JP2016183707A - ベルト、及び突起付きベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】製造が容易で樹脂突起が離脱しにくい突起付きベルトを提供する。【解決手段】背面にベルトと一体に成形された支持凸部を有するベルトあって、前記支持凸部のベルト長さ方向に平行な側面において、最も幅の狭い狭幅部の幅をW1、該狭幅部よりベルト本体から遠い位置で最も幅の広い広幅部の幅をW2とした時に、W2/W1×100=60.0〜99.5であるベルト。【選択図】図1

Description

本発明は、背面にベルト本体と一体に成形された支持凸部を有するベルト、及びこの支持凸部を覆う樹脂突起を有する突起付きベルトに関する。
ベルトの背面や側面に樹脂突起を有し、この樹脂突起により物品を搬送したり、樹脂突起をセンサーに検知させる突起付きベルトが存在する。樹脂突起は、ベルト背面にベルト本体と一体に成形された支持凸部を覆うようにアウトサート成形により成形される。アウトサート成形時の射出圧により、ベルト背面の支持凸部は樹脂突起により圧縮されている。樹脂突起は、この圧縮に対する抗力と摩擦力により支持凸部に固定されているが、突起付きベルトを長期間使用していると、樹脂突起が支持凸部から離脱してしまうことがある。
樹脂突起の支持凸部からの離脱を防ぐ手段として、特許文献1には、ベルト背面の支持突部にベルト長手方向に貫通する貫通孔を設け、この支持突部に突起体をアウトサート成形する際に、支持突部のベルト長手方向での両面を挟むように成形される接合部と貫通孔に充填される樹脂とを連接一体化する突起付きベルトの製造方法が提案されている。また、特許文献2には、ベルト背面の凸状支持部と樹脂製突起との結合手段として、U字針状体を突き刺し挿入する、突起付きベルトの製造方法が提案されている。
これらの方法により、樹脂突起の支持凸部からの離脱を減らすことはできるが、支持凸部に穴開け加工や針打ち加工等の二次加工が必要であるため、製造工程が煩雑となる、高コストとなる、生産性が低下する、という問題がある。
特開2001−341157号 特開2007−204237号
製造が容易で樹脂突起が離脱しにくい突起付きベルトを提供する。
上記課題を解決するための、本発明の構成は以下のとおりである。
1.ベルトと一体に成形された支持凸部と幅方向に伸びる複数本の溝とを背面に有し、
前記支持凸部のベルト長さ方向断面における最も幅の狭い狭幅部の幅をW1、該狭幅部よりベルト本体から遠い位置で最も幅の広い広幅部の幅をW2とした時に、W2/W1×100=60.0〜99.5であり、
前記溝の底部にベルト長さ方向に伸びる心線が視認されることを特徴とするベルト。
2.前記ベルトがポリウレタンからなることを特徴とする1.に記載のベルト。
3.前記支持凸部のベルト長さ方向断面が台形であることを特徴とする1.または2.に記載のベルト。
4.前記支持凸部のベルト長さ方向断面が等脚台形であることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載のベルト。
5.1.〜4.のいずれかに記載のベルトの支持凸部を覆う樹脂突起を有することを特徴とする突起付きベルト。
6.支持凸部形成溝と心線支持突起とを外周面に有し、前記支持凸部形成溝の最も幅の狭い狭幅部の幅をW1、該狭幅部より軸中心に近い位置で最も幅の広い広幅部の幅をW2とした時に、W2/W1×100=60.0〜99.5である円筒形の内金型と、
円筒形の外金型と、
からなることを特徴とするベルト成形用金型。
7.支持凸部形成溝と心線支持突起とを外周面に有し、前記支持凸部形成溝の最も幅の狭い狭幅部の幅をW1、該狭幅部より軸中心に近い位置で最も幅の広い広幅部の幅をW2とした時に、W2/W1×100=60.0〜99.5である円筒形の内金型の外周面に心線を螺旋状に巻きつける工程、
円筒形の外金型の中心に前記内金型を組み込む工程、
前記内金型と前記外金型との間のキャビティにベルト成形用材料を注入し、硬化させる工程、
前記内金型を軸方向に引き抜き、前記ベルト成形用材料を硬化させた円筒状のベルト前駆体を前記外金型から脱型する工程、
前記ベルト前駆体を所定幅に輪切りにする工程、
をこの順で有することを特徴とするベルトの製造方法。
