JP2016177136A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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一哉 齋藤
Kazuya Saito
一哉 齋藤
康功 石ヶ谷
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康功 石ヶ谷
豊 池淵
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豊 池淵
圭太郎 正路
Keitaro Shoji
圭太郎 正路
嘉紀 山口
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嘉紀 山口
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【課題】加熱効率の向上を図ることができる定着装置を提供する。【解決手段】回転可能な定着ベルト21と、定着ベルト21を加熱する加熱源(ハロゲンヒータ23)と、定着ベルト21の外周面に当接する加圧ローラ22と、定着ベルト21の内側に設けられ、定着ベルト21を介して加圧ローラ22と対向してニップ部Nを形成するニップ形成部材24と、ニップ形成部材24を支持するステー25と、を備えた定着装置20において、定着ベルト21の回転速度を2以上の回転速度に切り替える回転速度切替手段61と、加熱源による定着ベルト21の加熱分布を変更する加熱分布変更手段(反射部材変位手段62)と、を有し、加熱分布変更手段は、回転速度切替手段61により切り替えられる回転速度に応じて、加熱源による定着ベルト21の加熱分布を変更する。【選択図】図11

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に対し、近年、省エネルギー化・高速化についての市場要求が強くなってきている。画像形成装置では、電子写真記録・静電記録・磁気記録等の画像形成プロセスにより、画像転写方式又は直接方式によって未定着トナー画像が記録媒体シート、印刷紙、感光紙、静電記録紙等の記録媒体に形成される。
未定着トナー画像を定着させるための定着装置としては、熱ローラ方式、フィルム加熱方式、電磁誘導加熱方式等の接触加熱方式の定着装置が広く採用されている。
定着装置の近年の課題として以下のものがある。
・ウォームアップ時間(電源投入時等に、定着装置が常温状態から印刷可能な所定の温度(リロード温度)まで昇温するのに要する時間)や、ファーストプリント時間(印刷要求を受けた後、印刷準備を経て印字動作を行い排紙が完了するまでの時間)の短縮化が望まれている(課題1)。
・また、画像形成装置の高速化に伴い、単位時間あたりの通紙枚数が増え、必要熱量が増大しているため、特に連続印刷の初めに熱量が不足する、いわゆる温度落ち込みが問題となっている(課題2)。
・さらに消費電力の削減といった社会的な要求を満たすことも課題となっている(課題3)
以上のような課題を解決するために、低熱容量の無端ベルトを金属熱伝導体を介さずに直接加熱する構成において、高生産の画像形成装置に搭載されても、良好な定着性を得ることができるようにした定着装置が提案され、既に知られている。この構成では、上記課題1〜3に対して、熱容量を下げるため定着ベルトをできるだけ小さなものにし、回転方向(周方向)の一部分だけを加熱する局部加熱方式となっている。
しかしながら、上記のように低熱容量の無端ベルトを用いた定着装置の場合、通紙時の長手方向(軸方向)の温度分布を均一に保つことが難しい。具体的には、小サイズの記録媒体が通過する領域(通紙部)では、記録媒体上の未定着トナーの加熱のために熱が消費されるが、非通紙部では記録媒体により熱が奪われないため、熱は加熱ローラ(定着ローラ)とベルトに蓄積し、この非通紙部のニップ部の温度が、所定温度に維持管理される通紙部のニップ部の温度よりも高くなる、いわゆる端部温度上昇が生じることが既に知られている。
これに対し、特許文献1には、フィルム加熱方式の加熱定着装置における小サイズ通紙時の非通紙部の昇温防止のために、定着ヒータ下流にヒートパイプ等の伝熱部材を配設し、伝熱部材を、定着フィルムを介して加圧ローラに圧接させる構成が開示されている。
しかしながら、特許文献1では、ウォームアップ時間の短縮や通紙初期の落ち込みなど、必要な部分でも熱がムダに吸熱されてしまい、省エネルギー性、定着性が低下するというという問題は解消できていない。また、端部温度上昇を吸熱する性能に特化した形状となっており、伝熱部材が当接することにより生じる温度落ち込み、省エネルギー性低下等の問題は解消できていない。このように加熱効率の向上に課題があった。
そこで本発明は、加熱効率の向上を図ることができる定着装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明に係る定着装置は、回転可能な定着部材と、前記定着部材を加熱する加熱源と、前記定着部材の外周面に当接する加圧部材と、前記定着部材の内側に設けられ、前記定着部材を介して前記加圧部材と対向してニップ部を形成するニップ形成部材と、該ニップ形成部材を支持する支持部材と、を備えた定着装置において、前記定着部材の回転速度を2以上の回転速度に切り替える回転速度切替手段と、前記加熱源による前記定着部材の加熱分布を変更する加熱分布変更手段と、を有し、前記加熱分布変更手段は、前記回転速度切替手段により切り替えられる回転速度に応じて、前記加熱源による前記定着部材の加熱分布を変更するものである。
本発明によれば、加熱効率の向上を図ることができる。
本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。 定着装置の基本構成を示す概略構成図である。 第1の構成例に係るニップ形成部材を備えた定着装置の概略側面断面図である。 図3に示す定着装置内のニップ部構成と端部温度上昇を示す概略図である。 第2の構成例に係るニップ形成部材を備えた定着装置の概略側面断面図である。 図5に示す定着装置内のニップ部構成と端部温度上昇を示す概略図である。 第3の構成例に係るニップ形成部材を備えた定着装置の概略側面断面図である。 図7に示す定着装置内のニップ部構成と端部温度上昇を示す概略図である。 第4の構成例に係るニップ形成部材を備えた定着装置の概略側面断面図である。 図9に示す定着装置内のニップ部構成と端部温度上昇を示す概略図である。 本発明に係る定着装置の一実施形態を示す概略構成図である。 本発明に係る定着装置の他の実施形態を示す概略構成図である。
