JP2016179948A - 軟骨組織炎症抑制組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】バラ科サクラ属の樹皮の抽出物を有効成分として含有し、分泌型プロテアーゼの産生抑制効果を示し、さらに、変形性関節症の改善効果を示す組成物として有効な食品や医薬品を提供すること。
【解決手段】バラ科サクラ属の樹皮の抽出物にマトリックスメタロプロテアーゼ阻害活性およびアグリカナーゼ阻害活性があること、さらには軟骨細胞の抗炎症活性があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【選択図】なし
【解決手段】バラ科サクラ属の樹皮の抽出物にマトリックスメタロプロテアーゼ阻害活性およびアグリカナーゼ阻害活性があること、さらには軟骨細胞の抗炎症活性があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【選択図】なし
Description
本発明は、バラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物を有効成分とする分泌型プロテアーゼの産生抑制剤に関する。より詳細には、バラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物由来の分泌型プロテアーゼ産生抑制作用により軟骨組織のコラーゲンやアグリカンの分解を抑制し、変形性関節症の改善効果を有する組成物に関する。
軟骨組織炎症は、関節軟骨の変性による疾患であり、変形性関節症とも呼ばれる。膝、股、手、脊椎など全身の様々な関節を侵し、関節の痛みや機能障害、歩行障害などの様々なやっかいな症状を引き起こすので、中・高年者の日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)の障害の最大の原因のひとつである。自覚症状を訴える人がおよそ1000万人、潜在的な患者数は約3000万人であると推定されており(非特許文献1)、その数は社会の高齢化の進行に伴って増加することが予想されている。
軟骨組織炎症には、軟骨の特性を維持しているマトリックスの分解や低分子化の作用を有するプロテアーゼのうち、細胞表面だけでなく分泌細胞から離れたところにおいても作用する分泌型プロテアーゼが重要な役割を果たすことが知られている。
関節軟骨は、主にII型コラーゲンとアグリカンの2つから構成される。軟骨組織炎症の発症は、これら2つの構成要素がそれぞれ、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)−13に代表されるマトリックスメタロプロテアーゼ(非特許文献2)と、ADAMTS(メタロプロテアーゼーディスインテグリン)−5を代表とするアグリカナーゼ(非特許文献3)の2群の分泌型プロテアーゼによって分解を受ける機序に始まることが明らかになっている。
関節軟骨は、主にII型コラーゲンとアグリカンの2つから構成される。軟骨組織炎症の発症は、これら2つの構成要素がそれぞれ、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)−13に代表されるマトリックスメタロプロテアーゼ(非特許文献2)と、ADAMTS(メタロプロテアーゼーディスインテグリン)−5を代表とするアグリカナーゼ(非特許文献3)の2群の分泌型プロテアーゼによって分解を受ける機序に始まることが明らかになっている。
細胞外マトリックスを構成する巨大なプロテオグリカンであるアグリカンの喪失によって、軟骨組織は壊滅的なダメージを受ける。2つの構成要素は関節組織の維持に協奏的に働くが、アグリカンの喪失に比して、II型コラーゲンの破壊は致命的に回復困難であるとされている(非特許文献4)。
したがって、変形性関節症の発症を抑制し、中高年者のADLやQOLを維持向上するためには、先ず、MMP−13等マトリックスメタロプロテアーゼを始めとする分泌型プロテアーゼの産生抑制剤が求められている。
したがって、変形性関節症の発症を抑制し、中高年者のADLやQOLを維持向上するためには、先ず、MMP−13等マトリックスメタロプロテアーゼを始めとする分泌型プロテアーゼの産生抑制剤が求められている。
このような分泌型プロテアーゼの産生抑制剤としては、従来、寒天、アガロース、アガロオリゴ糖等の化合物(特許文献1)やイチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、ビワ葉エキス等の植物抽出物(特許文献2)を利用したものが開発されてきた。
柿の果実にも分泌型プロテアーゼの阻害活性があることが報告されている(特許文献3)が、バラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物が分泌型プロテアーゼの阻害活性を有することは報告されていない。
柿の果実にも分泌型プロテアーゼの阻害活性があることが報告されている(特許文献3)が、バラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物が分泌型プロテアーゼの阻害活性を有することは報告されていない。
厚生労働省老健局,「介護予防の推進に向けた運動器疾患対策について」報告書,平成20年4月 (http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/03/dl/s0307-7a.pdf)
Billinghurst R. C.ら,J.Clin. Invest.,第99巻,第7号,pp.1534-1545,1997年
