JP2016195033A - 蓄電素子 - Google Patents

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彰吾 ▲つる▼田
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雅光 殿西
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Shun Ito
瞬 伊藤
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Tsuyoshi Hidaka
強志 飛鷹
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Abstract

【課題】蓄電素子の内部への、内部短絡などの不具合の原因となる金属異物の混入を抑制できる蓄電素子を提供する。【解決手段】正極端子200と、電極体700と、正極端子200及び電極体700に電気的に接続される正極集電体500と、電極体700及び正極集電体500を収容する容器100とを備える蓄電素子10であって、容器100の内方に配置され、内部が密閉された密閉部151を備え、正極集電体500は、正極端子200と電極体700との間の導電経路における正極端子200側の第一部分510と、正極端子200と電極体700との間の導電経路における電極体700側の第二部分520と、第一部分510と第二部分520とを連結する脆弱部530と、を有し、密閉部151は、脆弱部530と対向する壁部163を有しており、壁部163は、絶縁性を有しており、脆弱部530に対して係合または固定されている。【選択図】図4

Description

本発明は、電極端子と、電極体と、電極端子及び電極体に電気的に接続される集電体と、電極体及び集電体を収容する容器とを備える蓄電素子に関する。
従来、電流遮断機構付きの非水電解質二次電池(蓄電素子)が開示されている(特許文献1参照)。特許文献1の非水電解質二次電池では、過充電等により電池の内圧が上昇したときに、導電経路としても構成されている金属製のダイアフラムと集電体(集電タブ部材)との接続が外れ、ダイアフラムへの通電が遮断されることにより、電極体と電極端子との間の通電が遮断される。
特開2012−230905号公報
しかしながら、上記従来の蓄電素子では、金属製のダイアフラムと集電体との接続を溶接にて固定しているため、溶接工程において、金属スパッタ(金属異物)が発生するおそれがある。このため、溶接工程で発生した金属異物によって内部短絡などの不具合が発生するおそれがある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、異常時に電流を遮断する機構を備える蓄電素子において、蓄電素子の内部への、金属異物の混入を抑制できる蓄電素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電素子は、電極端子と、電極体と、前記電極端子及び前記電極体に電気的に接続される集電体と、前記電極体及び前記集電体を収容する容器とを備える蓄電素子であって、前記容器の内方に配置され、内部が密閉された密閉部を備え、前記集電体は、前記電極端子と前記電極体との間の導電経路における電極端子側の第一部分と、前記電極端子と前記電極体との間の導電経路における電極体側の第二部分と、前記第一部分と前記第二部分とを連結する脆弱部と、を有し、前記密閉部は、前記脆弱部と対向する壁部を有しており、前記壁部は、絶縁性を有しており、前記脆弱部に対して係合または固定されている。
これによれば、密閉部の壁部は、絶縁性を有しており、集電体の脆弱部に対して係合または固定されている。つまり、密閉部が集電体を脆弱部で破断することにより電極体と電極端子との間の通電を遮断することができるため、密閉部の壁部は絶縁性を有している。このため、密閉部を集電体に溶接するような構成ではないため、金属異物が発生することを抑制できる。したがって、蓄電素子の内部短絡などの不具合を抑制できる。
また、前記壁部は、前記脆弱部に対して係合または固定されている部分が前記脆弱部とともに移動することで、前記集電体の前記第一部分と前記第二部分とを分離してもよい。
これによれば、壁部は、集電体の第一部分と第二部分とを、脆弱部において物理的に切り離す。このため、第一部分と第二部分との間の導通を遮断できる。これにより、電極端子と、電極体との間の導通を遮断できる。
また、さらに、前記容器と前記集電体との間に配置され、前記容器と前記集電体とを絶縁する絶縁部材を備え、前記密閉部は、前記絶縁部材の一部であってもよい。
これによれば、密閉部を当該絶縁部材から独立させて設ける必要がないため、電極体以外の容器内部の構成をコンパクトにできる。このため、容器の容積に対する電極体の体積が占める割合を増加させることができる。これにより、蓄電素子のエネルギー密度を大きくすることができる。
また、前記集電体は、前記第一部分と前記第二部分とに亘って形成された凹部を有し、前記脆弱部は、前記凹部に含まれ、前記密閉部は、前記凹部に配置されていてもよい。
これによれば、密閉部を凹部に配置することで、凹部に密閉部の少なくとも一部を収納することができる。また、脆弱部が移動するためには、移動する側に空間が必要である。つまり、凹部に脆弱部が含まれているため、凹部の内部の空間を脆弱部が移動する空間とすることができる。これらのことにより、電極体の形状を複雑な形状にすることなく、電極体以外の容器内部の構成をコンパクトにできる。このため、容器の容積に対する電極体の体積が占める割合を増加させることができる。これにより、蓄電素子のエネルギー密度を大きくすることができる。
また、前記容器は、前記容器の外方に向けて突出した突出部を有し、前記密閉部は、前記突出部によって形成される空間に配置されていてもよい。
これによれば、突出部によって形成される空間内に密閉部を配置することで、当該空間内に電極体以外の構成を配置できる。このため、容器の容積に対する電極体が占める割合を増加させることができる。これにより、蓄電素子のエネルギー密度を大きくすることができる。
また、前記脆弱部は、前記壁部に対して係合または固定されている部分の周囲に薄肉部を有してもよい。
このため、脆弱部が移動したときに、脆弱部の薄肉部を容易に破断させることができ、集電体を容易に第一部分と第二部分とに分離することができる。
また、前記集電体の前記第一部分と前記第二部分との間には、前記脆弱部に隣接して開口部が形成されていてもよい。
このため、脆弱部をより小さい形状にしても、集電体を第一部分と第二部分とに分離することができる。つまり、より小さい脆弱部を採用することができるため、より小さい力を脆弱部に作用させる構成としても、集電体を第一部分と第二部分とに分離することができる。このため、より小さい密閉部を採用することができ、容器内部の構成をコンパクトにできる。したがって、容器の容積に対する電極体の体積が占める割合を増加させることができる。これにより、蓄電素子のエネルギー密度を大きくすることができる。
また、前記脆弱部は、貫通孔を有し、前記密閉部は、さらに、前記壁部から突出して形成され、前記貫通孔を貫通している貫通部と、前記貫通部の端部に設けられ、前記脆弱部を前記壁部とで挟み込む挟持部と、を有してもよい。
このため、密閉部の、脆弱部に対して係合または固定されている部分が移動したときに、脆弱部を容易な構成で集電体から切り離すことができる。
本発明における蓄電素子によれば、蓄電素子の内部に、内部短絡などの不具合の原因となる金属異物を混入させる可能性を効果的に抑制できる。
本発明の実施の形態に係る蓄電素子の外観を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る蓄電素子の容器の本体を分離して蓄電素子が備える各構成要素を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る蓄電素子の正極端子周りの構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る正極端子が正極集電体とともに蓋体に固定される構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る外部絶縁部材の構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る外部絶縁部材の構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る内部絶縁部材の構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る正極集電体の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る正極集電体の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る正極集電体を下方からみた場合の平面図である。 本発明の実施の形態に係る内部絶縁部材と正極集電体との組み付け方法を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る密閉部の組み付け方法について説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る正極端子、放電用端子及び外部絶縁部材の組み付け方法について説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る集電部組立体、蓋体及び端子部組立体の組み付け方法について説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る蓄電素子の電流を遮断する動作について説明するための図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電素子について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
