以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。図1は、パチンコ遊技機の概略正面図である。図2は、始動口形成部材の内部を模式的に示した模式図である。図3は、図2の始動口形成部材に遊技球が導入された状況を概念的に示した説明図であり、(A)は遊技球が第1始動口に振り分けられた状況を示し、(B)は遊技球が第2始動口に振り分けられた状況を示す図である。
[パチンコ遊技機の概略構成]
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、基本構成として、遊技盤2と、遊技盤2の外周側を囲む枠部材3とを備えている。遊技盤2は、入賞や判定(抽選)に関する役物等が設けられている。枠部材3は、遊技盤2の平面に対して、所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持している。すなわち、パチンコ遊技機1は、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下(流通)可能な遊技領域10を形成している。
また、枠部材3の下部側には、上皿28、下皿29、及び、ハンドル20が設けられている。上皿28は、遊技球を貯留する部分であり、当該貯留された遊技球は主に後述する発射装置(図示しない)に供給される。下皿29は、上皿28の下方に位置し、主にパチンコ遊技機1から払い出された遊技球(賞球)を貯留する部分である。また、この下皿29には、取り出しボタン23が備え付けられており、当該取り出しボタン23を操作することで、当該下皿29に貯留された遊技球を下方に向けて排出することができる。ハンドル20は、遊技球を遊技領域10内に向けて打ち出す装置であり、回動式のレバー21と、当該レバー21と連動して作動する図示しない発射装置とを有する。
すなわち、このパチンコ遊技機1では、遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計回り方向に回転させると、上皿28から案内された遊技球が発射装置側に流れ込み、次々と遊技球が遊技領域10に向けて発射される。この遊技領域10には、遊技球を流下させるための図示しない遊技クギや風車等(以下、クギ等という)が設けられており、ハンドル20によって打ち出された遊技球は、クギ等に衝突しながら流下する。具体的には、ハンドル20によって打ち出された遊技球は、一旦、遊技領域10の外枠に沿って上部側に案内され、クギ等に衝突することでその移動方向を変化させながら遊技盤2の平面に沿って流下する。なお、ハンドル20のレバー21をもとの位置に戻したり、当該ハンドル20に備えられた停止ボタン22を操作することによって、遊技領域10への遊技球の打ち出しを一時的に停止することができる。
また、この種のハンドル20は、レバー21の回転角度に応じて遊技球の打ち出し力を変化させることができる。すなわち、遊技者がレバー21の回転角度を調節することで、いわゆる「左打ち」と「右打ち」を使い分けることができる。
「左打ち」は、レバー21の回転角度を小さく(「右打ち」に比べて相対的に小さく)調節することで行うことができる。すなわち、「左打ち」によって、図1の矢印31に示すように、遊技盤2の概ね左半分側の遊技領域10で遊技球を流下させることができる。なお、「左打ち」によって遊技領域10に打ち出された遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口(図2)11と第2始動口(図2)a12とを有する始動口形成部材8、及び、3つの普通入賞口14a,14b,14cが設けられている。
一方、「右打ち」は、レバー21の回転角度を大きく(「左打ち」に比べて相対的に大きく)調節することで行うことができる。すなわち、「右打ち」によって、図1の矢印32に示すように、遊技盤2の概ね右半分側の遊技領域10で遊技球を流下させることができる。なお、「右打ち」によって遊技領域10に打ち出された遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、大入賞口13、1つの普通入賞口14d、第2始動口b15、電動式開閉役物16、及び、ゲート17が設けられている。
したがって、パチンコ遊技機1において、「左打ち」であれば、遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、始動口形成部材8、及び、普通入賞口14a〜14cのいずれかに入賞し得る。また「右打ち」であれば、遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、大入賞口13、第2始動口b15、及び、普通入賞口14dのいずれかに入賞し得る。そして、遊技球が、いずれかの入賞口に入賞すれば、その入賞した個所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、前記したいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球は、遊技盤2の下部に設けられた排出口18を介して、遊技領域10から排出される。
始動口形成部材8は、前記したように、第1始動口11と第2始動口a12を有する部分であり、図2に示すように、各始動口11,a12に通じる始動導入口35と、始動導入口35を通過した遊技球を各始動口11,a12に振り分ける振り分け部材36をさらに有する。本実施形態では、振り分け部材36として、1つのヒンジを支点としたシーソーの原理で機械的に振り分ける形式のものが採用されている。より詳細には、この振り分け部材36は、遊技盤2の平面に対して平行に回動し、その回動作用によって、遊技球を交互に左右方向に振り分ける機能を有する。すなわち、この振り分け部材36は、始動口形成部材8に導入された遊技球を、概ね50%の確率で、第1始動口11にも、第2始動口a12にも導くことができる、いわゆる、交互入賞タイプである。なお、ここで、「概ね50%の確率」としたのは、振り分け部材36によって遊技球が第1始動口11又は第2始動口a12に振り分けられても、その遊技球が振り分け先の始動口に必ず入賞するとは限らず、遊技球が何れの始動口にも入賞しないことがあるからである。より具体的には、振り分け部材36は、遊技球を第1始動口11に振り分ける第1姿勢(図3(A)において遊技球が接触する前の姿勢)と、遊技球を第2始動口a12に振り分ける第2姿勢(図3(B)において遊技球が接触する前の姿勢)とに変化可能に構成される。第1姿勢に変化した状態で遊技球が振り分け部材36に接触すると、遊技球は第1始動口11に振り分けられ、このときの遊技球の接触により、振り分け部材36は第2姿勢に変化する。次に始動導入口35を通過した遊技球は、第2姿勢の振り分け部材36に接触して第2始動口a12に振り分けられる。このときも同様に、第2姿勢の振り分け部材36は、遊技球の接触によって、第1姿勢に変化する。このように、振り分け部材36は、遊技球が接触すると第1姿勢から第2姿勢(または第2姿勢から第1姿勢)に変化することで、遊技球を第1始動口11および第2始動口a12に交互に振り分ける。したがって、かかる構成の始動口形成部材8においては、図3(A),(B)に示すように、始動導入口35を遊技球が通過すると、振り分け部材36によって流下先が左(図3(A))か右(図3(B))に振り分けられ、振り分けられた遊技球は、その下流に位置する第1始動口11あるいは第2始動口a12に導入される。
パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は、遊技球が第2始動口a12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
前記したように、本実施形態では、振り分け部材36は、第1始動口11に遊技球を振り分けた後、第2始動口a12に遊技球を振り分けるように機械的に姿勢変化するが、他の実施形態では、振り分け部材36は、電気的に作動する駆動部によって姿勢が制御されて第1始動口11又は第2始動口a12に振り分けるように動作してもよい。例えば、振り分け部材36は、一定期間において第1始動口11に振り分ける姿勢と、第2始動口a12に振り分ける姿勢とに電気的に変化されてもよく、遊技球を所定の割合(例えば、50対50や40対60の割合)で各始動口に振り分けてもよい。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口a12又は第2始動口b15への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定(抽選)を総称して、「特別図柄判定(特別図柄抽選)」と呼ぶものとする。
大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この大入賞口13の開口部には、大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、上記プレートが開放される。すなわち、プレートを作動させて大入賞口13を開放することで、大当たり遊技が実行される。この状況下においては、遊技者は、「右打ち」によって、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
普通入賞口14a〜14dは、常時開放されており、遊技球の入賞によって所定数の賞球が払い出される入賞口である。なお、普通入賞口14では、前記した各始動口11,12,15のように、遊技球が入賞しても判定(抽選)が行われることはない。
第2始動口b15は、前記したように、右打ち経路に設けられた始動口である。そして、本実施形態では、第2始動口b15は、前記第2始動口a12と同様の役割を果たす始動口となっている。この第2始動口b15は、通常は電動式開閉役物16によって、遊技球の導入開口が閉鎖されており、所定の条件が満たされると開放する構成である。具体的には、第2始動口b15は、ゲート17に遊技球が通過することで、開放するか否かが判定される。そして、この判定によって第2始動口b15を開放すると判定された場合、電動式開閉役物16を構成する羽根部材の開閉動作を規定回数(ここで言う開閉動作の回数は、開姿勢を1回、閉姿勢を1回する組み合わせを1回とする)行う。すなわち、第2始動口b15は、電動式開閉役物16の羽根部材の姿勢が開姿勢となれば開放され、当該開放状態によって遊技球を通過させることができる。このように、第2始動口b15は、電動式開閉役物16が作動していないときは遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動式開閉役物16が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。
なお、以下の説明では、第2始動口b15への遊技球の入賞を条件として実行される判定を、第2始動口a12と同様、「第2特別図柄判定」と呼び、ゲート17に対する遊技球の通過を条件として実行される判定(抽選)を、「普通図柄判定(抽選)」と呼ぶものとする。
[パチンコ遊技機の演出手段の構成]
遊技盤2又は枠部材3には、図1に示すように、各種演出を行うものとして、液晶表示器5、可動役物7、スピーカ24、盤ランプ25、及び回転演出装置38,39が設けられている。また、枠部材3には、枠ランプ37(図6)が内蔵されている。
液晶表示器5は、演出画像を表示する画像表示装置であり、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。具体的には、液晶表示器5は、遊技盤2の概ね中央付近に配されている。液晶表示器5には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、特別図柄判定を行うことが待機された状態(保留状態)を表示する保留画像等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置は、液晶表示器に限らず、EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されても構わない。
可動役物7は、電気的制御によって作動するものであり、例えば、遊技盤2に対して相対的に移動させるキャラクタの一部や、内蔵された発光装置(例えば発光素子を用いたLED等)を用いることができる。すなわち、可動役物7は、キャラクタの一部を動かしたり、発光装置を発行させることによって、各種演出に寄与することができる。なお、この可動役物7は、第1始動口11、第2始動口a12、又は、第2始動口b15への遊技球の入賞に応じて作動する。
盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターン変更、発光色の変更等、光によって各種演出を行う。回転演出装置38,39は、内蔵された発光素子と発光素子の周辺を回転する回転体とによって各種演出を行う。スピーカ24は、液晶表示器5で行われる表示演出と同期するように楽曲や音声、効果音等を出力して音によって演出を行う。
[パチンコ遊技機の演出等に係る操作手段の構成]
図4は、パチンコ遊技機の一部を示した概略平面図である。枠部材3には、図4に示すように、遊技者がハンドル20以外に操作する操作手段として、演出ボタン26及び演出キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押しボタンである。演出キー27は、遊技者が選択操作を行うための十字キーである。パチンコ遊技機1では、演出ボタン26又は演出キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。
[表示器4の構成]
図5は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図5に示すように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、遊技状態表示器47、及び、ラウンドランプ48によって構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定の判定結果を報知するものである。具体的には、第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄(第1特別図柄)を変動表示する。そして、当該第1特別図柄を変動表示させてから所定時間が経過すると、第1特別図柄判定の結果を示す判定図柄が第1特別図柄表示器41に停止表示される。つまり、第1特別図柄表示器41に、判定図柄が停止表示されることによって、第1特別図柄判定の判定結果が報知される。同様に、第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定の判定結果を報知するものである。すなわち、第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、図柄(第2特別図柄)を変動表示し、所定時間経過後に、その結果を示す判定図柄を停止表示する。こうして、第2特別図柄表示器42においても、判定図柄が停止表示されることによって、第2特別図柄判定の判定結果が報知される。そして、第1特別図柄表示器41及び第2特別図柄表示器42では、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であれば、判定図柄として、その大当たりを示す大当たり図柄が停止表示され、また特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であれば、判定図柄として、そのハズレを示すハズレ図柄が停止表示される。
第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄判定の保留数を表示するものであり、第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄判定の保留数を表示するものである。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定の判定結果を報知するものである。具体的には、普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄(普通図柄)を変動表示する。そして、変動表示の開始から所定時間が経過すると、その結果を示す判定図柄を停止表示する。つまり、普通図柄表示器45に、判定図柄が停止表示されることによって、普通図柄判定の判定結果が報知される。さらに、普通図柄表示器45は、点灯パターンによって、普通図柄の結果が当たりか否か(短開放当たり、長開放当たり、ハズレのいずれか)を報知する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示するものである。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時における遊技状態を表示するものである。ラウンドランプ48は、大当たり中の大入賞口13の開放回数(ラウンド数)を表示するものである。具体的には、ラウンドランプ48は、大入賞口13の開放回数が4回ある4R表示ランプと、大入賞口13の開放回数が16回ある16R表示ランプの2つで構成されている。なお、ラウンドランプ48は、複数のランプにより構成されたものでもよく、この場合、ランプの点灯及び消灯させる組み合わせを変えることで、4Rと16Rを区別して表示することができる。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41に表示される図柄を「第1特別図柄」、第2特別図柄表示器42に表示される図柄を、「第2特別図柄」と称し、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して「特別図柄」と称する。また、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と称するものとする。
[パチンコ遊技機に搭載された制御装置の構成]
遊技盤2の背面側には、賞球として払い出される遊技球を貯留しておく補給タンクの他に、パチンコ遊技機1の各種動作を制御する制御装置が設けられている。図6は、パチンコ遊技機の制御装置の構成例を示すブロック図である。
パチンコ遊技機1の制御装置は、図6に示すように、判定(抽選)の実行や大当たりの遊技の制御、演出制御部130へのコマンド送信処理等を制御する遊技制御部100、遊技制御部100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御部130、画像や音による演出を制御する画像音響制御部140、及び、各種のランプや可動役物7による演出を制御するランプ制御部150を備えている。また、パチンコ遊技機1は、その他、賞球の払い出しを制御する図示しない払出制御部も備えている。
[遊技制御部の構成]
遊技制御部100は、CPU101、ROM102、及び、RAM103を備えている。CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づいて、内部抽選や当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理等の作業領域として使用される。
そして、この遊技制御部100に対しては、第1始動口スイッチ(SW)111、第2始動口スイッチ(SW)112、第2始動口スイッチ(SW)118、電動式開閉役物開閉部113、ゲートスイッチ(SW)114、大入賞口スイッチ(SW)115、大入賞口制御部116、普通入賞口スイッチ(SW)117、及び、表示器4が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口a12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。また、第2始動口スイッチ118は、第2始動口b15に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力するものであり、本実施形態では第2始動口スイッチ112と同一の検知信号を発信する。すなわち、本実施形態では、第2始動口スイッチ118において検知された信号は、第2始動口スイッチ112において検知された信号とみなされる。なお、本実施形態では、第2始動口スイッチ118によって検知された検知信号を、遊技制御部100側で第2始動口スイッチ112から出力される検知信号と同等のものとして処理する一方で(すなわち、第2始動口a12への入賞と第2始動口b15への入賞によって何れも第2特別図柄を変動させる一方で)、入賞した場所に応じて異なる演出が行われる構成であっても構わない。電動式開閉役物開閉部113は、遊技制御部100からの制御信号に応じて、第2始動口b15を開閉する。具体的には、電動式開閉役物開閉部113は、電動式開閉役物16を構成する羽根部材に、電動ソレノイドを介して駆動力を伝動し、第2始動口b15を開閉する。ゲートスイッチ114は、遊技球がゲート17を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。大入賞口スイッチ115は、遊技球が大入賞口13に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。大入賞口制御部116は、遊技制御部100からの制御信号に応じて、電動ソレノイドを駆動し、当該電動ソレノイドから受けた駆動力によって大入賞口13を閉塞するプレートを作動させる。すなわち、大入賞口制御部116は、大入賞口13を開閉制御する。普通入賞口スイッチ117は、遊技球が普通入賞口14a〜14dに入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。
遊技制御部100は、CPU101において、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、第2始動口スイッチ118、大入賞口スイッチ115、又は、普通入賞口スイッチ117からの検知信号が入力されると、図示しない払出制御部によって、遊技球の入賞位置に応じた所定数の賞球の払い出しの指示を行う。そして、CPU101において、払出制御部の情報に基づいた払い出し賞球の個数が管理される。
また、CPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、当該取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。同様に、CPU101は、第2始動口スイッチ112又は第2始動口スイッチ118からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、当該取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、特別図柄判定の結果が大当たりになると、大入賞口制御部116によって大入賞口13を開閉させて特別遊技を実行する。
また、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、当該取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、普通図柄判定の結果が当たりになると、電動式開閉役物開閉部113によって第2始動口b15を一時的に開放する。
また、CPU101は特別図柄の変動開始や変動停止を示す情報や、特別図柄抽選の当選確率の変動設定や普通図柄抽選の当選確率の変動設定に関する情報、さらには特別図柄の変動時間の短縮設定を示すデータや、第1始動口11又は第2始動口a12に遊技球が入賞したことを通知するための情報等を、演出制御部130に送信する。
