JP2016180323A - タービン高温部品の補修方法およびタービン高温部品 - Google Patents

タービン高温部品の補修方法およびタービン高温部品 Download PDF

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武久 日野
今井 潔
Kiyoshi Imai
潔 今井
斎藤 大蔵
Daizo Saito
大蔵 斎藤
歴 高久
Reki Takaku
歴 高久
北山 和弘
Kazuhiro Kitayama
和弘 北山
揚介 石川
Yosuke Ishikawa
揚介 石川
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Tetsushi Kuramae
哲志 蔵前
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Abstract

【課題】タービン翼の内部に作用する熱応力に対して熱疲労特性を向上させることができる。【解決手段】実施形態のタービン高温部品の補修方法は、損傷部12を含むタービン高温部品9の母材13の一部を除去して、除去領域14を形成する工程と、補修材料を用いて、除去領域14の形状に対応する形状を有する補修部材20を作製する工程と、作製された補修部材20を除去領域14に配置して母材13に接合する工程と、を備えている。補修材料のヤング率は、タービン高温部品9の母材13を形成する材料のヤング率より小さくなっている。【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、タービン高温部品の補修方法およびタービン高温部品に関する。
ガスタービンは、燃焼温度の高温化により燃焼効率の向上を図ることができる。このため、1990年代では静翼入口のガス温度が1100℃程度であることが主流であったが、2000年代に入り、1300℃、1500℃の機種が開発されている。燃焼器や静翼などのタービン高温部品は、燃焼ガスに近い側の部分と、当該部品の内部を流通する冷却ガスに近い側の部分との間に温度差が生じるが、上述したような燃焼温度の上昇に伴い、この温度差は増大する傾向にある。このため、タービン高温部品に生じる熱応力が増大し、亀裂が発生しやすくなっている。また、タービン高温部品には、高温の燃焼ガスによる酸化反応によって酸化減肉部が形成されることがある。
このような亀裂や酸化減肉部等の損傷部には、肉盛溶接などによって補修を行うことが可能な場合もあるが、肉盛溶接が困難な場合もある。後者の場合には、クーポンと呼ばれる補修部材を作製して損傷部を補修することが一般に知られている。より具体的には、まず、クーポンが作製され、損傷部を含むように高温部品の母材の一部が、クーポンと同じ形状となるように切削されて除去される。その後、クーポンが被切削部に突き合わせられ、溶接やろう付けなどによって母材に接合される。
比較的損傷を受けやすい部位では、クーポンは、設計図面に基づいて作製された型を用いて鋳造や鍛造により作製されていた。しかしながら、燃焼器等では、燃焼条件を若干変更するだけで損傷を受ける部位が変わり、型を用いたクーポンの作製が困難になっていた。また、形状が複雑な部位でもクーポンの作製が困難になっていた。
ところで、近年、薄く積層させた金属粉末上にレーザビームを走査して金属粉末を部分的に溶融させ、その上に更に金属粉末を積層させてレーザビームを走査させて金属粉末を部分的に溶融させるという手順を繰り返し、複雑な形状の製品を作り出す3次元積層造形という技術が急速な発展を遂げてきている。この3次元積層造形技術を用いてクーポンを作製し、タービン高温部品を補修する手法も知られている。このような技術の進展に伴い、形状が複雑な部位でもクーポンを作製して補修することが可能になっている。
酒井義明、外2名、「ガスタービン高温部品の寿命延伸技術」、東芝レビュー、Vol.63 No.9 (2008)、p.23-26
特開2003−343280号公報 米国特許第4863538号明細書 特開2013−96013号公報
しかしながら、クーポンは、タービン高温部品の母材と同一の材料によって作製されている。このことにより、損傷部を補修した後であっても、ほぼ同一箇所に亀裂が形成されることが予想され、損傷が繰り返される可能性がある。
本発明が解決しようとする課題は、損傷部が形成されたタービン高温部品を、損傷の再発を抑制できるように補修することができるタービン高温部品の補修方法、およびその方法により補修されたタービン高温部品を提供することである。
