JP2016179992A - トリペプチド組成物および糖尿病を治療する方法 - Google Patents

トリペプチド組成物および糖尿病を治療する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トリペプチド組成物および糖尿病を治療する方法の提供。
【解決手段】本発明はペプチド組成物および前記ペプチド組成物を用いて前糖尿病、糖尿病、肥満、高血圧およびメタボリック症候群を治療する方法に向けられる。本発明は、アミノ酸配列GGL、GLG、LGL、LLG、LGGもしくはGLLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩を含む組成物を有効量患者に投与することを含む、症状を治療する方法であって、前記症状は前糖尿病、糖尿病、肥満、高血圧、メタボリック症候群、血糖コントロール不良またはインスリン分泌の低下である方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本願は、2011年2月11日に出願された米国仮特許出願第61/441,748号の恩典を主張する。前記仮出願は、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
政府の利益に関する記述
本発明は、国立衛生研究所(NIH)により与えられたHL68878およびHL89544の下、政府支援により行われた。政府には本発明に一定の権利がある。
発明の分野
本発明はペプチド組成物および前記ペプチド組成物を用いて前糖尿病、糖尿病、肥満、高血圧およびメタボリック症候群を治療する方法に向けられる。
人体は食べたものをグルコースという糖に変換している。血液はそれをエネルギーに変換する細胞に運ぶ。通常、インスリンと呼ばれるタンパク質ホルモンが血中のグルコースレベルをコントロールしている。インスリン産生、インスリン作用、またはその両方に問題がある場合、高レベルの血糖がもたらされる。糖尿病はこのような問題によって特徴づけられる疾病のグループである。
3つの最も一般的な糖尿病の型は、1型糖尿病、2型糖尿病および妊娠糖尿病である。1型糖尿病(インスリン依存性糖尿病または若年型糖尿病として知られている)は通常小児期または青年期に発症する。これは体内の免疫システムがインスリンを産生する膵臓の細胞を破壊するときに起こる。1型糖尿病の人々は血中の糖のレベルを一日に何度も測定し、適正な値に保つために(注射またはポンプで)インスリンを摂取しなければならない。妊娠糖尿病は妊婦がグルコースを受け付けなくなったときに起こる。妊娠糖尿病の場合はまた血中のグルコースレベルを適正に保つことおよび胎児への合併症を防ぐことが要求される。妊娠糖尿病の女性は2型糖尿病を発症するリスクが増加する。
2型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病または成人発症型糖尿病として知られる)は通常成人期に発症する。これはまず細胞がインスリンを適切に利用せず脾臓がインスリンを産生する能力を失うことによって発症する。2型糖尿病の多くの人々は食事計画、運動プログラム、減量および経口によって血糖をコントロールしている。2型糖尿病でインスリン摂取の必要もある人もいる。
血中の過剰な糖は目、腎臓、神経および心臓にダメージを与えうるため、糖尿病は深刻である。糖尿病の合併症としては、心疾患、脳卒中、高血圧、失明、その他眼疾患(たとえば糖尿病性網膜症)、腎疾患、神経系疾患(たとえば手足の感覚障害または痛み、食べ物の消化能力の低下、手根管症候群および勃起不全)、切断、歯周病、別の病気(たとえば肺炎やインフルエンザ)にかかりやすくなること、運動障害もしくはうつ病が挙げられる。糖尿病をコントロールしないことにより、深刻な生命を脅かす事態(たとえば糖尿病性ケトアシドーシスや高浸透圧性昏睡など)となる可能性がある。
糖尿病は米国の成人における腎不全、非外傷性下肢切断および新たな失明のケースの主な原因である。糖尿病は心疾患および脳卒中の主要な原因である。糖尿病は2007年の米国における主な死因の第7位であった。概して、糖尿病を持つ人の死亡のリスクは同じくらいの年齢で糖尿病を持たない人の約2倍である。疾病対策予防センターによると、2011年1月現在、糖尿病患者は2,580万人、米国人口の8.3%である。さらに7900万人の成人米国人が、血中の糖レベルが糖尿病と診断される程には高くないが通常よりは高い状態である前糖尿病と予測されている。前糖尿病は時に空腹時血糖値の異常または耐糖能異常と呼ばれる。前糖尿病自体は、2型糖尿病、心疾患および脳卒中のリスクを増加させる。多くの前糖尿病患者が10年以内に2型糖尿病を発症する。
ライフスタイルへの介入に加えて、前糖尿病患者および2型糖尿病患者はしばしば糖尿病の合併症に対処するため薬による治療を受ける。医師は心血管系の合併症を低減させるため血圧および血中脂質をコントロールする薬を処方する。しばしば、正常な腎機能を持つより若く重症の患者において、医師は糖尿病の原因となる問題により直接的に対処する経口薬メトホルミンを処方する。メトホルミンは肝臓のグルコース産生を抑制し、インスリン感度を増加し、末梢でのグルコースの取り込みを強化し、脂肪酸酸化を増加し、消化管からのグルコース吸収を減少させる。しかし、メトホルミンは、乳酸アシドーシスのリスクを増加させる可能性のある状態、たとえば腎疾患、肺疾患、肝疾患、にある人には禁忌である。
その他より最近承認された医薬品はメトホルミンほどの効果は見られず、それぞれに禁忌がある。たとえば、ロシグリタゾンは抗糖尿病薬として用いられた最初のインスリン感作性物質の一つであった。これは脂肪細胞をよりインスリンに敏感にさせる。ロシグリタゾンの年間販売額は2006年がピークで約25億ドルであった。ロシグリタゾンは心血管系イベントのリスクの増加と関連があるため、欧州医薬品庁はこの医薬品の欧州市場で禁止することを推奨した。米国食品医薬品局は市場に残すことを許可したが、2010年9月23日付けで大幅な制限を受けることになった。
ヒトプロインスリンC−ペプチドと呼ばれるインスリンの前駆体およびC−ペプチドの断片もまた糖尿病の治療のため研究されている。特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4および特許文献5を参照されたい。また、非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3および非特許文献4も参照されたい。
食用タンパク質は、20の異なるアミノ酸から構成され、科学者によりグルコースと共に消化されるときの個々のアミノ酸の効果が研究されている。非特許文献5; Gannon et al., Metabolism, 37: 1081−1088 (1988); Gannon et al., Am. J. Clin. Nutr., 76: 1302−1307 (2002)およびKalogeropoulou et
al., Metabolism, 57: 1747−1752 (2008)を参照されたい。アミノ酸のロイシンとグリシンは血清グルコースの応答を弱め、およびインスリンの追加分泌を刺激する効果が報告されている。しかしこの効果を得るにはかなりの量のアミノ酸の消化が必要で、味が悪く、バランスの悪いアミノ酸摂取であり、腎機能障害の心配がある。
グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)はインクレチンホルモンである。インクレチンホルモンは栄養素の消化に応答して腸細胞で分泌される。GLP−1の第一の生理学的機能は、血糖コントロールに関連しているようである。GLP−1はインスリンの放出を刺激し、グルカゴンの分泌を阻害し、胃内容物の排出を減少させ、満腹感を増加させる。2型糖尿病の患者において、インクレチンの効果は減少し、血糖コントロール障害に寄与する。GLP−1の患者への投与は、内因性のインスリン分泌を通じて血糖の調節性を修復すると報告されている。GLP−1の投与はまた、胃内容物の排出を遅らせ、満腹感を増加させる作用によってエネルギー摂取を減らすことが報告されていて、したがってこれによって重量減少を誘導することができる。2つのGLP受容体作動薬/類似体は現在2型糖尿病の治療用に承認されており、エキセナチド(バイエッタ(登録商標))およびリラグルチド(ビクトーザ(登録商標))などが臨床開発中である。1週間に1度のエキセナチド(ビデュリオン(登録商標))の投与が承認されている。Barnett et al., Diabetes, Obesity and Metabolism. accepted article published online (2011)を参照されたい。
また、GLP−1受容体の作動薬もたとえば心拍数や血圧などの心血管関連の機能に影響することが研究により立証されている。Grieve et al., British J. Pharm., 157a: 1340−1351 (2009)を参照されたい。ある研究において、ダール食塩感受性(DSS)ラットに高食塩の食事を与え、エキセナチド模倣薬(AC3174)単独またはACE阻害剤(カプトプリル)との組み合わせで治療した。AC3174はカプトプリルと比べて抗高血圧性、インスリン感作性および腎臓保護効果を持つ。Liu et al., Cardiovascular Diabetology, 9(32): 1−10 (2010)を参照されたい。