また、CPU101は、表示器4に対して、以下のような処理を実行する。すなわち、CPU101は、第1特別図柄判定を実行すると、第1特別図柄表示器41に第1特別図柄を変動表示させた後に、その判定結果を示す第1特別図柄を停止表示させる。同様に、CPU101は、第2特別図柄判定を実行すると、第2特別図柄表示器42に第2特別図柄を変動表示させた後に、その判定結果を示す第2特別図柄を停止表示させる。さらに、CPU101は、普通図柄判定を実行すると、普通図柄表示器45に普通図柄を変動させた後に、その判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。
また、CPU101は、第1特別図柄判定の保留数を第1特別図柄保留表示器43に表示させ、第2特別図柄判定の保留数を第2特別図柄保留表示器44に表示させ、普通図柄判定の保留数を普通図柄保留表示器46に表示させる。また、CPU101は、パチンコ遊技機1の遊技状態を遊技状態表示器47に表示させる。
[演出制御部の構成]
演出制御部130は、CPU131、ROM132、及び、RTC(リアルタイムクロック)134を備えている。CPU131は、ROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理等の作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時を計測する。
演出制御部130は、遊技制御部100から送られる特別図柄判定の結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン26または演出キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。そして、演出制御部130は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150に送信する。
[画像音響制御部の構成]
画像音響制御部140は、CPU141、ROM142、およびRAM143を備えている。CPU141は、ROM142に記憶されたプログラムに基づいて、演出内容を表現する画像を制御する際の演算処理を行う。また、画像音響制御部140は、図示は省略するが、液晶表示器5に表示される演出画像を生成するVDP(Video Display Processor)、及び、スピーカ24から出力される音響データを生成する音響DSP(Digital Signal Processor)を備えている。そして、CPU141は、演出制御部130からのコマンドおよびROM142に記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成し、VDP及び音響DSPに出力することで、VDP及び音響DSPの動作を制御する。
音響DSPには、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSPによるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSPは、CPU141からの制御信号に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24へ出力する。
VDPは、演出画像の生成に必要な素材データを記憶する画像用ROM、演出画像の描画処理を実行する描画エンジン、及び、描画エンジンによって描画された演出画像を液晶表示器5に出力する出力回路を有している。描画エンジンは、CPU141からの制御信号に基づいて、画像用ROMに記憶されている素材データを用いて、フレームバッファに演出画像を描画する。出力回路は、このフレームバッファに描画された演出画像を所定のタイミングで液晶表示器5に出力する。
[ランプ制御部の構成]
ランプ制御部150は、CPU151、ROM152、及び、RAM153を備えている。CPU151は、ROM152に記憶されたプログラムに基づいて、盤ランプ25や枠ランプ37、および可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。RAM153は、CPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域、又は、データ処理等の作業領域として使用される。
ROM152には、発光パターンデータおよび動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、枠ランプ37、盤ランプ25、および可動役物7が備える発光素子のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、可動役物7の動作パターンを示すデータである。
CPU151は、ROM152に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをRAM153に読み出して、盤ランプ25、枠ランプ37、および可動役物7の発光素子の発光を制御する。また、CPU151は、ROM152に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをRAM153に読み出して、可動役物7を作動させるためのモータを制御する。
[本実施形態のパチンコ遊技機の動作概要]
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に特徴的な動作の概要について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1始動口11、第2始動口a12、又は、第2始動口b15に遊技球が入賞した場合、それぞれの始動口11,12,15に対応する始動口スイッチ111,112,118が当該遊技球の入賞を検知すると、特別図柄を始動させるための条件(特別図柄をただちに変動開始させることができる条件)が成立していない場合は、遊技制御部100において、当該検知情報に基づいた特別図柄判定の権利が保留球として保留される。特別図柄を始動させるための条件が成立している間に遊技球が始動口を通過すると、特別図柄判定が行われて特別図柄が変動開始し、所定時間経過後に特別図柄が停止して当該判定結果が報知される。ここで、特別図柄が変動している間(停止直後の確定表示期間(例えば、0.5秒間)を含む)、又は、特別遊技中は、特別図柄を始動させるための条件は成立しない。特別図柄を始動させるための条件が成立していない間は、遊技球が始動口を通過しても特別図柄を始動(変動開始)させることができないため、上記のように特別図柄判定の権利が保留される。
具体的には、遊技球が第1始動口11に入賞した場合は、第1始動口スイッチ111によって当該入賞が検知され、当該検知された時点の各種乱数(後述する大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数等)が取得情報として取得される。そして、特別図柄を始動させるための条件が成立していない場合は、当該取得情報が記憶されて、第1特別図柄判定の権利として遊技制御部100に保留される。遊技球が第2始動口a12に入賞した場合は、第2始動口スイッチ112によって当該入賞が検知され、上記取得情報が記憶されて第2特別図柄判定の権利として遊技制御部100に保留される。同様に、遊技球が第2始動口b15に入賞した場合は、第2始動口スイッチ118によって当該入賞が検知され、上記取得情報が記憶されて第2特別図柄判定の権利として遊技制御部100に保留される。
そして、保留された特別図柄判定の権利(保留球)が消化されて特別図柄判定が行われると共に、当該特別図柄判定の権利に基づく特別図柄の変動が開始される。具体的には、保留球が消化されると、各種乱数に基づいて、保留された特別図柄判定の権利が大当たりか否か、大当たりである場合の大当たりの種類(図柄)や、特別図柄の変動パターン(変動時間)等が判定される。こうして判定された大当たりや変動パターン等の情報は、演出制御部130に送られて、当該情報に基づいた演出が実行される。
例えば、演出制御部130に対して、SP(スーパー)リーチ演出に対応する変動パターン情報が送られてきた場合は、その変動パターンに対応するSPリーチ演出を選択して実行する。また、SPSPリーチ演出に対応する変動パターンが送られてきた場合は、その変動パターンに対応するSPSPリーチ演出(SPリーチ演出よりも演出時間が長いリーチ演出)を選択して実行する。なお、1つの変動パターンに対応する演出は複数あってもよく、そのような場合、所定の条件(例えば、第1特別図柄の変動に応じたリーチ演出か、又は第2特別図柄の変動に応じたリーチ演出かといった条件)に基づいて、その複数の演出の中から選択してもよい。
また、本実施形態では、特別図柄判定の権利が保留され、且つ、当該保留に係る特別図柄の変動が開始される以前において、当該保留に対して事前に大当たり判定処理(以下、事前判定処理ともいう)を行う事前判定機能が付与されている。そして、このような事前判定が行われた場合には、当該事前判定の結果に基づいた情報(事前判定情報)が、当該保留に係る特別図柄の変動が開始される以前に、遊技制御部100から演出制御部130に送信される。なお、事前判定処理は、保留された権利に対する大当たり判定の結果や、当該権利に基づく特別図柄の変動が開始されたときの特別図柄の変動パターン等を事前に判定するための処理である。
また、特別図柄が変動開始する場合には、遊技制御部100から演出制御部130に変動開始コマンドが送信され、当該変動開始コマンドに基づいて、液晶表示器5等の演出制御が行われる。
図7は、液晶表示器における装飾図柄及び保留アイコンの表示例を示す説明図。具体的には、図7に示すように、液晶表示器5において、装飾図柄51と、保留アイコン52とが表示される。装飾図柄51は、左側領域53a、中間領域53b、右側領域53cの3つの領域に表示される所定の図柄(例えば0〜9の数字を示す演出図柄)によって構成される。以下の説明では、左側領域53aに表示される図柄を左側装飾図柄51a、中間領域53bに表示される図柄を中間装飾図柄51b、右側領域53cに表示される図柄を右側装飾図柄51cと呼ぶことがある。
保留アイコン52は、特別図柄判定の権利を示す画像である。詳細には、本実施形態における保留アイコン52は、第1特別図柄判定の権利と、第2特別図柄判定の権利を示す画像である。そして、本実施形態では、保留アイコン52が、現在変動中の特別図柄に係る特別図柄判定の権利を除くと、第1特別図柄判定の権利と第2特別図柄判定の権利の双方を含めて、最大で8つ保留される。なお、図7では、8つの保留アイコン521〜528が表されており、現在変動中の特別図柄に対応する1つの当該保留(当該変動)アイコン520が変動中領域54にさらに表示されている。
なお、本実施形態では、8つの保留アイコン521〜528及び当該保留アイコン520が、第1特別図柄判定の権利に基づくものか、第2特別図柄判定の権利に基づくものか、相互間での区別がつかない表示態様(例えば色や形)となっている。すなわち、液晶表示器5においては、第1始動口11への遊技球の入賞に係る特別図柄判定の権利であっても、第2始動口a12又は第2始動口b15への遊技球の入賞に係る特別図柄判定の権利であっても、それらに対応する保留アイコン52の表示態様は全て同一である。
液晶表示器5に表示された保留アイコン52は、右端のものから左側に向けて順番に消化される設定となっている。すなわち、前記したように、右端にある当該保留アイコン520は、現在変動中の特別図柄に対応する画像であるため、保留アイコン521は、現在変動中の特別図柄の変動が終了した後に、消化される特別図柄判定の権利を示す画像ということになる。より具体的には、図7に示す変動中領域54に表示された当該保留アイコン520に係る特別図柄の変動が終了すると、変動中領域54から当該保留アイコン520が消去される。その後、右端の保留アイコン521が、このアイコン521に係る特別図柄の変動に応じて、変動中領域54に移動する。変動中領域54に移動したアイコン521は、当該保留(当該変動)アイコン521として、このアイコン521に係る特別図柄が変動している間、継続して表示される。
また、保留アイコン521の左側に隣接する保留アイコン522は、当該保留アイコン521に係る特別図柄の変動が終了した後に、消化される特別図柄判定の権利を示す画像である。同様に、保留アイコン523は、保留アイコン522に係る特別図柄の変動が終了した後に、消化される特別図柄判定の権利を示す画像であり、保留アイコン524は、保留アイコン523に係る特別図柄の変動が終了した後に、消化される特別図柄判定の権利を示す画像であり、保留アイコン525は、保留アイコン524に係る特別図柄の変動が終了した後に、消化される特別図柄判定の権利を示す画像であり、保留アイコン526は、保留アイコン525に係る特別図柄の変動が終了した後に、消化される特別図柄判定の権利を示す画像であり、保留アイコン527は、保留アイコン526に係る特別図柄の変動が終了した後に、消化される特別図柄判定の権利を示す画像であり、保留アイコン528は、保留アイコン527に係る特別図柄の変動が終了した後に、消化される特別図柄判定の権利を示す画像である。このように、連続して並ぶ保留アイコン52は、右側の保留アイコン521〜527が消化されれば、それの左側に隣接する保留アイコン522〜528が次に消化される構成となっている。
なお、図7において、各保留アイコン52の中に示されている数字は、説明の便宜上、消化される順番を示したものであり、液晶表示器5において実際に表示されるものではない。また、以下の説明では、「当該保留アイコン」と表記する場合は、現在変動中の特別図柄を示す当該保留アイコン520を意味し、単に「保留アイコン」を表記する場合は、現在保留されている特別図柄判定の権利を示す保留アイコン521〜528を意味するものとする。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。遊技状態には、大当たりとなる確率が第1の確率(例えば、1/200)である低確率遊技状態と、当該第1の確率よりも高い第2の確率(例えば、1/60)である高確率遊技状態とがある。
また、遊技状態には、非時短遊技状態と、時短遊技状態とがある。具体的には、時短遊技状態は、非時短遊技状態と比べて、普通図柄判定において当たりと判定される確率が高く(例えば、1/1.1)、当たりと判定された場合の電動式開閉役物16の開放時間が長く(例えば、1.8秒×3回)、普通図柄の変動時間が短い(例えば、2秒)状態である。逆に、非時短遊技状態は、時短遊技状態と比べて、普通図柄判定において当たりと判定される確率が低く(例えば、1/20)、当たりと判定された場合の電動式開閉役物16の開放時間が短く(例えば、0.1秒×1回)、普通図柄の変動時間が長い(例えば、12秒)状態である。また、時短遊技状態では、特別図柄の変動時間が非時短遊技状態のときよりも短くなる。時短遊技状態では、遊技球がゲート17を通過すると普通図柄判定が行われて、高い確率で当たりとなり、第2始動口b15が1.8秒×3回開放して遊技球が入賞し易い状態となる。このため、遊技者が「右打ち」をする限り、第2始動口b15に遊技球が入賞し易く、通常は、第2特別図柄の変動が行われる。しかしながら、非時短遊技状態では、遊技球がゲート17を通過すると普通図柄判定が行われても、当たりとなる確率は比較的低く、かつ、第2始動口b15が0.1秒×1回しか開放しないため、遊技球は第2始動口b15に入賞し難い。このため、非時短遊技状態では、通常、遊技者は「右打ち」を行わず、「左打ち」を行う。
上記4つの遊技状態の組み合わせによって、パチンコ遊技機1の遊技状態が設定される。具体的には、本実施形態では、「通常遊技状態」と、「確変遊技状態」と、「潜伏確変遊技状態」との何れかにパチンコ遊技機1が設定される。
「通常遊技状態」は、低確率遊技状態かつ非時短遊技状態であり、パチンコ遊技機1に初期的に設定される遊技状態である。「確変遊技状態」は、高確率遊技状態かつ時短遊技状態である。また、「潜伏確変遊技状態」は、高確率遊技状態かつ非時短遊技状態である。
なお、上記3つの遊技状態とは別に、大当たり遊技が行われている間を「大当たり遊技状態」ということがある。
パチンコ遊技機1は、大当たり遊技が行われた後、「通常遊技状態」から「確変遊技状態」または「潜伏確変遊技状態」に移行する。
ここで、上述のように、本実施形態では、特別図柄を始動させる条件の1つとなる第1始動口11(第1特別図柄に対応)と第2始動口a12(第2特別図柄に対応)が、遊技球を交互に入賞させることができる交互入賞タイプの始動口形成部材8によって構成されている。一方で、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄の変動を契機に大当たりに当選した場合と、第2特別図柄の変動を契機に大当たりに当選した場合とで、出玉等の遊技者に対する有利さが異なる場合がある。
図8は、大当たりの内訳を示す円グラフであり、(A)は第1始動口に係る大当たりの内訳を示し、(B)は第2始動口に係る大当たりの内訳を示す図である。図9は、図8の円グラフにおける大当たり図柄に対応する大当たりの内容を示す図である。
具体的に、パチンコ遊技機1における大当たりの種類とその内容について説明しておくと、図8,図9に示すように、遊技球が第1始動口11に入賞して第1特別図柄の変動によって大当たりとなった場合には、1%の割合で「大当たり図柄A」によって「16R確変当たり」となり、24%の割合で「大当たり図柄B」によって「4R確変当たり」となり、30%の割合で「大当たり図柄C」によって「4R確変当たり(特定図柄)」となり、10%の割合で「大当たり図柄D」によって「4R確変当たり(突確)」となり、35%の割合で「大当たり図柄E」によって「4R確変当たり(潜確)」となる。また、遊技球が第2始動口(a12又はb15)に入賞して第2特別図柄の変動によって大当たりとなった場合には、50%の割合で「大当たり図柄F」によって「16R確変当たり」となり、50%の割合で「大当たり図柄G」によって「4R確変当たり」となる。
「16R確変当たり」は、所定の条件(例えば、大入賞口13への遊技球の入賞が9個に達するまで、又は、大入賞口13が開放されてから29.5秒が経過するまで)を満たすまで大入賞口13を長開放する長開放ラウンドを16回繰り返すと共に、大当たり遊技が終了した後に確変遊技状態で遊技が制御される大当たりである。なお、「16R確変当たり」(大当たり図柄A、F)は、3つの同種の装飾図柄51が揃うことで報知される大当たりである。
同様に、「4R確変当たり」(大当たり図柄B、G)及び「4R確変当たり(特定図柄)」(大当たり図柄C)は、長開放ラウンドを4回繰り返すと共に、大当たり遊技が終了した後に確変遊技状態で遊技が制御される大当たりである。「16R確変当たり」又は「4R確変当たり」による大当たり遊技終了後は、確変遊技状態(高確率遊技状態かつ時短遊技状態)に移行するため、遊技者が「右打ち」をする限り、通常は、第2特別図柄の変動が行われる。
なお、「4R確変当たり」(大当たり図柄B、G)は、3つの同種の装飾図柄51が揃うことで報知される大当たりである。これに対して、「4R確変当たり(特定図柄)」(大当たり図柄C)は、3つの同種の装飾図柄51が揃わずに、特定図柄(後述する)が出現することで報知される大当たりである。
「4R確変当たり(突確)」(大当たり図柄D)は、大入賞口13を例えば0.1秒間だけ短開放する短開放ラウンドを4回繰り返すと共に、大当たり遊技が終了した後に確変遊技状態で遊技が制御される大当たりである。大当たり遊技において大入賞口13が短時間(0.1秒間/ラウンド×4ラウンド)しか開放しないため、「4R確変当たり(突確)」は、大当たり遊技中の出玉をほぼ期待できない大当たりである。また、「4R確変当たり(突確)」では、大当たり遊技終了後は確変遊技状態に移行する。
「4R確変当たり(潜確)」(大当たり図柄E)は、前記4R確変当たり(突確)と同様、大入賞口13を例えば0.1秒間だけ短開放する短開放ラウンドを4回繰り返すと共に、大当たり遊技が終了した後に潜伏確変遊技状態に移行する大当たりである。すなわち、「4R確変当たり(潜確)」は、大当たり遊技中の出玉をほぼ期待できない大当たりである。また、「4R確変当たり(潜確)」では、大当たり遊技終了後に潜伏確変遊技状態(高確率遊技状態かつ非時短遊技状態)、「16R確変当たり」や「4R確変当たり(突確)」等のように、第2特別図柄の変動割合を増加させることができない。つまり、「4R確変当たり(潜確)」では、大当たり遊技終了後、非時短遊技状態が設定されるため、「左打ち」にて遊技が行われる。したがって、「4R確変当たり(潜確)」による大当たり遊技後は、第1特別図柄の変動と、第2特別図柄の変動とが基本的に交互に行われる。
「4R確変当たり(突確)」(大当たり図柄D)、および、「4R確変当たり(潜確)」(大当たり図柄E)もまた、3つの同種の装飾図柄51が揃わずに、特定図柄が出現することで報知される大当たりである。
なお、「4R」の大当たりは、「実質4R」の大当たりであってもよい。「実質4R」の大当たりは、上記長開放ラウンドが4回繰り返されるとともに、上記短開放ラウンドが12回繰り返される大当たりであり、ラウンドランプ48によって表示されるラウンド数としては16Rではあるが、実質的な出玉の数としては4R分しかない大当たりである。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、始動口への遊技球の入賞により取得情報が記憶されて特別図柄判定の権利として保留されると、遊技制御部100から事前判定情報が出力され、演出制御部130において、当該出力された事前判定情報に基づいて、保留された権利に対する先読み演出(以下、保留先読み演出という)を行うか否かの判定が行われる。仮に、保留先読み演出が実行されるとなれば、保留された特別図柄判定の権利に対して、当該権利に係る特別図柄の変動が行われる前に、液晶表示器5において、その特別図柄判定の結果を予告する演出が行われる。なお、当該結果を予告する際に、液晶表示器5における演出に加えて、スピーカ24や、盤ランプ25、枠ランプ37等を用いた演出を行っても構わない。
図10は、保留先読み演出の制御の概要を示すフローチャートである。図11は、特別図柄の1変動目にゾーン演出の実行期間を示す説明図であり、(A)は先読み演出対象に係る保留が表示された直後の状態を示し、(B)はゾーン演出が実行された直後の状態を示す図である。図12は、特別図柄の3変動目にゾーン演出の実行期間を示す説明図であり、(A)は先読み演出対象に係る保留が表示された直後の状態を示し、(B)は1番目の保留に係る特別図柄の変動中における表示状態を示し、(C)は2番目の保留に係る特別図柄の変動中における表示状態を示し、(D)はゾーン演出が実行された直後の状態を示す図である。
具体的には、保留先読み演出は、図10に示す制御フローに基づいて、制御される。すなわち、いずれかの始動口11,12,15に遊技球が入賞し、その入賞に基づいて行われた事前判定の結果、保留先読み演出を行うと決定されれば、所定の保留先読み演出が実行される。
例えば、図11に示すように、既に5つの保留がされた状態で、第1始動口11に遊技球が入賞(保留アイコン526)したとすると、まず、遊技制御部100において、その入賞による保留アイコン526に対応する第1特別図柄判定の権利が保留される(図10のステップS10)。遊技制御部100によって保留入賞が確認されると、ステップS11に移行して、遊技制御部100において、この保留アイコン526に対応する特別図柄判定の権利に対する事前判定が行われる。詳細には、遊技球が第1始動口11に入賞した際に取得される各種乱数(後述する大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等)に基づいて、保留された特別図柄判定の権利が大当たりか否か、大当たりである場合の大当たりの種類(図柄)や、特別図柄の変動パターン(変動時間)等が判定される。この事前判定の結果は、演出制御部130に送信される。
