JP2016190492A - 気液分離器、及びそれを備えたインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】設置方向自在の気液分離器を用いて、稼働中の溶剤消費量を削減したインクジェット記録装置を提供することにある。【解決手段】本発明は、内部に円筒形のチャンバを備えたケーシングと、ケーシングの壁部に結合されチャンバに接続される気液2相流入口管と、チャンバに流入した気液のうちガスを吐出するガス出口管と、チャンバに流入した気液の大部分の液を吐出する気液2相出口管とを備え、チャンバ内で気液流出口管の周囲に間隙を形成し表面張力や吸引の流れを利用し液体とガスに分離する気液分離器を特徴とし、この気液分離器をインクジェット記録装置に搭載し、特に印字ヘッドに搭載し溶剤ガスを充満させてガターから吸引させることで、溶剤消費量を削減した。【選択図】 図7
Description
本発明は、気液分離器及びそれを備えたインクジェット記録装置に関するものである。
本技術分野の背景技術として、特許文献1(特開2009−172932号公報)があり、この特許文献1には、いわゆるコンティニュアス方式のインクジェット記録装置においては、ノズルよりインクを噴出させ、印字に用いるインク粒子にのみ帯電電極で帯電させ、帯電されたインク粒子を偏向電極で飛翔方向を偏向させて印字を行い、印字に用いないインク粒子はガターに吸引されて回収され、再度印字に用いるものである。また、ガターにおいては、インク粒子を吸引して回収する際に周囲の空気も同時に吸引する。吸引された空気は、インク容器内に送られ続けるため、インク容器内から機外へ排出する構成をとっていることが記載されている。
また、特許文献2(特開2003−4343号公報)があり、この特許文献2には、空気調和装置においてケーシングと、前記ケーシングの壁部に形成された開口にそれぞれ結合され、気相分と液相分とが混合して気液2相流となった冷媒を流入させる気液2相流入口管、冷媒の液相分を流出させる液出口管及び冷媒の気相分を流出させるガス出口管とを備える気液分離装置について記載されている。
例えば、特許文献1に記載のいわゆるコンティニュアス方式のインクジェット記録装置においては、ガターから、インク粒子を吸引して回収する際に周囲の空気も同時に吸引している。インク回収経路内では、インクと空気が同時に流れているため、インク中に含まれる溶剤成分が揮発し、空気中に溶け込んで飽和した溶剤ガスとなる。この溶剤ガスは、インク容器内から機外へ排出されるため、インク回収経路内で溶剤成分が揮発した分、インク容器内のインク濃度が高くなってしまう。インク濃度変化による印字品質悪化を防止する為に、インク容器には、インク回収経路内で溶剤成分が揮発した分、溶剤を補充する構成をとっている。また、インク中の溶剤成分の揮発は、装置本体内部の温度が高いほど促進される。このことにより、顧客のインクジェット記録装置のランニングコスト悪化に繋がっている。また、例えば特許文献2に記載の気液分離装置においては、設置方向が変わると気液分離できなくなる課題がある。
本発明の目的は、設置方向自在の気液分離器を用いて、稼働中の溶剤消費量を削減したインクジェット記録装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本発明は、内部にチャンバを有するケーシングと、該ケーシングに結合され、該チャンバに接続される気液2相流入管と、前記チャンバ内のガスを吐出するガス出口管と、前記チャンバ内の液を吐出する気液2相出口管と、を備える気液分離器であって、前記チャンバ内の前記気液2相出口管の周囲に間隙を形成する構成としたことを特徴とする。
本発明によれば、小型かつ方向性自在な気液分離器を提供することができ、また、本発明によれば、溶剤消費量を低減できるインクジェット記録装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。(実施例1)図1は、本発明のインクジェット記録装置の外観斜視図を示す。図1において、1はインクジェット記録装置本体、2は印字ヘッド、3は操作表示部、4は導管である。インクジェット記録装置は、本体1に操作表示部3を備え、外部に印字ヘッド2を備え、本体1と印字ヘッド2は導管4にて接続されている。
次に、このインクジェット記録装置の使用状態について図2を用いて説明する。図2において、1はインクジェット記録装置本体、2は印字ヘッド、4は導管、13は数字や文字を印字される被印字物、15は被印字物を搬送するベルトコンベア、16はベルトコンベア15の搬送距離を計測するロータリエンコーダ、17は印字センサである。
インクジェット記録装置300は、例えば、食品や飲料などが生産される工場内の生産ラインに据え付けられ、本体1は使用者が操作できる位置に設置され、印字ヘッド2はベルトコンベア15などの生産ライン上を給送される印字対象物13に近接できる位置に設置される。ベルトコンベア15などの生産ライン上には給送速度に係わらず同じ幅で印字するために、給送速度に応じた信号をインクジェット記録装置400に出力するエンコーダ16や、印字対象物13を検出してインクジェット記録装置400に印字を指示する信号を出力する印字センサ17が設置されていて、それぞれは本体1内の図示しない制御部に接続されている。エンコーダ16や印字センサ17からの信号に応じて制御部がノズル8から吐出されるインク粒子7Cへの帯電量や帯電タイミングを制御し、印字対象物13が印字ヘッド2近傍を通過する間に帯電、偏向されたインク粒子7Cを印字対象物13へ付着させて印字を行うようになっている。
次に、印字ヘッド2の構成について図3を用いて説明する。図3において、図3は印字ヘッド2に印字ヘッドカバー52が装着された状態を示している。印字ヘッド2の内部には、インク粒子を噴出するノズル8と、印字するインク粒子に帯電する帯電電極11と、インク粒子を偏向する偏向電極12と、非印字インク粒子を回収するガター14が一直線上に配置されている。また、ノズル8の横には、気液分離器100を設置している。53は印字するインク粒子が飛び出す開口部である。気液分離器100について、設置場所は図3において印字ヘッドの中に設置しているが、これに限定されるものではない。気液分離器については後で詳細に説明する。
次に、インクジェット記録装置本体1の構成について図4を用いて説明する。図4は、インクジェット記録装置の縦断面図を示し、本体1の上部には制御回路300等の電気系部品が配置され、上部前面には操作表示部3が設置されている。また、本体1の下部の前側610には、ノズルに供給するインクを貯めたインク容器18と、ノズルに供給する溶剤を貯めた溶剤容器(不図示)、インク容器18内のインク濃度を検出する濃度計(不図示)等が納められている。さらに、本体1の下部の後側620には、電磁弁22、ポンプユニット24等の循環系制御部品等が納められ、本体1の背面には外部ユニット630から導管4を介して印字ヘッド2と接続し、導管4内には、インクが流入、流出する管や各電極を印加する高圧電源ライン及び制御ラインが配置されている。また、本体1の下部610の前面の扉600を開くことで、インク容器18、溶剤容器を本体1より取り出せるようになっており、インクや溶剤の補充や廃棄等のメンテナンスが容易にできる構成になっている。
次に、インクジェット記録装置の動作原理について図5を用いて説明する。図5において、18はインク容器、7Aはインク、24はインクを加圧し、送り出すポンプ、9は電圧を印加すると所定の周波数で振動する電歪素子、8はインクを吐出するノズル、7Bはインク柱である。11はインク粒子に帯電させる帯電電極、7Cはインク粒子で、12は偏向電極、13は印字される被印字物、14は印字しないインク粒子を回収するガターである。
インク容器18内のインク7Aはポンプ24に吸引、加圧されてインク柱7Bとなってノズル8から吐出される。ノズル8には、電歪素子9が備えられており、インクに所定の周波数で振動を加えてノズル8から吐出されるインク柱7Bを粒子化するようになっている。これにより生成されるインク粒子7Cの数は,電歪素子9に印加する励振電圧の周波数により決定され、その周波数と同数となる。インク粒子7Cは、印字情報に対応した大きさの電圧を帯電電極11にて印加することで電荷を与えられるようになっている。
帯電電極11で帯電させられたインク粒子7Cは、偏向電極12間の電界中を飛翔している間、帯電量に比例した力を受けて偏向し、印字対象物13へ向かって飛翔して着弾する。その際、インク粒子7Cは帯電量に応じて偏向方向の着弾位置は変化し、さらに偏向方向と直行する方向に生産ラインが印字対象物13を移動させることで、偏向方向と直行した方向にも粒子を着弾させることが可能となり、複数の着弾粒子によって文字を構成し印字を行う。印字に使用されなかったインク粒子7Cは偏向電極12間を直線的に飛翔して、ガター14により捕捉された後に経路を経由して、主インク容器18に回収される。
