JP2016180123A - シリコーンゴム硬化物のモジュラスを低減する方法、及びシリコーンゴム組成物 - Google Patents

シリコーンゴム硬化物のモジュラスを低減する方法、及びシリコーンゴム組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】車載用部品、民生用部品のシール部材に適した高硬度、高強度、低モジュラスを有した硬化物を与え得るシリコーンゴム硬化物のモジュラスを低減する方法及びシリコーンゴム組成物を提供する。
【解決手段】(A)特定粘度のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンであって、フェニル基を含まない(A−1)、特定粘度でフェニル基を1〜30モル%含有する(A−2)を含み、質量比が(A−1):(A−2)=99.9:0.1〜85:15である混合物、
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)補強性シリカ微粉末、
(D)付加反応触媒、
(E)10〜85モル%がフェニル基、それ以外が炭素数1〜6のアルキル基である特定粘度の無官能性シリコーンオイル
を含有するシリコーンゴム組成物を調製し、該組成物を加熱硬化することからなる、シリコーンゴム硬化物のJIS K 6249で規定する100%モジュラスを低減する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、シリコーンゴム硬化物のモジュラスを低減する方法に関し、特に硬化したゴムが低モジュラスであり、電気、電子、自動車、精密機械、建築関係等に有用な付加硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物を与えることのできるシリコーンゴム硬化物のモジュラスを低減する方法及びシリコーンゴム組成物に関するものである。
近年、シリコーンゴムの特性を生かして、電気、電子、自動車、建築分野などでその用途が広がり、特に、耐熱性、耐候性、耐油性、耐寒性、電気絶縁性等に優れることにより、車載用部品、民生用部品のシール部材等を製造する上で有効な手段となっている。
付加型の加熱硬化性シリコーンゴム組成物の低モジュラス化において、数多く報告されている。例えば、硬化したシリコーンゴムを低モジュラス化させるために無官能オイルを添加することが知られている。しかしながら、無官能オイルを添加することによりゴム硬度及びモジュラスが低下するものの、硬化ゴムの表面に無官能オイルがブリードするために、接触している物を汚染したり収縮して形状に変化が現れたりする場合がある他、硬化する時に接着性を阻害するという欠点があった。一方、低モジュラス化の他の方法として無機質充填剤の添加量を減少させる方法があるが、この場合には硬化ゴムの強度も低下するので特殊なポッティング等の用途に限定されるという欠点がある。また1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を平均して1個有するオルガノポリシロキサンを添加し、硬化するときに接着性阻害を起こしたり、硬化後に接触している物を汚染したり、収縮して形状が変化する等の欠点を生ずることのない硬化性シリコーンゴム組成物及びその硬化物(特許文献1:特開平3−52956号公報)等が提案されている。
しかしながら、高硬度、高強度のシリコーンゴム組成物の低モジュラス化には、上記提案のような組成物では、ユーザー要求を充たせず、車載用部品、民生用部品のシール部材に適した高硬度、高強度、低モジュラスを有したシリコーンゴム組成物の供給が強く望まれていた。
特開平3−52956号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、車載用部品、民生用部品のシール部材に適した高硬度、高強度、低モジュラスを有したシリコーンゴム硬化物を与えることのできるシリコーンゴム硬化物のモジュラスを低減する方法及びシリコーンゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定のオルガノポリシロキサンを配合した付加硬化型シリコーンゴム組成物が、車載用部品、民生用部品のシール部材に適した高硬度、高強度、低モジュラスを有したシリコーンゴム硬化物となり得ることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示すシリコーンゴム硬化物のモジュラスを低減する方法及びシリコーンゴム組成物を提供する。
〔1〕
(A)下記平均組成式(1)
1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、R1はアルケニル基を示し、R2は脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは0.0001〜0.2を満たす正数であり、bは1.7〜2.2を満たす正数であり、但しa+bは1.9〜2.4を満たす正数である。)
で示され、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンであり、互いに組成が異なる2種のオルガノポリシロキサン(A−1)及び(A−2)を含むオルガノポリシロキサン混合物であって、該オルガノポリシロキサン混合物に含まれる前記2種のオルガノポリシロキサンのうち、(A−1)成分は平均組成式(1)においてR2中にフェニル基を含まないものであり、(A−2)成分は平均組成式(1)においてR2中にフェニル基を1〜30モル%含有するものであるオルガノポリシロキサンであり、(A−1)成分と(A−2)成分との質量比が(A−1):(A−2)=99.9:0.1〜85:15(合計で100)である混合物:100質量部、
(B)下記平均組成式(2)
4 deSiO(4-d-e)/2 (2)
(式中、R4は炭素数1〜10の非置換又はハロゲン置換の1価炭化水素基であり、dは0.7〜2.1、eは0.001〜1.0、d+eが0.8〜3.0を満足する正数である。)
で示され、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個当たり1〜5個となる量、
(C)補強性シリカ微粉末:1〜100質量部、
(D)付加反応触媒:触媒量、
(E)オルガノポリシロキサン中のケイ素原子に結合した1価の有機基の10〜85モル%がフェニル基であり、フェニル基以外のケイ素原子に結合する1価の有機基が炭素数1〜6のアルキル基であり、25℃での粘度が回転粘度計による測定で100〜500mPa・sである無官能性シリコーンオイル:0.5〜20質量部
を含有してなり、かつ上記(A−1)成分と(A−2)成分との混合物からなる(A)成分の25℃での粘度が回転粘度計による測定で50〜100,000mPa・sであり、(A−2)成分の25℃での粘度が回転粘度計による測定で50〜1,000mPa・sであるシリコーンゴム組成物を調製し、該組成物を加熱硬化することからなる、シリコーンゴム硬化物のJIS K 6249で規定する100%モジュラスを低減する方法。
〔2〕
更に、(F)1分子中に少なくとも1個のSiH基と、少なくとも1個のフェニレン骨格を有する有機ケイ素化合物を接着性付与成分として(A)成分100質量部に対して0.1〜30質量部を含有する〔1〕に記載の方法。
〔3〕
接着性付与成分が、下記式で示される化合物から選ばれる〔2〕に記載の方法。
Figure 2016180123
