JP2016169619A - 内燃機関の過給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気流量増幅器のノズルリップを、駆動流噴流が円周方向に回転して流れることにより自動清掃し、異物等の付着により空気流量増幅器の性能が低下するのを、簡素な構造で防止する。
【解決手段】内燃機関の過給装置の過給手段5である空気流量増幅器6のノズル615に、回動可能な回転ノズル82と、該回転ノズルに連動し、駆動流40または吸気流20により回転力を発生する回転駆動手段87と、該回転ノズルと固定ノズル81の片方または両方のノズルのノズルリップ821に設けた溝状の清掃手段882と、を備えたノズル清掃機構8を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気流量増幅器を用いた内燃機関の過給装置に関するものである。
内燃機関の出力増大等のため、吸気の圧力を大気圧以上にする内燃機関の過給手段として、吸気を直接加圧する機械式過給機やターボ式過給機とは異なる、空気流量増幅器を用いて駆動流で吸気を加速して流量増幅する過給手段(特許文献1、2)が従来技術としてある。
この空気流量増幅器には、流量増幅比が大きい順に、トランスベクタ(登録商標)、フロートランスベクタ(市販品の商品名)、エジェクタ等があり、駆動流による流量増幅気流の推力は概ね流量増幅比に反比例する。
また、空気流量増幅器の液体噴霧ノズルとして、スプレーベクタ(市販品の商品名)等がある。
過給手段である空気流量増幅器の構造上、アキュームレータ(蓄圧器)となる駆動流通路の断面積よりノズルの開口面積を小さくして、ベンチュリ効果により駆動流流速を増大するので、ノズルは駆動流の流路の狭窄部となる。
また、空気流量増幅器は吸気を駆動流で加速するので、ノズル形状は駆動流と吸気流との接触面積が大きいリング状ノズルとするのが流量増幅効率等に有利であるが、リング状ノズルのノズルリップの隙間距離とリング状ノズル開口部周長の積が該ノズルの開口面積であるので、前記ノズル開口面積の制約により、このリング状ノズルのノズルリップの隙間は制約され、リング状ノズルを構成するノズルリップの隙間は、駆動流の流路の隘路部となる。
また駆動流が後述するEGR方式の場合、EGRガスに含まれる煤により、EGRの流路には燃料やエンジンオイルまたは、それらの不完全燃焼生成物が徐々に堆積してデポジット(堆積物)が付着する。
このデポジットの過度の堆積は、内燃機関の放熱性、運転性能に悪影響を与え、特に、該EGR方式の場合は、EGRガスによるデポジットの堆積により、前記駆動流の流路の隘路部であるノズルリップの隙間の閉塞が発生する問題点がある。
従って、このノズルリップ面の性状の維持が重要であり、本願発明(請求項1)は、このノズルリップ面を清掃するノズル清掃機構であり、駆動流が流れる溝状の清掃手段を円周方向に回転して清掃する該ノズル清掃機構の概念の説明図を図1に示し、図2(〜4)に各空気流量増幅器に対応した変形例1(〜3)を示す。
また、内燃機関の過給装置の過給手段である空気流量増幅器の駆動流には、内燃機関により駆動される圧縮機が発生する圧縮空気を利用する圧縮機方式(特許文献1、2)と、該圧縮機方式、または内燃機関の排気ガスを利用するEGR方式(特許文献2)がある。
駆動流の圧縮機方式には、内燃機関により駆動される圧縮機が必要であり、この圧縮機の容量は、内燃機関のブースト圧状態の吸気容量を空気流量増幅器の流量増幅比で除した容量であるので、吸気を直接加圧する前記機械式過給機用より容量が小さく小型であるが、圧縮機を駆動する動力損失の発生の問題点がある。
また、内燃機関において、NOx(窒素酸化物)の発生抑制等を目的として、燃焼後の排気ガスの一部を取り出して吸気側へ導き再度吸気させる、EGR(排気再循環)が従来技術としてある。
駆動流の前記EGR方式は、過給を行うと同時に、再循環排気ガスの冷却が可能な外部EGRを行うことができる。
このEGR方式は、EGRガスの過熱時には駆動流としての性状不適、低速回転低負荷時等のEGRガスが駆動流として圧力不足等の内燃機関の運転状況により過給運転ができない問題点がある。
本願発明(請求項4)の過給装置は、図10に示すように、圧縮機方式とEGR方式の駆動流機構と駆動流制御手段を備え、内燃機関の運転状況に応じて該駆動流制御手段を切換制御することにより、前記駆動流方式の問題点を改善できる。
従来技術として、キャブレタを用いた予混合燃焼機関があり、キャブレタにてフロートチャンバ等の燃料チャンバから供給される液体燃料を、吸気通路に設けたベンチュリにて通路を絞って流速を増大して、ベルヌーイの定理による負圧により吸気に流出して予混合燃焼を行うが、ベンチュリの絞り作用により通路抵抗が大きくなり、内燃機関のポンピングロスの発生、吸気の充填効率の低下等の問題点がある。
また、吸気への液体燃料の流出により、燃料は微細粒子として霧化され蒸発するが、特に寒冷時等には、この予混合が不十分となり、均一な吸気の供給が困難となる。
この問題を解決する従来技術として、図14に示す燃料蒸発装置付内燃機関(特許文献3)がある。
これは、内燃機関1の吸気通路104に燃料供給装置101、その下流に過給装置108と蒸発室103を設け、圧縮機45からの圧縮空気を加熱装置102で加熱して該蒸発室103に供給することにより、液状の噴霧流ではなく、混合気を完全に蒸気の状態で供給して各気筒への空燃比の配分を均一化することにより、薄い混合気で安定した過給運転を可能とし、HC、NOxの減少を図る。
また、従来技術として、吸入吸気に燃料を噴射する燃料噴射弁と燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射弁により形成された層状混合気に点火する点火装置と、機関高負荷領域で供給燃料をガソリン等の炭化水素系の燃料からアルコール系燃料に切換えて供給する燃料制御装置を設けた火花点火式層状給気機関(特許文献4)がある。
本願発明(請求項2)は、図5に示す流体流出機構9の概念の説明図のように、流体を駆動流付近に流出することにより、流出する流体が液体の場合は霧化および蒸発が促進され、その混合気である駆動流により吸気の加速と同時に拡散混合が行われるので、吸気と流体の予混合が十分に行われる。
また、駆動流を前記EGR方式とすることにより、前記加熱装置102を必要としない高圧のEGRガスを利用して過給を行うことができ、流体流出機構の流出する流体が液体の場合は駆動流の加湿冷却が、燃料の場合は不完全燃焼物の再燃焼化の促進ができる。
図11に示す過給装置4eのように、2個の流体流出機構を設けることにより2流体を流出し、更に、駆動流機構のEGR方式を優先使用(図12)し、運転状況により圧縮機方式を併用することにより、効率の良い過給運転ができる。
また、本願発明の流体流出機構により燃料を流出する場合は、空気流量増幅器での燃料流出による均一な予混合気が得られ、更に筒内燃料噴射装置を併用することにより点火装置付近に着火性のよい混合気層を形成して、成層燃焼(図13)によるリーンバーンエンジン(希薄燃焼内燃機関)とすることも、異種燃料を供給することにより、バイフューエルエンジン(2種燃料内燃機関)とすることもできる。
実開平3−47431号公報 特願2015−144号 特開昭51−1827号公報 特開昭57−2439号公報
内燃機関の過給装置の過給手段である空気流量増幅器のノズル開口面積は、駆動流通路の断面積より構造上、小さくする必要がある。
空気流量増幅器は吸気を駆動流で加速するので、駆動流と吸気流との接触面積が大きいリング状ノズルは流量増幅効率が良いが、前記ノズル開口面積の制約により、このリング状ノズルのノズルリップの隙間は制限されるので、駆動流の流路の隘路部となる。
この隘路部である駆動流のリング状ノズルを形成するノズルリップに、異物等が付着するとノズルの流路面積が小さくなり、過給手段である空気流量増幅器の性能が低下する問題点がある。