本発明のベルトは、ベルト背面に支持凸部が、ベルト長さ方向断面における最も幅の狭い狭幅部の幅をW1、該狭幅部よりベルト本体から遠い位置で最も幅の広い広幅部の幅をW2とした時に、W2/W1×100=60.0〜99.5となるようにベルト本体と一体に成形されている。支持凸部を覆う樹脂突起を有する突起付きベルトにおいて、支持凸部はいわゆるアンダーカット形状であり、樹脂突起に対してアンカーとして作用するため、樹脂突起が支持凸部から離脱することを防ぐことができる。また、支持凸部に二次加工を施す必要がなく、従来と同じ工程数でベルトを製造することができるため、製造が容易であり、コストが増加しない。
支持凸部のベルト長さ方向断面が台形であると、ベルト成形に用いる内金型に支持凸部形成溝を刻むのが容易である。また、支持凸部形成溝内部への離型剤の塗布が容易で、支持凸部形成溝内部に汚れが残りにくい。さらに、支持凸部のベルト長さ方向断面が等脚台形であると、アウトサート成形時の射出圧が支持凸部の両面に均等に加わるため、支持凸部が傾斜しない。
支持凸部形成溝と心線支持突起を外周面に有する円筒形の内金型を用い、内金型を軸方向に引き抜くことにより、アンダーカット形状の支持凸部を有するベルトであっても従来と同等の製造方法で効率的に成形することができる。また、従来の製造方法と内金型、外金型で成形される構造が逆であっても、内金型の心線支持突起により、厚さ方向に対して同じ位置に心線を設けることができる。
本発明のベルトの一実施態様である歯付ベルトの部分概略図。 本発明のベルトの支持凸部のベルト長さ方向の断面形状を示す図。 本発明のベルトの支持凸部のベルト長さ方向の断面形状例を示す図。 本発明の突起付きベルトの一実施態様の部分概略図。 本発明のベルトの製造方法を示す断面図。 本発明のベルトの製造方法を示す断面図。 本発明のベルトの製造方法を示す断面図。 本発明のベルトの製造方法を示す断面図。 従来のベルトの製造方法で用いられる金型の断面図。 従来の金型で本発明のベルトが製造できないことを示す断面図。 結合強度試験の模式図。
本発明は、ベルト背面にベルト本体と支持凸部を一体に成形したベルト、及びこのベルトの支持凸部を覆う樹脂突起を有する突起付きベルトに関する。
本発明のベルトの一実施態様である歯付きベルトの部分概略図を図1に示す。歯付きベルト1は、内周面にベルト長さ方向に所定ピッチで複数のベルト歯2が設けられたベルト本体によって形成されている。また、抗張体である心線3が略ベルト長さ方向で、ベルト幅方向に周期的な螺旋状に設けられている。ベルト背面には、アンダーカット形状である支持凸部4がベルト本体と一体に成形されている。また、ベルト背面には幅方向に伸びる複数本の溝5が設けられ、溝5の底部にはベルト長さ方向に伸びる心線3が視認される。
ベルト本体は熱硬化性ポリウレタンから形成することが好ましい。ポリウレタンとしては、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタンのどちらも利用することができる。
ポリウレタン製ベルトは、常法に準じて製造することができる。具体的には、プレポリマー法、セミワンショット法、ワンショット法に準じて製造できる。これらの製造方法は、ベルトの用途、性能、あるいは、加工設備、製造条件等を考慮し選定すればよいが、より安定したポリウレタンの物性を得るためにはより規則的な分子構造としやすいプレポリマー法が好ましい。
プレポリマー法では、プレポリマーや硬化剤の種類、プレポリマーの質量に対するプレポリマー中に残存する官能基であるイソシアネート基の質量の割合であるイソシアネート分率(NCO%)、硬化剤の混合比率等を調整することで、また、可塑剤を添加することで、ベルトに適したポリウレタンの硬さに調整することができる。例えば、プレポリマーとしてポリテトラメチレンエーテルグリコールとトリレンジイソシアネートからなるNCO%が3%〜6%のプレポリマー、硬化剤としてメチレン−ビス(オルト−クロロアニリン)を使用し、プレポリマーに含まれるイソシアネート基(−NCO)のモル数と硬化剤に含まれるアミン基(−NH)のモル数の比を[−NH]:[−NCO]=1:1から1:1.33、より好ましくは1:1.02から1:1.18の間に調整し、適当量の可塑剤を添加することで、ポリウレタンの硬さを70〜95度(duro A)の範囲で調整することができる。