このようなことから、前糖尿病、糖尿病およびそれらの合併症の治療のための新しい技術が必要である。また、肥満、高血圧およびメタボリック症候群の治療のための新しい技術が必要である。
国際公開第98/13384号 国際公開第2002/022211号 国際公開第2004/016647号 国際公開第2006/129095号 国際公開第2007/015069号
Ohtomo et al., Diabetologia, (1998) 41: 287−291 Sato et al., Cell. Mol. Life Sci., (2004) 61: 727−732 Hach et al., Exp. Diabetes Res.: (2008) 1−6 Ido et al., Science, (1997) 277: 563−566 Gannon and Nuttall, IUBMB Life, (2010) 62: 660−668
本発明は、前糖尿病、糖尿病、肥満、高血圧、メタボリック症候群、血糖コントロール不良またはインスリン分泌の減少を治療するための製品および方法を提供する。
本発明は、アミノ酸配列GGL、GLG、LGL、LLG、LGGもしくはGLLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩を含む組成物を有効量患者に投与することを含む、症状を治療する方法であって、前記症状は前糖尿病、糖尿病、肥満、高血圧、メタボリック症候群、血糖コントロール不良またはインスリン分泌の低下である方法を提供する。また、本発明は、アミノ酸配列GGdL、GdLG、GdLL、GLdL、GdLdL、dLLG、LdLG、dLdLG、dLGG、dLGL、LGdLもしくはdLGdLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩を含む組成物を有効量患者に投与することを含む、症状を治療する方法であって、前記症状は前糖尿病、糖尿病、肥満、高血圧、メタボリック症候群、血糖コントロール不良またはインスリン分泌の減少である方法を提供する。
糖尿病患者において、アミノ酸配列GGL、GLG、LGL、LLG、LGGもしくはGLLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩を含む組成物を有効量前記患者に投与することを含む糖尿病関連の合併症を予防する、軽減するまたは改善する方法であって、前記糖尿病関連の合併症は心疾患、慢性腎疾患、腎不全、膀胱障害、勃起不全、胃不全まひ、眼疾患、糖尿病性神経障害、足もしくは皮膚潰瘍または下肢切断である方法、も提供される。また本発明は、糖尿病患者においてアミノ酸配列GGdL、GdLG、GdLL、GLdL、GdLdL、dLLG、LdLG、dLdLG、dLGG、dLGL、LGdLもしくはdLGdLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩を含む組成物を有効量前記患者に投与することを含む糖尿病関連の合併症を予防する、軽減するまたは改善する方法であって、前記糖尿病糖尿病関連の合併症は心疾患、慢性腎疾患、腎不全、膀胱障害、勃起不全、胃不全まひ、眼疾患、糖尿病性神経障害、足もしくは皮膚潰瘍または下肢切断である方法を提供する。
前出のすべての方法において、前記ペプチドはN末端がアセチル化されている、C末端がアミド化されているまたはその両方でありうる。前記組成物は経口、腹腔内、眼、皮内、鼻腔内、皮下、筋肉内または静脈内経路により投与されうる。
本発明で提供される医薬組成物はアミノ酸配列GGL、GLG、GLL、GGdL、GdLG、GdLL、GLdL、GdLdL、dLLG、LdLG、dLdLG、dLGG、dLGL、LGdLもしくはdLGdLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤を含む組成物を含む。またこれらは、前記医薬組成物がアミノ酸配列GGL、GLGもしくはGLLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤を含む組成物も含む。前記組成物において、前記ペプチドはN末端がアセチル化されている、C末端がアミド化されているまたはその両方でありうる。
本発明は、アミノ酸配列GGL、GLG、GLL、GGdL、GdLG、GdLL、GLdL、GdLdL、dLLG、LdLG、dLdLG、dLGG、dLGL、LGdLもしくはdLGdLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を投与するためのキットであり、前記キットは前記組成物、前記組成物の投与説明書および前記組成物を前記患者に投与するための装置を含むキットを提供する。また、本発明は前記医薬組成物がアミノ酸配列GGL、GLGまたはGLLからなるペプチドを少なくとも1つ含むキットを提供する。前記キットにおいて、前記ペプチドはN末端がアセチル化されている、C末端がアミド化されている、またはその両方でありうる。
心血管疾患(CVD)は糖尿病患者の死因の第1位で、およそ3人に2人となっている。したがって、前糖尿病患および糖尿病患者の管理において、CVDのリスクの最小化が重要な臨床的目標である。本発明は、血糖コントロールを改善し同時に心血管イベントおよびその他糖尿病関連の合併症のリスクを減少する製品および方法を提供する。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
アミノ酸配列GGL、GLG、LGL、LLG、LGGもしくはGLLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩を含む組成物を有効量患者に投与することを含む、症状を治療する方法であって、前記症状は前糖尿病、糖尿病、肥満、高血圧、メタボリック症候群、血糖のコントロール不良またはインスリン分泌の低下である方法。
(項目2)
アミノ酸配列GGdL、GdLG、GdLL、GLdL、GdLdL、dLLG、LdLG、dLdLG、dLGG、dLGL、LGdLもしくはdLGdLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩を含む組成物を有効量患者に投与することを含む、症状を治療する方法であって、前記症状は前糖尿病、糖尿病、肥満、高血圧、メタボリック症候群、血糖のコントロール不良またはインスリン分泌の低下である方法。
(項目3)
前記症状が前糖尿病である、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
前記症状が糖尿病である、項目1または2に記載の方法。
(項目5)
前記症状が肥満である、項目1または2に記載の方法。
(項目6)
前記症状が高血圧である、項目1または2に記載の方法。
(項目7)
前記症状がメタボリック症候群である、項目1または2に記載の方法。
(項目8)
前記組成物がアミノ酸配列GGLからなるペプチドを少なくとも含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記組成物がアミノ酸配列GLGからなるペプチドを少なくとも含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記組成物がアミノ酸配列LGLからなるペプチドを少なくとも含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記組成物がアミノ酸配列LLGからなるペプチドを少なくとも含む、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記組成物がアミノ酸配列LGGからなるペプチドを少なくとも含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記組成物がアミノ酸配列GLLからなるペプチドを少なくとも含む、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記組成物がアミノ酸配列GGdLからなるペプチドを少なくとも含む、項目2に記載の方法。
(項目15)
前記組成物がアミノ酸配列GdLGからなるペプチドを少なくとも含む、項目2に記載の方法。
(項目16)
前記組成物がアミノ酸配列GdLLからなるペプチドを少なくとも含む、項目2に記載の方法。
(項目17)
前記組成物がアミノ酸配列GLdLからなるペプチドを少なくとも含む、項目2に記載の方法。
(項目18)
前記組成物がアミノ酸配列GdLdLからなるペプチドを少なくとも含む、項目2に記載の方法。
(項目19)
前記組成物がアミノ酸配列dLLGからなるペプチドを少なくとも含む、項目2に記載の方法。
(項目20)
前記組成物がアミノ酸配列LdLGからなるペプチドを少なくとも含む、項目2に記載の方法。
(項目21)