次に、本発明の実施例1の気液分離器について図6〜図8を用いて説明する。気液分離器とは気体と液体を分離するもので、溶剤を回収などの作用をする。図において、図6は実施例1の気液分離器の外観斜視図とその分解斜視図を示し、図7は気液分離器の全体断面図、側面図、及び中央部の縦断面図を示し、図8は図7(a)の部分拡大図を示す。図6〜図8において、111はガス出口管、102はガス出口管111を挿入し固定したケーシング、112は気液2相流入管、113は気液2相出口管、101は気液2相流入管112と気液2相出口管113を挿入し固定したケーシング、101Aはチャンバである。ここで、気液2相出口管113の二次側には図示しないポンプが設置されており、気液分離器100からポンプ側へと向かう吸引力が働くように構成されている。
実施例1の気液分離器100の構成は、図6(a),(b)に示すように、円柱形で所定の位置から嵌合のため外周を削り中央に孔を有し、この孔にガス出口管111を挿入し固定したケーシング102と、円柱形で所定に位置まで嵌合するために筒状とし、2本の管を通す孔を有し、この孔に気液2相流入管112と気液2相出口管113を挿入して固定したケーシング102とを嵌め合い、中央部に空間を持たせチャンバを形成する。ここで、ケーシング101とケーシング102、およびガス出口管111、気液2相流入管112、気液2相出口管113の結合方法は、溶接、または、接着剤、または、圧入、または、ねじ止め等、さまざまな方法が考えられ、特に限定しない。この気液分離器100のケーシング(ケーシング101とケーシング102を組み合わせたもの)の外部寸法は、例えば外径φ8[mm]、高さ10[mm]程度となっている。
次に、図7(a)に実施例1の気液分離器100Aの断面図を示す。気液分離器100Aにおいて、ケーシング101とケーシング102を嵌め合い組み合わせて筺体を構成し、その内部に円筒形のチャンバ101Aを形成する。ガス出口管111は、ケーシング102の一端面の中央からチャンバ101Aに連通している。また、気液2相出口管113はその先端がチャンバ101A内の奥まで挿入され、気液2相流入管112はチャンバ101Aの奥までは挿入しないで、チャンバ101Aを形成する内壁の所まで挿入し固定する。
図7(b)は、図7(a)のA方向からの図を示し、図7(c)は図7(a)のB方向からの図を示す。図7(b)、(c)において、円柱形の筐体を形成するケーシング102の中央にガス出口管111を配置し、その対向の円筒形のケーシング101には、中心点を対称に気液2相出口管113と気液2相流入管112が配置され、固定されている。また、図7(d)は、図7(a)のチャンバ101Aの中央のC方向の図を示し、チャンバ101A内で気液2相出口管113の管の外形とケーシング101の内壁とに間には間隙を形成するように構成している。
次に、図7(a)の点線枠Dの拡大図を図8に示す。図8において、ガス出口管111の先端は、ケーシング102の内壁53の所まで挿入し固定する。また、ケーシング102と気液2相出口管113との間には間隙101Bを形成するように内壁53に深さL1の円筒形の凹部を設ける。さらに、ケーシング101の内周壁と気液2相出口管113の外周壁との間には間隙101Cを形成するように構成する。図8において、111Aはガス出口管の孔で、113Aは気液2相出口管の孔である。
上記のように、気液2相出口管113の周囲に間隙101B,101Cを形成することで、気液2相出口管113に接続されたポンプなどによる吸引力がこれらの間隙にまで伝わり、チャンバ101Aに蓄積した液体が間隙101B,101Cを介して吸引されて気液2相出口管113に吐出するため、気液2相出口管113から回収することができるようになる。具体的には、気液2相出口管113の先端とチャンバ内壁との距離L1は、気液2相出口管113と気液2相流入管112の間隔、またはチャンバ101Aの円筒軸方向の長さL3に比べ短く、実施例1では液体の表面張力に合わせて、L1=0.3mm、L3=3mmとしている。また、気液2相出口管113とチャンバ101Aの内壁との間の距離L2をL1と同等のL2=0.3mmとすることで、気液2相出口管113の管周辺に液体が集まるようにしている。また、本発明の気液分離器100Aにおいては、ガス出口管111と気液2相流入管112を交換しても気液分離を行うことができる。
本実施例1によれば、気液2相流れている経路に気液分離器100Aを設置することで、気液2相流入管112から気液を流入する場合はガス出口管111(もし、ガス出口管111から気液を流入させる場合は気液2相流入管112)から液排出を防止することができる。また、本実施例における気液分離器100Aにおいては、上向き、下向き、横向きなど、様々な設置姿勢による重力の向きの影響を受けにくい液体と気体の表面張力差を利用する気液分離を行っている。本実施例の別形態として、図21に示した気液分離器100Eのように、ケーシング103に接続されたガス出口管111の接続位置は、中央からずらした位置でも良い。
次に、本発明の実施例1による気液分離器100Aの動作について説明する。先ずは、図22を用いて、気液2相流入管112がケーシング101側に備えられている場合の動作について説明する。図22(a)は、気液分離器100A内部構造と気液の流れを示しており、図22(b)は、図22(a)内のM−M断面にて液の流れを示した図となっている。先ず、ケーシング101に備えられた気液2相流入管112では、気液流入流れ115の矢印の向きで、気体と液105が混合した状態で、チャンバ101Aに流入する。次に、ケーシング101に備えられた気液2相出口管113では、気液回収流れ116の矢印の向きで、気体と液107が混合した状態で、101Aから液を回収している。ここで、気液2相出口管113の2次側にはポンプ等が備え付けられており、液107を分離して回収するための吸引力が働いている。
チャンバ101Aでは、気液2相流入管112の液105がチャンバ101Aに流入すると、まずは重力に従い下部に一時的に溜まる。下部に溜まった液106Aは、表面張力および気液2相出口管113の吸引力により、液回収流れ118の矢印の向きで、液106Aがチャンバ101Aの壁面を伝って配管113とチャンバ101Aとの間隙(図8に図示した101B、101C)に液106Bが集まり、その後、液106Bは気液2相出口管113から吸引される。チャンバ106Aについては、例えば表面処理、または研削加工、あるいは材料選択により周囲壁面の濡れ性を高くすることで、液106Aが間隙(図8に図示した101B、101C)に集まりやすくすることができる。濡れ性についてはいわゆる親水性であることが望ましく、濡れ性が高いほど回収性が向上する。
ケーシング102に備えられたガス出口管111では、チャンバ101A内の液106Bが気液2相出口管113により吸引できるため、気体排出流れ116の矢印の向きでチャンバ101Aより気体のみを流出している。気体排出流れ116では、液115がほとんど混じることが無く、気体を排出することができる。ここで、気液回収流れ116の流量は、流入する液105の流量にもよるが、気液流入流れ115の20[%]以上であれば、液105を回収可能となる。例えば一例を示すと、気液流入流れ115の流量が200[ml/分]の場合、気液回収流れ116の流量は40[ml/分](=200[ml/分]の20[%])、気体排出流れ117の流量は160[ml/分]となる。
図23は、実施例1の気液分離器100Aの各向きでの液の流れを示す。図23(a)は図22(a)を180°回転させたもの、図23(b)は図22(a)を90°回転させたもの、図23(c)は図22(a)を270°回転させたものとなっている。図で示したように、どの方向でも気液分離可能となっている。本発明における気液分離器100では、重力の影響を受けにくく、設置向きによらず気液分離可能な気液分離器100を提供できる。
次に、図24を用いて、図22の気液2相流入管112とガス出口管111を入替え、気液2相流入管112がケーシング102側に備えられている場合の動作について説明する。図24(a)は、気液分離器100A内部構造と気液の流れを示しており、図24(b)は、図24(a)内のN−N断面にて液の流れを示した図となっている。先ず、ケーシング102に備えられた気液2相流入管112では、気液流入流れ115の矢印の向きで、気体と液105が混合した状態で、101Aに流入する。
次に、ケーシング101に備えられた気液2相出口管113では、気液回収流れ116の矢印の向きで、気体と液107が混合した状態で、チャンバ101Aから液を回収している。ここで、気液2相出口管113の2次側にはポンプ等が備え付けられており、液107を分離して回収するための吸引力が働いている。チャンバ101Aでは、気液2相流入管112の液105がチャンバ101Aに流入すると、まずは重力に従い下部に一時的に溜まる。下部に溜まった液106Aは、表面張力および気液2相出口管113の吸引力により、液回収流れ118の矢印の向きで、配管113とチャンバ101Aとの間隙(図8に図示した101B、101C)に液106Bが集まり、その後、液106Bは気液2相出口管113から吸引される。ケーシング101に備えられたガス出口管111では、チャンバ101A内の液106Bが気液2相出口管113により吸引できるため、気体排出流れ117の矢印の向きでチャンバ101Aより気体のみを流出している。ここで、気体排出流れ116では、液115がほとんど混じることが無く、気体を排出することができる。
