JP2016178402A - 無線アンテナ、無線通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易かつ低コストでサービスエリアを形成することのできる無線アンテナを提供する。【解決手段】無線アンテナ100は、ケーブル状の導波路110を含み、当該導波路110は、誘電体で形成された芯部と、当該芯部の外周に誘電体で形成された被覆部とで構成されている。芯部の誘電率は、被覆部の誘電率よりも大きく、導波路110の一部は、電磁波が放射されるように湾曲された状態で保持されることによって、電磁波を放射する放射部110cとして機能できる。また、湾曲された状態が解消されることによって、湾曲された状態が解消された導波路110の部位が、放射部110cとしての機能を失うとともに導波路として機能する。【選択図】図1

Description

本発明は、無線アンテナとこの無線アンテナを用いた無線通信システムに関する。
現在、携帯電話など電磁波を用いた移動体無線通信サービスが広く普及している。このような無線通信サービスを利用して、動画配信などの高い通信速度と大きな通信容量を必要とするサービスがユーザに提供されている。このため、データトラフィック量の飛躍的な増加に対応するため無線通信サービスの高速化と大容量化が進められている。無線通信では、一般的に、使用する周波数帯域幅が広いほど通信速度が速くなり通信容量が大きくなる。したがって、無線通信サービスを提供する事業者は、周波数帯域幅ができるだけ広いチャネルを確保することを望んでいる。しかし、無線通信に用いられる周波数の使用には制限が設けられており、一般的に、移動通信で用いられている周波数帯付近では広帯域のチャネルの確保が困難である。
そこで、広い帯域幅のチャネルを得るため、ミリ波(30GHz〜300GHz)や準ミリ波(明確な定義はないがおよそ20GHz〜30GHz)と呼ばれる高周波領域の移動体通信への適用が検討されている(非特許文献1)。
「ドコモ5Gホワイトペーパー 2020年以降の5G無線アクセスにおける要求条件と技術コンセプト」、株式会社NTTドコモ、2014年9月
このような高周波領域では、よく知られているように、移動体無線通信が用いている数GHz以下という周波数領域に比べて、伝送ケーブルとしてこれまで広く用いられてきた同軸ケーブルの損失が高くなり、離れた場所に設置された送信信号を生成する装置とアンテナとの間を同軸ケーブルで接続することが困難となる。したがって、送信信号を生成する装置をできるだけアンテナの近くに配置することや、送信信号を生成する装置とアンテナとを一体に製造することが必要になる。この場合、一般的にアンテナは高所にあるため、高い場所にまで電源を持っていかなければならず、無線信号送信装置の設置コストが高くなる。
また高周波領域の利用には別の課題もある。フリスの伝達公式(1)によれば、送信アンテナから距離Dだけ離れた地点に設けられた受信アンテナにおける電磁波の受信電力Pは周波数fの二乗に反比例する。cは光速、GSは送信側アンテナゲイン、GRは受信側アンテナゲイン、PSは送信電力である。
このため、高周波領域を利用する場合、一つの送信アンテナがカバーするサービスエリアは、数GHz以下の周波数を利用した場合に比べて狭くなり、従来のサービスエリアと同じ広さのサービスエリアをカバーするには多数のアンテナが必要となる。多数のアンテナを設ける場合、例えば一つの送信装置からの信号を分配して離れた場所にある複数のアンテナに信号を伝送する方法が考えられるが、同軸ケーブルを用いる場合、既述のとおり損失が大きいため効率が悪い。各アンテナの近傍に送信信号を生成する装置を配置する場合もしくはアンテナと送信信号を生成する装置とを一体に製造した場合は、送信信号を生成する装置の数だけコストがかかる。
そこで、本発明は、簡易かつ低コストでサービスエリアを形成することのできる無線アンテナとこの無線アンテナを用いた無線通信システムを提供することを目的とする。