前記組成物がアミノ酸配列dLdLGからなるペプチドを少なくとも含む、項目2に記載の方法。
(項目22)
前記組成物がアミノ酸配列dLGGからなるペプチドを少なくとも含む、項目2に記載の方法。
(項目23)
前記組成物がアミノ酸配列dLGLからなるペプチドを少なくとも含む、項目2に記載の方法。
(項目24)
前記組成物がアミノ酸配列LGdLからなるペプチドを少なくとも含む、項目2に記載の方法。
(項目25)
前記組成物がアミノ酸配列dLGdLからなるペプチドを少なくとも含む、項目2に記載の方法。
(項目26)
糖尿病患者において、アミノ酸配列GGL、GLG、LGL、LLG、LGGもしくはGLLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩を含む組成物を有効量前記患者に投与することを含む、糖尿病関連の合併症を予防する、軽減するまたは改善する方法。
(項目27)
糖尿病患者において、アミノ酸配列GGdL、GdLG、GdLL、GLdL、GdLdL、dLLG、LdLG、dLdLG、dLGG、dLGL、LGdLもしくはdLGdLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩を含む組成物を有効量前記患者に投与することを含む、糖尿病関連の合併症を予防する、軽減するまたは改善する方法。
(項目28)
前記糖尿病関連の合併症が心疾患、慢性腎疾患、腎不全、膀胱障害、勃起不全、胃不全まひ、眼疾患、糖尿病性神経障害、足もしくは皮膚潰瘍または下肢切断である、項目26または27に記載の方法。
(項目29)
前記ペプチドはN末端がアセチル化されている、項目1〜28のいずれか一つに記載の方法。
(項目30)
前記ペプチドはC末端がアミド化されている、項目1〜28のいずれか一つに記載の方法。
(項目31)
前記ペプチドはN末端がアセチル化され、C末端がアミド化されている、項目1〜28のいずれか一つに記載の方法。
(項目32)
前記組成物は経口、腹腔内、眼、皮内、鼻腔内、皮下、筋肉内または静脈内経路により投与される、項目1〜31のいずれか一つに記載の方法。
(項目33)
前記組成物は経口経路により投与される、項目1〜31のいずれか一つに記載の方法。
(項目34)
前記組成物は腹腔内経路により投与される、項目1〜31のいずれか一つに記載の方法。
(項目35)
アミノ酸配列GGL、GLG、GLL、GGdL、GdLG、GdLL、GLdL、GdLdL、dLLG、LdLG、dLdLG、dLGG、dLGL、LGdLもしくはdLGdLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
(項目36)
前記医薬組成物はアミノ酸配列GGL、GLG、もしくはGLLからなるペプチドを少なくとも一つ含む、項目35に記載の医薬組成物。
(項目37)
前記医薬組成物はアミノ酸配列GGLからなるペプチドを含む、項目35に記載の医薬組成物。
(項目38)
アミノ酸配列GGL、GLG、GLL、LLG、LGL、LGG、GGdL、GdLG、GdLL、GLdL、GdLdL、dLLG、LdLG、dLdLG、dLGG、dLGL、LGdLまたはdLGdLからなる少なくとも一つのペプチド、および1つ以上の薬学的に許容される賦形剤から本質的になる医薬組成物。
(項目39)
前記ペプチドがアミノ酸配列GGL、GLG、GLL、LLG、LGLまたはLGGからなるペプチドである、項目38に記載の医薬組成物。
(項目40)
前記ペプチドはN末端がアセチル化されている、項目35〜39のいずれか一つに記載の医薬組成物。
(項目41)
前記ペプチドはC末端がアミド化されている、項目35〜39のいずれか一つに記載の医薬組成物。
(項目42)
前記ペプチドはN末端がアセチル化されるかまたはC末端がアミド化されている、項目35〜39のいずれか一つに記載の医薬組成物。
(項目43)
アミノ酸配列GGL、GLG、GLL、GGdL、GdLG、GdLL、LLG、LGL、LGG、GLdL、GdLdL、dLLG、LdLG、dLdLG、dLGG、dLGL、LGdLもしくはdLGdLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を投与するためのキットであって、前記キットは前記組成物、前記組成物の投与説明書および前記化合物を前記患者に投与するための装置を含むキット。
(項目44)
前記医薬組成物がアミノ酸配列GGL、GLGまたはGLLからなる少なくとも一つのペプチドを含む、項目43に記載のキット。
(項目45)
前記ペプチドはN末端がアセチル化されている、項目43または44に記載のキット。
(項目46)
前記ペプチドはC末端がアミド化されている、項目43または44に記載のキット。
(項目47)
前記ペプチドはN末端がアセチル化され、C末端がアミド化されている、項目43または44に記載のキット。
図1はC57BL/6Jマウスにおいて、グリシンおよびグルコースの経口投与後の血糖におけるグリシンの効果を示す。 図2はC57BL/6Jマウスにおいて、ロイシンおよびグルコースの経口投与後の血糖におけるロイシンの効果を示す。 図3はKKay糖尿病マウスにおいて、ダイアピン(Diapin)がグルコースの経口投与後の血糖の増加を阻害することを示す。 図4はKKay糖尿病マウスにおいて、ダイアピンがでんぷんの経口投与後の血糖の増加を阻害することを示す。 図5はKKay糖尿病マウスにおいて、ダイアピンがランダム血糖を減少させることを示す。 図6はKKay糖尿病マウスにおいて、グルコースおよびダイアピンの経口投与から30分後、ダイアピンがインスリン分泌を刺激することを示す。 図7はKKay糖尿病マウスにおいて、グルコースおよびダイアピンの経口投与から30分後、ダイアピンがGLP−1分泌を刺激することを示す。 図8はダイアピンがKKay糖尿病マウスの血糖レベルを時間および投与量に依存して減少させることを示す。 図9はC57BL/6Jマウスにおいて、ダイアピンは空腹時血糖レベルには影響しないことを示す。 図10はC57BL/6Jマウスへのグルコースの腹腔内注射後、ダイアピンが血糖の増加を阻害することを示す。 図11はC57BL/6Jマウスへのグルコースの腹腔内注射後、他のペプチドGGHは血糖に影響しないことを示す。 図12はC57BL/6Jマウスへのグルコースの腹腔内注射後、別の2つのペプチドLGGおよびLGLは血糖に影響しないことを示す。 図13はC57BL/6Jマウスへのグルコース経口投与後の、ペプチドLLGの血糖への効果を示す。 図14はC57BL/6Jマウスへのグルコース経口投与後の、ペプチドGLGおよびGLLの血糖への効果を示す。 図15はC57BL/6Jマウスへのグルコース経口投与後の、ダイアピンおよびC末端アミド化ダイアピンの血糖への効果を示す。 図16はC57BL/6Jマウスへのグルコース経口投与後の、ダイアピンおよびN末端アセチル化ダイアピンの血糖への効果を示す。 図17はC57BL/6Jマウスへのグルコース経口投与後の、C末端アミド化およびN末端アセチル化ダイアピンの血糖への効果を示す。 図18はC57BL/6Jマウスの血糖へのグルコース経口投与30分前にダイアピンを投与した効果を示す。 図19はC57BL/6Jマウスの血糖へのグルコース経口投与1時間前にダイアピンを投与した効果を示す。 図20はグルコース経口投与後の、C57BL/6Jマウスの血糖レベルへのダイアピンおよびジペプチドの効果を示す。 図21はグルコース経口投与後の、C57BL/6Jマウスの血糖レベルへのダイアピンおよびジペプチドの効果を示す。 図22はグルコース経口投与後の、ob/obマウスへのダイアピンの効果を示す。 図23はグルコース経口投与後の、db/dbマウスの血糖レベルへのダイアピンの効果を示す。 図24はグルコース経口投与後の、高脂肪食誘導性糖尿病のマウスの血糖レベルへのダイアピンの効果を示す。 図25はグルコース経口投与後の、C57BL/6Jマウスの血糖レベルの低下へのD−ダイアピン(D体アミノ酸から構成される)の効果を示す。 図26はグルコース経口投与およびダイアピン腹腔内投与後の、C57BL/6Jマウスの血糖レベルへのダイアピンの効果を示す。 図27はグルコース経口投与後の、C57BL/6Jマウスの血糖レベルへの修飾ジペプチドの効果を示す。
(発明の詳細な説明)
一態様において、本発明は前糖尿病または糖尿病患者へ投与されるペプチドを提供する。本発明のペプチドの例としては、GGL(本明細書で「ダイアピン」と呼ばれる)、GLG、LGL、LLG、LGGおよびGLLが挙げられる。本発明のペプチドの他の例としてはGLおよびLGが挙げられる。本発明はまた、それぞれのロイシンが独立にL体またはD体の形態であるペプチドGGL、GLG、LGL、LLG、LGGおよびGLLを提供する。本発明のペプチドの他の例としては、ロイシンがL体の形態であるLGおよびGLが挙げられる。本発明のペプチドは、当技術分野で周知の方法により、化学的に合成されてもタンパク質の消化により誘導されてもよい。
本明細書で用いられている単数形「a」「an」および「the」は、明確な指示がない限り複数形の参照を含む。
