JP2016187538A - 心拍出量測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検者の負担の増加を抑制しつつ、医師が測定結果に対して行う医学的な評価を支援する機能を向上させることが可能な心拍出量測定装置を提供する。
【解決手段】被検者の心臓内の血液の温度を測定可能な温度センサBにより測定された血液温度情報と、複数の電極Cを有する測定ユニットにより測定された被検者の心電図と、を取得する取得部10と、被検者の心臓内に冷水を注入したときの血液温度情報に基づいて、熱希釈曲線及び被検者の心拍出量を算出する算出部11と、血液温度情報と同時に測定された心電図と、心拍出量と、熱希釈曲線とを表示する表示部15と、血液温度情報と同時に測定された心電図と、熱希釈曲線とを表示部15の同一画面内に同期させて表示させるとともに、心電図のうち期外収縮を含む第一心電図と期外収縮を含まない第二心電図とを異なる表示態様で表示部15に表示させる表示制御部14とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】被検者の心臓内の血液の温度を測定可能な温度センサBにより測定された血液温度情報と、複数の電極Cを有する測定ユニットにより測定された被検者の心電図と、を取得する取得部10と、被検者の心臓内に冷水を注入したときの血液温度情報に基づいて、熱希釈曲線及び被検者の心拍出量を算出する算出部11と、血液温度情報と同時に測定された心電図と、心拍出量と、熱希釈曲線とを表示する表示部15と、血液温度情報と同時に測定された心電図と、熱希釈曲線とを表示部15の同一画面内に同期させて表示させるとともに、心電図のうち期外収縮を含む第一心電図と期外収縮を含まない第二心電図とを異なる表示態様で表示部15に表示させる表示制御部14とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、被検者の心拍出量を測定するための心拍出量測定装置に関するものである。
従来、熱希釈法を用いて被検者の心拍出量を測定することが可能な測定装置がある。例えば、特許文献1に記載の測定装置では、温度センサを含む心臓カテーテルを被検者の心臓内に挿入し、次に、冷水からなる指示薬を心臓内に注入して、指示薬の影響による血液の温度変化を熱希釈曲線として求め、その熱希釈曲線に基づいて心拍出量が算出される。
医師は、算出された心拍出量の数値と併せて熱希釈曲線を確認することにより、算出された心拍出量の信頼性を評価し、再計測の要否を判断したり、被検者の心臓の健康状態を考察したりする。
しかし、求められた熱希釈曲線の形状は、測定中に被検者の心臓に出現し得る期外収縮の影響だけでなく、指示薬を注入する手技の技量の影響やセンサ自体の不具合の影響も受け得る。また、期外収縮の影響が熱希釈曲線の形状に明確には出現しない場合もある。このため、従来の測定装置は、医師が心拍出量の信頼性を医学的に評価することを支援する機能について改善の余地があった。その結果、侵襲の手技である心臓カテーテル検査の再計測の回数が増え、被検者の精神的・身体的な負担が増えてしまう場合があった。
そこで、本発明は、被検者の負担の増加を抑制しつつ、医師が測定結果に対して行う医学的な評価を支援する機能を向上させることが可能な心拍出量測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の心拍出量測定装置は、
被検者の心臓内の血液の温度を測定可能な温度センサにより測定された血液温度情報と、複数の電極を有する測定ユニットにより測定された被検者の心電図と、を取得する取得部と、
前記被検者の心臓内に指示薬を注入したときの前記血液温度情報に基づいて、熱希釈曲線及び前記被検者の心拍出量を算出する算出部と、
前記血液温度情報と同時に測定された前記心電図と、前記心拍出量と、前記熱希釈曲線とを表示する表示部と、
前記血液温度情報と同時に測定された前記心電図と、前記熱希釈曲線とを前記表示部の同一画面内に同期させて表示させるとともに、前記心電図のうち期外収縮を含む第一心電図と期外収縮を含まない第二心電図とを異なる表示態様で前記表示部に表示させる表示制御部と、を備える。
被検者の心臓内の血液の温度を測定可能な温度センサにより測定された血液温度情報と、複数の電極を有する測定ユニットにより測定された被検者の心電図と、を取得する取得部と、
前記被検者の心臓内に指示薬を注入したときの前記血液温度情報に基づいて、熱希釈曲線及び前記被検者の心拍出量を算出する算出部と、
