JP2016182135A - 抗her2抗体および組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
ヒト癌治療、例えば、HER2を過剰発現する乳癌、卵巣癌、胃癌および他の癌の治療のための該抗体および組成物を提供すること。
【解決手段】
HER2(ErbB2)に対して向けられた新規な治療用の抗体、同様に少なくとも2つの前記組換え型抗HER2抗体を含む組換え型ポリクローナル抗HER2抗体組成物、並びに癌の処置用の抗体および抗体組成物の使用を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、HER2受容体を標的とする新規な組み換え型抗体、およびヒトの癌治療において使用するためのこれらの抗体の2つ以上を含む組成物に関する。
上皮成長因子受容体(EGFR)群(ErbBファミリーとしても知られている)は、受容体チロシンキナーゼ(RTK)のサブグループで、4つのメンバー:EGFR/ErbB、HER2/ErbB2、HER3/ErbB3およびHER4/ErbB4から成る。EGFR群のメンバーは、細胞外のリガンド結合領域、単一の膜貫通領域および細胞内のチロシンキナーゼ(Ferguson (2008) Annu Rev Biophys. 37: 353-373で概説)を備えた密接に関連する単一鎖モジュールの糖タンパク質である。正常な生理学的な設定では、ErbBファミリーは、細胞増殖、分化および遊走(Citri et al. (2006) Nat Rev Mol Cell Biol. 7: 505-516)を協調させる際のキーイベントを調節する。EGFR、HER2およびHER3は、正常細胞の悪性変換、および癌細胞の連続した成長に重大な役割を果たすと考えられる。EGFRとHER2は、多くの上皮癌(Slamon et al. (1987) Science, 235: 177-182; Arteaga (2002) Oncologist 7 Suppl 4: 31-39; Bodey et al. (1997) Anticancer Res. 17: 1319-1330; Rajkumar et al. (1996) J Pathol. 179: 381-385))によって過剰発現されると分かった。EGFRとHER2の過剰発現は、いくつかの人間の上皮癌(Slamon et al. (1987) 上記を参照; Baselga et al. (2002) Oncologist 7 Suppl 4: 2-8)内の疾患進行、生存性低下、低応答および化学療法抵抗性に更に関連付けられている。
ヒトの上皮成長因子受容体2(HER2、ErbB2またはNeuとも知られている; UniProtKB/Swiss-Prot No. P04626)は、1233のアミノ酸から成り、並びに4つの小領域I-IV、膜貫通領域、膜近傍領域、細胞内の細胞質のチロシンキナーゼおよびC末端制御領域から成る細胞外の領域を備えたEGFRに構造上類似している(Yamamoto et al. (1986) Nature 319: 230-234)。
HER2は、既知のリガンド(Klapper et al. (1999) Proc Natl Acad Sci USA 96: 4995-5000)と結合しないErbBファミリーの唯一のメンバーである。HER2はその代りに、他のErbBファミリーメンバーを備えた異側性の複合体の形成によって活性化され、それによりEGFRおよびHER3のリガンド(Yarden et al. (2001) Nat Rev Mol Cell Biol.2:127-137で概説)を通して間接的に調節される。HER2は、3つの他のErbB受容体の好ましいヘテロ二量体化パートナーであり(Graus-Porta et al. (1997) EMBO J 16: 1647-1655; Tzahar et al. (1996) Mol Cell Biol. 16:5276-5287)、リガンド受容体複合体解離速度を遅くさせてそれらのリガンドの他のErbB受容体の親和性を増強させ、それによってHER2はシグナル伝達を増強および延長させる(Pedersen et al. (2009) Mol Cancer Res. 7:275-284)。HER2およびErbBファミリーの別のリガンド結合受容体の異種ダイマー化は、クロス燐酸化を引き起こし、C末端アミノ酸の燐酸化をもたらす。これらは、次にはシグナル分子(King et al.(1988) EMBO J 7:1647-1651)の足場としての役目を果たす。最も活発なHER2ヘテロ二量体はHER2-HER3複合体(Pinkas-Kramarski et al.(1996) EMBO J 15:2452-2467)である。ここで、HER2は活性キナーゼ(Guy et al.(1994) Proc Natl Acad Sci USA 91:8132-8136.).)を提供することによりキナーゼ欠乏性HER3を補足する。EGFRとは対照的に、HER2はインターナリゼーション耐性(Hommelgaard et al.(2004) Mol Biol Cell 15:1557-1567))であり、リソソームの分解およびそれによって原形質膜に残存することを免れる。
正常組織におけるHER2の主要な役割は、リガンド結合ErbB受容体によって始められるシグナル伝達の調節のように見える。EGFRのように、HER2は上皮細胞(Freudenberg et al.(2009) Exp Mol Pathol.87:1-11)で概説)によって主として発現される。また正常な乳腺発達(Troyer et al.(2001) J Mammary Gland Biol Neoplasia 6:7-21)において成長、分化、アポトーシスおよび組織修復の非腫瘍形成性の役割があることが分かった。EGFRの場合のように、細胞表面上のHER2の過剰は多数の組織(Freudenberg et al.(2009) 上記を参照)からの上皮細胞の形質転換を引き起こす。HER2増幅および過剰発現(Slamon et al.(1987) 上記; Ravdin et al.(1995) Gene 159:19-27)は、浸潤性の腺管癌の20%〜30%を含むヒト腫瘍の領域で報告されており、低下した全生存率の貧弱な臨床結果の前兆として良く認識されている。高レベルのHER2は、形質転換の初期のサインを示すがまだ完全には形質転換していなく、初期の悪性形質変換(Freudenberg et al.(2009) 上記)におけるHER2の重要な役割を示して、ヒト胸組織で容易に検知することができる。高レベルのHER2も、結腸直腸、卵巣、膵臓、肺および尿路の上皮の癌(Freudenbergら)などの他の上皮癌に関係があった。HER2を活性化させると抑制されない増殖が引き起こされ、アポトーシスに対する防御、正常な上皮組織(Muthuswamyet al.(2001) Nat Cell Biol.3:785-792).)を破壊する。更に、HER2は転移の細胞によって発現され、癌細胞運動性(De Potter (1994) Hum Pathol.25:785-792)に役割を果たすことがある。
EGFRおよびHER2は検証された癌標的であり、これらの受容体をターゲットとするモノクローナル抗体および小分子阻害剤の両方は、様々な癌の治療のために承認された。しかしながら、これらの治療に最初に反応する患者は、しばしば獲得抵抗性(Pao et al.(2005) PLoS Med 2: e73)の進展により再発する。モノクローナル抗体トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標)として市販化)はHER2をターゲットとし、HER2受容体が過剰発現される乳癌の治療に使用される。2010年1月、ハーセプチンがHER2陽性の転移性胃(胃の)癌の患者で使用される化学療法との組み合わせで欧州連合に承認された。HER2受容体(pertuzumab)に対する別のモノクローナル抗体の一部分は、現在様々な臨床試験途上にある。トラスツズマブ(それはHER2と結合して、それによってその機能を阻害することにより作用する)とは対照的に、ペルツズマブは、HER3および他のEGFR受容体へのHER2の二量体化を阻害するHER二量体化抑制剤である。
ペルツズマブがまだ臨床試験途上にあるので、それが最終的に臨床的に有益であると証明できる程度までになっているかは不明である。トラスツズマブについて、一方で例えば化学療法単独と比較して化学療法との併用した場合の遷延した生存率などの点から、それは臨床の有益性を示しているが、HER2陽性の乳癌患者の大多数がそれにも関わらず非反応者であることが分かった(45% overall response rate for Herceptin + chemotherapy vs. 29% for chemotherapy alone; Prescribing Information for Herceptin, Genentech, March 2009)。同様の結果は、N Engl J Med(2001)、344(11):783-92のSlamon らによって記述されている、彼らはさらに、化学療法単独(22%対33%、P=0.008)、またより長い中央値生存(25.1対20.3か月、P=0.046)と比較してハーセプチンと化学療法の組み合わせが1年内の死亡率低下に帰着したことも記述している。したがって、その一方でHER2に対するモノクローナル抗体療法は、例えばHER2を過剰発現する転移性乳癌で改善された治療を提供すると示されているが、まだ相当な改良の余地がある。
本発明は、HER2受容体をターゲットとする新規な組み換え型抗体、ならびにこれらの抗体の2つ以上を含む組成物、およびヒト癌治療(例えば、HER2を過剰発現する乳癌、卵巣癌、胃癌および他の癌の治療)のための該抗体および組成物の使用を目的とする。HER2またはEGFR群の他の受容体に対する利用可能なモノクローナル抗体を含むそのような癌の現在利用可能な治療法と比較して、本発明の抗体は単独で、好ましくは2つ以上のそのような抗体を含む組成物において、また所望により他の治療(例えば化学療法)と組み合わせて、優れた臨床反応をもたらし得ると考えられる。
1つの態様では、本発明は、抗体4380/4381、4382、4383、4384、4385、4386、4387、4517、4518および4519として本明細書に参照される抗体、ならびにそれらのヒト化変異体に基づいた新規な組み換え型抗HER2抗体に関する。1つの実施形態では、本発明のこの態様は、抗体4380/4381、4382、4383、4384、4385、4386、4387、4517、4518および4519として本明細書に参照される抗体のうちのいずれか1つの重鎖CDR3配列を含む組み換え型抗HER2抗体分子に関する。
本発明のこの態様のさらなる実施形態は次のものを含む:抗体4380/4381、4382、4383、4384、4385、4386、4387、4517、4518および4519のうちのいずれか1つの重鎖CDR3配列および軽鎖CDR3配列を含む組み換えの抗HER2抗体分子;これらの抗体のうちのいずれか1つの重鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列および軽鎖CDR1、CDR2とCDR3の配列を含む組み換え型抗HER2抗体分子;およびこれらの抗体のうちのいずれか1つの重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む、またはこれらの抗体のうちのいずれか1つの抗体の重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%、85%、90%または95%の配列同一性(例えば、少なくとも96%、97%、98%または99%の配列同一性)を含む重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む組み換え型抗HER2抗体。
本発明の別の態様は第1および第2組み換えの抗HER2抗体を少なくとも含む組み換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は、HER2の異なるエピトープと結合し、および第1および第2の抗体の1つまたは両方は、上に概説した抗体のグループから選択される。
本発明のさらなる態様は、HER2の別個のエピトープと結合する第1、第2、および第3の組み換え型個体抗HER2抗体を含む組み換え型ポリクローナル抗HER2抗体組成物に関係がある、ここでHER2に第1、第2の抗体を結合させることはHER2受容体インターナリゼーションに帰着し、およびHER2に第3の抗体を結合させることはHER3のリガンド誘導燐酸化の抑制に帰着する。
本発明のさらなる態様は、抗ガン剤に抱合した本発明の組み換え型抗HER2抗体を含む免疫複合体に関する。関連する態様は、本発明の少なくとも第1および第2の組み換え型抗HER2抗体を含む組成物に関し、ここで前記組成物中の少なくとも1つの抗HER2抗体は免疫複合体である。
本発明のさらなる態様は、本発明の抗HER2抗体をコードするヌクレオチド配列を有する核酸分子、同様にそのような発現ベクターでトランスフェクトされたポリヌクレオチドおよび宿主細胞を含む発現ベクターに関する。
本発明の更にさらなる態様は、本発明の抗体およびポリクローナル抗体組成物を産生する方法に関する。
本発明のなおさらなる態様は、対象へ本発明の抗HER2抗体または組成物を投与することによる、ヒトまたは動物の対象の疾患を治療するための、特にヒトの癌の治療のための方法に関する。関連する態様は、ヒトまたは動物の対象の疾患を治療、特にヒトの癌の治療に使用される薬剤の調製のための本発明の1つ以上の抗HER2抗体の使用である。
本発明のなおさらなる態様は、HER2を過剰発現する細胞の表面上のHER2のインターナリゼーションを誘導する方法に関し、この方法は、細胞を、本発明の組み換え型抗HER2抗体または免疫複合体または組み換え型抗HER2に抗体組成物と接触させることを含む。
本発明の追加の態様および特定の実施形態は以下の記述と実施例から明白になる。
本発明の抗HER2抗体を結合する代表的なエピトープからの結果を示す図である。 図2A、2B、2Cおよび2Dは、本発明の2つ、3つのまたは4つの抗HER2抗体を含む抗体混合物によって誘導されたN87とSKBR3の癌細胞株の2つの異なる抗体濃度の相対的なADCCパーセントを示す図である。 図3A、3B、3Cおよび3Dは、本発明の2つまたは3つの抗HER2抗体の混合物の使用するN87とSKBR3の細胞のADCCの測定値を示す図である。 本発明の2つ、3つのまたは4つ抗HER2抗体を含んでいる抗体混合物によって誘導されたN87細胞の中でのCDCの測定値を示す図である。 本発明の2つまたは3つの抗HER2抗体の混合を使用して、N87細胞の中でのCDCの測定値を示す図である。 N87胃癌細胞株の代謝活性の阻害に関する本発明の4つの異なる抗体混合物の滴定の結果を示す図である。 HCC202乳癌細胞株の代謝活性の阻害に関する本発明の4つの異なる抗体混合物の滴定の結果を示す図である。 BT474乳癌細胞系統の代謝活性の阻害に関する本発明の4つの異なる抗体混合物の滴定の結果を示す図である。 ZR-75-30乳癌細胞株の代謝活性の阻害に関する本発明の4つの異なる抗体混合物の滴定の結果を示す図である。 ヌードマウスNCI-N87胃癌異種移植片モデルの中で本発明の抗HER2抗体混合物の生体内の効能を示す図である。 ヌードマウスOE19胃癌異種移植片モデルの中で本発明の抗HER2抗体混合物の生体内の効能を示す図である。 指示された抗体または抗体混合物で一晩の処置の後に、さらに15分間Heregulinベータで刺激した、細胞株NCI-N87のEGFR、pEGFR、HER2、pHER2、HER3およびpHER3レベルのウエスタンブロット解析を示す図である。 図13Aは、ヒト癌で腫瘍形成性のシグナル伝達中のHER2ホモ二量体およびHER2/HER3ヘテロ二量体の別個の役割だが相互関係がある役割を示す図である。図13Bは、本発明の3つの抗HER2抗体の混合によって両方の経路のシャット・ダウンのための提案された機序を説明する図である。ここでは、第3の抗体がHER2/HER3ヘテロ二量体によって代償性のシグナル伝達を閉鎖する間に、抗体の内の2つはHER2インターナリゼーションおよび分解が誘導される。 指示された抗体および抗体混合物での一夜の治療後の癌細胞株ZR-75-30、NCI-N87、BT474およびHCC202のHER2レベルのウエスタンブロット解析を示す図である。 指示された抗体および抗体混合物での一晩の治療後の癌細胞株HCC202およびNCI-N87のHER2とHER3のレベルのウエスタンブロット解析を示す図である。 指示されたモノクローナル抗体または抗体混合物の10μg/mlで48時間インキュベーションした後の細胞株OE19、N87、ZR-75-30、BT474およびHCC202のHER2レベルのウエスタンブロット解析を示す図である。 NCI-N87胃癌細胞株の代謝活性の阻害に関する異なる抗体混合物の滴定の結果を示す図である。 BT474乳癌細胞株の代謝活性の阻害に関する異なる抗体混合物の滴定の結果を示す図である。 HCC202乳癌細胞株の代謝活性の阻害に関する異なる抗体混合物の滴定の結果を示す図である。
定義
用語「抗体」または「抗体分子」は、血清の機能構成成分について記述し、分子(抗体または免疫グロブリン)のコレクションまたは1つの分子(抗体分子か免疫グロブリン分子)としてしばしば参照される。抗体は、特定の抗原決定基(抗原または抗原エピトープ)に結合するかまたは反応することができる。それは、次には免疫学のエフェクター機序の誘導に結びつくことがある。個々の抗体は通常単一特異的に見なされる、また抗体の組成物はモノクローナル(即ち、同一の抗体分子から構成される)であってもよく、またはポリクローナル(即ち、同じ抗原どころか別個の異なる抗原上で同じか異なるエピトープと反応する2つ以上の異なる抗体から構成される)であってもよい。抗体にはそれぞれそれが特にその対応する抗原に特異的に結合を可能にするユニークな構造がある。また自然抗体にはすべて2つの同一の軽鎖および2つの同一の重鎖の全体的にみて同じ基本構造がある。抗体も、集団的に免疫グロブリンとして知られている。
本明細書に使用される用語「抗体」または「(複数の)抗体」は、キメラのおよび単一の鎖抗体、および抗体の結合性断片、例えばFabフラグメント、Fvフラグメントまたは単鎖Fv(scFv)フラグメント、および多量体の形態、例えば二量体のIgA分子または五価のIgM を含むようにさらに意図されている。抗体は、ヒトまたは非ヒト起源のもの、例えばネズミ科または他のげっ歯動物由来の抗体であってもよく、または、例えばネズミ科の抗体に基づく、キメラ、ヒト化もしくは再形成された(reshaped)抗体であってもよい。
抗体の重鎖はそれぞれ典型的には重鎖可変領域(VH)および重鎖不変部領域を含んでいる。重鎖不変部領域は、CH1、CH2およびCH3と呼ばれる典型的には3つの領域を含んでいる。抗体軽鎖はそれぞれ典型的には軽鎖可変領域(VL)および軽鎖不変部領域を含んでいる。軽鎖不変部領域はCLと呼ばれて、典型的には単一ドメインを含んでいる。VHとVL部は、超可変性(「超変異部」(それらは連続的におよび/または構造的に規定されたループの中で超可変であり得る)の部位へさらに細分されることがある。これらは相補性決定領域(CDR)とも称されるものであり、フレームワーク領域(FR)と称されるより保存された領域と共に散在している。VHおよびVLはそれぞれ、次の順にアミノ末端からカルボキシ終点へ配置されていて、典型的には3つのCDRおよび4つのFRを含んでいる:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。番号は、Kabat付番方式(Kabat et al.(1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed.Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD, USA)として知られている標準化された番号付け方法を使用して、可変領域のアミノ酸残基にしばしば付けられる。
付録の配列表では、軽鎖(LC)DNAおよびアミノ酸配列は軽鎖可変領域(VL)配列およびヒトのカッパ不変部領域配列の両方を含んでいる。実施例1において下に言及されるように、ヒトのカッパ不変部領域は、アミノ酸TVAAP (スレオニン、バリン、アラニン、アラニン、プロリン)で始まり、アミノ酸NRGEC(アスパラギン、アルギニン、グリシン、グルタミン酸、システイン)を備えたC末端の端部で終わる。したがって、本明細書において使用される用語「軽鎖可変領域配列」または「VL」は、ヒトのカッパ不変部領域(つまりアミノ酸TVAAPの前の)の開始前の配列表の中の軽鎖配列のN末端部分を参照すると理解される。
抗体全体のコンテキスト中で本明細書に使用される抗体番号、例えば「抗体4517」は、例に述べられていた特異抗体を指し、さらに付録の配列表中に限定される。例えば、抗体4517は、配列番号2の中で明記された重鎖可変領域を含む重鎖および配列番号44の中で明記されたIGHG1重鎖不変部領域、および配列番号4の中で明記された配列を持つ軽鎖を備えた抗体であり、ここで上に説明される軽鎖配列は軽鎖可変領域配列(配列番号4の残基1-110)およびヒトのカッパ不変部領域配列(配列番号4の残基111-216)の両方を含んでいる。
抗体が本明細書に記載した特定の抗体に「由来する」または「基づく」という場合、これは「由来した」抗体が、特定のコンテキストによって以下を含むことを意味する:前記特定の抗体の重鎖CDR3配列;重鎖CDR3配列および前記特定の抗体の軽鎖CDR3配列;重鎖CDR1、CDR2およびCDR3の配列、および前記特定の抗体の軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3の配列;または前記特定の抗体の重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列、または前記重鎖可変領域配列および/または軽鎖可変領域配列のヒト化された変異体、重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%、85%、90%または95%の配列同一性(例えば、少なくとも96%、97%、98%または99%の配列同一性)を持つ重鎖および/または軽鎖可変領域の配列。本明細書に記載された特定の抗体に由来するかそれに基づく抗体は、一般に前記特定の抗体と同じHER2エピトープと結合し、好ましくは前記特定の抗体と本質的に同じ活動を示す。
抗体の目標抗原との相互作用の特異性は、主として重鎖および軽鎖の6つのCDRにあるアミノ酸残基に存在する。したがって、CDRの内のアミノ酸配列は、CDRの外側の配列より個々の抗体間ではるかにより可変である。CDR配列がほとんどの抗体抗原相互作用の原因であるので、異なる抗体からのフレームワーク配列に移植された特異抗体のCDR配列を発現する発現ベクターを構築することによって、特定の自然界に発生する抗体、または一般に指定されたアミノ酸配列を備えた任意の特異抗体の特性を模倣する組み換え型抗体を発現させることは可能である。その結果、非ヒト抗体を「ヒト化」し、かつなお本質的にオリジナルの抗体の結合特異性および親和性を維持することは可能である。ヒト化のさらなる詳細な議論を下に提供する。
「キメラ抗体」とは、その最も広い意味で1つの抗体からの1つ以上の部位および1つ以上の他の抗体からの1つ以上の部位を含んでいる抗体を指す。本明細書に使用される、「キメラ抗体」とは、一般に部分的にヒト由来の、および部分的にヒト以外の由来の(すなわち、一部分非ヒト動物(例えばマウス、他のげっ歯動物、鳥(鶏)に由来)の抗体である。キメラ抗体が、ヒト抗抗体応答(例えばネズミ科の抗体の場合では、ヒト抗マウス抗体応答)の危険を減らすために非ヒト抗体より好まれる。典型的なキメラ抗体の一例は、可変領域配列がマウスの免疫化由来のマウスの配列であり、不変部領域配列がヒト由来の配列である抗体である。キメラ抗体の場合には、ヒト以外の部分、つまり典型的に、可変領域配列のフレームワーク領域は抗体をヒト化するために更なる変化にさらされてもよい。
用語「ヒト化する」とは、抗体が全くまたは部分的にヒト以外の起源(例えば対象とする抗原でマウスを免疫化して得られたネズミ科の抗体またはそのようなネズミ科の抗体に基づいたキメラ抗体)である場合、ヒトの免疫反応を回避するか最小化するために特に重および軽鎖のフレームワーク領域および不変領域で、あるアミノ酸を交換することが可能であるという事実を特に指す。すべての抗体は、ヒト抗抗体反応(それは問題とする抗体の「ヒトらしさ」とある程度まで相関連がある)を誘い出す可能性があることが知られている。正確に免疫原性を、したがって特定の抗体へのヒト抗抗体応答を予測することは可能ではないが、非ヒト抗体はヒト化抗体より免疫原性の傾向がある。外来性の(通常げっ歯動物)不変部領域がヒト起源の配列と取り替えられたキメラ抗体は、一般に完全に外来性の起源の抗体ほど免疫原性でないと示された、また治療用の抗体における傾向はヒト化または完全なヒト抗体への方向に向かっている。したがってキメラ抗体または非ヒト起源の他の抗体については、ヒト抗抗体応答の危険を減らすためにそれらがヒト化されることが好ましい。キメラ抗体については、ヒト化は、典型的には可変領域配列のフレームワーク領域の修正を含んでいる。ある場合には、個々のCDRアミノ酸残基を変化させること(例えば、糖鎖付加部位、アミド分解サイトまたは望まれないシステイン残基を除去するために)が望ましいこともあるが、相補性決定領域(CDR)の一部であるアミノ酸残基は通常、ヒト化に関して変更されないだろう。
抗体配列のヒト化のための多数の方法は当業者の中で知られている;例えば、Almagro & Fransson (2008) Front Biosci.13:1619-1633.の概説を参照されたい。一般に使用される1つの方法はCDR移植であり、例えばネズミ由来のキメラ抗体は、ネズミ科の可変部領域遺伝子に対するヒト生殖細胞系列遺伝子相当物を同定すること、およびネズミ科のCDR配列をこのフレームワークに移植することを含む。CDR移植はKabat CDR定義に基づいてもよい。しかしながら最近の出版(Magdelaine-Beuzelin et al.(2007) Crit Rev.Oncol Hematol.64:210-225))によると、IMGT定義(www.imgt.org)によってヒト化の結果を改善できることを示唆している。CDR移植は、CDRが移植された非ヒト抗体の結合特異性および親和性、そして生物学的活性を減弱し得るため、親抗体の結合特異性および親和性を保持するために、CDRが移植された抗体の選択された位置に逆突然変異を導入してもよい。逆突然変異可能な位置の同定は、文献、および抗体データベースで利用可能な情報をつかって遂行した。逆突然変異の候補であるアミノ酸残基は典型的に抗体分子の表面に位置するものである。一方、埋まっているか低いレベルで外部暴露をしている残基は通常変更されないだろう。CDR移植および逆突然変異への代替ヒト化技術が再浮上している。その中で非ヒト起源の表面の非露出した残基は保存されるが、一方、表面の残基がヒト残基に変更される。
上に指摘したように、本発明は、ヒト化された抗体、即ち、そうでなければヒト化に供されたと記述された抗体を包含する。これらは、本発明の抗体の「ヒト化変異体」とも称し得る。特に、任意の特定アミノ酸配列に関して本明細書に使用される用語「重鎖可変領域配列」および「軽鎖可変領域配列」は、その特異的配列だけでなくそれらのヒト化された任意の変異体を含むように意図されている。
本明細書において使用される場合、例えば、参照配列と少なくとも80%、85%、90%または95%の配列同一性(例えば、少なくとも96%、97%、98%または99%の配列同一性)を持つ特定の重鎖または軽鎖可変領域配列と比べて、特定の最低レベルの配列同一性を備えた重鎖可変領域配列または軽鎖可変領域配列への言及は、そのような参照配列のヒト化変異体を含むことを意図しているが、それに限定されるものではない。
用語「組み換え型抗体」は、抗体のコード配列を含む1つの発現ベクター(または恐らく1つ以上の発現ベクター、典型的には2つの発現ベクター)でトランスフェクトされた細胞もしくは細胞株から発現した抗体を指し、ここで、前記コード配列は天然にはその細胞に関連していないものである。
用語「ベクター」は、異なる遺伝環境間の輸送およびまたは宿主細胞内での発現のために核酸配列を挿入することができる核酸分子を指す。核酸配列(少なくとも適切なプロモータ)の転写用の制御要素を運ぶベクターは1つの「発現ベクター」と呼ぶ。「プラスミド」および「ベクター」という用語は互換的に使用し得る。本発明のコンテキストの中で使用される発現ベクターは、当業者に知られた任意の適切な型(例えばプラスミド、ウイルス・ベクター)であってよい。
用語「ポリクローナル抗体」とは、同じまたは異なる抗原上の異なる特定の抗原決定基に結合することができるか反応することができる、2つ以上の異なる抗体分子の組成物を指す。本発明のコンテキストでは、ポリクローナル抗体の個々の抗体はHER2の異なる抗原決定基に結合する。好ましくは、本発明のポリクローナル抗体の個々の抗体は、HER2の異なるエピトープ、より好ましくは別個の、実質的にオーバーラップしていないエピトープと結合する。ポリクローナル抗体の変異性は、一般に抗体分子の可変領域に位置すると考えられている。「組み換え型ポリクローナル抗HER2抗体組成物」は、HER2と結合する2つ以上のモノクローナル抗体の混合物を含む組成物である。
