JP2016180672A - センサ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
物体までの距離などを測定するためにマイクロ波を用いると、測定結果は太陽光や温度や空気の揺らぎ(風)の影響を受けにくいことが知られている。そこで、マイクロ波レーダ装置は、屋外設置を前提にした移動物体の監視システムに利用されている。
あるいは人体が移動後に静止しても検知を可能とすべく反射強度の分布を参照して判定するFMCW方式を採用しても、植栽との反射強度の差が確保されるとは限らず判別は困難である。
以下、本発明の好適な実施の形態の1つめとして、本発明にかかるセンサ装置を侵入検知装置に適用した場合について、図を参照しつつ説明する。
本実施の形態にかかる侵入検知装置は、建物周囲の敷地内に広がる駐車場や通路などを監視領域とするよう屋外に設置され、植栽が風に揺れても、駐車場や通路を移動する人体を正しく検知することを目的とする。特に、無人であることが通常である夜間に人体を検知した場合には、建物内に立ち入ろうとする不審な侵入者と判定する。
なお、以下の実施の形態では、特に言及しない限りセンサ装置は2周波CW位相モノパルス方式にて移動物体を検知するものとして説明する。
図2(a)に示すように、本装置は2周波CW位相モノパルス方式のセンサ装置を含み、送信部10、2つの受信部20、22、A/D(Analog to Digital)変換部30、信号処理部40、記憶部50、及び出力部60を含んで構成される。
原理的にはこの2つの受信アンテナの位置の違いに起因して、アンテナR、Lそれぞれによって測定される物体までの距離に差異が生じる。しかし、その差異は、本装置が対象とする物体までの距離(例えば1mや10m)に比べ極めて小さく、両アンテナR、Lによる測定距離は実質的に同じと考えることができる。さらに、2つの受信アンテナの指向性特性が同じであり、アンテナR、Lが受信対象とする空間は実質的に一致する。つまり、アンテナR、Lは同じ空間からの反射波を受信するので、R、Lチャンネルそれぞれの受信信号にて検知される移動物体に基づくドップラパワースペクトルは、基本的に同じとなる。
本実施形態では、1秒間の時間幅についての波形データを2048点についてサンプリングをする。他の所定時間幅、サンプリング点数でもよい。
ここで、不均一度算出手段406は、図2(b)に示すように領域重複度算出手段4061として動作する。
本実施形態では、人間の移動速度を考慮して約1[Hz]〜約1[kHz]にわたって、FFTの折り返しを考慮し1024種類のドップラ周波数について強度と位相を算出する。
同様にLチャンネルに関する送信信号W1、W2に対応するドップラ信号からそれぞれ求めた位相を位相情報φL1(f)、φL2(f)とする。
また、それぞれの送信信号に対応するドップラ信号のスペクトル強度を、チャンネルごとに求める。
なお、表記のfはドップラ周波数であり、本実施形態では前述のように1024種類が定義されるため、φR1(f)など、fの関数として表記されている量はfの値に応じて1024種類の値が求められる。
このように周波数解析手段401は、受信部20、22から得られる受信信号それぞれについてドップラ成分、すなわちドップラ信号のドップラ周波数ごとのスペクトル強度と位相を周波数解析する。
距離算出部142は、Rチャンネルの位相情報φR1(f)、φR2(f)からRチャンネルの距離情報DR(f)を生成し、同様にLチャンネルの位相情報φL1(f)、φL2(f)からLチャンネルの距離情報DL(f)を生成する。
角度算出部144は、送信信号W1に対するドップラ信号の位相情報φR1(f)、φL1(f)から角度情報θ1(f)を生成し、同様に送信信号W2に対するドップラ信号の位相情報φR2(f)、φL2(f)から角度情報θ2(f)を生成する。
すなわち、角度算出部144は、次式に従いθ1(f)またはθ2(f)を算出する。
