JP2016173900A - パッファ形ガス遮断器 - Google Patents

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磯崎 優
Masaru Isozaki
優 磯崎
雅祥 中野
Masayoshi Nakano
雅祥 中野
宣行 高尾
Nobuyuki Takao
宣行 高尾
山田 直人
Naoto Yamada
直人 山田
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Abstract

【課題】放圧弁および吸入弁を一体的に構成し、組み立ておよび調整の手間のかからないパッファ形ガス遮断器を提供する。
【解決手段】パッファシリンダと相対的に移動可能に固定配置された固定ピストンとによりパッファ機構を構成し、パッファシリンダ内を仕切り壁によって仕切って圧縮室を構成し、この前記圧縮室に臨む前記ピストンのピストン壁にこれを貫通して吸排気孔を設け、前記ピストンの内側から前記ピストン壁に設けた吸排気孔を放圧弁板により開閉可能に閉塞し、前記放圧弁板にこれを貫通して吸入孔を設け、前記ピストン壁の吸排気孔内に前記放圧弁板の吸入孔を開閉可能に閉塞する吸入弁板を配設する。
【選択図】図2

Description

この発明は、ガス遮断器の遮断時に発生するアークのエネルギーを利用して消弧性絶縁ガスの圧力を高め、この圧力の高められたガスによりアークの消弧を行うようにしたパッファ形ガス遮断器に関する。
従来から、電力系統の線路に地絡事故や線間短絡事故が発生した際、電力系統を保護するための大電流遮断装置として、ガス遮断器が良く知られている。ガス遮断器のなかでも、構造が簡単で、信頼性が高く、かつ遮断能力の優れたパッファ形ガス遮断器がよく使われる。
特許文献1等に開示されている従来のパッファ形ガス遮断器の構成を図8〜図11に示す。
図8〜図11に示すように、パッファ形ガス遮断器は、消弧性絶縁ガス(以下単にガスともいう)の封入された容器1内に開閉接触部10が収められている。開閉接触部10は、固定的に支持された固定主接触子11および固定アーク接触子12を備えた固定接触子部13と、この固定接触子部13に対して進退することにより接離可能に支持された可動主接触子14および可動アーク接触子15を備えた可動接触子部16とで構成される。さらに、可動接触子部16に一体に結合された円筒状の可動シリンダ21とこの可動シリンダ21内に固定配置された固定ピストン25とで構成されたパッファ機構20が設けられている。可動シリンダ21の内部は仕切り壁22により仕切られ、膨張室23と圧縮室24が形成される。
仕切り壁22には膨張室23と圧縮室24とを連通する連通孔22aが設けられている。この連通孔22aは、圧縮室24から膨張室23への通流は許容し、その逆の通流は阻止する逆止弁26により閉じられている。ピストン25の先端のピストン壁25aには放圧用連通孔27と吸入用連通孔28が設けられている。この放圧用連通孔27は放圧弁板31aと放圧バ31b、31cによって構成された放圧弁31により開閉可能に閉じられている。吸入用連通孔28も同様に、吸入弁板32aと吸入バネ32b、32cによって構成された吸入弁32により開閉可能に閉じられている。
放圧弁板31aのピストン壁25aの吸入用連通孔28と対向する位置には、これと連通する吸入孔28aが設けられている。また、吸入弁板32aのピストン壁25aの放圧用連通孔27と対向する位置には、これと連通する放圧孔27aが設けられている。
