JP2016185537A - 撹拌翼 - Google Patents

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Abstract

【課題】撹拌翼において、撹拌軸と翼部材との着脱作業の作業性を向上させると共に、撹拌軸と翼部材との結合部分の腐食を防止する。【解決手段】撹拌翼は、撹拌軸と、翼部材と、樹脂製のシール部材と、を備える。撹拌軸は、外面にグラスライニング処理が施された本体部と、本体部の下端面から突出した固定部とを有する。翼部材は、本体部の下端面と上下方向に間隔をあけて対向する上端面にグラスライニング処理が施され、固定部に着脱可能なボス部を有する。シール部材は、本体部の下端面とボス部の上端面との間に配置され、耐食性を有する。固定部は、グラスライニング処理が施されていない外面に雄ネジが形成されている。ボス部は、上端面から下方に開口し、グラスライニング処理が施されていない内周面に雌ネジが形成されたネジ孔を有する。雌ネジが雄ネジに締結されることで、シール部材が本体部の下端面とボス部の上端面との間で挟持される。【選択図】図2

Description

本発明は、撹拌翼に関し、特に翼部材を撹拌軸から着脱可能な撹拌翼に関する。
化学製品や医薬品等の生産には、被処理対象物の混合、晶析、濃縮等の撹拌処理を行う撹拌装置が用いられる。撹拌装置は、被処理対象物である内容液を貯留する撹拌容器と、当該撹拌容器の内部に設けられる撹拌翼とを備えている。撹拌翼は、上下方向に延びる撹拌軸と、当該撹拌軸に固定されたボスを有する翼部材とを有している。また、撹拌翼は、撹拌容器の外部に設けられた電動機に接続されており、当該電動機を駆動して撹拌翼を回転させることで、内容液は撹拌処理される。
内容液には、酸、重合物、医薬、染料等のような腐食性を有する材料が用いられる。他方、撹拌翼は炭素鋼等の金属材料によって形成されるため、撹拌容器の内部で炭素鋼が露出していると、内容液によって腐食されてしまう。そこで、撹拌翼が内容液によって腐食されないように、その外表面にはグラス層を被膜するグラスライニング処理が施されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
ここで、撹拌装置は、その撹拌処理の用途等に応じて、翼部材の形状が異なる撹拌翼に交換することがある。そのため、翼部材のボスは撹拌軸に対して着脱可能に構成されている。特許文献1に示す撹拌翼において、翼部材のボスは、冷やし嵌めによって、撹拌軸に着脱可能に取り付けられる。具体的には、撹拌容器の内部に液体窒素を投入し、撹拌軸を低温にすることで、その外径を収縮させる。そして、翼部材のボスを撹拌軸に嵌め込んだ後、撹拌容器の内部から液体窒素を排出する。その後、撹拌軸が常温となって、その外径が元の長さに戻ることで、撹拌軸の外周面がボスの内周面に接触し、ボスが撹拌軸に取り付けられる。翼部材を撹拌軸から取り外す際には、その逆の手順を行う。
特開昭61−178029号公報
しかしながら、冷やし嵌めによって、翼部材のボスを撹拌軸に着脱するためには、上述の通り、液体窒素を投入して撹拌軸を低温収縮する作業、液体窒素を排出して撹拌軸を常温に戻す作業が必要となるため、作業性が悪化するという課題があった。また、翼部材を撹拌軸に冷やし嵌め以外の方法で着脱可能とする場合、例えば、ネジ固定することを考えた場合には、翼部材と撹拌軸との結合部分はネジ加工され、グラスライニング処理を施すことができないため、当該結合部分が内容液によって腐食してしまう可能性がある。
そこで本発明は、撹拌翼において、撹拌軸と翼部材の着脱作業の作業性を向上させると共に、翼部材と撹拌軸との結合部分の腐食を防止することを目的としている。
本発明の一形態に係る撹拌翼は、外面にグラスライニング処理が施された本体部と、前記本体部の下端面から突出した固定部とを有し、撹拌槽の内部で上下方向に延びる撹拌軸と、前記本体部の前記下端面と上下方向に間隔をあけて対向する上端面にグラスライニング処理が施され、前記固定部に着脱可能なボス部を有する翼部材と、前記本体部の前記下端面と前記ボス部の前記上端面との間に配置され、耐食性を有する樹脂製のシール部材と、を備え、前記固定部は、グラスライニング処理が施されていない外面に雄ネジが形成され、前記ボス部は、前記上端面から下方に開口し、グラスライニング処理が施されていない内周面に雌ネジが形成されたネジ孔を有し、前記雌ネジが前記雄ネジに締結されることで、前記シール部材が前記本体部の前記下端面と前記ボス部の前記上端面との間で挟持される。
前記構成によれば、ボス部の雌ネジが撹拌軸の固定部の雄ネジに締結されるため、翼部材が撹拌軸に対してネジ固定により着脱可能となり、冷やし嵌めにより翼部材を撹拌軸から着脱していた構成と比べて、液体窒素による撹拌軸の低温収縮等の作業が不要となる分、作業性が向上する。また、ボス部の雌ネジを撹拌軸の雄ネジに締結する際に、シール部材がボス部により押圧されて上下方向に圧縮されるため、シール部材がボス部の上端面及び本体部の下端面に密着して、液密性が確保される。よって、グラスライニング処理が施されていない撹拌軸の雄ネジとボス部の雌ネジとの締結部分に内容液が浸入して、当該部分が腐食するのを防止することができる。
前記形態において、前記シール部材は、前記本体部の前記下端面と対向する面に形成された環状の上側溝部と前記ボス部の前記上端面と対向する面に形成された環状の下側溝部とを含むフッ素系樹脂部材と、前記上側溝部に嵌合される第1Oリングと、前記下側溝部に嵌合される第2Oリングとを有し、前記雌ネジが前記雄ネジに締結されることで、前記第1Oリングが前記本体部の前記下端面に圧接し、かつ、前記第2Oリングが前記ボス部の前記上端面に圧接してもよい。
シール部材として、単一のシールリングのみを用いた場合、当該シールリングの位置決めのためにグラスライニング面に溝加工が必要な場合がある。しかし、当該溝加工の作業時には、グラス層の剥離防止のために溝の角部を丸面にする面取り加工作業も必要になると共に、当該面取り加工を考慮してシールリングと対向するグラスライニング面を大きくする必要がある。しかし、前記構成によれば、シール部材がOリングの位置決めのための溝部を設けたフッ素系樹脂部材を有することによって、グラスライニング面である本体部の下端面及びボス部の上端面を溝加工する必要がなく、作業性を向上することができると共に、グラスライニング面の大型化も防ぐことができる。
