A.第1実施形態:
A1.システム構成:
図1は、本発明の一実施形態としての運転支援システム10の構成を説明するための図である。運転支援システム10は、車両30の運転を支援する運転支援システムであって、サーバ50と、車両30とを備える。車両30とサーバ50は、互いにインターネットINTによって接続されている。なお、通信キャリアBSには、送受信アンテナや、無線基地局、交換局が含まれる。
車両30は、制御部300と、車両通信部310と、表示部320と、現在位置取得部340と、入力部350と、検出部360とを備える。制御部300は、RAM(Random Access Memory)とROM(Read Only Memory)とを備える。制御部300は、ROMに記憶された制御プログラムをRAMに展開して実行することにより、車両30の各部を制御する。より具体的には、制御部300は、車両通信部310や、表示部320や、現在位置取得部340や、入力部350や、検出部360の制御に加え、アクセルやブレーキやハンドルやヘッドライトの光軸やサスペンションなどの制御を行なう。制御部300は、一時記憶部370を含む。
車両通信部310は、制御部300の制御によって、インターネットINTを介してサーバ50の車両30と通信を行なう装置である。車両通信部310は、情報取得部と情報送信部とを含み、情報取得部が、サーバ50のデータベース56から後述する注意情報560を含む情報及び/または道路ネットワークデータ568(「道路NWデータ568」とも呼ぶ)を含む経路データ及び/またはナビデータ570を含む情報を取得する。また、情報送信部は、現在位置取得部340にて取得された現在位置情報及び/または入力部350によりユーザが入力した出発地や目的地等の経路探索条件をサーバ50へ送信する。本実施形態において、車両通信部310は、注意情報560を含む情報及び/または後述する道路NWデータ568を含む経路データ及びナビデータ570をサーバ50から取得する。表示部320は、地図画像や経路案内情報等の種々の画像を表示する装置である。現在位置取得部340は、GPS(Global Positioning System)を構成する人工衛星から受信した電波や、車両30に備えられたジャイロからの信号に基づいて、車両30の現在位置情報を取得する。入力部350は、ユーザから経路設定や経路案内のための入力指示を受け付ける。
一時記憶部370は、RAMなどで構成される。一時記憶部370には、サーバ50から車両通信部310を介して受信した注意情報560、道路NWデータ568、ナビデータ570が一時的に記憶される。
検出部360は、他車両や歩行者、その他道路上の障害物などの存在を検出する。本実施形態において、検出部360としてミリ波レーダーを用いる。本実施形態において、ミリ波レーダーは車両に6台設置されている。検出部360としてのミリ波レーダーは、(i)車両の前方を向くものと、(ii)車両の右前方を向くものと、(iii)車両の左前方を向くものと、(iv)車両の後方を向くものと、(v)車両の右後方を向くものと、(vi)車両の左後方を向くものと、を備える。
サーバ50は、サーバ通信部52と、制御部54と、データベース56と、経路探索部58とを備える。制御部54は、RAMとROMを備え、ROMに記憶された制御プログラムをRAMに展開して実行することにより、サーバ50の各部を制御する。サーバ通信部52は、制御部54の制御によって、インターネットINTを介して車両30と通信を行なう装置である。本実施形態において、サーバ通信部52は、制御部54の制御により、車両30から現在位置情報及び/またはユーザが設定した出発地や目的地等の経路探索条件情報を取得し、また、後述するデータベース56に含まれる注意情報560や、経路探索部58により探索された経路データ、経路案内のためのナビデータ570を車両30へ送信する。本実施形態において、データベース56はハードディスクで構成されている。
経路探索部58は、制御部54の制御によって、後述するデータベース56の道路NWデータ568により経路探索を行う。
注意情報560は、連続する道路の複数の区間のそれぞれにおける運転の際の注意に関する情報であって、道路の複数の区間のそれぞれと対応づけられている。注意情報560は、車両と周囲の障害物との衝突防止のための車両制御(操舵制御、ブレーキ制御を含む)や、危険地点に対する注意を喚起するための情報である。注意情報560は、注意データと位置データとを含む。注意データとは、連続する道路の複数の区間のそれぞれにおける運転の際の注意に関する情報であって、道路の複数の区間のそれぞれと対応付けられているデータである。本実施形態において、注意データは注意パターンと注意レベルとを含む。位置データとは、注意データと対応づけられている道路区間の位置を表すデータであって、制御部54から照合される位置情報を示すデータである。本実施形態において、位置データとして形状点座標が挙げられる。注意パターンについては後述する。
本実施形態においては、データベース56には、さらに、道路NWデータ568及びナビデータ570が格納されている。道路NWデータ568は、複数の交差点のそれぞれに対応するノードと、各ノードを接続する道路に対応するリンクとによって構成されている。ノードとリンクには、それぞれ、通過所要時間を示す通過コスト情報が対応付けて記憶されており、この通過コスト情報を利用して、経路探索を行うことができる。ナビデータ570は、車両30の表示部320において表示される地図画像データの他、経路案内や運転支援に必要な画像データ及び音声データが含まれる。
本実施形態において、データベース56に格納されている注意情報560および道路NWデータ568およびナビデータ570の各データに含まれる位置データは、共通の座標系(緯度・経度)によって表されている。このように表すことで、各データに含まれる位置データ間において、それぞれ対応する同一の座標を特定することが可能である。また、地表面を升目状に区切ったメッシュと呼ばれる領域の相対座標を、各データで共通の座標系としてもよい。さらに、各データは共通の座標系を持ちながらも、注意情報560、道路NWデータ568、ナビデータ570それぞれが分離独立して管理されている。このことにより、例えば、データベース56に格納されている3種類のデータのうち、1種類のデータへ更新を行った場合に、他の種類のデータに影響を与えることがない。
A2.運転支援:
図2は、現在位置取得部340により取得された車両30の現在位置情報と注意情報560とに基づき、制御部300が車両30の周囲の障害物との衝突防止に関する支援を実行する様子を示している。本実施形態においては、制御部300は、車両30の現在位置情報と注意情報560とに基づいて、ミリ波レーダーの制御を変更する。例えば、車両30の現在位置における注意情報560が、車両30の周囲の障害物との衝突に警戒する必要があるという内容である場合に、制御部300は、ミリ波レーダーのサンプリング間隔を短縮する。そうすると、ミリ波レーダーが障害物を検出する時間的な間隔が短くなるため、サンプリング間隔が長い場合と比較して、より精度よく障害物を検出することができるようになる。
A3.データ構造:
図3は、本実施形態における注意情報560を説明するための図である。図3において、図面左側には、注意パターンを示し、図面右側には注意データに含まれる道路の区間ごとの注意パターンと注意レベルとを示す。注意パターンとは、車両を運転する際、他車両や歩行者、路上の地物等に対して注意すべき方向を示したものである。注意レベルとは、車両を運転する際、他車両や歩行者、路上の地物等に対して注意すべき度合を示すレベル情報である。
本実施形態において、注意パターンは、4つのパターンを有する。パターンAは、基本パターンであり、車両の前方及び後方を警戒するパターンである。パターンBは、パターンAに加えて、さらに、車両の左方向(左前方と左後方)を警戒するパターンである。パターンCは、パターンAに加えて、さらに、車両の右方向(右前方と右後方)を警戒するパターンである。パターンDは、パターンAに加えて、さらに、車両の左方向(左前方と左後方)および右方向(右前方と左後方)を警戒するパターンである。全ての注意パターンにおいて車両の前方及び後方の障害物を警戒するようにしているのは、前方車両への追突や前方歩行者との衝突、後方車両からの追突を防止するためである。なお、これ以降の図においても、車両を五角形で表すことがある。
本実施形態において、制御部300は、注意パターンが示す方向に対応したミリ波レーダーを制御する。例えば、パターンAであれば、制御部300は、車両に備えられた6方向のミリ波レーダーのうち、車両の前方及び後方の障害物を検出するためのミリ波レーダーを制御する。
本実施形態においては、注意すべき度合が低い順に、0、+1、+2、+3、+4の5段階で注意レベルを設定している。制御部300は、自車両と他車両や歩行者、路上の地物との衝突を防止するため、注意レベルの高さに応じてミリ波レーダーのサンプリング間隔を短縮する制御を行う。本実施形態においては、注意すべき度合が高いほどミリ波レーダーのサンプリング間隔を短く設定する。また、注意レベルの閾値を予め設定しておき、その閾値より注意レベルが高い場所においては、制御部300がミリ波レーダーを起動し、閾値より注意レベルが低い場所においては制御部300がミリ波レーダーを終了するという制御も可能である。本実施形態におけるミリ波レーダーは、連続的に障害物の検出を行っているのではなく、ある時間的間隔毎に障害物の検出を行っている。したがって、ミリ波レーダーのサンプル間隔を短縮すると、障害物を検出する時間間隔が短くなるため、より精度よく障害物を検出できる。また、注意レベルが高い場所において、ミリ波レーダーの出力を上げることとしてもよい。この場合には、ミリ波レーダーが遠くまで届くようになるため、注意レベルが高い場所において、より遠方の障害物まで検出することができる。その他、注意レベルが高い場所において、ミリ波レーダーの感度を高めることとしてもよい。この場合には、注意レベルが高い場所において、より、小さな障害物等を検出することができる。
本実施形態においては、注意レベルを0から+4までの5段階で示したが、例えば、注意レベルを負の数値やゼロを用いて設定してもよいし、10段階等、他の複数の段階で設定してもよい。また、本実施形態においては、注意レベルとして数値を採用しているが、例えば、注意レベルとして「弱・中・強」などの段階を採用してもよい。