本発明の無線アンテナは、ケーブル状の導波路を含み、当該導波路は、誘電体で形成された芯部と、当該芯部の外周に誘電体で形成された被覆部とで構成されている。芯部の誘電率は、被覆部の誘電率よりも大きく、導波路の一部は、電磁波が放射されるように湾曲された状態で保持されることによって、電磁波を放射する放射部として機能できる。また、湾曲された状態が解消されることによって、湾曲された状態が解消された導波路の部位が、放射部としての機能を失うとともに導波路として機能する。
あるいは、本発明の無線アンテナは、ケーブル状の導波路を含み、当該導波路は、誘電体で形成された芯部と、当該芯部の外周に誘電体で形成された被覆部とで構成されている。芯部の誘電率は、被覆部の誘電率よりも大きく、導波路の一部は、電磁波を吸収するように湾曲された状態で保持されることによって、電磁波を吸収する受信部として機能できる。また、湾曲された状態が解消されることによって、湾曲された状態が解消された導波路の部位が、受信部としての機能を失うとともに導波路として機能する。
本発明の無線通信システムは、無線アンテナと通信端末とを含む。この無線アンテナは、ケーブル状の導波路を含み、当該導波路は、誘電体で形成された芯部と、当該芯部の外周に誘電体で形成された被覆部とで構成されている。芯部の誘電率は、被覆部の誘電率よりも大きく、導波路の一部は、電磁波が放射されるように湾曲された状態で保持されることによって、電磁波を放射する放射部として機能できる。また、湾曲された状態が解消されることによって、湾曲された状態が解消された導波路の部位が、放射部としての機能を失うとともに導波路として機能する。通信端末は、当該通信端末のアンテナで、放射部から放射された電磁波を受信する。
本発明によると、送信信号を生成する装置から離れて放射部を配置することができ、さらに、放射部の位置を変更できるので、簡易かつ低コストでサービスエリアを形成することができる。
実施形態の無線アンテナの構成例。 実施形態の無線アンテナの断面図。 (a)導波路を曲率半径が一定の半円弧状に湾曲させて形成された放射部の例。(b)図3(a)に示す放射部における、曲率半径と通過損失との関係を示したグラフ。(c)図3(a)に示す放射部における、放射部に入力される信号の周波数と放射率との関係を示したグラフ。 (a)導波路を曲率半径が一定の1/4円弧状に湾曲させて形成された放射部の例。(b)図3(a)と図4(a)に示す各放射部での通過損失を示すグラフ。 導波路を曲率半径が一定のU状に湾曲させて形成された放射部での放射パターン。 放射部の頂点よりも信号の伝搬方向に関して後方に位置する放射部の部位であって電磁波の所望の放射方向以外の方向に電磁波を放射する部位を導電体で被覆した構成の例。 (a)図6の構成における放射パターン。(b)図6の構成において導電体による被覆が無い場合の放射パターン。 放射部以外において、湾曲された状態に保持されている導波路の部位の一部を導電体で被覆した構成の例。 曲率一定で1/4円弧状に湾曲した状態で保持されている導波路の湾曲部を銀箔で被覆した構成の例。 被覆部の一部に切り欠き部が形成された構成の例。 被覆部にヴォールト状の切り欠き部を形成した場合の、被覆部の比誘電率と伝送損失との関係を示したグラフ。
図面を参照して本発明の実施形態を説明する。実施形態の無線アンテナ100は、図1に示すように、細長いケーブル状の導波路110を含む構成を持つ。この実施形態では、導波路110の一端は、ミリ波(30GHz〜300GHz)あるいは準ミリ波(明確な定義はないがおよそ20GHz〜30GHz)の周波数を持つ信号を生成する信号生成装置800に接続されている。この信号の種類に限定はなく、アナログ信号でも、デジタル信号でも、離散時間信号でも、連続時間信号でもよい。導波路110の他端は、例えば、何にも接続されず開放されている。
導波路110は、導波路110の長手方向の任意の位置における当該長手方向に垂直な断面図である図2に示すように、導波路110の長手方向に延びる、誘電体で形成された芯部110aと、芯部110aの外周に誘電体で形成された被覆部110bとで構成されている。芯部110aの断面形状は円であり、被覆部110bの断面形状は肉厚一定の中空円である。芯部110aの直径と被覆部110bの内円の直径は等しい。このように、実施形態の導波路110は、一様な構造、つまり、任意の位置での断面形状が一定であり、芯部110aと被覆部110bのそれぞれの材質が任意の位置で一定である構造を持っている。なお、図2では、導波路110の断面形状は同心円状であるが、このような構造に限定されず、例えば、同心矩形状であってもよい。