Sonya S. Glassonら,Nature,第434巻,pp.644-648,2005年
石黒直樹、小嶋俊久,CLINICAL CALCIUM,第14巻,第7号,pp.38-44,2004年
本発明は、バラ科サクラ属の樹皮の抽出物を有効成分として含有し、分泌型プロテアーゼの産生抑制効果を示し、さらに、変形性関節症の改善効果を示す組成物として有効な食品や医薬品を提供することを目的とする。
本発明者らは、バラ科サクラ属の樹皮の抽出物にマトリックスメタロプロテアーゼ阻害活性およびアグリカナーゼ阻害活性があること、さらには軟骨細胞の抗炎症活性があることを見出し、以下の本発明を完成するに至った。
1.バラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物を有効成分とする分泌型プロテアーゼの産生抑制剤。
2.バラ科サクラ属植物がワイルドチェリー(Prunus serotina)である前項1に記載の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤。
3.分泌型プロテアーゼがマトリックスメタロプロテアーゼである前項1または2に記載の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤。
4.分泌型プロテアーゼがアグリカナーゼである前項1または2に記載の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤。
5.前項1〜4のいずれか1項に記載の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤を含む、軟骨組織炎症抑制組成物。
6.前項1〜4のいずれか1項に記載の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤を含む、変形性関節症緩和用組成物。
7.前項1〜4のいずれか1項に記載の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤を含む、飲食品組成物。
2.バラ科サクラ属植物がワイルドチェリー(Prunus serotina)である前項1に記載の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤。
3.分泌型プロテアーゼがマトリックスメタロプロテアーゼである前項1または2に記載の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤。
4.分泌型プロテアーゼがアグリカナーゼである前項1または2に記載の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤。
5.前項1〜4のいずれか1項に記載の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤を含む、軟骨組織炎症抑制組成物。
6.前項1〜4のいずれか1項に記載の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤を含む、変形性関節症緩和用組成物。
7.前項1〜4のいずれか1項に記載の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤を含む、飲食品組成物。
本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤は、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害活性、アグリカナーゼ阻害活性、および軟骨細胞の抗炎症活性を有する。
(本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤)
本発明の「分泌型プロテアーゼの産生抑制剤」は、バラ科サクラ属の樹皮の抽出物またはその活性フラクションを有効成分として含有することを特徴とする。以下に、本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤を詳細に説明する。
なお、本発明の「分泌型プロテアーゼ」の例示としては、マトリックスメタロプロテアーゼ、アグリカナーゼが挙げられる。
本発明の「分泌型プロテアーゼの産生抑制剤」は、バラ科サクラ属の樹皮の抽出物またはその活性フラクションを有効成分として含有することを特徴とする。以下に、本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤を詳細に説明する。
なお、本発明の「分泌型プロテアーゼ」の例示としては、マトリックスメタロプロテアーゼ、アグリカナーゼが挙げられる。
(バラ科サクラ属植物)
本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤で使用する「バラ科サクラ属」はワイルドチェリー(Prunus serotina)等が好ましい。抽出原料として使用し得るバラ科サクラ属植物の構成部位としては、樹皮である。ワイルドチェリーは通年して樹皮が利用でき、取得時期は特に限定されない。
本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤で使用する「バラ科サクラ属」はワイルドチェリー(Prunus serotina)等が好ましい。抽出原料として使用し得るバラ科サクラ属植物の構成部位としては、樹皮である。ワイルドチェリーは通年して樹皮が利用でき、取得時期は特に限定されない。
(バラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物の調製方法)
本発明において用いられるバラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物の調製方法は、特に限定されるものではないが、例えば、バラ科サクラ属植物の樹皮を加熱滅菌した後に熱水抽出することにより得ることができる。この他にも、水抽出およびエタノール抽出を採用することによっても抽出液を得ることができる。該抽出液は、そのままの液体として使用できるし、さらに濃縮し、活性成分を高含有率で含有する液体の状態で使用することもできるし、または乾燥して固形物とした状態で使用することもできる。
なお、抽出原料としては、バラ科サクラ属植物の樹皮を、そのまま又は粗砕機を用いて粉砕し、抽出に供することができる。
本発明において用いられるバラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物の調製方法は、特に限定されるものではないが、例えば、バラ科サクラ属植物の樹皮を加熱滅菌した後に熱水抽出することにより得ることができる。この他にも、水抽出およびエタノール抽出を採用することによっても抽出液を得ることができる。該抽出液は、そのままの液体として使用できるし、さらに濃縮し、活性成分を高含有率で含有する液体の状態で使用することもできるし、または乾燥して固形物とした状態で使用することもできる。
なお、抽出原料としては、バラ科サクラ属植物の樹皮を、そのまま又は粗砕機を用いて粉砕し、抽出に供することができる。
(本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤の適用対象)
本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤は、医薬品、医薬部外品、食品、化粧品等に配合される成分として好適に利用することができる。
本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤は、医薬品、医薬部外品、食品、化粧品等に配合される成分として好適に利用することができる。
本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤(バラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物)は、優れた抗炎症作用、特に、軟骨組織における抗炎症作用を有する。従って、バラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物の有効量を、ヒトを含む哺乳類に投与することにより、抗炎症作用、特に軟骨組織における抗炎症作用を示す。
すなわち、本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤は、軟骨組織炎症抑制組成物、変形性関節症緩和用組成物とすることができる。
すなわち、本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤は、軟骨組織炎症抑制組成物、変形性関節症緩和用組成物とすることができる。
バラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物を有効成分として含有する本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤は、それ自体を医薬品や食品(医薬組成物や食品組成物)とすることができるし、医薬組成物または食品組成物の有効成分とすることができる。
本発明において「抗炎症作用」とは、生体内においてサイトカインIL−1βの刺激によって惹起されるコラゲナーゼ(酵素)の産生、特に、MMP−1、MMP−3、MMP−13の産生を抑制して該酵素に起因する炎症を抑制する作用を包含しており、さらに、アグリカナーゼ(酵素)の産生、特に、ADAMTS−4、ADAMTS−5の産生を抑制して該酵素に起因する炎症を抑制する作用を包含している。
従って、本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤は、コラゲナーゼの産生抑制、アグリカナーゼの産生抑制する医薬品や食品の成分として有用であり、変形性関節症の改善効果を有する食品または医薬品の有効成分としても有用である。
本発明において「抗炎症作用」とは、生体内においてサイトカインIL−1βの刺激によって惹起されるコラゲナーゼ(酵素)の産生、特に、MMP−1、MMP−3、MMP−13の産生を抑制して該酵素に起因する炎症を抑制する作用を包含しており、さらに、アグリカナーゼ(酵素)の産生、特に、ADAMTS−4、ADAMTS−5の産生を抑制して該酵素に起因する炎症を抑制する作用を包含している。
従って、本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤は、コラゲナーゼの産生抑制、アグリカナーゼの産生抑制する医薬品や食品の成分として有用であり、変形性関節症の改善効果を有する食品または医薬品の有効成分としても有用である。