前記血液温度情報と同時に測定された前記心電図と、前記心拍出量と、前記熱希釈曲線とを表示する表示部と、
前記血液温度情報と同時に測定された前記心電図と、前記熱希釈曲線とを前記表示部の同一画面内に同期させて表示させるとともに、前記心電図のうち期外収縮を含む第一心電図と期外収縮を含まない第二心電図とを異なる表示態様で前記表示部に表示させる表示制御部と、を備える。
この構成によれば、同時に計測された心電図と熱希釈曲線とが、表示部の同一画面内に表示される。また、心電図は、期外収縮を含む第一心電図と期外収縮を含まない第二心電図とが異なる表示態様で表示される。このため、医師は、表示部に表示された情報に基づいて、測定中における期外収縮の有無を容易に把握して、測定結果に対する期外収縮の影響を考察することができ、算出された心拍出量の信頼性を従来よりも正確かつ迅速に評価しやすくなる。このように、上記構成によれば、医師の医学的な評価を従来よりも十分に支援することができ、その結果、再計測の回数の増加を抑制することができる。このため、被検者の精神的・身体的な負担の増加を抑制することができる。
また、本発明の心拍出量測定装置において、
前記心電図に含まれる期外収縮の単位波形を検出する検出部を備え、
前記表示制御部は、前記第一心電図を前記表示部に表示する際、前記表示部に表示される前記期外収縮の単位波形の周囲に識別マークを表示させても良い。
前記心電図に含まれる期外収縮の単位波形を検出する検出部を備え、
前記表示制御部は、前記第一心電図を前記表示部に表示する際、前記表示部に表示される前記期外収縮の単位波形の周囲に識別マークを表示させても良い。
この構成によれば、医師は、識別マークを確認することにより、第一心電図に含まれる期外収縮が発生したタイミングを容易に把握することができ、その期外収縮が熱希釈曲線に与えた影響を考察しやすくなる。このため、算出された心拍出量の信頼性をさらに正確かつ迅速に評価しやすくなる。
また、本発明の心拍出量測定装置において、
前記取得部は、前記被検者の心臓内の血圧を測定可能な血圧センサにより測定された血圧をさらに取得し、前記表示制御部は、前記血液温度情報と同時に測定された前記血圧の波形と、前記心電図と、前記熱希釈曲線とを、前記表示部の同一画面内に同期させて表示させても良い。
前記取得部は、前記被検者の心臓内の血圧を測定可能な血圧センサにより測定された血圧をさらに取得し、前記表示制御部は、前記血液温度情報と同時に測定された前記血圧の波形と、前記心電図と、前記熱希釈曲線とを、前記表示部の同一画面内に同期させて表示させても良い。
この構成によれば、心電図と熱希釈曲線に加えて血圧の波形も同期させて表示するので、期外収縮発生による血流への影響がより明確に把握できる。さらに、期外収縮が発生していない状態で血圧波形が変化した場合は、カテーテルが被検者の血管へ楔入されて血流が阻害されているなどの留置異常等の発生が予想されるため、速やかに対処でき、より安全に検査を進めることが可能となる。
また、本発明の心拍出量測定装置において、
前記表示制御部は、複数回計測された前記心拍出量を前記表示部の同一画面内に一覧的に表示させるとともに、前記期外収縮を含む前記第一心電図の計測時に算出された前記心拍出量と、前記期外収縮を含まない前記第二心電図の計測時に算出された前記心拍出量とを異なる表示態様で表示させても良い。
前記表示制御部は、複数回計測された前記心拍出量を前記表示部の同一画面内に一覧的に表示させるとともに、前記期外収縮を含む前記第一心電図の計測時に算出された前記心拍出量と、前記期外収縮を含まない前記第二心電図の計測時に算出された前記心拍出量とを異なる表示態様で表示させても良い。
この構成によれば、医師は、複数回の測定結果のうち、期外収縮の影響を考慮すべき測定結果(心拍出量)を容易に把握することができる。また、複数回の測定結果が一覧的に表示されるため、期外収縮が心拍出量の算出に及ぼす影響を、期外収縮が含まれなかった測定結果と対比しつつ評価することができる。
本発明の心拍出量測定装置によれば、被検者の負担の増加を抑制しつつ、医師が測定結果に対して行う医学的な評価を支援する機能を向上させることができる。
以下、本実施形態の一例について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本形態の心拍出量測定装置1は、取得部10と、算出部11と、検出部12と、記憶部13と、表示制御部14と、表示部15とを備えている。心拍出量測定装置1は、例えばカテーテル検査装置における一機能を実行するための装置として用いられる。