図25は、実施例1の気液分離器100Aの各向きでの液の流れを示す。図25(a)は図24(a)を180°回転させたもの、図25(b)は図24(a)を90°回転させたもの、図25(c)は図24(a)を270°回転させたものとなっている。図で示したように、どの方向でも気液分離可能となっている。本発明における気液分離器100では、重力の影響を受けにくく、設置向きによらず気液分離可能で、気液2相流入管112とガス出口管111を入替え可能な、気液分離器100を提供できる。
次に、本実施例における気液分離器100Aの別形態を、図26と図27に示す。まず、図26の気液分離器100Fでは、ガス出口171Aがケーシング171に備えられておりチャンバ101Aと接続され、ケーシング171はケーシング101と組み合わせられて構成している。これにより、気液分離器100Fは、気体排出流れ117で示したように、チャンバ101A内の気体を、ガス出口171Aを通して外部へ排出している。また、図27の気液分離器100Gでは、ガス出口172Aがケーシング172に備えられておりチャンバ101Aと接続され、ケーシング172はケーシング102と組み合わせられて構成している。これにより、気液分離器100Gは、気体排出流れ117で示したように、チャンバ101A内の気体をガス出口171Aを通して外部へ排出している。このように液105を外部へ排出しないことが目的の場合は、図26、図27の構成とすることもできる。
このように本実施例によれば、気液混合で流れてくる流体について大部分の液体は一方の出口から分離除去(または回収)して吸引でき、もう一方の出口からは気体のみを吐き出すことが可能な気液分離器であって、表面張力および吸引力による流れを利用しているために設置方向を自由にでき、また更に、簡単な構造で実現することができる。
そのため、気液分離器を小型にできるため設置場所の省スペース化につながり、また、簡単な構造で実現できるため気液分離器のコストダウンにつながり、また、設置方向によらず気液分離できるために設置向きが決められないような製品(役割)でも使用することが可能となる。
(実施例2)
次に、実施例2に係る発明について、図9及び図10を用いて説明する。図9は、気液分離器100Bの全体断面図、側面図及び中央部の縦断面図を示し、図10は図9の部分拡大図を示す。図9(a)において、131はガス出口管、122はガス出口管131を挿入し固定するケーシング、132は気液2相流入管、133は気液2相出口管、121は気液2相流入管132と気液2相出口管133を挿入し固定するケーシング、121Aはチャンバ、123は121A内に配置したブロックである。ここでブロック123の材料が樹脂であるとすれば、成形等で簡単に製造できるようになる。
次に、実施例2に係る発明について、図9及び図10を用いて説明する。図9は、気液分離器100Bの全体断面図、側面図及び中央部の縦断面図を示し、図10は図9の部分拡大図を示す。図9(a)において、131はガス出口管、122はガス出口管131を挿入し固定するケーシング、132は気液2相流入管、133は気液2相出口管、121は気液2相流入管132と気液2相出口管133を挿入し固定するケーシング、121Aはチャンバ、123は121A内に配置したブロックである。ここでブロック123の材料が樹脂であるとすれば、成形等で簡単に製造できるようになる。
気液分離器100Bにおいて、ケーシング122とケーシング121を嵌め合い組み合わせて筺体を形成して、筺体の内部に円筒形のチャンバ121Aを形成し、さらにそのチャンバ121Aにかまぼこ型のブロック123を設置する。気液2相流入管131は、円柱形のケーシング122の一端面の中央に設けた孔に挿入してチャンバ121Aに連通している。また、気液2相出口管133と気液2相流入管132は、円柱形のケーシング121に中心点を対称にチャンバ121Aの壁近傍まで挿入し連通させる。そして、気液2相出口管133の箇所に、上記のブロック123を設置し、気液2相出口管133の周辺に間隙を形成する。この間隙については図10を用いて説明する。
図9(b)は、図9(a)のE方向からみた図を示す。ガス出口管131は、円柱形のケーシング122の中心に配置されている。また、図9(c)は、図9(a)のF方向から視た図を示し、気液2相出口管133と気液2相流入管132がケーシング121の中心を点対称の位置に配置されている。図9(d)は、図9(a)のG−G断面図を示しており、円形のチャンバ121Aの内側で、気液2相出口管133の所に半円形状のブロック123を設置している。また、ブロック123の中心部は空間123Aを設け、気液2相流入管132からの気液の流入を妨げないようにしている。
次に、図9(a)の点線枠H部分の拡大図を図10に示す。図10において、ガス出口管131を挿入し固定したケーシング122と、気液2相出口管133を挿入し固定したケーシング121とを嵌め合い組み込んだ筺体を形成し、筐体内に空間のチャンバ121Aを形成し、このチャンバ121Aの気液2相出口管133の所にブロック123を設置する。そして、このブロック123とケーシング122の内壁との間に間隙121Bを形成し、また、ブロック123とケーシング121の内周壁との間に間隙121Cを形成し、さらに、気液2相出口管133を挿入した所のケーシング121とブロック123との間に間隙121Dを形成する。また、図10において、131Aはガス出口管の孔、133Aは気液2相出口管の孔、123Aはブロック123の空間部で、123B,123C、123E,123Dはブロック123とケーシング121との間に凸部で間隙を形成している。
このように本実施例によれば、チャンバ121A内にブロック123を設けることで、部品の製造が簡単となり、製造時間を短縮し、また更に、製造コストを抑えることが可能な気液分離器を提供することができる。
(実施例3)
次に、実施例3に係る発明について、図11及び図12を用いて説明する。図11は、気液分離器100Cの全体断面図、側面図及び中央部のL−L断面図を示し、図12は図11(a)の部分拡大図を示す。図11(a)において、151は気液2相流入管、152はガス出口管、153は気液2相出口管、142は気液2相流入管を挿入し固定したケーシング、141はガス出口管152と気液2相出口管153を挿入し固定したケーシング、143はチャンバ141A内に設置した多孔質板である。気液分離器100Cにおいて、ケーシング142とケーシング141を嵌め合い組み合わせて筺体を形成し、筺体の内部に円筒形のチャンバ141Aを形成する。また、チャンバ141Aのケーシング142の壁に間隙を持たせ、多孔質板143を設置する。気液2相流入管151は円柱形のケーシング142の一端面の中央より挿入し固定してチャンバ141Aと連通している。また、気液2相出口管153は、ケーシング141にチャンバ141Aの奥の方まで挿入し固定し、ガス出口管152はチャンバ141Aの所まで挿入し固定して、それぞれ連通させる。
次に、実施例3に係る発明について、図11及び図12を用いて説明する。図11は、気液分離器100Cの全体断面図、側面図及び中央部のL−L断面図を示し、図12は図11(a)の部分拡大図を示す。図11(a)において、151は気液2相流入管、152はガス出口管、153は気液2相出口管、142は気液2相流入管を挿入し固定したケーシング、141はガス出口管152と気液2相出口管153を挿入し固定したケーシング、143はチャンバ141A内に設置した多孔質板である。気液分離器100Cにおいて、ケーシング142とケーシング141を嵌め合い組み合わせて筺体を形成し、筺体の内部に円筒形のチャンバ141Aを形成する。また、チャンバ141Aのケーシング142の壁に間隙を持たせ、多孔質板143を設置する。気液2相流入管151は円柱形のケーシング142の一端面の中央より挿入し固定してチャンバ141Aと連通している。また、気液2相出口管153は、ケーシング141にチャンバ141Aの奥の方まで挿入し固定し、ガス出口管152はチャンバ141Aの所まで挿入し固定して、それぞれ連通させる。
図11(b)は、図11(a)のJ方向からみた図を示し、ケーシング142の中央部に気液2相流入管151が配置されている。図11(c)は、図11(a)のK方向からみた図を示し、気液2相出口管153とガス出口管152は、ケーシング141の中心を点対称の位置に配置されている。図11(d)は、図11(a)のL−L断面図を示しており、円筒形のチャンバ141A内に突き出した気液2相出口管153がケーシング141の内周壁と間隙を形成している。
また、次に図11(a)の点線枠Mの拡大図を図12に示す。図12において、気液2相流入管151を挿入し固定したケーシング142と、気液2相出口管153を挿入し固定したケーシング141とを嵌め合い組み込んで筐体を形成し、筐体内に空間のチャンバ141Aを形成し、このチャンバ141Aのケーシング142の所に多孔質板143を設置する。また、ケーシング142と多孔質板143との間には間隙142Aを有するように凹部を形成する。さらに、多孔質板143と気液2相出口管153との間にも間隙141Bを形成し、気液2相出口管153とケーシング141との間にも間隙141Cを形成し、液体の表面張力や吸引の流れにより気液が気液2相出口管153より出易くする。気液分離器100Cにおいては、気液2相流入管151とチャンバ141Aとの間に多孔質板143が設置されている。
