JP2016174771A - 飲料用抽出フィルター - Google Patents

Abstract

【課題】注湯針を使用しないドリップマシンにおいても、効率よくフィルター内部に注湯することが可能な飲料用抽出フィルターを提供する。【解決手段】嗜好品が収容されるフィルター部１０と、このフィルター部１０の上部に取り付けられる平板状の蓋部１１とから構成され、蓋部１１は、フィルター部１０側に位置し、透水性を有していない第１シート部材１２と、この第１シート部材１２の上に積層され、透水性を有する第２シート部材１３と、の積層構造により構成され、第１シート部材１２の中央にお湯を通過させる孔部１２ａが形成された飲料用抽出フィルター１において、第１シート部材１２と第２シート部材１３とは周縁部Ａおよび孔部１２ａの周囲Ｃが接着された状態で積層されることを特徴とする。【選択図】図２

Description

本発明は、嗜好品が収容されるフィルター部と、このフィルター部の上部に取り付けられる平板状の蓋部とから構成され、前記蓋部は、フィルター部側に位置し、透水性を有していない第１シート部材と、この第１シート部材の上に積層され、透水性を有する第２シート部材と、の積層構造により構成され、前記第１シート部材の中央にお湯を通過させる孔部が形成された飲料用抽出フィルターに関するものである。

かかる飲料用抽出フィルターとして、下記特許文献に開示されるものが知られている。このフィルターは、蓋部の構造に特徴があり、透水性を有していない第１シート部材と、透水性を有する第２シート部材の積層構造になっている。第１シート部材には、中央に孔部が形成され、お湯はこの孔部を通じてのみ導入される。上記抽出フィルターは、エスプレッソマシン用およびドリップマシン用として使用でき、いずれの場合も、抽出するときは、中央からのみ注湯されるようにフィルター及びマシンが構成されている。

ＷＯ２０１２／４８７８

上記抽出フィルターをドリップマシンで使用するときは、図７示すように注湯針５を蓋部１１から突き刺してフィルター内部にお湯を注入する構成が知られている。図７（ａ）は注湯針５を突き刺す前の状態を示し、（ｂ）は注湯針５を突き刺して、抽出フィルター１の下部に載置したカップ１００にコーヒーを抽出する状態を示している。

しかし、ドリップマシンの構成は上記のものだけではなく、注湯針を突き刺さない構成も存在する。例えば、図４３に示すように、蓋部の上方から弾性体で形成された注湯部を押圧して注湯する方式がある。

この場合、上記公知の抽出フィルターは、第１シート部材と第２シート部材が周縁部のみで接着されているため、マシン注湯部から出てくるお湯が周縁部まで拡散して、効率よく中央にある孔部から注湯できないという問題があった。

本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、注湯針を使用しないドリップマシンにおいても、効率よくフィルター内部に注湯することが可能な飲料用抽出フィルターを提供することである。

上記課題を解決するため本発明に係る飲料用抽出フィルターは、
嗜好品が収容されるフィルター部と、このフィルター部の上部に取り付けられる平板状の蓋部とから構成され、前記蓋部は、フィルター部側に位置し、透水性を有していない第１シート部材と、この第１シート部材の上に積層され、透水性を有する第２シート部材と、の積層構造により構成され、前記第１シート部材の中央にお湯を通過させる孔部が形成された飲料用抽出フィルターにおいて、
前記第１シート部材と第２シート部材とは周縁部および前記孔部の周囲が接着された状態で積層されることを特徴とするものである。

かかる構成による飲料用抽出フィルターの作用・効果を説明する。蓋部の上方から注湯する場合、透水性を有する第２シート部材を介して注湯されるが、第１シート部材と第２シート部材は孔部の周囲も接着されているので、この接着箇所から外方へと湯が拡散することがない。従って、湯は効率よく孔部へと向かい効率よくフィルター内部への注湯を行うことができる。

本発明において、前記孔部は、所定形状のカットラインにより舌片状に形成され、抽出時の湯の圧力により、前記舌片状の孔部が下方に変形することでお湯を通過させるように構成したことが好ましい。

カットラインにより舌片状に形成するので、孔部を形成するときの製造工程において、廃棄片を生じさせなくてすむ。従って、製造工程において異物混入のリスクを軽減することができる。

本発明に係る前記第２シート部材は、不織布により形成されることが好ましい。不織布とすることにより、お湯を通過させることができるとともに、お湯の保持も行うことが可能になる。

