JP2016171734A - パイプ用ホルダおよびワイヤハーネス - Google Patents
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Abstract
【課題】係止突起を係止孔に係止させなくても仕切り付きパイプの端部に取り付けることが可能なパイプ用ホルダおよびワイヤハーネスを提供する。【解決手段】周壁21の内側が仕切り壁22によって仕切られることで、電線30が挿通される電線挿通室23が複数室形成された仕切り付きパイプ20の端部に取り付けられるものであり、前記電線挿通室23にそれぞれ通された前記電線30を包囲してその前記電線挿通室23に嵌合され、前記電線挿通室23を囲む前記周壁21または前記仕切り壁22のエッジ29に前記電線30が接触することを防ぐ包囲部11と、前記包囲部11から外側に延出し、前記電線挿通室23を囲む前記周壁21または前記仕切り壁22を前記包囲部11との間で挟むクリップ部15と、を備えたものである。【選択図】図2
Description
本発明は、パイプ用ホルダおよびワイヤハーネスに関する。
従来、車両等に配索されるワイヤハーネスを構成する電線を、パイプに挿通して保護する技術が知られている。そして、パイプ端のエッジに電線が接触して損傷することを防ぐべく、エッジを被覆するホルダをパイプの端部に取り付けることがある。
このようなパイプ用ホルダには、例えば下記特許文献1に記載のように、パイプの内側が仕切り壁によって仕切られることで、電線が挿通される電線挿通室が複数室形成された仕切り付きパイプの端部に取り付けられるものがある。このパイプ用ホルダは、パイプの周壁および仕切り壁のエッジを一体的に被覆する被覆部と、パイプの周壁の内面に沿って差し込まれる差込部とを備えている。被覆部は、仕切り壁および周壁の端部が差し込まれるように断面コの字形状に形成されている。このパイプ用ホルダは、差込部の外周面に突設された係止突起を、パイプに形成された係止孔に係止させることにより、パイプの端部に取り付けられる。
しかしながら、上記のように係止突起を係止孔に係止させる構成では、パイプに穴あけ加工をしなければならないのでコストが高くつく。また、上記のようなホルダを仕切り付きパイプの端部に取り付けるためには、被覆部にパイプの周壁および仕切り壁の端部を差し込みつつ、係止突起と係止孔との周方向の位置合わせをしなければならないので、取り付け作業に手間がかかる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、係止突起を係止孔に係止させなくても仕切り付きパイプの端部に取り付けることが可能なパイプ用ホルダおよびワイヤハーネスを提供することを目的とする。
本発明のパイプ用ホルダは、周壁の内側が仕切り壁によって仕切られることで、電線が挿通される電線挿通室が複数室形成された仕切り付きパイプの端部に取り付けられるものであり、前記電線挿通室にそれぞれ通された前記電線を包囲してその前記電線挿通室に嵌合され、前記電線挿通室を囲む前記周壁または前記仕切り壁のエッジに前記電線が接触することを防ぐ包囲部と、前記包囲部から外側に延出し、前記電線挿通室を囲む前記周壁または前記仕切り壁を前記包囲部との間で挟むクリップ部と、を備えたものである。
本発明のワイヤハーネスは、複数本の電線と、周壁の内側が仕切り壁によって仕切られることで、前記電線が挿通される電線挿通室が複数室形成された仕切り付きパイプと、前記パイプ用ホルダと、を備えたものである。
本発明によれば、電線を包囲した包囲部を電線挿通室に嵌合すると、クリップ部が包囲部との間で周壁または仕切り壁を挟んでパイプ用ホルダが仕切り付きパイプの端部に取り付けられるから、係止突起を係止孔に係止させなくてもパイプ用ホルダを仕切り付きパイプの端部に取り付けることができる。
本発明の好ましい形態を以下に示す。
本発明のパイプ用ホルダは、前記包囲部の周方向の一部がスリットにより開放されているものとしてもよい。このような構成によれば、スリットを開いて電線の側方から包囲部を装着することができるから、パイプ用ホルダの取り付け作業を容易に行うことができる。