(nは1〜4である。)
〔4〕
(A)下記平均組成式(1)
1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、R1はアルケニル基を示し、R2は脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは0.0001〜0.2を満たす正数であり、bは1.7〜2.2を満たす正数であり、但しa+bは1.9〜2.4を満たす正数である。)
で示され、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンであり、互いに組成が異なる2種のオルガノポリシロキサン(A−1)及び(A−2)を含むオルガノポリシロキサン混合物であって、該オルガノポリシロキサン混合物に含まれる前記2種のオルガノポリシロキサンのうち、(A−1)成分は平均組成式(1)においてR2中にフェニル基を含まないものであり、(A−2)成分は平均組成式(1)においてR2中にフェニル基を1〜30モル%含有するものであるオルガノポリシロキサンであり、(A−1)成分と(A−2)成分との質量比が(A−1):(A−2)=99.9:0.1〜85:15(合計で100)である混合物:100質量部、
(B)下記平均組成式(2)
4 deSiO(4-d-e)/2 (2)
(式中、R4は炭素数1〜10の非置換又はハロゲン置換の1価炭化水素基であり、dは0.7〜2.1、eは0.001〜1.0、d+eが0.8〜3.0を満足する正数である。)
で示され、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個当たり1〜5個となる量、
(C)補強性シリカ微粉末:1〜100質量部、
(D)付加反応触媒:触媒量、
(E)オルガノポリシロキサン中のケイ素原子に結合した1価の有機基の10〜85モル%がフェニル基であり、フェニル基以外のケイ素原子に結合する1価の有機基が炭素数1〜6のアルキル基であり、25℃での粘度が回転粘度計による測定で100〜500mPa・sである無官能性シリコーンオイル:0.5〜20質量部
を含有してなり、かつ上記(A−1)成分と(A−2)成分との混合物からなる(A)成分の25℃での粘度が回転粘度計による測定で50〜100,000mPa・sであり、(A−2)成分の25℃での粘度が回転粘度計による測定で50〜1,000mPa・sであるシリコーンゴム組成物。
〔5〕
更に、(F)1分子中に少なくとも1個のSiH基と、少なくとも1個のフェニレン骨格を有する有機ケイ素化合物を接着性付与成分として(A)成分100質量部に対して0.1〜30質量部を含有する〔4〕に記載のシリコーンゴム組成物。
〔6〕
接着性付与成分が、下記式で示される化合物から選ばれる〔5〕に記載のシリコーンゴム組成物。
Figure 2016180123
(nは1〜4である。)
本発明によれば、高硬度、高強度、低モジュラスを有し、電気、電子、自動車、精密機械、建築関係等に有用なシリコーンゴム組成物の硬化物を与えることのできる方法が提供される。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
まず、(A)成分のオルガノポリシロキサン混合物は、下記平均組成式(1)
1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、R1はアルケニル基を示し、R2は脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは0.0001〜0.2を満たす正数であり、bは1.7〜2.2を満たす正数であり、但しa+bは1.9〜2.4を満たす正数である。)
で示され、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンのうち、互いに組成が異なる2種のオルガノポリシロキサン(A−1)及び(A−2)を含むオルガノポリシロキサン混合物であって、該オルガノポリシロキサン混合物に含まれる前記2種のオルガノポリシロキサンのうち、(A−1)成分は平均組成式(1)においてR2中にフェニル基を含まないものであり、(A−2)成分は平均組成式(1)においてR2中にフェニル基を1〜30モル%、特には2〜30モル%含有するものであるオルガノポリシロキサン混合物である。従って、(A−1)成分、(A−2)成分は、いずれも、それぞれ上記平均組成式(1)で示されるものであると共に、(A−1)成分と(A−2)成分との混合物としての(A)成分全体のオルガノポリシロキサン混合物も、上記平均組成式(1)で表されるものである。なお、2種(A−1)及び(A−2)のオルガノポリシロキサンの組成が異なるとは、上記平均組成式(1)のR1、R2、a、及びbの少なくともいずれか一つが異なるオルガノポリシロキサンをいう。このように、上記平均組成式(1)中のR1、R2、a、及びbの少なくともいずれか一つが異なれば、オルガノポリシロキサンを2種含むオルガノポリシロキサン混合物となる。以下、オルガノポリシロキサン混合物に含まれるオルガノポリシロキサンについて詳しく説明する。
[(A)成分]
本発明にかかるオルガノポリシロキサン(即ち、(A−1)成分、(A−2)成分、それぞれのオルガノポリシロキサン、及び(A−1)成分と(A−2)成分との混合物で(A)成分全体としてのオルガノポリシロキサン混合物)は、下記平均組成式(1)
1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、R1はアルケニル基を示し、R2は脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは0.0001〜0.2を満たす正数であり、bは1.7〜2.2を満たす正数であり、但しa+bは1.9〜2.4を満たす正数である。)
で示され、ケイ素原子に結合したアルケニル基(以下、「ケイ素原子結合アルケニル基」ともいう)を1分子中に少なくとも2個有するものである。該アルケニル基は上記平均組成式(1)中R1に由来するものであり、1分子中に2〜50個有することがより好ましく、2〜20個有することが特に好ましい。これらのアルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖非末端(即ち、分子鎖両末端以外)のケイ素原子に結合していても、あるいはそれらの組み合わせであってもよい。
上記平均組成式(1)中、R1はアルケニル基を示し、特に制限されないが、好ましくは炭素数が2〜6のアルケニル基を示し、より好ましくは炭素数が2〜4のアルケニル基を示す。その具体例としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基等の低級アルケニル基が挙げられ、ビニル基が特に好ましい。
上記平均組成式(1)中、R2は脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、特に制限されないが、好ましくは炭素数が1〜10、より好ましくは炭素数が1〜6の脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基を示す。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部又は全部が、フッ素、塩素等のハロゲン原子で置換された基、クロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられるが、合成の容易さ等の観点から、好ましくはアルキル基、アリール基、3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、より好ましくはメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましい。また、オルガノポリシロキサン混合物に含まれる前記2種のオルガノポリシロキサンの(A−1)のR2はフェニル基を含まず、(A−2)のR2はフェニル基を含む。