抗体が異なるアイソタイプとして、例えば、ヒトのアイソタイプ IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2、またはネズミ科のアイソタイプ IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3およびIgAとして存在することは当業者に良く知られている。本発明の抗体は任意のアイソタイプであって良い。本発明のポリクローナル抗体組成物の個々の抗体は、1以上のイソタイプの抗体を含みうるが、それらは好ましくはすべて同じアイソタイプであった方が良い。
「少なくとも第1および第2の組換え型抗HER2抗体」を含む組換え型抗体組成物は、少なくとも特定の抗体の2つを含むだろうが、本明細書に記載された抗HER2抗体の2つ以上を含んでいても良い。ある場合には、そのような組換え型抗体組成物が15または20までのように、比較的多くの個々の抗HER2抗体(例えば10までまたはそれ以上)を含んでいてもよいが、10未満の異なる抗HER2抗体(すなわち、2、3、4、5、6、7、8または9の抗体)を通常含んでいるだろう。本発明の組換え型抗体組成物は典型的には高々約6つの異なる抗HER2抗体を含んでいるだろう。また、多くの場合では、それらは高々4つの異なる抗HER2抗体を含んでいるだろう。好ましい実施形態では、したがって本発明の組換え型抗体組成物は、2つ、3つのまたは4つの異なる抗HER2抗体、典型的には2つまたは3つの異なる抗HER2抗体を含むものである。
用語「CDR」または「相補性決定領域」は、主として抗体の結合特異性の決定に関与する抗体の可変ドメインにおいて見いだされる「超可変の」領域を指す。Lefranc et al (2003), IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor variable domains and Ig superfamily V-like domains, Dev. Lefranc et al (2003), IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor variable domains and Ig superfamily V-like domains, Dev.27, 55-77に記載の定義を参照されたい。抗体の重および軽鎖の各々は、CDR1、CDR2、および最も大きな変異性を示すCDR3と呼ばれる3つのCDR部位を含んでいる。
用語「エピトープ」は、動物における抗原活性または免疫原活性を持っている、より大きな分子(例えば抗原または抗原部位)の一部について記述するのに使用される。免疫原活性があるエピトープは、動物の抗体産生応答を誘発するより大きな分子の一部である。抗原活性があるエピトープは、当業者に知られている任意の方法によって決定されるように、抗体が免疫特異的に結合するより大きな分子の一部である。抗原エピトープは必ずしも免疫原ではない。抗原は、抗体か抗体フラグメントが免疫特異的に結合する物質である(例えば、毒素、ウイルス、バクテリア、タンパク質、DNA)。もしそれが非常に小さくなければ、抗原か抗原部位はしばしば2以上のエピトープを持っており、多くの場合免疫反応を刺激することができる。エピトープは線形または立体構造でありうる。線形のエピトープは、一般に抗体によって認識される蛋白質分子上の約6〜10の隣接したアミノ酸から成る。対照的に、立体構造のエピトープは、連続的に配列しないアミノ酸から成るが、そこで抗体が特定の三次元構造を認識する。蛋白質分子が三次元構造へ折り畳まれる際、エピトープを形成するアミノ酸は並置され、抗体が立体構造のエピトープを認識することを可能にする。変性蛋白質では、線形のエピトープだけが認識される。立体構造のエピトープは、定義によって折り畳まれたタンパク質の外部上にあるはずである。
用語「別個のエピトープ」は、本発明の2つの異なる抗体が別個のエピトープと結合する場合、抗原結合のために100%未満の競合、好ましくは抗原結合のために80%未満の競合、より好ましくは抗原結合のために50%未満の競合、および最も好ましくはほとんど競合がない、例えば、抗原結合のために約25%未満の競合があるという事実を指す。同じ抗原に対する結合に関して互いと競合することができる抗体は同じエピトープまたはオーバーラップするエピトープと結合し得、または互いの近接している結合部位を持っていてもよい。その結果、競合は立体障害によって主に引き起こされる。抗体ペアの「別個のエピトープ」のための分析は、当該分野で既知の方法によって行なわれてもよく、例えば、HER2および個々の蛍光標識された抗体が発現している細胞上で、FACS(蛍光活性化細胞分類)または他の流動細胞計測法分析のいずれかを使用する抗体を飽和させた条件での結合実験によって行ってもよいし、またはフローセル表面へ捕らえられたか結合したHER2抗原を使用する表面プラズモン共鳴(SPR)によって行っても良い。SPRを使用して、抗体の競争を決定する方法は例に述べられている。
本発明の組成物中の2つの異なる抗HER2抗体が、2つの抗体はそれぞれのエピトープを同時に結合できる抗原結合する十分に低い競合であるという意味で、別個のエピトープはむしろ「非オーバーラップ」といえる。オーバーラップには異なる程度があり、およびそれぞれの抗体がそれらのエピトープを実質的に結合しうる限り、ある程度のオーバーラップの存在にもかかわらずその別個のエピトープは、「非オーバーラップ」と考えうることを当業者は理解するだろう。これは、2つの抗体間の抗原結合の競合が約50%未満である場合、そうであると一般的に考えられている。
同じ抗原上の異なるエピトープに結合する抗体は、エピトープの位置によって抗体が結合する抗原の活性に様々な効果をもつことができる。抗原の活性部位中のエピトープに結合する抗体は、抗原の機能を完全に阻害することがある。しかしながら、異なるエピトープで結合する別の抗体は、抗原それ自体の活性に影響がないか、あってもわずかである。しかしながら、そのような抗体はまだ補体を活性化し、それによって抗原を除去し、同じ抗原上の異なるエピトープに結合する1つ以上の抗体と組み合わさると、相乗効果をもたらすことがある。本発明の文脈では、エピトープは好ましくはHER2の細胞外領域の一部である。本発明の抗原は、好ましくは抗体または抗体フラグメントが免疫特異的に結合する細胞外領域のHER2のタンパク質、ポリペプチドまたはその断片である。HER2付随抗原は、さらに抗体または抗体フラグメントが免疫特異的に結合するHER2ポリペプチドまたはそのフラグメントの細胞外領域のアナログか誘導体であってよい。
用語「免疫グロブリン」は、血液または血清で見られる抗体の混合物の集合的な命名として一般に使用するが、他の出所に由来した抗体の混合物を命名するのに使用してもよい。
用語「同族のVHおよびVLのコードペア」は、同じ抗体産生細胞に含まれるか由来するVHとVLのコード配列のオリジナルのペアについて記述する。したがって、同族のVHとVLのペアとは、そのような細胞が由来するドナーの中でもともと存在するVHおよびVLの対を表す。用語「VHおよびVLのコードペアから発現した抗体」は、抗体または抗体フラグメントが、VHおよびVLコード配列を含むベクター、プラスミドまたは他のポリヌクレオチドから産生されることを示す。同系統のVHとVLのコードペアが、完全抗体またはその安定したフラグメントとして発現する場合、それらはそれらが由来する細胞からもともと発現した抗体の親和性および特異性を保持する。同族のペアのライブラリーも同族のペアのレパートリーかコレクションと名付けられ、個々に維持しても良いし、プールしても良い。
「タンパク質」または「ポリペプチド」とは、長さまたは翻訳後修飾にかかわらず任意のアミノ酸の鎖を意味する。タンパク質は、2つ以上の集合したポリペプチド鎖、タンパク質のフラグメント、ポリペプチド、オリゴペプチドまたはペプチドを含むモノマー(単量体)またはマルチマー(多量体)として存在できる。
用語「ヘッドトゥーヘッドのプロモータ」は、プロモータによって作動させる2つの遺伝子断片の転写が逆方向に生じるように、隣接に位置するプロモータペアを指す。ヘッドトゥーヘッドのプロモータは双方向プロモータとしても知られている。
用語「トランスフェクション」は、細胞へ外来性DNAを導入するという広い用語として本明細書では使用する。用語は、細胞へ外来性DNAを導入する他の機能的に等価な方法、例えば、ドナー細胞および受容体細胞の形質転換、感染、形質導入、融合などをカバーするのが目的である。
用語「HER2」(HER2/neuおよびErbB-2としても知られている)は、「本発明の背景」節に上に述べられているような「ヒト上皮成長因子受容体2」を表わす。本明細書で使用されるように、HER2の変異体、アイソフォームおよび種相同体を含むことを意図している。好ましくは、HER2に本発明の抗体を結合することは、HER2と他のErbBファミリーメンバー(例えばEGFRまたはHER3を備えたヘテロ二量体化)の間のヘテロマーの複合体の形成を阻害することにより、HER2(即ち、典型的に腫瘍細胞)を発現する細胞の増殖を阻害する。
本明細書において使用する場合、用語「増殖阻害」(例えば、細胞に言及して)とは、細胞の増殖(細胞数の増加)または代謝の測定可能な減少を含むように意図している。抗HER2抗体が存在しない状態での同じ細胞の成長と比較して、抗HER2抗体と接触した時の測定可能な減少は、例えば細胞培養での成長の少なくとも約10%の抑制、このましくは少なくとも約20%または30%より大きく、より好ましくは少なくとも約40%または50%(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、99%または100%さえも)の抑制を意味する。
本明細書に使用されるように、用語「二量体化阻害」または「二量体形成阻害」とは、HER2が、例えば、抗HER2抗体が存在しない状態での二量体形成と比較して抗HER2抗体と結合する結果として生じるEGFR、HER3またはHER4と二量体を形成するHER2の能力の任意の測定可能な減少をさす。
本明細書に使用される用語「治療」(処置)とは、徴候または疾病状態を緩和するか、縮小するか、改善するか、根絶する(治癒)ために十分な量の本発明の抗HER2抗体または抗体組成物の投与を指す。本発明の2つ以上の抗HER2抗体の投与は、一般に複数の抗体の同時の投与、好ましくは治療に使用される抗HER2抗体すべて含む組成物の形で投与することによってなされる。しかしながら、さらに本発明の2つ以上の抗HER2抗体を別々に投与することも可能である。例えば、少なくとも2つの抗HER2抗体を含む組換え型抗体組成物を投与するという本明細書の言及は、そういうものとして少なくとも2つの抗体を含む組成物の投与だけでなく抗体の個別の投与も包含するものとして理解すべきである。本発明の2つ以上の抗HER2抗体の組み合わせは、このように同時に連続してまたは別々に投与することができる。
2つの配列(例えば可変領域配列)間のパーセント同一性は、2つの配列の最適な整列のために導入されるに違いないギャップを考慮に入れて、配列((同一の位置の数/位置合計数)x 100)として計算される)によって共有される同一の位置の数を指す。配列の比較、および2つの配列間のパーセント同一性の決定は、容易に利用可能なソフトウェアを使用して遂行されてもよい。適切なソフトウエアプログラムは、様々な出所からオンラインで使用するかおよびダウンロードして、そしてタンパク質とヌクレオチド配列の両方の整列化に利用可能である。適切な1つのプログラムはClustalW(Thompson et al.(1994) Nucleic Acids Res.11;22(22):4673-80)であり、www.clustal.orgから利用可能、または別法として、例えば、ヨーロッパのBioinformatics Institute(www.ebi.ac.uk)(該研究所は、様々な他のタンパク質とヌクレオチドの情報科学ツールをも提供する)から利用可能である。
特定の実施形態
本発明の1つの態様は様々な新規な抗HER2抗体に関する。したがって1つの実施形態では、本発明は抗体4380/4381、4382、4383、4384、4385、4386、4387、4517、4518および4519と本明細書で参照される抗体のうちのいずれか1つの重鎖CDR3配列を含む組換え型抗HER2抗体に関する。
別の実施形態では、本発明は、抗体4380/4381、4382、4383、4384、4385、4386、4387、4517、4518および4519のうちのいずれか1つの重鎖CDR3配列および軽鎖CDR3配列を含む組換え型抗HER2抗体に関する。
別の実施形態では、本発明は、抗体4380/4381、4382、4383、4384、4385、4386、4387、4517、4518および4519のうちのいずれか1つの抗体の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列ならびに軽鎖CDR、CDR2およびCDR3の配列を含む組換え型抗HER2抗体に関する。
さらなる実施形態では、本発明は、抗体4380/4381、4382、4383、4384、4385、4386、4387、4517、4518および4519のうちのいずれか1つの重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む組換え型抗HER2抗体、または前記重鎖および/または軽鎖可変領域配列のヒト化変異体を含む組換え型抗HER2抗体、それぞれが前記重鎖および前記軽鎖可変領域配列と少なくとも80%, 85%, 90% または 95%の配列同一性(例、前記両配列と少なくとも96%, 97%, 98% または99%の配列同一性)を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む組換え型抗HER2抗体に関する。
さらなる実施形態では、本発明は、上に定義した抗体のいずれかと同じエピトープと結合し、かつ、結合に関して該抗体と競合する組換え型抗HER2抗体、ならびに、かかる抗体を1つ以上含む抗体組成物、好ましくはかかる抗体を少なくとも2つ含む抗体組成物、例えば本明細書に記載される2つまたは3つの抗体を含む抗体組成物に関する。
下の表1は、抗体4380/4381、4382、4383、4384、4385、4386、4387、4517、4518および4519の重鎖可変領域(VH)および軽鎖(LC)のDNAおよびアミノ酸配列の、付録の配列表に説明されている配列番号を表す。上に説明したように、配列表中の軽鎖DNAおよびアミノ酸配列は、軽鎖可変領域(VL)配列およびヒトカッパ不変領域配列の両方を含んでいる。
Figure 2016182135
本発明の1つの特定の実施形態は、抗体4517の重鎖CDR3配列を、好ましくは抗体4517の重および軽鎖CDR3配列(例えば、抗体4517の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列)を、または抗体4517の重鎖可変領域配列またはそのヒト化変異体、および軽鎖可変領域配列またはヒト化変異体を、または抗体4517の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む組換え型抗HER2抗体である。
本発明の1つの特定の実施形態は、抗体4518の重鎖CDR3配列を、好ましくは抗体4518の重および軽鎖CDR3配列(例えば、抗体4518の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列)を、または抗体4518の重鎖可変領域配列もしくはそのヒト化変異体、および軽鎖可変領域配列もしくはヒト化変異体を、または抗体4518の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む組換え型抗HER2抗体である。
本発明の1つの別の特定の実施形態は、抗体4380/4381の重鎖CDR3配列を、好ましくは抗体4380/4381の重および軽鎖CDR3配列(例えば、抗体4380/4381の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列)を、または抗体4380/4381の重鎖可変領域配列もしくはそのヒト化変異体、および軽鎖可変領域配列もしくはヒト化変異体を、または抗体4380/4381の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む組換え型抗HER2抗体である。この実施形態では4380が好ましい。
抗体「4380/4381」は、配列番号10および12で表されるVHとLCのアミノ酸配列を備えた抗体を指す。配列番号12で示されるように、位置40のアミノ酸残基はチロシンまたはスレオニンになりえる。抗体4380および4381の間のただ一つの差は、抗体4380ではLC配列の位置40の残基がチロシンで、その一方で抗体4381ではこの位置の残留物がスレオニンであるということである。オリジナルのネズミ科の抗体では、この位置には遊離システインがあった。これらの2つの抗体の中で、4380は一般に好ましい。
本発明の別の特定の1つの実施形態は、抗体4382の重鎖CDR3配列を、好ましくは抗体4382の重および軽鎖CDR3配列(例えば、抗体4382の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列)を、または抗体4382の重鎖可変領域配列もしくはそのヒト化変異体、および軽鎖可変領域配列もしくはヒト化変異体を、または抗体4382の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む組換え型抗HER2抗体である。
本発明の別の特定の1つの実施形態は、抗体4383の重鎖CDR3配列を、好ましくは抗体4383の重および軽鎖CDR3配列(例えば、抗体4383の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列)を、または抗体4383の重鎖可変領域配列もしくはそのヒト化変異体、および軽鎖可変領域配列もしくはヒト化変異体を、または抗体4383の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む組換え型抗HER2抗体である。
本発明の別の特定の1つの実施形態は、抗体4384の重鎖CDR3配列を、好ましくは抗体4384の重および軽鎖CDR3配列(例えば、抗体4384の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列)を、または抗体4384の重鎖可変領域配列もしくはそのヒト化変異体、および軽鎖可変領域配列もしくはヒト化変異体を、または抗体4384の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む組換え型抗HER2抗体である。
本発明の別の特定の1つの実施形態は、抗体4385の重鎖CDR3配列を、好ましくは抗体4385の重および軽鎖CDR3配列(例えば、抗体4385の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列)を、または抗体4385の重鎖可変領域配列もしくはそのヒト化変異体、および軽鎖可変領域配列もしくはヒト化変異体を、または抗体4385の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む組換え型抗HER2抗体である。
本発明の別の特定の1つの実施形態は、抗体4386の重鎖CDR3配列を、好ましくは抗体4386の重および軽鎖CDR3配列(例えば、抗体4386の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列)を、または抗体4386の重鎖可変領域配列もしくはそのヒト化変異体、および軽鎖可変領域配列もしくはヒト化変異体を、または抗体4386の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む組換え型抗HER2抗体である。
本発明の別の特定の1つの実施形態は、抗体4387の重鎖CDR3配列を、好ましくは抗体4387の重および軽鎖CDR3配列(例えば、抗体4387の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列)を、または抗体4387の重鎖可変領域配列もしくはそのヒト化変異体、および軽鎖可変領域配列もしくはヒト化変異体を、または抗体4387の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む組換え型抗HER2抗体である。
本発明の別の特定の1つの実施形態は、抗体4519の重鎖CDR3配列を、好ましくは抗体4519の重および軽鎖CDR3配列(例えば、抗体4519の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列)を、または抗体4519の重鎖可変領域配列もしくはそのヒト化変異体、および軽鎖可変領域配列もしくはヒト化変異体を、または抗体4519の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む組換え型抗HER2抗体である。
別の態様では、本発明は、少なくとも第1と第2の組換え型抗HER2抗体を含む換え型抗体組成物に関し、ここで、第1と第2の抗体は、HER2の別個のエピトープを結合し、およびそこにおいては第1と第2の抗体の各々は上に概説された抗体のグループから選ばれる。本発明のこの態様の1つの実施形態は、このように少なくとも第1と第2の組換え型抗HER2抗体を含む組換え型抗体組成物に関する。ここでは第1とと第2の抗体は、HER2の別個のエピトープを結合し、およびそこにおいては第1と第2の抗体の各々は、抗体4380/4381、4382、4383、4384、4385、4386、4387、4517、4518および4519から成るグループから選ばれた抗体の重鎖CDR3配列を含む。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1と第2の組換え型抗HER2抗体を含む組換え型抗体組成物に関する。ここでは第1と第2の抗体は、HER2の別個のエピトープを結合し、およびそこにおいては第1と第2の抗体の各々は、抗体4380/4381、4382、4383、4384、4385、4386、4387、4517、4518および4519から成るグループから選ばれた抗体の重鎖および軽鎖CDR3配列を含む。
本発明のこの態様の更なる実施形態は、少なくとも第1と第2の組換え型抗HER2抗体を含む組換え型抗体組成物に関する。ここでは第1と第2の抗体は、HER2の別個のエピトープを結合し、およびそこにおいては第1と第2の抗体の各々は、抗体4380/4381、4382、4383、4384、4385、4386、4387、4517、4518および4519から成るグループから選ばれた抗体の重鎖および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む。
本発明のこの態様の更なる実施形態は、少なくとも第1と第2の組換え型抗HER2抗体を含む組換え型抗体組成物に関する。ここで第1と第2の抗体は、HER2の別個のエピトープを結合し、並びに第1と第2の抗体の各々は、抗体4380/4381, 4382, 4383, 4384, 4385, 4386, 4387, 4517, 4518 および 4519から成るグループから選ばれた抗体の重鎖可変領域配列またはそのヒト化変異体および軽鎖可変領域配列またはそのヒト化変異体を含む、または第1と第2の抗体の各々は、抗体4380/4381, 4382, 4383, 4384, 4385, 4386, 4387, 4517, 4518 および 4519から成るグループから選ばれた抗体の重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配のそれぞれと少なくとも80%、85%、90%もしくは95%の配列同一性がある重鎖および軽鎖可変領域配列を含む。
本発明のこの態様のもう1つの実施形態は、少なくとも第1と第2の組換え型抗HER2抗体を含む組換え型抗体組成物である。ここでは第1と第2の抗体は、HER2の別個のエピトープを結合し、並びにそこにおいては第1と第2の抗体の各々は、抗体4380/4381、4382、4383、4384、4385、4386、4387、4517、4518および4519並びにそれらのヒト化変異体から成るグループから選ばれた抗体の重鎖CDR3配列を含む。
本発明のこの態様のもう1つの実施形態は、少なくとも第1と第2の組換え型抗HER2抗体を含む組換え型抗体組成物である。ここでは第1および第2の抗体は、HER2の別個のエピトープを結合し、並びにここで第1および第2の抗体は、抗体4380/4381、4382、4383、4384、4385、4386、4387、4517、4518および4519が結合する同じエピトープに結合し、これらの抗体と結合競合する抗体から成るグループから選ばれた抗体の重鎖CDR3配列を含む。
本発明の更なる実施形態は、HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1と第2の組換え型抗HER2抗体を含む組換え型抗体組成物である、ここで前記抗体の少なくとも1つは以下から成るグループから選ばれる:
(a) 抗体4382の重鎖CDR3配列(配列番号56)および軽鎖CDR3配列(配列番号82)を含む抗体、
(b) 抗体4383の重鎖CDR3配列(配列番号59)および軽鎖CDR3配列(配列番号84)を含む抗体、
(c) 抗体4384の重鎖CDR3配列(配列番号62)および軽鎖CDR3配列(配列番号86)を含む抗体、
(d) 抗体4385の重鎖CDR3配列(配列番号65)および軽鎖CDR3配列(配列番号88)を含む抗体、
(e) 抗体4386の重鎖CDR3配列(配列番号68)および軽鎖CDR3配列(配列番号90)を含む抗体、
(f) 抗体4387の重鎖CDR3配列(配列番号71)および軽鎖CDR3配列(配列番号92)を含む抗体、
(g) 抗体4517の重鎖CDR3配列(配列番号47)および軽鎖CDR3配列(配列番号76)を含む抗体、
(h) 抗体4518の重鎖CDR3配列(配列番号50)および軽鎖CDR3配列(配列番号78)を含む抗体、
(i) 抗体4519の重鎖CDR3配列(配列番号74)および軽鎖CDR3配列(配列番号93)を含む抗体、および
(j) 抗体4380の重鎖CDR3配列(配列番号53)および軽鎖CDR3配列(配列番号80)を含む抗体。
好ましくは、前記第1と前記第2の組換え型抗HER2抗体の両方が上に説明した抗体(a)〜(j)から選ばれる。組成物はさらに少なくとも第3の組換え型抗HER2抗体、好ましくは上の抗体(a)〜(j)から選ばれる抗体を含んでもよい。別の実施形態では、抗体組成物は、HER2の別個のエピトープを結合する少なくとも第1と第2の組換え型抗HER2抗体を含んでもよい、ここで前記第1と前記第2の抗体は、上に説明した抗体(a)〜(j)の内の1つの抗体が結合する同じエピトープを結合し、その抗体と競合する。
本発明のなお更なる実施形態は、HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1と第2の組換え型抗HER2抗体を含む抗体組成物であり、ここで前記抗体の少なくとも1つは以下から成るグループから選ばれる:
(A) 抗体4382の重鎖可変領域(配列番号14)のCDR1、CDR2およびCDR3を含む抗体および軽鎖可変領域(配列番号16)のCDR1、CDR2およびCDR3;
(B) 抗体4383の重鎖可変領域(配列番18)のCDR1、CDR2およびCDR3を含む抗体および軽鎖可変領域(配列番号20)のCDR1、CDR2およびCDR3;
(C) 抗体4384の重鎖可変領域(配列番号22)のCDR1、CDR2およびCDR3を含む抗体および軽鎖可変領域(配列番号24)のCDR1、CDR2およびCDR3;
(D) 抗体4385の重鎖可変領域(配列番号26)のCDR1、CDR2およびCDR3を含む抗体および軽鎖可変領域(配列番号28)のCDR1、CDR2およびCDR3;
(E) 抗体4386の重鎖可変領域(配列番号30)のCDR1、CDR2およびCDR3を含む抗体および軽鎖可変領域(配列番号32)のCDR1、CDR2およびCDR3;
(F) 抗体4387の重鎖可変領域(配列番号34)のCDR1、CDR2およびCDR3を含む抗体および軽鎖可変領域(配列番号36)のCDR1、CDR2およびCDR3;
(G) 抗体4517の重鎖可変領域(配列番号2)のCDR1、CDR2およびCDR3を含む抗体および軽鎖可変領域(配列番号4)のCDR1、CDR2およびCDR3;
(H) 抗体4518の重鎖可変領域(配列番号6)のCDR1、CDR2およびCDR3を含む抗体および軽鎖可変領域(配列番号8)のCDR1、CDR2およびCDR3;
(I) 抗体4519の重鎖可変領域(配列番号38)のCDR1、CDR2およびCDR3を含む抗体および軽鎖可変領域(配列番号40)のCDR1、CDR2およびCDR3; および
(J) 抗体4380の重鎖可変領域(配列番号10)のCDR1、CDR2およびCDR3を含む抗体および軽鎖可変領域(配列番号12)のCDR1、CDR2およびCDR3。
この実施形態で、第1と第2の組換え型抗HER2抗体の両方が、好ましくは上に説明した抗体(A)〜(J)から選ばれる。組成物は、さらに少なくとも第3の組換え型抗HER2抗体、好ましくは上に説明した抗体(A)〜(J)から選ばれる抗体を含んで良い。別の実施形態では、抗体組成物は、HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1と第2の組換え型抗HER2抗体を含んでもよく、ここで、前記第1と前記第2の抗体は、上に説明した抗体(A)〜(J)の内の1つの抗体が結合する同じエピトープと結合し、その抗体と競合する。
本発明のこの態様の1つの特定の実施形態は、少なくとも第1と第2の組換え型抗体を含む組換え型抗体の組成物に関し、ここで、第1と第2の抗体は:
抗体4380および4382、またはそのヒト化された変異体;
抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4382の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4382の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4382の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4382の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体; または、
抗体4380の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4382の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様のさらなる実施形態は、抗体4380および4382に基づく組成物に関し、少なくとも1つの追加の抗体、特に4385、4517および4518に基づいた抗体から選択された抗体を含む。そのような1つの実施形態は、第1、第2および第3の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関係し、ここで、第1、第2および第3の抗体は:
抗体4380、4382および4385、またはそのヒト化変異体;
抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4382の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4385の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4382の重い配列および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4385の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、抗体4382の重い配列および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4385の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4382の重い配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4385の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または
抗体4380の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4382の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4385の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
別のそのような実施形態は、第1、は第2および第3の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関係し、ここで第1、第2および第3の抗体は:
抗体4380、4382および4517、またはそのヒト化変異体;
抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4382の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4382の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、並びに抗体4517の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、抗体4382の重い配列および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4382の重い配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または
抗体4380の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4382の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4517の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
別のそのような実施形態は、第1、第2および第3の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1、第2および第3の抗体は:
抗体4380、4382および4518、またはそのヒト化変異体;
抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4382の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4382の重い配列および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、抗体4382の重い配列および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4382の重い配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または
抗体4380の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4382の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4518の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
1つの更なる実施形態は、第1、は第2、第3および第4の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1、は第2、第3および第4の抗体は:
抗体4380、4382、4385および4518、またはそのヒト化変異体;
抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4382の重鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4385の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4382の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4385の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、並びに抗体4518の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、抗体4382の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、抗体4385の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、並びに抗体4518の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;または
抗体4380の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4382の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4385の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4518の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;
抗体4380の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4382の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4385の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4518の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
別のそのような実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4380および4383、またはそのヒト化変異体;
抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4383の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4383の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4383の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4383の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4380の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4383の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の更なるの実施形態は、抗体4380および4383に基づき、少なくとも1つの追加の抗体を含む組成物に関する。そのような1つの実施形態は、第1、第2および第3の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで、第1、第2および第3の抗体は:
抗体4380、4383および4384、またはそのヒト化変異体;
抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4383の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4384の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4383の重い配列および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4384の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、抗体4383の重い配列および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4384の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4383の重い配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4384の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または
抗体4380の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4383の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4384の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
別のそのような実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4380および4384、またはそのヒト化変異体;
抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4384の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4384の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4384の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4384の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4380の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4384の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様のさらなる実施形態は、抗体4380および4384に基づいた組成物、特に4385、4517、4518および4519に基づいた抗体から選ばれた少なくとも1つの追加の抗体を含む組成物に関する。そのような1つの実施形態は、第1、第2および第3の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで、第1、第2および第3の抗体は:
抗体4380、4384および4517、またはそのヒト化変異体;
抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4384の重い配列および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、抗体4384の重い配列および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4384の重い配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または
抗体4380の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4384の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4517の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
別のそのような実施形態は、第1、第2および第3の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1、第2および第3の抗体は:
抗体4380、4384および4518、またはそのヒト化変異体;
抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4384の重い配列および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、抗体4384の重い配列および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4384の重い配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または
抗体4380の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4384の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4518の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
別のそのような実施形態は、第1、第2および第3の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1、第2および第3の抗体は:
抗体4380、4384および4519、またはそのヒト化変異体;
抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4384の重い配列および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、抗体4384の重い配列および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4384の重い配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または
抗体4380の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4384の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4519の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
1つのなお更なる実施形態は、第1、は第2、第3および第4の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1、は第2、第3および第4の抗体は:
抗体4380、4384、4385および4518、またはそのヒト化変異体;
抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4384の重鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4385の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4384の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4385の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、並びに抗体4518の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、抗体4384の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、抗体4385の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、並びに抗体4518の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、
抗体4380の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4384の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4385の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4518の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または
抗体4380の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4384の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4385の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4518の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4380および4385、またはそのヒト化変異体;
抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4385の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4385の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4385の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4385の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4380の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4385の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4380および4386、またはそのヒト化変異体;
抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4386の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4386の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4386の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4386の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4380の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4386の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4380および4387、またはそのヒト化変異体;
抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4387の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4387の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4387の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4387の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4380の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4387の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4380および4517、またはそのヒト化変異体;
抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4380の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4517の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4380および4518、またはそのヒト化変異体;
抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4380の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4518の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4380および4519、またはそのヒト化変異体;
抗体4380の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4380の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4380の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4519の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4382および4384、またはそのヒト化変異体;
抗体4382の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4384の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4384の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4384の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4384の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4382の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4384の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本明細書のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4382および4385、またはそのヒト化変異体;
抗体4382の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4385の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4385の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4385の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4385の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4382の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4385の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の更なるの実施形態は、抗体4382および4385に基づき、少なくとも1つの追加の抗体を含む組成物に関する。そのような1つの実施形態は、第1、第2および第3の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで、第1、第2および第3の抗体は:
抗体4382、4385および4518、またはそのヒト化変異体;
抗体4382の重鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4385の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4385の重い配列および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、抗体4385の重い配列および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4385の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4518の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;
抗体4382の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4385の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4518の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4382および4386、またはそのヒト化変異体;
抗体4382の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4386の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4386の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4386の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4386の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4382の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4386の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4382および4387、またはそのヒト化変異体;
抗体4382の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4387の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4387の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4387の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4387の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4382の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4387の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の更なるの実施形態は、抗体4382および4387に基づき、少なくとも1つの追加の抗体を含む組成物に関する。そのような1つの実施形態は、第1、第2および第3の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで、第1、第2および第3の抗体は:
抗体4382、4387および4517、またはそのヒト化変異体;
