JP2016193076A - 揮散器 - Google Patents

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Abstract

【課題】揮散剤の結露により生じる汚れや揮散剤の浪費等の諸問題を解消した揮散器を提供する。
【解決手段】揮散剤を煙状に蒸発させる揮散器が提供される。前記揮散器は、揮散剤を収容するコンテナと、前記コンテナ内に挿入され、前記コンテナ内から前記揮散剤を吸い上げる芯材と、前記芯材を加熱し、前記芯材に吸収されている前記揮散剤を煙状に蒸発させる加熱部と、前記煙状の揮散剤が通り抜けるためのトンネル通路を画定するとともに、下端に前記トンネル通路のトンネル入口を有し、上端に前記トンネル通路のトンネル出口を有するトンネル部材とを備える。前記コンテナは、前記トンネル入口の下方に位置し、前記トンネル通路内で結露した後、前記トンネル入口を介して前記トンネル通路内から落下してくる液状の前記揮散剤を受け取るための皿部を有する。前記皿部には、前記コンテナの内部空間に連通する液戻し通路が形成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、揮散剤を煙状に蒸発させる揮散器に関する。
従来より、芳香剤、消臭剤、防虫剤等の揮散剤を煙状に蒸発させる揮散器が公知である(特許文献1,2等参照)。この種の揮散器では、揮散剤を収容するコンテナ内に挿入されて揮散剤が含浸している芯材を加熱することで、揮散剤を煙状に蒸発させる。また、特許文献1,2では、煙状に蒸発した揮散剤が、芯材の上方に設けられたトンネル通路を通り抜けて上方へ立ち昇ってゆくように構成されている。
特開2013−22163公報 特開2013−22164公報
ところで、以上のような構成の揮散器では、当該トンネル通路を画定する内壁部分に蒸発した揮散剤が付着し、ここで結露が起きる虞がある。結露により生じた揮散剤の液滴は、重力に従って下方に落下する可能性があり、揮散器の汚れの原因となり得る。また、このような揮散剤を拭き取って除去することは、揮散剤の浪費となる。
本発明は、揮散剤の結露により生じる汚れや揮散剤の浪費等の諸問題を解消した揮散器を提供することを目的とする。
本発明の第1観点に係る揮散器は、揮散剤を収容するコンテナと、前記コンテナ内に挿入され、前記コンテナ内から前記揮散剤を吸い上げる芯材と、前記芯材を加熱し、前記芯材に吸収されている前記揮散剤を煙状に蒸発させる加熱部と、前記煙状の揮散剤が通り抜けるためのトンネル通路を画定するとともに、下端に前記トンネル通路のトンネル入口を有し、上端に前記トンネル通路のトンネル出口を有するトンネル部材とを備える。前記コンテナは、前記トンネル入口の下方に位置し、前記トンネル通路内で結露した後、前記トンネル入口を介して前記トンネル通路内から落下してくる液状の前記揮散剤を受け取るための皿部を有する。前記皿部には、前記コンテナの内部空間に連通する液戻し通路が形成されている。
本発明の第2観点に係る揮散器は、第1観点に係る揮散器であって、前記皿部は、前記内部空間の上面を画定する底面部と前記底面部の外周に沿って起立する外周壁とを有する。前記底面部には、前記液戻し通路としての開口が形成されている。
本発明の第3観点に係る揮散器は、第1観点又は第2観点に係る揮散器であって、前記トンネル入口を囲みつつ、前記トンネル入口と前記コンテナとの間を延びるように配置された壁部材をさらに備える。前記壁部材には、前記トンネル入口を介して前記トンネル通路内に空気を送り込むための空気吸入口が形成されている。
本発明の第4観点に係る揮散器は、第2観点に係る揮散器であって、前記トンネル入口を囲みつつ、前記トンネル入口と前記コンテナとの間を延びるように配置された壁部材をさらに備える。前記壁部材には、前記トンネル入口を介して前記トンネル通路内に空気を送り込むための空気吸入口が形成されている。前記壁部材の外側面は、前記皿部の前記外周壁の内周面に接触する。
本発明の5観点に係る揮散器は、第3観点又は第4観点に係る揮散器であって、前記コンテナを前記壁部材を介して前記トンネル部材に対して付勢する付勢部材をさらに有する。
本発明の6観点に係る揮散器は、第1観点から第5観点のいずれかに係る揮散器であって、前記トンネル部材は、前記トンネル通路を画定する内壁面を有するとともに、前記内壁面から内方に向かって突出する凸部を有する。
本発明の7観点に係る揮散器は、第6観点に係る揮散器であって、前記凸部は、前記トンネル出口付近から少なくとも前記トンネル入口付近まで連続的に延びている。
本発明によれば、揮散剤を収容するコンテナが、煙状の揮散剤が通り抜けるためのトンネル通路のトンネル入口の下方に皿部を有している。この皿部は、トンネル通路内で結露した後、トンネル入口を介してトンネル通路内から落下してくる液状の揮散剤を受け取ることができる。また、この皿部には、コンテナの内部空間に連通する液戻し通路が形成されている。これにより、結露により生じた揮散剤の液滴は、皿部に受け取られた後、液戻し通路を介してコンテナ内に戻される。従って、揮散剤の結露により生じる汚れや揮散剤の浪費等の諸問題が解消される。
本発明の一実施形態に係る使用状態での揮散器の斜視図。 フラップ部材を開いた状態の本体部の側面図。 フラップ部材を省略した本体部の斜視図。 図3の本体部に揮散剤のコンテナを収容した様子を示す斜視図。 キャップ付きのコンテナの斜視図。 キャップなしのコンテナの斜視図。 コンテナ付近の図1のA−A線断面図。 フラップ部材を上面側から見た斜視図。 フラップ部材を下面側から見た斜視図。 トンネル部材、凸部材及び壁部材の底面図。 凸部の役割を説明するためのトンネル通路付近の模式的な縦断面図。 図1のB−B線断面図。 上側の筐体を底面側から見た斜視図。 揮散器の電気的構成を示すブロック図。 揮散器の底面図。 変形例に係るトンネル部材、凸部材及び壁部材の底面図。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る揮散器について説明する。