図4は、従来の道路NWデータ568の区間を説明するための図である。図4に示されるように、従来の道路NWデータ568は、交差点や分岐点に対応するノード(N1,N2,N3,N4)と、各ノードを接続する道路に対応するリンク(L1,L2,L3)とによって構成されている。換言すると、複数の道路の区間の端点は、交差点の位置に基づいて決定されている。
図5は、注意情報560を説明するための図である。図5に示されるように、注意情報560における区間の端点は、図4に記載する従来の道路NWデータ568の区間の端点(ノード)とは異なる場合がある。本実施形態において、注意情報560における区間の端点は、道路上において車両の周囲の障害物との衝突防止に関する支援をすべき区間に基づいて決定されている。このため、注意情報560における区間の端点は、交差点や分岐点に拘束されず、道路の形状や勾配や道路の周囲に位置する地物などに基づいて決定することができる。この結果、運転支援システム10は、車両の周囲の障害物との衝突防止に関する支援をより柔軟に行なうことができる。なお、「地物」とは、地上にある一切の物を示し、例えば、電柱や、建物や樹木、信号機、標識、標示、小学校、公園などが挙げられる。
本実施形態において、注意情報560における区間の端点は、車両の周囲の障害物との衝突防止に関する支援を変更すべき点に基づいて決定されている。そのため、道路NWデータ568の区間の端点(ノード)に捉われずに、柔軟に制御を変更すべき点を設定でき、車両の周囲の障害物との衝突防止に関する支援の安全性をより向上できる。
ここで、注意情報560における区間の端点は、道路NWデータ568のリンクと注意情報560における区間とが、1:nの関係となるように設定しても、道路NWデータ568のリンクと注意情報560における区間とが、n:1の関係になるように設定してもよい。つまり、道路NWデータ568のノードの位置と注意情報560の端点が必ずしも一致しなくてもよい。また、注意情報560における区間の端点は、道路NWデータ568のリンクと注意情報560における区間とが、1:nの関係となるように設定するか、または、道路NWデータ568のリンクと注意情報560における区間とが、n:1の関係となるように設定するかのいずれか一方である必要はなく、道路の接続関係等に応じて部分的に異なっていてもよい。
注意情報560における区間の端点を、道路NWデータ568のリンクと注意情報560における区間とが、n:1の関係になるように設定した場合、n本のリンク全てに対応する注意データが同一であれば、注意情報560の1つの区間に対応する注意データとしてデータを記憶できる。このため、道路NWデータ568のノードと同一の位置に注意情報560における区間の端点を設定する場合に比べ、注意情報560全体のデータ容量を減らすことができ、処理の負荷をも低減することができる。
例えば、道路NWデータ568に含まれ、連続した関係にあるリンクLaとリンクLbがあるとする。なお、リンクLaとリンクLbに対応する注意データは、いずれも注意レベルが+2であり注意パターンがパターンAとする。この場合、リンクLaとリンクLbとでは注意データが同一であるので、注意情報560を用いて表現する際には、1つの区間として扱うことができる。このため、道路NWデータ568のノードと同じ区切りで注意情報560における区間を設定する場合よりも管理情報やヘッダ情報を削減でき、サーバから車両へ送信するデータ容量を削減することができる。車両制御の際の演算処理でも同様の理由で処理負荷を軽減することができる。
本実施形態において、注意情報560は、道路の所定区間に対して複数の情報を有する場合がある。本実施形態では、車両の進行先(右折、左折、直進など)や、走行するレーンや、進行方向等の車両の走行方向及び走行時間帯や天気等の車両の運転に影響を与える走行環境に応じて複数の注意データから適切な注意データを選択して運転支援を行う。図5においては、区間K6が車両の直進や右折、左折する方向に応じて複数の注意データを有する場合に該当する。注意データの用途においては後述するが、区間K6は、(i)注意パターンはパターンAであり、注意レベルは+2であることを示す注意データと、(ii)注意パターンはパターンBであり、注意レベルは+2であることを示す注意データと、対応づけられている。図5において、車両が区間K9を通過した後に区間K6及び区間K8を経由して区間K2を通過する場合、対向車との衝突を防止するため、制御部300は、車両の前方及び後方に加え、車両の右前方及び右後方を警戒するようにミリ波レーダーを制御する必要がある。また、車両が区間K9を通過した後に区間K6及び区間K7を経由して区間K3を通過する場合、前方の他車両や歩行者との衝突防止や、後方の他車両との衝突防止のため、制御部300は、車両の前方及び後方を警戒するようにミリ波レーダーを制御するのみで良い。このように、同一の区間であっても、車両の走行方向や走行環境に応じてミリ波レーダーの制御を変更する必要があるため、注意データが同一区間に対して複数個対応付けられている。
図7は、本実施形態における注意情報560のデータ構造を説明するための図である。図7に示されるように、注意情報560は、(i)区間を示す区間ID(Identification)と、(ii)形状点数と、(iii)形状点座標と、(iv)警戒情報数と、(v)警戒情報IDとを備える。「形状点」とは、区間の形状を構成するための点を示し、「形状点数」は、その点の数を示す。「形状点座標」とは、形状点の座標を示す。本実施形態では緯度経度座標で示しているが、他の座標系でもよい。「警戒情報数」とは、区間内の警戒情報の数を示し、「警戒情報ID」とは、警戒情報のIDを示す。ここで、警戒情報とは、注意情報560に1つ以上含まれる情報であり、車両の進行先(右折、左折、直進)や進行方向、走行するレーン、車両が走行する時間帯や天気が異なることによって注意パターンや注意レベルが異なる場合に、同一の区間においても複数の警戒情報が注意情報560に含まれる。なお、警戒情報は注意データと同じ意味である。
図7は、区間K1における注意情報560を示す。区間K1における区間IDは、K1とする。形状点数は4であり、区間K1は、形状点座標「経度1、緯度1」と、形状点座標「経度2、緯度2」と、形状点座標「経度3、緯度3」と、形状点座標「経度4、緯度4」とを備える。
図7において、区間K1には、警戒情報ID「CAUTION_INFO_ID_0001」と警戒情報ID「CAUTION_INFO_ID_0002」の2つの警戒情報が対応付けられる。そのため、警戒情報数は2となる。
図8は、警戒情報のデータ構造を説明するための図である。上記のように、警戒情報は、注意情報560に含まれる。図8(A)は、警戒情報ID「CAUTION_INFO_ID_0001」のデータ構造を示す。この警戒情報は、レーン番号と、区間の進行方向と、警戒時間コードと、注意パターンと、注意レベルとを備える。
「進行方向」は、道路に対して、ある進行方向を順方向とし、その逆方向へ向かう方向を逆方向として定義する。順方向の定義方法は、複数車線が存在する場合に、車線数が多い方を順方向とする方法でもよい。進行方向の定義方法は、この方法に限られず、道幅が広い方を順方向としたり、交通量が多い方を順方向としたりする方法でもよい。また、上下線の車線分離がなされていない道路においても、進行方向を含んでいてもよい。警戒情報に進行方向を含むのは、同じ区間を示す情報であっても、順方向の警戒情報と逆方向の警戒情報とでは、内容が異なる場合があるためである。例えば、同一の区間であっても、順方向に進むときは右方向について注意をする必要があるため、注意パターンがCであるが、逆方向に進むときは左方向に注意をする必要があるため、注意パターンがBであるという場合がある。図7においては、区間K1の進行方向は順方向である。
「レーン番号」とは、区間に対応する1つ以上のレーンに設定した番号を示す。レーン番号は、例えば、順方向3車線、逆方向2車線の区間があった場合に、順方向車線のうち最も外側(歩道側)のレーンを番号1、中央のレーンを番号2、順方向に向かって最も内側(対向車線側)のレーンを番号3、逆方向車線のうち外側(歩道側)のレーンを番号1、逆方向車線のうち内側(対向車線側)のレーンを番号2として定義する。レーン番号を設定することにより、複数のレーンが存在する区間においても、車両が走行する走行レーンに応じた運転支援が可能となる。
図9は、レーン番号及び進行方向を説明するための図である。図9において、区間KM1における道路を示す。区間KM1には、(i)順方向(図面下側から図面上側)へ車両が進むレーンである順方向レーン1と、順方向レーン2と、順方向レーン3と、(ii)逆方向(図面上から図面下側)へ車両が進むレーンである逆方向レーン1と、逆方向レーン2と、を備える。図9において、順方向レーンと逆方向レーンとの間には、分離帯が存在する。また、逆方向レーン1の紙面右側には小学校が存在する。
図10(A)は、図9におけるレーン番号と対応する注意パターンおよび注意レベルを示す図である。なお、図10(B)は、注意パターンの類型を示す。「進行方向」が「順方向」であり、「レーン番号」が「1」のレーンは、注意パターンCと注意レベル+2と対応する。このように設定されることにより、このレーンに対して順方向レーン2から車線変更する他車両との衝突防止のため、制御部300は、車両の前方及び後方に加え、右前方及び右後方の他車両を検出するようにミリ波レーダーを制御し、他車両が検出された場合には、衝突防止のための車両制御を行うことができる。
「進行方向」が「順方向」であり、「レーン番号」が「2」のレーンは、注意パターンDと注意レベル+2と対応する。このように設定されることにより、このレーンに対して順方向レーン2や順方向レーン3から車線変更する他車両との衝突防止のため、制御部300は、車両の前方及び後方に加え、右前方及び右後方と左前方及び左後方の他車両を検出するようにミリ波レーダーを制御し、他車両が検出された場合には、衝突防止のための車両制御を行うことができる。