心拍出量測定装置1には、心臓カテーテル(例えば、サーモダイリューションカテーテル)Aの温度センサBによって被検者から測定された血液温度情報と、血圧センサとしての、心臓カテーテルAを介した血圧トランスジューサDによって被検者から測定された血圧情報と、測定ユニットの複数の電極Cによって被検者から測定された心電図が入力される。心電図を測定する電極Cは、被検者の体表面に装着される電極を用いても、血管から挿入される心臓カテーテルの電極を用いても良い。
取得部10は、心拍出量測定装置1に入力された血液温度情報と血圧情報と心電図を取得する。
算出部11は、被検者の心臓内に指示薬(注入液)が注入されたときに取得部10で取得された血液温度情報に基づいて、熱希釈曲線、心拍出量等を算出する。注入液としては、例えば、生理食塩水または5%ブドウ糖液からなる0℃の冷水が用いられる。また、指示薬の注入は、測定者がシリンジを操作することにより行われる。
検出部12は、取得部10で取得された心電図に含まれる期外収縮の1つの波形(単位波形)を検出する。期外収縮の検出は、例えば、心電図成分のうちのR波を検出し、R波と次のR波との間隔(R-R間隔)を測定して、洞調律のR-R間隔と比較することで検出する。
記憶部13は、取得部10、算出部11、検出部12等の各部で処理されたデータを記憶する。
表示制御部14は、算出部11で算出された熱希釈曲線及び心拍出量、取得部10で取得された心電図、血圧等を表示部15の同一画面内に表示させる。表示部15は、例えばタッチパネル式の液晶画面で構成されている。
図2は、被検者から取得された血液温度情報に基づいて算出した熱希釈曲線の一例を示す。
図2に示すように、被検者の心臓(右心房)内に所定量(例えば5〜10ml)の冷水が注入されると、血液の温度が低下して温度低下の変化分が大きくなる。変化分が最高値に達するとその後、心臓の収縮に伴って血液が徐々に元の温度に戻る。算出部11は、冷水の注入直後から熱希釈曲線の積分を開始し、最高値の温度変化から70%下がった点までの積分を行い、下記の式1(スチュワート・ハミルトンの式)により心拍出量(Cardiac Output:CO)を算出する。心拍出量は1分間の拍出量を指標とするため、測定した積分期間を1分間に換算した値を測定結果として算出する。なお、70%よりも下がった領域の値は、推定により算出する。
図2に示すように、被検者の心臓(右心房)内に所定量(例えば5〜10ml)の冷水が注入されると、血液の温度が低下して温度低下の変化分が大きくなる。変化分が最高値に達するとその後、心臓の収縮に伴って血液が徐々に元の温度に戻る。算出部11は、冷水の注入直後から熱希釈曲線の積分を開始し、最高値の温度変化から70%下がった点までの積分を行い、下記の式1(スチュワート・ハミルトンの式)により心拍出量(Cardiac Output:CO)を算出する。心拍出量は1分間の拍出量を指標とするため、測定した積分期間を1分間に換算した値を測定結果として算出する。なお、70%よりも下がった領域の値は、推定により算出する。
Tb:元の血液温度、Ti:冷水の温度(0℃)、K:コンピューテーション定数、である。
次に、図3〜図10を参照しつつ心拍出量測定装置1の動作について説明する。
先ず、被検者に対する測定の準備が行われる。心臓カテーテルAが静脈から挿入され、先端部に設けられた温度センサBが肺動脈に位置し、冷水の注入口が右心房に位置するように留置される。被検者の体表面積を算出するための身長、体重などの被検者データが入力操作部(図示省略)から入力され、手動計測または自動計測の設定がなされる。以下の説明においては、手動計測を説明するが、手動計測と異なる場合に自動計測も説明する。電極Cが被検者の体表面に装着されて心電図の取得が開始される。なお、身長、体重などの被検者データ及び取得された心電図のデータは、記憶部13に記憶される。
全ての準備が完了すると、図3(a)に示すように、表示制御部14は、被検者の現在の血液温度を表示欄21に表示させ、注入される冷水の温度を表示欄22に表示するとともに、スタートボタン23を例えば点灯して表示する。なお、この場合、スタートボタン23の代わりにスタートを促すメッセージ(「スタートOK」等)を表示欄24に表示しても良いし、スタートボタンの点灯とメッセージの表示とを併用しても良い。これで、心拍出量測定装置1は、スタートボタン23が押下されるのを待機する状態となる。血液温度、冷水の温度等の各データは、記憶部13に記憶される。なお、準備が完了していない場合、例えば心電図の波形が安定していない等の状態が検出された場合には、図3(b)に示すように、「心拍数(Heart Rate:HR)変動」等の注意を表示欄24に表示する。この場合には、準備が完了するまでスタートボタン23の指示が受け付けられない状態となる。