<1.全体構成>
図1は、本実施形態に係る揮散器1の全体構成を示す斜視図である。同図に示すように、揮散器1は、線香立てを模した揮散器であり、円形の壺型の本体部10と、本体部10に立ててセットされる疑似線香棒15とを有する。この疑似線香棒15は、本物の線香ではなく、線香を模したプラスチック製の棒体である。より具体的には、アクリル樹脂製の光ファイバーであり、上端部15aを除き、表面に緑色の膜が貼られている。この膜は、光不透過性である。そして、本体部10内に配置されているLED光源16により、同じく本体部10内に配置されている疑似線香棒15の下端部が照らされる(図12参照)。これにより、疑似線香棒15の上端部15aのみが輝き、まるで本物の線香が焚かれているかのような外観が得られる。
また、揮散器1は、揮散剤の煙を立ち昇らせることもでき、この意味でも、線香立てのような機能を発揮することができる。なお、本明細書において、煙状、及びエアロゾル状とは、揮散剤の薬液が蒸発する様が、線香の煙のように視認される状態を意味する。揮散剤は、芳香成分、消臭成分、防虫成分等を有する薬剤とすることができるが、本実施形態では、線香が焚かれたような匂いの芳香成分を有している。
揮散剤は、本体部10内にセットされるカートリッジタイプのコンテナ40内に収容されている。図2は、本体部10の上部に設けられている、回動により開閉自在のフラップ部材20を開いた状態の本体部10を示している。コンテナ40は、このフラップ部材20を開くことにより本体部10の上部中央に表れる空間S1内にセットし、またここから取り出すことができる。図3は、参考のため、フラップ部材20を省略した本体部10の斜視図であり、図4は、本体部10の中央の空間S1内に揮散剤のコンテナ40を収容した様子を示す斜視図である。図4においても参考のため、フラップ部材20は省略されている。
図5は、コンテナ40の斜視図である。コンテナ40は、未使用時においては内部の揮散剤が漏れないよう、専用のキャップ45が取り付けられている。そして、使用時にこのキャップ45が取り外され(図6参照)、本体部10にセットされることになる。以下、揮散器1を構成する各要素について説明した後、揮散器の使用方法について説明する。
<2.各部の詳細>
<2−1.揮散剤>
揮散器1で用いられる揮散剤としての薬液に配合される溶媒としては、室内空間への蒸散に使用できるものである限り特に制限されるものではないが、沸点が好ましくは170℃以上であり、より好ましくは170〜350℃、さらに好ましくは170〜300℃、とくに好ましくは170〜250℃のものが例示される。当該溶媒として、具体的には、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(沸点174℃)、ベンジルアルコール(沸点205℃)等のアルコール系溶媒;ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点190℃)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点242℃)、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(沸点212℃)、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル(沸点229℃)、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル(沸点274℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点209℃)、プロピレングリコールフェニルエーテル(沸点243℃)等のグリコールエーテル系溶媒;プロピレングリコール(沸点178℃)、プロピレングリコール(沸点187℃)、エチレングリコール(沸点198℃)、ヘキシレングリコール(沸点198℃)、ジプロピレングリコール(沸点232℃)、ジエチレングリコール(沸点244℃)等のグリコール系溶媒;イソパラフィン、ノルマルパラフィン等の炭化水素系溶媒等が例示される。
これらの溶媒の中でも、煙状(エアロゾル状)の形成能を高めるために、好ましくはグリコール系溶媒が使用される。
揮散器1で用いられる薬液において、これらの溶媒は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
揮散器1で用いられる薬液において、上記溶媒の配合割合については、特に制限されないが、薬液の総量当たり、例えば10〜99.9重量%が挙げられる。薬液を視認可能な煙状(即ち、エアロゾル状)で蒸発させる機能をより一層高めるためには、薬液中の上記溶媒の配合割合を、好ましくは25〜99.9重量%に設定すればよい。
薬液には、上記溶媒以外に、当該薬液に備えさせる機能、即ち、当該薬液が室内空間に蒸散された際に発揮される所望の機能に応じて、香料、消臭剤成分、昆虫忌避成分、抗菌剤成分、除菌剤成分等の薬剤成分が配合される。このような薬剤成分については、使用される環境で空気中に蒸発可能である限り、油性又は水性のいずれであってもよい。揮散器1で用いられる薬液は、例えば、香料を含む場合には芳香液、消臭剤成分を含む場合には消臭液、香料及び消臭剤成分を含む場合には芳香消臭液、昆虫忌避成分を含む場合には昆虫忌避液、抗菌剤成分を含む場合には抗菌液とすることができるが、本実施形態では、少なくとも線香が焚かれるような匂いの芳香液を有する。
