JP2016169249A - 樹脂組成物、および樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、および樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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秀臣 片野
康雄 川田
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康雄 川田
崇雄 川田
Takao Kawata
崇雄 川田
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Abstract

【課題】 土壌埋設時に短期間での解砕性と分解性を有するとともに、価格競争力に優れる樹脂組成物およびその製造方法を提供する。【解決手段】 (A)酸化防止剤を含まないポリプロピレン系樹脂、(B)酸化防止剤を含まないポリプロピレン系樹脂以外の、ポリオレフィン系樹脂、(C)無機充填剤、および(D)相溶化剤を含有し、(B)成分を、(A)成分100質量部に対して、0〜2000質量部、(C)成分を、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、20〜200質量部、および(D)成分を、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、1〜40質量部を含有する、ことを特徴とする、樹脂組成物である。【選択図】 なし

Description

本発明は、土壌埋設時に短期間での解砕性と分解性を有するとともに、価格競争力に優れる樹脂組成物、およびその製造方法に関する。
近年、廃棄物処理の観点から、自然環境にやさしい生分解性樹脂や酸化促進剤を添加した樹脂は、世界的に大きく注目されているが、汎用樹脂に比べて、高価格であることが、これらを普及させるうえでの問題点となっている。さらに、土壌埋設された場合においては、太陽光の紫外線による分解が行われない為、分解・酸化に長期間を要する状況にある。
上記問題を解決すべく、様々な検討が行われており、例えば、生分解性脂肪族ポリエステル樹脂に表面処理された充填剤を添加してなる樹脂材料を、紙または不織布にラミネートしてなる農業用生分解性シートが提案され、使用後の処理が容易で、強度を充分に維持できるとされているが、一般の農業用シートに比べて高コストになっている(例えば、特許文献1参照)。
また、分解剤成分を添加し、太陽光の紫外線と空気による酸化反応での分解を促進させ、その後微生物による分解を行うとの提案では、分解剤の添加が必要となり、コスト増加の原因になることや、製品が土壌に埋設された場合に紫外線が使えないことや、添加成分にカルボン酸を有するので、土壌が酸性化すること等の課題が残っている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、生分解性を有する高分子化合物に酸化カルシウムを添加する多機能生分解性複合材料における提案では、酸化カルシウムの水分吸収時の膨張による亀裂を分解に活用しているが、やはり一般的な農業用シート等に比べ、高コストになっている(例えば、特許文献3参照)。
特開平11―048436号公報 特開2002―542313号公報 特開2013―237764号公報
本発明は、土壌埋設時に短期間での解砕性と分解性を有するとともに、価格競争力に優れる樹脂組成物、およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、酸化防止剤を含まないポリプロピレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、無機充填剤および相溶化剤を、特定量含有させることによって、価格競争力のある、土壌埋設時に短期間での解砕性と分解性を有する樹脂組成物および当該樹脂組成物の製造方法を提供できることを見出した。
すなわち、本発明は以下を要旨とする。
[1](A)酸化防止剤を含まないポリプロピレン系樹脂、(B)酸化防止剤を含まないポリプロピレン系樹脂以外の、ポリオレフィン系樹脂、(C)無機充填剤および(D)相溶化剤を含有し、
(B)成分を、(A)成分100質量部に対して、0〜2000質量部、
(C)成分を、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、20〜200質量部、および
(D)成分を、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、1〜40質量部を含有する樹脂組成物。
[2](C)成分が、酸化カルシウムあるいは酸化カルシウムと炭酸カルシウムの混合物である、上記[1]記載の樹脂組成物。
[3](D)成分が、メタロセン触媒により合成された分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、分子量が35000〜150000であり、軟化点が90〜130℃のポリプロピレン系樹脂である、上記[1]または[2]記載の樹脂組成物。