上記平均組成式(1)中、aは0.0001〜0.2を満たす正数であり、好ましくは0.0005〜0.1を満たす正数であり、bは1.7〜2.2を満たす正数であり、好ましくは1.9〜2.0を満たす正数である。但しa+bは1.9〜2.4を満たす正数であり、好ましくは1.95〜2.05を満たす正数である。aが0.0001未満ではシリコーン組成物から硬化物が得られず、また0.2を超える場合は硬化物表面に疎密が発生し良好な硬化物が得られないため本発明の目的を達成できない。また、bが1.7未満あるいは2.2より大きい場合、シリコーン組成物から安定した硬化物が得られないため本発明の目的を達成できない。
なお、このオルガノポリシロキサン((A−1)成分及び(A−2)成分、並びにこれらの混合物としての(A)成分全体)は、0.00001〜0.01モル/g、特に0.00002〜0.002モル/gのアルケニル基を含有することが好ましい。アルケニル基含有量が少なすぎると得られる組成物が硬化性に劣ったものとなる場合があり、多すぎると硬化したシリコーンゴムの表面に硬度のバラツキ(疎密部分)が生じる場合がある。
本発明にかかるオルガノポリシロキサンの分子構造は、特に限定されず、SiO2単位、R1SiO3/2単位、R2SiO3/2単位、R1 2SiO2/2単位、R12SiO2/2単位、R2 2SiO2/2単位、R1 3SiO1/2単位、R1 22SiO1/2単位、R12 2SiO1/2単位、R2 3SiO1/2単位(単位式中、R1及びR2で表される基は、上記で定義したとおりである)等を含む直鎖状、分岐状、環状、三次元網状(樹脂状)等のいずれでもよいが、通常、主鎖が基本的にジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2単位、R12SiO2/2単位、R2 2SiO2/2単位)の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキサン単位(R1 3SiO1/2単位、R1 22SiO1/2単位、R12 2SiO1/2単位、R2 3SiO1/2単位)で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンが好ましい。
本発明にかかるオルガノポリシロキサン((A−1)成分及び(A−2)成分、並びにこれらの混合物としての(A)成分全体)の粘度は、特に制限されないが、室温(25℃)において好ましくは50〜100,000mPa・sであり、より好ましくは100〜10,000mPa・sである。この粘度が50〜100,000mPa・sである場合には得られる本発明のシリコーン組成物を硬化させた硬化物は、硬度、強度、低モジュラスが優れたものとなる。なお、(A−2)成分の場合、上記粘度は50〜1,000mPa・s、特に100〜500mPa・s程度であることがより好ましい。本発明において、粘度は回転粘度計(例えば、BL型、BH型、BS型、コーンプレート型等)により測定できる。
更に、このオルガノポリシロキサンの平均重合度は、25〜1,200、特に30〜700であることが好ましい。この平均重合度は、トルエンを展開溶媒としたGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)分析におけるポリスチレン換算による重量平均重合度(又は重量平均分子量)等として求めることができる。
以上の要件を満たす本発明にかかるオルガノポリシロキサンとしては、例えば、下記一般式(1a)
Figure 2016180123
(式中、R3は、同一又は異なる、非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、R3の少なくとも2個はアルケニル基であり、cは20〜2,000の整数である。)
で示されるものが挙げられる。この式(1a)中、R3で示される非置換又は置換の1価炭化水素基は、前記R1(アルケニル基)及びR2(脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基)で定義したものと同じであり、その炭素数、具体例等も同じである。また、cは、好ましくは25〜1,200、より好ましくは30〜700の整数である。特に、(A−1)成分としては、cの範囲が40〜1,200、更には、50〜700程度の整数であることが好ましく、(A−2)成分としては、cの範囲が25〜500、特には30〜400程度の整数であることが好ましい。
上記式(1a)で示されるオルガノポリシロキサンの具体例としては、(A−1)成分として、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖片末端トリメチルシロキシ基・片末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体等が挙げられ、(A−2)成分として、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・フェニルメチルシロキサン共重合体等が挙げられる。
組成が異なる2種類(A−1)及び(A−2)成分のオルガノポリシロキサンの混合割合は、特に制限されないが、例えば(A−1)成分のオルガノポリシロキサンを80〜99.99質量部としたときに、(A−2)成分は(A−1)成分との合計が100質量部となるように0.01〜20質量部混合することができ、特に好ましくは(A−1)成分と(A−2)成分との合計が100質量部となるように、(A−1)成分のオルガノポリシロキサンを85〜99.9質量部、(A−2)成分のオルガノポリシロキサンを0.1〜15質量部、更に好ましくは(A−1)成分と(A−2)成分との合計が100質量部となるように、(A−1)成分のオルガノポリシロキサンを90〜99質量部、(A−2)成分のオルガノポリシロキサンを1〜10質量部の割合で混合することができる。
また、(A−2)成分は、分子中に含まれるジフェニルシロキサン単位又はフェニルメチルシロキサン単位の比率が、分子鎖両末端の単位を含めて全シロキサン単位の1〜30モル%、特には2〜30モル%である、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体又は分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体であることが好ましい。
[(B)成分]
