JP2016183882A - Ofケーブルの評価方法およびofケーブルの評価装置 - Google Patents

Ofケーブルの評価方法およびofケーブルの評価装置 Download PDF

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貴彦 堤
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Abstract

【課題】OFケーブルの絶縁層中に存在するギャップの位置および幅が多数層にわたってどのような状態になっているかを、正確かつ迅速に評価することを実現可能にする。
【解決手段】OFケーブルの被測定面に対してレーザ光を照射する光源、および、被測定面で反射されたレーザ光を取得する受光器を、測定開始位置に配置する初期配置ステップ(S101)と、光源および受光器の位置をOFケーブルの軸方向に沿って移動させて被測定面の変位量を検出する走査ステップ(S102)と、被測定面の変位量の検出結果に基づいて被測定面の高さ情報を算出し、絶縁紙間の隙間の位置および幅を取得する演算ステップ(S103)と、被測定面を構成する絶縁紙を除去して新たな被測定面を露出させる測定準備ステップ(S104)と、を含むサイクルを1サイクルとし、このサイクルを所定回数行うことで(S105)、絶縁層中に存在する隙間の位置および幅を厚さ方向に重ねて表示した地図情報を作成する(S106)。
【選択図】図2

Description

本発明は、OFケーブルの評価方法およびOFケーブルの評価装置に関する。
OFケーブル(Oil Filled Cable)は、例えば高圧電力の地中送電線等に用いられるもので、導体上に巻回された絶縁紙に絶縁油が含浸されてなる絶縁層を備えて構成される。絶縁層における絶縁紙は、いわゆるギャップ巻きで、多数層(例えば数十層〜数百層程度)が重なるように巻回される。ギャップ巻きとは、帯状(テープ状)の絶縁紙が所定の間隔で配列され、隣接する絶縁紙同士の間に隙間(ギャップ)が存在するように巻き付けられることをいう。絶縁紙がギャップ巻きで巻回されるのは、OFケーブルが所要の可撓性を持つようにするためである(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2000−115978号公報 特開2013−218798号公報
多数層の絶縁紙がギャップ巻きで巻回されたOFケーブルにおいては、隣接する絶縁紙同士の間の隙間(ギャップ)の位置が上下層で重なってしまうと、絶縁層における絶縁性に悪影響が及んでしまうことが考えられる。そのため、絶縁層中に存在するギャップの位置および幅がどのような状態であるかを多数層にわたって評価することは、例えばOFケーブルの不具合発生要因の調査や出荷前OFケーブルの製品検査等を行う上では非常に有用である。
本発明は、絶縁層中に存在するギャップの位置および幅が多数層にわたってどのような状態になっているかを、正確かつ迅速に評価することを実現可能にするOFケーブルの評価方法およびOFケーブルの評価装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、
導体上に巻回された絶縁紙に絶縁油が含浸されてなる絶縁層を備えるOFケーブルの評価方法であって、
前記絶縁紙が所定の間隔で配列されてなる被測定面に対してレーザ光を照射する光源、および、前記被測定面で反射されたレーザ光を取得する受光器を、所定の測定開始位置にそれぞれ配置する初期配置ステップと、
前記被測定面に向けてレーザ光を照射させた状態を維持しながら当該被測定面に対する前記光源および前記受光器の位置を前記OFケーブルの軸方向に沿って移動させ、その際、前記受光器で取得したレーザ光に基づいて前記被測定面の変位量を検出する走査ステップと、
前記被測定面の変位量の検出結果に基づいて前記被測定面の高さ情報を算出し、算出した前記高さ情報に基づいて、隣接する前記絶縁紙間に設けられた隙間の位置および幅を取得する演算ステップと、
前記被測定面を構成する前記絶縁紙を除去して新たな被測定面を露出させる測定準備ステップと、
を含むサイクルを1サイクルとし、このサイクルを所定回数行うことで、前記絶縁層中に存在する前記隙間の位置および幅を厚さ方向に重ねて表示した地図情報を作成するOFケーブルの評価方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、
導体上に巻回された絶縁紙に絶縁油が含浸されてなる絶縁層を備えるOFケーブルの評価装置であって、
前記絶縁紙が所定の間隔で配列されてなる被測定面に対してレーザ光を照射する光源、および、前記被測定面で反射されたレーザ光を取得する受光器を有する検出器と、
前記被測定面に対する前記光源および前記受光器の位置を前記OFケーブルの軸方向に沿って移動させる直動機構と、
前記光源、前記受光器および前記直動機構を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記光源および前記受光器を所定の評価開始位置にそれぞれ配置する初期配置処理と、
前記被測定面にレーザ光を照射させながら前記光源と前記受光器とを前記OFケーブルの軸方向に沿って移動させ、前記受光器で取得したレーザ光に基づいて前記被測定面の変位量を検出する走査処理と、
前記被測定面の変位量の検出結果に基づいて前記被測定面の高さ情報を算出し、前記高さ情報に基づいて、隣接する前記絶縁紙間に設けられた隙間の位置および幅を取得する演算処理と、