本実施形態に係る抽出フィルターの断面形状を示す図 抽出フィルターを構成する要素を示す分解斜視図 ドリップマシンの構成を示す概略図 注湯部の構成と抽出フィルターの蓋部との寸法関係を示す図 飲料用抽出フィルターを使用してコーヒーを抽出するときの動作を示す図 飲料用抽出フィルターを使用してコーヒーを抽出するときの動作を示す図 注湯針を使用してコーヒーを抽出するときの動作を示す図

本実施形態に係る飲料用抽出フィルターの構成を説明する。この抽出フィルターは、ドリップコーヒー用であり、ドリップマシンに装着することができる。

＜抽出フィルターの構成＞
図１は、抽出フィルターの断面形状を示す図である。図１は、抽出フィルターを構成する要素を示す分解斜視図である。抽出フィルター１は、コーヒー粉末（嗜好品に相当）が収容されるフィルター部１０と、このフィルター部１０の上部に取り付けられる平板状の蓋部１１とから構成される。

蓋部１１は、フィルター部１０側に位置し、透水性を有していない第１シート部材１２と、この第１シート部材１２の上に積層され、透水性を有する第２シート部材１３と、の二層構造により構成される。フィルター部１０は、不織布により形成され、好ましくは、スパンボンド不織布により形成される。フィルター部１０の上部には空間部Ｓが形成される。この空間部Ｓにより、湯で膨張したコーヒー粉末と湯が滞留接触し、十分な抽出を行うことができる。

第１シート部材１２は、一層もしくは多層の樹脂フィルムにより形成される。第２シート部材１３は、スパンボンド不織布等の不織布により形成される。フィルター部１０には、フランジ１０ａが形成され、このフランジ１０ａにて蓋部１１と接着される。

また、第１シート部材１２と第２シート部材１３も、周縁部Ａ（図２の斜線部参照）および孔部１２ａの周囲Ｃで接着されている。周囲Ｃ（接着領域）の形状は、所定の幅を有するリング状に形成される。周囲Ｃの内径は、孔部１２ａの外径よりも大きくなるように設定される。周縁部Ａの内側と周囲Ｃの外側の空間Ｂと、周囲Ｃの内側の空間Ｄは接着されていない。従って、必要最小限の接着により第１シート部材１２と第２シート部材１３を接着することができる。

第１シート部材１２の中央には舌片状の孔部１２ａが形成される。かかる孔部１２ａは、製造工程において、第１シート部材１２にカットラインＣＬを入れることで形成することができる。カットラインＣＬを入れるのではなく、打ち抜きにより孔部１２ａを形成してもよいが、その場合、小さな廃棄片が発生し、異物混入のトラブルを引き起こす原因となる。そこで、上記カットラインＣＬを形成することで、廃棄片の発生を防止し、上記トラブルの発生を未然に防止することができる。孔部１２ａの大きさは、直径３ｍｍ相当である。

また、第１シート状部材１２と第２シート状部材１３には、それぞれ手で持ちやすくするためのつまみ部１２ｃ，１３ａが一体形成される。ただし、つまみ部１２ｃ，１３ａは必ずしも必要ない。

カットラインＣＬについては、本実施形態ではＣ字状（所定形状に相当）としているが、Ｖ字状等の適宜の形状を採用することができる。

第１シート部材１２の素材については、例えば、ＣＰＰ（無延伸ポリプロピレン）フィルム（厚さ５０μｍ）の一層構造、ＰＥ（ポリエチレン）／ＰＰ（ポリプロピレン）／ＰＥフィルムの三層構造（トータル厚さ５０μｍ）、ＰＰ／ＰＰ／ＰＰフィルムの三層構造（トータル厚さ５０μｍ）等により形成することができる。抽出液の品質、接着性、強度等を考慮して適切な素材を選択することができる。

フィルター部１０を構成する素材としては、例えば、旭化成せんい株式会社製のスパンボンドＹ２５２００を用いることができる。第２シート部材１３を構成する素材としては、例えば、大紀商事株式会社製のオキロンＣＥＷ−３０を使用することができる。

＜ドリップマシンの構成＞
つぎに、本実施形態に係る飲料用抽出フィルターを使用されるドリップマシン５の構成を図３に示す。なお、ドリップマシン５の構成は一例を示すものであり、これに限定されるものではない。ドリップマシン５は、本体部５０、本体部５０に対してヒンジ部５２により開閉される開閉蓋５１を有する。また、本体部５０の前面側の下方にはコーヒーカップ等を載置するための載置部５４が設けられている。本体部５０の上面には、抽出フィルター１を載置するための収容部５３が設けられる。開閉蓋５１の裏面側には注湯部４が設けられる。この注湯部４からお湯が抽出フィルター１に対して供給される。なお、ドリップマシン５には、不図示の水タンクとタンク内の水を加熱するためのヒーター等が設けられる。

