[1.パチンコ機の全体構造]
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1及び図7を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体について説明する。
同図1及び図7に示されるように、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される外枠2と、外枠2に開閉自在に軸支され前側が開放された箱枠状の本体枠(図示略)と、遊技領域1100を有した遊技盤4が本体枠にその前側から装着固定された状態にてそれら本体枠及び遊技盤4の前面を遊技者側から閉鎖するように本体枠に対して開閉自在に軸支された扉枠5とを備えている。このパチンコ機1の扉枠5には、遊技盤4の遊技領域1100が遊技者側から視認可能となるように形成された遊技窓101と、各種の枠ランプ102と、背後側にスピーカ103(図15参照)が配設されている一対のスピーカカバー104と、遊技窓101の下方に配置され遊技者による各種の操作対象とされる操作演出領域300とが設けられている。
ここで、本例のパチンコ機1は、正面視において、外枠2、本体枠、及び扉枠5が夫々上下方向へ延びた縦長の矩形状に形成されており、夫々の左右方向の横幅が略同じ寸法とされていると共に、上下方向の縦幅の寸法が、外枠2に対して本体枠及び扉枠5の寸法が若干短く形成されている。また、外枠2、本体枠、及び扉枠5は、上端が略揃うように夫々が配置されると共に、外枠2の左端前側の位置で本体枠及び扉枠5が回転可能に軸支されており、外枠2に対して本体枠及び扉枠5の右端が前側へ移動することで開状態となるようになっている。
また、このパチンコ機1は、正面視において、略円形状の遊技窓101を介して遊技球が打ち込まれる遊技領域1100がのぞむようになっており、その遊技窓101の下側に前方(遊技者側)へ突出するように、遊技者による各種の操作対象とされる操作演出領域300が設けられている。
すなわち後述するが、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、遊技領域1100に打ち出された遊技球を当該パチンコ機1内で回収してこれを再び打ち出し可能とする循環構造を採用しており、予め用意されている数量(例えば30発)の遊技球のみが扉枠5の裏側にて形成されている循環通路(図5、図6参照)を通って繰り返し打ち出されるようになっている。したがって、扉枠5の表側には、打ち出し用の遊技球が保持されるための従来の皿ユニット(上皿など)は設けられておらず、遊技者による各種の操作対象とされる操作演出領域300は、こうして空いたスペースを利用して設けられている。
操作演出領域300には、遊技者によるタッチ操作の対象とされるタッチパネル液晶310としてのタッチパネル311及び枠側演出表示装置312と、このタッチパネル液晶310の左右両側にて遊技者により把持されるグリップ部320としての左側把持部321及び右側把持部322と、遊技者によりそれぞれ押下操作の対象とされるボタン類(演出操作ボタン331、第1エコモードボタン332、ホームボタン333、球貸しボタン334、返却/精算ボタン335)とが設けられている。なお、それらの操作が行われた結果が表示される結果表示部としては、枠側演出表示装置312のほか、発射強度表示LED341と、CR度数表示器342と、持ち球数表示器343とが設けられている。
ここで、タッチパネル311は、枠側演出表示装置312の表示面全面を覆うかたちで設けられており、例えば、遊技者によるタッチ操作があったときに変化する静電容量(指先と導電膜との間での静電容量)の変化を捉えることによってタッチ操作(接触操作のほか、近接(非接触)操作を含む)のあった位置の検出を行う静電容量方式などとして実現可能である。
また後述するが、枠側演出表示装置312は、遊技盤4側にて設けられる後述のパネル側演出表示装置1900(図13参照)とは別に、遊技の進行状態に応じた演出を行うほか、遊技者の持ち球数に関する情報や遊技に関する情報を表示したり、それら表示の切り替えや、演出に関する各種設定をタッチパネル311に対するタッチ操作を通じて行ったりすることができるようになっている。
また、左側把持部321及び右側把持部322は、ハンドルのように遊技者が握ることのできるような構造を持って形成されている。ただしこのうち、右側把持部322には、遊技球を遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むために遊技者が回動操作するハンドル操作部322aと、このハンドル操作部322aの操作量(回動量)にかかわらず遊技盤4の遊技領域1100内への遊技球の打ち込みを停止させるために遊技者が押下操作する発射停止ボタン322bとが設けられている。なお、左側把持部321には、遊技者が把持するときの滑り止め機能のあるグリップ部321aが設けられている。
ちなみに、ハンドル操作部322aの操作量(回動量)が多いほど、遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球が打ち込まれるときの発射強度が強くなるようになっており、この発射強度については、発射強度表示LED341における段階的な表示数によって示されるようになっている。なお、発射強度の表示については、発射強度表示LED341を割愛して枠側演出表示装置312における表示により行うようにしてもよい。
また、図示は割愛するが、左側把持部321及び右側把持部322は、枠側演出表示装置312を含めたユニット部分の全体として、左右方向に延びた所定の横軸を中心軸とした回動や、前後上下への変位などを通じてそれらの位置調整が遊技者の操作によって行われ得るようになっている。こうした位置調整を通じて、枠側演出表示装置312を遊技者が見やすくしたり、各種の操作類を遊技者が操作しやすくすることができるようになる。
なお、詳細は後述するが、扉枠5の遊技窓101は、透明なガラス板ユニット590によって閉鎖されており、遊技者から遊技領域1100内を視認することができるものの、遊技者が遊技領域1100内へ手等を挿入して遊技領域1100内の遊技球や障害釘、各種入賞口や役物等に触ることができないようになっている。また、本体枠の後側には、各種の制御基板が備えられていると共に、遊技盤4の後方を覆うように閉鎖するカバー体が設けられている。
また、演出操作ボタン331は、パネル側演出表示装置1900(図13参照)にて行われる表示演出に合わせて操作したり、枠側演出表示装置312にて行われる表示演出に合わせて操作したりするものであり、同操作があったときには、パネル側演出表示装置1900や枠側演出表示装置312にて新たな遊技情報が現れる演出などに供される。
また、第1エコモードボタン332の操作があったときには、枠ランプ102の輝度と、パネル側演出表示装置1900(図13参照)にて用いられる液晶バックライトの輝度と、枠側演出表示装置312にて用いられる液晶バックライトの輝度と、スピーカ103の音量レベルとがそれぞれのエコモード値(例えば、設定可能とされる複数段階の値のうちの最小値など、少なくとも平均値(中間値)を下回る値)に一括設定されるようになっている。このような遊技者の操作によれば、当該パチンコ機1としての消費電力が大幅且つ容易に低減されるようになる。また、エコモード値に設定されている状態において第1エコモードボタン332の操作が再び行われると、こうしたエコモード状態(予め定められたエコモード値(例えば、少なくともいずれかの出力値が最小値)に設定されている状態)が解除されるようになっている。
なお、第1エコモードボタン332については、遊技者による操作が行われる都度、上述の各レベル値を段階的に一括切替する処理に供されるものとしてもよい。例えば、それら輝度や音量レベルが比較的小さく設定されているエコモード値として、第1エコモード値(例えば、最小値)、第1エコモード値に設定されているときよりも大きな消費電力が必要とされるレベル値である第2エコモード値、及び第2エコモード値に設定されているときよりもさらに大きな消費電力が必要とされる第3エコモード値を用意した上で、遊技者による操作が行われる都度、第1エコモード値からより消費電力の大きなエコモード値に順番に切り替えていき、第3エコモード値に設定されたところでもう一度操作があったときには第1エコモード値に再び戻すような処理を行うようにしてもよい。また逆に、同操作が行われる都度、第3エコモード値からより消費電力の小さなエコモード値に順番に切り替えていき、第1エコモード値に設定されたところでもう一度操作があったときには第3エコモード値に再び戻すような処理を行うようにしてもよい。
また、第1エコモードボタン332については複数個のボタンとして用意し、それらの各ボタンに1対1で対応しているエコモード値(例えば、第1エコモード値〜第3エコモード値)に操作されるものであってもよい。若しくは、現在よりも消費電力の大きなエコモード値に切り替えするUPボタンと、現在よりも消費電力の小さなエコモード値に切り替えするボタンとを有して構成されるものであってもよい。
また、第1エコモードボタン332についてはこれを割愛して枠側演出表示装置312における表示とタッチパネル操作を通じて実現するようにしてもよい。
またさらに、この第1エコモードボタン332は上述の各レベル値を必ずしも一括設定するものでなくてもよい。例えば、枠ランプ102の輝度と、パネル側演出表示装置1900(図13参照)にて用いられる液晶バックライトの輝度と、枠側演出表示装置312にて用いられる液晶バックライトの輝度と、スピーカ103の音量レベルとの少なくともいずれか1つをエコモード値(例えば、最小値)に設定可能なものであれば、当該パチンコ機1としての消費電力を容易に(ボタンの押下操作だけで)低減させることはできる。
ただし後述するが、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、タッチパネル液晶310を通じて、枠ランプ102の輝度と、パネル側演出表示装置1900(図13参照)にて用いられる液晶バックライトの輝度と、枠側演出表示装置312にて用いられる液晶バックライトの輝度と、スピーカ103の音量レベルとをそれぞれ個別にて調整することも可能とされている。すなわち、この実施の形態にかかる第1エコモードボタン332は、タッチパネル液晶310を通じて個別且つより詳細に調整可能とされるレベル値のみを、遊技者による押下操作のみで簡単に予め定められたエコモード値(例えば、最小値)に設定変更可能なボタンとして機能するものである。
なお、第1エコモードボタン332により予め定められたエコモード値に設定されている状態(エコモード)にあるときには、こうした個別の調整は行うことができないようにしてもよい。すなわちこの場合、遊技者は、第1エコモードボタン332をもう一度操作してエコモードを解除した上で個別の調整を行うこととなる。
また、ホームボタン333の操作があったときには、タッチパネル液晶310における表示内容の種類(遊技の進行状態に応じた演出を行う表示、遊技説明を行う表示、上述の各レベル値を個別に設定する表示など)がいずれの場合であっても、デフォルトの表示(例えば、遊技の進行状態に応じた演出を行う表示)に戻す処理が行われるようになっている。このような遊技者の操作によれば、タッチパネル液晶310における表示内容の種類が多かったり複雑になっている場合であっても、タッチパネル液晶310の外部にあるボタンを押下するだけでデフォルトの表示に戻すことができることから、こうしたタッチ操作に慣れていない遊技者(年配の遊技者など)であっても、安心してタッチ操作にチャレンジすることができるようになる。
また、球貸しボタン334の操作があったときには、パチンコ機1に隣接して設けられている台間機(図15)に対して現金やプリペイドカードが投入されていることを条件に、該投入されている金額分のうちの一定の金額を消費してこれに見合った数量の遊技球を遊技者に対して貸し出す処理が行われるようになっている。ただし上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、予め用意されている数量(例えば30発)の遊技球のみが扉枠5の裏側にて形成されている循環通路(図5、図6参照)を通って繰り返し打ち出される循環構造を採用していることから、こうした遊技球が遊技者に対して直接貸し出されることはない。したがって、外部から遊技球が持ちこまれて遊技に使用されるといった不正を防止することができる。とくに、外部から持ち込まれた遊技球が、規定の大きさよりも小さかったり、磁性の強い遊技球である場合には、不正が行われた場合にホールが受ける不利益が大きくなるので、循環構造とすることによる効果は顕著なものとなる。また、予め用意された数量の遊技球が同一機内を循環するので、遊技機島の中の循環経路を通じて再び各遊技機に供給される従来の循環システムと比べて、ホール全体として必要とされる遊技球数を少量化することができる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機1では、予め用意されている遊技球として、オーステナイト系ステンレス(具体的にはSUS304)製の遊技球が機内に封入されている。これにより、例えばガラス板ユニット590の前方から磁石を用いて、後述する第一始動口2101や第二始動口2102等に遊技球を入賞させて不正に遊技球が払い出されるようにするといった不正を抑制することが可能となる。