ペプチドまたはタンパク質中のアミノ酸を、前記ペプチドまたはタンパク質の作用への悪影響なしに化学的に類似のアミノ酸に置換することができることは当技術分野で周知である。したがって、本発明のペプチドにおいてグリシンまたはロイシンの残基は化学的に類似のアミノ酸残基、たとえば異なる脂肪族アミノ酸残基またはアミノ酸異性体に置換できることが期待できる。他の脂肪族アミノ酸は、アラニン、バリンおよびイソロイシンである。化学的に類似のアミノ酸が、前記ペプチドの作用への悪影響なしに本発明のペプチドの片方もしくは両方の末端に追加しうることも特に期待される。
グリシンを除き、一般的なアミノ酸はすべて少なくとも1つの不斉炭素原子を含んでいる。したがって、これらのアミノ酸にはL体およびD体と指定される立体異性体の組が存在する。最も自然に発生するタンパク質およびペプチドはL体の形態のみからなる。D体のアミノ酸はペプチドまたはタンパク質のコンフォメーションに影響を与えることができ、安定性の増加または作用の変更をもたらすことができる。
前記ペプチドのいくつかの実施形態では、ロイシンはDロイシンに置き換わる。たとえば、前記ペプチドのいくつかの実施形態では、前記ペプチドはグリシン−グリシン−ロイシン(GGL)、グリシン−グリシン−Dロイシン(GGdL)、グリシン−ロイシン−グリシン(GLG)、グリシン−Dロイシン−グリシン(GdLG)、ロイシン−ロイシン−グリシン(LLG)、Dロイシン−ロイシン−グリシン(dLLG)、ロイシン−Dロイシン−グリシン(LdLG)、Dロイシン−Dロイシン−グリシン(dLdLG)、ロイシン−ロイシン−グリシン(LLG)、Dロイシン−ロイシン−グリシン(dLLG)、ロイシン−Dロイシン−グリシン(LdLG)、Dロイシン−Dロイシン−グリシン(dLdLG)、ロイシン−グリシン−グリシン(LGG)、Dロイシン−グリシン−グリシン(dLGG)、グリシン−ロイシン−ロイシン(GLL)、グリシン−Dロイシン−ロイシン(GdLL)、グリシン−ロイシン−Dロイシン(GLdL)、グリシン−Dロイシン−Dロイシン(GdLdL)、ロイシン−グリシン(LG)、Dロイシン−グリシン(dLG)、グリシン−ロイシン(GL)、またはグリシン−Dロイシン(GdL)である。本発明のペプチドは個別にまたは2つ以上のペプチドの混合物として使用することができる。混合物に関して、可能なペプチドの組み合わせは本発明により具体的に考慮される。
いくつかの実施形態では、本発明のペプチドは化学的に修飾されている。いくつかの実施形態では、本発明のペプチドはN末端がアセチル化されている。いくつかの実施形態では、本発明のペプチドはC末端がアミド化されている。いくつかの実施形態では、本発明のペプチドはN末端がアセチル化されていて、C末端がアミド化されている。ペプチドは当技術分野で周知の方法でアセチル化またはアミド化されている。本開示のいくつかの実施形態では、前記ペプチドはグリコシル化、カルボキシル化、リン酸化、エステル化、または酸付加塩に変換されるおよび/もしくは選択的に二量体化、重合化、ペグ化もしくは共役化される。
いくつかの実施形態では、前記ペプチドは、ペプチド結合の代わりに1つ以上の非ペプチド結合を含む。たとえば、前記ペプチドは、ペプチド結合の代わりにエステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、またはアミド結合を含む。
別の態様において、本発明の少なくとも1つのペプチドからなる組成物が提供される。本発明の組成物の例としては、1つ以上のペプチドGGL、GLG、LGL、LLG、LGGおよびGLLまたはその薬学的に許容される塩を含む組成物が挙げられる。本発明の組成物の別の例としては、1つ以上のペプチドGLおよびLGまたはその薬学的に許容される塩を含む組成物が挙げられる。本発明の組成物の別の例としては、GGL、GLG、GLL、LLG、LGG、LGL、GGdL、GdLG、GdLL、GLdL、GdLdL、dLLG、LdLG、dLdLG、dLGG、dLGL、LGdL、dLGdLまたはその薬学的に許容される塩を含む組成物が挙げられる。本発明の組成物は他の成分、たとえば他のアミノ酸を含んでもよい。前記組成物に関して、可能なペプチドの組み合わせは本発明により具体的に考慮される。
本明細書で用いられる「薬学的に許容される塩」とは、正当な医学的判断の見地から、ヒトまたは下等動物の組織に接触させるのに過度の毒性、刺激、アレルギー反応等がなく適切であり、利益とリスクの比率が合理的にバランスのとれた塩を指す。「薬学的に許容される塩」は、非毒性の塩または患者への投与において、直接的にまたは間接的に本発明の化合物の提供が可能な本発明の化合物のエステルの塩を意味する。薬学的に許容される塩は当技術分野において周知である。たとえば、Berge et al.はJ. Pharmaceutical Sciences, 66: 1−19 (1977)で薬学的に許容される塩について詳細に記述している。
本発明のペプチドまたはその混合物は、単独の活性な組成物中の製品成分として使用できることが期待される。したがって本発明の一態様において、1つ以上の本発明のペプチドからなる組成物で、前記ペプチドまたは本発明のペプチドは単独の成分である組成物が提供される。それゆえ、本開示の実施形態は、アミノ酸配列GGL、GLG、LGL、LLG、LGGもしくはGLLからなる少なくとも1つのペプチドまたはその薬学的に許容される塩から本質的になる組成物である。別の実施形態は、アミノ酸配列GLもしくはLGからなる少なくとも1つのペプチドまたはその薬学的に許容される塩から本質的になる組成物である。さらに別の実施形態は、アミノ酸配列GGL、GLG、GLL、LLG、LGG、LGL、GGdL、GdLG、GdLL、GLdL、GdLdL、dLLG、LdLG、dLdLG、dLGG、dLGL、LGdL、dLGdL、からなる少なくとも1つのペプチドまたはその薬学的に許容される塩から本質的になる組成物である。前記組成物に関して、可能なペプチドの組み合わせは本発明により具体的に考慮される。
別の態様において、本発明は本発明のペプチドを少なくとも1つ、および薬学的に許容される賦形剤を含む組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、医薬組成物はアミノ酸配列GGL、GLG、GLL、GGdL、GdLG、GdLL、GLdL、GdLdL、dLLG、LdLG、dLdLG、dLGG、dLGL、LGdLもしくはdLGdLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、前記医薬組成物はアミノ酸配列GGL、GLGもしくはGLLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、前記医薬組成物はアミノ酸配列GGLからなるペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩を含み、および薬学的に許容される賦形剤を含む。医薬組成物に関して、可能なペプチドの組み合わせは本発明により具体的に考慮される。
本発明の医薬組成物は、個別の投与および投与量の形式に依存した、薬学的に許容される賦形剤、たとえば担体、溶媒、安定剤、アジュバント、希釈剤などと共に処方される。前記組成物は一般的に生理学的に適合性のあるpH、約pH3〜約pH11、約pH3〜pH7(処方および投与ルートによる)が達成されるように処方される。別の実施形態では、前記pHは約pH5.0〜約pH8に調整される。様々な態様において、前記組成物は本明細書に記載される少なくとも1つのペプチドの治療上の有効量を、薬学的に許容される1つ以上の賦形剤と共に含む。前記組成物はバクテリア成長の治療または予防に有用な2つ目の活性成分を含んでよい(たとえば、抗バクテリア剤または抗微生物剤、ただしこれらに限定されない)。
好適な賦形剤としては、たとえばタンパク質、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、高分子アミノ酸、アミノ酸コポリマーおよび不活性ウイルス粒子などの大きく、ゆっくりと代謝される巨大分子を含む担体分子、が挙げられる。他の例示的な賦形剤としては、抗酸化剤(たとえばアスコルビン酸、ただしこれに限らない)、キレート剤(たとえばEDTA、ただしこれに限らない)、炭水化物(たとえばデキストリン、ヒドロキシアルキルセルロースおよびヒドロキシアルキルメチルセルロース、ただしこられに限らない)、ステアリン酸、液体(たとえば油、水、生理食塩水、グリセロールおよびエタノール、ただしこれらに限らない)の湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤などが挙げられる。
本発明のペプチドの輸送用に好適な医薬組成物およびその調製方法は当業者によって容易に明らかになる。このような組成物およびその調整方法は、たとえばRemington’s Pharmaceutical Sciences, The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, Lippincott Williams & White, Baltimore, Md. (2000)に見出すことができる。本発明のペプチドは即効的および/または徐放的になるように処方されうる。