芯部110aの誘電率は、被覆部110bの誘電率よりも大きい。このため、導波路110の上記一端に入力された信号生成装置800からの信号の電磁界は、後述する放射部110cが存在しない場合、誘電率の大きい芯部110aに集中して、導波路110の上記他端に向かって低損失に伝搬し、導波路110の上記他端で電磁波として放射される。
導波路110の一部は、湾曲された状態で保持されることによって、電磁波(帯域としては電波である)を放射する放射部110cとして機能することができる。つまり、放射部110cが存在する場合(言い換えれば、導波路110の一部が放射部110cとして機能している場合)、信号生成装置800からの信号は、この放射部110cで電磁波として放射される。なお、「放射」とは、放射部110cに到達した信号の電力のうち電磁波の放射によって失われる電力が、当該放射部110cが放射部として機能しない場合、つまり、導波路として機能する場合に実際には発生する伝送損失を超えることをいう。放射部110cで電磁波の放射によって失われる電力は、通常、放射部110cに到達した信号の電力の一部であり、放射部110cは導波路としての機能を喪失していないので、残余の電力を持った信号は放射部110cを通過する。放射部110cを通過した信号は、放射部110cとして機能しない部分、つまり、導波路として機能する部分の導波路110を伝搬し、隣の放射部110cに向かって、隣の放射部110cが無ければ導波路110の上記他端に向かって、低損失に伝搬する。放射部110cで放射された電磁波は、携帯電話などの通信端末200が持つ無線アンテナ(図示せず)によって受信される。
放射部110cとして機能できる導波路110の部分は、導波路110において一箇所だけしか存在しなくてもよいし二箇所以上存在してもよい。さらには、放射部110cとして機能できる導波路110の部分は、導波路110の両端を除く導波路110の任意の部位であることが好ましい。導波路110は、単一の製品としての構成を持っていてもよいし、例えば同一の構造を持つ複数の導波路(以下、サブ導波路と呼称する)が一列に接続された構成を持っていてもよい。後者の場合、サブ導波路とサブ導波路との接続として、光ファイバーを参考に、融着による接続またはコネクタを用いる接続を採用できる。また、当該後者の場合、サブ導波路とサブ導波路との接続部位は、通常、放射部110cとして機能できる部位にならない。
放射部110cで電磁波の放射によって失われる電力は、導波路110の径、芯部110aと被覆部110bのそれぞれの材質、湾曲の程度などに依存する。湾曲の程度を表す指標は、例えば、曲率、曲率半径、曲げ角度、曲率と曲げ角度との組み合わせ、曲率半径と曲げ角度との組み合わせ、である。例示した指標を用いる場合には、例えば、導波路110の長手方向に延びる芯部110aの中心線(つまり、導波路110の任意の断面での芯部110aの円の中心を結んだ線)を曲線と看做せばよい。
上述のように導波路110の構造が一様である場合、放射部110cで電磁波の放射によって失われる電力は、主に、放射部110cの湾曲の程度に依存する。したがって、導波路110の一部を放射部110cとして機能させるためには、電磁波が放射されるように導波路110の一部を湾曲された状態で保持する必要がある。湾曲された状態での放射部110cの形状(平面図)に特に限定は無く、例えばU状、Ω状である。好ましくは、湾曲された状態は、放射部110cに進入する信号の進入方向と当該放射部110cを通過する信号の脱出方向とが90度以上異なる状態である。なお、「進入方向」は、放射部110cで電磁波の放射が始まる部位の直前の位置での信号の進行方向であり、「脱出方向」は、放射部110cで電磁波の放射が終わる部位の直前の位置での信号の進行方向である。このため、導波路110は、湾曲の程度に依るが、柔軟性、あるいは可撓性、あるいは弾性という性質を持つことが望ましく、この性質と上述の誘電率の特徴を満たし、さらに好ましくは低誘電損失も満たす材料が芯部110aと被覆部110bのそれぞれの誘電体として選定される。