本発明のパイプ用ホルダは、前記包囲部の周方向の一部がスリットにより開放されているものとしてもよい。このような構成によれば、スリットを開いて電線の側方から包囲部を装着することができるから、パイプ用ホルダの取り付け作業を容易に行うことができる。
また、本発明のパイプ用ホルダは、前記仕切り付きパイプが、電磁波をシールドする機能を備えたシールドパイプであり、前記仕切り付きパイプの端部に、前記仕切り付きパイプから導出された前記電線を一括して包囲可能な筒状をなす可撓性シールド部材が接続され、前記電線のうち特定の電線が、前記可撓性シールド部材から外側に導出されるものとされ、前記特定の電線を包囲する前記包囲部が、前記特定の電線のうち前記可撓性シールド部材の内側に配される部分を包囲して電磁波をシールドする機能を備えているものとしてもよい。このような構成によれば、可撓性シールド部材の内側において電線が電磁ノイズの影響を受けることを防ぐことができる。
また、本発明のワイヤハーネスは、前記クリップ部が、前記周壁の外側に配されてテープにより巻き付けられて固定されているものとしてもよい。このような構成によれば、パイプ用ホルダを仕切り付きパイプの端部に強固に固定することができる。
また、本発明のワイヤハーネスは、前記複数本の電線が、2本の高圧電線と1本の低圧電線とから構成され、前記高圧電線と前記低圧電線とが、別の前記電線挿通室に挿通されているものとしてもよい。
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1について、図1〜図9を参照しつつ詳細に説明する。
本実施例におけるパイプ用ホルダ(以後、単にホルダ10と称する)は、周壁21の内側が仕切り壁22によって仕切られた仕切り付きパイプ(以後、単にパイプ20と称する)の端部に取り付けられるものである。以下、各構成部材において、図1の上側を上方、下側を下方、右側を右方、左側を左方とし、また、図2の左側を前方、右側を後方として説明する。
以下、本発明を具体化した実施例1について、図1〜図9を参照しつつ詳細に説明する。
本実施例におけるパイプ用ホルダ(以後、単にホルダ10と称する)は、周壁21の内側が仕切り壁22によって仕切られた仕切り付きパイプ(以後、単にパイプ20と称する)の端部に取り付けられるものである。以下、各構成部材において、図1の上側を上方、下側を下方、右側を右方、左側を左方とし、また、図2の左側を前方、右側を後方として説明する。
パイプ20は金属製(鉄、アルミニウム、銅、ステンレス等)であって、内部に電線30を収容して電磁波をシールドするとともに異物の干渉から保護するシールドパイプである。本実施例では、パイプ20には3本の電線30が収容され、そのうち2本は、車両の後部に備えられた高圧バッテリ等の機器と車両の前部に備えられたインバータ等の機器とを接続する高圧電線(以下、第1電線30Fと称する)であり、1本は、車両の後部に備えられた低圧バッテリ等の機器と車両の前部に備えられたヒューズボックス等の機器とを接続する低圧電線(以下、第2電線30Sと称する)である。
第1電線30Fおよび第2電線30Sは、ともに導体31の外周を絶縁被覆32で包囲してなるノンシールド電線である。なお、低圧電線である第2電線30Sのノイズ対策は不要とされており、第2電線30Sは、パイプ20の端部に接続された後述する可撓性シールド部材40から外側に導出される。
ところで、電線30はここで例示する機器のみならず各種の機器に接続されるものであってよく、また電線30の本数は3本に限らず、その接続態様にあわせた本数であってよい。
パイプ20の内部は、仕切り壁22によって2室の電線挿通室23に分けられている。2室の電線挿通室23のうちの一方は、第1電線30Fが挿通される第1電線挿通室23F、他方は、第2電線30Sが挿通される第2電線挿通室23Sとされている。第2電線挿通室23Sは、第1電線挿通室23Fよりも若干大きい挿通空間を有し、パイプ20の片側略半分よりも若干広い範囲に形成されている。