前記被測定面を構成する前記絶縁紙を除去して新たな被測定面を露出させる測定準備処理と、
を含むサイクルを1サイクルとし、このサイクルを所定回数行うことで、前記絶縁層中に存在する前記隙間の位置および幅を厚さ方向に重ねて表示した地図情報を作成するよう構成されているOFケーブルの評価装置が提供される。
本発明によれば、評価対象となるOFケーブルについて、絶縁層中に存在するギャップの位置および幅が多数層にわたってどのような状態になっているかを、正確かつ迅速に評価することが実現可能となる。
本発明の一実施形態におけるOFケーブルの評価装置の概略構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態におけるOFケーブルの評価方法の手順の概要を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるOFケーブルの評価装置の検出器の配置態様の一具体例を示す説明図であり、(a)は当該一具体例を示す図、(b)はその比較例を示す図である。 本発明の一実施形態におけるOFケーブルの評価方法の演算ステップで行うケーブルの曲がり補正処理の具体例を示す説明図である。 本発明の一実施形態におけるOFケーブルの評価方法の演算ステップで行うデータのノイズ除去処理の具体例を示す説明図であり、(a)〜(d)はノイズ除去処理を行う過程におけるデータの一具体例を示す図である。 本発明の一実施形態におけるOFケーブルの評価方法の演算ステップで行うギャップの数値化処理の具体例を示す説明図であり、(a)はノイズ除去処理で取りきれない凹みの一具体例を示す図、(b)は数値化に際してのギャップと凹みとの関係の一具体例を示す図、(c)はギャップの数値化処理で用いる基準位置の一具体例を示す図である。 本発明の一実施形態におけるOFケーブルの評価方法の地図情報作成ステップで得られる地図情報の具体例を示す説明図である。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態におけるOFケーブルの評価方法およびOFケーブルの評価装置を、図面を参照しながら説明する。
(1)評価装置の構成
先ず、本発明の一実施形態におけるOFケーブルの評価装置の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるOFケーブルの評価装置の概略構成例を示すブロック図である。
図例のように、本実施形態で説明するOFケーブルの評価装置10は、少なくとも、支持台11と、検出器12と、直動機構13と、制御部14と、を備えて構成されている。
支持台11は、評価対象となるOFケーブル20を支持するためのものである。
OFケーブル20は導体上にギャップ巻きで巻回された絶縁紙に絶縁油が含浸されてなる絶縁層を備えて構成されたものであるが、支持台11では、このようなOFケーブル20について、所定の長さ(例えば、200mm〜400mm程度)に切断された状態で、かつ、ギャップ巻きによって絶縁紙が所定の間隔で配列されてなる面(以下、この面を「被測定面」という。)が露出した状態で、支持するようになっている。なお、OFケーブル20の支持構造については、公知技術を利用して構成すればよく、ここではその詳細な説明を省略する。
このような支持台11に支持されて評価対象とされるOFケーブル20としては、例えば、使用により不具合が発生したOFケーブルの一部分(不具合発生箇所を含む部分等)や、出荷前の未使用OFケーブルの一部分(製品検査のために切り出された部分等)が挙げられる。
検出器12は、いわゆるレーザ式変位センサと呼ばれるもので、光源12aおよび受光器12bを有しており、これらを用いて対象物(被測定面)との間の変位量を検出するものである。光源12aは、支持台11に支持されたOFケーブル20の被測定面に対して所定の角度(例えば、被測定面の法線方向に相当する角度)でレーザ光を照射する。一方、受光器12bは、被測定面で拡散反射されたレーザ光の一部を受光する。そして、検出器12は、受光器12bでのレーザ光の受光結果を基に、例えば三角測距方式に代表される公知の手法を用いて、検出器12から被測定面までの距離の変位量を検出するようになっている。
直動機構13は、支持台11に支持されたOFケーブル20の被測定面に対する検出器12の光源12aおよび受光器12bの位置を、支持台11上のOFケーブル20の軸方向(長手方向)に沿って移動させるものである(図中矢印参照)。このような直動機構13としては、ボールネジ、リニアガイド、サーボモータ等を装備するロボシリンダを用いることが考えられるが、OFケーブル20の被測定面と検出器12の光源12aおよび受光器12bとの相対位置を移動させ得るものであれば、他の公知技術を利用して構成したものであってもよい。
制御部14は、検出器12の光源12aおよび受光器12b、並びに、直動機構13について、それぞれにおける動作を制御するものである。そのために、制御部14は、検出器12と電気的に接続するコントローラ14aと、そのコントローラ14aおよび直動機構13のそれぞれと電気的に接続する解析用コンピュータ14bと、を備えて構成されている。
コントローラ14aは、検出器12に対して各種測定設定を指示する機能や、検出器12での検出結果についてのロガー機能等を有しており、これらの機能を用いて検出器12を制御するようになっている。
また、解析用コンピュータ14bは、コントローラ14aおよび直動機構13のそれぞれに対して検出器12と直動機構13を同期させた状態で動作させるように指示を与えたり、コントローラ14aから得られた検出器12での検出結果に対して詳細を後述する各種処理(演算処理等)を行ったりするようになっている。