以下、本発明に係る構成を図1から図12に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
(画像形成装置)
[構成]
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。図1に示す画像形成装置1は、カラーレーザープリンタであり、その装置本体の中央には、4つの作像部4Y,4M,4C,4Kが設けられている。各作像部4Y,4M,4C,4Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
具体的に、各作像部4Y,4M,4C,4Kは、潜像担持体としてのドラム状の感光体5と、感光体5の表面を帯電させる帯電装置6と、感光体5の表面にトナーを供給する現像装置7と、感光体5の表面をクリーニングするクリーニング装置8等を備える。なお、図1では、ブラックの作像部4Kが備える感光体5、帯電装置6、現像装置7、クリーニング装置8のみに符号を付しており、その他の作像部4Y,4M,4Cにおいては符号を省略している。
各作像部4Y,4M,4C,4Kの下方には、感光体5の表面を露光する露光装置9が配設されている。露光装置9は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体5の表面へレーザー光を照射するようになっている。
各作像部4Y,4M,4C,4Kの上方には、転写装置3が配設されている。転写装置3は、転写体としての中間転写ベルト30と、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ31と、二次転写手段としての二次転写ローラ36と、二次転写バックアップローラ32と、クリーニングバックアップローラ33と、テンションローラ34、ベルトクリーニング装置35を備える。
中間転写ベルト30は、無端状のベルトであり、二次転写バックアップローラ32、クリーニングバックアップローラ33及びテンションローラ34によって張架されている。ここでは、二次転写バックアップローラ32が回転駆動することによって、中間転写ベルト30は図の矢印で示す方向に周回走行(回転)するようになっている。
4つの一次転写ローラ31は、それぞれ、各感光体5との間で中間転写ベルト30を挟み込んで一次転写ニップを形成している。また、各一次転写ローラ31には、電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が各一次転写ローラ31に印加されるようになっている。
二次転写ローラ36は、二次転写バックアップローラ32との間で中間転写ベルト30を挟み込んで二次転写ニップを形成している。また、一次転写ローラ31と同様に、二次転写ローラ36にも電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ36に印加されるようになっている。
ベルトクリーニング装置35は、中間転写ベルト30に当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードを有する。このベルトクリーニング装置35から伸びた廃トナー移送ホースは、廃トナー収容器の入り口部に接続されている。
画像形成装置本体の上部には、ボトル収容部2が設けられており、ボトル収容部2には補給用のトナーを収容した4つのトナーボトル2Y,2M,2C,2Kが着脱可能に装着されている。各トナーボトル2Y,2M,2C,2Kと上記各現像装置7との間には、補給路が設けてあり、この補給路を介して各トナーボトル2Y,2M,2C,2Kから各現像装置7へトナーが補給されるようになっている。
一方、画像形成装置本体の下部には、記録媒体としての用紙Pを収容した給紙トレイ10や、給紙トレイ10から用紙Pを搬出する給紙ローラ11等が設けてある。ここで、記録媒体には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート等が含まれる。また、手差し給紙機構が設けてあってもよい。
画像形成装置本体内には、用紙Pを給紙トレイ10から二次転写ニップを通過させて装置外へ排出するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向上流側には、二次転写ニップへ用紙Pを搬送する搬送手段としての一対のレジストローラ12が配設されている。
また、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向下流側には、用紙Pに転写された未定着画像を定着するための定着装置20が配設されている。さらに、定着装置20よりも搬送路Rの用紙搬送方向下流側には、用紙を装置外へ排出するための一対の排紙ローラ13が設けられている。また、画像形成装置本体の上面部には、装置外に排出された用紙をストックするための排紙トレイ14が設けてある。
[基本的動作]
続いて、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の基本的動作について説明する。作像動作が開始されると、各作像部4Y,4M,4C,4Kにおける各感光体5が駆動装置によって図の時計回りに回転駆動され、各感光体5の表面が帯電装置6によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された各感光体5の表面には、露光装置9からレーザー光がそれぞれ照射されて、各感光体5の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体5に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように各感光体5上に形成された静電潜像に、各現像装置7によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