上記薬液に配合される香料については、天然香料、天然香料から分離された単離香料、合成香料のいずれであってもよく、従来の芳香剤に使用されている公知の香料を使用することができる。香料として、具体的には、炭素数6〜12のアルデヒド、アニスアルデヒド、アセタールR、アセトフェノン、アセチルセドレン、アドキサール、アリルアミルグリコレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、アルファダマスコン、アンブレットリッド、アンブロキサン、アミルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、アミルバレリアネート、アミルサリシレート、イソアミルアセテート、アセチルユゲノール、イソアミルサリシレート、インドール、αイオノン、βイオノン、αメチルイオノン、βメチルイオノン、γメチルイオノン、インデン、エチルワニリン、オウランチオール、オークモスNo.1、オリボン、オキシフェニロン、カリオフィレン、カシュメラン、カルボン、ガラキソリッド、キャロン、クマリン、パラクレジールメチルエーテル、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ゲラニルニトリル、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロゲラニールアセテート、コアボン、サンダロア、サンデラ、サンタレックス、サンタリノール、メチルサリシレート、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、シスジャスモン、シトラール、シトラールジメチルアセタール、シトラサール、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルフォーメート、シトロネリルニトリル、シクラセット、シクラメンアルデヒド、シクラプロップ、シンナミルアセテート、ジヒドロジャスモン、ジメトール、イソシクロシトラール、ジャスマール、ジャスモラクトン、ジャスモフィラン、スチラリールアセテート、スチラリールプロピオネート、セドロアンバー、セドリルアセテート、セドロール、セレストリッド、βダマスコン、αターピネオール、γターピネオール、ターピニルアセテート、チモール、デルタダマスコン、デルタC6〜C13ラクトン、トナリッド、トラセオライド、トリプラール、イソノニルアセテート、ネロール、ネリールアセテート、ネオベルガメート、ノピールアセテート、ノピールアルコール、バクダノール、ヒヤシンスジメチルアセタール、ヒドロトロピックアルコール、ヒドロキシシトロネラール、αピネン、ブチルブチレート、パラターシャリーブチルシクロヘキサノール、パラターシャリーブチルシクロヘキシルアセテート、オルトターシャリーブチルシクロヘキサノール、ジフェニルオキサイド、フルイテート、フェンチールアルコール、フェニルエチルフェニルアセテート、イソブチルキノリン、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルアセテート、フェニルアセトアルデハイドジメチルアセタール、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルサリシレート、ベルガミールアセテート、ベンズアルデヒド、ベンジルフォーメート、ジメチルベンジルカービノール、ヘディオン、ヘリオナール、ヘリオトロピン、シス−3−ヘキセノール、シス−3−ヘキセニールアセテート、シス−3−ヘキセニールサリシレート、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリシレート、ペンタリッド、ベルドックス、オルトボルニルアセテート、イソボルニルアセテート、イソボルネオール、エンド−ボルネオール、マンザネート、マイヨール、ミューゲアルデヒド、ミラックアルデヒド、ジヒドロミルセノール、ジミルセトール、ムゴール、ムスクTM−II、ムスク781、ムスクC14、ムスクT、ムスクケトン、ムスクチベチン、ムスクモスケン、メンサニールアセテート、メンソネート、メチルアンスラニレート、メチルユゲノール、メントール、メチルフェニルアセテート、ユゲノール、イソユゲノール、メチルイソユゲノール、γC6〜13ラクトン、ライムオキサイド、メチルラベンダーケトン、ジヒドロリナロール、リグストラール、リリアール、リモネン、リナロール、リナロールオキサイド、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロリナリールアセテート、リナリルアセテート、リラール、ルバフラン、ローズフェノン、ローズオキサイド、ワニリン、ベンゾイン、ペルーバルサム、トルーバルサム、チュベローズ油、ムスクチンキ、カストリウムチンキ、シベットチンキ、アンバーグリスチンキ、ペパーミント油、ペリラ油、プチグレン油、パイン油、ローズ油、ローズマリー油、しょう脳油、芳油、クラリーセージ油、サンダルウッド油、スペアミント油、スパイクラベンダー油、スターアニス油、ラバンジン油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ライム油、ネロリ油、オークモス油、オコチア油、パチュリ油、タイム油、トンカ豆チンキ、テレピン油、ワニラ豆チンキ、バジル油、ナツメグ油、シトロネラ油、クローブ油、ボアドローズ油、カナンガ油、カルダモン油、カシア油、シダーウッド油、オレンジ油、マンダリン油、タンジェリン油、アニス油、ベイ油、コリアンダー油、エレミ油、ユーカリ油、フェンネル油、ガルバナム油、ゼラニウム油、ヒバ油、桧油、ジャスミン油、ベチバー油、ベルガモット油、イランイラン油、グレープフルーツ油、ゆず油等を挙げることができる。これらの香料は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて調香して使用することもできる。
また、上記薬液に配合される消臭剤成分としては、例えば、イネ、松、ヒノキ、笹、緑茶等の植物の抽出物;アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩;セチルビリジニウム塩、ベンゾイソチアゾリン等の複素環化合物;酸化銀、銀含有の水溶性ガラス、銀を担持させたゼオライト、銀ナノ粒子、銀イオン、硝酸銀、硫化銀等の銀化合物;酸化亜鉛、酸化銅、亜鉛イオン、銅イオン、金ナノ粒子等の金属化合物;シクロデキストリンやシクロファン等の包接化合物;両性界面活性剤系消臭剤、アミノ酸系消臭剤などの両性化合物;シリカゲル、アルミナ、活性炭、ゼオライト等の吸着物質の微細粉末等が挙げられる。これらの消臭剤成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