実施形態によるタービン高温部品の補修方法は、タービン高温部品に形成された損傷部を補修するタービン高温部品の補修方法である。このタービン高温部品の補修方法は、損傷部を含むタービン高温部品の母材の一部を除去して、除去領域を形成する工程と、補修材料を用いて、除去領域の形状に対応する形状を有する補修部材を作製する工程と、作製された補修部材を除去領域に配置して母材に接合する工程と、を備えている。補修材料のヤング率は、タービン高温部品の母材を形成する材料のヤング率より小さくなっている。
また、実施の形態によるタービン高温部品は、上述したタービン高温部品の補修方法により損傷部が補修されたタービン高温部品である。
本発明によれば、損傷部が形成されたタービン高温部品を、損傷の再発を抑制できるように補修することができる。
実施の形態におけるガスタービンの構成を概略的に示す断面図。 第1の実施の形態において、亀裂が形成された図1のガスタービンの静翼の一例を示す部分斜視図。 図3の静翼の補修方法を説明するための図。 図3のタービン静翼の母材材料とクーポンの補修材料に発生する応力および引張強度の特性を示す図。 図3のタービン静翼の母材材料とクーポンの補修材料のクリープ特性を示す図。 第2の実施の形態において、亀裂が形成された図1のガスタービンの燃焼器の一例を示す斜視図。 図6の燃焼器の補修方法を説明するための図。 実施例における亀裂進展試験方法を説明するための図。 実施例における亀裂進展結果を示すグラフ。
以下に、本発明の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法およびタービン高温部品について図面を参照して説明する。タービン高温部品の補修方法は、タービン高温部品に形成された損傷部を補修するための方法である。ここではまず、図1を用いて、本実施の形態におけるタービン高温部品の補修方法が適用されるガスタービンについて説明する。
図1に示すように、ガスタービン1は、外部から導入される空気を圧縮する圧縮機2と、圧縮機2により圧縮されて加圧された空気と燃料とを混合して燃焼させる燃焼器3と、燃焼器3で生成された燃焼ガスが導入されて回転駆動するタービン部4と、を備えている。燃焼器3からタービン部4には、トラジションピース5によって燃焼ガスが導入されるようになっている。
タービン部4は、タービンケーシング6と、タービンケーシング6内に回転可能に設けられたタービンロータ7と、タービンロータ7に植設された複数のタービン動翼8と、タービンケーシング6に設けられた複数のタービン静翼9と、を有している。タービン動翼8とタービン静翼9とは交互に配列されており、タービン部4に導入された燃焼ガスは、タービン静翼9によって流れ方向を制御されてタービン動翼8に流入し、タービン動翼8に対して仕事を行う。このようにして、タービンロータ7が回転するようになっている。
ガスタービン1を構成するタービン高温部品としては、例えば、燃焼器3、トラジションピース5、タービン動翼8、タービン静翼9などが挙げられる。
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態におけるタービン高温部品の補修方法およびタービン高温部品について説明する。本実施の形態においては、上述したタービン高温部品のうち、タービン静翼9を例にとって説明する。ここでは、図2乃至図5を用いて、タービン静翼9に亀裂12が形成されて補修する場合について説明する。
図2に示すように、タービン静翼9は、一対のサイドウォール10と、これらのサイドウォール10の間に設けられた複数の翼本体11と、を有している。複数の翼本体11は、周方向に離間して配列されており、翼本体11の間に燃焼ガスが流れるようになっている。各翼本体11は、サイドウォール10と一体的に形成されている。
タービン静翼9には、高温の燃焼ガスが流れるため、ガスタービン1の運転を継続していくと、発生する熱応力や酸化反応等を原因として、翼本体11の翼面やサイドウォール10には図2に示すような亀裂12(損傷部)が形成され得る。このうち、翼本体11の翼面に形成される亀裂12は微細になる傾向にあるが、サイドウォール10に形成される亀裂12は、サイドウォール10を貫通する場合がある。
そこで、タービン静翼9に形成された亀裂12を補修する方法、すなわち、本実施の形態によるタービン静翼9(タービン高温部品)の補修方法について、図3を用いて、以下に説明する。