そしてこのようなパチンコ機1にあって、球貸しボタン334の操作があったときには、遊技者が遊技球を打ち出すことのできる残り回数とも言うべき「持ち球数」に、消費された金額に見合った「持ち球数」を新たに加算してこれを新たな「持ち球数」とする処理が行われるようになっている。これにより、当該パチンコ機1内にある遊技球の数に変動はないものの、扉枠5の裏側にて形成されている循環通路内にある遊技球を打ち出すことのできる残り回数が増大するようになり、この増大された残り回数が「0」になるまで、扉枠5の裏側にて形成されている循環通路内にある遊技球を遊技領域1100に打ち出すことができるようになる。なお、こうした「持ち球数」の表示については、持ち球数表示器343やタッチパネル液晶310にて表示されるとともに、投入されている金額分のうちの未だ消費されていない残りの金額はCR度数表示器342にて表示されるようになっている。
ここで、持ち球数表示器343は、6桁の7セグメントLEDと、千の単位であることを示すコンマを形作るLEDとから構成されている。そして、6桁の7セグメントLEDのうち、一、十、百の単位に相当する3つの7セグメントLEDを、演出操作ボタン331の右側に配置するとともに、千、万、十万の単位に相当する3つの7セグメントLEDを演出操作ボタン331の左側に配置するようにしている。このように演出操作ボタン331を挟むように6桁の7セグメントLEDが分けて配設されるようにしたことで、狭いスペースしか付与されていないながらも、遊技の成績とも言うべき「持ち球数」の表示を大きく目立たせることができるようになり、これによって大きな成果が得られている場合における遊技興趣の向上を図ることができるようになる。なお、6桁の7セグメントLEDとしてカラーLEDを用い、「持ち球数」の数量の範囲に応じて異なる色によってその表示を行うようにしてもよい。すなわちこの場合、色を見るだけで「持ち球数」の数量の範囲を認識することができるようになることはもとより、「あの色で表示される程度まではがんばりたい」など、遊技の目標とされることも期待できるようになる。
また、返却/精算ボタン335の操作があったときには、パチンコ機1に隣接して設けられている台間機(図15)に対して現金やプリペイドカードが投入されていることを条件に、投入されている金額分のうちの未だ消費されていない残りの金額が現金、若しくは同金額が記録されたプリペイドカードとして返却されるようになっている。また、このプリペードカードは、「持ち球数」に関する情報も記録された上で返却され、これによって「持ち球数」を景品と交換したり、他のパチンコ機にて遊技する際に使用したりすることができるようになっている。なおこの場合、CR度数表示器342や持ち球数表示器343による表示ではいずれも「0」が示されることとなる。
次に、上記ガラス板ユニット590について図2〜図4を用いて詳しく説明する。なお、上述したような遊技球を遊技機内で循環して使用するタイプの遊技機の場合、遊技機が設置される島設備に遊技球を循環させるための循環システムを設ける必要がなくなるため、遊技ホールにおける遊技環境がその分静かとなる。このため、今までよりも遊技球の衝突音が遊技者に不快感を与えるおそれが強くなることから、よりいっそうの静音化を実現する必要があり、この実施の形態における遊技機としてのパチンコ機1では、以下に説明するガラス板ユニット590を採用している。
図2〜図4に示すように、扉枠5の裏面には、扉枠5の遊技窓101を塞ぐためのガラス板ユニット590が配設されている。このガラス板ユニット590は、扉枠5の裏面に形成された取り付けスペース(図示略)に取り付けられている。ガラス板ユニット590は、樹脂材からなるガラスフレーム591を備え、このガラスフレーム591に、前面側ガラス板部592、この前面側ガラス板部592と所定の間隔を空けて配置される後面側ガラス板部593、及び、これら前面側ガラス板部592と後面側ガラス板部593との間に介在する樹脂板部594が、これらガラス板部592,593と樹脂板部594との間に形成される中空層を含めて、いわば5層状態で組み付けられて構成されている。なお、前面側ガラス板部592が、パチンコ機1を正面視したときの前側(手前側)、すなわち、遊技者と対向することとなる側に位置し、後面側ガラス板部593がパチンコ機1を正面視したときの後側(奥側)、すなわち、遊技者と対向することとなる側に位置する。なお、本実施の形態では、ガラス板ユニット590が透明板ユニットに、ガラスフレーム591がフレーム部材に、前面側ガラス板部592が前面側透明板部に、後面側ガラス板部593が後面側透明板部に、それぞれ相当する。
ガラスフレーム591は、縦長の略楕円環状の形状からなり、枠部591aと枠部591aの一部が外方に拡張されて形成され上記扉枠5にガラス板ユニット590を取り付けるための各取付部591bとにより構成されている。枠部591aには、平板部591cと平板部591cの内側において径方向に突起した凸条591dとが全周に渡って形成されている。図4に示すように、ガラスフレーム591の内周は、凸条591dによって分割された内周面591e,591fと凸条591dの両側面591g,591hとによって、その前後にガラス板支持部591x,591yが構成されている。
図3に示すように、前面側ガラス板部592および後面側ガラス板部593はそれぞれ装着されるガラスフレーム591の内周に形成されたガラス板支持部591x,591yに対応した略楕円形状からなっている。これらガラス板部592,593はガラスフレーム591に対して凸条591dを挟んでそれぞれガラス板支持部591x,591yに嵌合されており、挟持された内部空間は密閉状態とされて、上記樹脂板部594との間に中空層が形成される。図4に示すように、これらガラス板部592,593は、外周縁を平板部591cの内周面591e,591fに当接させた状態で接着剤(図示せず)によって凸条591dの両側面591g,591hに対して貼着されてガラスフレーム591に固定されている。
前面側ガラス板部592は、遊技者と対向する位置に配置されるため、遊技者による接触行為によって破損等することがないよう強化ガラス製となっている。なお、この前面側ガラス板部592の厚さは、例えば3.2mmからなる。
ところで、遊技領域と対向する後面側ガラス板部としては、遊技領域を流下する遊技球の衝突による傷付きによって遊技領域の視認性が阻害されることを防ぐ目的から、一般的にガラス板が採用される。この際、ガラスということもあって遊技球の衝突音は比較的大きくなり、この衝突音が遊技者に不快感を与えて興趣の低下を招くという問題があった。特に、遊技球を遊技機内で循環して使用する本実施の形態のような遊技機ではその問題が顕著である。このため、本実施の形態では、衝突音の静音化を、以下に述べる2つの特徴的な構成によって図るようにしている。
まず、この実施の形態では、後面側ガラス板部593が、ガラス板593a,593bの間に遮音フィルム(符号略)を介在させた2枚合わせのいわゆる合わせガラスとして構成されている。ガラス板593a,593bの1枚あたりの厚さは2.1mmからなっており、後面側ガラス板部593としての厚さは上記遮音フィルムを合わせて約4.6mmで構成されている。なお、遊技球の衝突による傷つきを防止する目的からすれば、ガラス板部593としては、遊技領域と対向する側である内側のガラス板593aのみをガラス板とし、樹脂板部594と対向する側である外側についてはガラス板593bに代えて例えばアクリル等の透明樹脂からなる樹脂板を採用することもできる。また、内側については、傷に強い透明樹脂を採用する場合には、ガラス板593aに代えて透明樹脂板を採用することもできる。ただし、伸縮率の異なる部材を2枚合わせする場合、温度による伸縮によってひずみ等が発生するおそれがあるため、両部材の伸縮率については同等にすることが望ましい。このように、本実施の形態においては、後面側ガラス板部593を、1枚のガラス板ではなく、2枚合わせのガラス板とすることにより2枚のガラス板間での衝突音の伝搬し難さによって衝突音の抑制を図るとともに、これら2枚のガラス板593a,593bの間に遮音フィルムを設けることによってもさらなる衝突音の抑制を図るようにしている。
次に、この実施の形態では、前面側ガラス板部592と後面側ガラス板部593との間に、これらガラス板部592,593と所定の間隔を空けるかたちで樹脂板部594が中間層として設けられている。これにより、ガラス板ユニット590は、ガラス板部592,593、樹脂板部594、および樹脂板部594の両側に形成される2つの中空層によって、5層構造のユニットが実現されている。この樹脂板部594は、ガラスフレーム591と一体成形により形成されており、例えば透明なポリカーボネートといった樹脂材により構成される。この樹脂板部594は例えば3.0mmの厚さからなる。なお、この実施の形態では、樹脂板部594をガラスフレーム591と一体成形して設けているが、両者を別部材として構成して一体的に組み付けるようにしてもよい。ただし、一体成形を採用することにより、ガラスフレーム591の製造工程において樹脂板部594も形成することができるため、従来の組み付け工数から変わりなく本実施の形態にかかるガラスユニットを実現することができる。
このように、上記前面側ガラス板部592および後面側ガラス板部593との間に樹脂板部594を設けることにより、この樹脂板部594が遮音壁として機能することとなり、さらなる衝突音の抑制を図ることができる。
また、本実施の形態では、樹脂板部594と前面側ガラス板部592および後面側ガラス板部593とを貼り合わせて積層するのではなく、樹脂板部594と前面側ガラス板部592および後面側ガラス板部593との間に所定の間隔を空けた中空構造を採用している。これにより、いたずらに重量化されることを抑制しつつ、前面側ガラス板部592から後面側ガラス板部593までの距離(すなわち前面側ガラス板部592の前方から遊技領域1100までの距離)を大きくとることができる。
ところで、本実施の形態では、上述したとおり、パチンコ機1内に封入される遊技球をオーステナイト系ステンレス製の遊技球としている。この場合、磁石を用いた不正を抑制することができるものの、従来の遊技球と比べて硬度が低下してしまうといった問題がある。ところが、このようなオーステナイト系ステンレス製の遊技球に硬度をもたせた場合、せっかく弱磁性のステンレス製にしたにもかかわらず磁性が出てしまうといった問題がある。そこで本実施形態のパチンコ機1では、上述したとうに、樹脂板部594と前面側ガラス板部592との間、及び、樹脂板部594と後面側ガラス板部593との間のそれぞれに、所定の間隔を空けた中空構造を採用することにより重量化されることなく前面側ガラス板部592の前方から遊技領域1100までの距離を大きくとることができるので、従来よりも弱磁性であるオーステナイト系ステンレス製の遊技球としたことと相俟って、磁石を用いて遊技球を不正に入賞させるといった悪意ある遊技者の行為を防止することが可能となる。なお、本実施形態では、パチンコ機1内に封入される遊技球をステンレス製の遊技球を採用しているが、一定の硬度を保つことができ且つ従来の遊技球よりも弱磁性であればこれに限られるものではない。
また、樹脂板部594と前面側ガラス板部592および後面側ガラス板部593との間に所定の間隔を空けた中空構造とすることにより、例えばタイミングを図ってガラス板を叩くことによって、遊技球を入賞口等に入賞させることについても困難とすることができる。
ところで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、予め用意されている数量(例えば30発)の遊技球のみが扉枠5の裏側にて形成されている循環通路を通って繰り返し打ち出されるようになっていることは上述した。そこで、このような循環通路における遊技球の遊技領域1100への発射部分に相当する打球発射装置210と、同循環通路において遊技領域1100からの遊技球の回収部分に相当する球循環通路230とについて以下に説明する。