パイプ20の周壁21は略真円形の筒状をなし、その壁厚寸法は、周方向および軸方向にわたり略一定とされている。
仕切り壁22は周壁21よりも薄く、湾曲した形状に形成されている。具体的には、仕切り壁22は、左右方向における中央部が第1電線挿通室23F側に膨らむように湾曲した第1湾曲部24、左右方向における両端部が第2電線挿通室23S側に膨らむように湾曲した第2湾曲部25とされている(図3参照)。この仕切り壁22および周壁21によって取り囲まれた第1電線挿通室23Fの壁面は、全体が丸みを帯びた形状となっている。パイプ20は、左右方向における中心軸を挟んで対称な形状とされている。なお、周壁21と仕切り壁22とは、押出成形によって一体に形成されている。
仕切り壁22は周壁21よりも薄く、湾曲した形状に形成されている。具体的には、仕切り壁22は、左右方向における中央部が第1電線挿通室23F側に膨らむように湾曲した第1湾曲部24、左右方向における両端部が第2電線挿通室23S側に膨らむように湾曲した第2湾曲部25とされている(図3参照)。この仕切り壁22および周壁21によって取り囲まれた第1電線挿通室23Fの壁面は、全体が丸みを帯びた形状となっている。パイプ20は、左右方向における中心軸を挟んで対称な形状とされている。なお、周壁21と仕切り壁22とは、押出成形によって一体に形成されている。
そして、パイプ20の端部には、パイプ20から導出された電線30を一括して包囲可能な可撓性シールド部材40が接続されている。可撓性シールド部材40は、導電性の金属細線(例えば、銅)をメッシュ状に編み込んで筒状に形成してなる編組部材である。可撓性シールド部材40の一端側は、図2に示すように、パイプ20の外周面に金属バンド41によってカシメ付けられて導通可能に固着されている。
ホルダ10は、各電線挿通室23に挿通された電線30を包囲して各電線挿通室23に個別に嵌合される包囲部11を有している。包囲部11は、図2に示すように、パイプ20端のエッジ29よりも前方に突出し、エッジ29の内側を覆って電線30がエッジ29に接触することを防ぐものである。包囲部11は略筒状をなし、前端から後端に向かって次第に薄肉化されている。なお、包囲部11の内周面が軸線に対して略平行をなし、外周面が軸線に対して内向きに傾斜している。
そして、包囲部11の周方向の一部は、スリット(以下、第1スリット12と称する)により開放されている。第1スリット12は、包囲部11の軸方向の全長にわたり直線状に延びて形成されている。
包囲部11のうち第1スリット12と対向する部分(第1スリット12とは180度反対側の部分)には、ヒンジ部13が設けられている。ヒンジ部13は、包囲部11の他の部分よりも薄肉に形成され、後述する第1ホルダ10Fにおいてはその外側のみに凹みが形成され、後述する第2ホルダ10Sにおいてはその外側と内側とに凹みが形成されている。なお、第2ホルダ10Sのヒンジ部13の内側の凹みは、外側の凹みより小さくされている。
包囲部11の前端部には、パイプ20の端面28に前方から係止する係止部14が設けられている。係止部14は、包囲部11から外側に張り出して設けられている。係止部14は、包囲部11の略全周に形成され、パイプ20の周壁21の端面28に係止する外側係止部14Sと、仕切り壁22の端面28に係止する内側係止部14Uとを備えている。
ホルダ10は、包囲部11との間でパイプ20の周壁21を挟むクリップ部15を備えている。クリップ部15は、包囲部11から外側に延出して設けられている。クリップ部15は、係止部14の外側端から包囲部11と対向して後方に延び、包囲部11の後端に至っている。クリップ部15の後端部には、外側に突出する鍔部15Aが幅全体に形成されている。クリップ部15の断面は、パイプ20の周壁21の外周面に沿うように湾曲した円弧形状とされている。クリップ部15と包囲部11との間の間隔は、図2に示すように、前端から後端に向かって次第に大きくなるものとされている。なお、クリップ部15の前端部には、外周縁を斜めに切り欠いた形態のテーパ部16が形成されている。