上記薬液に配合される昆虫忌避成分としては、例えば、DEET、ピサボロール、イソピンピネリン、ベルガブテン、ザントトキシン、コクサギン、ジハイドロコクサギン、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、N,N-ジエチル-m-トルアミド、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、p-メンタン-3,8-ジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、ジ-n-プロピルイソシンコメロネ-ト、p-ジクロロベンゼン、ジ-n-ブチルサクシネート、カラン-3,4-ジオール、1-メチルプロピル-2- (2-ヒドロキシエチル)-1-ピペリジンカルボキシレート、イソチオシアン酸アリル等が挙げられる。さらに、テルペン炭化水素類香料、テルペンアルコール類香料、フェノール類香料、芳香族アルコール類香料、アルデビド類香料、カラシ、ワサビなどの植物抽出物や木酢液等が挙げられる。これらの昆虫忌避成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
上記薬液に配合される抗菌剤成分としては、例えば、オクチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムグルコン酸、クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、アリルイソチオシアネート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等が挙げられる。これらの抗菌剤成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
これらの薬剤成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
揮散器1で用いられる薬液において、上記薬剤成分の配合割合については、当該成分の種類に応じて適宜設定されるが、例えば0.01〜90重量%、好ましくは1〜75重量%が挙げられる。
揮散器1で用いられる薬液は、必要な効果を妨げない範囲で、上記成分の他に、水、エタノール等の薬剤成分の溶解剤;非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油)、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤;1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、2n-オクチル-イソチアゾリン-3-オン等の防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;顔料、染料等の色素;シリコーン等の添加剤を適当量含有してもよい。
<2−2.コンテナ>
次に、コンテナ40の構成について詳しく説明する。図7は、コンテナ40付近の図1のA−A線断面図である。コンテナ40は、図5〜図7に示すとおり、上部の開口した容器41を有しており、さらにこの容器41を安定的に支持するべく、容器41の筒状の側壁部42の下部付近を容器41の外側から支持する台座43を有している。容器41の上部開口には、当該開口を塞ぐ蓋体50が取り付けられている。蓋体50は、概ね平板状の底面部51と、底面部51の外周に沿って起立する外周壁52とを有し、この底面部51と外周壁52とは、全体として皿形状の皿部53を構成している。底面部51は、容器41の内部空間S2の上面を画定している。容器41内には、上述の揮散剤が充填されている。
底面部51の中央には、円形の開口S3が形成されており、底面部51の下面には、この開口S3に連通する内部空間を有する筒体54が連続している。筒体54は、容器41の底面部44から一定の間隔を空けており、概ね上下方向に延びている。この筒体54内には、上記開口S3を介して、その下端60aが概ね底面部44に達するように芯材60が挿入されている。一方、芯材60の上端60bは、後述する発熱体65に接触又は近接するように、蓋体50の底面部51から突出している。芯材60は、開口S3及び筒体54の断面形状と略同じ断面形状を有する棒であり、容器41内の揮散剤を含浸することができる。芯材60の素材は、揮散剤を吸収し、これを毛細管現象等により吸い上げ可能である限り、特に限定されない。また、芯材60は、発熱体65による加熱に耐え得る耐熱性を備えた材質のものであることが好ましい。このような性質を有する芯材60の素材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維等が例示される。
図6に示すように、皿部53の底面部51には、芯材60を挿入する開口S3の他にも、容器41の内部空間S2に連通する開口S4が形成されている。詳細は後述するが、皿部53の底面部51の上方には、加熱され蒸発した煙状の揮散剤の結露が生じ得るトンネル通路S5が配置される。そのため、皿部53は、当該トンネル通路S5内で結露した後、当該トンネル通路S5内から落下してくる液状の揮散剤を受け取るための部材として機能することができる。そして、底面部51の複数の開口S4は、皿部53で受け取った液状の揮散剤を、容器41の内部空間S2に戻す液戻し通路として機能する。
容器41の側壁部42の上部外周面には、螺旋状のネジ山42aが形成されている。このネジ山42aは、コンテナ40のキャップ45に形成されている図示されないネジ溝に螺合し、これによりキャップ45がコンテナ40に対し着脱自在となっている。