演出制御部130が事前判定の結果を受信すると、保留先読み演出を行うか否かが判定される(ステップS12)。詳細には、ステップS12では、事前判定の結果に基づいて、乱数を用いた抽選を行うことにより、保留先読み演出を行うか否かが判定される。例えば、事前判定の結果、保留された特別図柄判定の権利が大当たりと判定された場合は、比較的高い確率で、保留先読み演出を行うと判定される。また、事前判定の結果、保留された特別図柄判定の権利がハズレであっても、所定の変動パターンが事前判定された場合には、保留先読み演出を行うと判定される場合もある。
図11(A)に示すように、6つ目の保留アイコン526に対する事前判定の結果が、保留先読み演出の対象となると、保留先読み演出を行う判定が下されて(ステップS12:YES)、保留先読み演出が実行される(ステップS13)。ここでは、保留先読み演出として、複数の特別図柄の変動に亘る一連の連続演出(ゾーン演出)が行われる。詳細は後述するが、この「ゾーン演出」は、液晶表示器5の背景画像を通常の背景画像(後に説明する図13に示す基本ステージの背景画像)とは異なる別の背景画像に切り替え、遊技者の期待感を高める演出である。例えば、本実施形態では、図11(A)に示す1番目の保留アイコン521に係る特別図柄の変動から当該演出の契機となった保留(図11(A)では6番目の保留アイコン526)に係る特別図柄の変動まで、一連したゾーン演出が行われる(図11(B))。つまり、ゾーン演出は、先読み対象に係る特別図柄を変動させる前に開始され、当該先読み対象に係る特別図柄の変動(具体的には、当該変動が開始してから当該変動開始後所定の時間が経過するまでのいずれかのタイミング)において終了する。なお、ここで言う「ゾーン演出」は、複数回の特別図柄の変動に亘って行われる場合があるため、「一連の連続演出」として説明したが、保留の数によっては、1回の特別図柄の変動においてだけ行われる場合もある。すなわち、以下の説明においても、「ゾーン演出」は、複数回の特別図柄の変動に亘る演出に限られるわけではなく、単一回の特別図柄の変動に係る演出も含むものとする。
一方、ステップS12において、保留先読み演出を実行しない、つまりNOと判定された場合は、保留先読み演出としてのゾーン演出は実行されない。
[ゾーン演出及びそれに関わる制御]
次に、本実施形態におけるゾーン演出の実行期間について説明する。上述のように、ゾーン演出は、事前判定の結果に基づいて、実行するか否かが決定される。ゾーン演出を行うと決定された場合には、ゾーン演出を行う期間が決定される。
例えば、図11では、ゾーン演出の実行決定後、特別図柄の1変動目で開始される場合が例示されている。すなわち、この場合は、図11(A)に示す0番目の当該保留アイコン520による特別図柄の変動が終了し、次の特別図柄の変動に応じて、図11(A)に示す1番目の保留アイコン521が変動中領域54に移動して図11(B)に示す当該保留アイコン520となり、その特別図柄の変動開始から所定のタイミングで、ゾーン演出に移行する。
また、図12では、ゾーン演出の実行決定後、特別図柄の3変動目で開始される場合が例示されている。すなわち、この場合は、図12(A)に示す0番目の当該保留アイコン520による特別図柄の変動が終了し、さらにその後、図12(A)に示す1,2番目の保留アイコン521,522が右隣に移動して当該1,2番目の保留アイコン521,522による特別図柄の変動が終了する(図12(B),(C))。そして、図12(A)に示す3番目の保留アイコン523に係る特別図柄の変動が開始すると、この3番目の保留アイコン523が変動中領域54に移動して、図12(D)に示す当該保留アイコン520となり、その特別図柄の変動開始から所定のタイミングで、ゾーン演出に移行する。
また、図示は省略するが、ゾーン演出の決定の契機となった保留に係る特別図柄の変動において、つまり図11(A)、図12(A)を基準にすれば6変動目において、ゾーン演出が開始されてもよい。すなわち、1回の特別図柄の変動において、ゾーン演出が行われてもよい。
このように、ゾーン演出が行われる期間は様々であるため、ゾーン演出の実施期間にバリエーションを持たすことが可能となる。つまり、パチンコ遊技機1では、図11に示すように、実質的にゾーン演出の実行期間を長くしたり(図12の場合よりも相対的に長い)、図12に示すように、実質的にゾーン演出の実行期間を短くすることができる(図11の場合よりも相対的に短い)。
なお、ゾーン演出が行われる期間では、ゾーン演出の最終変動(図11や図12の先読み対象)を除いて、後述する図37に示す単純ハズレの変動パターンによる特別図柄の変動が行われる。すなわち、最終変動を除くゾーン演出中の途中の変動では、大当たりになったり、大当たりに対する期待度(信頼度;確率)の高いリーチ演出が行われないように、ゾーン演出の実行期間及び実行するか否かが決定される。
また、ゾーン演出の開始タイミングは、特別図柄の変動開始と同時であっても、当該変動開始タイミングから若干ずらしても構わない。特に、ゾーン演出の開始タイミングを、特別図柄の変動開始タイミングとずらす(遅らせる)場合は、例えば、装飾図柄51を用いた擬似連続予告演出(以下、単に擬似連ともいう)における装飾図柄の疑似変動又は疑似停止のタイミングに合わせることが考えられる。
ここで、擬似連続予告演出とは、1回の特別図柄の変動において、装飾図柄51を擬似的に複数回変動させる演出である。すなわち、擬似連続予告演出では、装飾図柄51が擬似的に変動及び停止する動作が所定回数(例えば、2〜4回)行われる。例えば、3回の擬似連が行われる場合、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において特別図柄が変動開始したことに応じて、装飾図柄51が変動開始し、所定時間経過後に装飾図柄51が所定の態様(例えば、ハズレを示す態様や特定の図柄が特定の領域に停止する態様)で擬似停止する(擬似連1回目)。この擬似停止した状態は、装飾図柄51が完全に停止した状態ではなく、例えば、上下方向に微変動した状態である。そしてその後、再び、装飾図柄51が変動開始し、再び擬似停止する(擬似連2回目)。さらに、装飾図柄51が変動開始し、3回目の擬似連で完全に停止する。この3回目の擬似連では、例えば、2つの同種の装飾図柄が停止して1つの装飾図柄が変動するリーチ演出が行われ、3つ目の装飾図柄が停止して大当たりか否かの報知が行われる。
次に、ゾーン演出の種類及びゾーン演出の移行について説明する。ゾーン演出が実行される条件が満たされると、複数のゾーン演出のうちから1つのゾーン演出が実行される。図13は、通常遊技状態における基本ステージと各ゾーンとの関係を概念的に示す説明図である。図14は、各ゾーンに設けられた各種テーマに関するゾーンを示すブロック図であり、(A)は共通ゾーンの各種テーマに関するゾーンを示し、(B)は弱ゾーンの各種テーマに関するゾーンを示し、(C)は強ゾーンの各種テーマに関するゾーンを示す図である。
本実施形態では、複数のゾーン演出として、図13に示すように、共通ゾーンに関わる演出、弱ゾーン(第1ゾーン)に関わる演出、及び、強ゾーン(第2ゾーン)に関わる演出が用意されている。また、本実施形態では、図13に示すように、通常遊技状態においては、通常、基本ステージによる演出が行われている。すなわち、ゾーン演出が行われていない基本ステージにおいて、事前判定の結果、後述する所定の条件が満たされると、通常遊技状態を維持しつつも、当該基本ステージを脱し、いずれかのゾーンに関わるゾーン演出が実行される。具体的には、基本ステージを脱すると、前記した共通ゾーン、弱ゾーン、あるいは、強ゾーンに移行して、ゾーン演出が実行される。以下、各ゾーンついて説明する。
共通ゾーンは、原則として、弱ゾーンや強ゾーンへ移行する際の経由ゾーンとしての機能を果たすゾーンである。すなわち、共通ゾーンは、ゾーン演出の一環として後述する弱ゾーンや強ゾーンに至るまでの単なるシナリオの1要素である。そのため、ゾーン演出が実行されて、共通ゾーンが選択された場合は、その後、概ね弱ゾーン又は強ゾーンに移行する。ただし、共通ゾーンは、経由ゾーンとしての役割を果たさず当該共通ゾーンでシナリオが終了する場合がある。すなわち、このような場合は、弱ゾーンや強ゾーンに移行することはなく、共通ゾーンが最終ゾーン(後述する)として機能する。共通ゾーンは、大当たりに対する期待度は低く、そのため、共通ゾーンに突入した後、弱ゾーンや強ゾーンに移行しない場合は、大抵の場合、ハズレが報知されて当該共通ゾーンから基本ステージに戻る。なお、共通ゾーンから弱ゾーン又は強ゾーンに移行することなく、大当たりに対する期待度の高いリーチ演出等が行われて、大当たりとなることがあってもよい。
また、共通ゾーンは、テーマにより区分された3つのテーマゾーンを有しており、ゾーン演出が行われる場合は、そのいずれかのテーマゾーンに振り分けられる。具体的には、共通ゾーンは、図14(A)に示すように、互いにテーマの異なる共通テーマゾーンC1,C2,C3が設けられている。共通ゾーンにおけるテーマとしては、例えば、キャラクタA及びキャラクタBの会話をテーマにしたゾーンであったり、またはキャラクタAが属するグループと、キャラクタBが属するグループとの戦況をテーマにしたゾーンであったり、キャラクタA及びキャラクタBに関わるルーレットを行うテーマ等が挙げられる。
弱ゾーンは、事前判定の結果に基づいて決定され得るゾーンであり、ゾーン演出における最終ゾーンとしての機能を果たすゾーンである。すなわち、最終ゾーンとして機能を果たす弱ゾーンは、基本ステージにて変動演出が行われるよりも大当たりに対する期待度が比較的高い演出である。ここで、「最終ゾーン」は、そのゾーン演出においてゾーン移行する、あるいはゾーン移行しない場合の最終的なゾーンであり、この最終ゾーンにおいてゾーン演出(複数の特別図柄の変動にわたる連続演出)における特別図柄の最終変動が行われる。すなわち、弱ゾーンは、弱ゾーンの演出が行われる期間における特別図柄の最終の変動において、大当たりになることを期待させる演出であり、当該最終変動においては、大当たりに対する期待度の高い演出が行われる可能性が高い。
また、弱ゾーンは、テーマにより区分された2つのテーマゾーンを有しており、ゾーン演出が行われる場合は、そのいずれかのテーマゾーンに振り分けられる。具体的には、弱ゾーンは、図14(B)に示すように、互いにテーマの異なる弱ゾーンA,Bが設けられている。例えば、弱ゾーンは、キャラクタAに関することをテーマにした弱ゾーンAと、キャラクタBに関することをテーマにした弱ゾーンBとを含む。
強ゾーンは、弱ゾーンと同様、事前判定の結果に基づいて決定され得るゾーンであり、ゾーン演出における最終ゾーンとしての機能を果たすゾーンである。すなわち、最終ゾーンとして機能を果たす強ゾーンは、大当たりに対する期待度(信頼度)が比較的高い演出であり、上記弱ゾーンよりも大当たりに対する期待度が高い演出である。すなわち、強ゾーンは、強ゾーンの演出が行われる期間における特別図柄の最終の変動において、大当たりになることを期待させる演出であり、当該最終変動においては、大当たりに対する期待度の高い演出が行われる。また、強ゾーン演出が開始されると、所定のタイミング(例えば、強ゾーンへの突入タイミングや、最終変動の開始タイミング等)で可動役物7を用いた演出が行われる一方で、弱ゾーン演出が開始されても、所定のタイミングで可動役物7を用いた演出は行われない。このように、強ゾーン演出では、遊技者に期待感を抱かせるために、弱ゾーンよりも派手な演出が行われてもよい。
また、強ゾーンは、テーマにより区分された2つのテーマゾーンを有しており、ゾーン演出が行われる場合は、そのいずれかのテーマゾーンに振り分けられる。具体的には、強ゾーンは、図14(C)に示すように、互いにテーマの異なる強ゾーンA,Bが設けられている。例えば、強ゾーンは、キャラクタAに関することをテーマにした強ゾーンAと、キャラクタBに関することをテーマにした強ゾーンBを含む。より具体的には、強ゾーンAは、弱ゾーンAと関連するテーマを有し、強ゾーンBは、弱ゾーンBと関連するテーマを有する。
図14に示す各ゾーン間の移行について説明すると、図13に示すように共通ゾーン(C1〜C3)から弱ゾーンにも強ゾーンにも移行し得る。また、共通ゾーンを経由せずに、基本ステージから弱ゾーンに突入する場合もある。同様に、共通ゾーンを経由せずに、基本ステージから強ゾーンに突入する場合もある。また、弱ゾーンからさらに強ゾーンに移行する場合もある。
より具体的には、図14に示す共通ゾーンC1〜C3からは、弱ゾーンA又は弱ゾーンBに移行することがあり、強ゾーンA又は強ゾーンBに移行することがある。また、同様に、基本ステージから弱ゾーンA又は弱ゾーンBに突入することがあり、強ゾーンA又は強ゾーンBに突入することがある。
また、弱ゾーンAからは強ゾーンAに移行する場合があり、弱ゾーンAから強ゾーンBにも移行する場合がある。
一方、弱ゾーンBからは強ゾーンBに移行する場合があるが、弱ゾーンBからは強ゾーンAには移行しない。
次に、ゾーン演出の最終ゾーンとして、弱ゾーン、強ゾーン、並びに、共通ゾーンが選択される条件について説明する。
本実施形態では、遊技者の期待感を高めるべく、前記したように、保留先読み演出としてゾーン演出を実行する。そして、ゾーン演出を実行する場合においては、事前判定の結果に応じて、最終ゾーン、すなわち事前判定対象となった特別図柄判定の権利に係る図柄変動時にどのゾーン演出(共通ゾーン、弱ゾーン、強ゾーン)を行うかが選択される。さらにはこれら3つの種類のゾーンの中から特定のテーマに関するゾーンが選択される。
以上のように、本実施形態では、第1特別図柄の変動を契機に大当たりに当選するよりも、第2特別図柄の変動を契機に大当たりに当選した方が、「16R確変当たり」に当選する割合が高いため、遊技者は、第2特別図柄の変動を契機に大当たりに当選した方が、出玉等の条件上の有利な状態を獲得し易いと言える。
そこで、本実施形態では、このような条件を踏まえ、遊技の興趣性をより高めるべく、第1始動口11への入賞によってゾーン演出を実行すると決定されたか、第2始動口a12への入賞によってゾーン演出を実行すると決定されたか、に基づいて、最終ゾーンとして、上記3種類のゾーンのうちの何れかのゾーンを選択する。すなわち、事前判定の結果に基づいて、ゾーン演出を実行するか否かが決定され、ゾーン演出を実行すると決定された場合には、上記3種類のゾーンのうちの何れかのゾーンが最終ゾーンとして選択される。図15を参照して、以下に具体的に説明する。
図15は、最終ゾーンとして選択される各ゾーンと、当該各ゾーンが選択される場合の条件とを対応付けた対応表であり、(A),(B)は第1始動口への遊技球の入賞を条件とした各ゾーンとの対応表を示し、(C)は第2始動口への遊技球の入賞を条件とした各ゾーンとの対応表を示す図である。まず、先読み演出対象に係る保留が第1特別図柄を変動させる場合、つまり、この保留が第1始動口11への入賞により発生した場合について説明すると、この場合は、図15(A),(B)に示すように、選択され得る最終ゾーンとして、弱ゾーンにおける「弱ゾーンA」又は「弱ゾーンB」、あるいは、強ゾーンにおける「強ゾーンA」が設定される。換言すれば、第1始動口11に遊技球が入賞した場合は、選択され得る最終ゾーンとして、強ゾーンにおける「強ゾーンB」が設定されることはない。
具体的には、遊技制御部100における前記事前判定の結果、大当たりと判定され、その大当たり図柄が図柄A又はB(図8の円グラフ参照)であり、ゾーン演出を実行すると決定されれば、図15(A)にしたがって最終ゾーンが選択される。すなわち、前記した条件の下、さらにSPSPリーチ演出に対応する変動パターンが決定されていれば、80%の割合で強ゾーンAが選択され、15%の割合で弱ゾーンAが選択され、5%の割合で弱ゾーンBが選択される。つまり、本実施形態では、先読み演出対象に係る保留が、第1始動口11に入賞したことにより発生したものであり、さらにこの保留に基づく大当たり図柄が図柄A又はBで、SPSPリーチ演出に対応する変動パターンが決定されている場合は、強ゾーンにおける強ゾーンAが選ばれ易くなっている。
同様に、大当たりと判定され、その大当たり図柄が図柄A又はBが決定され、ゾーン演出を実行すると決定された場合においては、図15(A)に示すように、さらにSPリーチ演出に対応する変動パターンが決定されていれば、55%の割合で弱ゾーンAが選択され、45%の割合で弱ゾーンBが選択される。つまり、本実施形態では、先読み演出対象に係る保留が、第1始動口11に入賞したものであり、さらに当該保留に基づく大当たり図柄が図柄A又はBで、SPリーチ演出に対応する変動パターンが決定されている場合は、若干弱ゾーンAが選ばれ易くなっている。
一方、大当たりと判定され、その大当たり図柄が図柄C〜Eであり、ゾーン演出を実行すると決定されれば、図15(B)にしたがって最終ゾーンが選択される。すなわち、前記した条件の下、さらに特定演出(ゾーン演出の具体的な流れの説明の際に詳述する)に対応する変動パターンが決定されていれば、100%の割合で弱ゾーンAが選択される。つまり、本実施形態では、先読み演出対象に係る保留が、第1始動口11に入賞したものであり、さらに当該保留に基づく大当たり図柄が図柄C〜Eで、特定演出に対応する変動パターンが決定されていれば、実行するゾーン演出としては必ず弱ゾーンAが選ばれる。
次に、先読み演出対象に係る保留が第2特別図柄を変動させる場合、つまり、この保留が第2始動口a12への入賞により発生した場合について説明すると、この場合において、ゾーン演出を実行すると決定されれば、図15(C)に示すように、選択され得る最終ゾーンとして、弱ゾーンにおける「弱ゾーンB」、あるいは、強ゾーンにおける「強ゾーンB」が設定される。換言すれば、第2始動口a12に遊技球が入賞した場合は、選択され得る最終ゾーンとして、弱ゾーンにおける「弱ゾーンA」、及び、強ゾーンにおける「強ゾーンA」が設定されることはない。
具体的には、遊技制御部100における前記事前判定の結果、大当たりと判定され、その大当たり図柄が図柄F又はGであれば、図15(C)にしたがって最終ゾーンが選択される。すなわち、前記した条件の下、さらにSPSPリーチ演出に対応する変動パターンが決定されていれば、80%の割合で強ゾーンBが選択され、20%の割合で弱ゾーンBが選択される。つまり、本実施形態では、先読み演出対象に係る保留が、第2始動口a12に入賞したことにより発生したものであり、さらにこの保留による大当たり図柄が図柄F又はGで、SPSPリーチ演出に対応する変動パターンが決定されていれば、強ゾーンBが選ばれ易くなっている。
同様に、大当たりと判定され、その大当たり図柄として図柄F又はGが決定された場合においては、図15(C)に示すように、さらにSPリーチ演出に対応する変動パターンが決定されていれば、100%の割合で弱ゾーンBが選択される。つまり、本実施形態では、先読み演出対象に係る保留が、第2始動口a12に入賞したものであり、さらに当該保留による大当たり図柄が図柄F又はGで、SPリーチ演出に対応する変動パターンが決定されていれば、実行するゾーン演出としては、確実に、弱ゾーンBが選ばれる。
なお、各ゾーンは乱数を用いた抽選により選択され、上述した選択割合は単なる例示に過ぎない。
以上のように、本実施形態では、先読み対象の保留が、第1始動口11への遊技球の入賞によるものなのか、あるいは、第2始動口a12への遊技球の入賞によるものなのか、さらには、この保留は事前判定によって、大当たり判定が下されているのか、大当たりであれば、いかなる図柄が決定されているのか、そしてそれに関わる演出はいかなる演出(SPSPリーチ演出、SPリーチ演出、あるいは、特定演出)であるか(演出を決定するための変動パターンはいかなる変動パターンか)等の情報に基づいて、様々なゾーン演出を実行することが可能であるため、従来のものに比べると、遊技の興趣性を飛躍的に向上させることができる。
なお、ここで言う「SPリーチ演出」及び「SPSPリーチ演出」は、いずれも左中右の領域に位置する3つの装飾図柄51のうちのいずれか2つの装飾図柄51が同種の図柄で仮停止した状態で行われる演出(装飾図柄51を用いた演出)であり、3つの同種の装飾図柄51が停止することを遊技者に期待させる演出である。「SPリーチ演出」及び「SPSPリーチ演出」は、いずれも遊技制御部100において決定される特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応している。すなわち、「SPリーチ演出」に対応する変動パターンが選択されると、その変動パターンに応じて特別図柄が変動するとともに、その変動パターンに応じてSPリーチ演出が行われる。また、「SPSPリーチ演出」に対応する変動パターンが選択されると、その変動パターンに応じて特別図柄が変動するとともに、その変動パターンに応じてSPSPリーチ演出が行われる。ここで、「SPリーチ演出」に対応する変動パターンが示す変動時間は、「SPSPリーチ演出」に対応する変動パターンが示す変動時間よりも相対的に短く設定されている。例えば、「SPリーチ演出」に対応する変動パターンは、変動時間30秒の変動パターンであり、「SPSPリーチ演出」に対応する変動パターンは、変動時間60秒の変動パターンである。なお、「SPリーチ演出」および「SPSPリーチ演出」は異なる種類の演出であり、「SPSPリーチ演出」は、「SPリーチ演出」よりも大当たりに対する期待度の高い演出である。
また、「特定演出」は、特定の大当たり(大当たり図柄C〜E)を示唆する演出であり、特定図柄55(例えば、図18(I)に示すWarning図柄)が停止することを期待させる演出である。具体的には、「特定演出」は、3つの同種の装飾図柄51が停止することを期待させる演出ではなく、特定図柄55が特定の位置に停止するか否かの演出である。遊技制御部100において「特定演出」に対応する変動パターンが選択されると、その変動パターンに基づく特別図柄の変動に応じて、特定演出を含む演出が実行される。
なお、図15では、事前判定の結果が大当たりである場合について説明したが、事前判定の結果がハズレである場合であっても、事前判定された変動パターンに応じて、上述した各ゾーンが決定される。例えば、第1始動口11への遊技球の入賞によって保留が発生した場合、この保留に対する事前判定が行われる。事前判定の結果がハズレであって、SPSPリーチ演出に対応する変動パターン(上記大当たりの場合とは異なり、最終的にハズレが報知されるSPSPリーチ演出に対応する変動パターン)が判定された場合は、弱ゾーンが選択され易いように、何れかのゾーン演出が選択される。例えば、この場合、70%の割合で弱ゾーンが選択され、30%の割合で強ゾーンAが選択される。一方で、上記したように、事前判定の結果が大当たりであって、SPSPリーチ演出に対応する変動パターンが判定された場合には、強ゾーンAが選択され易くなっている。このため、遊技者においては、強ゾーンの演出が行われた場合には、大当たりになる確率が比較的高いと推察でき、逆に、弱ゾーンの演出が行われた場合には、大当たりになる確率が基本ステージ等、ゾーン演出以外の演出に比べれば高いが強ゾーンよりは低いと推察することができる。
図15に示すように、最終ゾーンとしての強ゾーンBは、第2始動口a12への入賞に基づく事前判定の結果に基づいてのみ行われる。すなわち、最終ゾーンとしての強ゾーンBは、第2始動口a12への入賞に係る専用演出である。また、最終ゾーンとしての弱ゾーンAおよび強ゾーンAは、第1始動口11への入賞に基づく事前判定の結果に基づいてのみ行われる。すなわち、最終ゾーンとしての弱ゾーンAおよび強ゾーンAは、第1始動口11への入賞に係る専用演出である。
上述のように、保留アイコンは、第1始動口11への入賞に係る保留と第2始動口a12への入賞に係る保留とを区別して表示しない。したがって、遊技者は、通常、保留アイコンによって次に第1特別図柄が変動するのか、第2特別図柄が変動するのか、現在変動しているのはどちらの特別図柄なのかを認識することは困難である。このような状況において、弱ゾーンAの演出が行われると、第1始動口11への入賞に応じた演出であると遊技者は認識する。弱ゾーンAは、大当たりに対する期待度は強ゾーンよりも低く、また、第1始動口11への入賞に基づいて大当たりとなると、出玉の少ない又は無い大当たり遊技(遊技者にとっては出玉の多い大当たりよりは有利ではない)が行われる可能性が高い。このため、弱ゾーンAの演出が行われても遊技者の期待感は高まりにくい。