図3(a)には、タービン静翼9のサイドウォール10の母材13に貫通して形成された亀裂12が断面図として示されている。
このような亀裂12を補修する場合、まず、図3(b)に示すように、亀裂12を含むタービン静翼9の母材13の一部を除去する除去領域14が設定される(ステップS11)。ここでは、母材13に貫通孔が形成されるように母材13を除去する除去領域14が設定される。
続いて、図3(c)に示すように、設定された領域の母材13が、ディスクグラインダーなどの切削装置により切削されて除去される(ステップS12)。このことにより、ステップS11において設定された除去領域14が形成される。
次に、クーポン20(補修部材)が作製される。
本実施の形態においては、まず、ステップS12において形成された除去領域14の形状が測定される(ステップS13)。この場合、例えば、図示しない3次元読取装置(3次元スキャナ)を使用して、除去領域14の形状を容易に測定することができる。
続いて、図3(d)に示すように、測定された除去領域14の形状情報は、3次元造形鋳型製造機30(積層造形装置)に入力され、3次元造形鋳型製造機30は、入力された除去領域14の形状情報に基づいて、鋳型21を作製する(ステップS14)。作製された鋳型21は、除去領域14の形状に対応する形状を有している。
次に、図3(e)、(f)に示すように、作製された鋳型21に補修材料を鋳込んでクーポン20が作製される。すなわち、補修材料を溶融して得られた溶湯22が鋳型21に流し込まれ(ステップS15、図3(e)参照)、冷却して固化させ、鋳型21から取り出す(または鋳型21を除去する)ことにより、クーポン20が作製される(ステップS16、図3(f)参照)。このようにして作製されたクーポン20は、除去領域14に対応する形状を有することができる。なお、鋳型21から取り出されたクーポン20を、仕上げ加工して、除去領域14に対応する形状を有するようにしてもよい。
ここで補修材料のヤング率は、タービン静翼9の母材13を形成する材料のヤング率より小さく(言い換えると、延性が高く)なっている。ここで、図4の左側に、このようなタービン静翼9の母材13を形成する材料(母材材料)とクーポン20を形成する補修材料の応力の特性を示し、図4の右側に、母材材料と補修材料の引張強度の特性を示す。図4に示されているように、同じ歪みにおいて、母材材料に発生する応力よりも補修材料に発生する応力を低減することができる。このような応力が母材材料および補修材料にそれぞれ発生した状態で、同じ運転温度における母材材料および補修材料の引張強度を見ると、母材材料に発生している応力は母材材料の引張強度を超えているが、補修材料に発生している応力は補修材料の引張強度を超えてはいない。このため、クーポン20に母材13と同じ大きさの歪みが発生した場合であっても、クーポン20に発生する応力を、補修材料の引張強度よりも小さくすることができ、クーポン20に亀裂が形成されることを抑制できる。
このようにして、クーポン20における亀裂12の形成を抑制できる。しかしながら、クーポン20は、タービン静翼9の一部をなす構造部材としての特性をも満足させることが要求される。
そこで、補修材料は、定期点検間隔にて、2次クリープ域を越えない材料特性を有していることが好適である。このことにより、次の定期点検が行われるまでに、クーポン20に発生する歪みが加速的に増加する3次クリープ域に達することを防止できる。ここで、図5に、母材材料と補修材料のクリープ特性を示す。図5に示されているように、補修材料のヤング率が小さくなっているため、同じ運転時間において、補修材料の歪み量が母材材料の歪み量よりも大きくなっていることがわかる。また、補修材料の方が、3次クリープ域に達するまでの時間が短いことがわかる。このため、定期点検間隔を、クーポン20が2次クリープ域を越えて3次クリープ域に達するまでの時間に設定し、次の定期点検が行われるまでに、3次クリープが開始することを回避させることが好適である。このことにより、補修後のタービン静翼9の強度を確保することができる。
例えば、母材材料がコバルト基合金であるFSX−414(ゼネラル・エレクトリック社製)により形成されている場合には、補修材料にコバルト基合金であるX−40(登録商標)、X−45(登録商標)等を用いることが、基材を合わせることができて好適である。一方、母材材料がニッケル基合金であるGTD−111(登録商標)により形成されている場合には、補修材料に、それぞれニッケル基合金であるIN718(登録商標)、HA230(登録商標)、HA282(登録商標)等を用いることが、基材を合わせることができて好適である。なお、母材材料と補修材料とは、接合性を確保できれば基材を合わせなくてもよい。
