JP2016187839A - ワーク振れ止め装置及び該ワーク振れ止め装置を有する工作機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークの加工精度を向上させ得る上に、ビビリ振動を抑制することで加工に要する時間を短縮することができる技術を提供する。【解決手段】ワーク振れ止め装置200は、ワークWに対して工具202と対向する側に設けられ、ワークWの表面に所定の押圧力で摺動自在に当接する摺動当接部としてのローラ204Rを有し、このローラ204Rを介してワークWを支持するワーク支持手段としてのピンチローラ204と、ピンチローラ204のローラ204RがワークWの形状変化に追従することを可能にするダンパ手段としてのダンパシリンダ206と、ピンチローラ204のローラ204RによるワークW表面に対する押圧力を可変に調整する調整手段としてのノブ208と、ワークWの交換時等に、ピンチローラ204のローラ204RをワークW表面への当接位置から退避させる退避機構としてのアクチュエータ210を備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、ワーク振れ止め装置及び該ワーク振れ止め装置を有する工作機械に関し、例えば、工作機械のワーク加工における加工精度の向上と加工時間の短縮が可能なワーク振れ止め装置に関する。
従来、工作機械を用いた加工において、加工中にワークが変形しNC装置等からの指令よりも少なく削る現象(以下、「アンダーカット」と称する)、或いは、切削中にワークが振動する、いわゆるビビリと呼ぶ現象(以下、「ビビリ振動」と称する)を生じる場合がある。加工精度の向上のためには、これらの現象を防止し或いは解消する必要があり、ビビリ振動等の防止のためにワークを支持又はクランプし、或いはワークの動きを規制する装置等(例えば、特許文献1、2、3参照)が提案されている。また、ワークに対する加工精度を確保するためにワークの姿勢を制御するようにした工作機械(例えば、特許文献4参照)も知られている。
近年、いわゆる5軸制御により、主軸に工具を装着した工具により加工対象物(以下、「ワーク」と称する)に対して切削加工を行うマシニングセンタ等の工作機械が普及している。ここで、5軸というのは、工具のワークに対する、3次元空間の互いに直交する方向の移動を規定する直進移動軸(X,Y,Z)の3軸と、工具に対する、ワーク自体の回転とワークの旋回を規定する回転中心軸(A,C)の2軸である。このような5軸の各軸と工具の動作をNC装置等からの指令で制御することにより、例えば航空機エンジンのブレードのような複雑に湾曲する形状のワークも加工できる。
特開平10−100012号公報 特開2003−136324号公報 特開2006−326796号公報 特開2007−219951号公報
しかしながら、上述した特許文献1、2及び3記載の技術は、上述した5軸制御の工作機械等により複雑に湾曲する形状のワークを加工する場合にアンダーカットやビビリ振動を有効に防止することは困難である。また、上述した5軸制御の工作機械等においては、いわゆるチャック装置等の本来のワーク把持手段の構造的改良や特許文献4記載の従来例のようなワークの姿勢制御に関するもの以外には、アンダーカットやビビリ振動を有効に防止する提案はなされていないのが実情であった。従って、かかる工作機械を用いて複雑に湾曲する形状等のワークを加工する場合にもアンダーカットやビビリ振動を有効に防止することで、ワークの加工精度を向上させると共に加工時間を短縮することのできる技術の開発が待たれていた。
本発明は上述のような事情から為されたものであり、その目的は、ワークの加工精度を向上させ得る上に、ビビリ振動を抑制することで加工に要する時間を短縮することができる技術を提供することにある。
本発明者は、通常の、例えば、平板上のワークを加工する場合はもとより、複雑に湾曲する形状等のワークを加工する場合にも振動を抑制することで、ワークの加工精度を向上させると共に加工時間を短縮することのできる技術について鋭意研究した結果、基本構成として、複雑に湾曲するワーク表面に滑らかに摺動当接しつつ追従していくワーク支持手段(ワークの振動抑制手段)をワークに対して工具と対向する側に設けることで、アンダーカットやビビリ振動を有効に防止することで、ワークの加工精度を向上させると共に加工時間を短縮し得ることを見出した。即ち、上記目的を達成するため、本発明のワーク振れ止め装置は、ワークを所定のワーク把持機構により把持しつつ、主軸に回転可能に設けられた工具により加工する工作機械において用いられるワーク振れ止め装置であって、ワークに対して工具と対向する側に設けられ、ワークの表面に所定の押圧力で摺動自在に当接する摺動当接部を有し該摺動当接部を介して前記ワークを支持するワーク支持手段と、前記ワーク支持手段の摺動当接部がワークの形状変化に追従することを可能にするダンパ手段と、前記ワーク支持手段による前記ワーク表面に対する押圧力を可変に調整する調整手段と、前記ワーク支持手段の摺動当接部をワーク表面への当接位置から退避させる退避機構と、を備えることを特徴とする。
