われ、更に翌日の6/24の水曜日には電源投入から1時間が経過したときには新曲Cの新曲発表演出が行われるというように、電源投入からの経過時間が同じであっても、日によって新曲発表演出に使用される新曲の種類が異なる。
かかる構成により、特定の時間帯(例えば夕方の6時以降等)にしか遊技ができない遊技者であっても、様々な種類の新曲の新曲発表演出を楽しむことができる。
[遊技者によってカスタマイズ可能な演出]
次に、遊技者によってカスタマイズ可能な遊技時の演出について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者が演出ボタン26や演出キー27を用いて楽曲選択画面を表示させる所定の操作を行うと、メイン液晶表示装置5に楽曲選択画面が表示される。この楽曲選択画面には、遊技者が選択可能な1又は複数の楽曲が演出キー27等で選択可能な画像(以下「楽曲画像」という)として表示される。そして、楽曲選択画面に表示されたいずれかの楽曲画像を遊技者が所定の選択操作によって選択すると、その選択された楽曲を再生することが可能である。すなわち、遊技者によって選択された楽曲を、パチンコ遊技機1のBGMとしてカスタマイズすることができる。
具体的には、通常遊技状態の時に楽曲選択が行われた場合には、選択された楽曲が遊技中のBGMとしてスピーカ24から出力される。また、大当たり遊技や時短遊技状態のときに楽曲選択が行われた場合には、選択された楽曲が遊技中のBGMとしてスピーカ24から出力されると共に、その楽曲に対応する映像(ムービー)がメイン液晶表示装置5に表示される。このように、本実施形態では、遊技者自身が選択した楽曲に対応するデータを遊技中の演出要素としてカスタマイズすることができる。
(楽曲選択画面について)
ここで、図9〜11を参照しつつ、メイン液晶表示装置5に表示される楽曲選択画面について具体的に説明する。図9は、通常遊技状態において、メイン液晶表示装置5に表示される楽曲選択画面の一例を示す画面図である。楽曲選択画面は、遊技者が選択可能(あるいは選択不可能)な複数の楽曲画像を含む「楽曲一覧」と、いずれかの楽曲の詳細情報が表示される「詳細情報表示領域」と、「ランダム再生」ボタンと、「通常画面に戻る」ボタンとを含んだ構成である。
「楽曲一覧」は、上述した新曲発表演出に使用される新曲A〜Lのそれぞれに対応する12個の新曲画像51と、新曲発表演出には使用されない新曲Aの初回発表演出が行われる前に既に公知になっている複数(例えば50曲)の楽曲(以下「旧曲」という)のそれぞれに対応する旧曲画像52とを含んでいる。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、楽曲選択画面に対して遊技者が所定の選択操作を行うことによって、パチンコ遊技機1で再生される楽曲として新曲又は旧曲を選択可能であるが、その操作時の条件によって、これらの楽曲に関して遊技者が選択可能な楽曲数は変化する。
具体的には、旧曲に関しては、遊技者が遊技を行うことで獲得し得る演出特典ポイント(後述する)の蓄積数が所定数に達する毎に、遊技者が選択可能な旧曲の数が増えていく。例えば、図9〜図11に示すように、演出特典ポイントの蓄積数が「0」のデフォルト状態においては遊技者が選択な旧曲の数が「3(旧曲a〜c)」であるところ、演出特典ポイントの蓄積数が所定数(例えば「100」)に達することで、遊技者が選択可能な旧曲が「1」増加し選択可能な旧曲の総数が「4」となる(不図示)。このように、演出特典ポイントの蓄積数が所定数に達する毎に遊技者が選択可能な旧曲が「1」増加し、最終的に選択可能な旧曲の総数が「50」になるまで増加し続ける。なお、遊技者が選択不可能な旧曲は、その旧曲に対応する旧曲画像52に「?」が付されて表示される。
これに対して、新曲に関しては、演出特典ポイントの蓄積数に関わらず、初回新曲発表演出が行われる毎に、遊技者が選択可能な新曲の数が増えていく。具体的には、図9〜図11に示すように、最初に使用される楽曲である新曲Aの新曲発表演出が一度も行われていない状況においては、遊技者が選択可能な新曲の数は「0」である。これに対して、新曲Aの初回新曲発表演出が行われると新曲Aの選択が可能になり、新曲Bの初回発表演出が行われると新曲Bの選択が可能になり、新曲Cの初回新曲発表演出が行われると新曲Cの選択が可能になるというように、初回新曲発表演出が行われる毎に、遊技者が選択可能な新曲が増えていく(不図示)。なお、遊技者が選択不可能な新曲は、その新曲に対応する新曲画像51に「?」が付されて表示される。
「詳細情報表示領域」は、カーソルが位置している楽曲の詳細情報が表示される領域である。選択不可能な新曲画像51又は旧曲画像52にカーソルが位置している場合、詳細情報表示領域には何も表示されない。これに対して、選択可能な新曲画像51又は旧曲画像52にカーソルが位置している場合、その画像に対応する楽曲に関する詳細情報として、例えばその楽曲のタイトルやその楽曲を歌うアーティストの写真(いわゆるジャケット)等が詳細情報表示領域に表示される。
このため、遊技者は、選択可能な新曲画像51又は旧曲画像52のうち、演出キー27を操作して所望の画像にカーソルを移動させることで、選択可能な楽曲に関する詳細情報を得ることができる。
「ランダム再生」ボタンは、楽曲選択画面に選択可能に表示されている画像に対応する選択可能な楽曲をランダムに再生する処理の実行を指示するボタンである。例えば、遊技者が演出キー27の操作によって「ランダム再生」ボタンにカーソルを移動させ、その状態で演出ボタン26を押下することにより、パチンコ遊技機1において遊技者が選択可能な楽曲がランダムに再生されることになる。
「通常画面に戻る」ボタンは、楽曲選択画面の消去を指示するボタン画像であり、演出キー27を操作して「通常画面に戻る」ボタンにカーソルを移動させ、この状態で演出ボタン26を操作すると、楽曲選択画面が消去される。
遊技者は、選択可能な楽曲のいずれかの選択を確定させる場合、演出キー27を使って所望の選択可能な楽曲にカーソルに移動させ、演出ボタン26を押下する。これにより、遊技者による楽曲選択が確定して、対応する楽曲の再生が開始されることになる。
なお、通常遊技状態において装飾図柄の変動表示を含む変動演出が行われているときに楽曲選択画面を表示すると、変動演出の視認性が低下してしまい、遊技者による特別図柄判定(第1特別図柄判定)の判定結果の視認を困難にさせてしまうおそれがある。このため、本実施形態では、通常遊技状態のときには、第1特別図柄判定に係る装飾図柄の変動表示が行われておらず、且つ第1特別図柄判定が保留されていないことを条件として、楽曲選択画面の表示を許可することとしている。換言すれば、通常遊技状態においては、装飾図柄が変動表示されていない客待ち状態のときだけ楽曲選択画面の表示が可能である。このため、通常遊技状態のときに楽曲選択画面が表示される場合には、装飾図柄や第1特別図柄判定に係る保留画像は表示されない(図9参照)。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技状態のときにも、メイン液晶表示装置5において楽曲選択画面を表示することができる。図10は、大当たり遊技状態のときにメイン液晶表示装置5に表示される楽曲選択画面の一例を示す画面図である。
大当たり遊技状態のときには、遊技者が大入賞口13を狙って右打ちを行う必要があるため、遊技者に対して、右打ちを継続して行わせるように認識させる表示を行う点が通常遊技状態と異なる。このため、大当たり遊技状態において楽曲選択画面が表示されているときには、遊技者に右打ちを促すための画像が楽曲選択画面に重畳表示される(図10参照)。図10では、遊技領域10における右側領域を示す矢印を表示する画像と、「右打ち」の文字を表示する画像とを重ねた右打ち報知画像が、楽曲選択画面の上端側及び下端側に重畳的に表示されている。なお、別の実施形態では、大当たり遊技状態で表示される楽曲選択画面に、遊技者が大当たり遊技の進行状況を把握できるラウンド数を示す画像や、獲得賞球数を示す画像等を重畳的に表示してもよい。
なお、大当たり遊技状態のときには、特別図柄判定が行われることはないため、メイン液晶表示装置5において装飾図柄が変動表示されることはない。そのため、大当たり遊技状態のときには、遊技者が所定の操作(本実施形態では演出キー27のいずれかのキーの操作)を行うことで、いつでも楽曲選択画面を表示させることが可能である。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、時短遊技状態のときにも、メイン液晶表示装置5において楽曲選択画面を表示することができる。図11は、時短遊技状態のときにメイン液晶表示装置5に表示される楽曲選択画面の一例を示す画面図である。
時短遊技状態のときには、第2特別図柄判定の判定結果の大半が小当たりであるものの、特別図柄判定の判定結果が大当たりとなることもあるため、大当たり遊技状態で表示される楽曲選択画面と異なる点としては、遊技者に対して、停止表示される装飾図柄を認識させる必要がある点である。このため、時短遊技状態において楽曲選択画面が表示されるときには、遊技者に装飾図柄と特別図柄判定に係る保留表示画像とが、当該楽曲選択画面に重畳的に表示される(図11参照)。図11では、楽曲選択画面の左下方に、装飾図柄と保留画像とが、当該楽曲選択画面に重畳的に表示されている。なお、別の実施形態では、装飾図柄と保留画像とを、時短遊技状態で表示される楽曲選択画面の左下方とは異なる別の領域(特に楽曲画像等の視認に影響を与えない領域)に配置してもよい。
なお、時短遊技状態のときには、上述したように、小当たり遊技中にV入賞口92に遊技球が入賞するか否かで2種大当たりになるか否かが決まる。このため、時短遊技状態のときには、楽曲選択画面を表示させたことによって、装飾図柄の視認性が低下したとしても、大きな問題となることはない。そこで、時短遊技状態のときには、大当たり遊技状態のときと同様に、遊技者が所定の操作を行うことで、いつでも楽曲選択画面を表示させることが可能である。
(演出特典ポイントについて)
続いて、パチンコ遊技機1において遊技者が獲得し得る演出特典ポイントについて説明する。本実施形態では、パチンコ遊技機1で行われた遊技に応じて演出特典ポイントが付与される。この演出特典ポイントは、遊技中において各種のポイント付与条件が満たされると、その条件に対応するポイントが付与されて蓄積される。蓄積された演出特典ポイントは、そのポイント数に応じて上記した楽曲等の演出特典を利用可能にする。ここで、ポイント付与条件は特に限定されるものではないが、例えば以下のような条件が例として挙げられる。
(1)特別図柄の変動回数が「1」増加したこと
(2)所定の演出が実行されたこと
(3)連チャン回数が所定回数に達したこと
(4)特別図柄判定の保留数が最大になったこと
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、後述する画像音響制御基板140の制御用RAM145に演出特典ポイントを示す情報(以下「演出特典ポイント」という)が記憶される。制御用RAM145に記憶されている演出特典ポイントは、多数のポイント付与条件のうちのいずれかが満たされると、満たされたポイント付与条件に対応するポイントを加算した値に更新される。これにより、遊技者に対して、新たな演出特典ポイントが提供されることになる。
このように付与された演出特典ポイントが蓄積されて、その蓄積されたポイント数が所定数に達する毎に、上述した楽曲選択画面に表示される遊技者が選択可能な旧曲数が増加していく。そして、演出特典ポイントのポイント数に応じて、カスタマイズ演出に使用可能な遊技者が選択可能な旧曲数が増えていく。
ところで、制御用RAM145に記憶されている演出特典ポイントは、パチンコ遊技機1の電源を「OFF」にすることによって消失されてしまう。このため、遊技者が複数の日に亘って多くの演出特典ポイントを獲得できるようにするためには、演出特典ポイントをどこかに記憶しておき、遊技者が別の日に改めて遊技を行う際に、この演出特典ポイントを引き継いで遊技を始められるような構成が必要である。そこで、本実施形態では、後述する管理サーバ71及び遊技者が所持するカメラ付きの携帯端末72を利用して、演出特典ポイントを別の日に引き継ぐことを可能にしている。
(遊技履歴を外部の管理サーバ71に記憶する遊技システム70について)
以下、演出特典ポイントを含む遊技履歴をインターネット上の管理サーバ71に記憶するための遊技システム70について説明する。図12は、携帯端末72と管理サーバ71とを含む遊技システム70の構成例を示すシステム構成図である。
図12に示す遊技システム70は、パチンコ遊技機1で遊技を行っている遊技者が、当該パチンコ遊技機1で行われた遊技の遊技履歴を記憶させるべく、自身のカメラ付きの携帯端末72を介して、管理サーバ71にアクセス可能に構成されている。ここで、「遊技履歴」は、上記演出特典ポイントの他に、演出特典ポイントのポイント蓄積数に応じて遊技者に提供される演出特典を示す情報(上述した遊技者が選択可能な旧曲に関する情報)、特別図柄の変動回数、大当たり回数、いわゆる連チャン回数等を含むものである。ただし、遊技履歴は、必ずしもこれら全ての情報を含んでいる必要はなく、少なくとも演出特典ポイントを示す情報を含んでいれば、その他の情報に関しては上記情報のうちの一部の情報のみを含むものであってもよい。
パチンコ遊技機1では、遊技者が遊技を開始するに際して所定の遊技開始操作を行うと、遊技者が携帯端末72を用いて管理サーバ71にアクセスするためのコード画像として、QRコード(登録商標)が表示される。このQRコード(後述する第1コード画像に相当)は、管理サーバ71にアクセスするためのアドレスを示す情報を含むものである。
遊技者が携帯端末72によってこのQRコードを読み取って管理サーバ71にアクセスすると、管理サーバ71で生成されたパスワードが携帯端末72に送信されて携帯端末72の画面に表示される。そして、遊技者が画面に表示されたパスワードをパチンコ遊技機1に対して入力することにより、演出特典ポイントを含む遊技履歴を蓄積する処理がパチンコ遊技機1において開始される。
なお、遊技者が過去に行った遊技に関する遊技履歴が管理サーバ71に記憶されている場合には、その遊技履歴をパチンコ遊技機1で識別可能なパスワードが管理サーバ71で生成されて、携帯端末72へと送信される。遊技者がこのパスワードをパチンコ遊技機1に対して入力すると、パチンコ遊技機1において遊技者の前回までの遊技履歴を引き継ぐ形で、遊技履歴を蓄積する処理が開始されることになる。
以下においては、パチンコ遊技機1に対してパスワードを入力して遊技が行われている状態を「本遊技状態」と称し、パチンコ遊技機1に対してパスワードを入力せずに遊技が行われている状態を「フリー遊技状態」と称する。
このように、遊技者が遊技開始操作の後にパスワード入力を行ってから遊技を行い、遊技を終了するに際して所定の遊技終了操作を行うと、遊技開始操作を行ったときは別のQRコード(後述する第2コード画像に相当)がパチンコ遊技機1に表示される。このQRコードは、管理サーバ71にアクセスするためのアドレスを示す情報に加えて、遊技者が遊技終了操作を行った時点のパチンコ遊技機1に記憶されている遊技履歴を含むものである。
遊技者が遊技開始操作を行った際と同様に、携帯端末72によってこのQRコードを読み取って管理サーバ71にアクセスすると、そのQRコードに含まれている遊技者の遊技履歴を示す情報が管理サーバ71に格納されることになる。その際、遊技者の遊技履歴を示す情報が管理サーバ71に既に記憶されている場合には、その遊技履歴を示す情報が、QRコードに含まれている遊技履歴を示す情報に更新される。これにより、遊技者の遊技履歴が随時更新されていくことになり、遊技者は、演出特典ポイントを継続して溜めることが可能となる。
なお、パチンコ遊技機1では、第2コード画像を用いて管理サーバ71にアクセスしてから遊技を終了する場合、本遊技状態からフリー遊技状態に変更させることが可能である。逆を言えば、本遊技状態において、第2画像を用いて管理サーバ1にアクセスすることがなければ、本遊技状態が維持される。ただし、パチンコ遊技機1では、電源が遮断されると、第2画像を用いて管理サーバ1にアクセスすることがなくても、フリー遊技状態に設定される。
(遊技システム70におけるシーケンス)
続いて、図13を参照しつつ、上記遊技システム70におけるシーケンスについて説明する。ここで、図13は、遊技システム70のシーケンスを示す図である。なお、図13において、左列は遊技者の行為又は遊技者が所持する携帯端末72が実行する処理を示し、中央列はパチンコ遊技機1が実行する処理を例示し、右列は管理サーバ71が実行する処理を例示する。
携帯端末72を所持する遊技者は、パチンコ遊技機1における遊技を開始する際に、演出ボタン26や演出キー27を用いて所定の遊技開始操作を行う。
所定の遊技開始操作が行われると、パチンコ遊技機1は、当該パチンコ遊技機1においてこれまでに蓄積された遊技履歴を消去し、例えば管理サーバ71のアドレスを示す情報等に基づいて第1コード画像(QRコード)を生成し、生成した第1コード画像をメイン液晶表示装置5に表示する(ステップS801)。
メイン液晶表示装置5に表示された第1コード画像を遊技者が携帯端末72のカメラで読み取ると、例えば携帯端末72の画面に管理サーバ71にアクセスするためのURLが表示され、遊技者がこのURLに対するアクセスを指示する操作を携帯端末72に対して行うと、その携帯端末72は管理サーバ71にアクセスする。
管理サーバ71は、携帯端末72からのアクセスがあると、その携帯端末72の端末固有情報の他、第1コード画像に含まれたパチンコ遊技機1の遊技識別情報(例えばシリアル番号等)を携帯端末72から取得し、取得した端末固有情報及び遊技識別情報を登録又は認証する登録・認証処理を行う(ステップS851)。そして、登録・認証処理の結果を携帯端末72に表示させるための表示処理を実行する(ステップS852)。登録・認証処理において登録又は認証に成功すると、成功した旨を報知する成功画像データと、管理サーバ71のデータベースにその端末固有情報に対応する遊技履歴が既に蓄積されている場合にはその遊技履歴情報と、に基づいて管理サーバ71においてパスワードが生成され、当該パスワードが携帯端末72に送信される。一方、登録・認証処理に失敗すると、失敗した旨を報知する失敗画像データが携帯端末72に送信される。
遊技者は、携帯端末72に成功画像データが表示された場合、その成功画像データと一緒に送られてきたパスワードをパチンコ遊技機1に入力してから、ハンドル20のレバー21を回転させて遊技を開始する。これに伴い、パチンコ遊技機1は、特別図柄判定の実行、特別図柄の変動表示、大当たり遊技の実行、各種演出の実行等の様々な遊技処理を開始する(ステップS802)。そして、遊技処理の結果に基づく遊技履歴情報の蓄積を開始する(ステップS803)。例えば、制御用RAM145に記憶されている特別図柄の変動回数を更新する処理や、制御用RAM145に記憶されている演出特典ポイントをポイント付与条件の成立に応じて更新する処理等を行う。
なお、パチンコ遊技機1に対して入力したパスワードに基づいて過去の遊技履歴が特定された場合には、その遊技履歴を更新する形で遊技履歴情報が蓄積されていくことになる。このため、パスワードに基づいた遊技履歴が、例えば、演出特典ポイントとして「358」を示す場合、蓄積される演出特典ポイントはその「358」の状態から更新されていくことになる。
このように、パチンコ遊技機1では、ステップS802の遊技処理が行われる毎に、制御用RAM145に記憶されている遊技履歴情報が適宜更新される。
遊技者は、遊技を終了する際、パチンコ遊技機1の演出ボタン26や演出キー27を用いて、所定の遊技終了操作を行う。
遊技者により遊技終了操作が行われると、パチンコ遊技機1は、当該パチンコ遊技機1に記憶されている遊技履歴情報をコード化した第2コード画像(QRコード)を生成し、生成した第2コード画像をメイン液晶表示装置5に表示させる(ステップS804)。
遊技者が携帯端末72を用いてその第2コード画像を読み取り、携帯端末72に対して管理サーバ71へアクセスを指示する指示操作を行うと、携帯端末72が管理サーバ71に再びアクセスする。
管理サーバ71は、携帯端末72から再びアクセスがあると、アクセスしてきた携帯端末72からその端末固有情報、第2コード画像に含まれるパチンコ遊技機1の遊技識別情報を新たに取得し、取得した端末固有情報及び遊技識別情報が上記ステップS851の処理で登録された端末固有情報及びパチンコ遊技機1の遊技識別情報に対応するものであるか否かを認証する(ステップS853)。そして、管理サーバ71は、この認証処理に成功すると、第2コード画像に含まれる遊技履歴情報を携帯端末72から取得して管理サーバ71に蓄積する(ステップS854)。ここで、認証処理に成功したときには、認証に成功した旨を携帯端末72に表示させるために、管理サーバ71において、成功した旨を報知する成功画像データが生成され携帯端末72に送信される。一方、認証処理における認証に失敗したときには、管理サーバ71において、認証に失敗した旨を報知する失敗画像データが生成され携帯端末72に送信される。
また、遊技者は、管理サーバ71にこれまで蓄積した遊技履歴情報を確認したいときには、携帯端末72を用いて当該管理サーバ71に直接アクセスする。
管理サーバ71は、携帯端末72からのアクセスがあると、アクセスしてきた携帯端末72の端末固有情報を取得し、取得した端末固有情報がデータベースに登録されているか否かの認証を行う(ステップS855)。そして、既にデータベースに登録されている端末固有情報である場合には、その端末固有情報に対応する遊技履歴情報を表示するための遊技履歴情報の表示処理を実行する(ステップS856)。すなわち、管理サーバ71から、遊技履歴画像データが携帯端末72に送信される。
なお、上記では、遊技システム70におけるシーケンスの一例について説明したが、遊技システム70におけるシーケンスはここで説明したものに限定されるものではなく、遊技履歴情報を管理サーバ71に適切に蓄積することができれば、他のシーケンスで遊技履歴情報を蓄積してもよい。
[遊技開始時演出]
ところで、パチンコ遊技機1では、遊技者が遊技を行っていない間、メイン液晶表示装置5やサブ液晶表示装置6において客待ち状態を示す客待ち演出が実行される。ここで、「客待ち状態」とは、大当たりや小当たり遊技が行われておらず、特別図柄判定の保留が「0」の状態、且つ特別図柄の変動表示が実行されていない状態である。そして、この客待ち状態となって所定時間が経過すると、客待ち演出が開始される。「客待ち演出」では、パチンコ遊技機1のメイン液晶表示装置5において表示されるキャラクタの説明や、遊技を行う上での注意点等を表示する。
従来、このような客待ち演出は、一旦開始されると、遊技者が遊技を行い、ハンドル20のレバー21の操作に応じて発射される遊技球が始動口11,12に入賞して特別図柄判定が実行されるまで継続されていた。そのため、遊技者は、遊技を開始しているにも関わらず、客待ち状態を示す客待ち演出を見ながら遊技を行う場合があった。
そこで、本実施形態では、遊技者によって所定の操作手段(本実施形態ではハンドル20のレバー21又は球貸ボタン206)が操作されて「遊技開始の所定の条件」が満たされると、実行中の客待ち演出を終了し、メイン液晶表示装置5において遊技が開始された状態であることを示唆する遊技開始時演出が実行される。
なお、客待ち演出実行中に上述した新曲発表演出が開始される条件が満たされると、一時的にその客待ち演出は中断される。しかしながら、この新曲発表演出が開始される条件は、遊技者が遊技を開始するか否かとは無関係であるため、上記した遊技開始時演出を実行するための「遊技開始の所定の条件」とは異なる。以下、図14を参照しつつ、遊技開始時演出について具体的に説明する。
図14は、遊技開始時演出の概要とその演出内容の種類を例示する説明図である。本実施形態のパチンコ遊技機1には、上述したように、遊技者が操作する操作手段として、遊技球を遊技領域10に打ち出すことに寄与するハンドル20のレバー21と、遊技球の貸し出しを可能とする球貸ボタン206等が備えられている。遊技者は、遊技開始時において、これらの操作手段たるレバー21と球貸ボタン206のいずれかを最初に操作して遊技を開始する。そして、客待ち演出が実行されている中で、遊技者がレバー21と球貸ボタン206のいずれかを操作して遊技を開始すると所定の条件が満たされて、実行中の客待ち演出が終了し、所定の遊技開始時演出が実行される。
具体的には、不図示の球貸機から遊技球を借りて遊技を行う場合は、まず球貸機に有価媒体が投入された後、球貸ボタン206が操作される(図14(b)参照)。ここで、球貸ボタン206は、遊技球の払出制御を行う後述する払出制御基板160(図20参照)に対して、後述する球貸接続基板202を介して接続されている。このため、球貸ボタン206が遊技者等に操作されると、その球貸信号が球貸接続基板202を介して払出制御基板160に送信される。また、払出制御基板160は、球貸機と球貸接続基板202を介して接続されている。このため、球貸機に有価媒体が投入されると、その有価媒体の有価情報が払出制御基板160に読み出される。このように、球貸機に有価媒体が投入され、その状態で球貸ボタン206が操作されると、払出制御基板160はそれらの情報に基づいて、パチンコ遊技機1の上皿28に対して所定量の遊技球を払い出す。なお、払出制御基板160は、有価情報が無い状態で球貸ボタン206が操作された場合、その球貸ボタン206の球貸信号に基づいて遊技球を払い出すことはない。