放圧弁31は、常時は、放圧弁板31aが放圧バネ31bによりピストン壁25aに押し付けられて放圧用連通孔27を閉塞する。そして、放圧弁板31aに圧縮室24から放圧孔27aおよび放圧用連通孔27を通して加わる圧力が放圧バネ31bのバネ力より大きくなると、放圧弁板31aが放圧バネ31のバネ力に抗してピストン壁25aから離れる方向に移動され、放圧孔27aおよび放圧用連通孔27が開放される。これにより、圧縮室24のガスがシリンダの外へ放出されるので、その内部圧力が低下され、容器1内の圧力と等しくなる。圧縮室24の圧力が容器1内の圧力と等しくなると、再び放圧バネ31bにより放圧弁板31aがピストン壁25aに押し付けられ、放圧弁31は放圧孔27aおよび放圧用連通孔27を閉塞する。
また、吸入弁板32は、常時は、吸入弁板32aが吸入バネ32bによりピストン壁25aに押し付けられて吸入用連通孔28を閉塞する。そして、圧縮室24の内部空間が拡大されて内部圧力が容器1内の圧力より低下し、吸入弁板32に吸入孔28aおよび吸入用連通孔28を通してシリンダ21の外から加わる圧力が吸入バネ32bのバネ力より大きくなると吸入弁板32が吸入バネ32bのバネ力に抗してピストン壁25aから離れる方向に移動され、吸入用連通孔28および吸入孔28aが開放される。これにより、吸入孔28aおよび吸入用連通孔28を通して圧縮室24内に容器1内のガスが吸い込まれ、その内部圧力が高められ、容器1内の圧力と等しくなる。圧縮室24の圧力が容器1内の圧力と等しくなると、再び吸入バネ32bにより吸入弁板32aがピストン壁25aに押し付けられ、吸入弁32は吸入用連通孔28および吸入孔28aを閉塞する。
可動シリンダ21に連結された駆動軸29は、これに連結された図示しない開閉駆動機構により軸方向に駆動されて、この駆動軸29に結合された可動接触子部を水平方向に駆動し、固定接触子部13との接離を行い、開閉接触部10の開閉を行う。
このような従来のパッファ形ガス遮断器は、投入状態においては、図8(a)、(b)NI示すように、可動シリンダ21が図の左方向に駆動されて可動主接触子14および可動アーク接触子15が、それぞれ固定主接触子11および固定アーク接触子12と接触し、通電状態におかれる。
小電流通電状態において、図9に示すように、図示しない駆動装置により可動シリンダ21を矢印R方向に駆動して可動主接触子14および可動アーク接触子15をそれぞれ固定主接触子11および固定アーク接触子12から切離して電流を遮断すると、固定アーク接触子12と可動アーク接触子15の間に小さなアークA10が発生する。
このとき、可動シリンダ21の矢印R方向への移動に伴って、圧縮室24の内部が圧縮されることにより、その内部ガス圧力が上昇する。圧縮室24の内部ガス圧力が上昇すると、仕切り壁22の逆止弁26が開き、連通孔22aが開放される(図9(b)参照)。
これにより、圧縮室24内の加圧されたガスが、連通孔22aから点線矢印G10で示すように膨張室23を通して開閉部10へ流れるので、このガスによってアークA10を吹き消すことができる。これにより電路の電流をより高速で遮断することができる。
また、この遮断動作時に、圧縮室24の内部を圧縮することにより駆動装置に大きな負荷がかかるが、圧縮室24の内部圧力が所定値以上に高まると、逆止弁26が開き、圧縮室24内のガスを膨張室23に逃がすので、駆動装置にかかる負荷が低減される。
また、大電流を遮断するときは、図10に示すように、可動アーク接触子15と固定アーク接触子12との間に大きなアークA11が発生する。このアークA11により接触部10の周囲のガスが加熱されて高圧のガスG11が発生し、その一部がシリンダ21内の膨張室23に蓄えられ、残りが駆動軸29の中空部へ排出される。膨張室23に蓄えられた高圧ガスは、膨張室23から排出されて、アークA11の吹き消しを行う。
