JP2016198158A - ステント - Google Patents

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Abstract

【課題】患者や施術者の過度の負担を回避しつつ体内管腔の再狭窄を効果的に防止することができる、新規な構造のステントを提供する。【解決手段】ステント10において、第1の隙間18が設けられた第1の骨格構造12と第2の隙間26が設けられた第2の骨格構造14とが分離不能に一体化された周壁構造とされており、該第2の骨格構造14における該第2の隙間26が該第1の骨格構造12によって小さくされている。これにより、ステントの隙間を通じてのプラークの突出や管腔の再狭窄が効果的に防止され得ると共に、患者や施術者の負担も確実に軽減され得る。【選択図】図1

Description

本発明は、血管等の体内管腔へ挿入されて留置されるステントに関するものである。
従来から、血管等の管腔に狭窄や閉塞などの異常が発生した場合に、例えば管腔内の狭窄部位へステントを挿入して管腔を広げた状態に保持するステント治療が行われている。このステントは拡縮変形を可能にすると共に、生体への負担軽減や生体融合性の向上などを考慮して、例えば特開2007−267844号公報(特許文献1)等に記載されているように、メッシュ状やコイル状などの骨格構造が採用されており、周壁部分を内外に貫通して開口する多くの窓状の隙間が設けられている。
ところで、狭窄を形成している組織が柔らかい粥腫である場合には、ステントの骨格構造をなすストラット間の隙間を通じて粥腫が再突出して、ステントの留置位置において再狭窄が発生するおそれがあった。また、ステントの内周側に再突出した粥腫が血流によりステント留置位置の下流に拡散してしまい、ステント留置位置の下流で再狭窄が発生するおそれもあった。
そこで、特表2004−522494号公報(特許文献2)には、先に血管内へ留置した第1ステントの内部へ、更に第2ステントをデリバリして第1ステントの内周へ重ね合わせ状態で再留置する技術が開示されている。この従来技術では、第1ステントの隙間を通じて再突出する粥腫を、後から留置した第2ステントで抑えることができるとされている。
しかしながら、上記特許文献2に記載の従来技術では、第1ステントを留置してから所定期間後に、第2ステントを第1のステント内に留置する必要があることから、複数回ステントを留置する手術を行う必要があり、患者にとって大きな負担となるものであった。
特開2007−267844号公報 特表2004−522494号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題とするところは、患者や施術者の過度の負担を回避しつつ体内管腔の再狭窄を効果的に防止することができる、新規な構造のステントを提供することにある。
本発明の第1の態様は、第1の隙間が設けられた第1の骨格構造と第2の隙間が設けられた第2の骨格構造とが分離不能に一体化された周壁構造とされており、該第2の骨格構造における該第2の隙間が該第1の骨格構造によって小さくされていることを特徴とするステントである。
本態様に従う構造とされたステントによれば、第1の隙間を有する第1の骨格構造と第2の隙間を有する第2の骨格構造とが相互に分離不能に一体化された複合的な周壁構造とされている。それ故、例えば第2の骨格構造で血管等の管腔の周壁に対する支持強度を確保しつつ、第1の骨格構造で第2の隙間を小さくして、ステント留置後のプラークの再突出を効果的に抑制することも可能となる。
特に、本態様に係るステントは、第1の骨格構造と第2の骨格構造とが相互に分離不能に一体化された周壁構造とされていることから、前記特許文献2に記載の従来技術のように第1のステントを留置した後に第2のステントを留置する等の複数回の手術を必要とするものではなく、1度の手術により管腔内に留置される。これにより、患者や施術者の負担が確実に軽減され得る。
本発明の第2の態様は、前記第1の態様に係るステントにおいて、前記第1の骨格構造がメッシュ状とされている一方、前記第2の骨格構造が長さ方向に折り返しながら周方向に延びるコイル状とされており、該第2の骨格構造の内周側に該第1の骨格構造が位置して一体化されているものである。
本態様に従う構造とされたステントによれば、内周側の第1の骨格構造がメッシュ状とされていることから、内周側に開口する隙間が比較的小さくされて、ステント内周面は凹凸の少ない湾曲面とされる。これにより、ステントの管腔内への留置状態でステント内を流動する血流等の淀みや乱流が抑制されて、血栓の形成、および血栓がステントの内周面に付着して管腔が再狭窄してしまうことが一層効果的に抑えられ得る。
一方、外周側の第2の骨格構造が、軸方向に折り返しながら周方向に延びるコイル状とされており、外周側に開口する隙間が比較的大きくされて、ステント外周面には骨格構造に伴う凹凸が内周面よりも大きく形成される。これにより、管腔へのステント留置時には、外周面の凸部が管腔壁に食い込むように押し付けられることから、当該凸部によるステントの位置決め効果の向上が図られる。なお、本態様における第2の骨格構造は、例えば周方向に環状に延びるコイル状セルの複数を軸方向で直列的に並べると共にリンクによって相互に連結してチューブ状とした構造の他、軸方向に所定のリード角で延びてらせん状に繋がったコイル状構造等が採用され得る。
本発明の第3の態様は、前記第1の態様に係るステントにおいて、前記第1の骨格構造がメッシュ状とされている一方、前記第2の骨格構造が長さ方向に折り返しながら周方向に延びるコイル状とされており、該第2の骨格構造の厚さ方向中間部分に該第1の骨格構造が位置して一体化されているものである。