さらに別の態様において、本発明はアミノ酸配列GGL、GLG、LGL、LLG、LGGもしくはGLLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩を含む組成物を有効量患者に投与することを含む、症状を治療する方法であって、前記症状は前糖尿病、糖尿病、肥満、高血圧、メタボリック症候群、血糖のコントロール不良またはインスリン分泌の低下である方法を提供する。本発明はまたアミノ酸配列GGdL、GdLG、GdLL、GLdL、GdLdL、dLLG、LdLG、dLdLG、dLGG、dLGL、LGdLもしくはdLGdLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩を含む組成物を有効量患者に投与することを含む、症状を治療する方法であって、前記症状は前糖尿病、糖尿病、肥満、高血圧、メタボリック症候群、血糖のコントロール不良またはインスリン分泌の低下である方法を提供する。前記方法に関して、可能なペプチドの組み合わせは本発明により具体的に考慮される。
いくつかの実施形態では、本発明はアミノ酸配列GGL、GLG、LGL、LLGまたはGLLからなる少なくとも1つのペプチドを含む組成物を患者に投与することを含む、前糖尿病または糖尿病の患者を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明はまたアミノ酸配列GLまたはLGからなる少なくとも1つのペプチドを含む組成物を患者に投与することを含む、前糖尿病または糖尿病の患者を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、前記糖尿病は1型糖尿病である。いくつかの実施形態では、前記糖尿病は2型糖尿病である。投与される組成物の量は次に示すものの少なくとも一つを達成するのに治療上効果的である:血糖レベルを減少する、インスリン分泌を刺激する、GLP−1分泌を刺激する、インスリン耐性を減少するおよび血糖コントロールを改善する。
本明細書で「治療すること」という用語(もしくは「治療」「治療する」などこの用語の他の形式)は本発明の組成物の投与が患者の症状を和らげるおよび/または症状に関連した特徴またはイベントを減少する、阻害するもしくは取り除くことを意味するために用いられる。したがって「治療」という用語は、特に患者が症状を患いやすくなった時に症状の発現を防ぐこと;症状を減少または阻害すること;および/または症状を改善または回復させることを含む。本発明の方法が症状を防ぐことに向けられている限りにおいて、「防ぐ」という用語は症状が完全に阻止されることを求めるものではないことが理解される。むしろ、本明細書で用いられるように、治療することという用語は当業者が症状に敏感な集団を識別できることを指しており、本発明の組成物の投与が症状の発現の前になされる。この用語は症状が完全に防がれなければならないことを示すものではない。
本明細書で用いられる「有効量」とは検出可能な治療上の効果を発揮するのに十分な本発明のペプチドの量を指す。前記効果は、たとえば臨床状態の改善または合併症の予防、減少もしくは改善によって検出される。患者にとって正確な有効量は患者の体重、サイズおよび健康状態;症状の性質および程度;ならびに投与のために選択される治療学または治療学の組み合わせに依存する。ある状況について、治療上の有効量は臨床医の技術および判断により日常実験により決定される。
いくつかの実施形態では、本発明は肥満、高血圧またはメタボリック症候群を治療する方法を提供する。したがって、本発明の一実施形態は、アミノ酸配列GGL、GLG、LGL、LLG、LGG、GLL、LGもしくはGLからなる少なくとも一つのペプチドまたはその薬学的に許容される塩を含む組成物を有効量患者に投与することを含む肥満を治療する方法である。さらに別の実施形態は、アミノ酸配列GGL、GLG、LGL、LLG、LGG、GLL、LGもしくはGLからなる少なくとも1つのペプチドまたはその薬学的に許容される塩を含む組成物を有効量患者に投与することを含む高血圧を治療する方法である。別の実施形態は、アミノ酸配列GGL、GLG、LGL、LLG、LGG、GLL、LGもしくはGLからなる少なくとも1つのペプチドまたはその薬学的に許容される塩を含む組成物を有効量患者に投与することを含むメタボリック症候群を治療する方法である。前出の実施形態のいずれにおいても、ペプチド内の1つ以上のロイシンは独立にロイシンのD体に置換される。前記方法に関して、可能なペプチドの組み合わせは本発明により具体的に考慮される。
さらに一態様において、本発明は、前糖尿病または糖尿病患者について、アミノ酸配列GGL、GLG、LGL、LLG、LGGまたはGLLからなる少なくとも1つのペプチドを含む組成物を有効量患者に投与することを含む糖尿病関連の合併症を防ぐ、減少する、および/または改善する方法を提供する。本発明はまた、前糖尿病または糖尿病患者について、アミノ酸配列GLまたはLGからなる少なくとも1つのペプチドを含む組成物を有効量患者に投与することを含む糖尿病関連の合併症を防ぐ、減少する、および/または改善する方法を提供する。本発明はまた、前糖尿病または糖尿病患者について、アミノ酸配列GGL、GLG、LGL、LLG、LGGもしくはGLLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩を含む組成物を有効量患者に投与することを含む糖尿病関連の合併症を防ぐ、減少する、および/または改善する方法を提供する。本発明はまた、前糖尿病または糖尿病患者について、アミノ酸配列GGdL、GdLG、GdLL、GLdL、GdLdL、dLLG、LdLG、dLdLG、dLGG、dLGL、LGdLもしくはdLGdLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩を含む組成物を有効量患者に投与することを含む糖尿病関連の合併症を防ぐ、減少する、および/または改善する方法を提供する。前記方法に関して、可能なペプチドの組み合わせは本発明により具体的に考慮される。いくつかの実施形態では、前記糖尿病は1型糖尿病である。いくつかの実施形態では、前記糖尿病は2型糖尿病である。前記投与は、糖尿病関連の合併症、たとえば下記を含むがこれらに限定されない:心疾患(たとえば冠動脈疾患(時に虚血性心疾患と呼ばれる)、脳血管疾患(たとえば脳卒中もしくは一過性虚血発作)、心不全、アテローム性動脈硬化、または末梢動脈疾患)慢性腎疾患、腎不全、膀胱障害、勃起不全、胃不全まひ、眼疾患(たとえば糖尿病性網膜症、白内障、もしくは緑内障)、糖尿病性神経障害(末梢、自律神経、近位もしくは局所)、足もしくは皮膚潰瘍または下肢切断、の少なくとも1つを防ぐ、減少する、または改善するのに治療上有効な量の前記組成物である。
本発明の組成物はあらゆる好適な経路で投与されうる。たとえ本発明の組成物は経口、眼、腹腔内、皮内、腹腔内(ip)、鼻腔内、皮下、筋肉内または静脈内経路により投与されうる。
経口投与の好適な例処方としてはたとえば、タブレット、複数のもしくはナノサイズの粒子、液体または粉体を含んだソフトまたはハードカプセル;トローチ(液体を充てんしたものを含む);チュー;ゲル;素早く分散する投与形態;フィルム;胚珠;スプレーなどの固体、半固体もしくは液体が挙げられる。いくつかの実施形態では、本発明のペプチドは、当業者に周知の輸送ビヒクルを用いて経口投与用に処方され、たとえば、ミクロスフィア、リポソーム、腸溶性被覆ドライエマルジョンまたはナノ粒子が挙げられるが、これらに限らない。
経口投与用の液体の投与形態としては、薬学的に許容される乳化剤、ミクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤が挙げられるがこれらに限らない。活性ペプチドに加え、前記液体の投与形態は当技術分野において一般的に用いられる不活性希釈剤、たとえば水もしくは他の溶媒、可溶化剤ならびにエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルフォルムアミド、油(特に、綿実、ピーナッツ、コーン、胚種、オリーブ、ヒマシおよびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールならびにソルビタンの脂肪酸エステルならびにその混合物などの乳化剤を含みうる。不活性希釈剤に加え、前記経口組成物は湿潤剤、乳化および懸濁剤、甘味料、風味料、および香料などのアジュバントを含みうる。