抗体4382の重鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4387の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、抗体4387の重い配列および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、抗体4387の重い配列および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4387の重い配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または
抗体4382の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、抗体4387の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4517の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4382および4517、またはそのヒト化変異体;
抗体4382の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4382の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4517の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4382および4518、またはそのヒト化変異体;
抗体4382の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4382の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4382の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4518の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4383および4384、またはそのヒト化変異体である;
抗体4383の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4384の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4383の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4384の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4383の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4384の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4383の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4384の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4383の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4384の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4383および4385、またはそのヒト化変異体;
抗体4383の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4385の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4383の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4385の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4383の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4385の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4383の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4385の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4383の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4385の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4383および4386、またはそのヒト化変異体;
抗体4383の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4386の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4383の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4386の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4383の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4386の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4383の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4386の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4383の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4386の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4383および4517、またはそのヒト化変異体;
抗体4383の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4383の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4383の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4383の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4383の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4517の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4383および4518、またはそのヒト化変異体;
抗体4383の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4383の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4383の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4383の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4383の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4518の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4383および4519、もしくはそのヒト化変異体;
抗体4383の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4383の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4383の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4383の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4383の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4519の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本明細書のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4384および4385、もしくはそのヒト化変異体;
抗体4384の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4385の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4384の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4385の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4384の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4385の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4384の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4385の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4384の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4385の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4384および4387、もしくはそのヒト化変異体;
抗体4384の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4387の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4384の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4387の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4384の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4387の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4384の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4387の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4384の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4387の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4384および4517、もしくはそのヒト化変異体;
抗体4384の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4384の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4384の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4384の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4384の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4517の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4384および4519、もしくはそのヒト化変異体;
抗体4384の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4384の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4384の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4384の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4384の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4519の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4385および4386、もしくはそのヒト化変異体;
抗体4385の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4386の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4385の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4386の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4385の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4386の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4385の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4386の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4385の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4386の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4385および4517、もしくはそのヒト化変異体;
抗体4385の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4385の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4385の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4385の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4385の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4517の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4385および4518、もしくはそのヒト化変異体;
抗体4385の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4385の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4385の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4385の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4385の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4518の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4385および4519、もしくはそのヒト化変異体;
抗体4385の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4385の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4385の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4385の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4385の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4519の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4386および4387、もしくはそのヒト化変異体;
抗体4386の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4387の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4386の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4387の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4386の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4387の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4386の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4387の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4386の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4387の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4386および4517、もしくはそのヒト化変異体;
抗体4386の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4386の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4386の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4386の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4386の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4517の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4386および4518、もしくはそのヒト化変異体;
抗体4386の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4386の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4386の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4386の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4386の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4518の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4386および4519、もしくはそのヒト化変異体;
抗体4386の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4386の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4386の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4386の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4386の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4519の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4387および4517、もしくはそのヒト化変異体;
抗体4387の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4387の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4387の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4387の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4517の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4387の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4517の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4387および4518、もしくはそのヒト化変異体;
抗体4387の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4387の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4387の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4387の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4518の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4387の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4518の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4387および4519、もしくはそのヒト化変異体;
抗体4387の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4387の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4387の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4387の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4387の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4519の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4517および4519、もしくはそのヒト化変異体;
抗体4517の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4517の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4517の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4517の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4517の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4519の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
本発明のこの態様の別の実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗体含む組換え型抗体組成物に関し、ここで第1および第2の抗体は:
抗体4518および4519、もしくはそのヒト化変異体;
抗体4518の重鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4518の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖CDR3配列を含む抗体;
抗体4518の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む抗体;
抗体4518の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体、および抗体4519の重および軽鎖可変領域配列を含む抗体;または、
抗体4518の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、並びに抗体4519の重鎖および軽鎖可変領域配列のそれぞれと少なくとも80%, 85%, 90% もしくは 95%の配列同一性を持っている重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列を含む抗体、である。
従って、本発明による好ましい組換え型ポリクローナル抗HER2抗体組成物は、第1および第2の抗体がそれぞれ、以下の抗体であるものを含んでいる:
4380および4382、
4380および4383、
4380および4384、
4380および4385、
4380および4386、
4380および4387、
4380および4517、
4380および4518、
4380および4519、
4382および4384、
4382および4385、
4382および4386、
4382および4387、
4382および4517、
4382および4518、
4383および4384、
4383および4385、
4383および4386、
4383および4517、
4383および4518、
4383および4519、
4384および4385、
4384および4387、
4384および4517、
4384および4519、
4385および4386、
4385および4517、
4385および4518、
4385および4519、
4386および4387、
4386および4517、
4386および4518、
4386および4519、
4387および4517、
4387および4518、
4387および4519、
4517および4519、
4518および4519;
もしくはそれらのヒト化変異体;またはリストされた各ペア中のそれぞれの抗体に由来する抗体であって、例えば第1と第2の抗体が前記抗体の重鎖CDR3配列を含んでいるか、または第1と第2の抗体が前記抗体の重鎖および軽鎖CDR3配列を含むか、または第1と第2の抗体が前記抗体の重鎖および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含むもの、例えば、前記抗体またはそのヒト化変異体の重鎖および軽鎖可変領域配列を含むもの。
本発明によるより好ましい組換え型ポリクローナル抗HER2抗体組成物は、以下の組み合わせの中から選択された2つ、3つのまたは4つの抗体を含むものである:
4380および4382、
4380および4384、
4380および4518、
4382および4385、
4382および4518、
4383および4518、
4384および4385、
4384および4517、
4385および4518、
4380、4382および4385、
4380、4382および4517、
4380、4382および4518、
4380、4383および4384、
4380、4384および4517、
4380、4384および4518、
4380、4384および4519、
4382、4385および4518、
4382、4387および4517、
4380、4382、4385および4518、
4380、4384、4385および4518;
もしくはそれらのヒト化変異体;またはリストされた各組み合わせ中のそれぞれの抗体に由来する抗体であって、例えば個々の抗体が前記抗体の重鎖CDR3配列を含むか、または個々の抗体が前記抗体の重鎖および軽鎖CDR3配列を含むか、または個々の抗体が前記抗体の重鎖および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含むもの、例えば、前記抗体またはそのヒト化変異体の重鎖および軽鎖可変領域配列を含むもの。
本発明によるなおより多くの好ましい組換え型ポリクローナル抗HER2抗体組成物は、以下の組み合わせの中から選択された2つもしくは3つの抗体を含むものである:
4382および4518、
4384および4517、
4382、4385および4518、
4382、4387および4517;
もしくはそれらのヒト化変異体;またはリストされた各組み合わせ中のそれぞれの抗体に由来する抗体であって、例えば個々の抗体が前記抗体の重鎖CDR3配列を含むか、または個々の抗体が前記抗体の重鎖および軽鎖CDR3配列を含むか、または個々の抗体が前記抗体の重鎖および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含むもの、例えば、前記抗体またはそのヒト化変異体の重鎖および軽鎖可変領域配列を含むもの。
