JP2016189893A - 脈波検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】人体の指に光を照射して脈波を検出する場合、発光部からの発光光量を増加させることなく、指の血管が最も多い部分に照射される光の光量を増加させ、脈波の検出感度を上げることのできる脈波検出装置を提供する。【解決手段】少なくとも2つの発光部の発光により拡散層91から出射した観測光の光量を足し合わせた光量が、拡散層の出射面側で、少なくとも2つの発光部から同距離の位置で、1つの発光部が発光する観測光の光量が最大となる位置での光量以上の光量であるように拡散層のヘイズ値を設定する。【選択図】図2

Description

本発明は、人体の脈波を光学的に検出する脈波検出装置に関する。
人体の脈波を検出する装置として、特許文献1に記載の生体情報検出装置が知られている。特許文献1に記載の生体情報検出装置は、観測光を発光する発光素子と、観測光が生体組織で散乱された散乱光を受光する受光素子と、受光した散乱光に基づいて脈波等の生体情報を算出する演算処理手段と、を備える。生体情報検出装置は、人体の皮膚等に装着された状態で、発光素子を発光させる。生体情報検出装置は、受光素子に散乱光を受光させる。生体情報検出装置の演算処理手段は、受光した散乱光に基づいて脈波を算出する。
特許文献1に記載の生体情報検出装置は、観測光を人体に向かって導き、環状に拡散させる環状の導光部材を備える。導光部材によって、観測光が拡散されるので、人体の広い面積に均一に観測光が照射される。
特開2011−147746号公報
観測光は、血管中のヘモグロビンにより一部吸収される。観測光がヘモグロビンに吸収された分、散乱光の強度が低くなる。血管脈動により、血流量が変化することから、ヘモグロビンの数は時間的に変化するので、一定期間、散乱光の強度が測定されることにより、脈波が測定される。測定された脈波の形状に基づいて、血圧が推定される。
観測光が照射される血管の数が増大するにつれて、観測光が照射され得るヘモグロビンの数が増え、吸収される光量は増加する。特に、脈動のタイミングの内、ヘモグロビンの数が多いタイミングにおいては、観測光が照射される血管の数が増大するにつれて、観測光の強度は低下する。一方、脈動のタイミングの内、ヘモグロビンの数が少ないタイミングにおいても、観測光が照射される血管の数が増大するにつれて、観測光の強度は低下する。しかし、ヘモグロビンの数が少ないタイミングにおいては、元々ヘモグロビンの数が少ないので、低下する観測光の強度はわずかである。従って、観測光が照射される血管の数が増大するにつれて、脈波の形状における極大値と極小値との差が大きくなる。言い換えると、観測光が照射される血管の数が増大するにつれて、脈波の検出感度が大きくなる。
ところで、上述したような従来の生体情報検出装置は、腕時計の腕時計ケースの裏蓋に設けられる。腕時計が腕に取り付けられると、腕時計ケースの裏蓋が腕に接触し、生体情報検出装置は、腕に向けて観測光を照射する。
ここで、上述したような従来の生体情報検出装置を、人体の指に観測光を照射する装置として採用したとすると、下記のような問題が発生する。
上述したような従来の生体情報検出装置では、生体情報検出装置の中心部分に受光素子が配置され、受光素子の周囲に発光素子及び導光部材が配置される。一般に、出射される光の光量は、光源の中心の法線方向でもっとも大きくなり、中心から法線と直交する方向に離れるほど小さくなる。したがって、上述したような従来の生体情報検出装置の中心部分は、発光素子及び導光部材の中心部分から離間しているので、生体情報検出装置の中心部分の光量は、光源の中心の法線方向の光量よりも小さくなる。
一般に、人体の指において、指の幅方向の中心部分は、指の幅方向の外側部分と比べて、血管の密度が高くなっている。
上述したような従来の生体情報検出装置が指に装着される場合、上述したような従来の生体情報検出装置は、指の中心部分に配置されることが想定される。上述したような従来の生体情報検出装置では、指の血管の最も多い部分と、観測光が照射される光量が最も多い指の部分とが異なっている。生体情報検出装置の中心部分に照射される光量は小さくなるので、指の中心部分に照射される光量は小さくなる。一方、生体情報検出装置の中心部分から離間した外側部分に照射される光量は大きくなる。指の血管の数が多い指の中心部分に対しては、観測光が照射される光量が小さいので、脈波の検出感度が低下してしまう。また、指の血管の数が少ない指の外側部分は、指の中心部分に比べ、脈波の検出感度が小さい部分であるが、この指の外側部分に多くの光量が照射される問題がある。
本提案は、上記の問題を解決するものであり、血管の数が部位により大きく異なる人体の指などの被検体に光を照射して脈波を検出する場合、発光部からの発光光量を増加させることなく、被検体の血管が多い部分に照射される光の光量を増加させ、脈波の検出感度を向上させることを目的とする。
本発明の一実施の態様によれば、脈波検出装置は、筐体と、筐体に保持され、脈波を検出する脈波検出ユニットと、を備える脈波検出装置であって、前記脈波検出ユニットは、観測光を発光する少なくとも2つの発光部と、少なくとも2つの前記発光部の間に配置され、前記観測光が人体で散乱した散乱光を受光する受光部と、を備え、前記脈波検出装置は、前記観測光が入射され、入射した観測光を拡散させて人体に向けて出射する拡散層を、さらに備え、前記少なくとも2つの発光部の発光により前記拡散層から出射した前記観測光の光量を足し合わせた光量が、前記拡散層の出射面側で、前記少なくとも2つの発光部から同距離の位置で、1つの発光部が発光する観測光の光量が最大となる位置での光量以上の光量となるように拡散層のヘイズ値が設定されていることを特徴とする。
