JP2016190379A - 液状体吐出装置の駆動設定方法及び駆動設定プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数回の吐出の各回における吐出量の差による影響を小さくすることができる液状体吐出装置の駆動設定方法を提供する。【解決手段】複数回の吐出の各回に設定された駆動条件に基づいて、複数回の吐出の各回の吐出量を取得し、総吐出量を算出するAステップS301と、複数回の吐出のうち、一つの回の吐出を選択するBステップS302と、Bステップで選択した一つの回の吐出において、一つの回の吐出の吐出量と、目標総吐出量と、総吐出量とに基づいて、吐出量を補正するための駆動条件の変更を行うCステップS303と、CステップS303で変更した駆動条件に基づいて、BステップS302で選択した一つの回の吐出の補正された吐出量を取得し、総吐出量を再算出するDステップS304と、を含む。【選択図】図12
Description
本発明は、液状体吐出装置の駆動設定方法及び駆動設定プログラムに関する。
近年、機能性材料を含む液状体を複数のノズルから吐出対象物である基板に対して吐出し、基板上に設けられた配置領域に所定量の液状体を配置した後、乾燥(固化)して薄膜を形成する方法が提案されている。薄膜の代表的な例としては、液晶表示パネルのカラーフィルタや有機ELパネルの発光層、半導体デバイスの金属配線などが挙げられる。
このような方法では、良質な薄膜を形成するために、各ノズルから吐出される液状体の吐出量がノズル間で均等であることが要求される。ノズル間の吐出量のバラツキは、液状体の配置ムラの原因となり、均質な薄膜を形成するのを阻害するからである。
したがって、ノズル間の吐出量のバラツキを測定し、そのバラツキを補償(補正)するための駆動条件(例えば電圧値)を設定することが必要となる。この場合、ノズル毎に独立した駆動条件を設定できることが理想的である。
しかしながら、複数のノズル(ノズルアレイ)を有する吐出ヘッドや、吐出ヘッドの駆動を制御する制御部の構成によっては、実際に設定できる駆動条件に制約が生じてしまう。また、ノズル間の吐出量のバラツキについては、ノズルアレイや吐出ヘッド毎に様々であるため、各ノズルの駆動条件をノズル毎に一律な方法で適切に設定することは困難である。
そこで、ノズル間の吐出量のバラツキを補償する技術として、複数のノズルの所定の駆動条件に基づく吐出量を求め、各ノズルの吐出量の差(バラツキ)に基づき、各ノズルを複数のグループに分類し、グループ毎に各ノズルの吐出量の差が小さくなる適正条件を求め、この適正条件に基づいて、グループ毎に補正された駆動条件を設定する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
下記特許文献1に記載の技術では、上述したグループ毎に補正された駆動条件を設定することで、ノズル毎に独立した駆動条件を設定することなく、複数の配置領域のそれぞれに配置される液状体の配置量を均一化することが可能である。
ところで、上述した液状体吐出装置では、吐出ヘッドの走査方向と交差する方向(副走査方向という。)に、複数のノズルがライン状に配列されたノズルアレイを構成している。このため、吐出ヘッドを配置領域の短手方向に沿って走査する場合(横描画という。)の方が、配置領域の長手方向に沿って走査する場合(縦描画という。)よりも、それぞれの配置領域において液状体の吐出が選択されるノズル数が多くなる。
一方、縦描画の方が横描画よりも、それぞれの配置領域において液状体の吐出が選択されるノズル数が少なくなる分だけ、1つのノズルから吐出される液状体の吐出回数(ショット数という。)が多くなる。この場合、上述した各ノズルを複数のグループに分類し、グループ毎に補正された駆動条件を設定したことによる効果が小さくなる。
すなわち、各配置領域において選択されるノズル数が少なくなるほど、各ノズルのショット数毎の吐出量の差(バラツキ)による影響が大きくなる。その結果、各配置領域に配置される液状体の配置量のバラツキが大きくなる。
例えば、1つの配置領域に吐出量が多いノズルが集中した場合、その配置領域に配置される液状体の配置量は、他の配置領域に配置される液状体の配置量よりも多くなる。この場合、複数の配置領域のそれぞれに配置される液状体の配置量を均一化することが困難となり、上述した液状体の配置ムラの原因ともなる。
本発明の一つの態様は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、複数回の吐出の各回における吐出量の差による影響を小さくすることができる液状体吐出装置の駆動設定方法及び駆動設定プログラムを提供することを目的の一つとする。
本発明の一つの態様に係る液状体吐出装置の駆動設定方法は、ノズルを有する吐出ヘッドを備える液状体吐出装置において、吐出ヘッドを吐出対象物に対して相対的に移動させる走査を行いながら、ノズルから複数回の吐出を行うことにより、吐出対象物に設けられた配置領域に対して所定量の液状体を配置する際に、ノズルの駆動条件を設定する液状体吐出装置の駆動設定方法であって、複数回の吐出の各回における吐出量の総和である総吐出量の目標値として目標総吐出量を設定し、目標総吐出量に基づいて、ノズルに対して複数回の吐出の各回における駆動条件を設定する駆動条件設定工程と、複数回の吐出のうち少なくとも一つの回において吐出量の補正を行う吐出量補正工程と、を有し、吐出量補正工程は、複数回の吐出の各回に設定された駆動条件に基づいて、複数回の吐出の各回の吐出量を取得し、総吐出量を算出するAステップと、複数回の吐出のうち、一つの回の吐出を選択するBステップと、Bステップで選択した一つの回の吐出において、一つの回の吐出の吐出量と、目標総吐出量と、総吐出量とに基づいて、吐出量を補正するための駆動条件の変更を行うCステップと、Cステップで変更した駆動条件に基づいて、Bステップで選択した一つの回の吐出の補正された吐出量を取得し、総吐出量を再算出するDステップと、を含むことを特徴とする。
この方法によれば、複数回の吐出の各回における吐出量の差による影響を小さくすることができる。したがって、この方法によれば、配置領域において液状体の吐出が選択されるノズル数が少なくなる場合でも、配置領域に配置される液状体の配置量を予め設定された目標配置量に近づけることができる。
また、上記液状体吐出装置の駆動設定方法では、Bステップと、Cステップと、Dステップとを、この順で繰り返し行う方法であってもよい。
この方法によれば、複数回の吐出の各回における吐出量の差による影響を更に小さくすることができる。
また、上記液状体吐出装置の駆動設定方法では、Bステップにおいて、複数回の吐出のうち、未だ駆動条件の変更が行われていない回の吐出から、一つの回の吐出を選択する方法であってもよい。
この方法によれば、複数回の吐出の各回における吐出量の差による影響を更に小さくすることができる。
また、上記液状体吐出装置の駆動設定方法では、Dステップで算出した総吐出量が目標総吐出量と一致している場合、Dステップを実施した後に、吐出量補正工程を完了する方法であってもよい。
この方法によれば、配置領域に配置される液状体の配置量を目標配置量と一致させることができる。
また、上記液状体吐出装置の駆動設定方法では、複数回の吐出の全ての回の駆動条件を変更した場合、Dステップを実施した後に、吐出量補正工程を完了する方法であってもよい。
この方法によれば、配置領域に配置される液状体の配置量を目標配置量に更に近づけることができる。
また、上記液状体吐出装置の駆動設定方法では、最小補正量を予め設定し、目標総吐出量と総吐出量とを一致させるために必要な補正量が、最小補正量よりも小さい場合、吐出量補正工程を完了する方法であってもよい。
この方法によれば、配置領域に配置される液状体の配置量を目標配置量により近づけることができる。
また、上記液状体吐出装置の駆動設定方法では、複数回の吐出の各回における吐出補正量が略均一となるように、最小補正量を設定する方法であってもよい。
