JP2016189983A - 音響波プローブ及びこれを備えた被検体情報取得装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被検体の形状や大きさが変わっても音響波センサの移動や音響波センサの貼り直しを極力不要にする音響波プローブを提供すること。
【解決手段】音響波トランスデューサと、測定対象となる被検体に接触する接触部材3と、音響波トランスデューサと接触部材とを支持する支持部材2と、を備えた音響波プローブ1であって、接触部材3は、その内部に音響波を被検体と音響波トランスデューサとの間で伝播させる媒質を保持可能であり、接触部材内に媒質を供給し接触部材を膨張させることで、あるいは接触部材内より媒質を排出し接触部材を収縮させることで、被検体と接触部材との接触の度合いを可変とした音響波プローブ。
【選択図】図1

Description

本発明は、音響波変換素子などとして用いられる音響波プローブ及びこれを備えた被検体情報取得装置に関する。
測定対象である被検体に音響波プローブから音響波を送信し、被検体からの反射信号を音響波プローブで受信し、受信した信号に基づいて音響波画像を得る音響波測定システムがある。一般的な音響波プローブは、被検体に音響波を確実に伝播させる為に、音響波プローブと被検体の間に接触媒質が用いられている。そして、被検体の形状や大きさに合わせて、検査技師が手動で音響波プローブと被検体の間に接触媒質が常に存在するようにして、音響波プローブを走査して音響波画像を撮像していた。また、特許文献1は、被検体である患者の皮膚に音響波モジュールを取りつける際、音響結合ゲル(接触媒質)が滑り易く、音響波モジュールを移動させてしまうことを課題とする発明を開示する。より具体的には、特許文献1には、音響波センサと、皮膚に音響波センサを取りつけるアセンブリと、皮膚の輪郭に倣うたわみを可能にするフレキシブルなカバリング層を有する皮膚に装着する装置が開示されている。
米国特許出願公開第2010/0076315号明細書
音響波プローブの走査は検査技師の経験や力量の差で得られる画像に差が生じる可能性があり、また、被検体の形状や大きさに合わせるために手動で音響波プローブを走査する必要があった。特許文献1は、皮膚に音響波センサを粘着性のある接触媒質で貼り付けて、ハンズフリーで超音波診断を行う発明を開示するものであるが、特許文献1に開示された発明では、被検体の形状や大きさが変わった場合には、音響波センサを貼り直す必要が生じていた。本発明は、被検体の形状や大きさが変わっても音響波センサの移動や音響波センサの貼り直しを極力不要にする音響波プローブを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、音響波トランスデューサと、測定対象となる被検体に接触する接触部材と、前記音響波トランスデューサと前記接触部材とを支持する支持部材と、を備えた音響波プローブであって、前記接触部材は、その内部に音響波を前記被検体と前記音響波トランスデューサとの間で伝播させる媒質を保持可能であり、前記接触部材内に前記媒質を供給し前記接触部材を膨張させることで、あるいは前記接触部材内より前記媒質を排出し前記接触部材を収縮させることで、前記被検体と前記接触部材との接触の度合いを可変としたことを特徴とする。
本発明の音響波プローブでは、接触部材内に媒質を供給して接触部材を膨張させるか、接触部材内より媒質を排出し接触部材を収縮させることで、被検体と接触部材との接触の度合いを可変とした。よって、被検体の形状や大きさに応じて接触部材との接触の度合いを変えることができ、トランスデューサと被検体の間の音響マッチングをとることができる。これにより被検体の形状や大きさが変わっても音響波センサの移動や音響波センサの貼り直しをせずに音響波を送受信することができる。
本発明の音響波プローブを説明するための斜視図である。 本発明の音響波プローブを説明するための図1のA−B断面上面図である。 本発明の音響波プローブを説明するための図1のC−D断面斜視図である。 (A)は本発明の音響波プローブを説明するための図1のA−B断面上面図である。(B)は図4(A)におけるA−Bの断面図である。 本発明の音響波プローブの一例を説明するための斜視図である。 本発明の音響波プローブの一例を説明するための斜視図である。 本発明の音響波プローブの一例を説明するための図6のE−F断面上面図である。 本発明の音響波プローブの一例を説明するための図6のG−H断面斜視図である。 本発明の音響波プローブの一例を説明するための図6の上面図である。 本発明の音響波プローブの一例を説明するための図6の上面図である。 本発明の音響波プローブの一例を説明するための図6の上面図である。 本発明の音響波プローブを用いた被検体情報取得装置の測定フロー図である。 本発明の音響波プローブを用いた被検体情報取得装置のシステム構成図である。 本発明の実施例1の音響波プローブを説明するための図1のC−D断面斜視図である。 本発明の実施例1の音響波プローブを説明するための図1のC−D断面の支持部の斜視図である。 本発明の実施例1の音響波プローブを構成するトランスデューサの一例の斜視図である。 本発明の実施例1のトランスデューサを構成する素子の上面図である。 本発明の実施例1のトランスデューサを構成する素子を説明するための図15のI−J断面図である。 本発明の実施例3の音響波プローブを説明するための上面図である。 本発明の実施例3の音響波プローブを用いた被検体情報取得装置のシステム構成図である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状及びそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲は、以下の記載に限定されるべきものではない。
本発明の音響波プローブは、音響波トランスデューサと、測定対象となる被検体に接触する接触部材と、前記音響波トランスデューサと前記接触部材とを支持する支持部材と、を備える。そして、接触部材は、その内部に音響波を被検体と音響波トランスデューサとの間で伝播させる媒質を保持可能で、接触部材内に媒質を供給することで接触部材を膨張させ、あるいは接触部材内より媒質を排出し接触部材を収縮させることで、被検体と接触部材との接触の度合いを可変としていることが特徴的である。