また、作像動作が開始されると、二次転写バックアップローラ32が図の反時計回りに回転駆動し、中間転写ベルト30を図の矢印で示す方向に周回走行させる。そして、各一次転写ローラ31に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加される。これにより、各一次転写ローラ31と各感光体5との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。
その後、各感光体5の回転に伴い、感光体5上の各色のトナー画像が一次転写ニップに達したときに、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、各感光体5上のトナー画像が中間転写ベルト30上に順次重ね合わせて転写される。かくして中間転写ベルト30の表面にフルカラーのトナー画像が担持される。また、中間転写ベルト30に転写しきれなかった各感光体5上のトナーは、クリーニング装置8によって除去される。その後、除電装置によって各感光体5の表面が除電され、表面電位が初期化される。
画像形成装置の下部では、給紙ローラ11が回転駆動を開始し、給紙トレイ10から用紙Pが搬送路Rに送り出される。搬送路Rに送り出された用紙Pは、レジストローラ12によってタイミングを計られて、二次転写ローラ36と二次転写バックアップローラ32との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ36には、中間転写ベルト30上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。
その後、中間転写ベルト30の周回走行に伴って、中間転写ベルト30上のトナー画像が二次転写ニップに達したときに、上記二次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト30上のトナー画像が用紙P上に一括して転写される。また、このとき用紙Pに転写しきれなかった中間転写ベルト30上の残留トナーは、ベルトクリーニング装置35によって除去され、除去されたトナーは廃トナー収容器へと搬送され回収される。
その後、用紙Pは定着装置20へと搬送され、定着装置20によって用紙P上のトナー画像が当該用紙Pに定着される。そして、用紙Pは、排紙ローラ13によって装置外へ排出され、排紙トレイ14上にストックされる。
以上の説明は、用紙上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つの作像部4Y,4M,4C,4Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つの作像部を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
(定着装置)
[構成]
図2は、本実施形態に係る定着装置の前提となる定着装置の基本構成を示す概略構成図である。先ず、図2を用いて、定着装置20の基本構成について説明する。
定着装置20は、回転可能な定着部材としての定着ベルト21と、定着ベルト21に対向して回転可能に設けられた加圧部材としての加圧ローラ22と、定着ベルト21内に設けられて定着ベルト21を加熱する加熱源としての2本のハロゲンヒータ23と、定着ベルト21の内側に配設されたニップ形成部材24と、ニップ形成部材24を支持する支持部材としてのステー25と、ハロゲンヒータ23から放射される光を定着ベルト21へ反射する反射部材26と、定着ベルト21の温度を検知する温度検知手段としての温度センサ27と、定着ベルト21から用紙を分離する分離部材28と、を備えている。また、加圧ローラ22は、加圧手段により定着ベルト21へ加圧される。
定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状のベルト部材(フィルムも含む)で構成されている。詳しくは、定着ベルト21は、ニッケルもしくはSUS等の金属材料又はポリイミド(PI)等の樹脂材料で形成された内周側の基材と、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等で形成された外周側の離型層によって構成されている。また、基材と離型層との間に、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等のゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。
加圧ローラ22は、芯金22aと、芯金22aの表面に設けられた発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等から成る弾性層22bと、弾性層22bの表面に設けられたPFA又はPTFE等から成る離型層22cによって構成されている。加圧ローラ22は、加圧手段によって定着ベルト21側へ加圧され、定着ベルト21を介してニップ形成部材24に当接している。この加圧ローラ22と定着ベルト21とが圧接する箇所では、加圧ローラ22の弾性層22bが押しつぶされることで、所定の幅のニップ部Nが形成されている。また、加圧ローラ22は、モータ等の駆動手段によって回転駆動するように構成されている。加圧ローラ22が回転駆動すると、その駆動力がニップ部Nで定着ベルト21に伝達され、定着ベルト21が従動回転するようになっている。
図2の例では、加圧ローラ22を中実のローラとしているが、中空のローラであってもよい。その場合、加圧ローラ22の内部にハロゲンヒータ等の加熱源を配設してもよい。また、弾性層が無い場合は、熱容量が小さくなり定着性が向上するが、未定着トナーTを押しつぶして定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部に光沢ムラが生じる可能性がある。これを防止するには、厚さ100μm以上の弾性層を設けることが望ましい。厚さ100μm以上の弾性層を設けることで、弾性層の弾性変形により微小な凹凸を吸収することができるので、光沢ムラの発生を回避することができるようになる。弾性層22bはソリッドゴムでもよいが、加圧ローラ22の内部に加熱源が無い場合は、スポンジゴムを用いてもよい。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルト21の熱が奪われにくくなるのでより望ましい。また、定着部材と加圧部材は、互いに圧接する場合に限らず、加圧を行わず単に接触させるだけの構成とすることも可能である。