また、容器41の台座43には、取っ手46が連続している。取っ手46は、側壁部42から一定の間隔を空けつつ側壁部42と略平行に延び、かつ、蓋体50に保持された芯材60よりも上方まで延びている。取っ手46は、コンテナ40を本体部10の上部中央に設けられた空間S1内に収容する際に、コンテナ40を持ち運ぶのに使用される。
コンテナ40及びキャップ45の材質は特に限定されないが、例えば、プラスチック製とすることができる(芯材60を除く)。コンテナ40は、上述した各部位を一体的に構成することもできるし、別々の部材を組み合わせることにより構成することもできる。
<2−3.本体部>
次に、本体部10の構成について詳しく説明する。既に述べたとおり、本体部10は、線香立ての壺のような形状の外壁を形成する筐体11を有し、上部中央には、コンテナ40を収容するための空間S1が形成されている。また、本体部10は、コンテナ40の上からさらにこの空間S1内に収容されるフラップ部材20を有している。このフラップ部材20は回動により揺動し、空間S1を開閉することができる。筐体11の材質は特に限定されないが、例えば、ポリプロピレンなどのプラスチック製とすることができる。
図8は、フラップ部材20単体を上面側から見た斜視図であり、図9は、フラップ部材20単体を下面側から見た斜視図である。同図に示すとおり、フラップ部材20は直方体状であり、フラップ部材20を回動させる回動軸21が、長手方向の一端において短手方向に平行に設けられている。図3に示すとおり、空間S1は、円柱の上部に当該円柱から径方向に突出するような態様で直方体を重ねた形状を有している。また、ここでいう円柱の上面と直方体の上面とは略同じ高さであり、直方体はその長手方向のみが円柱の側面から突出しており、短手方向には突出していない。この直方体は、フラップ部材20と概ね同じ形状を有しており、空間S1は、この直方体に対応する部分において、フラップ部材20を受け取ることができる。また、筐体11は、空間S1におけるこの直方体の長手方向の一端に対応する部分おいて、フラップ部材20を上下に回動させるように回動軸21を支持している。以下では、フラップ部材20が空間S1の直方体に対応する部分に収容された状態を、フラップ部材20が閉じた状態と称する。また、フラップ部材20の上面において、回動軸21の反対側の端部には、取っ手22が突出している。使用者は、この取っ手22に指を引っ掛けることで、回動軸21周りでフラップ部材20を容易に回動させることができる。
空間S1は、フラップ部材20を閉じた状態においても、外部空間に連通している。すなわち、フラップ部材20の両側には、空間S1に連通する開口S7,S7(図1参照)が確保されている。また、フラップ部材20において回動軸21が設けられている側と反対側の端面には、突起24が突出している。一方、本体部10において、フラップ部材20の当該端面付近の部位を受け取る部分には、当該突起24を引っ掛けるための弾性片23が設けられている(図3参照)。そして、フラップ部材20を閉じようとしたとき、当該突起24が弾性片23を押圧し、弾性片23が径方向外方へと折れ曲がるように弾性変形する。その後、フラップ部材20が空間S1内に収容されると、弾性片23はその弾性により元の形状に概ね復帰し、突起24を上方から押圧する。これにより、フラップ部材20は、空間S1内でしっかりと固定され、閉じた状態にロックされる。一方、フラップ部材20全体を上方へ回動させるべく取っ手22を持ってフラップ部材20に外力を加えたときにも、弾性片23は径方向外方へと折れ曲がるように弾性変形し、フラップ部材20を容易に開くことができる。
フラップ部材20の中央には、フラップ部材20を概ね上下方向に貫通するトンネル通路S5が形成されている。より具体的には、フラップ部材20の中央には、トンネル通路S5を画定する両端の開口した円筒状のトンネル部材30が埋め込まれている。なお、トンネル部材30は、フラップ部材20の直方体状の筐体と一体的に形成されていてもよい。以下では、トンネル通路S5に連通するトンネル部材30の下端の開口を、トンネル入口30aと呼び、上端の開口をトンネル出口30bと呼ぶ。
トンネル通路S5内には、芯材60を加熱し、芯材60に吸収されている揮散剤を煙状に蒸発させるための発熱体65が配置されている(図7参照)。発熱体65は、通電されることにより発熱する電熱線であり、トンネル部材30の内壁面31上のある位置からこれに対面する内壁面31上の別の位置(両位置は、トンネル部材30の円形断面の直径線上に位置する)まで延びている。発熱体65は、トンネル通路S5内において上下方向に中央よりも下側に配置されている。発熱体65の両端は、後述する電池8まで配線されている。なお、この配線は、フラップ部材20及び筐体11内において外部から通常触れない位置に収納されている。以上の構成により、トンネル通路S5は、発熱体65の加熱により生じる煙状の揮散剤が通り抜けるための通路となる。
発熱体65としては、所定温度に加熱可能なものである限り任意のものを使用することができ、電熱線以外の例として、PTCヒータ、セラミックヒータ、固定抵抗ヒータ等が考えられる。ただし、電池式で電力を印加する場合は、消費電力の観点から電熱線が好ましい。また、発熱体の温度は、揮散剤を蒸発させることができる限り特に限定されないが、好ましくは100℃以上である。また、室内での使用安全性を備えさせつつ、燻煙の形成能を高めるという観点からは、100〜350℃、好ましくは120〜310℃、さらに使用安全性を考慮すると、より好ましくは120〜250℃のものが例示される。