なお、制御部14による各種の動作制御機能は、予め設定された所定プログラムをコントローラ14aまたは解析用コンピュータ14b(以下、単に「解析用コンピュータ等」という。)が実行することによって実現される。その場合に、所定プログラムは、解析用コンピュータ等にインストールして用いられるが、そのインストールに先立ち、解析用コンピュータ等で読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供されるものであってもよいし、あるいは解析用コンピュータ等と接続する通信回線を通じて解析用コンピュータ等へ提供されるものであってもよい。
(2)評価方法の手順
次に、上述した構成のOFケーブルの評価装置10を用いて行うOFケーブル20に対する評価処理の動作手順、すなわち本発明の一実施形態におけるOFケーブルの評価方法の手順について説明する。本実施形態で説明する評価方法は、評価対象となるOFケーブル20について、そのOFケーブル20における絶縁層中に存在するギャップの位置および幅が多数層にわたってどのような状態になっているかを評価するためのものである。
OFケーブル20の評価にあたっては、先ず、評価装置10の利用者が、評価対象となるOFケーブル20を支持台11にセットする。このとき、OFケーブル20は、絶縁層中の最外層となる絶縁紙について、被測定面が露出した状態にしておく。
その後、制御部14は、評価装置10を構成する各部の動作を制御しつつ、以下に述べるような処理動作を順に行う。
図2は、本発明の一実施形態におけるOFケーブルの評価方法の手順の概要を示すフローチャートである。
図例のように、制御部14は、先ず、初期配置ステップを行う(S101)。初期配置ステップ(S101)では、検出器12の光源12aおよび受光器12bを所定の評価開始位置にそれぞれ配置する処理を行う。具体的には、解析用コンピュータ14bは、検出器12を評価開始位置(ホームポジション)に移動させるように、直動機構13に対して動作指示を与える。
検出器12を評価開始位置に配置したら、制御部14は、続いて、走査ステップを行う(S102)。走査ステップ(S102)では、検出器12の光源12aからOFケーブル20の被測定面に向けてレーザ光を照射させた状態を維持しながら、当該被測定面に対する検出器12の光源12aおよび受光器12bの位置をOFケーブル20の軸方向に沿って移動させ、その際、受光器12bで取得したレーザ光に基づいて被測定面の変位量を検出する処理を行う。具体的には、コントローラ14aは、検出器12に対して、各種測定条件の設定(サンプリング周期や蓄積周期等)を指示しつつ、OFケーブル20の被測定面の変位量の検出を行わせる。さらに、解析用コンピュータ14bは、検出器12を評価開始位置からOFケーブル20の軸方向に沿って所定の評価終了位置まで移動させるように、直動機構13に対して動作指示を与える。
評価開始位置から評価終了位置までの検出器12による検出結果が得られたら、次いで、制御部14は、演算ステップを行う(S103)。演算ステップ(S103)では、検出器12による被測定面の変位量の検出結果に基づいて、OFケーブル20の被測定面の高さ情報を算出する処理を行う。ここで算出する高さ情報は、被測定面において、絶縁紙と絶縁紙間の隙間(ギャップ)とによって形成される凹凸の形状を特定するものである。さらに、演算ステップ(S103)では、算出した高さ情報に基づいて、被測定面において隣接する絶縁紙間に設けられた隙間(ギャップ)の位置および幅を取得する処理を行う。なお、演算ステップ(S103)で行う処理については、具体例を挙げつつ詳細を後述する。
その後、制御部14は、測定準備ステップを行う(S104)。測定準備ステップ(S104)では、支持台11にセットされているOFケーブル20について、その被測定面を構成する絶縁紙を除去して新たな被測定面を露出させるための処理を行う。具体的には、解析用コンピュータ14bは、被測定面を構成する絶縁紙を除去して新たな被測定面を露出させる旨の情報出力(例えば、画像出力や音声出力等)を、評価装置10の利用者に対して行う。
そして、制御部14は、上述した一連の各ステップ(S101〜S104)が所定回数繰り返されたか否かを判断する判断ステップを行う(S105)。つまり、制御部14は、上述した一連の各ステップ(S101〜S104)を含むサイクルを1サイクルとし、このサイクルを所定回数行ったか否かを判断するのである。判断基準となる所定回数は、支持台11にセットされたOFケーブル20に応じて、予め設定されているものとする。具体的には、OFケーブル20の絶縁層を構成する絶縁紙の最外周から最内層までの層数に相当する回数が所定回数として設定されることになる。なお、判断基準となる所定回数については、例えば絶縁紙の層数が未知であるときには、事前に設定されていなくてもよい。その場合には、例えば、評価装置10の利用者による所定操作(例えば「測定完了」ボタンのクリック操作)等があると、または測定準備ステップ(S104)の後に所定時間だけ待っても評価装置10の利用者による所定操作等がなければ、上述のサイクルを所定回数分(すなわち、それまでに測定して蓄積された回数分)行ったと制御部14が判断することが考えられる。
