JP2016188633A - ディーゼルパティキュレートフィルタの固体成分捕集効率を測定するための測定装置及び測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ディーゼルパティキュレートフィルタ1に空気を送り込む送気装置2と、送気装置2からディーゼルパティキュレートフィルタ1に送り込まれた空気を、ディーゼルパティキュレートフィルタ1から引き抜き、外部に排出する排気装置3と、送気装置2からディーゼルパティキュレートフィルタ1に送り込まれる空気中に、ディーゼルエンジンから排出される排ガスに含まれる固体成分を模擬した粒子状の模擬固体成分を、一定の周期で断続的に供給する模擬固体成分供給装置4とを備えた、ディーゼルパティキュレートフィルタの固体成分捕集効率を測定するための測定装置10。
【選択図】図1
Description
図1は、本発明の測定装置の一の実施形態を模式的に示す側面図である。図2は、本発明の測定装置の一の実施形態における模擬固体成分供給装置を模式的に示す断面図である。本発明の測定装置10は、DPF1の固体成分の捕集効率を測定するために使用されるものであり、送気装置2と、排気装置3と、模擬固体成分供給装置4とを備える。
本発明の測定方法は、本発明の測定装置を用いて、DPFの固体成分の捕集効率を測定するものである。具体的には、本発明の測定装置10を用い、一定の時間に亘って、模擬固体成分5を含む空気をDPF1に送り込むと同時に、その空気をDPF1から引き抜くことで、DPF1に模擬固体成分5を捕集させる。その後、模擬固体成分供給装置4によって、送気装置2からDPF1に送り込まれた空気中に供給された模擬固体成分5の質量と、DPF1に捕集された模擬固体成分5の質量とから、DPF1の固体成分の捕集効率を求める。この捕集効率は、具体的には、模擬固体成分供給装置4によって、送気装置2からDPF1に送り込まれた空気中に供給された模擬固体成分5の質量と、DPF1に捕集された模擬固体成分5の質量とから、下記式(1)により算出することができる。下記式(1)において、「模擬固体成分供給量」は、模擬固体成分供給装置4によって、送気装置2からDPF1に送り込まれた空気中に供給された模擬固体成分5の質量である。また、「模擬固体成分捕集量」は、DPF1に捕集された模擬固体成分5の質量である。「模擬固体成分捕集量」は、DPF1に模擬固体成分5を捕集させた後のDPF1の質量(捕集させた模擬固体成分5を含めたDPF1の質量)から、模擬固体成分5を捕集させる前のDPF1の質量を差し引いた値である。
捕集効率(%)=模擬固体成分捕集量/模擬固体成分供給量×100 ・・・(1)
図3は、本発明の測定装置及び測定方法の測定対象となるDPFの構造の一例を模式的に示す斜視図であり、図4は、当該DPFの長さ方向に平行な断面の断面図である。
サンプル1は、ハニカム構造部の材質がコージェライトであり、直径が304.8mm、長さが304.8mmである円柱状のDPFである。セル密度は31セル/cm2、隔壁の厚さは317.5μm、セル形状(セルの長さ方向に垂直な断面におけるセルの断面形状)は正方形、隔壁の気孔率は59%、隔壁の平均細孔径は14μmである。各セルの一方の端部には、ハニカム構造部と同材質の目封止部が配設されている。目封止部は、DPFの一方の端面(流入端面)と他方の端面(流出端面)とが相補的な市松模様状を呈するように配設されている。
サンプル2は、ハニカム構造部の材質がコージェライトであり、直径が304.8mm、長さが304.8mmである円柱状のDPFである。セル密度は31セル/cm2、隔壁の厚さは317.5μm、セル形状(セルの長さ方向に垂直な断面におけるセルの断面形状)は正方形、隔壁の気孔率は50%、隔壁の平均細孔径は14μmである。各セルの一方の端部には、ハニカム構造部と同材質の目封止部が配設されている。目封止部は、DPFの一方の端面(流入端面)と他方の端面(流出端面)とが相補的な市松模様状を呈するように配設されている。
サンプル3は、ハニカム構造部の材質がコージェライトであり、直径が304.8mm、長さが304.8mmである円柱状のDPFである。セル密度は31セル/cm2、隔壁の厚さは228.6μm、セル形状(セルの長さ方向に垂直な断面におけるセルの断面形状)は正方形、隔壁の気孔率は48%、隔壁の平均細孔径は14μmである。各セルの一方の端部には、ハニカム構造部と同材質の目封止部が配設されている。目封止部は、DPFの一方の端面(流入端面)と他方の端面(流出端面)とが相補的な市松模様状を呈するように配設されている。