本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤、軟骨組織炎症抑制組成物および変形性関節症緩和用組成物は、自体公知の常法にしたがって製剤化することができる。製剤としては固体製剤であっても液体製剤であってもよい。かかる製剤としては、例えば、錠剤、丸剤、顆粒剤、糖衣剤、カプセル、乳剤、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁物等が挙げられる。また、製剤化においては、製剤上の必要に応じて、賦形剤等の添加剤を加えることができる。賦形剤としては、目的によって、充填剤、結合剤、凝固剤、滑たく剤、崩壊剤、色素、甘味料、香料、コーティング剤等を単独で、もしくはこれらを組み合わせて使用することができる。
本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤、軟骨組織炎症抑制組成物および変形性関節症緩和用組成物におけるバラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、製剤全体に対して、通常0.01〜90質量%、好ましくは0.1〜70質量%、より好ましくは0.5〜50質量%である。
バラ科サクラ属の植物の抽出物は、食経験が充分ある極めて安全な物質である。バラ科サクラ属の植物は食用ハーブとして広く流通しているため、本発明の食品の摂取量は厳しく制限されるものではないと考えられる。その摂取量の下限は目的に応じた効果を発揮しうる最低量とされ、上限は摂取のしやすさ、経済性等の観点から実際的な量を基準として設定することができる。経口投与の場合、通常、成人1日当たり、抽出物約10mg〜約5g、好ましくは約10mg〜約1gを摂取すればよい。もちろん、摂取する者の年齢、体重、症状、服用期間、治療経過等に応じて変化させることもできる。1日当たりの量を数回に分けて摂取することもできる。
バラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物を医薬品として構成する場合、一つの実施態様においては、医薬品は経口投与に好適に製剤化される。経口投与に好適な製剤は、水、生理食塩水のような希釈液に有効量のバラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物を溶解させた液剤、有効量のバラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物を固体や顆粒として含んでいるカプセル剤、顆粒剤、散剤または錠剤、適当な分散媒中に有効量のバラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物を懸濁させた懸濁液剤、有効量のバラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物を溶解させた溶液を適当な分散媒中に分散させ乳化させた乳剤等である。
本発明に関する医薬品において、有効成分であるバラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物の投与量は、投与形態、投与対象の種類、投与ルート、投与期間、体重、年齢等によって異なるが、上述した本発明の食品の摂取量と同様な範囲とすることができる。もちろん、上述したように投与量は種々の条件で変動するため、上記投与量より少ない量で十分な場合もあり、また範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
バラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物を医薬品として構成する場合、一つの実施態様においては、医薬品は経口投与に好適に製剤化される。経口投与に好適な製剤は、水、生理食塩水のような希釈液に有効量のバラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物を溶解させた液剤、有効量のバラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物を固体や顆粒として含んでいるカプセル剤、顆粒剤、散剤または錠剤、適当な分散媒中に有効量のバラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物を懸濁させた懸濁液剤、有効量のバラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物を溶解させた溶液を適当な分散媒中に分散させ乳化させた乳剤等である。
本発明に関する医薬品において、有効成分であるバラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物の投与量は、投与形態、投与対象の種類、投与ルート、投与期間、体重、年齢等によって異なるが、上述した本発明の食品の摂取量と同様な範囲とすることができる。もちろん、上述したように投与量は種々の条件で変動するため、上記投与量より少ない量で十分な場合もあり、また範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤は、飲食品組成物として構成する場合、一般の加工食品のほかに、健康食品、機能性食品、濃厚流動食、栄養補助食品、飲料および食品を含む飲食物、または、これらの添加物とすることができる。具体的には、バラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物を、サプリメント、清涼飲料に配合することができる。