しかしながら、上述のように、弱ゾーンAから強ゾーンAに移行する場合がある(図14)。すなわち、事前判定の結果、最終ゾーンとして強ゾーンAが選択された場合には、弱ゾーンAの演出を行った後、強ゾーンAに移行する場合がある。強ゾーンAは、弱ゾーンAよりも大当たりに対する期待度が高いため、弱ゾーンAから強ゾーンAへ移行させることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、図14に示すように、弱ゾーンAから強ゾーンBにも移行する場合がある。すなわち、事前判定の結果、最終ゾーンとして強ゾーンBが選択された場合には、弱ゾーンAの演出を行った後、強ゾーンBに移行する場合がある。強ゾーンBは、第2始動口a12への入賞に係る専用演出であるため、強ゾーンBが行われることによって、第2始動口a12への入賞に基づいて強ゾーンBの演出が行われたと遊技者は認識する。強ゾーンBは、大当たりに対する期待度が弱ゾーンよりも高く、また、第2始動口a12への入賞に基づいて大当たりとなると、出玉の多い大当たり遊技(遊技者にとっては出玉の少ない又は無い大当たりより有利)が行われる可能性が高い。このため、強ゾーンBの演出が行われると遊技者の期待感は高まる。特に、大当たりに対する期待度が強ゾーンより低く、かつ、出玉の少ない(又は無い)大当たりを想起させる弱ゾーンAから、大当たりに対する期待度がより高く、かつ出玉の多い大当たりを想起させる強ゾーンBに移行すると、遊技者の期待感を一気に高めることができる。
また、図15に示すように、最終ゾーンとしての弱ゾーンBは、第1始動口11への入賞に基づく事前判定の結果、又は、第2始動口a12への入賞に基づく事前判定の結果に基づいて行われる。すなわち、最終ゾーンとしての弱ゾーンBは、第1始動口11への入賞によっても、第2始動口a12への入賞によっても行われる演出である。上述のように、第1始動口11への入賞に係る大当たり遊技と、第2始動口a12への入賞に係る大当たり遊技とで有利さが異なる。このため、弱ゾーンBの演出が行われると、遊技者は、何れの始動口への入賞に基づいてこの演出が行われたのかについて、高い関心を持ちながら遊技を進めることになる。このような状況において、弱ゾーンBから強ゾーンBに移行すると、大当たりに対する期待度がさらに高まると共に、より有利な大当たり遊技が行われることに対する期待を高めることができる。すなわち、第1始動口11および第2始動口a12のいずれへの入賞に基づいて弱ゾーンBの演出が行われたのか判別できない状態から、より大当たりに対する期待度の高い状態であって、出玉の多い大当たり遊技が行われる可能性の高い状態に移行させることで、遊技者の期待感を高めることができる。
このように、あるゾーンから別のゾーンに移行させることによって、遊技者の期待をより高めることができる。本実施形態においては、第1始動口11と第2始動口a12とで大当たりになったときの有利さが異なる。また、第1始動口11への入賞に基づいて行われるゾーン演出と、第2始動口a12への入賞に基づいて行われるゾーン演出と、がある。これらのゾーン演出を行うと共に、ゾーン演出を移行させることによって、興趣性を向上させることができる。
なお、図14に示すように、弱ゾーンBからは強ゾーンAには移行しない。これは、第1始動口11への遊技球の入賞に基づいて行われたこと、および第2始動口a12への遊技球の入賞に基づいて行われたことの何れをも想起させる弱ゾーンBから、第1始動口11への遊技球の入賞に基づく強ゾーンAに移行させても、遊技者の期待感を高め難いからである。すなわち、弱ゾーンBから強ゾーンAに移行させると、大当たりに対する期待度は高まっても、実質的な利益(出玉)が得られない可能性が高くなるため、遊技者の期待感はむしろ低くなる可能性がある。したがって、本実施形態では、弱ゾーンBから強ゾーンAへの移行は無いものとする。なお、他の実施形態では、弱ゾーンBから強ゾーンAへの移行はあってもよい。
続いて、ゾーン演出の具体的な流れについて説明する。以下においては、図15(A)〜(C)に示す条件の中から、それぞれ1例ずつ取り上げて具体的に説明する。
まず、図15(A)にしたがって、第1始動口11に遊技球が入賞して保留され、当該保留に係る事前判定の結果、SPSPリーチ演出に対応する変動パターンが取得されたと事前判定されてゾーン演出を行うと決定された場合のゾーン演出の流れについて説明する。
図16は、液晶表示器における表示態様の変化を示す画面図であり、特にゾーン演出を示す図である。本実施形態では、ゾーン演出の実行が決定されると、前記したように、特別図柄の変動開始から所定のタイミングで、通常ステージの演出からゾーン演出に移行する。例えば、図16(A)に示すように、所定のタイミングが到来すれば、ゾーン演出が開始され、最終ゾーンたる強ゾーンAに突入する場合がある。そして、ゾーン演出が開始されると、液晶表示器5において、該当するゾーン名が表示される。図16(A)においては、該当するゾーン名として、「強ゾーンA」という表記がなされる。またこのとき、図16(A)においては、3つの保留アイコン521〜523(図16では符番を省略する)が表示されると共に、変動中領域54に1つの当該保留アイコン520(図16では符番を省略する)が表示された状態であり、3つ目の保留アイコン523が先読み演出対象に係る保留となっている。
なお、図16においては、便宜上、3つの保留アイコンの表示態様を異なるように表現している、実際には3つの保留アイコンの表示態様は同じである。すなわち、図16では、第1始動口11への入賞に係る保留アイコンを黒で表示し、第2始動口a12への入賞に係る保留アイコンを白で表示しているが、実際には、本実施形態では、第1始動口11への入賞に係る保留アイコンと第2始動口a12への入賞に係る保留アイコンとを区別して表示しない。また、これら3つの保留アイコン521〜523は、第1始動口11に係る保留、第2始動口a12に係る保留が交互になっており、図16では、先読み演出対象に係る保留から右方向(消化される方向)に、第1始動口11に係る保留、第2始動口a12に係る保留、第1始動口11に係る保留となっている。
そして、液晶表示器5においては、ゾーン演出が開始された際に変動表示されていた特別図柄が停止表示されると、それに伴って、図16(B)に示すように、装飾図柄51が所定の態様(例えば、ハズレを示す態様や特定の図柄が特定の領域に停止する態様)で停止表示される。そして、図16(A)における1つ目の保留アイコン521に係る特別図柄の変動が開始される。すなわち、図16(C)に示すように、図16(A)における1つ目の保留アイコン521に係る特別図柄の変動に伴って、装飾図柄51の変動制御が行われる。具体的には、1つ目の保留アイコン521は、第1始動口11に係る保留を表示するものであるため、装飾図柄51は、第1特別図柄の変動に伴って変動制御される。なおこのとき、図16(A)における1つ目の保留アイコン521は、変動中領域54に移動する。そして、第1特別図柄が停止表示されると共に、装飾図柄51が所定の態様で停止表示される(図16(D))。また同様に、図16(A)における2つ目の保留アイコン521に係る図柄の変動及び停止制御が行われ(図16(E))、装飾図柄51が所定の態様で停止表示される(図16(F))。すなわち、2つ目の保留アイコン522は、第2始動口11に係る保留を表示するものであるため、装飾図柄51は、第2特別図柄の変動に伴って変動制御される。
このように、本実施形態では、先読み演出対象に係る保留が、第1始動口11への入賞によるものであって、既にその保留に基づいたゾーン演出が行われている状況下において、第2始動口a12に係る保留を消化する場合(すなわち、第2特別図柄が変動する場合)であっても、当該ゾーン演出が中断されることはない。同様に、先読み演出対象に係る保留が、第2始動口a12への入賞によるものであって、既にその保留に基づいたゾーン演出が行われている状況下において、第1始動口11に係る保留を消化する場合であっても、当該ゾーン演出が中断されることはない(後に説明する図19に示す画面図)。すなわち、本実施形態によれば、第1始動口11又は第2始動口a12への入賞に基づいて、一旦ゾーン演出が開始されると、その間に消化される保留が第1始動口11に基づくものであろうが、第2始動口a12に基づくものであろうが、当該ゾーン演出を継続する制御が実行される。これにより、ゾーン演出の一貫性が保たれるため、遊技者に対して、より一層の期待感を抱かせることができる。
こうして、ゾーン演出が開始されてから、先読み演出対象に係る保留に至るまでは、基本的に、装飾図柄51はハズレの態様で停止表示される。つまり、ゾーン演出では、これらの過程を経て、先読み対象に係る特別図柄の変動が開始される。なお、1回の図柄変動でゾーン演出が行われる場合は、特別図柄の変動が開始されると、その変動においてゾーン演出が開始されて、その変動においてゾーン演出は終了する。
先読み対象に係る特別図柄、つまり第1特別図柄の変動が開始されると、図16(G)に示すように、それに伴って変動制御された装飾図柄51は、リーチ演出を展開することとなる。例えば、リーチ演出として、図16(H)に示すように、装飾図柄51のうち、左側領域53aに表示される左側装飾図柄51aと、右側領域53cに表示される右側装飾図柄51cが、同種の装飾図柄51(図16(H)では図柄3)で停止し、中間領域53bにおいて装飾図柄51が変動表示する場合がある。そして、その後、当該リーチ演出は、図16(I)に示すように、例えば、SPSPリーチ演出へと発展する場合がある。なお、本実施形態では、SPSPリーチ演出やSPリーチ演出に発展した時点で、背景画像としてのゾーン演出は終了する。またそれに伴い、液晶表示器5において、「強ゾーンA」といった表記も消去される。
そして、特別図柄判定の結果と、大当たりと判定された場合の大当たり図柄に関する情報とに基づいて、特別図柄及び装飾図柄51が停止表示される。図16(J)においては、特別図柄判定の結果が当たりであると判定されているため、装飾図柄51は、最終的に大当たりの態様(図16(J)では左中右の3つの図柄が図柄「3」で停止表示)で停止表示されている。そして、装飾図柄51による大当たりの報知の後、図16(K)において、大当たりを直接的に報知するべく、「大当たり」という表示がされる。なお、この3つの図柄が「3」で停止したときは、上記「4R確変当たり」(大当たり図柄B又はG)を示す。
なお、大当たり判定の結果がハズレの場合は、中間領域53bの装飾図柄51のみが、左右の装飾図柄51と異なる図柄(例えば、図16を基準とすれば図柄2又は4等)で停止する。
図17は、液晶表示器における表示態様の変化を示す画面図であり、特にゾーン演出を示す図である。また、図17に示すように、ゾーン演出の実行が決定されて、特別図柄の変動開始から所定のタイミングでゾーン演出に移行する一方で、それに合わせて最終ゾーンに突入しない場合もある。すなわち、最終ゾーンに至るまで、当該最終ゾーンとは異なるゾーンを経由するケースである。
例えば、図17(A)に示すように、ゾーン演出が開始され、最終ゾーンたる強ゾーンAに突入せず、最終ゾーンではない共通ゾーンC1(あるいは共通ゾーンC2又はC3)に突入する場合がある。この場合においては、液晶表示器5に「共通ゾーンC1」という表記がなされる。なおこのとき、図17(A)においては、3つの保留アイコン521〜523及び当該保留アイコン520が、図16(A)と同様の態様で表示されている。
そして、ゾーン演出が開始された際に変動表示されていた特別図柄が停止表示されると、それに伴って、図17(B)に示すように、液晶表示器5における装飾図柄51が所定の態様で停止表示される。そして、図17(A)における1つ目の保留アイコン521に係る特別図柄の変動に応じて、装飾図柄51の変動が開始される。すなわち、1つ目の保留アイコン521は、第1始動口11に係る保留を表示するものであるため、装飾図柄51は、第1特別図柄の変動に伴って変動制御される。そして同時に、ゾーン演出における背景画像が共通ゾーンC1から、弱ゾーンAへと切り替わる。すなわち、図17(C)においては、前記1つ目の保留アイコン521に係る第1特別図柄の変動に応じて、比較的大当たりの期待度が低いゾーンから、比較的大当たりの期待度の高いゾーンへと、ゾーン移行する昇格演出が行われる。これに伴い、液晶表示器5においては、「共通ゾーンC1」という表記から「弱ゾーンA」という表記に切り替わる。
そして、昇格演出を伴った第1特別図柄の停止表示がされると、それに伴って、図17(D)に示すように、液晶表示器5における装飾図柄51が所定の態様で停止表示される。そして、図17(A)における2つ目の保留アイコン522に係る特別図柄の変動に応じて、装飾図柄51の変動が開始される。すなわち、2つ目の保留アイコン522は、第2始動口a12に係る保留を表示するものであるため、装飾図柄51は、第2特別図柄の変動に伴って変動制御される。そして同時に、ゾーン演出における背景画像が弱ゾーンAから、強ゾーンAへと切り替わる。すなわち、図17(E)においては、前記2つ目の保留アイコン522に係る第2特別図柄の変動に応じて、弱ゾーンAから強ゾーンAへの昇格演出が行われて、最終ゾーンたる強ゾーンAに突入する。これに伴い、液晶表示器5においては、「弱ゾーンA」という表記から「強ゾーンA」という表記に切り替わる。
このように、ゾーン演出が開始されたタイミングにおいては、最終ゾーンに突入せず、別のゾーンを経由して、昇格演出を経て最終ゾーンに突入する場合もある。なお、昇格演出が行われるゾーン演出においても、前記した昇格演出が行われないゾーン演出と同様、先読み対象に係る特別図柄の変動まで、ゾーン演出は継続する。
そして、図17(F)〜(I)では、前記した図16(F)〜(I)と同様の演出が行われる。すなわち、先読み対象に係る第1特別図柄の変動が開始されると、装飾図柄51を用いたリーチ演出が行われる。そして、当該リーチ演出としては、図17(I)に示すように、例えば、SPSPリーチ演出に発展する。そして、特別図柄判定の結果に基づいて、液晶表示器5において、装飾図柄51が停止表示される。図17においては、特別図柄判定の結果が大当たりであると判定されているため、装飾図柄51は、最終的に大当たりの態様(図17(J)では左中右の3つの図柄が図柄「3」で停止表示)で停止表示される。そして、装飾図柄51による大当たりの報知の後、図17(K)において、大当たりを直接的に報知するべく、「大当たり」という表示がされる。なお、この3つの図柄が「3」で停止したときは、上記「4R確変当たり」(大当たり図柄B又はG)を示す。
次に、図15(B)にしたがって、第1始動口11に遊技球が入賞して保留され、当該保留に係る事前判定の結果、「特定演出」に対応する変動パターンが取得されたと事前判定されてゾーン演出を行うと決定された場合のゾーン演出の流れについて説明する。
図18は、液晶表示器における表示態様の変化を示す画面図であり、特にゾーン演出を示す図である。例えば、図18(A)に示すように、ゾーン演出の実行が決定されて、所定のタイミングが到来し、ゾーン演出が開始されたとする。図18では、前記したように、事前判定の結果によって、特定演出に対応する変動パターンが事前判定されてゾーン演出を行うと決定されているため、ゾーン演出の開始に伴って最終ゾーンたる弱ゾーンAに突入する。なお、図17で説明したように、弱ゾーンAに至るまでに、共通ゾーンを経由してから弱ゾーンAに突入する昇格演出を行う場合もある。そして、図18(A)に示すように、ゾーンに突入すれば、液晶表示器5において、該当するゾーン名が表示される。図18(A)においては、弱ゾーンに突入した状態が示されているため、「弱ゾーンA」という表記がなされる。なおこのとき、図18(A)においては、3つの保留アイコン521〜523及び当該保留アイコン520が、図16(A)及び図17(A)と同様の態様で表示されている。
そして、図18(B)〜(F)では、前記した図16(B)〜(F)と同様の演出が行われる。すなわち、先読み対象の保留に至るまでの図18(A)に示す1つ目の保留アイコン521及び2つ目の保留アイコン522に係る特別図柄の変動に応じて、装飾図柄51が変動及び停止表示される。そして、先読み対象に係る特別図柄、つまり第1特別図柄の変動制御が行われる。すなわち、図18(G)に示すように、当該第1特別図柄の変動制御に伴って、装飾図柄51が変動制御される。そして、図18(H)に示すように、左側領域53a及び右側領域53cの2つの装飾図柄51が同種の図柄(図18(H)では図柄3)で仮停止し、中間領域53bにおいて装飾図柄51が変動表示した状態となる。
ここで、図18では、上記したように、「特定演出」に対応する変動パターンが選択されており、特定演出が実行されることが決定されている。そのため、特定演出が行われることが決定されている場合、左右中の3つの装飾図柄51が同種の図柄で停止することによって、大当たりが報知されることはない。
具体的には、「特定演出」に対応する変動パターンが選択された場合は、装飾図柄51によるリーチ演出を行い(図18(H))、その後、所定のタイミングで特定演出に移行するように制御される。例えば、特定演出は、SPリーチ演出中に行われる。図18(I)に示すように、特定演出としては、例えば、「Warning」の文字列が出現するような遊技者の注意を惹く演出が行われる。このとき、警告音(ブザー音)を鳴らしたり、警告音に合わせてライトを照らす演出を行っても構わない。そして、その後、特定図柄55が現れて、遊技者の期待感を煽る演出が行われる(図18(J))。例えば、特定図柄55が、液晶表示器5の上方から下方に向かってゆっくりと移動して特定の位置(中央)に停止するかのような演出が行われ、特定図柄55が液晶表示器5の当該特定の位置に停止する。図18では、特別図柄判定において、大当たりの判定がなされているため、特定図柄55が特定の位置に停止した後、大当たりが報知される。すなわち、図18(K)に示すように、特定図柄55の表示態様が変化するなどして、大当たりを表示するための所定の図柄(例えば「チャンス」図柄)が停止表示される。なお、「特定演出」に対応する変動パターンは、大当たり図柄C〜Eのうちのいずれかが決定された場合に選択され得る。すなわち、図18に示すような、特定演出を含む大当たりが報知される演出は、第1特別図柄の変動に応じて大当たり図柄C〜Eのうちのいずれかで大当たりとなった場合に行われる。
続いて、図15(C)にしたがって、第2始動口11に遊技球が入賞して保留され、当該保留に係る事前判定の結果、SPSPリーチ演出に対応する変動パターンが事前判定されてゾーン演出を行うと決定された場合のゾーン演出の流れについて説明する。
ここで、図15(C)にしたがって行われるゾーン演出の流れは、図15(A)において説明したゾーン演出の流れと比較すると、先読み対象の保留が第2始動口a12に遊技球が入賞して保留されたものである点と、選択される最終ゾーンが異なる点を除いて、概ね同様の流れである。そこで、以下においては、図19を用いて簡単に説明する。図19は、液晶表示器における表示態様の変化を示す画面図であり、特にゾーン演出を示す図である。
すなわち、図19(A)に示すように、ゾーン演出の実行が決定されて、ゾーン演出が開始されると、先読み対象の保留が第2始動口a12に係るものであるため、弱ゾーンB又は強ゾーンBに突入する。図19では、第2特別図柄の変動開始から所定のタイミングで、最終ゾーンたる強ゾーンBに突入する。そのため、液晶表示器5においては、「強ゾーンB」という表記がなされる。なお、このとき、3つの保留アイコン521〜523は、先読み演出対象に係る保留から右方向(消化される方向)に、第2始動口a12に係る保留、第1始動口11に係る保留、第2始動口a12に係る保留となっている。なお、最終ゾーンたる強ゾーンBは、共通ゾーンや弱ゾーンA又はBを経由して突入してもよい。
そして、ゾーン演出が開始された際に変動表示されていた第2特別図柄が停止表示されると、それに伴って、図19(B)に示すように、液晶表示器5における装飾図柄51が所定の態様で停止表示される。これと同様の演出が、図19(C)〜(F)まで続く。そして、図19(G)において、先読み対象に係る第2特別図柄の変動が開始されると、それに伴って変動制御された装飾図柄51は、リーチ演出を展開することとなる(図19(H))。そして、当該リーチ演出としては、図19(I)に示すように、SPSPリーチ演出に発展する。そして、特別図柄判定の結果に基づいて、液晶表示器5において、装飾図柄51が停止表示される。図19においては、特別図柄判定の結果が大当たりであると判定されているため、装飾図柄51は、最終的に大当たりの態様(図17(J)では左中右の3つの図柄が図柄「7」で停止表示)で停止表示される。そして、装飾図柄51による大当たりの報知の後、図19(K)において、大当たりを直接的に報知するべく、「大当たり」という表示がされる。このように、3つの同種の装飾図柄51が停止して大当たりが報知される。なお、この3つの図柄が図柄「7」で停止したときは、上記「16R確変当たり」(大当たり図柄A又はF)を示す。
ここで、上述したように、最終ゾーンが強ゾーンA(又は強ゾーンB)に決定しているにも関わらず、共通ゾーン(C1〜C3)に突入する場合がある。また同様に、最終ゾーンが弱ゾーンA又はBに決定しているにも関わらず、共通ゾーン(C1〜C3)に突入する場合がある。これは、大当たりへの期待度が比較的低いゾーンから、大当たりへの期待度が比較的高いゾーンに移行する昇格演出を行って、先読み対象に係る特別図柄の変動が行われるまでの遊技者の期待感を高めることを意図したものである。しかしながら、唐突に昇格演出を行ったのでは、遊技者に気づかれず、意図した効果を得ることができない場合が懸念される。そこで、本実施形態では、共通ゾーンに突入して、ゾーンの昇格演出が行われる場合には、ゾーンの昇格を示唆する演出(次に移行するゾーンを示唆する演出)が行われる場合がある(以下、ゾーン昇格示唆演出という)。
本実施形態では、最終ゾーンが強ゾーン又は弱ゾーンであるにも関わらず、共通ゾーンに突入した場合に、ゾーン昇格示唆演出が実行される場合がある。図20は、液晶表示器における表示態様の変化を示す画面図であり、特にゾーン演出を示す図である。図21は、図20の画面図の一部であり、ゾーン昇格を示唆する具体的な表示態様を示す図である。図20には、最終ゾーンは強ゾーンAであったが、ゾーン演出の開始と同時に共通ゾーンC1に突入した例が示されている。
ここで、共通ゾーンは、上述したように、3つの異なるテーマに区分されている。そして、本実施形態では、共通ゾーンの3つのテーマのうちの1つとして、キャラクタAとキャラクタBとの会話をテーマにしたゾーン(以下、このテーマのゾーンを共通ゾーンC1とする)が用意されている。また、上述したように、キャラクタAは、強ゾーンA及び弱ゾーンAに関連した登場人物であり、キャラクタBは、強ゾーンB及び弱ゾーンBに関連した登場人物である。このような条件の下、ゾーン昇格示唆演出においては、キャラクタAに関連するゾーン、つまり強ゾーンA又は弱ゾーンAに移行する場合に、キャラクタAの会話の文字を所定の表示態様(例えば、文字の色を赤色にする等)で表示する示唆演出を行い、キャラクタBに関連するゾーン、つまり強ゾーンB又は弱ゾーンBに移行する場合に、キャラクタBの会話の文字が前記所定の表示態様で表示される示唆演出を行う。
したがって、図20では、最終ゾーンが強ゾーンBとなっているため、ゾーン演出が開始された際に突入した共通ゾーンC1では、キャラクタBを用いたゾーン昇格示唆演出が行われる場合がある。具体的には、図20においては、先読み対象の保留の1つ前の保留、つまり1つ目の保留アイコン521に係る特別図柄の変動時に(図20(C))、会話によるゾーン昇格示唆演出が行われる。なお、このゾーン昇格示唆演出は、先読み対象に係る特別図柄の変動の際に行うようにしても構わない。