各ハロゲンヒータ23は、それぞれの両端部が定着装置20の側板に固定されており、定着ベルト21内に設けられている。これにより定着ベルト21が内周側から輻射熱で直接加熱される。各ハロゲンヒータ23は、電源部により出力制御されて発熱するように構成されており、その出力制御は、温度センサ27による定着ベルト21の表面温度の検知結果に基づいて行われる。このようなハロゲンヒータ23の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定できるようになっている。
2本のハロゲンヒータ23の発熱領域を異ならせることで、用紙幅に対応した範囲で定着ベルト21を加熱することができる。例えば、2本のハロゲンヒータ23は、定着ベルト21の回転軸方向の通紙領域の中央部を加熱する中央側ヒータと、端部を加熱する端部側ヒータからなる。中央側ヒータは、所定サイズ(A4など)の用紙の通紙領域を主として加熱し、端部側ヒータは、所定サイズ(A3など)の用紙などの通紙時に、中央側ヒータとともに加熱される。また、各ハロゲンヒータ23が通紙領域全域を加熱するものであってもよい。なお、端部温度上昇は、ハロゲンヒータ23の発光長より通紙幅の狭い用紙を連続通紙した際に非通紙部で生じるものである。
定着ベルト21を加熱する加熱源の数は上記の例に限られるものではない。また、加熱源として、ハロゲンヒータ以外に、IHヒータ、抵抗発熱体、又はカーボンヒータ等を用いてもよい。
ニップ形成部材24は、定着ベルト21の軸方向又は加圧ローラ22の軸方向に渡って長手状に配設され、ステー25によって固定支持されている。これにより、加圧ローラ22による圧力でニップ形成部材24に撓みが生じるのを防止し、加圧ローラ22の軸方向に渡って均一なニップ幅が得られるようにしている。なお、ステー25は、ニップ形成部材24の撓み防止機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが望ましいが、ステー25を樹脂製とすることも可能である。ステー25の形状は、図2の例に限られるものではない。
また、ニップ形成部材24は、耐熱温度200℃以上の耐熱性部材で構成されている。これにより、トナー定着温度域で、熱によるニップ形成部材24の変形を防止し、安定したニップ部Nの状態を確保して、出力画質の安定化を図っている。ニップ形成部材24には、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の一般的な耐熱性樹脂を用いることが可能である。例えば、LCPである東レ社製のTI−8000を用いることができる。
また、ニップ形成部材24は、その表面に低摩擦シートを有している。定着ベルト21が回転する際、この低摩擦シートに対し定着ベルト21が摺動することで、定着ベルト21に生じる駆動トルクが低減され、定着ベルト21への摩擦力による負荷が軽減される。低摩擦シートの素材としては、例えば、東レ社製のトヨフロン(登録商標)401等が好ましい。
反射部材26は、ステー25とハロゲンヒータ23との間に配設されている。図2の例では、反射部材26をステー25に固定している。また、反射部材26は、ハロゲンヒータ23によって直接加熱されるため、高融点の金属材料等で形成されることが望ましい。このように反射部材26を配設していることにより、ハロゲンヒータ23からステー25側に放射された光が定着ベルト21へ反射される。これにより、定着ベルト21に照射される光量を多くすることができ、定着ベルト21を効率良く加熱することが可能となる。また、ハロゲンヒータ23からの輻射熱がステー25等に伝達されるのを抑制することができるので、省エネルギー化も図れる。
また、反射部材26を設けずに、ステー25のハロゲンヒータ23側の面を研磨又は塗装等の鏡面処理をし、反射面を形成してもよい。また、反射部材26又はステー25の反射面の反射率は、90%以上であることが望ましい。
ただ、ステー25はその強度を確保するために形状や材質が自由に選択できないため、反射部材26を別途設けた方が、形状や材質の選択の自由度が広がり、反射部材26とステー25はそれぞれの機能に特化することができる。また、反射部材26をハロゲンヒータ23とステー25との間に設けることにより、ハロゲンヒータ23に対する反射部材26の位置が近くなるので、定着ベルト21を効率良く加熱することが可能となる。
また、定着装置20は、さらなる省エネルギー性及びファーストプリント時間等の向上のために、種々の構成上の工夫が施されている。具体的には、ハロゲンヒータ23によって定着ベルト21をニップ部N以外の箇所において直接加熱できるようにしている(直接加熱方式)。すなわち、ハロゲンヒータ23と定着ベルト21の間に何も介在させないようにし、その部分においてハロゲンヒータ23からの輻射熱を定着ベルト21に直接与えるようにしている。
また、定着ベルト21の低熱容量化を図るために、定着ベルト21を薄くかつ小径化している。具体的には、定着ベルト21を構成する基材、弾性層、離型層のそれぞれの厚さを、20〜50μm、100〜300μm、10〜50μmの範囲に設定し、全体としての厚さを1mm以下に設定している。また、定着ベルト21の直径は、20〜40mmに設定している。さらに低熱容量化を図るためには、望ましくは、定着ベルト21全体の厚さを0.2mm以下にするのがよく、さらに望ましくは、0.16mm以下の厚さとするのがよい。また、定着ベルト21の直径は、30mm以下とするのが望ましい。
また、加圧ローラ22の直径を20〜40mmに設定し、定着ベルト21の直径と加圧ローラ22の直径を同等となるように構成している。ただし、この構成に限定されるものではない。例えば、定着ベルト21の直径が加圧ローラ22の直径よりも小さくなるように形成してもよい。その場合、ニップ部Nにおける定着ベルト21の曲率が加圧ローラ22の曲率よりも小さくなるため、ニップ部Nから排出される記録媒体が定着ベルト21から分離されやすくなる。
また、ニップ形成部材24のニップ出口側には突出部45が形成されている。突出部45は定着ベルト21を介して加圧ローラ22と接触しておらず、加圧ローラ22との接触により形成されたものではない。突出部45によって、ニップ部Nでの定着後の用紙Pを定着ベルト21から浮かすことができ、分離性が高められる。
[均熱部材]
