JP2016176760A - 複合センサ装置 - Google Patents

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慶博 澤山
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Abstract

【課題】レーダにおいてクラッタ発生源がある領域とない領域で同じクラッタ抑圧処理段数としているが、クラッタ発生源がない領域では必要以上の抑圧段数を設定しており、レーダリソースを圧迫している。またクラッタ電力が大きいとレーダアンテナ装置の受信電力増幅器が飽和もしくは破壊される可能性がある。
【解決手段】E/O装置、E/O信号処理装置でクラッタを類別し、レーダで捜索もしくは追尾する際はクラッタのない領域では自動でクラッタ抑圧段数を下げ、クラッタ電力が大きくなる可能性があるものについては、レーダアンテナのアンテナ放射電力を低減するようにした。
【選択図】図1

Description

この発明は目標に対して、捜索もしくは追尾を行うE/O装置とレーダアンテナ装置の複合センサ装置に関する。
レーダにおいて受信したエコーの中には、目標以外にも地面や建造物などからの反射波も含まれており、これをクラッタと呼ぶ。クラッタには上記の地面など移動しないもの以外にも、海面や雲、雨などの低速で移動するクラッタも存在する。
移動しない目標に対してはMTI(Moving Target Indication)、低速移動する目標に対してはAMTI(Adaptive Moving Target Indication)などのクラッタ抑圧処理が有効である(例えば、非特許文献1参照)。
吉田孝監修「改訂 レーダ技術」社団法人電子情報通信学会編、平成8年10月1日、p67−3
MTIやAMTIはクラッタ抑圧度に応じてヒット数が変化し、大きなクラッタに対してはより多くのヒット数が必要となる。従来、レーダにおいてMTIやAMTIなどのクラッタ抑圧段数は空間領域ごとに手動で設定する、もしくは方位角や仰角に応じて固定値を設定していた。
しかしながら、方位角や仰角に応じてクラッタ抑圧段数に固定値を設定すると、クラッタ発生源がない領域に対しても一定のヒット数を費やしてしまうため、レーダリソースを圧迫する。クラッタ抑圧段数に固定値を使用せずにクラッタ発生源の位置情報を個々に設定する場合でも、従来手動で行っており非効率的である。
またクラッタ電力が大きい場合、レーダアンテナ装置の受信信号増幅器の耐入力電力を超えてしまい、受信信号増幅器が一時的に電力増幅できなくなる(飽和)、もしくは破壊される可能性がある。
この発明は係る課題を解決するためになされたものであり、効率的にレーダリソースを活用可能な複合センサ装置を提供することを目的とする。
この発明に係る複合センサ装置は、レーダアンテナ装置と、可視光または赤外光を受光し電気信号へ変換するE/O装置と、前記E/O装置が出力する撮像信号をもとに目標とクラッタ発生源を類別し、前記目標とクラッタ発生源毎のレーダビーム指向角を出力するE/O信号処理装置と、前記目標とクラッタ発生源毎のレーダビーム指向角を保持し、前記E/O装置に対し撮像方向を指定し、前記レーダアンテナ装置に対しレーダビーム指向角毎に送信パルス数を指定し、前記信号処理装置に対しレーダビーム指向角毎のクラッタ抑圧段数を指定するセンサ指示装置と、前記レーダアンテナ装置で受信した受信信号において、前記レーダビーム指向角毎のクラッタ抑圧段数を用いてクラッタ抑圧処理を行い目標を検出する信号処理装置とを備える。
この発明によれば、効率的にレーダリソースを活用可能となり、探知距離延伸や探知確率を向上させることができる。また、受信信号増幅器の飽和もしくは破壊が防げることで、目標捜索もしくは追尾の信頼性が向上する。
この発明の実施の形態1による複合センサ装置の構成図である。 この発明の実施形態1によるE/O装置で撮像した画像を説明する図である。 この発明の実施形態1によるE/O装置の撮像図とレーダビームスポットを説明する図である。 この発明の実施形態2によるE/O装置の撮像図とレーダビームスポットを説明する図である。
以下、この発明の各実施の形態について図に基づいて説明する。なお、各図において同一、または相当する部分については同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係わる複合センサ装置100の構成図である。
図1において、複合センサ装置100は、可視光または赤外光を受光し電気信号へ変換するE/O(Electrical/Optical)装置1と、E/O信号処理装置2と、レーダアンテナ装置3と、信号処理装置4と、センサ指示装置5と、操作制御装置6から構成される。
E/O装置1にはE/O信号処理装置2とセンサ指示装置5が接続され、E/O装置1が撮像した撮像信号をE/O信号処理装置2に出力し、E/O信号処理装置2はクラッタ角度情報をセンサ指示装置5に出力する。
E/O信号処理装置2にはE/O装置1とセンサ指示装置5と操作制御装置6が接続されており、E/O信号処理装置2は探知情報を操作制御装置6に出力し、操作制御装置6はセンサ指示装置5に対し、後述する角度情報毎のクラッタ抑圧処理を実行するか否かのモード指定を出力する。
励振受信装置を含むレーダアンテナ装置3には信号処理装置4とセンサ指示装置5が接続され、センサ指示装置5が送信パルス数をレーダアンテナ装置3に出力し、レーダアンテナ装置3が受信信号を信号処理装置4に出力する。
信号処理装置4にはレーダアンテナ装置3とセンサ指示装置5と操作制御装置6が接続され、レーダアンテナ装置3から受信信号を受信し、センサ指示装置5からクラッタ抑圧段数指定を受信し、信号処理装置4が目標情報を操作制御装置6に出力する。
次に本実施の形態に係る複合センサ装置100の動作について説明する。
可視光もしくは赤外光を受光するE/O装置1は、撮像した画像の撮像信号をE/O信号処理装置2に送る。