共通ゾーンC1におけるゾーン昇格示唆演出では、液晶表示器5において、キャラクタAとキャラクタBによる会話を用いた演出が行われる。本実施形態では、液晶表示器5の所定の位置(図21では右下)にキャラクタAが現れ、キャラクタAとは異なる位置(図21では左上)にキャラクタBが現れて、それぞれがセリフを言う設定である。例えば、図21に示すように、キャラクタAが、例えば、「俺たちずっと友達だろ」と問いかけ、キャラクタBが、例えば、「7年前からずっと」と答える。また、キャラクタAとキャラクタBのセリフは、キャラクタB側が問い掛け、キャラクタA側がそれに答える内容であっても良いし、互いに言い捨てるような内容(相手の応答を期待しない内容)、例えば、「お前を倒す」等であっても構わない。また、各キャラクタA,Bの会話の順番は、内容によって入れ替わる場合があり、図21に示すキャラクタAから始まり、キャラクタBで終わるということに限定されるわけではないし、複数回の会話のやりとりが行われてもよい。
共通ゾーンC1では、通常、キャラクタA、Bのセリフの文字の色は、白色が設定されている。つまり、昇格演出を行わない場合には、キャラクタA及びキャラクタBのセリフの文字色を白色に制御される場合がある。一方で、本実施形態では、ゾーンの昇格を行う場合には、ゾーン移行先に関連したキャラクタのセリフの文字色を通常と異なる態様にして、移行先のゾーンを示唆する場合がある。すなわち、図20では、強ゾーンBへの移行が決まっているため、強ゾーンBに関連したキャラクタBのセリフの文字色が通常とは異なる所定の態様で表示される。具体的には、この場合においては、キャラクタBのセリフの文字色が、赤色に変化した表示態様となる。なお、図21においては、図面上において色を変えて表示することができないため、色を変える代わりに、セリフの吹き出しの部分の表示態様を変化させている。実際には、このようなセリフの吹き出し部を互いに異なる表示態様にしないが、図示したように吹き出し部の表示態様を変えて、ゾーンの移行先を示唆しても構わない。
このように、図20(C)のゾーン昇格示唆演出によって、移行先のゾーンが示唆されると、その示唆に応じた強ゾーンBに突入する(図20(D))。強ゾーンBに突入した後は、当該1つ目の保留アイコン521に係る特別図柄の変動を停止表示し(図20(E))、先読み対象に係る特別図柄の変動を開始する(図20(F))。なお、図20に示すように、ある特別図柄の変動においてゾーン昇格示唆演出が行われて移行先のゾーンが示唆された後、その変動において、示唆されたゾーンに移行してもよい。あるいは、ある特別図柄の変動においてゾーン昇格示唆演出が行われた後、その変動が終了して次の変動において、示唆されたゾーンに移行してもよい。そして、特別図柄判定の結果に基づいて、SPSPリーチ演出に対応する変動パターンが選択されていれば、図20(H)に示すように、SPSPリーチ演出が行われて、大当たりあるいはハズレの態様で図柄が停止表示される。なお、図20においては、SPSPリーチ演出以降は、先に説明した図16,17と同様であるため、具体的な図は省略する。
なお、上記では、ゾーン移行先が強ゾーンBであることを示唆するため、強ゾーンBに関連するキャラクタBのみのセリフの文字色を所定の表示態様にしたが、これに加えて、キャラクタAのセリフの文字色も所定の表示態様にしても構わない。つまり、キャラクタA及びBのセリフの文字色を所定の表示態様にして、ゾーンの昇格だけを示唆する演出であっても構わない。したがって、キャラクタA及びBのセリフの文字色を所定の表示態様にして、ゾーンの昇格だけを示唆することで、どっちのゾーンに行くのかという、遊技者の想像を膨らませ、高揚感を高めることが期待できる。
また、上記ではキャラクタA、Bのセリフの文字の色が何れも通常であればゾーンの昇格が行われないとしたが、キャラクタA、Bのセリフの文字の色が何れも通常であっても、ゾーンの昇格が行われてもよい。例えば、キャラクタAのセリフの文字が通常の表示態様で、キャラクタBのセリフの文字も通常の表示態様である場合は、ゾーンの昇格が行われる可能性が低い(例えば、5%の割合でゾーンの昇格が行われる)が、何れのゾーンに移行するかは示唆されず、ゾーンA(弱ゾーンA又は強ゾーンA)に移行する割合とゾーンB(弱ゾーンB又は強ゾーンB)に移行する割合とが等しい。また、キャラクタAのセリフの文字が所定の表示態様で、キャラクタBのセリフの文字も所定の表示態様である場合は、ゾーンの昇格が行われる可能性が高い(例えば、80%の割合でゾーンの昇格が行われる)が、何れのゾーンに移行するかは示唆されず、ゾーンAに移行する割合とゾーンBに移行する割合とが等しい。また、キャラクタAのセリフの文字が所定の表示態様で、キャラクタBのセリフの文字が通常の表示態様である場合は、ゾーンの昇格が行われる可能性が高く、かつ、ゾーンAに移行する割合の方がゾーンBに移行する割合よりも高い。また、キャラクタAのセリフの文字が通常の表示態様で、キャラクタBのセリフの文字が所定の表示態様である場合は、ゾーンの昇格が行われる可能性が高く、かつ、ゾーンBに移行する割合の方がゾーンAに移行する割合よりも高い。
また、上記したゾーン昇格示唆演出では、キャラクタAとキャラクタBの会話において、そのセリフの文字色の表示態様を通常と異なる表示態様にすることで、移行先のゾーンを示唆することを例に説明したが、他の実施形態では、強ゾーンA及び弱ゾーンAに関連するオブジェクトAと、強ゾーンB及び弱ゾーンBに関連するオブジェクトBとを用いて、他のテーマを用いた示唆演出を行っても構わない。例えば、オブジェクトA、Bを、戦闘機等にして、いずれのオブジェクトA,Bの数が多く残るかといった演出で、移行先のゾーンを示唆しても構わない。また、オブジェクトA,Bをルーレット等にして、いずれのオブジェクトA,Bに矢が刺さるかといった演出で、移行先のゾーンを示唆しても構わない。なお、このような別の実施形態の示唆演出であっても、会話をテーマにしたゾーンと同様、双方のオブジェクトA,Bを同様の表示態様とし、ゾーンの昇格だけを示唆する演出を行っても構わない。
また、本実施形態では、上記したように、共通ゾーンからより遊技者の期待感を高めるゾーンへ昇格する際に示唆演出を行う場合があるが、他の実施形態では、大当たりに対する期待度が同等のゾーン間、例えばゾーンAからゾーンBへのゾーン移行を行うような場合に、上述したような示唆演出を行うようにしても構わない。
図16〜図20において例示したゾーン演出のシナリオは、事前判定の結果に基づいてゾーン演出を行うと決定される際に、決定される。ここで、「ゾーン演出のシナリオ」とは、予め定められたゾーン演出の移行の流れを示すものであり、最初のゾーン(ゾーン演出の最初に行われるゾーンの種類)、最終ゾーン、最初のゾーンから最終ゾーンに至るまでの途中のゾーンを定めたゾーンの移行の仕方を示すものである。
図22は、第1始動口11への入賞に基づいてゾーン演出を行うと決定された場合のゾーン演出のシナリオを決定するためのテーブルの一例を示す図である。図23は、第2始動口a12への入賞に基づいてゾーン演出を行うと決定された場合のゾーン演出のシナリオを決定するためのテーブルの一例を示す図である。
図22および図23に示すように、ゾーン演出の最終変動におけるゾーンや、その最終変動にいたる前の変動におけるゾーンが予め定められており、このテーブルに基づいてゾーン演出のシナリオが決定される。例えば、図22に示すように、第1始動口11への入賞に基づいてゾーン演出を行うと決定された場合において、3変動においてゾーン演出が行われる場合、4つのシナリオが用意されている。例えば、最終変動よりも2つ前の変動において共通ゾーンに突入し、1つ前の変動において弱ゾーンAに移行し、最終変動において弱ゾーンAにて演出が行われるシナリオ8が用意されている。また、最終変動よりも2つ前の変動において共通ゾーンに突入し、1つ前の変動において弱ゾーンBに移行し、最終変動において弱ゾーンBにて演出が行われるシナリオ9が用意されている。また、最終変動よりも2つ前の変動において共通ゾーンに突入し、1つ前の変動において弱ゾーンAに移行し、最終変動において強ゾーンAに移行するシナリオ10が用意されている。これら複数のシナリオの中から、ゾーン演出の期間、最終変動の変動パターン等に基づいて、1のシナリオが決定され、決定されたシナリオに従って、ゾーン演出の制御が行われる。
本実施形態ではこのゾーン演出のシナリオは、演出制御部130において、始動口に遊技球が入賞したときに決定される。なお、始動口に遊技球が入賞したときに、最初のゾーンと最終のゾーンだけ演出制御部130が決定し、決定した情報を画像音響制御部140に送信して、画像音響制御部140がその他のシナリオ(最初のゾーンから最終ゾーンに至るまでの移行シナリオ)を決定することで、演出制御部130の処理負担を軽減させてもよい。また、始動口に遊技球が入賞したときにシナリオを決定せずに、最初のゾーンと最終ゾーンだけ決定して、最終ゾーンに至るまでのゾーン移行については、その都度(特別図柄の変動開始時)抽選によって決定してもよい。
ところで、本実施形態では、上述したように、特定の大当たり(大当たり図柄C〜E)を示唆する特定演出に対応する変動パターンが用意されている。そして、上記においては、ゾーン演出中に特定演出が実行される例について説明をした。すなわち、上記では、事前判定において特定演出に対応する変動パターンを判定し、特定演出が行われることを示唆するゾーン演出を行った。しかしながら、本実施形態では、ゾーン演出中でなくても(基本ステージにおいても)特定演出が実行される場合がある。そこで、以下においては、基本ステージにおいて、特定演出が行われるケースについて説明する。
まず、基本ステージにおいて、特定演出が行われる条件について説明する。図24は、基本ステージにおいて選択され得る特定演出と、当該特定演出が選択される場合の条件とを対応付けた対応表を示す図である。
基本ステージでは、特別図柄判定の結果に基づいて特定演出が行われる場合がある。本実施形態では、図24に示すように、原則として、第1始動口11への遊技球の入賞に係る第1特別図柄の変動に対しては、遊技制御部100において、特定演出に対応する変動パターンが選択される場合がある。すなわち、第1始動口11に遊技球が入賞し、その入賞に係る保留の特別図柄判定の結果が大当たり図柄C〜Eでの大当たりであれば、特定演出に対応する変動パターンが選択される。また、第1始動口11に遊技球が入賞し、その入賞に係る保留の特別図柄判定の結果がハズレであっても、特定演出に対応する変動パターンが選択される場合がある。遊技制御部100において、特定演出に対応する変動パターンが選択されると、特定演出が実行される。例えば、特定演出に対応する変動パターンとしては、SPリーチ演出からwarning図柄が出現する演出(図18の(H)〜(J))を演出制御部130に行わせる変動パターンが用意されている。
それに対して、本実施形態では、図24に示すように、遊技制御部100において、第2始動口a12への遊技球の入賞に係る第2特別図柄の変動に対して、特定演出に対応する変動パターンは用意されていない。これは、第2特別図柄判定においては大当たり図柄C〜Eが選択されることはないため、大当たり図柄C〜Eでの大当たりを示唆する(期待させる)特定演出に対応する変動パターンを用意する必要がないからである。つまり、第2始動口a12に遊技球が入賞し、その入賞に係る保留の特別図柄判定の結果が大当たりであっても、遊技制御部100において特定演出に対応する変動パターンが選択される場合はない。また同様に、第2始動口a12に遊技球が入賞し、その入賞に係る保留の特別図柄判定の結果がハズレであっても、遊技制御部100において、特定演出に対応する変動パターンが選択される場合はない。
したがって、基本ステージにおいても、ゾーン演出を行う場合と同様、第1始動口11に遊技球が入賞した場合にのみ、遊技制御部100において、特定演出に対応する変動パターンが選択される制御構成となっている。
ところが、第1始動口11に遊技球が入賞した場合にのみ、特定演出を実行するようにすると、「特定演出は第1始動口11に遊技球が入賞した場合にしか実行されない」、と遊技者に容易に推測されてしまう。すると、特別図柄の変動に応じて特定演出が開始された場合には、この変動は第1始動口11への遊技球の入賞に基づく変動であると遊技者に容易に認識され、遊技の興趣性が低下してしまうおそれがある。またその結果、パチンコ遊技機1の商品価値が著しく低下してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、第2始動口a12に遊技球が入賞した場合であって、特別図柄判定においてハズレと判定された場合においては、所定の変動パターン(本実施形態ではSPリーチ演出に対応する変動パターン)が選択されたことを条件に、演出制御部130において、特定演出を行うか否かの抽選を行い、その抽選の結果に応じて、特定演出を行うことを可能にした。以下、第2始動口a12に遊技球が入賞して、特定演出が実行される場合について説明する。なお、以下の説明で使用する図25には、便宜上、液晶表示器5の画面図において「基本ステージ」と表記しているが、実際にはこの「基本ステージ」の表記はされていない。
例えば、図24に示すように、第2始動口a12への入賞に係る特別図柄判定の結果、ハズレと判定され、さらにSPリーチ演出に対応する変動パターンが選択されたとする。これにより、当該判定結果の情報が、演出制御部130に送信され、当該判定結果の情報に基づいて、特定演出を実行するか否かの抽選が行われる。この抽選で、特定演出の実行が決定されれば、SPリーチ演出が行われて、そのSPリーチ演出中に特定演出が実行される。一方で、前記抽選によって、特定演出の実行が選択されなければ、遊技制御部100から送信されたSPリーチ演出に対応する変動パターンに基づいたSPリーチ演出が行われる。
図25では、演出制御部130において行われた前記抽選によって、特定演出を実行すると判定された場合が示されている。すなわち、図25では、液晶表示器5において、遊技制御部100から送信された変動パターンに対応するSPリーチ演出に替えて、特定演出が行われる。具体的には、図25(A)においては、基本ステージにおいて、第2特別図柄の変動表示に伴って、装飾図柄51が変動表示されている。そして、第2特別図柄の変動開始から所定の時間の経過後、図25(B)に示すように、左側領域53a及び右側領域53cの2つの装飾図柄51が同種の図柄で仮停止し、且つ、中間領域53bの装飾図柄51が変動表示された状態となる。ここで、前記したように、第2始動口a12への入賞に基づいて特定演出が実行される場合においては、演出制御部130は、遊技制御部100からSPリーチ演出に対応する変動パターンに関する情報が受信されている。そのため、第2始動口a12に遊技球が入賞したことを条件に特定演出を行う場合は、装飾図柄51によるリーチ演出を行い、その後、所定のタイミングで特定演出に移行するように制御される。例えば、特定演出は、SPリーチ演出中に行われる。特定演出としては、図25(C)に示すように、図18の特定演出と同様の演出が行われる。すなわち、「Warning」の文字列が出現するような遊技者の注意を惹く演出を行ったり(図25(C))、それに加えて、警告音(ブザー音)を鳴らしたり、警告音に合わせてライトを照らす等の演出を行う。
図25で示したように、本実施形態では、第2始動口a12に遊技球が入賞した場合も、所定の条件が満たされると、第1始動口11に遊技球が入賞した際に実行される特定演出(図18の(I)に示す特定図柄の出現を示唆する演出)と同様の演出(図25の(C))が行われるため、特定演出がいずれの始動口への入賞に基づくものなのかという推測を、遊技者に容易にさせるおそれがない。
[遊技制御部によるメイン処理]
次に、図26を参照しつつ、遊技制御部100によって実行されるメイン処理について説明する。遊技制御部100は、電源投入時や電源遮断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図26に示されている一連の処理を割り込みにより一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図26以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御部100の処理は、ROM102に記憶されているプログラムをCPU101が実行することによって行われる。
まず、遊技制御部100のCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、および普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。ここで、大当たり乱数は、特別図柄判定の結果が大当たりか、ハズレかを決定するための乱数である。図柄乱数は、特別図柄判定の結果が大当たりであった場合に、大当たりの種類(大当たり図柄)を決定するための乱数である。リーチ乱数は、特別図柄判定の結果がハズレの場合に、リーチ有りの演出を行うかあるいはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数である。普通図柄乱数は、普通図柄抽選の当選または落選を決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、および普通図柄乱数は、予め定められた範囲で変動し、このステップS1の処理が行われる毎に「1」ずつ加算される。なお、ステップS1において、上記各乱数が予め設定されている最大値に達した場合は、各乱数はリセットされる。
ステップS1に続いて、CPU101は、始動口スイッチ(SW)処理を実行する(ステップS2)。始動口スイッチ処理では、CPU101は、第1始動口スイッチ111又は第2始動口スイッチ112、118からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、検知信号が入力された時点の値を取得して、RAM103に記憶する。この始動口スイッチ処理については、図27を参照して、後に詳述する。
ステップS2に続いて、CPU101は、ゲートスイッチ(SW)処理を実行する(ステップS3)。ゲートスイッチ処理では、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号の入力の有無を監視し、検知信号の入力があった場合、ステップS1の処理で更新された普通図柄乱数の値を取得して、RAM103に記憶する。このゲートスイッチ処理については、図28を参照して、後に詳述する。
ステップS3に続いて、CPU101は、特別図柄処理を実行する(ステップS4)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、特別図柄判定の結果が大当たりであったか否か、大当たりであった場合の大当たりの種類(大当たり図柄)が判定される。また、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理で取得された乱数を用いて特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の結果を示す特別図柄を停止表示させる。特別図柄処理については、図29を参照して、後に詳述する。
ステップS4に続いて、CPU101は、普通図柄処理を実行する(ステップS5)。普通図柄処理では、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された普通図柄乱数を用いて普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる。普通図柄処理については、図33を参照して、後に詳述する。
ステップS5に続いて、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理における特別図柄判定で大当たりとなった場合に、大入賞口制御部116を介して大入賞口13を開閉する大入賞口処理を実行する(ステップS6)。大入賞口処理については、図34を参照して、後に詳述する。
ステップS6に続いて、CPU101は、電動式開閉役物処理を実行する(ステップS7)。電動式開閉役物処理では、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理における普通図柄抽選に当選した場合に、電動式開閉役物開閉部113を介して電動式開閉役物16の一対の羽根部材を作動させる。電動式開閉役物処理については、図36を参照して、後に詳述する。
ステップS7に続いて、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS8)。具体的には、CPU101は、第1始動口11、第2始動口a12、大入賞口13、および普通入賞口14の何れかに遊技球が入賞した場合、入賞した場所に応じた個数の賞球を払い出しする。例えば、CPU101は、第1始動口11または第2始動口a12に遊技球が入賞した場合は、3個の賞球を払い出し、大入賞口13に遊技球が入賞した場合は10個の賞球を払い出し、普通入賞口14に遊技球が入賞した場合は*個の賞球を払い出す。
ステップS8に続いて、CPU101は、出力処理を実行する(ステップS9)。ステップS9の出力処理では、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理やステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理等でRAM103にセットされた各種コマンドを演出制御部130に送信する。
[遊技制御部による始動口スイッチ処理]
次に、図27を参照して、遊技制御部100において実行される始動口スイッチ処理の詳細について説明する。図27に示すように、ステップS201では、遊技制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否か(第1始動口11に遊技球が入賞したか否か)を判定する。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS201:YES)、RAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、予めROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS202)。
CPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS202:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新する(ステップS203)。そして、CPU101は、ステップS1の処理によって更新した各種乱数(乱数データD1の大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)の値を取得して、RAM103に格納する(ステップS204)。
ここでは、第1始動口11に遊技球が入賞したことに応じて取得された各種乱数がRAM103に格納されることにより、ステップS203で保留数U1を増加させた保留球に係る特別図柄判定の権利が、保留されることになる。詳細は後述するが、保留された特別図柄判定の権利は、ステップS4の特別図柄処理において消化されて、特別図柄が変動表示されて所定時間経過後に停止表示されることにより、当該特別図柄判定の結果が報知される。
ここで、ステップS204において、CPU101は、遊技球が始動口(第1始動口11、第2始動口a12、第2始動口b15)に入賞した順に保留が消化されるように(いわゆる、ファーストインファーストアウト)、各種乱数をRAM103に格納する。具体的には、RAM103において、始動口に遊技球が入賞したときに取得された各種乱数が1つのキューに格納され、当該キューに最も先に格納された乱数がステップS4の特別図柄処理において取り出されて特別図柄判定が行われる。