クーポン20が作製された後、クーポン20が、図3(g)に示すように除去領域14に配置される(ステップS17)。ここでは、貫通孔状に形成された除去領域14にクーポン20がはめ込まれる。
その後、図3(h)に示すように、クーポン20がタービン静翼9の母材13に接合される(ステップS18)。ここでは、クーポン20は、溶接により母材13に接合されて、クーポン20と母材13との間に接合部23が形成される。例えば、GTAW溶接法(TIG溶接法)により、クーポン20の周囲を母材13に接合することができ、この場合には、入熱量を抑制してクーポン20や母材13の溶融量を抑えることができるため、好適である。なお、GTWA溶接法に限られることはなく、例えば、マイクロGTAW溶接法、MIG溶接法、レーザ溶接法、またはプラズマ溶接法、アーク溶接法など、任意の溶接法を適用することができるが、入熱量を抑制可能な溶接法が好適である。また、エネルギービーム(レーザビーム等)を照射して、クーポン20を母材13に接合させるようにしてもよい。この場合においても、入熱量を抑制することができる。
このようにして、タービン静翼9に形成された亀裂12を補修することができ、このような亀裂12が補修されたタービン静翼9を得ることができる。なお、クーポン20を母材13に接合した後、母材13の表面とクーポン20の表面とを滑らかに仕上げるための仕上げ作業が、グラインダ等を用いて行われてもよい。
このように本実施の形態によれば、亀裂12が形成されたタービン静翼9の母材13の一部が除去された除去領域14に、母材13の材料のヤング率より小さいヤング率を有する補修材料から作製されたクーポン20が除去領域14に配置されて母材13に接合される。このことにより、亀裂12が形成された母材13の一部を、ヤング率の小さいクーポン20に置き換えることができ、クーポン20に発生する応力を低減することができる。このため、クーポン20、すなわち補修後のタービン静翼9に亀裂12が形成されることを抑制できる。この結果、亀裂12等の損傷部が形成されたタービン静翼9を、損傷の再発を抑制できるように補修することができる。
また、本実施の形態によれば、除去領域14の形状に対応する形状を有する鋳型21を作製して、この鋳型21を用いて鋳造によりクーポン20を作製することができる。このことにより、タービン静翼9において比較的損傷を受けやすい部位に損傷部が形成される場合には、同じ鋳型21を用いてクーポン20を作製することができ、タービン静翼9の補修を効率良く行うことができる。とりわけ、本実施の形態のように、3次元造形鋳型製造機30などの積層造形装置により鋳型21を作製する場合には、複雑な形状のクーポン20を容易に作製することができる。
また、本実施の形態によれば、3次元造形鋳型製造機30は、除去領域14の形状情報が入力されて、入力された形状情報に基づいて鋳型21を作製する。このことにより、除去領域14の形状に対応する形状を有する鋳型21を作製することができ、この鋳型21により鋳造されたクーポン20も、除去領域14の形状に対応する形状を有することができる。このため、作製されたクーポン20を除去領域14に合わせることができる。
さらに、本実施の形態によれば、クーポン20は溶接により母材13に接合される。このことにより、補修時に母材13およびクーポン20への入熱量を抑制することができ、接合後の母材13およびクーポン20の歪みを低減することができる。このため、接合後に、母材13の表面とクーポン20の表面とを滑らかに仕上げるための作業を簡略化または削減することができる。
なお、上述した本実施の形態においては、除去領域14の形状に対応する形状を有する鋳型21が作製されて、この鋳型21を用いた鋳造によりクーポン20が作製される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、鋳型21の形状に対応するように除去領域14を形成してもよい。この場合においても、この鋳型21を用いた鋳造により作製されるクーポン20は、除去領域14の形状に対応する形状を有することができる。
また、上述した本実施の形態においては、鋳型21が3次元造形鋳型製造機30により作製される例について説明した。しかしながら、鋳型21は3次元造形鋳型製造機30以外にも任意の装置を用いて作製することができ、例えば後述するNC加工機60により作製されてもよい。