1つの更なる実施形態は、少なくとも第1および第2の組換え型抗HER2抗体を含む組換え型抗体組成物であり、ここで、第1および第2の抗体がHER2の別個のエピトープに結合する。および第1および第2の抗体は、上にリストされた各組成物中のそれぞれの抗体が結合するのと同じエピトープに結合する。
1つの好ましい態様では、本発明の組換え型ポリクローナル抗HER2抗体組成物は、HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも3つの抗HER2抗体を含むものであり、より好ましくは、HER2と第1および第2の抗体との結合によりHER2受容体インターナリゼーションが生じ、かつ、HER2と第3の抗体との結合によりHER3のリガンド誘導燐酸化の阻害が生じるものである。このタイプの抗体組成物は、上記の抗体2つが細胞の表面上のHER2に結合すると細胞表面上に架橋結合した抗体受容体格子を生成させ得、それによってHER2受容体インターナリゼーションのレベルが増加するのに寄与し、かつ、第3の抗体がHER2と結合してHER2とHER3の間のヘテロダイマー化を遮断し、それによってHER3燐酸化を阻害するという機序によって機能すると考えられる。
そのような組換え型ポリクローナル抗体組成物の一例は、第1の抗HER2抗体が4517もしくは4518であり、第2の抗HER2抗体は4380、4385または4387であり、かつ、第3の抗HER2抗体は4382、4383または4519であるもの;
もしくはそれらのヒト化変異体;またはそれぞれの抗体に由来する抗体であって、例えば第1、第2および第3の抗体が前記抗体の重鎖CDR3配列を含むか、または第1、第2および第3の抗体が前記抗体の重鎖および軽鎖CDR3配列を含むか、または第1、第2および第3の抗体が前記抗体の重鎖および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含むもの、例えば、前記抗体またはそのヒト化変異体の重鎖および軽鎖可変領域配列を含むものである。
このタイプの好ましい組換え型ポリクローナル抗体組成物の例は、第1および第2の抗HER2抗体が4518+4385または4517+4387であり、第3の抗HER2抗体は4382である組成物;
もしくはそれらのヒト化変異体;またはそれぞれの抗体に由来する抗体であって、例えば第1、第2および第3の抗体が前記抗体の重鎖CDR3配列を含むか、または第1、第2および第3の抗体が前記抗体の重鎖および軽鎖CDR3配列を含むか、または第1、第2および第3の抗体が前記抗体の重鎖および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含むもの、例えば、前記抗体またはヒト化変異体の重鎖および軽鎖可変領域配列を含むものを含んでいる。
1つの特定の実施形態では、従って本発明は、HER2の別個のエピトープと結合する第1、第2および第3の抗HER2抗体含む抗体組成物に関し、ここで:
(a)第1の抗HER2抗体は以下のものを含む:
抗体4517の重鎖CDR3配列(配列番号47)および軽鎖CDR3配列(配列番号76)、または
抗体4518の重鎖CDR3配列(配列番号50)および軽鎖CDR3配列(配列番号78);
(b)第2の抗HER2抗体は以下のものを含む:
抗体4380の重鎖CDR3配列(配列番号53)および軽鎖CDR3配列(配列番号80)、
抗体4385の重鎖CDR3配列(配列番号65)および軽鎖CDR3配列(配列番号88)、または
抗体4387の重鎖CDR3配列(配列番号71)および軽鎖CDR3配列(配列番号92);並びに
(c)第3の抗HER2抗体は以下のものを含む:
抗体4382の重鎖CDR3配列(配列番号56)および軽鎖CDR3配列(配列番号82)、
抗体4383の重鎖CDR3配列(配列番号59)および軽鎖CDR3配列(配列番号84)、または
抗体4519の重鎖CDR3配列(配列番号74)および軽鎖CDR3配列(配列番号93)。
好ましい実施形態では、抗体組成物は、HER2の別個のエピトープと結合する第1、第2および第3の抗HER2抗体を含み、ここで
(a)第1の抗HER2抗体は以下のものを含む:
抗体4517の重鎖可変領域(配列番号2)のCDR1、CDR2およびCDR3、並びに軽鎖可変領域(配列番号4)のCDR1、CDR2およびCDR3、または
抗体4518の重鎖可変領域(配列番号6)のCDR1、CDR2およびCDR3、並びに軽鎖可変領域(配列番号8)のCDR1、CDR2およびCDR3;
(b)第2の抗HER2抗体は以下のものを含む:
抗体4380の重鎖可変領域(配列番号10)のCDR1、CDR2およびCDR3、並びに軽鎖可変領域(配列番号12)のCDR1、CDR2およびCDR3、
抗体4385の重鎖可変領域(配列番号26)のCDR1、CDR2およびCDR3、並びに軽鎖可変領域(配列番号28)のCDR1、CDR2およびCDR3、または
抗体4387の重鎖可変領域(配列番号34)のCDR1、CDR2およびCDR3、並びに軽鎖可変領域(配列番号36)のCDR1、CDR2およびCDR3;並びに
(c)第3の抗HER2抗体は以下のものを含む:
抗体4382の重鎖可変領域(配列番号14)のCDR1、CDR2およびCDR3、並びに軽鎖可変領域(配列番号16)のCDR1、CDR2およびCDR3、
抗体4383の重鎖可変領域(配列番号18)のCDR1、CDR2およびCDR3、並びに軽鎖可変領域(配列番号20)のCDR1、CDR2およびCDR3、または
抗体4519の重鎖可変領域(配列番号38)のCDR1、CDR2およびCDR3、並びに軽鎖可変領域(配列番号40)のCDR1、CDR2およびCDR3。
特定の好ましい実施形態では、第3の抗HER2抗体は、抗体4382の重鎖可変領域(配列番号14)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号16)のCDR1、CDR2およびCDR3を含む。この場合、抗HER2抗体組成物は、例えば以下のものであって良い:
(a)第1の抗HER2抗体が、抗体4518の重鎖可変領域(配列番号6)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号8)のCDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ、
第2の抗体が、抗体4385の重鎖可変領域(配列番号26)CDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号28)のCDR1、CDR2およびCDR3を含むもの;または
(b)第1の抗HER2抗体が、抗体4517の重鎖可変領域(配列番号2)のCDR1、CDR2並びにCDR3および軽鎖可変領域(配列番号4)のCDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ、
第2の抗HER2抗体が、抗体4387可変領域(配列番号34)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号36)のCDR1、CDR2およびCDR3を含むもの。
特に、本発明の抗HER2抗体組成物は以下のものであって良い:
第1の抗HER2抗体が、抗体4518の重鎖可変領域(配列番号6)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号8)のCDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ、
第2の抗HER2抗体が、抗体4385の重鎖可変領域(配列番号26)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号28)のCDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ、
第3の抗HER2抗体が、抗体4382の重鎖可変領域(配列番号14)のCDR1、CDR2およびCDR3および軽鎖可変領域(配列番号16)のCDR1、CDR2およびCDR3を含むもの。
抗体4382はHER2の領域IIに結合する。それはさらにペルツズマブのための場合でもあり、および下の実施例9に記載したように、4382およびペルツズマブアナログの両方はリガンド誘導HER3燐酸化を遮断することができた。Franklin et al.(Cancer Cell 2004, 5(4):317-28)は、HER2-HER3異種ダイマー化およびシグナル伝達に必要な結合ポケットを立体的に遮断して、ペルツズマブが領域IIの中心の近くのHER2に結合することを開示している。したがって、例えば4382およびペルツズマブに加えて、同様の方法で二量体化インターフェースに結合するは他の抗HER2抗体は、HER2-HER3異種ダイマー化を遮断する同様の効果があるだろうことが熟考される、しかも、そのような抗体は本発明のこの態様中の第3の抗体として使用に適しているだろう。
本発明に関して遂行された実験において、本明細書に記載された2つ以上の抗HER2抗体の組み合わせがHER2のインターナリゼーションおよび分解に有効に導かれることができる一方、HER2が抗体によってターゲットとされる細胞は、HER3を未制御に産生する傾向があることが分かった。恐らくHER2ホモ二量体シグナル伝達がない状態でさえHER2-HER3ヘテロ二量体化が腫瘍形成性シグナル伝達できる完全な受容体を意味する機序によって、抗HER2モノクローナル抗体(例えばトラスツズマブ)に対する抵抗性の発生はHER3のこのアップレギュレーションと関係がありうると信じられている。下記の実施例9は、3つの抗HER2抗体を含む本発明の抗体組成物について記述する、その内の2つの抗体が、HER2のインターナリゼーションおよび分解を生じる架橋結合された抗体受容体格子を生成するようにHER2に結合できる、および、第3の抗体は、HER2-HER3異種ダイマー化を遮断し、それによってHER3燐酸化およびHER3媒介シグナル伝達を遮断して、HER2に結合する。これらおよび抗HER2抗体組成物、即ち、その内の2つの抗体がHER2のインターナリゼーションおよび分解を生じ、第3の抗体がHER2-HER3異種ダイマー化を遮断する少なくとも3つの抗HER2抗体の混合物は、HER群燐酸化およびシグナル伝達を遮断する点では極めて有利であろう。特に、このタイプの組成物は、抗HER2抗体に対する腫瘍細胞抵抗の発生を著しく減少させうることが熟考される。従って、このタイプの抗HER2抗体組成物は、抗HER2抗体処理に対する抵抗性の予防および低下の両方に役立つことがあり、同様にモノクローナル抗HER2抗体(トラスツズマブなど)を使った治療に抵抗性を既に持つようになった腫瘍の治療にも役に立つだろう。
本発明の更なる態様は、このように抗HER2抗体を使用する治療に抵抗性があるか、部分的に抵抗性を持つ腫瘍細胞の成長を阻害する方法に関し、この方法は、細胞を細胞表面上の架橋結合した抗体受容体格子を生成できる2つの抗HER2抗体を含む、上に限定した組換え型ポリクローナル抗HER2抗体組成物と接触させることを含み、それによってHER2インターナリゼーションおよびHER2とHER3間の異種ダイマー化を遮断するようにHER2を結合する第3の抗体を生じ、それらによってHER3のリガンド誘導燐酸化を阻害する。腫瘍細胞は、例えば、以前にトラスツズマブで処理されたものであり得る。
下記の表2および3は、重鎖(表2)、および本発明による様々な抗HER2抗体の軽鎖(表3)のCDR1、CDR2およびCDR3アミノ酸配列を示す。重鎖可変領域および軽鎖(軽鎖可変領域を含む)のアミノ酸配列、ならびにそれらをコードするDNA配列(CHO細胞内の発現に最適化された)を、付録の配列表の中に提供する。これらの配列用の配列番号の概観については、上の表1を参照されたい。
Figure 2016182135
Figure 2016182135
本発明の別の態様は、本発明の抗体、即ち、抗体4380/4381、4382、4383、4384、4385、4386、4387、4517、4518および4519から成るグループから選ばれる抗体またはそのヒト化変異体をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子;またはそのような抗体の重および/または軽鎖可変領域配列、またはそのような重および/または軽鎖可変領域配列と少なくとも80%、85%、90%または95%の配列同一性がある重および/または軽鎖配列をコードする核酸分子に関する。
本発明のこの態様の1つの実施形態で、核酸分子は、配列番号 1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37および39から成るグループから選ばれるヌクレオチド配列、または前記ヌクレオチド配列のうちのいずれか1つと同じアミノ酸配列をコードする配列を含む。
本発明の更なる態様は、上に限定した核酸分子を含む発現ベクターに関する。上に指摘したように、本発明のコンテキストで使用される発現ベクターは当業者で既知の任意の適切なタイプ、例えばプラスミドまたはウイルス・ベクターであっても良い。
本発明のまだ更なる態様は、上に限定した核酸分子からなる宿主細胞に関し、ここで前記宿主細胞は、前記核酸分子によってコードした抗HER2抗体を発現できる。
更なる態様では、本明細書に開示した任意の個々の2つの抗体の結合特異性は、1つの二重特異性結合分子中に集結させてもよい。そのような二重特異性結合分子は、好ましくは2つの選択された抗体の重および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む。二重特異性結合分子は二重の可変領域抗体、即ち、抗体の2つの腕が2つの異なる可変領域を含むものであってもよく、または二重特異性Fabフラグメントまたは二重特異性scFvなどの抗体フラグメントの形であっても良い。
抗HER2抗体および抗体組成物の産生
本発明の補足の態様は、本発明の抗HER2抗体またはポリクローナル抗HER2抗体組成物を産生する方法に関する。本発明のこの態様の1つの実施形態は、本明細書に定義した抗HER2抗体を産生する方法に関し、上に定義したような抗HER2抗体を発現することができる宿主細胞を提供すること、抗体の発現に適している条件の下で前記宿主細胞を培養すること、および結果として生じる抗体を分離することを含む。
別の実施形態において、本発明は、本明細書に記述されるような少なくとも第1および第2の組換え型抗HER2抗体を含む組換え型ポリクローナル抗HER2抗体組成物を産生する方法に関し、この方法は、少なくとも第1および第2の宿主細胞を提供することを含み、ここで、第1および第2の宿主細胞のそれぞれは組換え型抗HER2抗体を発現させることができ、第1および第2の次抗体を発現するのに適している条件の下で第1および第2の宿主細胞を培養でき、並びに結果として生じる第1および第2の抗体を分離することができる。
本発明の抗体または抗体組成物は、組換え型モノクローナルまたはポリクローナル抗体の産生用の当該技術分野で一般によく知られた方法によって生産してもよい。したがって、本発明の単一の抗体の産生の場合には、組換え型モノクローナル抗体の生産用の技術で既知のどのような方法も使用してもよい。本発明の2つ以上の抗HER2抗体を含む抗体組成物の産生のために、個々の抗体は別々に産生してもよく、即ち、個別のバイオリアクターの中で産生されている各抗体、または個々の抗体は、単一のバイオリアクターの中で一緒に産生されてもよい。組成物中の異なる抗体の数が、例えば2または3を超える場合、それには、コスト効率的運用の理由で単一のバイオリアクターの中で抗体を一緒に産生することが一般に好ましい。一方では、組成物が単に少数の異なる抗体(例えば2、3または恐らく4つの異なる抗体)を含んでいる場合、異なるバイオリアクターで別々に、またはともに単一のバイオリアクターで一緒にそれらを産生するかの決定は、個々の状況に基づいて判断しなければならないだろう。抗体組成物が2つ以上のバイオリアクターの中で産生される場合、浄化された抗HER2抗体組成物は、各バイオリアクターからの個々に浄化された上澄みから得られた抗体をプールすることで得ることができる。多数のバイオリアクターでのポリクローナル抗体組成物の産生のための様々なアプローチは、(細胞株または抗体製剤を、後の上流でまたは下流の処理に先立ちまたは下流の処理中に組み合わせる)国際公開第WO 2009/129814号(参照によって本明細書に組込まれる)に記載されている。
単一のバイオリアクター中の2つ以上の個々の抗体の産生の場合には、これは、例えば、国際公開第WO 2004/061104号または国際公開第WO 2008/145133号(これらの両方を参照によって本明細書に組込む)に述べられていたように遂行してもよい。国際公開第WO 2004/061104号に記載された方法は、個々のホスト細胞のゲノムへの抗体コード配列の部位特異的な組込みに基づき、VHおよびVLタンパク質鎖が、産生中にそれらのオリジナルの対が維持されることを保証する。更に、部位特異的な組込みは位置効果を最小化、したがってポリクローナル細胞株の個々の細胞の増殖と発現の特性が非常に類似していると予想される。一般に、この方法は以下に関わる:i) 1つ以上のレコンビナーゼ認識部位を備えた宿主細胞;ii) その宿主細胞と互換性をもつ少なくとも1つのレコンビナーゼ認識部位を備えた発現ベクター;iii)そのベクターから全長の抗体か抗体フラグメントが発現できるように選別ベクターから発現ベクターまでの選択されたVHおよびVLコードペアを転送することによって発現ベクターのコレクションを生成すること(そのような転送は、選別ベクターが発現ベクターと同一の場合、必要ではないかもしれない);iv)発現ベクター、および宿主細胞のゲノム中のレコンビナーゼ認識部位をベクター中のそれと組み合わせることができるレコンビナーゼをコードするベクターの集合を備えた宿主細胞のトランスフェクション;v)トランスフェクトされた宿主細胞からポリクローナル細胞株を得る/産生すること、およびvi)ポリクローナル細胞株から抗体組成物を発現させ収集すること。
国際公開第WO 2008/145133号は、単一のバイオリアクターで2つ以上の異なる抗体を産生する代替アプローチについて記述している。この方法は、以下により2つ以上の別個のメンバーを含むポリクローナル抗体または他のポリクローナルタンパク質を発現することができるポリクローナル細胞株の生成に関わる:a)発現ベクターの1セットを提供すること、ここで、各々の前記ベクターは、ポリクローナルタンパク質の別個のメンバーをコードする別個の核酸の少なくとも1つのコピーを含み、b)ホスト細胞を、細胞のゲノムの中へ発現ベクターを部位特異的に組込することを回避する条件の下で発現ベクターの各々で、個別にトランスフェクトし、それによって各組成物がポリクローナルタンパク質の1つの別個のメンバーを発現する細胞の2つ以上の組成物を得ること、およびc)ポリクローナル細胞株を得るために細胞の少なくとも2つの組成物を混合すること。国際公開第WO 2004/061104号および国際公開第WO 2008/145133号の方法は両方とも、組換え型ポリクローナル抗体を構成するすべてのメンバーが、単一のバイオリアクターの中で産生されかつ単一工程で精製される長所を持ち、それによって各抗体の個別の産生および精製工程の必要性を回避し、一方同時に、異なる抗体の驚くほど均一の産生を生じる。国際公開第WO 2008/145133号の方法は、各産生細胞が特定の抗体をコードするポリヌクレオチドの複数コピーを保有することができるので、収量を増大させるという更なる長所を持つ。
本発明の抗体は、哺乳動物細胞、ならびに非哺乳類真核生物または原核細胞(植物細胞、昆虫細胞、酵母菌、菌類、大腸菌など)を含む様々なタイプの細胞の中で産生できるだろう。しかしながら、抗体は、好ましくは哺乳動物細胞(例えばCHO細胞、 COS細胞、BHK細胞、骨髄細胞(例えばSp2/0またははNS0細胞)、繊維芽細胞(NIH 3T3など)、不死化ヒト細胞(HeLa細胞、HEK 293細胞またはPER.C6細胞)の中で産生した方が良い。
宿主細胞へ核酸配列をトランスフェクトする方法は、当該分野(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 3rd Edition, 2001を参照されたい)で良く知られている。例えば、国際公開第WO 2004/061104号に記述されているように、部位特異的な組込みのために、適切な宿主細胞はそのゲノム中の1つ以上のレコンビナーゼ認識部位を含むだろう。この場合、適切な発現ベクターは、宿主細胞のレコンビナーゼ認識部位と一致する組換え認識部位を含む。さらなる詳細、例えば、部位特異的な組込アプローチを使用する選別ベクターから選択されたVHおよびVLのコードペアを輸送することに関しては、国際公開第WO 2004/061104号に見いだせる。
2つ以上の抗HER2抗体を含む本発明の抗体組成物が、単一のバイオリアクターの中で産生される場合、同様な増殖速度および好ましくは同様な抗体発現レベルの細胞株は、ポリクローナル細胞株を生成するために選択できる。次に、ポリクローナル細胞株は予め決められた比率の個々の細胞株の混合により生成される。ポリクローナル抗体を発現するポリクローナル細胞株の生成、同様にそのような細胞株を使用するポリクローナル抗体の産生に関する更なる情報および例については国際公開第WO 2009/129814号、国際公開第WO 2004/061104号および国際公開第WO 2008/145133号(参照によって本明細書に組込む)を参照されたい。
したがって、本発明の1つの実施形態は、本発明の2つ以上の抗HER2抗体を発現することができるポリクローナル細胞株である。更なる実施形態は、個々の細胞がそれぞれ単一のVHおよびVLペアを発現することができ、およびポリクローナル細胞株は全体としてVHとVLのペアの集合を発現することができる(各VHおよびVLのペアが抗HER2抗体をコードする)ポリクローナル細胞株である。
本発明の組換え型抗体組成物は、ポリクローナル細胞株によって発現された個々の抗体の相対的な発現レベルを実質的に均一に維持しながら、抗体が十分なレベルに発現する期間適切な培養液の中で、ポリクローナルワーキングセルバンク(pWCB)からの1つのアンプルを培養することによって単一のバイオリアクターの中で製造することができる。およそ15〜50日間の産生時間が通常適切であろう。流加培養または灌流培養などの当該分野で既知の培養方法を使用してもよい。培養液は、好ましくは無血清培養液、より好ましくは無血清および無タンパク質の培養液(例えば、合成培養液)が好適である。そのような培養液は、生産に使用されている特定の細胞型の増殖のために典型的に設計されていて、多数の適切な培養液処方は、市販で入手可能である。
組換え型抗体組成物は培養液から得られ、および従来の精製技術によって精製される。これらは、例えば、後の精製ステップ(イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィーおよびゲル濾過)と組み合わせた親和性クロマトグラフィーを含めても良い、なぜならこれらの精製技術が組換え型抗体の精製に頻繁に使用されているからである。2つ以上の抗体が、単一のバイオリアクター中のポリクローナル細胞株によって生産生される場合、ポリクローナル抗体組成物中のすべての個々のメンバーの存在は、精製に続いて例えばイオン交換クロマトグラフィーによって典型的に評価される。ポリクローナル抗体組成物の特徴付けは、例えば、国際公開第WO 2006/007853号および国際公開第WO 2009/065414号(参照により本明細書に組込む)に記載されているように遂行できる。
治療組成物
本発明の別の態様は、有効成分として本発明の少なくとも1つの抗HER2抗体、抗HER2の組換え型Fabフラグメント、または別の抗HER2組換え型抗体フラグメント組成物を含む医薬組成物である。好ましくは、そのような医薬組成物の有効成分は、上に記述されるような2つ以上の抗HER2抗体を含む抗HER2組換え型抗体組成物である。そのような組成物は、癌の寛解、予防および/または治療のために意図されている。医薬組成物はヒト、または家畜もしくはペットに投与されても良い、しかし、典型的にはヒトに投与されるだろう。
本発明の治療の組成物中の個々の抗体間の比率、または、同時に、連続してまたは別々に投与されている本発明の個々の抗体の場合には、投与される抗体間の比率は、多くの場合抗体が同一量で投与されるだろう、しかし、これは必ずしもそうである必要がない。したがって、2つの抗HER2抗体を含む本発明の組成物は、しばしば1:1比率でそれらを含むだろう、および3つの抗HER2抗体を含む組成物は、しばしば1:1:1比率でそれらを含むだろう。しかしながら、個々の抗体の特徴に応じて、異なる抗体の非同一量を使用することが望ましいかもしれない。組み合わせ製剤(例えば、ポリクローナル抗体組成物)中の化学成分間の最適な理論混合比率を識別および選択する方法について記載している国際公開第WO 2010/040356号(参照により本明細書に組み込む)ように、最適な性能および効能を備えた組み合わせ薬を得るために本発明の組成物中の異なる抗HER2抗体に適切な比率を決めても良い。
本発明の抗体またはその断片の少なくとも1つに加えて、医薬組成物は、さらに少なくとも1つの薬学的に受理可能な希釈剤、キャリアーまたは補形薬を含むであろう。これら、例えば、防腐剤、スタビライザー、界面活性剤/湿潤剤、乳化剤、溶解剤、浸透圧を規制するための塩類および/またはバッファーを含んでいて良い。溶解液または懸濁液は粘性を増加する物質(ナトリウム・カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルピロリドンまたはゼラチン)をさらに含んでもよい。医薬組成物にふさわしいpH値は、バッファーの使用によって適切なところで維持された一般に約6〜8のような(例えば約7)約5.5〜8.5の範囲である。
従来の製薬の治療は、例えば癌患者に投与する適切な処方または組成物を提供するために利用してもよい。投与は典型的には治療であって、癌条件を診断後それが投与されることを意味する。任意の適切な投与ルートも使用してもよい、例えば、非経口、静脈内、動脈内、皮下、筋肉内、腹腔内、鼻腔内、エアロゾル、坐薬または経口投与。本発明の医薬組成物は典型的に溶液または懸濁液の形で、より典型的には水溶液か懸濁液、特に等張の水溶液または懸濁液の形で投与されるだろう。
本発明の医薬組成物は、例えば従来の溶解、凍結乾燥、混合、粒状化、または糖菓プロセスなど、それら自身が知られた方法で調製される。医薬組成物は従来の製薬の実践(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy (21st edition), ed. A.R. Gennaro, 2005, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, PA, USA; and Encyclopedia of Pharmaceutical Technology, ed. J. Swarbrick, 3rd edition, 2006, Informa Healthcare, New York, NY, USAを参照されたい)によって処方してもよい。
液剤の代わりとして、本発明の組成物は、少なくとも1つの抗体を単独でまたはキャリアー(例えば、マンニトール)と一緒にしたものを含む凍結乾燥した形で調製しても良く、その場合には組成物は使用に先立って液体(滅菌水)で元に戻しても良い。
医薬組成物は、約1%から約95%まで、好ましくは約20%から約90%の有効成分を含む。本発明による医薬組成物は、例えば、アンプル、ガラス瓶、坐剤、タブレットまたはカプセルの形式でのようにユニット用量形式で生産できる。その処方は、癌の疾病または他の条件の治療を提供するために治療上または予防的に有効な量(例えば、病理学の条件を予防、除去、または縮小する量)をヒト個人に投与することができる。投与される治療薬の好ましい量は、癌の重症度、特定の患者の全体の健康状態、合成の添加剤の処方およびその投与ルートなどの変数に依存するだろう。
本発明による抗体および組成物の治療用途
本発明による、抗HER2抗体および医薬組成物は、哺乳動物中の疾病の治療または寛解、特にヒトの癌の治療に使用できる。本発明の1つの実施形態は、ヒトまたは他の哺乳動物の癌に伴う1つ以上の徴候を、予防、治療または寛解する方法であって、前記哺乳動物に本発明の有効な量の抗HER2の組換え型抗体組成物を投与することを含む。
1つの特定の実施形態、特に癌で、HER2の過剰発現によって特徴づけられる疾患を持つヒト患者を治療する方法に関し、この方法は、前記患者に本明細書に限定した組換え型抗HER2抗体を、または好ましくは本明細書に限定した少なくとも2つの抗HER2抗体を含む組換え型抗体組成物を投与することを含む。
1つの補足の実施形態は、HER2を過剰発現する細胞内のHER2および他のErbBファミリー受容体間のヘテロ二量体形成を縮小させる方法に関し、この方法は、前記細胞を本明細書に定義した組換え型抗HER2抗体、または好ましくは本明細書に定義した少なくとも2つの抗HER2抗体を含む組換え型抗体組成物と接触させることを含む。
本発明の1つの更なる実施形態は、ヒトまたは他の哺乳動物の癌に伴う1つ以上の徴候を、治療、寛解または予防(例、HER2の過剰発現によって特徴づけられる疾患を持つヒト患者を治療)する組成物を調製する本発明の抗HER2の組換え型抗体または抗体組成物の使用である。
HER2発現レベルを含む多くの要因に基づいて、特に次の腫瘍タイプは本発明の抗体組成物を用いる治療のために適応させ得る:乳癌、卵巣癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、前立腺癌、膀胱癌、膵臓癌、頭部もしくは頸部癌、または非小細胞肺癌。本発明の抗体組成物は、HER2(例えば、ある上皮癌(多くの乳癌、卵巣癌および胃の(胃)癌))が過剰発現する癌の治療に特に適用可能なために熟考される。