こうして、客待ち演出の実行中に球貸ボタン206が操作され、その操作に基づく球貸信号と球貸機に投入された有価媒体の有価情報とに基づいて遊技球が払い出されると、その払い出された遊技球に関する情報(以下「貸球情報」ともいう)に基づいて、遊技開始時演出を実行するか否かが決定される。具体的には、球貸ボタン206の操作に応じて遊技球が払い出されると、その貸球情報が後述する演出制御基板130に送信される。そして、演出制御基板130において、その貸球情報を受信した際に客待ち演出が実行されていると判断されれば、遊技開始時演出を実行することが決定され、客待ち演出が終了されると共に遊技開始時演出が開始される。このように、本実施形態では、所定の条件(客待ち演出中且つ貸球情報あり)が満たされると、遊技球が始動口11,12に入賞することがなくても、客待ち演出が終了し、遊技が開始された状態を示唆する遊技開始時演出が実行される。
また、本実施形態では、遊技開始時に球貸ボタン206を操作しない場合においても上記同様の遊技開始時演出が実行される場合がある。例えば、遊技球が溜められた不図示の箱(いわゆるドル箱)の中の遊技球を用いて遊技を開始するような場合である。この場合、パチンコ遊技機1の上皿28には、遊技者が自身の手等でドル箱の中の遊技球をすくって補給される。このため、ドル箱の中の遊技球を用いて遊技を開始する場合は、遊技者は、球貸ボタン206を操作することはなく、ハンドル20のレバー21を最初に操作することになる(図14(a)参照)。そして、レバー21が操作されると、遊技球が遊技領域10における上部位置に向けて発射される。遊技領域10における上部位置に向けて発射された遊技球は、その上部位置に至るまでに発射球検知スイッチ123によって検知される。
こうして、客待ち演出の実行中にハンドル20のレバー21が操作され、レバー21の操作に応じて発射された遊技球が発射球検知スイッチ123によって検知されると、その発射球検知信号に基づいて、遊技開始時演出を実行するか否かが決定される。具体的には、レバー21の操作に応じて遊技球が遊技領域10における上部位置に向けて発射され、発射された最初の遊技球がその上部位置に到達するまでに発射球検知スイッチ123によって検知されると、その発射球検知信号が後述する演出制御基板130に送信される。そして、演出制御基板130において、その発射球検知信号を受信した際に客待ち演出が実行されていると判断されれば、客待ち演出が終了されると共に遊技開始時演出が開始される。このように、本実施形態では、遊技を開始する際に球貸しボタン206が操作されない場合であっても、所定の条件(客待ち演出中且つ最初の発射球を検知)が満たされると、遊技球が始動口11,12に入賞することがなくても、客待ち演出が終了し、遊技が開始されたことを示唆する遊技開始時演出が実行される。なお、発射された最初の遊技球に後続する遊技球が発射球検知スイッチ123によって検知されても、その検知信号に基づいて遊技開始時演出が実行されることはない。
ここで、本実施形態では、遊技開始時演出として5種類の演出パターンA〜Eが用意されている。演出パターンAは、大当たりによる累積賞球数に基づく演出内容の演出パターン(図14(c)参照)である。演出パターンBは、累積貸球数に基づく演出内容の演出パターン(図14(d))である。演出パターンCは、本遊技状態か否かに基づく演出内容の演出パターン(図14(e))である。演出パターンDは、カスタマイズ情報に基づく演出内容の演出パターン(図14(f))である。演出パターンEは、後述する演出制御基板130のRTC134が計時する日付及び時間に関する情報(以下「RTC情報」ともいう)に基づく演出に関する演出内容の演出パターン(図14(g))である。本実施形態では、遊技開始時演出が実行される場合、遊技開始時演出の演出パターンを選択する所定の遊技開始時演出パターン選択テーブル(不図示)に基づいていずれか1の演出パターンが選択され、遊技開始時演出が開始される。
遊技開始時演出の演出パターンを選択するための遊技開始時演出パターン選択テーブルは、演出制御基板130のサブROM132に記憶されている。本実施形態では、遊技開始時演出パターン選択テーブルにおいて上記5種類の演出パターンA〜Eが設けられており、後述する遊技開始時演出パターン乱数に対応したいずれか1の演出パターンが選択される。遊技開始時演出パターン選択テーブルに基づいて選択された演出パターンの遊技開始時演出は、球貸ボタン206が操作されたタイミング又はハンドル20のレバー21が操作されて発射球検知スイッチ123によって遊技球が検知されたタイミングで開始される。
なお、遊技開始時演出パターン選択テーブルは、上記5種類の演出パターンA〜Eのうちのいずれもほぼ同一の確率で選択される構成である。そのため、遊技開始時演出では、いずれの演出パターンA〜Eも概ね同一の割合で選択されることになるため、実行される演出内容がいずれか1の演出パターンに偏るようなことがない。
一方、球貸ボタン206を操作しても遊技球が払い出されなかった場合、客待ち演出が実行されていないときに球貸信号と有価情報とに基づいて遊技球が払い出された場合、又はハンドル20のレバー21を操作しても発射球検知スイッチ123によって遊技球が検知されなかった場合には、演出パターンA〜Eのうちのいずれも選択されることはない。すなわち、この場合は遊技開始時演出が実行されることはない。以下、各演出パターンA〜Eが選択された場合の遊技開始時演出について、図15〜19を参照しつつ、具体的に説明する。
(大当たりによる累積賞球数に基づく演出内容の演出パターンについて)
図15は、大当たりによる累積賞球数に基づく演出内容の演出パターンが選択された場合の遊技開始時演出の一例を示す画面図である。図14(c)に示す「大当たりによる累積賞球数に基づく演出内容の演出パターン(演出パターンA)」は、パチンコホールが開店してから遊技開始時演出が実行される条件が満たされるまでの期間において実行された大当たり遊技で払い出された賞球数の累積値に基づいた演出内容である。
なお、「パチンコホールが開店してから遊技開始時演出が実行される条件が満たされるまでの期間」とは、パチンコホールが開店してから初めて遊技開始時演出が実行される条件が満たされるまでの期間だけを意味するのではなく、パチンコホールが開店してから遊技開始時演出が実行される条件が満たされる回数が2回以上あった場合はその2回目、3回目等までの期間も含むものとする。
ここで、大当たり遊技では、大当たり図柄に応じた所定回数のラウンド遊技が行われ、特に長当たり遊技ではラウンド遊技の回数に応じた遊技球の払い出しが行われる。また、長当たり遊技のラウンド遊技によって払い出される遊技球の数(賞球数)は、払出制御基板160によってカウントされ、そのカウント数が遊技制御基板100及び演出制御基板130を介して、後述する画像音響制御基板140に送信される。画像音響制御基板140では、制御用RAM145において、これまでに送信された賞球数を積算した累積値(初期値は「0」)が、新たに送信されてきたカウント数を加算した値に更新される。
すなわち、大当たりによる累積賞球数に基づく演出内容の演出パターン(演出パターンA)が選択された場合は、制御用RAM145に記憶された賞球数の累積値に基づいた演出内容の遊技開始時演出が実行される。例えば、制御用RAM145に記憶されている賞球数の累積値が「10000」以上を示す場合には、図15(A)に示すように、メイン液晶表示装置5の表示画面において、「本日の累積出玉「10000」超!!ノリノリだぜ!」といったような表示演出が実行される。また、制御用RAM145に記憶されている賞球数の累積値が「10000」未満を示す場合には、図15(B)に示すように、メイン液晶表示装置5の表示画面において、「これから・・・出玉の大爆発??」といったような表示演出が実行される。
なお、大当たりによる累積賞球数に基づく演出内容の演出パターンの表示演出は、図15に例示するものに限らず、他の実施形態では、異なる演出態様の表示演出であってもよい。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当たりによる累積賞球数に基づく演出内容の演出パターンの遊技開始時演出を実行することで、これから遊技を開始する遊技者に対して、このパチンコ遊技機1で遊技すれば大当たりに多く当選するかもしれないという期待を抱かせることができる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当たりによる累積賞球数に基づく演出内容の演出パターンが選択された場合、上記したように、制御用RAM145に記憶される賞球数の累積値に基づいて演出内容を変化させるため、演出が単調化することがなく演出の興趣性の向上を図ることができる。
本実施形態では、大当たりによる累積賞球数に基づく演出内容の演出パターンとして、パチンコホールが開店してから遊技開始時演出が実行される条件が満たされるまでの期間に実行された大当たりによる累積賞球数に基づいた演出内容の演出パターンを例に説明したが、他の実施形態では、それとは異なる期間において実行された大当たりによって払い出された賞球数の累積値に基づいた演出内容の演出パターンであってもよい。例えば、遊技開始時演出が実行される条件が満たされる所定時間(例えば1時間)前から当該条件が満たされるまでの期間において実行された大当たりによって払い出された賞球数の累積値に基づいた演出内容の演出パターンが挙げられる。
(累積貸球数に基づく演出内容の演出パターンについて)
図16は、累積貸球数に基づく演出内容の演出パターンが選択された場合の遊技開始時演出の一例を示す画面図である。図14(d)に示す「累積貸球数に基づく演出パターン(演出パターンB)」は、パチンコホールが開店してから遊技開始時演出が実行される条件が満たされるまでの期間において球貸ボタン206の操作に基づいて払い出された貸球数の累積値に基づいた演出内容である。
ここで、上述したように、球貸機に有価媒体が投入されてパチンコ遊技機1の球貸ボタン206が操作されると、所定数の遊技球が払い出される。例えば、球貸ボタン206が1回操作された場合、投入された有価媒体の有価情報に含まれる全価値のうち一定価値が消費されるとすると、球貸ボタン206の1回の操作でその一定価値に応じた規定個数の遊技球が払い出される。また、球貸ボタン206の操作によって払い出される遊技球の数(貸球数)は、払出制御基板160によってカウントされ、そのカウント数が遊技制御基板100及び演出制御基板130を介して、画像音響制御基板140に送信される。画像音響制御基板140では、制御用RAM145において、これまでに送信された貸球数を積算した累積値(初期値は「0」)が、新たに送信されてきたカウント数を加算した値に更新される。
すなわち、累積貸球数に基づく演出内容の演出パターンが選択された場合は、制御用RAM145に記憶された貸球数の累積値に基づいた演出内容の遊技開始時演出が実行される。例えば、制御用RAM145に記憶されている貸球数の累積値が「球貸ボタン206の操作20回に相当する値(例えば操作1回当たり「250」の貸球数があるとすると「5000」)」以上を示す場合には、図16(A)に示すように、メイン液晶表示装置5の表示画面において、「ご遊技はほどほどに。」といったような表示演出が実行される。また、制御用RAM145に記憶されている貸球数の累積値が「球貸ボタン206の操作20回に相当する値」未満を示す場合には、図16(B)に示すように、メイン液晶表示装置5の表示画面において、「いつもご遊技をして頂き、ありがとうございます!」といったような表示演出が実行される。
なお、累積貸球数に基づく演出内容の演出パターンの表示演出は、図16に例示するものに限らず、他の実施形態では、異なる演出態様の表示演出であってもよい。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、累積貸球数に基づく演出内容の演出パターンの遊技開始時演出を実行することで、遊技者への気遣いや、遊技者に対する感謝の気持ちを伝えることが可能となり、今までにない演出を提供することにより演出の幅を広げることが可能となる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、累積貸球数に基づく演出内容の演出パターンが選択された場合、上記したように、制御用RAM145に記憶される貸球数の累積値に基づいて演出内容を変化させるため、演出が単調化することがなく演出の興趣性の向上を図ることができる。
本実施形態では、制御用RAM145に貸球数の累積値を記憶して、その貸球数の累積値に基づいて遊技開始時演出の演出内容を変化する例を説明したが、他の実施形態では、球貸ボタン206の操作回数の累積値を記憶して、その操作回数の累積値に基づいて遊技開始時演出の演出内容を変化してもよい。
また、本実施形態では、累積貸球数に基づく演出パターンとして、パチンコホールが開店してから遊技開始時演出が実行される条件が満たされるまでの期間に累積された貸球数に基づいた演出内容の演出パターンを例に説明したが、他の実施形態では、それとは異なる期間において累積された貸球数に基づいた演出内容の演出パターンであってもよい。例えば、遊技開始時演出が実行される条件が満たされる所定時間(例えば1時間)前から現在までの期間において累積された貸球数に基づいた演出内容の演出パターンが挙げられる。
(本遊技状態か否かに基づく演出内容の演出パターンについて)
図17は、本遊技状態か否かに基づく演出内容の演出パターンが選択された場合の遊技開始時演出の一例を示す画面図である。図14(e)に示す「本遊技状態か否かに基づく演出パターン(演出パターンC)」は、パチンコ遊技機1が現在、当該パチンコ遊技機1に対してパスワードが既に入力された状態(本遊技状態)であるのか、当該パチンコ遊技機1に対してパスワードが入力されていない状態(フリー遊技状態)であるのかに基づいた演出内容である。
ここで、上述したように、パチンコ遊技機1に対して、管理サーバ71からカメラ付きの携帯端末72に送信されたパスワードを入力すると、当該パチンコ遊技機1は本遊技状態となる。そして、この本遊技状態で遊技が行われると、その遊技に関する履歴が「本遊技履歴」として蓄積される。具体的には、パチンコ遊技機1に対してパスワードが入力されると、画像音響制御基板140の制御用RAM145に記憶されている本遊技フラグ(図46参照)が「ON」に設定される。そして、この本遊技フラグが「ON」の状態(本遊技状態)で行われた遊技に関する履歴が、本遊技履歴として制御用RAM145に蓄積される。一方、パチンコ遊技機1に対してパスワードが入力されていない状態、つまり本遊技フラグが「OFF」に設定されている状態(フリー遊技状態)では、本遊技履歴は蓄積されない。
すなわち、本遊技状態か否かに基づく演出内容の演出パターンが選択された場合は、制御用RAM145に記憶された本遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいた演出内容の遊技開始時演出が実行される。例えば、制御用RAM145に記憶されている本遊技フラグが「ON」に設定されている場合には、図17(A)に示すように、メイン液晶表示装置5の表示画面において、「現在本遊技中!」といったような表示演出が実行される。また、制御用RAM145に記憶されている本遊技フラグが「OFF」に設定されている場合には、図17(B)に示すように、メイン液晶表示装置5の表示画面において、「現在フリー遊技中!」といったような表示演出が実行される。
なお、本遊技状態に基づく演出内容の演出パターンの表示演出は、図17に例示するものに限らず、他の実施形態では、異なる演出態様の表示演出であってもよい。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、本遊技状態か否かに基づく演出内容の演出パターンの遊技開始時演出を実行することで、通常本遊技状態で遊技を行う遊技者に対して、パスワードの入力し忘れを喚起することができる。また、これまでパスワード入力をして遊技を行ったことがない遊技者に対しては、本遊技状態で遊技を行うことに関して知らしめることができる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、本遊技状態か否かに基づく演出内容の演出パターンが選択された場合、上記したように、制御用RAM145に記憶される本遊技フラグの設定情報に基づいて演出内容を変化させるため、演出が単調化することがなく演出の興趣性の向上を図ることができる。
(カスタマイズ情報に基づく演出内容の演出パターンについて)
図18は、カスタマイズ情報に基づく演出内容の演出パターンが選択された場合の遊技開始時演出の一例を示す画面図である。図14(f)に示す「カスタマイズ状態に基づく演出内容の演出パターン(演出パターンD)」は、遊技者が変更可能なBGM等のカスタマイズ情報であって、現在設定されているカスタマイズ情報に基づいた演出内容である。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上述したように、所定の操作によって、メイン液晶表示装置5の表示画面に楽曲選択画面を表示させることができる。この楽曲選択画面には、遊技者が演出キー27等で選択可能な楽曲画像が表示される。そして、楽曲選択画面に表示されたいずれかの楽曲画像を遊技者が所定の選択操作によって選択すると、その選択された楽曲選択画像に対応する楽曲をBGMとして再生することが可能である。すなわち、遊技者によって選択された楽曲を、パチンコ遊技機1のBGMとしてカスタマイズすることができる。また、この遊技者によるカスタマイズ情報は、画像音響制御基板140の制御用RAM145に記憶される。なお、遊技者によって楽曲が変更された場合は、制御用RAM145において、変更された楽曲が新たなカスタマイズ情報として更新される。
すなわち、カスタマイズ情報に基づく演出内容の演出パターンが選択された場合は、制御用RAM145に記憶さている最新のカスタマイズ情報に基づいた演出内容の遊技開始時演出が実行される。例えば、制御用RAM145において「新曲A」に関する情報がカスタマイズ情報として記憶されている場合には、図18(A)に示すように、メイン液晶表示装置5の表示画面において、「現在「新曲A」ON AIR!(自分好みの曲に変更できます。)」といったような表示演出が実行される。また、制御用RAM145において遊技者によってカスタマイズされた情報が記憶されていない場合には、図18(B)に示すように、メイン液晶表示装置5の表示画面において、「デフォルト曲演奏中!(自分好みの曲に変更できます。)」といった表示演出が実行される。
なお、カスタマイズ情報に基づく演出内容の演出内容の演出パターンの表示演出は、図18に例示するものに限らず、他の実施形態では、異なる演出態様の表示演出であってもよい。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、カスタマイズ情報に基づく演出内容の演出パターンの遊技開始時演出を実行することで、遊技の開始時に、遊技のBGMを自分好みの楽曲にカスタマイズできるということを示唆することができる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、カスタマイズ情報に基づく演出内容の演出パターンが選択された場合、上記したように、制御用RAM145に記憶されるカスタマイズ情報に基づいて演出内容を変化させるため、演出が単調化することがなく演出の興趣性の向上を図ることができる。
本実施形態では、遊技者がカスタマイズ可能な演出としてBGMを例に説明したが、他の実施形態では、BGMとは異なる演出、例えばメイン液晶表示装置5の表示画面の背面画像や、メイン液晶表示装置5又はサブ液晶表示装置6の表示画面に登場するキャラクタをカスタマイズ可能にして、そのカスタマイズ情報に基づいて遊技開始時演出を実行するようにしてもよい。例えば、メイン液晶表示装置5又はサブ液晶表示装置6に登場するキャラクタをカスタマイズ可能にした場合、「現在の設定キャラは○○!」といった表示演出を行うことが可能である。
(RTC情報に基づく演出に関する演出内容の演出パターンについて)
図19は、RTC情報に基づく演出に関する演出内容の演出パターンが選択された場合の遊技開始時演出の一例を示す画面図である。図14(g)に示す「RTC状態に基づく演出に関する演出内容の演出パターン(演出パターンE)」は、後述する演出制御基板130のRTC134が計時する日付及び時間に関する情報(RTC情報)に基づいた演出内容である。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上述したように、1つの新曲に対する新曲発表演出は、その新曲の初回の新曲発表演出が実行されてから1週間継続され、次の1週間では他の新曲の新曲発表演出が行われるというように、新曲発表演出に使用される楽曲が1週間ごとに切り替えられる。具体的には、パチンコ遊技機1では、RTC134によってRTC情報としての日時が計時され、そのRTC情報が画像音響制御基板140の制御用RAM145に記憶される。そして、画像音響制御基板140において、制御用RAM145に記憶されたRTC情報に基づいて、新曲発表演出に使用される楽曲が切り換えられる。
すなわち、RTC情報に基づく演出に関する演出内容の演出パターンが選択された場合は、制御用RAM145に記憶されている最新のRTC情報に基づいた演出内容の遊技開始時演出が実行される。例えば、制御用RAM145においてRTC情報として「4/1」を示す情報が記憶されている場合には、図7に示すように、新曲Aを用いた新曲発表演出が行われる期間であるとして、図19(A)に示すように、メイン液晶表示装置5の表示画面において、「次回の新曲発表演出は「新曲A」です!!」といったような表示演出が実行される。また、制御用RAM145においてRTC情報として「6/25」を示す情報が記憶されている場合には、図8に示すように、新曲が全曲開放された期間であるとして、図19(B)に示すように、メイン液晶表示装置5の表示画面において、「全新曲開放中!!」といったような表示演出が実行される。
なお、RTC情報に基づく演出に関する演出内容の演出パターンの表示演出は、図19に例示するものに限らず、他の実施形態では、異なる演出態様の表示演出であってもよい。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、RTC情報に基づく演出に関する演出内容の演出パターンの遊技開始時演出を実行することで、遊技開始時に、新曲発表演出で使用される楽曲を遊技者に示唆することができる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、RTC情報に基づく演出に関する演出内容の演出パターンが選択された場合、上記したように、制御用RAM145に記憶されるRTC情報に基づいて演出内容を変化させるため、演出が単調化することがなく演出の興趣性の向上を図ることができる。
本実施形態では、RTC情報に基づく演出に関する演出内容の演出パターンとして、RTC情報に基づいて切り替えられる新曲発表演出の新曲に関して示唆する演出内容の演出パターンを例に説明したが、他の構成を用いた実施形態であってもよい。例えば、他の実施形態では、メイン液晶表示装置5にRTC情報を表示する演出内容の演出パターンであってもよい。具体的には、遊技開始時演出を実行する場合において、RTC情報に基づく演出に関する演出内容の演出パターンが選択されると、RTC情報として「4/2」を示す情報が記憶されている場合には、メイン液晶表示装置5の表示画面において、「本日は4月2日です。」といった表示演出を行うことが挙げられる。なお、かかる表示演出を行う場合、表示が行われる時刻を同時併記するようにしてもよい。
また、他の実施形態では、RTC情報に基づく演出に関する演出内容の演出パターンとして、キャラクタを用いた演出内容の演出パターンを採用してもよい。かかる構成の演出パターンでは、例えば、RTC情報が12月を示す前は通常のキャラクタが表示されていたのが、RTC情報が12月を示すと、その通常のキャラクタから特別のキャラクタに変化して表示されたり、あるいは通常のキャラクタの衣装がクリスマスの衣装に変化したりするといった演出制御を行うことが考えられる。また、キャラクタを用いた演出内容に限らず、メイン液晶表示装置5又はサブ液晶表示装置6に表示される背景画像や、一部の演出画像について、同様の演出制御を行うようにしてもよい。
本実施形態では、RTC情報が示す日付及び時間に基づいた演出パターンを遊技開始時演出の例として説明したが、他の実施形態では、パチンコ遊技機1に対する電源投入からの経過時間を計測し、その計測結果に基づいた演出パターンを遊技開始時演出の演出パターンの1つとしてもよい。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、電源が投入されてから所定時間が経過するまでの間は、電源が投入されたことを報知するための信号が、遊技制御基板100から演出制御基板130に送信される信号として優先されるため、当該間に遊技開始時演出を実行するための条件が満たされる状況になったとしても当該遊技開始時演出は実行されることはない。