E/O信号処理装置2では、撮像信号をもとに、撮像対象を目標、クラッタ発生源、それら以外の領域とに類別される。
図2はE/O装置1で撮像した画像の一例である。
E/O信号処理装置2は撮像信号より生成した撮像画像7から、目標8と空9と海10と陸地11と雲12を類別する。類別は、例えばデータベースに格納された対象データとのパターン認識により行う。
撮像画像7は探知情報として操作制御装置6に出力され、操作制御装置6に設けられた画面に表示される。
また、E/O信号処理装置2は、類別した目標8、空9、海10、陸地11、雲12の各領域についての角度情報をセンサ指示装置5に送る。例えば、クラッタ発生源となる雲12や陸地11の角度情報をクラッタ角度情報として、センサ指示装置5に出力する。
次に、センサ指示装置5は、操作制御装置6からのモード指定により角度情報毎のクラッタ抑圧処理を実行する場合、E/O信号処理装置2で角度情報が付された目標8、空9、海10、陸地11、雲12の各領域に対して各領域毎のクラッタ抑圧段数を指定し、信号処理装置4に指示する。各領域のクラッタ抑圧段数は、例えば、空9等のクラッタ発生源の無い領域に対しては、雲12や陸地11等のクラッタ発生源の有る領域よりもクラッタ抑圧段数を低減するように、信号処理装置4に指示する。
また、センサ指示装置5はクラッタ抑圧段数に応じ、例えばクラッタ抑圧段数の低減に応じて送信パルス数を低減した送信パルス数をレーダアンテナ装置3に指示する。
また、センサ指示装置5はE/O装置1に対し、撮像方向を指定する。
なお、操作制御装置6からのモード指定により角度情報毎のクラッタ抑圧処理を実行しない場合は、上記動作は実行しない。
図3はE/O装置1で撮像した図2にレーダのビームスポットを重ね描いた説明図である。
空方向のビームスポット13にレーダアンテナビームを指向した時(レーダビーム指向角が空方向のビームスポット13の方向の時)は、雲方向のビームスポット14に指向した時と比べて、送信パルス数を低減する。
レーダアンテナ装置3において受信した受信信号は、ビームスポットの方向(角度情報、レーダビーム指向角)と関連付けされ信号処理装置4に出力される。
信号処理装置4は、センサ指示装置5から入力した角度情報毎のクラッタ抑圧段数を、MTIあるいはAMTIのクラッタ抑圧段数に設定し、目標検出する。
MTIあるいはAMTIの処理を適用し得られた目標情報は操作制御装置6に送付され、画面に表示される。
このように、複合センサ装置100は、E/O装置1と、E/O信号処理装置2と、レーダアンテナ装置3と、信号処理装置4と、センサ指示装置5と、操作制御装置6から構成され、E/O装置1で撮像した画像に基づき、E/O信号処理装置2は画像領域を目標か、クラッタ発生源か、それら以外の領域かに類別し、類別結果を角度情報と共にセンサ指示装置に出力するようにした。センサ指示装置5は類別結果と角度情報に基き、レーダアンテナ装置3に対して角度情報毎に送信パルス数を行うとともに、信号処理装置4に対して角度情報毎にクラッタ抑圧段数指定を行う。信号処理装置4は、レーダアンテナ装置3から受信した受信信号を角度情報毎に指定されたクラッタ抑圧段数指定を用いて、例えばMTIやAMTIの処理によりクラッタを抑圧して目標検出を行い、得られた目標情報を操作制御装置6に出力した。
これにより、クラッタ発生源がない領域に対しても一定のヒット数を費やしてしまうためレーダリソースを圧迫することを防止して、効率的にレーダリソースを活用することが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1ではクラッタ発生源がある領域とない領域で送信パルス数とクラッタ抑圧段数を変化させたが、クラッタ発生源のある角度が判明しているため、レーダビームを送信する前に、アンテナ放射電力を低減することでクラッタを抑圧することも可能である。
実施の形態2に係る複合センサ装置101の構成は図1で説明した実施の形態1の構成と同様であり、可視光または赤外光を受光し電気信号へ変換するE/O(Electrical/Optical)装置1と、E/O信号処理装置2と、レーダアンテナ装置3と、信号処理装置4と、センサ指示装置5bと、操作制御装置6から構成される。
図4は、実施の形態2において、E/O装置1で撮像した画像にレーダのビームスポットを重ね描いた図である。
図4において、クラッタ電力が大きくなる可能性がある陸地11の角度方向に、レーダアンテナ装置3からビームを送信する場合(陸地方向のビームスポット15)、センサ指示装置5はレーダアンテナの受信信号増幅器が飽和もしくは破壊される可能性があると判定し、レーダアンテナ装置3に対してアンテナ放射電力の低減を指示する。
そこで、本実施の形態に係るセンサ指示装置5bは、レーダアンテナ装置3に対し、クラッタ発生源か否かに応じて、レーダビーム指向角毎にアンテナ放射電力を指定する。
これにより、クラッタ電力が大きくなることを回避して、受信信号増幅器が飽和もしくは破壊されることを防止することができる。
このように、実施の形態2に係る複合センサ装置100は、E/O装置1と、E/O信号処理装置2と、レーダアンテナ装置3と、信号処理装置4と、センサ指示装置5と、操作制御装置6から構成され、E/O装置1で撮像した画像に基づき、E/O信号処理装置2は画像領域を目標か、クラッタ発生源か、それら以外の領域かに類別し、類別結果を角度情報と共にセンサ指示装置に出力するようにした。センサ指示装置5は類別結果と角度情報に基き、レーダアンテナ装置3に対して角度情報毎にアンテナ放射電力を指定するようにした。
これにより、クラッタ電力が大きいことによる受信信号増幅器の飽和もしくは破壊が防止でき、目標捜索もしくは追尾の信頼性を向上させることができる。
1 E/O装置、2 E/O信号処理装置、3 レーダアンテナ装置、4 信号処理装置、5 センサ指示装置、6 操作制御装置、7 撮像画像、8 目標、9 空、
10 海、11 雲、12 陸地、13 ビームスポット(空)、14 ビームスポット(雲)、15 ビームスポット(陸地)、100、101 複合センサ装置