この方法によれば、複数回の吐出の各回における吐出量の差による影響を小さくすることができる。
また、上記液状体吐出装置の駆動設定方法では、Cステップの駆動条件の変更において、総吐出量と目標総吐出量との差が小さくなるように、駆動条件の変更を行う方法であってもよい。
この方法によれば、配置領域に配置される液状体の配置量を目標配置量に近づけることができる。
また、上記液状体吐出装置の駆動設定方法では、Cステップの駆動条件の変更において、目標とする補正量を目標補正量として設定し、目標補正量に基づいて駆動条件の変更を行う方法であってもよい。
この方法によれば、複数回の吐出の各回における吐出量の差による影響を小さくすることができる。
また、上記液状体吐出装置の駆動設定方法では、Cステップにおいて、目標総吐出量と総吐出量とを一致させるために必要な補正量を目標補正量とする方法であってもよい。
この方法によれば、配置領域に配置される液状体の配置量を目標配置量と一致させることができる。
また、上記液状体吐出装置の駆動設定方法では、最大補正量を予め設定し、Cステップの駆動条件の変更において、目標総吐出量と総吐出量とを一致させるために必要な補正量が最大補正量よりも大きい場合、最大補正量を目標補正量とする方法であってもよい。
この方法によれば、配置領域に配置される液状体の配置量を目標配置量に効率良く近づけることができる。
また、上記液状体吐出装置の駆動設定方法では、最大補正量を予め設定し、Cステップの駆動条件の変更において、目標総吐出量と総吐出量とを一致させるために必要な補正量が最大補正量よりも小さい場合、目標総吐出量と総吐出量とを一致させるために必要な補正量を目標補正量とする方法であってもよい。
この方法によれば、配置領域に配置される液状体の配置量を目標配置量と一致させることができる。
また、上記液状体吐出装置の駆動設定方法では、複数回の吐出の各回における補正量が略均一となるように、最大補正量を設定する方法であってもよい。
この方法によれば、複数回の吐出の各回における吐出量の差による影響を小さくすることができる。
また、上記液状体吐出装置の駆動設定方法において、吐出ヘッドは、ノズルに対応して設けられた駆動素子を有し、複数回の吐出の各々を、駆動素子を駆動することにより行い、駆動条件は、駆動素子に印加する駆動電圧波形であり、駆動条件の変更は、駆動電圧波形の変更であり、複数回の吐出の各々における駆動電圧波形の変更可能範囲に基づき、最大補正量を設定する方法であってもよい。
この方法によれば、駆動条件の変更を精度良く行うことができる。
また、上記液状体吐出装置の駆動設定方法において、吐出ヘッドは、ノズルに対応して設けられた駆動素子を有し、複数回の吐出の各々を、駆動素子を駆動することにより行い、駆動条件は、駆動素子に印加する駆動電圧波形であり、駆動条件の変更は、駆動電圧波形の変更である方法であってもよい。
この方法によれば、駆動条件の変更を精度良く行うことができる。
また、上記液状体吐出装置の駆動設定方法では、複数回の吐出のうち、1回目の吐出から順に最終回の吐出に向けて、吐出量補正工程を完了するまで、Bステップと、Cステップと、Dステップとを繰り返し実施する方法であってもよい。
この方法によれば、複数回の吐出の各回における吐出量の差による影響を小さくすることができる。
また、上記液状体吐出装置の駆動設定方法では、複数回の吐出のうち、最終回の吐出から順に1回目の吐出に向けて、吐出量補正工程を完了するまで、Bステップと、Cステップと、Dステップとを繰り返し実施する方法であってもよい。
この方法によれば、複数回の吐出の各回における吐出量の差による影響を小さくすることができる。
また、本発明の一つの態様に係る液状体吐出装置の駆動設定プログラムは、ノズルを有する吐出ヘッドを備える液状体吐出装置において、吐出ヘッドを吐出対象物に対して相対的に移動させる走査を行いながら、ノズルから複数回の吐出を行うことによって、吐出対象物へ液状体を供給する際に、ノズルの駆動条件を設定する液状体吐出装置の駆動設定プログラムであって、前記何れかの液状体吐出装置の駆動設定方法を実行することを特徴とする。
このプログラムによれば、複数回の吐出の各回における吐出量の差による影響を小さくすることができる液状体吐出装置の駆動設定方法を実行することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。また、以下の説明で用いる図面では、各構成要素を見やすくするため、構成要素を模式的に示している場合があり、構成要素によっては寸法の縮尺を異ならせて示すこともある。
なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。また、以下の説明で用いる図面では、各構成要素を見やすくするため、構成要素を模式的に示している場合があり、構成要素によっては寸法の縮尺を異ならせて示すこともある。
(液状体吐出装置)
先ず、本発明の一実施形態として、例えば図1に示す液状体吐出装置200の具体的な構成及びその動作について説明する。なお、図1は、液状体吐出装置200の概略構成を示す斜視図である。
先ず、本発明の一実施形態として、例えば図1に示す液状体吐出装置200の具体的な構成及びその動作について説明する。なお、図1は、液状体吐出装置200の概略構成を示す斜視図である。
液状体吐出装置200は、図1に示すように、直線的に設けられた一対のガイドレール201と、ガイドレール201の内部に設けられたエアスライダ及びリニアモータ(共に図示せず。)により主走査方向に移動する主走査移動台203とを備えている。また、液状体吐出装置200は、ガイドレール201の上方において、ガイドレール201に直交するように直線的に設けられた一対のガイドレール202と、ガイドレール202の内部に設けられたエアスライダ及びリニアモータ(共に図示せず。)により副走査方向に沿って移動する副走査移動台204とを備えている。
主走査移動台203上には、吐出対象物としての基板Pを載置するためのステージ205が設けられている。ステージ205は、基板Pを吸着した状態で固定する構成となっている。また、ステージ205と主走査移動台203との間に設けられた回転機構207によって、基板P内の基準軸を主走査方向と副走査方向とに正確に合わせることが可能となっている。
副走査移動台204は、回転機構208を介して吊り下げ式に取り付けられたキャリッジ209を備えている。キャリッジ209は、後述する液状体を吐出する複数の吐出ヘッド11,12(図1において図示せず。)を備えるヘッドユニット10と、各吐出ヘッド11,12の駆動を制御する制御回路基板30(図1において図示せず。)とを備えている。また、各吐出ヘッド11,12は、液状体を供給する液状体供給機構(図示せず。)と接続されている。
図2は、ヘッドユニット10を構成する各吐出ヘッド11,12の配置構成を示す平面図である。ヘッドユニット10を構成する各吐出ヘッド11,12は、図2に示すように、液状体を吐出する複数のノズルnを有している。
本実施形態では、有機ELパネルの発光層を形成する場合を例示している。このため、各吐出ヘッド11,12は、それぞれ赤(R)、緑(G)、青(B)の各色発光層に対応する有機EL発光材料を含む液状体を吐出する。また、一方の吐出ヘッド11と他方の吐出ヘッド12とは、互いに副走査方向に位置をずらして配置されており、互いに吐出可能範囲を補完する関係にある。
各吐出ヘッド11,12における複数(本実施形態では60個)のノズルnは、所定のピッチ(例えば180dpi)でライン状に配列されたノズルアレイ21A,21Bを構成している。ノズルアレイ21A,21Bを構成するノズルnの並び方向は、副走査方向に一致している。また、ノズルアレイ21A,21Bを構成するノズルnは、互いに千鳥状に配列されている。