なお、式(3)で求められた速度v(f)の符号は、移動物体が侵入検知装置1に対して接近しているのか、離反しているのかを示している。周波数f1と周波数f2がf1>f2の関係にある場合、RチャンネルのφR1(f)−φR2(f)またはLチャンネルφL1(f)−φL2(f)の符号を調べると、接近の場合には符号は正、離反の場合には符号は負となるので、その符号をそのまま式(3)にて求めた値(速さ)に付与する。
測定点とは、距離情報および角度情報から特定された位置における、送信アンテナ104からの送信された送信波が反射して、ドップラ成分が検出された監視領域における点であり、ドップラ周波数ごとに設定される。本実施形態では、ドップラ周波数は1024種類用いられているので、1024点が設定される。また、各測定点にはドップラ周波数ごとに速度算出手段404にて求められた速度情報も対応付けられる。
例えば図1の模式図では、移動物体として駐車場4に人5、植栽6が存在するので、ドップラ成分はそれぞれの移動物体に対応して抽出され、測定点は各移動物体に集中して設定される。これに対し、送信波が建物3から反射しても、建物3は移動しないためドップラ成分は検出されず、測定点は設定されない。
移動する人に設定された複数の測定点の大多数は、その移動方向がおおよそ人全体の移動方向と一致する。そのため、候補領域が人の領域であれば当該領域を構成する複数の
測定点の速度情報は不均一性が低く、略均一である。よって、人に対応した候補領域に対しては低い速度不均一度が算出される。
これに対して、風に揺れる植栽においては、その各枝葉の動きはまちまちである。そのため、候補領域が植栽であれば当該領域の各所には移動方向も速さも異なる測定点が入り乱れて分布し、速度情報の不均一性が高い。よって植栽に対応した候補領域に対しては、高い速度不均一度が算出される。
この速度不均一度の相違を移動物体が検知対象の人であるのか、検知対象ではない揺れる植栽なのかの判定に利用する。
領域重複度算出手段4061は、候補領域ごとに候補領域抽出手段405が抽出した正副領域と負副領域の重複の度合いを求める。この重複の度合いが第一の実施の形態では速度不均一度に相当し、それが大きいとその候補領域は植栽らしく、小さいと人らしいことを表す。
2つの副領域の重複の度合いの求め方は模式図を用いて後述する。
各送信信号に対する反射波は、受信アンテナ120,121により受信され、Rチャンネル及びLチャンネルそれぞれの受信信号が得られる。各チャンネルの受信信号はミキサ122,123にて送信信号をミキシングされ、ドップラ信号に変換された後、送信信号W1に対する信号と送信信号W2に対する信号とに分離される。これら各チャンネルの送信信号別に分離されたドップラ信号は、A/D変換部30により、所定周波数でサンプリングされデジタルデータに変換され波形データが生成される。生成された波形データはA/D変換部30内の図示しないメモリに蓄積される。
図4には、ステップS120にて得られた距離情報の値がグラフ410に、離散的な四角でプロットされ模式的に示されている。またステップS130にて得られた角度情報の値がグラフ420に、離散的な四角でプロットされ模式的に示されている。
グラフ410にて、濃い四角でプロットされているのがRチャンネルについて求められたDR(f)、薄い四角でプロットされているのがLチャンネルについて求められたDL(f)である。グラフ420にて、濃い四角でプロットされているのが、周波数f1について求められたθ1(f)、薄い四角でプロットされているのが周波数f2について求められたθ2(f)である。
図4では、網掛けがされた、符号411、412、413、414の範囲のドップラ周波数のデータは除外され、残ったドップラ周波数に対するデータを有効なデータとして以後の処理対象とする。
さらに候補領域抽出手段405は、有効とされたドップラ周波数fごとにDR(f)とDL(f)との平均値を計算して、そのドップラ周波数fに対応する測定点までの距離D(f)とする。同様に、候補領域抽出手段405は、有効とされたドップラ周波数fごとにθ1(f)とθ2(f)との平均値を計算して、そのドップラ周波数fに対応する測定点までの方位角θ(f)とする。
クラスタリング処理を図5の模式図を用いて説明する。