経口投与用の固体の投与形態としては、カプセル、タブレット、ピル、粉体および顆粒が挙げられる。このような固体の投与形態において、活性なペプチドが少なくとも1つの不活性の、薬学的に許容される賦形剤もしくは担体、たとえばクエン酸ナトリウムもしくは第二リン酸カルシウム、および/またはa)でんぷん、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸などの充てん剤もしくは増量剤、b)結合剤、たとえばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアカシア、c)保湿剤、たとえばグリセロール、d)崩壊剤、たとえば寒天、炭酸カルシウム、じゃがいもまたはタピオカでんぷん、アルギン酸、いくつかのケイ酸塩、および炭酸ナトリウム、e)溶解遅延剤、たとえばパラフィン、f)吸収促進剤、たとえば第四アンモニウム化合物、g)湿潤剤、たとえばセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート、h)吸収剤、たとえばカオリンおよびベントナイト粘土、およびi)潤滑剤、たとえばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびその混合物と共に混合される。カプセル、タブレット、ピルの場合、投与形態はまた緩衝剤を含みうる。活性な化合物はまた上記の1つ以上の賦形剤と共にミクロカプセル内に含めることができる。似たタイプの固形組成物はまた、高分子ポリエチレングリコールなどと同様に、ラクトースや乳糖のような賦形剤を用いたソフトおよびハードに充てんされたゼラチン内の充てん剤として用いられうる。タブレット、糖衣錠、カプセル、ピル、および顆粒の前記固体投与形態は、医薬処方技術においてよく知られた腸溶性コーティングなどのコーティングおよびシェルで調製されうる。注射用の調整物、たとえば滅菌注射用水溶液または油性懸濁液は、好適な分散または湿潤剤および懸濁剤を用いた周知技術にしたがって処方されうる。前記滅菌注射用調整物はまた、毒性がなく非経口で受け入れ可能な希釈剤または溶媒、たとえば1,3−ブタンジオール中の溶媒、における滅菌注射用水溶液、懸濁液または乳液でありうる。前記受け入れ可能なビヒクルおよび溶媒のうち、用いられうるものは水、リンガー溶液、U.S.P.および等張食塩水である。また、滅菌され不揮発性の油が溶媒または懸濁化剤として従来用いられている。この目的のため、無刺激性で不揮発性の油、たとえば合成モノ−またはジ−グリセライドが用いられうる。加えて、注射用物の調製にオレイン酸などの脂肪酸が用いられる。前記注射用処方は、たとえば細菌保持性フィルターを用いたろ過によって、または使用前に滅菌された水または他の滅菌された注射用媒質中に溶解または分散されうる滅菌された固体組成物という形態の滅菌剤を組み込むことによって滅菌されうる。
本発明の組成物を用い、当技術分野で周知の糖尿病薬と組み合わせた前糖尿病または糖尿病患者の治療は、特に期待される。いくつかの実施形態では、本発明の組成物による治療は、他の糖尿病薬の投与量を減らし、それゆえ前記他の糖尿病薬の副作用を減らすことができる。いくつかの実施形態では、前記他の糖尿病薬はインスリンである。いくつかの実施形態では、前記他の糖尿病薬はビグアニド(たとえばメトホルミン)である。いくつかの実施形態では、前記他の糖尿病薬はチアゾリジンジオン(たとえばピオグリタゾン)である。いくつかの実施形態では、前記他の糖尿病薬はDPP−4阻害剤(たとえばシタグリプチン)である。言い換えると、本発明の組成物は対象となる症状の標準治療として用いられている他の薬と組み合わせて用いることができる。いくつかの実施形態では、前記他の薬はスタチン(たとえばアトルバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、フルバスタチンおよびピタスタチン、ただしこれらに限らない)である。いくつかの実施形態では、前記他の薬は血圧降下剤[たとえば、カプトプリル、リシノプリル、ラミプリルなどのアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤;ロサルタン、オルメサルタン、バルサルタンなどのアンジオテンシンII受容体拮抗薬;メトプロロール、ナドロール、ペンブトロールなどのβブロッカー;およびアムロジピン、ジルチアゼム、ニフェジピンなどのカルシウムチャンネル遮断薬]である。
さらに別の形態において、本発明はその必要がある患者に本発明の組成物を投与するためのキットであって、前記キットは本発明の組成物、前記組成物の使用説明書および前記組成物を前記患者に投与するための装置を含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、医薬組成物を投与するためのキットはアミノ酸配列GGL、GLG、GLL、LLG、LGL、LGG、GGdL、GdLG、GdLL、GLdL、GdLdL、dLLG、LdLG、dLdLG、dLGG、dLGL、LGdLもしくはdLGdLからなる少なくとも1つのペプチドまたは前記ペプチドの薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤を含み、前記キットは本組成物、前記組成物の投与のための説明書および前記組成物を前記患者に投与するための装置を含む。いくつかの実施形態では、前記キットはアミノ酸配列GGL、GLGまたはGLLからなる少なくとも1つのペプチドを含む医薬組成物を含む。前記キットに関して、可能なペプチドの組み合わせは本発明により具体的に考慮される。
本発明は、本発明の例示的実施形態を詳述する下記の実施例を参照することによってより完全に理解される。
実施例1
アミノ酸グリシンおよびロイシンの血糖への影響が測定された。
グリシンおよびグルコースの経口負荷後のグリシンの血糖への影響
ジャクソン・ラボ(メーン州、バーハーバー)より購入した、成熟雄性C57BL/6Jマウスでの実験を行った。絶食マウスにグルコース(2mg/体重1g、図1の菱形、n=10)またはグリシン(0.35mg/体重1g、図1の四角、n=10)、およびグルコースを強制経口で与えた。血糖をグルコース投与0、30、60、90および120分後に測定した。
グリシングループの血糖レベルは、すべての時点でコントロールグループと比較して有意には変化しなかった。
ロイシンおよびグルコースの経口負荷後のロイシンの血糖への影響
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性C57BL/6Jマウスでの実験を行った。絶食マウスにグルコース(2mg/体重1g、図2の菱形、n=10)またはロイシン(0.35mg/体重1g、図2の四角、n=10)、およびグルコースを強制経口で与えた。血糖をグルコース投与0、30、60、90、120分後に測定した。
実施例2
ダイアピン(本発明のペプチドGGL)は、グルコースまたはでんぷんと共に経口摂取される際、糖尿病マウスの血糖レベルを強く低下させる。さらに、ダイアピンはまた、非絶食状態におけるKKay糖尿病マウスの血糖レベルを減少する[Yamauchi et al., Nat. Med., 7(8): 971−946 (2001)]。図3を参照されたい。
ダイアピンはグルコースの経口負荷後の糖尿病マウスの血糖の増加を阻害
ダイアピングループの30、60、90および120分における血糖レベルは、コントロールより有意に低かった。
ダイアピンはでんぷんの経口負荷後の糖尿病マウスの血糖の増加を阻害
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性KKay糖尿病マウスでの実験を行った。コントロールグループにおいて(図4の菱形、n=10)、でんぷんが2mg/体重1gの投与量で経口投与された。ダイアピングループにおいて(図4の四角、n=9)、でんぷんおよびダイアピンがそれぞれ2mg/体重1g、1mg/体重1gの投与量で経口投与された。血糖をでんぷんおよびダイアピン投与0、30、60、90および120分後に測定した。
ダイアピングループの30、60、90および120分における血糖レベルは、コントロールより有意に低かった。
ダイアピンは糖尿病マウスのランダム血糖を低下させる
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性KKay糖尿病マウスでの実験を行った。非絶食状態において、コントロールグループにおいて(図5の菱形、n=9)、蒸留水が与えられ、ダイアピングループにおいて(図5の四角、n=9)、ダイアピンが1mg/体重1g投与された。血糖をダイアピンの強制経口投与0、30、60、90、120、150および180分後に測定した。
ダイアピングループの60、90、120、150および180分における血糖レベルは、コントロールより有意に低かった。
実施例3
ダイアピンは本質的に、KKay糖尿病マウスにおいてインスリン分泌を刺激する。さらに、ダイアピンはまた、糖尿病マウスにおいてGLP−1分泌を増加させる。
ダイアピンはグルコースおよびダイアピンの経口負荷後の糖尿病マウスにおいてインスリン分泌を刺激
成熟雄性KKay糖尿病マウスでの実験を行った。絶食状態において、コントロールグループにおいて(図6の白棒、n=11)、グルコースが1.5mg/体重1gの投与量で経口投与された。ダイアピングループにおいて(図6の黒棒、n=11)、ダイアピンおよびグルコースがそれぞれ1mg/体重1gおよび1.5mg/体重1gで経口投与された。グルコースおよびダイアピンの経口投与30分後に血液サンプルが採取された。血糖がフリースタイルグルコースメーター(FreeStyle glucose meter)によって観測され、インスリンがELISA(Alpco社製、カタログ番号80−INSMS−E01)によって測定された。