本態様に従う構造とされたステントによれば、メッシュ状の第1の骨格構造がコイル状の第2の骨格構造に入り込むようにして厚さ方向中間部分に位置していることから、第1の骨格構造と第2の骨格構造とが内外で重ね合わされる場合に比べて、ステントの厚さ寸法(径方向寸法)が小さく抑えられ得る。これにより、ステントを管腔内へ留置した際の血流等の阻害が抑えられると共に、やステントの内周面への血栓等の付着に伴う管腔の再狭窄もより効果的に防止され得る。
また、本発明のステントを構成する第1及び第2の骨格構造としては、以下の如き態様も採用可能である。
本発明の第4の態様は、前記第1の態様に係るステントにおいて、前記第1の骨格構造と前記第2の骨格構造との何れもがメッシュ状とされており、これら第1の骨格構造と第2の骨格構造とが周壁の厚さ方向で重ね合わせ状態とされているものである。
本発明の第5の態様は、前記第1の態様に係るステントにおいて、前記第1の骨格構造と前記第2の骨格構造との何れもが軸方向で折り返しながら周方向に延びるコイル状とされており、これら第1の骨格構造と第2の骨格構造とが周壁の厚さ方向で重ね合わせ状態とされているものである。
例えば、上記特許文献2に記載の従来構造のように前記第1のステントの留置後に第2のステントが留置される場合には、両ステントの骨格構造が同位置で重なり合い、隙間が小さくならず、プラークの再突出および管腔の再狭窄が防止されないおそれがあるが、本発明に従う第4及び第5の態様のステントでは、メッシュ状またはコイル状の同種の骨格構造を第1及び第2の骨格構造として採用した場合でも予め一体化されていることにより、確実に隙間を小さくして目的とする効果を安定して得ることができる。
従って、第4及び第5の態様に従う構造とされたステントによれば、例えば第1の骨格構造と第2の骨格構造として同一のものを採用することも可能となる。
また、第4及び第5の態様に従う構造とされたステントによれば、単体の骨格構造では強度が不十分な場合であっても、それを2つ重ねるだけでなく、互いに一体化されることで、厚さ寸法の増大を回避しつつ強度や剛性を効率的に確保することも可能となる。しかも、単に隙間の小さいメッシュ状やコイル状の骨格構造では達成し難い特性であっても、第1の骨格構造と第2の骨格構造の選択や相互の一体化条件などを考慮することで実現することが可能になり、ステントの特性の設定自由度も大きく確保され得る。
本発明の第6の態様は、前記第4又は第5の態様に係るステントにおいて、前記第1の骨格構造における前記第1の隙間が前記第2の骨格構造で小さくされており、且つ該第2の骨格構造における前記第2の隙間が該第1の骨格構造で小さくされているものである。
本態様に従う構造とされたステントによれば、例えば第1の骨格構造と第2の骨格構造とにおいてそれぞれの隙間が相互に小さくされることで、骨格構造の複合化による隙間の縮小効果がより効率的に達成され得る。
本発明の第7の態様は、前記第4〜第6の態様に係るステントにおいて、前記第1の骨格構造における前記第1の隙間が前記第2の骨格構造における前記第2の隙間よりも小さくされていると共に、該第1の骨格構造の外周側に該第2の骨格構造が重ね合わされているものである。
本態様に従う構造とされたステントによれば、外周側に比べて内周側の方が軸方向の間隔、即ち骨格構造における隙間が小さくされていることから、内周面をより凹凸の小さい湾曲面とすることができる一方、外周面には大きい凹凸が形成され得る。これにより、血栓等の発生を抑えて管腔の再狭窄を防止する効果や、外周面の凸部が管腔壁に食い込むことに伴うステントの位置決め効果がより有効に発揮され得る。
本発明の第8の態様は、前記第1〜第7の態様に係るステントにおいて、前記第1の骨格構造と前記第2の骨格構造の少なくとも一方が、電鋳又はエッチングにより相互に一体化された構造をもって形成されているものである。
本態様に従う構造とされたステントによれば、レーザーカット等に比べて、廃棄される部分を少なくすることができることから歩留まりの向上が図られ得ると共に、形状や材質を適宜調節可能であることから設計自由度の向上が図られ得る。
特に、メッシュ状のチューブを第1の骨格構造や第2の骨格構造として採用する場合には、電鋳やエッチングで形成されたものを採用することでチューブ開口端における繋ぎ合わせ等の面倒な端部処理を不要とすることも可能となる。
また、ステント周壁の厚さ方向で第1の骨格構造と第2の骨格構造とを内周側や外周側又は厚さ方向中間部分に挟むようにして重ね合わせた構造を採用するに際して、適切なマスキング等を施すことで、それら第1の骨格構造と第2の骨格構造を連続的に且つ一体的に電鋳やエッチングで形成することが可能となる。その結果、事後的な接着や溶着などによる第1の骨格構造と第2の骨格構造の固着に比して特性の安定性と信頼性の大幅な向上が図られ得る。
本発明に従う構造とされたステントによれば、第1の骨格構造と第2の骨格構造が複合的に一体化されて小さな隙間が効率的に且つ安定して形成されることから、ステントの隙間を通じてのプラークの突出や管腔の再狭窄といった問題が効果的に防止され得る。また、かかる隙間の小さなステントが、1度の手術により患者の管腔内へ留置され得ることから、患者や施術者の負担も確実に軽減され得る。