この判断の結果、所定回数行っていなければ、制御部14は、支持台11上のOFケーブル20における新たな被測定面に対して、初期配置ステップ(S101)から測定準備ステップ(S104)までの一連の各ステップを再度実行する。これにより、制御部14は、所定回数分、すなわちOFケーブル20の絶縁層を構成する絶縁紙の最外周から最内層までの層数分だけ、各被測定面におけるギャップの位置および幅に関する情報を取得することになる。
上述した一連の各ステップ(S101〜S104)を所定回数行った後は、制御部14は、次いで、地図情報作成ステップを行う(S106)。地図情報作成ステップ(S106)では、各被測定面におけるギャップの位置および幅に関する情報に基づいて、OFケーブル20の絶縁層中に存在するギャップの位置および幅を厚さ方向に重ねて表示した地図情報を作成する処理を行う。なお、地図情報作成ステップ(S106)で作成する地図情報の具体例については、詳細を後述する。
(3)検出器の配置態様
ここで、上述した初期配置ステップ(S101)および走査ステップ(S102)で用いる検出器12に関して、OFケーブル20の被測定面に対する光源12aおよび受光器12bの配置の態様を、具体例を挙げつつ詳しく説明する。
図3は、本発明の一実施形態におけるOFケーブルの評価装置の検出器の配置態様の一具体例を示す説明図である。
上述したように、検出器12は、初期配置ステップ(S101)にて評価開始位置に配置された後、走査ステップ(S102)でOFケーブル20の軸方向に沿って移動することになる。
そのため、例えば図3(b)に示すように、検出器12の光源12aおよび受光器12bがOFケーブル20の軸方向に沿って並ぶように配置されていると、当該軸方向に沿って検出器12が移動する過程で、照射するレーザ光およびその反射光が図中の実線で示す位置にあれば問題ないが、図中の破線で示す位置にあるとレーザ光が被測定面を構成する絶縁紙21と干渉してしまい、正確な変位量の検出が行えないおそれがある。
このことから、検出器12については、図3(a)に示すように、光源12aおよび受光器12bを、被測定面を構成する絶縁紙21の巻回方向に沿ってそれぞれ配置する。詳しくは、OFケーブル20の被測定面をその面の法線方向から見たときに、光源12aと受光器12bとを結ぶ線(すなわち、レーザ光の光軸方向)が、当該被測定面を構成する絶縁紙21の巻回方向(すなわち、絶縁紙21の端辺が延びる方向)と略平行になるように、光源12aおよび受光器12bを支持台11上のOFケーブル20に対して配置するのである。
このような配置態様とすれば、初期配置ステップ(S101)では評価開始位置において光源12aおよび受光器12bが絶縁紙21の巻回方向に沿ってそれぞれ配置されることになり、その状態のまま走査ステップ(S102)で光源12aおよび受光器12bがOFケーブル20の軸方向に沿って移動することになる。したがって、光源12aおよび受光器12bが移動する過程で、光源12aおよび受光器12bがどの位置にあっても、レーザ光が絶縁紙21と干渉することなく変位量の検出を行うことが可能となる。
(4)演算ステップの詳細
次に、上述した各ステップ(S101〜S106)のうちの演算ステップ(S103)で行う処理について、具体例を挙げつつ詳しく説明する。
演算ステップ(S103)で行う処理としては、ケーブルの曲がり補正処理と、データのノイズ除去処理と、ギャップの数値化処理と、がある。
(ケーブルの曲がり補正処理)
演算ステップ(S103)では、検出器12による被測定面の変位量の検出結果に基づいて、OFケーブル20の被測定面の高さ情報を算出する。このとき、支持台11にセットされたOFケーブル20に曲がりがあると、検出器12による検出結果にも、OFケーブル20に曲がりの値(湾曲量)が反映されてしまう。つまり、OFケーブル20の湾曲量が、そのOFケーブル20の被測定面の高さ情報の算出結果に悪影響が及ぼしてしまうおそれがある。そのため、演算ステップ(S103)では、OFケーブル20の湾曲量による影響を排除すべく、ケーブルの曲がり補正処理を行う。
図4は、本発明の一実施形態におけるOFケーブルの評価方法の演算ステップで行うケーブルの曲がり補正処理の具体例を示す説明図である。
図例は、検出器12での検出結果に相当するデータおよびこれに対応する補正処理後のデータを示しており、縦軸が紙厚変化量(mm)、横軸がケーブル長(mm)である。
演算ステップ(S103)に先立ち、走査ステップ(S102)では、検出器12がコントローラ14aから指示された測定条件に従いつつ、OFケーブル20の被測定面の変位量を検出する。このときの測定条件は、例えば、レーザ測定精度=0.001mm、サンプリング周期=100μs、蓄積周期=2ms、測定移動スピード=50mm/secである。ただし、ここで挙げた測定条件は、単なる一具体例に過ぎず、これに限定されるものではない。
このような測定条件で検出器12がOFケーブル20の被測定面の変位量を検出した結果、コントローラ14aにて、例えば、図4中の記号「A」で示す検出結果(以下「生データ」という。)が得られる場合を例に挙げて考える。
コントローラ14aは、検出器12からの生データに対して、m回(例えば64回)分の移動平均値(以下「第一移動平均値」という。)を求める。具体的には、蓄積周期となった時点でそれ以前のサンプリング周期m回分のデータの平均値を求める、そして、これを蓄積周期になる毎に繰り返し行う。このようにして求めた蓄積周期毎の部分的なデータ平均値である第一移動平均値は、例えば、図4中の記号「B」で示すようなものとなる。この第一移動平均値は、生データ(図4中の記号「A」参照)に比べると、m回分のデータの平均化によって、突出したデータ成分が丸められたものとなる。つまり、m回分のデータを平均化して求めた第一移動平均値は、生データ中に存在する細かいノイズ成分が除去されたものとなる。