以下、図20〜47に基づいて、上述した演出を実現するためのパチンコ遊技機1の内部構成やパチンコ遊技機1で行われる処理の一例について、詳細に説明する。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側には、上皿28又は下皿29へと送り出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。ここで、図20はパチンコ遊技機1が備える制御装置の構成例を示すブロック図である。図15に例示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、各種の判定やコマンドの送信といった遊技の進行を制御する遊技制御基板100、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御基板130、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板140、各種ランプや役物等の可動体による演出を制御するランプ制御基板150等から構成されている。なお、制御装置の構成はこれに限定されるものではなく、例えば演出制御基板130、画像音響制御基板140、及びランプ制御基板150が1つの基板で構成されてもよい。
[遊技制御基板100の構成例]
遊技制御基板100は、メインCPU101、メインROM102、及びメインRAM103を備えている。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラムに基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM103は、メインCPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理等の作業領域として使用される。
遊技制御基板100には、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、電動チューリップ制御部113、ゲートスイッチ114、大入賞口スイッチ115、大入賞口制御部116、普通入賞口スイッチ117、特定入賞口スイッチ118、特定領域開閉部119、V入賞口スイッチ120、ハズレ入賞口スイッチ121、V入賞口開閉部122、及び表示器4を構成する各表示器41〜43,45〜48が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。電動チューリップ制御部113は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、電動チューリップ17の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。ゲートスイッチ114は、遊技球がゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
大入賞口スイッチ115は、遊技球が第入賞口13に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。大入賞口制御部116は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、大入賞口13を閉塞するプレートに駆動力を伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させて、大入賞口13を開閉する。普通入賞口スイッチ117は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
特定入賞口スイッチ118は、遊技球が特定入賞口19に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。特定領域開閉部119は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、羽根部材90に駆動力を伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させ、特定入賞口19を開閉する。V入賞口スイッチ120は、遊技球がV入賞口92に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。ハズレ入賞口スイッチ121は、遊技球がハズレ入賞口93に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。V入賞口開閉部122は、スライド部材94に駆動力を伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させて、V入賞口92を開閉する。
遊技制御基板100のメインCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、大入賞口スイッチ115、普通入賞口スイッチ117、特定入賞口スイッチ118、V入賞口スイッチ120、又はハズレ入賞口スイッチ121からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを後述する払出制御基板160に指示し、払出制御基板160からの情報に基づいて払い出す賞球の個数を管理する。なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、4つの普通入賞口14を有しているため4つの普通入賞口スイッチ122を備えているが、図20においては、普通入賞口スイッチ122を1つだけ表記している。
メインCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、特別図柄判定の結果が大当たりになると、大入賞口制御部116を介して大入賞口13を開閉させて、大当たり遊技を実行する。
また、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、普通図柄判定の結果が当たりになると、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ17の一対の羽根部材を一時的に開姿勢とし、第2始動口12を一時的に開放する。
また、メインCPU101は、メインCPU101は、表示器4を構成する各表示器41〜43,44〜48に上記図3に基づいて説明した処理を実行させる。
[払出制御基板160の構成例]
払出制御基板160は、払出CPU161、払出ROM162、及び払出RAM163を備えている。払出CPU161は、払出ROM162に記憶されたプログラムに基づいて、遊技球の払い出しに関連する演算処理を行う。払出RAM163は、払出CPU161が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理等の作業領域として使用される。
払出制御基板160には、発射制御基板201、球貸接続基板202、払出モータ203、払出球計数スイッチ204等が接続されている。
発射制御基板201は、ハンドル20に設けられたタッチセンサ208からのタッチ信号が入力されると、レバー21の操作によって発射ボリューム209から供給される電圧に応じて、不図示の発射用ソレノイドや球送りソレノイドを作動させ、その作動させたソレノイドによって遊技球を遊技領域10における上部領域に向けて発射させる。
球貸接続基板202は、球貸ボタン206が操作されることで入力される球貸信号や、返却ボタン207が操作されることで入力される返却信号を払出制御基板160に転送する。また、球貸接続基板202は、不図示の球貸機と接続されており、球貸機に投入された有価媒体の有価情報を払出制御基板160に転送する。払出モータ203は、パチンコ遊技機1の裏面側の貯留タンクから上皿28又は下皿29に対して、所定数の遊技球を払い出すための駆動源である。払出球計数スイッチ204は、遊技球が払い出されたか否かを検知し、その検知信号を払出制御基板160に出力する。
払出制御基板160の払出CPU161は、所定の入賞口のスイッチ(第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、大入賞口スイッチ115、普通入賞口スイッチ117、特定入賞口スイッチ118、V入賞口スイッチ120、又はハズレ入賞口スイッチ121)によって遊技球が検知されると、その検知信号に基づいて遊技制御基板100で生成された払い出しの個数を指定するコマンドを受信する。払出CPU161は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、払出モータ203を駆動させて所定数の遊技球を払い出す。
また、払出CPU161は、球貸接続基板202を介して球貸ボタン206から球貸信号が入力されると、当該球貸信号と球貸機に投入された有価媒体の有価情報とに基づいて、払出モータ203を駆動させて規定個数の遊技球を払い出す。
また、払出CPU161は、球貸接続基板202を介して返却ボタン207から返却信号が入力されると、球貸機に投入された有価媒体の有価情報が記憶されている場合、その有価情報を記憶した有価情報記憶媒体を返却するためのコマンドを出力する。
[演出制御基板130の構成例]
演出制御基板130は、サブCPU131、サブROM132、サブRAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。サブCPU131は、サブROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM133は、サブCPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理等の作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。
また、サブCPU131は、遊技制御基板100から送られる特別図柄判定、普通図柄判定、及び大当たり遊技等に関する遊技情報、並びにハンドル20のレバー21を操作することに関連して発射球検知スイッチ123から送られる発射球検知信号、さらには球貸ボタン206を操作して遊技球が払い出されることで送られる球貸情報に基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン26又は演出キー27からの操作情報を受けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。また、サブCPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。
[ランプ制御基板の構成例]
ランプ制御基板150は、ランプCPU151、ランプROM152、及びランプRAM153を備えている。ランプCPU151は、ランプROM152に記憶されたプログラムに基づいて、盤ランプ25、枠ランプ、演出ボタン26、ロゴ役物7の動作を制御する際の演算処理、並びに演出ボタン26や演出キー27の操作に基づいた演出を制御する際の演算処理を行う。ランプRAM153は、ランプCPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理等の作業領域として使用される。
ランプROM152には、発光パターンデータ及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、枠ランプ37、盤ランプ25、及びロゴ役物7が備える発光素子のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、ロゴ役物7の動作パターンを示すデータである。
ランプROM152は、ランプROM152に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAM153に読み出して、盤ランプ25、枠ランプ37、及びロゴ役物7のそれぞれの発光素子の発光を制御する。また、ランプCPU151は、ランプROM152に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをランプRAM153に読み出して、ロゴ役物7を動作させるためのモータ等の駆動源を制御する。
[画像音響制御基板140の構成例]
図21は、画像音響制御基板140の構成例を示すブロック図である。画像音響制御基板140は、液晶表示装置5の画像表示制御と、スピーカ24の演出音出力制御とを行うものである。この画像音響制御基板140は、図21に例示されるように、統括CPU141、VDP(Video Display Processor)142、音響DSP(Digital Signal Processor)143、制御用ROM144、制御用RAM145、音響用ROM146、SDRAM147、CGROM148、及びVRAM149を備えている。
統括CPU141は、制御用ROM144に記憶されているプログラムやディスプレイリスト作成テーブルなどの各種テーブル、サブCPU131から受信したコマンド、RTC134から取得したRTC情報に基づいて、VDP142に対して、CGROM148に記憶されている画像データをメイン液晶表示装置5又はサブ液晶表示装置6に表示させる指示を行う。この指示は、主にディスプレイリストの出力によって行われる。
ここで、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものである。また、ディスプレイリスト作成テーブルは、このディスプレイリストを作成するために使用されるテーブルである。
統括CPU141は、音響DSP143に対しても、音響用ROM146に記憶されている音響データをスピーカ24から出力させる指示を行う。
制御用ROM144は、マスクROMで構成されており、統括CPU141の制御プログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、各種テーブル等が記憶されている。
制御用RAM145は、統括CPU141が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理等の作業領域として使用される。
CGROM148は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出や大当たり遊技に伴う演出などを実行するために必要な演出データを記憶するものである。このCGROM148は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなるスプライトデータ(1枚の画像データ)、複数の画像データの集まりからなるムービーデータ等を圧縮して記憶している。なお、画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。また、CGROM148は、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応付けられたパレットデータ等を圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM148に記憶される画像データの一部のみを圧縮しておくようにしてもよい。また、ムービーデータの圧縮形式としては、MPEG4等の公知の圧縮形式を用いることができる。
VRAM149は、画像データを高速に書き込んだり読み出したりすることができるSRAMで構成されており、ディスプレイリスト記憶領域1491、展開記憶領域1492、全画面用フレームバッファ1493、縮小画像用フレームバッファ1494、メイン液晶用フレームバッファ1495、サブ液晶用フレームバッファ1496等を備えている。
ディスプレイリスト記憶領域1491は、統括CPU141から出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するものである。展開記憶領域1492は、CGROM148から読み出された後に伸長された画像データを記憶するものである。全画面用フレームバッファ1493は、メイン液晶表示装置5の全体領域に表示される画像を描画するための描画用フレームバッファである。縮小画像用フレームバッファ1494は、メイン液晶表示器5に縮小表示される画像を描画するための描画用フレームバッファである。メイン液晶用フレームバッファ1495は、全画面用フレームバッファ1493(及び縮小画像用フレームバッファ1494)から転送される画像データを一時的に記憶する表示用フレームバッファである。サブ液晶用フレームバッファ1496は、サブ液晶表示装置6に表示される画像データを描画して表示するための描画と表示に兼用されるフレームバッファである。
VDP142は、CGROM148に圧縮された状態で記憶されている画像データを伸長して、伸長した画像データを展開記憶領域1492に格納する。また、VDP142は、ディスプレイリスト記憶領域1491に記憶されたディスプレイリストに基づいて、全画面用フレームバッファ1493、縮小画像用フレームバッファ1494、又はサブ液晶用フレームバッファ1496を用いて描画処理を行う。また、VDP142は、VRAM149内の表示用フレームバッファ(メイン液晶用フレームバッファ1495又はサブ液晶用フレームバッファ1496)に記憶された画像データから画像の色を示す映像信号としてRGB信号を生成し、生成したRGB信号をメイン液晶表示装置5又はサブ液晶表示装置6に出力する。
音響DSP143には、楽曲、音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROM146と、音響DSP143によってデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAM147が接続されている。音響DSP143は、統括CPU141からの制御信号に対応する音響データを音響用ROM146からSDRAM147に読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24へ出力する。
なお、本実施形態では、VDP142が描画管理を担うと共に音響DSP143がサウンド管理を担う場合について説明するが、他の実施形態では、VDPが描画管理とサウンド管理との両方を担うような構成を採用してもよい。この場合、音響DSPを別途設ける必要はない。
[遊技制御基板100によるタイマ割込み処理]
次に、図22を参照しつつ、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理について説明する。図22は、遊技制御基板100によって実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御基板100は、電源投入時や電源遮断時の特殊な場合を除く通常の動作時において、図22に示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図22以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御基板100の処理は、メインROM102に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU101が生成する命令に従って行われる。
まず、遊技制御基板100のメインCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。なお、普通図柄乱数は、第2始動口12を開放するか否かを決定するための乱数である。
大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は予め設定された最大値に達した後は「0」に戻されて更新される。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は各スイッチからの検知信号が入力された場合に、スイッチ処理を実行する(ステップS2)。このスイッチ処理については、図23に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、図26に基づいて後に詳述する。
ステップSの処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口12を開放すると判定した場合に、電動シューリップ制御部113を介して電動チューリップ17を動作させる電動チューリップ処理を実行する(ステップS5)。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3の特別図柄処理において小当たりであると判定した場合に、特定領域開閉部119介して羽根部材90を作動させると共に、V入賞口開閉部122を介してスライド部材94を作動させる特定領域開放制御処理を実行する(ステップS6)。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3において大当たりであると判定した場合、又は小当たり遊技中にV入賞口92に遊技球が入賞した場合に、大入賞口制御部116を制御して大入賞口13を開放する大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS7)。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU101は、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS8)。具体的には、メインCPU101は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、V入賞口92、ハズレ入賞口93、及び普通入賞口14のいずれかに遊技球が入賞した場合、入賞した場所に応じた個数の賞球を払い出しする。例えば、メインCPU101は、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞した場合は、3個の賞球を払い出し、大入賞口13に遊技球が入賞した場合は15個の賞球を払い出す。
ステップS8の処理に続いて、メインCPU101は、送信処理を実行する(ステップS9)。この送信処理については、図28に基づいて後に詳述する。
[遊技制御基板100によるスイッチ処理]
図23は、図22のステップS2におけるスイッチ処理の詳細フローチャートである。図22のステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、図23に示すように、第1始動口スイッチ11からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力された時点の値を取得する第1始動口スイッチ処理を実行する(ステップS21)。この第1始動口スイッチ処理については、図24に基づいて後に詳述する。
次に、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、図22のステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力された時点の値を取得する第2始動口スイッチ処理を実行する(ステップS22)。この第2始動口スイッチ処理については、図25に基づいて後に詳述する。
そして、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号の入力の有無を監視して、図22のステップS1の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力された時点の値を取得するゲートスイッチ処理を実行する(ステップS23)。
[遊技制御基板100による第1始動口スイッチ処理]
図24は、図23のステップS21における第1始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図24に示すように、メインCPU101は、図22のステップS1の乱数更新処理に続いて、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたか否かに基づいて、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS211)。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS211:YES)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、予めメインROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS212)。
メインCPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS212:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新する(ステップS213)。そして、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得し、これらの乱数を対応付けてメインRAM103の所定領域に格納し(ステップS214〜S217)、第1特別図柄判定が保留されたことを画像音響制御基板140に通知する保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS218)。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、第1特別図柄判定の結果が大当たり又はハズレのいずれかとなり、第1特別図柄判定においては、小当たり遊技を発生させる小当たりと判定されないように構成されている。このため、第1始動口スイッチ処理には、2種大当たりの種類を決定するための小当たり用の図柄乱数を取得するステップが含まれていない。