図5は、打球発射装置210を模式的に示す模式図である。同図5に示されるように、打球発射装置210は、本体枠側にて設けられており、扉枠5の裏側にて形成されている後述の球循環通路230から球送りユニット231(図6参照)を通じて遊技球の供給を受ける構成となっている。そして、こうして供給された遊技球は、ハンドル操作部322aの回転操作に応じた強さで遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込まれることとなる。
すなわち、本実施形態の、打球発射装置210は、発射ソレノイド211と、発射ソレノイド211の駆動軸に一体回転可能に固定される打球槌212と、打球槌212の先端に固定される槌先213とを備えている。
ここで、発射ソレノイド211は、詳細な図示は省略するが、その駆動軸がハンドル操作部322aの回転操作角度に応じた強さ(速さ)で往復回動するようになっている。すなわち、こうした発射ソレノイド211の往復動作を通じて、打球槌212の槌先213が、後述の球循環通路230から供給された遊技球を打ち込むことで、この遊技球が図中の発射レール214を通じて遊技領域1100に打ち出されることとなる。
なお、この発射レール214は、遊技盤4の外レールの下端延長線上と略沿うように下方が窪んだ緩い円弧状とされているとともに、前後方向に対して中央がV字状に窪んだ形状とされており、打球槌212によって打球された遊技球を発射レール214に沿って滑らかに遊技盤4側へ誘導させることができるようになっている。この発射レール214は、金属板を屈曲成形することで形成されている。
また、発射レール214と遊技盤4における外レールの下端との間には、左右方向に所定幅で下方へ広がったファール空間215が形成されており、発射レール214は、このファール空間215を飛び越えるようにして遊技球を発射することで、遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むことができるようになっている。すなわち後述するが、打球槌212の槌先213が遊技球を打ち込むときの強さの不足などによって遊技領域1100内へ打ち込まれずにファール球となった遊技球は、ファール空間215を落下してファール球入口へ受入れられて、遊技領域1100に打ち出されることなく後述の球循環通路230に回収されるようになっている。
また、打球発射装置210は、発射ソレノイド211が、発射ソレノイド駆動回路によりハンドル操作部322aの回転操作に応じた駆動強さで駆動させられるようになっていると共に、球送りユニット231の球送りソレノイド231aの駆動と同期するように駆動させられるようになっている。具体的には、打球発射装置210へ遊技球を供給する球送りユニット231では、球送りソレノイド231aが駆動(ON)すると所定の球送り部材が遊技球を受入れ、その状態から球送りソレノイド231aの駆動が解除(OFF)されると球送り部材が受入れた遊技球を打球発射装置210(本体枠)側へ送るようになっているので、この球送りユニット231の球送りソレノイド231aと略同時に発射ソレノイド211を駆動(ON)することで、球送りユニット231から発射レール214の後端へ遊技球を円滑に供給することができ、打球槌212の回動により遊技球を確実に発射することができるようになっている。
ただし上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、予め用意されている数量(例えば30発)の遊技球のみが扉枠5の裏側にて形成されている循環通路を通って繰り返し打ち出されるようになっていることから、当該パチンコ機1内での遊技球の状態を管理、把握することは遊技進行を適切に行う上で極めて重要である。
この点、この実施の形態にかかる打球発射装置210では、まず、打球槌212に対して遊技球が供給されている状態(遊技球を打ち込むことのできる状態)にあるときと、同状態にないときとのいずれの状態にあるのかを検出可能な発射球確認センサ216と、打球槌212により遊技球が発射されたこと(ファール空間215と遊技領域1100とのいずれかに向かったこと)を検出可能な発射球検出センサ217とを有している。また、ファール空間215を落下してファール球入口へ受入れられる遊技球を検出可能な戻り球検出センサ218が設けられている。これら各種センサによる検出結果の取り扱いについては後述することとする。
図6は、球循環通路230を模式的に示す模式図である。
これに対し、球循環通路230は、扉枠5の裏側にて形成されており、同図6に示されるように、遊技領域1100内の排出口(図13中のアウト口1151、第一始動口2101、第二始動口2102、大入賞口2103、一般入賞口2104など)から排出された遊技球や、前述のファール空間215を落下してファール球入口へ受入れられた遊技球を回収してこれらを再び打ち出し可能とするものである。
すなわち、球循環通路230は、球磨きモータ232aの駆動を通じて上記回収した遊技球を布等によって磨く球磨きユニット232と、この球磨きユニット232により磨かれた遊技球を本体枠側の打球発射装置210に対して供給する球送りユニット231とを有して構成されている。
また、この実施の形態にかかる球循環通路230には、遊技領域1100内の排出口から排出された遊技球の通過を検出する排出球検出センサ233と、当該パチンコ機1内にある遊技球の総数のチェック処理に供される第一球容量確認センサ234及び第二球容量確認センサ235と、本体枠側の打球発射装置210に対して供給する遊技球についての有無確認処理に供される第一発射待機球センサ236及び第二発射待機球センサ237とが設けられている。これら各種センサによる検出結果の取り扱いについては後述することとする。
次に、パチンコ機1における遊技盤4の基本構成について説明する。図7は、遊技盤の正面図であり、図8は、遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図9は、遊技盤を分解して後から見た分解斜視図である。更に、図10は、パチンコ機に取付けた状態で遊技盤における機能表示ユニットを拡大して示す正面図である。また、図11は、異なる実施形態の遊技パネルを用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図12は、図11を後から見た遊技盤の分解斜視図である。
本実施形態の遊技盤4は、図示するように、遊技者がハンドル操作部322aを操作することで遊技球が打ち込まれる遊技領域1100の外周を区画し外形が正面で略矩形状とされた前構成部材1110と、前構成部材1110の後側に配置され遊技領域1100の後端を区画する板状の遊技パネル1150と、遊技パネル1150の後側下部に配置される基板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後面に取付けられ遊技球を遊技領域1100内へ打ち込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板4100を収容する主制御基板ボックス1170と、主制御基板4100からの制御信号に基づいて所定の遊技状況を表示可能とされ前構成部材1110の所定位置に遊技者側へ視認可能に取付けられる機能表示ユニット1180と、を備えている。この遊技盤4は、図7乃至図12での図示は省略し詳細は後述するが、遊技パネル1150の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1150の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている(図13及び図14を参照)。
本実施形態の遊技盤4は、前構成部材1110、遊技パネル1150、基板ホルダ1160、主制御基板ボックス1170、及び機能表示ユニット1180によって、基本的な構成が形成されており、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000と裏ユニット3000、及び主制御基板ボックス1170内に収容される主制御基板4100によってパチンコ機1(遊技盤4)を特徴付ける詳細な構成が形成されている。ここでは、遊技盤4の基本構成を説明し、詳細構成については後述する。
続いて、遊技盤4における前構成部材1110について説明する。本例の遊技盤4における前構成部材1110は、外形が本体枠の遊技盤保持口内へ挿入可能な略矩形状とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域1100の外周が区画されるようになっている。この前構成部材1110は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1111と、外レール1111に略沿って外レール1111の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1112と、内レール1112の下端から滑らかに連続するように正面視反時計回りの周方向へ沿って外レール1111の終端(上端)よりも下側の位置まで円弧状に延びた内周レール1113と、内周レール1113の終端(上端)と外レール1111の終端(上端)とを結び外レール1111に沿って転動してきた遊技球が当接可能とされた衝止部1114と、内レール1112と内周レール1113との境界部で遊技領域1100の最下端に配置され後方へ向かって低くなったアウト口誘導面1115と、内レール1112の上端に回動可能に軸支され、外レール1111との間を閉鎖するように内レール1112の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1111との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1116と、を備えている。
この前構成部材1110は、遊技盤4を本体枠に取付けた状態とすると、外レール1111と内レール1112との間の下端開口が、本体枠の打球発射装置210における発射レール214の延長線上に位置するようになっている。この外レール1111の下端と、発射レール214の上端との間には、左右方向及び下方へ広がった空間が形成されており、打球発射装置210の発射レール214に沿って打ち出された遊技球が、その空間を飛び越えて、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から外レール1111と内レール1112との間へ打ち込まれるようになっている。外レール1111と内レール1112との間に打ち込まれた遊技球は、その勢いに応じて外レール1111に沿って上方へ転動し、内レール1112の上端に軸支された逆流防止部材1116を、その付勢力に抗して開放位置側へ回動させることにより、遊技領域1100内へ進入することができるようになっている。
また、打球発射装置210において遊技球を強く打球した場合、遊技領域1100内で外レール1111に沿って転動した遊技球が、外レール1111の終端に備えられた衝止部1114に当接するようになっており、この衝止部1114に遊技球が当接することで遊技球の転動方向を強制的に変化させることができ、外レール1111から内周レール1113へ連続して遊技球が転動するのを防止することができるようになっている。なお、遊技領域1100内へ進入した(打ち込まれた)遊技球が、外レール1111と内レール1112との間へ戻ろうとしても、その前に逆流防止部材1116が付勢力によって閉鎖位置へ復帰することで、逆流防止部材1116によって遊技球の逆流が阻止されるようになっている。
また、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球は、後述する表ユニット2000(図13参照)の始動口2101,2102や入賞口2103,2104,2201等に受入れられなかった場合は、遊技領域1100の下端へと流下し、内レール1112と内周レール1113との境界のアウト口誘導面1115によって、遊技パネル1150のアウト口1151へ誘導され、アウト口1151から遊技盤4の後側下方の通路を通って扉枠5の裏側にて形成されている球循環通路230へ排出(回収)されるようになっている。