ここで、好適には、前記ワーク支持手段は、棒状のピンチローラ本体と該棒状のピンチローラ本体の先端に取り付けられたローラを含むピンチローラにより構成され、前記摺動当接部がそのローラであるようにしても良い。但し、前記摺動当接部は、ローラ以外の構成にしても良く、例えば、棒状のピンチローラ本体の先端にテフロン(登録商標)テープを取り付けて構成しても良い。摺動当接部をローラにより構成する場合も、金属、熱可塑性樹脂、ゴム等、その材質は問わない。また、ローラの数も1個又は複数個設けることができ、手動により数を可変できるようにしても良いし、一部のローラを後退させる等の制御により自動で数を可変できるようにしても良い。また、ワークへの当接の方法や形態も、例えばワークの片側をローラにより支持し、或いはワークの両側を挟み込む等、様々な方法や形態を適用可能である。
また、好適には、前記ダンパ手段は、前記棒状のピンチローラ本体を枢支するピストンとシリンダとを有し、該ピストンが該シリンダ内を反発・減衰可能に往復移動するダンパシリンダにより構成されるようにしても良い。但し、前記ダンパ手段は、ダンパシリンダ以外の構成にしても良い。また、前記棒状のピンチローラ本体を反発・減衰可能とする作動機構としては、ばね等の固体、油圧、空圧、ガス、水等の流体等、様々なものを適用可能である。また、ばね定数、圧力等のパラメータは、手動により可変できるようにしても良いし、NCによる自動制御で可変できるようにしても良い。
例えば、前記調整手段は、前記ダンパシリンダのシリンダ内圧を調整するノブにより構成され、ノブを手動で回すことにより可変できるようにしても良い。
更に、前記退避機構は、前記棒状のピンチローラ本体の他端側を枢支するアクチュエータにより構成されるようにしても良い。但し、前記退避機構は、アクチュエータ以外の構成にしても良い。ワーク支持手段の摺動当接部をワーク表面への当接位置から手動で退避させる機構でも良いし、この退避をNCによる自動制御にしても良い。尚、好適には、前記ピンチローラ本体とアクチュエータとはリンク機構を介して連結されているのが望ましい。
一方また、上記目的を達成するため、本発明の工作機械は、第1回転動作軸(A軸)についてワークを回転させると共に、その第1回転動作軸(A軸)に直交する第2回転動作軸(B軸)についてベッド部に対して前記ワークを回転させつつ、また、その1つが前記第2回転動作軸(B軸)と同方向の互いに直交する第1、第2、及び第3直進動作軸(X軸、Y軸、Z軸)について工具を前記ベッド部に対して三次元的に移動させつつ、前記工具により前記ワークを加工する5軸制御工作機械であって、前記第2回転動作軸(B軸)について回転可能なように、その軸方向の一端が、前記ベッド部に枢支される回転体と、前記回転体の、前記第1回転動作軸(A軸)方向の両端にあって、前記ワークを、前記第1回転動作軸(A軸)について回転可能なように前記第1回転動作軸方向から挟持する一対の挟持部材とを備える5軸制御工作機械であって、前記ワーク振れ止め装置を有し、前記主軸が前記第1、第2、及び第3直進動作軸のうち前記第2回転動作軸(B軸)と同方向の直進動作軸であり、前記ワーク把持機構が前記一対の挟持部材であることを特徴とする。ここで、前記ワーク振れ止め装置は、工作機械とは別体のユニットとして構成され、後付けできるようにしても良いし、工作機械の一部として構成され、予め工作機械に組み付けられるようにしても良い。工作機械に組み付ける場合は、A軸、B軸、本体(のベッド等)に直接組み付ける等、その組み付け方法や形態を問わない。
本発明のワーク振れ止め装置及び該ワーク振れ止め装置を有する工作機械によれば、複雑に湾曲する形状等のワークを加工する場合にもアンダーカットやビビリ振動を有効に防止することができる。従って、ワークの加工精度を向上させ得る上に、ビビリ振動を抑制することで加工に要する時間を短縮することができる。
本発明の実施形態に係る5軸制御工作機械の斜視図である。 本発明の実施形態に係る5軸制御工作機械におけるA軸回転体としてのワークテーブル及びワーク振れ止め装置としてのピンチローラユニットの正面図である。 本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)の側面図であり、ワークへのセット時を示す。 本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)の側面図であり、ワークへの非セット時を示す。 本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)のピンチローラ本体の側面図である。 本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)の他の実施例の側面図であり、ワークへのセット時にアクチュエータの手動が必要とされる実施例である。 本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)の他の実施例の側面図であり、ワークへのセット時に、第1にエア等の流体によりアクチュエータが駆動されると共に、第2にダンパシリンダ内のエア等の流体が制御され押圧力が調整される実施例である。 本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)の他の実施例の側面図であり、ローラが2本直列に設けられている実施例である。 本発明の実施形態に係る5軸制御工作機械におけるA軸回転体としてのワークテーブル及びワーク振れ止め装置としてのピンチローラユニットの他の実施例の正面図であり、ローラが2本並列に設けられている実施例である。 本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)の他の実施例の側面図であり、ワークへの非セット時を示し、NC制御部からの指令によりエア等の流体が制御されてアクチュエータが駆動される実施例である。 