(実施の形態)
まず、蓄電素子10の構成について、説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10の外観を模式的に示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10の容器100の本体120を分離して蓄電素子10が備える各構成要素を示す斜視図である。なお、これらの図及び以降の図では、説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として示しており、以下ではZ軸方向を上下方向(つまり、Z軸方向プラス側を上方、Z軸方向マイナス側を下方)として説明している箇所があるが、実際の使用態様において、Z軸方向が上下方向になるとは限らない。
蓄電素子10は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。例えば、蓄電素子10は、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、またはハイブリッド電気自動車(HEV)などに適用される。なお、蓄電素子10は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。
これらの図に示すように、蓄電素子10は、容器100と、正極端子200と、負極端子300と、放電用端子400とを備えている。また、容器100内方の空間S1には、正極集電体500と、負極集電体600と、電極体700とが収容されている。
また、蓄電素子10の容器100の内部には電解液(非水電解質)などの液体が封入されているが、当該液体の図示は省略する。なお、容器100に封入される電解液としては、蓄電素子10の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく様々なものを選択することができる。
容器100は、矩形筒状で底を備える本体120と、本体120の開口を閉塞する板状部材である蓋体110とで構成されている。また、容器100は、電極体700等を内部に収容後、蓋体110と本体120とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。なお、蓋体110及び本体120の材質は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金など溶接可能な金属であるのが好ましい。
電極体700は、正極と負極とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる部材である。正極は、アルミニウムやアルミニウム合金などからなる長尺帯状の金属箔である正極基材層上に正極活物質層が形成されたものである。また、負極は、銅や銅合金などからなる長尺帯状の金属箔である負極基材層上に負極活物質層が形成されたものである。また、セパレータは、樹脂からなる微多孔性のシートである。
ここで、正極活物質層に用いられる正極活物質、または負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質または負極活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。
そして、電極体700は、正極と負極との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものが巻芯(図示せず)に巻き回されて形成されている。つまり、電極体700は、巻回型の電極体である。なお、同図では、電極体700の形状としては長円形状を示したが、円形状または楕円形状でもよい。また、電極体700の形状は巻回型に限らず、平板状極板を積層した形状でもよい。
なお、電極体700は、正極側の端部である正極接続部701と負極側の端部である負極接続部702とを有している。正極接続部701は、正極の活物質層非形成部が積層されて束ねられた電極体の正極側の端部であり、負極接続部702は、負極の活物質層非形成部が積層されて束ねられた電極体の負極側の端部である。なお、正極の活物質層非形成部とは、正極のうち正極活物質が塗工されず正極基材層が露出した(正極活物質層が形成されていない)部分であり、負極の活物質層非形成部とは、負極のうち負極活物質が塗工されず負極基材層が露出した(負極活物質層が形成されていない)部分である。
正極端子200及び負極端子300は、電極体700の上方に配置された蓋体110に取り付けられている。具体的には、正極端子200は、リベット(後述の締結部220)によってかしめられるなどにより、外部絶縁部材250および内部絶縁部材(図示せず)を介して正極集電体500とともに蓋体110に固定される。また同様に、負極端子300は、リベットによってかしめられるなどにより、外部絶縁部材350および内部絶縁部材(図示せず)を介して負極集電体600とともに蓋体110に固定される。なお、正極端子200(負極端子300)が正極集電体500(負極集電体600)とともに蓋体110に固定される詳細な構成については、後述する。
放電用端子400は、電極体700の上方に配置された蓋体110に取り付けられている。具体的には、放電用端子400は、かしめられることによって、正極集電体500とともに蓋体110に固定されるリベットである。
正極集電体500は、電極体700の正極接続部701と容器100の本体120の側壁との間に配置され、正極端子200と電極体700の正極接続部701とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。正極集電体500は、蓋体110に沿う部分と正極接続部701に沿う部分とを有しており、Y軸方向視においてL字型の形状をしている。正極集電体500は、蓋体110に沿う部分で正極端子200と接続され、正極接続部701に沿う部分で正極接続部701に接続される。具体的には、正極集電体500は、電極端子側の部分がかしめられることにより正極端子200と接続され、電極体700側の部分が超音波溶接、抵抗溶接、かしめなどにより正極接続部701と接続される。なお、正極集電体500は、導電経路における電極端子(正極端子)側の第一部分と電極体側の第二部分を有するが、詳細については後述する。なお、正極集電体500は、電極体700の正極基材層と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成されている。
負極集電体600は、電極体700の負極接続部702と容器100の本体120の側壁との間に配置され、負極端子300と電極体700の負極接続部702とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。負極集電体600は、蓋体110に沿う部分と負極接続部702に沿う部分とを有しており、Y軸方向視においてL字型の形状をしている。負極集電体600は、蓋体110に沿う部分で負極端子300と接続され、負極接続部702に沿う部分で負極接続部702に接続される。具体的には、負極集電体600は、電極端子側の部分がかしめられることにより負極端子300と接続され、電極体700側の部分が超音波溶接、抵抗溶接、かしめなどにより負極接続部702と接続される。なお、負極集電体600は、電極体700の負極基材層と同様、銅または銅合金などで形成されている。
次に、正極端子200及び放電用端子400が正極集電体500とともに蓋体110に固定される構成について、説明する。まず、当該構成の概要について説明する。なお、負極端子300周りは、本実施の形態では従来と同じ構成が用いられるが、正極端子200周りと同じ構成が用いられてもよい。
図3は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10の正極端子200周りの構成を示す分解斜視図である。図4は、本発明の実施の形態に係る正極端子200が正極集電体500とともに蓋体110に固定される構成を示す断面図である。具体的には、同図は、図2に示された蓄電素子10をIV−IV断面で切断した場合の、正極端子200周りの構成を示す断面図である。
図3に示すように、正極端子200周りには、上から順に、正極端子200及び放電用端子400と、外部絶縁部材250と、蓋体110と、内部絶縁部材150と、正極集電体500とが配置されている。そして、正極端子200及び放電用端子400は、外部絶縁部材250と、内部絶縁部材150と、正極集電体500とともに蓋体110に固定されている。