プレポリマー法においてプレポリマーを合成するためのポリイソシアネート、ポリオールは特に限定されるものではない。
ポリイソシアネートとしては、分子中にイソシアネート基を2個以上有するものを特に制限することなく用いることができる。例えば、トリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、カルボジイミド化ジフェニルメタンポリイソシアネート、粗製ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等を用いることができる。これらの中から、2種類以上を併用してもよい。
ポリオールとしては、分子中に水酸基を2個以上有するものを特に制限することなく用いることができる。例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルポリオール類;アジピン酸、セバシン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸等のジカルボン酸化合物と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等のポリオール化合物とを反応させて得られるポリエステルポリオール類;ポリカプロラクトンポリオール、ポリ−β−メチル−δ−バレロラクトン等のポリラクトン系ポリエステルポリオール類;1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコール等のようなジオール化合物と、ホスゲン、ジアルキルカーボネートやジフェニルカーボネート等とを反応させて得られるポリカーボネートポリオール類;ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等のポリオレフィンポリオール類等が挙げられる。これらの中から、2種類以上を併用してもよい。
硬化剤は、架橋剤、鎖延長剤とも呼ばれる。硬化剤としては、アミン系硬化剤や、アルコール系硬化剤等が好ましく用いられる。アミン系硬化剤としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン等の脂肪族ジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ジエチルトルエンジアミン、ジメチルチオトルエンジアミン、トリメチレンビス(4−アミノベンゾエート)、メチレンビス(2−エチル−6−メチルアニリン)、等の芳香族ジアミンが挙げられる。その他、トリイソプロパノールアミン等の三価以上のポリアミンを用いることができる。アルコール系硬化剤としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール)、2−イソプロピル−1,4−ブタンジオール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、3,5−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール(例えば1,4−シクロヘキサンジメタノール)、シクロヘキサンジオール(例えば1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール)、2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等の脂環式ジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキシトール類、ペンチトール類、グリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、テトラメチロールプロパン等の三価以上のポリオールを用いることができる。