本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)の他の実施例の側面図であり、ワークへの非セット時を示し、NC制御部からの第1の指令によりエア等の流体が制御されてアクチュエータが駆動されると共に、NC制御部からの第2の指令によりダンパシリンダ内のエア等の流体が制御され押圧力が調整される実施例である。 本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)の他の実施例の側面図であり、ワークへのセット時を示し、ワーク表面に摺動自在に当接する摺動当接部がローラ以外の構成とした実施例である。 本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)の他の実施例の側面図であり、ワークへのセット時を示し、ダンパシリンダのピストン先端とピンチローラ本体とのリンク機構をピンチローラ本体の2箇所間でスライド可能に形成した実施例である。 本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)の他の実施例の側面図であり、ワークへのセット時を示し、直動式、即ち、ダンパシリンダリンクとピンチローラ本体のリンクは不要とした実施例である。 本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)の他の実施例の側面図であり、ワークへのセット時を示し、直動式、即ち、ダンパシリンダリンクとピンチローラ本体のリンクは不要とした第2の実施例である。 本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)の一実施例の動作を制御する第1のフローチャートである。 本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)の他の実施例の動作を制御する第2のフローチャートである。 本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)の更に他の実施例の動作を制御する第3のフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。 図1は、本発明の実施形態に係る5軸制御工作機械の斜視図である。
図1を参照しつつ、本実施形態の5軸制御工作機械100は、基礎であるベッド20と、そのベッド20に対してY軸方向に摺動可能なY軸移動体(コラム)30と、そのY軸移動体30に対してX軸方向に摺動可能なX軸移動体40と、そのX軸移動体40に対してZ軸方向に摺動可能なZ軸移動体50とを備えている。また、Z軸移動体50の下部には、Z軸と同方向の軸を有する主軸51が設けられ、その主軸51の下端に、図示しない工具ホルダを介して工具(図1には示さず)が取り付け可能となっている。主軸51に取り付けられた工具は、その主軸51に内蔵された主軸モータ(図示せず)により主軸周りに回転可能となる。
ここで、Y軸移動体30、X軸移動体40、及びZ軸移動体50は、それぞれ、Y軸駆動モータ(図示せず)、X軸駆動モータ(図示せず)及びZ軸駆動モータ(図示せず)により駆動されて、それぞれの軸方向に移動する。以上の構造により、主軸モータにより回転状態にある工具が、ベッド20に対して3次元的に相対移動が可能となり、この動作により、後述するワークW(図3以下参照)に対する3次元的な接近/離反動作を実現している。
尚、5軸制御工作機械100は、図示しない工具自動交換装置を備え、その工具把持交換機構が、複数の工具から所望の工具を選択して、把持、移動し、主軸51に取り付けると共に、加工後の工具を撤退させるようにしても良い。また、上述及び後述の機械的動作の制御は、図1には示さないNC(Numerical Control)制御部(図10及び図11参照)により行われる。更に、5軸制御工作機械100は、操作/表示パネル(図示せず)を備えているようにしても良い。尚、5軸制御工作機械100は、他に様々な構成を有しているが、ここでは省略する。
次に、図1を参照することにより、A軸及びB軸動作に係る構造体であるワークテーブル90について説明する。ワークテーブル90により規定されるA軸は、図1に示すように、X軸に平行な軸であり、同様にワークテーブル90により規定されるB軸は、図1に示すように、A軸に対して直交する軸であると共に、後に詳述するように、ワークテーブル90のA軸回転に伴ってX軸、Y軸及びZ軸で画定される平面内を回動可能な軸である。
図1に示すように、ベッド20内の加工動作可能領域MSの左側壁に、略四角柱縦長形状であり、その中央部がA軸周りに回転可能に枢支されたA軸回転体としてのワークテーブル90が備わっている。ワークテーブル90は、図示しないA軸回転駆動モータにより回転駆動される。また、ワークテーブル90の一端にはB軸回転駆動体12、他端にはB軸回転駆動体13が備わっている。また、B軸回転駆動体12、13には、それぞれワークW(図2等参照)を把持可能なものであって、そのB軸回転駆動体12、13によりB軸周りに回転駆動されるチャック14A、14Bが取り付けられている。尚、5軸制御工作機械100には、段取り用テーブル16が設けられている。また、段取り用テーブル16の横には、加工部位に向けてクーラントを供給するクーラント供給機構(全体は図示せず)のクーラントノズル17が覗き見えている。尚、図1に示す例とは異なり、ワークテーブル90の他端側には心押し台(13)を備えるようにしても良く、この場合には、チャック14Bは設けられない。