本発明の第1の実施形態としてのステントを示す斜視図。 図1におけるII−II断面の要部を拡大して示す横断面図。 本発明の第2の実施形態としてのステントの要部を拡大して示す横断面図であって、図2に対応する図。 本発明の第3の実施形態としてのステントを示す平面図。 図4に示されるステントを構成する第1の骨格構造を示す平面図。 図4に示されるステントを構成する第2の骨格構造を示す平面図。 本発明の第4の実施形態としてのステントを示す平面図。 図7に示されるステントを構成する第1の骨格構造を示す平面図。 本発明の第5の実施形態としてのステントを示す斜視図。 本発明のステントにおける別の態様を示す平面図。 図10に示されるステントを構成する第1の骨格構造を示す平面図。 図10に示されるステントを構成する第2の骨格構造を示す平面図。 本発明とは別の発明として把握され得るステントの1態様を示す斜視図。 図13に示されるステントの要部を拡大して示す斜視図。 図13に示されるステントの要部を拡大して別の方向から示す斜視図。 図13に示されるステントの要部を拡大して更に別の方向から示す斜視図。 図13に示されるステントを周上の1部で切り開いて示す展開図。 本発明とは別の発明として把握され得るステントの別の態様を示す平面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1,2には、本発明の第1の実施形態としてのステント10が示されている。このステント10は、第1の骨格構造12と第2の骨格構造14とが内外で相互に重ね合わされて分離不能に一体化された周壁構造をもって形成されている。なお、図1,2中では、ステント10が、収縮や拡張される前の成形状態で示されている。また、以下の説明において、軸方向とは、ステント10が延びる軸方向である図2中の紙面手前奥方向を言う。
より詳細には、第1の骨格構造12は、メッシュ状の周壁を有するスリーブ構造とされている。即ち、第1の骨格構造12は、軸方向視で周方向の一方向(例えば、図2中時計回り)にらせん状に巻回して軸方向に延びる小径のワイヤ16aと周方向の他方向(例えば、図2中反時計回り)にらせん状に巻回して軸方向に延びる小径のワイヤ16bとが、それぞれ等間隔に複数整列して配置されることで構成されている。従って、かかるメッシュ状の骨格構造では、略一定の大きさの菱形開口を形成する基本構造のセルが周方向と軸方向でそれぞれ一定ピッチで連続する繰り返し構造とされている。
そして、かかるワイヤ16a,16bにより構成されるメッシュ構造における多数のセルの各隙間が第1の隙間18とされている。即ち、かかる隙間18は、略一定の大きさで周方向と軸方向でそれぞれ一定ピッチで繰り返して設けられている。
また、第2の骨格構造14は、1本のストラットである線状体20が軸方向に折り返しながら周方向にらせん状に延びる円筒コイル構造とされている。なお、1本の線状体20により一繋ぎで形成された第2の骨格構造14は、周上の複数箇所において、軸方向で隣り合って位置する部位間を繋ぐリンク状の接続部24によって連結されて補強されている。従って、かかる第2の骨格構造14は、略一定の周期で軸方向に折り返す基本構造のセルが周方向と軸方向でそれぞれ一定ピッチで連続する繰り返し構造とされている。
そして、かかる線状体20の軸方向の折り返しにより一定ピッチで構成される第2の骨格構造14のセルによって、らせん状に配列された多数の第2の隙間26が構成されている。また、この第2の隙間26は、周方向と軸方向でそれぞれ一定ピッチで繰り返して位置している。なお、本実施形態では、第2の隙間26に対して、第1の隙間18の方が小さくなるように、ワイヤ16a,16bの軸方向の間隔や、線状体20における軸方向の折り返しピッチ(周方向の周期)等が設定されている。
かかる構造とされた第1の骨格構造12に対して第2の骨格構造14が外周側に重ね合わされた形状をもって、本実施形態のステント10が構成されている。そして、ステント10では、第1の骨格構造12と第2の骨格構造14とが相互に重ね合わされて、第1の隙間18が第2の骨格構造14のストラット(線状体20)で仕切られて小さくされていると共に、第2の隙間26が第1の骨格構造12のワイヤ16a,16bで仕切られて小さくされている。
具体的には、ステント10の径方向において、第1の隙間18上に第2の骨格構造14を構成する線状体20が位置していると共に、第2の隙間26上に第1の骨格構造12を構成するワイヤ16a,16bが位置している。これにより、第1の骨格構造12と第2の骨格構造14とがそれぞれ単体で存在している場合に比べて、径方向でステントを貫通する隙間の大きさが小さくなるようにされている。
なお、第1の骨格構造12と第2の骨格構造14の軸方向寸法は何等限定されるものではなく、一方の骨格構造の軸方向端部から他方の骨格構造が突出していてもよいが、本実施形態では、第1の骨格構造12と第2の骨格構造14との軸方向寸法が略等しくされている。更に、第1の骨格構造12の軸方向端部の形状が第2の骨格構造14と略同じ形状とされることにより、第2の骨格構造14の軸方向端部から第1の骨格構造12が突出しないようにされている。また、第1の骨格構造12と第2の骨格構造14の径方向幅寸法は何等限定されるものではないが、本実施形態では、第2の骨格構造14の径方向幅寸法、即ち線状体20の厚さ寸法に比べて、第1の骨格構造12の径方向幅寸法、即ちワイヤ16a,16bの厚さ寸法の方が小さくされている。
上記の如き形状とされたステント10は、第1の骨格構造12と第2の骨格構造14とを別々に製造した後、第1及び第2の骨格構造12,14を相互に重ね合わせて溶着や接着により分離不能に固着してもよいが、本実施形態では、上記の如き形状とされたステント10が電鋳により形成されている。これにより、第1の骨格構造12と第2の骨格構造14とが分離不能に一体的に形成されるようになっている。なお、第1の骨格構造12と第2の骨格構造14とが別々に製造される場合には、それぞれの骨格構造12,14の製造方法は何等限定されるものではなく、電鋳やレーザーカット等従来公知の製造方法が採用され得る。
また、本実施形態のステント10は、例えばステントデリバリカテーテルによって、管腔の狭窄部位までデリバリされて、ステントデリバリカテーテルに設けられたバルーンによって拡径されて、狭窄部位を拡張するようになっている。かかるステント10の材質は何等限定されるものではないが、例えばステンレス鋼により好適に形成され得る。或いは、ステント10が、ステントデリバリカテーテルからリリースされた後、患者の体温により自動的に拡張する自己拡張型のステントとされる場合には、例えば第1及び第2の骨格構造12,14の少なくとも一方がニッケル−チタン合金により形成されることが好適である。