この間、圧縮室24は、移動するシリンダ21の仕切り壁22により圧縮されるので、内圧が上昇するが、膨張室23の内部圧力が上昇しているため、仕切り壁22の逆止弁26は閉じたままとなる。圧縮室24の上昇した圧力によりピストン壁25aの放圧用連通孔27を閉塞している放圧弁板31aが放圧バネ31bのバネ力に抗して放圧バネ31bを圧縮する方向に移動し、放圧用連通孔27を開放する。これにより、圧縮室24内の圧力の高められたガスが矢印G12で示す経路で容器内に放出される。これにより、圧縮室24内の圧力が放圧されて放圧バネ31bのバネ力と均等またはそれ以下の圧力まで低下する。この結果、圧縮室24の圧縮過程での駆動装置にかかる負荷を低減することができる。
この従来のガス遮断器の遮断状態から投入状態に至る中間の過程を図11に示す。
遮断器の投入は、図示しない駆動装置により駆動軸29を矢印L方向に駆動することにより行う。これにより、可動シリンダ21、可動主接触子14および可動アーク接触子15が矢印L方向に水平に移動し、それぞれ固定主接触子11および固定アーク接触子12に接触する。この過程で、シリンダ21の仕切り壁22が矢印L方向へ移動することにより、圧縮室24の容積が拡大される。この結果、圧縮室21の内部圧力が低下し、吸入弁板32aが、吸入バネ32bのバネ力に抗して矢印L方向に吸引され、吸入用連通孔28が開放される(図11(b)参照)。
これにより、矢印G13で示すように、連通孔31d、吸入孔28a、吸入用連通孔28、放圧孔27aを通して容器1内のガスが圧縮室24に吸入され、圧縮室24の圧力が上昇し、容器1内の圧力と等しくなる。この結果、圧縮室24の拡大過程での駆動装置にかかる負荷を低減することができる。
特開2002-197950号公報
前記のように、従来のパッファ形ガス遮断器は、開閉操作に伴って、ピストン壁に設けた放圧弁および吸入弁を開閉することによってシリンダの圧縮室のガス圧力の過大上昇および過小低下を防止することができるので、開閉機構駆動装置の駆動力を低減することができる。
しかし、放圧弁および吸入弁は、個別に設けられているため、それぞれ放圧バネおよび吸入バネのバネ力を調整して動作圧力を調整して、2つの弁の動作協調をとることが必要になる。このため、従来のパッファ形ガス遮断器は、これらの弁の組み立ておよび調整に手間がかかるという問題を有する。
この発明は、このような問題を解決するために、放圧弁および吸入弁を一体的に構成し、組み立ておよび調整の手間のかからないパッファ形ガス遮断器を提供することを課題とするものである。
前記の課題を解決するため、この発明は、消弧性絶縁ガスの封入された容器と、この容器内に固定配置された固定接触子部と、この固定接触子部に対して進退することにより接離する可動接触子部とを備え、前記可動接触子部を後退させて固定接触子部から離間して電流を遮断するとき、前記可動接触子部の後退に伴って前記消弧性絶縁ガスを圧縮し、この圧縮した消弧性絶縁ガスを前記固定接触子部と可動接触子部の間に発生するアークに吹き付けて消弧するガス遮断器において、
前記可動接触子部とともに直線移動可能とした可動パッファシリンダと、このパッファシリンダ内を中間で仕切って膨張室と圧縮室を形成する仕切り壁と、前記容器に支持され、前記圧縮室内に前記パッファシリンダと相対的に移動可能に固定配置され、前記パッファシリンダの移動に伴って前記圧縮室内の縮小、拡大を行う固定ピストンとによりパッファ機構を構成し、前記仕切り壁に前記膨張室から前記圧縮室側への前記ガスの通流を阻止する逆止弁を設け、前記圧縮室に臨む前記ピストンのピストン壁にその内外に通じる吸排気孔を設け、前記ピストンの内側から放圧弁板により前記吸排気孔を開閉可能に閉塞し、前記放圧弁板にこれを貫通して前記吸排気孔に通じる吸入孔を設け、前記ピストン壁の吸排気孔内に前記放圧弁板の吸入孔を開閉可能に閉塞する吸入弁板を収容したことを特徴とするものである(請求項1の発明)。