[遊技制御基板100による第2始動口スイッチ処理]
図25は、図23のステップS22における第2始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図25に示すように、メインCPU101は、図23のステップS21の第1始動口スイッチ処理に続いて、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたか否かに基づいて、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS221)。
メインCPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS221:YES)、例えば、メインRAM103に記憶されている長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグ、又は小当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS222)。
ここで、長当たり遊技フラグは、大入賞口13を長開放する複数の長開放ラウンド遊技からなる長当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、長当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、長当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。短当たり遊技フラグは、大入賞口13を短開放する複数の短開放ラウンド遊技からなる短当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、短当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、短当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。小当たり遊技フラグは、特定入賞口19を開放する小当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、小当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、小当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。
メインCPU101は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS222:NO)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42における特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS223)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS223:NO)、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得し、これらの乱数を対応付けてメインRAM103の所定領域に格納する(ステップS224〜S228)。
このように、大当たり遊技中ではなく特別図柄の変動表示中でもないときに第2始動口12に遊技球が入賞した場合には、メインCPU101は、第2特別図柄判定に使用する各種乱数を、メインRAM103の判定用記憶領域に直接格納する。この判定用記憶領域は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種乱数が記憶される記憶領域である。なお、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には、メインCPU101は、第1特別図柄判定に使用する各種乱数をメインRAM103の保留記憶領域に格納し、実際に第1特別図柄判定を行って第1特別図柄の変動表示を開始させるときに、保留記憶領域に記憶されている各種乱数を判定記憶領域にシフトさせる。
以上説明したように、本実施形態では、特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中に第2始動口12に遊技球が入賞したためにその入賞に対応する第2特別図柄判定に係る第2特別図柄の変動表示を直ちに開始できない場合には、第2始動口12への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄判定は行われず、またその第2特別図柄判定は保留されることもない。一方、第1始動口11に遊技球が入賞したときにその入賞に対応する第1特別図柄判定に係る第1特別図柄の変動表示を直ちに開始できない場合には、第1特別図柄判定の保留は4つを上限として保留される。
[遊技制御基板100による特別図柄処理]
次に、図26を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図26は、図22のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。図26に示すように、遊技制御基板100のメインCPU101は、メインRAM103に記憶されている長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグ、又は小当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、図22のステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、第2始動口12への入賞に係る各種乱数がメインRAM103の判定用記憶領域に記憶されているか否かを判定する(ステップS303)。具体的には、遊技球が第2始動口12に入賞したことに応じて、取得された各種乱数が判定用記憶領域に直接記憶されると共に、第2始動口12への入賞に係る各種乱数が記憶されたことを示すフラグが判定用記憶領域に記憶される。そのため、判定用記憶領域に各種乱数が記憶された際に、このフラグが記憶されているか否かに基づいて、判定用記憶領域に記憶された各種乱数が第2始動口12への入賞に係るものであるか、あるいは第1始動口11への入賞に係るものであるかを判定する。ここで、第2始動口12への入賞に係る乱数が記憶されていると判定された場合(ステップS303:YES)、後述するステップS307に処理が進められる。
メインCPU101は、第2始動口12への入賞に係る乱数が判定用記憶領域に記憶されていないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS304)。ここで、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS304:YES)、保留数U1を「1」減算した値に更新する(ステップS305)。そして、メインRAM103の記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS306)。具体的には、メインRAM103の保留記憶領域に記憶されている第1特別図柄判定に係る大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数について、保留記憶領域に最初に格納されたもの(最先のもの)を判定用記憶領域へシフトさせ、残りのものを保留記憶領域内の判定用記憶領域側にシフトさせる。
メインCPU101は、ステップS306の処理を実行した場合、又は第2始動口12への入賞に係る乱数が判定用記憶領域に記憶されていると判定した場合(ステップS303:YES)、判定用記憶領域に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS307)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たり、小当たり、及びハズレのいずれかであるかが判定され、その判定結果を示す判定図柄の設定情報がメインRAM103にセットされる。そして、大当たり(1種大当たり)であると判定された場合には大当たりの種類が決定され、小当たりであると判定された場合には小当たり遊技中にV入賞口92に遊技球が入賞したことを契機として発生する2種大当たりの種類が決定される。この大当たり判定処理については、図27に基づいて後に詳述する。
ステップS307の処理に続いて、メインCPU101は、変動パターン選択処理を実行する(ステップS308)。具体的には、メインROM102に予め記憶されている変動パターンテーブルを参照して、ステップS307における大当たり判定の判定結果、メインRAM103にセットされた判定図柄の種類、現在の遊技状態、第1特別図柄判定の保留数U1、上記ステップS307の処理で使用した大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域に記憶されているリーチ乱数及び変動パターン乱数に基づいて、特別図柄の変動パターンを選択する。このステップS308の処理が行われることによって、リーチ有り演出を行うか、あるいはリーチ無し演出を行うかも併せて決定される。
ステップS308の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS307の処理で設定した図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるかあるいは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS308の処理で設定した変動パターンの設定情報、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらの演出を行うかを示す情報、パチンコ遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS309)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始を指示するコマンドであって、図22のステップS9の送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、メイン液晶表示装置5において装飾図柄を変動表示させる処理等が行われることになる。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS309の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS310)。なお、この特別図柄の変動表示は、判定用記憶領域に第1特別図柄判定に係る乱数が記憶されている状態でステップS307〜ステップS309の処理が行われた場合には第1特別図柄表示器41を用いて行われ、第2特別図柄判定に係る乱数が記憶されている状態でステップS307〜ステップS309の処理が行われた場合には第2特別図柄表示器42を用いて行われる。
ステップS310に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている客待ちフラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS311)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機1が客待ち状態であるか否かを示すフラグであり、第1特別図柄判定の保留がなく且つ第1特別図柄判定又は第2特別図柄判定に係る特別図柄の変動表示が行われなくなったタイミングで「ON」に設定され、特別図柄の変動表示が再び開始されるときに「OFF」に設定される。
メインCPU101は、客待ちフラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS311:YES)、客待ちフラグを「OFF」に設定する(ステップS311:YES)。そして、ステップS312の処理を実行した場合、又は客待ちフラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS311:NO)、変動時間の計測を開始する(ステップS313)。
メインCPU101は、ステップS313の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS313における変動時間の計測開始から、ステップS308の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS315)。ここで、変動時間が経過していないと判定された場合(ステップS315:NO)、一連の特別図柄処理が終了して図22のステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS315:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS316)。この図柄確定コマンドは、図22のステップS9における送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、メイン液晶表示装置5に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS316の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS310の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了する(ステップS317)。その際、ステップS307の処理で設定した判定図柄(大当たり図柄、小当たり図柄、又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。
ステップS317の処理に続いて、メインCPU101は、上記ステップ313の処理で計測を開始した変動時間をリセットし(ステップS318)、大当たりである場合に第1特別遊技を開始させ、小当たりである場合に小当たり遊技を開始させる処理等を含む停止中処理を実行する(ステップS319)。
一方、メインCPU101は、第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS304:NO)、客待ちフラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS321)。ここで、客待ちフラグが「ON」に設定されていると判定された場合(ステップS321:YES)、図22のステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、客待ちフラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS321:NO)、パチンコ遊技機1が客待ち状態になったことを通知する客待ちコマンドをメインRAM103にセットし(ステップS322)、客待ちフラグを「ON」に設定する(ステップS323)。この客待ちコマンドは、図22のステップS9の送信処理によって演出制御基板130に送信される。その結果、客待ちコマンドが送信されてから所定時間(本実施形態では30秒)が経過すると、客待ち演出が開始される。
[遊技制御基板100による大当たり判定処理]
図27は、図26のステップS307における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、判定用記憶領域に第2特別図柄判定に係る乱数がフラグと共に記憶されていると判定した場合(ステップS303:YES)、又はステップS306の処理を実行した場合、図27に示すように、大当たり判定を実行する(ステップS3071)。ここで、第2始動口12への入賞に係る大当たり判定を実行する場合にはメインROM102に予め記憶されている第2始動口入賞用大当たり判定テーブルを参照し、第1始動口11への入賞に係る大当たり判定を実行する場合にはメインROM102に予め記憶されている第1始動口入賞用大当たり判定テーブルを参照する。
第2始動口入賞用大当たり判定テーブルには、判定結果と乱数値とが対応付けられて記憶されている。具体的には、大当たりに対する乱数値と、小当たりに対する乱数値と、ハズレに対する乱数値が記憶されている。メインCPU101は、第2始動口12への入賞に係る大当たり判定を実行する場合、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、第2始動口入賞用大当たり判定テーブルに規定されているいずれの乱数値と一致するかに基づいて、大当たり(1種大当たり)であるか、小当たりであるか、又はハズレであるかを判定する。
第1始動口入賞用大当たり判定テーブルには、判定結果と乱数値とが対応付けられている。具体的には、大当たりに対する乱数値とハズレに対応する乱数値とが記憶されている。メインCPU101は、第1始動口11への入賞に係る大当たり判定を実行する場合、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、第1始動口入賞用大当たり判定テーブルに規定されているいずれの乱数値と一致するかに基づいて、大当たり(1種大当たり)であるか、又はハズレであるかを判定する。
このように、メインCPU101は、第1特別図柄判定又は第2特別図柄判定に係る各種乱数が判定用記憶領域に記憶されるといった始動条件が成立すると、判定用記憶領域に記憶されている各種乱数に基づいて、第1大当たり遊技を行うか否かを判定する。
メインCPU101は、ステップS3071の判定結果に基づいて、1種大当たりであるか否かを判定する(ステップS3072)。ここで、1種大当たりであると判定した場合(ステップS3072:YES)、メインROM102に予め記憶されている大当たり時の図柄決定テーブルを参照して大当たりの種類を決定する(ステップS3073)。
大当たり時の図柄決定テーブルには、大当たりの種類と乱数値とが対応付けられて記憶されている。メインCPU101は、大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域に記憶されている大当たり用図柄乱数が、大当たり時の図柄決定テーブルに規定されているいずれの乱数値と一致するかに基づいて、1種大当たりの種類を決定する。第1特別図柄判定における1種大当たりの種類としては、「時短無し7R当たり」、「時短付き4R当たり」、「突然時短当たり」が例として挙げられ、第2特別図柄判定における1種大当たりの種類としては、「時短無し4R当たり」、「時短付き15R当たり」、「時短付き4R当たり」が例として挙げられる(図5参照)。
メインCPU101は、ステップS3073で決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄を設定情報としてメインRAM103にセットする(ステップS3074)。これにより、上記ステップS317の処理の際に、ここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示されて、第1大当たり遊技が実行されることになる。
一方、メインCPU101は、特別図柄判定の結果が1種大当たりではないと判定した場合(ステップS3072:NO)、判定用記憶領域に第2特別図柄判定に係るフラグが記憶されているか否かに基づいて、この特別図柄判定が第1始動口11への入賞に係る第1特別図柄判定であるか否かを判断する(ステップS3075)。ここで、第1特別図柄判定であると判断した場合(ステップS3075:YES)、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりでない場合にはハズレであるので、ハズレ図柄を設定情報としてメインRAM103にセットする(ステップS3076)。これにより、上記ステップS317の処理の際にここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41に判定図柄として停止表示されることになる。
第2特別図柄判定の判定結果が大当たりではない場合、その判定結果は、小当たり又はハズレとなる。すなわち、メインCPU101は、第1特別図柄判定ではないと判定した場合(ステップS3075:NO)、言い換えると今回の特別図柄判定が第2特別図柄判定である場合、ステップS3071における大当たり判定の結果が小当たりであるか否かを判定する(ステップS3077)。具体的には、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、第2始動口入賞用大当たり判定テーブルに規定されている小当たりに対応する乱数値と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄判定の判定結果が小当たりであるかハズレであるかを判定する。
メインCPU101は、第2特別図柄判定の結果が小当たりではないと判定した場合(ステップS3077:NO)、上記ステップS3076の処理を実行する。この場合、上記ステップS317の処理の際にここでセットされたハズレ図柄が第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示されることになる。
一方、メインCPU101は、第2特別図柄判定の結果が小当たりであると判定した場合(ステップS3077:YES)、メインROM102に予め記憶されている小当たり時の図柄決定テーブルを参照して小当たりの種類を決定する(ステップS3078)。具体的には、判定用記憶領域に記憶されている小当たり用図柄乱数が、小当たり時の図柄決定テーブルに規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、小当たりの種類を決定する。そして、決定した小当たり図柄を設定情報としてメインRAM103にセットする(ステップS3079)。これにより、上記ステップS317の処理の際に、ここでセットされた小当たり図柄が第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示されることになる。
このようにして小当たり図柄が第2特別図柄表示器42停止表示されると、上述した小当たり遊技が開始される。そして、小当たり遊技中にV入賞口92に遊技球が入賞すると2種大当たりとなり、小当たり遊技を1ラウンド目とする第2特別遊技が行われることになる。なお、2種大当たりの種類は、第2特別図柄表示器42に停止表示された小当たり図柄に基づいて決定される。このため、小当たりの種類を決定する処理は、2種大当たりの種類を決定する処理と捉えることができる。2種大当たりの種類としては、「時短付き15R当たり」、「時短付き4R当たり」、「時短無し4R当たり」が例として挙げられる(図5参照)。
[遊技制御基板100による送信処理]
図28は、図22のステップS9における送信処理の詳細フローチャートである。
ところで、本実施形態では、上述したように、メイン液晶表示装置5において客待ち演出が実行されているときに、球貸ボタン206の操作に応じて遊技球が払い出されると、遊技が開始された状態であることを示唆する遊技開始時演出が実行される。すなわち、本実施形態では、遊技開始時演出を実行するために球貸ボタン206の操作に基づいて遊技球が払い出されたことを示す貸球情報(球貸ボタン206の操作に基づいて球貸しがあったことを示す情報、払い出された貸球数を示す情報等)を演出制御基板130に送信する必要がある。
また、遊技開始時演出では、上述したように、5種類の演出パターンが用意されており、その1つの演出パターンは、球貸ボタン206の操作に応じて払い出された累積貸球数に基づく演出内容の演出パターンである。この観点からも、貸球情報を演出制御基板130に送信する必要がある。
また、遊技開始時演出には、5種類の演出パターンのうちの別の1つの演出パターンとして、大当たり遊技によって払い出された累積賞球数に基づく演出内容の演出パターンがある。そのため、球貸ボタン206の操作に基づいて払い出された貸球に関する情報だけでなく、大当たり遊技によって払い出された賞球に関する情報(大当たりによる賞球情報)も演出制御基板130に送信する必要がある。
そこで、送信処理において、メインCPU101は、まず球貸信号に基づいて遊技球が払い出されたか否かを判定する(ステップS91)。具体的には、球貸信号に基づいて遊技球が払い出された場合、払出制御基板160から送信される貸球情報がメインRAM103に格納されるため、メインRAM103における貸球情報の有無に基づいて判定される。ここで、球貸信号に基づいた遊技球の払い出しが無かった判定した場合(ステップS91:NO)、後述するステップ93の処理に処理が進められる。
メインCPU101は、球貸信号に基づいた遊技球の払い出しがあったと判定した場合(ステップS91:YES)、球貸ボタン206の操作に基づいて球貸しがあったことを示す情報、払い出された貸球数を示す情報等を含む貸球情報を、演出制御基板130への送信のためにメインRAM103にセットする(ステップS92)。