正極端子200は、正極側の電極端子であり、端子本体部210と締結部220とを有している。
端子本体部210は、矩形板状の部位であり、容器100の蓋体110の外方(具体的には、上方であるZ軸方向プラス側)に配置される電極端子の本体部分である。また、端子本体部210には、端子本体部210を厚み方向に貫通する、2つの貫通孔211が形成されている。端子本体部210は、金属部材で形成されており、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成されている。
締結部220は、所定方向(Z軸方向)に延び、端子本体部210及び正極集電体500を締結する部位である。具体的には、締結部220は、端子本体部210の下面からZ軸方向マイナス側に延びる円筒形状の部位であり、かしめられることで端子本体部210と正極集電体500の電極端子側の第一部分510(後述参照)とを容器100の蓋体110に固定するリベット(中空リベット)である。締結部220は、端子本体部210と同様に、金属部材で形成されており、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成されている。
なお、締結部220は、本実施の形態では、リベットであるが、端子本体部210と正極集電体500の第一部分510とを容器100に固定することができるものであれば、リベットには限定されない。例えば、締結部220は、ボルト締めやネジ締めによって当該固定を行ってもよいし、溶接によって当該固定を行ってもよいし、圧入によって当該固定を行ってもよい。また、締結部220は、正極集電体500の第一部分510と一体成形されたものが採用されてもよい。また、締結部220のかしめられている端部は、図4に示すように、蓋体110の突出部112によって形成される空間に配置される。
また、正極端子200は、本実施の形態では、端子本体部210と締結部220とが一体に形成された部材であるが、端子本体部と締結部とが別体に形成された部材であってもよい。正極端子は、例えば、端子本体部と締結部とが螺合、圧入、溶接などにより形成された部材であってもよい。
放電用端子400は、蓋体110を貫通する部材であり、一部が正極集電体500と容器100との間に配置され、容器100内で正極集電体500を支持する支持部材である。具体的には、放電用端子400は、正極集電体500の導電経路における電極体700側の第二部分520(後述参照)と接続されるとともに、容器100と接続されることで、容器100内で第二部分520を支持する。例えば、放電用端子400は、少なくとも下部が円筒形状の部材であり、正極集電体500の第二部分を貫通してかしめられることによって、第二部分520を容器100の蓋体110に締結(固定)するリベット(中空リベット)である。つまり、放電用端子400は、第二部分520と容器100とに固定される。また、放電用端子400のかしめられている端部は、図4に示すように、蓋体110の突出部112によって形成される空間に配置される。
また、放電用端子400は、正極端子200よりも蓋体110の長手方向端部寄りの位置に配置される。つまり、放電用端子400は、正極端子200の負極端子300側とは反対側に配置される。より詳しくは、放電用端子400の蓋体110の長手方向における位置は、電極体700の正極接続部701(活物質層非形成部)の位置に略一致させている。言い換えると、放電用端子400の蓋体110の長手方向における位置は、正極集電体500の電極体側接続部522(後述参照)の位置に略一致させている。図2に示すように電極体700は、正極集電体500の電極体側接続部522と接続され、正極集電体500に吊り下げられる配置となっている。このため、正極集電体500には電極体700の質量による荷重が掛かることになる。放電用端子400の蓋体110の長手方向における位置が、正極集電体500の電極体側接続部522の位置に略一致している(電極体側接続部522の延長上に放電用端子400が位置する)ために、放電用端子400は、効果的に正極集電体500を支持できる。放電用端子400は、金属部材で形成されており、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成されている。
また、金属部材である放電用端子400は正極集電体500の第二部分520に接続されることから、電気を取り出す放電用の端子としても機能する。
なお、放電用端子400は、本実施の形態では、リベットであるが、正極集電体500の第二部分520を容器100に固定することができるものであれば、リベットには限定されない。例えば、放電用端子400は、ボルト締めやネジ締めによって当該固定を行ってもよいし、溶接によって当該固定を行ってもよいし、圧入によって当該固定を行ってもよい。また、放電用端子400は、正極集電体500の第二部分520と一体成形されたものが採用されてもよい。
外部絶縁部材250は、正極端子200及び放電用端子400と、容器100の蓋体110とを絶縁する絶縁部材である。外部絶縁部材250は、正極端子200の端子本体部210と容器100の蓋体110との間に配置されている。外部絶縁部材250には、正極端子200に貫通される貫通孔262と、放電用端子400に貫通される貫通孔272とが形成されている。
以下、外部絶縁部材250の構成について、図5及び図6を用いて詳細に説明する。
図5及び図6は、本発明の実施の形態に係る外部絶縁部材250の構成を示す分解斜視図である。具体的には、図5は、各構成要素に分解した外部絶縁部材250を斜め上方からみた場合の斜視図であり、図6は、各構成要素に分解した外部絶縁部材250を斜め下方からみた場合の斜視図である。
外部絶縁部材250は、第一外部絶縁部材260と、第二外部絶縁部材270とを有する。第一外部絶縁部材260は、少なくとも一部が正極端子200と容器100の蓋体110との間に配置される部材である。第二外部絶縁部材270は、少なくとも一部が放電用端子400と容器100の蓋体110との間に配置される部材である。外部絶縁部材250は、さらに、放電用端子400の露出部分を覆う蓋部280を有する。外部絶縁部材250を構成する第一外部絶縁部材260、第二外部絶縁部材270及び蓋部280は、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリプロピレン(PP)などの樹脂で形成されている。
第一外部絶縁部材260は、絶縁本体部261と、筒部263とを有する。
絶縁本体部261は、矩形板状の部位であり、正極端子200の締結部220に貫通される貫通孔262が筒部263の内面に対応する位置に形成されている。絶縁本体部261は、正極端子200の端子本体部210と容器100の蓋体110との間に配置される。また、絶縁本体部261には、第二外部絶縁部材270の絶縁本体部271(後述参照)が嵌合する開口部264が形成されている。
また、絶縁本体部261には、上側に向かって突出している壁部であって、端子本体部210に対してZ軸方向に略直交する方向で対向する位置に配置され、端子本体部210のX軸方向またはY軸方向で対向する位置に配置される壁部が形成されている。また、絶縁本体部261には、下側に向かって突出している壁部であって、蓋体110に形成されている突出部112(後述参照)に対してZ軸方向に略直交する方向で対向する位置に配置され、突出部112のX軸方向またはY軸方向で対向する位置に配置される壁部が形成されている。このため、絶縁本体部261は、正極端子200及び蓋体110に対して正極端子200の締結部220を軸にして回転しようとしたときに、これらの壁部が正極端子200または突出部112に当接することで、正極端子200または突出部112に対して回転することを抑制できる。
筒部263は、絶縁本体部261の貫通孔262が形成される部分から蓋体110と対向する側(下側:Z軸方向マイナス側)に延びる部位である。つまり、絶縁本体部261は、筒部263の上端から、筒部263の軸に略直交する方向であって、筒部263の外側の方向に向かって拡がるように形成されている。また、筒部263は、その内面が貫通孔262と一致する構成である。
また、貫通孔262及び筒部263は、正極端子200の締結部220によって貫通される。また、筒部263は、容器100の蓋体110に形成された貫通孔116(後述参照)の形状と、内部絶縁部材150に形成された貫通孔161(後述参照)の形状とに対応した外形を有し、貫通孔116、161に嵌り込むように形成されている。つまり、筒部263は、容器100の蓋体110に形成される貫通孔116と正極端子200の締結部220との間に配置され、蓋体110と締結部220とを絶縁する。
第二外部絶縁部材270は、放電用端子400に貫通される貫通孔272が形成されている絶縁本体部271と、筒部273と、2本の柱部274とを有する。
絶縁本体部271は、略三角形板状の部位であり、第一外部絶縁部材260の開口部264と嵌合する形状を有する。