前記形態において、前記固定部は、前記雄ネジよりも上側から径方向外側に突出し、その先端が前記本体部の下端面の外周縁より径方向内側に位置する凸部を更に含み、前記ボス部は、前記雌ネジよりも上側から径方向外側に窪み、前記凸部の下端面と上下方向に対向する当接面が形成された凹部を有し、前記本体部の前記下端面と前記ボス部の前記上端面との間の隙間は、前記凹部の前記当接面が前記凸部の下端面に当接した状態で、前記シール部材の圧縮変形が弾性領域内に維持される寸法に設定されていてもよい。
前記構成によれば、ボス部の雌ネジを撹拌軸の雄ネジに締結する際に、ボス部の当接面が凸部の下端面と当接することで、ボス部の締め過ぎによってシール部材に過度な押圧がかからないようにシール部材の圧縮変形量を規制することで、当該シール部材が弾性領域を超えて塑性変形し、シール部材と撹拌軸の本体部又はシール部材とボス部との間に隙間が発生して、内容液が当該隙間から浸入するのを防止することができる。
前記形態において、前記撹拌軸は、前記雄ネジが形成されたネジ部を含む吊上軸と、前記吊上軸が相対回転可能に挿通される空間が形成された前記本体部を含む筐体とを有してもよい。
前記構成によれば、撹拌軸と翼部材とをネジ固定するために翼部材を回転させる際、ボス部の上端面がシール部材と接触した状態で翼部材が相対回転すれば、シール部材に摩擦が生じる。しかし、前記構成によれば、シール部材を挟持する翼部材と筐体とを相対回転させずに、翼部材と吊上軸を相対回転させることで雌ネジを雄ネジに締結させることができる。よって、翼部材の着脱時にシール部材に摩擦が生じることが防がれ、シール部材の寿命を高めることができることができる。
前記形態において、前記筐体は、前記翼部材に対して回転不能に前記ボス部に嵌合する嵌合部を更に含んでもよい。
前記構成によれば、吊上軸のネジ部を翼部材のボス部にネジ固定する際に、筐体の嵌合部がボス部に嵌合して翼部材に対して回転不能になるため、翼部材が吊上軸と共回りするのを防ぐために翼部材を支持する必要が無く、作業性を向上させることができる。また、前記構成によれば、撹拌処理のために撹拌翼を回転させたときに発生するトルク荷重が、ボス部と筐体との嵌合部分においても負担されるため、雄ネジと雌ネジのネジ締結部分に過度なトルク荷重が作用するのを防ぐことができ、良好な締結状態が実現される。
本発明によれば、撹拌翼において、撹拌軸と翼部材との着脱作業の作業性を向上することができると共に、翼部材と撹拌軸との結合部分の腐食を防止することができる。
図1は、第1実施形態に係る撹拌翼を備えた撹拌装置を正面から見た断面図である。 図2は、図1の撹拌翼において、撹拌軸と翼部材の固定部分の拡大図である。 図3は、図1及び2の撹拌翼の分解図である。 図4は、第2実施形態に係る撹拌翼の一部拡大図である。 図5は、第3実施形態に係る撹拌翼の一部拡大図である。 図6は、図5のVI−VI線断面図である。 図7は、第3実施形態に係る撹拌翼を備えた撹拌装置のうち軸挿通口と回転駆動装置との間の拡大図である。
以下、図面を参照しながら実施形態について説明する。なお、同一の又は対応する要素には全ての図を通じて同一の符号を付して重複する詳細説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る撹拌翼3を備えた撹拌装置1を正面から見た断面図である。以下では、便宜上、撹拌装置1の方向について、紙面左側を「左」、紙面右側を「右」として説明する。
図1に示すように、撹拌装置1は、撹拌槽2を備えている。撹拌槽2は、略円筒形状の容器であり、撹拌翼3の回転駆動によって撹拌処理される内容液を貯留している。撹拌翼3は、撹拌槽2の左右方向略中央で、鉛直軸線J1と重なるように設けられている。撹拌翼3の詳細な構成及び形状については、後述する。撹拌翼3によって撹拌処理された内容液は、撹拌槽2の底壁21に設けられた排出口21aから外部空間へと取り出される。
また、撹拌槽2には、その上壁22に外部空間と連通するように円形状の開口部22aが設けられている。上壁22の開口部22aは、円盤状の蓋7により開閉可能に閉鎖されている。具体的には、蓋7の周縁部が、開口部22aの周縁部にクランプ23によって固定されている。撹拌翼3のメンテナンスの際等には、クランプ23を取り外して蓋7を取り外すことにより、作業者が開口部22aを通って撹拌槽2の内部に出入りできる。
撹拌槽2の上壁22において、蓋7に対して左右方向反対側には、バッフル8の上端が固定されている。バッフル8は、上下方向に延びる長尺部材であり、その下端は撹拌槽2の底壁21近くまで延び、撹拌翼3の翼部材5の上方に位置している。バッフル8が撹拌槽2の内部で上下方向に延びていることによって、内容液が撹拌翼3の回転駆動により撹拌槽2の内壁面に沿って、周方向に撹拌されるだけでなく、上下方向にも撹拌されることによって、内容液が均一に撹拌されるようになる。左右方向において、蓋7とバッフル8との間に、撹拌翼3が設けられている。
撹拌翼3は、撹拌軸4と、翼部材5と、シール部材6とを備えている。撹拌軸4は、撹拌槽2の上壁22に設けられた軸挿通口22bから、撹拌槽2の内部へと挿通されている。そして、撹拌軸4は、撹拌槽2の内部において、鉛直軸線J1と重なるように上下方向に延びている。撹拌軸4の上端は、撹拌槽2の上方に設けられた回転駆動装置9に回転可能に支持されている。ここで、回転駆動装置9は、例えば、減速機付き電動機である。電動機9は、撹拌槽2に固定された略円筒状の架台11に下方から支持されている。撹拌軸4の下端には、翼部材5が固定されているとともに、シール部材6が取り付けられている。なお、撹拌槽2の上部には、図示していない開口が複数設けられている。