続いて、CPU101は、ステップS204でRAM103に格納された各種乱数に基づいて事前判定処理を実行する(ステップS205)。事前判定処理は、保留された特別図柄判定の権利についての判定処理であり、大当たりか否かや、大当たりの種類、変動パターン等を判定して当該判定結果を示す事前判定情報を生成する処理である。その後、CPU101は、事前判定情報を含む保留コマンドをRAM103にセットする(ステップS206)。保留コマンドは、特別図柄判定が保留されたことを通知するためのコマンドであって、図26のステップS9における出力処理において演出制御部130へと送信される。なお、ステップS205の事前判定処理では、ステップS204で取得された各種乱数がそのまま事前判定情報として生成されて、当該事前判定情報が保留コマンドに含められてもよい。
ステップS201で「NO」と判定した場合、ステップS202で「NO」と判定した場合、又はステップS206の処理を実行した場合、CPU101は、ステップS207の処理を実行する。ステップS207では、CPU101は、第2始動口スイッチ112又は118が「ON」になったか否か(第2始動口a12又は第2始動口b15に遊技球が入賞したか否か)を判定する。ここで、第2始動口スイッチ112又は118が「ON」になったと判定した場合(ステップS207:YES)、RAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、予めROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS208)。
CPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS208:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新する(ステップS209)。そして、CPU101は、ステップS1の処理で更新した各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、RAM103に格納する(ステップS210)。
そして、CPU101は、ステップS210の処理によってRAM103に格納された各種乱数を用いて、上記ステップS205の処理と同様に事前判定処理を実行し(ステップS211)、事前判定情報を含む保留コマンドをRAM103にセットする(ステップS212)。
ステップS207で「NO」と判定された場合、ステップS208で「NO」と判定された場合、又はステップS212の処理が行われた場合、CPU101は、始動口スイッチ処理を終了して、ゲートスイッチ処理に処理を進める。
[遊技制御部によるゲートスイッチ処理]
次に、図28を参照して、遊技制御部100において実行されるゲートスイッチ処理の詳細について説明する。図28に示されるように、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号(ゲートスイッチ114が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、ゲートスイッチ114が「ON」になったか否かを判定する(ステップS301)。
CPU101は、ゲートスイッチ114が「ON」になったと判定した場合(ステップS301:YES)、RAM103に記憶されている普通図柄判定の保留数Gが、普通図柄判定の最大保留数Gmax(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS302)。
CPU101は、保留数Gが最大保留数Gmax未満であると判定した場合(ステップS302:YES)、保留数Gを「1」加算した値に更新し(ステップS303)、この処理によって保留された普通図柄判定に使用される普通図柄乱数を取得して、RAM103に格納する(ステップS304)。なお、ステップS204において格納された普通図柄乱数に対して上記ステップS205と同様に事前判定処理が行われ、当該事前判定処理の結果が普通図柄の保留コマンドとして演出制御部130に送信されてもよい。
[遊技制御部による特別図柄処理]
次に、図29〜図32を参照しつつ、遊技制御部100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。図29に示されるように、遊技制御部100のCPU101は、例えばRAM103に記憶されている情報に基づいて、特別遊技中(大当たり遊技中)であるか否かを判定する(ステップS401)。ここで、特別遊技中であると判定された場合(ステップS401:YES)、CPU101は、特別図柄処理を終了する。
CPU101は、特別遊技中ではないと判定した場合(ステップS401:NO)、特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する(ステップS402)。ここで、CPU101は、特別図柄が変動表示中ではないと判定した場合(ステップS402:NO)、RAM103を参照して第1特別図柄判定の保留数U1と第2特別図柄判定の保留数U2との和が「1」以上であるか否かを判定し(ステップS403)、「1」以上でないと判定した場合(ステップS403:NO)、客待ちコマンドをRAM103にセットして(ステップS404)、特別図柄処理を終了する。
CPU101は、U1とU2の和が「1」以上であると判定した場合(ステップS403:YES)、RAM103のキューに格納された最先の各種乱数を取り出す(ステップS405)。すなわち、CPU101は、遊技球が始動口(第1始動口11、第2始動口a12、又は第2始動口b15)に入賞したときにRAM103のキューに格納された各種乱数のうち、最も先に格納された各種乱数を取り出す。ここで取り出された各種乱数に基づいて、後述する大当たり判定処理等が行われる。
ステップS405に続いて、CPU101は、U1又はU2を「1」だけ減算する(ステップS406)。具体的には、ステップS405で取り出した各種乱数が第1始動口11への入賞に応じて取得されたものである場合は、U1を「1」だけ減算し、ステップS405で取り出した各種乱数が第2始動口a12又は第2始動口b15への入賞に応じて取得されたものである場合は、U2を「1」だけ減算する。
CPU101は、ステップS406の処理に続いて、大当たり判定処理を実行する(ステップS407)。以下、図30を参照して、大当たり判定処理について説明する。
図30に示すように、CPU101は、まず、大当たりか否かの判定を行う(ステップS451)。具体的には、CPU101は、ステップS406の処理で保留数U1又はU2を減算させた保留玉に係る大当たり乱数(ステップS405の処理で取り出された大当たり乱数)が、ROM102に予め記憶されている大当たり乱数の当選値と一致するか否かを判定する。これにより、CPU101は、特別図柄判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。なお、遊技状態が高確率遊技状態である場合は(確変遊技フラグが「ON」の場合は)、通常遊技状態よりも大当たりと判定される確率が高い。
ここで、特別図柄判定の結果が大当たりである場合(ステップS451:YES)、CPU101は、上述した大当たり乱数と一緒にステップS2の処理でRAM103に格納された図柄乱数に基づいて、図柄乱数判定処理を行う(ステップS452)。具体的には、CPU101は、ステップS405の処理で取り出された図柄乱数がROM102に予め記憶されている複数種の大当たりのそれぞれに割り当てられた乱数値のいずれと一致するかを判定することにより、大当たりの種類を判定する。そして、CPU101は、判定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄を、設定情報としてRAM103に設定する(ステップS453)。ここでは、図8に示すように、ステップS405で取り出された図柄乱数が第1始動口11への入賞に係るものである場合、大当たり図柄A〜Eの中の何れかが大当たり図柄としてRAM103に設定される。また、ステップS405で取り出された図柄乱数が第2始動口a12への入賞に係るものである場合、大当たり図柄F〜Gの中の何れかが大当たり図柄としてRAM103に設定される。
一方、ステップS451において大当たりでないと判定された場合(ステップS451:NO)、CPU101は、特別図柄判定の結果がハズレであることを表すハズレ図柄を、設定情報としてRAM103に設定する(ステップS454)。
ステップS453の処理、またはステップS454の処理の後、CPU101は、大当たり判定処理を終了して、図29の特別図柄処理に処理を戻す。
図29に戻り、ステップS407の大当たり判定処理に続いて、CPU101は、変動パターン設定処理を実行する(ステップS408)。以下、図31を参照して、変動パターン設定処理について説明する。
図31に示すように、CPU101は、現在の遊技状態が通常遊技状態か否かを判定する(ステップS461)。
CPU101は、通常遊技状態と判定した場合(ステップS461:YES)には、通常遊技状態の変動パターンテーブルをRAM103にセットする(ステップS462)。通常遊技状態の変動パターンテーブルには、大当たり判定の結果が大当たりの場合の変動パターン、ハズレであってリーチ有りの場合の変動パターン、ハズレであってリーチ無しの場合の変動パターン等が記憶されている。通常遊技状態の変動パターンテーブルの一例については後述する。
通常遊技状態でないと判定した場合(ステップS461:NO)、CPU101は、現在の遊技状態が確変遊技状態か否かを判定する(ステップS463)。確変遊技状態であると判定した場合(ステップS463:YES)、CPU101は、確変遊技状態の変動パターンテーブルをRAM103にセットする(ステップS464)。一方、確変遊技状態でないと判定した場合(ステップS463:NO)、CPU101は、潜伏確変遊技状態の変動パターンテーブルをRAM103にセットする(ステップS465)。
ステップS462、ステップS464、又は、ステップS465の処理に続いて、CPU101は、ステップS407の大当たり判定の結果がハズレであったか否かを判定する(ステップS466)。大当たり判定の結果がハズレでない場合、すなわち、大当たりである場合(ステップS466:NO)は、CPU101は、次にステップS468の処理を実行する。
ステップS407の大当たり判定の結果がハズレであったと判定した場合(ステップS466:YES)、CPU101は、リーチ判定処理を行う(ステップS467)。リーチ判定処理では、CPU101は、取得したリーチ乱数に基づいて、リーチの有無を判定する。次に、CPU101は、ステップS468の処理を実行する。
ステップS468において、CPU101は、変動パターン乱数判定処理を行う。具体的には、CPU101は、ステップS468において、セットした変動パターンテーブルを用いて、上述した大当たり乱数(ステップS407の判定処理で用いられた大当たり乱数)と一緒に図26におけるステップS2の処理でRAM103に格納された(ステップS405で取り出された)変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを選択する。例えば、CPU101は、図37に示す通常遊技状態の変動パターンテーブルを参照して、大当たりか否かの情報、大当たりである場合の大当たり図柄の情報、ハズレである場合のリーチの有無の情報、今回の変動が第1始動口への入賞に基づくものか、あるいは第2始動口への入賞に基づくものかの情報、および、変動パターン乱数に基づいて、セットした変動パターンテーブルに含まれる1の変動パターンを決定する。
このようにして、CPU101は、図26のステップS2で取得された変動パターン乱数と、図31のステップS462、ステップS464、又は、ステップS465でセットした変動パターンテーブルとに基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。決定された変動パターンは、設定情報としてRAM103に設定される(ステップS469)。ステップS469の処理の後、CPU101は、図31に示す変動パターン設定処理を終了して、図29の特別図柄処理に処理を戻す。
ここで、ステップS462においてセットされる通常遊技状態の変動パターンテーブルの一例について説明する。
図37は、通常遊技状態の変動パターンテーブルの一例を示す図である。なお、図37では、遊技状態が通常遊技状態のときに選択される変動パターンテーブルが示されており、図示はしないが、パチンコ遊技機1には他の遊技状態(確変遊技状態、潜伏確変遊技状態)のときに選択されるテーブルも用意されている。
図37に示すように、第1始動口11への遊技球の入賞に応じて大当たりと判定された場合、特別図柄の変動パターンとして、変動パターンPA101〜PA104の何れかが選択される。具体的には、大当たり図柄A又はBが判定された場合、変動パターンPA101〜PA103のうちの何れかが選択される。例えば、変動パターンPA101は、上述したSPリーチ演出に対応する変動パターンであり、変動時間は30秒である。また、変動パターンPA102は、上述したSPSPリーチ演出に対応する変動パターンであり、変動時間は60秒である。また、変動パターンPA103は、上述したSPSPリーチ演出に対応する変動パターンであり、変動時間は90秒である。第1始動口11への入賞に応じて大当たりと判定され、かつ、大当たり図柄A又はBが判定された場合は、ステップS405で取り出された変動パターン乱数に基づいて、これら3つの変動パターンの中から何れかが選択される。そして、選択された変動パターンに応じた変動時間だけ特別図柄が変動表示され、特別図柄の変動表示に伴って演出が行われる。これらの変動パターンが選択された場合には、2つの同種の装飾図柄51が揃って1の装飾図柄51が変動するリーチ演出が行われ、最終的に3つの同種の装飾図柄51が揃って大当たりが報知される演出が行われる。
また、第1始動口11への遊技球の入賞に応じて大当たりと判定され、かつ、大当たり図柄がC〜Eの何れかと判定された場合には、変動パターンPA104またはPA105が選択される。変動パターンPA104およびPA105は、上述した特定演出に対応する変動パターンであり、例えば変動時間はそれぞれ40秒、18秒である。変動パターンPA104が選択されると、特定演出(特定図柄が停止するか否かの演出)が行われ、最終的に特定図柄が停止する(図18参照)。例えば、変動時間40秒の変動パターンPA104が選択されると、特定演出(長)が行われ、この特定演出(長)では、装飾図柄51を用いたSPリーチ演出が行われ、SPリーチ演出中に特定図柄を示唆する特定演出が行われ、特定図柄が停止する。一方で、変動時間18秒の変動パターンPA105が選択されると、特定演出(短)が行われ、この特定演出(短)では、異なる種類の装飾図柄51が左右に停止した後に、特定図柄を示唆する特定演出が行われ、特定図柄が停止する。
また、図37に示すように、第2始動口a12への遊技球の入賞に応じて大当たりと判定された場合、特別図柄の変動パターンとして、変動パターンPA101〜PA103の何れかが選択される。このように、第2始動口a12への遊技球の入賞に応じて大当たりと判定された場合には、特定演出に対応する変動パターンPA104およびPA105は選択されない。なお、図37では、第2始動口a12への遊技球の入賞に応じて選択される変動パターンPA101〜PA103を、第1始動口11への遊技球の入賞に応じて選択される変動パターンPA101〜PA103と同じものとしたが、第2始動口a12への遊技球の入賞に応じて選択される変動パターンを第1始動口11への遊技球の入賞に応じて選択される変動パターンとは異なるものにしてもよい。すなわち、第2始動口a12への遊技球の入賞に応じて選択される変動パターンとして、変動パターンPA101〜PA103と同じ演出を演出制御部130に行わせる変動パターンPA111〜PA113が用意されてもよい。このように、同じ演出を行わせる変動パターンを始動口の種類別に用意することで、演出制御部130においては、変動パターンだけでどちらの始動口への入賞に係るものかを判別することができる。一方、図37に示すように、始動口の種類別に変動パターンを分けない場合には、変動パターンの情報に加えて、どちらの始動口への入賞に係るものかの情報を演出制御部130に送信する必要がある。
一方、図37に示すように、第1始動口11への遊技球の入賞に応じてハズレと判定され、かつ、リーチ有りと判定された場合、特別図柄の変動パターンとして、変動パターンPA201〜PA205の何れかが選択される。変動パターンPA201は、上述したSPリーチ演出に対応する変動パターンであり、変動時間は30秒である。また、変動パターンPA202は、上述したSPSPリーチ演出に対応する変動パターンであり、変動時間は60秒である。また、変動パターンPA203は、上述したSPSPリーチ演出に対応する変動パターンであり、変動時間は90秒である。また、変動パターンPA204は、上述した特定演出に対応する変動パターン(特定演出(長)に対応する変動パターン)であり、例えば変動時間は40秒である。また、変動パターンPA205は、上述した特定演出に対応する変動パターン(特定演出(短)に対応する変動パターン)であり、例えば変動時間は18秒である。
変動パターンPA201〜PA203が選択された場合には、2つの同種の装飾図柄51が揃って1の装飾図柄51が変動するリーチ演出が行われ、最終的に3つの同種の装飾図柄51が揃わずにハズレが報知される演出が行われる。また、変動パターンPA204が選択された場合には、上述のようにSPリーチ演出中に特定図柄が停止するか否かの特定演出が行われ、最終的に特定図柄は停止しない。また、変動パターンPA205が選択された場合には、異なる種類の装飾図柄51が左右に停止した後に、特定図柄を示唆する特定演出が行われ、最終的に特定図柄は停止しない。
また、図37に示すように、第2始動口a12への遊技球の入賞に応じてハズレと判定され、かつ、リーチ有りと判定された場合、特別図柄の変動パターンとして、変動パターンPA201〜PA203の何れかが選択される。なお、この場合の上記と同様に、第2始動口a12への遊技球の入賞に応じて選択される変動パターンを第1始動口11への遊技球の入賞に応じて選択される変動パターンとは異なるものにしてもよい。
なお、第2始動口a12への遊技球の入賞に応じてハズレと判定され、かつ、SPリーチ演出に対応する変動パターンPA201が選択された場合には、上述のように、演出制御部130において所定の抽選が行われ、当該抽選の結果に応じて、特定演出を含む演出(図25参照)、又は、通常のSPリーチ演出のうちの何れか一方が実行される。所定の抽選の結果、特定演出を含む演出を行うと決定された場合には、図25に示したようにSPリーチ演出中に特定演出が行われる。所定の抽選の結果、SPリーチ演出を行うと決定された場合には、2つの同種の装飾図柄51が揃って1の装飾図柄51が変動するSPリーチ演出が行われ、最終的に3つの同種の装飾図柄51が揃わずにハズレが報知される演出が行われる。
また、図37に示すように、特別図柄判定の結果がハズレと判定され、かつ、リーチ無しと判定された場合、特別図柄の変動パターンとして、変動パターンPA301〜PA304の何れかが選択される。変動パターンPA301〜PA304は、単純ハズレの演出が行われる変動パターンである。ここで「単純ハズレ」とは、装飾図柄51を用いて上述のようなリーチ演出が行われない、単純にハズレを報知するための演出であり、3つの異なる種類の装飾図柄51が、例えば左、右、中の順に停止する演出である。図37に示すように、特別図柄判定の保留数(変動パターン決定時におけるU1+U2の値)に応じて、変動パターンPA301〜PA304の何れが選択される。
このように、通常遊技状態では図37に示す通常遊技状態の変動パターンテーブルに基づいて、特別図柄の変動パターンが選択される。そして、選択された変動パターンに基づいて、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において特別図柄が変動表示されるとともに、液晶表示器5において変動パターンに基づく演出が行われる。
図29に戻り、ステップS408の処理に続いて、CPU101は、ステップS407の処理で設定した図柄の設定情報、ステップS408の処理で設定した変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等を含む特別図柄の変動開始コマンドを生成してRAM103にセットする(ステップS409)。この特別図柄の変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う演出の実行を指示するコマンドであって、図26のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。
ステップS409の処理に続いて、CPU101は、ステップS409の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始し(ステップS410)、変動時間の計測を開始する(ステップS411)。なお、特別図柄の変動表示は、ステップS405で取り出された乱数が第2始動口a12又は第2始動口b15への入賞に係るものである場合には(ステップS406でU2が減算された場合には)第2特別図柄表示器42を用いて行われ、ステップS405で取り出された乱数が第1始動口11への入賞に係るものである場合には(ステップS406でU1が減算された場合には)第1特別図柄表示器41を用いて行われる。
CPU101は、ステップS402の処理で「YES」と判定した場合、またはステップS411の処理を実行した場合、ステップS411における変動時間の計測開始から、ステップS408の処理で設定された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS412)。
CPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS412:YES)、特別図柄の変動表示が停止されることを通知する特別図柄の変動停止コマンドをRAM103にセットし(ステップS413)、ステップS410の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了し(ステップS414)、計測した変動時間をリセットする(ステップS415)。これにより、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42において、ステップS407の大当たり判定処理の判定結果に応じた図柄(大当たりの種類に応じた大当たり図柄やハズレ図柄)が停止表示され、特別図柄判定の結果が報知される。なお、ステップS413の処理でセットされた特別図柄の変動停止コマンドは、図26のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。
CPU101は、ステップS415の処理の後、停止中処理を実行する(ステップS416)。停止中処理の詳細については後述する。
ステップS401で「YES」と判定された場合、ステップS405で「NO」と判定された場合、ステップS412で「NO」と判定された場合、またはステップS416の処理が行われた場合、CPU101は、特別図柄処理を終了して、図26のステップS5の普通図柄処理を実行する。
[遊技制御部による停止中処理]
次に、図29のステップS416の停止中処理について説明する。図32に示されるように、CPU101は、図29のステップS407の大当たり判定処理の結果に基づいて、特別図柄判定の結果が大当たりか否かを判定する(ステップS480)。そして、CPU101は、大当たりと判定した場合(ステップS480:YES)、RAM103に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS481)。