筒部273は、絶縁本体部271の貫通孔272が形成されている部分から蓋体110と対向する側(下側:Z軸方向マイナス側)に延びる部位である。つまり、筒部273は、その内面が貫通孔272と一致する構成である。
また、貫通孔272及び筒部273は、放電用端子400によって貫通される。また、筒部273は、容器100の蓋体110に形成された貫通孔117(後述参照)と、内部絶縁部材150に形成された貫通孔162(後述参照)に対応した外形を有し、貫通孔117、162に嵌まり込むように形成されている。つまり、筒部273は、容器100の蓋体110に形成される貫通孔117と放電用端子400との間に配置され、蓋体110と放電用端子400とを絶縁する。
2本の柱部274は、正極端子200の端子本体部210からZ軸方向プラス側に向かって延びる部位である。
第一外部絶縁部材260に形成されている蓋部280は、放電用端子400の頭の露出部分を覆う蓋板281と、蓋板281を開閉自在に取り付け可能な枠部282とを有する。本実施の形態では、蓋部280は、枠部282が第一外部絶縁部材260の絶縁本体部261と一体に形成されている構成である。
なお、蓋部280は、第一外部絶縁部材260と一体に形成されていなくてもよく、第二外部絶縁部材270と一体に形成されていてもよい。また、蓋部280は、第一外部絶縁部材260及び第二外部絶縁部材270と一体に形成されていなくてもよく、独立して形成されていてもよい。
容器100を構成する部材である蓋体110は、蓋体110の上側の表面である上面111において容器100の外方に向けて突出した突出部112と、突出部112以外の部分である平板部113とを有する。突出部112は、電極端子が配置される位置に設けられており、図示しないが、負極端子300側にも同様に突出部が形成されている。つまり、突出部は、蓋体110の長手方向(X軸方向)の両端に2つ形成されている。なお、蓋体110の上面111とは、平板部113の2つの主面のうち容器100外側(Z軸方向プラス側)の面である。
突出部112は、具体的には、上面111よりも外方の位置に配置される頂部114と、頂部114と平板部113とを接続する側壁部115とを有する。つまり、突出部112は、突出することにより、突出している側とは反対側に空間が形成されている。
頂部114は、突出部112の上部(Z軸方向プラス側の一部)を構成する平板状の部材である。頂部114は、平面視においてX軸方向及びY軸方向に略平行な辺を有する矩形状であり、平板部113と略平行である。また、突出部112の頂部114には、正極端子200に貫通される貫通孔116と、放電用端子400に貫通される貫通孔117とが形成されている。
内部絶縁部材150は、容器100と正極集電体500との間に配置され、容器100と正極集電体500とを絶縁する絶縁部材である。内部絶縁部材150は、正極集電体500のうち、正極端子200に接続される部分、及び、放電用端子400に接続される部分と、容器100の蓋体110との間に配置されている。また、内部絶縁部材150は、蓋体110の突出部112によって形成される空間に配置されている。内部絶縁部材150には、正極端子200に貫通される貫通孔161と、放電用端子400に貫通される貫通孔162とが形成されている。
以下、内部絶縁部材150の構成について、主に図7を用いて詳細に説明する。
図7は、本発明の実施の形態に係る内部絶縁部材150の構成を示す分解斜視図である。具体的には、図7は、各構成要素に分解した内部絶縁部材150を斜め下方から見た場合の斜視図である。
内部絶縁部材150は、絶縁本体部160と、蓋板170と、挟持部180とを有する。内部絶縁部材150を構成する絶縁本体部160、蓋板170及び挟持部180は、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリプロピレン(PP)などの樹脂で形成されている。
絶縁本体部160は、正極端子200及び放電用端子400によって蓋体110に固定される。絶縁本体部160は、略矩形板状の部材であり、長手方向の両端に、正極端子200の締結部220に貫通される貫通孔161と、放電用端子400に貫通される貫通孔162とが形成されている。貫通孔161は、外部絶縁部材250の筒部263及び正極端子200の締結部220によって貫通される。貫通孔162は、外部絶縁部材250の筒部273及び放電用端子400によって貫通される。
また、絶縁本体部160は、図7および図4に示すように貫通孔161及び貫通孔162の間に、下方に向かって略円錐状に突出している壁部163を有する。具体的には、壁部163は、円錐の頂点が下方に位置するように、かつ、内方に互いに同じ大きさの底面を有する円柱及び円錐が組み合わせされた略円錐の空間が形成されるように、下方に向かって突出しており、略円錐の側面を形成している。また、壁部163の下端には、壁部163が形成している略円錐の頂点部分からさらに下方に突出している円柱状の貫通部164が形成されている。略円錐状の壁部163は、略円錐の空間の底面(蓋板170)に対する角度が所定の角度よりも浅い方が好ましい。
また、絶縁本体部160は、さらに、壁部163の縁部のうちのX軸方向マイナス側の2箇所から下方に向かって突出している2本の柱部165と、当該縁部のX軸方向プラス側の2箇所から下方に向かって突出している2本の柱部166とを有する。
内部絶縁部材150の蓋板170は、壁部163の円錐形状の底面位置に配置されることで密閉部151を形成する円板状の部材である。つまり、図4に示すように、壁部163と蓋板170とで密閉部151を形成することで、内部が密閉された密閉空間S2を形成している。
なお、蓋板170は、壁部163よりも変形しにくい構成である。つまり、蓋板170の剛性は、壁部163の剛性よりも大きいことで、蓋板170が壁部163よりも変形しにくい構成としてもよい。例えば、蓋板170の厚みを、壁部163の厚みよりも厚くすることで、蓋板170の剛性を壁部163の剛性よりも大きくしてもよい。
また、蓋板170が壁部163よりも変形しにくい構成を、蓋板170の剛性を壁部163の剛性よりも大きくすることで実現することに限らずに、蓋板170の密閉空間S2に面している面積を、壁部163の密閉空間S2に面している面積よりも小さい構成としてもよい。例えば、本実施の形態では、蓋板170は平板状であるが、壁部163は下方に向かって円錐状に突出する形状である。つまり、本実施の形態では、蓋板170の剛性を壁部163の剛性よりも大きくすることで変形しにくい構成とするだけでなく、さらに、蓋板170の密閉空間S2に面している面積を、壁部163の密閉空間S2に面している面積よりも小さくすることで蓋板170が壁部163よりも変形しにくい構成を実現しているとも言える。
このように、壁部163の厚みを調整し、かつ、円錐形状とすることで、壁部163は、容器100内の圧力が密閉空間S2の圧力よりも上昇したときに、突出方向から反転して変形するような構成とすることができる。
また、壁部の形状を、中心位置から同心円状の山折り形状と谷折り形状とが繰り返される蛇腹状の形状とすることで、壁部の密閉空間S2に面している面積が蓋板170の密閉空間S2に面している面積よりも大きい構成を実現してもよい。
内部絶縁部材150の挟持部180は、壁部163の下端に固定され、壁部163の下端とで正極集電体500の一部を挟み込む円板状の部材である。挟持部180は、壁部163の頂点部分から突出する貫通部164の下端に接合される。より具体的には、壁部163の下端に設けられた円柱形状の貫通部164が正極集電体500の脆弱部530(後述参照)の貫通孔533を貫通した状態で、挟持部180が貫通部164の先端に対して固定されている。さらに挟持部180の直径は脆弱部530の貫通孔533の直径よりも大きく設定されている。これにより貫通部164は貫通孔533から抜けない構造となっている。以上により、壁部163は正極集電体500の脆弱部530に対して固定されている。つまり、密閉部151は、さらに、貫通部164と、貫通部164の下端に設けられ、脆弱部530を壁部163とで挟み込む挟持部180とを有するとも言える。
次に、内部絶縁部材150に形成されている密閉部151について、図4を用いて説明する。
密閉部151は、図4に示すように、絶縁本体部160の壁部163と、蓋板170とにより形成されている。つまり、密閉部151は、内部絶縁部材150の一部である。また、密閉部151は、容器100の内方の空間S1とは独立した密閉空間S2を、容器100により形成される空間S1の内部で形成している。
また、密閉部151は、内部絶縁部材150の一部であり、かつ、内部絶縁部材150が容器100の蓋体110の突出部112によって形成される空間に配置されているため、突出部112によって形成される空間に配置されていると言える。また、密閉部151は、締結部220または放電用端子400が延びる方向(Z軸方向)から見て締結部220及び放電用端子400の側方に配置される。つまり、突出部112の内方には、締結部220のかしめられた端部と、放電用端子400のかしめられた端部と、密閉部151及び脆弱部530とが並んで配置されている。
また、密閉部151は、図4に示すように、締結部220の容器100の内方側の一端(つまり下端)よりも他端(つまり上端)側に配置されている。つまり、締結部220の下端は、密閉部151よりも容器100の内方側(つまりZ軸方向マイナス側)に配置されている。