図2は、図1の撹拌翼3において、撹拌軸4と翼部材5の固定部分の拡大図である。図2に示すように、撹拌軸4は、本体部41と、当該本体部41の下端面41aから部分的に突出する固定部42とを有している。撹拌軸4は、例えば、炭素鋼等の金属材料である。翼部材5は、ボス部51と、当該ボス部51から径方向に延びる複数枚(例えば、2枚)の羽根板部52とを有している。羽根板部52は、ボス部51の外面に溶接等で一体に固定されている。ボス部51及び羽根板部52はいずれも撹拌軸4と同様に、例えば、炭素鋼等の金属材料である。ボス部51は、撹拌軸4の固定部42に着脱可能に固定されており、その固定状態において、ボス部51の上端面51aは、本体部41の下端面41aと上下方向に間隔Lをあけて対向している。
シール部材6は、本体部41の下端面41aとボス部51の上端面51aとの間で挟持されている。シール部材6は、環状かつ板状のフッ素系樹脂部材61と、第1Oリング62と、第2Oリング63とを有している。フッ素系樹脂部材61は円環状の部材であり、内容液に対して耐食性を有している。フッ素系樹脂部材61は、例えば、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(EPE)、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂(ETEE)等から選ばれるフッ素系樹脂材料を用いて形成される。なお、フッ素系樹脂部材61には、強度を補強するためのグラス又はカーボン等が含有されていてもよい。
フッ素系樹脂部材61には、本体部41の下端面41aと対向する平坦な上端面に環状の上側溝部61aが形成されるとともに、ボス部51の上端面51aと対向する平坦な下端面に環状の下側溝部61bが形成されている。上側溝部61aには、第1Oリング62が嵌合されており、下側溝部61bには、第2Oリング63が嵌合されている。このように、フッ素系樹脂部材61の溝部61a,61bは、Oリング62,63の位置決めのために設けられている。第1Oリング62及び第2Oリング63のいずれの材質も内容液に対して耐食性を有するゴムであるが、これに限られず、例えばシリコーンでもよい。また、内容液に対して耐食性をもたせるために、第1Oリング62及び第2Oリング63の外表面いずれにもフッ素系樹脂が被覆されてもよいし、第1Oリング62及び第2Oリング63自体が、フッ素系樹脂ソリッドによって形成されていてもよい。
図3は、図2の撹拌翼3の分解図である。図3に示すように、本体部41は、上下方向において、その下端面41a寄りの一部分が下方に延びるにつれて外径が広がっている形状である。本体部41の下端面41aには、固定部42との境界部分において固定部42周りに環状の溝部41bが形成されている。溝部41bは、固定部42の根元部の周囲において下端面41aを上方に窪ませてなる。本実施形態では、本体部41の外面において、下端面41aに形成された溝部41bを除く部分が、グラスライニング処理によりグラス層GLが被膜されたグラスライニング面である。
グラスライニング処理とは、金属材料の表面にグラスを塗布した後、焼成を行うことで、当該金属材料の表面に耐食性に優れたグラスを結合させて、グラス層を形成する加工である。本実施形態において、グラス層GLの厚さは、例えば、1mmである。本体部41の外面にグラス層GLが形成されることにより、酸、重合物又は医薬等の腐食性を有する内容液に対して、本体部41が耐食性を有することができる。
固定部42は、略円柱形状であり、互いに外径の異なる第1固定部42aと第2固定部42bとを有している。第1固定部42a及び第2固定部42bの外面はいずれも、グラスライニング処理が施されていない非グラスライニング面である。第1固定部42aの外面には、機械加工により、雄ネジ71が形成されている。第2固定部42bは、第1固定部42aの上端から上方に延び、本体部41の下端面41aの中央に接続されている。第2固定部42bは、第1固定部42aよりも大径であり、雄ネジ71よりも上側から径方向外側に突出し、かつ、その先端が本体部41の下端面41aの外周縁より径方向内側に位置する。即ち、第2固定部42bの下部は、下方から見て第1固定部42aよりも径方向外方に突出する環状の凸部42cとして機能する。
他方、ボス部51は、その上端面51aから下方に開口するネジ孔51bを有している。ネジ孔51bの内周面には、グラスライニング処理が施されておらず、機械加工により、雌ネジ72が形成されている。本実施形態では、ボス部51の雌ネジ72が固定部42の雄ネジ71に締結されるように、翼部材5を鉛直軸線J1周りに回転させることで、翼部材5を撹拌軸4に対して取り付ける。このように、翼部材5は、ネジ固定により、撹拌軸4に対して着脱可能である。これにより、撹拌処理の用途等に応じて、翼部材5を羽根板部52の形状等が異なる別の翼部材に交換可能となる。なお、交換作業の際、翼部材5は、撹拌槽2の開閉可能な開口部22aから出し入れされる。
また、ボス部51は、雌ネジ72よりも上側において径方向外側に窪む環状の凹部51cを有している。凹部51cには、固定部42の凸部42cの下端面42caと上下方向に対向する当接面51caが形成されている。雌ネジ72が雄ネジ71に締結されると、凹部51cの当接面51caが凸部42cの下端面42caに当接する。
更に、ボス部51の上端面51aには、凹部51cとの境界部分において凹部51c周りに環状の溝部51dが形成されている。溝部51dは、凹部51cの外周囲において上端面51aを下方に窪ませてなる。本実施形態において、ボス部51の表面のうちネジ孔51b,凹部51c及び溝部51dを除く部分は、グラスライニング処理によりGL層が被膜されたグラスライニング面である。即ち、ボス部51の上端面51a、外側面51e及び下端面51fが、グラスライニング面であり、羽根板部52の外面も、グラスライニング面である。他方、ボス部51において、ネジ孔51bの内周面、凹部51cの内面(当接面51caを含む)及び溝部51dは、グラスライニング処理が施されていない、非グラスライニング面である。
ボス部51の雌ネジ72が固定部42の雄ネジ71に締結されることで、シール部材6は、本体部41の下端面41aとボス部51の上端面51aとの間で挟持されている。シール部材6はボス部51により下方から押圧されて、上下方向に圧縮されている。具体的には、第1Oリング62が本体部41の下端面41aに圧接し、かつ、第2Oリング63がボス部51の上端面51aに圧接している。