CPU101は、ステップS481の処理に続いて、RAM103に記憶されている補助遊技フラグ及び確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS482)。CPU101は、ステップS482の処理に続いて、オープニングを開始し(ステップS483)、オープニングコマンドをRAM103にセットする(ステップS484)。このオープニングコマンドは、大当たり判定処理の結果に応じて開始されるオープニング演出を演出制御部130に行わせるためのコマンドであり、当該コマンドは、図26のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。これにより、大入賞口13が開放されることを遊技者に報知するためのオープニング演出(例えば、「大当たり」と表示する演出)が行われる。
一方、CPU101は、大当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合(ステップS480:NO)、補助遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS485)。ここで、補助遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS485:YES)、RAM103に記憶されている補助遊技残余回数Jを「1」減算し、当該Jを更新する(ステップS486)。補助遊技残余回数Jは、補助遊技状態が維持される残りの特別図柄の変動回数(特別図柄判定の実行回数)を示し、大当たり遊技が行われた後に実行される遊技状態設定処理において設定される。遊技状態設定処理の詳細については後述する。
ステップS486の処理に続いて、CPU101は、補助遊技残余回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS487)。ここで、補助遊技残余回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS487:YES)、CPU101は、補助遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS488)。
ステップS488の処理を実行した場合、補助遊技フラグが「ON」ではないと判定した場合(ステップS485:NO)、又は補助遊技残余回数Jが「0」ではないと判定した場合(ステップS487:NO)、CPU101は、確変遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS489)。
確変遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS489:YES)、CPU101は、RAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Xを「1」減算し、当該Xを更新する(ステップS490)。ここで、高確率遊技残余回数Xは、高確率遊技状態で特別図柄判定が行われる残りの回数を示し、大当たり遊技が行われた後に実行される遊技状態設定処理(後述する)において設定される。
ステップS490の処理に続いて、CPU101は、高確率遊技残余回数Xが「0」であるか否かを判定する(ステップS491)。ここで、高確率遊技残余回数Xが「0」であると判定した場合(ステップS491:YES)、RAM103に記憶されている確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS492)。
ステップS492の処理が実行された場合、ステップS484の処理が実行された場合、確変遊技フラグが「ON」ではないと判定された場合(ステップS489:NO)、又は高確率遊技残余回数Xが「0」ではないと判定された場合(ステップS491:NO)、CPU101は、図32の停止中処理を終了する。
[遊技制御部による普通図柄処理]
次に、図33を参照しつつ、遊技制御部100によって実行される普通図柄処理の詳細について説明する。まず、遊技制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている補助フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS501)。補助フラグは、普通図柄判定の結果が当りである場合に「ON」に設定されるフラグであり、電動式開閉役物16を作動させる当たり遊技中であるか否かを示すフラグである。電動式開閉役物16は、普通図柄判定の結果が当りである場合、所定のパターンで動作する。電動式開閉役物16の動作パターンは、遊技機1の状態が補助遊技状態か否か(補助遊技フラグがONか否か)によって異なる。また、当たりの種類が長開放当たりか短開放当たりかで、電動式開閉役物16の動作パターンは異なる。ここで、補助フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS501:YES)、CPU101は、図33の普通図柄処理を終了する。
補助フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS501:NO)、CPU101は、普通図柄表示器45における普通図柄の変動表示中であるか否かを判定し(ステップS502)、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS502:NO)、RAM103に記憶されている普通図柄判定の保留数Gが「1」以上であるか否かを判定する(ステップS503)。ここで、保留数Gが「1」以上ではないと判定した場合(ステップS503:NO)、CPU101は、図33の普通図柄処理を終了する。
CPU101は、保留数Gが「1」以上であると判定した場合(ステップS503:YES)、保留数Gを「1」減算した値に更新し(ステップS504)、普通図柄乱数判定処理を実行する(ステップS505)。具体的には、遊技球がゲート17を通過したことに応じて図26におけるステップS3の処理で取得された普通図柄乱数が、ROM102に記憶されている普通図柄乱数の当選値(補助遊技状態か否かにより異なる)と一致するか否かに基づいて、普通図柄判定の結果が当たりであるか否かを判定する(ステップS506)。なお、遊技状態が補助遊技状態である場合、普通図柄判定の結果が当たりとなる確率は通常よりも高い。
CPU101は、普通図柄判定の結果が当たりではないと判定した場合(ステップS506:NO)、RAM103にハズレ図柄をセットする(ステップS507)。
一方、CPU101は、普通図柄判定の結果が当たりであると判定した場合(ステップS506:YES)、CPU101は、普通図柄判定の当たりの種類が長開放当たりか否かを判定する(ステップS508)。ROM102には、普通図柄乱数の当選値として、当選後に第2始動口b15を長開放することとなる長開放当たりの当選値と、第2始動口b15を短開放することとなる短開放当たりの当選値とが設定されている。CPU101は、取得された普通図柄乱数に基づいて、長開放当たりか否かを判定する。なお、普通図柄判定の当落を決定するための普通図柄乱数(第1普通図柄乱数)とは別に、普通図柄の当たりの種類を決定するための乱数(第2普通図柄乱数)が設けられてもよい。この場合、第1普通図柄乱数に基づいて当たりか否かが判定され、当たりである場合に、第2普通図柄乱数に基づいて当たりの種類(長開放当たり、又は短開放当たり)が決定されてもよい。
長開放当たりであると判定した場合(ステップS508:YES)、CPU101は、長開放当たり図柄をRAM103にセットする(ステップS509)。一方、長開放当たりでないと判定した場合(ステップS508:NO)、CPU101は、短開放当たり図柄をRAM103にセットする(ステップS510)。
ステップS507の処理、ステップS509の処理、又はステップS510の処理に続いて、CPU101は、RAM103に記憶されている補助遊技フラグがONか否かに基づいて、パチンコ遊技機1の遊技状態が、補助遊技状態であるか否かを判定する(ステップS511)。
CPU101は、補助遊技状態ではないと判定した場合(ステップS511:NO)、普通図柄表示器45において普通図柄を変動表示させる時間である普通図柄変動時間を例えば12秒にセットする(ステップS512)。逆に、補助遊技状態であると判定した場合(ステップS511:YES)、普通図柄変動時間を比較的短い値、例えば2秒にセットする(ステップS513)。このステップS512又はステップS513の処理によってセットされた普通図柄変動時間は、RAM103に一時的に記憶される。
ステップS512又はステップS513の処理に続いて、CPU101は、ステップS507、ステップS509又はステップS510でセットした図柄の情報と、ステップS512又はステップS513でセットした普通図柄の変動時間を示す情報とを含む普通図柄の変動開始コマンドをRAM103にセットする(ステップS514)。この普通図柄の変動開始コマンドは、図26のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。
ステップS514に続いて、CPU101は、普通図柄表示器45において普通図柄の変動表示を開始させ(ステップS515)、その変動表示開始からの経過時間の計測を開始し(ステップS516)、図33の普通図柄処理を終了する。
一方、CPU101は、普通図柄表示器45において普通図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS502:YES)、普通図柄の変動表示を終了させるか否かを判定する(ステップS517)。具体的には、ステップS516の処理によって計測を開始した経過時間が、上記ステップS512又はステップS513の処理で設定された普通図柄変動時間に達したか否かに基づいて、普通図柄の変動表示の終了タイミングになったか否かを判定する。ここで、終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS517:NO)、CPU101は、図33の普通図柄処理を終了する。
CPU101は、普通図柄の変動表示の終了タイミングになったと判定した場合(ステップS517:YES)、普通図柄の変動停止コマンドをRAM103にセットする(ステップS518)。ステップS518の処理でセットされた普通図柄の変動停止コマンドは、図26のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。
ステップS518に続いて、CPU101は、普通図柄表示器45による普通図柄の変動表示を終了させる(ステップS519)。具体的には、CPU101は、上記ステップS507、ステップS509、又はステップS510の処理でセットした図柄を普通図柄表示器45に停止表示させる。これにより、普通図柄判定の結果が遊技者に対して報知される。
ステップS519の処理に続いて、CPU101は、上記ステップS516の処理によって計測が開始された経過時間をリセットする(ステップS520)。そして、上記ステップS506と同様に、普通図柄判定の結果が当たりであるか否かを判定し(ステップS521)、当たりであると判定した場合(ステップS521:YES)、補助フラグを「ON」に設定する(ステップS522)。この補助フラグが「ON」に設定されることにより、電動式開閉役物16が作動する。
ステップS522の処理の後、ステップS517の処理でNOと判定した場合、またはステップS521の処理でNOと判定した場合、CPU101は、図33の普通図柄処理を終了する。
[遊技制御部による大入賞口処理]
次に、図34を参照しつつ、遊技制御部100によって実行される大入賞口処理の詳細について説明する。図34に示されるように、遊技制御部100のCPU101は、大当たり遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS601)。ここで、大当たり遊技フラグは、上記ステップS481でONに設定されるフラグである。大当たり遊技フラグがONの場合(ステップS601:YES)、CPU101は、オープニング中か否かを判定する(ステップS602)。
オープニング中であれば(ステップS602:YES)、CPU101は、オープニング時間が経過したか否かを判定する(ステップS603)。オープニング時間が経過していれば(ステップS603:YES)、CPU101は、大当たり判定処理の結果に応じて、R(大当たり遊技におけるラウンド数を示す)に「0」を設定するとともに、Rmaxの値、大入賞口13の開放パターン等を設定する(ステップS604)。
ここで、大当たり図柄によって、Rmaxの値、および開放される大入賞口が異なる。例えば、大当たり図柄AやFの場合は、Rmaxに16が設定され、大入賞口13が開放される。また、大当たり図柄BやGの場合は、Rmaxに4が設定され、大入賞口13が開放される。
ステップS604に続いて、CPU101は、Rに「1」を加算してRAM103に保存する(ステップS605)。次に、CPU101は、ステップS604で設定した開放パターンに基づいて大入賞口13A又は13Bの開放制御を開始し(ステップS606)、ラウンドの開始を示すラウンド開始コマンドをRAM103にセットする(ステップS607)。ステップS607の処理の後、CPU101は、次にステップS611の処理を実行する。
一方、オープニング中でなければ(ステップS602:NO)、CPU101は、エンディング中か否かを判定する(ステップS608)。エンディング中であれば(ステップS608:YES)、CPU101は、次にステップS617の処理を実行する。エンディング中でなければ(ステップS608:NO)、CPU101は、ラウンド遊技とラウンド遊技との間のインターバル中か否かを判定する(ステップS609)。インターバル中である場合(ステップS609:YES)、CPU101は、インターバル時間が経過したか否かを判定し(ステップS610)、経過していれば(ステップS610:YES)、次にステップS605の処理を実行する。インターバル時間が経過していない場合は(ステップS610:NO)、CPU101は、大入賞口処理を終了する。
一方、インターバル中でない場合(ステップS609:NO)、すなわち、ラウンド遊技中である場合、CPU101は、ラウンド終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS611)。ラウンド終了条件が成立していない場合(ステップS611:NO)、CPU101は、大入賞口処理を終了する。
ここで、ラウンド終了条件は、例えば、ステップS606でこのラウンドの大入賞口の開放制御を開始してから例えば29.5秒が経過したこと、又は、ステップS606でこのラウンドの大入賞口の開放制御を開始してからの遊技球の大入賞口への入賞数が所定値になったことである。CPU101は、この2つの条件のうちの何れかの条件が満たされた場合、ラウンド終了条件が成立したと判定する。また、ラウンド終了条件の別の例では、このラウンドの大入賞口の開放制御を開始してから例えば0.1秒が経過したことである。
ラウンド終了条件が成立している場合(ステップS611:YES)、CPU101は、このラウンドにおける大入賞口の開放制御を終了する(ステップS612)。続いて、CPU101は、RがRmaxと等しいか否かを判定する(ステップS613)。すなわち、CPU101は、現在のラウンドがステップS604で設定した最大ラウンド数と等しいか否かを判定する。
RがRmaxと等しくないと判定した場合(ステップS613:NO)、CPU101は、インターバル時間の計測を開始し(ステップS614)、その後、大入賞口処理を終了する。
RがRmaxと等しいと判定した場合(ステップS613:YES)、CPU101は、エンディングを開始し(ステップS615)、エンディングコマンドをRAM103にセットする(ステップS616)。
CPU101は、ステップS616の処理を行った場合、またはステップS608の処理でYESと判定した場合、ステップS615でエンディングを開始してから予め設定されたエンディング時間が経過したか否かを判定する(ステップS617)。エンディング時間が経過していれば(ステップS617:YES)、CPU101は、遊技状態設定処理を実行する(ステップS618)。遊技状態設定処理の詳細については、後述する。ステップS618の遊技状態設定処理の後、CPU101は、大当たり遊技フラグをOFFに設定する(ステップS619)。
ステップS601の処理でNOと判定した場合、ステップS611の処理でNOと判定した場合、ステップS617の処理でNOと判定した場合、ステップS610の処理でNOと判定した場合、ステップS603の処理でNOと判定した場合、ステップS614の処理を実行した場合、または、ステップS619の処理を実行した場合、CPU101は、図34に示す大入賞口処理を終了する。
[遊技制御部による遊技状態設定処理]
次に、図34のステップS618の遊技状態設定処理について説明する。図35に示されるように、CPU101は、確変遊技フラグをONに設定する(ステップS631)。続いて、CPU101は、高確率遊技残余回数Xに例えば「70」を設定する(ステップS632)。なお、大当たり図柄に応じて確変遊技フラグのON/OFFが設定されてもよい。
ステップS632の処理の後、CPU101は、補助遊技フラグをONに設定する(ステップS633)。その後、CPU101は、補助遊技残余回数Jに例えば「70」を設定する(ステップS634)。
ステップS634の処理を実行した場合、CPU101は、図35に示す遊技状態設定処理を終了する。
[遊技制御部による電動式開閉役物処理]
次に、図26のステップS7の電動式開閉役物処理の詳細について説明する。まず、図36に示されるように、遊技制御部100のCPU101は、補助フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS701)。ここで、補助フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS701:NO)、CPU101は、電動式開閉役物処理を終了する。
CPU101は、補助フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS701:YES)、電動式開閉役物16(図36では電式役物ともいう)が動作中であるか否かを判定する(ステップS702)。ここで、電動式開閉役物16が動作中ではないと判定された場合(ステップS702:NO)、CPU101は、上記ステップS509又はステップS510でセットした図柄に基づいて、長開放当たりか否かを判定する(ステップS703)。
長開放当たりであると判定した場合(ステップS703:YES)、CPU101は、電動式開閉役物16の動作パターンとして、例えば第2始動口b15を5.6秒間開放する動作を1回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS707)。
長開放当たりでないと判定した場合(ステップS703:NO)、CPU101は、CPU101は、補助遊技フラグがONか否かを判定することにより、パチンコ遊技機1の遊技状態が補助遊技状態であるか否かを判定する(ステップS704)。
CPU101は、補助遊技状態ではないと判定した場合(ステップS704:NO)、電動式開閉役物16の動作パターンとして、例えば第2始動口b15を0.1秒間開放する動作を1回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS705)。
一方、CPU101は、補助遊技状態であると判定した場合(ステップS704:YES)、電動式開閉役物16の動作パターンとして、例えば第2始動口b15を1.8秒間開放する動作を3回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS706)。
CPU101は、ステップS705、ステップS706、又はステップS707の処理によって電動式開閉役物16の動作パターンを設定した後、設定した動作パターンでの電動式開閉役物16の動作を電動式開閉役物開閉部113に開始させる(ステップS708)。
CPU101は、ステップS708の処理を実行した場合、または電動式開閉役物16の動作中であると判定した場合(ステップS702:YES)、ステップS708の処理で開始された電動式開閉役物16の動作が完了したか否かを判定する(ステップS709)。ここで、電動式開閉役物16の動作が完了したと判定した場合(ステップS709:YES)、CPU101は、RAM103に記憶されている補助フラグを「OFF」に設定する(ステップS710)。
ステップS701の処理でNOと判定した場合、ステップS709の処理でNOと判定した場合、またはステップS710の処理を実行した場合、CPU101は、電動式開閉役物処理を終了する。
[演出制御部による演出制御処理]
次に、上述した遊技制御部100からの各種コマンドに基づいた演出制御の詳細について図38〜図42を参照して説明する。
図36は、演出制御部130において行われる処理の詳細を示すフローチャートである。以下では、図38〜図42に示す処理を演出制御部130が行うものとして説明するが、これらの処理の一部または全部は、演出制御部130、画像音響制御部140、およびランプ制御部150の何れにおいて実行されてもよい。また、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御部130のCPU131は、図38に示す一連の処理を割り込みにより一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
演出制御部130は、コマンド受信処理を実行する(ステップS1001)。コマンド制御処理は、遊技制御部100からの各種コマンドを受信したことに応じて、演出を制御する処理である。具体的には、演出制御部130は、遊技制御部100から遊技情報としてのコマンドを受信し、受信したコマンドに応じて、演出の内容を決定し、当該決定した演出を画像音響制御部140及びランプ制御部150に実行させるためのコマンドを生成する。このコマンド受信処理の詳細については、図39に基づいて後に詳述する。
ステップS1001の処理に続いて、演出制御部130は、操作受付処理を実行する(ステップS1002)。具体的には、CPU131は、演出ボタン26や演出キー27が操作された場合にその操作に応じた操作コマンドを生成してRAM133に設定する。
そして、演出制御部130は、ステップS1001で生成したコマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150に送信する(ステップS1003)。また、演出制御部130は、演出ボタン26や演出キー27に対する操作に応じたコマンド(ステップS1002)を送信する。このコマンドに応じて画像音響制御部140及びランプ制御部150は、所定の演出を実行する。以上で、図38に示す処理は終了する。
[演出制御部によるコマンド制御処理]
以下、図39を参照しつつ、演出制御部130において実行されるコマンド受信処理について説明する。まず、演出制御部130は、遊技制御部100から送信された保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1301)。保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1301:YES)、演出制御部130は、事前判定演出処理を実行する(ステップS1302)。
ステップS1302の処理では、演出制御部130は、保留コマンドに含まれる情報に基づいて、事前判定を行い、当該事前判定の結果に基づいて演出の内容を決定して実行する。具体的には、演出制御部130は、受信した保留コマンドに係る特別図柄判定において大当たりとなるか否か、当該保留コマンドに係る特別図柄の変動において所定の演出が行われるか否か等を判定し、判定結果に応じて、事前判定演出(上述した保留先読み演出)を行う。