正極集電体500は、正極端子200と電極体700との導電経路における正極端子200側の第一部分510と、正極端子200と電極体700との導電経路における電極体700側の第二部分520と、第一部分510及び第二部分520を連結する脆弱部530とを有する。第一部分510には、正極端子200の締結部220に貫通される貫通孔511が形成されている。また、第二部分520には、放電用端子400に貫通される貫通孔523が形成されている。正極集電体500を構成する第一部分510、第二部分520及び脆弱部530は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成されている。
以下、正極集電体500の構成について、主に図8〜図10を用いて詳細に説明する。
図8及び図9は、本発明の実施の形態に係る正極集電体500の構成を示す斜視図である。具体的には、図8は、本発明の実施の形態に係る正極集電体500を斜め上方からみた場合の斜視図である。また、図9の(a)は、本発明の実施の形態に係る正極集電体500を斜め下方からみた場合の斜視図であり、図9の(b)は、図9の(a)における脆弱部530の部分を拡大した拡大図である。また、図10は、本発明の実施の形態に係る正極集電体500を下方からみた場合の平面図である。
第一部分510は、図4に示すように正極集電体500のうちの、正極端子200に接続される板状の部位である。具体的には、第一部分510は、貫通孔511が正極端子200の締結部220により貫通された状態で、締結部220の下端がかしめられることにより正極端子200に固定される。
第二部分520は、正極集電体500のうちの、電極体700に接続される部分である。また、第二部分520は、放電用端子400にも接続される。つまり、第二部分520は、放電用端子400に接続される板状の部位である放電用端子側接続部521と、電極体700の正極接続部701に接続される部位である電極体側接続部522とを有する。電極体側接続部522は、放電用端子側接続部521のY軸方向の両側から下方に向かって延びる長尺板状の形状をしている。
具体的には、第二部分520は、本実施の形態では、電極体側接続部522が超音波溶接により電極体700に固定される。それとともに、第二部分520は、放電用端子側接続部521に形成されている貫通孔523が放電用端子400に貫通された状態で、放電用端子400の下端がかしめられることにより、放電用端子400に固定される(図4参照)。これにより、放電用端子400は、電極体700を容器100内で支持している。
脆弱部530は、図9(b)や図15(a)に示すようにリング部531と、薄肉部532とを有する。リング部531には、貫通孔533が形成されており、密閉部151の壁部163と固定される。薄肉部532は、リング部531の周囲に形成されている。リング部531は、X軸方向マイナス側の部分が第一部分510と薄肉部532を介して連続しており、X軸方向プラス側の部分が第二部分520と薄肉部532を介して連続している。つまり、第一部分510及び第二部分520は、脆弱部530を通じて電気的に接続されている。
また、第一部分510と第二部分520との間には、脆弱部530に隣接して開口部540が形成されている。具体的には、開口部540は、脆弱部530からY軸方向の両側に向かって延びるスリットである。つまり、第一部分510と第二部分520とは、脆弱部530以外の部分では接続されておらず、互いに離れている。
なお、正極集電体500は、第一部分510、第二部分520及び脆弱部530を有する構成であるとともに、見方を変えると、容器100の蓋体110に沿って配置される端子側部分550と、電極体700の正極接続部701に沿って配置される電極体側部分560とを備えた構成であるとも言える。このとき、端子側部分550は、第一部分510、脆弱部530及び放電用端子側接続部521から構成され、容器100の蓋体110に沿って配置される板状部材である。電極体側部分560は、電極体側接続部522であり、端子側部分550に略直交する方向(Z軸方向)に延び、電極体700の正極接続部701を互いに挟み込む一対の板状部材である。
ここで、図4に示すように、端子側部分550は、第一部分510と第二部分520とに亘って形成された凹部551を有する。凹部551は、容器100の内方(Z軸方向マイナス側)に向けて凹んだ形状の部分である。また、脆弱部530は、凹部551に含まれる。また、凹部551は、図4に示すように、蓋体110の突出部112によって形成される空間に配置される。つまり、脆弱部530は、蓋体110の突出部112によって形成される空間に配置される。さらに、凹部551の側方には、締結部220のかしめられた端部と、放電用端子400のかしめられた端部とが配置されている。このように、凹部551は、蓋体110の突出部によって形成される空間に配置されており、かつ、凹部551の側方には、締結部220のかしめられた端部と、放電用端子400のかしめられた端部とが配置されているため、電極体700以外の容器100内部の構成を最大限コンパクトにできる。このため、容器100の容積に対する電極体700の体積が占める割合を最大限増加させることができる。
また、凹部551には、密閉部151が配置されており、凹部551に含まれる脆弱部530と密閉部151を形成している壁部163とは対向している。
また、図9に示すように、凹部551のX軸方向マイナス側の部分513のうちの脆弱部530の周囲の部分には、他の部分よりも厚みが薄くなっている窪み部514が形成されている。同様に、凹部551のX軸方向プラス側の部分525のうちの脆弱部530の周囲の部分には、他の部分よりも厚みが薄くなっている窪み部526が形成されている。ここで、窪み部514及び窪み部526は、脆弱部530により連結されている。具体的には、薄肉部532は、リング部531のX軸方向マイナス側の部分と窪み部514とを連結している部分と、リング部531のX軸方向プラス側の部分と窪み部526とを連結している部分とを有する。
また、凹部551のX軸方向マイナス(第一部分510)側の部分513には、2つの貫通孔512が形成されている。また、同様に、凹部551のX軸方向プラス(第二部分520)側の部分525には、2つの貫通孔524が形成されている。
ここで、蓄電素子10の組立方法について説明する。
まず、内部絶縁部材150と正極集電体500との組み付け方法について、図11を用いて説明する。
図11は、本発明の実施の形態に係る内部絶縁部材150と正極集電体500との組み付け方法を説明するための図である。具体的には、図11の(a)は、組み付け前の内部絶縁部材150と正極集電体500とを斜め下方から見た場合の斜視図であり、図11の(b)は、組み付け時の内部絶縁部材150と正極集電体500とを説明するための断面図であり、図11の(c)は、組み付け後の内部絶縁部材150と正極集電体500とを斜め下方から見た場合の斜視図である。
図11の(a)に示すように、内部絶縁部材150の壁部163の下端の貫通部164と、正極集電体500の脆弱部530の貫通孔533とは、互いに対応した位置に形成されている。また、内部絶縁部材150の2本の柱部165と、正極集電体500の凹部551のX軸方向マイナス側の部分513の2つの貫通孔512とは、互いに対応した位置に形成されている。また、内部絶縁部材150の2本の柱部166と、正極集電体500の凹部551のX軸方向プラス側の部分525の2つの貫通孔524とは、互いに対応した位置に形成されている。つまり、貫通部164、2本の柱部165、及び2本の柱部166は、それぞれ、貫通孔533、2つの貫通孔512、及び2つの貫通孔524を貫通可能に形成されている。
そして、貫通部164が貫通孔533を貫通し、かつ、2本の柱部165が2つの貫通孔512を貫通し、かつ、2本の柱部166が2つの貫通孔524を貫通した状態で、図11の(b)に示すように貫通部164と挟持部180とが互いに固定される。
なお、内部絶縁部材150及び正極集電体500の組み付け前の状態において、壁部163の突出している高さは、凹部551が突出している高さよりも若干小さい。つまり、貫通部164と挟持部180とが固定される工程では、貫通部164が脆弱部530の貫通孔533を貫通するように壁部163がZ軸方向マイナス側に加圧された状態で、貫通部164と挟持部180とがレーザー溶着などの溶着で固定される。このため、内部絶縁部材150及び正極集電体500の組み付け後においては、壁部163は、脆弱部530にZ軸方向プラス側に向けた若干付勢力を加えている状態となる。
なお、貫通部164と挟持部180との固定は、レーザー溶着による固定に限らずに、超音波溶着や接着剤による固定でもよい。また、壁部163が脆弱部530に付勢力を加えた状態とする構成にする必要は必ずしもないが、脆弱部530に対する力が働いている状態としている方が、所定圧力以上になった場合に脆弱部530を確実に切断できるように設定しやすいため好ましい。