メインCPU101は、ステップS92の処理を実行した場合、球貸信号に基づいた遊技球の払い出しが無かったと判定した場合(ステップS91:NO)、大当たり遊技に基づいて遊技球が払い出されたか否かを判定する(ステップS93)。具体的には、大当たり遊技によって遊技球が払い出された場合、払出制御基板160から送信される大当たりによる賞球情報がメインRAM103に格納されるため、メインRAM103における大当たりによる賞球情報の有無に基づいて判定される。ここで、大当たり遊技に基づいた遊技球の払い出しが無かったと判定した場合(ステップS93:NO)、後述するステップS95の処理に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技に基づいた遊技球の払い出しがあったと判定した場合(ステップS93:YES)、大当たり遊技によって払い出された賞球数を示す情報等と含む大当たりによる賞球情報を、演出制御基板130への送信のためにメインRAM103にセットする(ステップS94)。
メインCPU101は、ステップS94の処理を実行した場合、又は大当たり遊技に基づいた遊技球の払い出しが無かったと判定した場合(ステップS93:NO)、ステップS2の始動口スイッチ処理、ステップSの特別図柄処理、ステップS7の大入賞口開放制御処理、ステップ92の処理、ステップS94の処理等でメインRAM103にセットされた各種のコマンド及び遊技球に関する情報(貸球情報及び大当たりによる賞球情報)を演出制御基板130に送信する(ステップS95)。
[演出制御基板130によるタイマ割込み処理]
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のサブCPU131は、CTC動作に基づいて、所定の周期で後述するタイマ割込み処理を行う。そして、サブCPU131は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理を、タイマ割込み処理の周期よりも短い周期で繰り返す。すなわち、サブCPU131は、パチンコ遊技機1が起動している間、上記短周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、上記所定の周期でタイマ割込み処理を繰り返す。
以下、図29を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図29は、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100で行われるタイマ割込み処理と同様に、図29に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返して実行する。なお、図29以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板130で行われる処理は、サブROM132に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU131が生成する命令に従って行われる。
サブCPU131は、遊技制御基板100から送信されるコマンドに基づいて、コマンド受信処理を実行する(ステップS10)。このコマンド受信処理の詳細については、図30〜図34に基づいて後に詳述する。
ステップS10の処理に続いて、サブCPU131は、客待ち演出開始コマンド設定処理を実行する(ステップS11)。この客待ち演出開始コマンド設定処理の詳細については、図34に基づいて後に詳述する。
ステップS11の処理に続いて、サブCPU131は、遊技制御基板100から送信される貸球情報あるいは後述する発射球検知スイッチ123からの発射球検知信号に基づいて遊技開始時演出を実行するか否かの判定処理等を含む遊技開始時演出処理を実行する(ステップS12)。この遊技開始時演出処理の詳細については、図33に基づいて後に詳述する。
ステップS12の処理に続いて、サブCPU131は、コマンド送信処理を実行する(ステップS13)。具体的には、ステップS10、ステップS11、あるいはステップS12の処理によってサブRAM133にセットされたコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。このコマンド送信処理が行われることによって、画像表示や音声出力等による演出の実行が画像音響制御基板140に対し指示され、各種ランプ及びロゴ役物7の点灯やロゴ役物7の動作による演出の実行等がランプ制御基板150に対して指示される。
ステップS13の処理に続いて、サブCPU131は、データ転送処理を実行する(ステップS14)。具体的には、貸球情報及び大当たりによる賞球情報が遊技制御基板100から送信されるので、その情報を画像音響制御基板140に転送する。これにより、これらの遊技球に関する情報が画像音響制御基板140に蓄積される。
また、画像音響制御に関するデータが画像音響制御基板140から送信されるので、そのデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、液晶表示装置5及びスピーカ24によって行われる演出と同期するように、ロゴ役物7や盤ランプ25等の演出媒体による演出がランプ制御基板150によって制御される。
[演出制御基板130によるコマンド受信処理]
図30は、図29のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図30に例示されるように、サブCPU131は、まず遊技制御基板100から送信されたコマンドを受信したかを判定する(ステップS101)。ここで、コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS101:NO)、ステップS11に処理が進められる。
サブCPU131は、遊技制御基板100からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS101:YES)、例えば受信したコマンドに含まれている情報に基づいて、そのコマンドがステップS218(図24参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された保留コマンドであるか否かを判定する(ステップS102)。ここで、受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS102:YES)、保留コマンドに応じた処理を行う保留コマンド受信処理を実行する(ステップS103)。この保留コマンド受信処理については、図31に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、遊技制御基板100からのコマンドが保留コマンドではないと判定した場合(ステップS102:NO)、例えば受信したコマンドに含まれている情報に基づいて、そのコマンドがステップS309(図26参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS110)。ここで、受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS110:YES)、受信した変動開始コマンドに応じた処理等を含む変動開始コマンド受信処理を実行する(ステップS111)。この変動開始コマンド受信処理については、図32に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、遊技制御基板100から受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定した場合(ステップS110:NO)、例えば受信したコマンドに含まれている情報に基づいて、そのコマンドがステップS316(図26参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された図柄確定コマンドであるか否かを判定する(ステップS121)。
サブCPU131は、受信したコマンドが図柄確定コマンドであると判定した場合(ステップS121:YES)、変動演出終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS122)。この変動演出終了コマンドは、メイン液晶表示装置5において行われる変動演出の終了を指示するコマンドであって、ステップS11のコマンド送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、メイン液晶表示装置5の表示画面上で行われていた変動演出が終了して、特別図柄判定の判定結果を示す態様で装飾図柄が停止表示されることになる。また、演出ボタン26やロゴ演出7等が動作するように制御されている場合には、その動作が終了することになる。
サブCPU131は、受信したコマンドが図柄確定コマンドではないと判定した場合(ステップS121:NO)、例えば受信したコマンドに含まれている情報に基づいて、そのコマンドがステップS322(図26参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された客待ちコマンドであるか否かを判定する(ステップS123)。ここで、受信したコマンドが客待ちコマンドであると判定した場合(ステップS123:YES)、受信した客待ちコマンドに応じた処理等を含む客待ちコマンド受信処理を実行する(ステップS124)。この客待ちコマンド受信処理については、図33に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、遊技制御基板100からのコマンドが客待ちコマンドではないと判定した場合(ステップS123:NO)、例えば受信したコマンドに含まれている情報に基づいて、そのコマンドがランプ制御基板150から送信された操作コマンドであるか否かを判定する(ステップS125)。ここで、サブCPU131は、受信したコマンドが操作コマンドであると判定した場合(ステップS125:YES)、操作が行われたことを通知する操作通知コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS126)。この操作通知コマンドは、ステップS12のコマンド送信処理によって少なくとも画像音響制御基板140に送信される。これにより、例えば、操作コマンドを受信する毎に演出画像を適宜更新する表示演出制御等が行われる。
一方、サブCPU131は、受信したコマンドが操作コマンドではないと判定した場合(ステップS125:NO)、他のコマンドに応じた処理を実行する(ステップS127)。
なお、ステップS126の処理が実行された場合、ステップS127の処理が実行された場合、ステップS103の処理が実行された場合、ステップS111の処理が実行された場合、ステップS122の処理が実行された場合、ステップS124の処理が実行された場合、又はコマンドを受信していないと判定された場合(ステップS101:NO)、ステップS11に処理が進められる。
[演出制御基板130による保留コマンド受信処理]
図31は、図30のステップS103における保留コマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPUは、受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS102:YES)、図31に例示されるように、サブRAM133に記憶されている第1特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新する(ステップS1031)。そして、第1特別図柄判定が保留されていることを示す保留表示画像の更新を指示す保留表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1032)。なお、この保留表示コマンドは、ステップS13のコマンド送信処理によって少なくとも画像音響制御基板140に送信される。
[演出制御基板130による変動開始コマンド受信処理]
図32は、図30のステップS111における変動開始コマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100から受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS110:YES)、図32に例示するように、演出乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS112)。演出乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、変動開始コマンドを受信した時点のカウント値を演出乱数として取得する。サブCPU131は、ステップS112の処理に続いて、受信した変動開始コマンドを解析する(ステップS113)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す判定図柄の判定情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている、したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の結果を特定し、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるかを判断し、特別図柄が変動表示される変動時間を特定し、パチンコ遊技機1の現在の遊技状態を特定することが可能である。
変動開始コマンドを解析すると、サブCPU131は、その解析結果に基づいて、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の変動演出パターンを設定する変動演出パターン設定処理を実行する(ステップS114)。この変動演出パターン設定処理が実行されることによって、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の有無、リーチ図柄を構成する装飾図柄の種類、リーチ演出の内容、停止表示される装飾図柄の種類等が決定される。
続いて、サブCPU131は、ステップS114の処理で設定した変動演出パターンで装飾図柄が変動表示されているときに実行する各種予告演出の内容を設定する予告演出パターン設定処理を実行する(ステップS115)。詳細な説明は省略するが、このステップS115の処理が実行されることにより、例えば、キャラクタがセリフを発するセリフ予告演出、演出画像の表示が段階的に発展していくステップアップ予告演出等の各種予告演出を実行するか否かが決定される。また、これらの予告演出を実行する場合には、その演出態様が併せて決定される。例えば、セリフ予告演出を実行すると決定された場合、セリフ予告演出に登場させるキャラクタの種類、そのキャラクタが発するセリフの内容や文字色等が決定される。
次に、サブCPU131はステップS114の処理で設定した変動演出パターンでの変動演出の開始、及びステップS115の処理で設定した予告演出パターンでの予告演出の開始を指示する変動演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS116)。
この変動演出開始コマンドは、ステップS114の処理によって設定された変動演出パターンを示す情報と、ステップS115の処理によって設定された予告演出パターンを示す情報とを含むものであり、ステップS12のコマンド送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、演出制御基板130において演出パターンが決定された変動演出及び予告演出が、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150によって実現されることになる。
ステップS116の処理に続いて、サブCPU131は、後述する客待ちコマンド受信処理において「ON」に設定される計測フラグを「OFF」に設定する処理を含んだ計測フラグOFF処理を実行する(ステップS117)。具体的には、サブRAM133において計測フラグが「ON」に設定されているか否かを判定し、「ON」であると判定した場合に計測フラグを「OFF」に設定する。一方、計測フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合は、ステップS118の処理に処理が進められる。
ステップS117の処理に続いて、サブCPU131は、今回受信した変動開始コマンドが第1始動口11への遊技球の入賞に基づくものであるか否かを判定する(ステップS118)。ここで、今回受信した変動開始コマンドが第1始動口11への遊技球の入賞に基づくものではないと判定された場合(ステップS118:NO)、ステップS11の処理に処理が進められる。
サブCPU131は、今回受信した変動開始コマンドが第1始動口11への遊技球の入賞に基づくものであると判定した場合(ステップS118:YES)、サブRAM133に記憶されている第1特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する(ステップS119)。
なお、詳細な説明は省略するが、サブCPU131は、変動開始コマンドを受信した場合、その際に実行されている客待ち演出や遊技開始時演出を終了する処理を実行する。
[演出制御基板130による客待ちコマンド受信処理]
図33は、図30のステップS124における客待ちコマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100から受信したコマンドが客待ちコマンドであると判定した場合(ステップS123:YES)、図33に例示するように、経過時間の計測を開始し(ステップS1231)、サブRAM133に記憶されている計測フラグを「ON」に設定する(ステップS1232)。ここで、「計測フラグ」は、客待ちコマンドを受信してからの経過時間が計測中であるか否かを示すフラグである。この「計測フラグ」は、経過時間の計測が開始されると「ON」に設定され、計測が終了すると「OFF」に設定される。
[演出制御基板130による客待ち演出開始コマンド設定処理]
図34は、図29のステップS11における客待ち演出開始コマンド設定処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、ステップS11のコマンド受信処理に続いて、ステップS1232の処理で計測フラグが「ON」に設定されたか否かを判定する(ステップS1235)。ここで、計測フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS1235:NO)、ステップS12の処理に処理が進められる。
サブCPU131は、計測フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS1235:YES)、客待ち演出の開始タイミングを規定する客待ち判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS1236)。具体的には、ステップS1231の処理で計測を開始した経過時間が、サブROM132に記憶されている客待ち判定時間(例えば30秒)に達したか否かを判定する。ここで、客待ち判定時間が経過していないと判定された場合(ステップS1236:NO)、ステップS12の処理に処理が進められる。
サブCPU131は、客待ち判定時間が経過したと判定した場合(ステップS1236:YES)、計測フラグを「OFF」に設定し(ステップS1237)、経過時間をリセットし(ステップS1238)、客待ち演出の開始を指示する客待ち演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1239)。
なお、この客待ち演出開始コマンドは、ステップS13のコマンド送信処理によって画像音響制御基板140に送信される。これにより、客待ち時の所定の画面(客待ちデモ画面)の表示が開始されることになる。
[演出制御基板140による遊技開始時演出処理]
図35は、図29のステップS12における遊技開始時演出処理の詳細フローチャートである。ここで、本実施形態では、上述したように、客待ち演出の実行中に球貸ボタン206が操作されて遊技球が払い出された場合、あるいは客待ち演出の実行中にハンドル20のレバー21が操作されたことに基づいて発射された最初の遊技球が発射球検知スイッチ123によって検知された場合に、遊技開始時演出を実行することが決定される。そして、上記した演出パターンA〜Eのいずれか1の演出パターンが選択されて、その選択された演出パターンに基づいた遊技開始時演出が実行される。
かかる制御を実現するべく、遊技開始時演出処理では、サブCPU131は、まず客待ち演出中であるか否かを判定する(ステップS1101)。具体的には、図33のステップS1239の処理(あるいは図34のステップS1114の処理)においてセットされた客待ち演出開始コマンドを図29のステップS12のコマンド送信処理によって画像音響制御基板140に送信した後、図26のステップS309の処理において遊技制御基板100にセットされる変動開始コマンドを受信したか否かに基づいて判定される。例えば、客待ち演出開始コマンドを送信した後、遊技制御基板100から送信される変動開始コマンドを受信していなければ客待ち演出中であると判定し、変動開始コマンドを受信すると客待ち演出中でないと判定する。
サブCPU131は、客待ち演出中であると判定した場合(ステップS1101:YES)、図28のステップS92の処理においてメインRAM103にセットされた貸球情報が、演出制御基板130のサブRAM133に記憶されているか否かに基づいて当該貸球情報の有無が判定される(ステップS1102)。ここで、貸球情報がサブRAM133に記憶されていると判定した場合(ステップS1102:YES)、ステップS1104の処理に処理が進められる。
サブCPU131は、貸球情報がサブRAM133に記憶されていないと判定した場合(ステップS1102:NO)、ハンドル20のレバー21が操作されたことによって発射された最初の遊技球(図35では「発射球」と記載)が発射球検知スイッチ123によって検知されたか否かを判定する(ステップS1103)。ここで、ハンドル20のレバー21が操作されたことによって発射された最初の遊技球が発射球検知スイッチ123によって検知されなかったと判定した場合(ステップS1103:NO)、ステップ13の処理に処理が進められる。
サブCPU131は、貸球情報がサブRAM133に記憶されていると判定した場合(ステップS1102:YES)、又はハンドル20のレバー21が操作されたことによって発射された最初の遊技球が発射球検知スイッチ123によって検知されたと判定した場合(ステップS1103:YES)、遊技開始時演出における演出パターン(大当たりによる累積賞球数に基づく演出内容の演出パターン、累積貸球数に基づく演出内容の演出パターン、本遊技状態か否かに基づく演出内容の演出パターン、カスタマイズ情報に基づく演出内容の演出パターン、RTC情報に基づく演出に関する演出内容の演出パターン)を決定するために使用する遊技開始時演出パターン乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1104)。この遊技開始時演出パターン乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、ステップS1102に示す貸球情報を受信した時点、あるいはハンドル20のレバー21が操作されたことによって発射された最初の遊技球が発射球検知スイッチ123によって検知された時点のカウント値を遊技開始時演出パターン乱数として取得する。
ステップS1104の処理に続いて、サブCPU131は、不図示の遊技開始時演出パターン選択テーブルをサブRAM133にセットする(ステップS1105)。ここで、遊技開始時演出パターン選択テーブルは、上記した全5種類の演出パターンA〜E(図14参照)が設定されており、各演出パターンA〜Eに対して例えば0〜99までの遊技開始時演出パターン乱数の内のいずれかの数字が割り当てられた構成である。本実施形態では、各演出パターンA〜Eに対して遊技開始時演出パターン乱数の数字が均等に割り振られている。このため、遊技開始時演出パターン選択テーブルでは、いずれの演出パターンA〜Eが選択される選択率も同一(例えば「20%」)である。
サブCPU131は、セットした上記テーブルを参照して、いずれか1の演出パターンを選択し、その演出パターンを遊技開始時演出の設定情報としてサブRAM133にセットする(ステップS1106)。具体的には、サブRAM133にセットされたテーブルから、ステップS1104で取得した遊技開始時演出パターン乱数に対応する1の演出パターンを読み出して、その演出パターンを遊技開始時演出パターンとして決定する。そして、サブCPU131は、その決定した遊技開始時演出パターンを遊技開始時演出の設定情報として、サブRAM133にセットする。
ステップS1106の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS1106の処理でセットされた設定情報を含む遊技開始時演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1107)。なお、この遊技開始時演出コマンドは、ステップS13のコマンド送信処理によって少なくとも画像音響制御基板140に送信される。