5軸制御工作機械100の動作としては、ワークWの両端をチャック14A、14Bで把持した状態で、B軸回転駆動体12、13によりチャック14A、14Bを回転させると、ワークWがB軸周りに回転することになる。従って、チャック14A、14BがB軸回転し、かつ、A軸回転体としてのワークテーブル90がA軸回転駆動モータによりA軸について回転すると、ワークWは、B軸について自転しつつ、A軸について回転するような動作となる。このワークWの、B軸及びA軸に関する回転によるベッド20に対する相対動作と、工具のX軸、Y軸、及びZ軸に関する移動によるベッド20に対する相対動作により、工具によるワークWへの5軸制御加工が実現できる。
このように本実施形態の5軸制御工作機械100にあっては、ワークWのベッド20に対する相対的A軸回転を実現する部材としてのワークテーブル90を、ワークWについてA軸方向一端でベッド20に対して枢支するように構成している。簡単に言えば、いわゆる片持ち構造としている。また、それに伴って、ワークのB軸回転を規定する構造としては、A軸回転体としてのワークテーブル90にそれぞれ固定されたB軸回転駆動体12、13によりワークWを挟持する構造を採用している。尚、本実施形態の5軸制御工作機械100は、ワークWとして、例えば航空機エンジンのブレードを加工することができ、以下に詳述するワーク振れ止め装置を適用することにより、ワークWが、ブレードのような複雑に湾曲する形状のものであっても、加工中に振動するのを抑制することで上述したアンダーカットの防止を含む加工精度の向上を図ることができると共に、ビビリ振動を抑えて加工時間の短縮も可能になる。
そこで、図2乃至図15を参照して、本実施形態の5軸制御工作機械におけるワーク振れ止め装置の基本構造や各種の実施例について詳しく説明する。図2は、5軸制御工作機械100におけるA軸回転体としてのワークテーブル90の正面図であり、ワーク振れ止め装置200が取り付けられている。図3は、ワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)200の側面図であり、ワークWへのセット時を示す。図2及び図3に示すように、ワーク振れ止め装置200は、A軸回転体としてのワークテーブル90の幅方向の片側(B軸回転駆動体12、13により挟持されるワークWに対して工具202と対向する側)に設けられている。ワーク振れ止め装置200は、5軸制御工作機械100のワークテーブル90に取り付けられたピンチローラユニット(200)として構成されている。即ち、このワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)200は、ワークW(図2等参照)をチャック14A、14B(図1参照)等から成る所定のワーク把持機構により把持しつつ、主軸51(図1参照)に回転可能に設けられた工具202(図2等参照)により加工する5軸制御工作機械100(図1参照)において用いられる。
図4は、ワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)200の側面図であり、ワークへの非セット時を示す。図5は、ワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)200のピンチローラ204の本体204Bの側面図である。図2乃至図5に示すように、ワーク振れ止め装置200は、ワークWに対して工具202と対向する側に設けられ、ワークWの表面に所定の押圧力で摺動自在に当接する摺動当接部としてのローラ204Rを有し、このローラ204Rを介してワークWを支持するワーク支持手段としてのピンチローラ204と、ピンチローラ204のローラ204RがワークWの形状変化に追従することを可能にするダンパ手段としてのダンパシリンダ206と、ピンチローラ204のローラ204RによるワークW表面に対する押圧力を可変に調整する調整手段としてのノブ208と、ワークWの交換時等に、ピンチローラ204のローラ204RをワークW表面への当接位置から退避させる退避機構としてのアクチュエータ210を備えている。ピンチローラ204は、棒状のピンチローラ本体204Bと、棒状のピンチローラ本体204Bの先端に取り付けられたローラ204Rを含み、そのローラ204RがワークWの表面にダンパシリンダ206とノブ208により調整された上記所定の押圧力で摺動自在に当接する。ダンパシリンダ206は、ピンチローラ204の棒状のピンチローラ本体204Bの長さ方向の略中央を枢支するピストン206Pとシリンダ206Sとを有し、ピストン206Pがシリンダ206S内を反発・減衰可能に往復移動するように構成されており、ダンパシリンダ206のシリンダ206Sの内圧は、ノブ206を手動で回すことにより調整できるように構成されている。アクチュエータ210は、棒状のピンチローラ本体204Bの略中央のピストン206Pによる枢支箇所を回動中心としてローラ204Rとは他端側を枢支するリンク機構LMを有しており、ピンチローラ本体204Bとアクチュエータ210とはリンク機構LMを介して連結されている。このアクチュエータ210を駆動することにより、ワークWの交換時等に、リンク機構LM等を介して棒状のピンチローラ本体204Bをピストン206Pによる枢支箇所(リンク機構LM2)を回動中心として回動させることで、図4に示すように、ローラ204RをワークW表面への当接位置から退避させることができる。