貫通部164と挟持部180とが固定された後で、図11の(c)に示すように、2本の柱部165及び2本の柱部166のそれぞれの先端が熱かしめされることにより、2本の柱部165及び2本の柱部166において、内部絶縁部材150及び正極集電体500が互いに固定される。なお、2本の柱部165は、正極集電体500の第一部分510に固定され、2本の柱部166は、正極集電体500の第二部分520に固定される。このように、第一部分510及び第二部分520は、脆弱部530を挟んでそれぞれ2箇所の位置で内部絶縁部材150に固定されるため、脆弱部530に電極体の重さによる負荷が掛かることを低減できる。また、固定された位置を軸にして回転することを抑制できる。これにより、正極集電体500の第一部分510及び第二部分520に対して組み付け時に力が加えられたとしても、脆弱部530で破断することを抑制することができる。また、蓄電素子10に予期せぬ衝撃等が加わった際にも、脆弱部530が破断することを抑制できる。
次に、密閉部151の組み付け方法について、図12を用いて説明する。
図12は、本発明の実施の形態に係る密閉部151の組み付け方法について説明するための図である。具体的には、図12の(a)は、組み付け前の内部絶縁部材150の蓋板170と、絶縁本体部160及び正極集電体500の組立体とを示す斜視図である。図12の(b)は、組み付け後の内部絶縁部材150及び正極集電体500の構成を示す斜視図である。
図12の(a)に示すように、内部絶縁部材150の蓋板170は、絶縁本体部160、挟持部180及び正極集電体500が組み立てられた後に、絶縁本体部160の壁部163に対応する位置に配置される。そして、図12の(b)に示すように、所定の位置に配置された蓋板170の縁の全周を溶着することで、蓋板170を絶縁本体部160に固定する。このように、壁部163と蓋板170とが溶着されることで、内方に密閉空間S2が形成された密閉部151が形成される。
なお、以下では、密閉部151を含む内部絶縁部材150と、正極集電体500とが組み付けられた組立体を、「集電部組立体」という。
次に、正極端子200、放電用端子400及び外部絶縁部材250の組み付け方法について、図13を用いて説明する。
図13は、本発明の実施の形態に係る正極端子200、放電用端子400及び外部絶縁部材250の組み付け方法について説明するための図である。具体的には、図13の(a)は、組み付け前の正極端子200と、放電用端子400と、第一外部絶縁部材260及び第二外部絶縁部材270を有する外部絶縁部材250との斜視図である。図13の(b)は、組み付け後の正極端子200、放電用端子400及び外部絶縁部材250の構成を示す斜視図である。
図13の(a)に示すように、第二外部絶縁部材270の2本の柱部274と、正極端子200の端子本体部210の2つの貫通孔211とは、互いに対応した位置に形成されている。つまり、2本の柱部274は、2つの貫通孔211を貫通可能に形成されている。
また、2本の柱部274が形成されている第二外部絶縁部材270の絶縁本体部271の外形は、第一外部絶縁部材260の開口部264の形状と一致しており、絶縁本体部271は開口部264に嵌合するように形成されている。
そして、2本の柱部274が2つの貫通孔211を貫通し、かつ、絶縁本体部271が開口部264に嵌合した状態で、図13の(b)に示すように、2本の柱部274の先端が熱かしめされることにより、2本の柱部274において、正極端子200及び第二外部絶縁部材270が互いに固定される。また、図13では図示していないが、図4に示すように、正極端子200の締結部220は、貫通孔262を貫通した状態で固定される。このように、第一外部絶縁部材260は、正極端子200及び第二外部絶縁部材270によって挟持されることにより、正極端子200及び第二外部絶縁部材270と固定される。
そして、第二外部絶縁部材270の貫通孔272に、放電用端子400を配置する。
なお、上記の工程が終了しても、正極端子200、放電用端子400及び外部絶縁部材250の組立体(以下、「端子部組立体」という。)では、正極端子200の締結部220と、放電用端子400とは、かしめられていない状態である。
次に、集電部組立体、蓋体110及び端子部組立体の組み付け方法について、図14を用いて説明する。
図14は、本発明の実施の形態に係る集電部組立体、蓋体110及び端子部組立体の組み付け方法について説明するための図である。具体的には、図14の(a)は、組み付け前の集電部組立体、蓋体110及び端子部組立体の斜視図である。図14の(b)は、組み付け後の集電部組立体、蓋体110及び端子部組立体の斜視図である。なお、図14の(a)及び(b)では、蓋体110をX軸方向の中央付近でカットした状態で図示している。
図14の(a)に示すように、正極端子200の締結部220と、蓋体110の貫通孔116及び正極集電体500の貫通孔511とは、互いに対応した位置に形成されている。また、放電用端子400と、蓋体110の貫通孔117及び正極集電体500の貫通孔523とは、互いに対応した位置に形成されている。外部絶縁部材250は、蓋体110の突出部112の容器100の外側の形状に対応した形状を有しており、蓋体110の突出部112に勘合する形状である。また、第一外部絶縁部材260の筒部263と、蓋体110の貫通孔116とは互いに対応した位置に形成されている。また、第二外部絶縁部材270の筒部273と、蓋体110の貫通孔117とは互いに対応した位置に形成されている。また、突出部112の内方の空間と、内部絶縁部材150とは、互いに対応した形状に形成されている。
そして、締結部220が貫通孔116、511を貫通し、かつ、放電用端子400が貫通孔117、521を貫通し、かつ、筒部263が貫通孔116を貫通し、かつ、筒部273が貫通孔117を貫通し、かつ、突出部112の内方の空間に内部絶縁部材150が配置された状態で、図14の(b)に示すように締結部220の下端と、放電用端子400の下端とがかしめられる。これにより、集電部組立体、蓋体110及び端子部組立体は、互いに固定される。
なお、従来構造である負極集電体600は、蓋体110に沿う電極端子側の部分と負極接続部702に沿う電極体700側の部分とを有し、正極集電体500とは異なり、脆弱部を有しない構造である。蓋体110の負極側では、負極端子300、外部絶縁部材350、内部絶縁部材(図示せず)、及び負極集電体600についても、負極端子300によりかしめられることにより、負極端子300、外部絶縁部材350、蓋体110、内部絶縁部材(図示せず)、及び負極集電体600は、互いに固定される。
この後、互いに固定された、集電部組立体、蓋体110及び端子部組立体の組立体(以下、「蓋体組立体」という。)は、正極集電体500の電極体側部分560が電極体700の正極接続部701に接続され、負極集電体600の電極体側部分(図示せず)が電極体700の負極接続部702に接続される。
次に、互いに接続された蓋体組立体と電極体700とは、電極体700が本体120に挿入され、本体120と蓋体110とが当接された状態で、本体120と蓋体110とが溶接される。そして、容器100の内部に容器100に形成される図示しない注液孔から電解液が注入される。最後に、注液孔が封止されて、蓄電素子10が完成される。
次に、蓄電素子10において、内部に異常が発生し、容器100の内圧が所定の圧力を超えた場合の動作について、図15を用いて説明する。なお、ここで言う「異常」とは、例えば、蓄電素子10が過充電等により、蓄電素子10の容器100内部の電解液が分解され、ガスが発生した状態である。
図15は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10の電流を遮断する動作について説明するための図である。具体的には、図15の(a)は、図4において、密閉部151と、正極集電体500の脆弱部530の周辺の部分を拡大した拡大図である。図15の(b)は、蓄電素子10の内部に異常が発生し、容器100の内圧が所定の圧力を超えた場合の脆弱部530への動作を説明するための図である。なお、図15では、密閉部151及び正極集電体500以外の部材は省略している。
図15の(a)に示すように、内部絶縁部材150の挟持部180は、その直径d1が薄肉部532の直径d2よりも小さくなるように形成されている。
蓄電素子10の内部に異常が発生し、容器100の内圧が所定の圧力を超えた場合、空間S1の圧力が密閉空間S2の圧力よりも大きくなる。このため、密閉部151は、空間S1と密閉空間S2との差圧により、図15の(b)の複数の黒矢印で示すように、壁部163に対して当該差圧による力が加わり、密閉空間S2の体積が小さくなり、かつ、壁部163の突出方向が反転するように変形する。これにより、密閉部151の壁部163は、脆弱部530に対して固定されている部分が脆弱部530とともに移動することで、正極集電体500の第一部分510と第二部分520とを分離する。
つまり、壁部163が変形することにより、壁部163の下端に固定されている挟持部180が上方に向かって移動する。これにより、挟持部180は、脆弱部530に対して力F(白抜き矢印)を加えることとなり、脆弱部530の薄肉部532を破断する。このとき、挟持部180は、上述したように、その直径d1が薄肉部532の直径d2よりも小さくなるように形成されているため、上方に移動したときに薄肉部532が破断されることにより形成された直径d2の貫通孔を通過できる。これにより、第一部分510と第二部分520とは物理的に分離される。このため、正極集電体500は、第一部分510と第二部分520との間の導通が遮断される。