一方、打球発射装置210から発射された遊技球が、内レール1112先端の逆流防止部材1116を越えて遊技領域1100内へ進入することができなかった場合は、外レール1111と内レール1112との間を逆方向の下方へ向かって転動し、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から、発射レール214の上端と外レール1111の下端との間に形成されたファール空間215を落下することとなり、ファール空間215の下部に位置する扉枠5の裏側にて形成されている球循環通路230へ排出(回収)されるようになっている。
なお、前構成部材1110における外レール1111は、その表面に金属板が取付けられており、遊技球の転動による耐摩耗性が高められていると共に、遊技球が滑らかに転動するようになっている。また、衝止部1114は、表面にゴムや合成樹脂等の弾性体が配置されており、遊技球が外レール1111に沿って勢い良く転動してきて衝突しても、その衝撃を緩和させることができるようになっていると共に、遊技球を内側へ反発させることができるようになっている。
また、前構成部材1110は、外レール1111の下部外側から前方へ向かって突出した壁状の防犯突起1117と、アウト口誘導面1115の下側から内周レール1113に沿って上下方向の略中央まで延出し前端から所定量窪んだ溝状のレール防犯溝1118と、を備えている。前構成部材1110における防犯突起1117は、本体枠に対して扉枠5を閉じた状態とした時に、扉枠5における防犯カバー180の防犯後端部突片183と上下方向に重複するようになっており、これにより、軸支側(正面視左側)における本体枠と扉枠5との間からピアノ線等の不正具を侵入させても、不正具を遊技領域1100内まで到達させることができないようになっている。
また、本例の前構成部材1110は、本体枠に対して扉枠5を閉じた状態とすると、レール防犯溝1118内に、扉枠5における防犯カバー180の防犯後突片182が挿入されるようになっていると共に、防犯後突片182が内レール1112の外側(遊技領域1100とは反対側)面に略接するように内レール1112と外レール1111との間に挿入されるようになっており、内レール1112及びレール防犯溝1118と防犯後突片182とでも、本体枠と扉枠5との間から侵入させたピアノ線等の不正具が遊技領域1100内へ到達するのを防止することができるようになっている。
また、前構成部材1110は、正面視左端に上下方向へ離間して配置され前方から後方へ向かって窪むと共に左端に開放された一対の位置決め凹部1119と、正面視右端に上下方向へ離間して配置された一対の遊技盤止め具1120と、外レール1111の下端よりも正面視左側に配置され下方へ開放されると共に上側が円弧状に形成され前側から窪んだ固定凹部1121と、正面視下端の左側端部付近に下端から上方へ左右方向へ長く延びた矩形状に切欠かれた切欠部1122と、を備えている。前構成部材1110の位置決め凹部1119は、本体枠における側面防犯版の内側に取付けられた位置決め部材と嵌合させることで、遊技盤保持口に挿入された遊技盤4の正面視左端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤止め具1120は、本体枠における本体枠ベースの遊技盤係止部に対して着脱可能に係止することができるようになっており、遊技盤止め具1120を遊技盤係止部に係止させることで、本体枠の遊技盤保持口に挿入された遊技盤4の正面視右端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
また、前構成部材1110の固定凹部1121は、遊技盤4を本体枠の遊技盤保持口へ挿入した状態で、本体枠の前面に軸支された遊技盤固定具を正面視で時計回りの方向へ回動させると、遊技盤固定具の固定片が挿入されるようになっており、遊技盤固定具によって遊技盤4の下端が前方へ移動するのが規制されるようになっている。
更に、前構成部材1110は、下端部における正面視右端近傍に、前後方向へ貫通した横長の貫通穴1123と、貫通穴1123の下辺における左右方向の中央から正面視左寄りの位置に前後方向の厚さを薄く形成した締結部1124と、貫通穴1123の正面視左側に配置され証明確認用の証紙を貼付るための証紙貼付部1125と、を備えている。この前構成部材1110における締結部1124は、詳細な図示は省略するが、本遊技盤を従前の本体枠に取付ける場合に、従前の本体枠に形成された締結穴に対して所定の締結バンドを互いに巻き掛けて締結することで、遊技盤4を取外し難くすることができ、遊技盤4の不正な取外しを防止することができるものである。
また、前構成部材1110は、内周レール1113に沿ったレール防犯溝1118の外側で正面視右下に、後述する機能表示ユニット1180の表示部1181が配置されている。また、前構成部材1110は、後面の下部の左右両端から後方へ突出した複数の取付ボス1126と、内レール1112の後面から後方へ突出した複数の位置決め突起1127と、を備えている。この取付ボス1126は、遊技パネル1150を貫通して基板ホルダ1160の固定ボス1162と係合するようになっており、基板ホルダ1160の後側から固定ボス1162を通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるようになっている。また、位置決め突起1127は、遊技パネル1150に形成された内レール固定孔1155へ嵌合させることで、内レール1112を遊技パネル1150の所定位置に固定することができるようになっている。
続いて、遊技盤4における遊技パネル1150について説明する。本例の遊技パネル1150は、所定厚さ(例えば、18mm〜21mm)のベニア合板等の木質板材によって形成されており、外形が前構成部材1110の外形と略同形状とされている。この遊技パネル1150は、正面視左右方向略中央の下部で前構成部材1110におけるアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1151と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の切欠部1122と同形状の切欠部1152と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1153と、を備えている。
また、遊技パネル1150は、下部の左右両端付近で前構成部材1110の取付ボス1126と対応した位置に前後方向へ貫通した複数のボス挿通孔1154と、前構成部材1110の位置決め突起1127が挿入固定される複数の内レール固定孔1155と、アウト口1151の後面側で後面から前方へ向かって所定量窪むと共に下端側が下方へ開放された溝状のアウト球排出溝1156(図9を参照)と、前構成部材1110の遊技盤止め具1120と対応した位置に形成され正面視右端から前後方向へ貫通するように切欠かれた切欠部1157と、を備えている。また、遊技パネル1150は、適宜位置に前構成部材1110の後面に対して取付固定するための複数の取付孔を備えている。
本例の遊技盤4における遊技パネル1150は、前構成部材1110によって外周が区画される遊技領域1100の後端を区画することができるものであり、図示は省略するが、前面における遊技領域1100と対応した範囲内に、複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また、遊技パネル1150の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになっている。
次に、遊技盤4における基板ホルダ1160について説明する。基板ホルダ1160は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されている。この基板ホルダ1160は、正面視左右方向の略中央における底壁部の前端に上下方向へ貫通するように形成されたアウト球排出部1161が形成されている。
また、基板ホルダ1160は、側壁部における上下両端の前端から前方へ突出した複数の固定ボス1162を備えている。複数の固定ボス1162は、先端が遊技パネル1150の後側からボス挿通孔1154内へ挿入された上で、前構成部材1110の取付ボス1126の後端と嵌合するようになっており、取付ボス1126と嵌合させた状態で、基板ホルダ1160の後側から固定ボス1162内を貫通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成部材1110に対して基板ホルダ1160を組付けることができるようになっていると共に、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、図9に示すように、後壁部における後面の背面視左側端部に主制御基板ボックス1170の固定片1174が横側から嵌合可能な固定部1163と、固定部1163と対向するように配置され主制御基板ボックス1170の弾性固定片1175が後方から係止可能な係止部1164と、を備えている。この基板ホルダ1160の固定部1163及び係止部1164によって、基板ホルダ1160の後面に主制御基板ボックス1170を着脱可能に支持することができるようになっている。
続いて、遊技盤4における主制御基板ボックス1170について説明する。この主制御基板ボックス1170は、後側が開放された薄い横長箱状の基板ベース1171と、基板ベース1171の後面を覆い前側が開放された薄い横長箱状で基板ベース1171の内部へ後側から嵌合する基板カバー1172と、基板カバー1172の前端に電子部品や端子等が後面側に実装された主制御基板4100と、を備えている。また、主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171における背面視左側端部から外方へ延出し基板ホルダ1160の固定部1163と嵌合する固定片1174と、基板カバー1172における背面視右側端部から後方へ突出し基板ホルダ1160の係止部1164に弾性係止される弾性固定片と、を備えている。
また、主制御基板ボックス1170は、図9等に示すように、弾性固定片1175を挟んで上下に二つずつ背面視右側端部に配置され基板ベース1171と基板カバー1172との開閉を封止可能な封止部1176と、基板ベース1171と基板カバー1172の下端で基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って貼付けられる密封シール(図示は省略)と、密封シールの表面を被覆する透明なシール保護カバー1177と、基板カバー1172の後面に貼り付けられる基板管理シール1178と、を備えている。この主制御基板ボックス1170の封止部1176は、基板ユニットにおける賞球制御基板ボックスの分離切断部と同様の構成とされており、四つの封止部1176の何れか一つにおいてカシメ固定されている。この主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172とを分離するには、カシメ固定された封止部1176を切断する必要があり、主制御基板ボックス1170の開閉の痕跡が残るようになっている。これにより、主制御基板ボックス1170が不正に開かれたか否かが外部から目視で明瞭に判別することができるようになっている。
なお、主制御基板ボックス1170の封止部1176は、本例では四つ備えられているので、主制御基板ボックス1170を三回まで開閉することができるようになっている。また、本例の主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って密封シールが貼付られており、基板ベース1171と基板カバー1172とを分離させる際に、密封シールを切断したり剥したりする必要があり、この密封シールにおいても開閉の痕跡が残るようになっている。従って、主制御基板ボックス1170が不正に開閉されて、内部の主制御基板4100が不正に改造されたり、不正な主制御基板(或いは、遊技内容のプログラム等を記憶したROM)と交換されたりしても、外部から目視で確認することができ、それらの不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、主制御基板ボックス1170は、基板カバー1172の前後方向へ貫通した開口が適宜位置に形成されており、その開口を通して主制御基板4100に取付けられた、RAMクリアスイッチ4100cや試験用端子4100h、周辺制御基板4140や賞球制御基板4110等と接続するための各種接続端子等が後側へ臨むようになっている。なお、主制御基板ボックス1170の後面から臨む試験用端子4100hに、所定の計測機器を接続することで、主制御基板ボックス1170を開けることなく主制御基板4100を外部からチェックすることができると共に、上述の封止部1176や密封シールに対して巧妙な細工がなされていても、主制御基板4100に対する不正な改造の有無を目視以外に確認することができ、防犯性能の高いパチンコ機1とすることができるようになっている。