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分と反応し、架橋剤として作用するものであり、その分子構造に特に制限はなく、従来製造されている例えば直鎖状、環状、分岐状、三次元網状(樹脂状)等各種のものが使用可能であるが、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上のケイ素原子に結合した水素原子(SiHで表されるヒドロシリル基)を有する必要があり、また実質的に分子中にケイ素原子に結合した水酸基(即ち、シラノール基)を含有しないものであり、通常、2〜300個、好ましくは3〜200個、より好ましくは4〜100個程度のSiH基を有することが望ましい。(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、後述するエポキシ基を有する有機ケイ素化合物を除く。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記平均組成式(2)で示されるものを用いることができる。
4 deSiO(4-d-e)/2 (2)
上記式(2)中、R4は、互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を除く、好ましくは炭素数1〜10の、ケイ素原子に結合した非置換又は置換の1価炭化水素基であり、このR4における非置換又は置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等が挙げられる。R4の非置換又は置換の1価炭化水素基として、好ましくはアルキル基、アリール基であり、より好ましくはメチル基、フェニル基である。また、dは0.7〜2.1、eは0.001〜1.0で、かつd+eが0.8〜3.0を満足する正数であり、好ましくはdは1.0〜2.0、eは0.01〜1.0、d+eが1.5〜2.5である。
1分子中に少なくとも2個(通常、2〜300個)、好ましくは3個以上(例えば、3〜200個)、より好ましくは4〜100個程度含有するSiH基は、分子鎖末端、分子鎖途中のいずれに位置していてもよく、またこの両方に位置するものであってもよい。なお、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、好ましくは0.001〜0.02モル/g、より好ましくは0.002〜0.015モル/g、更に好ましくは0.003〜0.010モル/gのSiH基を含有することが望ましい。また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は、通常2〜300個、好ましくは3〜150個、より好ましくは4〜100個程度のものが望ましく、25℃における粘度が、通常0.1〜1,000mPa・s、好ましくは0.5〜500mPa・s程度の、室温(25℃)で液状のものが使用される。なお、重合度は、例えば、トルエンを展開溶媒としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)分析におけるポリスチレン換算の数平均重合度(数平均分子量)又は重量平均重合度(重量平均分子量)等として求めることができる。
このような(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジフェニルポリシロキサンや、これらの各例示化合物において、メチル基の一部又は全部がエチル基、プロピル基等の他のアルキル基で置換されたもの、式:R5 3SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R5 2HSiO0.5で示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:R5 2HSiO0.5で示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:R5HSiOで示されるシロキサン単位と式:R5SiO1.5で示されるシロキサン単位もしくは式:HSiO1.5で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、及びこれらのオルガノハイドロジェンポリシロキサンの2種以上からなる混合物が挙げられる。上記式中のR5はアルケニル基以外の1価炭化水素基であり、前記R4と同様の基が例示される。
(B)成分の配合量は、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モル(又は個)に対して(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が1〜5モル(又は個)、好ましくは1〜3モル(又は個)の範囲内となる量である。(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が1モル未満であると、組成物は十分に硬化せず、またこれが5モルを超えると、得られるシリコーンゴムの耐熱性が極端に劣る。
[(C)成分]
(C)成分の補強性シリカ微粉末は、シリカの種類に特に限定はなく、通常ゴムの補強材として使用されるものであればよい。その補強性シリカ微粉末としては、従来のシリコーンゴム組成物に使用されているものを使用できるが、特にはBET法による比表面積が50m2/g以上である補強性シリカ微粉末を用いる。特にBET法による比表面積が50〜400m2/gの沈澱シリカ、ヒュームドシリカ、焼成シリカなどが好適に使用される。ゴム強度を向上するにはヒュームドシリカが好適である。
また、上記補強性シリカ微粉末は、表面処理されたシリカ微粉末であってもよい。その場合、これらのシリカ微粉末は、予め粉体の状態で直接処理されたものでもよい。通常の処理法として一般的周知の技術により処理でき、例えば、常圧で密閉された機械混練装置又は流動層に上記未処理のシリカ微粉末と処理剤を入れ、必要に応じて不活性ガス存在下において室温或いは熱処理にて混合処理する。場合により触媒を使用して処理を促進してもよい。混練後、乾燥することにより処理シリカ微粉末を製造し得る。処理剤の配合量は、その処理剤の被覆面積から計算される量以上であればよい。処理剤は、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン類、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン及びクロロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、ポリメチルシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン等の有機ケイ素化合物が挙げられ、これらで表面処理し、疎水性シリカ微粉末として用いる。処理剤としては、特にシラン系カップリング剤又はシラザン類が好ましい。
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して1〜100質量部、好ましくは5〜80質量部、より好ましくは10〜50質量部である。本成分は1質量部未満の場合、硬化ゴムの機械的強度が弱くなり脱型など成形に問題が生じる場合がある。100質量部を超えると充填が困難となり、作業性、加工性が悪くなる。
[(D)成分]
(D)成分の付加反応触媒としては、白金黒、塩化第二白金、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等が挙げられる。この付加反応触媒の添加量は触媒量であり、通常(A)成分に対して白金、パラジウム又はロジウム金属質量として0.1〜1,000ppm、特に1〜200ppmであることが好ましい。
本発明のシリコーンゴム組成物には、上記成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の成分を配合することは任意である。