包囲部11のうちクリップ部15とは反対側には、第2スリット17が設けられている。第2スリット17は、包囲部11の後端から包囲部11の前後方向における中間部まで直線状に延びて形成されている。
そして、ホルダ10は、図1に示すように、第1電線挿通室23Fに嵌合される第1ホルダ10Fと、第2電線挿通室23Sに嵌合される第2ホルダ10Sとを備えている。
第1ホルダ10Fの包囲部11は、全体として第1電線挿通室23Fの形状に整合した筒状をなし、第1電線挿通室23Fを取り囲むパイプ20の周壁21および仕切り壁22に沿った状態で第1電線挿通室23Fに嵌合する。第1ホルダ10Fの包囲部11の左右両端部には、第1電線30Fの外周面に沿った円弧形状をなす円弧部18が形成されている。
第1ホルダ10Fの外側係止部14Sは、パイプ20の周壁21のうち第1電線挿通室23Fを形成する部分の略全体に係止する。また、第1ホルダ10Fの内側係止部14Uは、仕切り壁22の左右方向における両端部(第2湾曲部25)に係止する。第2湾曲部25に係止する一対の内側係止部14Uの間には、第2ホルダ10Sの内側係止部14Uが入るための逃がし部19が形成されている。
第2ホルダ10Sの包囲部11は、全体として第2電線30Sの外周面に沿う円筒形状をなし、仕切り壁22の第1湾曲部24および周壁21に沿った状態で、第2電線挿通室23Sに嵌合する。第2ホルダ10Sは、第2電線挿通室23Sの左右方向における中央部に嵌合し、その両側は空き空間となっている。
第2ホルダ10Sの外側係止部14Sは、パイプ20の周壁21に係止する。また、第2ホルダ10Sの内側係止部14Uは、仕切り壁22の左右方向における中央部(第1湾曲部24)に係止する。そして、第2ホルダ10Sの内側係止部14Uが第1ホルダ10Fの逃がし部19に嵌まり込むことにより、第2ホルダ10Sの位置ずれ防止機能が発揮される。
第1ホルダ10Fと第2ホルダ10Sとは、図2に示すように、包囲部11の長さ寸法(前後方向の寸法)が同等とされている。また、第1ホルダ10Fの包囲部11およびクリップ部15の厚さ寸法は、第2ホルダ10Sの包囲部11およびクリップ部15の厚さ寸法より小さくされている。
次に、パイプ20の端部にホルダ10を取り付ける作業の一例を説明する。
まず、パイプ20に電線30を通す。第1電線挿通室23Fに第1電線30Fを、第2電線挿通室23Sに第2電線30Sをそれぞれ通す。
まず、パイプ20に電線30を通す。第1電線挿通室23Fに第1電線30Fを、第2電線挿通室23Sに第2電線30Sをそれぞれ通す。
次に、電線30のうちパイプ20から導出している部分にホルダ10を装着する。包囲部11の第1スリット12を大きく開いて、電線30の側方から第1スリット12を介して電線30を包囲部11の内側に入れる。こうして、第1ホルダ10Fを第1電線30Fに、第2ホルダ10Sを第2電線30Sにそれぞれ装着する。
次いで、ホルダ10をパイプ20の端部に嵌合する。
各ホルダ10F,10Sを各電線挿通室23F,23Sに前方から嵌め入れる。ホルダ10の包囲部11を電線挿通室23の内側に押し込むと、パイプ20の周壁21が包囲部11とクリップ部15との間に差し入れられ、パイプ20の前端部が、包囲部11とクリップ部15との間の間隔が狭いところに入り込む。この際、クリップ部15が弾性的に若干外側に開き、パイプ20の前端部が包囲部11とクリップ部15との間で弾性的に挟持される。また、外側係止部14Sが周壁21の端面28に、内側係止部14Uが仕切り壁22の端面28に前方から当接し、ホルダ10のさらなる押し込みが制限される。