これらの適応症の個々に関して、2つの主なクリニカルパスが熟考される、すなわち、1)単独療法としての少なくとも1つの追加の治療を備えた補助療法、または2)単独療法として。これらの2つのオプションは簡潔に下に議論される。
1) 補助療法:併用療法として知られている補助療法では、患者は、少なくとも1つの追加の治療、典型的には化学療法または抗腫瘍薬および/または放射線治療と組み合わせて、本発明の抗体で治療されるだろう。別法または付加的に、本発明の抗HER2抗体および組成物も、異なる抗癌抗体(例えば、抗体照準法EGFRまたはVEGF)と組み合わせて使用しても良い。したがって、上にリストされた原発性癌標的は、標準の一次療法および二次治療法に加えて本発明の抗体または組成物の投与によって治療してもよい。プロトコル設計は、例えば、腫瘤の縮小、同様に標準化学療法の通常投与量を減少させる能力を評価するに従って有効性に取り組むだろう。そのような用量削減が、化学療法剤の用量相関性の毒性の縮小により補足のかつ/または延長治療を可能にする。
癌細胞のターミナルの分化を誘導すると知られている薬剤と本発明の抗体組成物を組み合わせることによって、効果はさらに改善されるだろう。そのような合成物は、例えば、レチノイン酸、越レチノイン酸、シス形レチノイン酸、フェニル酪酸(phenylbutyrate)、神経成長因子、ジメチルスルホキシド、活性型ビタミンD3、ペルオキシソームの増殖因子活性化受容体ガンマ、12-O-テトラデカノイルホルボール13-アセテート、ヘキサメチレン-ビスアセトアミド、形質転換増殖因子ベータ酪酸、サイクリックAMPおよびベスナリノンから成るグループから選ばれて良い。好ましくは、化合物は、レチノイン酸、フェニルブチレート、オールトランス型レチノイン酸、活性型ビタミンDから成るグループから選ばれる。
本発明の抗体組成物を含む製薬品および少なくとも1つの化学療法または抗腫瘍性化合物は、癌治療で同時、個別、連続の投与の複合療法として使用されてもよい。化学療法の化合物は、問題の特定の癌の治療に適している任意の化学療法剤であってよい、例えばアルキル化剤から成るグループから選ばれた薬剤、例えばプラチナ系薬物(シスプラチン、カルボプラチンまたはオキサリプラチン);植物アルカロイド(例えば、パクリタキセル、ドセタセル、イリノテカン);抗腫瘍抗生物質(例えば、ドキソルビシン)(アドリアマイシン);トポイソメラーゼ抑制剤(トポテカンなど);および代謝拮抗物質(例えば、フルオロウラシル、他のフルオロピリミジン)。
本発明の抗体をチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)に関して補助療法の中で使用してもよいことが熟慮される。これらは、受容体の細胞内のチロシンキナーゼ領域と相互作用する合成で、主としてキナゾリン誘導低分子量分子であり、細胞内のMg-ATP結合部位の競争によりリガンド誘導受容体燐酸化を阻害する。HER2キナーゼを遮断するいくつかのチロシンキナーゼ阻害剤は現在臨床開発中である。これらのうちのいくつかはさらにEGFRまたは他のEGFR群受容体を標的とする。これらのTKIの概説に、Spector et al. (2007) Breast Cancer Res. 9(2): 205を参照されたい。本発明の抗体組成物および少なくとも1つのHER2をターゲットとするTKI(チロシンキナーゼ阻害薬)を含む製薬品も、癌治療における同時、個別、連続の投与の複合療法として使用してもよい。
他の実施形態では、本発明の抗体組成物は他の抗体治療学と併用してもよい。これらの例として、例えばEGFR(Erbitux(登録商標)またはVectibix(登録商標))またはVEGF(Avastin(登録商標))に対抗する抗体を含む。まだ他の実施形態で、本発明の抗体組成物は、免疫系の細胞を刺激すると知られている薬剤と組み合わせて使用してもよい、そのような複合療法は、本発明の抗体組成物の効能が増強された免疫媒介亢進に至る。そのような免疫刺激剤の例は組換え型インターロイキン(例えば、IL-21およびIL-2)を含む。
2) 単独療法:腫瘍の単独療法における本発明に従う抗体の使用に関して、抗体は、化学療法または抗腫瘍薬との同時使用をせず、即ちスタンド・アロンの治療として、患者に投与されてもよい。
免疫複合体
本発明の抗体および組成物を治療に使用する別のオプションは、免疫複合体(つまり1つ以上の抗ガン剤に結合した抗体)の形をしている。特に別個のHER2エピトープを結合する本発明の2つ以上の個々の抗体を含む組成物の場合には、細胞表面上で架橋結合した抗体受容体格子を生成することができることが熟考される、それによって単一のモノクローナル抗体の使用と比較して受容体インターナリゼーションが増大したレベルに潜在的に帰着する。したがって、1つ以上の抗ガン剤へのそのような組成物の個々の抗体の1つ以上の複合化は、特に有効に腫瘍細胞の内部に結合した抗ガン剤を配達するために可能性を持っており、それによって、改善された腫瘍細胞死滅活動を提供するために本発明の抗HER2抗体の影響を増大する。
様々なタイプの抗ガン剤は本発明の抗体と複合化させることができ、細胞毒性薬(従来の化学療法薬剤および他の小分子抗癌剤を含む)、サイトカイン(この場合には複合体は「免疫サイトカイン」と呼ぶ)、毒素(この場合には複合体は「免疫毒素」と呼ぶ)および放射性核種を含み、また少数の免疫複合体が臨床用に既に承認された。これらはZevalin(登録商標)(90Yと複合化したネズミ科の抗CD20抗体)、Bexxar(登録商標)(131Iと複合化したネズミ科の抗CD20抗体)、およびMylotarg(登録商標)(カリチアマイシンと複合化した、ヒト化抗CD33抗体)を含んでいる。臨床試験でテストされた他の免疫複合体は、例えばアドリアマイシン、マイタンシノイド化合物と複合化した抗体を含む。臨床試験でテストされた抗毒素は、切断されたシュードモナス菌体外毒素Aと複合化したいくつかの抗体を含む。IL-2と複合化した、ヒト化EpCAM抗体を含む免疫サイトカインもテストされた。
細胞毒性薬と複合化した本発明の抗体の場合には、これらは、例えば、化学療法剤の主なクラスのうちのどれにも属し、アルキル化薬(例えば、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン)、代謝拮抗物質(例えば、メトトレザト、カペシタビン、ゲムシタビン)、アントラサイクリン(例えば、ブレオマイシン、アドリアマイシン、マイトマイシンC)および植物アルカロイド(例えば、タキサン(ドセタセルおよびパクリタキセル、およびビンカアルカロイド(ビンブラスチン、ビンクリスチンおよびビノベルビン))を含む。免疫複合体を使用すると、抗ガン剤を腫瘍に、特にインターナリゼーションの後に続く腫瘍細胞の内部に向かわせるので本発明の抗HER2抗体に基づいた免疫複合体は、有利に高度な細胞毒性薬(カリチアマイシンまたはマイタンシン誘導体)に基づいてよいし、または細菌毒素(例えば、シュードモナス菌体外毒素A、ジフテリア毒素)などの毒素もしくは植物性毒素(例えば、リシン)に基づいても良い。
免疫複合体中の複合化された抗ガン剤は、血清では比較的安定している不安定なリンカーによって抗体に連結する、しかし、免疫複合体が標的細胞へ内面化されると、血清は薬剤を放出させる。適切なリンカーとは、例えば血清中の中性pHで安定しているが、インターナリゼーションの後に続くリソソーム内の温和に酸性の状態で酸加水分解にさらされる化学のリンカー、および細胞内のチオール類によって切断される二硫化物リンカー、および血清において安定しているが、細胞内区画での酵素の切断にさらされるペプチド・リンカーを含む。
様々な複合化準備は本発明の2つ以上の抗体を含む組成物の中で実現できる。例えば、2つの抗体を用いて、抗体を2つ以上の異なる抗癌剤と複合化させること、または一方の抗体を、他方の抗体と複合化させた酵素などの薬剤によって活性化されるプロドラッグと複合化させることは可能だろう。抗体指向性酵素プロドラッグ療法(ADEPT)の一般的な概念はモノクローナル抗体のために記述されており、それはmAB-酵素複合体によって腫瘍へ標的化された酵素によってプロドラッグが活性化されるものであるが、本発明は特定の状態へこのアプローチを調整する機会を提供し得る。したがって、正常組織を残しながら、又は正常組織への損害を減少させながら、腫瘍細胞の死滅を特異的に増大させることが可能となり得る。
癌治療免疫複合体についての詳細については、Wu et al. (2005) Nature Biotechnology 23(9):1137-1146; Schrama et al. (2006) Nature Reviews/Drug Discovery 5:147-159; and Rohrer (2009) chimica oggi/Chemistry Today 27(5):56-60.を参照されたい。
用量と投与ルート
本発明の抗体および組成物は、問題とする状態の治療に有効な量、即ち、望ましい効果を達成するのに必要な用量と期間で投与されるだろう。治療上有効な量は、治療される特定の状態、患者の年齢、性別および体重、ならびに抗HER2抗体がスタンド・アロンの治療として、または1つ以上の追加の抗癌治療と併用して投与されているかどうかなどの要因によって異なり得る。
腫瘍治療のための有効な量は、例えば腫瘍の大きさを縮小させることによる、疾患進行を安定させる能力および/または患者の症状を寛解させる能力、および好ましくは疾患進行を逆戻りさせる能力により測定し得る。癌を抑制する本発明の抗体および組成物の能力は、インビトロアッセイ(例えば、例に記述されたように)によって評価してもよく、また、ヒト腫瘍中の効能を予想する適切な動物モデル内で評価してもよい。適切な投与計画は、個々の特定の状況に最適の治療効果を提供するために選択されるだろう、例えば、単一の急速投与、または持続的注入として投与する、および各場合の危急度に指示に応じて量を調節できるようにして投与するなど。
本発明に従う抗体用の特定の投薬がまだ決定されていないが、ある投薬を検討することは治療用に承認された類似製品(抗HER2モノクローナル抗体)との比較を通じて決定することができる。したがって、本発明の抗体組成物の適切量は、抗HER2モノクローナル抗体トラスツズマブ(ハーセプチン(Herceptin)(登録商標))用に推奨された量に類似しているだろうということが熟慮される。特定の条件によって、ハーセプチンは乳癌の治療のために、初回量4mg/kgおよびその後週用量2mg/kgまたは初回量8mg/kg、およびその後3週間置きに用量6mg/kgで(注入により)投与される。
本発明の抗体組成物の適切な用量は、約0.5〜50mg/kg((例えば、約1〜20mg/kg)などの0.1〜100mg/kgの範囲にあるだろうことが熟考される。抗体組成物、例えば以下の用量で投与されるであろう、少なくとも0.25mg/kg(例えば、少なくとも0.5mg/kg)、少なくとも1mg/kg(例えば、少なくとも1.5mg/kg)など、少なくとも2mg/kg(例えば、少なくとも3mg/kg)など、少なくとも4mg/kg(例えば、少なくとも5mg/kg)など;および例えば、高々50mg/kg以内(高々30mg/kg以内など)、例えば、高々20mg/kg以内(高々15mg/kg以内)。投与は、適切な間隔で通常繰り返されるだろう、例えば、毎週一度、2週ごとに一度、3週ごとに一度または4週ごとに一度、また、信頼できる医師によって適切であると考えられる限り、必要に応じて任意に量を増加させてもよいし減少させてもよい。
3つの別個の送達アプローチが本発明の抗体の送達のために熟考される。従来の静脈内の送達は、おそらく大多数の腫瘍用の標準送達技術になるだろう。しかしながら、腹膜腔中の腫瘍(子房、胆管、他の管などの腫瘍)に関して、腹腔内投与は、腫瘍部位で抗体の高用量を得て、抗体クリアランスが最小化されるという有利さを証明できる。同様に、ある固形腫瘍は、局所潅流に適切な血管を有する。局所潅流は、腫瘍部位で高用量の抗体を得ることができて、抗体の短期クリアランスを最小化できる。
任意のタンパク質または抗体の注入に基づいた治療薬で、安全に関する懸念は主に以下に関わる:(i)サイトカイン放出症候群(即ち、低血圧、熱、振盪、悪寒)(ii) タンパク質(即ち、組換え型抗体産出物への患者によるヒト抗体の発生)に対する免疫原性反応の発生、および(iii)HER2受容体(例えば、多くの上皮細胞)を発現する正常細胞に対する毒性。標準試験および追跡手続きは、任意のそのような安全性懸念をモニターするために利用される。
本出願に引用された特許および非特許参考文献のすべてを、参照によりその全体を本明細書に組込む。
本発明は、以下の非制限の例においてさらに記述される。
実施例1:抗HER2抗体のクローニング
免疫化
雌のBALB/c、株A、またはC57 B16マウス(生後8〜10週)を、HER2-過剰発現細胞に加えて精製された異なるタンパク質を注入して免疫化するのに使用した。
市販のHER2タンパク質(R&D Systems cat.#1129-ER)をタンパク質免疫化に使用した。ヒト乳癌細胞株AU565(ATCC、CRL-2351)を細胞ベースの免疫化に使用した。細胞を、10%のFBS(ウシ胎児血清)および1%のペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)を補充したRPMI-1640培養液において培養した。免疫化の前に、細胞をPBS(リン酸緩衝食塩水)で洗浄し、TrypLEでトリプシン処理し、および増殖培養液の中で再懸濁した。細胞懸濁液を、250xgで5分間遠心分離してPBSで続いて2度洗い、その後15mlの無菌のPBSで除去および再懸濁を行った。
細胞または抗原をPBSで希釈し、次にフロイントアジュバントと1:1の割合で混合した。アジュバントは免疫反応を増強および調節するために使用する。第1の免疫については、完全フロイントアジュバント(CFA)を使用した、他方では不完全フロイントアジュバント(IFA)を後の免疫に使用した。IFAはミネラルオイルからできている水中油型乳剤である、およびCFAは熱死滅させた乾燥ミコバクテリウム種が加えられたIFAである。両方のアジュバントにはデポ効果(depot effect)がある。CFAは免疫反応の長期的な持続性を生じさせて第1の免疫が免疫反応を高めるために使用される、およびIFAは後の免疫に使用される。乳剤は、水を張ったガラスの表面上に滴下することによりテストした。滴下が一滴として残る場合、乳剤は安定していて、注入を行なうことができる。安定した乳剤だけをマウスに投与した。
スケジュール(表4を参照)に従って、25〜100μgの抗原または107個の細胞を各注入に使用した。合計では、マウスは4つの注入を受け取った。マウスはすべて300μlまたは200μlの乳剤のいずれかを注入された。スケジュールに従って、注入は、皮下に(s.c.)、腹腔内で(i.p.)または静脈内で(i.v.)行なった。
終了時に、マウスは頸椎脱臼によって屠殺し、脾臓を取り除き74μmの細胞こし器(Corning#136350-3479)へ移した。細胞はフィルタを通って柔らかくなり、10%のFBSを加えた冷たいRPMI-1640で再懸濁され、5分間、300xgで遠心分離した。細胞小球を1%のFBSを加えたRPMI-1640で再懸濁し、50枚のμm注射器フィルタ(BD# 340603)を通しろ過させ、遠心分離によって収集した。細胞小球を10%のDMSOを加えたFCS(ウシ胎仔血清)で再懸濁の後凍結保存した、次に凍結した細胞をFACSソートするまで-80℃で保管した。
マウス形質細胞のFACS選別
ガラス瓶に入った凍結脾細胞を37℃で解凍し、氷がまだ存在する15mlのチューブに移した。10mlの氷冷したRPMI、10%のFBSを、回旋しながらチューブに一度に1滴ずつ加えた。10mlのFACS PBSで一度洗浄した後、5mlのFCS PBSを50μmのFilconを通して細胞をろ過する前に加えた。その後、細胞を沈渣させ2%のFBS(最終ボリューム)を加えた1mlのPBSで再懸濁させ、約5μg/mlの終末濃度への特定の稀釈に従い、抗CD43-FITCおよび抗CD138-PEで染色させた。細胞を暗がりで20分間、4℃で培養した。続いて細胞を、2mlのFACSバッファーで2回洗浄した。15ml以内のFACS PBSを加えた。ヨウ化プロピジウム(PI)を、1:100(100パートのFACS PBSバッファーに対して1パートのPI)で加え、細胞を、引き続きソートしてPCR反応バッファー(以下を参照)を含んでいる96ウェルのPCRプレートに入れ、次にプレートが-80℃で凍結される前に、400xgで2分間遠心沈殿させた。形質細胞はCD-43陽性/CD-138陽性に従ってゲート制御された。
同族のVHおよびVLペアの連鎖
VHおよびVLのコード配列の連鎖は、形質細胞としてゲート制御された単離細胞上で遂行され、VHとVLのコード配列の同族の対合を促進させた。その手続きは、ネスティッドPCRが後続するワンステップの多重オーバーラップ拡張RT-PCRに基づいた2ステップのPCR手続きを利用した。本例で使用されるプライマー混合物はカッパ軽鎖のみを増幅する。しかしながら、ラムダ軽鎖を増幅することができるプライマーを多重プライマー混合におよび望まれればネスティッドPCRプライマー混合に加えることができただろう。ラムダプライマーが加えられる場合、選別手続きはラムダ陽性細胞が除外されないように適応すべきである。同族のVHおよびVL配列の連鎖用の原理は、国際公開第WO 2005/042774号、およびMeijer et al. (2006) J Mol Biol. 358(3):764-72に詳細に述べられている。
96-ウェルPCRプレートを解凍し、ソート済みの細胞は多重のオーバーラップ拡張RT-PCRのための鋳型として役立てた。単一細胞をソートする前に、各ウェルに加えられたソーティングバッファーは、反応緩衝液(一段階RT-PCRバッファー; Qiagen)、RT-PCR(表5を参照)のためのプライマーおよびRNアーゼ抑制剤(RNasin、プロメガ)を含有していた。これを、一段階RT-PCR5Enzyme混合物(25倍稀釈; Qiagen)およびdNTP混合物(各200のμM)で補充して指定された最終濃度の20μl反応体積を得た。プレートは、55℃で、30分間培養して各細胞からのRNAを逆転写(RT)させた。RTに続いて、プレートは次のPCRサイクルを受けた:94℃で10分間、35回(94℃で40秒間、60℃で40秒間、72℃で5分間)および最後に、72℃で10分間。
PCR反応は、高スループットを促進するために24の96-ウェルプレート(ABgene)用のピールシールバスケットを備えたH20BITサーマルサイクラーの中で行なわれた。PCRプレートをサイクルの後に-20℃で保存した。
ネスティッドPCR工程として、96-ウェルPCRプレートは各々のウェル(20μl反応)に以下の混合物を用いて調製して最終濃度を得た:1 FastStartバッファー(Roche)、dNTP 混合物(各200μM)、ネスティッドプライマー混合物(表6を参照)、Phusion DNAポリメラーゼ(0.08U; Finnzymes)およびFastStartハイファイ酵素混合(0.8U; Roche)。ネスティッドPCRのための鋳型として、1μlを多重のオーバーラップ拡張PCR反応から移行した。ネスティッドPCRは、次の熱サイクルを受けた:35回(95℃で30秒間、60℃で30秒間、72℃で90秒間)および72℃で10分間。任意に選択された反応を、1%のアガロースゲル上で分析して約890の塩基対(bp)のオーバーラップ拡張フラグメントの存在を確認した。プレートをPCRフラグメントのもっと先の処理まで20℃で保存した。
ネスティッドPCRから連結したVHおよびVLのコードペアのレパートリーを、異なるドナーからのペアを混合せずにプールした。次に、これらを調製用の1%のアガロースゲル電気泳動法によって精製した。ヒトのカッパ定数軽鎖コード配列は、国際公開第WO 2008/104183号に述べられているように、連結したVHおよびVLのコードペアのプールされたPCR産物のVLコード領域へオーバーラップ伸展してスプライスした。ヒトのカッパ不変軽鎖コード配列は、以下を含む反応においてカッパ軽鎖を備えたヒト抗体のコード配列を含むプラスミドから増幅した:50μlの全容積中のPhusion酵素(2つU; Finnzymes)、1x Phusionバッファー、dNTP混合物(各200μM)、hKCforw-v2プライマーおよびカッパ3'プライマー(表5)、およびプラスミド鋳型pLL138(10 ng/μl)。その反応は、以下の熱サイクルを受けた:25回(95℃で30秒間、55℃で30秒間、72℃で45秒間)および72℃で10分間。結果として生じるPCRフラグメントは、調製用の1%のアガロースゲル電気泳動法によって精製した。
各レパートリーから精製しプールしたPCRフラグメントを、次の以下を含むオーバーラップ拡張PCR(50μlの全容積)によるスプライシングによってヒトのカッパ不変コード領域(配列番号: 41)の増幅および精製したPCRフラグメンにスプライスされた:ヒトカッパ不変コード領域のフラグメント(1.4 ng/μl)、精製されプールされたPCRフラグメント(1.4 ng/μl)、Phusion DNAポリメラーゼ(0.5U; Finnzymes)およびFastStart High Fidelity酵素混合(0.2U; Roche)、1x FastStartバッファー(Roche)、dNTP混合物(各200μM個々)、mhKCrevプライマーおよびmJHセット・プライマー(表7を参照)。その反応は、以下の熱サイクルを受けた:95℃で2分間、25回(95℃で30秒間、55℃で30秒間、72℃で1分間)および72℃で10分間。結果として生じるPCRフラグメント(約4518 bp)を、調製用の1%のアガロースゲル電気泳動法によって精製した。
同族のVHおよびVLのコードペアの選別ベクターへの挿入
HER2への結合特異性を有する抗体を同定するために、得られたVHおよびVLのコード配列は、全長の抗体として発現された。これは、発現ベクターの中へVHおよびVLのコードペアのレパートリーを、および宿主細胞の中へトランスフェクションを挿入することに関わる。
2段ローニング手続きを、結合したVHおよびVLのコードペアを含む発現ベクターのレパートリーを生成するのに使用した。統計的に、選別レパートリーの生成に使用する同族のペアのVHおよびVLのPCR産物の数の10倍分の組み換え型プラスミドを含む発現ベクターのレパートリーの場合、ユニークな遺伝子対がすべて表わされる99%の可能性がある。したがって400個のオーバーラップ拡張V遺伝子フラグメントが得られたなら、少なくとも4000のクローンのレパートリーが生成され選別されてユニークな遺伝子対すべてを得る可能性を99%持つだろう。
簡潔に、結合したVHおよびVLのレパートリーの精製されたPCR産物は、ヒトカッパ不変コード領域にスプライスされ、認識部位のXhoIとNotIのDNAエンドヌクレアーゼで切断され、PCR産物の終端へ導入された。切断され精製されたフラグメントは、標準的ライゲーション手法によって、XhoI/NotI消化哺乳類IgG発現ベクター、OO-VP-002(国際公開第WO 2008/104183号に記載)に連結された。ライゲーション混合物は大腸菌へ電気穿孔し、適切な抗生物質を含む2つのYTプレートに加えられ、37℃で一晩インキュベートした。ベクターの増幅されたレパートリーを、標準DNA精製方法(Qiagen)を使用して、プレートから回収された細胞から精製した。プラスミドを、AscIとNheIのエンドヌクレアーゼを使用して切断したプロモータリーダーフラグメントを挿入するために調製した。これらの酵素用の制限部位は、遺伝子対をコードするVHおよびVLの間に位置した。ベクターの精製に続いて、AscI-NheI消化双方向哺乳類プロモータリーダーフラグメントは、標準的ライゲーション手法によってAscIとNheIの制限部位に挿入された。連結されたベクターは、大腸菌内で増幅され、次に標準分析法を使用してプラスミドを精製した。選別ベクターの生成されたレパートリーを、従来の手続きによって大腸菌に形質転換させた。得られたコロニーを、384ウェルのマスタープレートへ固定し保管した。
HER2過剰発現細胞に結合するための選別
最初に、抗体ライブラリーを、共焦点顕微鏡を使用してHER2-過剰発現乳癌細胞株(SKBR-3)に対する結合者についてスクリーニングした。5000個のSKBR-3細胞を、384ウェル細胞キャリアプレート(Perkin Elmer, cat.# 6007439)の各々に接種し、次に一晩付着させた。抗体上澄み10μlを各ウェルに移し、プレートを2時間インキュベートした。その後ウェルの培養液を廃棄し、さらに、Alexa-488ラベル付けしたヤギ抗ヒトIgG(H+L, Invitrogen cat.# A11013)2μg/mlを含んでいる30μlの新しい培養液、2μg/ml CellMask Blue(Invitrogen cat.# H34558)および1μM Hoechst 33342(Invitrogen cat.# H3570)を、各ウェルに加えた。次にプレートをさらに30分間培養した。培養液を再び廃棄し、次に細胞を洗浄し、2%のホルマリン(Aldrich cat.# 533998)で固定した。その後、OPERA高処理共焦点顕微鏡(Perkin Elmer)を使用して蛍光のレベルを測定した。
共焦点スクリーニングからのデータにより、クローン合計の3.46%に相当する266個の陽性的中を同定した。
配列分析およびクローン選択
SKBR-3細胞へ結合するものとして同定されたクローンを、最初のマスタープレート(384-ウェルフォーマット)から回収し、新しいプレートへ固定した。DNAはクローンから分離され、V遺伝子のDNA塩基配列決定のために提出された。配列を整列させ、ユニークなクローンすべてを選択した。獲得した配列の多数整列によって、個々の特定のクローンの独自性を明らかにし、ユニークな抗体の同定ができた。266のクローンの配列分析に続いて、70個を超える遺伝学的に別個の抗体配列クラスタが識別された。関連する配列のクラスタはそれぞれ、恐らく共通の前駆体クローン細胞体の高頻度突然変異によって引き出された。全体として、各クラスタからの1〜2つのクローンが配列と特異性の確認のために選ばれた。選択された抗体可変領域の配列は付録の配列表中で示されている。上に説明したように、配列表に示される軽鎖配列すべては、同じヒトカッパ不変部領域を含んでいる、それはアミノ酸-TVAAP-で始まり、そしてC末端-NRGECで終わる。
配列および特異性確認
クローンをコードする抗体を確認するために、DNAプラスミドを調製し、次に2mlのスケールでFreeStyle CHO-S細胞(Invitrogen)のトランスフェクションを発現のために行なった。上澄みをトランスフェクションの96時間後に回収した。発現レベルを標準IgG治療ELISAで評価し、特異性をHER2特異ELISAおよび細胞に結合する抗体のOPERA分析によって決定した。
簡潔に、ELISAについては、Nunc Maxisorbプレート(cat.# 464718)は、1μg/ml HER2タンパク質(R&D Systems cat.#1129-ER)で覆い、4℃にて一晩PBSで希釈した。50μのl 2%のミルク-PBS-Tで遮断する前に、プレートはPBS + 0.05%のツイーン20(PBS-T)で洗浄した。プレートを一旦PBS-Tおよび20μlの2%のミルクPBS-Tで洗浄し、次にFreeStyle CHO-Sトランスフェクタント(以下を参照)からの5μlの上澄みを追加し、室温で1.5時間インキュベートした、その後、プレートをPBS-T(各ウェルに付き20μl)で一度洗浄した。2%のミルクPBS-Tで1:25000に希釈した第2の抗体(HRPヤギ抗ヒトカッパ軽鎖、Serotec, cat.# STAR 100P) を、結合した抗体を検出するためにウェルに加え、室温で1時間インキュベートした。25μlの基質(Kem-En-Tec Diagnostics, cat.# 4518)を追加する前にプレートをPBS-Tで一度洗浄し、追加後5分間インキュベートした。25μl の1M硫酸を、反応を止めるためにインキュベーションの後に加えた。固有シグナルを450nmにてELISAリーダ上で検知した。さらに、SKBR-3細胞を結合すると認められた266個のクローンのうちの178個は、HER2 ELISAにおいて陽性だった。
Figure 2016182135
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実施例2:選択された抗HER2抗体の機能特徴決定
41のユニークな抗体を、生存率測定を使用する機能試験のために選択した。細胞の障害によって、細胞が代謝細胞機能および成長用エネルギーを維持し提供する能力を必然的に失うだろう。代謝活性分析はこの前提、通常ミトコンドリア活動の測定に基づく。細胞増殖試薬WST-1(Roche Cat. No. 11 644 807 001)は、生細胞の代謝活性を測定するすぐに使える基質である。代謝活性が生細胞の数と相関すると仮定されている。この例において、96時間異なる抗HER2抗体の2μg/mlでもって癌細胞を治療した後に、WST-1分析は代謝的に活性な細胞(代謝的アクティブセル)の数を測定するのに使用された。
癌細胞株SKBR-3 (ATCC cat.# HTB-30)、BT-474 (ATCC cat.# HTB-20)、NCI-N87 (ATCC cat.# CRL-5822) およびMDA-453 (ATCC cat.# HTB-130)を、2μg/mlの抗HER2抗体を含んでいる培養液の1000個の細胞/ウェルの濃度で96-ウェルプレートに接種した。プレートを37℃で加湿したインキュベーターの中で4日間インキュベートした。その後、20μlのWST-1試薬をウェルごとに加え、次にプレートを37℃で1時間インキュベートした。その後、プレートを軌道プレート振盪機に移し、そこでもう一時間そのままにした。吸光度はELISAリーダ上で450nmおよび620nm(参照波長)で測定された。代謝的アクティブセル(MAC)のレベル差は、対照上澄みのパーセントとして以下の式に基づいて計算された:
Figure 2016182135
選択された抗体の分析の結果を、下の表8に示し、ここでは個々の癌細胞株並びに平均または標準偏差のデータを提供する。これらの結果から、一連の機能的な活性を持つHER2抗体が識別されること、およびレパートリー中の抗体はすべてまたは大部分のテスト済みの癌細胞株に抑制作用を示すことは明らかである。
Figure 2016182135
実施例3:オーバーラップエピトープの測定
組み合わせで相乗効果を発揮する抗HER2抗体を含んでいる混合物を選択するために、各混合物中の抗体はオーバーラップしない別個のエピトープと結合すべきである。したがって抗HER2抗体間のオーバーラップの程度を調査するために、表面プラズモン共鳴(SPR)によってエピトープ結合を行った。SPR分析は、ProteOn(TM)XPR 36タンパク質相互作用アレーシステム(Biorad Laboratories)上で行なわれた。このシステムは、二次元(LとAとして定義された)の6つの相互作用の測定を可能にし、同時に合計36の可能な相互作用を生み出す。
セットアップ
ProteOn GLCセンサチップ(BioRad)は、メーカーの指示に従ってProteOnアミン・カップリング・キット(Biorad)を使用して、フローセルL1からL6に注入された、抗Fc抗体(Biacore、GE Healthcare)の3600-3620共鳴ユニット(RU)と結合した。25μl/分の流量を使用して、50nMの濃度の125μlのFc複合化されたHER2(HER2-Fc)が注入されフローセルL1-L5の上で捕獲された、一方、バッファー(組成については、以下の試薬のセクションを参照)も同様にフローセルL6に注入された。抗HER2抗体の注入に先立ってフリーの抗Fcサイトを遮断するために、遮断モノクローナル抗体(mAb)Synagis(登録商標)(Abbott)125μlを、0.33mg/mlの濃度でフローセルL1からL5に注入し、かつランニングバッファーは、L6(すべて25μl/分の流量で)に注入された。50nMの濃度および50μl/分の流量で、100μlの抗HER2抗体を注入するのに先立って遮断mAbは、少なくとも300秒間分離され、そして少なくとも10秒の解離が続いた。その後、多チャネルモジュールは、抗HER2抗体の第2の注入が後続するA次元に向けられた (L次元で抗-HER2抗体の第1の注入が概説されているように、同一のフロー条件および濃度を使用して)。HER2抗体はすべて、(2つの抗体間の100%のオーバーラップを表わすコントロール)合計8つのサイクルで、自己オーバーラップを確認するために両方の次元でおよびそれら自身に対して相互のオーバーラップに関してテストされた。各サイクル間で、抗体―EGFR複合体は50μl/分の流量で25μlの 3MのMgCl2を用いて再分化により取り除かれた。
試薬
・GLC-Chip (Biorad, Cat. No. 176-5012)
・ProteOn(TM)アミン・カップリング・キット(Biorad)EDC-NHS(cat# 176-2410)
・抗Fc抗体(Biacore kit, cat# BR-1008-39)
・ランニングバッファー:PBS, 0.005% Tween-20 (PBS-T)
・3M MgCl2-再分化バッファー、Biacore cat. No 344-ER-050
・抗原:PBS100μg/mlで再構成されたHER2-Fc , R&D systems cat. No 1129-ER
・遮断mAb:Synagis(登録商標)(Abbott)。ddH2Oで溶解して5mg/mlの原液に、ランニングバッファーで0.33mg/mlまでにさらに希釈した。
・抗HER2抗体:4517、4518、4519、4382、4383、4384、4385、4386、4387 +Herceptin(登録商標)およびペルツズマブアナログ(ペルツズマブアナログは、国際公開第WO 2006/033700号および米国公開特許出願US 2006/0121044 A1号に開示されるペルツズマブの軽鎖および重鎖アミノ酸配列を有する)
結果
RU最大値は、ランニングバッファー制御および基底線補正への正常化の後に得られ、および各サンプルの注入直前直後に記録された報告ポイントを導入することによる競合の前後に、テストされた抗HER2抗体の抑制の程度は個々の抗HER2抗体のRU最大値を比較して測定した。典型的なXPR ProteOnサイクルの一例を図1に示す。第1および第2の抗体のオーバーラップ/結合の抑制のパーセンテージは、第1および第2の抗体前後のRU値の差に基づいて計算される、したがって、第1および第2の同一のRU値は、100%のオーバーラップ(即ち、100%の抑制)を表わす。少なくとも2つの実験が行なわれて両方の次元で2つの抗体間の抑制を確認した。初期値50%〜100 %(少なくとも2つの独立した実験からの中間値として計算された)が、抗原上のオーバーラップエピトープまたは近接するエピトープを結合する抗体ペア間の有意な競合の徴候として採用された。一方、抑制値50%未満は、抗体ペアによって認識されたエピトープが近接していなかったこと示し、立体障害の減少をもたらした。抑制値25%未満はオーバーラッピングエピトープの分析に含まれなかった、なぜならそれらが重要でない抑制を表わすに過ぎないと判断されたからである。50%〜100%および25%〜50%の抑制を持つと見いだされた抗体ペアは、それぞれ下にリストされている。
50%〜100%の抑制を示す抗体ペア組み合わせ:
・4517および4518
・4517およびハーセプチン
・4384および4518
・4382および4519
・4382および4383
・4382およびペルツズマブアナログ
・4383および4387
・4383およびペルツズマブアナログ
・4384および4386
・4385および4387
25%〜50%の抑制を示す抗体ペア組み合わせ:
・4387および4519
・4519およびペルツズマブアナログ
・4382および4387
・4383および4387
・4387およびペルツズマブアナログ
図1は、本発明の抗HER2抗体を結合する代表的なエピトープの結果を示す。「HER2」は、Fc複合化HER2の会合期間を示す。「遮断」は、遮断抗体シナジスがフリー抗Fcサイトを遮断する会合時間を示す。遮断された部位は、違いによって「HER2」の端部と「遮断」の端部の間のRU値の差分で表わされ(解離期間の末端で測定した両方の場合、即ち、約600秒および1500秒で)、「遮断されたフリー抗Fc部位」と名付けられた。「mAb1→」は第1の次元における抗HER2抗体の会合時間を示す。「CHIP回転」は、第2の次元への変更を示す。「mAb2↓」は第2の次元における抗HER2抗体の会合時間を示す。抑制パーセントは、二次抗体(「mAb2結合」と命名される)の結合の後に得られる第1の抗体結合(「mAb1結合」と命名される)におけるRUパーセントとして計算される。この例で、ランニングバッファーは、サンプルA1に2度注入され、同じ抗体は、サンプルA2に2度注入され、および、A2からの抗体は、サンプルA3、A4、A5およびA6に4つの異なる抗体と一緒に注入される。自己オーバーラップはサンプルA2で観察される(mAb2↓の間のRUの些細な変化;右下に破線矢印によって示される)、しかし有意なオーバーラップはA2からの抗体と他の抗体の間で観察されていない。
実施例4:2つまたは3つの抗HER2抗体の混合物の機能的特徴決定
この例は、ヒトHER2に結合することを確認された本発明の10個の選択された抗HER2抗体中の2つまたは3つの抗体からなるあらゆる混合物の生体外実験について記述する。抗体混合物を、3つの異なる癌細胞株の増殖を阻害する能力について評価した:N87(胃癌)、SKBR-3(乳癌)およびBT474(乳癌)。
方法
ヒトHER2受容体への結合が確認された抗体4380、4381、4382、4383、4384、4385、4387、4517、4518および4519を、最適な効能を備えた抗体の組み合わせを識別するために2つまたは3つの抗体からなるあらゆる混合物についてテストした。使用した方法は、例えば、384ウェルプレートに異なる抗体組み合わせを調製して使われた、これらの方法は、国際公開第WO 2010/040356号に一般的に記載された。さらなる詳細は下に与えられている。
2つの抗体の混合物
10個の抗体は1xPBSで25μg/mlの濃度に薄められ、さらに100μlの抗体溶液を、試験のために2つの抗体の混合物を調製して使用する384ウェルフィーダープレートのウェルに加えた。
テスト済みの3つの細胞株の各々のために、適切な数の細胞(N87:3000個の細胞; SKBR-3:1000個の細胞; BT474:2000個の細胞)を含む46μlの培養液がウェルに加えられている2つの別個の384ウェルプレートを使用した。Biomek 3000ラボラトリー・オートメーション・ワークステーション(Beckman Coulter)を、2つの異なる抗体の組み合わせすべてがある培養液+細胞を含むフィーダープレートの2つの異なった抗体のそれぞれ2μlを384ウェルプレートのウェルに加えるために使用した。さらに、プレートは、培養液コントロールウェル(50のμl 1xPBSメディア;細胞無し)、未処置の対照ウェル(50個のμl 1xPBS培養液+細胞;抗体無し)、および参照抗体としてのハーセプチンまたはペルツズマブのアナログのいずれかを備えた4μlの培養液または補足対照として本発明の10個の抗体のうちの1つだけを備えた4μl培養液(培養液+細胞の46μlに加えて)のウェルを含んでいた。
2つの抗体の混合を含んでいるウェル、同様に培養液および未処置の対照ウェル、並びにハーセプチン/ペルツズマブアナログまたは本発明の単一の抗体を有するウェルを備えたプレートを、37℃で加湿したインキュベーターの中で4日間インキュベートし、その後5μlの1xPBSで1:1に希釈した細胞増殖試薬WST-1をプレート上の関連するすべてのウェルに加えた。プレートを、37℃で1時間インキュベートして、続いて眼窩振盪機に移し、さらに別の1時間インキュベートした。吸光度をELISAリーダ上で450nmおよび620nm(参照波長)で測定した。代謝的アクティブセル(MAC)の量を、未処置の対照の割合として以下の式に基づいて計算した:
Figure 2016182135
代謝活性が生細胞の数と相関し、より低い%MACが抗体による細胞増殖抑制の高位レベルに対応すると仮定する。
3つの抗体の混合物
ヒトHER2受容体へ結合が確認された同じ10個の抗体を、1xPBSで16.67μg/mlの濃度に希釈し、さらに100μlの抗体溶液を、試験のために3つの抗体の混合物を調製して使用する384-ウェルフィーダープレートのウェルに加えた。
同じ3つの細胞株を3混合の生体外分析に使用した、即ちN87、SKBR-3およびBT474。テスト済みの各細胞株について、ウェルに上述したように加えられたのと同数の細胞を含む44μlの培養液を持つ10個の異なる384のウェルプレートを使用した。Biomek 3000ラボラトリー・オートメーション・ワークステーション(Beckman Coulter)を使って、フィーダープレートの3つの異なった抗体のそれぞれ2μlを、3つの異なる抗体の組み合わせがすべて表わされるように、培養液+細胞を含んでいる384-ウェルプレートのウェルに加えた。さらに、プレートは、培養液コントロールウェル(50のμl 1xPBSメディア;細胞無し)、未処置の対照ウェル(50個のμl 1xPBS培養液+細胞;抗体無し)、および参照抗体としてのハーセプチンまたはペルツズマブのアナログのいずれかを備えた6μlの培養液または補足コントロールとして本発明の10個の抗体のうちの1つだけを備えた6μl培養液(培養液+細胞の44μlに加えて)のウェルを含んでいた。
3つの抗体の混合を含むウェル、同様に培養液および未処置の対照ウェル、並びにハーセプチン/ペルツズマブアナログまたは本発明の単一の抗体を有するウェルを備えたプレートを、37℃で加湿したインキュベーターの中で4日間インキュベートし、その後、5μlの1xPBSで1:1に希釈した細胞増殖試薬WST-1をプレート上の関連するすべてのウェルに加えた。プレートを、37℃で1時間インキュベートして、続いて軌道振盪機に移し、さらに別の1時間インキュベートした。吸光度を450nmおよび620nmで測定し、次に上述したように、%MACを計算した。
結果
ヒトHER2に結合が確認された10個の選択された抗HER2抗体のあらゆる2混合および3混合を3つの癌細細胞株N87(胃癌)、SKBR-3(乳癌)およびBT474(乳癌)の増殖を抑制する能力について評価した。%MACを、10個のモノクローナル抗体のそれぞれについて、および2つまたは3つの抗体の混合物のそれぞれについて計算した。その後、その混合は細胞増殖に対するそれらの影響によって格付けされた。また、最も高い平均効能(3つの細胞株の結果の平均に基づいた最も高い平均の%MAC)を備えた55の混合物は下の表8に示される。
結果は、平均の%MACの差はそれほど明白ではないが、様々な混合物の増殖阻害効果が異なる細胞株間で相当に変わることを示す。平均%MACに基づいて、表8内の55の抗体混合物は選択されたが、個々の抗体混合物は、任意の1つ以上の細胞株で実証された効果に基づくと興味深いものとなり得、さらに単なる単離細胞株のハイレベルの抑制(低い%MAC)は、あるタイプの癌に対して生体内の非常に有用な抗体組み合わせと置き換えても良いことが熟考される。
Figure 2016182135

Figure 2016182135
実施例5:ADCCおよびCDCの測定
生体外の抗体依存細胞性細胞毒素(ADCC)および補体依存細胞毒性(CDC)を引き起こす本発明のHER2特異抗体混合物の能力を研究するために、 2つ、3つまたは4つの抗体からなる20の異なる抗HER2抗体混合物を標的細胞としてN87および/またはSKBR3を使用してテストした。
方法
生体外のADCC
末梢血単核細胞(PBMC)は、Lymphoprep(商標)分離媒体を使用して正常ボランティアの血液から分離し、そして作動細胞として使用した。HER2を発現するN87およびSKBR3細胞を、標的細胞として使用した。標的細胞は、37℃で1時間107個の細胞につき334のμCiクロム酸ナトリウム(51Cr、334)で標識付けした。洗浄の後、50:1エフェクター:目標(E/T)比率でエフェクター細胞を加える前に、標的細胞(5x103/ウェル)を、RPMI-1640 +10%のFCS + 1%のペニシリン/ストレプトマイシンを使用して37℃で30分間抗HER2抗体を用いてプレインキュベートした。 TopCountマイクロプレート・シンチレーション計数器を使用して。培養液の中で51Crの量を測定することによって細胞溶解を検知する前に細胞を37℃でさらに4時間インキュベートした。最大の溶解は、51Crラベル付けされた標的細胞を含むウェルへ2%のトリトン-X100を追加して達成した。自発性の溶解は、エフェクターおよび標的細胞の両方を含んでいるが抗体を含まないウェルから測定した。
特異的細胞毒性は以下のように計算した:
Figure 2016182135
陽性対照抗体ハーセプチンと比較された相対的な細胞毒性は以下のように計算された:

相対的細胞毒性%=(抗体X細胞毒性%/ハーセプチン細胞毒性%)x100
生体外CDC
遠心分離によって分離された新鮮に採取した血液からの血清を補体の源として使用した。HER2を発現するN87細胞を、標的細胞として使用した。標的細胞は、37℃で1時間107個の細胞につき334のμCiクロム酸ナトリウム(51Cr)で標識付けされた。洗浄の後に、標的細胞(5x103/ウェル(100μl))を、RPMI-1640 +10%のFCS + 1%のペニシリン/ストレプトマイシン(50μl)で希釈し抗HER2抗体に加えた、引き続き新鮮な血清(50μl)を追加した。 TopCountマイクロプレート・シンチレーション計数器を使用して培養液の中で51Crの量を測定して細胞溶解を検知する前に、細胞は37℃で3時間血清および抗体でインキュベートした。最大の溶解は、51Crでラベルを付けされた標的細胞を含むウェルへ2%のトリトン-X100を追加して達成した。自発性の溶解は、標的細胞を含んでいるが血清を含まないウェルから測定した。
細胞毒性パーセンテージは以下のように計算した。
Figure 2016182135
結果
テスト済みの20の抗体の組み合わせすべてがHER2を発現する細胞株N87およびSKBR3にADCCを誘導することができた。N87癌細胞株の抗HER2抗体組み合わせの最大の特異的細胞毒性は、0.1μg/mlの抗体濃度で16%〜24%からの範囲にあった、これは、ハーセプチンと比較して(図2Aおよび2B、ならびに図3Aおよび3Bを参照)46%〜69%の相対的な溶解%と等価である。 SKBR3細胞では、0.1μg/mLの抗体濃度で誘導された特定のADCC%は、20%〜34%の範囲にあった、これは、ハーセプチンと比較して(図2Cおよび2D、ならびに図3Cおよび3Dを参照)48%〜83%の相対的な細胞毒性%に相等する。
ハーセプチンが標的細胞の潜在的な溶解を誘導するADCC分析からの結果に反して、ハーセプチンはCDC(図4および5)を誘導することができなかった。対照的に、2つ、3つのまたは4つの抗体を含む本発明の16の抗HER2抗体混合物は、12%の特異的細胞毒性(図4および5)の平均値を持つ5%〜31%の特異的細胞毒性のレベルでCDCを誘導した。SKBR3細胞を使用した場合、CDCは観察されなかった。混合物内の抗体の数と誘導された最大の細胞毒性%との間は、無相関であることが観察された。さらに、2つ、3つおよび4つの抗体を含んでいる混合物は、トップ4つのCDC誘導抗体混合物(図4および図5)の中に現れている。
この例は、本発明の抗HER2抗体混合物はすべてかなりのレベルのADCCおよびCDCを示す。生体内の設定の中で、ADCCとCDC以外の作用機序は抗体混合物の影響に重要な役割を果たすだろう。特に、非オーバーラップHER2エピトープを結合する本発明の抗体混合物は高レベルの受容体インターナリゼーションを生じ、しかも、これは改善された抗腫瘍効果に結びつくだろうということが熟考される。この例において示される結果は、実施例4と組み合わせてみるべきであり、本発明の抗体混合物が、1つ以上のテスト済みの細胞株で高レベルの癌細胞増殖阻害を一般に示すこと、および実施例4において示される増殖阻害は、必ずしも、例えばADCCレベルと相関があるわけではないことを表している。
実施例6:異なる癌細胞株上の抗体混合物の滴定
この例で異なる濃度での異なる抗体混合物で処置した後に、実施例2および実施例4に記されているWST-1分析を、代謝的アクティブセルの数を測定するのに使用した。抗体混合物はいくつかの癌細胞株でテストされ、また4つの細胞株N87(胃癌)、HCC202(乳癌)、BT474(乳癌)およびZR-75-30(乳癌)の結果をこの実施例で示す。
方法
WST-1分析を行なう前に、対照抗体(陰性対照抗体としてのシナジス(登録商標)および陽性対照抗体としてのペルツズマブアナログと共に本発明の抗体混合を希釈して2%のFBSおよび1%のP/Sを追加した個々の細胞株用の適切な培養液で、100μg/mlの最終総抗体濃度にし、最も高い抗体濃度を含むウェルに50μg/mlの最終抗体濃度を産出した。その後、抗体の3倍の段階希釈を行った。細胞(N87: 3000個の細胞/ウェル; HCC202、BT474およびZR-75-30: 2000個の細胞/ウェル)の適切な数をその後、384のウェルプレートの実験ウェルに加えた、次にプレートを37℃で加湿したインキュベーターの中で4日間インキュベートした。引き続いてWST-1試薬をプレートに加えた、その後それを37℃で1時間インキュベートし、そしてその後1時間オービタルプレートシェーカーに移した。吸光度はELISAリーダを使用して、450nmおよび620nm(参照波長)で測定した。上記されるように、未処置の対照(%MAC)の割合としての代謝的にアクティブセルの量を計算した。
結果
細胞株N87、HCC202、BT474およびZR-75-30上の4つの抗体混合物の滴定の結果は、付録の図6-9に示す。さらに、下の表9は、IC50 (最大の阻害濃度の半分)の値、同様に4つの抗体混合物およびペルツズマブアナログの最大阻害レベルを示す。(IC50の値は、対応する最大阻害レベルが互いにあまり異ならない場合だけ意味のある比較ができることに注目すべきである)。これらの値および同様に表9からも、混合物には、それらがテストされる細胞株に応じて異なるレベルの阻害および異なる効力があるのは明白である。しかしながら、4つの細胞株の増殖を阻害することで、4つの混合物はすべてペルツズマブアナログより優れている。
Figure 2016182135
実施例7:抗HER2混合物、N87異種移植片モデルの生体内の効能
抗HER2抗体混合物4517+4384、4382+4518、4382+4385+4518および4382+4387+4518を、ヌードマウスNCI-N87異種移植片モデル内の生体内の効能について研究した。これは、抗HER2抗体を含むモノクローナル癌治療抗体の効力および効能を研究するために広く用いられているモデルである。ヌードマウスは免疫不全でありT細胞を欠く、それゆえにマウス内でヒト細胞が成長できる。
方法
107 NCI-N87細胞を、生後8週の雌の胸腺欠損ヌードマウスの脇腹に皮下接種させた。腫瘍を、カリパスで毎週2度測定した。さらに腫瘍容積(mm3)を定式によって計算した:(幅)2x長さx 0.5.平均腫瘍サイズ300 mm3で、マウスを無作為化し、処置を開始した。マウスは、50mg/kgの4384+4517、4382+4318、4382+4385+4518または4382+4387+4517で腹膜腔内注射を、5週(合計で10回の注射)の間毎週2度処置し、続いて3週間の観察期間が続いた。実験はさらに抗HER2モノクローナル抗体トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))を含んでいた。それは、抗HER2抗体混合物のために記述されるのと同じスケジュールに従って、投薬・投与された。
結果
この実験の結果を図10に示す。腫瘍接種後59日目平均腫瘍サイズ300 mm3で、マウスを無作為に10匹の動物からなる6つのグループに分けた、次に、50mg/kg の4382+4518、4384+4517、4382+4385+4518、4382+4387+4517、トラスツズマブおよび媒体(対照群)で処置を始めた。1週間の処置の後、66日目に後退し始める前は、すべての処置グループ中の腫瘍は、初期には増殖し続けた。4384+4517またはトラスツズマブで処置されたマウスでは、腫瘍接種後83日目および73日目にそれぞれ成長し始める前に、腫瘍は、300 mm3の処置スタートサイズよりほんのわずかに小さくなった。この時以後、両方の処置グループ内の動物上の腫瘍は媒体対照群に類似する増殖力学があった。対照的に、4382+4518、4382+4385+4518または4382+4387+4517で処理されたマウスは、トラスツズマブと比較して遷延した著しくよりよい腫瘍抑制を示した。処置期間(91日目)の終わりに腫瘍増殖抑制は3つのグループすべてにおいて縮小されかつ処置が中止された後、腫瘍はゆっくりと増殖し始めた。
要約すると、抗HER2混合物、4382+4518、4382+4385+4518および4382+4387+4517で処置された動物は、トラスツズマブと比較して、N87の腫瘍異種移植片の著しく改善された増殖阻害を示した。
実施例8:抗HER2混合物、OE19異種移植片モデルの生体内の効能
抗体混合物 4384+4517、4382+4518、4382+4385+4518および4382+4387+4518の生体内の効能を別の生体内の腫瘍モデル、OE19胃癌異種移植片モデルでテストした。
方法
5x106のOE19細胞を、生後10週目の雌の胸腺欠損ヌードマウスの脇腹へ皮下に接種させた。腫瘍を、カリパスで2度毎週測定した。また、mm3単位で腫瘍容積は定式によって計算した:(幅)2x長さx 0.5.平均腫瘍サイズ110 mm3で、マウスを無作為化し処置を開始した。マウスは、50mg/kgの4384+4517、4382+4518、4382+4385+4518または4382+4387+4517で腹膜腔内注射を、5週(合計で10回の注射)の間毎週2度処置し、続いて3週間の観察期間が続いた。実験はさらに抗HER2モノクローナル抗体トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))を含んでいた。それは、抗HER2抗体混合物を記述したものと同じスケジュールに基づいて、投薬・投与された。
結果
この実験の結果を図11に示す。第1の処置直後に対照群と比較された腫瘍増殖の抑制が4382+4385で+4518および4382+4387+4517で処置されたグループの中で観察することができた。4382+4385+4518のグループのマウス上の腫瘍はすべて後退し、早くも23日目にトラスツズマブより著しく改善した;この改善は研究の残り全体にわたって続いた。腫瘍接種後37日目、10の処置のうちの7つの処置の後に、このグループ中の8つのマウスのうちの6つは全般的に軽減があり、研究の終わりまで腫瘍がなかった。4382+4387+4517で処置されたグループ中で、腫瘍は1つのマウス以外のすべてで後退した。この抗体3つの混合は、32日目からのトラスツズマブよりも著しく良かった。37日目においては、このグループ内の7匹のうちの4匹の動物には腫瘍がなかった、そして研究の終わりまでそのままだった。1つのマウスは処置に応答せず、そして大きな腫瘍サイズにより53日目に安楽死させた。4384+4517で処理されたマウスは、さらに処置によく応答し、そして腫瘍接種後28目にトラスツズマブより著しく改善した。43日目において、このグループ内の8つのマウスのうちの3つには腫瘍がなかった。4382+4518で処置されたマウスは、16日目(処置スタート)から28日目までの腫瘍増殖がコントロールされ、腫瘍サイズはゆっくりと増加したが、その後抗体処置がまだ媒体対照とトラスツズマブと比較して腫瘍成長を抑えていた。これにもかかわらず、そして53日目から研究の最終日(67日目)まで、4382+4518は、44日目のトラスツズマブと比較して腫瘍増殖の抑制を著しく改善させた。
要約すると、本発明の抗HER2抗体混合物はすべて、OE19腫瘍異種移植片モデルのトラスツズマブと比較して、腫瘍増殖を阻害し制御することで著しく優れていた。
実施例9
この実施例は、HER2の解重合(degradation)およびHER2媒介HER3燐酸化の遮断が同時に起こると、HER2依存の癌細胞株の最適な抑制が生じることを実証する。そのような二重遮断は、HER2に対抗する3つの抗体の混合物で最も達成され、それらのうちの2つが効果的にHER2の解重合を引き起こす、一方、第3の抗体がHER2/HER3ヘテロ二量体によって代償性のシグナル伝達を遮断する。この代償性のHER2/HER3ヘテロ二量体シグナル伝達は代償性のHER3発現上昇によって部分的に促進されると考えられている(実施例11を参照)。
方法
HER2に対抗する抗体混合物の優れた増殖阻害の可能性の裏側にある機序を研究するために、 EGFR、HER2およびHER3の燐酸化レベルを胃癌細胞株NCI-N87で研究した。ウエスタンブロット解析を、あらかじめ抗体で一晩処理し、かつ10 nMのHER3リガンドヘレグリンベータで15分間刺激したNCI-N87細胞の全体の細胞溶解物上で遂行した。細胞は6つのウェルプレートで育て、また、80%のコンフルエンスで培養液を除去し、次に細胞を1xPBSで洗浄し、0.5%のFBSを含む2mlの培養液で希釈した10μg/mのl抗体で処置した。細胞は一晩処置され、その後10 nMのヘレグリンベータで15分間刺激した。細胞を2mlの1xPBSで洗浄し、その後200μlの1x NuPAGE LDSのサンプルバッファーを加えた。10μl〜15μlのサンプルを、EGFR、pEGFR(Tyr1068)、HER2、pHER2(Tyr1221)、HER3またはpHER3(Tyr1289)に対抗する一次抗体を使用してウエスタンブロットによって分析した。
結果
HER2、HER3およびEGFR(図12)のヘレグリン誘導燐酸化の抗体媒介抑制の分析の結果は、抗HER2抗体および抗体混合物が、EGFR、HER2およびHER3の燐酸化の状態およびHER2のレベルに異なる効果があることを実証している。ヘレグリンは、HER3の燐酸化を誘導したが、EGFRとHER2の燐酸化レベルに効果がなかった。モノクローナル抗体4382および参照モノクローナル抗体ペルツズマブアナログだけが、リガンド誘導HER3燐酸化を遮断できた。これらの結果は、4382がHER2およびHER3のヘテロ二量体化を遮断できる能力を示す。抗体混合物はすべて、HER2およびEGFR燐酸化の全体のレベル、同様にHER2レベルを減少させることができた。しかしながら、4382を含んでいる混合だけが、同時にHER2の解重合を誘導し、HER2およびEGFRの燐酸化同様にHER3の燐酸化を遮断することができた。結果はさらに、3つの受容体すべての燐酸化の遮断、特にHER2の遮断で、3つの抗体(4382+4385+4518および4382+4387+4517)を含む混合物は、2つの抗体(4382+4518およびトラスツズマブ+ペルツズマブアナログ)の混合物より優れていたことを示した。 3つの抗体を含んでいる混合物が優れていると信じられているというのは同時にHER2の解重合(それぞれの混合物での抗体ペア4385+4518または4387+4517を通して)を誘導し、またリガンド媒介としたHER3燐酸化(抗体4382による)を遮断するそれらの能力があるからである。これらの結果は、HER2に対抗する3つの抗体の混合物は単一の抗HER2 mAbsより優れていることを示す我々の薬学データとよく相関する。またさらに生体内外の細胞および腫瘍増殖を遮断する2つの抗HER2抗体の混合物より一般に優れている(例えば実施実施例4および6を参照)。