本実施例によれば、例えば液体とともにインクミストが流れてきた場合、一旦インクミストを補足して、液体がチャンバ141Aの中に流れ込むときに液中にインクミストを溶けさせ、液体と共に気液2相出口管153から吸引することができる。これにより、ガス出口管152から排出するインクミストを低減することができる。
(実施例4)
次に、実施例4に係る発明について、図13及び図14を用いて説明する。図13は、気液分離器100Dの全体断面図、側面図及び中央部のZ−Z断面図を示し、図14は図13(a)の部分拡大図を示す。図13(a)において、161はガス出口管、162は気液2相流入管、163は気液2相出口管、165はガス出口管を挿入し固定したケーシング、160は気液2相流入管162と気液2相出口管163を挿入し固定したケーシング、164は気液2相出口管163を2重にした外側の管である。気液分離器100Dにおいて、ケーシング165とケーシング160を嵌め合い組み合わせて筺体を形成し、筺体の内部に円筒形のチャンバ160Aを形成する。また、気液2相出口管163の先端の部分を二重構造として、チャンバ160Aの奥まで突出して固定する。二重構造は、気液2相出口管163の先端からケーシング160の中程まで形成する。気液2相流入管162はチャンバ160Aの所まで挿入して固定し、チャンバ160Aと連通させる。
次に、実施例4に係る発明について、図13及び図14を用いて説明する。図13は、気液分離器100Dの全体断面図、側面図及び中央部のZ−Z断面図を示し、図14は図13(a)の部分拡大図を示す。図13(a)において、161はガス出口管、162は気液2相流入管、163は気液2相出口管、165はガス出口管を挿入し固定したケーシング、160は気液2相流入管162と気液2相出口管163を挿入し固定したケーシング、164は気液2相出口管163を2重にした外側の管である。気液分離器100Dにおいて、ケーシング165とケーシング160を嵌め合い組み合わせて筺体を形成し、筺体の内部に円筒形のチャンバ160Aを形成する。また、気液2相出口管163の先端の部分を二重構造として、チャンバ160Aの奥まで突出して固定する。二重構造は、気液2相出口管163の先端からケーシング160の中程まで形成する。気液2相流入管162はチャンバ160Aの所まで挿入して固定し、チャンバ160Aと連通させる。
図13(b)は、図13(a)のX方向からみた図を示し、ケーシング165の中央部にガス出口管161が配置されている。図13(c)は、図13(a)のY方向からみた図を示し、気液2相出口管163とガス出口管162は、ケーシング160の中心を点対称の位置に配置されている。図13(d)は、図13(a)のZ−Z断面図を示しており、円筒形のチャンバ160A内に突き出した二重の気液2相出口管163がケーシング160の内周壁と間隙を形成している。
また、次に図13(a)の点線枠Nの拡大図を図14に示す。図14において、ガス出口管161を挿入し固定したケーシング165と、気液2相出口管163を挿入し固定したケーシング160とを嵌め合い組み込んで筐体を形成し、筐体内に空間のチャンバ160Aを形成し、気液2相出口管163はその外周に管164を設けて二重構造とする。従って、気液2相出口管163と外側に管164との間に間隙160Cが形成され、また、二重構造の外側の管とケーシング160の内周壁との間に間隙160Dが形成される。また、二重構造の外側の管164は、チャンバ160Aの外壁側に穴164Aを構成していても良い。この穴164Aを通して、間隙160Dに溜まった液を気液2相出口管163から吸引しやすくすることができる可能性がある。また、ケーシング165と気液2相出口管163との間には間隙160Bを有するように凹部を形成する。このように本実施例によれば、気液2相出口管163の周囲に間隙を形成することにより、液体の表面張力や吸引の流れにより液が気液2相出口管153より吐出し易くする。
(実施例5)
次に、本発明に実施例5に係るインクジェット記録装置の経路構成について、図15を用いて説明する。図15は、インクジェット記録装置400の全体の経路構成を示す図である。インクジェット記録装置400は、本体1と印字ヘッド2と、本体1と印字ヘッド2を接続している導管4で構成されている。本体1に備えられた気液分離器100については、実施例1で説明した気液分離器100A、または、実施例2で説明した気液分離器100B、または、実施例3で説明した気液分離器100C、実施例4で説明した気液分離器100D、いずれかを用いて構成している。
次に、本発明に実施例5に係るインクジェット記録装置の経路構成について、図15を用いて説明する。図15は、インクジェット記録装置400の全体の経路構成を示す図である。インクジェット記録装置400は、本体1と印字ヘッド2と、本体1と印字ヘッド2を接続している導管4で構成されている。本体1に備えられた気液分離器100については、実施例1で説明した気液分離器100A、または、実施例2で説明した気液分離器100B、または、実施例3で説明した気液分離器100C、実施例4で説明した気液分離器100D、いずれかを用いて構成している。
次に、図15のインクジェット記録装置において、インク供給経路について説明する。まず、本実施例のインクジェット記録装置400のインク供給経路について説明する。本体1には、循環するインク7Aを保持する主インク容器18が備えられており、主インク容器18には、主インク容器18内の液体が内部に保持されるのに適正な量である基準液面レベルに達しているか否かを検知する液面センサ38が備えられている。
主インク容器18には、経路201を介して経路の開閉を行う電磁弁22Aに接続されており、電磁弁22Aは経路202を介して合流経路291に接続されている。合流経路291は、経路203を介してインク7Aを吸引、圧送するために使用されるポンプ(供給用)24に接続されている。そして、ポンプ(供給用)24は経路204を介してインク7A中に混入している異物を除去するフィルタ(供給用)28に接続されている。
フィルタ28は、経路205を介してポンプ(供給用)24から圧送されたインク7Aを印字するために適正な圧力に調整する減圧弁33に接続されており、減圧弁33は経路206を介してノズルに供給されるインク7Aの圧力を測定する圧力計31が備えられている。圧力計31は、導管4内を通る経路207を介して印字ヘッド2内に備えられ、インク7Aを吐出する吐出口を備えたノズル8に接続されている。ノズル8吐出口の直進方向には、印字に使用されないために帯電、偏向されずに直進的に飛翔するインク粒子7Cを捕捉するためのガター14が配置されている。
次に、図15において本実施例のインクジェット記録装置400のインク回収経路について説明する。ガター14は、導管4内を通る経路211を介して本体1内に配置されているインク中に混入している異物を除去するフィルタ(回収用)30と接続されており、フィルタ(回収用)30は、経路212を介して経路の開閉を行う電磁弁22Bに接続されている。電磁弁22Bは経路213を介してガター14により捕捉されたインク粒子7Cを吸引するポンプ(回収用)25と接続されている。ポンプ(回収用)25は、経路214を介して合流経路292に接続され、合流経路292は、経路215を介して主インク容器18と接続されている。
次に、図15において、インク補給経路について説明する。本体1には、補充用のインクを保持する補助インク容器19が備えられており、補助インク容器19は、経路221を介して経路の開閉を行う電磁弁22Cに接続されている。そして、電磁弁22Cは、経路222を介して合流経路291に接続されている。
次に、図15において、インク循環経路について説明する。印字ヘッド2内に備えられたノズル8には、インク供給用の経路207の他に導管4内を通る経路225を介して本体1内に備えられ、流路の開閉を行う電磁弁22Dに接続されている。電磁弁22Dは、経路226を介してノズル8からのインクの吸引を行うポンプ(循環用)26に接続され、ポンプ(循環用)26は、経路227を介して合流経路292に接続された構成となっている。
次に、図15において、インクの粘度測定経路について説明する。主インク容器18内のインク7Aの粘度を把握するために、粘度測定器21が設けられている。粘度測定器21の一次側の流路には、経路232を介してインク7A中に混入している異物を除去するフィルタ(粘度測定用)34に接続されており、フィルタ(粘度測定用)34は、経路231を介して主インク容器18に接続されている。粘度測定器21の二次側の流路には、経路233を介して流路の開閉を行うために電磁弁22Eに接続されており、電磁弁22Eは、経路234を介して経路226と合流する合流経路293に接続されている。
次に、図15のインクジェット記録装置の溶剤補給経路について説明する。本体1には、溶剤補給用の溶剤を保持する溶剤容器20が備えられており、溶剤容器20は、経路236を介して溶剤を吸引、圧送するために使用されるポンプ(溶剤用)27に接続されている。ポンプ(溶剤用)27は、経路237を介して流路の開閉を行うために電磁弁22Fに接続されており、電磁弁22Fは、経路238を介して主インク容器18と接続されている。