上述したように、本発明の作用効果を奏するためには、ワーク振れ止め装置200は、基本構成として、複雑に湾曲するワークの表面にも滑らかに摺動当接しつつ追従していくワーク支持手段(ワークの振動抑制手段)をワークに対して工具と対向する側に設けることが必要であり、そのためには、(1)ワークWに対して工具202と対向する側に設けられ、ワークWの表面に所定の押圧力で摺動自在に当接する摺動当接部(としてのローラ204R)を有し、この摺動当接部(としてのローラ204R)を介してワークWを支持するワーク支持手段(としてのピンチローラ204)と、(2)ワーク支持手段(としてのピンチローラ204)の摺動当接部(としてのローラ204R)がワークWの形状変化に追従することを可能にするダンパ手段(としてのダンパシリンダ206)と、(3)ワーク支持手段(としてのピンチローラ204)の摺動当接部(としてのローラ204R)によるワークW表面に対する押圧力を可変に調整する調整手段(としてのノブ208)と、(4)ワークWの交換時等に、ワーク支持手段(としてのピンチローラ204)の摺動当接部(としてのローラ204R)をワークW表面への当接位置から退避させる退避機構(としてのアクチュエータ210)を備えるという4つの構成を有することが必要である。これにより、(1)ワークの変形及び振動をワーク支持手段(としてのピンチローラ204)で抑えることができ、(2)ワークWの形状変化に追従する機構であるダンパ手段(ダンパシリンダ206)を有し、(3)調整手段(としてのノブ208)を調整することでワークへ当接する力を可変でき、(4)ワークWの交換時等に、ワーク支持手段(としてのピンチローラ204)をワークW表面への当接位置から逃がすことができる。しかしながら、以上の(1)から(4)の構成要件は、括弧書きで示した具体的構成(図2乃至図5のもの)に替えて、他の構成に置き換えることが可能である。また、手動方式による駆動や調整を自動方式に置き換え、或いは反対に、自動方式による駆動や調整を手動方式に置き換えることもできる。そこで以下に、考え得る他の構成(実施例)について、各々述べることとする。尚、以下の代替実施例の基本的構成は、上述した実施形態のものと略同様であり、同様の部分には同様の参照符号を付して、その詳しい説明は省略する。
図6は、本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)200の他の実施例の側面図であり、ワークWへのセット時にアクチュエータ2102の手動が必要とされる実施例である。図6に示すように、本実施例では、アクチュエータ2102は、コイルばね2102aを有しており、ピンチローラ204の棒状のピンチローラ本体204Bを矢印方向に手動で旋回させることで、アクチュエータ2102内のコイルばね2102aが引っ張られ、ピンチローラ204の棒状のピンチローラ本体204BをワークWから退避させることができる。尚、ワークWを交換するまで、上述したピンチローラ本体204Bの旋回状態(手動で押し下げた状態)をロックしておく機構があるのが望ましい。ワークWを交換したら、ピンチローラ本体204Bのロックを解除すれば、コイルばね2102aの復元力によりピンチローラ本体204Bが上記矢印方向と逆方向に旋回して、セットされる。本実施例では、アクチュエータ2102により、(4)ワークWの交換時等に、ワーク支持手段(としてのピンチローラ204)の摺動当接部(としてのローラ204R)をワークW表面への当接位置から退避させる退避機構が構成されている。
図7は、本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)200の他の実施例の側面図であり、ワークWへのセット時に、第1にエア等の流体(以下、エア等と称する)によりアクチュエータ2103が駆動されると共に、第2にダンパシリンダ2062内のエア等が制御され押圧力が調整される実施例である。図7に示すように、本実施例では、アクチュエータ2103は、エア(空気圧)等により駆動される構成を有し、また、ダンパシリンダ2062は、そのシリンダ内のエア等が制御され押圧力が調整される構成を有している。このように、本実施例では、アクチュエータ2103の駆動も、ダンパシリンダ2062による押圧力の調整もエア(空気圧)等により制御されるようになっている。本実施例では、ダンパシリンダ2062より(3)ワーク支持手段(としてのピンチローラ204)の摺動当接部(としてのローラ204R)によるワークW表面に対する押圧力を可変に調整する調整手段が構成され、アクチュエータ2103により(4)ワークWの交換時等に、ワーク支持手段(としてのピンチローラ204)の摺動当接部(としてのローラ204R)をワークW表面への当接位置から退避させる退避機構が構成されている。
図8は、本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)200の他の実施例の側面図であり、ローラが2本直列に設けられている実施例である。図8に示すように、本実施例では、ワーク振れ止め装置200は、ピンチローラ2042を備え、このピンチローラ2042は、棒状のピンチローラ本体2042Aと、ピンチローラ本体2042Aの先端に枢支されるローラバー2042Bを有し、ローラバー2042Bの両端には、ローラ2042R1と2042R2の2本のローラが直列に設けられている。本実施例では、ピンチローラ2042により(1)ワーク支持手段が構成され、2本のローラ2042R1と2042R2により、その摺動当接部が構成されている。本実施例では、工具と対向する側から2点でワークWを当接支持するので、ワークWの加工中に工具からの圧力でワークWが撓んでしまうのをより防止し易いというメリットがある。反面、曲率の小さい湾曲面に滑らかに追従していくのは困難になるので、比較的大きいワークの加工時に適用するのが好適である。