本明細書において、音響波とは、音波、超音波、光音響波と呼ばれるものを含む。例えば、被検体内部に可視光線や赤外線などの光(電磁波)を照射して被検体内部で発生する光音響波を含む。
以下に、本発明の実施の形態の一例を図1と図2、図3、図4を用いて説明する。図1は、本発明の音響波プローブを説明するための斜視図であり、図2と図4は図1のA−B断面上面図である。図3は図1のC−D断面斜視図である。尚、本発明の光音響プローブ等を構成する各部材については、同一の部位を表わす部材については、図番が異なっていても同じ符号を付してあえて図面毎に説明しない場合もあり得る。
図1の音響波プローブ1は、支持部材2と、伸縮可能な接触部材3と、媒質の供給及び/又は排出を行うための媒質供給排出口5と、音響波プローブ1を制御する被検体取得装置に電気的に接続させるためのケーブル4を備えて構成されている。ここで示した音響波プローブ1は支持部材2が環状であり、被検体を環状の支持部材2の穴10に通して音響波を送受信する。接触部材3は、媒質の供給により環状支持部材2の内側に向かって膨張可能であり、媒質の供給排出により13の方向に伸縮可能である。
図2と図3を用いて音響波プローブ1の内部を説明する。支持部材2の内側にはトランスデューサ6が支持部材の形状に沿うように配置されており、音響波を穴10の中心に向かって送信できるように配置されている。トランスデューサ6は支持部材2と接着層7で接着されており、配線8が繋がれ後述する回路部と電気的に接続されている。トランスデューサ6の音響波を送受信する第一の主面(トランスデューサの内側)には媒質を保持可能な接触部材3がトランスデューサ6の形状に沿うように配置されている。トランスデューサ6と接触部材3は接着層9で接着されている。接触部材3が有する媒質供給排出口5は支持部材2と繋がっており、媒質供給排出口5に後述する媒質供給排出部から媒質を供給することで、接触部材内の媒質の量を増加させ、図2及び図4(A)に示すように媒質を内包する接触部材3が媒質の供給量に応じて13の方向に膨張する。測定対象となる被検体を環状の支持部2の穴10に通した状態で、媒質供給排出口5に媒質を供給して少なくとも接触部材3が被検体に接触するまで膨張させる。あるいは膨張した接触部材内より媒質を排出させて測定に適した接触度合となるように接触部材を収縮させる。即ち、媒質を接触部材内に供給、あるいは接触部材内から排出することで被検体と接触部材との接触の度合いを可変としている。この状態でトランスデューサ6から音響波を送信すると、媒質を介して被検体に音響波を伝播させることができる。また被検体から生じた音響波をトランスデューサ6で受信することができる。 図1、図3では、媒質供給排出口5が支持部材2と繋がった構成であるが、支持部材2に繋がずに後述する媒質供給排出部と接続してもよい。また媒質供給排出口5は、媒質の供給と排出を別々の構成にしてもよいし、数も所望の数を設ければ良い。尚、媒質供給排出口5は不図示のチューブを介してポンプ(不図示)や媒質が貯蔵されたタンク(不図示)に接続された構成を採用することができる。
トランスデューサ6は、音響波の送信や受信が行えるものであれば良い。例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック材料や、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電膜材料などを用いることができる。また、圧電素子以外の素子を用いても良い。例えば、cMUT(Capacitive Micro−machined Ultrasonic Transducers)などの静電容量型の素子、ファブリペロー干渉計を用いた音響波受信素子、などを用いることができる。
支持部材2は、トランスデューサ6を所望の位置に支持できるものであれば良い。支持部材2は、トランスデューサ6を支持するために機械的強度が高い金属材料や、PEEK(ピーク)、PAI(ポリアミドイミド)、PPS(ポリフェニレンサイファイド)などの熱可塑性樹脂などを用いて構成することが好ましい。支持部材2はトランスデューサ6を複数支持している。支持部材2に設けられた複数のトランスデューサ6のそれぞれの素子の送受信方向は異なり、穴10の中心に向かうように配置されている。図2ではトランスデューサ6が支持部材2の内側に沿って二次元的に24個配置されているが、所望の大きさの物を所望の数だけ配置させることが可能である。図3の断面図では支持部材2の内側にトランスデューサ6が1個配置されているが、図3の断面図のZ方向に複数個配置してもよい。トランスデューサ6は、接着層7で支持部材2に固定されている。接着層7はトランスデューサ6を支持部材2に固定することができれば良く、トランスデューサ6と支持部材2の材料に応じて好適なものを用いれば良い。
配線8は、トランスデューサ6と後述する回路部とを電気的に接続するためのものであり、フレキシブルプリント基板やプリント基板などを用いて支持部材2の内部を通ってケーブル4に引き出し、回路部と電気的に接続することができる。
接触部材3は、伸縮可能な部材であり、さらにトランスデューサ6と被検体の間で音響波を伝播できることが好ましい。例えば伸縮可能な部材としてシリコーンや天然ゴム、ポリブタジエンやウレタンなどの合成ゴム、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。この部材を用いて内部に空洞部を有するチューブ(浮輪)を作成することが好ましい。空洞部を有するチューブは、図4(A)におけるA−B断面を示す図4(B)に示されている。図4(B)において41は供給された媒質である。このチューブをトランスデューサ6の表面に接着層9で固定し、チューブ内に液体やジェル等から選ばれる媒質を満たしてチューブを膨張させることで図4(A)の方向13に示すように接触部材3が膨張する。液体の媒質としては、水や、油、グリセリン等が挙げられる。被検体を環状の支持部2の穴10に通した状態で接触部材3を膨張させることで、トランスデューサ6と被検体の間で音響波を伝播できる構成となる。トランスデューサ6と被検体の間には、トランスデューサ6側から、接着層9、接触部材3のチューブ、チューブ内を満たす媒質、接触部材3のチューブ、被検体の順で構成される。トランスデューサ6と被検体との間を構成するこれらの材料は、トランスデューサ6が送受信する音響波の反射を少なくするためにトランスデューサ6および被検体に音響インピーダンスが近い材料であることが好ましい。また、トランスデューサ6および被検体の中間の音響インピーダンスを有する材料であることがより好ましい。