また、コントローラ14aは、検出器12からの生データに対して、m回より大きなn回(例えば1024回)分の移動平均値(以下「第二移動平均値」という。)を求める。具体的には、蓄積周期となった時点でそれ以前のサンプリング周期n回分のデータの平均値を求める、そして、これを蓄積周期になる毎に繰り返し行う。このようにして求めた蓄積周期毎の部分的なデータ平均値である第二移動平均値は、例えば、図4中の記号「C」で示すようなものとなる。この第二移動平均値は、第一移動平均値(図4中の記号「B」参照)に比べると、m回より大きなn回のデータの平均化によって、第一移動平均値よりも更に突出したデータ成分が丸められたものとなる。つまり、n回分のデータを平均化して求めた第二移動平均値は、ギャップ等のデータ成分も丸められて、生データの曲がり(湾曲)のアウトラインに相当するものとなる。
このように、コントローラ14aは、検出器12からの生データに対して、二種類の平均化を行う。二種類の平均化によって得られた各データ(図4中の記号「B」および「C」参照)は、いずれも、コントローラ14aから解析用コンピュータ14bへ出力される。
解析用コンピュータ14bは、コントローラ14aからの各データを得ると、これらの各データに基づいて、OFケーブル20の湾曲量を特定する。つまり、解析用コンピュータ14bは、第一移動平均値によるデータ(すなわち、OFケーブル20の被測定面の変位量の検出結果である生データからノイズ成分を除去したもの)から、第二移動平均値によるデータ(すなわち、生データの曲がりのアウトラインに相当するもの)を差し引くことで、OFケーブル20の被測定面の変位量の検出結果に対する校正を行う。このようにして得られる校正後データは、例えば、図4中の記号「D」で示すように、OFケーブル20の曲がりが極力補正されたものとなる。
そして、解析用コンピュータ14bは、最後に、デジタルフィルタ(FIRフィルタ)でハイパスをかけて、上述した処理で取りきれない曲がりの補正を行う。このときに用いるデジタルフィルタは、公知技術を利用したものであればよく、ここでは詳細な説明を省略する。
以上のようなケーブルの曲がり補正処理を行えば、支持台11上のOFケーブル20について、例えば長さ200mmで30mm程度の湾曲量がある場合であっても、その湾曲量を除去するようにデータ校正を行った上で、それ以降の演算ステップ(S103)での各処理を行うことが可能となる。
(データのノイズ除去処理)
ケーブルの曲がり補正処理の終了後、演算ステップ(S103)では、ケーブルの曲がり補正処理で校正されたデータに基づいて、OFケーブル20の被測定面の高さ情報を算出して、絶縁紙とギャップとによって形成される凹凸の形状を特定する。このとき、校正されたデータにノイズ成分が含まれていると、OFケーブル20の被測定面の高さ情報の算出結果に悪影響が及ぼしてしまうおそれがある。そのため、演算ステップ(S103)では、校正されたデータのノイズ成分を除去すべく、データのノイズ除去処理を行う。データのノイズ除去処理は、ケーブルの曲がり補正処理で校正されたデータ(図4中の記号「D」参照)を用いて行う。
図5は、本発明の一実施形態におけるOFケーブルの評価方法の演算ステップで行うデータのノイズ除去処理の具体例を示す説明図である。
図例は、ケーブルの曲がり補正処理で校正されたデータに対するノイズ除去処理を行う過程におけるデータを示しており、縦軸が紙厚変化量(mm)、横軸がケーブル長(mm)である。
データのノイズ除去処理にあたり、解析用コンピュータ14bは、先ず、ケーブルの曲がり補正処理で校正されたデータを絶対値化する。ここでいう「絶対値」とは、数直線上で「原点からある数(データ値)までの距離」のことをいう。このような絶対値化を行うと、ケーブルの曲がり補正処理で校正されたデータは、図5(a)に示すように、ギャップもノイズも全て同方向(正の値の方向)に突出するようなレンジ変換がされることになる。
その後、解析用コンピュータ14bは、絶対値化したデータの値に対して、冪指数変換を行う。さらに詳しくは、絶対値化したデータの値を冪指数として、そのデータのレンジを紙厚変位量方向に引き伸ばすようなレンジ変換を行う。冪指数変換(レンジ変換)は、具体的には、例えば「10^(30*データ値)」という式を用いて行うことが考えられるが、必ずしもこれに限定されるものではない。このような冪指数変換を行えば、例えば、0.01mmのデータ値は2mmに、0.1mmのデータ値は1000mmに引き伸ばされることになる。したがって、冪指数変換の後においては、図5(b)に示すように、ギャップとノイズとを明確に区別できるようになる。
冪指数変換を行った後、解析用コンピュータ14bは、ノイズ成分を除去するためにデータ足きりを行う。データ足きりは、足きり基準を予め設定しておき、その足きり基準以下のデータをノイズと見做して値を「0」とすることで行う。足きり基準としては、例えば「e^(紙厚/40)」を用いることが考えられるが、必ずしもこれに限定されるものではない。このようなデータ足きりを行えば、図5(c)に示すように、冪指数変換だけでは残っていた微小ノイズを完全に除去することができる。
その後、解析用コンピュータ14bは、データ足きりを行った後のデータの値に対して、対数をとって、そのデータのレンジを元の大きさ(冪指数変換前の状態)に戻すようなレンジ変換を行う。これにより、レンジ変換後のデータは、図5(d)に示すように、元々のレンジの大きさに対応しつつ、ノイズ成分が完全に除去されて、ギャップの位置および幅を特定可能なデータだけが残ったものとなる。