「進行方向」が「順方向」であり、「レーン番号」が「3」のレーンは、注意パターンBと注意レベル+2と対応する。このように設定されることにより、このレーンに対して順方向レーン2から車線変更する他車両との衝突防止のため、制御部300は、車両の前方及び後方に加え、左前方及び左後方の他車両を検出するようにミリ波レーダーを制御し、他車両が検出された場合には、衝突防止のための車両制御を行うことができる。
「進行方向」が「逆方向」であり、「レーン番号」が「1」のレーンは、注意パターンDと注意レベル+2と対応する。このように設定されることにより、このレーンに対して逆方向レーン2から車線変更する他車両との衝突防止及び小学校から飛び出す子どもとの衝突防止のため、制御部300は、車両の前方及び後方に加え、右前方及び右後方と左前方及び左後方の他車両や歩行者を検出するようにミリ波レーダーを制御し、他車両や歩行者が検出された場合には、衝突防止のための車両制御を行うことができる。
「進行方向」が「逆方向」であり、「レーン番号」が「2」のレーンは、注意パターンBと注意レベル+2と対応する。このように設定されることにより、このレーンに対して逆方向レーン1から車線変更する他車両との衝突防止のため、制御部300は、車両の前方及び後方に加え、左前方及び左後方の他車両を検出するようにミリ波レーダーを制御し、他車両が検出された場合には、衝突防止のための車両制御を行うことができる。
「警戒時間コード」とは、周囲の障害物との衝突防止のために周囲を警戒すべき時間帯を示すコードを示す。図8(B)は、警戒時間コードの例を示す。警戒時間コードが0の場合、警戒を行う時間の指定がないことを示す。つまり、この場合、制御部300は、常に周囲の障害物との衝突防止のためにミリ波レーダーを起動し、制御することを示す。警戒時間コードが1の場合、昼間において警戒を行うことを示す。警戒時間コードが2の場合、夜間において警戒を行うことを示す。警戒時間コードが3の場合、平日の昼間において警戒を行うことを示す。警戒時間コードが4の場合、平日の夜間において警戒を行うことを示す。警戒時間コードが5の場合、休日の昼間において警戒を行うことを示す。警戒時間コードが6の場合、休日の夜間において警戒を行うことを示す。警戒時間コードが7の場合、夏季の昼間において警戒を行うことを示す。警戒時間コードが8の場合、夏季の夜間において警戒を行うことを示す。警戒時間コードが9の場合、冬季の昼間において警戒を行うことを示す。警戒時間コードが10の場合、冬季の夜間において警戒を行うことを示す。本実施形態において、昼間は午前6時から午後6時とし、夜間は午後6時から午前6時とする。
本実施形態において、平日は祝祭日を除く月曜日から金曜日とし、休日は、土曜日、日曜日、および祝祭日とする。本実施形態において、夏季は6月から8月とし、冬季は12月から1月とする。また、コードの種類をより細分化することにより、時間帯や季節に応じた警戒情報の設定をより細やかに行うことができ、適切な条件に応じた運転支援を行うことが可能となる。
本実施形態において、警戒時間コードとして、警戒情報を用いるべき日時を記憶しているため、時間帯や季節に応じた警戒情報の設定をより細やかに行うことができ、より、車両の運転に影響を与える走行環境に応じた運転支援を行うことが可能となる。例えば、小学校付近の道路では平日の昼間のみ子供の飛び出しに関する警戒を行うように、制御部300は、ミリ波レーダーを制御することが可能となる。このため、車両の周囲の障害物との衝突防止に関する支援を時間帯や季節に応じてより柔軟に行うことができる。
A4.フローチャート:
図11は、本実施形態におけるフローチャートを示す。まず、ステップS10において、車両30の制御部300は、現在位置取得部340により車両30の現在位置情報を取得する。
ステップS11において、制御部300は、車両通信部310を介してサーバ50と通信を行うことにより、サーバ50のデータベース56から車両30の現在位置情報に対応する注意情報560を含む情報を取得する。具体的には、制御部300は、現在位置及び現在位置前方の道路に対応する注意情報560を取得する。
次に、ステップS12において、制御部300は、現在位置情報と注意情報560とに基づいて、車両30の周囲の障害物との衝突防止に関する支援を実行する。本実施形態において、制御部300は、ミリ波レーダーを制御することにより、車両30の車両の周囲の障害物との衝突防止に関する支援を実行する。具体的には、制御部300は、注意情報560の警戒情報に含まれる注意パターンおよび注意レベルに応じて、ミリ波レーダーのサンプリング間隔の変更や検出方向の制御を行う。
ステップS13において、制御部300は、エンジンがOFFされたかどうか判断する。エンジンがONである場合(ステップS13:NO)、フローはステップS10に戻る。一方、エンジンがOFFである場合(ステップS13:YES)、フローは終了する。
図6は、本実施形態における注意情報560と、運転支援との関係を示す図である。図6左側のグラフには、横軸を距離とし、縦軸を注意レベルとして、距離に対する注意レベルを示す。図6において、距離が0の地点を車両30Aの地点とする。図6において、車両の左前方を方向1、前方を方向2、右前方を方向3、左後方を方向4、後方を方向5、右後方を方向6とする。図6左側のグラフは、方向1、方向2、方向3のそれぞれに対応する注意レベルの変化を示すグラフである。なお、この例では、注意パターンにより注意すべき方向を規定する方法に代えて、6方向で注意すべき方向を規定する方法を採用している。この方法の詳細については、後述する。
図6に示すとおり、バス停付近を紙面下側から上側に向かって通行する場合の車両を車両30Aとする。この場合、制御部300は、車両30Aの右前方(方向3)を警戒するよう、ミリ波レーダーを制御する。つまり、この位置をこの進行方向で走行する場合の警戒情報は、車両30Aの右前方(方向3)の注意レベルが高く設定されている。図6における道路は片側一車線の道路である。このため、バス停においてバスが停車した場合に、バスを追い越した対向車両が、車両30Aの走行車線まで進入することが考えられる。
本実施形態において、注意レベルをあげることにより、車両30Aの制御部300は、車両30Aの右前方(方向3)を向いているミリ波レーダーのサンプリング間隔を短縮する。そして、対向車両が車両30Aの走行車線まで進入してきたことをミリ波レーダーが検出した場合であって、制御部300が車両30Aと対向車両との距離や相対速度を計算した結果、予め設定されている閾値を超える場合、制御部300は、ハンドルやブレーキの制御を行う。また、制御部300は、運転者にブレーキを踏むように警報を鳴らす制御や、運転者のシートベルトを締める制御を行なってもよい。
図6に示すとおり、公園の付近を車両が通行する場合の車両を車両30Bとする。この場合、制御部300は、車両30Bの左前方(方向1)を警戒する必要がある。つまり、この位置をこの進行方向で走行する場合の警戒情報は、車両30Bの左前方(方向1)の注意レベルが高く設定されている。このようにすることにより、公園で遊んでいる子どもの飛び出しや子どもの遊んでいるボールなどの飛び出しが起こった場合に、ミリ波レーダーが子どもやボールを検出し、制御部300が車両30Bと歩行者との衝突防止のための車両制御をすることができる。
図6に示すとおり、紙面下側から上側に向かって小学校の周辺に位置する横断歩道を車両が通行する場合の車両を車両30Cとする。この場合、制御部300は、(i)車両30Cの前方(方向2)、(ii)車両30Cの左前方(方向1)、および(iii)車両30Cの右前方(方向3)を警戒する。つまり、この位置をこの進行方向で走行する場合の警戒情報は、(i)車両30Cの前方(方向2)、(ii)車両30Cの左前方(方向1)、および(iii)車両の右前方(方向3)の注意レベルが高く設定されている。このようにすることにより、横断歩道を渡ろうとする歩行者や自転車の飛び出しが起こった場合に、ミリ波レーダーがその歩行者や自転車等を検出し、制御部300が適切な運転制御を行うことで、車両30Cと歩行者や自転車との衝突が防止できる。
図6に示すとおり、紙面下側から上側に向かってカーブを通行する場合の車両を車両30Dとする。この場合、制御部300は、(i)車両30Dの前方(方向2)、(ii)車両30Dの左前方(方向1)を警戒するようにミリ波レーダーを制御する。つまり、この位置をこの進行方向で走行する場合の警戒情報は、(i)車両30Dの前方(方向2)、(ii)車両30Dの左前方(方向1)の注意レベルが高く設定されている。このようにすることにより、制御部300は、カーブの死角に位置する自転車や、カーブの先の信号待ちで停車している他車両を検出するためにミリ波レーダーを制御し、自転車や他車両が検出された場合に、制御部300は衝突防止のための車両制御を行うことができる。
図6に示すとおり、紙面右側から左側へ信号機の付近を通行する場合の車両を車両30Eとする。この場合、制御部300は、(i)車両30Eの前方(方向2)、(ii)車両30Eの左前方(方向1)を警戒するようにミリ波レーダーを制御する。つまり、この位置をこの進行方向で走行する場合の警戒情報は、(i)車両30Eの前方(方向2)、(ii)車両30Eの進行方向に対して左前方(方向1)の注意レベルが高く設定されている。このようにすることにより、制御部300は、車両の前方及び左前方を通行する自転車を検出するようにミリ波レーダーを制御し、自転車が検出された場合に、制御部300は衝突防止のための車両制御を行うことができる。以上のように、制御部300は、交差点や事故多発地点に限らず、車両の周囲の障害物との衝突防止に関する支援を行うことができる。このため、運転支援システム10によれば、より安全性を向上できる。
A5.注意情報に関する上記以外の説明:
図12は、交差点における注意情報560を説明するための図である。図12は、複数の区間を含む道路を示す。この道路は、いずれも、片道1車線で対面通行可能な道路であるとする。また、この交差点には図示しない信号機が設置されており、区間KN1から区間KN4の通行を制限する信号機が青信号の場合は、区間KN5から区間KN8からの他車両の飛び出し等は考慮しなくても良いものとする。区間KN5から区間KN8についても同様に、通行を制限する信号機が青信号の場合は、区間KN1から区間KN4からの他車両の飛び出し等は考慮しなくても良いものとする。図12における黒丸は区間の端点を示している。図12においては、紙面下側から上側の方向および、紙面左側から紙面右側の方向を順方向とし、紙面上側から下側の方向および、紙面右側から紙面左側の方向を逆方向とする。なお、本実施形態においては、上記のように進行方向を定めたが、例えば、区間KN1と区間KN4とで進行方向の定義が異なっていてもよい。