この発明においては、前記放圧弁板は、圧縮バネからなる弁バネにより前記ピストン壁の内側面に押し付けて前記吸排気孔を閉塞するのがよい(請求項2の発明)。
また、この発明おいては、前記ピストン壁の吸排気孔は、このピストン壁の内側面側に開口した凹溝で形成され、複数の連通口により前記圧縮室と連通するようにするのがよい (請求項3の発明)。
さらに、前記放圧弁板および吸入弁板は、前記ピストン壁の中心部に設けた支持ボスに摺動可能に案内支持することができる(請求項4の発明)。
この発明によれば、ガス遮断器のパッファシリンダとピストンで構成されたパッファ機構のピストン壁に設けた吸排気孔の開閉を行う放圧弁板だけに動作圧力調整用の弁バネ機構を設け、吸入弁板には弁バネ機構を設けないで済むので、圧縮室の放圧用弁機構および吸気用弁機構の組み立ておよび調整が簡単となり、組み立てや調整の手間を省くことができる。
この発明のパッファ形ガス遮断器の実施例を示す正面断面図である。 この発明のパッファ形ガス遮断器の実施例の要部を拡大して示す正面断面図である。 図2のIII−III線に沿う切断断面図である。 この発明の弁調整機構の動作説明図であり、(a)は閉塞状態を示す図、(b)は吸気状態を示す図、(c)は排気状態を示す図である。 この発明のパッファ形ガス遮断器の投入工程を示すもので、(a)は遮断状態を示す図、(b)は投入時の中間状態を示す図、(c)は投入状態を示す図である。 この発明のガス遮断器の遮断工程を示すもので、(a)は投入状態を示す図、(b)は遮断時の中間状態を示す図、(c)は遮断状態を示す図である。 この発明のパッファ形ガス遮断器の大電流遮断状態を示す図である。 従来のパッファ形ガス遮断器の構成を示すもので、(a)は正面断面図、(b)は要部を拡大して示す正面断面図である。 従来のパッファ形ガス遮断器の遮断動作の説明図、(a)は全体を示す正面断面図、(b)は要部を拡大して示す正面断面図である。 従来のパッファ形ガス遮断器の大電流遮断動作の説明図である。 従来のパッファ形ガス遮断器の投入動作の説明図であり、(a)は全体を示す正面断面図、(b)は要部を拡大して示す正面断面図である。
この発明の実施の形態を図に示す実施例について説明する。
図1〜図3にこの発明の実施例を示す。
図1〜図3において、従来のパッファ形ガス遮断器の構成要素と機能が等価な構成要素は同一符号を付して示す。
図1および図2のこの発明のパッファ形ガス遮断器において、1は、消弧性絶縁ガスの封入された容器であり、この容器1内に、固定主接触子11および固定アーク接触子12で構成された固定接触子部13と可動主接触子14および可動アーク接触子15で構成された可動接触子部16を有する開閉接触部10が収められる。また、容器1内には、可動接触子部16と結合された円筒状の可動シリンダ21と、容器1に固定支持された円筒状の固定ピストン25とを備えたパッファ機構20も配設されている。
このバッファ機構20の可動シリンダ21は、中間を仕切り板22により仕切られ、その両側に膨張室23と圧縮室24を形成する。シリンダ21の膨張室23の開放端側は開閉接触部10に臨み、圧縮室24内には、その開放端側から相対的に移動可能に固定ピストン25が挿入される。この固定ピストン25の先端のピストン壁25aは、圧縮室24の一方壁を構成し、その中心部に可動接触子部16および可動シリンダ21に結合され、これらを水平方向に駆動する駆動軸29が可動的に挿通される。この駆動軸29は、図示しないガス遮断器の開閉駆動機構に連結され、開閉接触部10を直線的に駆動して開閉操作を行う。また、駆動軸29は中空軸で形成され、その中空部は、図示しない連通孔を介して、ピストン25の内室を通して容器1の内室と連通され、容器1との間で消弧性絶縁ガスの通流が可能となっている。