Claims (3)

  1. レーダアンテナ装置と、
    可視光または赤外光を受光し電気信号へ変換するE/O装置と、
    前記E/O装置が出力する撮像信号をもとに目標とクラッタ発生源を類別し、前記目標とクラッタ発生源毎のレーダビーム指向角を出力するE/O信号処理装置と、
    前記目標とクラッタ発生源毎のレーダビーム指向角を保持し、前記E/O装置に対し撮像方向を指定し、前記レーダアンテナ装置に対しレーダビーム指向角毎に送信パルス数を指定し、前記信号処理装置に対しレーダビーム指向角毎のクラッタ抑圧段数を指定するセンサ指示装置と、
    前記レーダアンテナ装置で受信した受信信号において、前記レーダビーム指向角毎のクラッタ抑圧段数を用いてクラッタ抑圧処理を行い目標を検出する信号処理装置と、
    を備えることを特徴とする複合センサ装置。
  2. 前記センサ指示装置は、前記レーダアンテナ装置に対し、レーダビーム指向角毎にアンテナ放射電力を指定することを特徴とする請求項1記載の複合センサ装置。
  3. 前記クラッタ抑圧処理はMTI(Moving Target Indication)あるいはAMTI(Adaptive Moving Target Indication)であることを特徴とする請求項1、2いずれか記載の複合センサ装置。
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