さらに、上述した本実施の形態においては、除去領域14が貫通孔状に形成される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、除去領域14は、例えば切欠状に形成してもよく、任意の形状とすることができる。
(第2の実施の形態)
次に、図6および図7を用いて、第2の実施の形態におけるタービン高温部品の補修方法およびタービン高温部品について説明する。
図6および図7に示す第2の実施の形態においては、補修部材が、切削加工により作製される点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図6および図7において、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、上述したタービン高温部品のうち、燃焼器3を例にとって説明する。ここでは、図6に示すような亀裂40が燃焼器3に形成された場合に、燃焼器3を補修する場合について図7を用いて説明する。
図7(a)には、燃焼器3に貫通して形成された亀裂40が断面図として示されている。
このような亀裂40を補修する場合、まず、図7(b)に示すように、亀裂40を含む燃焼器3の母材41の一部を除去する除去領域42が設定される(ステップS21)。ここでは、母材41に貫通孔が形成されるように母材41を除去する除去領域42が設定される。
続いて、図7(c)に示すように、設定された領域の母材41が、ディスクグラインダーなどにより切削されて除去される(ステップS22)。このことによりステップS21において設定された除去領域42が形成される。
次に、クーポン50が作製される。
本実施の形態においては、まず、ステップS22において形成された除去領域42の形状が測定される(ステップS23)。この場合、例えば、3次元読取装置30(3次元スキャナ)を使用して、除去領域42の形状を容易に測定することができる。
続いて、図7(d)に示すように、測定された除去領域42の形状情報は、NC加工機60に入力され、NC加工機60は、入力された除去領域42の形状情報に基づいて、クーポン50を作製する(ステップS24)。NC加工機60は、補修材料からなる塊状または無垢状の補修材料体から切削加工によりクーポン50を作製する。作製されたクーポン50は、除去領域42の形状に対応する形状を有している。
ここで、補修材料としては、第1の実施の形態と同様に、燃焼器3の母材41を形成する母材材料に応じて、母材材料との接合性が確保できれば任意の材料を使用することが可能である。例えば、母材材料がニッケル基合金であるHasetelloyX(登録商標)により形成されている場合には、補修材料にはニッケル基合金であるIN718、HA230等を用いることが、基材を合わせることができて好適である。
クーポン50が作製された後、クーポン50が、図7(e)に示すように除去領域42に配置される(ステップS25)。ここでは、貫通孔状に形成された除去領域42にクーポン50がはめ込まれる。
その後、図7(f)に示すように、クーポン50が燃焼器3の母材41に接合される(ステップS26)。ここでは、クーポン50は、ろう付けにより母材41に接合されて、クーポン50と母材41との間に接合部51が形成される。より具体的には、クーポン50と母材41との間の隙間に、ろう材52が注入され、注入されたろう材52を、例えば高周波コイル61により加熱溶融させることによりクーポン50を母材41に接合することができる。ろう材52は、クーポン50と母材41とを好適に接合することが可能であれば、任意の材料を用いることができる。例えば、母材材料および補修材料が上述したようなニッケル基合金で形成されている場合には、ろう材52には、Niろうを使用することが好適である。このことにより、ろう材52の基材を、母材材料の基材および補修材料の基材と同種の金属とすることができ、接合強度を確保することができる。
このようにして、燃焼器3に形成された亀裂40を補修することができ、このような亀裂40が補修された燃焼器3を得ることができる。なお、ろう材52の量によっては、クーポン20を母材41に接合した後、母材41の表面とクーポン20の表面とを滑らかに仕上げるための仕上げ作業が、グラインダ等を用いて行われてもよい。