ところで、本実施形態では、遊技開始時演出が実行される場合、それまで実行されていた客待ち演出は終了する。一方で、遊技開始時演出が実行される場合であっても、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞して特別図柄判定が行われない限り、遊技制御基板100では客待ちフラグが「ON」に設定された状態が維持される(図26参照)。このため、遊技開始時演出の実行後、いずれの始動口11,12にも遊技球が入賞せずにそのまま遊技が終了したような場合には、客待ち状態となっても客待ち演出が実行されない問題が発生する。
そこで、ステップS1107の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS1107の処理において遊技開始時演出開始コマンドがサブRAM133にセットされてからの経過時間の計測を開始する(ステップS1108)。
一方、サブCPU131は、客待ち演出中でないと判定した場合(ステップS1101:NO)、第1始動口11又は第2始動口12へ遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS1109)。具体的には、遊技制御手段100から送信される変動開始コマンドを受信したか否かに基づいて、始動口11,12への遊技球の入賞の有無を判定する。ここで、始動口11,12への遊技球の入賞が無かったと判定した場合(ステップS1109:NO)、ステップS1112の処理に処理が進められる。
サブCPU131は、始動口11,12への遊技球の入賞があったと判定した場合(ステップS1109:YES)、換言すると特別図柄判定が実行されて遊技制御基板100において客待ちフラグが「OFF」に設定される場合、ステップS1108の処理で開始される経過時間の計測中か否かが判定される(ステップS1110)。
サブCPU131は、ステップS1108の処理で開始される経過時間の計測中であると判定した場合(ステップS1110:YES)、計測中の経過時間をリセットする(ステップS1111)。
サブCPU131は、始動口11,12への遊技球の入賞はなかったと判定した場合(ステップS1109:NO)、遊技開始時演出が開始されてから所定時間が経過したか否かが判定される(ステップS1112)。具体的には、ステップS1108の処理において開始された経過時間が所定時間(例えば1分)に至ったか否かを判定する。
サブCPU131は、遊技開始時演出が開始されてから所定時間が経過したと判定した場合(ステップS1112:YES)、経過時間をリセットし(ステップS1113)、客待ち演出の開始を指示する客待ち演出開始コマンドをセットする(ステップS1114)。
なお、ステップS1114の処理が実行された場合、ステップS1111の処理が実行された場合、ステップS1108の処理が実行された場合、ハンドル20のレバー21が操作されたことによって発射された最初の遊技球が発射球検知スイッチ123によって検知されなかったと判定された場合(ステップS1103:NO)、経過時間の計測中ではないと判定された場合(ステップS1110:NO)、遊技開始時演出の開始から所定時間が経過していないと判定された場合(ステップS1112:NO)、ステップS13の処理に処理が進められる。
[画像音響制御基板140によるタイマ割込み処理]
次に、図36を参照しつつ、画像音響制御基板140において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図36は、画像音響制御基板140において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。画像音響制御基板140は、電源投入時や電源遮断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図36に示す一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
まず、統括CPU141は、演出制御基板130のRTC134からRTC情報を取得して制御用RAM145に格納するRTC情報取得処理を実行する(ステップS2000)。制御用RAM145に格納されたRTC情報は、このステップS2000の処理が行われる毎に、新たに取得されたRTC情報に更新される。
ステップS2000の処理に続いて、統括CPU141は、パチンコ遊技機1の電源が投入されてからの経過時間を計測する計測処理を実行する(ステップS2100)。統括CPU141は、このステップS2100の計測結果に基づいて新曲発表演出を開始させる。この計測処理については、図37に基づいて後に詳述する。
ステップS2100の処理に続いて、統括CPU141は、球貸ボタン206を操作することで払い出された貸球数及び大当たりにより払い出された賞球数を積算するための払出情報積算処理を実行する(ステップS2200)。統括CPU141は、このステップS2200の積算結果に基づいて遊技開始時演出を実行する場合がある。この払出情報積算処理については、図38に基づいて後に詳述する。
ステップS2200の処理に続いて、統括CPU141は、メイン液晶表示装置5を用いて行われる遊技開始時演出を実行するための遊技開始時演出制御処理を実行する(ステップS2300)。この遊技開始時演出制御処理は、客待ち演出中に、遊技者によって所定の操作手段(本実施形態ではハンドル20のレバー21又は球貸ボタン206)が操作されて「遊技開始の所定の条件」が満たされた場合に上述した遊技開始時演出を実行させるための処理である。この遊技開始時演出制御処理については、図39に基づいて後に詳述する。
ステップS2300の処理に続いて、統括CPU141は、サブ液晶表示装置6を用いて行われる告知演出を制御するための告知演出制御処理を実行する(ステップS2400)。この告知演出制御処理は、例えば、次回行われる新曲発表演出の開始タイミングを、現在の時間を基準にした残り時間を用いて報知するための処理である。
ステップS2400の処理に続いて、統括CPU141は、メイン液晶表示装置5を用いて行われる新曲発表演出を開始させるための新曲発表演出開始処理を実行する(ステップS2500)。この新曲発表演出開始処理は、遊技制御基板100から送信される各種のコマンドに基づいて実行される通常演出(特別図柄の変動表示に伴う変動演出や特別遊技に伴う当たり演出)とは無関係に、予め記憶されている新曲公開情報(例えば、新曲のデータや、新曲の公開順を示すデータ等)に基づいて、上述した新曲発表演出を開始させるための処理である。この新曲発表演出開始処理については、図40に基づいて後に詳述する。
ステップS2500の処理に続いて、統括CPU141は、メイン液晶表示装置5を用いて行われる通常演出を制御するための通常演出制御処理を実行する(ステップS2600)。この通常演出制御処理は、遊技制御基板100から送信される各種のコマンドに基づいて、通常演出を実行させるための処理である。この通常演出制御処理については、図43に基づいて後に詳述する。
ステップS2600の処理に続いて、統括CPU141は、ステップS2500の新曲発表演出開始処理に応じて開始された新曲発表演出を終了させるための新曲発表演出終了処理を実行する(ステップS2700)。この新曲発表演出終了処理は、例えば、新曲発表演出が開始されてからの経過時間がその新曲発表演出に要する時間に達したか否かを判定し、その判定結果に基づいて新曲発表演出を終了させる処理である。
ステップS2700の処理に続いて、統括CPU141は、遊技中において、各種のポイント付与条件が満たされると、その条件に応じたポイントを付与するポイント付与処理を実行する(ステップS2800)。このポイント付与処理については、図44に基づいて後に詳述する。
ステップS2800の処理に続いて、統括CPU141は、遊技者が選択可能な旧曲を示す情報と、同じく遊技者が選択可能な新曲を示す情報とを更新する選択可能楽曲更新処理を実行する(ステップS2900)。この選択可能楽曲更新処理については、図45,46に基づいて後に詳述する。
ステップS2900の処理に続いて、統括CPU141は、客待ち状態において、メニュー画面を表示し、遊技者の操作に応じて、上述したコード画像や楽曲選択画面を表示するための客待ち時メニュー処理を実行する(ステップS3000)。この客待ち時メニュー処理については、図47に基づいて後に詳述する。
ステップS3000の処理に続いて、統括CPU141は、ステップS2300〜ステップS3000の処理結果に基づいて、メイン液晶用ディスプレイリスト及び/又はサブ液晶用ディスプレイリストを作成してディスプレイリスト記憶領域1491にセットする画像出力制御処理を実行する(ステップS3100)。
ステップS3100の処理に続いて、統括CPU141は、データ送信制御処理を実行する(ステップS3200)。具体的には、画像音響制御基板140において行われる画像音響制御に関するデータを演出制御基板130に送信する。これに対して、演出制御基板130は、画像音響制御基板140から受信したデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、メイン液晶表示器5、サブ液晶表示器6、及び、スピーカ24によって行われる演出と同期するように、枠ランプ37やロゴ役物7等が制御されることとなる。
[画像音響制御基板140による計測処理]
図37は、図36のステップ2100における計測処理の詳細フローチャートである。ステップS2000のRTC情報取得処理に続いて、統括CPU141は、図37に示すように、例えば、制御用RAM145に記憶されている画像音響制御基板140における割込み処理回数Nを「1」加算した値に更新する(ステップS2101)。画像音響制御基板140において割込み処理が行われる毎にこのステップS2101の処理が行われることで、パチンコ遊技機1の電源投入からの経過時間が計測されることになる。
ステップS2101の処理に続いて、統括CPU141は、新曲発表演出の開始時間であるか否かを判定する(ステップS2102)。具体的には、例えば、画像音響制御基板140における割込み処理の時間間隔(33ミリ秒)に制御用RAM145に記憶されている割込み処理回数Nを乗算して電源投入からの経過時間を算出し、算出した経過時間が1時間に達したか否かに基づいて、新曲発表演出の開始時間であるか否かを判定する。新曲発表演出の開始時間ではないと判定した場合(ステップS2102:NO)、ステップS2200の処理に処理が進められる。
統括CPU141は、新曲発表演出の開始時間であると判定した場合(ステップS2102:YES)、制御用RAM145に記憶されている新曲発表フラグを「ON」に設定する(ステップS2103)。ここで、新曲発表フラグは、新曲発表演出の開始時間になったか否かを示すフラグであり、新曲発表演出の開始時間になると「ON」に設定され、新曲発表演出が開始されると「OFF」に設定される。
ステップS2103の処理に続いて、統括CPU141は、制御用RAM145に記憶されている割込み処理回数Nをリセットする(ステップS2104)。すなわち、本実施形態では、ステップS2101の処理が繰り返されることによって計測される経過時間が1時間に達すると、割込み処理回数Nが「0」に戻され、再び経過時間の計測が開始される。こうして、新曲発表演出が1時間おきに実行されることになる。なお、他の実施形態では、リセット処理を行わず、電源投入からの経過時間がM時間(Mは自然数)に達したかを判定するようにしてもよい。
本実施形態では、新曲発表演出の開始時間間隔が1時間に設定されている場合について説明するが、新曲発表演出の開始時間間隔は、他の実施形態では、例えば30分毎や2時間毎など、1時間以外の時間であってもよい。
ステップS2104の処理に続いて、統括CPU141は、新曲が全曲開放状態であるか否かを判定する(ステップS2105)。具体的には、後述する公開管理テーブル(図41参照)に示す、最後に発表される新曲Lの初回新曲発表演出が行われる2015年6月15日から1週間が経過した同年の6月22日以降であるか否かを判定する。ここで、新曲全曲開放状態ではないと判定した場合(ステップS2105:NO)、ステップS2200の処理に処理が進められる。
統括CPU141は、新曲全曲開放状態であると判定した場合(ステップS2105:YES)、制御用RAM145に記憶されているリセット処理回数Pを「1」加算した値に更新する(ステップS2106)。このリセット処理回数Pは、ステップS2104のリセット処理が行われた回数を示すものである。また、このリセット処理回数Pは、新曲全曲開放状態において1時間おきに開始される新曲発表演出に使用される新曲の種別を決定するために、ステップS2500の新曲発表演出開始処理において使用される。ステップS2106のカウント処理が終了すると、ステップS2200の処理に処理が進められる。
[画像音響制御基板140による払出情報積算処理]
図38は、図36のステップS2200における払出情報積算処理の詳細フローチャートである。ステップS2100の計測処理に続いて、統括CPU141は、図38に示すように、貸球情報を受信したか否かを判定する(ステップS2201)。具体的には、球貸ボタン206の操作に基づいて貸球が払い出された場合、遊技制御基板100から演出制御基板130に貸球情報が送信され、ステップS13のデータ転送処理によって、当該貸球情報は演出制御基板130から画像音響制御基板140に転送される。そのため、ステップS2201では、演出制御基板130によって転送される貸球情報を受信したか否かが判定される。ここで、貸球情報を受信していないと判定した場合(ステップS2201:NO)、ステップS2203の処理に処理が進められる。
統括CPU141は、演出制御基板130によって転送される貸球情報を受信したと判定した場合(ステップS2201:YES)、制御用RAM145に記憶されている貸球数を、受信した貸球情報に含まれる貸球数を加算した値に更新する(ステップS2202)。払出情報積算処理では、貸球情報を受信する度に、制御用RAM145に記憶されている貸球数が受信した貸球情報に含まれる貸球数を加算した値に更新される。
統括CPU141は、ステップS2202の処理を実行した場合、又は演出制御基板130によって転送される貸球情報を受信していないと判定した場合(ステップS2201:NO)、大当たりによる賞球情報を受信したか否かを判定する(ステップS2203)。具体的には、大当たり遊技に応じて賞球が払い出された場合、遊技制御基板100から演出制御基板130に大当たりによる賞球情報が送信され、ステップS13のデータ転送処理によって、当該大当たりによる賞球情報は演出制御基板130から画像音響制御基板140に転送される。そのため、ステップS2203では、演出制御基板130によって転送される大当たりによる賞球情報を受信したか否かが判定される。ここで、大当たりによる賞球情報を受信していないと判定した場合(ステップS2203:NO)、ステップS2300の処理に処理が進められる。
統括CPU141は、演出制御基板130によって転送される大当たりによる賞球情報を受信したと判定した場合(ステップS2203:YES)、制御用RAM145に記憶されている大当たりによる賞球数を、受信した大当たりによる賞球情報に含まれる賞球数を加算した値に更新する(ステップS2204)。払出情報積算処理では、大当たりによる賞球情報を受信する度に、制御用RAM145に記憶されている大当たりによる賞球数が受信した大当たりによる賞球情報に含まれる賞球数を加算した値に更新される。
なお、払出情報積算処理によって更新される貸球数及び大当たりによる賞球数は、パチンコ遊技機1に対する電源が遮断されるとリセット(例えば「0」)される。
[画像音響制御基板140による遊技開始時演出制御処理]
図39は、図36のステップS2300における遊技開始時演出制御処理の詳細フローチャートである。ステップS2200の払出情報積算処理に続いて、統括CPU141は、演出制御基板130から送信される遊技開始時演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2301)。ここで、遊技開始時演出開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS2301:NO)、ステップS2400の処理に処理が進められる。
統括CPU141は、遊技開始時演出開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS2301:YES)、大当たりによる累積賞球数に基づく演出設定処理を実行する(ステップS2302)。具体的には、この演出設定処理では、まず、遊技開始時演出開始コマンドに、大当たりによる累積賞球数に基づく演出内容の演出パターン(演出パターンA)を示す情報が含まれているか否を判定する。そして、演出パターンAを示す情報が含まれていると判定した場合に、ステップS2200の処理で積算された最新の累積賞球数が、制御用ROM144に記憶されている基準値(例えば10000)以上か否かを判定する。最新の累積賞球数が基準値以上であると判定した場合、図15(A)に示すように、累積賞球数が基準値を上回っていることを示唆する演出画像が設定され、基準値未満であると判定した場合、図15(B)に示すように、累積賞球数が基準値を上回っていないことを示唆する演出画像が設定される。すなわち、大当たりによる累積賞球数に基づく演出設定処理では、制御用RAM145に記憶された大当たりによる累積賞球数に基づいて、設定する演出画像を変化させることができる。
なお、遊技開始時演出開始コマンドに演出パターンAを示す情報が含まれていない場合は、制御用RAM145に大当たりによる累積賞球数が記憶されていたとしても、当該累積賞球数に基づいて演出画像が設定されることはない。
ステップS2302の処理に続いて、統括CPU141は、累積貸球数に基づく演出設定処理を実行する(ステップS2303)。具体的には、この演出設定処理では、まず、遊技開始時演出開始コマンドに、累積貸球数に基づく演出内容の演出パターン(演出パターンB)を示す情報が含まれているか否かを判定する。そして、演出パターンBを示す情報が含まれていると判定した場合に、ステップS2200の処理で積算された最新の累積貸球数が、制御用ROM144に記憶されている基準値(例えば5000)以上か否かを判定する。最新の累積貸球数が基準値以上であると判定した場合、図16(A)に示すように、累積貸球数が基準値を上回っていることを示唆する演出画像が設定され、基準値未満であると判定した場合、図16(B)に示すように、累積貸球数が基準値を上回っていないことを示唆する演出画像が設定される。すなわち、累積貸球数に基づく演出設定処理では、制御用RAM145に記憶された累積賞球数に基づいて、設定する演出画像を変化させることができる。
なお、遊技開始時演出開始コマンドに演出パターンBを示す情報が含まれていない場合は、制御用RAM145に累積貸球数が記憶されていたとしても、当該累積貸球数に基づいて演出画像が設定されることはない。
ステップS2303の処理に続いて、統括CPU141は、本遊技状態か否かに基づく演出設定処理を実行する(ステップS2304)。具体的には、この演出設定処理では、まず、遊技開始時演出開始コマンドに、本遊技状態に基づく演出内容の演出パターン(演出パターンC)を示す情報が含まれているか否かを判定する。そして、演出パターンCを示す情報が含まれていると判定した場合に、後述する客待ち時メニュー処理において設定される本遊技状態であることを示す本遊技フラグが「ON」に設定さているか否かを判定する。本遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合、図17(A)に示すように、本遊技状態であることを示唆する演出画像が設定され、「OFF」に設定されていると判定した場合、図17(B)に示すように、本遊技状態ではないことを示唆する演出画像が設定される。すなわち、本遊技状態か否かに基づく演出設定処理では、制御用RAM145に記憶されている本遊技フラグが「ON」であるか、「OFF」であるかに基づいて、設定する演出画像を変化させることができる。
なお、遊技開始時演出開始コマンドに演出パターンCを示す情報が含まれていない場合は、本遊技状態か否かに基づいて演出画像が設定されることはない。
ステップS2304の処理に続いて、統括CPU141は、カスタマイズ情報に基づく演出設定処理を実行する(ステップS2305)。具体的には、この演出設定処理では、まず、遊技開始時演出開始コマンドに、カスタマイズ情報に基づく演出内容の演出パターン(演出パターンD)を示す情報が含まれているか否かを判定する。そして、演出パターンDを示す情報が含まれていると判定した場合に、後述する選択可能楽曲更新処理によって更新された選択可能な楽曲の中から現在選択されている楽曲の有無を判定する。特定の楽曲が選択されていると判定した場合、図18(A)に示すように、特定の楽曲がカスタマイズされていることを示唆する演出画像が設定され、特定の楽曲が選択されていないと判定した場合、図18(B)に示すように、特定の楽曲がカスタマイズされていないことを示唆する演出画像が設定される。すなわち、カスタマイズ情報に基づく演出設定処理では、制御用RAM145に記憶される選択可能な楽曲情報に基づいて、設定する演出画像を変化させることができる。
なお、遊技開始時演出開始コマンドに演出パターンDを示す情報が含まれていない場合は、制御用RAM145に記憶される選択可能な楽曲情報に基づいて演出画像が設定されることはない。
ステップS2305の処理に続いて、統括CPU141は、RTC情報に基づく演出設定処理を実行する(ステップS2306)。具体的には、この演出設定処理では、まず、遊技開始時演出開始コマンドに、RTC情報に基づく演出に関する演出内容の演出パターン(演出パターンE)を示す情報が含まれているか否かを判定する。そして、演出パターンEを示す情報が含まれていると判定した場合に、RTC情報と後述する公開管理テーブル及び発表順管理テーブルとに基づいて、新曲全曲開放状態であるか否か、新曲全曲開放状態でなければ次回の新曲発表演出で使用する楽曲はいずれの楽曲かを特定する。新曲全曲開放状態ではないと判定された場合、図19(A)に示すように、次回の新曲発表演出で使用される楽曲を示唆する演出画像が設定され、新曲全曲開放状態であると判定された場合、図19(B)に示すように、現在新曲全曲開放状態であることを示唆する演出画像が設定される。すなわち、RTC情報に基づく演出設定処理では、制御用RAM145に記憶されるRTC情報に基づいて、設定する演出画像を変化させることができる。
なお、遊技開始時演出開始コマンドに演出パターンEを示す情報が含まれていない場合は、制御用RAM145に記憶されるRTC情報に基づいて演出画像が設定されることはない。
ステップS2306の処理に続いて、統括CPU141は、遊技開始時演出を開始する(ステップS2307)。具体的には、ステップS2302〜ステップS2306の演出設定処理において設定された演出画像に基づいた遊技開始時演出を開始する。
ステップS2307の処理を実行した場合、又は遊技開始時演出開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS2301:NO)、ステップS2400の処理に処理が進められる。
[画像音響制御基板140による新曲発表演出開始処理]
図40は、図36のステップS2500における新曲発表演出開始処理の詳細フローチャートである。ステップS2400の告知演出制御処理に続いて、統括CPU141は、新曲発表フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS2501)。ここで、新曲発表フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS2501:NO)、ステップS2600の処理に処理が進められる。
統括CPU141は、新曲発表フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS2501:YES)、制御用RAM145に記憶されている最新のRTC情報に基づいて現在の日付を特定し(ステップS2502)、ステップS2105の処理と同様に、現在の状態が新曲全曲開放状態であるか否かを判定する(ステップS2503)。
統括CPU141は、新曲全曲開放状態ではないと判定した場合(ステップS2503:NO)、制御用ROM144に記憶されている公開管理テーブルを読み出して制御用RAM145にセットし(ステップS2504)、現在の日時に対応する新曲を選択する(ステップS2505)。
ここで、図41を参照しつつ、公開管理テーブルについて具体的に説明する。図41は、公開管理テーブルについて説明するための説明図である。図41に示すように、公開管理テーブルには、新曲の種類を示す新曲種別と、初回の新曲発表演出を行う日付である初回発表日と、初回発表日において初回新曲発表演出の実行を許可する状態に移行させる初回発表許可時刻とが対応付けられて記憶されている。なお、図中の「楽曲選択画面における主な変化」は、この公開管理テーブルに基づいて新曲発表演出に使用する新曲が切り換えられた場合に起こる主な変化を例示したものである。