図5(a)は、ステップS150までの処理により求められた測定点を、侵入検知装置1を基準に、図1の模式図でいうと監視領域4の直上から見下ろした様子を示した図である。図5(a)において、●印で示されたのが測定点であり、大きさは反射強度の高低を表す。測定点は移動物体ごとに数十〜数百設定されるが、図の見易さを考慮して数点が設定されているとする。
図5(a)において、符号510の点線の楕円で囲われた測定点が図1の模式図でいう人5、符号520の点線の楕円で囲われた測定点が図1の模式図でいう植栽6に対応して設定されたことを示している。
符号540の点線の楕円に囲われた矢印群は人5に対応する測定点のものであるが、歩行に伴う部位の動き、例えば腕の振りなどの例外はあるものの、各測定点は大よそ侵入検知装置1に接近する方向として均一になっていることがわかる。
符号550の点線の楕円に囲われた矢印群は植栽6に対応する測定点のものであるが、風により植栽が揺れると、枝葉ごとに接近と離反が混在し、速さも均一ではないことがわかる。
符号570、580に示す矩形はそれぞれ、図1の模式図でいう人5、植栽6に対応する候補領域を示している。候補領域は、クラスタの内部に含まれる測定点の全てを内包する最小の矩形として定義される。矩形ではなく凸多角形や楕円形としてもよい。
クラスタリング処理は、適宜注目する測定点を特定して、人の標準的な横幅と仮定した距離、例えば監視領域内の実寸において50cm以内にある近傍の測定点をひとまとまりのグループにすることで実現される。注目測定点を、強度の高いものから順次選択し、近傍の測定点を全てひとまとまりのグループにしてから、次に強度の高いものを注目測定点としてもよい。
例えば駐車場4に、飛行中の鳥に対応する候補領域が抽出されても、その候補領域の大きさは人らしい条件を満たさないので、人か否かの判定の対象外となる。
ステップS170にて、いずれかの候補領域が人らしい大きさの場合、処理をステップS180に進める(Yesの分岐)。いずれの候補領域も人らしい大きさではない場合は処理をステップS100に戻す(Noの分岐)。
候補領域抽出手段405は、注目する候補領域について、含まれる測定点の速度情報の符号を調べる(ステップS181)。符号は測定点が侵入検知装置1へ接近方向の速さを有しているのか、離反方向の速さを有しているのかの別を表す。
このように、人など移動に伴ってその部分によらず速度情報が大よそ均一になる場合には、候補領域に含まれる測定点の速度は接近または離反方向のいずれか(符号が正または負のいずれか)の一方に大よそ揃うことになる。
このように、植栽が風に揺れると枝葉によって動く方向が異なるため、植栽に対応した候補領域の測定点の速度情報は均一になることが稀で、速度は隣り合う(近接する)測定点どうしでも接近方向と離反方向が入れ替わるなどいずれかには揃わない。
また候補領域抽出手段405は、生成したサブクラスタについてステップS160と同様に外接矩形を生成して副領域を抽出する(ステップS183)。
図7(c)には、同図(a)に示した候補領域570から生成された副領域576と577が示されている。副領域577は、矢印575で示される離反方向の速さを持つ測定点を有しており、負副領域である。副領域576は、矢印571〜574で示される接近方向の速さを持つ測定点を有しており、正副領域である。
図7(d)には、同図(b)に示した候補領域580から生成された副領域585と586が示されている。
副領域586は、矢印581と582で示される離反方向の速さを持つ測定点を有しており、負副領域である。副領域585は、矢印583と584で示される接近方向の速さを持つ測定点を有しており、正副領域である。
一方で、図1の模式図でいう植栽6に対応する副領域585と副領域586は、重複領域Ac587が存在する。これは前述のように植栽の枝葉ごとに移動方向が異なるため、移動方向ごとに副領域を生成すると、大よそ全体的に重なる傾向にあるからである。
領域重複度は、再クラスタリング前の候補領域の面積に対する、重複領域の面積の比率で求められる。
候補領域580については、副領域585と586の重複領域Ac587が存在するので、領域重複度を式(4)のように求める。