各ホルダ10F,10Sを各電線挿通室23F,23Sに前方から嵌め入れる。ホルダ10の包囲部11を電線挿通室23の内側に押し込むと、パイプ20の周壁21が包囲部11とクリップ部15との間に差し入れられ、パイプ20の前端部が、包囲部11とクリップ部15との間の間隔が狭いところに入り込む。この際、クリップ部15が弾性的に若干外側に開き、パイプ20の前端部が包囲部11とクリップ部15との間で弾性的に挟持される。また、外側係止部14Sが周壁21の端面28に、内側係止部14Uが仕切り壁22の端面28に前方から当接し、ホルダ10のさらなる押し込みが制限される。
こうして、第1ホルダ10Fが第1電線挿通室23Fに、第2ホルダ10Sが第2電線挿通室23Sにそれぞれ取り付けられる。このとき、2本の第1電線30Fは、包囲部11の左右両端部の円弧部18に嵌った状態となる。なお、ホルダ10の取り付け状態で、第1スリット12は開いた状態になっている。
そして、クリップ部15の周りにテープTを巻き付けてホルダ10をパイプ20の端部に固定する。テープTは、クリップ部15の鍔部15Aよりも前側の部分に巻き付けられる。テープTは、パイプ20の全周に巻き付けられ、第1ホルダ10Fおよび第2ホルダ10Sが、パイプ20の端部に固定される。
以上により、パイプ20の端部にホルダ10を取り付ける作業が完了する。
以上により、パイプ20の端部にホルダ10を取り付ける作業が完了する。
次に、上記のように構成された実施例の作用および効果について説明する。
本実施例のホルダ10は、周壁21の内側が仕切り壁22によって仕切られることで、電線30が挿通される電線挿通室23が2室形成されたパイプ20の端部に取り付けられるものである。そして、ホルダ10は、電線30を包囲して電線挿通室23に嵌合され、電線挿通室23を囲む周壁21または仕切り壁22のエッジ29に電線30が接触することを防ぐ包囲部11と、包囲部11から外側に延出し、電線挿通室23を囲む周壁21を包囲部11との間で挟むクリップ部15とを備えている。
本実施例のホルダ10は、周壁21の内側が仕切り壁22によって仕切られることで、電線30が挿通される電線挿通室23が2室形成されたパイプ20の端部に取り付けられるものである。そして、ホルダ10は、電線30を包囲して電線挿通室23に嵌合され、電線挿通室23を囲む周壁21または仕切り壁22のエッジ29に電線30が接触することを防ぐ包囲部11と、包囲部11から外側に延出し、電線挿通室23を囲む周壁21を包囲部11との間で挟むクリップ部15とを備えている。
この構成によれば、電線30を包囲した包囲部11を電線挿通室23に嵌合すると、クリップ部15が包囲部11との間で周壁21を挟んでホルダ10がパイプ20の端部に取り付けられるから、係止突起を係止孔に係止させなくてもパイプ20の端部にホルダ10を取り付けることができる。
また、包囲部11の周方向の一部が第1スリット12により開放されている。この構成によれば、第1スリット12を開いて電線30の側方から包囲部11を装着することができるから、ホルダ10の取り付け作業を容易に行うことができる。
また、クリップ部15が、周壁21の外側に配されてテープTにより巻き付けられて固定されている。この構成によれば、ホルダ10をパイプ20の端部に強固に固定することができる。
<実施例2>
次に、本発明を具体化した実施例2に係るパイプ用ホルダを図10〜図12によって説明する。
本実施例のパイプ用ホルダ(以後、単にホルダ50と称する)は、可撓性シールド部材40から外側に導出される第2電線(特定の電線)30Sを包囲する包囲部51が、第2電線30Sのうち可撓性シールド部材40の内側に配される部分を包囲して電磁波をシールドする機能を備えている点で、実施例1とは相違する。なお、実施例1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
次に、本発明を具体化した実施例2に係るパイプ用ホルダを図10〜図12によって説明する。
本実施例のパイプ用ホルダ(以後、単にホルダ50と称する)は、可撓性シールド部材40から外側に導出される第2電線(特定の電線)30Sを包囲する包囲部51が、第2電線30Sのうち可撓性シールド部材40の内側に配される部分を包囲して電磁波をシールドする機能を備えている点で、実施例1とは相違する。なお、実施例1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