仕切り板22には、膨張室23と圧縮室24とを連通する連通孔22aが設けられ、この連通孔22aは、圧縮室24から膨張室23への通流だけを行い、その逆の通流は阻止する逆止弁26により閉塞される。
図2に詳細を示すように、ピストン壁25aには、中心部に設けられた支持ボス25bの周囲に形成した環状溝41とピストン壁25aを貫通してこの溝と連通する複数の連通孔42とで構成された圧縮室24とピストン25の内室に連通された吸排気孔43が設けられている。そして、この吸排気孔43は、放圧弁板44によりピストン壁25aの内側から開閉可能に閉塞される。また、この放圧弁板44には複数の吸入孔45が分散して設けられている。さらに、この放圧弁板44の吸入孔45を開閉可能に閉塞するために、環状溝41内に可動的に吸入弁板46が収められている。放圧弁板44および吸入弁板46は、ピストン壁25aの中心部に設けた支持ボス25bにより摺動可能に支持される。
放圧弁板44は、ピストン壁25aに立設された弁棒47と47aとこれに装着された圧縮弁バネ48とにより構成された弁調整機構49によりピストン壁25aの内側面に押し付けられて、吸排気孔43をピストン壁25aの内側から閉塞する。
吸入弁板46は、圧縮室24側から吸排気孔43を通して加わる圧力により放圧弁板44に押し付けられたり、離間されたりして、放圧弁板44に設けた吸入孔45を開閉する。
弁調整機構49は、複数個(ここでは3個)を図3に示すように等間隔で分散して配設される。放圧弁板44に設けられる吸入孔45も図3に示すように複数個設けられている。また、ピストン壁25aに、その内側面側に開口して設けられた環状溝41は1個であるが、これに連通する連通孔42は複数個設けられ、分散して配設される。
次に、このように構成されたこの発明のパッファ型ガス遮断器の動作を図4〜図7を参照して説明する。
まず、可動主接触子14が固定主接触子11から開離した遮断状態から両接触子を接触させて電路を接続して投入状態とする投入動作から説明する。
図5(a)に示すように、遮断状態においては、可動シリンダ21が固定接触子部13から離れた位置にあるので、圧縮室24の容積が最小に縮小されている。このとき、圧縮室24内のガス圧力は、固定ピストン25内および容器1内のガス圧力と等しい圧力となっている。
このため、ピストン壁25aに設けられた弁調整機構は、図4(a)に示すように、弁バネ48のバネ力により放圧弁板44が直接ピストン壁25aの内側面に押し付けられ、吸排気孔43を閉塞する。また、吸入弁板46は放圧弁板44に接触した位置にあり、吸入孔45を閉塞している。
ここで遮断器の投入のために、駆動軸29を図5(b)に示すように、矢印L方向へ移動すると、これに連動して可動シリンダ21が同じ方向に移動するので、圧縮室24の容積が拡大される。これにより、圧縮室24およびこれに連通した吸排気孔43の内部圧力が低下するので、図4(b)に示すように、吸入弁板46に吸引力Aが働き、放圧弁板44から離間する方向に移動し、吸入孔45が開放される。
放圧弁板44の吸入孔45が開放されると、図4(b)に示すように、吸入孔45および吸排気孔43を通してピストン25の内室のガスが矢印G4bで示すように圧縮室24に吸入される。これにより、圧縮室24の圧力低下が抑制されるので、駆動軸29に加わる投入負荷が軽減されるようになる。
駆動軸29がさらに、矢印L方向に移動されると、これと連動して可動シリンダ21が移動するので、可動シリンダ21に結合された可動接触子部16が図5(c)に示すように固定接触子部13と接触する位置まで移動し、電路を接続し、投入動作を完了する。