[4](A)成分が、重合後に乾燥されたパウダー状の樹脂である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5](B)成分が、酸化防止剤を含むポリプロピレン系樹脂、およびポリエチレン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂、またはこれらの樹脂の再生された樹脂である、上記[1]〜[4]のいずれか記載の樹脂組成物。
[6](D)成分が軟化する温度以上で、(C)成分と(D)成分を撹拌混合した後に、(A)成分と(B)成分を加え、溶融混練造粒する、上記[1]〜[5]のいずれか記載の樹脂組成物の製造方法。
本発明[1]によれば、価格競争力にある、土壌埋設時に短期間での解砕性と分解性を有する樹脂組成物、および該樹脂組成物の製造方法を提供できる。本発明は、土壌に埋設される製品、または製品使用の環境から土壌に埋設される可能性のある製品に有効であり、具体的な用途として、農業用養生シート、育苗トレー、育苗ポット、育成ポット、導水管用鋳鉄管の、防食・防塵の為の樹脂キャップ等が挙げられる。
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。
1.樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、(A)酸化防止剤を含まないポリプロピレン系樹脂、(B)酸化防止剤を含まないポリプロピレン系樹脂以外の、ポリオレフィン系樹脂、(C)無機充填剤、および(D)相溶化剤を含有してなる。
本発明の樹脂組成物の組成は、
(A)酸化防止剤を含まないポリプロピレン系樹脂100質量部に対し、(B)酸化防止剤を含まないポリプロピレン系樹脂以外の、ポリオレフィン系樹脂を0〜2000質量部、
(A)酸化防止剤を含まないポリプロピレン系樹脂と(B)酸化防止剤を含まないポリプロピレン系樹脂以外の、ポリオレフィン系樹脂の合計100質量部に対して、(C)無機充填剤を20〜200質量部および(D)相溶化剤を1〜40質量部を含有する樹脂組成物である。
(C)成分の含有比率は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、20〜200質量部、好ましくは40〜180質量部、より好ましくは60〜170質量部である。当該含有比率が小さ過ぎると、土壌埋設時に解砕する期間が長くなり、分解期間がかかる傾向にあり、当該含有比率が大きすぎると、樹脂組成物の成形性が不足し、成形品が割れ易くなる傾向にある。
(D)成分の含有比率は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、1〜40質量部、好ましくは1〜30質量部、より好ましくは2〜20質量部である。(D)成分は、一般の汎用樹脂より高価なので、少ない方が望ましいが、当該含有比率が小さ過ぎると、無機充填剤(C)が凝集し、製品の耐衝撃性や引裂き強度が低下する傾向にある。
本発明の樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)の値は、成形性の観点から、JIS K7210に準拠して、メルトインデクサーを用いてシリンダー温度230℃、荷重2.16kgで測定し、好ましくは0.2〜50g/10min、より好ましくは0.5〜30g/10minである。本発明では、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分の含有比率を、上記の範囲内としたことにより、樹脂組成物のメルトフローレートを所定の範囲とすることができ、成形性を良好なものとすることができる。
1.1.(A)酸化防止剤を含まないポリプロピレン系樹脂
(A)成分は、ホモポリマー、ブロックコポリマー、ランダムコポリマーから選択できるが、成形性、剛性、耐衝撃性の観点から、1から数種類を選んで用いる。ここで、「酸化防止剤を含まない」とは、酸化防止剤が、(A)成分100質量部に対して、0.1質量部以下であることをいう。
また、本発明では、土壌埋設時に短期間での解砕性と分解性を有する為の要件として、(A)成分は、酸化防止剤を含まないことを特徴としている。(A)成分は、
(1)酸化防止剤を添加していないポリプロピレン系樹脂を特注する方法、
(2)ポリプロピレン系樹脂の重合後に、乾燥された酸化防止剤等の添加剤の入っていないパウダー状の樹脂を購入する方法、
で可能となるが、本発明で使用する(A)酸化防止剤含まないポリプロピレン系樹脂では、コスト上の有利な上記の(2)の方法が好ましい。
(A)成分を選択する理由について、一般にポリプロピレン系樹脂は、他のプラスチック材料と比べその構造中に不安定な3級水素を有しており、熱、光、水分、金属等の影響を受け、酸素を介して比較的容易に酸化分解する。この酸化分解を防止するために各種安定剤が配合されている。言い換えれば、安定剤を添加しなければ、酸化分解させ易い樹脂であり、また、安定剤の量を調整すれば酸化分解を制御できる。この特性を生かして、本発明では、樹脂組成物を構成する樹脂に、3級水素を有しているポリプロピレン系樹脂を選んでいる。