本発明に使用されるその他の成分としては、無官能性シリコーンオイルが挙げられる。無官能性シリコーンオイルは、ブリード性オイル成分で、ゴム部分に滑り性を与えるための成分であり、用途によっては、例えば樹脂成型物同士を重ね合わせるコネクターなどでは、挿入力の低減、シール性等を与えるのに必要となる。なお、無官能性シリコーンオイルとは、ヒドロシリル化付加反応に関与しないものであり、(A)成分のオルガノポリシロキサンと架橋反応が可能な反応性官能基(例えばケイ素原子に結合したアルケニル基や水素原子(SiH基)など)や、その他の反応性官能基を分子中に含有しないシリコーンオイル(通常、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサン)である。
無官能性シリコーンオイルは、フェニル基含有量(即ち、オルガノポリシロキサン中のケイ素原子に結合した1価の有機基(非置換又は置換1価炭化水素基)の全体に対するモル%、以下同様)が10モル%以上(通常、10〜85モル%)、好ましくは15〜80モル%、より好ましくは20〜70モル%のものであり、これにより樹脂との接着性が良好でかつ成形後のゴム表面にブリードする量が十分であり、またブリード速度が良好なものとなる。
フェニル基以外のケイ素原子に結合する1価の有機基(非置換又は置換1価炭化水素基)としては、炭素数1〜6程度のアルキル基、特にはメチル基であることが好ましい。
上記無官能性シリコーンオイルは、25℃での粘度が100mPa・s以上500mPa・s以下、好ましくは150mPa・s以上450mPa・s以下である。このようなフェニル基含有のシリコーンオイルとしては、例えばジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体などが挙げられる。特には直鎖状のものが好ましく、分子鎖両末端は、トリメチルシロキシ基、フェニルジメチルシロキシ基、ジフェニルメチルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基で封鎖されていることが好ましい。なお、本発明において、粘度は回転粘度計等により測定できる。
上記無官能性シリコーンオイルは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記無官能性シリコーンオイルの配合量は、(A)成分100質量部に対して0.5〜20質量部、好ましくは1〜10質量部、より好ましくは1.5〜5質量部の範囲である。0.5質量部未満では十分なオイルブリード性が得られず、20質量部を超えるとゴム物性が低下してしまう場合があり、かつ不経済である。
上記のフェニル基含有無官能性シリコーンオイルのほかに、上記条件を害しない限り、トリフルオロプロピル基、パーフルオロアルキルエーテル基を含有した無官能性シリコーンオイル、シリコーン変性パーフルオロアルキルエーテル化合物などを併用してもよい。
本発明のシリコーンゴム組成物には、更に、上記した成分以外に、接着性付与成分として、1分子中に少なくとも1個のSiH基を有し、かつ芳香族環(例えば、フェニル基、2〜4価の、フェニレン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格等)を少なくとも1個有するケイ素原子数1〜100、好ましくは2〜30の有機ケイ素化合物を配合することが好ましい。
上記接着性付与成分としては、1分子中に少なくとも1個、通常1〜20個、特には2〜10個程度のSiH基(即ち、ケイ素原子に結合した水素原子)を有し、少なくとも1個、通常1〜8個、特には1〜4個の、通常2〜6価、好ましくは2〜4価のフェニレン骨格を有し、更にグリシドキシ基等のエポキシ基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基などのアルコキシシリル基、エステル基、アクリル基、メタクリル基、無水カルボキシ基、イソシアネート基、アミノ基、アミド基などの官能基を1種又は2種以上含んでもよいケイ素原子数1〜100、好ましくは1〜30、より好ましくは2〜20、特には4〜10程度の直鎖状又は環状のオルガノシロキサンオリゴマーやオルガノアルコキシシランなどの有機ケイ素化合物を例示することができる。
このような化合物として、具体的には、下記に示す化合物を例示することができる。
Figure 2016180123
(nは1〜4である。)
Figure 2016180123
から選ばれる基であり、Rw,Rxは非置換又は置換の1価炭化水素基である。n=1〜4、q=1〜50、h=0〜100、好ましくはq=1〜20、h=1〜50である。)で示される基、R”は
Figure 2016180123
(Rw,Rxは上記と同様であり、y=0〜100である。)から選ばれる基であり、Y’は
Figure 2016180123
(Rw,Rx,n,q,hは上記と同様である。)である。z=1〜10である。〕
更に、上記化合物にトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基などのアルコキシシリル基、アクリル基、メタクリル基、エステル基、無水カルボキシ基、イソシアネート基、アミノ基、アミド基等を含有させた有機化合物や有機ケイ素化合物も使用することができる。
なお、上記Rw,Rxの非置換又は置換の1価炭化水素基としては、炭素数1〜12、特に1〜8のものが好ましく、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基等、上記R1、R2で例示したものと同様のものが挙げられるほか、置換1価炭化水素基としてアルコキシ基、アクリル基、メタクリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミノ基、アルキルアミノ基等で置換したものが挙げられる。
また、この接着性付与成分は、好ましくは0.001〜0.02モル/g、より好ましくは0.002〜0.015モル/g、更に好ましくは0.003〜0.010モル/gのSiH基を含有することが望ましい。
接着性付与成分は任意成分であり、その配合量は、(A)成分100質量部に対して0〜30質量部であり、配合する場合は0.1〜30質量部、好ましくは0.2〜20質量部、より好ましくは0.3〜15質量部である。30質量部より多いと、ゴム物性が低下してしまう場合があり、かつ不経済である。
なお、(B)成分及び接着性付与成分に含有するケイ素原子結合水素原子(SiH基)の合計量は、(A)成分のアルケニル基総量に対し、SiH基/アルケニル基=1.0〜5.0(モル/モル)の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.2〜3.0(モル/モル)の範囲である。
本発明のシリコーンゴム組成物には、上記した成分以外に、更に目的に応じて各種の添加剤、例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化バナジウム、酸化コバルト、酸化クロム、酸化マンガン等の金属酸化物及びその複合物、石英粉末、珪藻土、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、カーボン、中空ガラス、中空樹脂、金、銀、銅などの導電性を有する無機粉末、メッキ粉末等の無機質充填剤を添加することができ、また目的とする特性を損なわない限り、顔料、耐熱剤、難燃剤、可塑剤、反応制御剤等を添加してもよい。なお、これらその他の成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