投入状態では、圧縮室24内には、容積の拡大に伴ってガスが吸入孔45、吸排気孔43を通して吸入されるため、圧縮室24の圧力はピストン25の内室の圧力、すなわち容器1内の圧力と等しい圧力となる。圧縮室24とピストン25の内室の圧力が等しい状態になると吸排気孔43内の吸入弁板46は、自由な位置に置かれが、放圧弁板44は、弁バネ48により押圧されて、ピストン壁25aの内側面に押し付けられ、吸排気孔43を閉塞する。
引き続き無負荷または負荷電流の小さい状態での遮断動作を、図6を参照して説明する。
図6(a)は、固定接触子部13と動接触子部16が接触した投入状態を示す。ここでは小さな負荷電流が通流している。
ここで、駆動軸29を図6(b)に示すように、矢印R方向に移動して遮断を行うと、これと連動して可動シリンダ21が同方向に移動し、可動接触子部16が固定接触子部13から離間する。この時、流れている負荷電流により、固定アーク接触子12と可動アーク接触子15との間にアークA6が発生する。
また、可動シリンダ21のR方向への移動により、圧縮室24は圧縮されて、その容積を縮小する。これにより、圧縮室24の室内の圧力が高められ、圧縮室24の圧力がピストン壁25aの吸排気孔43に伝達され、吸入弁板46を放圧弁板44に押し付け吸入孔45を閉塞する。このとき、圧縮室24の圧力は、吸入弁板46を介して放圧弁板44に加わるが、この圧力によっては、開放しないように弁バネ48のバネ力を設定しておく。これにより、吸排気孔43は、放圧弁板44によって閉塞されたままとなる。
さらなるシリンダ21の移動により、圧縮室24の圧力がさらに高まり、逆止弁26の設定圧力を超えると、逆止弁26が開放する。これにより、圧縮室24内で圧力の高められたガスが、矢印G6で示すように連通孔22aから膨張室23を通して、アークA6に吹き付けられるので、アークA6は直ちに消弧される。
シリンダ21がさらにR方向に移動され、図6(c)に示す投入待機位置まで来たところで遮断動作が完了する。
このように遮断器の遮断動作時には、圧縮室24を圧縮して、その内部のガス圧力を高め、この圧力の高められたガスにより遮断時にアーク接触子間に発生したアークを吹き消すことができるので、遮断器の遮断性能が向上する。
負荷電路が短絡したり地絡したりすることにより、遮断器に過大な電流が流れている状態で遮断を行う場合は、図7に示すように、固定アーク接触子12と可動アーク接触子15間に大きなアークA7が発生する。このアークA7は、絶縁ノズル17により包囲されているため、アークA7の周囲のガスがこのアークによって加熱されて圧力が高められる。この圧力の高められたガスの一部が矢印G7で示すように、膨張室23に戻されて、ここに蓄えられる。このとき、仕切り壁24の逆止弁26は、膨張室23の圧力が圧縮室24の圧力より高くなるので、閉じたままとなる。
このため、可動シリンダ21の矢印R方向への移動に伴って圧縮室24の圧力は一段と高められる。しかし、このとき、圧縮室24の圧力が弁調整機構49の弁バネ48のバネ力等で決められた放圧設定圧力より高くなると、図4(c)に示すように、放圧弁板44に吸排気孔43を通して加わる圧縮室24のガス圧力により、放圧弁板44は、矢印B方向に押圧される。これにより、放圧弁板44が、ピストン壁25aの内側面から離れ、吸排気孔43が開放される。この結果、圧縮室24のガスが矢印G4cで示すように、吸排気孔43を通してピストン25の内室へ放出され、圧縮室24の圧力が放圧される。これによって、駆動軸29を駆動する駆動力が軽減される。
また、図7に示すように、アークA7によって加熱されたガスの一部は、矢印G8で示すように駆動軸29の中空部から容器1内に逃がされるので、可動アーク接触子15の内側のアークA7の周囲のガスの圧力が低下する。これにより膨張室23に蓄えられていた圧力の高いガスがアーク接触子部へ放出されるようになる。この膨張室23から放出される高圧のガスによりアークA7が吹き消されるので、大電流遮断時のアークA7を高速で消弧することができる。