特に、空気流量増幅器の駆動流をEGRガスで行う場合は、EGRガスによるデポジットの堆積により、駆動流の前記隘路部であるノズルの閉塞が発生する問題点がある。
請求項1は、内燃機関の過給装置の過給手段である空気流量増幅器のノズルに、回動可能な回転ノズルと、該回転ノズルに連動し、駆動流または吸気流により回転力を発生する回転駆動手段と、該回転ノズルと固定ノズルの片方または両方のノズルのノズルリップに設けた溝状の清掃手段と、を備えたノズル清掃機構を設けて、空気流量増幅器のノズルリップを溝状の清掃手段を流れる駆動流が清掃し、該清掃手段あるいはノズルリップが円周方向に回転することによりノズルリップを清掃する。
請求項2は、前記空気流量増幅器の駆動流または吸気流に流体を流出する流体流出手段と、該流体流出手段に流体を供給する流体供給手段と、該流体供給手段と前記流体流出手段に連通する流体通路と、該流体通路に設けた流体制御手段と、を備えた流体流出機構を設けて、燃料等の流体を吸気に流出して、混合を行う。
請求項3は、過給手段である空気流量増幅器に設けた前記ノズル清掃機構のノズルリップに設けた溝状の清掃手段に、前記流体流出機構の流体を流出する流体流出手段の流体流出口を設けて、流体を駆動流の強い駆動流噴流に流出する。
請求項4は、過給手段である空気流量増幅器に供給する駆動流を、排気還流通路からのEGRガスと、更に圧縮空気通路からの内燃機関により駆動される圧縮機により供給される圧縮空気とし、該排気還流通路と該圧縮空気通路に設けた駆動流を制御する駆動流制御手段を設け、内燃機関の運転状況に対応して該駆動流を制御して過給運転を行う。
過給手段を空気流量増幅器とする内燃機関の過給装置は簡素な構造で効率よく過給できるが、空気流量増幅器のノズルは駆動流の流路における狭窄部で、リング状ノズルのノズルリップへの異物等の付着によりノズル開口面積が小さくなり、過給手段である空気流量増幅器の性能が低下する問題点がある。
請求項1の過給装置は、過給手段である空気流量増幅器のノズルに、回転駆動手段により回動する回転ノズルと、該回転ノズルと固定ノズルの片方または両方のノズルのノズルリップに設けた溝状の清掃手段とを備えたノズル清掃機構により、空気流量増幅器のノズルリップを溝状の清掃手段を流れる駆動流噴流が円周方向に回転することにより、ノズルリップを自動清掃し、ノズルリップへの異物等の付着により過給手段である空気流量増幅器の性能が低下するのを、制御手段を必要としない簡素な構造で防止できる。
請求項2の過給装置は、流体供給手段、流体流出手段、流体通路、流体制御手段を備えた流体流出機構を設けることにより、流体と吸気との混合を十分に行うことができる。
供給方法は、供給用の動力装置が不要である駆動流または吸気流のベルヌーイの定理による負圧でも、貯蔵流体の流体タンクの内圧でもよい。
従来のキャブレタのように、ベンチュリ部を設けて吸気流速を上げる必要がなく、ベンチュリ部の絞り効果によるポンピングロス等の問題が発生しない。
流出する流体は、気体、液体(圧縮した気体)でもよく、ガソリン、エタノール、LPG、水素、等の燃料でもよい。
また、流出条件が制約されるが、水等の加湿冷却剤や、EGRガスのNOx低減のための浄化触媒である尿素水等の触媒や添加剤でも良い。
流出する流体が液体の場合は、清掃機構によるデポジット除去の促進作用、吸気弁のオーバーラップ時の吹き返しによる堆積物を洗い流す清掃作用、および流体流出機構の流体流出口の詰まり防止作用がある。
流出する流体が燃料の場合は、ディーゼル機関のPM(粒子状物質)等の再燃焼可能物質に燃料が接触することにより、燃焼室での燃焼を促進することができる。
また、流体流出部の燃料供給量を理論空燃比の希薄側、あるいは理論空燃比以下として、筒内燃料噴射装置から可燃混合範囲になるように燃料を噴射して点火することにより、特段の吸気流制御等を必要としない簡素な吸気機構と燃焼室構造で成層燃焼が可能なリーンバーンエンジンができる。
従って、確実な着火と、希薄混合気の高速で均一な予混合燃焼が可能となり、燃焼効率が向上して有害物質が低減する。
また、供給する流体を主燃料と異なる異種燃料として、バイフューエルエンジン(2種燃料内燃機関)とすることもできる。
請求項3の過給装置は、過給手段である空気流量増幅器に設けた前記ノズル清掃機構のノズルリップに設けた溝状の清掃手段に、前記流体流出機構の流体流出手段の流体流出口を設けることにより、強い流れの駆動流噴流に流体を供給するので、ベルヌーイの定理による負圧が大きくなり、ノズルの上流側に流体流出口を設けることができるので、ノズルリップのデポジット等の清掃(除去)が促進できる。
また、強い流れの駆動流に流体を流出することにより流体が駆動流に激しく衝突し、流体が液体の場合は、衝突により微粒化して気化が促進されて蒸発し、更に、その駆動流で吸気を加速しながら混合するので、十分に拡散した均一な混合を行うことができる。
請求項4の過給装置は、過給手段である空気流量増幅器の駆動流を、圧縮機方式とEGR方式とし、駆動流を制御する駆動流制御手段を、内燃機関の運転状況に対応して制御することにより、出力損失が少ないEGR方式と還流排気ガスの加熱や、EGR還流量の制約を受けない圧縮機方式の利点を生かした過給運転を行うことにより、動力損失が小さく、広い過給運転領域の過給装置ができる。
第1実施形態(請求項1対応)の過給手段の概念の説明図である。 (A)は、第1実施形態の変形例1のトランスベクタ型の過給手段の断面図で、(B)は、吸気流による回転駆動手段を備えた清掃機構8uのM矢視図である。 (C)は、第1実施形態の変形例2のトランスベクタ型の過給手段の断面図で、(D)は、駆動流による回転駆動手段を備えた清掃機構8vのN矢視図である。 (E)は、第1実施形態の変形例3のエジェクタ型の過給手段の断面図で、(F)は、G部の拡大図である。 第2実施形態(請求項2対応)の過給手段と流体流出機構の概念の説明図である。 第2実施形態の変形例1のトランスベクタ型の過給手段の断面図と、気体の流体流出機構の構成図である。 第3実施形態(請求項3対応)のトランスベクタ型の過給手段の断面図と、液体の流体流出機構の構成図である。 (G)は、第3実施形態の変形例1であるエジェクタ型の過給手段の断面図と、流体流出機構の流体供給部と流体制御部の構成図で、(H)は、J部の拡大図である。 第3実施形態の変形例2の2流体を流出するトランスベクタ型の過給手段の断面図と、2流体を流出する流体流出機構の構成図である。 第4実施形態(請求項4対応)の、圧縮機方式とEGR方式の駆動流機構を備えた過給装置の概念の説明図である。 第4実施形態の変形例1の2流体を流出する過給装置の構成図である。 図11の2流体を流出する過給装置の制御フローチャートである。 図12の制御フローチャートの、流体流出制御対応演算(ステップS080)のサブルーチンフローチャートである。 従来技術の燃料蒸発装置付内燃機関の系統図である。
本願発明の各実施形態(1〜4)の概要を以下に示す。
(実施形態1(請求項1対応))
内燃機関の過給手段に空気流量増幅器を用いた過給装置において、駆動流の流出部であるノズルは狭窄部であり、特に空気増幅比の大きいリング状ノズルは、ノズルリップ間の隙間が小さいため、ノズルリップへの異物の付着等による過給性能の低下が発生する問題点がある。
この対策として、過給手段である空気流量増幅器のノズルに、回転駆動手段により回転する回転ノズルと、ノズルを構成するノズルリップに溝状の清掃手段を備えたノズル清掃機構を設けた過給装置が、実施形態1(図1〜4)である。
(実施形態2(請求項2対応))
過給手段である空気流量増幅器の駆動流のEGR方式は、EGRガスの浄化、駆動流の過熱、デポジットの堆積、等の問題点がある。
これらの問題とは別に、内燃機関を成層燃焼によるリーンバーンエンジンとするには、渦流(スワールやタンブル)を発生する吸気機構や燃焼室構造等を設ける方法があるが、燃料の混合性状の確保、安定した燃料の層状分布の形成が困難である等の問題点がある