本実施例のホルダ50は、実施例1と同様、周壁21の内側が仕切り壁22によって仕切られることで、第1電線30Fが挿通される第1電線挿通室23Fと第2電線30Sが挿通される第2電線挿通室23Sとが形成されたパイプ20の端部に取り付けられるものである。
そして、ホルダ50は、実施例1と同様、第1電線挿通室23Fに嵌合される第1ホルダ10Fと、第2電線挿通室23Sに嵌合される第2ホルダ10Sとを備えている。各ホルダ10F,10Sは、実施例1と同様、各電線挿通室23F,23Sにそれぞれ通された電線30F,30Sを包囲してその電線挿通室23F,23Sに嵌合される包囲部11,51と、包囲部11,51との間で電線挿通室23F,23Sを囲む周壁21を挟むクリップ部15とを備えている。
さて、第2電線30Sを包囲する第2ホルダ10Sの包囲部51は、第2電線30Sのうち可撓性シールド部材40の内側に配される部分を包囲して電磁波をシールドする機能を有している。第2ホルダ10Sの包囲部51は、図10に示すように、パイプ20の端部から外部に突出する長さ寸法を有し、その外周面には、導電性を有するシールド層52が全周および全長にわたって設けられている。シールド層52は、例えば外周面に金属めっきを施したり、金属に樹脂をインサート成形する等によって設けられている。
第2ホルダ10Sの包囲部51のうちパイプ20の内側に配される部分は、第2電線挿通室23Sの端部に圧入気味に押し込まれる。そして、仕切り壁22の第1湾曲部24および周壁21にシールド層52が密着し、包囲部51がパイプ20の端部に導通可能に嵌合される。
また、第2ホルダ10Sの包囲部51のうちパイプ20の外側に配される部分は、可撓性シールド部材40の内側を通って可撓性シールド部材40の外側に突出する。第2ホルダ10Sの包囲部51は、可撓性シールド部材40において強制的に拡開された編み目を通して外部に突出される。
以上のように本実施例のホルダ50は、実施例1と同様、電線挿通室23にそれぞれ通された電線30を包囲してその電線挿通室23に嵌合される包囲部11,51と、包囲部11,51との間で電線挿通室23を囲む周壁21を挟むクリップ部15とを備えているから、係止突起を係止孔に係止させなくてもパイプ20の端部に取り付けるこができる。
さらに、可撓性シールド部材40から外側に導出される第2電線30Sを包囲する包囲部51が、第2電線30Sのうち可撓性シールド部材40の内側に配される部分を包囲して電磁波をシールドする機能を備えているから、可撓性シールド部材40の内側において第2電線30Sが電磁ノイズの影響を受けることを防ぐことができる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、パイプ20の周壁21の断面形状が略円形状とされているが、これに限らず、パイプの周壁はどのような断面形状であってもよく、例えばパイプの周壁は偏平な断面形状であってもよい。
(2)上記実施例では、クリップ部15はパイプ20の周壁21を挟むものとしているが、これに限らず、クリップ部がパイプの仕切り壁を挟むものとしても良い。
(3)上記実施例では、一の電線挿通室23に一の包囲部11(51)を嵌合しているが、これに限らず、例えば一の電線挿通室に複数本の電線が挿通される場合には、電線を個別に囲う包囲部を、一の電線挿通室に複数嵌合するものとしてもよい。
(4)上記実施例では、第1ホルダ10Fと第2ホルダ10Sとが別体に形成されているが、これに限らず、例えば第1ホルダと第2ホルダとが一体に形成されていてもよく、また別体に形成された第1ホルダと第2ホルダとが互いに係止する係止構造を備えるものとしても良い。
(5)上記実施例では、金属製のパイプ20の端部にホルダ10を取り付ける場合について説明したが、これに限らず、金属製ではない例えば樹脂製のパイプ、もしくは樹脂製のパイプ内に金属箔を同心で埋め込んだ構造のパイプ等の端部にホルダを取り付けてもよい。