吐出ヘッド11,12には、各ノズルnにそれぞれ連通する液室としてのキャビティ(図示せず。)が設けられている。各キャビティには、その可動壁を駆動して容積を可変するための駆動素子としての圧電素子16(図2において図示せず。)が設けられている。吐出ヘッド11,12では、圧電素子16に駆動信号(駆動電圧)を供給してキャビティ内の液圧を制御することによって、ノズルnから液滴(液状体)を吐出させることが可能となっている。
ここで、液状体吐出装置200が備える吐出ヘッド11,12の動作の一例として、有機ELパネルの発光層を形成する際の動作について図3を参照して説明する。なお、図3は、吐出ヘッド11,12が備えるノズルnの走査軌跡と、基板Pとの位置関係を示す平面図である。
各ノズルnは、図3に示すように、吐出ヘッド11,12を基板Pに対して主走査方向に走査させると、基板Pに対して連続した所定ピッチ(例えば360dpi)の走査軌跡を描く。
このとき、ノズルアレイ21A,21Bの端部の数個分(本実施形態では3個)のノズルnは、その特性の特異性に鑑みて使用しないダミーノズル(塗り潰して図示する。)とされている。一方の吐出ヘッド11が備えるダミーノズルに掛かる走査領域は、他方の吐出ヘッド12が備えるノズルnで補完される関係となっている。また、他方の吐出ヘッド12が備えるダミーノズルに掛かる走査領域は、一方の吐出ヘッド11のノズルnで補完される関係となっている。
基板Pには、有機ELパネルの各画素に対応する配置領域50を規定するバンク51が、感光性樹脂等を用いて予め形成されている。この場合、走査軌跡に関して、配置領域50に掛かり得るノズルnと掛かり得ないノズルnとが存在するが、配置領域50への液状体の配置は、配置領域50に掛かり得るノズルnからの液状体の吐出によって選択的に行われる。
ここで、図3では、一方の吐出ヘッド11が備えるノズルアレイ21A,21Bと、他方の吐出ヘッド12が備えるノズルアレイ21A,ノズルアレイ21Bとを構成する各ノズルnに、それぞれノズル番号A1〜A5,B1〜B5と、ノズル番号C49〜C54,D49〜D54とを付している。
このノズル番号は、各ノズルアレイ21A,21Bの並び方向におけるノズルnの配列順を示した通し番号のことである。本実施形態では、1つのノズルアレイにつき、ダミーノズルを除いた1〜54つのノズル番号を付すことができる。
図3において、ノズル番号D53,C54,D54,A1,B1のノズルnは、走査中のそれぞれ適切な期間において、同一の配置領域50に対して液状体を吐出することができる。また、ノズル番号C50,C53,A2,A5のノズルnは、走査軌跡がバンク51に掛かっているため、当該走査中の全期間において液状体の吐出を行わない。このようなノズルnごとの吐出/非吐出の制御は、後述する各ノズルnに対応した圧電素子16への駆動信号の供給のスイッチングによって行われる。
なお、液状体吐出装置200の構成については、上記実施形態のものに限定されるものではない。例えば、ノズルアレイ21A,21Bの配列方向を副走査方向から傾けて、ノズルnの走査軌跡のピッチがノズルアレイ21A,21B内におけるノズルn間のピッチに対して狭くなるように構成することもできる。また、ヘッドユニット10における吐出ヘッド11,12の数やその配置構成なども適宜変更することができる。また、吐出ヘッド11,12の駆動方式としては、例えば、キャビティに加熱素子を備えたいわゆるサーマル方式などを採用することもできる。
次に、上記液状体吐出装置200が備える具体的な電気回路の構成及びその動作について、図4及び図5を参照して説明する。なお、図4は、液状体吐出装置200が備える電気回路の概略構成を示す回路図である。図5は、吐出ヘッド11,12を駆動する際の駆動信号及び制御信号のタイミングチャートを示すグラフである。
吐出ヘッド11,12は、図4に示すように、各ノズルアレイ21A,21Bのノズルn(図4において図示せず。)毎に設けられた圧電素子16と、各圧電素子16への駆動信号(COM)の供給/非供給の切り替えを行うためのスイッチング回路17と、各圧電素子16への供給に係る駆動信号の供給ライン(以下、COMラインという。)COM1〜COM4を選択するための駆動信号選択回路18とを備えている。また、吐出ヘッド11,12は、制御部を構成する制御回路基板30と電気的に接続されている。
制御回路基板30は、それぞれ独立した駆動信号(COM)を生成するD/Aコンバータ(DAC)31A〜31Dと、D/Aコンバータ31A〜31Dが生成する駆動信号(COM)のスルーレートデータ(以下、波形データという。)WD1〜WD4の格納メモリを内部に有する波形データ選択回路32と、外部から受信される吐出制御データを格納するためのデータメモリ33とを備えている。制御回路基板30における各COMラインCOM1〜COM4には、D/Aコンバータ31A〜31Dで生成された駆動信号がそれぞれ出力されるようになっている。
各ノズルアレイ21A,21Bにおいて、圧電素子16の一方の電極16cは、D/Aコンバータ31A〜31DのグランドラインGNDに接続されている。また、圧電素子16の他方の電極(以下、セグメント電極という。)16sは、スイッチング回路17及び駆動信号選択回路18を介して、COMラインCOM1〜COM4に接続されている。また、スイッチング回路17、駆動信号選択回路18及び波形データ選択回路32には、それぞれクロック信号CLKや、各吐出タイミングに対応したラッチ信号LATが入力されるようになっている。
データメモリ33には、吐出ヘッド11,12の走査位置に応じて周期的に設定される吐出タイミング毎に、次のデータが格納されている。すなわち、各圧電素子16への駆動信号(COM)の供給/非供給(ON/OFF)の切り替えを規定する吐出データ(SIA)と、各圧電素子16に対応したCOMラインCOM1〜COM4を規定する駆動信号選択データ(SIB)と、D/Aコンバータ31A〜31Dに入力される波形データWD1〜WD4の種別を規定する波形番号データ(WN)である。
本実施形態では、吐出データ(SIA)は、1ノズル当たり1ビット(0,1)で構成され、駆動信号選択データ(SIB)は、1ノズル当たり2ビット(0,1,2,3)で構成され、波形番号データ(WN)は、1D/Aコンバータ当たり7ビット(0〜127)で構成されている。なお、これらのデータ構成については適宜変更が可能である。
吐出ヘッド11,12では、図5に示すタイミングチャートに従って各ノズルnに対する駆動制御が行われる。具体的には、先ず、図5に示すタイミングt1〜t2の期間において、吐出データ(SIA)、駆動信号選択データ(SIB)、波形番号データ(WN)が、それぞれシリアル信号化されて、スイッチング回路17、駆動信号選択回路18及び波形データ選択回路32に送信される。
そして、タイミングt2において各データがラッチされることで、吐出(ON)に係る各圧電素子16のセグメント電極16sが、駆動信号選択データ(SIB)で指定された各COMラインCOM1〜COM4に接続された状態となる。例えば、駆動信号選択データ(SIB)が0,1,2,3である場合、対応する圧電素子16のセグメント電極16sはそれぞれのCOMラインCOM1,COM2,COM3,COM4に接続される。また、D/Aコンバータ31A〜31Dの生成に係る駆動信号の波形データ(WD1〜WD4)が設定される。
次に、図5に示すタイミングt3〜t4、t4〜t5、t5〜t6の各期間において、タイミングt2で設定された波形データに従い、それぞれ電位上昇、電位保持、電位降下の一連のステップで駆動信号(COM)が生成される。そして、各COMラインCOM1〜COM4とそれぞれ接続された状態にある圧電素子16に、生成された駆動信号が供給され、ノズルに連通するキャビティの容積(圧力)制御が行われる。
ここで、タイミングt3〜t4における電位上昇成分はキャビティを膨張させ、液状体をノズルnの内方に引き込む役割を果たしている。また、タイミングt5〜t6における電位降下成分は、キャビティを収縮させ、液状体をノズルnの外に押し出して吐出させる役割を果たしている。