上記の如き構造とされた本実施形態のステント10は、第1の骨格構造12と第2の骨格構造14が重ね合わされた形状をもって形成されていることから、第1の骨格構造12や第2の骨格構造14が単体で存在している場合に比べて、第1の隙間18および第2の隙間26の大きさを小さくすることができる。これにより、ステントの隙間を通じてのプラークの再突出が抑制されて、管腔の再狭窄が効果的に防止され得る。
また、ステント10が、第1の骨格構造12と第2の骨格構造14とが重ね合わされた形状をもって一体的に形成されることから、隙間の小さなステントを留置するに際して、第1の骨格構造12と第2の骨格構造14を別々のタイミングで留置する等の複数回の手術を行う必要がなく、患者の管腔内に1度の手術で留置され得る。これにより、患者や施術者の負担が確実に軽減され得る。
特に、本実施形態では、第1の骨格構造12に対して第2の骨格構造14が外周側に重ね合わされており、メッシュ構造とされた第1の骨格構造12がステント10の内周側に位置する一方、軸方向に折り返されつつ周方向にらせん状に延びるコイル構造とされた第2の骨格構造14がステント10の外周側に位置している。即ち、より小さい隙間である第1の隙間18がステント10の内周側に位置していることにより、ステント10の内周面をより凹凸の少ない、滑らかな面とすることができて、ステント10の内側を通過する血液等の淀みや乱流等を生じにくくすることができる。これにより、血栓の形成、および血栓がステントに付着してステントの留置位置において血管が再狭窄してしまう等の不具合が効果的に回避され得る。また、より大きい隙間である第2の隙間26がステント10の外周側に位置していることにより、ステント10の外周面において内周面よりも凹凸を大きく形成することができて、ステント10の拡径時において、ステント10の外周面に形成された凸部、即ち第2の骨格構造14を安定して管腔壁に食い込ませることができる。これにより、管腔内におけるステント10の位置決め効果が精度良く発揮され得る。
また、本実施形態のステント10は電鋳で一体的に形成されていることから、製造に際して、第1の骨格構造12と第2の骨格構造14を別々に形成して相互に固着するという手間のかかる作業を必要とせず、ステント10が容易に製造され得る。なお、少なくともメッシュ状とされた第1の骨格構造12が電鋳で形成されることにより、ワイヤ16a,16bの端部をそれぞれ繋ぎ合わせる等の端部処理を行う必要がなく、煩雑な作業が省略され得る。
さらに、図3には、本発明の第2の実施形態としてのステント28が示されている。本実施形態のステント28では、メッシュ形状とされた第1の骨格構造29が、軸方向に折り返しつつ周方向にらせん状に延びるコイル形状とされた第2の骨格構造14の厚さ方向中間部分に位置している。換言すれば、コイル形状とされた第2の骨格構造14における第2の隙間26内にメッシュ形状とされた第1の骨格構造29が位置している。なお、前記第1の実施形態と同様に、第1の骨格構造29の径方向寸法は第2の骨格構造14の径方向寸法よりも小さくされている。また、以下の説明において、前記第1の実施形態と同一の部材または部位には、図中に、前記第1の実施形態と同一の符号を付すことにより詳細な説明を省略する。
すなわち、本実施形態においては、ステント28を第1の骨格構造29と第2の骨格構造14とが重ね合わされた形状とすることにより、第2の隙間26が小さくなるようにされている。具体的には、ステント28の径方向において、第2の隙間26上に第1の骨格構造29を構成するワイヤ16a,16bが位置しており、第2の骨格構造14単体の場合に比べて第2の隙間26が小さくされている。これにより、第2の骨格構造14が単体で存在している場合に比べて、径方向でステントを貫通する隙間の大きさが小さくなるようにされていることから、前記第1の実施形態のステント10と同様の効果が発揮され得る。
特に、第1の骨格構造29が第2の骨格構造14の厚さ方向中間部分に位置していることから、前記第1の実施形態の如き第1の骨格構造12が第2の骨格構造14の内周側に位置する場合に比べて、ステント28の径方向寸法を小さく抑えることができる。これにより、ステント28の留置位置における血流の抵抗を減少させることができると共に、ステント28の内周面に血栓等が付着して再狭窄が生じるおそれを低減させることができる。また、患者が感じる異物感が安定して低減され得る。
なお、本実施形態のステント28は電鋳により形成されている。これにより、例えば本実施形態の如き第1の骨格構造と第2の骨格構造とを別々に形成した後、内外に重ね合わせて固着するのが困難な形状であっても、ステントが容易に製造され得る。
次に、図4には、本発明の第3の実施形態としてのステント30が示されている。本実施形態のステント30は、図5に示される第1の骨格構造32に対して図6に示される第2の骨格構造34を外周側に重ね合わせた構造とされており、これら第1及び第2の骨格構造32,34がそれぞれメッシュ状とされている。そして、第1の骨格構造32における隙間が第1の隙間36とされていると共に、第2の骨格構造34における隙間が第2の隙間38とされており、第1の骨格構造32と第2の骨格構造34とを重ね合わせることにより、それぞれが単体の状態に比べて、第1及び第2の隙間36,38がそれぞれ小さくなるようにされている。なお、本実施形態においても、第1の骨格構造32と第2の骨格構造34の軸方向寸法が略等しくされており、第1の骨格構造32と第2の骨格構造34とが軸方向の全長に亘って相互に重ね合わされている。なお、メッシュ状の骨格構造は、前記第1の実施形態のように、周方向において相互に反対方向に延びる2本のワイヤ16a,16bで構成され得る他、図4〜6にも示されているように、軸方向に折り返しつつ周方向に延びる環状のストラットの山部が軸方向で相互に連結されることによっても構成され得る。