解析用コンピュータ14bは、以上のようなデータのノイズ除去処理を経て得られたデータ(図5(d)参照)を、OFケーブル20の被測定面の高さ情報の算出結果とする。
(ギャップの数値化処理)
データのノイズ除去処理の終了後、演算ステップ(S103)では、OFケーブル20の被測定面の高さ情報の算出結果に基づいて、OFケーブル20の被測定面におけるギャップの位置および幅の値を取得する。
ギャップの位置および幅の値は、例えば図5(d)に示す被測定面の高さ情報が得られた場合に、紙厚変位量(mm)が「0」であるときのケーブル長(mm)の値を認識することで、取得することが考えられる。しかしながら、このようにして取得すると、後述する理由により、必ずしも実際のギャップの位置および幅の値を正確に測定できるとは限らない。そのため、演算ステップ(S103)では、ギャップの数値化処理にあたり、被測定面の高さ情報における所定位置を基準にして、ギャップの位置および幅の値を取得する。以下、基準となる所定位置のことを「基準位置」という。
図6は、本発明の一実施形態におけるOFケーブルの評価方法の演算ステップで行うギャップの数値化処理の具体例を示す説明図である。
図6(a)に示すように、被測定面の高さ情報は、絶縁紙21とギャップ22とによって形成される凹凸の形状を特定するものである。ところが、OFケーブル20の被測定面は、下層のギャップの影響で、上層の絶縁紙21に微小な凹み23が生じてしまうことがある。このような微小な凹み23は、上述した「データのノイズ除去処理」を行っても除去しきれないこともあり得る。
被測定面の高さ情報において、図6(b)に示すように、ギャップ22の他に微小な凹み23が含まれている場合には、その微小な凹み23の存在を考慮しつつ、実際のギャップ22の位置および幅の値を正確に測定する必要がある。
例えば、紙厚変位量(mm)が「0」であるときのケーブル長(mm)の値に基づいてギャップ22の幅の値を測定すると(図中における(1)参照)、ギャップ22と微小な凹み23とを区別できないため、その微小な凹み23についてもギャップ22であると誤認識して幅の値を測定してしまうことになる。
一方、微小な凹み23は「データのノイズ除去処理」で除去できない程度の大きさ(深さ)のものなので、それよりも深い位置にてギャップ22の幅の値を測定することで(図中における(2)参照)、微小な凹み23を完全に除外することも考えられる。ところが、その場合には、上述した(1)の場合との値の誤差が大きくなってしまい、測定結果の正確さが損なわれてしまうおそれがある。
これらに対して、微小な凹み23の底部(図中の山型波形の頂部)に相当する位置にてギャップ22の幅の値を測定すれば(図中における(3)参照)、微小な凹み23を除外しつつ、上述した(1)の場合との値の誤差を許容範囲内に収めることが可能である。なお、これよりも浅い位置にてギャップ22の幅の値を測定したのでは(図中における(4)参照)、微小な凹み23を除外することができない。
したがって、演算ステップ(S103)では、微小な凹み23を除外でき、しかもギャップ22の幅の値を極力正確に測定できる位置として、上述した(3)の位置を基準位置として予め設定しておく。そして、図6(c)に示すように、基準位置にて、各ギャップ22の位置および幅の値を抽出して取得する。
具体的には、基準位置としては、被測定面の高さ情報における絶縁紙の厚さの4%〜8%に相当するいずれかの位置、より好ましくは絶縁紙の厚さの5%に相当する位置を用いることが考えられる(図6(c)中の破線参照)。絶縁紙の厚さは、被測定面の高さ情報におけるギャップの波形ピーク高さから得られる値(例えば、平均値、最大値、中間値等)によって特定することが可能である。
このような基準位置を用いて、各ギャップ22の位置および幅の値を取得すれば、被測定面の高さ情報にデータのノイズ除去処理で除去しきれない微小な凹み23が含まれている場合であっても、その微小な凹み23を除外しつつ、実際のギャップ22の位置および幅の値を正確に測定することができる。
(5)地図情報の具体例
次に、上述した演算ステップ(S103)を経て得られた情報に基づいて地図情報作成ステップ(S106)で作成する地図情報について、具体例を挙げつつ詳しく説明する。
図7は、本発明の一実施形態におけるOFケーブルの評価方法の地図情報作成ステップで得られる地図情報の具体例を示す説明図である。
地図情報作成ステップ(S106)に先立ち、解析用コンピュータ14bは、OFケーブル20の絶縁層を構成する絶縁紙の最外周から最内層までの複数層分について、それぞれの被測定面における各ギャップ22の位置および幅の値を取得する。地図情報作成ステップ(S106)では、これらの取得情報に基づいて、解析用コンピュータ14bがOFケーブル20の絶縁層中に存在する各ギャップ22の位置および幅を厚さ方向に重ねて表示した地図情報を作成する。つまり、地図情報は、複数層分の被測定面における各ギャップ22の位置および幅を絶縁紙の厚さ方向に重ねて二次元マップ化したものである。
地図情報の作成にあたり、解析用コンピュータ14bは、各ギャップ22を着色して表示し、絶縁紙と識別可能にする。また、解析用コンピュータ14bは、各ギャップ22について、予め設定されている数値情報に照らし合わせ、位置または幅が正常であるか否か、上下層で突合せた状態であるか等を判断し、その判断結果に応じて色分けして着色するようにしてもよい。