例えば、本実施形態では、2015年3月30日の12時(正午)になると、新曲Aの新曲発表演出の実行を許可する発表許可状態に移行し、2015年4月6の12時(正午)になると、新曲Bの初回の新曲発表演出の実行を許可する発表許可状態に移行する。このため、新曲Aの発表許可状態となる前に新曲発表フラグが「ON」に設定された場合には、新曲発表演出は行われず、新曲Aの発表許可状態のときに新曲発表フラグが「ON」に設定された場合には、新曲Aの新曲発表演出が行われる。そして、新曲Bの発表許可状態のときに新曲発表フラグが「ON」に設定された場合には、新曲Bの新曲発表演出が行われる。このような新曲発表演出に使用される新曲の切り替えは、新曲全曲開放状態に移行するまでは、新曲C以降についても同様に行われる。
図41の表記から明らかなように、各新曲の初回発表日及び初回発表許可時刻から1週間が経過すると次の新曲の初回発表日及び初回発表許可時刻になるため、新曲全曲開放状態となる前は、1週間おきに新曲発表演出に使用される新曲が次の新曲に切り替えられる。
また、図41及び後述する図42の表記から明らかなように、本実施形態では、12曲目の新曲Lの初回発表日及び初回発表許可日時から概ね1週間が経過するときに、新曲全曲開放状態へと移行する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、各新曲の初回の新曲発表演出が行われることを契機として、楽曲選択画面において選択可能な新曲が更新される。すなわち、楽曲Aの初回新曲発表演出が実行される前は、楽曲選択画面に選択可能に表示される楽曲がなく(図9〜図11参照)、遊技者は新曲を選択することはできない。これに対して、新曲Aの初回新曲発表演出が実行されると、楽曲選択画面における選択可能な楽曲として、楽曲Aが追加される。また、新曲Bの初回新曲発表演出が実行されると、楽曲選択画面における選択可能な楽曲として、新曲Bが追加され、新曲C〜新曲Lについても同様に、それぞれの初回新曲発表演出が実行されると、使用された新曲が選択可能な楽曲として追加される。その結果、最終的には、12曲全ての新曲が選択可能となる。
そして、図には示されていないが、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、初回の新曲発表演出が行われたことを契機として、メイン液晶表示装置5を用いて行われる通常演出や、サブ液晶表示装置6を用いて行われる告知演出も演出内容が変化する。
例えば、新曲Aの初回の新曲発表演出が行われると、各演出の演出内容が以下のように変化する。すなわち、メイン液晶表示装置5に表示される背景画像として、新曲Aの初回新曲発表演出が行われるまではデフォルトの背景画像しか出現しなかったのが、新曲Aの初回新曲発表演出が行われた後は、新曲Aに関する画像データを用いて作成された新曲A背景画像が出現するようになる。また、新曲Aの初回新曲発表演出が行われるまでは、新曲Aの初回公演が何日後に行われるかといった告知演出が行われる。このことは、新曲B〜新曲Lについても同様である。またその他、客待ち演出、長当たり遊技のオープニング及びエンディングの演出についても、初回新曲発表演出の後は、当該演出で発表された新曲に係るデータが使用されるようになる。
なお、本実施形態では、新曲の初回発表日から次の新曲の初回発表日までの間隔が全て1週間に設定されている場合について説明したが、この間隔は1週間以外の間隔であってもよいし、新曲によって間隔が異なっていてもよい。また、本実施形態では、初回発表許可時刻が全ての新曲に対して12時に統一されている場合について説明したが、新曲毎に異なる初回発表許可時刻を設定してもよい。また、新曲の発表順についても、公開管理テーブルに例示されている発表順と異なる発表順であってもよい。
かかる構成の公開管理テーブルが制御用RAM145にセットされて、例えば、RTC情報が2015年4月1日の15:00を示す場合、この日時は新曲Aの初回発表日である2015年3月30日(12:00)と新曲Bの初回発表日である2015年4月6日(12:00)との間の日時であり、当該日時は新曲Aの発表許可状態であるため、新曲Aを選択する。また、RTC情報が2015年4月8日の15:00を示す場合、この日時は新曲Bの初回発表日である2015年4月6日(12:00)と新曲Cの初回発表日である2015年4月13日(12:00)との間の日時であり、新曲Bの発表許可状態であるため、新曲Bを選択する。
次に、統括CPU141は、ステップS2505の処理で選択した新曲の新曲発表演出を実行するための設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS2506)。このようにして、新曲発表演出に係る設定情報が制御用RAM145にセットされると、その設定情報に基づいてメイン液晶表示用のディスプレイリストが作成されてディスプレイ記憶領域1491にセットされる。これにより、新曲発表演出が開始されることになる。
一方、統括CPU141は、新曲全曲開放状態であると判定した場合(ステップS2503:YES)、制御用ROM144に記憶されている発表順管理テーブルを読み出して、制御用RAM145にセットする(ステップS2510)。
ここで、図42を参照しつつ、発表順管理テーブルについて具体的に説明する。図42は、発表順管理テーブルについて説明するための説明図である。発表順管理テーブルは、新曲全曲開放状態における新曲発表演出に使用される新曲の種別を管理するためのテーブルである。発表順管理テーブルでは、図42に示すように、新曲全曲開放状態の初日である6/22以降のそれぞれの日付に関して、パチンコ遊技機1の電源投入からの経過時間と、新曲発表演出に使用される新曲の種別とが対応付けられている。なお、図42には、パチンコ遊技機1の電源が午前8時に投入された場合に、各新曲の新曲発表演出が何時に開始されるかが図示されている。
新曲全曲開放状態になると、1週間が経過しなければ新曲の種類が切り換えられなかったのが、新曲の種類が1時間で切り換えられるようになる。このため、新曲全曲開放状態となる前に84日間(≒1週間×12曲)掛けて行われた新曲A〜新曲Lの新曲発表演出が1日で行われるようになる。
具体的には、例えば、6月22日において午前8時頃に電源が投入された場合、2時間後の午前10時頃に新曲Aの新曲発表演出が行われ、3時間後の午前11時頃に新曲Bの新曲発表演出が行われ、4時間後の12時頃に新曲Cの新曲発表演出が行われる。そして、11時間後の19時頃に新曲Jの新曲発表演出が行われ、12時間後の20時頃に新曲Kの新曲発表演出が行われ、13時間後の21時頃に新曲Kの新曲発表演出が行われる。
なお、他の実施形態では、新曲全曲開放状態における新曲発表演出の新曲の発表順を、発表順管理テーブルを用いることなく実現することも可能である。例えば、画像音響制御基板140に別途所定のFeRAMを備え、ある日の電源投入後の最初の新曲発表演出に使用された新曲を特定可能な情報をFeRAMに記憶しておき、その翌日の電源投入後の最初の新曲発表演出においては、FeRAMに記憶されている情報が示す新曲の次の新曲を選択してその再生を開始する。具体的には、ある日において、新曲A、新曲B、新曲C、新曲D・・・の順で新曲発表演出が行われた場合には、新曲Aを示す情報をFeRAMに記憶しておき、翌日においては、その情報が示す新曲Aの次の新曲Bから新曲発表演出をスタートさせることで、新曲の再生順を容易にずらすことが可能である。
統括CPU141は、ステップS2510の処理によって上記発表順管理テーブルをセットすると、制御用RAM145に記憶されているリセット処理回数Pに基づいて、パチンコ遊技機1の電源投入からの経過時間を特定する(ステップS2511)。ここで、リセット処理回数Pは、パチンコ遊技機1の電源投入時には「0」に設定されており、ステップS2106の処理が行われる毎に「1」加算される。このため、統括CPU141は、新曲発表フラグが「ON」に設定されたと判定した直後のリセット処理回数Pを経過時間として特定する。例えば、リセット処理回数Pが「1」に更新された場合には、その更新タイミングで電源投入から1時間が経過したと特定することができ、「3」に更新された場合には、その更新タイミングで電源投入から3時間が経過したと特定することができる。
ステップS2511の処理に続いて、統括CPU141は、ステップS2402の処理で特定した現在の日付、及びステップS2411の処理で特定した電源投入からの経過時間に対応する新曲の種類を選択する(ステップS2512)。具体的には、特定した現在の日時及び電源投入からの経過時間に対応する新曲の種別を発表順管理テーブル(図41参照)から読み出す。例えば、RTC情報が6月23日を示しており、現在電源投入から3時間が経過している場合、新曲Cを選択する。また、RTC情報が6月27日を示しており、現在電源投入から10時間が経過している場合、新曲Bを選択する。
そして、ステップS2512の処理に続いて、統括CPU141は、上記ステップS2406の処理と同様に、選択した新曲の新曲発表演出を実行するための設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS2513)。これらのステップS2510〜ステップS2513の処理は、新曲全曲開放状態において電源投入時を基準として1時間が経過する毎に行われる。
統括CPU141は、ステップS2506の処理を実行した場合、又はステップS2413の処理を実行した場合、新曲発表フラグを「OFF」に設定する(ステップS2509)。そして、新曲発表演出開始処理を終了して、ステップS2600の処理に処理が進められる。
[画像音響制御基板140による通常演出制御処理]
図43は、図36のステップS2600における通常演出制御処理の詳細フローチャートである。ステップS2500の新曲発表演出開始処理に続いて、統括CPU141は、演出制御基板130から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2601)。
統括CPU141は、演出制御基板130からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS2601:YES)、そのコマンドがステップS1032の処理で生成された保留表示コマンドであるか否かを判定する(ステップS2602)。
統括CPU141は、受信したコマンドが保留表示コマンドであると判定した場合(ステップS2602:YES)、保留アイコンをメイン液晶表示装置5に表示するための描画指示をVDP142に送信する(ステップS2603)。
統括CPU141は、保留表示コマンドではないと判定した場合(ステップS2602:NO)、そのコマンドがステップS13の処理に応じて演出制御基板130から送信された操作コマンドであるか否かを判定する(ステップS2604)。
統括CPU141は、受信コマンドが操作コマンドであると判定した場合(ステップS2604:YES)、操作演出処理を実行する(ステップS2605)。操作演出処理は、例えば、演出ボタン26の操作を遊技者に促すボタン操作演出が実行されて遊技者が演出ボタン26を操作した場合に、メイン液晶表示装置5において演出ボタン26の操作に対応したエフェクト画像(例えば「成功画像」や「失敗画像」等)の表示を行うための描画指示をVDP142に送ると共に、その表示演出と同期する演出音をスピーカ24から出力するために演出音の出力指示を音響DSP143に送る処理である。
統括CPU141は、受信したコマンドが操作コマンドではないと判定した場合(ステップS2604:NO)、そのコマンドがステップS116の処理に応じて演出制御基板130から送信された変動演出開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS2606)。
統括CPU141は、受信したコマンドが変動演出開始コマンドであると判定した場合(ステップS2606:YES)、その変動演出開始コマンドに含まれる設定情報に従って変動演出を開始する(ステップS2607)。具体的には、メイン液晶表示装置5において変動演出の演出表示を行うための描画指示をVDP142に送ると共に、その表示演出と同期する演出音をスピーカ24から出力するために、演出音の出力指示を音響DSP142に送る。
統括CPU141は、受信したコマンドが変動演出開始コマンドではないと判定した場合(ステップS2606:NO)、そのコマンドがステップS122の処理に応じて演出制御基板130から送信された変動演出終了コマンドであるか否かを判定する(ステップS2608)。
統括CPU141は、受信したコマンドが変動演出終了コマンドであると判定した場合(ステップS2608:YES)、実行中の変動演出を終了する(ステップS2609)。具体的には、メイン液晶表示装置5において実行中の変動演出等の演出表示の終了指示をVDP142に送ると共に、その液晶表示と同期するスピーカ24から出力される演出音の出力停止指示を音響DSP143に送る。このステップS2609の処理が行われることにより、メイン液晶表示装置5には、特別図柄判定の判定結果を示す装飾図柄が停止表示されることになる。
統括CPU141は、受信したコマンドが変動演出終了コマンドではないと判定した場合(ステップS2608:NO)、そのコマンドがステップS1237又はステップS1114の処理に応じて演出制御基板130から送信された客待ち演出開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS2610)。
統括CPU141は、受信したコマンドが客待ち演出開始コマンドであると判定した場合(ステップS2610:YES)、客待ち演出を開始する(ステップS2611)。具体的には、メイン液晶表示装置5において客待ち演出の表示演出を行うための描画指示をVDP142に送る。
ステップS2611の処理を実行した場合、ステップS2609の処理を実行した場合、ステップS2607の処理を実行した場合、ステップS2605の処理を実行した場合、ステップS2603の処理を実行した場合、コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS2601:NO)、又は受信したコマンドが客待ち演出開始コマンドではないと判定した場合(ステップS2610:NO)、ステップS2700の処理に処理が進められる。
[画像音響制御基板140によるポイント付与処理]
図44は、図36のステップS2800におけるポイント付与処理の詳細フローチャートである。ステップS2700の新曲発表演出終了処理に続いて、統括CPU141は、まず、ポイント付与条件が満たされたか否かを判定する(ステップS2801)。上述したように、ポイント付与条件としては、以下の4つが例として挙げられる。
(1)特別図柄の変動回数が「1」増加したこと
(2)所定の演出が実行されたこと
(3)連チャン回数が所定回数に達したこと
(4)特別図柄判定の保留数が最大になったこと
統括CPU141は、ステップS2801において、具体的には以下のよう判定処理を実行する。すなわち、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、上記(1)〜(4)のポイント付与条件を含む複数のポイント付与条件を示す情報が制御用ROM144に記憶されており、統括CPU141は、例えば制御用ROM144に記憶されているポイント付与条件を示す情報と、演出制御基板130から受信したコマンドとに基づいて、ポイント付与条件が満たされたか否かを判定する。
統括CPU141は、例えば演出制御基板130から送信された変動演出開始コマンド(又は変動演出終了コマンド)を受信した場合に、上記(1)のポイント付与条件が満たされたと判定する。
また、統括CPU141は、例えば演出制御基板130から受信した変動演出開始コマンドに基づいてVDP142に変動演出を実現するための描画処理を実行させ、この描画処理によって所定の演出が実行された場合に、上記(2)のポイント付与条件が満たされたと判定する。
また、統括CPU141は、例えば演出制御基板130から大当たり遊技を示す情報(例えば大当たり遊技のオープニングを示すオープニングコマンド等)を受信する毎に、制御用RAM145に記憶されている連チャン回数を「1」加算した値に更新し、この更新後の連チャン回数が制御用ROM144に記憶されている数値と一致した場合に、上記(3)のポイント付与条件が満たされたと判定する。
また、統括CPU141は、例えば演出制御基板130から送信された保留表示コマンドに保留数が「4」であることを示す情報が含まれていた場合に、上記(4)のポイント付与条件が満たされたと判定する。
統括CPU141は、上記したポイント付与条件が満たされたと判定した場合(ステップS2801:YES)、制御用RAM145に記憶されている演出特典ポイントを、ステップS2801で満たされたと判定したポイント付与条件に対応するポイントを加算した値に更新する(ステップS2802)。例えば、制御用ROM144には、上記ポイント付与条件(1)〜(4)を含む各ポイント付与条件に対して、それぞれの付与要件が満たされた場合に付与されるポイントを示す数値が対応付けられており、統括CPU141は、ステップS2801の処理で満たされたと判定したポイント付与条件に対応するポイントを示す数値を制御用ROM144から読み出して、制御用RAM145に記憶されている演出特典ポイントを、その数値を加算した値に更新する。例えば、ステップS2801の処理で満たされたポイント付与条件に対応するポイントが10ポイントである場合には、制御用RAM145に記憶されている演出特典ポイントが10ポイント加算した値に更新される。なお、複数のポイント付与条件が同時に満たされた場合には、それらのポイント付与条件に対応するポイントの合計ポイントが、制御用RAM145に記憶されている演出特典ポイントに加算される。
ステップS2802の処理に続いて、統括CPU141は、演出特典ポイントが加算されたことを遊技者に通知する処理を行う(ステップS2803)。すなわち、メイン液晶表示装置5において、制御用RAM145に記憶された加算後のポイントが表示される。
ステップS2803の処理を実行した場合、又は上記したポイント付与条件が満たされていないと判定した場合(ステップS2801)、ステップS2900の処理に処理が進められる。
[画像音響制御基板140による選択可能楽曲更新処理]
図45,46は、図35のステップS2900における選択可能楽曲更新処理の詳細フローチャートである。遊技者の所定の操作に基づいて楽曲選択画面を表示する際には、この選択可能楽曲更新処理によって更新された情報に基づく楽曲選択画面が表示される。
ステップS2800のポイント付与処理に続いて、統括CPU141は、まず、遊技が開始されたか否かを判定する(ステップS2901)。具体的には、例えば客待ち状態における客待ち演出を実行しているときに演出制御基板130から送信された変動開始コマンドを受信したか否かに基づいて、遊技が開始されたか否かを判定する。ここで、遊技が開始されていないと判定した場合(ステップS2901:NO)、ステップS3000の処理に処理が進められる。
統括CPU141は、遊技が開始されたと判定した場合(ステップS2901:YES)、パスワードを用いた遊技開始操作が行われたか否かを判定する(ステップS2902)。すなわち、遊技者によって開始された遊技が本遊技であるか否かを判定する。具体的には、ステップS2901の処理で「YES」と判定する直前に、第1コード画像の表示に対するパスワード入力があったか否かかに基づいてパスワードを用いた遊技開始操作が行われたか否かを判定する。パスワード入力があった場合には、本遊技が開始されたと判定でき、逆にパスワード入力がなかった場合には、フリー遊技が開始されたと判定できる。
統括CPU141は、パスワードを用いた遊技開始操作が行われたと判定した場合(ステップS2902:YES)、その入力されたパスワードに応じて、楽曲選択画面において選択可能な旧曲情報を生成する(ステップS2903)。具体的には、入力されたパスワードを解析することによって、これから遊技を開始する遊技者が前回の遊技終了時に選択可能であった旧曲を特定し、その特定結果に基づいて、遊技者が選択可能な旧曲の種類を示す旧曲情報を生成して制御用RAM145に格納する。
ステップS2903の処理に続いて、統括CPU141は、RTC134から取得したRTC情報に基づいて現在の日時を特定し(ステップS2904)、現在の日時に基づいて遊技者が選択可能な新曲の種類を示す新曲情報を生成して制御用RAM145に格納する(ステップS2905)。例えば、現在の日時が4月22日の水曜日(14:00)であれば、当該日時は新曲Dが公開された後から新曲Eが公開されるまでの期間であるため、新曲A〜新曲Dまでの新曲が選択可能な新曲情報として制御用RAM145に格納される。なお、例示した日時は、新曲Dの発表許可状態の期間でもある。
このように、パスワードを用いた遊技開始操作が行われてから遊技が開始された場合には、遊技者の過去の遊技履歴としての演出特典ポイントを反映した旧曲情報が生成される。このため、パスワード入力が行われて楽曲選択画面が表示された場合には、遊技者は、これまでに獲得した演出特典ポイントに応じた数だけ旧曲を選択することが可能である。また、新曲情報は、遊技者の遊技履歴とは無関係に、新曲発表演出での新曲の発表状況に基づいて生成されるので、新曲に関しては、新たな新曲の初回新曲発表演出が行われる毎に楽曲選択画面で選択可能な新曲が増えていくことになる。
一方、統括CPU141は、パスワードを用いた遊技開始操作が行われていないと判定した場合(ステップS2902:NO)、すなわちフロー遊技が開始された場合、ステップS2904の処理と同様に、現在の日時を特定する(ステップS2907)。
ステップS2907の処理に続いて、統括CPU141は、ステップS2503の処理と同様に、新曲全曲開放状態であるか否かを判定する(ステップS2908)。
統括CPU141は、新曲全曲開放状態ではないと判定した場合(ステップS2908:NO)、ステップS2905の処理と同様に、RTC134が示す現在の日時に基づいて、遊技者が選択可能な新曲の種類を示す新曲情報を生成して制御用RAM145に格納する(ステップS2909)。
統括CPU141は、新曲全曲開放状態であると判定した場合(ステップS2908:YES)、楽曲選択画面において全ての楽曲を選択可能とするための楽曲情報を生成して制御用RAM145に格納する(ステップS2910)。
また、ここではフリー遊技が開始されたと判定しているので、ステップS2909の処理を実行した場合、又はステップS2910の処理を実行した場合、遊技者が選択可能な旧曲の種類を示す旧曲情報としてデフォルトの旧曲情報を生成して制御用RAM145に格納する(ステップS2911)。こうして楽曲選択画面が表示される場合には、遊技者が旧曲a〜cの3曲の旧曲しか選択できない楽曲選択画面が表示されることになる(図9〜図11参照)。
ステップS2905の処理を実行した場合、又はステップS2911の処理を実行した場合、統括CPU141は、遊技が終了するか否かを判定する(ステップS2906)。具体的には、例えば演出制御基板130から送信された客待ち演出開始コマンドを受信したか否かに基づいて遊技が終了するか否かを判定する。ここで、遊技が終了すると判定した場合(ステップS2906:YES)、ステップS3000の処理に処理が進められる。
一方、統括CPU141は、遊技が終了しないと判定した場合(ステップS2906:NO)、図46に示す以下の処理を実行する。すなわち、統括CPU141は、遊技が終了していないと判定した場合(ステップS2706:NO)、遊技の進行に伴って旧曲追加条件を満たしたか否かを判定する(ステップS2921)。具体的には、ステップS2802の処理で更新された演出特典ポイントのポイント数が、新たな旧曲の選択を許可し得る数値に達したか否かに基づいて、旧曲追加条件を満たしたか否かが判定される。
統括CPU141は、旧曲追加条件を満たしたと判定した場合(ステップS2921:YES)、制御用RAM145に記憶されている演出特典ポイントの最新のポイント数に基づいて、制御用RAM145に記憶されている旧曲情報を更新する(ステップS2922)。なお、ステップS2921の処理及びステップS2922の処理は、本遊技とフリー遊技の双方の遊技において同様に行われる。
ステップS2922の処理を実行した場合、又は旧曲追加条件を満たしていないと判定した場合(ステップS2921:NO)、統括CPU141は、ステップS2907と同様に、RTC134が示す現在の日時を特定する(ステップS2923)。
ステップS2923の処理に続いて、統括CPU141は、特定した現在の日時に基づいて新曲追加条件を満たしたか否かを判定する(ステップS2924)。具体的には、特定した現在の日時と、図41に例示される公開管理テーブルとに基づいて、複数の発表許可日時のうちのいずれかの発表許可日時になったかを判断し、その判断結果に基づいて新曲追加条件を満たしたか否かを判定する。
統括CPU141は、新曲追加条件を満たしたと判定した場合(ステップS2924:YES)、すなわち新たな新曲の発表許可状態となった場合、楽曲選択画面が表示される際にその新たな新曲が選択可能となるように、制御用RAM145に記憶されている新曲情報を更新する(ステップS2925)。