本発明のシリコーンゴム組成物は、上記した(A)〜(D)成分、及び必要によりその他の成分を常温で均一に混合するだけでも得ることが可能であるが、(C)成分を予め(A)成分の全量又はその一部とプラネタリーミキサーやニーダー等で100〜200℃の範囲で1〜4時間熱処理し、室温に冷却後、その他の成分を添加、混合することが好ましい。
成形方法は、混合物の粘度により自由に選択することができ、注入成形、圧縮成形、ディスペンサー成形、射出成形、押出成形、トランスファー成形等いずれの方法を採用してもよい。その硬化条件は、通常60〜200℃、特には80〜160℃で、10秒〜24時間、特には1分〜1時間の範囲内で加熱成形(1次硬化)することができる。なお、本発明のシリコーンゴム硬化物については、必要に応じて、高温条件(例えば、180〜220℃で2〜6時間程度)のポストキュア(2次硬化)を行ってもよい。
本発明においては、上記シリコーンゴム組成物を加熱硬化してなる硬化物のJIS K 6249で規定される硬度(タイプA)が20〜80、特に30〜70であることが好ましい。上記硬度が20未満では車載用部品や民生用部品等のシール部材としては硬度不足で不適当である場合があり、80を超えると上記用途に用いるシリコーンゴムとしては弾性に劣ったものとなってしまう場合がある。なお、得られる硬化物の硬度をこの範囲とするためには、(A)成分であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン、(B)成分であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び(C)成分である補強性シリカ微粉末の配合量や、架橋密度、分子構造等を、それぞれ目的とする硬度に応じて適宜組み合わせて組成物中に配合することが好ましい。
また、本発明においては、上記シリコーンゴム組成物を加熱硬化してなる硬化物のJIS K 6249で規定される引張り強さが5〜12MPa、特に6〜10MPaであることが好ましい。上記引張り強さが5MPa未満では車載用部品や民生用部品等のシール部材としては強度不足で不適当である場合があり、12MPaを超えると上記用途に用いるシリコーンゴムとしては弾性に劣ったものとなってしまう場合がある。なお、得られる硬化物の引張り強さをこの範囲とするためには、硬度の場合と同様に、(A)成分であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン、(B)成分であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び(C)成分である補強性シリカ微粉末の配合量や、架橋密度、分子構造等を、それぞれ目的とする引張り強さに応じて、適宜組み合わせて組成物中に配合することが好ましい。特に、上述したように、(A−1)成分と(A−2)成分との混合物からなる(A)成分のオルガノポリシロキサン混合物全体(100質量部)に対して、(A−1)成分と(A−2)成分との質量比を(A−1):(A−2)=99.99:0.01〜80:20、特に99.9:0.1〜85:15、更には99:1〜90:10となる割合で組成物中に配合することが好ましい。
また、本発明においては、上記シリコーンゴム組成物を加熱硬化してなる硬化物のJIS K 6249で規定される100%モジュラスが0.1〜5.0MPa、特に0.5〜3.5MPaであることが好ましい。上記100%モジュラスが0.1MPa未満では車載用部品や民生用部品等のシール部材としてはモジュラス不足で不適当である場合があり、5.0MPaを超えるとモジュラスが高すぎて上記用途に用いるシリコーンゴムとしては応力緩和性に劣る場合がある。なお、得られる硬化物の100%モジュラスをこの範囲とするためには、硬度や引張り強さの場合と同様に、(A)成分であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン、(B)成分であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び(C)成分である補強性シリカ微粉末の配合量や、架橋密度、分子構造等を、それぞれ目的とするモジュラスに応じて、適宜組み合わせて組成物中に配合することが好ましく、特に、(A−2)成分としてR2中にフェニル基を1〜30モル%、とりわけ2〜30モル%含有する特定のフェニル基含有オルガノポリシロキサンを特定割合で組成物中に配合することが好ましい。
本発明のシリコーンゴム組成物は、有機樹脂との一体成型体を得る場合にも用いられる。この場合、本発明に使用される熱可塑性樹脂は、通常のオレフィン重合系或いは縮重合系等の熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的には、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、スチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ナイロン樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶樹脂等、或いはこれらの混合物であってもよい。
このような組成からなる上記未硬化シリコーンゴム組成物を上記熱可塑性樹脂の上に一体成型する方法としては、予め成形された熱可塑性樹脂の上に未硬化のシリコーンゴム組成物を所望の形状にしてのせ、熱可塑性樹脂が溶融する温度以下の温度で加熱する方法、予め成形された熱可塑性樹脂の上に未硬化のシリコーンゴム組成物をのせ、熱可塑性樹脂が溶融する温度以下で圧縮する方法、射出成形機により熱可塑性樹脂を金型に先に射出成形し、次いで該金型内にシリコーンゴム組成物を加熱射出する方法等が挙げられる。なお、上記熱可塑性樹脂の成形体を製造する方法の一例として、例えば上記熱可塑性樹脂をペレット化し、熱可塑性樹脂の軟化点以上に加熱した成形金型へ注入し、次いで金型を熱可塑性樹脂の軟化点以下に冷却する公知の方法が便利である。この場合、一般に射出成形機、トランスファー成形機と呼ばれている機器の使用が可能である。
一方、シリコーンゴム組成物は未硬化の状態で液状、パテ状、ペースト状のいずれでもよいが、成形のし易さから液状もしくはペースト状のものが好ましい。なお、本発明にかかるシリコーンゴム組成物の硬化条件は、熱可塑性樹脂との強固な接着性を発現させる場合、樹脂が変形、溶融、変質しない温度、硬化時間で行うことが必要である。樹脂の種類にもよるが、100〜150℃で0.2〜30分程度、とりわけ0.4〜10分程度の硬化条件で一体成型体を得ることができる。
以下、参考例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、部及び%はそれぞれ質量部と質量%を示す。
[参考例1]
分子鎖両末端がそれぞれジメチルビニルシロキシ基で封鎖された25℃の粘度が20,000mPa・sのジメチルポリシロキサン(A−1)(重合度620、ビニル価0.00004モル/g)70部、BET法比表面積200m2/gのヒュームドシリカを50部使用し、ヘキサメチルジシラザン6部を加え、ニーダーミキサーに配合し、均一に混合した後、更に150℃で3時間加熱混合してシリコーンゴムベース(1)を得た。このシリコーンゴムベース(1)126部に、ジメチルポリシロキサン(A−1)20部、下記式(3)