端部温度の上昇が発生した場合、定着ベルト材料の耐熱温度到達による劣化、破壊に繋がるため、定着装置の生産性を低下する対応が従来とられることがあった。これに対して、長手方向の温度偏差を低減するために、定着装置のニップ部に均熱部材(熱伝導部材、均熱板)を用い、端部温度上昇を抑える技術が検討されている。以下に均熱部材および端部温度上昇について説明する。
ニップ部に均熱部材を備えない構成の定着装置では、ハロゲンヒータ23から定着ベルト21に与えられた熱は、主にニップ部Nにおいて定着ベルト外側と接触する用紙P、トナー、加圧ローラ22、また定着ベルト内側で接触するニップ形成部材24に伝達される。このとき、ニップ形成部材24には熱伝導率の低い樹脂が用いられており、伝熱量が少ないため、用紙Pやトナーへの伝熱が行われない非通紙部では連続通紙によって定着ベルトへ熱が蓄積される。このため、定着ベルト21では、端部温度上昇は、ヒータの発光長Hより通紙幅の狭い用紙を連続通紙する際に非通紙部で生じる。
<第1の構成例>
図3は、第1の構成例に係るニップ形成部材を備えた定着装置の概略側面断面図である。従来の定着装置では、定着ベルト21に基材である樹脂で形成されるニップ形成部材24が当接し、ニップ形成部材24は表面に低摩擦シートを有する。一方、本構成例では、定着ベルト21の非通紙部に過剰に蓄積する熱を吸熱し、長手方向へ熱を移動させるため、ニップ形成部材24は、基材51に加えて、基材51より熱伝導率の大きい材料から成り長手方向に延在する均熱部材41を有する。第1熱伝導部材としての均熱部材41は基材51のニップ部側に設けている。また、本例では、定着ベルト21からの吸熱効果を高めるためにニップ形成部材表面に低摩擦シートを設けていない。ただし、均熱部材41が定着ベルト21から熱を吸収しすぎたり、定着ベルト21のトルクに難が生じたりする場合は、低摩擦シートを設けてもよい。均熱部材41で吸収された熱は、通紙により熱を奪われ、比較的低温となっている中央部、あるいは端部温度上昇が発生する端部側の低温側へと移動する。
図4(a)は、図3のA−A矢視断面図(長手方向中央から端部までの片側のみであって、左が中央、右が端部)を示す。図4(b)は、ヒータ発光長Hと用紙P(通紙幅A〜D)の長手方向での位置関係を示す。図4(c)は、通紙幅A〜Dの用紙を通紙した際の定着ベルト21の非通紙部における端部温度T〜Tと、通紙部での温度tA〜tを示す。
均熱部材41は、ニップ部N側でハロゲンヒータ23の長手方向全体に延在しているため(図4(a))、通紙する用紙幅に関わらず端部温度上昇を抑制することができる。これによれば、軸方向の熱移動効果が高まって吸熱量が増え、端部温度上昇に対する抑制効果が高まる。ここで、均熱部材41は、最小の通紙幅A以外の領域にのみ、ハロゲンヒータ23の長手方向に延在してもよい。均熱部材41より内側に位置する基材51も熱伝導率のより大きい部材に置き換えて、均熱部材41の熱容量を増やし、端部温度上昇の抑制能力を高めることも可能である。定着ベルト21と直接接する均熱部材41の熱容量を調節することで、均熱部材41が定着ベルト21の熱を過剰に吸収することを防止できる。均熱部材41による過剰な吸熱が生じないように、均熱部材41の厚みや紙面垂直方向における幅又は材質(例えば、鉄や銅)を選択すればよい。
均熱部材41には銅等の金属部材を用いることが望ましいが、端部温度上昇の大きさに合わせ樹脂を用いることも可能である。
例えば、最小の通紙幅Aの用紙を連続通紙した場合、非通紙部では端部温度上昇が生じる(T)。しかし、ヒータはその中央部では高温となるが、端部ではやや低温になる傾向があるため、端部温度Tは通紙幅Aの外側でピークを有し、端部に向かって滑らかに下降する。なお、最大の通紙幅Dを有する用紙は非通紙部を有しないため、端部温度上昇は殆ど発生しない。
また、定着ベルト21や加圧ローラ22の径、線速、生産性等が固定されている場合、ヒータ発光長Hと通紙幅の差分である非通紙部が大きい程、定着ベルト21に蓄積する熱が増え、端部温度上昇が大きくなる(T>T>T)。また、端部温度上昇の結果、端部温度T、Tのように定着ベルト21の温度がその目標上限温度を超える場合と、Tのように温度が目標上限温度に達しない場合がある。
一方、図4(c)に示すt〜tは、ニップ部Nに到達する前の定着ベルト21の通紙部の温度である。本構成例では、ニップ形成部材24で過度の吸熱が生じないため、通紙部において定着時の温度落ち込みは生じない。よって、t〜tは定着温度に略等しい。
<第2の構成例>
図5は、第2の構成例に係るニップ形成部材を備えた定着装置の概略側面断面図である。第2の構成例では、第1の構成例よりも均熱部材41の厚みを増やし熱容量を大きくしている。
図6(a)は、図5のA−A矢視断面図(長手方向中央から端部までの片側のみであって、左が中央、右が端部)を示す。図6(b)は、ヒータ発光長Hと用紙P(通紙幅A〜D)の長手方向での位置関係を示す。図6(c)は、通紙幅A〜Dの用紙を通紙した際の定着ベルト21の非通紙部における端部温度T〜Tと、通紙部での温度t〜tを示す。
均熱部材41は、ニップ部N側でハロゲンヒータ23の長手方向全体に延在しているため(図6(a))、通紙する用紙幅に関わらず端部温度上昇を抑制することができる(図6(c))。
ここで、均熱部材41の内側のニップ形成部材24(基材51)も、良熱伝導性の部材に置き換えることで均熱部材41の熱容量を増やし、端部温度上昇の抑制能力を高めることも可能である。しかしながら、均熱部材41は定着ベルト21と直接接するため、熱容量を大きくしてしまうと定着ベルト21の熱を過剰に吸熱してしまい、通紙部での温度落ち込みの原因となる。
また、熱を過剰に吸熱してしまう場合、定着ベルト21が定着温度に到達するまで時間がかかってしまいウォームアップタイムや消費電力量にも悪影響を及ぼすため、均熱部材41として設置できる部材の熱容量は限定される。
この第2の構成例では、第1の構成例において、端部温度上昇の小さかった通紙幅Bや通紙幅Cの端部温度上昇を耐久温度以内に抑制することはできているが(T,T)、第1の構成例において、端部温度上昇の大きい通紙幅Aの端部温度上昇を耐久温度以内に抑制することができていない(T)。
以上説明したように、均熱部材41の厚みを厚くすればするほど均熱作用も大きくなるが、吸熱されてしまうためウォームアップ時間の増大や温度落ち込みの原因となり、消費電力も増大してしまう。
<第3の構成例>