図9に示すように、トンネル部材30の下部からは、トンネル入口30aを囲むように複数の壁部材34(本実施形態では4つ)が下方に向かって延びている。これらの壁部材34の下端は、コンテナ40を本体部10の空間S1内に収容し、さらにフラップ部材20を閉じた状態において、コンテナ40の上部を構成する皿部53の底面部51に接触する。すなわち、コンテナ40は、トンネル入口30aから上下方向に一定の間隔を空けて配置され、壁部材34は、この間隔を埋めるべく、トンネル入口30aとコンテナ40との間を延びるように配置される。コンテナ40は、トンネル入口30aの直下に配置されており、コンテナ40の底面部51の中心と、トンネル入口30aの中心とは、平面視において概ね重なる。また、壁部材34の外側面の下部は、皿部53の外周壁52の内周面に接触する。トンネル部材30及び壁部材34の材質は特に限定されないが、例えば、ポリフェニレンスルファイドなどの耐熱性の高いプラスチック製とすることができる。
図10は、トンネル部材30付近の底面図である。同9及び図10に示すように、壁部材34は、トンネル入口30aの周方向に沿って隙間S6を空けながら等間隔に配置される。この隙間S6は、等間隔に同じ長さだけ空いており、トンネル入口30aを介してトンネル通路S5内に空気を送り込むための空気吸入口となる。すなわち、トンネル入口30aの下方の空間は、隙間S6を除いて、壁部材34とコンテナ40の皿部53とで囲まれているため、原則として隙間S6のみがトンネル通路S5内に空気を取り込む空気吸入口となる。なお、外部の空気は、まずはフラップ部材20の両端に形成されている開口S7,S7を介して本体部10内の空間S1内に流入し、これが隙間S6を介してトンネル通路S5内に送り込まれる。
図10に示すように、トンネル通路S5を画定するトンネル部材30の内壁面31には、径方向内方に向かって突出する複数の凸部32が形成されている。これらの凸部32は、内壁面31の周方向に沿ってそれぞれ異なる位置に設けられている。本実施形態では、壁部材34と同数の、すなわち、4つの凸部32が設けられており、これらの凸部32は、内壁面31の周方向に沿って概ね等間隔に配置されている。また、凸部32は、上下方向には、トンネル出口30bと同じ高さ位置からトンネル入口30aを通り過ぎて、壁部材34の下端のやや上方まで連続的に延びている。また、トンネル入口30aよりも下方では、凸部32は壁部材34に連結されており、平面視において、壁部材34の内壁面の中央から径方向内方に突出するような態様となっている。また、凸部32は、平面視において、内壁面31から内壁面31の円形断面の径方向に延びているが、円形断面の中央に達していない。従って、トンネル通路S5の中央には、凸部32に邪魔されることなく、上下方向に延びる開けた空間が形成されている。
以上のとおり構成された凸部32は、トンネル通路S5内の発熱体65に指が触れてしまうことを防止することができる。また、凸部32は、この役割に加え、発熱体65による加熱により蒸発した煙状の揮散剤を、より細く高く上昇させる役割を果たすことができる。図11は、凸部32の当該役割を説明するための、トンネル通路S5付近の模式的な縦断面図である。すなわち、トンネル通路S5内では、発熱体65により空気が温められることに伴って、緩やかな上昇気流が発生する。そして、発熱体65が芯材60の上端60bを加熱することにより発生した揮散剤のエアロゾルの粒子からなる煙は、この上昇気流に乗ってトンネル通路S5を通り抜けながら上昇してゆくが、このとき、内壁面31に衝突するとともに、凸部32にも衝突する。これにより、内壁面31及び凸部32の表面において揮散剤が結露し、液滴が付着する。液滴、すなわちエアロゾルの粒子の付着量は、揮散剤の蒸発が進むにつれて増加し、これに伴い、内壁面31及び凸部32の表面に付着した揮散剤の液滴のせいで、揮散剤の煙が通り抜けるためのトンネル通路S5が実質的に狭められる。また、凸部32周辺、特に複数の凸部32と内壁面31とに囲まれた箇所では、空気が滞留しやすい。これらによって、トンネル通路S5が実質的に狭められ、中央付近の上昇気流の速度が増すことになり、蒸発した揮散剤がより細く高く上昇してゆく。また、凸部32がトンネル通路S5内で上下方向に連続しているため、空気が上方へと真っ直ぐ流れ易くなっている。すなわち、例えば、途中で凸部32が断絶している場合には、気流が凸部32の断絶部分で折れ曲がるが、本実施形態ではこのような事態が回避されている。
ところで、以上の上昇気流は、上述した隙間S6から流入した空気により形成される。また、上述したとおり、壁部材34の存在により、トンネル通路S5内への空気吸入口は狭められており、空気吸入口は主として隙間S6のみとなる。従って、この狭められた空気吸入口としての隙間S6を介して、より高速の気流がトンネル通路S5内に流入し、蒸発した煙状の揮散剤がより細く高く上昇する結果となる。また、壁部材34の存在により、蒸発した揮散剤の通り抜けるトンネルは、実質的に延長されている。その結果、煙突効果が促進され、蒸発した揮散剤がより高く上昇してゆく。
隙間S6は、4箇所設けられているが、1つ当たりの面積は、好ましくは2mm2〜40mm2、より好ましくは4mm2〜30mm2、さらに好ましくは4mm2〜20mm2、とくに好ましくは5mm2〜15mm2である。なお、ここでいう隙間S6とは、上部をトンネル部材30により、左右を一対の壁部材34により、下部を皿部53の外周壁52により囲まれる領域である。一方、空間S7は、2箇所設けられているが、1つ当たりの面積は、好ましくは150mm2〜300mm2、より好ましくは200mm2〜300mm2である。なお、ここでいう空間S7とは、内側をフラップ部材20により、外側を筐体11aの上面13により囲まれる領域である。また、トンネル入口30a及びトンネル出口30b(すなわち、トンネル部材30の内壁面31の断面形)の面積(凸部32を含む)は、好ましくは20mm2〜180mm2、より好ましくは50mm2〜120mm2、さらに好ましくは50mm2〜100mm2である。外部の空気は、まずフラップ部材20の両端に形成されている空間S7,S7を介して本体部10内の空間S1内に流入し、これが隙間S6を介してトンネル通路S5内に送り込まれる。これにより、外部空間から空間S7を介して空間S1内へと、次に空間S1内から隙間S6を介してトンネル部材30内へと段階的に気流の速度が増すことになる。そして、トンネル部材30内からトンネル出口30bを介して外部空間へと、一定以上の速度で煙が出てゆくことになる。なお、このような効果は、隙間S6、空間S7、トンネル部材30等が以上のように構成されていれば発揮されるが、特に、隙間S6、空間S7及びトンネル部材30の内壁面31の断面形が、上述した数値範囲にあるときは、より一層高い効果を発揮することができる。