図9は、本発明の実施形態に係る5軸制御工作機械におけるA軸回転体としてのワークテーブル902及びワーク振れ止め装置としてのピンチローラユニット200の他の実施例の正面図であり、ローラが2本並列に設けられている実施例である。図9に示すように、本実施例では、ワーク振れ止め装置200は、ピンチローラ2043を備え、このピンチローラ2043は、棒状のピンチローラ本体2043Bの先端部が二股に分岐し、それぞれローラ2043R1、2043R2が設けられている。このように本実施例では、ピンチローラ2043を備え、このピンチローラ2043は、ローラ2043R1、2043R2の2本のローラが並列に設けられている。本実施例では、ピンチローラ2043により(1)ワーク支持手段が構成され、2本のローラ2043R1と2043R2により、その摺動当接部が構成されている。尚、本実施例では、ローラ2043R1、2043R2をそれぞれ車輪状よりも球状に近い形状に構成し、二股に分岐したピンチローラ本体2043の先端部間にワークの一部を挟持するようにしても良い。即ち、ワークのその挟持される箇所の両側からローラ2043R1と2043R2が摺動当接するようにしても良い。湾曲度の大きいワークの縁部分を挟持するようにして加工できるというメリットがある。
図10は、本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)200の他の実施例の側面図であり、ワークへの非セット時を示し、NC制御部からの指令によりエア等が制御されてアクチュエータが駆動される実施例である。図10に示すように、本実施例では、NC(Numerical Control)制御部70Aからの指令によりエア(空気圧)等が制御されてアクチュエータ210が駆動される。NC制御部70Aは、図1に関して述べた5軸制御工作機械100全体の動作を制御するNC制御部内に構成しても良いし、それとは別個に構成しても良い。5軸制御工作機械100全体の動作を制御するNC制御部内に構成すれば、ワークの交換時の判定が容易になるので、ピンチローラ204をワークへの当接位置から退避させるために、アクチュエータ210の駆動信号を適時に送信することができるので便宜である。本実施例では、アクチュエータ210とNC制御部70Aにより、(4)ワークWの交換時等に、ピンチローラ204をワークWへの当接位置から退避させる退避機構が構成されている。
図11は、本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)200の他の実施例の側面図であり、ワークへの非セット時を示し、NC制御部からの第1の指令によりエア等が制御されてアクチュエータが駆動されると共に、NC制御部からの第2の指令によりダンパシリンダ内のエア等が制御され押圧力が調整される実施例である。図11に示すように、本実施例では、NC制御部70Bからの第1の指令70B1によりエア(空気圧)等が制御されてアクチュエータ2103が駆動され、NC制御部70Bからの第2の指令70B2によりダンパシリンダ2062内のエア等が制御され押圧力が調整される。NC制御部70Bは、図1に関して述べた5軸制御工作機械100全体の動作を制御するNC制御部内に構成しても良いし、それとは別個に構成しても良い。5軸制御工作機械100全体の動作を制御するNC制御部内に構成すれば、ワークの交換時の判定が容易になるので、ピンチローラ204をワークへの当接位置から退避させるために、アクチュエータ2103の駆動信号を適時に送信することができるので便宜である。また、5軸制御工作機械100全体の動作を制御するNC制御部内に構成すれば、ワークの加工部位をリアルタイムで判断・認識できるので、ワークの加工部位に応じてダンパシリンダ2062による押圧力を調整し易いという大きなメリットがある。本実施例では、ダンパシリンダ2062とNC制御部70Bにより、(3)ワーク支持手段(としてのピンチローラ204の摺動当接部(としてのローラ204R)によるワークW表面に対する押圧力を可変に調整する調整手段が構成され、アクチュエータ2103とNC制御部70Bにより、(4)ワークWの交換時等に、ピンチローラ204をワークWへの当接位置から退避させる退避機構が構成されている。
図12は、本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)200の他の実施例の側面図であり、ワークへのセット時を示し、ワーク表面に摺動自在に当接する摺動当接部がローラ以外の構成とした実施例である。図12に示すように、本実施例では、ピンチローラ2044の摺動当接部は、棒状のピンチローラ本体2044Bの先端部2044BHにテフロン(登録商標)テープTPを取り付けて(巻いて)構成されている。テフロン(登録商標)テープTPにより摺動当接部である先端部2044BHは、通常は金属であることが多いワークWの表面を滑らかに追従することが可能である。先端部2044BHがワークWの表面を滑らかに追従することが可能であれば、先端部2044BHに取り付ける材質は問わない。また、先端部2044BH自体をそのような材質で形成しても良い。本実施例では、ピンチローラ2044により(1)ワーク支持手段が構成され、その先端部2044BH及びそれに巻いたテフロン(登録商標)テープTPにより、その摺動当接部が構成されている。本実施例では、ローラ及びその回転機構を設ける必要が無く、ピンチローラ本体2044Bの先端部2044BHにテフロン(登録商標)テープTPを取り付ける(巻く)だけで摺動当接部を構成できるので、部品点数、コストの面でメリットがある。