いずれかの候補領域から算出された領域重複度が判定閾値以下の場合には、その候補領域に人が存在し、通報処理が必要であるとしてその旨を出力部60に出力する(「低い」の分岐)。
次に、第二の実施形態について図を参照しつつ説明する。
第一の実施形態で述べたように、人に設定された測定点と植栽に設定された測定点は、速度(移動方向と速さ)の空間的な分布に大きな違いがある。そこで、第二の実施形態では、侵入検知装置1は、速度の空間的な分布を周波数領域で解析し、人か植栽かの判定を行う。
速度分布は、駐車場4に定義された世界座標系において、どの位置にどのような速度成分が存在しているかを表しているので、あたかも速度成分を符号付きの輝度と見なすことで、画像処理分野で広く用いられている2次元FFTの処理手法が適用可能となる。
ステップS1801にて、速度分布算出手段4062は、処理対象としている候補領域に含まれる測定点の位置情報と速度情報を参照して、速度分布を算出する。図9(a)に、ステップS1801にて求められた速度分布の一部を符号900にて示す。
速度分布900は、候補領域を格子状の小領域に分割して、各小領域になるべく1つ以上の測定点が含まれるように細かくしたものとして定義される。小領域を大きくすると測定点どうしの速度の差が観察できないことに留意する。本実施形態では、小領域の大きさを、監視領域4における実寸で1cm×1cmとする。
1つの小領域に複数の測定点が含まれる場合には、それらの速度の平均値をその小領域の速度とする。
速度分布算出手段4062は、速度情報が存在しない小領域の周囲の速度情報を参照し、符号と速さを考慮した線形補間を行うことで、全ての小領域について速度情報を算出する。
図9(b)には、符号930に示す小領域には離反方向、符号940に示す小領域には接近方向の速度情報が算出されたことを模式的に示されている。
図10(a)は、図5(c)でいう人5に対応したクラスタ570の速度分布を2次元FFTした結果、図10(b)は、図5(c)でいう植栽6に対応したクラスタ580の速度分布を2次元FFTした結果を示している。
両図において、左上ほど低周波成分、右下ほど高周波成分のスペクトルであり、濃淡がスペクトル強度を表す。色が白いほど高強度であり、速度分布において隣接する小領域間での速度変化がどれだけ支配的かを示している。
これは、低周波成分の強度は、隣接小領域間で速度変化がないことを示すものであり、人の場合は測定点どうしの速度の差は小さいため、低周波成分、特に直流成分の強度が高い。
これに対して植栽の場合は測定点どうしの速度変化が大きいため、低周波成分の強度は低く、高周波成分の強度は、人の場合よりも満遍なく高い傾向にある。
そこで、速度解析手段4063は、直流成分のスペクトル強度の逆数を速度不均一度として、判定手段407に出力する。または、一定以上のスペクトル強度がどれだけ存在しているかを計数しても良い。人の場合は低周波成分のみが集中してスペクトル強度が高いが、植栽の場合は高周波成分にもある程度の強度のスペクトル成分が存在するからである。
一方で、いずれの候補領域から求められた速度不均一度が判定閾値より高いと、判定手段407は、人が監視領域4に存在しないとして処理をステップS100に戻す(「高い」の分岐)。
このように第二の実施形態において不均一度算出手段406は、速度情報を参照し、候補領域ごとに、当該候補領域において近接する測定点間の速度変化の周波数を解析し、速度変化の直流成分が高いほど小さな速度不均一度を算出する。
これまで述べてきた実施形態では、本発明にかかるセンサ装置は2つの情報、すなわち水平方向の角度情報と距離情報を処理する2次元タイプのものとして、侵入監視装置1に用いた場合を説明してきた。
さらに受信部をもう1つ用意して、水平方向に加え、垂直方向の角度情報も処理する3次元タイプのセンサ装置を用いてもよい。この場合、監視領域において、移動物体や測定点の3次元位置を完全に把握できるため、2次元タイプのセンサ装置を用いる場合に比べ、より正確な侵入判定ができる。