1.2.(B)酸化防止剤を含まないポリプロピレン系樹脂以外の、ポリオレフィン系樹脂
本発明において、(B)成分は、必須成分ではないが、(A)成分の酸化分解が早過ぎ、製品使用時に支障が出る場合、あるいは成形性、剛性、耐衝撃性が不十分な場合、あるいはコスト低減の観点から、酸化防止剤を含まないポリプロピレン系樹脂以外の1から数種類のポリオレフィン系樹脂から選んで用いると、好ましい。本発明では、配合のし易さ、コスト削減の観点から酸化防止剤を含むポリプロピレン系樹脂、およびポリエチレン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂、またはこれらの樹脂の再生された樹脂を選択することが、好ましい。
1.3.(C)無機充填剤
本発明における(C)成分は、次の目的で添加される。
(1)(C)成分が、土中埋設時に土中の水分を吸収して、体積膨張し、成形品にクラックを生じさせ、(A)成分と(B)成分に、空気中の酸素をとどき易くする。
(2)(C)成分を多く添加することで、(A)成分と(B)成分の組成比率を下げられるので、コスト上有利になる。
(3)樹脂安定剤の分解過程で生成するカルボン酸等による酸性土壌を中和する。
さらに、(C)成分の選択に際し、次の配慮が好ましい。
(1)安価であること。
(2)水分の吸収速度が速いこと。
(3)樹脂への分散配合が容易な粒径であること。
(4)添加量を増やしても、メルトフローレートの低下を少なくできること。
上記の目的と配慮すべきことから、本発明者らは、酸化カルシウムあるいは酸化カルシウムと炭酸カルシウムの混合物が、(C)成分として、最も優れていることを見出した。
また、酸化カルシウムは、平均粒径、粒径分布、粒子形状の異なるものを複合して、添加することもでき、成形性上有効である。
(C)成分には、その他、土壌埋設時の土壌改良目的で、ゼオライト、ケイソウ土、カオリン、クレー、ドロマイト、シリカ、炭酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等を複合して添加してもよい。
(C)成分は、その形状により繊維状、粉粒状、板状のものがあるが、成形性上、粉粒状が好ましい。本発明の(C)成分の平均粒径は、レーザー回析式粒子分布測定装置で測定し、好ましくは0.5〜150μm、より好ましくは1〜100μm、さらに好ましくは2〜50μmである。
1.4.(D)相溶化剤
本発明で使用する(D)成分は、(A)成分と(B)成分中に、(C)成分を分散させ易くし、溶融状態での相溶化を容易にする。これにより、(C)成分の添加比率を増加でき、成形性、剛性、耐衝撃性、表面平滑性等の改良が可能となり、製品の成形をし易くする。
ここにおいて、(D)成分の選択に際し、次の配慮が好ましい。
(1)(A)成分と(B)成分との相容性がよいこと。
(2)(C)成分の分散性に優れていること。
(3)安価であり、出来る限り少量で効果を発揮すること。
(4)成形品保存・使用時、(D)成分の表面へのブリードアウトが極力すくないこと
上記の目的と配慮すべきことから、本発明者らは、メタロセン触媒により合成された分子量分布(Mw/Mn)が3以下、分子量が35000〜150000、軟化点が90〜130℃のポリプロピレン系樹脂が、相溶化剤(D)として、最も優れていることを見出した。
1.5.その他の成分
本発明に係る樹脂組成物には、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料等の各種添加剤、有機物充填剤あるいはこれらの混合物が「その他の成分」として含まれていてもよい。これらは、本発明の効果を損なわない範囲で任意に使用できる。
本発明で使用する有機物充填剤は、土中分解性促進、価格競争力から、次の観点で添加されると、好ましい。
(1)無機充填剤と共同して水分を吸収し、体積膨張で成形品にクラックを形成する。
(2)土中埋設後、有機物充填剤を土中の微生物により消化・分解してもらうことで空隙を作り、酸素を行きわたり易くする。
(3)安価であること。
(4)充填し易い平均粒径、粒子形状であること。
これらの配慮すべきことから、澱粉が、有機物充填剤として、好ましい。
澱粉としては、具体的にはコーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、エンドウ澱粉等が挙げられ、価格と粒径・粒子形状の観点から、コーンスターチと馬鈴薯澱粉が、特に好ましい。
2.樹脂組成物の製造方法
本発明の樹脂組成物の製造方法は、(D)成分が軟化する温度以上で、(C)成分と(D)成分を撹拌混合した後に、(A)成分と(B)成分を加え、溶融混練造粒する方法である。本発明に係る(D)成分が軟化する温度以上で、(C)成分と(D)成分を撹拌混合する方法としては、公知の手法を適用することができる。本発明者らは、(D)成分が軟化する温度以上で、(C)成分と(D)成分を高速撹拌混合した後に、この(C)成分と(D)成分の混合物を、(A)成分と(B)成分に加え、溶融混練造粒する当該樹脂組成物の製造方法が、無機充填剤(C)の良好な分散性の達成と成形性、剛性、耐衝撃性の基本となる特性を満足でき、かつコストを低減も可能となる最も優れた方法であることを見出した。