次に、図15のインクジェット記録装置の排気経路、および液回収経路について説明する。主インク容器18は、経路241を介して本体1に設置された気液分離器100に接続されている。気液分離器100の気液2相出口管は、経路243を介して流路の開閉を行うために電磁弁22Gに接続されており、電磁弁22Gは、経路244を介して経路226と合流する合流経路294に接続されている。また、気液分離器100の気体出口は、本体1に取り付けられた排気ダクト50の内部と接続されている。気液分離器100について、本実施例では一例として、機外に設置された排気ダクト50の内部に設置されているが、これに限定されるものではない。気液分離器100については、できるだけ本体1内部の温度上昇の影響を受け難い場所に設置する方が良く、例えば、気液分離器100および、経路241をファン51で空冷すると、溶剤回収量が多くなる。
次に、本発明の実施例5によるインクジェット記録装置400の運転動作について説明する。図28は、本実施例によるインクジェット記録装置400において、印字操作が行われている時(ノズル8からインク噴出が行われている時)におけるインク流れおよびエア流れを太線で示す流体経路図である。印字動作が行われている運転動作中においては、電磁弁22Aが通電されて流路を開放し、インク供給流れ321に示すように、主インク容器18に貯留されたインク7Aがポンプ(供給用)24を稼動することによりノズル8に供給される。ここで、インク供給流れ321のインク流量は、例えばノズル8の穴径が65[μm]でノズル8へのインク供給圧力が0.250[MPa]の場合は、約3.5[ml/分]となる。
また、インク回収経路においては、電磁弁22Bが通電されて流路を開放し、インク回収流れ322に示すように、印字に使用されなかったインク粒子7Cが、ポンプ(回収用)25を稼動することによりガター14から主インク容器18に回収され、インクを装置内で循環させる動作を行っている。ここで、インク回収流れ322では、ノズル8から吐出されたインク粒子7C(約3.5[ml/分])と、印字に使用されたインク粒子(仮に、0.5[ml/分]とする)の場合、差分の約3.0[ml/分](=3.5−0.5)のインクがガター14から回収されることになる。また、インク回収流れ322では、ガター14からインクと共に吸い込んだエアが流れている。これは、印字ヘッド2内のガター14と、本体1内のポンプ(回収用)25を接続する経路211が4[m]程度あり、インクのみを吸引しようとすると負荷が大きくなり、吸引できずにインクがガター14から溢れてしまうからである。そのため、ガター14からインクを吸引する時は、エアを約150[ml/分]吸引するようにしている。つまり、インク回収流れ322では、インク(例えば、約3.0[ml/分])とエア(例えば、約150[ml/分])を共に、気液混合でインクとエアが混じった状態で流れている。
インクジェット記録装置400に使用されるインク7Aは、印字後すぐに乾燥することが求められており、インク7Aの溶媒には、揮発性の高い溶剤(例えば、メチルエチルケトン、アセトン、エタノール、等)が使用される。インク7Aに揮発性の高い溶媒を用いているために、インク回収流れ322を流れるエアには、飽和蒸気濃度に近い溶剤蒸気が溶け込む。さらに、本体1の温度上昇による主インク容器18の温度分、エアの中に溶剤蒸気が溶け込むことになる。
次に、図28において、溶剤ガス循環流れ323、液回収流れ324、排気流れ325について説明する。液回収経路においては、電磁弁22Gが通電されて流路を開放し、液回収流れ324に示すように、気液分離器100に流入した液がポンプ(循環用)26を稼動することにより主インク容器18に回収されている。ここで、液回収流れ324では、液と飽和した溶剤蒸気が気液混合した状態で流れており、液は例えば約2.5[ml/時](環境温度20[℃])、溶剤蒸気は約80[ml/分]の流量となっている。
主インク容器18には、インク回収流れ322を流れるインクと、液回収流れ324を流れる液が、流入し保持される構成となっている。また、インク回収流れ322を流れる溶剤蒸気(約150[ml/分])と、液回収流れ324を流れる溶剤蒸気(約80[ml/分])とを合わせた溶剤蒸気約230[ml/分](=150+80)は、主インク容器18に流入した後、溶剤ガス循環流れ323で示したように経路241を通り気液分離器100へ流入する。この溶剤蒸気約230[ml/分]については、主インク容器18と気液分離器100との温度差で一部が液化し(例えば約2.5[ml/時](環境温度20[℃])とする)、気液分離器100へ流入する構成となっている。気液分離器100では、液は液回収経路243から吸引することができるため、経路242には気体(溶剤ガス、流量約150[ml/分])を装置外へ排出する。これを、排気流れ325として図中に示した。
次に、図29の本実施例によるインクジェット記録装置400において、粘度測定が行なわれている時、および、溶剤補給が行なわれている時におけるインク流れおよびエア流れ、溶剤流れを太線で示す流体経路図である。インク供給流れ321、および、インク回収流れ322については、図28と同じため説明を省略する。
図29において、インク回収流れ322から主インク容器18に流入した溶剤ガスは、排気流れ326、327に示すように、気液分離器100から排気ダクト50内へ排出され、さらに機外へ排出される。また、粘度測定時に、電磁弁22Eが通電されて流路を開放し、粘度測定時インク流れ328に示すように、主インク容器18に貯留されたインク7Aがポンプ(循環用)26を稼動することにより粘度計21に供給される。このように動作することで、ポンプ(循環用)27を、液回収流れ324と、粘度測定時インク流れ328とで使い分けている。
また、インク回収流れ322にてインク中の溶剤が揮発した分、主インク容器18内のインク濃度が高くなってしまう。そのため、定期的に溶剤を主インク容器18に補給し、ノズル8へ供給するインク濃度を調整している。溶剤補給中は、溶剤補給流れ329に示すように、電磁弁22Fが通電されて流路を開放し、溶剤容器20に貯留された溶剤がポンプ(溶剤用)27を稼動することにより主インク容器18に補給される。
図15のインクジェット記録装置400の機能ブロック図を図16に示す。図16において、インクジェット記録装置400には、例えばMPUを備える制御部300が備えられており、制御部300はバスライン301を介して、操作表示部3、ノズル8、帯電電極11、偏向電極12、エンコーダ16、印字センサ17、粘度測定器21、電磁弁22A〜G、ポンプ24〜27、減圧弁30、液面センサ38及び記録部302等の各部を制御するようになっている。記録部302には、インクジェット記録装置400を制御するためのプログラムが格納されており、制御部300はこのプログラムに基づいてインクジェット記録装置400を構成する各部位を制御するようになっている。記録部302には、印字を行うためのインクの適正なインク粘度、すなわち印字を行うにあたっての上限値(η max)及び下限値(η min)が記録されている。
インクジェット記録装置においては、ノズルから吐出するインクの粘度を印字が適正に行うことができる範囲内に制御する必要があり、適正な範囲から外れたインク粘度になると、ノズルから吐出したインクが粒子化する位置が変化したり、インク粒子が均一な形状に粒子化しないなどの現象が発生して、インク粒子に所望の帯電量を与えることができず、適正な印字結果を得ることができない。そこで、上記現象の発生を避けるため、インクジェット記録装置においては、インク粘度を調整し、所定範囲のインク粘度に維持する手段が必要となる。
上記の本発明の構成による効果は、従来のインクジェット記録装置(例えば、ガター14からの空気吸い込み量150[ml/分]、本体内部温度上昇が環境温度+8[℃]の装置)において、環境温度20[℃]の条件にて、稼働中の溶剤消費量は、約5[ml/時]であったが、本発明の実施例5に係るインクジェット記録装置400によれば、気液分離器100を通過する溶剤ガスの温度を、環境温度+2[℃]程度に抑えることが容易となる。それにより、例えば、環境温度20℃の場合に本体1内の主インク容器18(温度上昇+8℃のため、28℃)で揮発した溶剤成分が、経路141を通過するうちに冷却されて気液分離器内温度(環境温度+2℃のため、22℃)となり、本体内の主インク容器18と気液分離器100との温度差6℃(=28℃−22℃)で、約1.5[ml/時]の溶剤が液化する。液化した溶剤は、気液分離器100から経路243を通過して主インク容器18に戻る構成となっている。そのため、本発明によるインクジェット記録装置400では、稼働中の溶剤消費量を、約3.5[ml/時]程度(=(従来)5[ml/時]−(回収分)1.5[ml/時])に抑えることができる。
以上のように、本実施例にかかるインクジェット記録装置によれば、溶剤消費量を低減することにより顧客のランニングコスト低減を図ることができ、また、本体からの溶剤ガス放出量を低減することで、顧客の作業環境改善を図ることができる。また、本実施例にかかるインクジェット記録装置によれば、装置外に液105を排出することを低減できるため、装置周辺を清潔に保つことが可能となる、インクジェット記録装置を使用することができる。
(実施例6)
次に、実施例6に係る気液分離器を印字ヘッド2に設置した場合のインクジェット記録装置500の全体の経路構成について図17に示し、説明する。また、本実施例6の説明において、実施例5と重複する点においては説明を省略し、異なる点について説明する。