ポリウレタン組成物には、必要に応じて界面活性剤、可塑剤、滑剤、充填剤、顔料、染料、加水分解抑制剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、導電剤、反応促進剤等の添加剤を含有させることができる。反応促進剤としては限定するものではないが、アミン系硬化剤を用いる場合にはアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等の脂肪酸類、アルコール系硬化剤を用いる場合には錫系やビスマス系等の金属系触媒、或いはトリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’、N’−テトラメチルエチレンジアミン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5等のアミン系触媒が挙げられ、Nサンアプロ株式会社製の「U−CAT SA」シリーズや、モメンティブ社製の「FOMREZ」シリーズ等を用いることができる。
ベルト歯2は歯付きベルト1の内周面全面に形成される。2個以上のプーリにベルトを掛け渡し、ベルト歯2を噛み合わることにより、回転を伝達することができる。
なお、本発明のベルトは歯付きベルトに制限されず、Vベルト、平ベルト等であってもよい。
心線3は抗張体として有効な強度および弾性率を有していればよい。使用される材料は特に限定されないが、例えばグラスファイバー、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、カーボンファイバー等を挙げることができる。
支持凸部4と溝5とは、下記で詳述するように、ベルト成形時にそれぞれ内金型の支持凸部形成溝と心線支持突起により形成される。本発明のベルトの背面に成形される支持凸部4は、ベルト長さ方向断面における最も幅の狭い狭幅部の幅をW1、該狭幅部よりベルト本体から遠い位置で最も幅の広い広幅部の幅をW2とした時に、W2/W1×100=60.0〜99.5であることを特徴とする。図2に、図1に記載のベルトの支持凸部4のベルト長さ方向の断面形状を示す。図2に示す支持凸部4のベルト長さ方向断面形状は等脚台形である。支持凸部4は、ベルト背面に1個、または複数個形成される。
支持凸部4の形状は、頂部が底部よりも太い、いわゆるアンダーカット形状である。この支持凸部4を覆うように樹脂突起6がアウトサート成形により成形される。本発明において、アンダーカット形状である支持凸部4がアンカーとして作用するため、樹脂突起6が支持凸部4から離脱しにくい。W2/W1×100の値が小さいほど、樹脂突起6が支持凸部4から離脱しにくくなるため好ましい。ただし、W2/W1が60.0より小さいと、狭幅部の断面積が小さくなりすぎて強度が低下し、狭幅部で千切れやすくなる。W2/W1が99.5より大きいと、アンダーカット形状でないW2/W1=100である従来の支持凸部と比較して樹脂突起の離脱しにくさがあまり向上しない。W2/W1×100の値は、63.0〜99.3であることがより好ましく、65.0〜99.0であることがさらに好ましい。
本発明において、支持凸部4のベルト長さ方向断面形状は、図2に記載の等脚台形に限定されない。図3に、支持凸部4のベルト長さ方向の断面形状例を示す。
本発明において、支持凸部4のベルト長さ方向断面形状は、(1)に示すように非対称な台形でもよく、(2)に示すように片面が垂直、片面が傾斜した台形でもよい。(3)、(4)に示すように狭幅部が底部付近に一定の長さを有していてもよく、(4)に示すように広幅部が頂部付近に一定の長さを有していてもよい。(5)、(6)に示すように、狭幅部は支持凸部の高さ方向中央近辺にあってもよい。(7)に示すように、狭幅部、広幅部を複数設けてもよい。また、(8)、(9)に示すように、支持凸部の断面形状は円弧であってもよい。
なお、図3(1)〜(9)に示す断面形状は一例であり、本発明における支持凸部4の形状はこれに限定されない。
これらの中で、図2、および図3(1)、(2)に記載の断面形状を有する支持凸部4が、ベルト長さ方向断面の側面が単一の直線から形成されており、ベルト成形用の内金型に支持凸部形成溝を刻むが容易であり、また、支持凸部形成溝内部への離型剤の塗布が容易で、支持凸部形成溝内部に汚れが残りにくいため好ましい。さらに、図2に記載の等脚台形である断面形状を有する支持凸部4が、支持凸部上に樹脂突起6をインサート成形する際の射出圧が支持凸部4の両側面に均等に加わり支持凸部4が傾かないため最も好ましい。