これらの対策として、前記空気流量増幅器の駆動流または吸気流に燃料、加湿冷却剤等の流体を流出するために、流体流出手段、流体供給手段、流体通路、および流体制御手段を備えた流体流出機構を設けた過給装置が、実施形態2(図5、6)である。
(実施形態3(請求項3対応))
該流体流出機構の流体流出口は、ベルヌーイの定理による負圧で供給する場合は、流体供給用の動力装置が不要であるが、駆動流の圧力降下特性により、該負圧が発生するのは下流側であるノズルの開口部付近、または該開口部となる。
従って、駆動流自体への流体流出による流体の混合や、デポジット除去の促進作用があるノズルリップ面への流体の拡散は困難である。
この対策として、過給手段である空気流量増幅器に設けた前記ノズル清掃機構のノズルリップに設けた溝状の清掃手段に、前記流体流出機構の流体を流出する流体流出手段の流体流出口を設けた過給装置が、実施形態3(図7〜9)である。
(実施形態4(請求項4対応))
過給手段である空気流量増幅器の駆動流は、圧縮機方式またはEGR方式であるが、該圧縮機方式は内燃機関の運転領域の全域に対応するが、駆動力により圧縮機を運転するので動力損失が発生し、該EGR方式は、EGRガスの過熱、EGR還流量の制約により過給運転が制限される問題点がある。
この対策として、過給手段である空気流量増幅器に供給する駆動流を、排気還流通路からのEGRガスと、更に圧縮空気通路からの内燃機関により駆動される圧縮機により供給される圧縮空気とし、該排気還流通路と該圧縮空気通路に設けた駆動流を制御する駆動流制御手段を、内燃機関の運転状況に対応して制御することにより、それぞれの駆動流の利点を生かした過給運転を行う過給装置が、実施形態4(図10〜13)である。
以上の実施形態(1〜4)の詳細を、下記に図面番号(1〜13)順に説明する。
(第1実施形態(請求項1対応))
図1は、第1実施形態の過給手段の概念の説明図である。
図1は、内燃機関の燃焼室に吸気を供給する吸気系統の吸気通路途中である吸気流入通路22kと吸気流出通路23kの間に、吸気を加圧して燃焼室に送り込む過給手段5kを備えた内燃機関の過給装置であって、該過給手段5kは、空気流量増幅器6kと、該空気流量増幅器6kに内燃機関により駆動される圧縮機(図示せず)からの圧縮空気、または排気通路(図示せず)からのEGRガスを該空気流量増幅器6kの駆動流(40)として供給する駆動流通路41kと、更に該空気流量増幅器6kのノズル615に、回動可能な回転ノズル82と、吸気流により回転力を発生する該回転ノズル82に連動する回転駆動手段である羽根車87と、該回転ノズル82と固定ノズル81の片方のノズルのノズルリップである回転ノズルリップ821に設けた溝状の清掃手段である溝882と、を備えたノズル清掃機構8を設けたことを特徴とする空気流量増幅器6kを過給手段5kとする内燃機関の過給装置の過給手段5kの概念の説明図である。
該空気流量増幅器6kの筐体は、ハウジング610とフランジ611で構成される。
該筐体内部には、駆動流通路41kに支持されたノズルケーシング633にベアリング84を介して前記回転ノズル82が回動自在に設けられている。
該ノズルケーシング633と回転ノズル82の間にシール85を設け、該シール85はベアリング84に当接し、回転ノズル82が回転自在である密封要素である。
回転駆動手段である羽根車87は、回転ノズル82に固着され、吸気流により回転力が生じるように羽根を設けている。
溝状の清掃手段である溝882は、回転ノズルリップ821に、放射状に設ける。
清掃面を効率よく清掃するために溝の深さ(D)と幅(W)の関係は、W>1.5Dとし、更に、清掃駆動流とノズル流との圧力差を平準化するために、溝の上流の断面積(Au)と下流の断面積(Ad)は、Au≦Adとするのが望ましい。
過給手段5kの作用は、駆動流通路41kから供給される駆動流(40)が、ノズルケーシング633、回転ノズル82、およびシール85で形成される環状空間に導かれ、開口部であるノズル615から吸気流の下流方向に流出し、ベルヌーイの定理による負圧で吸気を引き込んで、駆動流により吸気を加速することにより流量増幅し、その結果、吸気流速度を大きくして、多くの吸気を送り込むことにより過給を行う。
該ノズル615の回転ノズルリップ821には、溝状の清掃手段である溝882が放射状に設けられ、固定ノズルリップ811と回転ノズルリップ821で構成されるノズル隙間より、該溝882の部分は流路が広く流路抵抗が小さいので、強い駆動流が流れる。
従って、該溝882の流路側面である固定ノズルリップ811の該側面が、この強い駆動流により付着物が流されて清掃される。
更に、吸気流入通路22kから流入する吸気は、前記羽根車85に回転力を与えることにより回転ノズル82が回転し、前記清掃作用のある強い駆動流が固定ノズルリップ811を回転移動するので、固定ノズルリップ811が全周清掃されて、過給性能の低下を招くノズル615の付着物による詰まりが防止できる。
なお、溝状の清掃手段である溝を固定ノズルリップ811にも設けて、両側のノズルリップを清掃することもできる。
なお、本願発明の説明に用いる各図は構造の理解が容易なように、ノズルリップの隙間と、溝状の清掃手段を大きく、羽根車の羽根は迎え角(流れに対するねじり角)を大きく図示している。
(第1実施形態(請求項1対応)の変形例1)
図2の(A)は、第1実施形態の変形例1のトランスベクタ型の過給手段5uの断面図で、(B)は、吸気流による回転駆動手段を備えた清掃機構8uのM矢視図である。
図2の(A)は、内燃機関の燃焼室に吸気を供給する吸気通路途中である吸気流入通路22uと吸気流出通路23uの間に、吸気を加圧して燃焼室に送り込む過給手段5uを備えた内燃機関の過給装置であって、該過給手段5uは、空気流量増幅器6uであるトランスベクタ61uと、該空気流量増幅器6uに内燃機関により駆動される圧縮機からの圧縮空気、または排気通路からのEGRガスを該空気流量増幅器6uの駆動流として供給する駆動流通路41uと、更に該空気流量増幅器6uのノズル615uに、回動可能な回転ノズル82uと、吸気流により回転力を発生する該回転ノズル82uに連動する回転駆動手段である羽根車87uと、該回転ノズル82uと固定ノズル81uの両方のノズルのノズルリップである固定ノズルリップ811uと回転ノズルリップ821uとに設けた溝状の清掃手段である溝882uと溝88uと、を備えたノズル清掃機構8uを設けたことを特徴とする空気流量増幅器6uを過給手段5uとする内燃機関の過給装置の過給手段5uの断面図である。
該空気流量増幅器6uの筐体は、ハウジング610uに螺合するフランジ611uで構成され、該フランジ611uにベアリング84uを介して前記回転ノズル82uが回動自在に設けられている。
該フランジ611uと回転ノズル82uの間にシール85uを設け、該シール85uはベアリング84uに当接し、回転ノズル82uにリップが接触する回転自在な密封要素である。
回転駆動手段である羽根車87uは、回転ノズル82uに固着され、吸気流により回転力が生じる軸流羽根車である。
溝状の清掃手段である固定ノズルリップ811uに設けた溝88uと、回転ノズルリップ821uに設けた溝882uは、該溝(88u、821u)を螺旋状に設け、(B)のM矢視図に示すように、溝88uと溝882uの溝のねじり方向を逆方向にして、等間隔に設けた溝数を、溝88uは2箇所、溝882uは3箇所と異ならせることにより、回転による各溝同士の重なりによる流量干渉の発生を等間に隔分散できる。
過給手段5uの作用は、空気流量増幅器6uであるトランスベクタ61uにより、駆動流通路41uから供給される駆動流が、ハウジング610u、フランジ611u、回転ノズル82u、およびシール85uで形成される環状チャンバ614uに導かれ、環状チャンバ614uに連通する開口部であるノズル615uから吸気流の下流方向に流出して、吸気を加速することにより流量増幅して過給を行う。
回転ノズル82uに固着された前記羽根車87uが、吸気流により回転力が発生して固着されている回転ノズル82uを回転させる。
回転ノズルリップ821uに設けた溝882uは、螺旋方向に駆動流を流出する反力により回転駆動力が得られるので、羽根車87uと同じ回転方向に回転力が得られる。