なお、密閉部151の蓋板170ではなくて、壁部163が変形しているのは、壁部163が蓋板170よりも変形しにくい部材で構成されていることによる。つまり、壁部163を蓋板170よりも変形しにくい部材で構成することにより、容器100の圧力が所定の圧力を超えた場合に、主に壁部163が変形する構成としている。
また、壁部163は、図15の(b)に示すように、密閉部151の密閉空間S2に収納されるように、密閉部151の密閉空間S2は、互いに同じ大きさの底面を有する円柱及び円錐が組み合わせされた略円錐の形状である。つまり、壁部163は、変形した後には、密閉空間S2の円柱状の空間に収納される。なお、密閉空間S2は、略円錐の形状に限らずに、略円柱の形状であってもよいし、角柱の形状であってもよいし、角柱及び角錐が組み合わされた形状であってもよい。
以上のように、本発明の実施の形態に係る、電流遮断の機構を有する蓄電素子10によれば、容器100の内方に配置され、内部が密閉された密閉部151は、脆弱部530と対向する壁部163を有しており、壁部163は、絶縁性を有しており、正極集電体500の脆弱部530に対して固定されている。つまり、密閉部151の壁部163は、絶縁性を有する材料で構成されている。したがって、密閉部151への通電が不要な構成である。このため、密閉部151は、正極端子200または正極集電体500に対して金属同士の溶接部を有さない構成である。これにより、蓄電素子10の内圧上昇時に電流を遮断する機構を有しながら、金属異物が発生することを抑制できる。つまり、蓄電素子10の内部に、内部短絡などの不具合の原因となる金属異物の混入を抑制できる。
また、壁部163は、脆弱部530に対して固定されている部分が脆弱部530とともに移動することで、正極集電体500の第一部分510と第二部分520とを分離する。つまり、壁部163は、正極集電体500の第一部分510と第二部分520とを、脆弱部530において物理的に切り離す。このため、第一部分510と第二部分520との間の導通を遮断できる。これにより、正極端子200と、電極体700との間の導通を遮断できる。
また、密閉部151は、容器100と正極集電体500との間に配置され、かつ、容器100と正極集電体500とを絶縁する内部絶縁部材150の一部である。つまり、内部絶縁部材150から密閉部151を独立させて設ける必要がないため、電極体700以外の容器100内部の構成をコンパクトにできる。このため、容器100の容積に対する電極体700の体積が占める割合を増加させることができる。これにより、蓄電素子10のエネルギー密度を大きくすることができる。
また、脆弱部530は、正極集電体500の第一部分510と第二部分520とに亘って形成された凹部551に含まれ、密閉部151は、凹部551に配置されている。つまり、凹部551に密閉部151の少なくとも一部を収納することができる。また、脆弱部530が移動するためには、移動する側に空間が必要である。つまり、凹部551に脆弱部530が含まれているため、凹部551の内部の空間を脆弱部530が移動する空間とすることができる。これらのことにより、電極体700の形状を複雑な形状にすることなく、電極体700以外の容器100内部の構成をコンパクトにできる。このため、容器100の容積に対する電極体700の体積が占める割合を増加させることができる。これにより、蓄電素子10のエネルギー密度を大きくすることができる。
また、密閉部151は、容器100の外方に向けて突出して形成されている突出部112によって形成される空間に配置されている。つまり、突出部112によって形成される空間内に密閉部151を配置することで、突出部112によって形成される空間内に、電極体700以外の構成を配置できる。このため、容器100の容積に対する電極体700が占める割合を増加させることができる。これにより、蓄電素子10のエネルギー密度を大きくすることができる。
また、脆弱部530は、壁部163に対して固定されている部分の周囲に薄肉部532を有する。このため、脆弱部530が移動したときに、脆弱部530の薄肉部532を容易に破断させることができ、正極集電体500を容易に第一部分510と第二部分520とに分離することができる。
また、正極集電体500の第一部分510と第二部分520との間には、脆弱部530に隣接して開口部540が形成されている。このため、開口部540を設けない場合に比べて脆弱部530をより小さい形状にすることができ、容易に正極集電体500を第一部分510と第二部分520とに分離することができる。つまり、より小さい脆弱部530を採用することができるため、より小さい力を脆弱部530に作用させる構成としても、正極集電体500を第一部分510と第二部分520とに分離することができる。このため、より小さい密閉部151を採用することができ、容器100内部の構成をコンパクトにできる。したがって、容器100の容積に対する電極体700の体積が占める割合を増加させることができる。これにより、蓄電素子10のエネルギー密度を大きくすることができる。
また、密閉部151は、壁部163から突出して形成され、脆弱部530の貫通孔533を貫通している貫通部164と、貫通部164の端部に設けられ、脆弱部530を壁部163とで挟み込む挟持部180と、を有する。このため、密閉部151の、脆弱部530に対して固定されている部分が移動したときに、脆弱部530を容易な構成で正極集電体500から切り離すことができる。
また、蓄電素子10によれば、正極集電体500が脆弱部530を有するとともに、支持部材としての放電用端子400の少なくとも一部が、正極集電体500の導電経路における電極体700側の第二部分520と容器100の蓋体110との間に配置され、容器100内で第二部分520を支持する。つまり、締結部220に加えて放電用端子400が正極集電体500を容器100内で支持しており、放電用端子400は正極集電体500のうちの電極体700側の第二部分520を支持している。このように、正極集電体500の第二部分520が放電用端子400により支持されているため、簡単な構成でありながら、蓄電素子10の構成を、蓄電素子10に振動や衝撃が加えられて、電極体700が移動しようとしたときに、正極集電体500の第一部分510と第二部分520とを連結する脆弱部530に負荷がかかりにくい構成とすることができる。このため、予期せぬ荷重が正極集電体500に対して加えられたとしても、正極集電体500が脆弱部530で破断することを抑制できる。これにより、正極端子200と正極集電体500との通電が予期せずに遮断されることを抑制できる。
また、放電用端子400は、金属製であり、第二部分520と接続されるとともに容器100とに固定される。このため、放電用端子400は、第二部分520をより強固に固定することができる。また、放電用端子400は、金属製であるため、蓄電素子10が過充電されるなどの異常時において、脆弱部530が破断した際、電極体700には電気エネルギーが蓄積されたままとなっている。このエネルギーは、放出させることが好ましい。脆弱部530が破断した際にも、電極体700に接続されている第二部分520側に放電用端子400が接続されたままであり、電極体700は正極集電体500の第二部分520を介して放電用端子400と電気的に接続されたままである。このため、異常時に脆弱部530が破断した後、充電用の電力が供給されていない放電用端子400から安全に電極体700に蓄積されたエネルギーを放出させることができる。
なお、上述した効果は、負極集電体600の周囲にも正極集電体500の周囲と同様の構成が採用されていれば、同様のことが言える。
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施の形態では、壁部163が脆弱部530に対して固定されている構成であるが、固定されることに限らずに、脆弱部530に対して係合される壁部が採用されてもよい。つまり、容器100内部の圧力が所定の圧力を超えた場合、密閉部の壁部が変形したときに、脆弱部530に対して、図15の白抜き矢印で示した力Fが加わる構成であれば、壁部が脆弱部530に対して固定されている必要はない。例えば、密閉部の壁部が変形したときに、脆弱部530に対して上向きの力Fが加わるように、係合されている(引っ掛かっている)構成であってもよい。つまり、この場合の壁部は、脆弱部530の面であって、当該壁部とは反対側の面に対向する部分を有することで、脆弱部530に係合する構成であってもよい。なお、このように脆弱部530に係合する壁部が採用された場合であっても、上記実施の形態の蓄電素子10と同様の効果が奏される。
また、上記実施の形態では、密閉部151の内方には個体の物質が存在しない密閉空間S2が形成されているが、これに限らずに、密閉空間S2の内方にスポンジなどの体積が収縮可能な物体が収納されていてもよい。これにより、密閉空間S2に収納する物体の弾性力を調整すれば、密閉部151の形状を変えなくても、壁部163が移動する容器100内部の圧力を調整することができるため、部品を共通化することができる。