本発明において、媒質の供給により膨張する接触部材の体積膨張率は、接触部材内部の空洞部を媒質で満たし接触部材が膨張していない状態を基準として、更に接触部材内部に媒質を供給することで接触部材を膨張させる媒質の供給量(体積)との比に基づいて算出される。つまり、本発明でいう体積膨張率は、以下の式(1)で示されるものである。
体積膨張率=100×(接触部材を膨張させた媒質の体積/接触部材内部の空洞部を接触部材が膨張しない程度に満たした媒質の体積)・・・式(1)
本発明において、媒質の供給により膨張する接触部材の体積膨張率は、採用する接触部材の大きさと被検体の大きさとの関係や、媒質の材質等を考慮して決定されるべきものであるが、一般的には5%乃至1000%の範囲内、より好ましくは10%乃至600%の範囲内、更に好ましくは20%乃至500%の範囲内とするのが好適である。
また、チューブの厚さや接着層9の厚さはトランスデューサ6が送受信する音響波の減衰を少なくするために薄い方が好ましい。チューブの厚さや接着層9の厚さは、トランスデューサ6が送受信する音響波の波長の1/20以下であれば、音響波の反射や減衰を無視できる。このことからチューブの厚さ及び接着層9の厚さをトランスデューサ6が送受信する音響波の波長の1/20以下としてもよい。
接触部材3と被検体の間に空気が介在すると、トランスデューサ6と被検体の間の音響波の伝播を妨害する。そのために、接触部材3の表面と被検体の間に水やゲル、油や粘着パッドなどを介在させるのがより好ましい。また接触部材3を粘着性のあるウレタンゲルやエラストマー材料で構成してもよいし、接触部材3の表面に粘着性のあるウレタンゲル層などの粘着層を設けて、被検体に粘着させて空気を介在させない構成としてもよい。
音響波プローブ1の支持部材2の内径(図1における12)は、所望の大きさにするのが好ましい。接触部材3の伸縮によって被検体の大きさに合わせて音響波を送受信することができるが、指と胴などあまりにも大きさの異なる被検体を検査する場合には、支持部材2の内径の異なる音響波プローブを用意するのが好ましい。また音響波プローブ1の形状は、円形だけでなく楕円形や多角形など、支持部が閉じた状態で環状であるような所望の形状にするのが好ましい。
図1から図4で示した音響波プローブは、被検体を囲む環状部を有するものであるが、本発明の音響波プローブは、被検体の少なくとも一部を囲む湾曲部を有する構成とすることもできる。図5は、完全な環状部ではなく湾曲部51と切り欠き部を有する例である。図5では、例えば、被検体である腕や足等を切り欠き部から湾曲部51側に押し込んだ後に媒質を移動させることで接触部材を膨張させて被検体と接触部材とを接触させる。52は、膨張する接触部材を保持するストッパである。図5の形態のプローブでは図1等に示した形態のプローブに比べて簡易なセッティングが可能となる。
図1から図4で示した音響波プローブは、支持部材2が開閉できない閉じた環状部を有するものであったが、図6から図10に示すように、支持部材2が開閉可能な構成にしてもよい。開閉可能な構成とすることで、被検体に音響波プローブが着脱しやすい構成となる。
こうした形態の一例を図6から図11を用いて説明する。図6は、本形態の音響波プローブを説明するための斜視図であり、図7と図10、及び図11は、図6のE−F断面上面図である。図8は図6のG−H断面斜視図である。音響波プローブ11は、図1から図4で説明した音響波プローブ1と形状や構成が異なるだけで、部材や材料は同等のもので構成することができる。
図6の音響波プローブ11は、支持部材が12−1と12−2に分かれており支持部が開閉可能な構成になっている。伸縮可能な接触部材も13−1と13−2に分かれており、媒質の供給と排出を行うための媒質供給排出口も15−1と15−2に分かれており、各々の接触部材13−1と13−2に接続されている。図1と同様に音響波プローブ11は、被検体情報取得装置に電気的に接続させるためのケーブル14を備えている。ケーブル14は、接続部16−1と16−2で支持部12−1と12−2に接続されている。図9と図10に示すように、音響波プローブ11は支持部材が支持部材12−1と12−2とに分離されている。そして2つの支持部材は、嵌合部17を用いて開閉が可能であり、閉じた状態で環状をなし、被検体を環状の支持部材12−1と12−2の穴22に通して音響波を送受信する。
図7と図8を用いて音響波プローブ11の内部を説明する。支持部材12−1と12−2の内側にはトランスデューサ19−1と19−2が各々の支持部材の形状に沿うように配置されており、音響波を穴22の中心に向かって送信できるように配置されている。トランスデューサ19−1と19−2は各々の支持部材12−1と12−2に接着層21−1と21−2で接着されており、配線20−1と20−2が各々繋がれており後述する回路部と電気的に接続されている。トランスデューサ19−1と19−2の音響波を送受信する第一の主面側(トランスデューサの内側)には接触部材13−1と13−2が各々のトランスデューサ19−1と19−2の形状に沿うように配置されている。トランスデューサ19−1と19−2と接触部材13−1と13−2は各々接着層18−1と18−2で接着されている。媒質供給排出口15−1と15−2は各々の接触部材13−1と13−2と繋がっており、媒質供給排出口15−1と15−2に後述する媒質供給排出部から媒質を供給することで、図11に示すように接触部材13−1と13−2が膨張する。被検体を環状の支持部材12−1と12−2の穴22に通した状態で、媒質供給排出口15−1と15−2に媒質を供給して接触部材13−1と13−2が被検体に接触するまで膨張させる。この状態でトランスデューサ19−1と19−2から音響波を送信すると、被検体に音響波を伝播させることができる。また被検体から生じた音響波をトランスデューサ19−1と19−2で受信することができる。