本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤は、前記の含有量となるように飲食品の原材料に対して配合することにより、液状、ゲル状、粉末状あるいは固形状等の飲食品組成物の形態とすることができる。具体例としては、飲料(スポーツドリンク、茶、スープ等)、ゼリー飲料、ヨーグルト、フローズンヨーグルト、調味料(ドレッシング、マヨネーズ、ふりかけ、味噌、醤油、焼肉のたれ等)、麺類、畜肉魚肉加工食品(ハム、ソーセージ等)、ジャム、乳製品(牛乳、クリーム、バター、チーズ、マーガリン等)、パン、菓子類(ゼリー、アイスクリーム、シャーベット、プリン等)等が挙げられる。
さらに、食品の形態に応じて他の添加物を含むものであってもよい。このような添加物として、賦形剤、増量剤、結合剤、防湿剤、防腐剤、強化剤、増粘剤、乳化剤、食品添加物、調味料等を挙げることができる。食品添加物としてはビタミン類、ミネラル、キチン、キトサン、レシチン、ローヤルゼリーなどが挙げられる。調味料としては、グラニュー糖、蜂蜜、ソルビットなどの甘味料;アルコール;クエン酸、リンゴ酸、洒石酸などの酸味料;香料;色素などが挙げられ、本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤を用いた飲食品組成物を好みの味や色に調整するために用いることができる。また、本発明の目的と関連する公知の素材を併用してもよい。
さらに、食品の形態に応じて他の添加物を含むものであってもよい。このような添加物として、賦形剤、増量剤、結合剤、防湿剤、防腐剤、強化剤、増粘剤、乳化剤、食品添加物、調味料等を挙げることができる。食品添加物としてはビタミン類、ミネラル、キチン、キトサン、レシチン、ローヤルゼリーなどが挙げられる。調味料としては、グラニュー糖、蜂蜜、ソルビットなどの甘味料;アルコール;クエン酸、リンゴ酸、洒石酸などの酸味料;香料;色素などが挙げられ、本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤を用いた飲食品組成物を好みの味や色に調整するために用いることができる。また、本発明の目的と関連する公知の素材を併用してもよい。
本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤を用いた飲食品組成物は、当業者が通常行う方法により製造することができる。例えば、粉末状の食品を得るには、バラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物に、デキストリン、シクロデキストリン、デンプン、マルトースなどの賦形剤を必要に応じて添加して、凍結乾燥、噴霧乾燥などの乾燥方法により粉末とすることにより得ることができる。また、賦形剤の他にも、必要に応じて、ビタミン、ミネラル、動植物や魚介類の油脂、タンパク質、糖質、色素、香料、その他の食用添加剤等をさらに添加することができる。
本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤を用いた飲食品組成物は、他の生理活性物質または健康食品素材と組み合わせてもよい。このような物質としては、例えば、青汁、健康酢、健康茶、ローヤルゼリー、アロエ、ブルーベリー、プロポリス、イソフラボン、ノニ、核酸、にんにく、ウコン、酵素、高麗ニンジン、雑穀、納豆、イチョウ葉、発芽玄米、マカ、メシマコブ、ブドウ種子、スピルリナ、明日葉、フコイダン、牡蠣、馬油、桑葉、サラシア、ハナビラタケ、田七ニンジン、カシス、シジミ、キクイモ、コラーゲン、クロレラ、グルコサミン、キトサン、カルニチン、CoQ10、セラミド、オクタコサノールなどが挙げられる。
本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤を用いた飲食品組成物は、他の生理活性物質または健康食品素材と組み合わせてもよい。このような物質としては、例えば、青汁、健康酢、健康茶、ローヤルゼリー、アロエ、ブルーベリー、プロポリス、イソフラボン、ノニ、核酸、にんにく、ウコン、酵素、高麗ニンジン、雑穀、納豆、イチョウ葉、発芽玄米、マカ、メシマコブ、ブドウ種子、スピルリナ、明日葉、フコイダン、牡蠣、馬油、桑葉、サラシア、ハナビラタケ、田七ニンジン、カシス、シジミ、キクイモ、コラーゲン、クロレラ、グルコサミン、キトサン、カルニチン、CoQ10、セラミド、オクタコサノールなどが挙げられる。
以下に具体例を挙げて本発明を詳細に説明する。
本実施例1では、バラ科サクラ属の樹皮の抽出物の抗炎症作用の指標としてMMP−1、MMP−3、MMP−13、ADAMTS−4およびADAMTS−5の抑制効果を示す。また、これらの抑制効果は、マトリックスメタロプロテアーゼやアグリカナーゼの抑制効果であり、さらには優れたマトリックスメタロプロテアーゼやアグリカナーゼの抑制効果を有する場合は、軟骨組織炎症抑制作用および変形性関節症緩和作用を期待できる。また、既存の治療薬との併用によってもその効果が発揮されることが期待される。
加えて、以下の実施例等において、「%」は「質量%」を示す。
加えて、以下の実施例等において、「%」は「質量%」を示す。
(バラ科サクラ属の樹皮の抽出物の調製)
アメリカ合衆国産ワイルドチェリーの樹皮(製造元:(株)カリス成城「チェリーワイルド・バーク・カット」)5gを加圧滅菌(121℃、20分)によって殺菌を行い、殺菌後、80℃の熱水100mLで1時間抽出し、濾過して抽出液を得た。得られた抽出液を蒸発濃縮して蒸発残分1%の被験抽出物を調製した。
アメリカ合衆国産ワイルドチェリーの樹皮(製造元:(株)カリス成城「チェリーワイルド・バーク・カット」)5gを加圧滅菌(121℃、20分)によって殺菌を行い、殺菌後、80℃の熱水100mLで1時間抽出し、濾過して抽出液を得た。得られた抽出液を蒸発濃縮して蒸発残分1%の被験抽出物を調製した。