この反力による回転駆動力で十分に回転する場合は、清掃手段である溝882uを回転駆動手段として、羽根車87uを省略することができる。
該ノズル615uの両側のノズルリップに設けた溝状の清掃手段である溝88uおよび882uの清掃作用は、前記空気流量増幅器6k(図1)で説明した溝882の作用と同じであり、これらの溝を両側に設けているので、固定ノズルリップ811uと回転ノズルリップ821uの両方のノズルリップの全周清掃ができる。
なお、空気流量増幅器6uであるトランスベクタ61uのノズル615uの流出部吸気通路内径は、吸気流入通路22uの内径より大きくして、デフューザとすることにより吸気流速を小さくし、その速度が低下した吸気をノズル615uから流出する駆動流で加速し、該加速した吸気を縮径した吸気流出通路23uに流出するベンチュリ効果により速度が上昇するので 吸気を更に加速して過給が行われる。
(第1実施形態(請求項1対応)の変形例2)
図3の(C)は、第1実施形態の変形例2のトランスベクタ型の過給手段5vの断面図で、(D)は、駆動流による回転駆動手段を備えた清掃機構8vのN矢視図である。
図3の(C)は、前記過給手段5u(図2)と同様に、空気流量増幅器6vであるトランスベクタ61vを設けた過給手段5vであり、該トランスベクタ61vの筐体の構造は前記トランスベクタ61u(図2)と左右が逆であるが、空気流量増幅器6vの流量増幅作用は同じであるので作用等の説明は省略する。
ノズル清掃機構8vは、溝状の清掃手段である溝882vを回転ノズルリップ821vに等間隔の放射状に2本設け、環状チャンバ614vからノズル615vに流出する駆動流により回転駆動力を得られる羽根車87vを設ける。
該羽根車87vは、N矢視図(D)に示すように、羽根を軸芯に対してθv°傾けて設け、回転ノズル82vに圧入、溶接等で固定する。
羽根車87vは、量産性のあるプレス加工でも製作できる。
羽根車87vを空気流量増幅器6vの吸気通路部に設けないので、該吸気通路の通路抵抗が小さく、内燃機関の減速時の羽根車によるインペラ効果により意図せぬ吸気の加速を行うこともない。
(第1実施形態(請求項1対応)の変形例3)
図4の(E)は、第1実施形態の変形例3のエジェクタ型の過給手段の断面図で、(F)は、G部の拡大図である。
図4の(E)は、内燃機関の燃焼室に吸気を供給する吸気通路途中である吸気流入通路22sと吸気流出通路23sの間に、吸気を加圧して燃焼室に送り込む過給手段5sを備えた内燃機関の過給装置であって、該過給手段5sは、空気流量増幅器6sであるエジェクタ63と、該空気流量増幅器6sに内燃機関により駆動される圧縮機からの圧縮空気、または排気通路からのEGRガスを該空気流量増幅器の駆動流として供給する駆動流通路41sと、更に該空気流量増幅器6sのノズル635sに、回動可能な回転ノズル82sと、駆動流により回転力を発生する該回転ノズル82sに連動する回転駆動手段である羽根車87sと、該固定ノズル81sと回転ノズル82sのノズルリップである固定ノズルリップ811sと回転ノズルリップ821sに設けた溝状の清掃手段である溝88sと溝882sと、を備えたノズル清掃機構8sを設けたことを特徴とする空気流量増幅器6sを過給手段5sとする内燃機関の過給装置の過給手段5sの断面図である。
空気流量増幅器6sであるエジェクタ63の筐体であるハウジング630は、吸気流入通路22s、吸気流出通路23s、およびブッシング639を介して駆動流通路41sと継合する3箇所の開口部を有し、更に該駆動流通路41sに螺合するノズルケーシング633sの開口部である固定ノズル81sが下流となる方向に設ける。
該ノズルケーシング633sの吸気流の上流の開口部に、ベアリング84sを介してノズル軸637を設け、下流の開口部に設けた固定ノズル81sと、該ノズル軸637の下流側の軸端に固着した前記回転ノズル82sによりノズル635sが構成される。
ノズル635sの固定ノズルリップ811sと回転ノズルリップ821sには、溝状の清掃手段である溝88sと溝882sを設ける。
該ノズル軸637には、駆動流の通路に羽根車87sと、前記ベアリング84sの駆動流の通側にシール85s、吸気流の上流側の軸端にナットおよび固定手段(図示せず)を設ける。
過給手段5sの作用は、空気流量増幅器6sであるエジェクタ63の駆動流通路41sから供給される駆動流が、前記ノズルケーシング633s内の通路を通ることにより、羽根車87sに回転駆動力が発生し、ノズル軸637を介して連動する回転ノズル82sを回転し、駆動流は前記ノズル635sから吸気流に流出して流量増幅して過給を行う。
該ノズル635sの両側のノズルリップに設けた前記溝(88s、882s)の作用は、前記空気流量増幅器6k(図1)で説明した溝882の清掃作用と同じように、該溝(88s、882s)の流路側面であるノズルリップの該側面が、強い駆動流により付着物が流されて清掃され、前記回転ノズル82sの回転により、両側のノズルリップの全周の清掃ができる。
なお、エジェクタ63のハウジング630の吸気通路部の内径は、吸気流入通路22sおよび吸気流出通路23sより大きくして、ノズルケーシング633s等による通路抵抗の増大を防止することにより、非過給時の自然吸気運転に支障が発生しないので、バイパス通路を設ける必要がない。
過給手段5sである空気流量増幅器6sがエジェクタ63であるので、前記トランスベクタ型の空気流量増幅器(6u、6v)より流量増幅比は小さいが、大きな過給圧が必要な過給装置に対応できる。
(第2実施形態(請求項2対応))
図5は、第2実施形態の過給手段5pと流体流出機構9の概念の説明図である。
図5は、前記過給装置において、過給手段5pである空気流量増幅器6pと、更に該空気流量増幅器6pのノズル付近に設けた流体を流出する流体流出手段である流体流出部95と、該流体流出手段に流体を供給する流体供給手段である流体供給部91と、該流体供給手段である流体供給部91と前記流体流出手段である流体流出部95に連通する流体通路94と、該流体通路94に設けた流体制御手段である流体制御部93と、を備えた流体流出機構9を設けたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の過給装置の過給手段5pと流体流出機構9の概念の説明図である。
該流体流出機構9は、流体の貯蔵あるいは供給機能を備えた流体供給部91と、流体供給量を制御する制御弁(図示せず)等の流体制御部93と、前記空気流量増幅器6pの駆動流通路41pから供給された駆動流(40)を流出するノズルまたは、該ノズル付近に流体流出口955を設けた流体流出部95で構成する。
なお、流体供給部91及び流体制御部93の構成は、流体が液体の場合は、従来のキャブレタ方式での供給及び制御方式、流体が気体の場合は、従来のLPG燃料装置等の供給及び制御方式が利用できる。
従って、本願発明での流体流出機構は、液体タンクへの流体供給手段、燃料ポンプ等の説明は省略する。
流体流出機構9の作用は、過給手段5pである空気流量増幅器6pのノズルから高速で流出する駆動流、または駆動流に加速された吸気流に流体を流出する流体流出手段である流体流出部95より、駆動流または吸気流によるベルヌーイの定理により発生する負圧、または流出流体の内圧により、流体を流体流出口より流出する。
流出された流体は、駆動流または吸気流に衝突して混合され、流体が液体の場合は、衝突により微粒化し、表面積が大きくなることにより気化が促進されて蒸発し、駆動流がEGRガスの場合は、更に駆動流の熱により気化による蒸発が促進される。
また、空気流量増幅器6v(図3)のように回転ノズル82vを下流に設け、流体流出口955をノズル付近の上流に設けることにより簡素な構造の流体流出機構で、従来のキャブレタ方式の問題点である吸気通路への燃料の付着の問題を解消することができる。
吸気流の速度は内燃機関の回転数により変動し、該吸気流により発生する前記負圧は流速の二乗に比例し、流体が液体の場合は、流出量は該負圧の平方根に比例するので重量混合比は一定となる。