このように本実施の形態によれば、亀裂40が形成された燃焼器3の母材41の一部が除去された除去領域42に、母材41の材料のヤング率より小さいヤング率を有する補修材料から作製されたクーポン50が除去領域42に配置されて母材41に接合される。このことにより、亀裂40が形成された母材41の一部を、ヤング率の小さいクーポン50に置き換えることができ、クーポン50に発生する応力を低減することができる。このため、クーポン50、すなわち補修後の燃焼器3に亀裂40が形成されることを抑制できる。この結果、亀裂40等の損傷部が形成された燃焼器3を、損傷の再発を抑制できるように補修することができる。
また、本実施の形態によれば、切削加工によりクーポン50を作製することができる。このことにより、クーポン50を安価に作製することができるとともに、除去領域42の種々の形状に柔軟に対応させてクーポン50を作製することができ、汎用性を向上させることができる。とりわけ、本実施の形態のように、NC加工機60によりクーポン50を作製する場合には、複雑な形状のクーポン50を容易に作製することができると共に、切削加工を効率良く行うことができる。
また、本実施の形態によれば、NC加工機60は、除去領域42の形状情報が入力されて、入力された形状情報に基づいてクーポン50を作製する。このことにより、除去領域42の形状に対応する形状を有するクーポン50を作製することができる。このため、作製されたクーポン50を除去領域42に合わせることができる。
さらに、本実施の形態によれば、クーポン50はろう付けにより母材41に接合される。このことにより、クーポン50や母材41が溶融されることを抑制して、溶融したろう材52によってクーポン50と母材41とを接合することができ、接合後の母材41およびクーポン50に歪みが生じることを抑制できる。
なお、上述した本実施の形態においては、除去領域42の形状に対応する形状を有するクーポン50が切削加工により作製される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、作製されたクーポン50の形状に対応するように除去領域42を形成してもよい。この場合においても、クーポン50は、除去領域42の形状に対応する形状を有することができる。
また、上述した本実施の形態においては、切削加工されたクーポン50がろう付けにより母材41に接合される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、切削加工されたクーポン50であっても、第1の実施の形態と同様にして、溶接により母材41に接合されてもよく、あるいはエネルギービームを用いて母材41に接合されるようにしてもよい。
また、上述した本実施の形態においては、クーポン50がNC加工機60により切削加工されて得られる例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、積層造形装置によりクーポン50を作製するようにしてもよい。
さらに、上述した本実施の形態においては、除去領域42が貫通孔状に形成される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、除去領域42は、例えば切欠状に形成してもよく、任意の形状とすることができる。
以上述べた実施形態によれば、損傷部が形成されたタービン高温部品を、損傷の再発を抑制できるように補修することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、これらの実施の形態を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。
また、上述した第1の実施形態では、タービン静翼9に形成された亀裂40を、鋳型21を用いて作製されたクーポン20を使用して補修する例について説明し、第2の実施の形態では、燃焼器3に形成された亀裂40を、切削加工されたクーポン50を使用して補修する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、タービン静翼9に形成された亀裂40を、切削加工されたクーポン50を使用して補修してもよい。また、燃焼器3に形成された亀裂40を、鋳型21を用いて作製されたクーポン20を使用して補修してもよい。ガスタービン1の他のタービン高温部品についても同様である。
上述した第1の実施の形態によるクーポン20を母材13に接合した試験片の亀裂進展試験と、第2の実施の形態によるクーポン50を母材41に接合した試験片の亀裂進展試験とを行った。