Figure 2016180123
で示される分子鎖両末端がそれぞれジメチルビニルシロキシ基で封鎖された、側鎖に(即ち、主鎖を構成する2官能性シロキサン単位の一部であるジフェニルシロキサン単位として)フェニル基を有するジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体(A−2)(ビニル価0.00058モル/g)10部、下記式(4)
Figure 2016180123
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンA(SiH量0.011モル/g)2部、塩化白金酸の1%2−エチルヘキサノール溶液0.1部、及び反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノールの50%エタノール溶液0.05部を加え、均一に約30分混合し、シリコーンゴム組成物を得た。
このシリコーンゴム組成物を150℃で5分間プレスキュアして得られた硬化物より、シリコーンゴム組成物の硬化物のJIS K 6249で規定される硬度(タイプA)、引張り強さ、引裂き強さ、100%モジュラスを評価し、結果を表1に記した。
[実施例1]
参考例1のシリコーンゴムベース(1)126部に、参考例1の分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(A−1)20部、参考例1の分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体(A−2)10部、参考例1のオルガノハイドロジェンポリシロキサンA2部、25℃の粘度が450mPa・sでフェニル基含有量30モル%の両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体2.5部、25℃の粘度が160mPa・sでフェニル基含有量60モル%の両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体2.5部、塩化白金酸の1%2−エチルヘキサノール溶液0.1部、及び反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノールの50%エタノール溶液0.05部を加え、均一に約30分混合し、オイルブリード性シリコーンゴム組成物を得た。
このオイルブリード性シリコーンゴム組成物のゴム物性を参考例1と同様に測定した結果を表1に記した。
[実施例2]
参考例1のシリコーンゴムベース(1)126部に、参考例1の分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(A−1)20部、参考例1の分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体(A−2)10部、参考例1のオルガノハイドロジェンポリシロキサンA2部、25℃の粘度が450mPa・sでフェニル基含有量30モル%の両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体2.5部、25℃の粘度が160mPa・sでフェニル基含有量60モル%の両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体2.5部、下記式(5)
Figure 2016180123
で示されるフェニレン骨格を有する接着助剤A(SiH量0.0079モル/g)1.0部、塩化白金酸の1%2−エチルヘキサノール溶液0.1部、及び反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノールの50%エタノール溶液0.05部を加え、均一に約30分混合し、オイルブリード性シリコーンゴム接着剤組成物を得た。
このオイルブリード性シリコーンゴム接着剤組成物のゴム物性を参考例1と同様に測定した結果を表1に記した。
[比較例1]
参考例1において、フェニル基を有する分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体(A−2)10部の代わりに、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された、側鎖に(即ち、主鎖を構成する2官能性シロキサン単位の一部として、下記式
Figure 2016180123
で示されるビニルメチルシロキサン単位として)ビニル基を有するジメチルポリシロキサン(A−1’)(重合度180、ビニル価0.00058モル/g)10部に変更した組成物を、均一に約30分混合し、シリコーンゴム組成物を得た。
このシリコーンゴム組成物のゴム物性を参考例1と同様に測定した結果を表1に記した。
[比較例2]
実施例1において、フェニル基を有する分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体(A−2)10部の代わりに、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された、側鎖に(即ち、主鎖を構成する2官能性シロキサン単位の一部として、下記式
Figure 2016180123
で示されるビニルメチルシロキサン単位として)ビニル基を有するジメチルポリシロキサン(A−1’)(重合度180、ビニル価0.00058モル/g)10部に変更した組成物を、均一に約30分混合し、オイルブリード性シリコーンゴム組成物を得た。
このオイルブリード性シリコーンゴム組成物のゴム物性を参考例1と同様に測定した結果を表1に記した。
[比較例3]
実施例2において、フェニル基を有する分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体(A−2)10部の代わりに、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された、側鎖に(即ち、主鎖を構成する2官能性シロキサン単位の一部として、下記式
Figure 2016180123
で示されるビニルメチルシロキサン単位として)ビニル基を有するジメチルポリシロキサン(A−1’)(重合度180、ビニル価0.00058モル/g)10部に変更した組成物を、均一に約30分混合し、オイルブリード性シリコーンゴム接着剤組成物を得た。
このオイルブリード性シリコーンゴム接着剤組成物のゴム物性を参考例1と同様に測定した結果を表1に記した。
[比較例4]
参考例1のシリコーンゴムベース(1)126部に、下記式(6)
Figure 2016180123
で示される分子鎖両末端がそれぞれジメチルビニルシロキシ基で封鎖された側鎖に(即ち、主鎖を構成する2官能性シロキサン単位の一部であるジフェニルシロキサン単位として)フェニル基を有するジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体(A−2’)(フェニル基含有量5.5モル%、ビニル価0.00007モル/g)30部、参考例1のオルガノハイドロジェンポリシロキサンA2部、塩化白金酸の1%2−エチルヘキサノール溶液0.1部、及び反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノールの50%エタノール溶液0.05部を加え、均一に約30分混合し、シリコーンゴム組成物を得た。