図13(A)は、図12における区間と対応する注意パターンおよび注意レベルを示す図である。なお、図13(B)は、注意パターンの類型を示す。図12の例では、上記の警戒情報に加え、警戒情報として進入区間情報及び退出区間情報を記憶することとした。「進入区間情報」とは、ある区間へ進入する前に通過する区間を示す情報である。例えば、区間KN2に進入する車両は、区間KN1、区間KN3、区間KN6、区間KN7のいずれかを通過しているため、区間KN2の進入区間としては区間KN1、区間KN3、区間KN6、区間KN7のいずれかが設定される。「退出区間情報」とは、ある区間を退出した後に通過する区間を示す情報である。例えば、区間KN2を退出する車両は、区間KN1、区間KN3、区間KN6、区間KN7のいずれかを通過するため、区間KN2の退出区間としては区間KN1、区間KN3、区間KN6、区間KN7のいずれかが設定される。なお、警戒情報として進入区間情報及び退出区間情報を含む情報が記憶される場合、進行方向情報については記憶しないこととしてもよい。進入区間情報及び退出区間情報により、車両の進行方向が1つに定まるためである。
また、進行方向に関する情報として、さらに、双方向とする情報を有していてもよい。進行方向が双方向とは、順方向に走行する際も、逆方向に走行する際も、警戒情報に含まれる警戒時間コードや、注意レベルや注意パターン、進入区間及び退出区間の組み合わせが同一であることを示す。例えば、区間KN1に対応する道路を車両が走行する場合を考える。この道路では、車両が紙面下側から紙面上側へ向かって順方向に走行する場合の注意パターンはAであり、注意レベルは+1、進入区間は区間KN0、退出区間は区間KN2である。また、車両が紙面上側から紙面下側へ向かって逆方向に走行する場合の注意パターンもAであり、注意レベルも+1、進入区間は区間KN2、退出区間は区間KN0である。そこで、区間KN1には進行方向は双方向とする情報が対応づけられている。本実施形態では、このような道路では、進行方向に関する情報として双方向とする情報を記憶することとし、順方向とする情報と逆方向とする情報とを別々に記憶しない。こうすることで順方向とする情報と逆方向とする情報とを別々に記憶する場合と比較して、管理情報やヘッダ情報を削減できるため、注意情報560の情報量を削減できる。
区間KN2、KN3、KN6、KN7は、それぞれ5つの警戒情報と対応している。換言すると、これらの区間は、車両の進行先に応じて、車両の周囲の障害物との衝突防止に関する支援をするための複数の情報を有する。
区間KN2を例にとって説明する。車両30が区間KN1から区間KN2及び区間KN3を通って区間KN4へと直進する場合及び車両が区間KN4から区間KN3及び区間KN2を通って区間KN1へと直進する場合、区間KN2では、「進行方向」が「双方向」、「進入区間」が「KN1」、「退出区間」が「KN3」の警戒情報を用いる。この場合、区間KN2に対応付けられる警戒情報は、注意パターンAで注意レベル+1である。また、車両30が区間KN1から区間KN2、区間KN7を通過して区間KN8へと右折する場合、区間KN2において、「進行方向」が「順方向」、「進入区間」が「KN1」、「退出区間」が「KN7」の警戒情報を用いる。この場合、区間KN2に対応付けられる警戒情報は、注意パターンCで注意レベル+2である。注意パターンがCであるのは、右折するとき対向車両との衝突に注意する必要があるためである。そして、車両30が区間KN1から区間KN2、区間KN6を通過して区間KN5へと左折する場合、区間KN2において、「進行方向」が「順方向」、「進入区間」が「KN1」、「退出区間」が「KN6」の警戒情報を用いる。この場合、区間KN2に対応付けられる警戒情報は、注意パターンAで注意レベル+1である。これは、区間KN1からの左折で区間KN2を通過する場合、既に交差点内に進入した後であるので車両左方向の歩行者や自転車との衝突には、それ程注意する必要がなく、かつ、左折であるので対向車両との衝突の危険もないためである。また、車両30が区間KN8から区間KN7、区間KN2を通過して区間KN1へと左折する場合、区間KN2において、「進行方向」が「逆方向」、「進入区間」が「KN7」「退出区間」が「KN1」の警戒情報を用いる。この場合、区間KN2に対応付けられる警戒情報は、注意パターンAで注意レベル+1である。区間KN1から区間KN5への左折の場合と同様に、既に交差点内に進入した後であるので車両左方向の歩行者や自転車との衝突には、それ程注意する必要がなく、かつ、左折であるので対向車両との衝突の危険度もないためである。なお、「進行方向」が「双方向」の場合、制御部300は、警戒情報を取得したい区間に対応する進入区間が、「進入区間」または「退出区間」のいずれかに含まれる警戒情報を選択する。例えば、区間KN1を区間KN3から区間KN0に向かって走行する場合、制御部300は、「進入区間」が「KN3」、「退出区間」が「KN0」となるが、「進入区間」が「KN0」、「退出区間」が「KN3」である警戒情報を選択する。
警戒情報の選択方法としては、運転者の車両30への操作と経路データとの少なくとも一方に基づいて選択する方法がある。まず、経路データに基づいて警戒情報を選択する方法について説明する。予め経路探索部58により作成された経路データと経路データに対応する注意情報560及び警戒情報とを一時記憶部370へ記憶しておく。そして、制御部300は、経路データに含まれるリンクデータを参照して、そのリンクデータの進入リンク及び退出リンクに対応する進入区間情報と退出区間情報を有する警戒情報を選択する。次に、運転者の車両30への操作により警戒情報を選択する方法について説明する。運転者の車両30への操作とは、例えば、ハンドルやウィンカー、ブレーキの操作である。予め現在位置周辺の複数の警戒情報を含む注意情報560を一時記憶部370へ記憶しておく。そして、車両30が区間KN1から区間KN2及び区間KN7を通過して区間KN8へと進むとき、運転者は区間KN1においてブレーキを踏んだり、右のウィンカーを点灯させたりする。一方、車両30が区間KN1から区間KN2及び区間KN3を通過して区間KN4へ進むとき、これらの操作は行われない。したがって、制御部300は、区間KN1において運転者がブレーキを踏んだり、右のウィンカーを点灯させたりしたことを検知すると、運転者が区間KN1から区間KN8へ右折しようとしていると判断し、区間KN2について「進行方向」が「順方向」で、「進入区間」が「KN1」、「退出区間」が「KN7」の警戒情報を選択する。
図14は、道路形状と注意情報560との関係を説明する図である。図14(D)は、注意パターンの類型を示す。図14(A)は、道路が右側へカーブしている区間KO1における注意情報560を説明する図である。車両30が右側へカーブしている区間を通行する場合、前方車両や歩行者等との衝突、後方車両からの追突に加え、対向車両が中央線をはみ出す危険があるため、対向車両との衝突にも注意する必要がある。このため、区間KO1は、注意パターンC、注意レベル+2と対応付けられている。
図14(B)は、道路が左側へカーブしている区間KO2における注意情報560を説明する図である。車両30が左側へカーブしている区間を通行する場合、前方車両や歩行者等との衝突、後方車両からの追突に加え、車両左方向の歩行者や自転車との衝突に注意する必要がある。このため、区間KO2は、注意パターンB、注意レベル+2と対応付けられている。
図14(C)は、直線道路である区間における注意情報560を説明する図である。車両30が真っ直ぐな区間を通行する場合、前方車両や歩行者等との衝突、また、後方車両からの追突に注意する必要がある。このため、区間KO3は、注意パターンA、注意レベル+1と対応付けられている。真っ直ぐな区間は、カーブする区間と比べて前方の見通しがよい。このため、区間KO3における注意レベルは、区間KO1や区間KO2の注意レベルと比べて低い。
なお、交差点の手前から交差点の先までの区間を車両30が走行する場合、左方向からの車両や、左方向及び右方向からの歩行者や自転車の飛び出しに注意する必要がある。このため、このような区間は、注意パターンD、注意レベルは+3と対応付けられている。
図15は、道路勾配と注意情報560との関係を説明する図である。図15(C)は、注意パターンの類型を示す。図15(A)は、上り坂である区間における注意情報560を説明する図である。また、図15(B)は、下り坂である区間における注意情報560を説明する図である。車両30が上り坂である区間KO4または下り坂である区間KO5を通行する場合、車両30には、前方車両への追突や、後方車両からの追突の危険がある。このため、区間KO4及び区間KO5は、注意パターンA、注意レベル+2と対応付けられている。つまり、平坦な区間を車両30が通行する場合と比較し、上り坂や下り坂である区間を通行する場合は、注意レベルを上げることが好ましい。
図16は、高速道路と注意情報560との関係を説明する図である。本図において、区間KO6のレーン番号1のレーンは、合流車線であり、区間KO7のレーン番号1のレーンは、本線であり、区間KO7のレーン番号2のレーンは、追越車線である。
合流車線から本線へ車両40Aが進入する場合、本線を走行する他車両と衝突しないよう、右方向に注意する必要がある。このため、区間KO6は、注意パターンC、注意レベルは+3と対応付けられている。
本線を車両40Bが通行する場合、合流車線から本線へ進入する他車両40Aと衝突しないよう、左方向に注意する必要がある。そして、本線へ進入する他車両40Aの動向により、追越車線への車線変更が必要となる場合があり、また、追越車線から本線へ進入してくる他車両40Cと衝突しないよう、右方向にも注意する必要がある。このため、区間KO7は、注意パターンD、注意レベル+3と対応付けられる。