次に測定フローの一例について図12を用いて説明する。STEP1で音響波プローブを被検体に装着する。STEP2で接触部材内に媒質を供給する。これにより接触部材を膨張させる。STEP3で接触部材を被検体に接触させる。接触部材が被検体に接触したかどうかは目視で判断できる。より好ましくは、音響波プローブから音響波を送信し、反射して戻ってきた音響波を受信することで接触したかどうかの判断ができる。接触部材が被検体に接触するまでの間は、接触部材の被検体側表面で反射した音響波が受信される。接触部材が被検体に接触した後には、被検体内部で反射した音響波が受信されるため、この音響波の変化を観察することで接触したかどうかの判断ができる。また媒質供給排出部に圧力計を設け、媒質供給中の圧力変化から接触したかどうかの判断をするのも好ましい。STEP4で音響波の送受信を行い被検体から音響波画像を取得する。音響波画像を取得した後にSTEP5で接触部材内の媒質を媒質供給排出口から排出させる。STEP6で音響波プローブを被検体から外し、測定を終了する。以上のようにして被検体の音響波画像を取得することができる。
本発明は、被検体情報の取得方法をも包含する。本発明の被検体情報の取得方法は、音響波トランスデューサと、測定対象となる被検体に接触する接触部材と、前記音響波トランスデューサと前記接触部材とを支持する支持部材と、を備えた音響波プローブの前記接触部材は、その内部に音響波を前記被検体と前記音響波トランスデューサとの間で伝播させる媒質を保持可能であり、前記接触部材内に前記媒質を供給し前記接触部材を膨張させる、あるいは前記接触部材内より前記媒質を排出し前記接触部材を収縮させることで、前記被検体と前記接触部材とを接触させる工程と、前記被検体にパルス光を照射する工程と、前記パルス光の照射により被検体内で生ずる光音響波を前記音響波トランスデューサで受信する工程と、受信した光音響波の信号に基づいて前記被検体内部の情報を取得する工程と、を有することを特徴とする。
次に図13を用いて、音響波プローブを用いて音響波画像を取得する信号の伝達について説明する。音響波プローブ23を被検体に装着した後にシステム制御部28から媒質供給排出部24に媒質を供給するように信号を送る。媒質供給排出部24から接触部材が被検体に十分接触するまで媒質が供給される。接触部材が被検体に接触すると媒質の供給を停止するようにシステム制御部28から媒質供給排出部24に信号を送り媒質の供給が停止する。接触部材が被検体に接触したかどうかの判断は、図12のSTEP3で説明したのと同じ方法で判断する。システム制御部18から回路部25を経て音響波プローブ23に送信信号を送ることで音響波プローブ23から音響波が送信される。送信された音響波は被検体内で反射され音響波プローブ23で反射波を受信する。受信した音響波は電気信号に変換されて回路部25を経て画像処理部26へ信号が送られる。システム制御部28から所望の画像処理の指示が画像処理部26へ送られ、画像処理部26で表示に適した画像処理(例えばBモード画像、Mモード画像など)が行われ表示部27に画像処理後の信号が送られ音響波画像となって表示される。音響波の送信と受信および画像処理は、必要な音響波画像が得られるまで繰り返し行う。必要な音響波画像を得た後に、システム制御部28から媒質供給排出部24へ媒質の排出を行う信号が送られ、接触部材が被検体と非接触の状態となる。その後、音響波プローブ23を被検体から外すことができる。図13のように媒質の供給や排出をシステム制御してもよいし、システム制御をせずに独立させて媒質の供給や排出を行ってもよい。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。
図1から図4、及び図14から図18を参照して本例について説明する。図1は、本例の音響波プローブを説明するための斜視図であり、図2と図4は図1のA−B断面上面図である。図3は図1のC−D断面斜視図である。図14は図3の接触物質3を外した状態の斜視図であり、図15は支持部2の斜視図である。図16は、トランスデューサの一例についての斜視図であり、図17はトランスデューサを構成する素子の上面図である。図18は図17のI−J断面図である。
図1に示した音響波プローブ1の支持部材2の内側の半径は4.5cmである。外側の半径は7.5cmである。支持部材2の材料はポリフェニレンサルファイド(PPS)であり、金型による射出成型により肉厚5mmで図15に示すように成形されている。図15に示した支持部2は、組み立てる前の状態を示している。支持部材2は、トランスデューサ6を付きあてて固定する付きあて固定部2−1と、トランスデューサ6を裏側から固定するキャップ部2−2を有して構成されている。付きあて固定部2−1は、上面2−3と下面2−4がピラー2−5で繋がれた形状をしており、ピラー2−5の間にトランスデューサ6の音響波を送受信する表面が配置される。トランスデューサ6が付きあて固定部2−1に配置され、接着層7で固定された後に、キャップ部2−2をトランスデューサ6の後ろ側から付きあて固定部2−1に挿入し、接着層7でトランスデューサ6と固定部2−1を固定することで図14の構成が得られる。接着層7は、トランスデューサ6と支持部材2が固定される材料を選択すればよく、本例ではシリコーン樹脂を用いている。
本例で用いるトランスデューサ6は、静電容量型音響波トランスデューサであり、図16の29に示す構成をしている。静電容量型音響波トランスデューサ29は、素子30と音響マッチング層31と音響レンズ32と回路基板33を備えて構成されている。静電容量型音響波トランスデューサ29は、素子30が1次元アレイのようにX方向に多数個(本例では20個)並んでいる。図16では1次元アレイだが、素子30を2次元アレイにしてもよいし、コンベックス型など他の形状としてもよい。静電容量型音響波トランスデューサ29は回路基板33に実装され電気的に接続される。回路基板33は配線8で引き出されケーブル4を通って不図示の回路部と接続される。静電容量型音響波トランスデューサ29が音響波を送受信する表面側には、被検体と音響インピーダンスの整合を取るために、音響マッチング層31を設けている。音響マッチング層31は被検体への漏電を防止する為の保護膜として設けてもよい。音響マッチング層31を介して音響レンズ32が配置されている。音響マッチング層31は被検体と音響レンズ32の間で、音響インピーダンスの整合が取れる物を用いるのが好ましい。