(6)上記実施例では、ホルダ10(50)が2室の電線挿通室23を有するパイプ20に取り付けられる場合を例示したが、これに限らず、本発明は、ホルダが、3室以上の電線挿通室を有するパイプに取り付けられる場合にも適用することができる。
(7)上記実施例では、本発明を、複数本の電線30が高圧電線および低圧電線からなる場合について説明したが、本発明は、複数本の電線が、近接して配線すると電磁ノイズの影響が懸念される場合に好適に適用可能なものであり、例えば、複数本の電線が電源線および信号線等からなるものであってもよい。
(8)上記実施例では、可撓性シールド部材40は、導電性の金属細線(例えば、銅)をメッシュ状に編み込んで筒状に形成してなる編組部材とされているが、これに限らず、例えば可撓性シールド部材は、金属箔あるいは金属箔を全周かつ全長に亘ってインサートしたコルゲートチューブであってもよい。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、パイプ20の周壁21の断面形状が略円形状とされているが、これに限らず、パイプの周壁はどのような断面形状であってもよく、例えばパイプの周壁は偏平な断面形状であってもよい。
(2)上記実施例では、クリップ部15はパイプ20の周壁21を挟むものとしているが、これに限らず、クリップ部がパイプの仕切り壁を挟むものとしても良い。
(3)上記実施例では、一の電線挿通室23に一の包囲部11(51)を嵌合しているが、これに限らず、例えば一の電線挿通室に複数本の電線が挿通される場合には、電線を個別に囲う包囲部を、一の電線挿通室に複数嵌合するものとしてもよい。
(4)上記実施例では、第1ホルダ10Fと第2ホルダ10Sとが別体に形成されているが、これに限らず、例えば第1ホルダと第2ホルダとが一体に形成されていてもよく、また別体に形成された第1ホルダと第2ホルダとが互いに係止する係止構造を備えるものとしても良い。
(5)上記実施例では、金属製のパイプ20の端部にホルダ10を取り付ける場合について説明したが、これに限らず、金属製ではない例えば樹脂製のパイプ、もしくは樹脂製のパイプ内に金属箔を同心で埋め込んだ構造のパイプ等の端部にホルダを取り付けてもよい。
(6)上記実施例では、ホルダ10(50)が2室の電線挿通室23を有するパイプ20に取り付けられる場合を例示したが、これに限らず、本発明は、ホルダが、3室以上の電線挿通室を有するパイプに取り付けられる場合にも適用することができる。
(7)上記実施例では、本発明を、複数本の電線30が高圧電線および低圧電線からなる場合について説明したが、本発明は、複数本の電線が、近接して配線すると電磁ノイズの影響が懸念される場合に好適に適用可能なものであり、例えば、複数本の電線が電源線および信号線等からなるものであってもよい。
(8)上記実施例では、可撓性シールド部材40は、導電性の金属細線(例えば、銅)をメッシュ状に編み込んで筒状に形成してなる編組部材とされているが、これに限らず、例えば可撓性シールド部材は、金属箔あるいは金属箔を全周かつ全長に亘ってインサートしたコルゲートチューブであってもよい。
T…テープ
10,50…ホルダ(パイプ用ホルダ)
11,51…包囲部
12…第1スリット(スリット)
15…クリップ部
20…パイプ(仕切り付きパイプ)
21…周壁
22…仕切り壁
23…電線挿通室
29…エッジ
30…電線
30F…第1電線(高圧電線)
30S…第2電線(低圧電線、特定の電線)
40…可撓性シールド部材
10,50…ホルダ(パイプ用ホルダ)
11,51…包囲部
12…第1スリット(スリット)
15…クリップ部
20…パイプ(仕切り付きパイプ)
21…周壁
22…仕切り壁
23…電線挿通室
29…エッジ
30…電線
30F…第1電線(高圧電線)
30S…第2電線(低圧電線、特定の電線)
40…可撓性シールド部材
Claims (6)