次に、実施例6に係る気液分離器を印字ヘッド2に設置した場合のインクジェット記録装置500の全体の経路構成について図17に示し、説明する。また、本実施例6の説明において、実施例5と重複する点においては説明を省略し、異なる点について説明する。
インクジェット記録装置500には、本体1と印字ヘッド2と、本体1と印字ヘッド2を接続している導管4で構成されている。印字ヘッド2に備えられた気液分離器100については、実施例1で説明した気液分離器100A、または、実施例2で説明した気液分離器100B、または、実施例3で説明した気液分離器100C、または、実施例4で説明した気液分離器100D、いずれかを用いて構成している。
次に、実施例6の気液分離器を印字ヘッドに設置したインクジェット記録装置の経路構成において、排気経路および溶剤ガス循環経路について図17を用いて説明する。図17において、主インク容器18は、経路246を介して分岐経路296に接続されている。分岐経路296は、経路247を介して流路の開閉を行うために電磁弁22Hに接続されており、電磁弁22Hは、導管4内を通る経路248を介して印字ヘッド2内に設置された気液分離器100に接続されている。気液分離器100の気液2相流出管は、導管4内を通る経路250を介して本体1内に設置され、流路の開閉を行うための電磁弁22Jに接続されており、電磁弁22Jは、経路251を介して経路226と合流する合流経路295に接続されている。
次に、本発明の実施例6によるインクジェット記録装置500の運転動作について説明する。実施例6では、図30に示すように、気液分離器がインクジェット記録装置のヘッド内に設置されているものである。図30は印字ヘッドカバー52が外された状態を示す図であり、気液分離器100と経路248〜経路250が接続されている。このような構成をとることで、本実施例では、経路249から溶剤ガスを吐出すことができるため、この印字ヘッドカバー52を取り付けた時の内部空間の溶剤蒸気濃度を高めることが可能となる。また、この印字ヘッド2は、設置方向が決められておらず、全方向に対応する必要がある。そのため、あらゆる方向に対応できる気液分離器100が必要となる。
図31は、本実施例によるインクジェット記録装置500において、印字操作が行われている時(ノズル8からインク噴出が行われている時)におけるインク流れおよびエア流れを太線で示す流体経路図である。インク供給流れ321、および、インク回収流れ322については、実施例6と同じため説明を省略する。図31において、溶剤ガス循環流れ333、液回収流れ334、溶剤ガス供給流れ335について説明する。液回収経路においては、電磁弁22Jが通電されて流路を開放し、液回収流れ334に示すように、気液分離器100に流入した液がポンプ(循環用)26を稼動することにより主インク容器18に回収されている。ここで、液回収流れ334では、液と飽和した溶剤蒸気が気液混合した状態で流れており、液は例えば約2.5[ml/時](環境温度20[℃])、溶剤蒸気は約80[ml/分]の流量となっている。
主インク容器18には、インク回収流れ322を流れるインクと、液回収流れ334を流れる液が、流入し保持される構成となっている。また、インク回収流れ322を流れる溶剤蒸気(約150[ml/分])と、液回収流れ334を流れる溶剤蒸気(約80[ml/分])とを合わせた溶剤蒸気約230[ml/分](=150+80)は、主インク容器18に流入した後、電磁弁22Hが通電されて流路を開放されることで、溶剤ガス循環流れ333で示したように経路248を通り気液分離器100へ流入する。この溶剤蒸気約230[ml/分]については、主インク容器18と気液分離器100との温度差で一部が液化し(例えば約2.5[ml/時](環境温度20[℃])とする)、気液分離器100へ流入する構成となっている。気液分離器100では、液は液回収経路250から吸引することができるため、経路249には気体(溶剤ガス、流量約150[ml/分])を印字ヘッド2内部へ排出する。これを、溶剤ガス供給流れ335として図中に示した。
これにより、印字ヘッド2内にあるガター14からは、飽和蒸気濃度の高い溶剤ガスを吸わせることができるため、インク回収流れ322でインクとエアが気液混合の状態で流れたとしても、インク内の溶剤成分の揮発を低減することができる。また、気液分離器100により、液が印字ヘッド2内に流れ出ることを防止している。
次に、図32の本実施例によるインクジェット記録装置500において、粘度測定が行なわれている時、および、溶剤補給が行なわれている時におけるインク流れおよびエア流れ、溶剤流れを太線で示す流体経路図である。インク供給流れ321、および、インク回収流れ322については、図31と同じため説明を省略する。また、粘度測定時インク流れ328、および、溶剤補給流れ329については、実施例5と同じため説明を省略する。
図32において、インク回収流れ322から主インク容器18に流入した溶剤ガスは、電磁弁22Kが通電されて流路を開放されることで、排気流れ336に示すように、気液分離器100から排気ダクト50内へ排出され、さらに機外へ排出される。このように動作することで、ポンプ(循環用)27を、液回収流れ334と、粘度測定時インク流れ328とで使い分けている。排気流れ336に示すように溶剤ガスを機外へ排出する場合には、ポンプ(循環用)27を別用途で使用する場合と、他に、一時的に溶剤消費量を増加させたい場合に、動作させる場合がある。
次に、図33の本実施例によるインクジェット記録装置500において、気液分離器100の洗浄作業が行われている時における洗浄液流れおよびエア流れを太線で示す流体経路図である。気液分離器100がインク等で汚れた場合の洗浄方法として、図33に示したように、電磁弁22Jが通電されて流路を開放し、ポンプ(循環用)26を稼動した状態で、気液分離器100の経路249の溶剤ガス供給用の穴に洗浄ビン等にて洗浄液(溶剤)をかけて、洗浄液を吸引して気液分離器100内部を洗浄し、インクを取り除く方法がある。図33に、洗浄液およびエアの流れを気液分離器逆洗浄液流れ338、339として示した。この時、洗浄液と共に気液分離器100から吸引されたエアは、電磁弁22Kが通電されて流路を開放されることで、排気流れ340に示すように、気液分離器100と通り、機外へ排出される。
次に、実施例6のインクジェット記録装置の機能ブロック図を図18に示す。図18の機能ブロック図において、インクジェット記録装置500には、例えばMPUを備える制御部300が備えられており、制御部300はバスライン301を介して、操作表示部3、ノズル8、帯電電極11、偏向電極12、エンコーダ16、印字センサ17、粘度測定器21、電磁弁22A〜K、ポンプ24〜27、減圧弁30、液面センサ38及び記録部302等の各部を制御するようになっている。記録部302には、インクジェット記録装置500を制御するためのプログラムが格納されており、制御部300はこのプログラムに基づいてインクジェット記録装置500を構成する各部位を制御するようになっている。記録部302には、印字を行うためのインクの適正なインク粘度、すなわち印字を行うにあたっての上限値(η max)及び下限値(η min)が記録されている。
インクジェット記録装置においては、ノズルから吐出するインクの粘度を印字が適正に行うことができる範囲内に制御する必要があり、適正な範囲から外れたインク粘度になると、ノズルから吐出したインクが粒子化する位置が変化したり、インク粒子が均一な形状に粒子化しないなどの現象が発生して、インク粒子に所望の帯電量を与えることができず、適正な印字結果を得ることができない。そこで、上記現象の発生を避けるため、インクジェット記録装置においては、インク粘度を調整し、所定範囲のインク粘度に維持する手段が必要となる。
本実施例のインクジェット記録装置500においては、インクの濃度が溶剤で薄まってしまった場合、通常稼働中では溶剤消費量が少ないため、インクの濃度を正常値に戻すまで時間がかかってしまう。そこで、インクの粘度を測定した時に規定値以下の場合には、一時的に溶剤消費量を増加させ、インクの濃度を正常な値に戻す制御を行う。
この実施例6の構成による効果は、従来のインクジェット記録装置(例えば、ガター14からの空気吸い込み量150[ml/分]、本体内部温度上昇が環境温度+8[℃]の装置)において、環境温度20[℃]の条件にて、稼働中の溶剤消費量は、約5[ml/時]であったが、本実施例6に係るインクジェット記録装置500によれば、気液分離器100を印字ヘッド2内部に設置することにより、本体1内部の温度上昇により揮発した溶剤成分が溶け込んだ溶剤ガスを、印字ヘッド2内の気液分離器100に送り出すことにより、例えば、「本体1内部温度:28[℃]−印字ヘッド2内部温度:22[℃]=Δ6[℃]」の条件があるとすれば、溶剤ガス中に含まれる溶剤成分が、Δ6[℃]の温度低下により凝縮して液化し、気液分離器100を通過することで、本体1内の主インク容器18に再び回収して再利用することができる。