(試験方法)
正常ヒト膝関節軟骨細胞(Normal Human Articular Chondrocytes, KneeCells:LONZA社)を用いて以下の試験を行った。
細胞数をカウント1×105/mLになるように培地(CBM培地)に懸濁させた。細胞懸濁培地を6穴プレートに2mL/wellで播種し、37℃、5%CO2インキュベーターで4日間培養した。培養後、被検物質が25、50、100μg/mLに調製されたDMEM培地(SIGMA D5796)に交換し、さらに、37℃、5%CO2インキュベーターで24時間培養した。
培養後、0.1μg/mL humanIL−1β(genzyme社)を10μL/wel1添加し、37℃、5%CO2インキュベーターで4時間培養し炎症を惹起させた。
惹起後、ISOGEN処理により細胞を回収し、mRNAの抽出およびcDNAの作製を定法に準拠して行った。その後、RT−PCR法によりmRNAを定量した。
正常ヒト膝関節軟骨細胞(Normal Human Articular Chondrocytes, KneeCells:LONZA社)を用いて以下の試験を行った。
細胞数をカウント1×105/mLになるように培地(CBM培地)に懸濁させた。細胞懸濁培地を6穴プレートに2mL/wellで播種し、37℃、5%CO2インキュベーターで4日間培養した。培養後、被検物質が25、50、100μg/mLに調製されたDMEM培地(SIGMA D5796)に交換し、さらに、37℃、5%CO2インキュベーターで24時間培養した。
培養後、0.1μg/mL humanIL−1β(genzyme社)を10μL/wel1添加し、37℃、5%CO2インキュベーターで4時間培養し炎症を惹起させた。
惹起後、ISOGEN処理により細胞を回収し、mRNAの抽出およびcDNAの作製を定法に準拠して行った。その後、RT−PCR法によりmRNAを定量した。
試用したプライマーは以下の通りである。
MMP−1(F):GGGAGATCATCGGGACAACTC(配列番号1)
MMP−1(R):GGGCCTGGTTGAAAAGCAT(配列番号2)
MMP−3(F):TGGCATTCAGTCCCTCTATGG(配列番号3)
MMP−3(R):AGGACAAAGCAGGATCACAGTT(配列番号4)
MMP−13(F):CTTCCCAACCGTATTGATGC(配列番号5)
MMP−13(R):TTTGGAAGACCCAGTTCAGA(配列番号6)
ADAMTS−4(F):CCCGGCAGGACCTGTGT(配列番号7)
ADAMTS−4(R):TCTTCCACAATAGCACAGCTCCTA(配列番号8)
ADAMTS−5(F):CAGCCACCATCACAGAATTCC(配列番号9)
ADAMTS−5(R):GCTTCCGTGGTAGGTCTAGCA(配列番号10)
GAPDH(F):GAAATCCCATCACCATCTTCCAGG(配列番号11)
GAPDH(R):GAGCCCCAGCCTTCTCCATG(配列番号12)
MMP−1(F):GGGAGATCATCGGGACAACTC(配列番号1)
MMP−1(R):GGGCCTGGTTGAAAAGCAT(配列番号2)
MMP−3(F):TGGCATTCAGTCCCTCTATGG(配列番号3)
MMP−3(R):AGGACAAAGCAGGATCACAGTT(配列番号4)
MMP−13(F):CTTCCCAACCGTATTGATGC(配列番号5)
MMP−13(R):TTTGGAAGACCCAGTTCAGA(配列番号6)
ADAMTS−4(F):CCCGGCAGGACCTGTGT(配列番号7)
ADAMTS−4(R):TCTTCCACAATAGCACAGCTCCTA(配列番号8)
ADAMTS−5(F):CAGCCACCATCACAGAATTCC(配列番号9)
ADAMTS−5(R):GCTTCCGTGGTAGGTCTAGCA(配列番号10)
GAPDH(F):GAAATCCCATCACCATCTTCCAGG(配列番号11)
GAPDH(R):GAGCCCCAGCCTTCTCCATG(配列番号12)
controlとして、被験物質(抽出物)が無添加の状態で炎症を惹起させたものをcontrol(+)、被験物質(抽出物)が無添加の状態でかつ炎症を惹起させないものをcontrol(−)とした。
control(+)を1.00として、各濃度の被験物質の相対値を算出した。すなわち、相対値が低ければ低いほど、炎症抑制効果があると判定できる。
なお、統計処理は、F検定によって分散を調べたのち、T検定を行った。そして、p<0.05で有意差あり、p<0.01でより強い有意差ありと判定した。
control(+)を1.00として、各濃度の被験物質の相対値を算出した。すなわち、相対値が低ければ低いほど、炎症抑制効果があると判定できる。
なお、統計処理は、F検定によって分散を調べたのち、T検定を行った。そして、p<0.05で有意差あり、p<0.01でより強い有意差ありと判定した。
(試験結果)
試験結果を図1〜5に示す。
図1〜5に示される結果から明らかように、ワイルドチェリーの樹皮から抽出した被験抽出物が添加された培養細胞は、IL−1βで炎症を惹起してもcontrol(+)と比較して抗炎症作用の指標であるMMP−1、MMP−3、MMP−13、ADAMTS−4およびADAMTS−5のmRNAの発現量が、該抽出物濃度に応じて炎症抑制効果を示した。
すなわち、バラ科サクラ属の樹皮の抽出物は、MMP−1、MMP−3、MMP−13、ADAMTS−4およびADAMTS−5の発現量を抑えることによりマトリックスメタロプロテアーゼやアグリカナーゼの産出を抑制し、さらに炎症抑制効果を示した。