次に、遊技盤4における機能表示ユニット1180について説明する。この機能表示ユニット1180は、前構成部材1110の所定位置に取付配置されるものであり、前構成部材1110の前面で遊技者側から視認可能に配置される表示部1181と、前構成部材1110の後面よりも後方へ突出した後方突出部1182と、を備えている。
本例の機能表示ユニット1180の表示部1181には、図10に拡大して示すように、正面視左側端部に遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球によって変化する遊技状態を表示するための一つのLEDからなる遊技状態表示器1183と、遊技状態表示器1183の右側で上下方向へ並んだ二つのLEDからなり第一始動口2101への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための第一特別図柄記憶表示器1184と、第一特別図柄記憶表示器1184の右側に配置され第一始動口2101への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果を第一特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDからなる第一特別図柄表示器1185と、第一特別図柄表示器1185の右斜め上に配置され第二始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を第二特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDからなる第二特別図柄表示器1186と、第二特別図柄表示器1186の右側で上下方向へ並んだ二つのLEDからなり第二始動口2102への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための第二特別図柄記憶表示器1187と、を備えている。
また、機能表示ユニット1180の表示部1181には、第二特別図柄表示器1186の直上から内周レール1113に略沿った円弧状に並んで配置され遊技球によるゲート部2350の通過に関する保留数を表示するための四つのLEDからなる普通図柄記憶表示器1188と、普通図柄記憶表示器の下側に配置され遊技球がゲート部2350を通過することで抽選された普通抽選結果を普通図柄として表示するための一つのLEDからなる普通図柄表示器1189と、普通図柄記憶表示器1188の斜め右上側へ並んで配置され第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」の時に大入賞口2103の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示するための二つのLEDからなるラウンド表示器1190と、を備えている。
本例の機能表示ユニット1180における遊技状態表示器1183は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、様々な遊技状態(例えば、確率変動状態、時間短縮状態、確変時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態、等)を表示することができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における第一特別図柄記憶表示器1184は、第一特別図柄表示器1185において第一特別図柄を変動表示させることができない時に、第一始動口2101へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第一特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第一特別図柄記憶表示器1184は、所定のLEDからなる第一特別図柄記憶ランプ1184aと、第一特別図柄記憶ランプ1184bとを有しており、第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が一つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点灯して第一特別図柄記憶ランプ1184bが消灯し、保留数が二つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点灯し、保留数が三つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点滅して第一特別図柄記憶ランプ1184bが点灯し、保留数が四つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点滅するようになっている。なお、本例では、四つまで保留されるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における第二特別図柄記憶表示器1187は、第二特別図柄表示器1186において第二特別図柄を変動表示させることができない時に、第二始動口2102へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第二特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第二特別図柄記憶表示器1187は、所定のLEDからなる第二特別図柄記憶ランプ1187aと、第二特別図柄記憶ランプ1187bとを有しており、第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が一つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点灯して第二特別図柄記憶ランプ1187bが消灯し、保留数が二つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bが共に点灯し、保留数が三つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点滅して第二特別図柄記憶ランプ1187bが点灯し、保留数が四つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bが共に点滅するようになっている。なお、本例では、四つまで保留されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180における第一特別図柄表示器1185及び第二特別図柄表示器1186は、第一始動口2101や第二始動口2102への遊技球の受入れにより、抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を表示するものであり、7セグメントLEDが特別抽選結果に応じた所定の時間、変動した後に停止し、停止した7セグメントLEDの発光パターン(特別図柄)によって、第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を遊技者側に認識させることができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄表示器1189は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、ゲート部2350を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果を表示することができるようになっている。なお、普通図柄表示器1189による普通図柄の表示も、特別図柄と同様に、所定時間変動表示した後に、普通抽選結果に対応した発光パターンで停止表示するようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄記憶表示器1188は、普通図柄表示器1189において普通図柄を変動表示させることができない時に、ゲート部2350を遊技球が通過した場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された普通図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この普通図柄記憶表示器1188は、下から並んで配置された四つの普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを備え、夫々が所定のLEDとされており、保留数に応じて下から普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを順次点灯させることで普通図柄の保留数を表示させることができるようになっている。なお、本例では、普通図柄の変動表示が四つまで保留(記憶)されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180におけるラウンド表示器1190は、所定のLEDからなる2ラウンド表示ランプ1190aと、15ラウンド表示ランプ1190bとを備えており、夫々のランプが点灯することで「大当り」遊技におけるラウンド数を表示することができるようになっている。
本例の機能表示ユニット1180は、図10に示すように、遊技盤4をパチンコ機1に取付けた状態で、扉枠5の遊技窓101を通して遊技者側から視認することができるようになっている。また、機能表示ユニット1180の遊技状態表示器1183、第一特別図柄記憶表示器1184、第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄記憶表示器1188、普通図柄表示器1189、及びラウンド表示器1190は、機能表示基板の前面に取付けられている。また、機能表示ユニット1180の後端には、機能表示基板と、主制御基板4100とを接続するための接続端子が取付けられている。
本例では、機能表示ユニット1180を遊技盤4の前構成部材1110に備えるようにしているので、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000や裏ユニット3000に備えるようにした場合と比較して、機能表示ユニット1180を遊技盤4の基本構成として流用することができ、パチンコ機1に係る構成を簡略化してコストが増加するのを防止することができると共に、パチンコ機1の機種(表ユニット2000や裏ユニット3000により具現化されパチンコ機1の機種を特徴付けることが可能な遊技盤4の詳細構成)が異なっていても、機能表示ユニット1180の表示部1181の位置が変化しないので、遊技者や遊技ホールの店員等に対して、戸惑うことなく表示部1181の位置を認識させることができるようになっている。
続いて、上記した遊技盤4における遊技パネル1150とは異なる形態の遊技パネル1200について、図11、図12を参照して説明する。なお、図11、図12における前構成部材1110、基板ホルダ1160、及び主制御基板ボックス1170は、上述したもの同一の構成とされており、ここでの詳細な説明は省略する。本実施形態の遊技パネル1200は、上述した遊技パネル1150よりも厚さが薄く前構成部材1110によって外周が区画された遊技領域1100の後端を区画可能な板状で前構成部材1110の外形よりも外形が小さく形成されたパネル板1210と、パネル板1210を前側から脱着可能に保持すると共に前構成部材1110の後面に取付けられる枠状のパネルホルダ1220と、を備えている。
この遊技パネル1200のパネル板1210は、その外形が遊技領域1100よりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1210の板厚は、パネルホルダ1220(遊技パネル1150)よりも薄く、図示しない障害釘を前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本例では、透明な合成樹脂板によってパネル板1210が形成されている。
このパネル板1210は、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔1211と、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔1212と、を備えている。これら嵌合孔1211及び長孔1212は、遊技領域1100よりも外側に配置されており、パネルホルダ1220との位置決めを行うものである。また、パネル板1210には、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部1213が夫々備えられている。この係合段部1213は、パネル板1210の板厚の略半分まで切欠いた形態とされると共に、嵌合孔1211及び長孔1212と同様に、遊技領域1100よりも外側に配置されており、パネル板1210をパネルホルダ1220へ係合固定するためのものである。