また、上記実施の形態では、密閉部151は、絶縁性を有する部材により構成されているが、壁部163以外の構成が金属で構成されていてもよい。
また、上記実施の形態では、密閉部151は、壁部163を略円錐形状にして、圧力が加えられた場合に、略円錐形状の壁部163が反転して変形するような構成としているが、これに限らない。密閉部を構成する壁部の厚みを密閉部の他の部分の厚みよりも薄くすることで、剛性の大きさに差を生じさせ、密閉部のうちで壁部のみが変形するように構成してもよい。
また、上記実施の形態では、正極集電体500は、第一部分510及び第二部分520とは異なる構成要素であるリング部531を有する脆弱部530を、正極集電体500自身から切り離すことにより、第一部分510と第二部分520とに分離しているが、これに限らない。つまり、第一部分510、第二部分520、及び脆弱部530という正極集電体500の3つの構成要素のうちの1つである脆弱部530を切り離すことにより、正極集電体500を3つの構成要素に分離する構成であるが、これに限らない。例えば、正極集電体の第一部分及び第二部分が薄肉部のみから形成される脆弱部で接続されている構成が考えられる。この場合、脆弱部である薄肉部自体を破断させることで、正極集電体を第一部分と第二部分との2つの構成要素に分離する構成であってもよい。つまり、薄肉部自体が、壁部のうちの薄肉部に係合または固定されている部分によって、破断される構成であればよい。例えば、壁部は、薄肉部の壁部とは反対側に対向している係合部(フック)を有している構成であり、係合部が移動して当該薄肉部が形成されている位置を薄肉部の厚み方向に横断することにより、当該薄肉部を破断可能な構成であればよい。つまり、脆弱部は、リング部531を有していなくてもよく、また、貫通孔533が形成されていなくてもよい。
また、上記実施の形態では、密閉部151は、内部絶縁部材150の一部であるが、密閉部151が内部絶縁部材150から独立した別体であってもよい。
また、上記実施の形態では、正極集電体500の端子側部分550には、凹部551が形成されているが、必ずしも凹部が形成されていなくてもよく、正極集電体500の端子側部分550が平板状であってもよい。これにより、折り曲げ加工を不要にできる。また、凹部551は、容器100の内方(つまり、Z軸方向マイナス側)に向かって凹んでいるが、Z軸方向プラス側に向かって凹んでいてもよい。つまり、密閉部は、容器100の蓋体110と正極集電体500との間に配置されていなくてもよく、正極集電体500と電極体700との間に配置されていてもよい。
また、上記実施の形態では、容器100の蓋体110には、突出部112が形成されているが、必ずしも突出部112が形成されていなくてもよく、平板の蓋体であってもよい。これにより、蓋体を容易に加工できる。
また、上記実施の形態では、脆弱部530に隣接して開口部540が形成されているが、必ずしも、開口部540が形成されていなくてもよい。つまり、この場合には、正極集電体において、第一部分と第二部分との間の全てには脆弱部が形成されている。また、脆弱部530は、1つだけでなく、複数形成されていてもよい。例えば、第一部分と第二部分とが、複数の脆弱部のそれぞれで連結されている構成であってもよいし、第一部分、複数の脆弱部及び第二部分がX軸方向に並んで直列に連結されている構成であってもよい。なお、複数の脆弱部が形成される場合には、壁部は、複数の脆弱部の全てに係合または固定されている必要がある。
また、上記実施の形態では、外部絶縁部材250は、第一外部絶縁部材260と第二外部絶縁部材270との2つの部材から構成されているが、1つの部材から構成してもよい。
また、上記実施の形態では、蓄電素子10は、放電用端子400を有しているが、必ずしも放電用端子400を有していなくてもよい。これにより、蓄電素子を構成する部品点数を削減することができる。
また、上記実施の形態では、端子本体部210と締結部220とは一体に形成されているが、別体であってもよい。つまり、締結部の容器100外側の端部が端子本体部210に電気的に接続されていれば、端子本体部と締結部とが別体であってもよい。
また、上記実施の形態では、第二外部絶縁部材270は、放電用端子400の露出部分を覆う蓋部280を有しているが、必ずしも、蓋部280を有していなくてもよい。
また、上記実施の形態では、蓋体110は、安全弁を有していない構成であるが、安全弁を有している構成の蓋体が採用されてもよい。つまり、蓋体は、蓄電素子10の容器100の内圧が上昇したときに、容器100内部のガスを外部に排出する安全弁を有していてもよい。なお、安全弁が作動して容器100内部のガスを外部に排出させるときの圧力は、密閉部の壁部が変形する圧力よりも大きくすることが好ましい。
また、上記実施の形態及びその変形例が備える各構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
本発明は、蓄電素子の内部に、内部短絡などの不具合の原因となる金属異物を混入させる可能性を効果的に抑制できる蓄電素子などとして有用である。
10 蓄電素子
100 容器
110 蓋体
111 上面
112 突出部
113 平板部
114 頂部
115 側壁部
116、117 貫通孔
120 本体
150 内部絶縁部材
151 密閉部
160 絶縁本体部
161、162 貫通孔
163 壁部
164 貫通部
165、166 柱部
170 蓋板
180 挟持部
200 正極端子
210 端子本体部
211 貫通孔
220 締結部
250、350 外部絶縁部材
260 第一外部絶縁部材
261 絶縁本体部
262 貫通孔
263 筒部
264 開口部
270 第二外部絶縁部材
271 絶縁本体部
272 貫通孔
273 筒部
274 柱部
280 蓋部
281 蓋板
282 枠部
300 負極端子
400 放電用端子
500 正極集電体
510 第一部分
511、512、523、524 貫通孔
513、525 部分
514、526 窪み部
520 第二部分
521 放電用端子側接続部
522 電極体側接続部
530 脆弱部
531 リング部
532 薄肉部
533 貫通孔
540 開口部
550 端子側部分
551 凹部
560 電極体側部分
600 負極集電体
700 電極体
701 正極接続部
702 負極接続部
S1 空間
S2 密閉空間

Claims (8)

  1. 電極端子と、電極体と、前記電極端子及び前記電極体に電気的に接続される集電体と、前記電極体及び前記集電体を収容する容器とを備える蓄電素子であって、
    前記容器の内方に配置され、内部が密閉された密閉部を備え、
    前記集電体は、
    前記電極端子と前記電極体との間の導電経路における電極端子側の第一部分と、
    前記電極端子と前記電極体との間の導電経路における電極体側の第二部分と、
    前記第一部分と前記第二部分とを連結する脆弱部と、を有し、
    前記密閉部は、前記脆弱部と対向する壁部を有しており、
    前記壁部は、絶縁性を有しており、前記脆弱部に対して係合または固定されている
    蓄電素子。
  2. 前記壁部は、前記脆弱部に対して係合または固定されている部分が前記脆弱部とともに移動することで、前記集電体の前記第一部分と前記第二部分とを分離する
    請求項1に記載の蓄電素子。
  3. さらに、
    前記容器と前記集電体との間に配置され、前記容器と前記集電体とを絶縁する絶縁部材を備え、
    前記密閉部は、前記絶縁部材の一部である
    請求項1または2に記載の蓄電素子。
  4. 前記集電体は、前記第一部分と前記第二部分とに亘って形成された凹部を有し、
    前記脆弱部は、前記凹部に含まれ、
    前記密閉部は、前記凹部に配置されている
    請求項1から3のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  5. 前記容器は、前記容器の外方に向けて突出した突出部を有し、
    前記密閉部は、前記突出部によって形成される空間に配置されている
    請求項1から4のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  6. 前記脆弱部は、前記壁部に対して係合または固定されている部分の周囲に薄肉部を有する
    請求項1から5のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  7. 前記集電体の前記第一部分と前記第二部分との間には、前記脆弱部に隣接して開口部が形成されている
    請求項1から6のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  8. 前記脆弱部は、貫通孔を有し、
    前記密閉部は、さらに、
    前記壁部から突出して形成され、前記貫通孔を貫通している貫通部と、
    前記貫通部の端部に設けられ、前記脆弱部を前記壁部とで挟み込む挟持部と、を有する
    請求項1から7のいずれか1項に記載の蓄電素子。
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