図13は、本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)200の他の実施例の側面図であり、ワークへのセット時を示し、ダンパシリンダのピストン先端とピンチローラ本体とのリンク機構をピンチローラ本体の2箇所間でスライド可能に形成した実施例である。図13に示すように、本実施例では、ピンチローラ2045を有し、ダンパシリンダ2063のピストン2063Pの先端とピンチローラ本体2045Bとのリンク機構LM2をピンチローラ本体2045Bの2箇所X1とX2間でスライド可能に形成している。ピンチローラ本体2045Bの2箇所X1とX2間でスライド可能に形成する形態は問わないが、例えば、X1とX2間の空洞部をピン2063PINで連結されたピストン2063Pの先端が摺動する等の構成が考えられる。本実施例では、ピンチローラ2045により(1)ワーク支持手段が構成され、リンク機構LM2は、(3)ワーク支持手段(としてのピンチローラ2045の摺動当接部(としてのローラ2045R)によるワークW表面に対する押圧力を可変に調整する調整手段の一部を構成している。本実施例では、ダンパシリンダ2063のピストン2063Pの先端とピンチローラ本体2045Bとのリンク機構LM2をピンチローラ本体2045Bの2箇所X1とX2間でスライド可能に形成したので、同図に二点鎖線で示すように、ピンチローラ本体2045Bがリンク機構LMを介して回動し易くなるので、例えば工具51による加工部位がワークWの上側面から下側面まで遷移する場合にも、これに応じてローラ2045Rによる摺動当接部がワークWの表面を追従し易くなるので、より滑らかな当接支持が可能である。
図14は、本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)200の他の実施例の側面図であり、ワークへのセット時を示し、直動式、即ち、ダンパシリンダとピンチローラ本体のリンクは不要とした実施例である。図14に示すように、本実施例では、ダンパシリンダ2064とピンチローラ本体2046Bとが直動式、即ち、同一直線状を動くように構成されている。例えば、ピンチローラ本体2046Bとダンパシリンダ2064とをテレスコピック状に連結することで構成しても良い。工具202に対してもワークWの反対側を直状に支持するので、支持力は大きくなるが、その反面、工具202に対する反力が大きくなる可能性が残る。
図15は、本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)200の他の実施例の側面図であり、ワークへのセット時を示し、図14に示した実施例と同様に、直動式、即ち、ダンパシリンダとピンチローラ本体のリンクは不要とした実施例である。図15に示すように、本実施例でも、ダンパシリンダ2065とピンチローラ本体2047Bとが直動式、即ち、同一直線状を動くように構成されている。例えば、ピンチローラ本体2047Bとダンパシリンダ2065とをテレスコピック状に連結することで構成しても良い。工具202に対してもワークWの反対側を直状に支持するので、支持力は大きくなるが、その反面、工具202に対する反力が大きくなる可能性が残る。しかしながら、図15に示すように、本実施例では、ピンチローラ2047のピンチローラ本体2047Bの後端部がリンク機構LM3を介してアクチュエータ2104と連結されている。そして、アクチュエータ2104がエア等により駆動されることで、ピンチローラ本体2047Bのダンパシリンダ2065からの出し入れが制御される。かかる制御により、ローラ2047Rによる摺動当接部がワークWの表面を追従し易くなるので、より滑らかな当接支持が可能である。
次に、図16乃至図18を参照して、上述した実施例に係るワークWの加工工程及びこれに対応するワーク振れ止め装置の操作(動作)及び制御の流れについて、手動操作と自動制御のいずれによるかに留意しつつ説明する。
図16は、本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)200の一実施例の動作を制御する第1のフローチャートである。図16に示すように、本実施例では、それぞれダンパシリンダ手動−アクチュエータ自動の制御の実施例のフローチャートである。まず、ワークがセットされる(ステップ1)、続いて、手動でノブを回すことでダンパシリンダを調整しピンチローラがワークに接触する力を設定する(ステップ2)。次に、NC装置によりアクチュエータが作用し、ピンチローラがワークにセットされる(ステップ3)。そして、切削が開始され(ステップ4)、切削が終了する(ステップ5)。次に、NC装置によりアクチュエータが作用し、ピンチローラがワークからはずされる(ステップ6)。そして、ワークが外される(交換される)こと(ステップ7)で、この加工工程は終了し、ステップ1に戻って次の加工工程による。