駆動信号(COM)における電位上昇、電位保持、電位降下に係る時間成分と、電圧成分とは、その供給によって吐出される液状体の吐出量に密接に依存している。特に、圧電方式を採用した吐出ヘッド11,12では、電圧成分の変化に対して吐出量が良好な線形性を示すため、タイミングt3〜t6における電圧差を駆動電圧Vhとして規定し、これを吐出量制御の条件として利用することができる。
すなわち、この駆動電圧Vhは、各ノズルnからの吐出量を制御する際の「駆動条件」に対応するものである。なお、生成する駆動信号(COM)は、本実施形態で示すような単純な台形波に限られるものではなく、公知の様々な形状のものを適宜採用することも可能である。また、異なる駆動方式(例えばサーマル方式)を採用する場合などにおいて、駆動信号のパルス幅(時間成分)を吐出量制御の駆動条件として利用することも可能である。
本実施形態では、駆動電圧Vhを段階的に異ならせた複数種の波形データを用意し、D/Aコンバータ31A〜31Dにそれぞれ独立した波形データ(WD1〜WD4)を入力することにより、各COMラインCOM1〜COM4にそれぞれ異なる駆動電圧Vhの駆動信号(COM)を出力することが可能である。また、用意できる波形データの種類は、波形番号データ(WN)の情報量(7ビット)に相当する128種類であり、例えばこれを0.1V刻みの駆動電圧Vhに対応させている。
以上のようして、本実施形態の液状体吐出装置200では、各圧電素子16(ノズルn)とCOMラインCOM1〜COM4との対応関係を規定する駆動信号選択データ(SIB)と、各COMラインCOM1〜COM4と駆動信号の種類(駆動電圧Vh)との対応関係を規定する波形番号データ(WN)とを適切に設定することにより、適切な吐出量で液状体を吐出することが可能である。
したがって、駆動信号選択データ(SIB)と波形番号データ(WN)との関係で定まる各ノズルnの駆動信号の設定を適切に行うことが、各ノズルnの吐出量を管理するための重要事項となる。
なお、本実施形態の液状体吐出装置200では、吐出タイミング毎に駆動信号選択データ(SIB)と波形番号データ(WN)を更新可能な構成となっているため、吐出データ(SIA)の変化に対応させて駆動信号を精細に設定することも可能である。
(駆動設定方法)
次に、上記液状体吐出装置200の具体的な駆動設定方法について説明する。
本実施形態の駆動設定方法では、図6に示すフローチャートに従って、吐出ヘッド11,12が備える複数のノズルnの駆動条件、すなわち各ノズルnの駆動信号(COM)の適正条件(駆動電圧Vh)を設定する。
次に、上記液状体吐出装置200の具体的な駆動設定方法について説明する。
本実施形態の駆動設定方法では、図6に示すフローチャートに従って、吐出ヘッド11,12が備える複数のノズルnの駆動条件、すなわち各ノズルnの駆動信号(COM)の適正条件(駆動電圧Vh)を設定する。
具体的には、先ず、図6に示すステップS101において、複数のノズルnの所定の駆動条件に基づく吐出量を求め、複数の配置領域50のそれぞれにおいて液状体の吐出が選択された各ノズルnの吐出量の差に基づき、選択された各ノズルnを複数のグループに分類する。そして、グループ毎に選択された各ノズルnの吐出量の差が小さくなる適正条件を求め、この適正条件に基づいて、グループ毎に補正された駆動条件を設定する(以下、COMの設定という。)。
ここで、上記吐出ヘッド11,12の各ノズルnから吐出された液状体の吐出量を測定するための図7に示す吐出量測定システム300について説明する。なお、図7は、吐出量測定システム300の概略構成を示すブロック図である。
吐出量測定システム300は、図7に示すように、吐出ヘッド11,12の各ノズルnに液状体を供給するための液状体供給装置301と、吐出ヘッド11,12を駆動するための制御回路基板302とを備えている。
また、吐出量測定システム300は、吐出ヘッド11,12の各ノズルnから吐出された液状体を受けてこれを収容するための液状体受容容器303と、液状体受容容器303の重量を計量するための重量計量装置304とを備えている。
また、吐出量測定システム300は、吐出ヘッド11,12の各ノズルnから吐出された液状体を受ける液状体受容基板305と、液状体受容基板305を当該基板の面方向に移動させるための基板移動装置306と、液状体受容基板305上に配置された液状体の体積を測定するための体積測定装置307とを備えている。
また、吐出量測定システム300は、制御回路基板302を介して吐出ヘッド11,12の駆動を制御し、基板移動装置306の駆動を制御し、重量計量装置304及び体積測定装置307の計量動作を制御し、計量結果を基に演算を行うためのパーソナルコンピュータ(PC)308を備えている。
制御回路基板302は、上記制御回路基板30と同じ構成である。また、液状体受容容器303は、液状体に侵食されない材質のものであれば何でもよいが、開口部にスポンジ等の多孔質部材を配置するなどして、液状体の揮発を抑える構成となっていることが好ましい。また、重量計量装置304には、一般的な電子天秤を用いることができる。また、体積測定装置307には、白色干渉法を用いた三次元形状測定装置などを用いることができる。
以上のような構成を有する吐出量測定システム300では、重量計量装置304と体積測定装置307との2種類の計測装置を用いて、各ノズルnの吐出量を重量又は体積として測定することができる。このうち、重量計量装置304は、ノズルアレイ10の全体における平均的な吐出量を高速且つ高精度に測定するのに適している。一方、体積測定装置307は、各ノズルnの個々における吐出量を測定するのに適している。
次に、上記吐出量測定システム300を用いて、各ノズルnから吐出された液状体の吐出量を測定した後に、各ノズルnを複数のグループに分類し、グループ毎に補正された駆動条件(適正駆動電圧)を設定する手順(COMの設定手順)について、図8に示すフローチャートに従って説明する。
COMを設定する際は、先ず、図8に示すステップS201において、吐出ヘッド11,12を上記吐出量測定システム300に取り付けた状態において、ノズルアレイ21A,21B内の全ノズル(ダミーノズルを除く。)nにおける吐出量の平均値を測定する。具体的には、各ノズルnについてまとまった回数(例えば10万回)の吐出を行い、その総重量を重量計量装置304で計量し、計量結果を除算して測定する。この測定は、2条件の駆動電圧Vh(例えば、20Vと30V)の下でそれぞれ行う。
次に、図8に示すステップS202において、測定した2条件における駆動電圧Vhと吐出量の平均値との関係を線形補完して、基準吐出量(仕様に応じた設計値)の吐出量の平均値を得るための基準駆動電圧Vsを算出する。また、図8に示すステップS203において、駆動電圧Vhに対する吐出量の平均値の変化率を、吐出量を駆動電圧Vhによって補正する際の相関係数αとして算出する。
次に、図8に示すステップS204において、ノズルアレイ21A,21Bの全圧電素子に駆動電圧Vh=Vsの駆動信号を供給して、液状体受容基板305に対し液状体の吐出を行い、その吐出量を測定する。
液状体受容基板305の表面には撥液処理がされているため、各ノズルnから吐出された液状体は、それぞれ基板P上において独立した半球状の液滴を形成する。そして、この液滴の三次元形状を体積測定装置307で測定し、パーソナルコンピュータ308で測定データを解析することで、吐出量が得られる。なお、各ノズルnの1回当たりの吐出量は極めて小さいため、液滴の体積測定(吐出量測定)の精度を上げるべく、各ノズルnの吐出は、基板P上の同一箇所に重ねて複数回(例えば3回)行うようにしている。
ここで、上記ステップS204において測定された各ノズルnの吐出量をノズルアレイ21A,21Bの並び方向での空間分布として示すと、図9に示すようなグラフとなる。なお、図9中に示すグラフでは、各ノズルnの吐出量を基準吐出量に対する相対比(%)で表している。