更に、フッ素系樹脂部材61も上下方向に圧縮変形する。ここで、ボス部51の雌ネジ72を固定部42の雄ネジ71に締結していくと、凹部51cの当接面51caが凸部42cの下端面42caと当接する。この状態で、フッ素系樹脂部材61の圧縮変形が弾性領域内に維持される寸法に、本体部41の下端面41aとボス部51の上端面51aとの間の隙間Lが設定されている(図2参照)。
以上のように構成された撹拌翼3は、以下の効果を奏する。
ボス部51の雌ネジ72が撹拌軸4の固定部42の雄ネジ71に締結されるため、翼部材5が撹拌軸4に対してネジ固定により着脱可能となり、冷やし嵌めにより翼部材を撹拌軸から着脱していた構成と比べて、液体窒素による撹拌軸の低温収縮等の作業が不要となる分、作業性が向上する。また、ボス部51の雌ネジ72を撹拌軸4の雄ネジ71に締結する際に、シール部材6がボス部51により押圧されて上下方向に圧縮されるため、シール部材6がボス部51の上端面51a及び本体部41の下端面41aに密着して、液密性が確保される。よって、グラスライニング処理が施されていない撹拌軸4の雄ネジ71とボス部51の雌ネジ72との締結部分に内容液が浸入して、当該部分が腐食するのを防止することができる。
また、グラスライニング処理が施された撹拌翼において、翼部材のボスの内周面には、グラス層の剥離を防止するために、丸面の面取り加工が施されている。そのため、冷やし嵌めによって、撹拌軸にボスを取り付けた構成では、撹拌軸の外周面とボスの内周面との間に、内容液が液溜まりする空間が形成されてしまい、当該液溜まりが残存すると、撹拌槽の内部において、コンタミが発生してしまうというおそれがあった。本実施形態では、翼部材5が撹拌軸4との締結部分は、グラスライニング処理が施されておらず、ネジ固定されているため、翼部材5のボス部51の内周面に丸面の面取り加工を施す必要がない。更に、シール部材6がボス部51の上端面51a及び本体部41の下端面41aに密着して、液密性が確保されている。これにより、内容液が撹拌軸4と翼部材5のボス部51との締結部分において、内容液が液溜まりするのを防止することができる。
また、冷やし嵌めにより翼部材を撹拌軸から着脱していた構成では、撹拌装置を使用中に、内容液が翼部材のボスと撹拌軸との結合部分に浸入し、当該内容液が残存して固化してしまい、翼部材を撹拌軸から取り外す作業を行う際に、翼部材が取り外しにくくなるというおそれがあった。本実施形態では、シール部材6がボス部51の上端面51a及び本体部41の下端面41aに密着して、液密性が確保されているため、撹拌軸4と翼部材5のボス部との締結部分に内容液が浸入するのを防止することができ、翼部材5の取り外し時の作業性も向上することができる。
また、シール部材として、単一のシールリングのみを用いた場合、当該シールリングの位置決めのためにグラスライニング面に溝加工を行う必要がある。しかし、当該溝加工の作業時には、グラス層の剥離防止のために溝の角部を丸面にする面取り加工作業も必要になると共に、当該面取り加工を考慮してシールリングと対向するグラスライニング面を大きくする必要がある。しかし、本実施形態では、シール部材6がOリング62,63の位置決めのための溝部61a,61bを設けたフッ素系樹脂部材61を有することによって、グラスライニング面である本体部41の下端面41a及びボス部51の上端面51aを溝加工する必要がなく、作業性を向上することができると共に、グラスライニング面の大型化も防ぐことができる。
また、ボス部51の雌ネジ72を撹拌軸4の雄ネジ71に締結する際に、ボス部51の当接面51caが凸部42cの下端面42caと当接することで、ボス部51の締め過ぎによって、フッ素系樹脂部材61に過度な押圧がかからないようにフッ素系樹脂部材61の圧縮変形量を規制する。これにより、フッ素系樹脂部材61が弾性領域を超えて塑性変形し、フッ素系樹脂部材61と撹拌軸4の本体部41又はシール部材6とボス部51との間に隙間が発生して、内容液が当該隙間から浸入するのを防止することができる。
また、本体部41の下端面41aにおいて、固定部42の周囲に溝部41bを形成することによって、本体部41の外面をグラスライニング処理する際に、溝部41bを介して、グラスライニング面と非グラスライニング面とを区分けし、グラスライニング面に塗布したグラスが、非グラスライニング面である固定部42の外周面等に付着するのを防ぐことができる。即ち、本体部41のグラス層GLは、固定部42から溝部41bを介して離間しており、固定部42に生じた応力がグラス層GLに伝達され難くすることが可能となる。また、ボス部51の上端面51aにおいても、凹部51cの周囲に溝部51dを形成することによって、ボス部51の外面をグラスライニング処理する際に、非グラスライニング面である凹部51cの当接面51ca等にグラスが付着するのを防ぐことができる。即ち、ボス部51のグラス層GLは、ネジ孔51b及び凹部51cから溝部51dを介して離間しており、ネジ孔51b及び凹部51cに生じた応力がグラス層GLに伝達され難くすることが可能となる。なお、溝部41b及び溝部51dは必須の構成ではなく、撹拌翼3に設けられていなくてもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る撹拌翼13は、第1実施形態に係る撹拌翼3を一部変形したものである。以下では、第2実施形態に係る撹拌翼13について、第1実施形態と異なる点について説明する。
図4は、第2実施形態に係る撹拌翼13の一部拡大図である。図4に示すように、撹拌翼13の撹拌軸14は、筐体15と、吊上軸16とを有している。筐体15は、上下方向において、その下端面寄りの一部分が下方に延びるにつれて外径が広がっている本体部15aと、当該本体部15aの下端面から部分的に下方に突出する突出部15bとを有している。また、筐体15の内部には、吊上軸16及び後述する治具200が挿通される空間Sが形成されている。吊上軸16及び治具200は、筐体15の空間S内で鉛直軸線J2周りに相対回転可能である。筐体15の下部には、本体部15aの内周面から径方向内方に突出し、突出部15bの内周面まで延びる環状の円環部15cが形成されている。