しかし、混合比は、内燃機関の負荷や運転状況により変動する必要があり、流体制御部93にて流体流出量の調節制御を行う。
また、流出する流体として、ガソリン、エタノール、LPG、水素等の燃料、水等の加湿冷却剤、またはEGRガスのNOx低減のための尿素水等の浄化触媒でも良く、流体は気体でも液体でもよい。
流体が燃料の場合、筒内燃料噴射装置と併用して流体流出機構9により希薄混合気を燃焼室に供給し、筒内燃料噴射装置により主燃料を供給することにより層状燃焼ができ、
更に、駆動流がEGR方式の場合は、ディーゼル機関のPM(粒子状物質)や、ガソリン機関の未燃焼物質等の再燃焼可能物質に燃料が接触することにより、燃焼室での再燃焼を促進することができる。
流出する流体が液体の場合は、清掃機構によるデポジット除去の促進作用、吸気弁のオーバーラップ時の吹き返しによる堆積物を洗い流す清掃作用、および流体流出機構の流体流出口の詰まり防止作用がある。
また、流体流出部の燃料流出量を理論空燃比の希薄側、あるいは理論空燃比以下として、筒内燃料噴射装置から着火性のよい空燃比になるように燃料を噴射することにより、特段の吸気流制御等を必要としない簡素な吸気機構と燃焼室構造で成層燃焼する、リーンバーンエンジン(図11)とするができる。
また、流出する燃料を主燃料と異なる異種燃料として、バイフューエルエンジンとすることもできる。
また、流体流出機構9を複数設けて、複数の流体を流出することもできる。
(第2実施形態(請求項2対応)の変形例1)
図6は、第2実施形態の変形例1のトランスベクタ型の過給手段の断面図と、気体の流体流出機構の構成図である。
図6は、前記過給装置において、過給手段5tである空気流量増幅器6tと、更に該空気流量増幅器6tであるトランスベクタ61tのノズル615t付近に設けた流体を流出する流体流出手段である流体流出部95tと、該流体流出手段に流体を供給する流体供給手段である流体供給部91tと、該流体供給手段と前記流体流出手段に連通する流体通路94tと、該流体通路94tに設けた流体制御手段である流体制御部93tと、を備えた流体流出機構9tを設けたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の過給装置のトランスベクタ型の過給手段5tの断面図と、気体の流体流出機構9tの構成図である。
過給手段5tである空気流量増幅器6tのトランスベクタ61tは、前記トランスベクタ61u(図2)とノズル清掃機構8tの各部と形状は異なるが構造原理は同じであるので、構成と作用の説明は省略する。
流体流出機構9tは、上流より流体供給部91t、流体制御部93t、流体通路94t、および流体流出部95tから成り、該トランスベクタ61tのノズル615tの下流に流体流出部95tの流体流出口955tを設ける。
流体流出機構9tの作用は、流体供給部91tにて、逆止弁付継手916から流入する流体であるLPG、水素等の燃料を圧力タンクである流体タンク911tに貯蔵し、流体の内圧により該流体を流体通路94tに供給する。
該流体通路94tに設けた流体制御部93tは、供給される流体の内圧を減圧弁935にて設定値に調整し、ECU(エンジンコントロールユニット)により制御される流体制御弁932tにて流体の供給量を制御して流体流出部95tに供給する。
流体流出部95tは、流体通路94tから供給される流体制御部93tで制御された流体を、接続リング941とハウジング610tを螺合することにより形成される環状空間である流体チャンバ953に滞留し、該流体チャンバ953に連通する流体流出通路954を通って複数の前記流体流出口955tより、流体の内圧と駆動流等により発生する前記負圧により、同じ圧力差で均等に流出する。
なお、流体がLPG等の液体と気体が供給できる燃料の場合は、流体タンク911tの下部からの液体供給(図示せず)により、筒内燃料噴射装置に液体燃料を供給することができる。
(第3実施形態(請求項3対応))
図7は、第3実施形態のトランスベクタ型の過給手段の断面図と、液体の流体流出機構の構成図である。
図7は、前記過給装置において、過給手段5rである空気流量増幅器6rのトランスベクタ61rに設けたノズル清掃機構8rのノズルリップである、固定ノズルリップ811rと回転ノズルリップ821rに設けた溝状の清掃手段である溝88rに、流体流出機構9rの流体を流出する流体流出手段である流体流出部95rの流体流出口955rを設けたことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の過給装置の過給手段5rの断面図と、液体の流体流出機構9rの構成図である。
該トランスベクタ61rの羽根車87rは前記トランスベクタ61v(図3)の羽根車87vと、羽根車87rを除くノズル清掃機構8rは前記ノズル清掃機構8t(図6)と各部の形状が異なるが構造原理が同じであるので、ノズル清掃機構8rの構成と作用の説明は省略する。
流体流出機構9rは、液体燃料を供給する従来の予混合内燃機関のキャブレタと同様に、流体供給部91rの流体タンク911rの下流に燃料ポンプ914rを設け、その下流に流体制御部93rの燃料チャンバ931rであるフロートチャンバ(または、ダイアフラムチャンバ)を設け、その下流に流量制御弁932rと、更に、流体センサ934rを設け、流体通路94rの下流に流体チャンバ953r、流体流出通路954r、および前記流体流出口955rを設ける。
流体流出機構9tの作用は、流体タンク911rから燃料ポンプp914で送られる流体を、燃料チャンバ931rにより供給圧力を一定に制御し、流体制御弁932rにて流量制御して流体通路94rから流体チャンバ953rに流入し、該流体チャンバ953rに連通する流体流出通路954rを通って複数の前記流体流出口955rより、溝88rを流れる駆動流のベルヌーイの定理による負圧により同じ圧力差で均等に流出する。
該溝88rを流れる駆動流は、固定ノズル81rと回転ノズル82rの間のノズル隙間より溝88rの通路抵抗が小さく速い流れとなるので清掃作用が発生し、同時に前記負圧も大きくなるので、該溝88rの中流に流体流出口955rを設けることができる。
従って、流体をノズルリップに拡散流出することができるので、液体によるノズルリップの清掃促進作用が、簡素な構造でできる。
また、流出流体が、ガソリン、エタノール等の液体燃料の場合は、流体センサ934rによる液体燃料の供給量と、後述する過給装置4e(図11)の吸気センサ24や駆動流センサ43eによる吸気量をECUに入力し、ECU出力により流体制御弁932rを制御することにより予混合吸気の空燃比制御を行うことができる。
(第3実施形態(請求項3対応)の変形例1
図8の(G)は、第3実施形態の変形例1であるエジェクタ型の過給手段の断面図と、流体流出機構の流体供給部と流体制御部の構成図で、(H)は、J部の拡大図である。
図8は、前記過給装置において、過給手段5fである空気流量増幅器6fのエジェクタ63fに設けた前記ノズル清掃機構8fのノズルリップに設けた溝状の清掃手段である溝882fに、流体流出機構9fの流体を流出する流体流出手段である流体流出部95fの流体流出口955fを設けたことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の過給装置の過給手段5fの断面図と、液体の流体流出機構9fの構成図である。
過給手段5fは、前記過給手段5s(図4)に流体流出機構9fの流体流出部95fと流体通路94fを設けたもので、各部の形状は異なるが過給手段の構造は前記過給手段5sと同じであるので、ノズル清掃機構8fの作用の説明は省略する。
該流体流出機構9fは、前記流体流出機構9r(図7)の流体制御部93rの流体センサ934rを省き、流体流出部95fをエジェクタ型の過給手段5fに対応したものである。
該流体流出部95fは、ノズルケーシング633fと2個のシール944の空間により流体通路94fとノズル軸637fの流体チャンバ953fを連通し、該流体チャンバ953fと前記溝882fに設けた流体流出口955fに連通する体流出通路954fを設ける。