また、パネル板1210は、所定位置に内レール固定孔1214が複数備えられている。この内レール固定孔1214に内レール1112の後側から突出する位置決め突起1127を嵌合固定させることで、内レール1112を所定の位置に固定することができるようになっている。
一方、遊技パネル1200におけるパネルホルダ1220は、パネル板1210を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、上述した木質板からなる遊技パネル1150の厚さと略同じ厚さ(本例では、約20mm)とされた合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)からなるものである。このパネルホルダ1220には、パネル板1210を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部1221と、保持段部1221の内側において略遊技領域1100と同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口1222とを主に備えている。
パネルホルダ1220の保持段部1221は、前面からの深さがパネル板1210の厚さと略同じ深さとされており、保持段部1221内に保持されたパネル板1210の前面がパネルホルダ1220の前面と略同一面となるようになっている。また、この保持段部1221は、その前側内周面が、パネル板1210の外周面に対して所定量のクリアランスが形成される大きさとされている。このクリアランスにより、温度変化や経時変化により相対的にパネル板1210が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。なお、クリアランス内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ1220には、保持段部1221に保持されるパネル板1210に形成された嵌合孔1211及び長孔1212と対応する位置に配置され、保持段部1221の前面から前方に向かって延び、パネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン1223を備えている。これらの突出ピン1223をパネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通することで、パネルホルダ1220とパネル板1210とを互いに位置決めすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、パネル板1210の係合段部1213と対応する位置に、係合段部1213と係合する係合爪1224及び係合片1225を供えている。詳述すると、係合爪1224は、パネルホルダ1220の上側の保持段部1221に配置されており、パネル板1210における上側の係合段部1213と対応し、保持段部1221の前面から前方に向かって突出し係合段部1213と弾性係合するようになっている。この係合爪1224は、その先端がパネルホルダ1220の前面から突出しない大きさとされている。一方、係合片1225は、パネルホルダ1220の下側の保持段部1221に配置され、パネル板1210における下側の係合段部1213と対応し、保持段部1221の前面との間にパネル板1210の係合段部1213が挿入可能な大きさの所定の隙間を形成した状態で、パネルホルダ1220の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びる形態とされている。これら係合爪1224及び係合片1225にパネル板1210の係合段部1213を係合させることで、パネル板1210がパネルホルダ1220に対して着脱可能に保持されるようになっている。
また、パネルホルダ1220には、前構成部材1110に備えられた取付ボス1126を挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔1226を備えており、このボス挿通孔1226に前構成部材1110の取付ボス1126を挿通することで、パネルホルダ1220と前構成部材1110とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ1220には、図12に示すように、その後面側に、上下方向の中央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部1227が備えられている。この取付支持部1227により、パネルホルダ1220の後面は、下端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部1227に取付固定される裏ユニット3000における裏箱3001のフランジ状の固定部3001a(図14を参照)を収容できる深さ(本例では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とすることが望ましい)とされている。この取付支持部1227に所定の部材を取付固定することで、その固定部3001aがパネルホルダ1220よりも後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ1220すなわち遊技盤4を本体枠(パチンコ機1)の遊技盤保持口601内に確実に設置装着できるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、図示するように、後面側の取付支持部1227内及び収容凹部630hよりも上側に配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔1228が所定配列で配置されている。また、パネルホルダ1220には、取付孔1228と対応するように配置される複数の位置決め孔1229が備えられている。この位置決め孔1229は、取付孔1228を用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば、裏箱3001における前面のフランジ状に形成された固定部3001aから前方へ突出する位置決め突起(図示は省略する))が挿入されるものである。なお、本例では、位置決め孔1229は、背面視略矩形状(角孔状)の止り孔とされている。
なお、取付孔1228に対して、その孔の内径が大径のものと小径のものとを混在させるようにして、取付固定する所定の部材の大きさや重量等に応じて、適宜径の取付孔1228を用いるようにしても良い。
また、パネルホルダ1220には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部1230が形成されており、肉抜き部1230によりパネルホルダ1220の重量が軽減されるようになっている。図11に示すように、収容凹部630hの前側、つまり、パネルホルダ1220の前面側の下端から所定高さまでの所定範囲内には、これらの肉抜き部1230が形成されておらず、その範囲内では、パネルホルダ1220の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される前構成部材1110の後面が略平らな面となり、打球発射装置210から発射された遊技球が、滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ1220は、図示するように、肉抜き部1230が形成されることで、取付孔1228等がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネルホルダ1220の強度を維持したりするために、箱状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ1220には、障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等の位置決め手段に対応した位置決め部1231が形成されており、障害釘植設装置に遊技パネル1150を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ1220の下部には、前構成部材1110のアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1151と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の切欠部1122と同形状の切欠部1233と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1234と、を備えている。
本実施形態の遊技パネル1200は、前方からパネルホルダ1220の保持段部1221内へパネル板1210を嵌合挿入して、係合爪1224及び係合片1225と、係合段部1213とを係合させることで、パネルホルダ1220にパネル板1210を保持させることができると共に、パネル板1210とパネルホルダ1220の前面側が略面一となるようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくてもパネル板1210をパネルホルダ1220に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘の植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるようになっている。
また、本例の遊技パネル1200は、図示は省略するが、パネル板1210の前面における遊技領域1100と対応した範囲内に、複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また、パネルホルダ1220の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになっている。これにより、薄いパネル板1210においては、表ユニットのみを支持するようにしているので、表ユニットの荷重によってパネル板1210が歪むのを防止することができるようになっている。
更に、遊技パネル1200を、パネル板1210とパネルホルダ1220とによる分割構造としているので、パネル板1210を透明板としても遊技パネル1200全体の重量が増加するのを抑制することができ、透明なパネル板1210を通して遊技領域1100の後側が遊技者から見えるパチンコ機1を具現化することができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、遊技パネル1200を、パネル板1210、及びパネルホルダ1220に分割するようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化するパネル板1210を交換パーツとすると共に、パネルホルダ1220を共通パーツとすることができ、パネル板1210のみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤4を備えたパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220に予め複数の取付孔1228が所定配列で備えられているので、機種に応じてパネルホルダ1220の後面側に取付固定される裏ユニット3000等の種々の所定部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取付孔1228の位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ1220を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができるようになっている。
[2.遊技盤の詳細構成]