吊上軸16は、円環部15cの上端面と当接する下端面を有する第1軸部16aと、第1軸部16aの下端面から連続し、突出部15bの下端まで延びる第2軸部16bと、第2軸部16bから下方に突出する第3軸部16cとを有している。吊上軸16の各軸部16a〜16cはいずれも、略円柱形状である。
第1軸部16aの上端には、当該第1軸部16aの外径と等しい又は当該第1軸部16aの外径よりも少し小さい多角柱状(例えば、四角柱状又は六角柱状)の治具200の下端部200aが挿入されている。これにより、治具200は、吊上軸16に対して回転方向に固定されている。翼部材5の撹拌軸14への取付作業時に、作業者等が治具200を鉛直軸線J2周りに回転させると、吊上軸16も筐体15の内部で鉛直軸線J2周りに相対回転可能となる。ここで、治具200は、翼部材5の撹拌軸14への取付作業時に吊上軸16の第1軸部16aに挿入されるものであり、翼部材5の取り付けが完了した後には、治具200は当該第1軸部16aから取り外される。なお、吊上軸16を治具200に固定するに際しては、吊上軸16の第1軸部16aの上端部が、治具200の下端部200aに挿入されてもよい。
第2軸部16bは、第1軸部16aの下端面から部分的に突出し、第1軸部16aよりも外径が小さい。また、第2軸部16bの外周面は、円環部15c及び突出部15bにより覆われている。第3軸部16cは、第2軸部16bと外径が等しく、その外周面に雄ネジ71が形成されたネジ部である。
ここで、本実施形態の本体部15aが、第1実施形態の本体部41に相当する本体部141を構成しており、本実施形態の突出部15b、第2軸部16bのうち突出部15bにより外周面が覆われている部分及び第3軸部16cが第1実施形態の固定部42に相当する固定部142を構成している。また、突出部15bの下部が、下方から見て第3軸部16cよりも径方向外方に突出していることで、第1実施形態の凸部42cに相当する環状の凸部142cとして機能している。これ以外の構成は、第1実施形態と同様である。以下では、本実施形態における、翼部材5の撹拌軸14への取付手順について説明する。
まず、治具200の下端部200aを第1軸部16aの上端に固定すると共に、本体部141の下端面141aに第1Oリング62が接触するように、シール部材6を撹拌軸14に取り付ける。次に、ボス部51のネジ孔51bの中心が鉛直軸線J2と重なるように、かつ、第3軸部16cに形成された雄ネジ71の先端部がネジ孔51bに形成された雌ネジ72に噛み合うように、翼部材5を位置させる。ここで、吊上軸16が回転している際、翼部材5が吊上軸16と共回りしないように、翼部材5の羽根板部52は、作業者又は固定台等によって支持されている。そして、治具200を鉛直軸線J2周りに回転させ、吊上軸16が鉛直軸線J2周りに回転することで、雄ネジ71が雌ネジ72に螺合していき、翼部材5が上方へと引き上げられるように、撹拌軸14の固定部142に取り付けられる。
また、雌ネジ72が雄ネジ71に締結されて、ボス部51の当接面51caが凸部142cの下端面と当接した際に、第1軸部16aの下端面は筐体15の円環部15cの上端面に接触している。これにより、翼部材5を撹拌軸14に取り付ける際に、当該翼部材5が固定された吊上軸16が筐体15から下方に抜けるのを防止している。
以上に説明した構成によれば、第1実施形態と同様に、ボス部51の雌ネジ72が第3軸部(ネジ部)16cの雄ネジ71に締結されるため、翼部材5が撹拌軸14に対してネジ固定により着脱可能となり、作業性が向上する。また、雌ネジ72が雄ネジ71に締結される際に、ボス部51の当接面51caが凸部142cの下端面と当接する。これにより、雄ネジ71の締め過ぎによって、フッ素系樹脂部材61に過度な押圧がかからないようにフッ素系樹脂部材61の圧縮変形量を規制している。
また、撹拌軸4と翼部材5とをネジ固定するために翼部材5を回転させる際、ボス部51の上端面51aがシール部材6と接触した状態で翼部材5が相対回転すれば、シール部材6に摩擦が生じる。そのため、翼部材5を回転させることで撹拌軸4に取り付ける構成では、ボス部51の上端面51aがシール部材6の第2Oリング63と接触した際に、当該第2Oリング63が翼部材5の回転によって、捻じれてしまい、ボス部51とシール部材6との間の液密性が十分に確保できないというおそれがあった。
しかし、本実施形態では、撹拌軸14に取り付ける際に、翼部材5は吊上軸16と共回りしないように支持しておき、吊上軸16のみを鉛直軸線J2周りに回転させる。即ち、シール部材6を挟持する翼部材5と筐体15とを相対回転させずに、翼部材5と吊上軸16を相対回転させることで雌ネジ72を雄ネジ71に締結させることができる。よって、翼部材5の着脱時に第2Oリング63に摩擦が生じることが防がれ、当該第2Oリング63は捻じれずに、ボス部51の上端面51aに圧接させることができ、ボス部51とシール部材6との間の液密性を確保することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る撹拌翼203は、第2実施形態に係る撹拌翼13を一部変形したものである。以下では、第3実施形態に係る撹拌翼203について、第2実施形態と異なる点について説明する。
図5は、第3実施形態に係る撹拌翼203の一部拡大図である。図6は、図5のVI−VI線断面図である。図5及び6に示すように、撹拌軸204の筐体215は、翼部材205のボス部251に対して回転不能に嵌合する嵌合部215bを含んでいる。本実施形態では、筐体215は、ボス部251とキー構造によって係合していることにより回転不能となっている。具体的には、ボス部251において、凹部251cの内側面の一部から径方向外側に窪ませてなるキー溝部251gが軸線方向に延びて形成されている。また、筐体215の嵌合部215bは、本体部215aの下端面から部分的に円筒状に突出する円筒部215dと、当該円筒部215dの外側面の一部から径方向外側に一体に突出して、キー溝部251gと係合するキー部215eとを有している。なお、筐体215をボス部251に対して回転不能とするための構造は、本実施形態のようなキー構造に限らず、スプライン構造であってもよい。また、キー構造は、筐体215の外側面及びボス部251の内側面それぞれに軸線方向に延びる溝部を設けて、当該溝部に嵌合する略直方体状の部材を挿入することで構成されてもよい。