また、トンネル通路S5内に発生する揮散剤の粒子の大きさは大小様々であるが、より小さい粒子程、視認が難しくなるが、気流に乗りやすく、より高く上がってゆくことができる。また、より大きい粒子程、高く上がることはできないが、視認が容易となる。そして、本実施形態においては、上述のとおり、凸部32周辺は空気が滞留しやすいことから、煙全体の上昇に影響を及ぼすほど大きい粒子は当該周辺に留まりやすく、液滴となって除かれる一方、通常では上昇しにくい中程度の粒子であっても、トンネル通路S5の中央付近の速い気流に引き付けられることで、より高く上昇することができる。従って、より大きなエアロゾルの粒子を含む視認し易い煙が、より細くより高く立ち昇ってゆく。
また、上述したとおり、内壁面31及び凸部32の表面に付着した揮散剤のエアロゾルの粒子径は、揮散剤の蒸発が進むにつれて増大し、徐々に成長してゆく。そして、大きくなった揮散剤の液滴は、重力に従って内壁面31、凸部32及び壁部材34を伝いながら落下し、皿部53に受け取られる。皿部53に溜まった液状の揮散剤は、底面部51の開口S4を介してコンテナ40の内部空間S2に戻される。従って、揮散剤の結露により生じる汚れや揮散剤の浪費等の諸問題が解消される。
図3に戻ると、上述した本体部10の空間S1の下面は、上下方向に昇降可能な受け皿55により画定される。受け皿55は、コンテナ40の下部の外形に概ね等しく、これを収容することができる空間を規定している。図12は、図1のB−B線断面図である。同図に示されるように、受け皿55の昇降は、受け皿55の下方に連結されているバネ56により実現される。受け皿55が上方からの外力を受けると、バネ56が縮み、受け皿55が下方へ移動する。なお、受け皿55にコンテナ40を収容した状態でフラップ部材20を閉じると、受け皿55はコンテナ40に押されて、下方へ移動する。このとき、バネ56は、復元力により上方へ受け皿55を付勢し、その結果、コンテナ40が壁部材34を介してトンネル部材30に対し付勢される。これにより、皿部53の底面部51及び外周壁52と壁部材34とがしっかりと嵌合し、空間S1内でのコンテナ40の位置が安定する。また、これにより、トンネル入口30aの下方において、トンネル通路S5へと連通する空気吸込口として、隙間S6以外の隙間が生じにくくなる。
ところで、筐体11は、図1に示す分割線L1に沿って、上下2つの筐体11a,11bに分割可能である。図13は、上側の筐体11aを底面側から見た図である。同図に示すように、上側の筐体11aの底面部の外側には、2つの電池8を取り付けることができる電池収容部80が設けられている。
図14は、揮散器1の電気的構成を示すブロック図である。同図に示すとおり、電池8は、発熱体65及びLED光源16に電気的に接続されており、これらに電力供給を行う。LED光源16は、図12に示すとおり、筐体11a内において、疑似線香棒15を受け取る開口S8の直下に配置されている。また、上側の筐体11a内には、スイッチ17に接続されている制御基板18も収納されている。図1に示すとおり、筐体11aの上面13には、スイッチ17が配置されており、このスイッチ17が押圧されると、その旨を示す信号が制御基板18に送られる。また、制御基板18には、バネ56が押圧された旨を検出する検出回路19が接続されている。制御基板18は、電源OFF状態において、バネ56が押圧状態(コンテナ40が空間S1内にセットされており、かつフラップ部材20が閉じた状態)となり、さらにスイッチ17が押圧されたことを検知すると、電池8から発熱体65及びLED光源16への電力供給を行わせる。一方、電源ON状態において、スイッチ17が押圧されたか、或いは、バネ56の押圧状態が解除された場合には、電池8から発熱体65及びLED光源16への電力供給を停止させる。
図1に示すとおり、筐体11の上面13は、空間S1を画定するように円環状に形成されている。そして、この上面13の正面側には、疑似線香棒15を挿入するための開口S8が3箇所形成されている。一方、スイッチ17は、筐体11の上面13において、開口S8と概ね180°反対側に配置されている。円環状の上面13には、その外周縁に沿って外壁部14が起立している。外壁部14は、壺型の筐体11の上部開口の縁を規定する部位である。筐体11の上面13は、閉じた状態のフラップ部材20の上面と概ね同じ平面内に位置し、言い換えると、トンネル出口30bと同じ高さ位置に配置される。従って、外壁部14は、トンネル出口30bから立ち昇る煙に対する風除けとして作用し、煙が細く真っ直ぐ立ち昇るのを助ける。また、外壁部14は、筐体11の上面13に沿って概ね一周連続的に形成されているが、スイッチ17の操作の妨げになることがないよう、スイッチ17に対面する位置においては切り欠かれている。さらに、揮散器1が転倒してしまった場合でも、外壁部14により、スイッチ17の誤作動が防止される。仮に揮散器1が逆さになってしまっても、外壁部14によりスイッチ17周辺に空間を形成することから誤作動が防止される。
図15は、揮散器1の底面図である。同図に示すように、筐体11には、筐体11の中心軸の周りに3つの脚29が等角度間隔で設けられている。これらの3つの脚29のうちの1つは、筐体11の中心軸の周りでスイッチ17と同じ角度の位置に配置される。図15中、参考のため、スイッチ17の位置が点線で示されている。ところで、スイッチ17が押圧されたとき、筐体11にスイッチ17を中心として不均一な外力が加わることになる。しかしながら、上記構成によれば、スイッチ17に対応する脚29が筐体11をしっかりと支えるため、揮散器1が転倒してしまうことがない。