ベルト背面のベルト幅方向に伸びる複数本の溝5は、内金型の外周面に設けられた心線3のベルト厚み方向に対する位置を調整するための心線支持突起により形成される。下記で詳述するが、本発明のベルト製造に用いられる内金型の外周面には、支持凸部形成溝と、多数の心線支持突起が形成されている。内金型の外周面に螺旋状に巻かれる心線3は、心線支持突起の高さにより、ベルト厚み方向に対して適切な位置にセットされる。心線3は心線支持突起により支持され、この状態でベルト成形材料に埋設されるため、本発明のベルト背面の溝5の底部にはベルト長さ方向に伸びる心線3が視認できる。
図4に、突起付きベルトの一実施態様の部分概略図を示す。樹脂突起6は、ベルト背面の支持凸部4上にアウトサート成形により成形される。樹脂突起6の形状は特に制限されず、その用途に応じて適宜設計することができる。アンダーカット形状である支持凸部4がアンカーとして作用するため、樹脂突起6の支持凸部4からの離脱を防止することができる。樹脂突起6を構成する材料は、アウトサート成形可能な材料であれば特に制限されず、例えば、アセタール樹脂(POM)、ポリウレタン樹脂(PU)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等を使用することができる。
次に、プレポリマー法を用いた本発明の突起付きベルトの製造方法について図5〜図8に基づいて説明する。
<心線セット工程>
円筒形の内金型10の外周面に心線3を所定ピッチで螺旋状に巻き付ける。内金型の外周面には軸方向に延びる支持凸部形成溝14と、多数の心線支持突起15が設けられている。支持凸部形成溝14は、最も幅の狭い狭幅部の幅をW1、この狭幅部より軸中心に近い位置で最も幅の広い広幅部の幅をW2とした時に、W2/W1×100=60.0〜99.5となるアンダーカット形状である。
心線3は、内金型10の外周面に多数形成されている心線支持突起15に支えられて、ベルト厚み方向に対して適切な位置にセットされる。
<金型セット工程>
次に、内金型10を、内周面に軸方向に延びるベルト歯形成溝22が所定ピッチで刻まれている円筒状の外金型20の中心に、内金型10と外金型20との間にベルト成形用材料を注入するためのキャビティが形成されるように組み込む(図5)。
<ベルト成形用材料準備工程>
(A)ポリオールと(B)ポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタンプレポリマーをA液とする。(C)アミン系硬化剤及び任意成分である添加剤の混合物をB液とし、A液とB液を混ぜ合わせてベルト成形用材料を作成する。
<ベルト成形用材料注入・硬化工程>
得られたベルト成形用材料を内金型10と外金型20との間のキャビティに注入し、これを加熱してベルト成形用材料を熱硬化させる(図6)。
<脱型工程>
内金型10を軸方向に引き抜き(図7)、ベルト成形用材料が硬化した円筒状のベルト前駆体を外金型20の内周面から脱型する(図8)。
<幅カット工程>
脱型したベルト前駆体を所定幅に輪切りにし、歯付きベルトを得る。
なお、上記製造方法では、外周面にベルト歯を有するベルトが得られるが、使用時には内外面を反転させて、ベルト歯を内周面とする。
<アウトサート成形工程>
樹脂突起を成形するためキャビティが設けられたアウトサート成形用金型に、歯付ベルトの支持凸部近傍をセットし、アウトサート成形用金型内に溶融したアセタール樹脂を射出して支持凸部を覆う樹脂突起を成形し、アウトサート成形用金型から脱型して突起付きベルトを得る。
なお、上記製造方法は一例であり、本発明の製造方法はこれに限定されない。例えば、幅カット工程と、アウトサート成形工程の順序を入れ替えてもよい。
従来の円筒形金型を用いる製造方法では、内金型10の外周面にベルト歯形成溝22が刻まれている(図9)。また、ベルト歯形成溝22の間に、心線支持突起15が形成されている。円筒形金型において、外周面に溝を加工するほうが、内周面に溝を加工するのに比べて遥かに容易である。そのため、多数の溝を刻む必要があるベルト歯形成溝は、内金型の外周面に設けることが従来の技術常識である。これに対し、本発明のベルト製造方法は、外金型の内周面にベルト歯形成溝が、内金型の外周面に支持凸部形成溝と多数の心線支持突起が設けられていることを特徴とする。