抗HER2抗体3つの混合物の一般的な優位性のHER2/HER3シグナル伝達方式および仮定された機序の模式図13Aおよび図13Bの中それぞれで示されている。図13Aの左側はHER2ホモ二量体による腫瘍形成性のシグナル伝達カスケードを説明し、血管形成、細胞運動および増殖をもたらす。図13Aの右側は、HER3受容体にHER3リガンドを結合することで始まったHER2/HER3ヘテ二量体によるシグナル伝達カスケード(恐らく抗HER2抗体で処置受けてのHER3の発現上昇によって引き起こされた)を説明する。これによって、タンパク質合成、増殖および単糖代謝などの機序を影響させて腫瘍形成性のシグナル伝達が生じる。図13Bは、それによって本発明の3つの抗HER2抗体の混合物が、HER2ホモ二量体およびHER2/HER3ヘテロ二量体化の両方からの腫瘍形成性シグナル伝達を妨害し得るという仮定上の機序を説明する。図の左側は、HER2の非オーバーラップエピトープを結合する2つの抗HER2抗体が、架橋結合した受容体抗体格子構造を形成することができ、この構造がHER2受容体のインターナリゼーションおよび解重合をもたらすことを示す。図13Bの右側は、どのようにHER2の二量体化腕に結合する第3の抗HER2抗体が、HER2/HER3ヘテロ二量体の代償性の形成を遮断できると信じられているのか、それによってさらにHER3媒体シグナル伝達を遮断し、HER3の発現上昇が引き起した抗HER2抗体処置に対する可能な抵抗を妨害するかを説明する。
実施例10
この実施例は、非オーバーラップのエピトープを結合する抗HER2抗体の混合物が様々なヒト癌細胞株のHER2の分解を効率的に誘発できることを実証する。
方法
抗HER2混合物によって誘発する受容体分解のレベルを研究するために、10μg/mlの抗体で48時間処置されたZR-75-30、NCI-N87、BT474およびHCC202細胞の細胞全体の溶菌液についてウエスタンブロット解析を行なった。細胞はT-75培養フラスコの中で育てられ、また、80%のコンフルエンスで培養液を除去し、また、細胞は1xPBSで洗浄し、0.5%のFBSを含んでいる5mlの培養液で希釈した抗体の20μg/mlで処置した。細胞は一晩処置され、その後、標準RIPAバッファーを使用して細胞の全体溶菌液を調製した。全蛋白量濃度を各サンプル内で測定し、また、1μg〜5μgのタンパク質を、HER2に対抗する一次抗体を使用してウエスタンブロットによって分析した。
結果
標的分解(図14)の研究結果は、非オーバーラップエピトープ(4384+4517および4382+4385+4518および4382+4387+4517)がすべての細胞株のHER2の分解を誘発させた抗体の混合物を実証する。4382+4518およびトラスツズマブ+ペルツズマブアナログの混合物はそれほど効率的ではなく、これらの抗体のエピトープが標的分解の誘導には最適ではないことを示した。3つの抗体の混合物は、単一抗HER2 mAbsおよび抗HER2抗体2つの混合物の両方よりも優れているように見えた、そして特に抗体 4382+4385+4518を含む混合物が非常に効率的だった。mAbsトラスツズマブまたはペルツズマブアナログのどちらも有意なHER2分解を誘導しなかった、ただしZR-75-30細胞株中のトラスツズマブは例外である。したがってこれらの結果は、HER2上の非オーバーラップエピトープに対抗する抗体の混合物はその分解を誘発できるが、その混合物には様々な効率があることを示す。
実施例11
この実施例は、HER2/HER3軸椎を通る発がん性シグナル伝達を維持するために、いくつかの癌細胞株はHER2をターゲットとすることに応じてHER3レベルを発現上昇させることを実証する。
方法
HER2をターゲットとすることに応じるHER3レベルのレベルを研究するために、 20μg/mlの抗体(トラスツズマブ、ペルツズマブ・アグ、トラスツズマブ+ペルツズマブアナログ、4384+4517、4382+4518、4382+4385+4518または4382+4387+4517)で処理されたNCI-N87およびHCC202細胞全体の細胞溶菌液について一晩ウエスタンブロット解析を行なった。細胞はT-75培養フラスコの中で育てられ、次に80%のコンフルエンスで培養液を除去し、次に細胞を1xPBSで洗浄し、0.5%のFBSを含む5mlの培養液で希釈した20μg/mlの抗体で処置した。細胞は一晩処置され、その後標準RIPAバッファーを使用して細胞溶菌液の全体を調製した。全蛋白量濃度は各サンプル内で決定し、また1または10μgのタンパク質をHER2およびHER3に対抗する一次抗体を使用してウエスタンブロットによって分析した。
結果
HER3レベル(図15)の研究結果は、HER2をターゲットとすることは2つの異なる細胞株でのHER3発現上昇に結びつくことを実証する。この結果はさらに、細胞がHER2分解を誘発する抗体の混合物で処置される場合、HER3発現上昇が最もありうることを示す。
実施例12:抗体処置された癌細胞株のHER2分解
この実施例は、非オーバーラップエピトープを結合するHER2抗体の混合物が、HER2分解を誘発できること、3つの抗体 4382+4385+4518の組み合わせは、分解を誘発することで2つの抗体の組み合わせより効率的であること、そして抗体4385+4518の組み合わせは、4382+4385+4518の混合物でHER2インターナリゼーションの主要な運転手であることを実証する。
方法
抗体混合物によって誘発されたHER2受容体分解のレベルを研究するために、ウエスタンブロット解析を、モノクローナル抗体または2つもしくは3つの抗体を含む抗体混合物の10μg/mlで48時間処置したOE19(胃癌)、NCI-N87(胃癌)、ZR-75-30(乳癌)、BT474(乳癌)およびHCC202(乳癌)細胞の細胞全体の溶菌液について行った。細胞はT75フラスコの中で育てられた。80%のコンフルエンスで、培養液を除去し、細胞を1xPBSで洗浄し、続いて0.5%のFBSを含む5mlの培養液で希釈した抗体または抗体混合物10μg/mlで処置した。 48時間のインキュベーションに続いて、細胞溶菌液全体にRIPAバッファーを使用して調製した。全蛋白量濃度はサンプル毎に測定し、また、1μg〜5μgタンパク質をHER2とアクチンの一次抗体を使用してウエスタンブロットによって解析した。テストされた抗体は、以下の陰性対照抗体(HER2への結合がない抗RSV(RSウィルス抗体)であった:トラスツズマブ、ペルツズマブアナログ、トラスツズマブ+ペルツズマブアナログ、そして抗体4382、4385および4518を単独でまたは2もしくは3つの混合物。
結果
結果(図16)は、 テスト済みのモノクローナル抗体および抗体混合物の内、抗体混合物4382+4385+4518が、すべてのテスト済みの細胞株を横断してHER2標的分解の誘発で最も効率的であることを示す。さらに、4385+4518は、HER2分解を誘発する2つの抗体を含んでいる混合物の中で最も効率的なものである。 4382+4385+4518の抗体混合物の他の2つの抗体の組み合わせ(即ち、4382+4385および4382+4518)は、標的インターナリゼーションを誘発するにはそれほど効率的でない。これは4382+4385+4518の抗体混合物において抗体4385および4518の組み合わせはHER2インターナリゼーションの主要なドライバーであることを示す。
実施例13:抗体混合物中の異なるコンポーネントの増殖抑制効果
この実施例で、4382+4385+4518の抗体混合物の異なるコンポーネントの抗増殖効果の測定するために、実施例2、4および6に記述した生存度(WST-1)分析を使用した。さらに抗体4382をペルツズマブアナログと取り替えられた抗体混合物を類似する結合特異性および生体機能を備えた抗体が互いに入れ替わることができるかどうかを判断するために同様に評価した。実施例3に記述されているように、抗体4382およびペルツズマブアナログは、オーバーラップするエピトープまたはHER2の上の近接するエピトープと結合し、および、両方の抗体はリガンド誘導HER3燐酸化(実施例9)を遮断できる。抗体混合物を、NCI-N87(胃癌)、OE19(胃癌)、HCC202(乳癌)、BT474(乳癌)およびSKBR3(乳癌)を含むいくつかの癌細胞株でテストした。
結果
異なる抗体混合物の滴定の結果は、4382+4385+4518抗体混合物からの2つの抗体のすべての組み合わせ、即ち、4382+4385、4382+4518および4385+4518が癌細胞増殖を阻害できることを示す。しかしながら、これらの抗体のすべての3混合物、即ち、4382+4385+4518は、テスト済みのすべての細胞株の増殖を阻害する最も効果のあるものである。これら3つの細胞株NCI-N87、BT474およびHCC202についての滴定からの結果を、図17-19に示す。
ペルツズマブアナログの場合、抗体4382が類似の結合特異性およびリガンド誘導HER3燐酸化を遮断する能力を備えた抗体と取り替えられると、増殖阻害の効果が維持されることが図17-19から見てとれるだろう。ペルツズマブアナログおよび抗体4385もしくは4518の組み合わせ、または両方との組み合わせは、ペルツズマブアナログだけと比較して細胞増殖の抑制亢進を示す。しかしながら、抗体4382を含む組み合わせは、すべてのテスト済みの細胞株のペルツズマブアナログを含む対応する組み合わせより効果的である。

Claims (42)

  1. HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1、第2および第3の組換え型抗HER2抗体を含む抗体組成物であって、HER2と前記第1および前記第2の抗体との結合によりHER2受容体インターナリゼーションが生じ、かつ、HER2と前記第3の抗体との結合によりHER3のリガンド誘導燐酸化の阻害が生じる、組成物。
  2. 請求項1の抗体組成物であって、前記第1および前記第2の抗体が細胞表面上のHER2と結合することにより細胞表面上において架橋結合した抗体受容体格子を生成し、かつ、前記第3の抗体がHER2と結合することによりHER2およびHER3の間のヘテロ二量体化を遮断する、組成物。
  3. 請求項1または2の抗体組成物であって、
    (a)前記第1の抗HER2抗体が以下のものを含み:
    抗体4517の重鎖CDR3配列(配列番号47)および軽鎖CDR3配列(配列番号76)、または
    抗体4518の重鎖CDR3配列(配列番号50)および軽鎖CDR3配列(配列番号78);
    (b)前記第2の抗HER2抗体が以下のものを含み:
    抗体4380の重鎖CDR3配列(配列番号53)および軽鎖CDR3配列(配列番号80)、
    抗体4385の重鎖CDR3配列(配列番号65)および軽鎖CDR3配列(配列番号88)、または
    抗体4387の重鎖CDR3配列(配列番号71)および軽鎖CDR3配列(配列番号92);かつ、
    (c)前記第3の抗HER2抗体が以下のものを含む、組成物:
    抗体4382の重鎖CDR3配列(配列番号56)および軽鎖CDR3配列(配列番号82)、
    抗体4383の重鎖CDR3配列(配列番号59)および軽鎖CDR3配列(配列番号84)、または
    抗体4519の重鎖CDR3配列(配列番号74)および軽鎖CDR3配列(配列番号93)。
  4. 請求項1または2の抗体組成物であって、
    (a)前記第1の抗HER2抗体が以下のものを含み:
    抗体4517の重鎖可変領域(配列番号2)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号4)のCDR1、CDR2およびCDR3、または
    抗体4518の重鎖可変領域(配列番号6)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号8)のCDR1、CDR2およびCDR3;
    (b)前記第2の抗HER2抗体が以下のものを含み:
    抗体4380の重鎖可変領域(配列番号10)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号12)のCDR1、CDR2およびCDR3、
    抗体4385の重鎖可変領域(配列番号26)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号28)のCDR1、CDR2およびCDR3、または
    抗体4387の重鎖可変領域(配列番号34)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号36)のCDR1、CDR2およびCDR3;かつ、
    (c)前記第3の抗HER2抗体が以下のものを含む、組成物:
    抗体4382の重鎖可変領域(配列番号14)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号16)のCDR1、CDR2およびCDR3、
    抗体4383の重鎖可変領域(配列番号18)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号20)のCDR1、CDR2およびCDR3、または
    抗体4519の重鎖可変領域(配列番号38)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号40)のCDR1、CDR2およびCDR3。
  5. 請求項1または2の抗体組成物であって、前記第3の抗HER2抗体が、抗体4382の重鎖可変領域(配列番号14)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号16)のCDR1、CDR2およびCDR3を含む組成物。
  6. 請求項5の抗体組成物であって、
    (a)前記第1の抗HER2抗体が、抗体4518の重鎖可変領域(配列番号6)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号8)のCDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ、
    前記第2の抗HER2抗体が、抗体4385の重鎖可変領域(配列番号26)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号28)のCDR1、CDR2およびCDR3を含むか; または
    (b)前記第1の抗HER2抗体が、抗体4517の重鎖可変領域(配列番号2)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号4)のCDR1、CDR2およびCDR3を含み、かつ、
    前記第2の抗HER2抗体が、抗体4387の重鎖可変領域(配列番号34)のCDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖可変領域(配列番号36)のCDR1、CDR2およびCDR3を含む、組成物。
  7. HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1、第2および第3の組換え型抗HER2抗体を含む抗体組成物であって、HER2と前記第1および第2の抗体との結合によりHER2受容体インターナリゼーションが生じ、かつ、HER2と前記第3の抗体との結合によりHER3のリガンド誘導燐酸化の阻害が生じるものであり、ここで、前記第1、第2および第3の抗HER2抗体の各々が、請求項4〜6のいずれかに記載される第1、第2および第3の抗体のそれぞれが結合するのと同じエピトープと結合し、かつ、該請求項4〜6のいずれかに記載される第1、第2および第3の抗体のそれぞれと結合に関して競合するものである、組成物。
  8. HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1および第2の組換え型抗HER2抗体を含む抗体組成物であって、前記抗体の少なくとも1つが以下から成る群より選択される組成物:
    (a)抗体4382の重鎖CDR3配列(配列番号56)および軽鎖CDR3配列(配列番号82)を含む抗体;
    (b)抗体4383の重鎖CDR3配列(配列番号59)および軽鎖CDR3配列(配列番号84)を含む抗体;
    (c)抗体4384の重鎖CDR3配列(配列番号62)および軽鎖CDR3配列(配列番号86)を含む抗体;
    (d)抗体4385の重鎖CDR3配列(配列番号65)および軽鎖CDR3配列(配列番号88)を含む抗体;
    (e)抗体4386の重鎖CDR3配列(配列番号68)および軽鎖CDR3配列(配列番号90)を含む抗体;
    (f)抗体4387の重鎖CDR3配列(配列番号71)および軽鎖CDR3配列(配列番号92)を含む抗体;
    (g)抗体4517の重鎖CDR3配列(配列番号47)および軽鎖CDR3配列(配列番号76)を含む抗体;
    (h)抗体4518の重鎖CDR3配列(配列番号50)および軽鎖CDR3配列(配列番号78)を含む抗体;
    (i)抗体4519の重鎖CDR3配列(配列番号74)および軽鎖CDR3配列(配列番号93)を含む抗体;並びに
    (j)抗体4380の重鎖CDR3配列(配列番号53)および軽鎖CDR3配列(配列番号80)を含む抗体。
  9. 請求項8の抗体組成物であって、前記第1および前記第2の組換え型抗HER2抗体の両方が抗体(a)〜(j)から選択される組成物。
  10. 請求項9の抗体組成物であって、抗体(a)〜(j)から選択される第3の組換え型抗HER2抗体を含む組成物。
  11. HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1および第2の組換え型抗HER2抗体を含む抗体組成物であって、前記第1および前記第2の抗体の各々が、請求項8に記載される抗体(a)-(j)のうち1つが結合するのと同じエピトープと結合し、かつ、前記請求項8に記載される抗体(a)-(j)のうち1つと結合に関して競合するものである、組成物。
  12. HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1および第2の組換え型抗HER2抗体を含む抗体組成物であって、前記抗体の少なくとも1つが以下から成る群より選択される組成物:
    (A)抗体4382の重鎖可変領域(配列番号14)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号16)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
    (B)抗体4383の重鎖可変領域(配列番号18)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号20)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
    (C)抗体4384の重鎖可変領域(配列番号22)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号24)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
    (D)抗体4385の重鎖可変領域(配列番号26)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号28)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
    (E)抗体4386の重鎖可変領域(配列番号30)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号32)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
    (F)抗体4387の重鎖可変領域(配列番号34)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号36)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
    (G)抗体4517の重鎖可変領域(配列番号2)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号4)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
    (H)抗体4518の重鎖可変領域(配列番号6)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号8)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;
    (I)抗体4519の重鎖可変領域(配列番号38)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号40)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体;並びに
    (J)抗体4380の重鎖可変領域(配列番号10)のCDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖可変領域(配列番号12)のCDR1、CDR2、およびCDR3を含む抗体。
  13. 請求項12の抗体組成物であって、前記第1および前記第2の組換え型抗HER2抗体の両方が抗体(A)〜(J)から選択される組成物。
  14. 請求項13の抗体組成物であって、抗体(A)〜(J)から選択される第3の組換え型抗HER2抗体を含む組成物。
  15. HER2の別個のエピトープと結合する少なくとも第1および第2の組換え型抗HER2抗体を含む抗体組成物であって、前記第1および前記第2の抗体の各々が、請求項12に記載される抗体(A)〜(J)のうち1つが結合するのと同じエピトープと結合し、かつ、前記請求項12に記載される抗体(A)〜(J)のうち1つと結合に関して競合するものである、組成物。
  16. 2つ、3つ、4つ、5つまたは6つの抗HER2抗体を含む、請求項8〜15のいずれかの組換え型抗体組成物。
  17. 2つの抗HER2抗体を含む、請求項16の組換え型抗体組成物。
  18. 第1および第2の組換え型抗体を含む請求項17の組換え型抗HER2抗体組成物であって、前記第1および前記第2の抗体が、以下の抗体の重鎖CDR3および軽鎖CDR3配列を含むものである、組成物:
    ・4380および4382、
    ・4380および4384、
    ・4380および4518、
    ・4382および4385、
    ・4382および4518、
    ・4383および4518、
    ・4384および4385、
    ・4384および4517、または
    ・4385および4518。
  19. 請求項18の組換え型抗HER2抗体組成物であって、前記第1および前記第2の抗体が、以下の抗体の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3配列を含むものである、組成物:
    ・4380および4382、
    ・4380および4384、
    ・4380および4518、
    ・4382および4385、
    ・4382および4518、
    ・4383および4518、
    ・4384および4385、
    ・4384および4517、または
    ・4385および4518。
  20. 3つの抗HER2抗体を含む、請求項16の組換え型抗体組成物。
  21. 第1、第2および第3の組換え型抗体を含む請求項20の組換え型抗HER2抗体組成物であって、前記第1、前記第2および前記第3の抗体が、以下の抗体の重鎖CDR3および軽鎖CDR3の配列を含むものである、組成物:
    ・4380、4382および4385、
    ・4380、4382および4517、
    ・4380、4382および4518、
    ・4380、4383および4384、
    ・4380、4384および4517、
    ・4380、4384および4518、
    ・4380、4384および4519、
    ・4382、4385および4518、または
    ・4382、4387および4517。
  22. 第1、第2および第3の組換え型抗体を含む請求項21の組換え型抗HER2抗体組成物であって、前記第1、前記第2および前記第3の抗体が、以下の抗体の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3並びに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3の配列を含むものである、組成物:
    ・4380、4382および4385、
    ・4380、4382および4517、
    ・4380、4382および4518、
    ・4380、4383および4384、
    ・4380、4384および4517、
    ・4380、4384および4518、
    ・4380、4384および4519、
    ・4382、4385および4518、または
    ・4382、4387および4517。
  23. 4つの抗HER2抗体を含む、請求項16の組み換え型抗体組成物。
  24. 第1、第2、第3および第4の組み換え型抗体を含む請求項23の組換え型抗HER2抗体組成物であって、前記第1、前記第2、前記第3および前記第4の抗体が、以下の抗体の重鎖CDR3および軽鎖CDR3の配列を含むものである、組成物:
    ・4380、4382、4385および4518、または
    ・4380、4384、4385および4518。
  25. 第1、第2、第3および第4の組み換え型抗体を含む請求項24の組換え型抗HER2抗体組成物であって、前記第1、前記第2、前記第3および前記第4の抗体が、以下の抗体の重鎖CDR1、CDR2およびCDR3ならびに軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3の配列を含むものである、組成物:
    ・4380、4382、4385および4518、または
    ・4380、4384、4385および4518。
  26. 請求項1〜25のいずれかの組換え型抗体組成物であって、前記組成物中の少なくとも1つの抗HER2抗体が、抗ガン剤と複合化した組換え型抗HER2抗体を含む免疫複合体である、組成物。
  27. 請求項26の組換え型抗体組成物であって、前記抗ガン剤が、細胞毒性薬、サイトカイン、毒素および放射性核種から成る群より選択される、組成物。
  28. 請求項1〜25のいずれかにおいて定義される2つの抗体の結合特異性を有する二重特異性結合分子。
  29. 前記2つの抗体の重鎖および軽鎖のCDR1、CDR2およびCDR3の配列を含む、請求項28の二重特異性結合分子。
  30. 請求項1〜25のいずれかにおいて定義される抗体をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子。
  31. 請求項30の核酸分子を含む発現ベクター。
  32. 請求項30の核酸分子または請求項31の発現ベクターを含む宿主細胞であって、前記核酸分子によってコードされる抗HER2抗体を発現することができる細胞。
  33. 抗HER2抗体を産生する方法であって、請求項32の宿主細胞を提供すること、前記抗体の発現に適している条件の下で前記宿主細胞を培養すること、および結果として生じる抗体を分離することを含む方法。
  34. 少なくとも第1および第2の組換え型抗HER2抗体を含む組換え型抗HER2抗体組成物を産生する方法であって、少なくとも第1および第2の宿主細胞を提供すること、前記第1および前記第2の抗体の発現に適している条件の下で前記第1および前記第2の宿主細胞を培養すること、並びに結果として生じる少なくとも第1および第2の抗体を分離することを含み、前記第1および前記第2の宿主細胞の各々が請求項1〜25のいずれかにおいて定義される組換え型抗HER2抗体を発現することができるものである、方法。
  35. 前記少なくとも第1および第2の宿主細胞が別々のバイオリアクターにおいて培養される、請求項34の方法。
  36. 前記少なくとも第1および第2の宿主細胞が単一のバイオリアクターにおいて培養される、請求項34の方法。
  37. ヒトまたは他の哺乳動物における癌を処置する方法であって、請求項1〜27のいずれかの組換え型抗HER2抗体組成物を前記哺乳動物に投与することを含む方法。
  38. HER2の過剰発現を特徴とする疾患を持つ患者を治療する方法であって、請求項1〜27のいずれかの組換え型抗HER2抗体組成物を前記患者に投与することを含む方法。
  39. HER2を過剰発現する細胞内のHER2および他のErbBファミリーの受容体間のヘテロ二量体形成を減少させる方法であって、請求項1〜27のいずれかの組換え型抗HER2抗体組成物に前記細胞を接触させることを含む方法。
  40. HER2を過剰発現する細胞の表面上のHER2のインターナリゼーションを誘発する方法であって、請求項1〜27のいずれかの組換え型抗HER2抗体組成物に前記細胞を接触させることを含む方法。
  41. 抗HER2抗体を用いる処置に抵抗性があるか、または部分的に抵抗性を有する腫瘍細胞の増殖を阻害する方法であって、請求項1〜7のいずれかの組換え型抗HER2抗体組成物に前記細胞を接触させることを含む方法。
  42. 前記腫瘍細胞が以前にトラスツズマブで処理されていたものである、請求項41の方法。
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