このシリコーンゴム組成物のゴム物性を参考例1と同様に測定した結果を表1に記した。
[比較例5]
参考例1のシリコーンゴムベース(1)126部に、ジメチルポリシロキサン(A−1)20部、下記式(7)
Figure 2016180123
で示される分子鎖両末端がそれぞれジメチルビニルシロキシ基で封鎖された側鎖に(即ち、主鎖を構成する2官能性シロキサン単位の一部であるジフェニルシロキサン単位として)フェニル基を有するジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体(A−2”)(フェニル基含有量0.5モル%、ビニル価0.00008モル/g)10部、参考例1のオルガノハイドロジェンポリシロキサンA2部、塩化白金酸の1%2−エチルヘキサノール溶液0.1部、及び反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノールの50%エタノール溶液0.05部を加え、均一に約30分混合し、シリコーンゴム組成物を得た。
このシリコーンゴム組成物のゴム物性を参考例1と同様に測定した結果を表1に記した。
Figure 2016180123

Claims (6)

  1. (A)下記平均組成式(1)
    1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
    (式中、R1はアルケニル基を示し、R2は脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは0.0001〜0.2を満たす正数であり、bは1.7〜2.2を満たす正数であり、但しa+bは1.9〜2.4を満たす正数である。)
    で示され、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンであり、互いに組成が異なる2種のオルガノポリシロキサン(A−1)及び(A−2)を含むオルガノポリシロキサン混合物であって、該オルガノポリシロキサン混合物に含まれる前記2種のオルガノポリシロキサンのうち、(A−1)成分は平均組成式(1)においてR2中にフェニル基を含まないものであり、(A−2)成分は平均組成式(1)においてR2中にフェニル基を1〜30モル%含有するものであるオルガノポリシロキサンであり、(A−1)成分と(A−2)成分との質量比が(A−1):(A−2)=99.9:0.1〜85:15(合計で100)である混合物:100質量部、
    (B)下記平均組成式(2)
    4 deSiO(4-d-e)/2 (2)
    (式中、R4は炭素数1〜10の非置換又はハロゲン置換の1価炭化水素基であり、dは0.7〜2.1、eは0.001〜1.0、d+eが0.8〜3.0を満足する正数である。)
    で示され、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個当たり1〜5個となる量、
    (C)補強性シリカ微粉末:1〜100質量部、
    (D)付加反応触媒:触媒量、
    (E)オルガノポリシロキサン中のケイ素原子に結合した1価の有機基の10〜85モル%がフェニル基であり、フェニル基以外のケイ素原子に結合する1価の有機基が炭素数1〜6のアルキル基であり、25℃での粘度が回転粘度計による測定で100〜500mPa・sである無官能性シリコーンオイル:0.5〜20質量部
    を含有してなり、かつ上記(A−1)成分と(A−2)成分との混合物からなる(A)成分の25℃での粘度が回転粘度計による測定で50〜100,000mPa・sであり、(A−2)成分の25℃での粘度が回転粘度計による測定で50〜1,000mPa・sであるシリコーンゴム組成物を調製し、該組成物を加熱硬化することからなる、シリコーンゴム硬化物のJIS K 6249で規定する100%モジュラスを低減する方法。
  2. 更に、(F)1分子中に少なくとも1個のSiH基と、少なくとも1個のフェニレン骨格を有する有機ケイ素化合物を接着性付与成分として(A)成分100質量部に対して0.1〜30質量部を含有する請求項1に記載の方法。
  3. 接着性付与成分が、下記式で示される化合物から選ばれる請求項2に記載の方法。
    Figure 2016180123
    (nは1〜4である。)
  4. (A)下記平均組成式(1)
    1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
    (式中、R1はアルケニル基を示し、R2は脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、aは0.0001〜0.2を満たす正数であり、bは1.7〜2.2を満たす正数であり、但しa+bは1.9〜2.4を満たす正数である。)
    で示され、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンであり、互いに組成が異なる2種のオルガノポリシロキサン(A−1)及び(A−2)を含むオルガノポリシロキサン混合物であって、該オルガノポリシロキサン混合物に含まれる前記2種のオルガノポリシロキサンのうち、(A−1)成分は平均組成式(1)においてR2中にフェニル基を含まないものであり、(A−2)成分は平均組成式(1)においてR2中にフェニル基を1〜30モル%含有するものであるオルガノポリシロキサンであり、(A−1)成分と(A−2)成分との質量比が(A−1):(A−2)=99.9:0.1〜85:15(合計で100)である混合物:100質量部、
    (B)下記平均組成式(2)
    4 deSiO(4-d-e)/2 (2)
    (式中、R4は炭素数1〜10の非置換又はハロゲン置換の1価炭化水素基であり、dは0.7〜2.1、eは0.001〜1.0、d+eが0.8〜3.0を満足する正数である。)
    で示され、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個当たり1〜5個となる量、
    (C)補強性シリカ微粉末:1〜100質量部、
    (D)付加反応触媒:触媒量、
    (E)オルガノポリシロキサン中のケイ素原子に結合した1価の有機基の10〜85モル%がフェニル基であり、フェニル基以外のケイ素原子に結合する1価の有機基が炭素数1〜6のアルキル基であり、25℃での粘度が回転粘度計による測定で100〜500mPa・sである無官能性シリコーンオイル:0.5〜20質量部
    を含有してなり、かつ上記(A−1)成分と(A−2)成分との混合物からなる(A)成分の25℃での粘度が回転粘度計による測定で50〜100,000mPa・sであり、(A−2)成分の25℃での粘度が回転粘度計による測定で50〜1,000mPa・sであるシリコーンゴム組成物。
  5. 更に、(F)1分子中に少なくとも1個のSiH基と、少なくとも1個のフェニレン骨格を有する有機ケイ素化合物を接着性付与成分として(A)成分100質量部に対して0.1〜30質量部を含有する請求項4に記載のシリコーンゴム組成物。
  6. 接着性付与成分が、下記式で示される化合物から選ばれる請求項5に記載のシリコーンゴム組成物。
    Figure 2016180123
    (nは1〜4である。)
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