また、気液分離器100のガス出口112は、印字ヘッド2内に取り付けられており、印字ヘッドカバー52の内部の溶剤ガス濃度を高めて、印字ヘッドカバー2の外部の空気の代わりに、印字ヘッドカバー内部の溶剤ガスをガター14から吸引させることで、インク回収経路において、インク中の溶剤成分が揮発することを防止している。それにより、稼働中の溶剤消費量を、約2.5[ml/時]程度に抑えることができる。
以上のように、本実施例にかかるインクジェット記録装置によれば、実施例5よりも更に溶剤消費量を低減することにより顧客のランニングコスト低減を図ることができ、また、本体からの溶剤ガス放出量を低減することで、顧客の作業環境改善を図ることができる。
(実施例7)
次に、実施例7に係る気液分離器をインクジェット記録装置の本体内に設置した場合のインクジェット記録装置600の全体の経路構成について図19に示し、説明する。また、本実施例7の説明において、実施例5、6と重複する点においては説明を省略し、異なる点について説明する。図19において、主インク容器18は、経路241を介して本体1に設置された気液分離器100に接続されている。気液分離器100の液出口管は、経路243を介して流路の開閉を行うために電磁弁22Gに接続されており、電磁弁22Gは、経路244を介して経路226と合流する合流経路294に接続されている。そして、気液分離器100からの液は、経路294から経路226、経路227及び経路215を介して主インク容器18へ戻る。また、気液分離器100から分離した気体は、経路242を介して排気される。さらに、気液分離器100での溶剤回収量を増加させるために、気液分離器100および、経路241をファン51で空冷する。
次に、実施例7に係る気液分離器をインクジェット記録装置の本体内に設置した場合のインクジェット記録装置600の全体の経路構成について図19に示し、説明する。また、本実施例7の説明において、実施例5、6と重複する点においては説明を省略し、異なる点について説明する。図19において、主インク容器18は、経路241を介して本体1に設置された気液分離器100に接続されている。気液分離器100の液出口管は、経路243を介して流路の開閉を行うために電磁弁22Gに接続されており、電磁弁22Gは、経路244を介して経路226と合流する合流経路294に接続されている。そして、気液分離器100からの液は、経路294から経路226、経路227及び経路215を介して主インク容器18へ戻る。また、気液分離器100から分離した気体は、経路242を介して排気される。さらに、気液分離器100での溶剤回収量を増加させるために、気液分離器100および、経路241をファン51で空冷する。
本実施例によれば、気液分離器100を機内に設置することで、実施例5よりも本体1の凸部を減らし、外部寸法を小型化したインクジェット記録装置を提供することができる可能性がある。
(実施例8)
次に、実施例8に係る気液分離器をインクジェット記録装置の本体内に設置した場合のインクジェット記録装置700の全体の経路構成について図20に示し、説明する。また、本実施例8の説明において、実施例5、6、7と重複する点においては説明を省略し、異なる点について説明する。図20において、主インク容器18は、経路246を介して分岐経路296に接続され、分岐経路296は、経路247を介して流路の開閉を行うために電磁弁22Hに接続され、電磁弁22Hは気液分離器100に接続される。気液分離器110の液出口管は、経路250を介して流路を開閉する電磁弁22Jに接続され、電磁弁22Jは、経路251を介して経路226と合流する合流経路295に接続されている。そして、経路226、経路227、及び経路215を介して気液分離器100から分離した液は主インク容器18に戻る。また、気液分離器100から分離した溶剤ガスは、導管4内を通過する経路249を介して印字ヘッド2内に送り、印字ヘッド内を溶剤ガスで充満するように構成する。このように、印字ヘッド内を溶剤ガスで充満することにより、インク粒子をガターで回収するとき、空気とインク粒子を回収するのではなく、インク粒子と溶剤ガスをガターより回収するので、インクジェット記録装置全体の溶剤の減少を防止できる。
次に、実施例8に係る気液分離器をインクジェット記録装置の本体内に設置した場合のインクジェット記録装置700の全体の経路構成について図20に示し、説明する。また、本実施例8の説明において、実施例5、6、7と重複する点においては説明を省略し、異なる点について説明する。図20において、主インク容器18は、経路246を介して分岐経路296に接続され、分岐経路296は、経路247を介して流路の開閉を行うために電磁弁22Hに接続され、電磁弁22Hは気液分離器100に接続される。気液分離器110の液出口管は、経路250を介して流路を開閉する電磁弁22Jに接続され、電磁弁22Jは、経路251を介して経路226と合流する合流経路295に接続されている。そして、経路226、経路227、及び経路215を介して気液分離器100から分離した液は主インク容器18に戻る。また、気液分離器100から分離した溶剤ガスは、導管4内を通過する経路249を介して印字ヘッド2内に送り、印字ヘッド内を溶剤ガスで充満するように構成する。このように、印字ヘッド内を溶剤ガスで充満することにより、インク粒子をガターで回収するとき、空気とインク粒子を回収するのではなく、インク粒子と溶剤ガスをガターより回収するので、インクジェット記録装置全体の溶剤の減少を防止できる。
本実施例によれば、気液分離器100を機内に設置することで、実施例6と比較し、印字ヘッド2を小型化することができ、また、ケーブル4内を通る経路が少なくなったために製造コストを低減した、インクジェット記録装置を提供することができる可能性がある。
1…本体部、 2…印字ヘッド部、
3…操作表示部、 4…導管、
7A…インク(主インク容器18内)、 7B…インク柱、
7C…インク粒子、 8…ノズル、
9…電歪素子、 11…帯電電極、
12…偏向電極、 13…被印字物、
14…ガター、 15…ベルトコンベア、
16…ロータリエンコーダ、 17…印字センサ、
18…主インク容器、 19…補助インク容器、
20…溶剤容器、 21…粘度測定器、
22A〜K…電磁弁、 24…ポンプ(供給用)、
25…ポンプ(回収用)、 26…ポンプ(溶剤用)、
27…ポンプ(循環用)、 28…フィルタ(供給用)、
29…フィルタ(回収用)、 30…フィルタ(溶剤用)、
31…圧力計、 33…減圧弁、
34…フィルタ(粘度計用)、 38…液面センサ、
50…排気ダクト、 51…ファン、
52…印字ヘッドカバー、
100、100A、100B、100C、100D…気液分離器、
100E、100F、100G…気液分離器、
101…ケーシング、 101A…チャンバ、
101B、101C…間隙、 102、103…ケーシング、
105…液、 106A、106B…液、 107…液、
111…ガス出口管、 112…気液2相流入管、
113…気液2相出口管、
115…気液流入流れ、 116…気液回収流れ、
117…気体排出流れ、 118…液回収流れ、
121…ケーシング、 121A…チャンバ、
121B、121C、 121D…間隙、
122…ケーシング、 123…ブロック、 123A…空間、
123B、123C、123D,123E…凸部、
131…ガス出口管、 132…気液2相流入管、
133…気液2相出口管、 141…ケーシング、
141A…チャンバ、
142A、141B、141C…間隙、
142…ケーシング、 143…多孔質板、
151…気液2相流入管、 152…ガス出口管、
153…気液2相出口管、 160…ケーシング、
160A…チャンバ、
160B、160D、160C…間隙、
161…ガス出口管、 162…気液2相流入管、
163…気液2相出口管、
164…気液2相出口管の外側の管、 164A…穴、
165…ケーシング、
171、172…ケーシング、171A、172A…ガス出口、
201〜207…経路(インク供給用)、
211〜215…経路(インク回収用)、
221〜222…経路(インク補給用)、
225〜227…経路(循環用)、
231〜234…経路(粘度測定用)、
236〜238…経路(溶剤補給用)、
241〜244…経路(溶剤ガス循環用)、
246〜251…経路(溶剤ガス循環用)、
256〜257…経路(排気用)、
291〜295…合流経路、
296…分岐経路、
300…制御部、 301…バスライン、 302…記録部、
321…インク供給流れ、322…インク回収流れ、
323…溶剤ガス循環流れ、324…液回収流れ、325…排気流れ、
326、327…排気流れ、328…粘度測定時インク流れ、
329…溶剤補給流れ、333…溶剤ガス循環流れ、
334…液回収流れ、335…溶剤ガス供給流れ、336…排気流れ、
338、339…気液分離器洗浄液流れ、
340…排気流れ、400…インクジェット記録装置、
600…扉、610…本体1の下部の前側、620…本体1の下部の後側、
630…外部ユニット
3…操作表示部、 4…導管、
7A…インク(主インク容器18内)、 7B…インク柱、
7C…インク粒子、 8…ノズル、
9…電歪素子、 11…帯電電極、
12…偏向電極、 13…被印字物、
14…ガター、 15…ベルトコンベア、
16…ロータリエンコーダ、 17…印字センサ、
18…主インク容器、 19…補助インク容器、
20…溶剤容器、 21…粘度測定器、