図3(b)は、芯部110a(誘電率:2、直径:4mm)と被覆部110b(誘電率:1.5、直径:20mm)とで構成された導波路110を曲率半径が一定の半円弧状(進入方向と脱出方向とが180度異なる状態)に湾曲させて形成された放射部110c(図3(a)参照)における、曲率半径と通過損失との関係を示したグラフである。ただし、誘電体によって発生する損失は無いものとした。図3(b)から、導波路110が湾曲していない場合や緩やかな円弧状に湾曲している場合は信号が無損失で通過しており、導波路110の曲率半径が或る値(図3の例では100mm)よりも小さいと放射部110cから電磁波が放射され、導波路110の曲率半径が小さくなるにしたがって信号の損失が大きくなっていることがわかる。誘電体による損失を考慮していないため、導波路110が湾曲されたことによる損失は全て、導波路110の外部への電磁波の放射による。
また、図3(c)は、図3(a)に示す放射部110cにおける、放射部110cに入力される信号の周波数と放射率との関係を示したグラフである。図3(c)中、“BR”は図3(a)に示す放射部110cの曲率半径を表している。図3(c)から、33GHzから51GHzの範囲においては、同じ曲率半径であれば信号の周波数が低いほど放射率が大きく、同じ周波数であれば曲率半径が大きいほど放射率が大きくなることがわかる。
また、図4(b)は、導波路110を曲率半径が一定の半円弧状(進入方向と脱出方向とが180度異なる状態)に湾曲させた場合の放射部110c(図3(a)参照)での通過損失と導波路110を曲率半径が一定の1/4円弧状(進入方向と脱出方向とが90度異なる状態)に湾曲させた場合の放射部110c(図4(a)参照)での通過損失を示している。後者の曲率半径は前者の曲率半径と同じである。また、両者とも、芯部110aの誘電率を2、直径を4mmとし、被覆部110bの誘電率を1.5、直径を20mmとした。図4(b)から、放射部110cでの導波路110の曲げ角度によっても電磁波の放射量が異なることがわかる。このように、湾曲の程度(曲率半径および曲げ角度)によって放射部110cから放射される電磁波の強度を設定することが可能である。
また、図5は、導波路110を半円弧状の湾曲部の曲率半径(80mm)が一定のU状(進入方向と脱出方向とが180度異なる状態)に湾曲させた場合の放射部110cでの放射パターンを表している。ただし、芯部110aの誘電率を2、直径を4mmとし、被覆部110bの誘電率を1.5、直径を20mmとした。図5では、利得が概ね0dBi以上の範囲は−12°から210°までである(0°の位置は紙面真上であり、時計回りに角度を計測した)。図5から、放射部110cでは電磁波が均等に放射されるのではなく、放射部110cの頂点よりも信号の伝搬方向(図中、導波路の横の矢印で示す)に関して後方に位置する放射部110cの部位から電磁波が強く放射されることがわかる。このため、放射部110cの頂点よりも信号の伝搬方向に関して後方に位置する放射部110cの部位が電磁波の所望の放射方向に向けられていることが好ましい。なお、「頂点」とは、放射部110cにて曲率が一定でなければ曲率が最も大きくなる位置であり、曲率が非ゼロで一定であれば曲率一定の区間の中間の位置である。