＜注湯部の構成＞
図４は、注湯部４の構成を示す断面図と、注湯部４の各部の構成と抽出フィルター１の蓋部１１との寸法関係を示す図である。注湯部４は、ゴム等の弾性体により形成される。注湯部４の中央部には、お湯を通過させるための湯路４ａが形成される。湯路４ａの周囲には同心円状に第１リング部４ｂと第１リング部４よりも小径の第２リング部４ｃが形成される。第１リング部４ｂと第２リング部４ｃはともに下方に突出した形状であるが、第１リング部４ｂの方が第２リング部４ｃよりも少し（例えば、０．４ｍｍ）突出している。

第１シート部材１２に形成された孔部１２ａの外径ｄ４は、注湯部４の湯路４ａの内径ｄ３と同じ、又は、ほぼ同じ（ｄ３＝ｄ４：ｄ３≒ｄ４）であり、３ｍｍである。周囲Ｃの内径ｄ５は９ｍｍであり、第２リング部４ｃの外径ｄ２は９．４ｍｍである。従って、ｄ２＞ｄ５になるように設定される。周囲Ｃの外径ｄ６は１６．６ｍｍであり、第１リング部４ｂの外径ｄ１は１４．６ｍｍである。従って、ｄ６＞ｄ１になるように設定される。なお、以上の数値は一例であって、本発明はこれらの数値に限定されるものではない。

第１リング部４ｂと第２リング部４ｃが二重の壁を構成することになるので、湯路４ａから注入されたお湯が注湯部４の外側に漏れて拡散することを確実に防止することができる。

＜コーヒー抽出時の動作＞
次に、図３のドリップマシン５および本実施形態に係る飲料用抽出フィルター１を使用してコーヒーを抽出するときの動作を図５及び図６により説明する。

まず、ドリップマシン５の収容部５３に抽出フィルター１をセットする。次に、開閉蓋５１を閉鎖する。図５は、蓋を閉じた状態を示している。注湯部４の第１リング部４ｂが蓋部１１の第２シート部材１３の上面に圧接して密着した状態である。図６は、注湯部４の湯路４ａからお湯を供給している状態を示す図である。

お湯は、第２リング部４ｃの内側の空間に広がるが、孔部１２ａを介して抽出フィルター１の内部に注入される。お湯が径方向に大きく拡散されないため、効率よくお湯を注入することができる。また、お湯の圧力により周囲Ｃの内側において、第１シート部材１２と第２シート部材１３の間の空間Ｄが広がるが、周囲Ｃの更に外側にお湯が漏れて拡散することはない。従って、お湯は、効率よく注入されることになる。お湯の注入圧力により、舌片上の孔部１２は下方に垂れ下がるように変形する。

＜別実施形態＞
本実施形態では、嗜好品の例としてコーヒーを説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、紅茶、緑茶等の他の嗜好品に対しても適用することができる。

本発明に係る抽出フィルターは、図７に示すような注湯針５を使用するドリップマシンに対しても適用することができる。
第１シート部材１２と第２シート部材１３を接着するための接着剤あるいは接着方法としては任意のものを使用することができる。例えば、熱で圧接させることで接着することができる。

Ａ 周縁部
Ｂ 空間
Ｃ 周囲
ＣＬ カットライン
Ｄ 空間
１ 飲料用抽出フィルター
１０ フィルター部
１１ 蓋部
１２ 第１シート部材
１２ａ 孔部
１３ 第２シート部材
４ 注湯部
４ａ 湯路
４ｂ 第１リング部
４ｃ 第２リング部
５ 注湯針

Claims (3)

1. 嗜好品が収容されるフィルター部と、このフィルター部の上部に取り付けられる平板状の蓋部とから構成され、
   前記蓋部は、
   フィルター部側に位置し、透水性を有していない第１シート部材と、この第１シート部材の上に積層され、透水性を有する第２シート部材と、の積層構造により構成され、
   前記第１シート部材の中央にお湯を通過させる孔部が形成された飲料用抽出フィルターにおいて、
   前記第１シート部材と第２シート部材とは周縁部および前記孔部の周囲が接着された状態で積層されることを特徴とする飲料用抽出フィルター。
2. 前記孔部は、所定形状のカットラインにより舌片状に形成され、抽出時の湯の圧力により、前記舌片状の孔部が下方に変形することでお湯を通過させるように構成したことを特徴とする請求項１に記載の飲料用抽出フィルター。
3. 前記第２シート部材は、不織布により形成されることを特徴とする請求項２に記載の飲料用抽出フィルター。

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