流体流出機構9fの作用は、流体供給部91fから供給される液体を流体制御部93fにて流量制御して流体通路94fを通って、エジェクタ63fのノズルケーシング633fに回動自在に設けたノズル軸637fの流体チャンバ953fに供給し、該流体チャンバ953fに連通する流体流出通路954fを通って複数の前記流体流出口955fより、溝882fの強い流れの駆動流により発生する前記負圧により同じ圧力差で均等に流出する。
なお、(H)に示すように、前記流体通路94fからスペーサ945を介して、回転するノズル軸637fの外周に流体を供給し、この外周の液体と流体チャンバ953fに連通する連通口をノズル軸637fに設けて流体を供給する。
過給手段5fである空気流量増幅器6fがエジェクタ63fであるので、前記トランスベクタ型の空気流量増幅器(6t、6r)より流量増幅比は小さいが、大きな過給圧が必要な過給装置に適する。
また、回転ノズル82fに設けた流体流出口955fを固定ノズル81fに設けることもできる。
(第3実施形態(請求項3対応)の変形例2)
図9は、第3実施形態の変形例2の2流体を流出するトランスベクタ型の過給手段の断面図と、2流体(流体Aと流体B)を流出する流体流出機構の構成図である。
図9は、前記過給装置において、過給手段5gである空気流量増幅器6gに設けた前記ノズル清掃機構8gのノズルリップである固定ノズルリップ811gに設けた溝状の清掃手段である溝88gに、前記流体流出機構9Aの流体を流出する流体流出手段である流体流出部95Aの流体流出口955Aと、下流側の前記流体流出機構9Bの流体を流出する流体流出手段である流体流出部95Bの流体流出口955Bと、を設けたことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の過給装置の過給手段5gの断面図と、2流体を流出する2組の流体流出機構(9A、9B)の構成図である。
該第3実施形態の変形例2は、下流側の前記流体流出機構9Bを除くと、各部の形状および一部の構成が異なるが、供給流体である液体を流出する第3実施形態(図7)と基本構造は同じであるので、ノズル清掃機構8gおよび流体流出機構9Aの作用の説明は省略する。
該第3実施形態(図7)と形状以外の相違点は、流体制御部93rの流体センサ934rを削除し、更に、ノズルの両面を清掃して回転駆動力を発生するために、固定ノズル811gに清掃手段である螺旋状の溝882gを設けていることである。
下流側の前記流体流出機構9Bの流体供給部91Bと流体制御部93Bは、供給流体である気体を流出する実施形態2(図6)と構成および作用は同じである。
流体流出機構(9A,9B)の作用は、それぞれの流体供給部(91A、91B)から供給され、流体制御部(93A、93B)で流量等を制御されて、流体通路(94A、94B)から流体である液体Aと気体Bが、流体チャンバ(953A、953B)に供給され、流体流出通路(954A、954B)を通って、液体Aは清掃手段である溝88gの強い駆動流による前記負圧により、気体Bは該負圧と制御部935Bの減圧弁935Bにより制御された内圧により、流体流出口(954A、954B)より流出して駆動流に拡散し、該駆動流で吸気流を加速することにより均一に混合する。
流体(A、B)は、液体と気体として説明したが、流体流出機構(9A、9B)の構成変更により気体と気体、または液体と液体でもよい。
流体の種類は、目的によりガソリン、エタノール、LPG、水素等の燃料、加湿冷却剤、または添加剤でもよい。
(第4実施形態(請求項4対応))
図10は、第4実施形態の、圧縮機方式とEGR方式の駆動流機構を備えた過給装置の概念の説明図である。
図10は、前記過給装置において、過給手段5hである空気流量増幅器6hに駆動流を供給する駆動流通路41hに、排気通路31hからのEGRガスを駆動流として供給する排気還流通路32と、更に、内燃機関により駆動される圧縮機45hと、該圧縮機45hからの圧縮空気を駆動流通路41hに供給する圧縮空気通路412と、該排気還流通路32と該圧縮空気通路412に設けた駆動流を制御する駆動流制御手段である制御弁421と制御弁422とを備え、該駆動流制御手段を内燃機関1hの運転状況に応じて制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの内燃機関1hの過給装置4hである。
エアクリーナ21hから吸気流入通路22hを通って過給手段5hに供給される吸気は、駆動流通路41hから供給される駆動流により空気流量増幅器6hにより過給され、吸気流出通路23hより内燃機関1hに供給される。
該吸気流出通路23hに過給センサ46、前記排気通路31hに排気センサ34、駆動流通路41hに駆動流センサ43を設け、圧力、温度、流速等のそれぞれの目的に応じた各センサの計測結果はECUに入力される。
内燃機関1hのブースト圧状態の吸気量を該空気流量増幅器6hの流量増幅比で除した容量に対応する前記圧縮機45hの運転は、内燃機関1hの回転力をクラッチ455で伝達して行う。
過給装置4hの作用は、過給手段5hである空気流量増幅器6hに供給する駆動流を、制御弁421をECUの出力によりONにして動力損失の小さい排気還流通路32からのEGRガスを供給して過給運転を行う。
始動時や低速回転時のEGRガスが駆動流として不足する場合、あるいは内燃機関1hの排気の過熱等によりEGRガスでの過給が困難な場合は、ECUの出力によりクラッチ455をONにして圧縮機45hを運転し、該制御弁421をOFF、前記制御弁422をONにして圧縮機45hの圧縮空気による過給運転を行う。
クラッチ455の替りに、無段変速機を用いて、圧縮機45hの圧縮空気の制御を行うこともできる。また、クラッチ455を省略して、圧縮機あるいは空気圧回路を切換えてアンロード(無負荷)運転とすることもできる。
このように、内燃機関の運転状況により過給手段5hの駆動流を、EGRガスと圧縮機45hの圧縮空気に切換えることにより、動力損失が小さく、内燃機関1hの運転領域全域での過給ができる応答性のよい過給装置4hが、簡素な過給手段5h、小さな容量の圧縮機45h、排気還流通路32、および駆動流の制御手段等にてできる。
(第4実施形態(請求項4対応)の変形例1)
図11は、第4実施形態の変形例1の2流体を流出する過給装置の構成図である。
図11は、前記過給装置4h(図10)と同様に、圧縮機方式とEGR方式の駆動流機構を備え、更に、流体M(加湿冷却剤)を流出する流体流出機構9Mと、流体F(燃料)を流出する流体流出機構9Fを備えた2流体を流出する過給装置4eである。
また、圧縮空気通路412eには下流より、制御弁422e、駆動流センサ432を備えたサージタンク48、駆動流逆止弁442、冷却器492、および圧縮機45eを設け、排気還流通路32eには下流より、駆動流逆止弁441、制御弁421e、駆動流センサ431、冷却器491、およびフィルタ495を設ける。
排気の異物を除去するために設けた該フィルタ495のドレン回路を排気通路31eに連通する。
エアクリーナ21eからの吸気を吸気副通路28にて圧縮機45eに供給し、吐出圧の過上昇を防止するために、圧縮機45eの吐出側と吸引側に連通するリリーフ弁47を設ける。
排気通路31eとの接続は、図11に示すように動圧を取り込む排気還流通路32eは開口部を上流に向け、静圧によりドレンを流出するドレン回路は開口部を流れに並行に設けて接続する。
前記圧縮空気通路412eに駆動流センサ432、排気還流通路32eに駆動流センサ431、吸気流入通路22eに吸気センサ24、吸気流出通路23eに過給センサ46e、排気通路31eに排気センサ34e、駆動流通路41eに駆動流センサ43eを設けて、圧力、温度、流速等の、それぞれの目的に応じた各センサの計測結果は、ECUに入力される。