ダイアピンはKKay糖尿病マウスにおいてインスリン分泌を刺激した。
ダイアピンはグルコースおよびダイアピンの経口負荷後の糖尿病マウスにおいてGLP−1分泌を刺激
成熟雄性KKay糖尿病マウスでの実験を行った。絶食状態において、コントロールグループにおいて(図7の白棒、n=11)、グルコースが1.5mg/体重1gの投与量で経口投与され、ダイアピングループにおいて(図7の黒棒、n=11)、ダイアピンおよびグルコースがそれぞれ1mg/体重1gおよび1.5mg/体重1gで経口投与された。グルコースおよびダイアピンの経口投与30分後に血液サンプルが採取された。GLP−1がELISA(Alpco社製、カタログ番号43−GP1HU−E01)によって測定された。
ダイアピンはまた、糖尿病マウスにおいてGLP−1分泌を増加させる。
実施例4
食事と共に摂取されたダイアピンは、KKay糖尿病マウスにおいて、時間および投与量に依存してランダム血糖レベルを低下させた。
成熟雄性KKay糖尿病マウスでの実験を行った。マウスは10匹毎3グループに分けられ、実験期間中、通常の食事(コントロール)、ダイアピン6g/kgを加えた食事、またはダイアピン12g/kgを加えた食事を不断給餌(adlibitum)した。血糖レベルが毎週、開始時(0週)から4週間、早朝に測定された。結果を図8に示す。
ダイアピンを加えた食事を与えられたグループの両方において、血糖レベルは、コントロールより有意に低かった。
実施例5
ダイアピンは血糖レベルが正常レベルにある非糖尿病C57BL/6Jマウスにおいて血糖レベルを低下させない。
ダイアピンは、C57BL/6Jマウスにおいて、空腹時血糖レベルに影響しない
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性C57BL/6Jマウスでの実験を行った。マウスには水(図9の菱形、n=6)またはダイアピン(2mg/体重1g、図9の四角、n=6)が与えられた。血糖をダイアピンの経口投与0、30、60、90、120、150および180分後に測定した。
両グループには血糖レベルに有意な差は見られなかった。
実施例6
ダイアピン、LGL、LGGは、グルコースの腹腔内負荷後の非糖尿病C57BL/6Jマウスにおいて、血糖レベルを低下させる。一方、ペプチドGGHでは低下されなかった。
ダイアピンはグルコースの腹腔内注射後の血糖の増加を阻害
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性C57BL/6Jマウスでの実験を行った。絶食マウスには水(図10の菱形、n=10)またはダイアピン(1mg/体重1g、図10の四角、n=10)が経口で与えられた。グルコースがダイアピンの経口投与の10分後、腹腔内注射により与えられた。グルコースを与えてから0、30、60、90、120分後の血糖が測定された。
ダイアピングループの30、60、90および120分における血糖レベルは、コントロールより有意に低かった。
ペプチドGGHはグルコースの腹腔内注射後の血糖に有意に影響しない
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性C57BL/6Jマウスでの実験を行った。絶食マウスには水(図11の菱形、n=10)またはGGH(1mg/体重1g、図11の四角、n=10)が与えられた。グルコースがGGHの経口投与の10分後、腹腔内注射により与えられた。グルコースを与えてから0、30、60、90、120分後の血糖が測定された。
GGHグループの血糖レベルは、すべての時点でコントロールマウスと比較して有意には変化しなかった。
ペプチドLGGおよびLGLはグルコースの腹腔内注射後の血糖の増加を阻害
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性C57BL/6Jマウスでの実験を行った。絶食マウスには水(図12の菱形、n=10)またはLGL(1mg/体重1g、図12の四角、n=10)もしくはLGG(1mg/体重1g、図12の三角、n=10)が与えられた。グルコースがLGGまたはLGLの経口投与の10分後、腹腔内注射により与えられた。グルコースを与えてから0、30、60、90、120分後の血糖が測定された。
LGLグループの30、60、90および120分における血糖レベルは、コントロールより有意に低かった。ペプチドLGGは、30および60分において血糖レベルを低下させた。
実施例7
ペプチドLGL、GLG、LLGおよびGLLは、グルコース負荷された非糖尿病C57BL/6Jマウスにおいて、血糖レベルを有意に低下させる。
グルコースの経口負荷後の血糖におけるLLGの効果
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性C57BL/6Jマウスでの実験を行った。コントロールグループにおいて(図13の菱形、n=10)、グルコースが2mg/体重1gの投与量で経口投与された。ダイアピンおよびLLGグループにおいて(四角または三角、n=9)、グルコースおよびダイアピンまたはグルコースおよびLLGがそれぞれ2mg/体重1gおよび1mg/体重1gの投与量で経口投与された。グルコースおよびダイアピンの強制経口投与の0、30、60、90および120分後に血糖が測定された。
LLGはダイアピンと同様の効果を示した。
ペプチドGLGおよびGLLのグルコースの経口負荷後の血糖における効果
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性C57BL/6Jマウスでの実験を行った。コントロールグループにおいて(図14の菱形、n=10)、グルコースが2mg/体重1gの投与量で経口投与された。GLGおよびGLLグループにおいて(図14の三角または丸、n=9)、グルコースおよびGLGまたはGLLがそれぞれ2mg/体重1gおよび1mg/体重1gの投与量で経口投与された。グルコースおよびGLGまたはGLLの強制経口投与の0、30、60、90および120分後に血糖が測定された。
ペプチドGLGおよびGLLはそれぞれダイアピンと同様の効果を示した。
実施例8
アミド化およびアセチル化はダイアピンのグルコース減少を低下させない。Bergstrom et al., J. Biol. Chem., 280: 23114−23121 (2005)に記述される方法によってダイアピンはアミド化および/またはJohn et al., Eur. J. Med. Res., 13: 73−78 (2008)に記述される方法によってアセチル化された。
ダイアピンにおけるアミド化の効果
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性C57BL/6Jマウスでの実験を行った。コントロールグループにおいて(図15の菱形、n=10)、グルコースが2mg/体重1gの投与量で経口投与された。ダイアピングループにおいて(図15の三角、n=9)、グルコースおよびダイアピンがそれぞれ2mg/体重1gおよび1mg/体重1gの投与量で経口投与された。アミド化ダイアピングループにおいて(図15の四角、n=9)、グルコースおよびアミド化ダイアピンがそれぞれ2mg/体重1gおよび1mg/体重1gの投与量で経口投与された。グルコース、ダイアピンおよびアミド化ダイアピンの強制経口投与の0、0.5、1、1.5および2時間後に血糖が測定された。
ダイアピングループおよびアミド化ダイアピングループにおける0、0.5、1、1.5および2時間後の血糖レベルは、コントロールより有意に低かった。
ダイアピンにおけるアセチル化の効果
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性C57BL/6Jマウスでの実験を行った。ダイアピングループにおいて(図16の菱形、n=10)、グルコースおよびダイアピンがそれぞれ2g/体重1kgおよび1g/体重1kgの投与量で経口投与された。アセチル化ダイアピングループにおいて(図16の四角、n=10)、グルコースおよびアセチル化ダイアピンがそれぞれ2g/体重1kgおよび1g/体重1kgの投与量で経口投与された。グルコース、ダイアピンおよびアセチル化ダイアピンの強制経口投与の0、0.5、1、1.5および2時間後に血糖が測定された。
ダイアピングループにおける0、0.5、1、1.5および2時間後の血糖レベルは、アセチル化ダイアピングループとの有意な差は見られなかった。
ダイアピンにおける両末端修飾の効果
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性C57BL/6Jマウスでの実験を行った。ダイアピングループにおいて(図17の三角、n=9)、グルコースおよびダイアピンがそれぞれ2g/体重1kgおよび1g/体重1kgの投与量で経口投与された。アミド化/アセチル化ダイアピングループにおいて(四角、n=9)、グルコースおよびアミド化/アセチル化ダイアピンがそれぞれ2g/体重1kgおよび1g/体重1kgの投与量で経口投与された。グルコース、ダイアピンおよびアミド化/アセチル化ダイアピンの強制経口投与の0、0.5、1、1.5および2時間後に血糖が測定された。