図9に示すように、吐出ヘッド11,12では、ノズルアレイ21A,21Bの端部付近にあるノズルnの吐出量が相対的に多く、ノズルアレイ21A,21Bの中央付近にあるノズルnで吐出量が相対的に少ない傾向がある。
次に、図8に示すステップS205において、上記ステップS204での測定に基づき、各ノズルnのグループ設定を行う。本実施形態では、測定した各ノズルnの吐出量の順序(吐出量の多い方を上位、吐出量の少ない方を下位とする)に従い、最下位から順に14個のノズルをグループA、グループAのさらに上位の14個のノズルをグループB、グループBのさらに上位の13個のノズルをグループC、グループCのさらに上位の13個のノズルをグループDとしてそれぞれ分類する。
次に、図8に示すステップS206において、グループA〜D毎に各ノズルnの吐出量の差が小さくなる適正条件、すなわち各グループA〜Dに対応する適正な駆動電圧Vh(以下、適正駆動電圧VhA,VhB,VhC,VhDという。)を算出する。
各グループA〜Dの適正条件については、自由に設定することが可能である。本実施形態では、グループA〜Dに係る吐出量の統計値をそれぞれ基準吐出量に一致させるための適正駆動電圧VhA〜VhDを、上記ステップS204における吐出量の測定値、相関係数α、及び基準駆動電圧Vsを基に算出する。
ここで、グループA〜Dに係る吐出量の統計値とは、各グループに含まれる複数のノズルnの吐出量の統計から得られる数値のことを言う。本実施形態では、各グループA〜Dに含まれるノズルnの吐出量の平均値を採用している。これにより、グループA〜Dのノズルnからそれぞれ平均的に滴量(基準吐出量)の液状体を吐出させるための段階的な適正駆動電圧VhA〜VhDが得られる。
なお、本実施形態では、上述した各グループA〜Dに含まれるノズルnの吐出量の平均値の他にも、各グループA〜Dに含まれるノズルnの吐出量の中央値をグループに係る吐出量の統計値として採用してもよい。
本実施形態における適正駆動電圧VhA,VhB,VhC,VhDは、基準駆動電圧Vsに対する相対比として設定される。例えば、適正駆動電圧VhA,VhB,VhC,VhDは、それぞれ101.8%、100.7%、99.4%、97.9%として設定される。このように、適正駆動電圧VhA,VhB,VhC,VhDを相対比で規定することによって、例えば、液状体の粘度が変化して吐出量が一様に変化するような事態が起こった場合に、ノズルアレイ21A,21B全体の吐出量の平均値を測定して、基準駆動電圧Vsを再設定すれば済むという利点がある。
次に、図8に示すステップS207において、各ノズルnに対応させるべき駆動電圧を適正駆動電圧VhA,VhB,VhC,VhDの中からグループA〜D毎に選択して設定する。なお、適正駆動電圧VhA,VhB,VhC,VhDは、上述した制御部である制御回路基板30において、4つのCOMラインCOM1〜COM4にそれぞれ供給される駆動信号(COM)に対応させることができる。
なお、各ノズルnの駆動信号(COM)の適正条件(駆動電圧Vh)を設定する場合、グループA〜D毎に当該グループに対応する適正駆動電圧をまとめて設定する方法も考えられる。しかしながら、グループBやグループDのように、吐出量の分布の範囲(レンジ)が比較的広いグループには、統計値から大きく離れた吐出量のノズルnが含まれており、このようなノズルnについて当該グループの統計値を基礎とした適正駆動電圧を設定することは、必ずしも好ましい方法とは言えない。
そこで、本実施形態では、ノズルn毎に、各グループA〜Dに対応する4つの適正駆動電圧うち、当該ノズルの吐出量に最も近い統計値に係るグループに対応するものを選択して設定するようにしている。これにより、ノズルnの特性に応じた駆動信号を、より高精度に設定することができる。
例えば、図9に示すグラフでは、グループA内のノズルについては、全て適正駆動電圧VhAが設定される。また、グループBのノズルの場合、多くのノズルについて適正駆動電圧VhBが設定されるが、例えば、ノズル番号8のノズルについて適正駆動電圧VhCが、ノズル番号15のノズルについて適正駆動電圧VhAが設定される。このように、吐出量の分布の範囲(レンジ)が比較的広いグループでは、前後の序列に係るグループとの境界近くのノズルについて、当該前後の序列に係るグループに対応する適正駆動電圧が設定されることがある。
なお、グループの分類の方法、特に、各グループを構成するノズル数は、必ずしも上記実施形態のものに限定されるものではない。しかしながら、駆動電圧Vhはグループ単位に準じて設定されるものであるため、各グループを構成するノズル数をほぼ均等にすることが好ましい。これにより、各適正駆動電圧VhA,VhB,VhC,VhD、すなわち各COMラインCOM1〜COM4に対応するノズルnの数の不均衡を生じにくくすることができる。すなわち、COMラインCOM1〜COM4におけるノズルnの対応数は、駆動信号(COM)の歪み(エレキクロストーク)等に影響しているので、なるべくCOMラインCOM1〜COM4間の不均衡が生じないように、各グループA〜Dを構成するノズルnの数を均等にすることが好ましい。
図6に示すステップS101(COMの設定)では、上記吐出ヘッド11,12のノズルアレイ21A,21Bを構成する全てのノズルnに対してグループA〜Dの分類を行うわけではなく、上述した複数の配置領域50のそれぞれにおいて液状体の吐出が選択されたノズルnに対してグループA〜Dの分類を行う。すなわち、グループA〜Dの分類の対象となるノズルnは、駆動信号(COM)の供給が行われるノズルnであり、ダミーノズルや非吐出のノズルnについては対象外となる。
次に、COMの設定後に、図6に示すステップS102において、補正量の設定を行う。具体的には、上記ステップS101で選択された各ノズルnの補正された駆動条件(適正駆動電圧VhA,VhB,VhC,VhD)に基づき、複数回の吐出を行うときの各回の吐出量から、複数の配置領域50のそれぞれに配置される液状体の配置量を算出する。そして、この配置量が目標値に近くなる適正条件を求め、この適正条件に基づいて、各ノズルnの吐出毎に補正された駆動条件を設定する。
ステップS102では、各回の吐出量の中から、一の吐出量を補正することにより液状体の配置量が目標値に最も近くなる適正条件を求め、この適正条件に基づいて、一の吐出量の補正量を設定する。
ここで、補正量の具体的な設定方法について、例えば図10に示すように、1つのノズルnからN(Nは2以上の整数を表す。)回のショット数で所定量の液滴(液状体)iを吐出し、1つの画素(配置領域50)に対して所定量の液状体を配置する場合を例に挙げて説明する。
先ず、補正前のノズルnから1〜Nショット目に吐出される液滴iの吐出量をそれぞれIw1〜IwNとしたときに、画素(配置領域50)内に配置される液状体の配置量(画素内液量という。)V0は、下記式(1)として表される。
V0=Iw1+Iw2+・・・+IwN−1+IwN …(1)
V0=Iw1+Iw2+・・・+IwN−1+IwN …(1)
また、目標値をVtとすると、画素内液量V0と目標値Vtとの差分Vdは、下記式(2)で表される。
Vd=V0−Vt …(2)
Vd=V0−Vt …(2)
本実施形態の設定方法では、この差分Vdが0(Vt=V0)となるように、ショット毎に補正量の設定を行う。具体的には、先ず、1ショット目の吐出量Iw1を補正して、差分Vdが0に近くなる補正量を設定する。
1ショット目の吐出量Iw1の補正量をIw1’とすると、1ショット目の補正後吐出量は、Iw1+Iw1’となる。この1ショット目の補正後吐出量に対応する駆動電圧[V]をVa1とし、補正前の駆動電圧[V]をVaとし、1ショット目の重量分解能[ng/V]をw1とすると、Va1は、下記式(3)で表される。
Va1=Va+Iw1/w1 …(3)
Va1=Va+Iw1/w1 …(3)
ここで、1ショット目の補正前吐出量Iw1に対応する駆動電圧は、上述したグループA〜D毎に設定された適正駆動電圧VhA,VhB,VhC,VhDである。これらの適正駆動電圧VhA,VhB,VhC,VhDは、ヘッド電圧(駆動電圧Vh)と、グループA〜D毎に設定されたCOM電圧比[%]との積で表される。