追越車線を車両40Cが通行する場合、本線を走行する車両40Bが車線変更をして追越車線へ進入してくる可能性があるため、左方向を注意しておく必要がある。しかし、合流車線や本線を走行する場合と比較して、追越車線を走行する場合の注意レベルは低くてもよい。これは、車両40Aが合流車線から本線へ合流するときには、合流後の車の流れに乗るために加速度が大きくなることが考えられるが、車両40Bが本線から追い越し車線への車線変更するときには、合流車線から本線へ合流するときほど大きな加速度で車線変更をしないので、合流の場合よりも車線変更の場合の方が衝突の危険が小さいためである。このため、追越車線における区間KO7は、注意パターンB、注意レベル+2と対応付けられる。
図17は、一般的な道路と比較して道幅が狭い道路と注意情報560との関係を説明する図である。図17においては、道幅が狭いため中央線がない道路における区間KO8を示す。このような道路を車両30が通行する場合、一般的な道路と比較して、対向車両や歩行者や電柱などにより注意して通行する必要がある。このため区間KO8は、注意パターンD、注意レベル+3と対応付けられる。
図18は、自転車専用道路と並走する道路と注意情報560との関係を説明する図である。図18において、区間KO9は、自転車専用道路と並走しない区間であり、区間KO10は、自転車専用道路と並走する区間である。自転車専用道路と並走する区間を車両30が通行する場合、制御部300は、車両30の前方及び後方に加え、車両30の左方向を走行する自転車に対して警戒するようにミリ波レーダーを制御する必要がある。このため、区間KO9は、注意パターンA、注意レベル+1と対応付けられる。なお、区間KO10は、注意パターンB、注意レベル+2と対応付けられる。
図19は、区間に隣接する交通標識と注意情報560との関係を説明するための図である。図19において、区間KK1は、道路に隣接する交通標識である信号機を有する区間である。区間KK1を車両30が通行する場合、制御部300は、信号機が併設された交差点等での他車両や歩行者との衝突に警戒するようにミリ波レーダーを制御する必要がある。このため、区間KK1は、注意パターンA、注意レベル+2と対応付けられる。ここで、信号機が併設されていない交差点に対応する区間と比較して、信号機が併設されている交差点に対応する区間である区間KK1の注意レベルは高く設定されている。信号機が併設されていない区間と比べて、道路に信号機が併設されている区間は、交通量が多いことや、歩行者の飛び出しの危険がある場所であると推測できる。そこで、本実施形態においては、道路に信号機が併設されている区間については、注意レベルを高くする。なお、一時停止の交通標識または交通標示や、停止線の交通標識または交通標示などの他の交通標識においても注意レベルを上げてもよい。
図20は、道路に設けられたガードレールと注意情報560との関係を説明するための図である。図20(A)は、道路にガードレールが設けられている道路における注意情報560を示し、図20(B)は、道路にガードレールが設けられている道路における注意情報560を示す。図20(A)において、区間KA1は、注意パターンBであり、注意レベル+2と対応付けられている。図20(B)において、区間KA1および区間KA3は、それぞれ、注意パターンB、注意レベル+2と対応付けられている。一方、区間KA2は、それぞれ、注意パターンB、注意レベル+1と対応付けられる。これは、ガードレールがある区間は、ガードレールがない区間と比較して、車両30の左方向の歩行者や自転車等に衝突する危険が小さくなると考えられるためである。
B.第2実施形態:
図21は、本実施形態における注意情報560のデータ構造を説明するための図である。第1実施形態における注意情報560と比較して、本実施形態における注意情報560は、警戒情報が異なる。第1実施形態における警戒情報と比較して、本実施形態における警戒情報は、さらに、(i)警戒開始月日と、(ii)警戒終了月日と、(iii)警戒曜日と、(iv)警戒開始時間と、(v)警戒終了時間とを備えるが、(vi)警戒時間コードを備えない点が異なる。それ以外は、本実施形態における注意情報560と第1実施形態における注意情報560とは同じである。
本実施形態における注意情報560は、第1実施形態における注意情報560と比較して、警戒時間コードの一覧を持つ必要がなくなるというメリットを有する。「警戒開始月日」とは、警戒を開始する月日を示す。「警戒終了月日」とは、警戒を終了する月日を示す。「警戒曜日」とは、警戒を実施する曜日を示す。「警戒開始時間」とは、警戒を開始する時間を示す。「警戒終了時間」とは、警戒を終了する時間を示す。
図21に示すとおり、警戒情報ID「Caution_INFO_ID_0001」の警戒情報は、レーン番号が2,3,4のレーンについて、4月1日から7月31日までの月曜日から金曜日であって、午前8時から午前10時の間において、制御部300が、注意パターンB、注意レベル+2で車両の周囲の警戒を行うべく、ミリ波レーダーの制御を行うことを示す。
図22は、本実施形態における注意情報560と道路の周囲に位置する地物との関係を示す図である。図22は、小学校に隣接する区間KP1の注意情報560を示す図である。図22(A)は、小学生の通学時間における注意情報560を示し、図22(B)は、夜間における注意情報560を示す。この図において、「警戒開始時間」を「S時間」と示し、「警戒終了時間」を「E時間」と示す。
車両30が区間KP1の端点T1から端点T2に向かって走行するとする。区間KP1の注意情報560は、3つの警戒情報と対応する。図22(A)に示すとおり、1つ目の警戒情報は、警戒開始時間が8時から10時であって、注意パターンBであり、注意レベルは+2である情報を含む。2つ目の警戒情報は、警戒開始時間が15時から17時であって、注意パターンBであり、注意レベルは+2である情報を含む。8時から10時まで及び15時から17時までは、登下校時間帯であり、小学校から子供が飛び出してくる可能性があるため、制御部300は、車両の前方及び後方に加え、小学校が存在する左前方及び左後方を警戒するようにミリ波レーダーを制御する。また、図22(B)に示すとおり、3つ目の情報は、警戒開始時間が22時から4時であって、注意パターンAであり、注意レベルは+1である情報を含む。22時から4時までは、小学校から子供が飛び出してくる可能性が低いため、制御部300は、車両30の前方及び後方のみ警戒するようにミリ波レーダーを制御する。なお、4時から8時及び10時から15時における時間帯は、別途、固定の注意パターン及び注意レベルを設定してもよい。
このようにすることにより、運転支援システム10は、小学生が小学校に登校している時間帯および下校している時間帯のみ車両と障害物との衝突防止のための制御をすることができる。このような例は学校に限ったことはなく、例えば、公園やバス停などに応用することが出来る。公園に隣接する区間の場合は、例えば、日中の時間帯の注意レベルを夜間の時間帯の注意レベルよりも上げてもよい。バス停に隣接する区間の場合は、例えば、バスの運行時間内の注意レベルを運行時間外の時間帯の注意レベルよりも上げてもよい。いずれの場合も、注意パターンについても時間帯に応じて変更してもよい。なお、24時間営業を行っているレストランやコンビニエンスストアなどに隣接する区間は、警戒開始時間や警戒終了時間を設けず、終日、注意パターンや注意レベルを同じ状態に設定してもよい。
図23は、本実施形態における注意情報560並びに道路に隣接する地物と道路形状との関係を示す図である。図23は、小学校に隣接する区間であって、車両30の進行方向に対して右方向のカーブ区間KP2の注意情報560を示す図である。図23(A)は、小学生の通学時間における注意情報560を示し、図23(B)は、平日の夜間における注意情報560を示し、図23(C)は、休日における注意情報560を示す。この図において、「警戒曜日」を「曜日」と示す。
区間KP2の注意情報560は、5つの警戒情報と対応する。図23(A)に示すとおり、1つ目の警戒情報は、警戒曜日が月曜日から金曜日であって警戒開始時間が8時から10時であり、注意パターンDであって、注意レベル+3である情報を含む。2つ目の警戒情報は、警戒開始時間が15時から17時であって、注意パターンDであって、注意レベル+3である情報を含む。このようにすることにより、車両30と対向車両との衝突を避けるため、制御部300は、カーブ前方の方向である車両30の前方及び後方に加え、右前方及び右後方に注意するだけでなく、登校中の小学生や下校中の小学生を注意するために、車両30の左前方及び左後方に注意するようにミリ波レーダーを制御することができる。
また、図23(B)に示すとおり、区間KP2の注意情報560に含まれる3つ目の警戒情報は、警戒曜日が月曜日から金曜日であって警戒開始時間が22時から4時であり、注意パターンCであって、注意レベル+1である情報を含む。このようにすることにより、小学生の飛び出しの可能性が低いと考えられる夜間においては、車両30と対向車両との衝突を避けるため、制御部300は、カーブ前方の方向である車両30の前方及び後方に加え、右前方及び右後方に注意するようにミリ波レーダーを制御することができる。
また、図23(C)に示すとおり、区間KP2の注意情報560に含まれる4つ目の警戒情報は、警戒曜日が土曜日および日曜日であって警戒開始時間が8時から10時であり、注意パターンCであって、注意レベル+2である情報を含む。注意情報560に含まれる5つ目の警戒情報は、警戒曜日が土曜日および日曜日であって警戒開始時間が15時から17時であり、注意パターンCであって、注意レベル+2である情報を含む。このようにすることにより、小学生の飛び出しの可能性が低いと考えられる休日においては、車両30と対向車両との衝突を避けるため、制御部300は、カーブ前方の方向である車両30の前方及び後方に加え、右前方及び右後方に注意するようにミリ波レーダーを制御することができる。図23に示すとおり、本実施形態によれば、時間や曜日や期間によって、柔軟に注意すべき方向やレベルを設定することが出来る。
C.第3実施形態:
図24は、本実施形態における注意情報560のデータ構造を説明するための図である。第2実施形態における注意情報560と比較して、本実施形態における注意情報560は、警戒情報が異なる。第2実施形態における警戒情報と比較して、本実施形態における警戒情報は、さらに、(i)警戒天気情報を備える点が異なるが、それ以外は同じである。「警戒天気」とは、警戒を実施する天気を示す。本実施形態における注意情報560は、第2実施形態における注意情報560と比較して、天気に応じた警戒情報を区間ごとに設定することができ、より、走行環境に即した適切な制御を行うことが可能となる。なお、本実施形態のように警戒天気情報を備えるのではなく、第1実施形態または第2実施形態におけるデータ構造を採用し、雨や雪の場合に、一律で注意レベルを上げる設定を行うこととしてもよい。この例として、雨の場合は、注意レベルを1上げ、雪の場合は、注意レベルを2上げるとしてもよい。
図25は、本実施形態における注意情報560と天気との関係を示す図である。図25は、天気が雪である場合における区間KP3の注意情報560を示す図である。図25(A)は、日中における注意情報560を示し、図25(B)は、夜間における注意情報560を示す。この図において、「警戒開始月日」を「S月日」と示し、「警戒終了月日」を「E月日」と示し、「警戒天気」を「天気」と示す。
区間KP3の注意情報560は、2つの警戒情報を含む。図25(A)に示すとおり、1つ目の警戒情報は、警戒月日が11月1日から2月28日であり、天気が雪であって、警戒時間が10時から16時であり、注意パターンAであって、注意レベル+2である情報を含む。図25(B)に示すとおり、2つ目の警戒情報は、警戒月日が11月1日から2月28日であり、天気が雪であって、警戒時間が20時から2時であって、注意パターンAであって、注意レベル+3である情報を含む。なお、本実施形態において、区間KP3は、直線道路を示す区間であるため、通常の注意レベルは+1である。図25(A)では、日中であっても降雪時において、日中は運転者の視界が悪くなるため、注意レベルは+2である。図25(B)では、夜間は運転者の視界が日中よりさらに悪くなるため、注意レベルは+3である。本実施形態において、天気の判定は、車両30に設けられたワイパーの使用の有無と室外温度計とにより判定する。具体的には、ワイパーが起動しており、かつ、気温が0℃未満の場合には雪と判断される。なお、注意情報560を取得する際に、併せて、天気情報が取得されてもよい。このようにすることにより、天気に応じて運転支援を行うことができる。
D.第4実施形態:
図26は、本実施形態における注意情報560を説明するための図である。図26において、図面左側には、注意方向を示し、図面右側には注意情報560に含まれる道路の区間ごとの注意方向を示す。つまり、第1実施形態において注意パターンにより、警戒すべき方向を設定する代わりに(図3参照)、本実施形態においては、6方向に分かれた注意方向により、警戒すべき方向を設定する。
本実施形態において、注意方向として、6方向を有する。方向1は、車両30の左前方を示す方向である。方向2は、車両30の前方を示す方向である。方向3は、車両30の右前方を示す方向である。方向4は、車両30の進左後方を示す方向である。方向5は、車両30の後方を示す方向である。方向6は、車両30の右後方を示す方向である。
図26において、区間KT1から区間KT4における注意情報560の一例を示す。例えば、区間KT1においては、方向1の注意レベルは0であり、方向2の注意レベルは+3であり、方向3の注意レベルは+3であり、方向4の注意レベルは0であり、方向5の注意レベルは+1であり、方向6の注意レベルは+3である。このように6方向それぞれに異なる注意レベルを設定することが可能であるため、注意パターンにより警戒すべき方向とレベルを設定する場合に比べ、より細やかに車両の周囲の障害物との衝突防止に関する支援を行うことができる。
図27は、本実施形態における警戒情報のデータ構造を説明するための図である。上記実施形態と同様に、警戒情報は、注意情報560に含まれる。図27は、警戒情報ID「CAUTION_INFO_ID_0001」のデータ構造を示す。この警戒情報は、レーン番号、警戒時間コードと、注意方向と、各注意方向における注意レベルとを備える。なお、図27は、図8と対比することにより、第1実施形態と第4実施形態との違いを明確に理解することができる。このように、各注意方向における注意レベルを設定することが可能であるので、制御部300は、ミリ波レーダーに対して各注意方向に応じたより細やかな制御を行うことができる。例えば、右前方へのみ警戒する必要がある場合には、方向3のセンサの出力のみを上げればよい。また、第2実施形態または第3実施形態における警戒情報における「注意パターン」を本実施形態の6方向の「注意方向」に代えて記憶することも可能である。
図28は、第2実施形態における警戒情報を、注意方向と各注意方向における注意レベルとであらわした図である。なお、図28は、図21と対比することにより、第2実施形態と第4実施形態との違いを明確に理解することができる。
図29は、第3実施形態における警戒情報を、注意方向と各注意方向における注意レベルとであらわした図である。なお、図29は、図24と対比することにより、第3実施形態と第4実施形態との違いを明確に理解することができる。
図30は、高速道路と注意情報560との関係を説明する図である。図30(A)は、車両30が高速道路の本線である区間KT5を通行中の場合を示し、図30(B)は、車両30が高速道路の合流車線である区間KT6を通行中の場合を示す。
図30(A)に示すとおり、本線を車両30が通行する場合、合流車線から本線へ進入する他車両と衝突しないよう、車両30の前方及び左前方を警戒する必要がある。そして、本線へ合流車線から進入する車両30の動向により、追越車線への車線変更が必要となる場合があるため、制御部300は右前方についても、予め警戒するようにミリ波レーダーを制御しておく必要がある。このため、本線における区間KT5の警戒情報は、方向1の注意レベルは+3であり、方向2の注意レベルは+3であり、方向3の注意レベルは+2であり、方向4の注意レベルは+1であり、方向5の注意レベルは+1であり、方向6の注意レベルは+2である。
図30(B)に示すとおり、合流車線から本線へ車両30が進入する場合、車両30と本線を走行する他車両とが衝突しないよう、制御部300は進行方向及び右前方を警戒するようにミリ波レーダーを制御する必要がある。このため、区間KT6における警戒情報は、方向1の注意レベルは0であり、方向2の注意レベルは+3であり、方向3の注意レベルは+3であり、方向4の注意レベルは0であり、方向5の注意レベルは+1であり、方向6の注意レベルは+3である。
図31は、図30(A)の状態における運転支援の例を示す図である。図31(A)は、本線を車両30が通行する場合の運転支援として、車両30の制御部300が、音声案内を行う例を示す。音声案内の内容としては、「間もなく合流地点です。左側から合流する車にご注意ください」との内容が挙げられる。また、音声案内の代わりに、注意を惹起させるための画像を表示部320へ表示してもよい。
図31(B)は、本線を車両30が通行する場合の運転支援として、制御部300が、車線変更を行うようにハンドルまたは/及びブレーキを制御する例を示す。具体的には、制御部300は、注意レベルの高い方向(例えば、方向1や方向2)のミリ波レーダーのサンプリング間隔を短縮し、ミリ波レーダーが本線へ合流する車両を検出した場合に、制御部300は、車両30のハンドルまたは/及びブレーキを制御することにより、追越車線へ車線変更を行ってもよい。
図32は、車両30の後方を通行する車両と注意情報560との関係を説明する図である。図32(A)は、高速道路において合流車線から本線へ合流した区間である区間KT7を車両30が走行する場合を示し、図32(B)は、車両30がカーブを走行する場合を示す。区間KT6は、図30における区間KT6と同じであり、高速道路の合流車線である区間を示す。
合流車線から本線へ進入した車両が区間KT7を走行する場合、車両30の速度がまだ加速中であり、本線を走行する後続車両と比較して遅い場合が考えられる。このような場合、車両30は、本線を走行している後続車両から追突される可能性があるため、後方を警戒する必要がある。このため、区間KT7における注意情報560は、方向1の注意レベルは+1であり、方向2の注意レベルは+2であり、方向3の注意レベルは+2であり、方向4の注意レベルは+1であり、方向5の注意レベルは+3であり、方向6の注意レベルは+2である。つまり、制御部300は後続車両との距離が近いかどうかを警戒するために方向5に対応するミリ波レーダーのサンプリング間隔を短縮することができる。
また、図32(B)に示すとおり、区間KT8は、車両30の進行方向に対して右側にカーブする区間である。カーブのように車両30の速度が落ちやすい区間においては、車両30の速度が後続車両と比較して遅い場合が考えられる。このため、区間KT8における注意情報560は、方向1の注意レベルは+1であり、方向2の注意レベルは+3であり、方向3の注意レベルは+1であり、方向4の注意レベルは+2であり、方向5の注意レベルは+3であり、方向6の注意レベルは+2である。つまり、車両の右前方である方向2の注意レベルを上げつつ、車両30の後方である方向5の注意レベルを上げることにより、制御部300は後続車両との距離が近いかどうかを警戒するために、車両後方に対応するミリ波レーダーのサンプリング間隔を短縮することができる。
図33は、時間帯と注意情報560との関係を説明する図である。図33において時間帯を「時」と示す。区間KT10は、小学校に隣接する区間である。昼間における区間KT10の警戒情報は、方向1の注意レベルは+3であり、方向2の注意レベルは+3であり、方向3の注意レベルは+3であり、方向4の注意レベルは+1であり、方向5の注意レベルは+1であり、方向6の注意レベルは+1である。夜間における区間KT10の警戒情報は、方向1の注意レベルは+1であり、方向2の注意レベルは+3であり、方向3の注意レベルは+1であり、方向4の注意レベルは+1であり、方向5の注意レベルは+1であり、方向6の注意レベルは+1である。
小学校に隣接する区間では、子どもの飛び出しが考えられ、これに注意する必要がある。しかし、通学の時間帯である昼間と比べると、夜間は子どもの飛び出しの可能性が低い。このため、昼間においては、子どもの飛び出しに注意して、車両30の前方の3方向(前方並びに右前方及び左前方)の注意レベルを上げ、夜間においては、車両30の右前方および左前方の方向の注意レベルを下げてもよい。
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