脈波検出装置は、観測光が入射され、入射した観測光を拡散させて人体に向けて出射する拡散層を備える。これにより、観測光が拡散されて、広い面積に観測光が照射される。広い面積に観測光が照射されるので、観測光が照射される血管の数が増加し、脈波検出の感度が向上する。
また、脈波検出装置は、2つの発光部から同距離の位置で、1つの発光部が発光する観測光の最大の光量以上の光量を出力する。2つの発光部から同距離の位置に、人体の血管の多い検出対象箇所が配置されるように、脈波検出装置が配置されることにより、検出対象箇所の血管が多い部分に照射される光量が増加し、脈波検出の感度が向上する。
本態様において、脈波検出装置は、前記拡散層の表面に、指を配置する面が形成されていてもよい。
これにより、指を配置する面に指を設置することで、照射領域に指が配置される。したがって、指の広い面積に観測光が照射されるので、観測光が照射される血管の数が増加し、脈波検出の感度が向上する。
本態様において、脈波検出装置では、前記拡散層のヘイズ値が20パーセントから80パーセントまでの範囲内で設定されていてもよい。
光の拡散が大きくなると、拡散層での透過光量が低下し、指などの検出対象箇所への照射光量が低下するため、脈波検出の感度が低下するが、本発明の脈波検出装置は、拡散層のヘイズ値が20パーセントから80パーセントであるので、光量の低下を抑制しながら、照射領域を広くすることができる。したがって、広い面積に観測光が照射されるので、観測光が照射される血管の数が増加し、脈波検出の感度が向上する。
本態様において、脈波検出装置では、前記拡散層の表面に凹凸が形成されていてもよい。
凹凸があることにより、拡散層に入射した光は拡散される。したがって、広い面積に観測光が照射されるので、観測光が照射される血管の数が増加し、脈波検出の感度が向上する。
本態様における脈波検出装置では、前記拡散層は、前記脈波検出ユニットを保持する部材に設けられていてもよい。
拡散層と、脈波検出ユニットを保持する部材とを別部材で構成する場合、拡散層と脈波検出ユニットとの間に組み付け誤差が生まれる。組み付け誤差が存在すると、照射領域が変わり、測定誤差が発生する。しかしながら、本態様の脈波検出装置においては、拡散層は、脈波検出ユニットを保持する部材に設けられている。よって、組み付け誤差が存在せず、測定誤差が発生しない。測定誤差が発生しないので、脈波検出の感度が向上する。
本態様における脈波検出装置では、前記筐体は、上筐体と、前記上筐体に対して回動自在に接続する下筐体と、を備え、前記上筐体は、前記脈波検出ユニットを保持し、前記下筐体には指を配置するための溝が形成されており、溝の中心が前記2つの発光部から同距離の位置にあってもよい。
これにより、指が下筐体に設置された状態で、上筐体が、指の上部から下筐体へ向かう方向に、指を押圧することができる。これにより、指に対して脈波検出ユニットが安定的に保持され、脈波検出の感度が向上する。
また、脈波検出装置においては、下筐体には指を配置するための溝が形成されており、溝の中心が2つの発光部から同距離の位置にある。溝に指を配置することにより、指の中心を2つの発光部から同距離の位置に一致させることができる。よって、検出対象箇所の血管が最も多い箇所に照射される光の光量が増加し、脈波検出の感度を向上させることができる。
脈波検出装置1の要部の断面図である。 図1の一点鎖線A−A矢視方向で見た、脈波検出装置1の要部の断面図である。 拡散層91を示す図である。 脈波検出装置1の電気構成を示すブロック図である。 脈波出力値から血圧を算出することを説明するためのグラフである。 被検体の位置による毛細血管の分布と、照射強度の分布とを示すグラフである。 照射強度の分布を示すグラフである。(a)は、拡散層91のヘイズ値が0パーセントの場合照射強度の分布を示す。(b)は、拡散層91のヘイズ値が50パーセントの場合照射強度の分布を示す。(c)は、拡散層91のヘイズ値が90パーセントの場合照射強度の分布を示す。 各ヘイズ値における、被検体から検出される脈波出力値を示すグラフである。 ヘイズ値と受光感度との関係を示すグラフである。 脈波検出装置1の光センサユニット7の変更形態1を下からみた図である。(a)は、指を配置していない状態を示す。(b)は、指を配置した状態を示す。
(全体構成の説明)
以下、本発明に係る脈波検出装置について具体化した第1実施形態に係る脈波検出装置1の概略構成について図1乃至9に基づいて説明する。
図1〜図3を参照し、脈波検出装置1の構造について説明する。以下の説明では、図1の上側、下側、右側、左側、表面側、裏面側を、それぞれ、脈波検出装置1の上側、下側、前側、後側、左側、右側とする。
図1、図2、図3、図4に示すように、脈波検出装置1は、被検体H(例えば人の指)に照射した光の反射光を受光し、強度の検出結果に基づいて脈波を検出する装置である。脈波検出装置1は、クリップ型の筐体2内に、光センサユニット6を収容する。脈波検出装置1の筐体2は、下筐体3、上筐体4、連結部5を備える。
(下筐体3)
図1、図2に示すように、下筐体3は、樹脂製で前後方向に延びる略直方体形状の箱体である。下筐体3は、後端部に、指を設置するための指設置部31を備える。指設置部31は、下筐体3の左右方向における中央部に配置される。指設置部31は、上部と後部とが開放された略矩形状の穴として形成される。指設置部31の底面は、前側の第1底部311と、後側の第2底部312と、から構成される。第1底部311は、全体が一定の深さに形成される。第2底部312は、前側から後側に向かうにつれて深さが浅くなるように傾斜して形成される。下筐体3は、前端部に、連結部5を設置するための連結用凹部32を備える。連結用凹部32は、下筐体3の上面に、略矩形の穴として設けられる。