図16に示したZ方向に曲率を持つ音響レンズ32を設けると、Z方向に広がる音響波を音響レンズの焦点位置で絞ることができる。X方向に広がる音響波はそのままでは絞ることができないため、素子30毎に音響波を送信するタイミングをずらしてビームフォーミングで送信駆動することで焦点位置で音響波を絞ることができる。音響レンズ32の形状は、所望の音響波の分布特性が得られる形状にするのが好ましい。また、用いる被検体の種類に応じて、音響マッチング層31や音響レンズ32の種類や形状を選択することが可能であるが、これらは必須とされる構成ではない。本例では、音響マッチング層31は音響インピーダンスが1.5MRayls程度のPDMS(ポリジメチルシロキサン)を架橋させたシリコーンゴムを用いる。PDMSはヤング率が1MPa程度と小さく、また音響インピーダンスも1MRayls〜2MRaylsと小さい。静電容量型トランスデューサ29を用いる場合、振動膜45の音響インピーダンスと同程度であり、振動膜45と音響マッチング層31との界面での音響波の反射の抑制ができて好ましい。PDMSはシリカ粒子等を添加することで音響インピーダンスを調整することができる。一方、音響レンズ32は、音響インピーダンスが1.5MRayls程度のシリコンエラストマーからなる材料で、曲率半径が13mmとなる形状のものを用いる。静電容量型音響波トランスデューサ29の外形寸法は、Y方向の長さが10mm、Z方向が20mm、X方向が5mmのものを用いる。
図17に、静電容量型音響波トランスデューサ29を構成する素子の上面図を示す。図17の素子30は、セル構造34を複数個有しており、素子30が3つ並んだ構成となっている。図17において、36は、電極パッドである。図17では1つの素子30がセル構造34を46個有しているが、セル構造34の数は、性能等を考慮して適宜設定可能である。また、素子30の数についても同様である。本例では、素子30の外形35の大きさを、Y方向が0.25mm、Z方向が4mmとして、Y方向に32個1次元アレイ状に配置している。
図18は、図17における素子30を構成するセル構造34のI−J断面図である。図18では、シリコンなどの基板37の上に第一の絶縁膜38が配され、第一の絶縁膜上に第一の電極39が配されている。ここで、基板37をガラスなどの絶縁性基板とする場合には第一の絶縁膜38は設けなくてもよい。第一の電極上には、第二の絶縁膜40が配され、第二の絶縁膜上に間隙41が形成されており、間隙41の上に第三の絶縁膜42が配されている。第三の絶縁膜42の上には、第二の電極43が配され、第二の電極上に絶縁膜で構成された封止膜44が形成されて振動膜45が構成されている。振動膜支持部46は、振動膜45を支持しており、振動膜支持部46には配線引き出しのために第二の電極43を含む部分と含まない部分が存在する。47は、セル構造34の第一の電極39と第二の電極43との間に電圧を印加する電圧印加手段であり、48は、第二の電極43に送信電圧を印加する電圧印加手段である。第二の電極43は、図17に示した電極パッド36で引き出されており、電極パッドと回路基板をワイヤボンディングなどを介して電気的に接続される。第一の絶縁膜38や第二の絶縁膜40は、シリコン基板を熱酸化した酸化シリコン等の薄膜を堆積することで形成される。第三の絶縁膜42や封止膜44は、窒化シリコン等の薄膜を堆積することで形成される。第一の電極39や第二の電極43は、チタンやタングステン、アルミニウム等の金属やこれらの合金を用いて薄膜形成される。
第一の電圧印加手段47より第一の電極39にバイアス電圧を印加することができ、バイアス電圧が印加されると、第一の電極39と第二の電極43の間に電位差が生じる。この電位差により振動膜の復元力と静電引力が釣り合うところまで振動膜45は変位する。この状態で音響波が振動膜45に到達すると、振動膜45が振動することで第一の電極39と第二の電極43の間の静電容量が変化して第二の電極43に電流が流れる。この電流を第二の電極43から引き出された電極パッド39を介して取り出すことで音響波を電気信号として取り出すことができる。また、第一の電圧印加手段47より第一の電極39にバイアス電圧を印加した状態で、第二の電圧印加手段48より第二の電極43に送信電圧を印加すると音響波を送信することができる。図17、図18において、セル構造34を構成する間隙41(振動膜45が振動する部分)の上面の形状は、円形としているが、正方形や長方形など種々の形状を採用することができる。また、セル構造34の配置も千鳥配置だけでなく、格子状や放射状など種々の配置を採用することができ、素子30の外形35も長方形の他、正方形や六角形、円形等、種々の形状を採用し得る。
図16に示した静電容量型音響波トランスデューサ29を24個用意し、図15に示した支持部材2にシリコーン樹脂7で固定する。配線8は束ねられ、ケーブルを通って不図示の回路部と電気的に接続され、図14に示した構造が得られる。図14において、配線8とキャップ部2−2の隙間は、接着層7や樹脂などで埋めて配線8を固定してもよい。次に、図3に示す接触部材3を用意する。接触部材3は、音響インピーダンスが約1.5MRaylsのシリコーンゴムを用いて中が空洞の環状のチューブで構成する。トランスデューサ6の音響波を送受信する第一の主面に接する環状のチューブの外側の半径は支持部2の内側の半径と支持部の厚さ0.5cmを足した5cmとし、被検体と接する環状のチューブの内側の半径は3.5cmとする。チューブの肉厚は100μm、媒質供給排出口5と接続する部分の肉厚は5mmとし、十分強度が保てる厚さとする。この接触部材3を図14で示したような静電容量型音響波トランスデューサ29の音響波を送受信する第一の主面側に接着層9を介して固定することで、図3に示す音響波プローブを作成できる。接着層9には、音響インピーダンスが1.5MRayls程度のPDMS(ポリジメチルシロキサン)を架橋させたシリコーンゴムを用いて接着部材3を固定する。