過給装置4eの作用は、過給装置4h(図10)と同様に、過給手段5eである空気流量増幅器6eに供給する駆動流として、制御弁421eをECUの出力によりONにして、排気還流通路32eからのEGRガスを供給して、動力損失の小さい過給運転を行う。
始動時や低速回転時のEGRガスが駆動流として不足する場合、あるいは内燃機関1eの排気の過熱、EGR還流量の制約等によりEGRガスでの過給が困難な場合は、ECUの出力によりクラッチ455eをONにして圧縮機45eを運転し、駆動流センサ432の圧力上昇を確認して制御弁422eをON、制御弁421eをOFFにして、圧縮機45eの圧縮空気による過給運転を行う。
更に、圧縮機方式の駆動流を流量制御する制御弁422eとEGR方式の駆動流を流量制御する制御弁421eをECUの出力により調整制御して、両方の駆動流を同時に利用することにより、動力損失が少なく、圧縮機455eの設定容量を小さくできる。
両方の駆動流を使用する場合、圧力の低い方への駆動流の逆流は、前記駆動流逆止弁(442、441)にて防止する。
また、圧縮空気通路412eと排気還流通路32eに設けた、各駆動流を空冷する冷却器(492,491)は、寒冷時、起動時等は冷却を停止して、駆動流の不要な冷却を防止する。
また、2組の流体流出機構(9M、9F)により、それぞれの流体供給部(91M、91F)から供給される流体Mと流体Fを、流体制御部(93M、93F)で流量を制御して流体通路(94M、94F)から流体チャンバ(図示せず)に送られ、流体通路を通って、駆動流による前記負圧により、流体流出口より流出して流速の大きい駆動流に衝突して1次拡散し、該駆動流が吸気を加速すると同時に吸気への2次拡散が行われて均質な予混合気となる。
従って、流体流出機構(9M、9F)を備えることにより、駆動流の過湿冷却による充填効率の向上、燃焼温度の低下による排気性状の良化、およびノズル清掃の促進ができ、更に、均質な予混合ができるので、成層燃焼および均質燃焼が効率よく行える内燃機関1eとなり、筒内燃料噴射装置14eを併用した成層燃焼によるリーンバーンエンジン、また、流体流出機構による異種燃料の供給により、バイフューエルエンジンとすることもできる。
図12は、図11の2流体を流出する過給装置4eの制御フローチャートである。
図12の制御フローチャートは、前記圧縮機方式とEGR方式の駆動流機構と、更に、流体M(加湿冷却剤)と流体F(燃料)の2流体を流出する流体流出機構(9M、9F)と、を備えた前記過給装置4e(図11)の制御フローチャートである。
該過給装置4eは、筒内燃料噴射装置14eを備えた内燃機関1eを過給し、更に、駆動流や吸気への流体流出を行うことにより、駆動流の過湿冷却や、予混合と筒内燃料噴射による燃料供給による成層燃焼により、火花点火内燃機関である内燃機関1eをリーンバーンエンジンとする。
図12に示すフローチャートを参照して、前記過給装置4eの制御について説明する。
なお、フローチャートにおける各判断は、ECU(図示せず)に入力された内燃機関1e、過給装置4e等の全入力情報により、運転状況に対応した各判断を行うものとする。
また、以下に説明する過給装置4eの制御は、ECU(図示せず)が起動してから停止するまでの間、繰り返し実行され、本処理ルーチンと各サブルーチンは並行処理されるものとする。
まず、ECUは、過給装置4eの運転指令がONであるかを判断する(ステップS010)。
ここで、運転指令がONでないと判断した場合は、過給装置の停止制御(ステップS100)を行い、本処理ルーチンを一旦終了する。
具体的には、過装置給4eの停止制御は、流体制御部(93M、93F)による流体の供給停止、EGR方式の制御弁421eの閉鎖、クラッチ455eの0FFを行い、駆動流センサ432によりサージタンク48の残圧の低下を確認して圧縮機方式の制御弁422eを閉鎖し、流体の吸気通路への残留や、排気の機関外部への流出を防止して過給装置4eを停止する。
一方、運転指令がONであると判断した場合には、ECUは、運転状況により過給が必要か否かを判断する(ステップS020)。
ここで、過給が必要でないと判断した場合は、本処理ルーチンを一旦終了する。
一方、過給が必要であると判断した場合には、ECUは、EGRが可能であるかを判断する(ステップS030)。
ここで、EGRが可能であると判断した場合には、ECUは、EGR制御対応演算(ステップS040)を実行して、駆動流が不足であるかを判断する(ステップS050)。
具体的には、EGR制御対応演算は、過給に必要な駆動流を供給するために、内燃機関1eの運転状況に対応したEGR方式の制御弁421eの開度と、その開度でのEGR還流率を演算する。
また、駆動流が不足であるかの判断は、上記演算結果が、開度が100%を超える場合、あるいはEGR還流率が管理値を超える場合は、駆動流不足と判断する。
一方、EGRが可能でないと判断した場合は、圧縮機制御対応演算(ステップS060)を実行して、流体流出が必要か否かを判断する(ステップS070)。
具体的には、圧縮機制御対応演算は、EGR方式の駆動流不足を補充する場合、あるいは圧縮機45eのみの駆動流で過給する場合に、内燃機関1eの運転状況に対応した圧縮機方式の制御弁422eの開度を演算する。
また、流体流出が必要であるかの判断は、駆動流あるいは吸気の加湿冷却等が必要であるか、流体F(燃料)の予混合が必要であるかを、内燃機関1eの運転状況に対応して判断する。
また、駆動流が不足であると判断した場合は、前記圧縮機の制御対応演算(ステップS060)を行う。
一方、駆動流が不足でないと判断した場合には、ECUは、前記流体流出が必要か否かを判断する(ステップS070)。
ここで、流体流出が必要であると判断した場合は、流体流出の制御対応演算(ステップS080)を実行し、過給装置の運転制御(ステップS090)を実行して、本処理ルーチンを一旦終了する。
具体的には、流体流出の制御対応演算は、前記各センサ等にて、吸気、駆動流、過給圧、内燃機関1e等の状況に応じて、目的に応じた目標流出量の演算と、目標流出量を流出するための流体制御部の制御弁の開度等を演算する。
なお、流体流出の制御対応演算(ステップS080)の処理ルーチンについては、後述するサブルーチンフローチャート(図13)にて別途説明する。
次に、過給装置の運転制御は、前記の各演算(ステップ040,060,080)の演算結果に従って、ECUの出力により各アクチュエータ等を作動して流体供給部(91M、91F)、流体制御部(93M、93F)、各制御弁(421e、422e)、クラッチ455eを制御する。
一方流体流出が必要でないと判断した場合には、ECUは、前記過給装置の運転制御実行(ステップS090)を実施し、本処理ルーチンを一旦終了する。
上記過給装置4eの制御フローチャートに従い、運転指令がONの場合は、圧縮機方式とEGR方式の駆動流機構を最適稼働し、流体流出機構(9M、9F)により運転状況に応じた流体流出を行い、ECUが起動中で運転指令がONでない場合は、機関の停止、あるいは再起動に対応する過給装置4eの停止制御を行う。
従って、駆動流機構の最適稼働として、EGR方式の駆動流を優先して過給を行い、圧縮機方式の駆動流を補完的に使用することにより、動力損失が小さく、運転領域全域に対応できる過給運転ができる。
また、流体流出機構(9M、9F)による流体流出により、駆動流や吸気の加湿冷却や、内燃機関1eの運転状況に対応した任意の空燃比の予混合気の供給ができる。
次に、本処理ルーチンの流体流出の制御対応演算(ステップS080)のサブルーチンフローチャート(図13)を説明する。
図13は、図12の制御フローチャートの、流体流出制御対応演算(ステップS080)のサブルーチンフローチャートである。
前記過給装置4e(図11)は、圧縮機方式とEGR方式の駆動流機構と、更に、流体M(加湿冷却剤)と流体F(燃料)の2流体を流出する流体流出機構(9M、9F)とを備えた内燃機関1eの過給装置である。
従って、筒内燃料噴射装置14eを備えた内燃機関1eを過給し、更に、駆動流や吸気への流体流出を行うことにより、加湿冷却剤を流出して駆動流等の加湿冷却、燃料を流出して予混合と筒内燃料噴射による成層燃焼によるリーンバーンエンジンとすることも、予混合燃焼機関とすることもできる。