図7は、第3の構成例に係るニップ形成部材を備えた定着装置の概略側面断面図である。図8(a)は、図7のA−A矢視断面図(長手方向中央から端部までの片側のみであって、左が中央、右が端部)を示す。図7(b)は、ヒータ発光長Hと用紙P(通紙幅A〜D)の長手方向での位置関係を示す。図7(c)は、通紙幅A〜Dの用紙を通紙した際の定着ベルト21の非通紙部における端部温度T〜Tと、通紙部での温度t〜tを示す。
第3の構成例では、基材51より熱伝導率の大きい材料から成り長手方向に延在する第1熱伝導部材としての均熱部材41が、基材51のニップ部側に設けられている。また、基材51より熱伝導率の大きい材料から成り長手方向に延在する第3熱伝導部材としての吸熱部材42が、基材51より内側に配置され、基材51に当接している。
さらに、図8(a)に示すように、基材51より熱伝導率の大きい材料から成り長手方向に部分的に延在する第2熱伝導部材としての吸熱部材43が、均熱部材41と吸熱部材42の間であって均熱部材41のニップ部と反対側に配置されている。特に、吸熱部材43は定着ベルト21の端部温度上昇(T)の発生位置に対応して設けられる。よって、本例では、ニップ形成部材24は、基材51、均熱部材41、吸熱部材42及び吸熱部材43を有する。
吸熱部材43が設けられている個所においては、ニップ形成部材24は、均熱部材41と吸熱部材43と吸熱部材42の複数の素材からなる。吸熱部材43が設けられていない個所においては、ニップ形成部材24は、均熱部材41と基材51と吸熱部材42の複数の素材からなる。基材51と、均熱部材41及び吸熱部材42,43とは熱伝導率が異なっており、均熱部材41及び吸熱部材42,43は基材51よりも熱伝導率が大きい素材である。ニップ形成部材24は、厚さ方向において熱伝導率の異なる複数材料から構成されている。
そして、熱伝導率の大きい吸熱部材43が設けられている個所では、ニップ形成部材24の厚さ方向(図8(a)の上下方向)全体での熱伝導率は、吸熱部材43が設けられていない他の部分(低熱伝導部)よりも熱伝導率が高い高熱伝導部となっている。このため、吸熱部材43が設けられている高熱伝導部では定着ベルト21から吸熱し易い構成となっている。従って、この部分で定着ベルト21に大きな温度上昇が生じた場合でも、ニップ形成部材24の厚さ方向(この場合は図の上向きの方向)に熱が吸収され、定着ベルト21の温度上昇が抑制される。また、低熱伝導部は通紙幅内に位置している。
均熱部材41がその軸方向への熱移動を促進して、定着ベルト21を均熱化し、端部温度上昇を抑える機能を有するのに対し、吸熱部材42,43は厚み方向への熱移動を促進して熱を吸収する役割を有する。図8(a),(c)から分かるように、吸熱部材43は、通紙幅Aでの大きい端部温度上昇(T)の発生位置に対応して設けられ、吸収した熱を吸熱部材43に当接している吸熱部材42に伝達する。従って、吸熱部材42,43は均熱部材41の熱容量不足を補うことができ、特に吸熱部材42は大きい熱容量を有し又は放熱量を高めるために大きい表面積を有することが望ましい。しかしながら、均熱部材も厚みを有している以上厚み方向への吸熱の効果を有し、吸熱部材も軸方向に幅がある以上軸方向の均熱効果を有するものであり、それぞれの作用・効果が均熱、吸熱に限定されるものではない。
第3の構成例では、定着ベルト21内の限られた空間内での設置となるため、吸熱部材42を、樹脂層である基材51とステー25の間に長手方向に延在させている。だが、空間的余裕がある場合、熱容量を増やすために、吸熱部材42を、定着ベルト21の長手方向(図8(a))又は回転方向(図7)に突出させても構わない。また、吸熱部材42をステー25と当接させることで、吸熱部材42の見掛けの熱容量を増やしてもよい。この場合、ステー25が吸熱部材42よりも低温であることが条件であるので、ハロゲンヒータ23の輻射熱により高温となっている反射部材26からステー25への熱移動を最小限に抑えるために、反射部材26とステー25の間に空気層又は断熱部材からなる断熱層を設けることが望ましい。また、吸熱部材42を設ける代わりに、熱容量の大きいステー25を吸熱部材43と当接させ、ステー25に吸熱部材42の機能を持たせてもよい。
吸熱部材42,43には銅等の金属部材を用いることが望ましいが、端部温度上昇の大きさに合わせ樹脂を用いることも可能である。
図8(c)に示すように、吸熱部材42,43を設けることにより端部温度上昇の大きい通紙幅Aの場合にも、定着ベルトの端部温度Tの過度の昇温を抑制することが可能となる。一方、吸熱部材43が存在する長手方向位置が通紙部となる場合、過剰な吸熱による定着ベルト21の温度落ち込み(t〜t)が問題となる。温度落ち込みが通紙部で局所的に生じた場合、温度ムラによる画質劣化、しわ発生等が生じる可能性がある。これを防止するためには、画像形成装置の立ち上げ時のリロード温度を高めに設定し、通常より余分に加熱することで温度落ち込みを改善できるが、ウォームアップタイムが延びると同時に消費電力量が増えてしまう。
<第4の構成例>
図9は、第4の構成例に係るニップ形成部材を備えた定着装置の概略側面断面図である。図10(a)は、図9のA−A矢視断面図(長手方向中央から端部までの片側のみであって、左が中央、右が端部)を示す。図10(b)は、ヒータ発光長Hと用紙P(通紙幅A〜D)の長手方向での位置関係を示す。図10(c)は、通紙幅A〜Dの用紙を通紙した際の定着ベルト21の非通紙部における端部温度T〜Tと、通紙部での温度t〜tを示す。
第4の構成例では、第3の構成例と同様の構成に加えて、均熱部材41と吸熱部材43の間に樹脂層44を設けている。よって、本例では、ニップ形成部材24は、基材51、均熱部材41、吸熱部材42、吸熱部材43及び樹脂層44を有する。樹脂層44には第2熱伝導部材である吸熱部材43よりも熱伝導率の低い部材を用いるのが望ましい。これにより吸熱部材43への吸熱量を抑えることができる。吸熱部材42に接触する吸熱部材43と均熱部材41の間に樹脂層44を設けることにより、均熱部材41から吸熱部材43を介する吸熱部材42への熱移動量を減らすことができる。これにより、端部温度Tを目標上限温度未満に抑制しつつ、定着ベルト21の温度落ち込み(t〜t)も低減し、消費電力の増大を防ぐことができる(図10(c))。