より具体的には、図8に示すように、矩形状のクーポン20、50の両側に母材13、41を接合し、クーポン20、50に貫通した細長状の切欠のような亀裂70を形成し、両側の母材13、41から、亀裂70の横方向(図8の左右方向)に引張荷重を付加して、亀裂70の長さLの進展を調べた。引張荷重は断続的に付加して、所定の回数の引張回数を繰り返し付加した。その結果が図9に示されている。
図9に示す実施例1は、タービン高温部品の母材材料としてFSX−414を使用し、クーポン20の補修材料としてX−40を使用している。実施例2は、母材材料としてHastelloyXを使用し、クーポン50の補修材料としてHA230を使用している。比較例は、母材材料および補修材料がいずれも同じ材料(FSX−414)を使用している例である。
図9に示されているように、実施例1および実施例2における亀裂70の長さLは、比較例による亀裂70の長さLよりも短くなっている。このことにより、クーポン20、50に発生する応力が効果的に低減されていることが確認できた。
3 燃焼器
8 タービン動翼
12 亀裂
13 母材
14 除去領域
20 クーポン
21 鋳型
30 3次元造形鋳型製造機
40 亀裂
41 母材
42 除去領域
50 クーポン
60 NC加工機

Claims (10)

  1. タービン高温部品に形成された損傷部を補修するタービン高温部品の補修方法であって、
    前記損傷部を含む前記タービン高温部品の母材の一部を除去して、除去領域を形成する工程と、
    補修材料を用いて、前記除去領域の形状に対応する形状を有する補修部材を作製する工程と、
    作製された前記補修部材を前記除去領域に配置して前記母材に接合する工程と、を備え、
    前記補修材料のヤング率は、前記タービン高温部品の前記母材を形成する材料のヤング率より小さいことを特徴とするタービン高温部品の補修方法。
  2. 前記補修部材を作製する工程は、前記除去領域の形状に対応する形状を有する鋳型を作製する工程と、作製された前記鋳型に前記補修材料を鋳込んで前記補修部材を作製する工程と、を有していることを特徴とする請求項1に記載のタービン高温部品の補修方法。
  3. 前記鋳型は、積層造形装置により作製されることを特徴とする請求項2に記載のタービン高温部品の補修方法。
  4. 前記除去領域を形成する工程の後、前記除去領域の形状が測定され、測定された前記除去領域の形状情報が、前記積層造形装置に入力され、前記積層造形装置は、入力された前記除去領域の形状情報に基づいて前記鋳型を作製することを特徴とする請求項3に記載のタービン高温部品の補修方法。
  5. 前記補修部材を作製する工程において、前記補修部材は、切削加工により作製されることを特徴とする請求項1に記載のタービン高温部品の補修方法。
  6. 前記補修部材は、NC加工機により作製され、
    前記除去領域を形成する工程の後、前記除去領域の形状が測定され、測定された前記除去領域の形状情報が、前記NC加工機に入力され、前記NC加工機は、入力された前記除去領域の形状情報に基づいて前記補修部材を作製することを特徴とする請求項5に記載のタービン高温部品の補修方法。
  7. 前記補修部材を前記母材に接合する工程において、前記補修部材は、溶接により前記母材に接合されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のタービン高温部品の補修方法。
  8. 前記補修部材を前記母材に接合する工程において、前記補修部材は、エネルギービームを用いて前記母材に接合されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のタービン高温部品の補修方法。
  9. 前記補修部材を前記母材に接合する工程において、前記補修部材は、ろう付けにより前記母材に接合されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のタービン高温部品の補修方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のタービン高温部品の補修方法により前記損傷部が補修されたタービン高温部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102201477B1 (ko) * 2020-06-23 2021-01-13 한전케이피에스 주식회사 모델링 시스템 및 상기 모델링 시스템을 이용하여 터빈 로터를 수리하는 방법

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