したがって、1ショット目の補正後吐出量に対応するCOM電圧比[%]をRc1とし、補正前のCOM電圧比[%]をRcとすると、上記式(3)中のVa及びVa1は、それぞれ下記式(4),(5)で表される。
Va=Vh×Rc …(4)
Va1=Vh×Rc1 …(5)
Va=Vh×Rc …(4)
Va1=Vh×Rc1 …(5)
したがって、上記式(4),(5)を上記式(3)に代入すると、Rc1は、下記式(6)で表される。
Rc1=Rc+(Iw1/w1)/Vh …(6)
Rc1=Rc+(Iw1/w1)/Vh …(6)
一方、1ショット目の補正量Iw1’を加えた画素内液量V1は、下記式(7)として表される。
V1=(Iw1+Iw1’)+Iw2+・・・+IwN−1+IwN
=V0+Iw1’ …(7)
V1=(Iw1+Iw1’)+Iw2+・・・+IwN−1+IwN
=V0+Iw1’ …(7)
ここで、1ショット目の補正量Iw1’は、上述したグループA〜D毎毎に割り当てられる駆動電圧(適正駆動電圧)の設定可能な範囲で割り出された数値である。このため、1ショット目の補正量Iw1’だけで、上述した差分Vdが0(Vt=Vd)になることはほとんどない。
そこで、本実施形態の設定方法では、補正量が設定された回を除く残りの吐出量の中から、一の吐出量を補正することにより液状体の補正量を加えた配置量が目標値に最も近くなる適正条件を求め、この適正条件に基づいて、一の吐出量の補正量を設定する。
具体的には、1ショット目の補正量Iw1’を加えた画素内液量V1と目標値Vtとの差分Vd1が0(Vt=V1)となるように、2ショット目の吐出量Iw2を補正して、差分Vd1が0に近くなる補正量Iw2’を設定する。
この場合、1ショット目の補正量Iw1’を加えた画素内液量V1と目標値Vtとの差分Vd1は、下記式(8)で表される。
Vd1=V1−Vt=(V0+Iw1’)−Vt
=Vd+Iw1’ …(8)
Vd1=V1−Vt=(V0+Iw1’)−Vt
=Vd+Iw1’ …(8)
2ショット目以降(N≧2)の補正量IwN’の設定については、1〜Nショット目の補正量Iw1’+・・・+IwN’を加えた画素内液量VNと目標値Vtとの差分VdNが0(Vt=VN)となるように、2ショット目以降の吐出量IwNを補正して、差分VdNが0に近くなる補正量IwN’を設定する。
そして、本実施形態の設定方法では、液状体の補正量を加えた配置量が目標値と一致するまで、上述した補正量の設定を繰り返す。そして、液状体の補正量を加えた配置量が目標値と一致した場合は、上述した補正量の設定を終了する。若しくは、全ての回の吐出量を補正した時点で、上述した補正量の設定を終了する。
なお、本実施形態の設定方法では、N回のショット数のうち、1ショット目から順にNショット目に向けて補正量の設定を行う場合を例示したが、Nショット目(最終回)から順に1ショット目に向けて補正量の設定を行ってもよい。さらに、補正量の設定を行う順序については、N回のショット数の中から任意の順(例えばランダム)で行うことが可能である。
上述したように、各配置領域50において選択されるノズル数が少なくなるほど、各ノズルnのショット数毎の吐出量の差(バラツキ)による影響が大きくなる。その結果、各配置領域50に配置される液状体の配置量のバラツキが大きくなる。
これに対して、本実施形態の駆動設定方法では、複数の配置領域50のそれぞれにおいて液状体の吐出が選択された各ノズルnを複数のグループA〜Dに分類し、グループA〜D毎に補正された駆動条件(適正駆動電圧VhA,VhB,VhC,VhD)を設定した後に、各ノズルnの吐出毎に補正された駆動条件(補正量Iw1’〜IwN’)を設定する。これにより、各ノズルnの吐出毎の吐出量Iw1〜IwNの差による影響を小さくすることができる。
したがって、この駆動設定方法によれば、複数の配置領域50において液状体の吐出が選択されるノズル数が少なくなる場合でも、複数の配置領域50のそれぞれに配置される液状体の配置量を均一化することが可能である。
(駆動設定プログラム)
次に、上記液状体吐出装置200の具体的な駆動設定プログラムについて説明する。
本実施形態の駆動設定プログラムは、上記本実施形態の駆動設定方法を実行するための制御プログラムであり、各吐出ヘッド11,12の駆動を制御する制御回路基板(制御部)30において、各ノズルnの駆動信号(COM)の適正条件(駆動電圧Vh)を設定する。
次に、上記液状体吐出装置200の具体的な駆動設定プログラムについて説明する。
本実施形態の駆動設定プログラムは、上記本実施形態の駆動設定方法を実行するための制御プログラムであり、各吐出ヘッド11,12の駆動を制御する制御回路基板(制御部)30において、各ノズルnの駆動信号(COM)の適正条件(駆動電圧Vh)を設定する。
制御回路基板30は、コンピュータ(CPU等)を含み、内部のメモリ(記憶手段)に記憶された制御プログラム(本発明の駆動設定プログラム)に従って、上述した本実施形態の駆動設定方法を実行する。また、この駆動設定プログラムは、制御回路基板30のメモリに記憶(格納)されたものに限らず、外部の記憶装置や記録媒体等に記録することも可能である。
本実施形態の駆動設定プログラムによれば、複数の配置領域50において液状体の吐出が選択されるノズル数が少なくなる場合でも、複数の配置領域50のそれぞれに配置される液状体の配置量を均一化することが可能な複数のノズルnの駆動条件を設定し、液状体吐出装置200の制御回路基板30に対して実行させることが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
すなわち、本発明は、上記実施形態のようにCOM設定の後に補正量の設定を行う場合に限らず、ノズルを有する吐出ヘッドを備える液状体吐出装置において、吐出ヘッドを吐出対象物に対して相対的に移動させる走査を行いながら、ノズルから複数回の吐出を行うことにより、吐出対象物に設けられた配置領域に対して所定量の液状体を配置する際に、ノズルの駆動条件を設定する場合に適用可能である。
ここで、本発明による液状体吐出装置の駆動条件設定方法について、図11及び図12に示すフローチャートに従って説明する。
本発明による液状体吐出装置の駆動条件設定方法は、図11に示すように、複数回の吐出の各回における吐出量の総和である総吐出量の目標値として目標総吐出量を設定し、目標総吐出量に基づいて、ノズルに対して複数回の吐出の各回における駆動条件を設定する駆動条件設定工程S201と、複数回の吐出のうち少なくとも一つの回において吐出量の補正を行う吐出量補正工程S202と、を含む。
本発明による液状体吐出装置の駆動条件設定方法は、図11に示すように、複数回の吐出の各回における吐出量の総和である総吐出量の目標値として目標総吐出量を設定し、目標総吐出量に基づいて、ノズルに対して複数回の吐出の各回における駆動条件を設定する駆動条件設定工程S201と、複数回の吐出のうち少なくとも一つの回において吐出量の補正を行う吐出量補正工程S202と、を含む。
また、吐出量補正工程S202では、先ず、図12に示すステップS301(Aステップ)において、複数回の吐出の各回に設定された駆動条件に基づいて、複数回の吐出の各回の吐出量を取得し、総吐出量を算出する。
次に、図12に示すステップS302(ステップB)において、複数回の吐出のうち、一つの回の吐出を選択する。
次に、図12に示すステップS303(ステップC)において、上記Bステップで選択した一つの回の吐出において、一つの回の吐出の吐出量と、目標総吐出量と、総吐出量とに基づいて、吐出量を補正するための駆動条件の変更を行う。
次に、図12に示すステップS304(Dステップ)において、上記Cステップで変更した駆動条件に基づいて、上記Bステップで選択した一つの回の吐出の補正された吐出量を取得し、総吐出量を再算出する。
次に、図12に示すステップS305において、上記Dステップで算出した総吐出量が目標総吐出量と一致しない場合は、上記Bステップと、上記Cステップと、上記Dステップとを、この順で繰り返す。