また、本実施形態では、第1の骨格構造32におけるメッシュの間隔(軸方向で隣り合う環状のストラット間の距離)と第2の骨格構造34におけるメッシュの間隔とが相互に等しくされていると共に、これらのメッシュの位相が相互にずらされている。
かかる第1の骨格構造32と第2の骨格構造34とを相互に重ね合わせることにより、ステント30の径方向において、第1の隙間36上に第2の骨格構造34を構成するストラットが位置すると共に、第2の隙間38上に第1の骨格構造32を構成するストラットが位置することから、第1及び第2の隙間36,38を、それぞれが単体の状態よりも小さくすることができる。
また、本実施形態では、かかる第1及び第2の骨格構造32,34がそれぞれ別個に電鋳により形成されている。これら第1及び第2の骨格構造32,34が電鋳により形成されることによって、ステント30は、通常のステントよりも径方向の厚さ寸法を薄くすることが可能である。このステント30の径方向厚さ寸法としては、30〜300μmが好ましく、より好ましくは100μm以下とされる。そして、第1の骨格構造32の外周側に第2の骨格構造34を重ね合わせて、これら両骨格構造32,34が接着や溶着等の手段により相互に分離不能に固着されることにより、本実施形態のステント30が構成されている。なお、第1及び第2の骨格構造32,34の製造方法は何等限定されるものではなく、例えば第1及び第2の骨格構造32,34の何れか一方が電鋳で形成されると共に、他方が電鋳以外の方法により形成されてもよい。また、両骨格構造32,34が一体的に重ね合わされた形状をもって、ステント30が電鋳により形成されてもよい。
上記の如き構造とされた本実施形態のステント30においても、第1の骨格構造32と第2の骨格構造34とを重ね合わせることで、それぞれの隙間36,38が小さくされることから、前記第1の実施形態と同様の効果が発揮され得る。
特に、2つのメッシュ状の骨格構造を重ね合わせた形状のステントを留置する場合に、例えば、先ず第1のステントを管腔内に留置して、その後第1のステントの内周側に第2のステントを重ね合わせて留置する場合には、第1のステントの骨格構造と第2のステントの骨格構造が相互に重なってそれぞれの隙間が小さくならず、プラークの再突出および管腔の再狭窄が防止されないおそれがあった。しかしながら、本実施形態のステント30のように、第1及び第2の骨格構造32,34を相互に重ね合わせて分離不能に一体化することにより、ステントの留置以前に第1及び第2の隙間36,38が確実に小さくされる。これにより、プラークの再突出および管腔の再狭窄が更に安定して防止され得る。
また、かかるメッシュ状の骨格構造を有するステントは、一般にワイヤやストラットが小径であり、ステント強度が不十分となるおそれがあるが、骨格構造を径方向で2つ重ね合わせた状態で一体化することにより、ステント強度の向上が図られ得る。更に、単に隙間の小さいステントを形成するのではなく、2つの骨格構造を重ね合わせることで隙間を小さくするものであり、ステントの柔軟性を大きく損ねるおそれも回避されている。
なお、上記の如き第1及び第2の骨格構造32,34の製造方法は何等限定されるものではなく、何れも従来公知の方法で製造され得るが、これらが電鋳で製造されることにより端部処理の作業を実施する必要がなく、製造効率の向上が図られ得る。
次に、図7には、本発明の第4の実施形態としてのステント40が示されている。本実施形態のステント40は、図8に示される第1の骨格構造42の外周側に、第1の骨格構造42に対して位相をずらした第2の骨格構造44が重ね合わされることにより構成されている。なお、これら第1及び第2の骨格構造42,44はそれぞれ、前記第1の実施形態における第2の骨格構造14のように、1本の線状体が軸方向に折り返しながら周方向にらせん状に延びるコイル形状とされており、略単一の構造(セル)が周方向と軸方向で連続する繰り返し構造とされている。
かかる構造とされたステント40においても、第1の骨格構造42における隙間と第2の骨格構造44における隙間とがそれぞれ、第1の骨格構造42と第2の骨格構造44が単体の場合よりも、両骨格構造42,44を重ねることにより小さくされることから、前記第1の実施形態に記載のステント10と同様の効果が発揮され得る。
次に、図9には、本発明の第5の実施形態としてのステント46が示されている。このステント46は管腔の分岐部分に留置されるステントであって、管腔の本幹部分に留置される本幹側ステント48と、管腔の側枝部分に留置される側枝側ステント50とを含んで構成されている。なお、本実施形態における本幹側ステント48および側枝側ステント50は、それぞれ前記第1の実施形態におけるステント10と同様の構造とされている。なお、図9中において、側枝側とは図9中の右上側である一方、本幹側とは図9中の左下側を言う。また、図9中において、ステント46の軸方向とは、図9中の左下と右上とを結ぶ直線方向を言う。
これら本幹側ステント48と側枝側ステント50は相互に連結ストラット52により接続されて連続している。具体的には、本幹側ステント48の端部と側枝側ステント50の端部とが連結ストラット52により軸方向で一体的に接続されている。これにより、本幹側ステント48を構成する線状体と側枝側ステント50を構成する線状体とが接続されており、ステント46の全体に亘って一繋がりの線状体により形成されている。即ち、本幹側ステント48と側枝側ステント50とが一体構造とされている。
本実施形態における連結ストラット52は、図9に示す初期状態において、軸方向で1本の直線状に延びる部分とされており、当該連結ストラット52を屈曲または湾曲させることにより、本幹側ステント48と側枝側ステント50の延びる方向を相互に異ならせることができる。これにより、管腔の分岐部分において、本幹部分に対して本幹側ステント48を挿入することができる一方、管腔の側枝部分に対して側枝側ステント50を挿入することができる。