次に、本実施形態における遊技盤4の詳細な構成について、図13及び図14を参照して説明する。図13は、遊技盤の詳細な正面図である。また、図14は、図13の遊技盤を分解して前から見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4は、外レール1111及び内レール1112を有し、遊技者がハンドル操作部322aを操作することで遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる遊技領域1100の外周を区画形成する枠状の前構成部材1110と、前構成部材1110の正面視右下隅部でパチンコ機1へ取付けた時に扉枠5の遊技窓101から遊技者側へ視認可能となる位置に配置された機能表示ユニット1180と、前構成部材1110の後側に遊技領域1100を閉鎖するように取付けられ遊技領域1100と対応する位置に所定形状で前後方向へ貫通した複数の開口部1158(図14を参照)を有した板状の遊技パネル1150と、遊技パネル1150の開口部1158に対して前側から取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1150の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を備えている。
また、本例のパチンコ機1における遊技盤4は、遊技パネル1150と裏ユニット3000との間に配置され、遊技パネル1150を貫通するように複数穿設された発光装飾孔に対して遊技パネル1150の後側から挿入されるパネルレンズ部材2500と、裏ユニット3000の後側に脱着可能に取付けられ遊技状態に応じて遊技者側から視認可能とされた所定の演出画像を表示可能な液晶表示装置と、裏ユニットの下部を後側から覆うように遊技パネル1150の後面下部に取付けられる基板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後面に取付けられる主制御基板ボックス1170と、を備えている。
[2−1.表ユニット]
遊技盤4における表ユニット2000は、遊技領域1100内の左右方向略中央下部でアウト口1151の上側に配置され遊技パネル1150の前面に支持されるアタッカユニット2100と、アタッカユニット2100の左側で遊技領域1100の外周に沿って配置され遊技パネル1150の前面に支持されるサイド入賞口部材2200と、遊技領域1100の略中央部分に配置され遊技パネル1150に支持される枠状のセンター役物2300と、を備えている。
この表ユニット2000は、遊技パネル1150における遊技領域1100と対応した位置に形成された開口部1158に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に取付けられるようになっており、遊技パネル1150よりも前側へ突出した部分は、遊技領域1100内に位置するようになっている。これにより、表ユニット2000は、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球と適宜位置で当接するようになっており、遊技パネル1150の前面に植設された障害釘と共に、遊技球の動きに対して変化を付与することができるようになっているものである。また、表ユニット2000は、遊技領域1100内を装飾することができるようになっている。
[2−1A.アタッカユニット]
本例の遊技盤4の表ユニット2000におけるアタッカユニット2100は、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球が受入可能とされた複数の受入口(入賞口)を有しており、具体的には、左右方向の略中央に配置された第一始動口2101と、第一始動口2101の下側に配置された第二始動口2102と、第二始動口2102の下側に配置され第一始動口2101や第二始動口2102よりも左右方向へ大きく延びた矩形状の大入賞口2103と、大入賞口2103の左右両側やや上寄りに配置された一般入賞口2104と、を備えている。これら第一始動口2101、第二始動口2102、大入賞口2103、及び一般入賞口2104に受入れられた遊技球は、遊技パネル1150の前面側から後面側へ誘導されるようになっている。
このアタッカユニット2100の第一始動口2101は、上側が開放されており遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。一方、第一始動口2101の下側に配置された第二始動口2102は、第一始動口2101との間に始動口ソレノイド2105(図15を参照)により拡開可能な一対の可動片2106が配置されており、一対の可動片2106が略垂直に立上った状態では第一始動口2101と一対の可動片2106とによって第二始動口2102へ遊技球が受入不能となるのに対して、一対の可動片2106が左右方向へ拡開した状態では第二始動口2102へ遊技球が受入可能となるようになっている。つまり、一対の可動片2106により第二始動口2102が可変入賞口となっている。なお、一対の可動片2106は、後述するセンター役物2300におけるゲート部2350のゲートセンサ2352による遊技球の通過の検出に基いて始動口ソレノイド2105の駆動により開閉されるようになっている。
また、アタッカユニット2100の大入賞口2103は、その開口を閉鎖可能な横長矩形状の開閉部材2107によって開閉可能とされている。この開閉部材2107は、下辺が回動可能に軸支されており、略垂直な状態では大入賞口2103を閉鎖して遊技球を受入不能とすることができると共に、上辺が前側へ移動するように回動すると大入賞口2103を開放して遊技球を受入可能とすることができるようになっている。この開閉部材2107は、通常の遊技状態では大入賞口2103を閉鎖した状態となっており、第一始動口2101や第二始動口2102へ遊技球が受入れられる(始動入賞する)ことで抽選される特別抽選結果に応じて(特別抽選結果が「大当り」又は「小当り」の時に)アタッカソレノイド2108(図15を参照)の駆動により開閉するようになっている。
更に、アタッカユニット2100の一般入賞口2104は、図示するように、上向きに開放されており、遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。
また、アタッカユニット2100は、詳細な図示は省略するが、第二始動口2102へ受入れられた遊技球を検出する第二始動口センサ2109(図15参照)と、大入賞口2103へ受入れられた遊技球を検出するカウントセンサ2110(図15参照)と、を更に備えており、第二始動口センサ2109やカウントセンサ2110により検出された遊技球は、遊技盤4の後側下方の通路を通って扉枠5の裏側にて形成されている球循環通路230へ排出(回収)されるようになっている。なお、第一始動口2101へ受入れられた遊技球を検出する第一始動口センサ3022(図15参照)と、一般入賞口2104へ受入れられた遊技球を検出する一般入賞口センサ3020(図15参照)は、後述する裏ユニット3000に備えられている。
[2−1B.サイド入賞口部材]
遊技盤4における表ユニット2000のサイド入賞口部材2200は、遊技パネル1150における左右方向中央から左寄りの下部で、アタッカユニット2100が挿入固定される開口部1158よりも左側に形成された開口部1158に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に固定されるものであり、アタッカユニット2100における正面視左側の一般入賞口2104と並ぶように遊技領域1100の外周に沿って互いに背向するようにされた二つの一般入賞口2201を備えている。これら二つの一般入賞口2201は、上方に開放され遊技球が常時受入(入賞)可能となっており、一般入賞口2201へ受入れられた遊技球は、遊技パネル1150の前面側から後面側へ誘導された後に、後述する裏ユニット3000に備えられた一般入賞口センサ3020によって検出されるようになっている。
また、サイド入賞口部材2200には、その左上端部に左側の端部が遊技領域1100の外周と略接するような位置に配置され、右側の端部へ向うに従って低くなるように傾斜した第一棚部2202と、第一棚部2202とは二つの一般入賞口2201を挟んで反対側且つ下側に配置され遊技領域1100の左右方向中央側(アタッカユニット2100の第二始動口2102や大入賞口2103側)へ向かって低くなる第二棚部2203と、を備えており、第一棚部2202によって遊技領域1100の外周に沿って流下してきた遊技球を遊技領域1100の中央側へ寄せることができるようになっている。
なお、二つの一般入賞口2201は、第一棚部2202の右側の端部よりも右側へ配置されており、第一棚部2202により遊技球が遊技領域1100の中央側へ寄せられても、一般入賞口2201へ入賞する可能性があるようになっている。また、二つの一般入賞口2201の間の上側にも、遊技領域1100の中央側へ向って低くなるように傾斜した第三棚部2204が備えられている。
このサイド入賞口部材2200は、全体的に透光性を有するように形成されており、詳細な図示は省略するが、第二棚部2203の後側にサイド入賞口装飾基板が備えられていると共に、サイド入賞口部材2200の後側に後述する裏ユニット3000におけるサイドランプ装飾基板3014が配置されるようになっており、これらサイド入賞口装飾基板及びサイドランプ装飾基板3014によってサイド入賞口部材2200が発光装飾可能とされている。
[2−1C.センター役物]
また、遊技盤4における表ユニット2000のセンター役物2300は、遊技パネル1150の略中央を貫通するように大きく形成された開口部1158に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に固定されるものであり、図示するように、遊技領域1100の大半を占める大きさで枠状に形成され、正面視右側の外周面は遊技領域1100の外周との間で遊技球の外径よりも若干大きい隙間が形成されるように円弧状に形成されていると共に、左側の外周面は遊技領域1100の外周との間で所定幅の領域が形成されるように垂下した略直線上に形成されている。
このセンター役物2300は、遊技パネル1150の前面に位置する前壁部の上側の外周面における左右方向中央のやや右寄りの位置から左側に、左方向へ向うに従って低くなるように傾斜した上棚部2301を備えており、遊技領域1100内の上部へ打ち込まれた遊技球が、上棚部2301へ流下するとセンター役物2300の左側を通って流下するようになっていると共に、上棚部2301よりも右側へ流下(進入)した遊技球はセンター役物2300の右側を通って一気に遊技領域1100の下部へ流下するようになっている。つまり、センター役物2300における上棚部2301よりも右側へ遊技球が進入するように遊技球を打ち込むと、遊技球の流下を楽しむ機会が少なくなるようになっているので、遊技球の打込強さを適宜調整させることができ、緊張感を維持させて漫然とした遊技となるのを抑制することができるようになっている。
また、センター役物2300は、遊技パネル1150の前側に位置する前壁部の左側の外周面に遊技領域1100を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口2302と、ワープ入口2302に進入した遊技球を枠内へ放出するワープ出口(図示は省略)と、ワープ出口から放出された遊技球を左右方向へ転動させた後にアタッカユニット2100の上側の遊技領域1100内へ放出させセンター役物2300における枠内の下辺上面に形成されたステージ2310と、を主に備えている。
このセンター役物2300におけるステージ2310は、詳細な図示は省略するが、ワープ出口から放出された遊技球が供給される第一ステージと、第一ステージの前側に配置され第一ステージから遊技球が供給されると共に遊技領域1100内へ遊技球を放出可能とされた第二ステージと、を備えている。このステージ2310は、左右方向の略中央が低くなるような湾曲面状に形成されている。また、第一ステージの左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口2313が形成されており、チャンス入口2313へ進入した遊技球はセンター役物2300における最下端前面のチャンス出口2314から遊技領域1100内へ放出されるようになっている。このチャンス出口2314は、図示するように、アタッカユニット2100における第一始動口2101の直上に配置されており、チャンス出口2314から放出された遊技球は、高い確率で第一始動口2101へ受入れられる(入賞する)ようになっている。
なお、本例のセンター役物2300におけるステージ2310は、透明な部材で形成されており、このステージ2310を通して、裏ユニット3000におけるステージ2310よりも下側に配置された装飾体が遊技者側から視認できるようになっている。