また、筐体215の嵌合部215bの長径L1は、ボス部251の凹部251cの短径よりも大きい(図6参照)。この条件によって、筐体215がボス部251に対して回転不能となる。そのため、筐体215をボス部251に対して回転不能とする構造は、上記条件を満たせば、キー構造又はスプライン構造以外の構造でもよい。例えば、軸線方向に直交する断面視において、ボス部の凹部及び嵌合部が長円形状のような非真円形状であってもよい。
ボス部251に固定された筐体215の空間S内で吊上軸216は、相対回転可能に挿通されている。吊上軸216の第1軸部216aの上面には、上方に突出する突起部216dが設けられている。突起部216dは、平面視で、多角形状(例えば、六角形状)の形状を有している。また、第2軸部216bは、筐体215の嵌合部215b及び円環部215cにより覆われている。
ここで、本実施形態の筐体215の本体部215aが第2実施形態の本体部141に相当する本体部241を構成している。また、嵌合部215b、第2軸部216bのうち嵌合部215bに覆われている部分及び第3軸部(ネジ部)216cが第2実施形態の固定部142に相当する固定部242を構成している。
更に、筐体215と翼部材205との間に挟持されるシール部材206の径方向内側には、円環状のスペーサ80が配置される。スペーサ80は、径方向において、嵌合部215bとフッ素系樹脂部材61との間に設けられている。本実施形態では、スペーサ80は、フッ素系樹脂部材61よりも圧縮応力に対する圧縮変形率が小さい材料からなり、例えば金属からなる。そして、スペーサ80には、嵌合部215bのキー部215eが係合するキー溝部80aが形成されている。キー溝部80aは、スペーサ80の内側面の一部を径方向外側に窪ませてなり、かつ、軸線方向に延びる。
金属製のスペーサ80に本体部241に被膜されるグラス層GLが接触して、当該グラス層GLが破損するのを防ぐために、本実施形態では、本体部241の外面において、スペーサ80と接触する面を除く部分が、グラスライニング処理されている。これ以外の構成は、第2実施形態と同様である。以下では、図5及び7を参照して本実施形態における翼部材205を撹拌軸204に取り付けるための構成及び手順について説明する。
図7は、本実施形態の撹拌翼203を備えた撹拌装置100のうち撹拌槽2の軸挿通口22bと電動機9との間の拡大図である。図5及び7に示すように、撹拌軸204の上端部は、取付部材17を介して、電動機9に固定されている。取付部材17は、上側取付部材18と、下側取付部材19とを有している。上側取付部材18と下側取付部材19とは締結部材20(例えば、ボルト及びナット)によって締結されている。上側取付部材18は、円筒状の筒部18aと、当該筒部18aよりも外形寸法が大きい円板部18bとを有している。筒部18aには、電動機9の出力軸9aが挿入されている。本実施形態では、出力軸9aをキー構造によって筒部18aと係合させることで、当該筒部18aに対して回転不能となっている。また、円板部18bには、締結部材20のボルトが貫通する貫通孔(図示せず)が形成されている。
下側取付部材19は、筒部19aと、当該筒部19aよりも外径寸法の大きい円板部19bとを有している。筒部19aには、撹拌軸204の上端部が挿入されている。撹拌軸204(の筐体215)の上端部には雄ネジが形成され、筒部19aの下端部には撹拌軸204の雄ネジと締結する雌ネジを含むネジ孔が形成されていることで、筒部19aと撹拌軸204の上端部とはネジ締結されている。これにより、筒部19aは、筐体215に対して回転方向及び上下方向に固定されている。なお、筒部19aと撹拌軸204の上端部とをネジ締結した後、更に筒部19aと撹拌軸204の上端部との固定部分に左右方向から止めネジを挿入してもよい。これにより、仮に、筒部19aと撹拌軸204の上端部とのネジ締結を緩める方向に電動機9が回転したとしても、筒部19aが筐体215に対して回転するのを防ぐことができる。
そして、円板部19bには、円板部18bと同様に締結部材20のボルトが貫通する貫通孔(図示せず)が形成されている。円板部18b及び円板部19bを締結部材20で締結することで上側取付部材18に下側取付部材19が固定されている。
また、筒部19aの外面には、側面視で、略矩形状の開口19cが形成されている。撹拌軸204の上端部が筒部19aに挿入されたとき、上下方向において、吊上軸216の突起部216dのやや上方に開口19cが位置している。ここで、開口19cの上下方向寸法は、突起部216dに嵌合する工具50(本実施形態では、ラチェットレンチ)が挿入可能な大きさに設定されている。突起部216dに嵌合させたラチェットレンチ50を鉛直軸線J2周りに回動させることで、吊上軸216のネジ部216cに翼部材205のボス部251が締結される。開口19cの周方向寸法は、ボス部251をネジ部216cに締結するために必要なラチェットレンチ50の回動範囲に対応して設定されている。
翼部材205を撹拌軸204に取り付ける場合、まず、取付部材17を介して、撹拌軸204の上端部を電動機9に固定する。そして、スペーサ80のキー溝部80aに筐体215のキー部215eを係合させると共に、本体部241の下端面241aに第1Oリング62が接触するように、フッ素系樹脂部材61を撹拌軸204に取り付ける。次に、翼部材205のうちボス部251のキー溝部251gに筐体215のキー部215eを係合させることで、翼部材205を筐体215に取り付ける。これにより、筐体215は翼部材205に対して回転不能となる。