このように作成された地図情報は、解析用コンピュータ14bに接続するディスプレイ装置やプリンタ装置等の画像出力装置で出力されることになる。その結果、出力された地図情報を目視した評価装置10の利用者は、評価対象のOFケーブル20における絶縁層中に存在するギャップの位置および幅が多数層にわたってどのような状態であるかを、容易かつ視覚的に認識することができる。
(6)本実施形態における効果
本実施形態によれば、以下に述べる1つまたは複数の効果が得られる。
(a)本実施形態では、初期配置ステップ(S101)、走査ステップ(S102)、演算ステップ(S103)および測定準備ステップ(S104)を含むサイクルを1サイクルとし、このサイクルを所定回数行うことで、OFケーブル20の絶縁層中に存在する各ギャップ22の位置および幅を厚さ方向に重ねて表示した地図情報を作成して出力する。つまり、評価対象となるOFケーブル20を評価装置10の支持台11にセットすれば、そのOFケーブル20についての地図情報の作成を評価装置10に自動的に行わせることができる。
したがって、本実施形態によれば、OFケーブル20の絶縁層に対する評価を、例えば人手によるギャップ位置の測定や記録等を経て行う場合に比べると、迅速かつ簡便に行うことができる。しかも、レーザ光を用いた被測定面の変位量の検出結果に基づいて各ギャップの位置および幅を取得するので、人手によりギャップ位置の測定を行う場合に比べると、OFケーブル20の絶縁層に対する評価を正確かつ高精度に行うことができる。
つまり、本実施形態によれば、評価対象となるOFケーブル20について、絶縁層中に存在するギャップ22の位置および幅が多数層にわたってどのような状態になっているかを、正確かつ迅速に評価することが実現可能となり、利用者(評価者)にとっては非常に利便性に優れたものとなる。
(b)本実施形態では、OFケーブル20の絶縁層中に存在するギャップ22の位置および幅を厚さ方向に重ねて表示した地図情報が自動的に作成されて出力される。したがって、利用者(評価者)は、出力された地図情報を目視するだけで、ギャップ22の位置および幅が多数層にわたってどのような状態であるかを、容易かつ視覚的に認識することができる。具体的には、例えば絶縁層中でギャップ22の位置が上下層で重なってしまい絶縁耐性が劣化している箇所が生じている場合であっても、そのような箇所を一目で判別することが可能となる。
(c)本実施形態では、検出器12の光源12aおよび受光器12bを、OFケーブル20の被測定面を構成する絶縁紙21の巻回方向に沿ってそれぞれ配置している。したがって、走査ステップ(S102)にて光源12aおよび受光器12bが移動する過程で、光源12aおよび受光器12bがどの位置にあっても、レーザ光が絶縁紙21と干渉することなく変位量の検出を行うことが可能となる。つまり、OFケーブル20の絶縁層に対する評価を正確かつ高精度に行う上で非常に有用である。
(d)本実施形態では、演算ステップ(S103)で行うケーブルの曲がり補正処理において、OFケーブル20の被測定面の変位量の検出結果から当該OFケーブルの湾曲量を差し引くことで当該検出結果を校正し、校正された検出結果に基づいて、OFケーブル20の被測定面の高さ情報を算出する。したがって、支持台11上のOFケーブル20に湾曲が生じている場合であっても、その湾曲量を除去するようにデータ校正を行った上で、それ以降の各処理を行うことが可能となる。つまり、OFケーブル20の湾曲量が当該OFケーブル20の被測定面の高さ情報の算出結果に悪影響が及ぼしてしまうのを未然に回避することができ、OFケーブル20の絶縁層に対する評価を正確かつ高精度に行う上で非常に有用である。
(e)本実施形態では、演算ステップ(S103)で行うデータのノイズ除去処理において、OFケーブル20の被測定面の変位量の検出結果に対して冪指数変換を行い、冪指数変換を行った検出結果に基づいて、OFケーブル20の被測定面の高さ情報を算出する。したがって、検出結果データにノイズ成分が含まれている場合であっても、そのノイズ成分を除去した上で、それ以降の各処理を行うことが可能となる。つまり、検出結果データに含まれるノイズ成分がOFケーブル20の被測定面の高さ情報の算出結果に悪影響が及ぼしてしまうのを未然に回避することができ、OFケーブル20の絶縁層に対する評価を正確かつ高精度に行う上で非常に有用である。
(f)本実施形態では、演算ステップ(S103)で行うギャップの数値化処理において、OFケーブル20の被測定面の高さ情報における所定位置(具体的には、被測定面の高さ情報における絶縁紙の厚さの4%〜8%に相当するいずれかの位置、より好ましくは絶縁紙の厚さの5%に相当する位置)を基準にして、隣接する絶縁紙間に設けられたギャップ22の位置および幅の値を取得する。したがって、OFケーブル20の被測定面の高さ情報にデータのノイズ除去処理で除去しきれない微小な凹み23が含まれている場合であっても、その微小な凹み23を除外しつつ、実際のギャップ22の位置および幅の値を正確に測定することができる。つまり、ギャップ22の位置および幅の値を正確に取得し得るようになるので、OFケーブル20の絶縁層に対する評価を正確かつ高精度に行う上で非常に有用である。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
本実施形態では、演算ステップ(S103)におけるギャップの数値化処理で用いる「基準位置」について、高さ情報における絶縁紙の厚さ方向に規定した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれだけに限定されるものではない。