上述のように、放射部110cにおける湾曲の程度(曲率半径および曲げ角度)と頂点よりも後方の部位の向きによってサービスエリアを設定することが可能である。しかし、湾曲の程度と頂点よりも後方の部位の向きを設定するだけではサービスエリアの設定が難しい(特に、不要なサービスエリアが形成される)場合がある。このため、放射部110cの頂点よりも信号の伝搬方向に関して後方に位置する放射部110cの部位であって電磁波の所望の放射方向以外の方向に電磁波を放射する部位を導電体120で被覆してもよい。この一例を図6に示す。導電体120で放射部110cの一部を被覆することによって被覆された当該部位からの電磁波の放射が抑制されるから、不要なサービスエリアを形成しないことができる。導電体120は例えば銀や銅などの金属箔である。図7は、導波路110をU状(進入方向と脱出方向とが180度異なる状態)に湾曲させて形成された放射部110cにおいて、放射部110cの頂点よりも信号の伝搬方向に関して後方に位置する放射部110cの部位であって曲率がゼロの部分(この部分が、「放射部110cの頂点よりも信号の伝搬方向に関して後方に位置する放射部110cの部位であって電磁波の所望の放射方向以外の方向に電磁波を放射する部位」に相当する)を導電体120で被覆した場合(つまり図6の構成)の放射パターン(図7(a)参照)と当該部分を被覆していない場合の放射パターン(図7(b)参照)を示している。ただし、芯部110aの誘電率を2、直径を4mmとし、被覆部110bの誘電率を1.5、直径を20mmとした。図7(a)にて点線枠で示すように、導電体120による被覆によって放射パターンが変化しており、不要な電磁波の放射を約9dBi抑制できていることがわかる。
また、無線アンテナ100の実際の使用では、放射部110cとして機能しない部分、つまり、導波路として機能する部分の導波路110が直線状に保持される保証は無い。したがって、導波路として機能させたい導波路110の部分から不必要な電磁波が放射される可能性が絶対に無いとは言えない。このため、放射部110c以外において、湾曲された状態に保持されている導波路110の部位の全部または一部を導電体120で被覆してもよい。この一例を図8に示す。導電体120で導波路110の一部を被覆することによって、被覆された当該部位からの不必要な電磁波の放射を抑制できる。図9に示すように曲率一定で1/4円弧状(進入方向と脱出方向とが90度異なる状態)に湾曲した状態で保持されている導波路110の湾曲部を銀箔で被覆した場合の損失は、芯部110aの誘電率を2、直径を4mmとし、被覆部110bの誘電率を1.5、直径を20mmとしたとき、0.4dBであり、被覆しない場合の損失が1.0dBである。このことから、導波路として機能させたい湾曲部を導電体120で被覆することの有効性を理解できる。
また、導波路110の一部を湾曲させる場合、湾曲しやすいように、被覆部110bに切り欠き部130を形成してもよい。切り欠き部130の形状や、切り欠き部130を形成する位置などに限定はないが、一定の曲率半径で導波路110の一部を湾曲させる場合、被覆部110bの一部にヴォールト状の切り欠き部130を形成してから、切り欠き部130が湾曲の頂点における内側に位置するように導波路110を湾曲させる構成を例示できる(図10参照)。
また、導波路110の複数の部位がそれぞれ放射部110cとして機能する場合、各放射部110cの湾曲の程度は、電磁波の放射によって失われる所望の電力に応じて定められる。導波路110の上記一端に入力される信号生成装置800からの信号の電力は、各放射部110cと導波路110の上記他端とで電磁波の放射によって失われる電力の総和に、導波路110において導波路して機能する部分での実際には発生する伝送損失を加えた総電力であることが必要である。
あるいは、導波路110の上記一端に入力される信号生成装置800からの信号の電力(以下、入力電力と呼称する)が予め定まっている場合には、導波路110において導波路して機能する部分での実際には発生する伝送損失を入力電力から除いた電力が、各放射部110cと導波路110の上記他端とで電磁波の放射によって失われる電力に分配され、各放射部110cの湾曲の程度は、分配される電力に応じて定められる。例えば、各放射部110cで等しい放射損失が望まれる場合がある。この場合、N個の放射部110cが在るとして信号生成装置800に近い方から1番目、2番目、…、i番目、…、N番目の放射部110cと呼称するとすると、第i番目の放射部110cに進入する信号の電力のうち式(2)で表される割合の電力を放射によって損失するように第i番目の放射部110cの湾曲の程度を調整すればよい。この場合、N番目の放射部110cではここに進入した信号の電力のほぼ全部が放射によって損失されるため、導波路110の上記他端での電磁波の放射はほぼ無い。例えばN=5の場合、1番目、2番目、3番目、4番目の各放射部110cは、それぞれ、進入してきた信号のうち、-7dB(5分の1),-6dB(4分の1),-4.8dB(3分の1),-3dB(2分の1)を電磁波として放射させ、5番目の放射部110cは、可能な限り、進入してきた信号の全電力を電磁波として放射させる。