(連結部5)
図1に示すように、連結部5は、弾性を有するばね体として構成される。連結部5は、左右方向に延びる軸を周方向に取り巻くつる巻き状のばね体を備える。ばね体の一端51は、下筐体3の連結用凹部32の内に配置され、連結用凹部32内で前方向に延びる。ばね体の一端51は、下筐体3に固定される。ばね体の他端52は、上筐体4の後述する連結用凹部内42に配置され、連結用凹部42内で前方向に延びる。ばね体の他端52は、上筐体3に固定される。
(上筐体4)
図1、図2に示すように、上筐体4は、樹脂製で前後方向に延びる略直方体形状の箱体である。上筐体4は、前端部に、連結部5を設置するための連結用凹部42を備える。連結用凹部42は、上筐体4の下面に、略矩形の穴として設けられる。前述したように、連結用凹部42内に連結部5の他端52が配置され、上筐体4は連結部5の他端52と連結する。したがって、上筐体4は、連結部5を介して、下筐体3と回動自在に連結される。上筐体4は、下筐体3に対して、上下に対向して配置される。上筐体4は、後端部に、光センサユニット6を収容する収容部41を備える。収容部41は、上筐体4の下面に設けられ、例えば矩形状に開口する凹部として形成される。収容部41は、上筐体4の左右方向における中央部に配置される。収容部41は、上筐体4と下筐体3とを連結したときに、下筐体3の指設置部31の上に位置するように、上筐体4に形成される。上筐体4は、収容部41の左側に、第1軸取付穴43を有する。第1軸取付穴43は、収容部41の左側に、収容部41から左方向に凹んで形成される。上筐体4は、収容部41の右側に、第2軸取付穴44を有する。第2軸取付穴44は、収容部41の右側に、収容部41から右方向に凹んで形成される。第1軸取付穴43及び第2軸取付穴44は、左右方向に延びて形成される。第1軸取付穴43及び第2軸取付穴44は、第1軸取付穴43の延びる方向と第2軸取付穴43の延びる方向とが一直線上になるように、形成される。第1軸取付穴43及び第2軸取付穴44は、後述する光センサユニット6を上筐体4に取り付けるために設けられる。上筐体4は、後端部に、収容部41を取り囲むように、固定板45を備える。固定板45はロの字形状の平板であり、第1軸取付穴43及び第2軸取付穴44と上下方向に重なるように配置される。固定板45は、筐体の下面に対して、ねじ止めされて固定される。固定板45は、後述する光センサユニット6を上筐体4に取り付けるために設けられる。
(光センサユニット6)
図1、図2に示すように、光センサユニット6は、脈波検出ユニット7と、回転軸8と、保持部材9とを備える。
(保持部材9)
図1、図2に示すように、保持部材9は、左右方向に延びる略直方体形状の箱体であり、ポリカーボネート(PC)樹脂のような透明な樹脂で一体成型される。保持部材9の前後方向の長さは、収容部41の前後方向の長さより短い。保持部材9の左右方向の長さは、収容41部の左右方向の長さより短い。保持部材9は、内部に、脈波検出ユニット7が保持されるための空間を有する。
(回転軸8)
図2に示すように、回転軸8は、保持部材9から左右方向に突出して延びるように形成される。回転軸8は、保持部材9の左端から左方向に突出して形成される第1回転軸81と、保持部材9の右端から右方向に突出して形成される第2回転軸82と、から構成される。第1回転軸81及び第2回転軸82は、左右方向に延びて形成される。本実施形態では、回転軸81,82は保持部材9と同材料であり、回転軸81,82は保持部材9と一体成型される。第1回転軸81は、第1軸取付穴43の内径より小さい外径で形成される。第2回転軸82は、第2軸取付穴44の内径より小さい大きさの外径で形成される。第1回転軸81は第1軸取付穴43に挿入され、第2回転軸82は第2軸取付穴44に挿入される。つまり、第1回転軸81及び第2回転軸82は、第1軸取付穴43と固定板45によって規定される空間及び第2軸取付穴44固定板45によって規定される空間に挿入される。したがって、保持部9と、上筐体4とは、固定板45、第1回転軸81及び第2回転軸82を介して、回動自在に連結される。
(脈波検出ユニット7)
図1、図2に示すように、脈波検出ユニット7は、保持部9の内部に設けられた空間に配置され、第1発光素子71、第2発光素子72、受光素子73、基板74を備える。なお、第1発光素子71と第2発光素子72とをまとめて、発光素子71、72と表現する場合がある。
(第1発光素子71)
図1、図2に示すように、第1発光素子71は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。第1発光素子71は、血液中のヘモグロビンが強い吸収スペクトルを示す波長帯の光を出射する。第1発光素子71は、保持部材9に対して、保持部材9の前後方向の中心位置であって、保持部材9の左右方向の左側位置に配置される。第1発光素子71は、下向きに光を出射するように、保持部材9に配置される。なお、第1発光素子71の位置は、前後方向の中心位置に限らない。
(第2発光素子72)
図1、図2に示すように、第2発光素子72は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。第2発光素子72は、血液中のヘモグロビンが強い吸収スペクトルを示す波長帯の光を出射する。第2発光素子72は、保持部材9に対して、保持部材9の前後方向の中心位置であって、保持部材9の左右方向の右側位置に配置される。第2発光素子72は、下向きに光を出射するように、保持部材9に配置される。第2発光素子72は、第1発光素子71が出射する光の強度と同等の強度の光を出射する。なお、第2発光素子72の位置は、前後方向の中心位置に限らない。
(受光素子73)