上記脱型工程および図7に記載の通り、円筒形金型を使用する歯付きベルトの製造方法では、内金型10は軸方向に引き抜かれる。その後、図8に記載の通り、ベルト前駆体は外金型20の内周面から軸中心方向に向けて剥がされる。そのため、外金型20の内周面にアンダーカット形状である支持凸部形成溝14を設けると、ベルト前駆体の支持凸部を外金型から剥がすことができない(図10)。それに対し、内金型10の外周面にアンダーカット形状を形成すれば、型抜き方向である軸方向に凹凸は存在しないので、内金型10を引き抜くことができ、アンダーカット形状の突起を有するベルト前駆体を成形することができる。
次に、本発明を実施例に基づいて、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
「実施例1」
ベルト背面に底辺2.76mm、上辺2.80mm、高さ3.0mmの支持凸部が形成されるよう、外周から軸中心に向かう軸方向の支持凸部形成溝と、心線のベルト厚み方向の埋設位置を調整するための多数の心線支持突起とが外周面に設けられた内金型を使用した。内金型の外周面、および外金型の内面には事前に離型剤処理を行った。離型剤は特に限定するものではなく、市販のフッ素系、シリコン系、ワックス系等の離型剤を用いることができる。
離型剤で処理した内金型の外周にアラミド心線を0.6mm間隔となるよう螺旋状に巻き付け、軸方向の一端から反対の端まで心線を巻き付けた内金型を、内周面にベルト歯形成溝が刻まれた外金型に組み込み、95℃から105℃の温度範囲に入るよう金型の温度を調整した。
プレポリマーとして、ポリエーテルグリコールおよびトリレンジイソシアネートからなるNCO%が4.3%のプレポリマー(三井化学株式会社製、商品名:L100)、硬化剤として3,3’−ジクロロ−4、4’−ジアミノジフェニルメタン、可塑剤としてフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)を用いた。
プレポリマー100重量部を容器に量りとり、90℃に設定した減圧オーブンの中で減圧しながら昇温させ、プレポリマーの温度が70から90℃の範囲にあり、かつ、減圧環境下でプレポリマーから泡の発生が無くなることを確認した。別のカップに硬化剤12.5重量部と可塑剤15重量部とを量りとり、120℃設定の送風式オーブン内で硬化剤が溶解し、温度が110℃となるまで加熱溶解を行った。温度を調整した硬化剤と可塑剤の混合物を均一になるまで撹拌し、プレポリマーと混合した混合液を内金型と外金型の隙間に注入して、110℃に設定したオーブンの中で10時間加熱硬化させた。
その後、内金型を軸方向に抜き取り、ベルト前駆体を外金型から剥がし取り、円筒状のベルト前駆体を得た。得られたベルト前駆体は50℃から70℃の送風式オーブンで24時間更に加熱処理を行った。加熱処理の後、円筒状のベルト前駆体を円周方向で所定の幅にカットし背面に支持凸部を有するベルトを得た。
作製したベルトを射出成形機用の金型に設置し、射出金型内に溶融したPOMを射出し、その後、射出成形金型から樹脂突起で支持凸部が覆われたベルトを取り出し、下記構成を有する突起付きベルトを得た。
(1)ベルト本体:歯付ベルト
サイズ :S3M、幅6mm、周長960mm
材質 :熱硬化性ポリウレタン、芯線:アラミドコード
支持凸部 :底辺2.76mm、上辺2.80mm、高さ3.0mmであり、W2/W1×100=98.6の等脚台形
(2)樹脂突起
材質 :POM
サイズ :高さ4.3mm、長さ4.3mm、幅8.6mm
「実施例2」
支持凸部の形状を、底辺1.90mm、上辺2.80mm、高さ3.0mmであり、W2/W1×100=67.9とした以外は、実施例1と同様に突起付きベルトを製造した。
「比較例1」
支持凸部の形状を、底辺2.80mm、上辺2.80mm、高さ3.0mmであり、W2/W1×100=100とした以外は、実施例1と同様に突起付きベルトを製造した。
「比較例2」
支持凸部に、中央部に直径1.5mmの貫通孔を穿孔した以外は、比較例1と同様に突起付きベルトを製造した。
[樹脂突起結合強度試験]
突起付きベルトの樹脂突起の結合強度を、図11に模式的に示した装置で測定した。樹脂突起をチャックに引っ掛けて突起付きベルトを吊り下げ、ベルトを50mm/minの速さで引っ張ったときの破断強度を、静的引張圧縮試験機(株式会社島津製作所製、装置名:AUTOGRAPH AG−5000A)を用いて測定した。測定結果を表1に示す。なお、測定は10個の突起付きベルトで行い、その相加平均値を示す。