なお、以下に説明する流体流出制御対応演算のサブルーチンは、前記制御フローチャート(図12)の実行により、繰り返し実行されるものとする。
まず、ECUは、内燃機関1eの燃焼方式が成層燃焼であるかを判断する(ステップS081)。
具体的には、内燃機関1eの回転数、トルク、排気温度、スロットルポジションセンサ等の入力情報により、各燃焼方法のシミュレーションを実行して、運転状況に対応した最適な燃焼方法を選択する、あるいは、事前に燃焼方法の選定因子(トルク、回転数等)による燃焼方法のマップを作成して、そのマップに従って燃焼方法を決定する。
低速回転、低負荷時等は、筒内燃料噴射装置14eの燃料噴射による層状燃焼、高速回転、高負荷時等は、全体を早く燃焼させる予混合燃焼(均質燃焼)、これら以外の時は予混合と筒内燃料噴射装置14eの燃料噴射によるリーン領域である成層燃焼を選択することができる。
ここで、ECUが、成層燃焼でないと判断した場合は、予混合燃焼であるかを判断する(ステップS082)。
一方、成層燃焼であると判断した場合には、ECUは、流体流出量(9F)の演算(ステップS083)を実行して、流体流出(9M)による加湿冷却が必要であるかを判断する(ステップ084)。
具体的には、流体流出量(9F)の演算は、駆動流の流速から発生するベルヌーイの定理による負圧と、流体制御部93Fの制御により流体F(燃料)の流出量を試算する、あるいは、流体制御部に設けた流量センサにて流量計測を行い、吸気流出通路23eへ流出する吸気への流体Fの流出割合(重量比等)を演算する。
ここで、ECUが、予混合燃焼でないと判断した場合は、前記加湿冷却が必要であるかを判断する(ステップS084)。
一方、予混合燃焼であると判断した場合には、ECUは、前記流体流出量(9F)の演算(ステップS083)を実行して、流体流出による加湿冷却が必要であるかを判断する(ステップ084)。
ここで、ECUが、流体流出による加湿冷却が必要であると判断した場合は、流体流出制御(9M)の演算(ステップS085)を実行し、次に、内燃機関1eのエンジン制御プログラムに前記流体流出量(9M、9F)をフィードバック(ステップS086)して、本処理サブルーチンを一旦終了する。
具体的には、流体流出制御(9M)の演算は、前記流体流出量(9F)の流出による駆動流等の加湿冷却では不足の場合、加湿冷却に必要な該流体流出量(9M)の試算を実行し、次に、前記流体流出量(9M、9F)を内燃機関1eのエンジン制御プログラムにフィードバック(ステップS086)することにより、筒内燃料噴射装置14eの燃料噴射量にフィードバックして、成層燃焼の空燃比管理を行う。
一方、流体流出による加湿冷却が必要でないと判断した場合には、ECUは、前記流出量(9M、9F)のフィードバック(ステップS086)を実行し、本処理サブルーチンを一旦終了する。
第1〜4実施形態に示す過給装置に設けられている機器および補助機器(センサ、フィルタ、サージタンク、冷却器、制御弁等)は、内燃機関の運転条件等により追加削除ができ、第1〜4実施形態は、本発明の一例を示すもので本発明を制約するものではなく、当業者により変更および改良ができる。
また、文献2に記載の過給装置に、本願発明の過給装置を設けることができ、例えば、文献2に記載の過給装置に、本願発明のノズル清掃機構や流体流出機構等を設けることができる。
過給手段に空気流量増幅器を用いる本過給装置は、EGRガスによるデポジットの堆積により、駆動流の流路の狭窄部であるノズルの閉塞が発生する問題点が改善されることにより、従来、吸気を直接加圧するターボ式過給機により出力の向上等を行っている、自動車の内燃機関の過給装置として使用することができる。
1 内燃機関
4 過給装置
5 過給手段
6 空気流量増幅器
8 ノズル清掃機構
9 流体流出機構
12 点火プラグ
14 筒内燃料噴射装置
20 吸気
21 エアクリーナ
22 吸気流入通路
23 吸気流出通路
24 吸気センサ
28 吸気副通路
31 排気通路
32 排気還流通路
34 排気センサ
38 排気浄化装置
39 消音器
40 駆動流
41 駆動流通路
42 (制御弁)
43 (駆動流センサ)
44 (駆動流逆止弁)
45 圧縮機
46 過給センサ
47 リリーフ弁
48 サージタンク
61 トランスベクタ
63 エジェクタ
81 固定ノズル
82 回転ノズル
84 ベアリング
85 シール
87 羽根車
88 溝(固定ノズル用)
91 流体供給部
93 流体制御部
94 流体通路
95 流体流出部
100 燃料蒸発装置
101 燃料供給装置
102 加熱装置
103 蒸発室
104 吸気通路
105 連結通路
108 過給装置
212 エアクリーナ
222 吸気流入通路
412 圧縮空気通路
421、422 制御弁
431、432 駆動流センサ
441、442 駆動流逆止弁
455 クラッチ
491、492 冷却器
495 フィルタ
610 ハウジング
611 フランジ
614 環状チャンバ
615 ノズル
630 ハウジング
633 ノズルケーシング
635 ノズル
637 ノズル軸
638 ナット
639 ブッシング
811 固定ノズルリップ
821 回転ノズルリップ
882 溝(回転ノズル用)
911 流体タンク
914 燃料ポンプ
916 逆止弁付継手
931 燃料チャンバ
932 流体制御弁
934 流体センサ
935 減圧弁
941 接続リング
942 プレート
943 ブッシング
944 シール
945 スペーサ
953 流体チャンバ
954 流体流出通路
955 流体流出口

Claims (4)

  1. 内燃機関の燃焼室に吸気を供給する吸気系統のダクト入口、エアクリーナ、または吸気通路途中に、吸気を加圧して燃焼室に送り込む過給手段を備えた内燃機関の過給装置であって、該過給手段は、空気流量増幅器と、該空気流量増幅器に内燃機関により駆動される圧縮機からの圧縮空気、または排気通路からのEGRガスを該空気流量増幅器の駆動流として供給する駆動流通路と、更に該空気流量増幅器のノズルに、回動可能な回転ノズルと、駆動流または吸気流により回転力を発生する該回転ノズルに連動する回転駆動手段と、該回転ノズルと固定ノズルの片方または両方のノズルのノズルリップに設けた溝状の清掃手段と、を備えたノズル清掃機構を設けたことを特徴とする空気流量増幅器を過給手段とする内燃機関の過給装置。
  2. 前記過給装置において、過給手段である空気流量増幅器と、更に、該空気流量増幅器のノズルまたはノズル付近に設けた流体を流出する流体流出手段と、該流体流出手段に流体を流出する流体流出手段と、該流体流出手段と前記流体流出手段に連通する流体通路と、該流体通路に設けた流体制御手段と、を備えた流体流出機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の過給装置。
  3. 前記過給装置において、過給手段である空気流量増幅器に設けた前記ノズル清掃機構のノズルリップに設けた溝状の清掃手段に、前記流体流出機構の流体を流出する流体流出手段の流体流出口を設けたことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の過給装置。
  4. 前記過給装置において、過給手段である空気流量増幅器に駆動流を供給する駆動流通路に、排気通路からのEGRガスを駆動流として供給する排気還流通路と、更に内燃機関により駆動される圧縮機と、該圧縮機からの圧縮空気を駆動流通路に供給する圧縮空気通路と、該排気還流通路と該圧縮空気通路に設けた駆動流を制御する駆動流制御手段とを備え、該駆動流制御手段を内燃機関の運転状況に応じて制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の過給装置。
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