例えば、「基準位置」については、高さ情報におけるケーブル長の方向に規定することも考えられる。具体的には、絶縁紙の幅の値が既知であれば、その絶縁紙をギャップ巻きした場合の大凡のギャップの位置が分かるので、そのギャップの位置を含む領域範囲を基準位置として規定しておき、その基準位置で規定された範囲内のみを演算ステップ(S103)での処理対象とする。このようにすれば、基準位置の範囲から外れた位置については演算ステップ(S103)での処理対象とはならないので、例えば下層のギャップの影響で上層の絶縁紙21に微小な凹み23が生じている場合であっても(図6(a)参照)、その微小な凹み23を除外して処理することが可能となる。
また、このような「基準位置」についての考え方は、演算ステップ(S103)のみならず、走査ステップ(S102)に適用することも考えられる。具体的には、基準位置で規定された範囲内のみを走査ステップ(S102)での処理対象、すなわちOFケーブル20の被測定面の変位量の検出対象箇所とする。このようにした場合であっても、絶縁紙21に生じている微小な凹み23の悪影響を排除することが可能となる。
10…評価装置、11…支持台、12…検出器、12a…光源、12b…受光器、13…直動機構、14…制御部、14a…コントローラ、14b…解析用コンピュータ、20…OFケーブル、21…絶縁紙、22…ギャップ(隙間)

Claims (8)

  1. 導体上に巻回された絶縁紙に絶縁油が含浸されてなる絶縁層を備えるOFケーブルの評価方法であって、
    前記絶縁紙が所定の間隔で配列されてなる被測定面に対してレーザ光を照射する光源、および、前記被測定面で反射されたレーザ光を取得する受光器を、所定の測定開始位置にそれぞれ配置する初期配置ステップと、
    前記被測定面に向けてレーザ光を照射させた状態を維持しながら当該被測定面に対する前記光源および前記受光器の位置を前記OFケーブルの軸方向に沿って移動させ、その際、前記受光器で取得したレーザ光に基づいて前記被測定面の変位量を検出する走査ステップと、
    前記被測定面の変位量の検出結果に基づいて前記被測定面の高さ情報を算出し、算出した前記高さ情報に基づいて、隣接する前記絶縁紙間に設けられた隙間の位置および幅を取得する演算ステップと、
    前記被測定面を構成する前記絶縁紙を除去して新たな被測定面を露出させる測定準備ステップと、
    を含むサイクルを1サイクルとし、このサイクルを所定回数行うことで、前記絶縁層中に存在する前記隙間の位置および幅を厚さ方向に重ねて表示した地図情報を作成するOFケーブルの評価方法。
  2. 前記初期配置ステップでは、前記光源と前記受光器とを、前記絶縁紙の巻回方向に沿ってそれぞれ配置する請求項1に記載のOFケーブルの評価方法。
  3. 前記演算ステップでは、前記被測定面の変位量の検出結果から前記OFケーブルの湾曲量を差し引くことで前記検出結果を校正し、前記校正された検出結果に基づいて、前記被測定面の高さ情報を算出する請求項1又は2に記載のOFケーブルの評価方法。
  4. 前記演算ステップでは、前記被測定面の変位量の検出結果のm回分の移動平均値から、前記m回より大きなn回分の移動平均値を差し引くことで、前記検出結果を校正する請求項3に記載のOFケーブルの評価方法。
  5. 前記演算ステップでは、前記被測定面の変位量の検出結果に対して冪指数変換を行い、前記冪指数変換を行った検出結果に基づいて、前記被測定面の高さ情報を算出する請求項1乃至4のいずれかに記載のOFケーブルの評価方法。
  6. 前記演算ステップでは、前記被測定面の高さ情報における所定位置を基準にして、隣接する前記絶縁紙間に設けられた隙間の位置および幅の値を取得する請求項1乃至5のいずれかに記載のOFケーブルの評価方法。
  7. 前記被測定面の高さ情報における所定位置として、当該高さ情報における前記絶縁紙の厚さの5%に相当する位置を用いる請求項6に記載のOFケーブルの評価方法。
  8. 導体上に巻回された絶縁紙に絶縁油が含浸されてなる絶縁層を備えるOFケーブルの評価装置であって、
    前記絶縁紙が所定の間隔で配列されてなる被測定面に対してレーザ光を照射する光源、および、前記被測定面で反射されたレーザ光を取得する受光器を有する検出器と、
    前記被測定面に対する前記光源および前記受光器の位置を前記OFケーブルの軸方向に沿って移動させる直動機構と、
    前記光源、前記受光器および前記直動機構を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記光源および前記受光器を所定の評価開始位置にそれぞれ配置する初期配置処理と、
    前記被測定面にレーザ光を照射させながら前記光源と前記受光器とを前記OFケーブルの軸方向に沿って移動させ、前記受光器で取得したレーザ光に基づいて前記被測定面の変位量を検出する走査処理と、
    前記被測定面の変位量の検出結果に基づいて前記被測定面の高さ情報を算出し、前記高さ情報に基づいて、隣接する前記絶縁紙間に設けられた隙間の位置および幅を取得する演算処理と、
    前記被測定面を構成する前記絶縁紙を除去して新たな被測定面を露出させる測定準備処理と、
    を含むサイクルを1サイクルとし、このサイクルを所定回数行うことで、前記絶縁層中に存在する前記隙間の位置および幅を厚さ方向に重ねて表示した地図情報を作成するよう構成されているOFケーブルの評価装置。
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