式(2)によると第i番目の放射部110cに進入する信号の電力と放射損失の割合はiの増大とともに大きくなるため、iの増大に伴いi番目の放射部110cでの曲率半径が小さくなっていく構成が考えられる。
実施形態の無線アンテナ100では、湾曲状態の保持は恒久的な方法でなされないため、導波路110の一部を放射部110cとして機能させるための湾曲状態はいつでも解消可能である。つまり、導波路110の一部を放射部110cとして機能させる必要のある期間では湾曲状態は保持され続けるが、当該必要が無くなった場合、放射部110cとして機能する部位の湾曲状態は解消される。ここで、「湾曲状態の解消」は、導波路110を直線状の状態に戻すことに限定されず、放射部110cとして機能しない程度に導波路110の湾曲を緩めることも含む。湾曲状態が解消された部位は放射部110cとしての機能を失うとともに導波路として機能する。このため、サービスエリアの変更に応じて放射部110cの位置を容易に変更することができる。
上述のように、導波路110の一部を湾曲させる際に、被覆部110bに切り欠き部130を形成した場合、湾曲状態の解消の後も、被覆部110bに切り欠き部130が残る。この切り欠き部130からの電磁波の放射を抑制するためには、被覆部110bの誘電体の比誘電率をできるだけ小さくすることが好ましい。図11は、図10に示すように被覆部110bにヴォールト状の切り欠き部130(導波路110の伸びる方向に沿った長さは1cm)を形成した場合の、被覆部110bの比誘電率と伝送損失との関係を示したグラフである。また、芯部110aの誘電率を2、直径を4mmとし、被覆部110bの誘電率を1.5、直径を20mmとした。切り欠き部130に進入した信号の電力に対する伝送損失を10%以下に抑制するためには、被覆部110bの誘電体の比誘電率が1.4以下であればよいことがわかる。
上述の無線アンテナ100は、送信用のアンテナとしてではなく、受信用のアンテナとしても使用できる。この場合、例えば、導波路110の上記一端には、信号生成装置800に替えて受信装置が接続される。例えば携帯電話から発せられた電磁波は受信部(無線アンテナ100を送信用のアンテナと使用したときの放射部110cである)で吸収され、少なくとも3dBの損失を伴って、導波路110によって受信装置に伝達される。3dBの損失は、受信部で吸収された電磁波が導波路110の上記一端と上記他端とに向かって分配されることによって発生する。導波路110の上記一端には、信号生成装置800に替えて送信機能と受信機能の両方を持つ送受信装置が接続されてもよい。この他、(1)上記一端に信号生成装置800が接続されている導波路110の上記他端に受信装置を接続する構成も採用できるし、(2)上記一端に送受信装置が接続されている導波路110の上記他端に受信装置を接続する構成も採用できるし、(3)無線アンテナ100の上記一端と上記他端のそれぞれに受信装置を接続する構成も採用できるし、(4)無線アンテナ100の上記一端と上記他端のそれぞれに送受信装置を接続する構成も採用できる。特に、(2),(3),(4)の構成によると、図示しない合成装置が導波路110の両端に接続された装置の受信機能で受信した電磁波を合成することによって、上述の3dBの損失を解消することができる。
この他、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。

Claims (9)

  1. ケーブル状の導波路を含み、