図1、図2に示すように、受光素子73は、例えば、フォトダイオードである。受光素子73としては、発光素子71,72が出射する光の波長帯に対する感度が高いことが望ましい。受光素子73は、保持部材9に対して、保持部材9に対して、保持部材9の前後方向の中心位置であって、保持部材9の左右方向の中心位置に配置される。受光素子73は、下筐体3の指設置部31の中央部分の上に配置される。受光素子73は、第1発光素子71と第2発光素子72とを結ぶ直線状に配置され、第1発光素子71と第2発光素子72との間に配置される。受光素子73は、被検体Hにより反射された上向きの光を受光するように、保持部材9に配置される。なお、第2発光素子73の位置は、前後方向の中心位置に限らない。
(基板74)
図1、図2に示すように、基板74は電子回路基板であり、下面に第1発光素子71と第2発光素子72と受光素子73とを実装する。基板74は、保持部材9に配置される。
(第1発光素子71、第2発光素子72、受光素子73の位置関係について)
ここで、第1発光素子71、第2発光素子72、及び、受光素子73の位置関係について、詳述する。第1発光素子71、第2発光素子72、及び、受光素子73は、左右方向に、一直線上に並んで配置される。受光素子73は、第1発光素子71と第2発光素子72との間に配置されており、受光素子73から第1発光素子71までの距離と、受光素子73から第2発光素子72までの距離と、は等しい。本実施形態では、受光素子73から第1発光素子71までの左右方向の距離は、5.0mmである。本実施形態では、受光素子73から第2発光素子72までの左右方向の距離は、5.0mmである。第1発光素子71及び第2発光素子72は、上下方向について同じ位置に各素子の下端が配置されるように、配置されている。言い換えると、第1発光素子71の下端から保持部材9の下端までの距離と、第2発光素子72の下端から保持部材9の下端までの距離とは、等しい。受光素子73は、第1発光素子71の下端及び第2発光素子72の下端より、上下方向について上方の位置に受光素子73の下端が配置されるように、配置されている。本実施形態では、第1発光素子71の下端から保持部材9の下端までの距離は、1.1mmである。本実施形態では、第2発光素子72の下端から保持部材9の下端までの距離は、1.1mmである。本実施形態では、受光素子73の下端から保持部材9の下端までの距離は、1.2mmである。
(拡散層91)
図3に示すように、保持部材9の下面は、不規則な凹凸が形成された拡散層91として形成されている。本実施形態では、凹凸の大きさは数ミクロンである。拡散層91は、拡散層91に入射した光が出射するときに、拡散するように構成される。保持部材9の下面には不規則な凹凸が形成されているので、不規則な凹凸で乱反射が起こる。乱反射が起こることにより、出射する光は拡散される。不規則な凹凸により拡散層91のヘイズ値(Haze値)は、20〜80パーセントであるのが望ましい。ヘイズ値とは、光の拡散の度合いを示す値であり、ヘイズ値が大きいほど拡散の度合いが大きいことを表す。例えばガラスのような透明な材料のヘイズ値は略0パーセントである。本実施形態において、拡散層91は、保持部材9の下面に微細な粒子を衝突させることにより、保持部材9の下面に凹凸を生じさせて形成される。つまり、拡散層91と保持部材9とは、同一の材料から構成されている。本実施形態では、拡散層91として、不規則な凹凸を用いたが、拡散層91の構造はこれに限らない。例えば、凹レンズを並べたものを保持部9の下面に配置し、拡散層とすることもできる。凹レンズは、光の屈折により、入射した光を拡散して出射する。ただし、凹レンズを並べた場合、出射された光の強度に周期的なムラができる。周期的なムラが存在すると、脈波検出感度にばらつきがうまれ、血圧検出精度が悪化する。一方、本実施形態のように、拡散層91として、不規則な凹凸を用いた場合、出射される光OBはランダム位相となるので、出力分布の周期的なムラがなくなり、ブロードな出射特性となる。ブロードな出射特性となるので、脈波検出感度にばらつきが小さくなり、血圧検出精度が向上する。
(電気的構成)
図4を参照し、脈波検出装置1の電気的構成について説明する。脈波検出装置1は、筐体2内に、CPU10、ROM11、及び、RAM12を備える。CPU10は、ROM11、RAM12、ディスプレイ13、操作部14、及び、発光素子71,72のそれぞれと電気的に接続する。CPU10は、脈波検出装置1の制御を行う。ROM11は、脈波検出のための制御プログラム等を記憶する。RAM12は、各種データを一時的に記憶する。ディスプレイ13は、CPU10から出力される画像信号に基づく画像および演算結果を表示する。操作部14は、脈波検出装置1に対する操作の入力を受け付け、操作内容に応じた信号をCPU10に出力する。操作部14は、脈波検出装置1の電源をオンオフする電源スイッチ(図示略)を含む。
脈波検出装置1は、筐体2内に、電流電圧変換回路15、増幅回路16、及び、A/D変換回路17をさらに備える。脈波検出ユニット7の受光素子73は、電流電圧変換回路15と電気的に接続する。電流電圧変換回路15は、増幅回路16と電気的に接続する。増幅回路16は、A/D変換回路17と電気的に接続する。A/D変換回路17は、CPU10と電気的に接続する。電流電圧変換回路15は、受光素子73から入力される電流を電圧へ変換して出力する回路である。増幅回路16は、電流電圧変換回路15から入力される電圧を増幅して出力する回路である。A/D変換回路17は、増幅回路16から入力される電圧をデジタル変換してCPU10に出力する回路である。
(脈波検出の作用)