一方で、樹脂層44を厚くしすぎると、定着ベルト21に蓄積された熱が吸熱部材42に移動しなくなるため、吸熱部材42と吸熱部材43の無い構成に近づき、端部温度上昇が発生し易くなる。樹脂層44の厚みや長さは、発生する端部温度上昇の大きさに応じて最適化する必要があるが、その厚みは第1の構成例の基材51の厚みより小さい。均熱部材41で抑制できない端部温度上昇が離れた複数箇所で生じる場合、それら複数箇所に吸熱部材43を設けることが望ましい。その際、それぞれの端部温度上昇に応じて樹脂層44の厚みや長さを設定すればよい。吸熱部材43と樹脂層44の厚みの和は基材51の厚みに略等しく、よって吸熱部材42と吸熱部材43は面接触して互いの熱伝達は良好に行われる。
[加熱位置とニップ部との位置]
ニップ形成部材24に均熱部材41を設け、また均熱部材41の厚みの調整や、均熱部材41に加えて吸熱部材42等を設けるようにして、定着ベルト21からの熱の伝導性を向上させることで均熱効果を得て、端部温度上昇を抑制することができる。このとき、均熱部材はウォームアップ時間の増大や温度落ち込みを引き起こさない程度の熱容量に限定されるとともに、通常のウォームアップや通紙領域の熱をなるべく吸熱しないような構成とすることが必要である。
しかしながら、均熱部材は立ち上げ時または通紙時に定着ベルト21から吸熱するため、ウォームアップに時間がかかることや消費電力の増大などとはトレードオフの関係にある(上記の課題1,3)。
また、上述のように、端部温度上昇が発生した場合、定着ベルト材料の耐熱温度到達による劣化、破壊に繋がるため、これに対し、定着装置の生産性(単位時間当たりの通紙量)を低下させる対応がとられることがある。
ところで、ここまで説明した局部加熱方式の定着装置では、定着ベルト21の内側に加熱源(ハロゲンヒータ23)を有し、定着ベルト21をベルトの内側(内周側)から加熱している。このため、定着に必要となる熱が定着ベルトの外側(外周側)に出てくるまでのタイムラグがある。
このため、定着ベルト21の回転方向において、加熱源の加熱領域をニップ部から一定以上離す必要がある。加熱領域をニップ部の上流側の至近位置に設けると、定着ベルト21の熱が外側に出る前にニップ部に到達してしまい、均熱部材を温めることに熱を使ってしまい、必要以上の熱量を消費してしまい加熱効率が悪い。
一方で、加熱領域をニップ部から離し過ぎると定着ベルト21の外側に熱が出た後に放熱してしまうため加熱効率が悪くなる。
そのため定着ベルト21の回転方向における加熱位置が重要となる。このため、定着ベルト21の線速を考慮し、ニップ部直前付近で熱が定着ベルト21の外側に出切る距離となる位置を加熱位置とすることで、加熱効率を向上させることができる。
加熱源による加熱領域(すなわち加熱分布)の変更は、加熱源の位置や向きを調整することや、反射部材26の角度や曲げを調整することで実現される。これらを調整して加熱源の加熱分布を変更することで、ニップ部直前付近で熱が定着ベルト21の外側に出切るようにすることが可能となる。
一方、近年では複数のプロセス線速を有した定着装置が知られている。このような定着装置では、定着ベルト21の回転速度が異なるため、回転速度毎に加熱領域とニップ部との最適距離が異なることとなる。
[第1の実施形態]
そこで、第1の実施形態に係る定着装置は、回転可能な定着部材(定着ベルト21)と、定着部材を加熱する加熱源(ハロゲンヒータ23)と、定着部材の外周面に当接する加圧部材(加圧ローラ22)と、定着部材の内側に設けられ、定着部材を介して加圧部材と対向してニップ部を形成するニップ形成部材(ニップ形成部材24)と、該ニップ形成部材を支持する支持部材(ステー25)と、を備えた定着装置(定着装置20)において、定着部材の回転速度を2以上の回転速度に切り替える回転速度切替手段(回転速度切替手段61)と、加熱源による定着部材の加熱分布を変更する加熱分布変更手段(反射部材変位手段62)と、を有し、加熱分布変更手段は、回転速度切替手段により切り替えられる回転速度に応じて、加熱源による定着部材の加熱分布を変更するものである。なお、括弧内は実施形態での符号、適用例を示す。
図11は、本発明に係る定着装置の一実施形態を示す概略構成図である。図2と同様の点についての説明は省略する。図11に示す定着装置20は、定着装置20のコントローラとしての制御手段60を備えるとともに、加圧ローラ22の駆動手段であって加圧ローラ22の回転速度を2以上に切り替えて回転駆動させる回転速度切替手段61を備えている。回転速度切替手段61は制御手段60からの命令に基づいて、2以上の回転速度から選択された回転速度で加圧ローラ22は回転駆動させるものである。これにより、加圧ローラ22に従動回転する定着ベルト21の回転速度も変化する。なお、制御手段60は、コントローラであって、定着装置20または画像形成装置1に備えられる。
また、定着装置20は、加熱分布変更手段としての反射部材変位手段62を備えている。反射部材変位手段62は、反射部材26の向きを変動させる駆動機構を有し、制御手段60からの命令に基づいて、反射部材26の向きを変化させる。なお、反射部材26の位置を変動させる機構は特に限られるものではなく、ハロゲンヒータ23による定着ベルト21の加熱を妨げない位置に設けられる駆動機構であればよい。
図11を参照して、反射部材26の変位の一例を説明する。点線でしめす反射部材26は、最も使用頻度の高い線速で定着装置20が駆動する際の位置(ホームポジション)である。そして、例えば、これよりも低速回転時には、反射部材変位手段62により実線で示す向きに反射部材26を変動させる。
低速回転時には、回転方向において、加熱領域の終端からニップ部の入口まで定着ベルト21が回転する時間が長くなる。このため、図11の実線に示すように低速回転時には、加熱領域をよりニップ部に近づけるように反射部材26を回転させるものである。また、逆にホームポジションに対応する線速よりも高速回転時には、加熱領域がニップ部から離れるように、反射部材26を変位させるようにすればよい。
これにより定着ベルト21が異なる回転速度で回転する定着装置20においても、回転速度に応じて加熱源による回転方向の加熱領域を変化させて、加熱領域とニップ部との距離を変えることで、回転速度に応じた最適な加熱領域として加熱効率を向上させることができる。
[第2の実施形態]