例えば、具体的な製造方法として、(C)成分と(D)成分を、日本コークス工業株式会社製のFMミキサーや株式会社カワタのスーパーミキサー等の高速撹拌混合機を用い、(D)成分が軟化する温度以上で、(C)成分と(D)成分を高速撹拌混合した後に、その(C)成分と(D)成分の混合物を、(A)成分と(B)成分に加え、ホソカワミクロン株式会社製のナウターミキサーや株式会社西村機械製作所製のV型ミキサーやリボンミキサーで混合後、一軸あるいは二軸押出機に供給して溶融混練造粒し、当該樹脂組成物を造粒する方法などが、挙げられる。樹脂組成物の製造量の少ない場合は、(D)成分が軟化する温度以上で、(C)成分と(D)成分を高速撹拌混合した混合物と、(A)成分と(B)成分を、ポリエチレン製袋に入れて混合することができる。
その他の成分は、高速撹拌混合時に添加することも可能だが、その他の成分を高濃度のマスターバッチペレットとして一軸あるいは二軸押出機に供給して溶融混練造粒する際に、添加する方法等が可能である。
3.該樹脂組成物を用いた製品の作製方法
本発明の樹脂組成物を用いた製品を得る方法は、特に限定されることはなく、通常熱可塑性樹脂に採用されている各種成形方法を適用することができ、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、真空成形法、カレンダー成形法、圧縮成形法などを挙げることができる。
4.該樹脂組成物を用いた製品
本発明は、土壌に埋設される製品あるいは製品使用の環境から土壌に埋設される可能性のある製品に有効であり、具体的な用途として、農業用養生シート、育苗トレー、育苗ポット、育成ポット、使い捨て植木鉢、導水管用鋳鉄管の防食・防塵の為の樹脂キャップ等が挙げられる。これらの製品が短期間に解砕・分解できれば、環境への負荷が低減できる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例は本発明を詳細に説明するために示すものであり、本発明はその趣旨に反しない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、%は特に示さない限り、また数値固有の場合を除いて質量%である。
<曲げ弾性、アイゾット衝撃試験サンプルの作製方法>
射出成型機は、東芝機械株式会社製 IS80EPN−2Aで、型締力は80t JIS K6911準拠の試験片成形用金型で、作製した。成形時のシリンダー設定温度は、230℃とした。
<物性の評価>
・MFR値の測定
JIS K7210に準拠し東洋精機製作所製 P−01型により230℃、荷重2.16kgで、測定した。
・曲げ弾性率の測定
JIS K7203に準拠し株式会社島津製作所製 精密万能試験機AGS−500A型により、測定した。
・アイゾット衝撃強度の測定
JIS K7111−1に準拠し CEAST社製 6545/000型で、測定した。
<高速撹拌混合機>
日本コークス工業株式会社製 のFMミキサー FM10C/I 容量 9Lを使用した。
運転条件は、140℃ 30分 回転数1000RPMとした。
<造粒機>
株式会社陸亜製作所製の単軸混練造粒機を使用した。
型式 R−T−30スクリュー径 30mm L/D:32混練部2段ダルメージミキシング ベント式を使用した。水冷ストランドカット 本条件での運転温度は、230℃ 130〜170RPMとした。
<加速耐候性試験>
本発明では、製品中の酸化カルシウムが土中の水分を吸収し膨張することで、製品にクラックや空隙を生じさせて、酸素との接触界面を増加させ、樹脂成分の酸化を促進させるメカニズムを用いている。しかしながら、製品サンプルを土中埋設させて解砕性と分解性を評価するのでは、長時間を要するので、これを短時間で評価するため、次のような加速耐久性試験を用いた。
曲げ弾性、アイゾット衝撃試験サンプル2セットを作製した。
その内の1セットで、曲げ弾性率、降伏点応力、降伏点歪、アイゾット衝撃強度を測定し、初期評価とした。
残りの1セットを、80℃の水槽に24時間浸漬後、80℃の空気乾燥機に24時間投入した。
これを1サイクルとして、5サイクル行い、曲げ弾性率、降伏点応力、降伏点歪、アイゾット衝撃強度を測定し、加速耐候性試験後の評価とした。
加速耐候性試験後には、目視による表面荒れを観察した。
初期評価と加速耐候性試験後の評価を比較することで、土壌埋設時に短期間での解砕性と分解性を有する樹脂組成物を作製できているか否かを類推した。
<実施例と比較例に用いた材料>
(A)酸化防止剤を含まないポリプロピレン系樹脂として、株式会社プライムポリマー製プライムポリプロJ707P(A−1)を用いた。
(B)酸化防止剤を含まないポリプロピレン系樹脂以外の、ポリオレフィン系樹脂として、株式会社プライムポリマー製プライムポリプロF329RA(B−1)、川田化成株式会社製の再生樹脂のリニアローデンシティポリエチレン(B−2)、株式会社プライムポリマー製プライムポリプロJ707G(B−3)を用いた。
(C)無機充填剤として、井上石灰工業株式会社製酸化カルシウムQC−X(C−1)、株式会社カルファイン製炭酸カルシウム 寒水石KD−100(C−2)を用いた。