このようにこの発明のガス遮断器によれば、遮断電流の大きさに関係なく遮断動作時に発生するアークをパッファ機構で形成された高圧のガスにより吹き消すことにより、高速で消弧を行うことができるので遮断性能を向上できる。また、可動シリンダ21内の圧縮室24のガス圧力の上昇、降下に伴う放圧、吸入を制御する弁機構の調整機構は、放圧弁板だけに設けるので、吸排気弁機構の組み立ておよび調整を簡単にすることができる。
なお、吸入弁板46の動作圧力は、吸入弁板46の吸入孔45を通した受圧面積と吸排気孔43を通して受圧面積によって調整できるので、吸入孔45および吸排気孔43の口径によって決めることができる。また、放圧弁板の動作圧力は、弁バネのバネ力と吸排気孔43の口径によって調整可能である。
1:密閉容器
10:開閉接触部
11:固定主接触子
12:固定アーク接触子
13:固定接触子部
14:可動主接触子
15:可動アーク接触子
16:可動接触子部
17:絶縁ノズル
20:パッファ機構
21:可動シリンダ
22:仕切り壁
22a:連通孔
23:膨張室
24:圧縮室
25:固定ピストン
25a:ピストン壁
26:逆止弁
29:駆動軸
41:連通孔
42:環状溝
43:吸排気孔
44:放圧弁板
45:吸入孔
46:吸入弁板
47:弁棒
48:弁バネ
49:弁調整機構

Claims (4)

  1. 消弧性絶縁ガスの封入された容器と、この容器内に固定配置された固定接触子部と、この固定接触子部に対して進退することにより接離する可動接触子部とを備え、前記可動接触子部を後退させて固定接触子部から離間して電流を遮断するとき、前記可動接触子部の後退に伴って前記消弧性絶縁ガスを圧縮し、この圧縮した消弧性絶縁ガスを前記固定接触子部と可動接触子部の間に発生するアークに吹き付けて消弧するガス遮断器において、
    前記可動接触子部とともに直線移動可能とした可動リンダと、このシリンダ内を中間で仕切って膨張室と圧縮室を形成する仕切り壁と、前記容器に支持され、前記圧縮室内に前記シリンダと相対的に移動可能に固定配置され、前記シリンダの移動に伴って前記圧縮室内の縮小、拡大を行う固定ピストンとによりパッファ機構を構成し、前記仕切り壁に前記膨張室から前記圧縮室側への前記ガスの通流を阻止する逆止弁を設け、前記圧縮室に臨む前記ピストンのピストン壁にその内外に通じる吸排気孔を設け、前記ピストンの内側から放圧弁板により前記吸排気孔を開閉可能に閉塞し、前記放圧弁板にこれを貫通して前記吸排気孔に通じる吸入孔を設け、前記ピストン壁の吸排気孔内に前記放圧弁板の吸入孔を開閉可能に閉塞する吸入弁板を収容したことを特徴とするパッファ形ガス遮断器。
  2. 前記放圧弁板は、圧縮バネからなる弁バネにより前記ピストン壁の内側面に押し付けて前記吸排気孔を閉塞することを特徴とする請求項1に記載のパッファ形ガス遮断器。
  3. 前記ピストン壁の吸排気孔は、このピストン壁の内側面側に開口した凹溝で形成され、複数の連通口により前記圧縮室と連通するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のパッファ形ガス遮断器。
  4. 前記放圧弁板および吸入弁板は、前記ピストン壁の中心部に設けた支持ボスに摺動可能に案内支持することを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載のパッファ形ガス遮断器。
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