本実施形態では、第一の実施形態に比べると、受信部24が追加されているのみである。受信部24は、図11(b)に示すように、水平に並べられている受信部20、22と上下に重なり合うように設置されているものとする。すなわち、受信部20の主軸201、受信部22の主軸221が形成する平面241の外に受信部24が位置するように設置される。
受信アンテナ126は、受信部20または22の受信アンテナ120または121に対応し、ミキサ127は、受信部20または22のミキサ122または123、切換器128は、受信部20または22の切換器124または125に対応し、機能や動作も同様であるので、説明は省略する。
このほかの構成要素は、第一の実施形態と名称と符号が同じであれば、扱うデータが垂直方向の角度が加わること以外は同様であるので、説明は省略する。
図3のメインフロー図におけるクラスタリング処理(ステップS160)においては、3次元空間内に設定された測定点が、位置情報に基づいてクラスタリングされる。これを図12の模式図を用いて説明する。
図12(a)には、それまでの処理により測定点が設定された様子が示されている。図12(a)は、第一の実施形態における図5(a)に相当するものである。
符号1210に示す点線の楕円の内部の●印で示されたのは、図1に示す模式図のように、人5に対応して設定された測定点である。同様に符号1220に示す点線の楕円の内部の●印で示されたのは、植栽6に対応して設定された測定点である。
符号1240の点線の楕円に囲われた矢印群は人5に対応する測定点のものであるが、歩行に伴う部位の動き、例えば腕の振りなどの例外はあるものの、各測定点は大よそ侵入検知装置1000に接近する方向として均一になっていることがわかる。
符号1250の点線の楕円に囲われた矢印群は植栽6に対応する測定点のものであるが、風により植栽が揺れると、枝葉ごとに接近と離反が混在し、速さも均一ではないことがわかる。
符号1270、1280に示す直方体はそれぞれ、図1の模式図でいう人5、植栽6に対応する候補領域を示している。
クラスタリング処理は、適宜注目する測定点を特定して、人の標準的な横幅と仮定した距離、例えば監視領域内の実寸において50cm以内にある近傍の測定点をひとまとまりのグループにすることで実現される。注目測定点を、強度の高いものから順次選択し、近傍の測定点を全てひとまとまりのグループにしてから、次に強度の高いものを注目測定点としてもよいことは、第一の実施形態と同様である。
また候補領域の形状と大きさとしては、第一の実施形態と同様の考えにより、全ての測定点を内部に有するような最小の直方体とする。最小の凸多面体や楕円体としてもよい。また、3次元の世界座標が把握できるメリットを活かし、地面に接していない候補領域を処理対象外としてもよい。
図6のサブフロー図と図13の模式図を用いて、第三の実施形態に係る領域重複度を求める手順について説明する。
ステップS181〜S184の処理は、人らしい大きさのクラスタのそれぞれについて実行される。
図13(a)には、図1の模式図でいう人5に対応した候補領域1270は5つの測定点を含んでおり、そのうち符号1271〜1275に示す矢印からわかるように5つのうち、胴体などに設定された測定点の4つが侵入検知装置1への接近方向の速さを有している。また符号1275に示す矢印からわかるように歩行に伴って自然と前後の振りが生じる腕などに設定された測定点1つのみが離反方向の速さを有していることが示されている。
図13(b)には、図1の模式図でいう植栽6に対応した候補領域1280は4つの測定点を含んでおり、そのうち符号1281と1282に示す矢印からわかるように、4つのうち2つの測定点が侵入検知装置1からの離反方向の速さを有している。また符号1283と1284に示す矢印からわかるように2つの測定点が侵入検知装置1000への接近方向の速さを有していることが示されている。
また候補領域抽出手段405は、生成したサブクラスタについて外接直方体を生成し、副領域を抽出する(ステップS183)。
図13(c)には、同図(a)に示した候補領域1270から生成された副領域1276と1277が示されている。副領域1276は、矢印1275で示される離反方向の速さを持つ測定点を有しており、負副領域である。サブクラスタ1277は、矢印1271〜124で示される接近方向の速さを持つ測定点を有しており、正副領域である。