より詳細に、事前判定演出処理について、図40を参照して説明する。事前判定演出処理では、図40に示すように、まず、演出制御部130が、保留コマンドに含まれる情報の解析を行う(ステップS1321)。すなわち、ステップS1321の処理では、演出制御部130が、保留コマンドに含まれる情報から、解析対象となった保留は、第1始動口11に係るものか、あるいは第2始動口a12に係るものか、さらに大当たりであるのか否か、大当たりであれば図柄は何か、また変動パターンは如何なるものか等の判定を行う。
保留コマンドの解析処理が終わると、演出制御部130は、当該解析結果に基づいて、一連の連続演出(ゾーン演出)を実行するか否かを判定する(ステップS1322)。すなわち、ステップS1322の処理では、演出制御部130が、保留コマンドを解析した結果(ステップ1321)、所定の条件(ゾーン演出を行う条件(図15))を満たしていると判定した場合、所定の抽選を行って、当該抽選結果に基づいて、一連の連続演出の実行を決定する(ステップS1322:YES)。
一連の連続演出の実行を決定した場合(ステップS1322:YES)、演出制御部130は、当該一連の連続演出の内容を決定する(ステップS1323)。具体的には、ステップS1323での処理では、演出制御部130は、最終ゾーンや、ゾーン演出の実行期間、最終ゾーンに至るまでのシナリオ(例えば、ゾーン演出の開始と同時に共通ゾーンに突入し、所定のタイミングで最終ゾーンたる強ゾーンに突入するといったゾーン演出のシナリオ)、さらにはステップS1322での一連の連続演出の決定後、どのようなタイミングでゾーン演出を開始するか、どのようなタイミングであるゾーンから別のゾーンへ移行させるか等を決定する。なお、ゾーン演出のシナリオは、上述のように図22又は図23に示すテーブルを用いて、事前判定された大当たりか否かの情報、大当たりである場合の大当たり図柄、および、変動パターンに基づいて決定される。
そして、ステップS1324の処理において、演出制御部130は、連続演出フラグをONに設定して、RAM133に記憶する。
一連の連続演出を実行しないと判定した場合(ステップS1322:NO)、又は、ステップ1324の処理を実行した場合、演出制御部130は、液晶表示器5において、保留アイコンを表示し(ステップS1325)、図40の処理を終了して、図39に処理を戻す。
一方、図39のステップS1302の処理を実行した場合、又は、保留コマンドを受信していないと判定した場合(図39のステップS1301:NO)、演出制御部130は、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1303)。
変動開始コマンドを受信した場合(ステップS1303:YES)、演出制御部130は、変動開始コマンド処理を実行する(ステップS1304)。具体的には、演出制御部130は、変動開始コマンドに含まれる変動パターンに基づいて、特別図柄の変動に伴って行われる演出の内容を決定し、当該演出を実行させるためのコマンドをセットする。このコマンドは、上記ステップS1003において画像音響制御部140やランプ制御部150に送信され、画像音響制御部140はこのコマンドを受信したことに応じて装飾図柄51の変動演出を行う。
より詳細に、変動開始コマンド処理について、図41を参照して説明する。変動開始コマンド処理では、図41に示すように、まず、演出制御部130が、受信した変動開始コマンドの解析を行う(ステップS1331)。すなわち、演出制御部130は、変動開始コマンドに含まれる変動パターンが如何なるものであるか等の判定を行う。
ステップ1331で変動開始コマンドの解析が行われると、演出制御部130は、当該解析の結果に基づいて、変動演出を決定して開始する(ステップS1332)。すなわち、演出制御部130は、解析によって判定された変動パターンに基づいて変動演出を決定し、その決定した変動演出を実行する。例えば、今回の特別図柄の変動が第1始動口11への遊技球の入賞に係るものであり、大当たり且つ特定演出に対応する変動パターンであれば、演出制御部130は、特定演出に対応した変動パターンに基づいて特定演出を選択して実行する。また、今回の特別図柄の変動が第2始動口a12への遊技球の入賞に係るものであり、ハズレ且つSPリーチ演出に対応する変動パターンであれば、演出乱数を用いた抽選により、特定演出を行うか否かを決定する。そして、演出制御部130が、特定演出を行うと決定すれば、特定演出を含む演出を選択して実行する。一方、演出制御部130が、特定演出を行わないと決定すれば、SPリーチ演出に対応した変動パターンに基づいてSPリーチ演出を選択して実行する。
ステップS1332において、変動演出が決定されて開始されると、演出制御部130は、液晶表示器5に表示されている保留アイコンを消化方向(例えば、図15では右方向)に移動させる(ステップS1333)。
ステップ1333において、液晶表示器5上の保留アイコンが移動されると、演出制御部130は、RAM133に記憶されている連続演出フラグがONか否かを判定する(ステップS1334)。
連続演出フラグがONであると判定された場合(ステップS1334:YES)、演出制御部130は、ステップS1323で決定された演出の内容に基づいて、一連の連続演出の制御を行う(ステップS1335)。例えば、演出制御部130は、今回の特別図柄の変動においてゾーン演出を開始すると決定されている場合には、ゾーン演出を開始する。また、例えば、今回の特別図柄の変動においてあるゾーンから別のゾーンへ移行させると決定されている場合には、演出制御部130は、ゾーンを移行させる。
連続演出フラグがONでない(OFF)と判定された場合(ステップS1334:NO)、又は、ステップS1335の処理を実行した場合、演出制御部130は、図41の処理を終了して、図39に処理を戻す。
一方、図39のステップS1304の処理を実行した場合、又は、変動開始コマンドを受信しなかった場合(図5のステップS1303:NO)、演出制御部130は、変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1305)。
変動停止コマンドを受信した場合(ステップS1305:YES)、演出制御部130は、変動演出終了処理を実行する(ステップS1306)。具体的には、演出制御部130は、ステップS1304で開始した演出を終了させるためのコマンドをセットし、当該コマンドに応じて、画像音響制御部140は装飾図柄51を停止させる。
より詳細に、変動演出終了処理について、図42を参照して説明する。変動演出終了処理では、図42に示すように、まず、演出制御部130が、連続演出フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1341)。
連続演出フラグがONであると判定された場合(ステップS1341:YES)、現在の特別図柄の変動が、実行中の一連の連続演出の最終変動であるか否かが判定される。すなわち、現在の特別図柄の変動の停止と共に、現在実行中の連続演出を終了するか否かが判定される。
現在の特別図柄の変動が、実行中の一連の連続演出の最終変動であると判定された場合(ステップS1342:YES)、連続演出フラグをOFFに設定する。
ステップS1341において連続演出フラグがONでなかった場合(ステップS1341:NO)、ステップS1342において現在の特別図柄の変動が現在実行中の一連の連続演出の最終変動でなかった場合(S1342:NO)、又は、ステップ1343の処理を実行した場合、演出制御部130は、装飾図柄を停止させて、特別図柄の変動に応じた変動演出を終了する(ステップS1344)。そして、演出制御部130は、図42の処理を終了して、図39に処理を戻す。
一方、図39のステップS1306の処理を実行した場合、又は、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(図39のステップS1305:NO)、演出制御部130は、オープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1307)。
オープニングコマンドを受信した場合(ステップS1307:YES)、演出制御部130は、オープニング処理を実行する(ステップS1308)。オープニング処理は、大当たり遊技が開始される際に行われるオープニング演出、および大当たり遊技中に行われる大当たり演出を決定する処理である。演出制御部130は、大当たりの種類等に応じて、オープニング演出や大当たり演出の内容を決定し、これらの演出を画像音響制御部140やランプ制御部150に実行させる。
ステップS1308の処理を実行した場合、又は、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1307:NO)、演出制御部130は、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1309)。
エンディングコマンドを受信した場合(ステップS1309:YES)、演出制御部130は、エンディング処理を実行する(ステップS1310)。エンディング処理は、大当たり遊技が終了する際に行われるエンディング演出を決定して実行する処理である。演出制御部130は、エンディング処理に基づくコマンドを画像音響制御部140やランプ制御部150に送信してエンディング演出を実行させる。
ステップS1310の処理を実行した場合、又は、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1309:NO)、演出制御部130は、図39に示す処理を終了する。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下の形態であってもよい。
例えば、上記実施形態では、事前判定の結果に基づいて、保留先読み演出を行う際において、複数の特別図柄の変動に亘ってゾーン演出を行う構成について説明したが、本発明はこれに限定されず、ゾーン演出のように背景画像を変更する構成に替えて、保留アイコンの表示態様を変化させる演出であっても構わない。例えば、事前判定の結果に基づいて保留先読み演出を行うと決定された場合、当該事前判定の対象に係る保留アイコンの表示態様を通常とは異なる態様に変化させてもよい。また、当該事前判定の対象に係る保留アイコンと、この保留アイコンよりも前に消化される保留アイコンとを含む複数の保留アイコンの表示態様を通常とは異なる態様に変化させてもよい。
上記実施形態では、共通ゾーンと、弱ゾーンと、強ゾーンの3つのゾーンにより、ゾーン演出が行われる構成について説明したが、本発明はこれに限定されず、弱ゾーン又は強ゾーンのみのゾーン構成(1ゾーン構成)や、弱ゾーンと強ゾーンの2ゾーン構成や、共通ゾーンと弱ゾーンあるいは共通ゾーンと強ゾーンのいずれかの2ゾーン構成であっても構わない。ただし、いずれの場合においても、少なくとも弱ゾーン又は強ゾーンにおいて、第1始動口11に対応したテーマのゾーンと、第2始動口a12に対応したテーマのゾーンをそれぞれ設ける必要がある。
また、本発明では、4以上のゾーンにより、ゾーン演出が行われても構わない。
また、上記実施形態では、始動口形成部材8を用いて、遊技球を第1始動口11と第2始動口a12に対して、ほぼ50%の確率で、交互に入賞させる構成について説明したが、本発明はこれに限定されず、いずれか一方の始動口に対して、若干偏って入賞(例えば一方の始動口に3つ入る間に、他方の始動口には1つ入る)する始動口形成部材を用いた場合であっても構わない。
また、上記実施形態に設けられた始動口形成部材8のように、遊技球の行先を振り分ける振り分け部材36の姿勢を遊技球の自重で変更する構成ではなく、電気的制御によって、振り分け部材36の姿勢を変更する始動口形成部材を採用した構成であっても構わない。
上記実施形態では、第1始動口11への入賞に係る保留と、第2始動口a12への入賞に係る保留が、入賞した順番に消化される構成について説明したが、本発明はこれに限定されず、いずれか一方の始動口に係る保留を優先的に消化する構成であっても構わない。例えば、第2始動口a12への入賞に係る保留(第2特別図柄の変動)が第1始動口11への入賞に係る保留(第1特別図柄の変動)よりも優先的に消化されてもよい。
ところで、遊技場では、近年、意図しない供給電力の遮断に対する対策を講じることが迫られている。一般的に、遊技機は、遊技機制御部100においても、演出制御部130においても、遊技に関する各種情報(保留数や、各保留に対応する始動口の情報、また各保留の事前判定情報等)がRAMに記憶される。ところが、RAMは、一旦、電力供給が遮断されると、情報を保持できなくなるため、その後、電源を復帰したとしても、それまでの各種情報は全て失われてしまう。そのため、遊技機において、遊技中の意図しない電源の遮断に対する何らかの改善策が必要である。そこで、本実施形態では、遊技制御部100側にコンデンサを設け、電力供給が意図せず遮断されたとしても、その間、コンデンサに蓄電された電力を利用して、RAMに記憶された情報を維持するようにしている。そして、電源が復帰すると、遊技制御部100側で保持された前記遊技に関する情報が、演出制御部130側に送られ、その情報に基づいた制御を可能にしている。具体的には、本実施形態では、電源が復帰すると、電源が遮断される直前の保留の総数と、それらの保留に対応する始動口の内訳に関する情報が送信される。これにより、電源の復帰後、電源が遮断される直前と概ね同様の状態(遊技制御部100は電源遮断前のすべての記憶情報を保持した状態であり、演出制御部130は電源遮断前のすべての記憶情報を保持していない状態)で、遊技を継続させることができる。なお、本実施形態では、液晶表示器5に表示される保留アイコンを、第1始動口11に係るものと、第2始動口a12に係るものを区別しない形態で表示する構成として説明したため、電源遮断前と電源復帰後で、第1始動口11に係る保留アイコンと、第2始動口a12に係る保留アイコンの位置まで正確に再現することを要さない。すなわち、電源再投入時に、第1始動口11への遊技球の入賞に係る保留の数と、第2始動口a12への遊技球の入賞に係る保留の数とが、遊技制御部100から演出制御部130に送信されれば、演出制御部130において、保留の総数に応じた保留アイコンを表示するだけでよい。
一方で、本発明では、液晶表示器5に表示される保留アイコンを、第1始動口に係るものと、第2始動口a12に係るものとを区別した形態で表示しても構わないため、その場合は、電源遮断前と電源復帰後で、第1始動口11に係る保留と、第2始動口a12に係る保留の位置まで正確に再現することを要する。すなわち、この場合においては、電源が遮断される直前の保留の総数と、それらの保留に対応する始動口の内訳に関する情報だけでなく、各始動口に対応する保留の正確な位置に関する情報を、演出制御部130に送信する必要がある。例えば、総保留数は6個、第1始動口11に係る保留は、2個目と、4個目と、6個目、第2始動口a12に係る保留は、1個目と、3個目と、5個目というような情報が、演出制御部130に送られる。これにより、電源再投入時に、演出制御部130において、第1始動口11に係る保留アイコンと、第2始動口a12に係る保留アイコンとを区別して表示することができる。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例に過ぎず、他の構成であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
また、上記実施形態では、本発明がパチンコ遊技機に適用された場合を例に説明したが、本発明は、例えばスロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
[本発明に係るパチンコ遊技機の構成とその作用効果]
以上説明したように、本発明に係る遊技機は、以下のような構成であっても構わない。
本発明に係る遊技機は、遊技球が流下する遊技領域に配された第1始動領域(11)及び第2始動領域(a12)と、所定の図柄を表示可能な図柄表示手段(41,42)と、前記第1始動領域又は前記第2始動領域への遊技球の通過を条件として、取得情報を取得する取得手段と、前記取得情報に基づいて、特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う判定手段(S407)と、前記図柄表示手段に表示される図柄を変動させてから停止させることにより、前記特別遊技判定の結果を報知する図柄制御手段と、前記特別遊技判定の結果に基づいて、所定の演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記演出実行手段は、前記第1始動領域への遊技球の通過によって取得された前記取得情報に基づいて前記特別遊技判定が行われた場合、第1演出パターンに基づいた所定の演出(弱ゾーンA)を実行し、前記第2始動領域への遊技球の通過によって取得された前記取得情報に基づいて前記特別遊技判定が行われた場合、前記第1演出パターンとは異なる第2演出パターンに基づいた所定の演出(強ゾーンB)を実行する。
上記構成によれば、第1演出パターンに基づいた演出と、前記第1演出パターンに基づいた演出とは異なる第2演出パターンに基づいた演出を実行できるため、遊技者に対する高い興趣性を確保することができる。
また、他の構成では、遊技機は、遊技球が流下する遊技領域に配された第1始動領域(11)及び第2始動領域(a12)と、第1図柄及び第2図柄を表示可能な図柄表示手段(41,42)と、前記第1始動領域又は前記第2始動領域への遊技球の通過を条件として、取得情報を取得する取得手段と、前記取得情報に基づいて、特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う判定手段(S407)と、前記特別遊技判定の結果に基づいて、前記第1図柄の変動パターンを決定する第1変動パターン決定手段と、前記特別遊技判定の結果に基づいて、前記第2図柄の変動パターンを決定する第2変動パターン決定手段と、前記第1変動パターン決定手段によって決定された変動パターンに基づいて、前記図柄表示手段に表示される第1図柄を変動させてから停止させることにより、前記特別遊技判定の結果を報知する第1図柄制御手段と、前記第2変動パターン決定手段によって決定された変動パターンに基づいて、前記図柄表示手段に表示される第2図柄を変動させてから停止させることにより、前記特別遊技判定の結果を報知する第2図柄制御手段と、前記第1図柄又は前記第2図柄の変動に応じて、所定の変動演出を実行可能な変動演出実行手段と、を備え、前記第1変動パターン決定手段は、前記第1始動領域への遊技球の通過によって前記取得情報が取得された場合、第1変動パターン(PA104,PA105)を決定可能であり、前記第2変動パターン決定手段は、前記第2始動領域への遊技球の通過によって前記取得情報が取得された場合、第2変動パターン(PA201)を決定可能であり、前記変動演出実行手段は、前記第1変動パターンに応じた、特定演出と第1演出(SPリーチ演出の一部)とを含む演出を実行する第1演出実行手段と、前記第2変動パターンに応じた、前記第1演出の一部又は全部と同一又は類似する第2演出を含む演出を実行する第2演出実行手段と、を含み、前記第1演出実行手段は、前記第1図柄の変動パターンとして前記第1変動パターンが決定された場合、前記特定演出と前記第1演出を含む演出を実行し、前記第2演出実行手段は、前記第2図柄の変動パターンとして前記第2変動パターンが決定された場合、所定の抽選を行い、当該抽選結果に基づいて、前記第2演出と前記特定演出を含む演出を実行する。
上記構成によれば、第1始動領域に係る保留であっても、第2始動領域に係る保留であっても、特定演出を実行することができるため、特定演出が出た場合に、いずれの始動領域に基づく演出なのかという判定を困難にし、遊技の興趣性を向上させることができる。
また、他の構成では、遊技機は、遊技球が流下する遊技領域に配された第1始動領域(11)及び第2始動領域(a12)と、所定の図柄を表示可能な図柄表示手段と、前記第1始動領域又は前記第2始動領域への遊技球の通過を条件として、取得情報を取得する取得手段と、所定の始動条件が成立した場合に、前記取得情報に基づいて、特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う判定手段(S407)と、前記図柄表示手段に表示される図柄を変動させてから停止させることにより、前記特別遊技判定の結果を報知する図柄制御手段と、前記図柄が前記図柄制御手段によって制御されている間に、前記取得手段によって取得情報が取得された場合、当該新たな取得情報を記憶して前記特別遊技判定を行う権利として保留する保留記憶手段と、前記所定の始動条件が成立するよりも以前に、前記保留記憶手段に保留された取得情報に基づいて、事前に前記特別遊技判定(以下、事前判定という)を行う事前判定手段と、前記事前判定の結果に基づいて、当該事前判定の対象の権利に係る図柄変動(以下、対象変動という)よりも前の図柄変動と、当該対象変動とを含む複数の図柄変動に亘る一連の連続演出を実行する連続演出実行手段と、を備え、前記連続演出実行手段は、前記第1始動領域と前記第2始動領域のいずれか一方への遊技球の通過によって取得された前記取得情報に基づいて、前記一連の連続演出を実行する場合、当該一連の連続演出の契機となった対象変動よりも前の図柄変動が、当該第1始動領域と当該第2始動領域のいずれへの遊技球の通過によって取得された前記取得情報に基づいたものであっても、当該一連の連続演出を実行する。
上記構成によれば、一連の連続演出が決定されて実行されている間、いかなる始動領域を契機に図柄変動を行う場合であっても、当該一連の連続演出を中断することがないため、従来よりも遊技の興趣性の向上を図ることができる。
また、他の構成では、遊技機は、遊技球が流下する遊技領域に配された始動領域(11,a12)と、所定の図柄を表示可能な図柄表示手段(41,42)と、前記始動領域への遊技球の通過を条件として、取得情報を取得する取得手段と、所定の始動条件が成立した場合に、前記取得情報に基づいて、特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う判定手段(S407)と、前記図柄表示手段に表示される図柄を変動させてから停止させることにより、前記特別遊技判定の結果を報知する図柄制御手段と、前記図柄が前記図柄制御手段によって制御されている間に、前記取得手段によって新たな取得情報が取得された場合、当該新たな取得情報を記憶して前記特別遊技判定を行う権利として保留する保留記憶手段と、前記所定の始動条件が成立する以前に、前記保留記憶手段に保留された取得情報に基づいて、事前に前記特別遊技判定(以下、事前判定という)を行う事前判定手段(S205,S211)と、前記事前判定の結果に基づいて、当該事前判定の対象の権利に係る図柄変動(以下、対象変動という)よりも前の図柄変動と、当該対象変動とを含む複数の図柄変動に亘る一連の連続演出を実行する連続演出実行手段と、前記連続演出実行手段によって実行される前記一連の連続演出を複数の演出パターンから選択する演出パターン選択手段と、を備え、前記演出パターン選択手段は、前記事前判定の結果に基づいて、第1演出パターンと、第2演出パターンのいずれかを選択可能であり、前記第1演出パターンは、共通演出(共通ゾーン)と、第1の演出(強ゾーンA又は弱ゾーンA)とを含み、前記第2演出パターンは、前記共通演出と、第2の演出(強ゾーンB又は弱ゾーンB)とを含み、前記連続演出実行手段は、前記演出パターン選択手段によって前記第1演出パターンが決定された場合、前記共通演出を開始して当該共通演出の結果として第1の態様の演出結果(キャラクタAのセリフが赤)の表示を行った後、前記第1の演出を実行し、前記演出パターン選択手段によって前記第2演出パターンが決定された場合、前記共通演出を開始して当該共通演出の結果として第2の態様の演出結果の表示(キャラクタBのセリフが赤)を行った後、前記第2の演出を実行する。
上記構成によれば、一連の連続演出において、第1の態様の示唆演出を行った後は、第1の演出を実行し、第2の態様の示唆演出を行った後は、第2の演出を実行するため、遊技者は演出が移行する兆候が確認でき、またそれにより高揚感を高めることができる。