上記の如き構造とされた本実施形態のステント46においても、本幹側ステント48および側枝側ステント50として、前記第1の実施形態のステント10と同様の構造を採用していることから、前記第1の実施形態と同様の効果が発揮され得る。
ちなみに、従来では、管腔の分岐部分にステントを留置する場合には、先ず、管腔の本幹部分に1つ目のステントを留置した後、1つ目のステントの周壁に開口させた孔部を通じて、管腔の側枝部分に2つ目のステントを留置していたが、1つ目のステントと2つ目のステントとの重なり部分において、血流等の淀みや乱流が発生して血栓等が生じ、再狭窄の原因となるおそれがあった。
それに対して、本実施形態のステント46では、1つのステントの軸方向中間部分に連結ストラット52が設けられており、当該連結ストラット52が屈曲または湾曲することで、分岐した管腔に対してステント46が留置され得る。即ち、分岐した管腔に対してステント46が留置される際に、本幹側ステント48と側枝側ステント50において重なる部分が発生しないことから、血液等の淀みや乱流等が抑えられて、再狭窄のおそれが一層低減され得る。
なお、本実施形態のステント46は、電鋳により一体的に形成されることが好適である。例えば、特表2009−508622号公報には、管腔の本幹側に留置されるステントと管腔の側枝側に留置されるステントとが相互に溶接により接続されているステントが示されている。しかしながら、上記公報に記載のステントでは、管腔の分岐に対応して屈曲や湾曲させられる部分が溶接により接続されていることから、曲げ強度が不十分となるおそれがあった。それに対して、本実施形態のステント46では、連結ストラット52が本幹側ステント48および側枝側ステント50と一体的に形成されていることから、連結ストラット52における屈曲時や湾曲時の曲げ強度の向上が図られ得る。特に、ステント46を電鋳で形成することにより、連結ストラット52における材質を本幹側ステント48や側枝側ステント50とは変更できることから、より屈曲や湾曲し易い材質を採用することも可能であり、設計自由度の向上が図られ得る。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されることなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良などを加えた態様で実施され得るものであり、また、そのような実施態様も、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも本発明の範囲内に含まれる。
例えば、前記実施形態において、コイル状の骨格構造は、1本の線状体が軸方向で折り返しつつ周方向でらせん状に延びる構造とされていたが、かかる態様に限定されない。即ち、コイル状の骨格構造として、1本の線状体が軸方向で折り返されつつ周方向で環状に延びる環状体を構成して、複数の環状体が軸方向でリンク部により接続される構造が採用されてもよい。
さらに、前記第1〜第4の実施形態では、第1の骨格構造12,32,42と第2の骨格構造14,34,44とが略同じ軸方向寸法とされて、これらが軸方向の略全長に亘って重ね合わせられていたが、かかる態様に限定されない。即ち、第1の骨格構造と第2の骨格構造は、それぞれ軸方向で一部が重なっていればよく、かかる重なり部分において、両骨格構造がそれぞれ単体の場合に比べて、第1の隙間または第2の隙間が小さくなっていればよい。
また、前記第1,第3,第4の実施形態では、第1の骨格構造12,32,42の外周側に第2の骨格構造14,34,44が位置していたが、第1の骨格構造の内周側に第2の骨格構造が位置していてもよい。
さらに、前記第3,4の実施形態では、第1の骨格構造32,42および第2の骨格構造34,44において、第1の隙間および第2の隙間の大きさが相互に等しくされると共に、それら骨格構造の位相が相互に異ならされることにより、それぞれの骨格構造を重ね合わせた状態において隙間を小さくしていたが、かかる態様に限定されない。即ち、第1の骨格構造および第2の骨格構造として隙間の大きさおよび位相が等しいものを採用して、これらを軸方向でずらして重ね合わせることにより、かかる重ね合わせ部分において、第1の隙間または第2の隙間が小さくなるようにしてもよい。
あるいは、図10に示されるステント54のように、隙間の大きさが相互に異なる第1の骨格構造と第2の骨格構造とが重ね合わされてもよい。即ち、図10に示されるステント54は、メッシュの間隔(隙間の大きさ)が相互に異なる図11に示される第1の骨格構造56と図12に示される第2の骨格構造58とが重ね合わされることで構成されている。特に、本態様では、内周側に位置する第1の骨格構造56における第1の隙間60が、外周側に位置する第2の骨格構造58における第2の隙間62よりも小さくなるようにされている。
本態様のように、第1の隙間60と第2の隙間62との大きさが相互に異ならされていることにより、両骨格構造56,58の軸方向位置や周方向位置に拘らず、両骨格構造56,58を重ね合わせることにより、これらが単体の状態に比べて、第1または第2の隙間60,62を小さくすることができる。
特に、内周側に位置する第1の骨格構造56における第1の隙間60を第2の骨格構造58における第2の隙間62に比べて小さくすることにより、ステント54の内周面を外周面に比べて滑らかにすることができる一方、ステント54の外周面には内周面よりも大きな凹凸が形成され得る。これにより、血流等の淀みや乱流を抑制することができて、血栓の形成や管腔の再狭窄が防止されると共に、ステント外周面の凸部による管腔内の位置決め効果が安定して発揮され得る。