E1.変形例1:
上記実施形態において、フローチャート(図13参照)を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、以下のようなフローチャートとしてもよい。
図34は、変形例1におけるフローチャートである。まず、ステップS100において、制御部300は、経路データがないかもしくは経路から外れたかどうかを判断する。本変形例において、経路データがないとは、(i)出発地から目的地までの経路が設定されていない場合、(ii)所定範囲で複数の経路を設定した場合であって、その所定の範囲を超える虞がある場合、(iii)候補経路から外れた場合を示す。ここで、(ii)所定範囲で複数の経路を設定した場合であって、その所定の範囲を超える虞がある場合とは、経路の仮目的地へ近づいたときをいう。なお、仮目的地は以下に詳述する。また、経路から外れた場合とは、現在位置取得部340により取得した現在位置が経路から所定距離だけ離れた場合をいう。
経路データがあるかもしくは経路から外れていないと制御部300が判断した場合(ステップS100:NO)、フローはステップS140に進む。一方、経路データがないかもしくは経路から外れたと制御部300が判断した場合(ステップS100:YES)、ステップS110において、制御部300は、出発地及び目的地が設定済みか否かを判断する。ここでいう出発地は、ユーザが任意に設定した地点のほか、現在地取得部340により取得された現在地でもよい。また、目的地とは、ユーザが任意に設定した地点である。
制御部300により出発地及び目的地が設定済みであると判断された場合(ステップS110:YES)、制御部300は、現在地取得手段340から取得した現在地、及び/または、入力部350を介してユーザが入力した出発地や目的地等の経路探索条件について車両通信部310を介してサーバ50へ送信する。サーバ50は、サーバ通信部52を介して経路探索条件を受信する。そして、サーバ50の経路探索部58が、道路NWデータ568を用いて経路探索条件にしたがって経路探索を行い、経路データを作成する(ステップS120)。制御部54は、経路データに対応する区間の注意情報560をデータベース56から抽出する。制御部54は、サーバ通信部52を介して、経路データと経路データに対応する注意情報560とを車両30へ送信する。制御部300は、車両通信部310を介して受信した経路データと注意情報560とを一時記憶部370へ記憶する(ステップS130)。なお、この際、サーバ50は、経路設定部58が設定した、経路全てに対応する経路データ及び経路データに対応する注意情報560を車両30に送信してもよいし、経路の一部に対応する経路データ及び経路データに対応する注意情報560を車両30に送信し、車両30の進行に伴って残りのデータの一部または全部を送信するようにしてもよい。
その後、ステップS140において、制御部300は、現在位置取得部340により現在位置を取得し、ステップS150において、制御部300は、注意情報560における現在位置を探索し、フローはステップS200(図36)へ進む。
一方、制御部300により出発地及び目的地が設定済みでないと判断された場合(ステップS110:NO)、ステップS160において、制御部300は、複数の仮目的地の設定要求と現在位置情報とをサーバ50へ車両通信部310を介して送信する。そして、サーバ50の制御部54は、サーバ通信部52を介して複数の仮目的地の設定要求と現在位置情報とを受信すると、現在位置を出発地として、複数の仮目的地を設定する。そして、経路探索部58が、道路NWデータ568により出発地から仮目的地までの経路探索を行い、複数の候補経路を含む経路データを作成する(ステップS160)。なお、この経路探索の方法に代えて、現在位置周辺をくまなく走るような巡回経路を探索する方法としてもよい。
仮目的地について説明する。例えば、出発地から目的地までの経路を設定せずに運転支援システム10を利用する場合には、予め設定された経路がないため、運転支援のためにサーバ50から車両30へ送信すべき注意情報560、道路NWデータ568の範囲を決定することが不可能である。そこで、出発地から目的地までの経路が設定されていない場合にも、現在位置周辺に複数の仮目的地を設定し、複数の仮の経路を探索しておくことで、運転支援システム10が利用可能となる。
図35は、仮目的地の設定方法を説明する図である。具体的には、制御部54は、現在位置情報が示す現在位置から同心円状に所定距離離れた複数の地点を複数の仮目的地として設定する。なお、仮目的地の設定は、複数の仮目的地が設定できればどのような方法でもよい。例えば、多角形の範囲を設定し、その頂点を仮目的地としてもよいし、現在位置から一定範囲内のある特定のジャンルの建物を仮目的地として設定してもよい。
図35(A)は、現在位置から同心円状に複数の仮目的地X1,X2,X3,X4を設定した場合の図である。図35(B)は、車両30が仮目的地X1付近まで移動した様子を示す図である。図35(C)は、車両30が仮目的地X1に移動した場合に、仮目的地X1から同心円状に複数の仮目的地Y1,Y2,Y3,Y4を新たに設定する場合の図である。制御部300が、車両30が移動したことで仮目的地のいずれかに到達したと判断した場合、制御部300は、到達した仮目的地(現在位置)の情報について車両通信部310を介してサーバ50へ送信する。そして、制御部54は、車両30からサーバ通信部52を介して受信した情報が示す仮目的地(現在位置)を出発地とし、新たな複数の仮目的地を設定する。なお、制御部300は、車両30が仮目的地へ到達したか否かを現在地取得部340により取得された現在位置情報と、前回設定した複数の仮目的地の位置情報とを比較することにより判断する。このように、ステップS160(図34参照)では、現在位置に連動して複数の仮目的地を設定して、複数の候補経路を探索する。
経路探索部58が複数の候補経路を探索した(ステップS160)後、制御部54は、経路データに対応する区間の注意情報560をデータベース56から抽出する。制御部54は、サーバ通信部52を介して、複数の候補経路データ及びそれに対応する注意情報560を車両30に送信する。制御部300は、車両通信部310を介してサーバ50より受信した経路データ及び注意情報560を一時記憶部370に記憶する(ステップS170)。なお、この際、ステップS130と同様に、サーバ50が経路データ及び注意情報560の一部を車両30に送信し、車両30の進行に伴って、残りの経路データ及び注意情報560の一部または全部を車両30に送信するようにしてもよい。ステップS170の終了後、フローはステップS140に進む。
図36は、ステップS150の続きを示すフローチャートである。ステップS150の後、ステップS200において、制御部300は、現在位置から所定区間前方の区間までの候補経路に対応する注意情報560を一時記憶部370から読出し済みであるか否かを判断する。現在位置から所定区間前方の区間の注意情報560を読出し済みである場合(ステップS200:YES)、フローは、ステップS400(図38)に進む。
一方、現在位置から所定区間前方の区間までの候補経路に対応する注意情報560を読出し済みでない場合(ステップS200:NO)、ステップS210において、制御部300は、出発地及び目的地が設定済みか否かを判断する。ここで、出発地及び目的地が設定済みであるとは、ステップS110と同様の場合をいう。つまり、出発地とは、ユーザが任意に設定した地点のほか、現在地取得部340により取得された現在地などを示す。また、目的地とは、ユーザが任意に設定した地点を示す。
出発地及び目的地が設定済みである場合(ステップS210:YES)、ステップS220において、制御部300は、現在位置から所定区間前方の区間までの経路データに対応する注意情報560を一時記憶部370から読み出す。その後、フローはステップS400(図38)に進む。
一方、出発地及び目的地が設定済みでない場合(ステップS210:NO)、ステップS230において、制御部300は、現在位置に対応する区間(以下、「現在地区間」ともいう。)に対応する警戒情報が1種類であるか否かを判断する。現在地区間の警戒情報が1種類である場合(ステップS230:YES)、ステップS240において、制御部300は、さらに、現在地区間から所定区間前方の区間までに対応する警戒情報が1種類であるか否かを判断する。現在地区間の警戒情報が1種類ではない場合(ステップS230:NO)、フローはステップS260に進む。現在地区間の警戒情報が1種類である場合、ステップS240において、制御部300は、現在地区間から所定区間前方の区間までの候補経路に対応する警戒情報が1種類であるか否かを判断する。ここでいう、警戒情報が1種類であるとは、1つの区間に対して進行先区間に応じた警戒情報が1つ付与されていることをいう。つまり、1つの区間に対応する注意情報560に進行先に応じて異なる2つ以上の警戒情報が含まれていれば、警戒情報は2種類となる。
図37は、現在地区間から所定区間前方の区間までの候補経路に対応する警戒情報が1種類であるか否かの判断方法を説明する図である。図37に示すように、区間KD0から区間KD6までの区間があり、各区間は注意情報560と対応付けられているとする。なお、各区間の端点は、注意情報560の端点を示している。また、区間KD0から区間KD6に対応する全ての道路は、片道1車線の道路であるとする。そして、以下で説明する例においては、車両30は区間KD0から区間KD4に向かって走行するか、区間KD0から区間KD2を通って区間KD6に向かって走行するとする。