上記Bステップと、上記Cステップと、上記Dステップとを、この順で繰り返す場合、上記Bステップにおいては、複数回の吐出のうち、未だ駆動条件の変更が行われていない回の吐出から、一つの回の吐出を選択する。
この場合、1回目の吐出から順に最終回の吐出に向けて、吐出量補正工程を完了するまで、上記Bステップと、上記Cステップと、上記Dステップとを繰り返し実施してもよい。一方、最終回の吐出から順に1回目の吐出に向けて、吐出量補正工程を完了するまで、上記Bステップと、上記Cステップと、上記Dステップとを繰り返し実施してもよい。
図12に示すステップS305において、上記Dステップで算出した総吐出量が目標総吐出量と一致した場合は、吐出量補正工程S202を完了する。また、複数回の吐出の全ての回の駆動条件を変更した場合も、吐出量補正工程を完了する。
また、本発明による液状体吐出装置の駆動設定方法では、最小補正量を予め設定し、上記Dステップで算出した総吐出量と目標総吐出量とを一致させるために必要な補正量が、最小補正量よりも小さい場合、吐出量補正工程を完了してもよい。
本発明による液状体吐出装置の駆動条件設定方法では、複数回の吐出の各回における吐出量の差による影響を小さくすることができる。したがって、配置領域において液状体の吐出が選択されるノズル数が少なくなる場合でも、配置領域に配置される液状体の配置量を予め設定された目標配置量に近づけることが可能である。
なお、上記実施形態における「ステップS101(COMの設定)」が本発明における「駆動条件設定工程S201」に相当し、上記実施形態における「ステップS102(補正量の設定)」が本発明における「吐出量補正工程S202」に相当する。
また、本発明による液状体吐出装置の駆動設定方法では、複数回の吐出の各回における吐出補正量が略均一となるように、上記最小補正量を設定してもよい。この場合、複数回の吐出の各回における吐出量の差による影響を小さくすることができる。
また、本発明による液状体吐出装置の駆動設定方法では、上記Cステップの駆動条件の変更において、総吐出量と目標総吐出量との差が小さくなるように、駆動条件の変更を行うことが好ましい。この場合、配置領域に配置される液状体の配置量を目標配置量に近づけることができる。
また、本発明による液状体吐出装置の駆動設定方法では、上記Cステップの駆動条件の変更において、目標とする補正量を目標補正量として設定し、この目標補正量に基づいて駆動条件の変更を行ってもよい。
具体的には、上記Cステップにおいて、目標総吐出量と総吐出量とを一致させるために必要な補正量を目標補正量とすることができる。この場合、配置領域に配置される液状体の配置量を目標配置量と一致させることができる。
また、本発明による液状体吐出装置の駆動設定方法では、上記Cステップの駆動条件の変更において、最大補正量を予め設定し、目標総吐出量と総吐出量とを一致させるために必要な補正量が最大補正量よりも大きい場合、最大補正量を目標補正量としてもよい。この場合、配置領域に配置される液状体の配置量を目標配置量に効率良く近づけることができる。
一方、目標総吐出量と総吐出量とを一致させるために必要な補正量が最大補正量よりも小さい場合には、目標総吐出量と総吐出量とを一致させるために必要な補正量を目標補正量としてもよい。この場合、配置領域に配置される液状体の配置量を目標配置量と一致させることができる。
また、本発明による液状体吐出装置の駆動設定方法では、複数回の吐出の各回における補正量が略均一となるように、最大補正量を設定してもよい。この場合、複数回の吐出の各回における吐出量の差による影響を小さくすることができる。
また、本発明による液状体吐出装置の駆動設定方法において、駆動条件は、駆動素子に印加する駆動電圧波形であり、駆動条件の変更は、駆動電圧波形の変更であり、複数回の吐出の各々における駆動電圧波形の変更可能範囲に基づき、最大補正量を設定してもよい。この場合、駆動条件の変更を精度良く行うことができる。
なお、上記液状体吐出装置による液状体の配置例としては、上述した有機ELパネル(ディスプレイ)の発光層(素子膜)を形成する場合を挙げて説明したが、有機ELディスプレイにおける素子膜の形成の他にも、例えば、液晶ディスプレイにおけるカラーフィルタの形成や、プラズマディスプレイ装置における蛍光膜の形成、電気回路における導電配線や抵抗素子の形成などが挙げられる。特に、上述した配置領域(例えば画素)50の長手方向に沿って吐出ヘッド11,12を走査する場合(縦描画という。)、その配置領域において液状体の吐出が選択されるノズルnの数が少なくなり、その分だけ1つのノズルから吐出される液状体の吐出回数(ショット数)が多くなる。このような場合に本発明を好適に用いることが可能である。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
本実施例では、上述した図10に示す1つのノズルnから8回(N=8)のショット数で所定量(10ng前後)の液滴(液状体)iを吐出し、1つの画素(配置領域50)に対して所定量(目標値Vtとして80ng)の液状体を配置する場合において、上記本実施形態の駆動設定方法を用いて、実際に液状体の補正量を加えた配置量が目標値と一致するまで、補正量の設定を行った。
本実施例では、先ず、上記吐出量測定システム300を用いて、複数の配置領域50のそれぞれにおいて液状体の吐出が選択された各ノズルnを複数のグループA〜Dに分類し、グループA〜D毎に補正された駆動条件(適正駆動電圧VhA,VhB,VhC,VhD)を設定した。
本実施例において、1〜8ショット目の補正前吐出量Iw1〜Iw8に対応する駆動電圧Vaは、ヘッド電圧(Vh)を25Vとし、COM電圧比Rcを90.00%とすることで、22.5Vに設定した。これらをまとめたものを表1に示す。また、1〜8ショット目の重量分解能w1〜w8は、表1に示すとおり、例えば0.5〜0.8ng/Vといった値になる。
したがって、1〜8ショット目の補正前吐出量Iw1〜Iw8と、それらの合計値である補正前の画素内液量V0とは、表2中の左側に示すとおりである。
ここで、補正前の画素内液量V0は、82.96ngであり、目標値Vtは80.00ngであるため、その差分Vdは、+2.96ngである。そこで、1ショット目の吐出量Iw1を補正して、差分Vdが0に近くなる補正量Iw1’を設定した。
その結果、ノズルnに割り当てられた適正駆動電圧の設定可能範囲で割り出された補正量Iw1’は、−1.81ngであった。一方、1ショット目の補正量Iw1’を加えた画素内液量V1は、81.15ngとなった。その結果を表3に示す。
次に、表2及び表3に示すように、補正量Iw1’を加えた補正後の画素内液量V1〜V7が目標値Vtと一致するまで、1ショット目と同様に、2ショット目以降の吐出量Iw2〜Iw8を補正した。その結果、6ショット目の補正量Iw6’を設定した時点で、補正後の画素内液量V5が目標値Vtと一致したため、それ以降の補正量の設定を行わず(Iw7’,Iw8’=0)、補正量の設定を終了した。その結果を表3にまとめて示す。また、1〜8ショット目の補正後吐出量と、それらの合計値である補正後の画素内液量とは、表2中の右側に示すとおりである。
以上のように、本実施例によれば、上述した補正量の設定を繰り返し行うことで、ノズルnの吐出毎の吐出量の差による影響を小さくし、画素(配置領域50)内に配置される液状体の配置量(画素内液量)を目標値に近づける若しくは一致させることが可能である。
200…液状体吐出装置 10…ヘッドユニット 11,12…吐出ヘッド 21A,21B…ノズルアレイ 30…制御回路基板(制御部) 50…配置領域 n…ノズル P…基板(吐出対象物)
Claims (18)
- ノズルを有する吐出ヘッドを備える液状体吐出装置において、前記吐出ヘッドを吐出対象物に対して相対的に移動させる走査を行いながら、前記ノズルから複数回の吐出を行うことにより、吐出対象物に設けられた配置領域に対して所定量の液状体を配置する際に、前記ノズルの駆動条件を設定する液状体吐出装置の駆動設定方法であって、