なお、図10に示す態様では、第1の骨格構造56と第2の骨格構造58とがそれぞれメッシュ形状とされて、当該メッシュ形状における隙間の大きさが異ならされていたが、かかる態様に限定されるものではない。即ち、第1の骨格構造と第2の骨格構造とが何れも、前記第4の実施形態の如き軸方向に折り返しつつ周方向にらせん状に延びるコイル形状とされて、第1及び第2の骨格構造として第1及び第2の隙間の大きさが相互に異なるものを採用することで、第1の骨格構造と第2の骨格構造を重ね合わせた際に第1の隙間と第2の隙間がそれぞれ単体の状態よりも小さくなるようにしてもよい。かかる場合においても、内周側に位置する第1の骨格構造における隙間が外周側に位置する第2の骨格構造における隙間よりも小さくされることにより、上記の如き、血栓の形成や管腔の再狭窄の防止効果および管腔内の位置決め効果が発揮され得る。
更にまた、前記第5の実施形態では、連結ストラット52は、本幹側ステント48の端部と側枝側ステント50の端部とを接続する1本の直線状部分により構成されていたが、かかる連結ストラットは複数の直線状部分をもって構成されてもよい。かかる場合には、連結ストラットは、周上の一部において周方向で隣り合う等して相互に近接して設けられることが好適であり、これにより連結ストラットにおける曲げ方向の柔軟性を維持しつつ、強度を向上させることができる。
また、前記第5の実施形態では、連結ストラット52は、初期状態において軸方向で直線状に延びていたが、軸方向に対して屈曲する形状や湾曲する形状等でもよく、初期状態における連結ストラットの形状は何等限定されるものではない。
更にまた、前記第5の実施形態では、連結ストラット52は、第2の骨格構造14を構成する線状体20と一体的に形成されていたが、当該線状体20の適当な部位を軸方向に連結して補強する接続部24により構成されていてもよい。
さらに、前記実施形態において、第1,第2,第5の実施形態におけるステント10,28,46並びに第3,第4の実施形態および図10に示される態様における第1及び第2の骨格構造32,34,42,44,56,58は電鋳により形成されていたが、電鋳に代えて、または電鋳と組み合わせて、エッチングが採用されてもよい。なお、第1の骨格構造と第2の骨格構造とが別個に形成される場合は、一方が電鋳やエッチングで形成されて、他方が電鋳やエッチング以外の方法で形成されてもよい。
更にまた、前記実施形態では、2つの骨格構造を相互に重ね合わせた形状をもって形成されていたが、3つ以上の骨格構造を相互に重ね合わせた形状としてもよい。かかる場合には、何れの骨格構造が第1の骨格構造または第2の骨格構造とされてもよく、これら第1の骨格構造と第2の骨格構造とが重ね合わされることにより、第1の隙間または第2の隙間が小さくされればよい。
なお、第1の骨格構造における第1の隙間や第2の骨格構造における第2の隙間が複数形成される場合には、それらの全ての隙間が小さくされる必要はなく、第1及び第2の骨格構造が単体で存在する場合と比べて、第1または第2の隙間における少なくとも1つの隙間が小さくされればよい。
ここにおいて、前記第5の実施形態において、第1の骨格構造12,12が設けられない態様、即ち、図13〜17に示されるステント64および図18に示されるステント66は、本願発明とは異なる課題を解決し得る独立した発明として認識され得る。
図13〜17に示されるステント64は管腔の分岐部分に留置されるステントとされており、管腔の本幹部分に留置される本幹側ステント68と、管腔の側枝部分に留置される側枝側ステント70が連結ストラット72を介して相互に連続して一体的に形成されている。
なお、本態様では、管腔の本幹部分と側枝部分の径寸法に対応して、本幹側ステント68の外径寸法に対して側枝側ステント70の外径寸法を小さくすることが好ましい。それ故、図17に示される展開図のように、側枝側ステント70に比べて本幹側ステント68の周方向の波のピッチを小さく設定することが好ましい。
かかるステント64は、例えば電鋳やレーザーカット等従来公知の方法により形成され得るが、厚さ寸法や材質等の設計自由度が向上され得ることから、電鋳で形成されることが好適である。また、電鋳に代えて、または電鋳と組み合わせて、エッチングが採用されもよい。なお、ステント64では、本幹側ステント68と側枝側ステント70の一方が電鋳により形成されてもよく、例えば電鋳以外の方法で形成された本幹側ステントの端部に対して連結ストラットおよび側枝側ステントを一体的に形成してもよい。
また、図18に示されているステント66のように、本幹側ステント74と側枝側ステント76とを同一方向に延びる直線上に配置した状態で、本幹側ステント74と側枝側ステント76とが長さ方向で相互に重なっていてもよい。なお、図18中のステント66は管腔の分岐部分に留置される状態、即ち連結ストラット72が軸方向に対して屈曲してする状態で示されている一方、本幹側ステント74と側枝側ステント76とを同一方向に延びる直線上に配置した状態を2点鎖線で示す。
ここにおいて、本幹側ステント74の骨格構造を構成する線状体の側枝側ステント76側の端部では、周上の一部で軸方向寸法が大きくされている。これにより、本幹側ステント74と側枝側ステント76とを同一方向に延びる直線上に配置した状態で、本幹側ステント74と側枝側ステント76とが長さ方向(図18中の左右方向)で相互に重なっている。
このように、本幹側ステント74の端部が周上の一部において側枝側ステント76の端部よりも側枝側ステント76側に延び出す形状とすることにより、管腔における分岐部分に対してより広く覆うようにステントを留置することができて、管腔内のより広い範囲に対しての治療が可能となる。
すなわち、かかる発明の第1の態様は、体内管腔の分岐部分に留置されるステントであって、体内管腔の本幹部分に留置される本幹側ステントを構成する本幹側骨格構造と体内管腔の側枝部分に留置される側枝側ステントを構成する側枝側骨格構造とが何れも軸方向に折り返しながら周方向に連続して延びるコイル状ストラットで形成されていると共に、該本幹側ステントと該側枝側ステントとの端部間に跨って延びる連結ストラットが該本幹側ステントと該側枝側ステントとを構成する各該コイル状ストラットと連続して形成されるか、又は該本幹側ステントと該側枝側ステントとを構成する各該コイル状ストラットとを連結する連結リンクが設けられることで、該本幹側ステントと該側枝側ステントとが一体構造とされていることを特徴とするものである。