図1に示す本発明の測定装置を用い、2時間に亘って、模擬固体成分を含む空気をDPFに送り込むと同時に、その空気をDPFから引き抜くことで、DPFに模擬固体成分を捕集させた。送気装置には、コンプレッサを使用し、排気装置には、インバータータイプのブロワーを使用した。模擬固体成分供給装置には、図2に示す構造のものを使用した。模擬固体成分には、ディーゼルエンジンから排出されるPMを模擬した平均粒径14nmのカーボンブラックを用いた。模擬固体成分供給装置による、送気装置からDPFに送り込まれる空気中への模擬固体成分の供給は、1秒間当たり7回とした。供給1回当たりの模擬固体成分の供給量は、0.9mgとした。送気装置からDPFに送り込まれる空気の流量と、排気装置によりDPFから引き抜かれる空気の流量は、いずれも15Nm3/分とした。こうして、DPFに模擬固体成分を捕集させた後、上記の式(1)により、固体成分の捕集効率を求めた。
軽油を燃料としたバーナーにより、PMを含む200℃の排ガスを発生させた。この排ガスを、15Nm3/分の流量で、2時間に亘って、DPFに供給し、DPFにPMを捕集させた。こうして、DPFにPMを捕集させた後、固体成分(PM)の捕集効率を求めた。捕集効率は、DPFの前方(ガス流れ方向上流側)と後方(ガス流れ方向下流側)とにおける排ガス中のPMの質量をそれぞれスモークメータにより測定し、それら測定値から、下記式(2)により算出した。
捕集効率(%)=(DPFの前方における排ガス中のPMの質量−DPFの後方における排ガス中のPMの質量)/DPFの前方における排ガス中のPMの質量×100 ・・・(2)
表1及び図5に示すように、本発明の測定方法によって測定されたDPFの固体成分の捕集効率と、従来の測定方法によって測定されたDPFの固体成分の捕集効率とは、ほぼ同等の値を示していた。つまり、両者の測定結果には高い相関があることがわかった。即ち、本発明の測定方法(本発明の測定装置を用いた測定方法)は、従来の測定方法よりも迅速かつ簡便な測定が可能でありながら、従来の測定方法と同等の測定精度で、DPFの固体成分の捕集効率を測定することができることが確認された。
Claims (7)
- ディーゼルパティキュレートフィルタに空気を送り込む送気装置と、
前記送気装置から前記ディーゼルパティキュレートフィルタに送り込まれた空気を、前記ディーゼルパティキュレートフィルタから引き抜き、外部に排出する排気装置と、
前記送気装置から前記ディーゼルパティキュレートフィルタに送り込まれる空気中に、ディーゼルエンジンから排出される排ガスに含まれる固体成分を模擬した粒子状の模擬固体成分を、一定の周期で断続的に供給する模擬固体成分供給装置とを備えた、
ディーゼルパティキュレートフィルタの固体成分捕集効率を測定するための測定装置。 - 前記模擬固体成分が、パティキュレートマターを模擬したカーボンブラック及びアッシュを模擬した不燃性粒子からなる群より選択された1種以上の粒子である請求項1に記載の測定装置。
- 前記不燃性粒子が、生石灰粒子である請求項2に記載の測定装置。
- 前記送気装置が、ドライエアー供給装置である請求項1〜3のいずれか一項に記載の測定装置。
- 前記排気装置が、インバータータイプのブロワーである請求項1〜4のいずれか一項に記載の測定装置。
- 前記模擬固体成分供給装置が、前記模擬固体成分を収容する、底部に孔が設けられた収容容器と、前記収容容器の下方に配置された、一定方向に回転可能な羽根車とを有し、前記送気装置の上方に配置されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の測定装置。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の測定装置を用い、一定の時間に亘って、前記模擬固体成分を含む空気を前記ディーゼルパティキュレートフィルタに送り込むと同時に、前記空気を前記ディーゼルパティキュレートフィルタから引き抜くことで、前記ディーゼルパティキュレートフィルタに前記模擬固体成分を捕集させ、前記模擬固体成分供給装置によって、前記送気装置から前記ディーゼルパティキュレートフィルタに送り込まれた空気中に供給された前記模擬固体成分の質量と、前記ディーゼルパティキュレートフィルタに捕集された前記模擬固体成分の質量とから、前記ディーゼルパティキュレートフィルタの固体成分の捕集効率を測定する、ディーゼルパティキュレートフィルタの固体成分捕集効率の測定方法。
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