<3.使用方法>
以下、揮散器1の使用方法について説明する。まず、揮散器1を構成する本体部10、コンテナ40及び疑似線香棒15を用意する。そして、本体部10のフラップ部材20を回動させて空間S1を開き、取っ手46を把持してコンテナ40を挿入した後、フラップ部材20を閉じる。このとき、フラップ部材20のトンネル通路S5内においては、コンテナ40の芯材60が発熱体65に接触又は近接するように配置された状態となる。また、疑似線香棒15を本体部10の上面13の開口S8に挿入する。
その後、スイッチ17を押すと、発熱体65及びLED光源16が通電され、発熱体65が加熱され、LED光源16が点灯する。LED光源16からの光は、疑似線香棒15内を伝わり、上端部15aに達して有色の光を発生させる。また、スイッチ17の押圧後しばらくすると、芯材60に含浸している揮散剤が加熱され、芯材60の上端60bから視認可能な煙状の揮散剤が発生し始める。この煙は、コンテナ40と壁部材34との間に形成されている隙間S6を介してトンネル通路S5内に流入した空気の流れに乗って、上方へ細く長く立ち昇り始める。さらにしばらくすると、トンネル通路S5内で揮散剤の結露が生じ始める。この液滴は、トンネル部材30の内壁面31、凸部32及び壁部材34の表面で成長し、トンネル通路S5を実質的に狭くし、これによりトンネル通路S5内に発生している上昇気流の速度を増加させる。これを受けて、トンネル出口30bから出てくる煙は、益々細く長く上方へ立ち昇ってゆくことになる。
また、トンネル通路S5内で大きく成長した液滴は、その一部が重力に従って落下する。落下した揮散剤の液滴は、コンテナ40の上部の皿部53により受け取られ、開口S4を通ってコンテナ40内へと移動し、再度芯材60に吸い上げられる。
以上により、揮散器1は、疑似的な線香立てとして使用することができる。特に、火を用いずとも、線香の光、煙及び香りを実現することができる点で、安全性に優れている。
<4.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は適宜組み合わせることができる。
<4−1>
上記実施形態では、壁部材34は、トンネル部材30と一体的に形成されていたが、トンネル部材30ではなく、コンテナ40側、例えば、皿部53の外周壁52と一体的に形成されていてもよい。或いは、壁部材34は、トンネル部材30及びコンテナ40の両方から独立した部品であってもよい。
<4−2>
凸部32の形状は上述したものに限られない。例えば、凸部32は、トンネル出口30b付近からトンネル入口付近で終了している形状としてもよい。また、凸部32の本数は、4つに限られず、例えば、1つであってもよい。また、凸部32は、図16(a)に示すように、平面視においてトンネル通路S5の中心に達していてもよいし、この場合、複数の凸部32が中心で交差していてもよい。また、図16(b)に示すように、平面視において格子状としてもよい。ただし、図16(a)(b)の形態では、トンネル通路S5が複数の通路に分断されているため、結露により通路が部分的に埋まる可能性もある。従って、一本の細く長い煙を立ち上がらせる観点からは、図10に示す形態が好ましい。
30 トンネル部材
30a トンネル入口
30b トンネル出口
31 内壁面
32 凸部
34 壁部材
40 コンテナ
51 底面部
52 外周壁
53 皿部
56 バネ(付勢部材)
60 芯材
65 発熱体(加熱部)
S4 開口(液戻し通路)
S5 トンネル通路
S6 隙間(空気吸入口)

Claims (7)

  1. 揮散剤を収容するコンテナと、
    前記コンテナ内に挿入され、前記コンテナ内から前記揮散剤を吸い上げる芯材と、
    前記芯材を加熱し、前記芯材に吸収されている前記揮散剤を煙状に蒸発させる加熱部と、
    前記煙状の揮散剤が通り抜けるためのトンネル通路を画定するとともに、下端に前記トンネル通路のトンネル入口を有し、上端に前記トンネル通路のトンネル出口を有するトンネル部材と
    を備え、
    前記コンテナは、前記トンネル入口の下方に位置し、前記トンネル通路内で結露した後、前記トンネル入口を介して前記トンネル通路内から落下してくる液状の前記揮散剤を受け取るための皿部を有し、
    前記皿部には、前記コンテナの内部空間に連通する液戻し通路が形成されている、
    揮散器。
  2. 前記皿部は、前記内部空間の上面を画定する底面部と前記底面部の外周に沿って起立する外周壁とを有し、前記底面部には、前記液戻し通路としての開口が形成されている、
    請求項1に記載の揮散器。
  3. 前記トンネル入口を囲みつつ、前記トンネル入口と前記コンテナとの間を延びるように配置された壁部材
    をさらに備え、
    前記壁部材には、前記トンネル入口を介して前記トンネル通路内に空気を送り込むための空気吸入口が形成されている、
    請求項1又は2に記載の揮散器。
  4. 前記トンネル入口を囲みつつ、前記トンネル入口と前記コンテナとの間を延びるように配置された壁部材
    をさらに備え、
    前記壁部材には、前記トンネル入口を介して前記トンネル通路内に空気を送り込むための空気吸入口が形成されており、
    前記壁部材の外側面は、前記皿部の前記外周壁の内周面に接触する、
    請求項2に記載の揮散器。
  5. 前記コンテナを前記壁部材を介して前記トンネル部材に対して付勢する付勢部材
    をさらに有する、
    請求項3又は4に記載の揮散器。
  6. 前記トンネル部材は、前記トンネル通路を画定する内壁面を有するとともに、前記内壁面から内方に向かって突出する凸部を有する、
    請求項1から5のいずれかに記載の揮散器。
  7. 前記凸部は、前記トンネル出口付近から少なくとも前記トンネル入口付近まで連続的に延びている、
    請求項6に記載の揮散器。
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