第2の態様は、上記第1の態様に係るステントにおいて、前記本幹側ステントの前記本幹側骨格構造における波のピッチが前記側枝側ステントの前記側枝側骨格構造における波のピッチよりも小さくされているものである。
第3の態様は、上記第1又は第2の態様に係るステントにおいて、前記本幹側ステントと前記側枝側ステントとの互いに対向する開口端側の周壁が、該本幹側ステントと該側枝側ステントとを同一方向に延びる直線上に配置した状態で相互に重なる形状とされているものである。
第4の態様は、上記第1〜第3の何れかの態様にかかるステントにおいて、前記本幹側ステントと前記側枝側ステントの少なくとも一方が、電鋳又はエッチングにより相互に一体化された構造をもって形成されているものである。
また、図1〜12に示された実施形態および図13〜18に示された態様に従う構造とされたステントは、複数種類の金属の積層構造により形成されていてもよい。例えば、外層よりも内層の方がイオン化傾向が小さい金属材を採用することで、バルーン拡張時に血管のリコイルに対して内腔を保持する力が強く、経時的に骨格が薄くなるので屈曲に対して追従性を向上させること等も可能となる。例えば、外層をマグネシウムや鉄等、内層をニッケルチタン合金やコバルト等で形成することが挙げられる。なお、本態様では、ステントの長さ方向や周方向の少なくとも一部が複数種類の金属による積層構造とされていればよく、ステントの全体が複数種類の金属による積層構造とされている必要はない。
さらに、図1〜12に示された実施形態および図13〜18に示された態様に従う構造とされたステントは、Y字形の分岐形状やテーパ形状、端部厚肉形状の他、基幹筒部と分岐筒部の径寸法が異なるステントや、それら基幹筒部と分岐筒部の少なくとも一方がテーパ筒形状とされたステント、長さ方向で部分的にテーパが付されたステントや、長さ方向の端部や中央部分に厚肉部分が設けられたステント、カバードステントのカバーを除くステント本体、長さ方向中間部分で湾曲または屈曲したステントなど、各種の異形状のステントに対して適用可能である。上記長さ方向中間部分で湾曲または屈曲したステントは、動脈硬化が進んだ患者の高度に湾曲または屈曲した部位に有効である。
更にまた、図1〜12に示された実施形態および図13〜18に示された態様に従う構造とされたステントは、電鋳と同様に成膜などの成形技術として知られる溶射や真空蒸着によって形成してもよい。例えば加熱することで溶融またはそれに近い状態にした材料の溶射粒子の多数を所定形状に一体化させることでステントを形成したり、加熱することで気化または昇華させた材料の粒子の多数を所定形状に一体化させることでステントを形成することなども可能である。
また、図1〜12に示された実施形態および図13〜18に示された態様に従う構造とされたステントは、脳動脈瘤治療用におけるフローダイバータの場合にも適用される。フローダイバータとは、例えば脳動脈瘤の血管内治療のために改良された間隙率の低い血流迂回デバイス等のことである。更に、図1〜12に示された実施形態および図13〜18に示された態様に従う構造とされたステントは、ステントレトリバーシステムにおける先端部分の場合にも適用される。ステントレトリバーシステムとは、例えば網で効率よく血栓を圧しつけ絡めて取り除くための網型筒形状の血栓回収デバイス等のことである。
10,28,30,40,46,54:ステント、12,32,42,56:第1の骨格構造、14,34,44,58:第2の骨格構造、18,36,60:第1の隙間、26,38,62:第2の隙間

Claims (8)

  1. 第1の隙間が設けられた第1の骨格構造と第2の隙間が設けられた第2の骨格構造とが分離不能に一体化された周壁構造とされており、該第2の骨格構造における該第2の隙間が該第1の骨格構造によって小さくされていることを特徴とするステント。
  2. 前記第1の骨格構造がメッシュ状とされている一方、前記第2の骨格構造が長さ方向に折り返しながら周方向に延びるコイル状とされており、
    該第2の骨格構造の内周側に該第1の骨格構造が位置して一体化されている請求項1に記載のステント。
  3. 前記第1の骨格構造がメッシュ状とされている一方、前記第2の骨格構造が長さ方向に折り返しながら周方向に延びるコイル状とされており、
    該第2の骨格構造の厚さ方向中間部分に該第1の骨格構造が位置して一体化されている請求項1に記載のステント。
  4. 前記第1の骨格構造と前記第2の骨格構造との何れもがメッシュ状とされており、これら第1の骨格構造と第2の骨格構造とが周壁の厚さ方向で重ね合わせ状態とされている請求項1に記載のステント。
  5. 前記第1の骨格構造と前記第2の骨格構造との何れもが軸方向で折り返しながら周方向に延びるコイル状とされており、これら第1の骨格構造と第2の骨格構造とが周壁の厚さ方向で重ね合わせ状態とされている請求項1に記載のステント。
  6. 前記第1の骨格構造における前記第1の隙間が前記第2の骨格構造で小さくされており、且つ該第2の骨格構造における前記第2の隙間が該第1の骨格構造で小さくされている請求項4又は5に記載のステント。
  7. 前記第1の骨格構造における前記第1の隙間が前記第2の骨格構造における前記第2の隙間よりも小さくされていると共に、該第1の骨格構造の外周側に該第2の骨格構造が重ね合わされている請求項4〜6の何れか1項に記載のステント。
  8. 前記第1の骨格構造と前記第2の骨格構造の少なくとも一方が、電鋳又はエッチングにより相互に一体化された構造をもって形成されている請求項1〜7の何れか1項に記載のステント。
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