準備が完了してスタートボタン23が押下されると、表示制御部14は、図4に示すように、血液温度情報と同時に測定された心電図32、血圧波形35と、血液温度情報に基づいて算出された熱希釈曲線31と、を同期して(同位相で)表示部15にリアルタイムで表示させる。また、表示制御部14は、測定スタート時の被検者の心拍数を表示欄33に表示させる。なお、心拍数の代わりにR-R間隔を表示しても良い。また、表示制御部14は、測定を途中でストップさせるためのストップボタン34を表示部15に表示させる。熱希釈曲線31、心電図32、血圧波形35、心拍数等の各データは、測定時刻と関連付けて記憶部13に記憶される。
また、測定がスタートされると、表示制御部14は指示薬(冷水)の注入を促すメッセージ(「注入OK」等)を表示欄24に表示させる。測定者はその表示を確認して、指示薬を注入する操作を行う。それにより、図5に示すように、下大静脈に挿入された心臓カテーテルAの注入口41から所定量の冷水42が右心房43内に注入される。冷水42は、心臓の収縮・拡張により右心室44内で血液と撹拌される。冷水42と混合された血液は右心室44から肺動脈へ送られ、温度センサBにより血液の温度変化が測定される。
自動計測の場合、上記の準備が完了すると、表示欄24に指示薬(冷水)の注入を促すメッセージ(「注入OK」等)が表示され、待機状態となる(スタートボタン23は表示されない)。測定者はその表示を確認して、指示薬を注入する操作を行う。それにより、所定量の冷水42が右心房43内に注入される。血液温度情報により冷水42が注入されたことが検出されると、表示制御部14は、図4に示すように、血液温度情報と同時に測定された心電図32、血圧波形35と、血液温度情報に基づいて算出された熱希釈曲線31と、を同期して(同位相で)表示部15にリアルタイムで表示させる。
冷水42が注入されると、図6に示すように、血液の温度が低下していき温度の変化分が大きくなり、表示部15に表示された熱希釈曲線31が変化する。本例では、表示欄21に表示するように、測定開始時に36.5℃だった(図4参照)血液温度が現在において35.7℃に低下している。表示制御部14は、現在の被検者の心拍数を例えば測定スタート時の心拍数の表示欄33と並べて表示欄51に表示させる。表示欄51に表示する現在の心拍数の表示色は、各波形が規則正しく現われている洞調律の心電図32の表示色と同色で表示される。血液温度、心拍数等のデータは、測定時刻と関連付けて継続的に記憶部13に記憶される。
測定が進み、検出部12によって被検者の心電図32に期外収縮が検出された場合、図7に示すように、表示制御部14は、表示している心電図32の表示色を変更して表示させる。表示制御部14は、例えば、緑色で表示していた期外収縮が含まれない心電図(第二心電図の一例)を、期外収縮が含まれた赤色の心電図(第一心電図の一例)に変更して表示させる(図面では赤色の代わりに太線で表示している)。また、表示制御部14は、検出された期外収縮の単位波形32aの周囲に識別マーク(☆)52を表示させる。さらに、表示制御部14は、表示欄51に表示される現在の心拍数を例えば反転して表示させる。本例では、表示欄51に表示するように、期外収縮の発生に伴って被検者の現在の心拍数が100回/minに増加している。
さらに測定が進み、被検者の心電図32が安定して洞調律に戻った場合、表示制御部14は、図8に示すように、期外収縮発生時に計測された心拍数をイベント時の心拍数として、例えば表示欄33,51と並べて表示欄53に表示させる。この場合、表示欄53に表示される心拍数の表示色は、期外収縮が検出されたことで変更された心電図32の表示色(赤色)と同色で表示される。
一回分における心拍出量の測定が終了すると、図9に示すように、表示制御部14は、冷水42の注入時点から測定終了時点までの間の熱希釈曲線31と心電図32と血圧波形35とを表示部15に表示させる。冷水42の注入時点から測定終了時点までの期間は、熱希釈曲線の積分期間を示す。また、表示制御部14は、一回分の測定における平均の心拍数を例えば表示欄33,53と並べて表示欄51に表示させる。また、図9において、表示制御部14は、算出された心拍出量の数値を例えば表示欄62に表示させるようにしても良い。また、表示制御部14は、期外収縮の単位波形32aに付す識別マーク52は、測定中(図7,8参照)には表示させずに図9に示す測定終了時にのみ表示させるようにしても良い。