前記複数回の吐出の各回における吐出量の総和である総吐出量の目標値として目標総吐出量を設定し、前記目標総吐出量に基づいて、前記ノズルに対して前記複数回の吐出の各回における駆動条件を設定する駆動条件設定工程と、
前記複数回の吐出のうち少なくとも一つの回において吐出量の補正を行う吐出量補正工程と、を有し、
前記吐出量補正工程は、
前記複数回の吐出の各回に設定された前記駆動条件に基づいて、前記複数回の吐出の各回の吐出量を取得し、前記総吐出量を算出するAステップと、
前記複数回の吐出のうち、一つの回の吐出を選択するBステップと、
前記Bステップで選択した前記一つの回の吐出において、前記一つの回の吐出の吐出量と、前記目標総吐出量と、前記総吐出量とに基づいて、吐出量を補正するための前記駆動条件の変更を行うCステップと、
前記Cステップで変更された前記駆動条件に基づいて、前記Bステップで選択した前記一つの回の吐出の補正された吐出量を取得し、前記総吐出量を再算出するDステップと、を含むことを特徴とする液状体吐出装置の駆動設定方法。 - 前記Bステップと、前記Cステップと、前記Dステップとを、この順で繰り返し行うことを特徴とする請求項1に記載の液状体吐出装置の駆動設定方法。
- 前記Bステップにおいて、
前記複数回の吐出のうち、未だ前記駆動条件の変更が行われていない回の吐出から、一つの回の吐出を選択することを特徴とする請求項2に記載の液状体吐出装置の駆動設定方法。 - 前記Dステップで算出した前記総吐出量が前記目標総吐出量と一致している場合、前記Dステップを実施した後に、前記吐出量補正工程を完了することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液状体吐出装置の駆動設定方法。
- 前記複数回の吐出の全ての回の駆動条件を変更した場合、前記Dステップを実施した後に、前記吐出量補正工程を完了することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液状体吐出装置の駆動設定方法。
- 最小補正量を予め設定し、前記目標総吐出量と前記総吐出量とを一致させるために必要な補正量が前記最小補正量よりも小さい場合、前記吐出量補正工程を完了することを特徴とすることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の液状体吐出装置の駆動設定方法。
- 前記複数回の吐出の各回における前記吐出補正量が略均一となるように、前記最小補正量を設定することを特徴とする請求項6に記載の液状体吐出装置の駆動設定方法。
- 前記Cステップの前記駆動条件の変更において、
前記総吐出量と前記目標総吐出量との差が小さくなるように、前記駆動条件の変更を行うことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の液状体吐出装置の駆動設定方法。 - 前記Cステップの前記駆動条件の変更において、
目標とする補正量を目標補正量として設定し、前記目標補正量に基づいて前記駆動条件の変更を行うことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の液状体吐出装置の駆動設定方法。 - 前記Cステップにおいて、
前記目標総吐出量と前記総吐出量とを一致させるために必要な補正量を前記目標補正量とすることを特徴とする請求項9に記載の液状体吐出装置の駆動設定方法。 - 最大補正量を予め設定し、
前記Cステップの駆動条件の変更において、前記目標総吐出量と前記総吐出量とを一致させるために必要な補正量が前記最大補正量よりも大きい場合、前記最大補正量を前記目標補正量とすることを特徴とする請求項9に記載の液状体吐出装置の駆動設定方法。 - 最大補正量を予め設定し、
前記Cステップの駆動条件の変更において、前記目標総吐出量と前記総吐出量とを一致させるために必要な補正量が前記最大補正量よりも小さい場合、前記目標総吐出量と前記総吐出量とを一致させるために必要な補正量を前記目標補正量とすることを特徴とする請求項9に記載の液状体吐出装置の駆動設定方法。 - 前記複数回の吐出の各回における補正量が略均一となるように、前記最大補正量を設定することを特徴とする請求項11又は12に記載の液状体吐出装置の駆動設定方法。
- 前記吐出ヘッドは、前記ノズルに対応して設けられた駆動素子を有し、
前記複数回の吐出の各々を、前記駆動素子を駆動することにより行い、
前記駆動条件は、前記駆動素子に印加する駆動電圧波形であり、前記駆動条件の変更は、前記駆動電圧波形の変更であり、前記複数回の吐出の各々における前記駆動電圧波形の変更可能範囲に基づき、前記最大補正量を設定することを特徴とする請求項11〜13の何れか一項に記載の液状体吐出装置の駆動設定方法。 - 前記吐出ヘッドは、前記ノズルに対応して設けられた駆動素子を有し、
前記複数回の吐出の各々を、前記駆動素子を駆動することにより行い、
前記駆動条件は、前記駆動素子に印加する駆動電圧波形であり、前記駆動条件の変更は、前記駆動電圧波形の変更であることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の液状体吐出装置の駆動設定方法。 - 前記複数回の吐出のうち、1回目の吐出から順に最終回の吐出に向けて、前記吐出量補正工程を完了するまで、前記Bステップと、前記Cステップと、前記Dステップとを繰り返し実施することを特徴とする請求項1〜15の何れか一項に記載の液状体吐出装置の駆動設定方法。
- 前記複数回の吐出のうち、最終回の吐出から順に1回目の吐出に向けて、前記吐出量補正工程を完了するまで、前記Bステップと、前記Cステップと、前記Dステップとを繰り返し実施することを特徴とする請求項1〜15の何れか一項に記載の液状体吐出装置の駆動設定方法。
- ノズルを有する吐出ヘッドを備える液状体吐出装置において、前記吐出ヘッドを吐出対象物に対して相対的に移動させる走査を行いながら、前記ノズルから複数回の吐出を行うことによって、前記吐出対象物へ液状体を供給する際に、前記ノズルの駆動条件を設定する液状体吐出装置の駆動設定プログラムであって、
請求項1〜17の何れか一項に記載の液状体吐出装置の駆動設定方法を実行することを特徴とする液状体吐出装置の駆動設定プログラム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015071192A JP2016190379A (ja) | 2015-03-31 | 2015-03-31 | 液状体吐出装置の駆動設定方法及び駆動設定プログラム |
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JP2015071192A JP2016190379A (ja) | 2015-03-31 | 2015-03-31 | 液状体吐出装置の駆動設定方法及び駆動設定プログラム |
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JP (1) | JP2016190379A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018061484A1 (ja) | 2016-09-28 | 2018-04-05 | テルモ株式会社 | 血液サンプル中の分析対象物を検出するための、方法、組成物およびチップ |
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2015
- 2015-03-31 JP JP2015071192A patent/JP2016190379A/ja active Pending
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