22A〜K…電磁弁、 24…ポンプ(供給用)、
25…ポンプ(回収用)、 26…ポンプ(溶剤用)、
27…ポンプ(循環用)、 28…フィルタ(供給用)、
29…フィルタ(回収用)、 30…フィルタ(溶剤用)、
31…圧力計、 33…減圧弁、
34…フィルタ(粘度計用)、 38…液面センサ、
50…排気ダクト、 51…ファン、
52…印字ヘッドカバー、
100、100A、100B、100C、100D…気液分離器、
100E、100F、100G…気液分離器、
101…ケーシング、 101A…チャンバ、
101B、101C…間隙、 102、103…ケーシング、
105…液、 106A、106B…液、 107…液、
111…ガス出口管、 112…気液2相流入管、
113…気液2相出口管、
115…気液流入流れ、 116…気液回収流れ、
117…気体排出流れ、 118…液回収流れ、
121…ケーシング、 121A…チャンバ、
121B、121C、 121D…間隙、
122…ケーシング、 123…ブロック、 123A…空間、
123B、123C、123D,123E…凸部、
131…ガス出口管、 132…気液2相流入管、
133…気液2相出口管、 141…ケーシング、
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142A、141B、141C…間隙、
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160A…チャンバ、
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161…ガス出口管、 162…気液2相流入管、
163…気液2相出口管、
164…気液2相出口管の外側の管、 164A…穴、
165…ケーシング、
171、172…ケーシング、171A、172A…ガス出口、
201〜207…経路(インク供給用)、
211〜215…経路(インク回収用)、
221〜222…経路(インク補給用)、
225〜227…経路(循環用)、
231〜234…経路(粘度測定用)、
236〜238…経路(溶剤補給用)、
241〜244…経路(溶剤ガス循環用)、
246〜251…経路(溶剤ガス循環用)、
256〜257…経路(排気用)、
291〜295…合流経路、
296…分岐経路、
300…制御部、 301…バスライン、 302…記録部、
321…インク供給流れ、322…インク回収流れ、
323…溶剤ガス循環流れ、324…液回収流れ、325…排気流れ、
326、327…排気流れ、328…粘度測定時インク流れ、
329…溶剤補給流れ、333…溶剤ガス循環流れ、
334…液回収流れ、335…溶剤ガス供給流れ、336…排気流れ、
338、339…気液分離器洗浄液流れ、
340…排気流れ、400…インクジェット記録装置、
600…扉、610…本体1の下部の前側、620…本体1の下部の後側、
630…外部ユニット
Claims (13)
- 内部にチャンバを有するケーシングと、
該ケーシングに結合され、該チャンバに接続される気液2相流入管と、
前記チャンバ内のガスを吐出するガス出口穴と、
前記チャンバ内の液を吐出する気液2相出口管と、を備える気液分離器であって、
前記チャンバ内の前記気液2相出口管の周囲に間隙を形成し、
前記気液分離器の使用状態において、前記気液2層出口管の気液流出口は前記ガス出口穴の流出口よりも上部に配置可能とする構成としたことを特徴とする気液分離器。 - 請求項1記載の気液分離器において、チャンバは円筒形であることを特徴とする気液分離器。
- 請求項2記載の気液分離器において、
前記チャンバは、前記気液2相流入管を接続した第1のケーシングと、前記ガス出口穴及び気液2相出口管を接続した第2のケーシングとを組み込んで形成し、
前記気液2相出口管は、前記チャンバの奥まで突出させ、前記第1のケーシングとで間隙を形成し、さらに、前記チャンバの内周壁とで間隙を形成する構成としたことを特徴とする気液分離器。 - 請求項2記載の気液分離器において、
前記チャンバは、前記気液2相流入管を接続した第1のケーシングと、前記ガス出口穴及び気液2相出口管を接続した第2のケーシングとを組み込んで形成し、
前記チャンバ内で、前記気液2相出口管と前記第1のケーシングとの間にブロックを設置し、前記気液2相出口管と該ブロックの間、前記第2のケーシングと該ブロックの間、前記第1のケーシングとブロックの間のそれぞれに間隙を形成した構成とすることを特徴とする気液分離器。 - 請求項2記載の気液分離器において、
前記チャンバは、前記気液2相流入管を接続した第1のケーシングと、前記ガス出口穴及び気液2相出口管を接続した第2のケーシングとを組み込んで形成し、
前記気液2相出口管は、前記チャンバの奥まで突出させ、該チャンバ内の該気液2相出口管と前記第1のケーシングとの間に多孔質板を配置したことを特徴とする気液分離器。 - 請求項2記載の気液分離器において、
前記チャンバは、前記気液2相流入管を接続した第1のケーシングと、前記ガス出口穴及び気液2相出口管を接続した第2のケーシングとを組み込んで形成し、
前記気液2相出口管は、前記チャンバの奥まで突出させ、2重構造とした構成とすることを特徴とする気液分離器。 - 請求項3乃至6のいずれか1項に記載の気液分離器において、
前記第2のケーシングに接続する前記気液2相出口管と前記ガス出口穴は、円の中心の点対称の位置に配置されることを特徴とする気液分離器。 - 請求項2乃至6のいずれか1項に記載の気液分離器において、
前記気液2相流入管と前記ガス出口穴を入れ替えて使用可能であることを特徴とする気液分離器。 - 装置本体に収納されているインクを貯留するインク容器と、
前記インクをインク粒子として吐出して被印字物に印字を行うノズルと、
前記インク容器から該ノズルに前記インクを供給するためのインク供給流路と、
前記ノズルより吐出した前記インク粒子のうち印字に使用しない前記インク粒子を回収するガターと、
該ガターで回収した前記インク粒子を前記インク容器に回収するインク回収流路と、
前記インク容器に接続され溶剤ガスをインク容器から排出する排気経路と、
前記排気経路内にて、温度低下による溶剤ガスの凝集液を気液分離するための気液分離器と、を備えたインクジェット記録装置であって、
前記気液分離器は、内部に円筒形のチャンバを備えたケーシングと、
前記ケーシングに結合され内部チャンバに接続される気液2相流入管と、
前記チャンバ内に流入した気液のガスを吐出すガス出口穴と、
前記チャンバ内に流入した気液の液を吐出する気液2相出口管と、を備え、
前記チャンバ内の前記気液2相出口管の周囲に間隙を形成し、
前記気液分離器の使用状態において、前記気液2層出口管の気液流出口は前記ガス出口穴の流出口よりも上部に配置可能とした構成であることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項9記載のインクジェット記録装置において、
該インクジェット記録装置は、装置本体と印字する印字ヘッドより構成され、
前記気液分離器は、該印字ヘッドに搭載したことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項9記載のインクジェット記録装置において、
該インクジェット記録装置は、装置本体と印字する印字ヘッドより構成され、
前記気液分離器は、該装置本体内または装置本体に外付けして設置することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項9記載のインクジェット記録装置において、
前記気液分離器を冷却するファンを設置したことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項9記載のインクジェット記録装置において、
前記気液分離器で分離した溶剤ガスを印字ヘッド内で充満させることを特徴とするインクジェット記録装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH055579A (ja) * | 1991-06-27 | 1993-01-14 | Mitsubishi Electric Corp | 気液分離器 |
JPH07125256A (ja) * | 1992-03-12 | 1995-05-16 | Hitachi Ltd | インクジェット記録装置 |
-
2016
- 2016-06-16 JP JP2016119556A patent/JP6130560B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH055579A (ja) * | 1991-06-27 | 1993-01-14 | Mitsubishi Electric Corp | 気液分離器 |
JPH07125256A (ja) * | 1992-03-12 | 1995-05-16 | Hitachi Ltd | インクジェット記録装置 |
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JP6130560B2 (ja) | 2017-05-17 |
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