脈波検出装置1が被検体Hの脈波を検出するとき、被検体Hが、指設置部31に配置される。被検体Hが指配置部31に配置されると、被検体Hは、脈波検出ユニット7の下面と向き合う位置に配置される。CPU10は、電源スイッチがオンされると、制御信号を出力して発光素子71,72を発光させる。発光素子71,72が発する観測光OBは、拡散層91を介して出射され、図1に示す被検体Hの血管に到達する。観測光OBは、血液中のヘモグロビンに一部が吸収され、一部が反射または透過する。血管内を流れる血流の量は、脈拍に合わせて変化する。血液中のヘモグロビンの量は、血流量に応じて変化する。よって、観測光OBが血管に反射される反射光RBの強度は、ヘモグロビンの量に応じて変化する。受光素子73は、反射光RBを受光する。受光素子73を流れる電流は、反射光RBの強度に応じて変化する。電流電圧変換回路15は、入力電流を電圧に変換し、受光素子73を流れる電流の大きさの変化を電圧の大きさの変化として出力する。増幅回路16は、電流電圧変換回路15から入力される電圧を増幅して出力する。A/D変換回路17は、増幅回路16から入力される電圧を、アナログ信号からデジタル信号へ変換し、CPU10に出力する。CPU10は、A/D変換回路17から入力されるデジタル信号に基づき、受光素子73が受光した反射光RBの強度を検出する。すなわち、受光素子73が受光する反射光RBの強度は、被検体Hの血管を流れる血液の脈波に応じて変化する。故に、CPU10は、A/D変換回路17から入力され、反射光RBの強度を示すデジタル信号に基づき、脈波を検出することができる。
図5は、脈波検出装置1によって検出された脈波の形状の例を示す図である。図5の横軸は時間を示し、縦軸は脈波出力値を示す。脈波出力値は、脈波検出装置1によって検出された反射光RBの強度を示す。図5に示された実線が、検出された脈波を示す。図5においては、0秒における脈波出力値を0.0とし、脈波出力値の最高値を1.0として、脈波出力値を表示している。CPU10は、検出した脈波の形状に基づいて、特徴量を算出し、血圧を推定する。より具体的に言えば、CPU10は、検出した脈波を一回微分、二回微分し、微分された形状に基づいて特徴量を算出する。特徴量は、例えば、微分された形状における、極値の波高又はピークの間隔である。CPU10は、特徴量に基づいて、血圧を推定する。図5に示された破線が、脈波検出装置1によって検出された脈波を一回微分した一次微分値を示す。図5に示された一点鎖線が、脈波検出装置1によって検出された脈波を二回微分した二次微分値を示す。微分が行われるとき、ノイズの影響を受けやすい。特に、脈波の振幅が小さい場合、振幅の大きさに対するノイズの大きさの比が大きくなるので、ノイズの影響をより受けやすい。逆に言えば、脈波の振幅を大きくすれば、ノイズの影響を小さくして、血圧推定をより正確に行うことができる。ここで、脈波の振幅とは、検出した脈波の強度の最高値と最低値との差である。図5においては、0秒の時の脈波出力値が最低値となっており、約0.2秒の時の脈波出力値が最高値となっている。従って、図5においては、振幅は、0秒の時の脈波出力値と約0.2秒の時の脈波出力値との差によって示される。また、脈波の振幅が大きいとは、脈波検出の感度が良いということである。
(脈波検出感度向上の原理の説明)
次に、図6、図7(a)、図7(b)、及び、図7(c)を参照し、脈波検出装置1が脈波検出の感度を向上させる原理について説明する。なお、脈波検出時、被検体Hは下筐体3と上筐体4とに挟まれて脈波検出ユニット7に対する被検体Hの位置が固定され、被検体Hは拡散層91に接触状態であるものとする。
図6に示すように、一般に、被検体Hである人体の指の毛細血管の密度は、指の幅方向に関して、中央部分に近い程、高い。反対に、指の毛細血管の密度は、指の幅方向に関して、端部分に近い程、低い。
一方、発光素子71,72であるLEDには、指向特性がある。本発明とは異なるが、拡散層91を設けない場合(ヘイズ値が0パーセントの場合)の、発光素子71,72から発光された観測光OBの強度の分布を、図6に示す。図6において、横軸は受光素子73からの左右方向の距離を示し、縦軸は、指における観測光照射強度を示す。発光素子71,72の直上の位置で、観測光照射強度は最も大きくなり、図6では、最も大きくなった強度を100として規格化している。発光素子71,72は、第1発光素子71と第2発光素子72との、2つの発光素子が配置されており、第1発光素子71と第2発光素子72とは、第1発光素子71の中心と第2発光素子72の中心との距離が10.0mmの距離となるような間隔で配置されている。第1発光素子71と第2発光素子72とは、同一の強度の光を発光する。各発光素子71,72において、発光素子71,72の直上の位置では、観測光照射強度が最も大きくなっている。一方、発光素子71,72の直上からの左右方向の距離が大きくなるに従って、観測光照射強度が小さくなる。なお、例えば2つの発光素子71,72に挟まれた位置では、第1発光素子71から照射される観測光OBと第2発光素子72から照射される観測光OBとの両方が、脈波検出に利用される。したがって、脈波検出装置1が脈波検出に利用する観測光OBの強度は、第1発光素子71から照射される観測光OBの観測光照射強度と、第2発光素子72から照射される観測光OBの観測光照射強度とを足し合わせた強度である。以上より、観測光OBの強度は、第1発光素子71と第2発光素子72との直上の位置である2つの位置で極大となり、他の位置では、観測光OBの強度は、極大値よりも小さい強度となっている。特に、第1発光素子71と第2発光素子72との間で、第1発光素子71と第2発光素子72とから等距離にある位置では、観測光OBの強度は極小となっている。第1発光素子71と第2発光素子72とから等距離の位置では、第1発光素子71からの観測光照射強度が20であり、第2発光素子72からの観測光照射強度が20である。したがって、第1発光素子71と第2発光素子72とから等距離の位置では、観測光照射強度が40である。