続いて、所定回数(本例では3回)の心拍出量の測定が終了すると、表示制御部14は、図10(a),(b)に示すように、各測定において算出部11で算出された各パラメータの値(測定結果)を一覧的に表示部15に表示させる。なお、上記の表示は、測定者の指示に応じて表示させるようにしても良い。1段目の表示欄71に表示される値が1回目の測定で算出された値である。また、2段目の表示欄72の値が2回目の測定、3段目の表示欄73の値が3回目の測定で算出された値である。心拍出量(CO)は、1分間に心臓から拍出される血液量を示す。心係数(Cardiac Index:CI)は、心拍出量を被検者の体表面積で除した値[l/min/m2]を示す。一回拍出量(Stroke Volume:SV)は、一回の収縮によって心臓から拍出される血液量[l/min/HR]を示す。一回拍出係数(Stroke Index:SI)は、一回拍出量を被検者の体表面積で除した値[SV/m2]を示す。心拍数(HR)は、1分間に心臓が拍動する回数[回/min]を示す。
表示制御部14は、心電図に期外収縮が発生したケースの計測時に算出された各パラメータの値(表示欄73の値)を、心電図に期外収縮が発生しなかったケースの計測時に算出された各パラメータの値(表示欄71,72の値)と異なる表示態様(例えば異なる表示色)で表示させる。また、表示制御部14は、算出された各パラメータの平均値を表示欄74に表示させる。図10(a)の表示欄74に示された平均値は、期外収縮が含まれる3回目の測定値を除外して算出された1回目と2回目の測定値の平均値である。図10(b)の表示欄74に示された平均値は、期外収縮が含まれる3回目の測定値も含めた1回目〜3回目の測定値の平均値である。図10(a)の一覧表と図10(b)の一覧表とは同一画面上に並べて表示させても良い。また、図9に示される各測定回の終了時の画面を図10(a),(b)の表と同一画面上に表示できるような構成としても良いし、そのうちの一回分の終了時の画面を選択的に拡大して表示するようにしても良い。
表示制御部14は、次の(再度の)測定の準備が完了すると、図3に示す画面に戻り、表示欄21に被検者の血液温度を表示し、表示欄22に冷水の温度を表示させるとともに、スタートボタン23を表示させ、及び/またはスタートを促すメッセージ(「スタートOK」等)を表示欄24に表示させて、測定開始可能であることを報知する。自動計測の場合は、表示欄24に指示薬(冷水)の注入を促すメッセージ(「注入OK」等)が表示され、待機状態となる(スタートボタン23は表示されない)。
以上説明した本実施形態の心拍出量測定装置1によれば、図3〜図9に示したように、被検者から同時に測定された心電図32と熱希釈曲線31とが、表示部15の同一画面内に互いに同期して(同位相で)表示される。このため、医師は、心電図32と熱希釈曲線31とを同一画面内で対比しながら測定中における期外収縮の有無を容易に把握することができる。また、血圧波形35も熱希釈曲線31と心電図32とに同期して同時に表示されるので、期外収縮発生による血流への影響がより明確に把握できる。さらに、期外収縮が発生していない状態で血圧波形35が変化した場合は、カテーテルが被検者の血管へ楔入されて血流が阻害されているなどの留置異常等の発生が予想されるため、速やかに対処でき、より安全に検査を進めることが可能となる。なお、心拍出量測定装置1の構成を簡単にするために、血圧波形35を表示しないようにしても良い。
また、測定された心電図32は、期外収縮を含む心電図と期外収縮を含まない心電図とが異なる表示色で画面に表示される。そして、心電図32の表示色は、測定中において期外収縮の発生が検出された時点で変更される。さらに、検出された期外収縮の単位波形には、識別マーク52が添付表示される。このため、医師は、心電図32の色の変化及び識別マーク52を確認することにより、心電図32に期外収縮が発生したタイミングを容易に把握することができる。これにより、熱希釈曲線31との対比において、その期外収縮が熱希釈曲線31に与えた影響を考察しやすくなり、心拍出量の信頼性を正確かつ迅速に評価することができる。