図17は、本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)200の他の実施例の動作を制御する第2のフローチャートである。図17に示すように、本実施例では、それぞれダンパシリンダ自動−アクチュエータ自動の制御の実施例のフローチャートである。まず、ワークがセットされる(ステップ1)、続いて、NC装置によりダンパシリンダを調整しピンチローラがワークに接触する力を設定する(ステップ2)。次に、NC装置によりアクチュエータが作用し、ピンチローラがワークにセットされる(ステップ3)。そして、切削が開始され(ステップ4)、切削が終了する(ステップ5)。次に、NC装置によりアクチュエータが作用し、ピンチローラがワークからはずされる(ステップ6)。そして、ワークが外される(交換される)こと(ステップ7)で、この加工工程は終了し、ステップ1に戻って次の加工工程による。
図18は、本発明の実施形態に係るワーク振れ止め装置(ピンチローラユニット)200の更に他の実施例の動作を制御する第3のフローチャートである。図18に示すように、本実施例では、それぞれダンパシリンダ手動−アクチュエータ手動の制御の実施例のフローチャートである。まず、ワークがセットされる(ステップ1)、続いて、手動でノブを回すことでダンパシリンダを調整しピンチローラがワークに接触する力を設定する(ステップ2)。次に、手動でアクチュエータ部のノブを回し、ピンチローラをワークにセットする(ステップ3)。そして、切削が開始され(ステップ4)、切削が終了する(ステップ5)。次に、手動でアクチュエータ部のノブを回し、ピンチローラをワークから外す(ステップ6)。そして、ワークが外される(交換される)こと(ステップ7)で、この加工工程は終了し、ステップ1に戻って次の加工工程による。
以上のように、本発明のワーク振れ止め装置及び該ワーク振れ止め装置を有する工作機械における上述の実施形態によれば、複雑に湾曲する形状等のワークを加工する場合にもアンダーカットやビビリ振動を有効に防止することができる。従って、ワークの加工精度を向上させ得る上に、ビビリ振動を抑制することで加工に要する時間を短縮することができる。尚、上述した実施形態の各実施例では、
本発明の(5軸制御)工作機械は、マシニングセンタ、特にブレード加工機として使用できる。
100 5軸制御工作機械11 A軸回転体12 B軸回転駆動体13 B軸回転駆動体(心押し台)14A、14B チャック16 段取りテーブル20 ベッド30 Y軸移動体40 X軸移動体50 Z軸移動体51 主軸70 NC制御部W ワークMS 加工動作可能領域

Claims (7)

  1. ワークを所定のワーク把持機構により把持しつつ、主軸に回転可能に設けられた工具により加工する工作機械において用いられるワーク振れ止め装置であって、ワークに対して工具と対向する側に設けられ、ワークの表面に所定の押圧力で摺動自在に当接する摺動当接部を有し該摺動当接部を介して前記ワークを支持するワーク支持手段と、前記ワーク支持手段の摺動当接部がワークの形状変化に追従することを可能にするダンパ手段と、前記ワーク支持手段による前記ワーク表面に対する押圧力を可変に調整する調整手段と、前記ワーク支持手段の摺動当接部をワーク表面への当接位置から退避させる退避機構と、を備えることを特徴とするワーク振れ止め装置。
  2. 前記ワーク支持手段は、棒状のピンチローラ本体と該棒状のピンチローラ本体の先端に取り付けられたローラを含むピンチローラにより構成され、前記摺動当接部がそのローラであることを特徴とする請求項1に記載のワーク振れ止め装置。
  3. 前記ダンパ手段は、前記棒状のピンチローラ本体を枢支するピストンとシリンダとを有し、該ピストンが該シリンダ内を反発・減衰可能に往復移動するダンパシリンダにより構成されることを特徴とする請求項2に記載のワーク振れ止め装置。
  4. 前記調整手段は、前記ダンパシリンダのシリンダ内圧を調整するノブにより構成されることを特徴とする請求項3に記載のワーク振れ止め装置。
  5. 前記退避機構は、前記棒状のピンチローラ本体の他端側を枢支するアクチュエータにより構成されることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載のワーク振れ止め装置。
  6. 前記ピンチローラ本体とアクチュエータとはリンク機構を介して連結されていることを特徴とする請求項5に記載のワーク振れ止め装置。
  7. 第1回転動作軸(A軸)についてワークを回転させると共に、その第1回転動作軸(A軸)に直交する第2回転動作軸(B軸)についてベッド部に対して前記ワークを回転させつつ、また、その1つが前記第2回転動作軸(B軸)と同方向の互いに直交する第1、第2、及び第3直進動作軸(X軸、Y軸、Z軸)について工具を前記ベッド部に対して三次元的に移動させつつ、前記工具により前記ワークを加工する5軸制御工作機械であって、前記第2回転動作軸(B軸)について回転可能なように、その軸方向の一端が、前記ベッド部に枢支される回転体と、前記回転体の、前記第1回転動作軸(A軸)方向の両端にあって、前記ワークを、前記第1回転動作軸(A軸)について回転可能なように前記第1回転動作軸方向から挟持する一対の挟持部材とを備える5軸制御工作機械であって、請求項1乃至6の何れか一項に記載のワーク振れ止め装置を有し、前記主軸が前記第1、第2、及び第3直進動作軸のうち前記第2回転動作軸(B軸)と同方向の直進動作軸であり、前記ワーク把持機構が前記一対の挟持部材であることを特徴とする5軸制御工作機械。
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