その後、開口19cを介してラチェットレンチ50を当該下側取付部材19の内部に挿入させる。ラチェットレンチ50には、突起部216dの形状に対応するソケット50aが取り付けられている。ソケット50aを突起部216dに嵌合させ、ラチェットレンチ50を鉛直軸線J2周りに回動させることで、吊上軸216のネジ部216cの雄ネジ71にボス部251の雌ネジ72が螺合していき、翼部材205が上方へと引き上げられるように、吊上軸216の第3軸部(ネジ部)216cにボス部251が固定される。このとき、ボス部251と筐体215とがキー構造によって予め係合しているため、翼部材205が吊上軸216と共回りしないように、翼部材205の羽根板部52を支持する必要はない。
次に、翼部材205を撹拌軸204から取り外すための構成及び手順について説明する。図7に示すように、撹拌軸204は、軸挿通口22bの上方に設けられたシールケース30の内部において、封止部材31(例えば、メカニカルシール)によって封止されている。
シールケース30と撹拌槽2の軸挿通口22bとの間には、スペーサ部材25が設けられている。スペーサ部材25は略円環状の部材であり、撹拌軸204が貫通する貫通孔が形成されている。スペーサ部材25は,締結部材26(例えば、ボルト及びナット)によってシールケース30と固定されている。また、スペーサ部材25は、締結部材27(例えば、ボルト及びナット)によって、シールケース30及び軸挿通口22bと固定されている。更に、スペーサ部材25は、シールケース30内部の封止部材31を下方から支持する支持部材35と固定されている。支持部材35は、例えば、樹脂製で略円環状の部材である。
ここで、撹拌軸204の外周面のうちスペーサ部材25を貫通する部分には、内容液が付着している可能性がある。この内容液によって、スペーサ部材25が腐食するのを防ぐために、スペーサ部材25の内周面、上面及び下面には、部分的にグラスライニング処理が施されている。具体的には、スペーサ部材25の内周面全体と、上面のうち支持部材35と対向する部分と、下面のうち軸挿通口22bと対向する部分とにおいて、グラスライニング処理が施されている。
そして、スペーサ部材25の上面のグラスライニング面と支持部材35の下面との間、スペーサ部材25の下面のグラスライニング面と軸挿通口22bの上面との間にはそれぞれ、隙間を塞ぐガスケット36,37が介在している。なお、スペーサ部材25の上面及び下面にはグラスライニング処理に限らず、耐腐食性を有する材料を被膜する処理が施されてもよい。
また、電動機9を下方から支持する架台11の下端部11aは、撹拌槽2の上壁22に設けられた円筒部22cにボルト45及びナット46a〜46dによって固定されている。ボルト45は、頭部を有しない、いわゆる寸切りボルトである。円筒部22cは、ボルト45の雄ネジと締結する雌ネジが形成されたネジ孔22dを有している。そして、ボルト45が締結される円筒部22cの上面には、第1ナット46aが当接している。
第2ナット46bは、ボルト45が挿通する架台11の下端部11aの上面に当接しており、第3ナット46cは、当該下端部11aの下面に当接している。更に、第3ナット46cのうち下端部11aとの当接面とは反対側の面には、第4ナット46dが当接している。また、架台11の下端部11aは、締結部材47(例えば、ボルト及びナット)によって、スペーサ部材25と固定されている。
翼部材205を撹拌軸204から取り外す場合、当該翼部材205が撹拌槽2の底壁と接触するのを防ぐために、本実施形態では、撹拌軸204を上方に引き上げた後、翼部材205を取り外す。具体的には、撹拌軸204の上端部が固定された電動機9を支持する架台11を上方に移動させることで、撹拌軸204を上方に引き上げる。ここで、ボルト45に対する第2ナット46b及び第3ナット46cの締結位置を上方に移動させることにより、架台11を上壁22に対して上方に移動させることができる。即ち、ボルト45とナット46b,46cとの締結位置を変更することで、撹拌軸204は撹拌槽2に対して上下方向に相対変位可能となる。
また、撹拌軸204を上方に引き上げるとき、撹拌軸204に対する封止部材31の封止位置を維持するために、封止部材31を収容するシールケース30及び封止部材31を支持する支持部材35も撹拌軸204と共に上方に引き上げる。シールケース30は、ボルト27a及びナット27bで軸挿通口22bに固定されているため、架台11を上方に移動させるときには、ナット27bを緩める。
ナット27bを緩めた後、ボルト45に締結している第2ナット46bを緩めることで、架台11の下端部11aを上方に移動させる。そして、架台11の下端部11aを所望の位置に設定した後、第3ナット46cを下端部11aの下面に当接させると共に、第2ナット46bを下端部11aの上面に当接させることで、ボルト45とナット46b,46cとの締結位置を決定する。
架台11を上方に移動させるとき、当該架台11に締結部材47で固定されているスペーサ部材25も上方に移動する。スペーサ部材25は、シールケース30と締結部材26で固定されているため、スペーサ部材25の移動に対応してシールケース30も上方に移動する。また、スペーサ部材25は、上述の通り、封止部材31を下方から支持する支持部材35にも固定されているため、スペーサ部材25の移動に対応して、支持部材35も上方に移動する。これにより、撹拌軸204に対する封止部材31の封止位置を維持しつつ、撹拌軸204を上方に引き上げることができる。よって、翼部材205の取り外し作業において、撹拌軸204を上方に移動させても、当該撹拌軸204への封止作業を再度行う必要が無く、作業性を向上することができる。
撹拌軸204を上方に引き上げた後、突起部216dに嵌合させたラチェットレンチ50を取り付け時とは反対方向に回動させ、ネジ部216cの雄ネジ71とボス部251の雌ネジ72との締結状態を緩めることで、翼部材205から吊上軸216が取り外される(図5参照)。このとき、ボス部251と筐体215とがキー構造によって予め係合しているため、翼部材205が吊上軸216と共回りしないように、翼部材205の羽根板部52を支持する必要はない。その後、筐体215からボス部251を取り外すことで、翼部材205が撹拌軸204から取り外される。