ところで、複数回の心拍出量の測定を行った場合、その測定結果を単に一覧的に表示したとしてもその数値を見ただけでは期外収縮が発生したかどうか認識できない場合もある。つまり、明らかに相違する数値が結果として表れていれば、その数値を見ただけで有効な測定結果ではない(例えば期外収縮が発生した)と判断できるが、期外収縮が発生した場合でも数値としてそれほど結果に表れない場合もある。このため、測定結果の数値が、再測定を行った方が良いものなのか判断が難しい場合もある。例えば、図10の表示欄71〜73に示される測定結果の数値が同じ表示態様(同じ表示色)で表示されていた場合、測定結果の数値だけを見ると、表示欄72の数値が他の表示欄71,73の数値と比べて相違していると判断され得る。このため、実際には期外収縮が発生していない表示欄72の測定結果を除外して再測定を行う可能性がある。
これに対して、本形態によれば、期外収縮が発生した測定回の測定結果(図10(a),(b)の表示欄73参照)が相違した表示色で表示されながら、他の測定回の測定結果と共に一覧的に表示される。このため、医師は、期外収縮が心拍出量の算出に及ぼす影響を、期外収縮が含まれなかった測定結果と対比しつつ評価することができる。また、表示欄72の測定結果が取得された測定回には期外収縮が発生しなかったことが正確に認識できるので、表示欄72の測定結果を除外する必要が無いということが容易に判断できる。また、表示色が相違している(期外収縮が発生したことを示す)表示欄73の測定結果に対しては、期外収縮が発生していない表示欄71,73の測定結果の数値と比較して、本例のように数値が大きく相違していない場合には、期外収縮の影響は大きく表れていないと判断して、表示欄73の測定結果を除外しない(再測定しない)ようにすることもできる。そして、この場合、表示欄73の測定結果を含めた心拍出量等の平均値(図10(b)の表示欄74参照)に基づいて心拍出量を評価することができる。したがって、本形態によれば、従来であれば不要な測定を行う可能性がある測定結果に対しても、表示画面を確認するだけで、再測定の必要の有無を容易に判断することができる。
このように、本実施形態の心拍出量測定装置1により、医師の医学的な評価を従来よりも十分に支援することができ、その結果、心拍出量を再測定する回数の増加を抑制することができる。このため、被検者の精神的・身体的な負担の増加を抑制することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
1:心拍出量測定装置、10:取得部、11:算出部、12:検出部、13:記憶部、14:表示制御部、15:表示部、52:識別マーク、31:熱希釈曲線、32:心電図、32a:単位波形、35:血圧波形、A:心臓カテーテル、B:温度センサ、C:電極、D:血圧トランスジューサ
Claims (4)
- 被検者の心臓内の血液の温度を測定可能な温度センサにより測定された血液温度情報と、複数の電極を有する測定ユニットにより測定された被検者の心電図と、を取得する取得部と、
前記被検者の心臓内に指示薬を注入したときの前記血液温度情報に基づいて、熱希釈曲線及び前記被検者の心拍出量を算出する算出部と、
前記血液温度情報と同時に測定された前記心電図と、前記心拍出量と、前記熱希釈曲線とを表示する表示部と、
前記血液温度情報と同時に測定された前記心電図と、前記熱希釈曲線とを前記表示部の同一画面内に同期させて表示させるとともに、前記心電図のうち期外収縮を含む第一心電図と期外収縮を含まない第二心電図とを異なる表示態様で前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備える心拍出量測定装置。 - 前記心電図に含まれる期外収縮の単位波形を検出する検出部を備え、
前記表示制御部は、前記第一心電図を前記表示部に表示する際、前記表示部に表示される前記期外収縮の単位波形の周囲に識別マークを表示させる、請求項1に記載の心拍出量測定装置。 - 前記取得部は、前記被検者の心臓内の血圧を測定可能な血圧センサにより測定された血圧をさらに取得し、前記表示制御部は、前記血液温度情報と同時に測定された前記血圧の波形と、前記心電図と、前記熱希釈曲線とを、前記表示部の同一画面内に同期させて表示させる、請求項1または請求項2に記載の心拍出量測定装置。
- 前記表示制御部は、複数回計測された前記心拍出量を前記表示部の同一画面内に一覧的に表示させるとともに、前記期外収縮を含む前記第一心電図の計測時に算出された前記心拍出量と、前記期外収縮を含まない前記第二心電図の計測時に算出された前記心拍出量とを異なる表示態様で表示させる、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の心拍出量測定装置。
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