指の中心部分に受光素子73を配置した場合を考える。指の中心部分では、発光素子71,72からの観測光照射強度が低くなっている。指の中心部分は血管密度が大きいが、観測光照射強度が小さいので、脈波検出の感度は悪くなってしまう。
一方、本実施形態では、脈波検出装置1の保持部材9に拡散層91が形成されている。保持部材9に拡散層91が形成されている場合の、観測光照射強度の分布を、図7に示す。図7において、横軸は受光素子73からの左右方向の距離を示し、縦軸は、指における観測光OBの照射強度を示す。図7においては、図6と同様に、拡散層91のヘイズ値が0パーセントの場合における、発光素子71,72の直上の位置での観測光照射強度を100として規格化している。本実施形態では、受光素子73から左方向に5mmの位置に発光素子71が配置され、受光素子73から右方向に5mmの位置に発光素子72が配置される。図7(c)に、拡散層91のヘイズ値が90パーセントの場合、図7(b)に、拡散層91のヘイズ値が46パーセントの場合を示す。また、本発明とは異なるが、比較のために、図7(a)に、拡散層91のヘイズ値が0パーセントの場合を示す。図7(a)〜(b)において、発光素子71又は発光素子72から発光された観測光の照射強度の分布を点線で示す。図7(a)〜(b)において、発光素子71又は発光素子72から発光された観測光の照射強度を足し合わせた照射強度の分布を実線で示す。
拡散層91のヘイズ値がいずれの場合においても、発光素子71又は発光素子72からの観測光照射強度は、発光素子71又は発光素子72の直上で最も観測光照射強度が大きくなり、発光素子71,72の直上からの左右方向の距離が大きくなるに従って、観測光照射強度が小さくなる。また、拡散層91のヘイズ値が大きくなるに従って、発光素子71,72の直上の観測光照射強度は小さくなる。拡散層91のヘイズ値が46パーセントの場合、発光素子71,72の直上の観測光照射強度は、約85である。拡散層91のヘイズ値が90パーセントの場合、発光素子71,72の直上の観測光照射強度は、約78である。また、拡散層91のヘイズ値が大きくなるに従って、発光素子71,72の直上からの左右方向の距離に応じた観測光照射強度の低下は、緩やかになる。拡散層91のヘイズ値が46パーセントの場合、第1発光素子71と第2発光素子72とから等距離の位置では、第1発光素子71からの観測光照射強度が約52であり、第2発光素子72からの観測光照射強度が約52である。したがって、第1発光素子71と第2発光素子72とから等距離の位置では、観測光照射強度が約104である。拡散層91のヘイズ値が90パーセントの場合、第1発光素子71と第2発光素子72とから等距離の位置では、第1発光素子71からの観測光照射強度が約50であり、第2発光素子72からの観測光照射強度が約50である。したがって、第1発光素子71と第2発光素子72とから等距離の位置では、観測光照射強度が約100である。
脈波検出装置1の保持部材9に拡散層91が形成されている場合、拡散層91が形成されていない場合に比較して、脈波検出装置1の中央部での観測光照射強度が上がる。脈波検出装置1の保持部材9に拡散層91が形成されている場合、脈波検出装置1の中央部での観測光照射強度は、発光素子71,72の直上の観測光照射強度以上の強度となっている。したがって、脈波検出装置1の中央部を指の中心部に合わせて、脈波検出装置1を配置した場合、血管に照射される観測光OBの強度が上がるので、脈波検出感度が向上する。
図8に、拡散層91のヘイズ値を46パーセントとした場合の、脈波の実測値を示す。拡散層91のヘイズ値を46パーセントとした場合の脈波の実測値は破線で示される。また、本発明とは異なるが、比較の為、拡散層91のヘイズ値を0パーセントとした場合の、脈波の実測値を図8に示す。拡散層91のヘイズ値を0パーセントとした場合の脈波の実測値は実線で示される。拡散層91のヘイズ値を0パーセントとした場合の脈波の振幅は282である。一方、拡散層91のヘイズ値を46パーセントとした場合の脈波の振幅は365である。ヘイズ値が46パーセントの場合の振幅は、ヘイズ値が0パーセントの場合の振幅に比べて、22パーセント大きくなっている。
拡散層91のヘイズ値を0パーセントとした場合の脈波の実測値と比較して、拡散層91のヘイズ値を46パーセントとした場合の脈波の実測値は、出力値が小さくなっている。しかし、拡散層91のヘイズ値を0パーセントとした場合の脈波の実測値と比較して、拡散層91のヘイズ値を46パーセントとした場合の脈波の実測値では、振幅が、大きくなっている。したがって、脈波検出の感度が向上している。
図9は、ヘイズ値に応じて受光感度が変化することを示す。図9に示されるように、ヘイズ値が0パーセントの場合に比べて、ヘイズ値を大きくすると、感度が向上する。指の中心部分での観測光照射強度が向上するからである。一方、ヘイズ値が大きくなりすぎると感度は低下する。ヘイズ値が大きすぎると、観測光照射強度の極大値が小さくなるからである。したがって、ヘイズ値は20〜80パーセントの場合が、最も脈波検出感度が良い。ヘイズ値を50パーセントとしたとき、最も脈波検出感度が良くなった。
脈波検出装置1は、観測光OBが入射され、入射した観測光OBを拡散させて出射する拡散層91を備える。これにより、観測光OBが拡散されて、広い面積に観測光OBが照射される。広い面積に観測光OBが照射されるので、観測光OBが照射される血管の数が増加し、脈波検出の感度が向上する。