(D)相溶化剤として、出光興産株式会社製エルモーデュS400を用いた。
<実施例1〜3>
表1に、実施例1〜3の配合組成を、示す。
<比較例1〜4>
表1に、比較例1〜4の配合組成を、同様に示す。
比較例3、4については、(D)相溶化剤が軟化する温度以上で、(C)無機充填剤と(D)相溶化剤との高速撹拌混合を実施せずに、(D)相溶化剤を1軸造粒機のホッパーにペレットの状態で添加した。
Figure 2016169249
実施例1は、(A)酸化防止剤を含まないポリプロピレン系樹脂のみを樹脂成分としていること、および、(C)無機充填剤として吸湿による膨張効果を最も期待できる酸化カルシウムのみを用いていることから、加速耐候性試験後の評価結果から、劣化は最も進行しており、自然界での土中埋設時においても、最も短期間での解砕性と分解性が期待できる。
実施例2は、(A)成分として50%の酸化防止剤を含まないポリプロピレン系樹脂と、(B)50%の酸化防止剤等の安定剤を含有しているポリオレフィン系樹脂を配合しており、実施例1よりは、ゆっくりとした劣化となった。このことから、樹脂成分の配合比率を調整すれば、劣化までの期間をコントロールできることが分かった。
実施例3は、(B)ポリオレフィン系樹脂として、再生樹脂を使用しており、価格競争力を発揮できる。通常、再生樹脂使用の場合、再生までの使用形態による劣化度合いが製品の耐久性に影響されて、再生樹脂使用上の難しさとなっているが、本発明のように、土壌埋設時に短期間での解砕性と分解性を必要とされる場合には、再生樹脂を有効に使えることが分った。
比較例1と2については、短期間での解砕性と分解性を期待できない。
比較例3、4については(D)相溶化剤が軟化する温度以上で、(C)無機充填剤と(D)相溶化剤との高速撹拌混合を実施せずに、(D)相溶化剤を1軸造粒機のホッパーにペレットの状態で添加したが、1軸造粒機のオーバーアンペアで停止してしまい、造粒できなかった。これにより、(D)相溶化剤が軟化する温度以上で(C)無機充填剤と(D)相溶化剤との高速撹拌混合することが、有効であることが、確認できた。
以上、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う樹脂組成物および当該樹脂組成物の製造方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明によれば、価格競争力があり、土壌埋設時に短期間での解砕性と分解性を有する樹脂組成物、および該樹脂組成物の製造方法を提供できる。本発明は、土壌に埋設される製品あるいは製品使用の環境から土壌に埋設される可能性のある製品に有効であり、具体的な用途として、農業用養生シート、育苗トレー、育苗ポット、育成ポット、導水管用鋳鉄管の、防食・防塵の為の樹脂キャップ、コンクリート枠等が挙げられる。

Claims (6)

  1. (A)酸化防止剤を含まないポリプロピレン系樹脂、(B)酸化防止剤を含まないポリプロピレン系樹脂以外の、ポリオレフィン系樹脂、(C)無機充填剤、および(D)相溶化剤を含有し、
    (B)成分を、(A)成分100質量部に対して、0〜2000質量部、
    (C)成分を、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、20〜200質量部、および
    (D)成分を、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、1〜40質量部を含有する
    ことを特徴とする、樹脂組成物。
  2. (C)成分が、酸化カルシウムおよび酸化カルシウムと炭酸カルシウムの混合物である、請求項1記載の樹脂組成物。
  3. (D)成分が、メタロセン触媒により合成された分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、分子量が35000〜150000であり、軟化点が90〜130℃のポリプロピレン系樹脂である、請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. (A)成分が、質合後に乾燥されたパウダー状の樹脂である、請求項1〜3のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  5. (B)成分が、酸化防止剤を含むポリプロピレン系樹脂、およびポリエチレン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂、またはこれらの樹脂の再生された樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  6. (D)成分が軟化する温度以上で、(C)成分と(D)成分を撹拌混合した後に、(A)成分と(B)成分を加え、溶融混練造粒する、請求項1〜5のいずれか1項記載の樹脂組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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