図37において、車両30が区間KD0から区間KD6へ向かって走行する場合及び区間KD0から区間KD4へ向かって走行する場合、いずれも警戒情報に含まれる「進行方向」が、「順方向」または「双方向」の情報を用いる。区間KD0から区間KD6について、「進行方向」が「順方向」または「双方向」である警戒情報の注意パターン及び注意レベルについて説明する。区間KD0の警戒情報は、注意パターンA、注意レベル+1、進入区間KD7、退出区間KD1を含み、区間KD1の警戒情報は、注意パターンA、注意レベル+2、進入区間KD0、退出区間KD2を含み、区間KD3の警戒情報は、注意パターンA、注意レベル+1、進入区間KD2、退出区間KD4を含み、区間KD4の警戒情報は、注意パターンA、注意レベル+2、進入区間KD3、退出区間KD8を含み、区間KD5の警戒情報は、注意パターンB、注意レベル+2、進入区間KD2、退出区間KD6を含み、区間KD6の警戒情報は、注意パターンA、注意レベル+1、進入区間KD5、退出区間KD9を含む。また、区間KD2は注意パターンA、注意レベル+2、進入区間KD1、退出区間KD3の警戒情報と、注意パターンC、注意レベル+3、進入区間KD1、退出区間KD5の警戒情報と対応している。区間KD2において複数の警戒情報と対応しているのは、区間KD3へ向かう場合と区間KD5へ向かう場合とでは制御部300がミリ波レーダーに対して行なう制御が異なるからである。例えば、区間KD2から区間KD5へと右折をする場合、区間KD2において対向車との衝突に注意する必要がある。そこで、制御部300は、注意パターンC、注意レベル+3、進入区間KD1、退出区間KD5の警戒情報によりミリ波レーダーの制御を行う必要がある。一方、区間KD2から区間KD3へ走行する場合には、車両の前方及び後方に対してのみ警戒を行えばいいので、制御部300は、注意パターンA、注意レベル+2、進入区間KD1、退出区間KD3の警戒情報に応じたミリ波レーダーの制御を行う。
図37において、現在位置区間を区間KD0とする。この場合、ステップS230における現在地区間の警戒情報は1種類となる。また、ステップS240における所定区間を1区間とする。そうすると、現在地区間から1区間前方までの警戒情報は、1種類である。この場合、ステップS240における現在地区間から所定区間前方の区間までの候補経路に対応する警戒情報は1種類となり(ステップS240:YES)、フローは、ステップS250に進む。
一方、現在地区間を区間KD1とし、ステップS240における所定区間を1区間とする。そうすると、現在地区間から1区間前方の区間までの警戒情報は、区間KD2が2種類の警戒情報と対応するため、2種類である。この場合、ステップS240における現在地区間から所定区間前方の区間までの候補経路に対応する警戒情報は1種類ではないとなり(ステップS240:NO)、フローは、ステップS270に進む。
ステップS250において、制御部300は、現在位置から所定区間前方の区間までの候補経路に対応する注意情報560を読み出す。例えば、所定区間が1区間であり、現在地区間がKD0であるとする。この場合、制御部300は、区間KD0及び区間KD1の注意情報560を一時記憶部370から読み出す。その後、フローはステップS400(図38)に進む。
ステップS260において、制御部300は、ドライバーの操作により進行先を特定し、注意情報560を一時記憶部370から読み出す。ドライバーの操作により進行先を特定する方法については上述した。さらに、制御部300は、現在地区間の1つ先の区間から所定区間前方までにおいて、警戒情報が1種類である区間までの注意情報560を読み出す。例えば、ドライバーが区間KD2を走行する際に、ハンドルを右に切ったとする。この場合、制御部300は、ドライバーが区間KD5へ進入しようとしていると判断し、区間KD5の注意情報560の注意情報560を一時記憶部370から読み出す。その後、フローはステップS400(図38)に進む。
ステップS270において、制御部300は、現在地区間から警戒情報が1種類である区間までの注意情報560を一時記憶部370から読み出す。例えば、所定区間が2区間と設定されており、現在地区間は区間KD0であるとする。この場合、警戒情報が1種類である区間は区間KD1までである。そこで、制御部300は、区間KD0及び区間KD1の注意情報560を一時記憶部370から読み出す。その後、フローはステップS400(図38)に進む。
図38は、ステップS400からのフローを示すフローチャートである。ステップS400において、制御部300は、現在位置が制御対象の道路区間内であるか判断する。現在位置が制御対象の道路区間内でない場合(ステップS400:NO)、フローはステップS430に進む。一方、現在位置が制御対象の道路区間内である場合(ステップS400:YES)、制御部300は、ステップS420において、一時記憶部370から読み出した注意情報560が示す注意パターン及び注意レベルに応じてミリ波レーダーを制御する。
ステップS422において、制御部300は、ミリ波レーダーが他車両や歩行者等を検出した否かを判断する。ミリ波レーダーが他車両や歩行者等を検出した場合(ステップS422:YES)、制御部300は、他車両や歩行者との衝突防止のために必要なアクセルやブレーキ等の車両制御を行う。一方、ミリ波レーダーが他車両や歩行者等を検出していない場合(ステップS422:NO)、フローはステップS430に進む。そして、ステップS430において、制御部300は、現在位置取得部340により現在位置情報を取得する。
ステップS440において、制御部300は、車両30が目的地に到着したか、もしくは車両30のエンジンがオフにされたかを判断する。車両30が目的地に到着しておらず、車両30のエンジンがオフになっていない場合(ステップS440:NO)、フローはステップS100(図34参照)に進む。一方、車両30が目的地に到着したか、もしくは車両30のエンジンがオフにされた場合(S440:YES)、フローは終了する。
E2.変形例2:
上記実施形態において、道路の複数の区間へ注意情報560を対応させる方法として、例えば、道路上の地物に対して対応させる方法を用いてもよい。地物は、地上にある一切の物を示し、例えば、電柱や、建物や樹木、信号機、標識などが挙げられる。例えば、ある電柱Aから他の電柱Bまでの間を、注意情報560を対応させる区間として定義する方法がある。
E3.変形例3:
上記実施形態において、検出部360としては、例えば、レーザーレーダーや赤外線レーダー、音波レーダー(ソナー)などの他のレーダーを用いても良く、ステレオカメラなどのカメラを用いても良い。
E4.変形例4:
上記実施形態において、検出部360の個数は、1つでもよく、6つ以外の複数個でもよい。検出部360が1つの例としては、360°探知可能なレーダーを1つ用いる態様が挙げられる。また、上記実施形態において、検出部360は、車両の前方についても探知し、車両の後方についても探知しているが、車両の前方についてのみ探知を行なうとしてもよい。
E5.変形例5:
上記実施形態において、注意情報560は、車両の周囲の障害物との衝突防止のための警戒の要否が規定された情報としてもよい。このようにすることにより、車両の周囲の障害物との衝突防止に関する支援を、車両の周囲の障害物との衝突に対する注意が必要な道路区間においてのみ行なうことができる。こうすることで、注意の度合が規定された情報を記憶する場合に比べ、データ容量が小さくなり、コンピュータ処理の負荷も軽減される。
E6.変形例6:
上記実施形態において、車両30の制御部300は、さらに、音声や光や振動によって、現在または将来の運転支援情報を運転者に報知してもよい。
E7.変形例7:
上記実施形態において、車両30が右側通行する場合においても適用できる。
E8.変形例8:
上記実施形態において、運転支援システム10は、データベース56及び経路探索部58を車両30内に備え、制御部300がデータベース56及び経路探索部58を制御する構成であっても良い。
E9.変形例9:
上記実施形態において、注意情報560は他の情報と併用して用いても良い。他の情報としては、(i)道路の複数の区間のそれぞれと対応した、車両の加減速を制御するための加減速情報や、(ii)道路の複数の区間のそれぞれと対応した、車両の進行方向を制御するための進行方向情報があげることができる。加減速情報や進行方向情報の詳しい内容としては、例えば、特願2014−186414に記載された事項が参考にできる。
E10.変形例10:
上記実施形態においては、同一区間の複数のレーンに対応する注意パターン及び注意レベルが同一である場合には、同一区間の複数のレーンを代表するレーン番号のみを記憶するようにしてもよい。
図39(A)に示す区間KZ1は、順方向2車線、逆方向2車線の道路に対応する区間である。道路の順方向に向かって左側には公園、右側には小学校がある。図39(B)は、区間KZ1に対応する進行方向、レーン番号、注意パターン、注意レベルを示す表である。ここで、区間KZ1に対応するレーン全てにおいて、注意パターンD、注意レベルが+2である。よって、このような場合には、図39(C)に示すように、進行方向を双方向、レーン番号を0に設定し、区間KZ1に含まれる全てのレーンにおいて同じ注意パターンと注意レベルとであることを示す1つの警戒情報を記憶するようにしてもよい。こうすることで、レーン毎に警戒情報を記憶する場合に比べ、データ量を削減することができる。なお、この例では、レーン番号を0に設定したが他の番号であっても構わない。また、ある区間に対応する複数のレーンに含まれる一部のレーンにおいて、注意パターン及び注意レベルが同一である場合においても、その一部のレーンを代表するレーン番号を設定してもよい。例えば、ある区間に対応するレーンが5本あり、そのうち2本のレーンにおいて注意パターン及び注意レベルが同一である場合に、その2本のレーンの警戒情報としてレーン番号0を設定することが考えられる。
E11.変形例11:
上記実施形態においては、注意パターンBの場合に、車両の進行方向に対して前側と後ろ側及び前方左側と後方左側を警戒するのに加え、車両の進行方向に対して左側を警戒するようにミリ波レーダーを制御してもよい。また、注意パターンCについても同様に、車両の進行方向に対して前側と後ろ側及び前方右側と後方右側を警戒するのに加え、車両の進行方向に対して右側を警戒するようにミリ波レーダーを制御してもよい。注意パターンDについても同様に、車両の進行方向に対して前側と後ろ側及び前方右側と後方右側を警戒するのに加え、車両の進行方向に対して左側と右側とを警戒するようにミリ波レーダーを制御してもよい。
上記実施形態において、注意情報560は位置データを含むものとしたが、警戒情報が複数のレーン各々に対応する位置データを含むものとしてもよい。この場合、制御部300は、現在位置情報に基づいて車両30の現在の走行レーンを特定する。そして、車両30の現在の走行レーン及び現在の走行レーン前方の警戒情報を用いてミリ波レーダーの制御を行う。