また、脈波検出装置1は、2つの発光素子71,72から同距離の位置で、発光素子71又は発光素子72が発光する観測光の最大の光量以上の光量を出力する。2つの発光素子から同距離の位置に、指等の被検体Hの血管の多い部分が配置されるように、脈波検出装置が配置されることにより、被検体Hの血管が最も多い部分に照射される観測光OBの光量が増加し、脈波検出の感度が向上する。
また、脈波検出装置1では、拡散層91の表面に、指を設置する面である指設置部31が形成されている。これにより、指設置部31に指を設置することで、指が照射領域に確実に配置される。したがって、指の広い面積に観測光OBが照射されるので、観測光OBが照射される血管の数が増加し、脈波検出の感度が向上する。
また、脈波検出装置1では、拡散層91のヘイズ値が20パーセントから80パーセントである。光の拡散が大きくなると、光量が低下し、脈波検出感度が低下するが、本発明の脈波検出装置1は、拡散層91のヘイズ値が20パーセントから80パーセントであるので、光量の低下を抑制しながら、照射領域を広くすることができる。したがって、広い面積に観測光OBが照射されるので、観測光OBが照射される血管の数が増加し、脈波検出の感度が向上する。
また、脈波検出装置1では、拡散層91の表面に不規則な凹凸が形成されている。不規則な凹凸があることにより、拡散層91に入射した光は拡散される。したがって、広い面積に観測光OBが照射されるので、観測光OBが照射される血管の数が増加し、脈波検出の感度が向上する。
また、不規則な凹凸があることにより、指等の被検体Hと凹凸との間に摩擦力が生まれる。摩擦が生まれるため、被検体Hが拡散層91に対して動き難くなる。したがって、被検体Hに対して脈波検出ユニット7が安定的に保持され、脈波検出の感度が向上する。
また、脈波検出装置1においては、拡散層91は、脈波検出ユニット7を保持する部材である保持部材9に設けられている。本実施形態とは異なり、拡散層91と、保持部材9とを別部材で構成する場合、拡散層91と脈波検出ユニット7との間に組み付け誤差が生まれる。組み付け誤差が存在すると、照射領域が変わり、測定誤差が発生する。しかしながら、本実施形態の脈波検出装置1においては、拡散層91は、脈波検出ユニット7を保持する保持部材9に設けられている。よって、組み付け誤差が存在せず、測定誤差が発生しない。測定誤差が発生しないので、脈波検出の感度が向上する。
また、脈波検出装置1においては、筐体2は、上筐体4と、上筐体に対して回動自在に接続する下筐体3と、を備える。指が下筐体3に設置された状態で、上筐体4が、指の上部から下筐体3へ向かう方向に、指を押圧することができる。これにより、指に対して脈波検出ユニット7が安定的に保持され、脈波検出の感度が向上する。
また、脈波検出装置1においては、下筐体3には指を配置するための溝である指設置部31が形成されており、指設置部31の中心が2つの発光部71,72から同距離の位置にある。指設置部31に指を配置することにより、指の中心を2つの発光部71,72から同距離の位置に一致させることができる。よって、指の血管が最も多い箇所に照射される光の光量を増加させることができ、脈波検出の感度を向上させることができる。
(変形例1)
次に、図10(a)、(b)を参照して、本発明の変形例1について説明する。図10(a)、(b)は、本発明の変形例1の脈波検出装置1の光センサユニット6及び上筐体4を下方からみた図である。図10(a)は、脈波検出装置1に指が配置されていない状態を示し、図10(b)は、脈波検出装置1に指が配置された状態を示す。上述した実施形態の脈波検出装置1は、一直線上に発光素子71及び発光素子72の2つの発光素子を備えていた。これに対して、本変形例1の脈波検出装置は、4つの発光素子を備える。4つの発光素子を、それぞれ、第3発光素子74、第4発光素子75、第5発光素子76、第6発光素子77、とする。
(第3発光素子74)
図10(a)、(b)に示すように、第3発光素子74は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。第3発光素子74は、血液中のヘモグロビンが強い吸収スペクトルを示す波長帯の光を出射する。第3発光素子74は、保持部材9に対して、保持部材9の前後方向の中心位置より前側であって、保持部材9の左右方向の左側位置に配置される。第3発光素子71は、下向きに光を出射するように、保持部材9に配置される。
(第4発光素子75)
図10(a)、(b)に示すように、第4発光素子75は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。第4発光素子75は、血液中のヘモグロビンが強い吸収スペクトルを示す波長帯の光を出射する。第4発光素子75は、保持部材9に対して、保持部材9の前後方向の中心位置より後側であって、保持部材9の左右方向の左側位置に配置される。第4発光素子75は、下向きに光を出射するように、保持部材9に配置される。第4発光素子75は、第3発光素子74が出射する光の強度と同等の強度の光を出射する。
(第5発光素子76)
図10(a)、(b)に示すように、第5発光素子76は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。第第5発光素子76は、血液中のヘモグロビンが強い吸収スペクトルを示す波長帯の光を出射する。第5発光素子76は、保持部材9に対して、保持部材9の前後方向の中心位置より前側であって、保持部材9の左右方向の右側位置に配置される。第5発光素子76は、下向きに光を出射するように、保持部材9に配置される。第5発光素子76は、第3発光素子74が出射する光の強度と同等の強度の光を出射する。
(第6発光素子77)