    上記導波路は、誘電体で形成された芯部と、当該芯部の外周に誘電体で形成された被覆部とで構成されており、
    上記芯部の誘電率は、上記被覆部の誘電率よりも大きく、
    上記導波路の一部は、電磁波が放射されるように湾曲された状態で保持されることによって、電磁波を放射する放射部として機能し、
    上記湾曲された状態が解消されることによって、上記湾曲された状態が解消された上記導波路の部位が、上記放射部としての機能を失うとともに導波路として機能する
    ことを特徴とする無線アンテナ。
  2. 請求項1に記載の無線アンテナにおいて、
    上記放射部として機能できる上記導波路の一部は、上記導波路の両端を除く上記導波路の任意の部位である
    ことを特徴とする無線アンテナ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の無線アンテナにおいて、
    上記湾曲された状態は、
    上記放射部に進入する信号の進入方向と上記放射部を通過する信号の脱出方向とが90度以上異なる状態である
    ことを特徴とする無線アンテナ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の無線アンテナにおいて、
    上記放射部の頂点よりも上記信号の伝搬方向に関して後方に位置する上記放射部の部位が、電磁波の所望の放射方向に向けられている
    ことを特徴とする無線アンテナ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の無線アンテナにおいて、
    上記放射部の頂点よりも上記信号の伝搬方向に関して後方に位置する上記放射部の部位であって電磁波の所望の放射方向以外の方向に電磁波を放射する部位が導電体で被覆されている
    ことを特徴とする無線アンテナ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の無線アンテナにおいて、
    上記放射部以外において、湾曲された状態に保持されている上記導波路の部位が導電体で被覆されている
    ことを特徴とする無線アンテナ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の無線アンテナにおいて、
    上記導波路は、上記放射部に加えて、一つ以上の他の放射部を含み、
    上記放射部と上記一つ以上の他の放射部のそれぞれの湾曲の程度は、放射される電磁波の電力に応じて定められている
    ことを特徴とする無線アンテナ。
  8. ケーブル状の導波路を含み、
    上記導波路は、誘電体で形成された芯部と、当該芯部の外周に誘電体で形成された被覆部とで構成されており、
    上記芯部の誘電率は、上記被覆部の誘電率よりも大きく、
    上記導波路の一部は、電磁波を吸収するように湾曲された状態で保持されることによって、電磁波を吸収する受信部として機能し、
    上記湾曲された状態が解消されることによって、上記湾曲された状態が解消された上記導波路の部位が、上記受信部としての機能を失うとともに導波路として機能する
    ことを特徴とする無線アンテナ。
  9. 無線アンテナと通信端末とを含む無線通信システムであって、
    上記無線アンテナは、ケーブル状の導波路を含み、
    上記導波路は、誘電体で形成された芯部と、当該芯部の外周に誘電体で形成された被覆部とで構成されており、
    上記芯部の誘電率は、上記被覆部の誘電率よりも大きく、
    上記導波路の一部は、電磁波が放射されるように湾曲された状態で保持されることによって、電磁波を放射する放射部として機能し、
    上記湾曲された状態が解消されることによって、上記湾曲された状態が解消された上記導波路の部位が、上記放射部としての機能を失うとともに導波路として機能し、
    上記通信端末は、上記通信端末のアンテナで、上記放射部から放射された電磁波を受信する
    ことを特徴とする無線通信システム。
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