これにより、バラ科サクラ属の樹皮の抽出物は、IL−1βによるヒト膝関節軟骨細胞の炎症を抑制する抗炎症効果(軟骨組織炎症抑制効果)があることを確認した。
試験結果を図1〜5に示す。
図1〜5に示される結果から明らかように、ワイルドチェリーの樹皮から抽出した被験抽出物が添加された培養細胞は、IL−1βで炎症を惹起してもcontrol(+)と比較して抗炎症作用の指標であるMMP−1、MMP−3、MMP−13、ADAMTS−4およびADAMTS−5のmRNAの発現量が、該抽出物濃度に応じて炎症抑制効果を示した。
すなわち、バラ科サクラ属の樹皮の抽出物は、MMP−1、MMP−3、MMP−13、ADAMTS−4およびADAMTS−5の発現量を抑えることによりマトリックスメタロプロテアーゼやアグリカナーゼの産出を抑制し、さらに炎症抑制効果を示した。
これにより、バラ科サクラ属の樹皮の抽出物は、IL−1βによるヒト膝関節軟骨細胞の炎症を抑制する抗炎症効果(軟骨組織炎症抑制効果)があることを確認した。
(総論)
上記の試験結果から、バラ科サクラ属の樹皮の抽出物は、マトリックスメタロプロテアーゼの産生増を抑制してII型コラーゲンの破壊を防止するだけでなく、アグリカナーゼの産生増をも抑制してアグリカン喪失を防止し、これにより関節炎や正常ヒト膝関節軟骨細胞の分解に起因する関節炎等の炎症の発症を防止し、また、発症した関節炎の進行を防止して自然治癒回復を促進させる作用効果を奏することが期待される。
上記の試験結果から、バラ科サクラ属の樹皮の抽出物は、マトリックスメタロプロテアーゼの産生増を抑制してII型コラーゲンの破壊を防止するだけでなく、アグリカナーゼの産生増をも抑制してアグリカン喪失を防止し、これにより関節炎や正常ヒト膝関節軟骨細胞の分解に起因する関節炎等の炎症の発症を防止し、また、発症した関節炎の進行を防止して自然治癒回復を促進させる作用効果を奏することが期待される。
本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤は、ヒトの関節炎等の炎症の発症を防止し、その発症後の炎症を抑制して自然治癒を促進させることが期待される。
また、本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤は、IL−1βの体内における増加に起因する皮膚や内蔵等の各種炎症の発症を防止し、発症後の進行を防止して自然治癒を促進させるための抗炎症成分として有用である。
また、本発明の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤は、IL−1βの体内における増加に起因する皮膚や内蔵等の各種炎症の発症を防止し、発症後の進行を防止して自然治癒を促進させるための抗炎症成分として有用である。
Claims (7)
- バラ科サクラ属植物の樹皮の抽出物を有効成分とする分泌型プロテアーゼの産生抑制剤。
- バラ科サクラ属植物がワイルドチェリー(Prunus serotina)である請求項1に記載の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤。
- 分泌型プロテアーゼがマトリックスメタロプロテアーゼである請求項1または2に記載の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤。
- 分泌型プロテアーゼがアグリカナーゼである請求項1または2に記載の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤を含む、軟骨組織炎症抑制組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤を含む、変形性関節症緩和用組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の分泌型プロテアーゼの産生抑制剤を含む、飲食品組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015059633A JP2016179948A (ja) | 2015-03-23 | 2015-03-23 | 軟骨組織炎症抑制組成物 |
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JP2015059633A JP2016179948A (ja) | 2015-03-23 | 2015-03-23 | 軟骨組織炎症抑制組成物 |
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ID=57132578
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JP (1) | JP2016179948A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111278444A (zh) * | 2018-06-12 | 2020-06-12 | 碧睿制药有限公司 | 含有dna片段混合物及基质金属蛋白酶生成抑制剂的用于预防及治疗关节炎的组合物 |
-
2015
- 2015-03-23 JP JP2015059633A patent/JP2016179948A/ja active Pending
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