図10(a)、(b)に示すように、第6発光素子77は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。第6発光素子77は、血液中のヘモグロビンが強い吸収スペクトルを示す波長帯の光を出射する。第6発光素子77は、保持部材9に対して、保持部材9の前後方向の中心位置より後側であって、保持部材9の左右方向の右側位置に配置される。第6発光素子77は、下向きに光を出射するように、保持部材9に配置される。第6発光素子77は、第3発光素子74が出射する光の強度と同等の強度の光を出射する。
(受光素子78)
図10(a)、(b)に示すように、受光素子78は、例えば、フォトダイオードである。受光素子78としては、発光素子74,75,76,77が出射する光の波長帯に対する感度が高いことが望ましい。受光素子78は、保持部材9の左右方向の中心位置に配置される。受光素子78は、下筐体3の指設置部31の中央部分の上に配置される。受光素子78は、第3発光素子74と第6発光素子77とを結ぶ直線状に配置され、第3発光素子74と第6発光素子77との間に配置される。受光素子78は、第4発光素子75と第5発光素子76とを結ぶ直線状に配置され、第4発光素子75と第5発光素子76との間に配置される。受光素子73は、被検体Hにより反射された上向きの光を受光するように、保持部材9に配置される。
第3発光素子74と、第5発光素子76とは、左右方向に、一直線上に並んで配置される。第4発光素子75と、第5発光素子76とは、左右方向に、一直線上に並んで配置される。第3発光素子74と、第4発光素子75とは、前後方向に、一直線上に並んで配置される。第5発光素子76と、第6発光素子77とは、前後方向に、一直線上に並んで配置される。受光素子73は、第3発光素子74と第6発光素子77との間に配置されており、受光素子73から第3発光素子74までの距離と、受光素子73から第6発光素子77までの距離と、は等しい。受光素子78は、第4発光素子75と第5発光素子76との間に配置されており、受光素子78から第4発光素子75までの距離と、受光素子78から第5発光素子76までの距離と、は等しい。 このような各素子の配置構成においても、拡散層のヘイズ値を適切な値にすることにより、受光素子78の配置位置での照射光量を向上させることができる。
(溝)
また、図10(a)、(b)の脈波検出装置は、拡散層91の下面に溝911が形成されている。溝911は、拡散層91の左右方向の中央部分に、前後方向に延びる穴として形成される。溝911の後側は、拡散層の後側の端部まで達している。つまり、溝911の後側は外部に開口している。溝の左右方向の幅は、前方向に向かうにつれて、短くなっている。溝911の左右方向の幅は15〜30mmであり、一般的な指の太さよりも大きく形成されている。
したがって、溝911の内部に被検体Hである指が配置される。溝911に指が配置されることで、発光素子74、75、76、77に対して指が位置決めされ、照射領域に指が配置される。したがって、指の広い面積に確実に観測光が照射されるので、観測光が照射される血管の数が増加し、脈波検出の感度が向上する。
1 脈波検出装置
2 筐体
3 下筐体
31 指設置部
4 上筐体
6 光センサユニット
7 脈波検出ユニット
71 第1発光素子
72 第2発光素子
73 受光素子
9 保持部材
91 拡散層
74 第3発光素子
75 第4発光素子
76 第5発光素子
77 第6発光素子
78 受光素子
911 溝
OB 観測光
RB 反射光
H 被検体(指)

Claims (6)

  1. 筐体と、
    前記筐体に保持され、脈波を検出する脈波検出ユニットと、を備える脈波検出装置であって、
    前記脈波検出ユニットは、
    観測光を発光する少なくとも2つの発光部と、
    少なくとも2つの前記発光部の間に配置され、前記観測光が人体で散乱した散乱光を受光する受光部と、を備え、
    前記脈波検出装置は、前記観測光が入射され、入射した観測光を拡散させて人体に向けて出射する拡散層を、さらに備え、
    前記拡散層は、前記少なくとも2つの発光部の発光により前記拡散層から出射した前記観測光の光量を足し合わせた光量が、前記拡散層の出射面側で、前記少なくとも2つの発光部から同距離の位置で、1つの発光部が発光する観測光の光量が最大となる位置での光量以上の光量となるように拡散層のヘイズ値が設定されている、
    ことを特徴とする脈波検出装置。
  2. 前記拡散層の表面に、指を配置する面が形成されていることを特徴とする請求項1記載の脈波検出装置。
  3. 前記拡散層の表面に、前記拡散層が前記ヘイズ値に設定されるように凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の脈波検出装置。
  4. 前記拡散層のヘイズ値が20パーセントから80パーセントまでの範囲内で設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の脈波検出装置。
  5. 前記拡散層は、前記脈波検出ユニットを前記筐体に保持する部材に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の脈波検出装置。
  6. 前記筐体は、
    上筐体と、
    前記上筐体に対して回動自在に接続する下筐体と、を備え、
    前記上筐体は、前記脈波検出ユニットを保持し、
    前記下筐体には指を配置するための溝が形成されており、前記溝の中心線が前記2つの発光部から同距離の位置にあることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の脈波検出装置。
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