以上に説明した構成によれば、第1及び第2実施形態と同様に、ボス部251の雌ネジ72が第3軸部(ネジ部)216cの雄ネジ71に締結されるため、翼部材205が撹拌軸204に対してネジ固定により着脱可能となり、作業性が向上する。
また、吊上軸216の第3軸部(ネジ部)216cを翼部材205のボス部251にネジ固定する際に、筐体215の嵌合部215bがボス部251に嵌合して回転不能となるため、翼部材205が吊上軸216と共回りするのを防ぐために羽根板部52を支持する必要が無く、作業性を向上させることができる。また、撹拌翼203を電動機9に固定して、撹拌処理のために回転させたときに発生するトルク荷重が、ボス部251と筐体215との嵌合部分においても負担されるため、雄ネジ71と雌ネジ72とのネジ締結部分に過度なトルク荷重が作用するのを防ぐことができ、良好な締結状態が実現される。
また、撹拌翼203を回転させたときに発生するトルク荷重がボス部251と筐体215との嵌合部分においても負担されることで、雌ネジ72と雄ネジ71とのネジ締結部分における強度要求を緩和することができる。これにより、本実施形態における吊上軸216の第3軸部(ネジ部)216cの外径は、第2実施形態における吊上軸16の第3軸部(ネジ部)16cの外径よりも小さくすることができる。
本実施形態では、筐体215が翼部材205のボス部251とキー構造によって係合されるため、撹拌翼203が回転したときに発生するトルク荷重を、簡易な構成によって、ボス部251と筐体215との嵌合部分においても負担することができる。
また、フッ素系樹脂部材61よりも圧縮応力に対する圧縮変形率が小さい金属製のスペーサ80が嵌合部215bとフッ素系樹脂部材61との間に設けられていることで、塑性変形したフッ素系樹脂部材61が嵌合部215bに密着して、当該フッ素系樹脂部材61が抜けにくくなるのを防止できる。したがって、フッ素系樹脂部材61の溝部61a,61bに嵌合されるOリング62,63を交換する等、撹拌翼203のメンテナンス時における作業性を向上することができる。なお、スペーサ80は金属製の部材に限らず、フッ素系樹脂部材61よりも圧縮変形率が小さければ、樹脂製の部材であってもよい。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でその構成を変更、追加又は削除することができる。撹拌軸4,14,204の形状及び構成は、前述の実施形態に記載された形状及び構成に限られない。例えば、本体部41,141,241は、上下方向において、下端面41a,141a,241a寄りの一部分が下方に延びるにつれて外径が広がっていく形状であったが、本体部41,141,241は、その上端から下端にかけて外径が同一の形状であってもよい。また、前述の実施形態では、第2固定部42bは略円柱形状であったが、直方体形状であってもよい。また、前述の実施形態では、凸部42c,142cは環状であったが、これに限られず、例えば、第2固定部42b(突出部15b)の下部の一部から、第1固定部42a(第3軸部16c)よりも径方向外方に部分的に突出していてもよい。
3,13,203 撹拌翼
4,14,204 撹拌軸
5,205 翼部材
6,206 シール部材
15,215 筐体
16,216 吊上軸
16c,216c ネジ部
41,141,241 本体部
41a,141a,241a 下端面
42,142,242 固定部
42c 凸部
42ca 下端面
51,251 ボス部
51a 上端面
51b ネジ孔
51c 凹部
51ca 当接面
61 フッ素系樹脂部材
61a 上側溝部
61b 下側溝部
62 第1Oリング
63 第2Oリング
71 雄ネジ
72 雌ネジ
215b 嵌合部
S 空間

Claims (5)

  1. 外面にグラスライニング処理が施された本体部と、前記本体部の下端面から突出した固定部とを有し、撹拌槽の内部で上下方向に延びる撹拌軸と、
    前記本体部の前記下端面と上下方向に間隔をあけて対向する上端面にグラスライニング処理が施され、前記固定部に着脱可能なボス部を有する翼部材と、
    前記本体部の前記下端面と前記ボス部の前記上端面との間に配置され、耐食性を有する樹脂製のシール部材と、を備え、
    前記固定部は、グラスライニング処理が施されていない外面に雄ネジが形成され、
    前記ボス部は、前記上端面から下方に開口し、グラスライニング処理が施されていない内周面に雌ネジが形成されたネジ孔を有し、
    前記雌ネジが前記雄ネジに締結されることで、前記シール部材が前記本体部の前記下端面と前記ボス部の前記上端面との間で挟持される、撹拌翼。
  2. 前記シール部材は、前記本体部の前記下端面と対向する面に形成された環状の上側溝部と前記ボス部の前記上端面と対向する面に形成された環状の下側溝部とを含むフッ素系樹脂部材と、前記上側溝部に嵌合される第1Oリングと、前記下側溝部に嵌合される第2Oリングとを有し、
    前記雌ネジが前記雄ネジに締結されることで、前記第1Oリングが前記本体部の前記下端面に圧接し、かつ、前記第2Oリングが前記ボス部の前記上端面に圧接する、請求項1に記載の撹拌翼。
  3. 前記固定部は、前記雄ネジよりも上側から径方向外側に突出し、その先端が前記本体部の下端面の外周縁より径方向内側に位置する凸部を更に含み、
    前記ボス部は、前記雌ネジよりも上側から径方向外側に窪み、前記凸部の下端面と上下方向に対向する当接面が形成された凹部を有し、
    前記本体部の前記下端面と前記ボス部の前記上端面との間の隙間は、前記凹部の前記当接面が前記凸部の下端面に当接した状態で、前記シール部材の圧縮変形が弾性領域内に維持される寸法に設定されている、請求項1又は2に記載の撹拌翼。
  4. 前記撹拌軸は、前記雄ネジが形成されたネジ部を含む吊上軸と、前記吊上軸が相対回転可能に挿通される空間が形成された前記本体部を含む筐体とを有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撹拌翼。
  5. 前記筐体は、前記翼部材に対して回転不能に前記ボス部に嵌合する嵌合部を更に含む、請求項4に記載の撹拌翼。
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