この音響波プローブの穴10(図4)の部分に腕などの被検体を挿入する。予め被検体には音響ゲルを塗っておく。この状態で不図示の媒質供給排出部から媒質供給排出口5に媒質として水をチューブ等を介して供給し接触部材3を膨張させる。接触部材3が膨張すると被検体と接触部材が音響ゲルを介して接触する。接触部材3と被検体との接触は、音響波プローブから音響波を送信し、被検体で反射して戻ってきた音響波を受信して得られる受信信号を観察することで確認することができる。例えば、接触部材3のチューブ内部に媒質が満たされた状態で被検体に非接触である場合には、音響波プローブから送信した音響波は接触部材3のチューブ最表面と被検体側の空気層との界面で反射して、その反射信号が音響波プローブへ戻ってきて受信信号が得られる。チューブや水、接着層9の音響インピーダンスが1.5MRayls程度であるのに対して空気は410Raylsと音響インピーダンスの差が大きいため、チューブ最表面と被検体側の空気層との界面で生じた反射波は大きい。チューブ内壁など他の部分からの反射波も生じるが、チューブ最表面と被検体側の空気層との界面で生じる反射波は大きく区別することができる。反射波の受信信号はオシロスコープなどで観察して時間波形として得ることができるため、接触部材3の材質や媒質の音速と厚さから、どこで生じた反射波なのかを区別することができる。接触部材3と被検体とが接触すると、チューブ最表面と被検体側の間の空気層が無くなる。被検体である皮膚の音響インピーダンスは1.52MRayls程度であり、チューブ最表面と被検体の反射波はほとんど無視できる大きさとなり、接触部材3が被検体に接触したことが確認できる。接触部材3の被検体との接触が確認できた後に媒質の供給を停止し、音響波プローブから音響波の送受信を行うことで被検体の音響波画像を取得することができる。被検体の音響画像を取得した後に、媒質供給排出口5から媒質を排出することで接触部材3が被検体と非接触の状態となり、音響波プローブを被検体から外すことができる。本例では、接触部材3と被検体の接触箇所に音響ゲルを介して空気層を除去して音響波の送受信を行っているが、接触部材3の被検体との接触面側を粘着性のエラストマー等で加工して被検体に粘着させて空気層を除去する構成としてもよい。
本例の音響波プローブは、被検体の大きさに応じて接触部材3が伸縮可能であり、被検体と接触した状態のまま音響波の送受信が行えるので、音響波センサの走査や音響波センサの貼り直しをせずに音響波画像を取得することができる。
図6から図11を参照して本例を説明する。本例で用いる音響波プローブは、支持部が開閉可能な構成をしている。また音響波プローブを構成する部材や材料および音響波の送受信等については、実施例1と同様である。
図6に示した音響波プローブ11の12−1と12−2で示した支持部材の内側の半径は11cmである。外側の半径は14cmである。実施例1と同様に支持部材12−1と12−2について、トランスデューサを付きあてて固定する部分とトランスデューサを裏側から固定する部分を作成する。
本例で用いるトランスデューサ19−1、19−2は、実施例1と同じ静電容量型音響波トランスデューサ29(図16)である。本例では静電容量型音響波トランスデューサ29を56個用意し、半分の28個を支持部材12−1に接着層18−1を用いて固定し、残りの28個を支持部材12−2に接着層18−2を用いて固定する。接着層18−1と18−2は、実施例1と同じシリコーン樹脂を使用すればよい。配線20−1と20−2は束ねられ図9のケーブル14を通って不図示の回路部と電気的に接続される。
次に、接触部材13−1と13−2を用意する。接触部材13−1と13−2は、実施例1の接触部材3と同様に音響インピーダンスが約1.5MRaylsのシリコーンゴムを用いて中が空洞のチューブを作成する。本例のチューブは、支持部材12−1と12−2に固定されたトランスデューサ19−1と19−2の表面に別々に固定するため、2本作成する。本例のトランスデューサ19−1の音響波を送受信する第一の主面に接する側のチューブの外側の半径は支持部材12−1の内側の半径と支持部の厚さ0.5cmを足した11.5cmとする。また、被検体と接する側のチューブの内側の半径は10cmとする。チューブの肉厚は100μm、媒質供給排出口15−1、15−2と接続する部分の肉厚は5mmとし、十分強度が保てる厚さとする。この接触部材13−1と13−2を実施例1と同様にトランスデューサ19−1と19−2の音響波を送受信する第一の主面に、接着層18−1と18−2を用いて各々固定することで図8に示す音響波プローブを作成できる。接着層18−1と18−2には、実施例1と同様に音響インピーダンスが1.5MRayls程度のPDMS(ポリジメチルシロキサン)を架橋させたシリコーンゴムを用いる。
この音響波プローブの穴22(図6、図7)の部分に首などの被検体を挿入し、嵌合部17で固定する。予め被検体には音響ゲルを塗っておく。この状態で媒質供給排出部から媒質供給排出口15−1と15−2に媒質として水をチューブ等を介して供給し接触部材13−1と13−2を膨張させると、実施例1と同様に接触部材13−1と13−2が膨張して被検体に接触する。接触部材13−1と13−2の被検体との接触が確認できた後に媒質の供給を停止し、音響波プローブから音響波の送受信を行うことで被検体の音響波画像を取得することができる。被検体の音響画像を取得した後に、媒質供給排出口5から媒質を排出する事で接触部材3が被検体と非接触の状態となり、嵌合部17を外して音響波プローブを被検体から外すことができる。本例では、接触部材13−1と13−2と被検体の接触箇所に音響ゲルを介して空気層を除去して音響波の送受信を行っているが、接触部材13−1と13−2の被検体との接触面側を粘着性のエラストマー等で加工して被検体に粘着させて空気層を除去する構成としてもよい。
本例の音響波プローブは、開閉可能な構成のため、被検体の部位に応じて着脱が可能となる。また被検体の大きさに応じて接触部材13−1と13−2が伸縮可能であり、被検体と接触した状態のまま音響波の送受信が行える。これにより音響波センサの走査や音響波センサの貼り直しをせずに音響波画像を取得することができる。
図1等に示した音響波プローブを用いて、手首の検査を行う例について説明する。本例で用いる環状チューブの外側の半径は5cm、内側の半径は3.5cmである。この環状チューブを支持部に装着させたときの高さ(図3に示した接触部材3の高さに相当)は、およそ0.4cmである。チューブ内部に媒質が供給され接触部材が膨張していない初期状態のチューブ内部の体積は、以下の式(2)となる。
(3.14×0.004×0.05^2)−(3.14×0.004×0.035^2)≒1.6×10^-5(m^3)・・・(式2)
平均的な手首の半径は、成人で2cm〜3cmであることから、音響波プローブに手首を通し、チューブ内部に媒質を供給してチューブを膨張させて手首に接触させて手首の検査を行う必要がある。手首の半径を2cmとすると、チューブ内部の体積を少なくとも、以下の式(3)で算出する値だけ増加させる必要がある。
(3.14×0.004×0.035^2)−(3.14×0.004×0.02^2)≒1.0×10^-5(m^3)・・・式(3)