Figure 2016183707
実施例1、2の突起付きベルトにおいて、樹脂突起の強度はそれぞれ18.0N、43.9Nであった。それに対し、W2/W1が100である比較例1の突起付きベルトの樹脂突起の破断強度は、9.4Nであった。実施例1、2、および比較例1において、離脱後の支持凸部と樹脂突起とに破損は認められなかった。
W2/W1=98.6である実施例1の突起付きベルトは、比較例1の突起付きベルトの約2倍の強度を有していた。さらに、W2/W1=67.9である実施例2は、比較例1の突起付きベルトの約5倍の強度を有していた。W2/W1の値が小さいほど、アンカーとしての作用が強まり、樹脂突起が離脱しにくいことが確かめられた。
比較例2の突起付きベルトの樹脂突起の破断強度は35.7Nであった。離脱後の支持凸部と樹脂突起とを確認すると、支持凸部には破損は認められなかった。樹脂突起は支持凸部の穿孔した貫通孔に流し込まれて硬化した部分が破損していた。
従来と同様の簡便な製造方法で得られた実施例1、2の突起付きベルトの樹脂突起は、支持凸部に貫通孔を穿孔するという工程を有する煩雑な製造方法により得られた比較例2の突起付きベルトの樹脂突起と同等以上の強度を有していた。特に、実施例2の突起付きベルトの樹脂突起の強度は、比較例2の突起付きベルトの樹脂突起の強度より大きく、本発明の製造方法により、従来の突起付きベルトよりも樹脂突起が離脱しにくい突起付きベルトが製造できることが確かめられた。
1 歯付きベルト
2 ベルト歯
3 心線
4 支持凸部
5 溝
6 樹脂突起
10 内金型
14 支持凸部形成溝
15 心線支持突起
20 外金型
22 ベルト歯形成溝

Claims (7)

  1. ベルトと一体に成形された支持凸部と幅方向に伸びる複数本の溝とを背面に有し、
    前記支持凸部のベルト長さ方向断面における最も幅の狭い狭幅部の幅をW1、該狭幅部よりベルト本体から遠い位置で最も幅の広い広幅部の幅をW2とした時に、W2/W1×100=60.0〜99.5であり、
    前記溝の底部にベルト長さ方向に伸びる心線が視認されることを特徴とするベルト。
  2. 前記ベルトがポリウレタンからなることを特徴とする請求項1に記載のベルト。
  3. 前記支持凸部のベルト長さ方向断面が台形であることを特徴とする請求項1または2に記載のベルト。
  4. 前記支持凸部のベルト長さ方向断面が等脚台形であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のベルト。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のベルトの支持凸部を覆う樹脂突起を有することを特徴とする突起付きベルト。
  6. 支持凸部形成溝と心線支持突起とを外周面に有し、前記支持凸部形成溝の最も幅の狭い狭幅部の幅をW1、該狭幅部より軸中心に近い位置で最も幅の広い広幅部の幅をW2とした時に、W2/W1×100=60.0〜99.5である円筒形の内金型と、
    円筒形の外金型と、
    からなることを特徴とするベルト成形用金型。
  7. 支持凸部形成溝と心線支持突起とを外周面に有し、前記支持凸部形成溝の最も幅の狭い狭幅部の幅をW1、該狭幅部より軸中心に近い位置で最も幅の広い広幅部の幅をW2とした時に、W2/W1×100=60.0〜99.5である円筒形の内金型の外周面に心線を螺旋状に巻きつける工程、
    円筒形の外金型の中心に前記内金型を組み込む工程、
    前記内金型と前記外金型との間のキャビティにベルト成形用材料を注入し、硬化させる工程、
    前記内金型を軸方向に引き抜き、前記ベルト成形用材料を硬化させた円筒状のベルト前駆体を前記外金型から脱型する工程、
    前記ベルト前駆体を所定幅に輪切りにする工程、
    をこの順で有することを特徴とするベルトの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3647237A4 (en) * 2017-06-30 2021-03-24 Mitsuboshi Belting Ltd. BELT HAVING A OVERLAY FORMED ON IT
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