ステップS2925の処理を実行した場合、又は新曲追加条件を満たしていないと判定した場合(ステップS2924:NO)、ステップS3000の処理に処理が進められる。
[画像音響制御基板140による客待ち時メニュー処理]
図47は、図36のステップS3000における客待ち時メニュー処理の詳細フローチャートである。ステップS2900の選択可能楽曲更新処理に続いて、統括CPU141は、客待ち演出中であるか否かを判定する(ステップS3001)。具体的には、VDP142が客待ち演出の描画処理を実行中であるか否かに基づいて、客待ち演出中であるか否かを判定する。
統括CPU141は、客待ち演出中であると判定した場合(ステップS3001:YES)、演出制御基板130から操作コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3002)。
統括CPU141は、操作コマンドを受信したと判定した場合(ステップS3002:YES)、メイン液晶表示装置5において第1コード画像の表示を選択する操作に対応するコマンドであるか否かを判定する(ステップS3003)。ここで、本実施形態では、客待ち演出の実行中において演出ボタン26が操作(押下)されるとメニュー画面が表示される。メニュー画面には、上述のコード画像を表示する項目が含まれており、演出キー27(例えば選択項目の変更に用いられる)による指示に応じて項目が選択され、項目に応じた処理が実行される。すなわち、「第1コード画像の表示を選択する操作に対応するコマンド」は、メニュー画面が表示された状態で、第1コード画像を表示する項目を選択した際に生成されるコマンドである。これは、第2コード画像についても同様である。
統括CPU141は、受信した操作コマンドが第1コード画像の表示を選択する操作に対応するコマンドであると判定した場合(ステップS3003:YES)、メイン液晶表示装置5において第1コード画像を表示する第1コード画像表示処理を実行する(ステップS3004)。具体的には、第1コード画像は、所定の遊技開始操作の際に生成される画像であり、管理サーバ71にアクセスするためのURLや遊技機識別情報等に基づいて生成され、メイン液晶表示装置5に表示される。
統括CPU141は、受信した操作コマンドが第1コード画像の表示を選択する操作に対応するコマンドではないと判定した場合(ステップS3003:NO)、当該コマンドがメイン液晶表示装置5において第2コード画像の表示を選択する操作に対応するコマンドであるか否かを判定する(ステップS3005)。
統括CPU141は、受信した操作コマンドが第2コード画像の表示を選択する操作に対応するコマンドであると判定した場合(ステップS3005:YES)、メイン液晶表示装置5において第2コード画像を表示する第2コード画像表示処理を実行する(ステップS3006)。具体的には、第2コード画像は、所定の遊技終了操作の際に生成される画像であり、パチンコ遊技機1内(本実施形態では制御用RAM145)に記憶されている本遊技に関する情報に基づいて生成され、メイン液晶表示装置5に表示される。またこのとき、遊技者の選択により、パチンコ遊技機1内に蓄積された本遊技に関する情報が消去される。
ステップS3006の処理に続いて、統括CPU141は、制御用RAM145に記憶されている本遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3007)。ここで、「本遊技フラグ」は、管理サーバ71から携帯端末72に送信されるパスワードを、パチンコ遊技機1に対して入力することで「ON」に設定され、第2コード画像がパチンコ遊技機1に表示されて遊技者の選択により本遊技情報が消去されることで「OFF」に設定される。すなわち、「本遊技フラグ」は、本遊技中に「ON」に設定され、それ以外のフリー遊技中には「OFF」に設定されるフラグである。
また、統括CPU141は、受信した操作コマンドが第2コード画像の表示を選択する操作に対応するコマンドではないと判定した場合(ステップS3005:NO)、パチンコ遊技機1に対応するパチンコ遊技機1に対するパスワード入力に対応するコマンドであるか否かを判定する(ステップS3008)。具体的には、遊技者が所定の遊技操作を行い、携帯端末72を介して第1コード画像を読み取って管理サーバ71にアクセスし、その際に携帯端末72によって受信されるパスワードがパチンコ遊技機1に対して入力されたか否かが判定される。
統括CPU141は、受信した操作コマンドがパスワード入力に対応するコマンドであると判定した場合(ステップS3008:YES)、制御用RAM145に記憶されている本遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS3009)。
ステップS3009の処理に続いて、統括CPU141は、入力されたパスワードに基づいて、制御用RAM145に演出特典ポイントのポイント情報をセットし(ステップS3011)、さらにそのポイント数に応じた旧曲情報を含む特典情報をセットする(ステップS3011)。これにより、前回の遊技終了時におけるポイント数及び旧曲情報等を引き継いで遊技を始めることが可能である。
統括CPU141は、受信した操作コマンドはパスワード入力のコマンドではないと判定した場合(ステップS3008:NO)、操作に応じた処理を実行する(ステップS3012)。例えば、客待ち演出の実行中に演出ボタン26の操作が行われた場合には、メニュー画面を表示する。
ステップS3012の処理を実行した場合、ステップS3011の処理を実行した場合、ステップS3007の処理を実行した場合、ステップS3004の処理を実行した場合、客待ち演出中ではないと判定した場合(ステップS3001:NO)、又は操作コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS3002:NO)、ステップS3100の処理に処理が進められる。
[本実施形態の作用効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、遊技者の操作に関連した信号、具体的には球貸ボタン206が操作されて貸球か払い出されることで生成される貸球情報を含む信号、又はハンドル20のレバーの操作に応じて発射された最初の遊技球が検知されることで生成される発射球検知信号に基づいて遊技が開始されたと判定された場合、始動口11,12への遊技球の入賞に基づいて実行される特別図柄判定の判定結果とは無関係に、遊技が開始された状態であることを示唆する遊技開始時演出を実行させることができる。これにより、客待ち演出の実行中に遊技者によって遊技が開始された場合であっても、遊技球が始動口11,12へ入賞して特別図柄判定が実行されるまで客待ち演出が継続されることはなく、その客待ち演出の替わりに遊技開始時演出が実行されるため、演出の興趣性を向上させることができる。
また、本実施形態では、遊技に関する情報、具体的には大当たりによる累積賞球数、球貸ボタン206の操作に基づく累積貸球数、本遊技状態であるか否かに関する情報、BGM等のカスタマイズ情報、又はRTC情報に基づいて行われる新曲発表演出に関する情報に基づいて、遊技開始時演出の演出内容を変化させることができる。これにより、遊技開始時演出の演出内容が単調化することが防止でき、演出の興趣性をより高めることができる。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の形態であってもよい。
上記実施形態では、客待ち演出中に、球貸ボタン206の操作に基づいて遊技球が払い出された場合、又はハンドル20のレバー21の操作に応じて発射された最初の遊技球が発射球検知スイッチ123によって検知された場合に、遊技開始時演出が実行される例について説明したが、他の構成の実施形態であっても構わない。例えば、客待ち演出中に、ハンドル20に設けられたタッチセンサ208の検知信号が検知され、当該検知信号が演出制御基板130で受信された場合に遊技開始時演出が実行されてもよい。また、客待ち演出中に、ハンドル20のレバー21が操作されて、発射ボリューム209によって発射制御基板201に所定の電圧が供給された際に、発射制御基板201において所定の発射ボリューム信号を生成し、当該信号が演出制御基板130で受信された場合に遊技開始時演出が実行されてもよい。
上記実施形態では、球貸ボタン206の操作に基づいて遊技球が払い出されることと、ハンドル20のレバー21の操作に応じて発射された最初の遊技球が発射球検知スイッチ123によって検知されることの2つの条件を用意し、その2つの条件のうちの1つが客待ち演出中に満たされた場合に遊技開始時演出が実行される例について説明したが、他の構成の実施形態であってもよい。例えば、球貸ボタン206の操作に基づいて遊技球が払い出されることと、ハンドル20のレバー21の操作に応じて発射された最初の遊技球が発射球検知スイッチ123によって検知されることと、タッチセンサ208の検知信号が検知されることと、ハンドル20のレバー21が操作されて、発射ボリューム209によって発射制御基板201に所定の電圧が供給された際に、発射制御基板201において所定の発射ボリューム信号を生成し、当該信号が演出制御基板130で受信されることのうちのいずれか1つを用意し、その1つの条件が満たされた場合に遊技開始時演出が実行されるようにしてもよい。
上記実施形態では、ハンドル20のレバー21の操作に応じて発射された最初の遊技球が発射球検知スイッチ123によって検知された場合に遊技開始時演出が実行される例について説明したが、他の実施形態では、ハンドル20のレバー21の操作に応じて発射された遊技球が発射球検知スイッチ123に検知される度に遊技開始時演出が実行されてもよい。ただし、かかる制御を採用する場合、発射された2つ目以降の遊技球が検知される度にメイン液晶表示装置5に表示する遊技開始時演出を実行すると、装飾図柄を用いた変動表示等の視認性が低下するおそれがある。そのため、例えば、ハンドル20にLED等の発光装置を設け、発射された2つ目以降の遊技球が検知される際には当該発光装置を用いた遊技開始時演出が実行されるようにしてもよい。なお、ハンドル20に設けた発光装置による遊技開始時演出のみが実行されるようにしてもよい。
上記実施形態では、遊技開始時演出が開始された後、所定時間が経過するまでに遊技球が始動口11,12に入賞しない場合、当該遊技開始時演出が終了して客待ち演出が実行され、再び遊技者によって所定の操作手段(本実施形態ではハンドル20のレバー21又は球貸ボタン206)が操作されて「遊技開始の所定の条件」が満たされると、実行中の客待ち演出を終了し、遊技開始時演出が実行される例を説明したが、他の構成の実施形態であってもよい。例えば、パチンコ遊技機1への電源の投入後に遊技開始時演出が1度実行されると、その後当該パチンコ遊技機1への電源が遮断されるまでは遊技開始時演出が実行されないようにしてもよい。
上記実施形態では、客待ち演出中であれば、どのようなタイミングであっても、球貸ボタン206の操作に基づいて遊技球が払い出されたり、ハンドル20のレバー21の操作に応じて発射された最初の遊技球が発射球検知スイッチ123によって検知されたりすれば、遊技開始時演出が実行されるとして説明した。しかしながら、他の実施形態では、例えば、客待ち演出が開始されて所定時間経過しなければ上記条件が満たされても遊技開始時演出が実行されない構成であってもよい。また、1度遊技開始時演出が実行された後は、その後所定回数(例えば5回)の客待ち演出が実行されなければ、客待ち演出中に上記条件が満たされても遊技開始時演出が実行されない構成としてもよい。
上記実施形態では、始動口11,12へ遊技球が入賞する以前に遊技者によって操作された操作に関する情報に基づいて遊技開始時演出を実行する例について説明したが、他の実施形態では、遊技球が始動口11,12に入賞して特別図柄判定が実行される条件が満たされた場合に、当該特別図柄判定の判定結果とは無関係に遊技開始時演出を実行するようにしてもよい。具体的には、例えば第1特別図柄判定が実行されて装飾図柄による変動表示が開始されるのと同時に、その変動表示による演出に並行して上記した遊技開始時演出が開始されるようにしてもよい。このとき、装飾図柄による変動表示をサブ液晶表示装置6で行い、遊技開始時演出をメイン液晶表示装置5で行うようにしてもよい。
上記実施形態では、客待ち演出が実行されていることを1つの条件として遊技開始時演出を実行するか否かを決定する例を説明したが、他の実施形態では、客待ち演出が実行されていることを条件から省き、当該条件の替わりに、演出制御基板130における変動演出終了コマンドをセットしてからの経過時間を、遊技開始時演出を実行するか否かを決定する条件としてもよい。かかる構成によれば、変動演出終了コマンドをセットしてから所定時間が経過しても、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信しなかった場合に、球貸ボタン206の操作に基づいて貸球が払い出されたり、又はハンドル20のレバー21の操作に応じて発射された最初の遊技球が発射球検知スイッチ123によって検知されたりすることで、遊技開始時演出が実行される。一方、変動演出終了コマンドをセットしてから所定時間内に遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した場合には、球貸ボタン206の操作に基づいて貸球が払い出されたり、又はハンドル20のレバー21の操作に応じて発射された最初の遊技球が発射球検知スイッチ123によって検知されたりしても遊技開始時演出は実行されない。
上記実施形態では、遊技開始時演出が実行される場合、それまで実行されていた客待ち演出を終了する制御を例に説明したが、他の実施形態では、遊技開始時演出が実行される場合でも客待ち演出を終了せず、同時並行的に遊技開始時演出と客待ち演出とが実行されるようにしてもよい。かかる制御を採用した場合、例えば、遊技開始時演出で用いる演出画像が、客待ち演出で用いる演出画像よりも上位のレイヤー画像となるように演出制御を行うことで実現することができる。すなわち、客待ち演出で用いる演出画像が、遊技開始時演出で用いる演出画像に対して背面に位置する画像、つまり背景画像となるように演出制御を行うことが挙げられる。また、メイン液晶表示装置5において遊技開始時演出を実行しつつ、サブ液晶表示装置6において客待ち演出を実行するようにしてもよい、
上記実施形態では、上記5種類の演出パターンA〜Eを用意し、取得した遊技開始時演出パターン乱数に基づいてランダムにいずれか2の演出パターンが選択される例について説明したが、他の構成の実施形態であってもよい。例えば、上記5種の演出パターンのうちいずれか1の演出パターンのみを用意し、遊技開始時演出が実行される場合は、その1の演出パターンに基づいた演出内容の演出が実行されるようにしてもよい。
また、上記実施形態のように複数の演出パターンを用意し、予め設定された条件に基づいた優先順位でいずれか1の演出パターンが選択されるようにしてもよい。例えば、特定の条件が満たされていない通常時には、所定の演出パターンが相対的に選択され易く、特定の条件が満たされると、特定の演出パターンが相対的に選択され易くなるようにしてもよい。具体的には、通常時において、例えば、カスタマイズ情報に基づく演出内容の演出パターンと、RTC情報に基づく演出に関する演出内容の演出パターンが相対的に選択され易くする。これに対して、本遊技状態で遊技が開始されたり、大当たり遊技によって賞球が行われたり、球貸ボタン206の操作に基づく貸球が一定値を超えたりして、特定の条件が満たされると、その特定の条件に対応する演出パターンの遊技開始時演出が相対的に選択され易くなる。かかる制御を採用することで、例えばパチンコホールが開店してすぐの時間帯に実行される遊技開始時演出の演出パターンの傾向と、夕方や夜の時間帯に実行される遊技開始時演出の演出パターンの傾向とを、遊技に関する情報に基づいて変化させることが可能となる。
上記実施形態では、遊技開始時演出の演出パターンとして、大当たりによる累積賞球数に基づく演出内容の演出パターンを例に説明したが、他の構成の実施形態であってもよい。例えば、パチンコホールが開店してから遊技開始時演出が実行される条件が満たされるまでの期間において実行された大当たり遊技の累積数に基づいた演出内容の演出パターン、あるいはパチンコホールが開店してから遊技開始時演出が実行される条件が満たされるまでの期間において実行された大当たり遊技の最大連チャン数に基づいた演出内容の演出パターン等が挙げられる。また、上記期間の他、遊技開始時演出が実行される条件が満たされるまでの所定時間前から当該条件が満たされるまでの期間において実行された大当たり遊技の累積数や、最大連チャン数に基づいた演出内容の演出パターンであってもよい。かかる制御を実現するためには、本遊技やフリー遊技に関わらず、画像音響制御基板140の制御用RAM145において大当たり遊技の累積数や連チャン数を記憶させる処理を行う必要がある。
また、他の実施形態では、パチンコホールが開店してから遊技開始時演出が実行される条件が満たされるまでの期間において実行された特定の演出に関する情報に基づいた演出内容の演出パターンの遊技開始時演出が実行されてもよい。例えば、特定の演出には、変動時間が相対的に長く、大当たりとなる期待度が相対的に高いリーチ演出の出現回数や、大当たりとなることを示唆するいわゆるプレミアム予告演出の出現回数等が挙げられる。
また、上記実施形態では、遊技状態として、通常遊技状態と時短遊技状態とに制御できる一方で、特別図柄判定における大当たりと判定される割合が通常遊技状態に比べて相対的に高い確変遊技状態に制御できない構成について説明したが、他の実施形態では確変遊技状態に制御できる構成であってもよい。かかる構成の遊技機を採用した場合、例えば電チューサポート機能が付与されない確変遊技状態(いわゆる潜伏確変状態)を制御可能とし、遊技開始時演出において、この潜伏確変状態を示唆する演出を行うようにすることが挙げられる。このように、遊技状態に基づく演出内容の演出パターンの遊技開始時演出を実行することで、これから遊技を開始する遊技者に対して、もしかして確変中といった期待を抱かせることが可能となる。
上記実施形態では、メイン液晶表示装置5で遊技開始時演出が実行される例について説明したが、他の実施形態では、例えばメイン液晶表示装置5及びサブ液晶表示装置6の双方で遊技開始時演出が実行されてもよい。
上記実施形態では、メイン液晶表示装置5を用いた表示演出によって遊技開始時演出を実行する例について説明したが、他の構成の実施形態であってもよい。例えば、上記実施形態において表示演出で使用された言葉をスピーカ24から出力する音声による遊技開始時演出を実行してもよい。また、遊技開始時演出用の役物やランプを用意し、その役物を用いて遊技開始時演出を実行するようにしてもよい。また、メイン液晶表示装置5に加えて、スピーカ24、遊技開始時演出用の役物、ランプのうちの少なくとも1の演出手段を用いて遊技開始時演出を実行してもよい。また、上記した表示による遊技開始時演出と客待ち演出とが同時並行的に実行されるのと同様、スピーカ24から出力する音声による遊技開始時演出、又は役物等による遊技開始時演出と客待ち演出とが同時並行的に実行されるようにしてもよい。
また、上記実施形態のパチンコ遊技機1とは異なり、客待ち状態となってから所定時間が経過すると、メイン液晶表示装置5を用いた演出を行わないいわゆる「エコモード」状態となり、「エコモード中」と表示しつつ、通常時より画面の照度を落とす画面制御が実行されるパチンコ遊技機を採用してもよい。かかるパチンコ遊技機1を採用した場合、例えば発射球検知スイッチ123によって遊技球が検知されたことを条件に「エコモード」状態を解除して所定の演出を行うことができる。なお、ここでの「所定の演出」には、上記した遊技開始時演出等が挙げられる。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例に過ぎず、他の構成であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
また、上記実施形態では、本発明がパチンコ遊技機に適用された場合を例に説明したが、本発明は、例えばメダルを用いて遊技を行う回胴式遊技機等の他の遊技機にも適用可能である。例えば回胴式遊技機を採用する場合、遊技者によってメダルが回胴式遊技機に対して投入されたときに、上記したような遊技開始時演出が実行されるようにしてもよい。
また、回胴式遊技機には、大当たり遊技終了後の所定のゲーム数に達するまでの期間、大当たりに当選する期待度が通常モードに比べて相対的に高くなるモード(以下「高確モード」という)を備えたものがある。この種の回胴式遊技機では、大当たり遊技終了時に通常モードと高確モードの抽選が行われ、高確モードが選択された場合は所定のゲーム数に達するまでその高確モードが継続する。一方、高確モードが選択された場合であっても、所定のゲーム数の間に大当たりに当選しなければ高い割合で通常モードに降格する。このような事情に鑑み、回胴式遊技機には、所定の操作手段を操作することで、その操作に基づいて大当たり遊技終了後と同様の状態に設定できるものがある。そこで、かかる構成の回胴式遊技機を採用した場合、記憶手段において所定の操作手段が操作されたか否かを記憶可能にし、その操作情報に基づいた演出内容の演出パターンで遊技開始時演出が実行されるようにしてもよい。
[本発明に係るパチンコ遊技機の構成と作用効果]
以上説明したように、本実施形態の遊技機は、以下のような構成であっても構わない。
一実施形態に係る遊技機(1)は、始動条件の成立に応じて遊技者にとって有利な特別遊技を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段(S3)と、遊技者の操作に関連した信号を検知する操作検知手段(123,160)と、前記操作検知手段により信号が検知された場合、前記特別遊技を実行するか否かの判定の結果とは無関係に当該信号に基づいて遊技が開始されたか否かを判定する遊技開始判定手段(S1102,S1103)と、前記遊技開始判定手段により遊技が開始されたと判定された場合、所定の演出を実行可能である特定演出制御手段と、を備える。
かかる構成によれば、遊技者の操作に関連した信号に基づいて遊技が開始されたと判定された場合、特別遊技を実行するか否かの判定の結果とは無関係に所定の演出の実行が可能であるため、演出の興趣性を向上させることができる。
他の構成では、遊技に関連する情報を記憶する遊技記憶手段(145)を備え、前記特定演出制御手段は、前記遊技記憶手段に記憶される情報に基づいて実行する前記所定の演出の演出内容を変化させてもよい。
かかる構成によれば、記憶手段に記憶される情報に基づいて実行する所定の演出の演出内容を変化させることができるため、演出の興趣性をより向上させることができる。
1 パチンコ遊技機
5 メイン液晶表示装置
6 サブ液晶表示装置
11 第1始動口
12 第2始動口
41 第1特別図柄表示器
42 第2特別図柄表示器
111 第1始動口スイッチ
112 第2始動口スイッチ
123 発射球検知スイッチ
100 遊技制御基板
130 演出制御基板
131 サブCPU
132 サブROM
133 サブRAM
140 画像音響制御基板
141 統括CPU
144 制御用ROM
145 制御用RAM
160 払出制御基板
206 球貸ボタン

本発明に係る遊技機は、始動条件の成立に応じて遊技者にとって有利な特別遊技を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段と、遊技者の所定の操作に関連した信号を検知する操作検知手段と、遊技が開始されたか否かを判定する遊技開始判定手段と、遊技が継続中か否かを判定する遊技継続判定手段と、遊技に関する情報を記憶する遊技記憶手段と、所定の演出を実行可能である演出制御手段と、を備え、前記遊技開始判定手段は、前記操作検知手段によって前記信号が検知され、且つ前記遊技継続判定手段によって遊技が継続中ではないと判定された場合に、遊技が開始されたと判定することが可能であり、前記演出制御手段は、前記遊技開始判定手段によって遊技が開始されたと判定された場合、所定の遊技開始時演出を実行可能であり、前記遊技開始時演出を実行する場合、当該遊技開始時演出の複数の演出パターンのうちから1つの演出パターンを決定するとともに、決定された演出パターンで使用される演出内容を前記遊技記憶手段に記憶された情報に基づいて決定可能である

Claims (2)

  1. 始動条件の成立に応じて遊技者にとって有利な特別遊技を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段と、
    遊技者の操作に関連した信号を検知する操作検知手段と、
    前記操作検知手段により信号が検知された場合、前記特別遊技を実行するか否かの判定の結果とは無関係に当該信号に基づいて遊技が開始されたか否かを判定する遊技開始判定手段と、
    前記遊技開始判定手段により遊技が開始されたと判定された場合、所定の演出を実行可能である特定演出制御手段と、を備える、遊技機。
  2. 遊技に関連する情報を記憶する遊技記憶手段を備え、
    前記特定演出制御手段は、前記遊技記憶手段に記憶される情報に基づいて実行する前記所定の演出の演出内容を変化させる、遊技機。


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