図12は、本発明に係る定着装置の他の実施形態を示す概略構成図である。図2および図11と同様の点についての説明は省略する。図12に示す定着装置20は、制御手段60と、回転速度切替手段61と、を備えている。また、定着装置20は、加熱分布変更手段としての加熱源変位手段63を備えている。
加熱源変位手段63は、加熱源であるハロゲンヒータ23の位置を変動させる駆動機構を有し、制御手段60からの命令に基づいて、ハロゲンヒータ23の位置を変化させる。なお、加熱源の位置を変動させる機構は特に限られるものではなく、ハロゲンヒータ23の定着ベルト21の加熱を妨げない位置に設けられる駆動機構であればよい。また、加熱源としてハロゲンヒータ23やカーボンヒータを用いる場合、これらのヒータは指向性を有するため、加熱源変位手段63は、ヒータの角度(向き)を変化させることで、加熱分布を変更するものであってもよい。
図12に示す定着装置20は、回転速度に応じて加熱源を変位または角度を変化させることで、加熱源による回転方向の加熱領域を変化させて、加熱領域とニップ部との距離を変えることで、回転速度に応じて加熱効率を向上させることができる。
また、加熱分布変更手段として、反射部材変位手段62および加熱源変位手段63の両方を備える構成としてもよい。
以上説明した定着装置によれば、局部加熱方式の定着装置20において、定着ベルト21の線速毎に、加熱源の加熱領域を変化させて、加熱領域とニップ部との距離を変えることで、加熱効率を向上させることができる。また、温度落ち込みによる定着性悪化の抑制や消費電力の抑制を図ることが可能となる。また、このとき定着装置20の生産性を向上または少なくとも維持することができ、省エネルギー性向上、ウォームアップ時間の短縮、温度落ち込みの防止などの加熱効率の向上と生産性の維持を両立することができる。また、回転速度切替手段と加熱分布変更手段を備える構成は、ニップ部で定着ベルト内側に接触し、熱を吸収する均熱部材を備えた構成において特に効果が顕著である。
尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
1 画像形成装置
2 ボトル収容部
2Y,2M,2C,2K トナーボトル
3 転写装置
4Y,4M,4C,4K 作像部
5 感光体
6 帯電装置
7 現像装置
8 クリーニング装置
9 露光装置
10 給紙トレイ
11 給紙ローラ
12 レジストローラ
13 排紙ローラ
14 排紙トレイ
20 定着装置
21 定着ベルト(定着部材)
22 加圧ローラ(加圧部材)
22a 芯金
22b 弾性層
22c 離型層
23 ハロゲンヒータ(加熱源)
24 ニップ形成部材
25 ステー
26 反射部材
27 温度センサ
28 分離部材
30 中間転写ベルト
31 一次転写ローラ
32 二次転写バックアップローラ
33 クリーニングバックアップローラ
34 テンションローラ
35 ベルトクリーニング装置
36 二次転写ローラ
41 均熱部材(第1熱伝導部材)
42 吸熱部材(第3熱伝導部材)
43 吸熱部材(第2熱伝導部材)
44 樹脂層
45 突出部
51 基材
60 制御手段
61 回転速度切替手段
62 反射部材変位手段
63 加熱源変位手段
N ニップ部
P 用紙(記録媒体)
R 搬送路
T 未定着トナー
特開2004−235001号公報

Claims (10)

  1. 回転可能な定着部材と、
    前記定着部材を加熱する加熱源と、
    前記定着部材の外周面に当接する加圧部材と、
    前記定着部材の内側に設けられ、前記定着部材を介して前記加圧部材と対向してニップ部を形成するニップ形成部材と、
    該ニップ形成部材を支持する支持部材と、を備えた定着装置において、
    前記定着部材の回転速度を2以上の回転速度に切り替える回転速度切替手段と、
    前記加熱源による前記定着部材の加熱分布を変更する加熱分布変更手段と、を有し、
    前記加熱分布変更手段は、前記回転速度切替手段により切り替えられる回転速度に応じて、前記加熱源による前記定着部材の加熱分布を変更することを特徴とする定着装置。
  2. 前記加熱源からの輻射熱を反射する反射部材と備え、
    前記加熱分布変更手段は、前記反射部材を変位させることで加熱分布を変更することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記加熱分布変更手段は、前記加熱源を変位させることで加熱分布を変更することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記加熱源は、ハロゲンヒータまたはカーボンヒータであって、
    前記加熱分布変更手段は、前記加熱源の角度を変化させることで加熱分布を変更することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記ニップ形成部材は、基材と、該基材のニップ部側に該基材より大きい熱伝導率を有する熱伝導部材と、を有することを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記ニップ形成部材は、熱伝導率の異なる複数材質の部材から構成され、該ニップ形成部材の厚さ方向における熱伝導率が大きな高熱伝導部と熱伝導率が小さい低熱伝導部とを有することを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記ニップ形成部材は、基材と、該基材のニップ部側に、該基材より大きい熱伝導率を有する第1熱伝導部材とを有し、
    前記基材より大きい熱伝導率を有する第2熱伝導部材が、前記高熱伝導部において、前記第1熱伝導部材の前記ニップ部と反対側に設けられることを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
  8. 前記基材より大きい熱容量又は熱伝導率を有する第3熱伝導部材又は前記支持部材が、前記第2熱伝導部材に当接していることを特徴とする請求項6または7に記載の定着装置。
  9. 樹脂層が前記第1熱伝導部材と前記第2熱伝導部材の間に設けられることを特徴とする
    請求項8に記載の定着装置。
  10. 請求項1から9までのいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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