図13(d)には、同図(b)に示した候補領域1280から生成された副領域1285と1286が示されている。副領域1285は、矢印1281と1282で示される離反方向の速さを持つ測定点を有しており、負副領域である。副領域1286は、矢印1283と1284で示される接近方向の速さを持つ測定点を有しており、正副領域である。
領域重複度は、再クラスタリング前の候補領域の体積に対する、重複領域Acの体積の比率として、次式にて求められる。
次に、第四の実施形態について説明する。
第四の実施形態は、第二の実施形態と同様に、測定点の速度の空間的な分布を周波数領域で把握し、人か植栽かの判別を行うものである。
第四の実施形態では、第二の実施形態と同様に、図2(c)に示すように、不均一度算出手段406は速度分布算出手段4062と速度解析手段4063から構成される。このほかの構成要素については第二の実施形態などと同様なので説明は省略する。
第四の実施形態にかかる速度分布算出手段4062は、候補領域抽出手段405が求めた候補領域と、速度算出手段404が求めた各測定点の速度情報を基に、駐車場4における測定点ごとの位置に、求められた速度を対応付けた速度分布を候補領域ごとに求める。速度分布は3次元分布となる。
第四の実施形態にかかる速度解析手段4063は、速度分布を適切な大きさで立方体状の小領域に分割して、各小領域を3次元画像における画素(ボクセル)、速度を符号付の輝度と見立てて、3次元FFTを行う。
ステップS1801にて、速度分布算出手段4062は、処理対象としている候補領域に含まれる測定点の位置情報と速度情報を参照して、外接最小直方体の候補領域を定義して、速度分布を算出する。
速度分布は、候補領域を立方体状の小領域に分割して、各小領域になるべく1つ以上の測定点が含まれるように細かくしたものとして定義される。本実施形態では、小領域の大きさを、監視領域4における実寸で1cm×1cm×1cmとする。
1つの小領域に複数の測定点が含まれる場合には、それぞれの速度の平均値をその小領域の速度とする。
次に速度分布算出手段4062は、速度に関する補間処理を行う(ステップS1802)。補間処理を行う理由は第二の実施形態で述べた理由と同様であり、処理手順も第二の実施形態の場合と、3次元の情報を扱うこと以外は同様である。
この後の処理は第二の実施形態と同様なので省略する。
これまで述べてきた実施形態では、センサ装置は2周波CW方式を採用したものとして説明してきたが、FMCW方式を採用しても同様に実施できる。
FMCW方式は、一般に反射強度の分布を参照して、強い反射が確認される位置に物体の存在を判定する。しかし、これまでの実施形態にて述べてきたように不均一さに着目するとしても、植栽が揺れても測定点ごとの強度が異なって不均一になるとは限らず、そのままでは人と植栽との判別は困難である。
そこで、第五の実施形態では、FMCW方式を採用しても速度などが測定可能なことを利用して、2周波CW方式と同様に判別が可能なことを述べる。なお、FMCW方式であっても、これまでに述べてきた測定点を求めるまでの処理手順は自体は変更は無い。FMCW方式は、例えば車載レーダ装置などでは広く用いられている技術なので、以下、図3のフロー図と図14の模式図を参照して簡単に述べる。
図3のステップS100(波形データ取得)において、移動物体からの反射波を2つまたは3つの受信アンテナで受信する。図14(a)には、図の簡略化のために1つの反射波1042を示している。そして、受信部のミキサは送信波と送信波をミキシングして図14(b)に示すビート波1403を得る。
アップチャープとダウンチャープで同一測定点に対応すると判定したピークどうしを対応付け(ペアリング処理)を行う。なお、同一測定点に対応するピークどうしの判定は、強度値がほぼ等しく、かつビート周波数の差が規定値以内のものとして行うことができる。
また、ペアリングしたピークの組ごと、すなわち測定点ごとにアップチャープとダウンチャープのビート周波数の差fdから、次の式(7)により速度vを算出する(S140)。