この時の体積膨張率は、式(4)で示す通りとなる。
100×((1.0×10^-5)/1.6×10^-5)≒62.5%・・・式(4)
62.5%の膨張は、チューブが一方向に均等に伸縮した場合で考えている。一般的にはチューブの材料により伸縮する方向や割合が異なるため、チューブと手首を十分接触させるために、上記計算値の2倍程度の媒質を供給させてもよい(この時の体積膨張率は125.0%)。同様に、手首の半径を3cmとすると、チューブ内部の体積を少なくとも、式(5)で算出される値だけ増加させる必要がある。
(3.14×0.004×0.035^2)−(3.14×0.004×0.03^2)≒4.1×10^-6(m^3)・・・式(5)よって、この時の体積膨張率は、式(6)に示す通りとなる。
100×((4.1×10^-6)/1.6×10^-5)≒25.1%・・・式(6)
手首の半径2cmと同様に、膨張率25.1%が得られる二倍程度の媒質を供給させてもよい(この時の体積膨張率50.2%)。
尚、本例の音響波プローブの支持部材2の内側の半径は、所望の大きさにすればよく、手の大きさに合わせて大きくしてもよい。例えば、支持部材2の内側の半径を1.5cm大きくした場合、環状チューブの外側の半径は6.5cm、内側の半径は5cmにすればよい。この場合、手首の半径が2cmの時のチューブ内部の体積膨張率は約192%、手首の半径が3cmの場合の時のチューブ内部の体積膨張率は約93%である。チューブと手首を十分接触させるために、186%〜384%までチューブを膨張させてもよい。また、本例のプローブは、接触部材内部に媒質が供給され接触部材が伸縮していない初期状態で、図1の支持部材2の穴10側の端面とチューブ表面が一致した形状をしている。初期状態で、チューブの表面は、支持部材2の穴10側の端面よりも、穴10側に膨らんだ状態でも良いし、凹んだ状態としてもよい。
本例では、図1等に示した音響波プローブを用いて、首の検査を行う例について説明する。本例で用いる環状チューブの外側の半径は11.5cm、内側の半径は10cmである。
この環状チューブを支持部に装着させたときの高さは、およそ0.4cmである。チューブ内部に媒質が供給され接触部材が膨張していない初期状態のチューブ内部の体積は、以下の式(7)となる。
(3.14×0.004×0.115^2)−(3.14×0.004×0.1^2)≒4.1×10^-5(m^3)・・・式(7)
平均的な首の半径は、成人で4.6cm〜6.4cmであることから、音響波プローブに首を通し、チューブ内部に媒質を供給してチューブを膨張させて首に接触させて首の検査を行う必要がある。首の半径を4.6cmとすると、チューブ内部の体積を少なくとも、以下の式(8)で算出される量、増加させる必要がある。
(3.14×0.004×0.1^2)−(3.14×0.004×0.046^2)≒9.9×10^-5(m^3)・・・式(8)この時の体積膨張率は、式(9)の通りである。
100×((9.9×10^-5)/4.1×10^-5)≒241%・・・式(9)
ここで241%の膨張は、チューブが一方向に均等に伸縮した場合で考えている。一般的にはチューブの材料により伸縮する方向や割合が異なるため、チューブと首を十分接触させるために、上記計算値の2倍程度の媒質を供給させてもよい(この時の体積膨張482%)。同様に、首の半径を6.4cmとすると、チューブ内部の体積を少なくとも、式(10)で算出される量、増加させる必要がある。
(3.14×0.004×0.1^2)−(3.14×0.004×0.064^2)≒7.5×10^-5(m^3)・・・式(10)
この時の体積膨張率は、式(11)で示される通りである。
100×((7.5×10^-5)/4.1×10^-5)≒183%・・・式(11)
首の半径4.6cmと同様に、183%の二倍程度の媒質を供給させてもよい(この時の体積膨張率366%)。また、音響波プローブの支持部材2の内側の半径は、適宜大きくしてもよく、支持部材2の大きさに応じて環状チューブの大きさや供給する媒質の量を決めることができる。支持部材2の大きさは、チューブ内に供給する媒質による音響波の減衰を考慮して決めるのが好ましい。媒質を水とする場合、水の減衰率は、2.17×10^-3×F^2(dB/cm/MHz)である。ここで、Fは、周波数である。例えば、10MHzで、水による音響波の減衰を20%以下にする場合、音響波が通過するチューブ内の距離(接触部材内における媒質の厚み)は、7.3cm以下にするのが好ましい。これ以上の距離にならないように、支持部材の大きさやチューブの膨張率を設定するのが好ましい。
図19と図20を参照して本例を説明する。本例で用いる音響波プローブは、光ファイバー49(図19)を備えており、それ以外の構成は実施例2に示したものと同様である。本例では光ファイバー49をケーブル14を通じて超音波プローブの一部分に引き出しているが、トランスデューサを支持部材に固定する時に、トランスデューサの間に引き出す構成にしてもよい。また光ファイバー49は、1本だけでなく多数本を引き出してもよい。
本例の超音波プローブを用いると、図20に示す光音響波を用いた被検体情報取得装置に適用することができる。図20は光音響効果を利用した被検体情報取得装置の構成図である。
実施例2と同様に音響波プローブの穴22(図19)の部分に首などの被検体を挿入し、嵌合部17を用いて固定する。ここで、予め被検体には音響ゲルを塗っておく。この状態で媒質供給排出口15−1及び15−2に媒質として水をチューブ等を介して供給し、接触部材13−1と13−2を膨張させると、実施例1と同様に接触部材13−1と13−2が膨張して被検体に接触する。接触部材13−1及び13−2と被検体との接触が確認できた後に媒質の供給を停止する。次に光源50(図20)からパルス状に光を発生させる。発生したパルス光は、レンズ、ミラー、光ファイバー等の光学部材を介して被検体に照射される。被検体内部にある光吸収体は、パルス光のエネルギーを吸収し、音響波である光音響波を発生する。音響波プローブは、この光音響波を受信して電気信号に変換する。この信号が回路部を介して画像処理部で処理されることで被検体の光音響波画像を取得することができる。被検体の光音響画像を取得した後に、媒質供給排出口15−1と15−2から媒質を排出することで接触部材13−1と13−2が被検体と非接触の状態となり、嵌合部17を外して音響波プローブを被検体から外す。本例では、音響波プローブに光ファイバー49を備え、光源をシステム制御部と一体にした構成としたが、光源をシステム制御部と独立させ、音響波プローブと光ファイバー49を独立させた構成とすることも可能である。