ダイアピングループにおける0、0.5、1、1.5および2時間後の血糖レベルは、アミド化/アセチル化ダイアピングループとの有意な差は見られなかった。
実施例9
ダイアピンは、グルコース投与の前に経口投与された時血糖レベルを低下させる。
グルコース経口投与の30分前に与えられたダイアピンの効果
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性C57BL/6Jマウスでの実験を行った。絶食マウスには水(図18の菱形、n=10)またはダイアピン(1mg/体重1g、図18の四角、n=10)が与えられ、30分後に2g/体重1kgのグルコースが強制経口投与された。グルコースを与えた0、30、60および120分後の血糖が測定された。
ダイアピングループの、30、60および120分における血糖レベルは、コントロールより有意に低かった。
グルコース経口投与の1時間前に与えられたダイアピンの効果
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性C57BL/6Jマウスでの実験を行った。絶食マウスには水(図19の菱形、n=10)またはダイアピン(1mg/体重1g、図19の四角、n=10)が与えられ、1時間後に2g/体重1kgのグルコースが強制経口投与された。グルコースを与えた0、30、60および120分後の血糖が測定された。
ダイアピングループの、30、60分における血糖レベルは、コントロールより有意に低かった。
実施例10
グルコースの経口投与後のC57BL/6Jマウスにおいて、ジペプチドGGは血糖レベルを有意に低下させない。
グルコースの経口投与後の血糖レベルにおけるダイアピンならびにジペプチドGGおよびGLの効果
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性C57BL/6Jマウスでの実験を行った。絶食マウスには200mg/体重1kgのグルコース(図20の菱形、n=10)またはグルコース200mg/体重1kgに加えてダイアピン(図20の四角、1mg/体重1g、n=10)、GG(図20の丸、0.67mg/体重1g、n=10)もしくはGL(図20の三角、0.67mg/体重1g、n=10)が与えられた。グルコースを与えた30、60、90および120分後の血糖が測定された。ダイアピンは、この実験において、陽性対照として働いた。
ダイアピンは30、60、90および120分における血糖レベルを有意に減少した。ペプチドGGはダイアピンと比較して血糖レベルを有意には低下させなかった一方で、ペプチドGLは30分における血糖レベルを減少した。
グルコースの経口投与後の血糖レベルにおけるダイアピンおよびジペプチドLGの効果
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性C57BL/6Jマウスでの実験を行った。絶食マウスには200mg/体重1kgのグルコース(図21の三角、n=10)、200mg/体重1kgのグルコースに加えてダイアピン(図21の四角、1mg/体重1g、n=10)、またはLG(図21の三角、0.67mg/体重1g、n=10)が与えられた。グルコースを与えた30、60、90および120分後の血糖が測定された。ダイアピンは、この実験において、陽性対照として働いた。
ジペプチドLGは、血糖レベルの減少において、ダイアピンの効果に比べてより一時的な効果を示した。ダイアピンはすべての測定時点で血糖レベルを低下させ、一方でジペプチドLGは30および60分においてのみ血糖レベルを低下させた。
実施例11
ダイアピンは、グルコース経口投与後のob/obマウスにおいて[Liu et al., Diabetes, 52(6):1409−16 (2003)]、血糖レベルを低下させる。
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性B6.V−Lepob/Jマウスでの実験を行った。絶食マウスには2mg/体重1gのグルコース(n=10)または2mg/体重1gのグルコースに加えてダイアピン(1mg/体重1g、n=10)が強制経口投与された。グルコースおよびダイアピンを与えた30、60、90および120分後の血糖レベルが測定された。
図22に示すように、ダイアピンはob/obマウスにおいてグルコースの経口負荷後の血糖の増加を阻害する。
実施例12
ダイアピンはまた、グルコースの経口投与後のdb/dbマウスにおいて[Chen et al., Cell, (3):491−495 (1996)およびHummel et al., Science, 153 (740):1127−1128 (1966)]、血糖レベルを低下させる。
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性BKS.Cg−m+/+Leprdb/Jマウスでの実験を行った。絶食マウスには2mg/体重1gのグルコース(n=10)または2mg/体重1gのグルコースに加えてダイアピン(1mg/体重1g、n=10)が強制経口投与された。グルコースおよびダイアピンを与えた30、60、90および120分後の血糖レベルが測定された。
図23に示すように、ダイアピンはdb/dbマウスにおいてグルコースの経口投与後の血糖の増加を阻害する。
実施例13
ダイアピンは、グルコース経口投与後の、高脂肪食誘導性糖尿病マウス[Tomas et al., Diabetes Obes. Metab., 13(1):26−33 (2011)およびDezaki et al., Diabetes, 55 (12):3486−93 (2006)]の血糖レベルを低下させる。
ジャクソン・ラボより購入した、野生型雄性C57BL/6Jマウスに高脂肪食[カロリーの60%が脂肪による齧歯類飼育飼料(リサーチダイエット社製、カタログ番号D12492)]を8週間与え、インスリン抵抗性をもつマウスに肥満を誘発させた。その後、絶食マウスには2mg/体重1gのグルコース(n=10)または2mg/体重1gのグルコースに加えてダイアピン(1mg/体重1g、n=10)が強制経口投与された。グルコースおよびダイアピンの経口投与後30、60、90および120分後の血糖レベルが測定された。
図24に示すように、ダイアピンは、グルコースの経口投与後の、高脂肪食誘導性糖尿病マウスの血糖の増加を阻害する。
実施例14
グリシン−グリシン−D−ロイシン(D−ダイアピン)は、グルコース経口投与後のC57BL/6Jマウスにおいて、血糖レベルを下げることに拡張された効果を有する。
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性C57BL/6Jマウスでの実験を行った。絶食マウスには2mg/体重1gのグルコース(n=10)または2mg/体重1gのグルコースに加えてD−ダイアピン(1mg/体重1g、n=10)もしくはダイアピン(1mg/体重1g、n=10)が強制経口投与された。グルコースを与えた30、60、90、120および180分後の血糖レベルが測定された。
図25に示すように、C57BL/6Jマウスにおいてグルコースの経口負荷後の血糖レベルを下げる点について、D−ダイアピンはより効果的である。
実施例15
ダイアピンはグルコース経口投与およびダイアピン腹腔内投与後のC57BL/6Jマウスにおいて、血糖レベルを低下する。
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性C57BL/6Jマウスでの実験を行った。絶食マウスには2mg/体重1gのグルコース(n=14)または2mg/体重1gのグルコースに加えてダイアピン(1mg/体重1g、腹腔内、n=14)もしくはダイアピン(1mg/体重1g、n=14)が強制経口投与された。グルコースおよびダイアピンを与えた30、60、90および120分後の血糖が測定された。結果を図26に示す。
実施例16
修正されたジペプチドは、グルコースの経口投与後のC57BL/6Jマウスにおいて、血糖レベルに異なる効果を有した。試験された被修飾ジペプチドはアミド化GLジペプチドおよびジペプチドLGのD体であった。
ジャクソン・ラボより購入した、成熟雄性C57BL/6Jマウスでの実験を行った。絶食マウスには2mg/体重1gのグルコース(n=12)または2mg/体重1gのグルコースに加えてダイアピン(1mg/体重1g、腹腔内、n=12)もしくはジペプチド(0.67mg/体重1g、n=12)が強制経口投与された。グルコースおよびペプチドを与えた30、60、90、および120分後の血糖が測定された。結果を図27に示す。
本発明は特定の実施形態について記載されているが、当業者はその変更および修飾を思いつくであろうことが理解される。したがって、本特許請求の範囲にある限定のみが本発明と認識されるべきである。
本明細書に引用されているすべての書類は、記載された開示全体が参照として本明細書に組み入れられる。

Claims (1)

  1. 明細書に記載された発明。
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