例えば、屋外での運用を考慮して、検知対象は駐車場4を移動する車両とすることもできる。この場合、通常、駐車場4への車両の出入りが無いと考えられる深夜の時間帯に、駐車場4に入場する車両を検知するにあたって、植栽との峻別を図るために本発明にかかるセンサ装置を適用できる。車両も、人と同じく微小な位置ごとの速度は、抽出される候補領域の内部で均一と考えられるので、本発明の手法で精度良く判定できる。車両を検知するためには、図3のメインフロー図のステップS170において、候補領域の大きさについての判定条件を車両にふさわしいものに変更すれば良い。
また、外乱物体は植栽に限られず、降雨により駐車場4に出現した水たまりとすることもできる。水たまりも植栽と同様に風が吹くと、その表面にさざ波が生じる結果、ドップラ成分が検出され、水たまりの大きさやさざ波の程度によっては人らしい条件を満たしかねない。しかし本発明にかかるセンサ装置は、候補領域内部の速度情報が不均一である場合には検知対象ではないと判定するので、水たまりに風が吹いても人と判定することは無い。
以上、本発明の思想の範囲を超えない様々な形態で実現できる。
22・・・受信部
24・・・受信部
402・・・距離算出手段
403・・・角度算出手段
404・・・速度算出手段
405・・・候補領域抽出手段
4061・・・領域重複度算出手段
4062・・・速度分布算出手段
4063・・・速度解析手段
Claims (5)
- 送信部から送信波を監視領域に向けて送信し、複数の受信部それぞれによって反射波を受信して、受信信号から前記監視領域に反射表面の微小位置ごとの速度が略均一な検知対象が存在するか否かを判定するセンサ装置であって、
前記各受信部にて得られる前記受信信号それぞれについてドップラ成分の周波数解析を行う周波数解析手段と、
前記ドップラ成分から前記監視領域において移動物体が存在する測定点を検出し、一定距離以内に近接している前記測定点の集合を前記検知対象の候補領域として抽出する候補領域抽出手段と、
前記各測定点のドップラ成分から定まる当該測定点の速度情報を参照し、前記候補領域について前記速度情報の不均一さを表す速度不均一度を算出する不均一度算出手段と、
前記速度不均一度が所定基準よりも小さい前記候補領域に前記検知対象が存在すると判定する判定手段と
を有することを特徴としたセンサ装置。
- 前記候補領域抽出手段は、さらに、前記候補領域から、当該候補領域に含まれる測定点の速度情報の符号を参照して、当該符号が正である測定点が分布している正副領域と前記符号が負である測定点が分布している負副領域を抽出し、
前記不均一度算出手段は、前記正副領域と前記負副領域の重なりの程度が小さいほど小さな前記速度不均一度を算出する
ことを特徴とした請求項1に記載のセンサ装置。
- 前記不均一度算出手段は、前記速度情報を参照し、前記候補領域において近接する前記測定点間の速度変化の周波数を解析し、前記速度変化の直流成分が強いほど小さな前記速度不均一度を算出する
ことを特徴とした請求項1に記載のセンサ装置。
- 前記センサ装置は、2の前記受信部の主軸が形成する平面外に他の前記受信部が位置する3以上の前記受信部を有し、
前記候補領域抽出手段は、前記3以上の受信部にて得られるドップラ成分から三次元の測定点を検出し、前記測定点の三次元の位置情報を用いて前記候補領域を求めることを特徴とした
請求項1から3のいずれか1つに記載のセンサ装置。
- 前記送信部は、送信周波数が互いに異なる複数種類の送信波を前記監視領域に向けて時分割送信し、
前記周波数解析手段は、前記複数種類の送信波に対する受信信号それぞれについて周波数解析を行う
請求項1から4のいずれか1つに記載のセンサ装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2015-03-24 JP JP2015060831A patent/JP6430872B2/ja active Active
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