- 周壁の内側が仕切り壁によって仕切られることで、電線が挿通される電線挿通室が複数室形成された仕切り付きパイプの端部に取り付けられるものであり、
前記電線挿通室にそれぞれ通された前記電線を包囲してその前記電線挿通室に嵌合され、前記電線挿通室を囲む前記周壁または前記仕切り壁のエッジに前記電線が接触することを防ぐ包囲部と、
前記包囲部から外側に延出し、前記電線挿通室を囲む前記周壁または前記仕切り壁を前記包囲部との間で挟むクリップ部と、を備えたパイプ用ホルダ。 - 前記包囲部の周方向の一部がスリットにより開放されている請求項1に記載のパイプ用ホルダ。
- 前記仕切り付きパイプが、電磁波をシールドする機能を備えたシールドパイプであり、
前記仕切り付きパイプの端部に、前記仕切り付きパイプから導出された前記電線を一括して包囲可能な筒状をなす可撓性シールド部材が接続され、
前記電線のうち特定の電線が、前記可撓性シールド部材から外側に導出されるものとされ、
前記特定の電線を包囲する前記包囲部が、前記特定の電線のうち前記可撓性シールド部材の内側に配される部分を包囲して電磁波をシールドする機能を備えている請求項1または請求項2に記載のパイプ用ホルダ。 - 複数本の電線と、
周壁の内側が仕切り壁によって仕切られることで、前記電線が挿通される電線挿通室が複数室形成された仕切り付きパイプと、
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のパイプ用ホルダと、
を備えたワイヤハーネス。 - 前記クリップ部が、前記周壁の外側に配されてテープにより巻き付けられて固定されている請求項4に記載のワイヤハーネス。
- 前記複数本の電線が、2本の高圧電線と1本の低圧電線とから構成され、
前記高圧電線と前記低圧電線とが、別の前記電線挿通室に挿通されている請求項4または請求項5に記載のワイヤハーネス。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015051806A JP2016171734A (ja) | 2015-03-16 | 2015-03-16 | パイプ用ホルダおよびワイヤハーネス |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2018056460A1 (ja) * | 2016-09-26 | 2019-07-11 | 古河電気工業株式会社 | 電磁シールド構造およびワイヤハーネス |
JP2020031510A (ja) * | 2018-08-24 | 2020-02-27 | 住友電装株式会社 | ホルダ及びワイヤハーネス |
-
2015
- 2015-03-16 JP JP2015051806A patent/JP2016171734A/ja active Pending
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US11324150B2 (en) | 2016-09-26 | 2022-05-03 | Furukawa Electric Co., Ltd. | Electromagnetic shield structure and wire harness |
JP2020031510A (ja) * | 2018-08-24 | 2020-02-27 | 住友電装株式会社 | ホルダ及びワイヤハーネス |
WO2020040029A1 (ja) * | 2018-08-24 | 2020-02-27 | 住友電装株式会社 | ホルダ及びワイヤハーネス |
US11338745B2 (en) | 2018-08-24 | 2022-05-24 | Sumitomo Wiring Systems, Ltd. | Holder and wire harness with pair of hinged split bodies |
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