1、11、23 音響波プローブ
2、12−1、12−2 支持部材
3、13−1、13−2 接触部材
6、19−1、19−2 トランスデューサ

Claims (19)

  1. 音響波トランスデューサと、測定対象となる被検体に接触する接触部材と、前記音響波トランスデューサと前記接触部材とを支持する支持部材と、を備えた音響波プローブであって、前記接触部材は、その内部に音響波を前記被検体と前記音響波トランスデューサとの間で伝播させる媒質を保持可能であり、前記接触部材内に前記媒質を供給し前記接触部材を膨張させることで、あるいは前記接触部材内より前記媒質を排出し前記接触部材を収縮させることで、前記被検体と前記接触部材との接触の度合いを可変としたことを特徴とする音響波プローブ。
  2. 前記媒質の供給により前記接触部材が膨張する体積膨張率は、5%乃至1000%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の音響波プローブ。
  3. 前記接触部材の供給により前記接触部材が膨張する体積膨張率は、10%乃至600%の範囲内にあることを特徴とする請求項2に記載の音響波プローブ。
  4. 前記接触部材の供給により前記接触部材が膨張する体積膨張率は、20%乃至500%の範囲内にあることを特徴とする請求項3に記載の音響波プローブ。
  5. 前記支持部材は、前記被検体の少なくとも一部を囲む湾曲部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の音響波プローブ。
  6. 前記支持部材は、前記被検体を囲む環状部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の音響波プローブ。
  7. 前記支持部材は、その一部が分離されて、前記環状部が開閉可能となっていることを特徴とする請求項6に記載の音響波プローブ。
  8. 前記媒質は、液体又はジェルからなることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の音響波プローブ。
  9. 前記液体は、水、油、グリセリンの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項8に記載の音響波プローブ。
  10. 前記媒質を水として、前記接触部材内における媒質の厚みは7.3cm以下であることを特徴とする請求項9に記載の音響波プローブ。
  11. 前記接触部材は、前記トランスデューサの音響波を送受信する第一の主面側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の音響波プローブ。
  12. 前記トランスデューサは、複数のトランスデューサを二次元的に並べてなることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の音響波プローブ。
  13. 前記トランスデューサと前記接触部材とは、前記支持部材に挟まれて保持されていることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の音響波プローブ。
  14. 前記接触部材は、該接触部材への前記媒質の供給および/又は前記接触部材からの前記媒質の排出を行うための媒質供給排出口を有することを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の音響波プローブ。
  15. 前記接触部材は、エラストマー、ゲル、ゴムのうち少なくとも一つからなることを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の音響波プローブ。
  16. 前記音響波トランスデューサが静電容量型音響波トランスデューサであることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の音響波プローブ。
  17. 前記請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の音響波プローブと、画像処理部と、表示部と、前記音響波プローブと前記画像処理部との間の信号を送受信する回路部と、前記画像処理部と前記回路部とを制御する制御部と、を有することを特徴とする被検体情報取得装置。
  18. 前記請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載の音響波プローブと、パルス光を発生する光源と、画像処理部と、表示部と、前記音響波プローブと前記画像処理部との間の信号を送受信する回路部と、前記画像処理部と前記回路部とを制御する制御部と、を有し、前記光源から発せられて被検体に照射された光によって生じる光音響波を前記音響波プローブで受信し、変換された信号を前記画像処理部で処理することで前記被検体内部の情報を取得することを特徴とする被検体情報取得装置。
  19. 音響波トランスデューサと、測定対象となる被検体に接触する接触部材と、前記音響波トランスデューサと前記接触部材とを支持する支持部材と、を備えた音響波プローブの前記接触部材は、その内部に音響波を前記被検体と前記音響波トランスデューサとの間で伝播させる媒質を保持可能であり、前記接触部材内に前記媒質を供給し前記接触部材を膨張させる、あるいは前記接触部材内より前記媒質を排出し前記接触部材を収縮させることで、前記被検体と前記接触部材とを接触させる工程と、前記被検体にパルス光を照射する工程と、前記パルス光の照射により被検体内で生ずる光音響波を前記音響波トランスデューサで受信する工程と、受信した光音響波の信号に基づいて前記被検体内部の情報を取得する工程と、を有することを特徴とする被検体情報の取得方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102604540B1 (ko) * 2023-07-10 2023-11-22 포항공과대학교 산학협력단 환부 종합 관찰용 초음파 프로브

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