また、センター役物2300には、遊技パネル1150の前側に位置する前壁部の左側の外周面でワープ入口2302よりも上側に、内レール1112と略接するように左方向へ延出する透明なアーチ部2315を更に備えている。このアーチ部2315は、前壁部の略前端から薄板状の延びだしており、アーチ部2315と遊技パネル1150の前面との間に遊技球が通過可能な空間を形成している。これにより、遊技領域1100の上部に打ち込まれて上棚部2301によってセンター役物2300の左側へ誘導された遊技球が、アーチ部2315の後側を通って下流側へ流下するようになっている。
更に、センター役物2300には、遊技パネル1150の前側に位置する前壁部の左側の外周面でアーチ部2315付近に遊技球の通過を検出するゲート部2350を備えている。このゲート部2350は、前壁部の左側の外周面でアーチ部2315の上側に配置され遊技領域1100を流下する遊技球が進入可能とされたゲート入口と、ゲート入口に進入した遊技球を検出するゲートセンサ2352と、ゲートセンサ2352で検出された遊技球を前壁部の外周面から遊技領域1100へ放出するゲート出口とを備えている。なお、本例では、詳細な図示は省略するが、ゲート部2350のゲート出口が、アーチ部2315と同じ高さの位置に形成されており、ゲートセンサ2352で検出された遊技球が、アーチ部2315をあたかも潜ったかのように見えるようになっている。
[2−2.パネルレンズ部材]
本例のパチンコ機1における遊技盤4のパネルレンズ部材2500は、遊技パネル1150における遊技領域1100内でセンター役物2300が挿入される開口部1158よりも外側の位置に円形や×形状で前後方向へ貫通するように形成された複数の発光装飾孔を発光装飾させるものである。このパネルレンズ部材2500は、センター役物2300の外周で左上側に形成された複数の発光装飾孔と対応した透明な上パネルレンズ2510と、上パネルレンズ2510の後側に配置され表面に複数のLEDが実装された上パネルレンズ基板と、センター役物2300の外周で左下側に形成された複数の発光装飾孔と対応した透明な下パネルレンズ2520と、下パネルレンズ2520の後側に配置され表面に複数のLEDが実装された下パネルレンズ基板とを備えている。
このパネルレンズ部材2500における上パネルレンズ2510及び下パネルレンズ2520は、板状のレンズベース部から前方へ突出し、挿入される発光装飾孔の形状と略同形状とされた複数の棒状の挿入導光部を備えている。この挿入導光部2502を遊技パネル1150の発光装飾孔へ後側から挿入した状態では、その先端が遊技パネル1150の前面と略一致するように形成されており、遊技パネル1150の前面を流下する遊技球に対して可及的に影響を及ぼさないようになっている。
本例のパネルレンズ部材2500は、上パネルレンズ基板及び下パネルレンズ基板のLEDを適宜発光させることで、ベニア合板等の不透明な遊技パネル1150を用いても遊技球が流下する領域を発光装飾させることができ、これまでにない遊技パネル1150の装飾を遊技者に見せることができると共に、パチンコ機1を目立たせて他のパチンコ機との差別化を計ることができるようになっている。
[2−3.裏ユニット]
本実施形態の遊技盤4における裏ユニット3000は、遊技パネル1150の後面に取付固定されており、図示するように、遊技パネル1150から所定距離後側へ離れた位置にパネル側演出表示装置1900を支持する裏箱3001と、裏箱3001内でパネル側演出表示装置1900の上側に配置される上部ユニット3002と、裏箱3001内でパネル側演出表示装置1900の右側に配置されるキャラクタユニット3400と、裏箱3001内でパネル側演出表示装置1900の左側に配置される歯車装飾体ユニット3500と、を主に備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3001の左下前端付近で遊技パネル1150の前面に取付けられた表ユニット2000におけるサイド入賞口部材2200と対応する位置に配置され、表面に複数のLEDが実装されたサイドランプ装飾基板3014と、裏箱3001の下部前端に取付けられ、サイド入賞口部材2200の一般入賞口2201へ受入れられた遊技球と、アタッカユニット2100における左側の一般入賞口2104へ受入れられた遊技球とを下方へ誘導する左誘導部材3016と、左誘導部材3016の右側に配置され、アタッカユニット2100の第一始動口2101及び右側の一般入賞口2104へ受入れられた遊技球を下方へ誘導する右誘導部材3018と、を主に備えている。
更に、裏ユニット3000は、詳細な図示は省略するが、裏箱3001の後側下部に配置されランプ駆動基板を収容した横長矩形状のランプ駆動基板ボックスと、裏箱3001の後側に固定されランプ駆動基板ボックスの背面視で左側に配置されたパネル中継端子板と、裏箱3001の後側上部に配置された横長矩形状の上部抵抗基板と、裏箱3001の後側に取付けられパネル側演出表示装置1900を脱着可能に保持するロック部材と、を更に備えている。
この裏ユニット3000は、本例では、表ユニット2000におけるセンター役物2300の枠内を通して遊技者側から視認することができるようになっており、所定の形状に造形された各ユニット3100,3400,3500等によってパチンコ機1のコンセプトを特徴付けることができるようになっている。また、裏ユニット3000は、遊技状態に応じて各ユニット3100,3400,3500が、夫々独立、或いは、連係しながら可動するようになっており、その可動により遊技者に対して、遊技状態の変化やチャンスの到来等を示唆することができ、遊技者を楽しませることができるようになっている。
[2−3A.裏箱]
裏ユニット3000における裏箱3001は、前側が開放された箱状に形成され、前端に外方へ突出するフランジ状の固定部3001aが複数備えられており、この固定部3001aを介して遊技パネル1150の後側に固定されるようになっている。また、裏箱3001は、後壁の略中央に矩形状の開口が形成されており、この開口を通して後側に支持されるパネル側演出表示装置1900が遊技者側から視認できるようになっている。更に、裏箱3001は、各ユニット3100,3400,3500や、各基板3014等を取付固定するための取付部が適宜位置に形成されている。
また裏箱3001は、図示は省略するが、背面視で開口の右側に、パネル側演出表示装置1900の左右両辺から外方へ突出する一方(背面視で右辺)の固定片1902を挿入係止する液晶支持部を備えていると共に、開口の背面視で左側にロック部材が取付けられており、ロック部材によりパネル側演出表示装置1900の他方(背面視で左辺)の固定片1902を支持することで、パネル側演出表示装置1900が裏箱3001の後側に脱着可能に取付けられるようになっている。
[2−3B.誘導部材]
裏ユニット3000における左誘導部材3016は、サイド入賞口部材2200の一般入賞口2201と、アタッカユニット2100の左側の一般入賞口2104へ受入れられた遊技球を、夫々異なる流路を通って下方へ誘導排出するようになっており、夫々の流路に遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ3020が備えられている。一方、右誘導部材3018は、アタッカユニット2100の第一始動口2101と右側の一般入賞口2104へ受入れられた遊技球を下端付近までは夫々異なる流路を通って下方へ誘導排出されるようになっており、第一始動口2101と対応した流路には第一始動口センサ3022が、右側の一般入賞口2104と対応した流路には一般入賞口センサ3020が備えられている。
これら左誘導部材3016及び右誘導部材3018によって下方へ誘導された遊技球は、遊技盤4の後側下方の通路を通って扉枠5の裏側にて形成されている球循環通路230へ排出(回収)されるようになっている。
[2−3C.上部ユニット]
裏ユニット3000における上部ユニット3100は、全体的に横長に形成され、裏箱3001内でパネル側演出表示装置1900が臨む開口の上側に取付け固定されるものである。この上部ユニット3100は、左右方向の略中央で前面に配置され正面視で円形状の回転装飾体ユニット3200と、回転装飾体ユニット3200の後側に配置され回転装飾体ユニット3200を昇降させる昇降機構3250と、昇降機構3250の後側で左右方向の略中央に配置された揺動装飾体ユニット3300と、揺動装飾体ユニット3300の左右両側に配置された可動天井ユニット3350と、を主に備えている。
この上部ユニット3100の回転装飾体ユニット3200は、昇降機構3250によって、パネル側演出表示装置1900の上部に位置する上昇位置と、パネル側演出表示装置1900の略中央に位置する下降位置との間で上下方向へ移動することができるようになっている。この回転装飾体ユニット3200は、前面に配置された手裏剣状に形成された回転装飾体が回転するようになっていると共に、回転することでその遠心力により回転装飾体の回転半径が拡径するようになっている。
この回転装飾体ユニット3200は、端に回転装飾体が回転するだけでなく、半径方向外側へ突出するようになっているので、回転装飾体全体の回転半径が拡径して見た目を大きく変化させることができるようになっており、遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、遊技者の関心を強く引付けることができ、他のパチンコ機に対して大きく差別化して遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができるようになっている。
また、上部ユニット3100の揺動装飾体ユニット3300は、上昇位置に位置した回転装飾体ユニット3200に隣接するようにその後側の左右に配置された揺動装飾体を備えており、遊技状態に応じて左右の揺動装飾体を一斉に左右方向へ揺動させることができるようになっている。更に、上部ユニット3100の可動天井ユニット3350は、上部ユニット3100の左右両端に水平方向へ延びるような板状の天井装飾体を備えている。この天井装飾体は、前端側を中心として左右方向へ延びた軸周りに回動可能に形成されており、遊技状態に応じて、天井装飾体の後端側が下降する方向へ回動するようになっている。
[2−3D.キャラクタユニット]
裏ユニット3000におけるキャラクタユニット3400は、図示するように、忍者を模式化すると共に立体的に造形したキャラクタ体を備えており、遊技状態に応じて、キャラクタ体が右端の位置から、中央側へ寄った位置へ左右方向に移動することができるようになっている。また、キャラクタユニット3400のキャラクタ体は、左右方向へ移動する際に、その移動と共に上下方向へ延びた軸周りに所定角度回動するようになっている。
また、キャラクタユニット3400のキャラクタ体は、頭部が左右方向へ伸びた軸周りに往復回動することができるようになっていると共に、右腕が上下方向へ伸びた軸周りに往復回動することができるようになっている。これにより、頭部を往復回動させることで、あたかもキャラクタが頷いているような動作をさせることができるようになっている。また、右腕を水平方向へ往復回動させることで、あたかもキャラクタが手裏剣を投げているような動作をさせることができるようになっている。
[2−3E.歯車装飾体ユニット]
裏ユニット3000における歯車装飾体ユニット3500は、左右方向へ延びた軸周りに回転可能とされ上下方向に複数配置された歯車状の歯車装飾体を備えており、遊技状態に応じて、各歯車装飾体が一斉に回転するようになっている。
[2−4.液晶表示装置]
本例の遊技盤4におけるパネル側演出表示装置1900は、裏ユニット3000における裏箱3001の後面に脱着可能に取付けられるようになっており、遊技状態に応じて所定の演出画像を表示することができるようになっている。このパネル側演出表示装置1900は、左右両側から外方へ突出した固定片1902を備えており、この固定片1902を介して裏箱3001に取付けられるようになっている。
また、パネル側演出表示装置1900は、詳細な図示は省略するが、その後側に周辺制御基板4140や液晶制御基板4150等を収容した周辺制御基板ボックスと、パネル側演出表示装置1900へ電源を供給するインバータ基板を収容したインバータ基板ボックスと、を備えている。
[3.各種基板]
続いて、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図15を参照して説明する。図15はパチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図。パチンコ機1の制御構成は、図示するように、主基板4000のグループ及び周辺基板4010のグループから構成されており、これら2つのグループにより各種制御が分担されている。主基板4000のグループは、遊技動作(遊技の進行)を制御する主制御基板4100と、遊技球(賞球)の管理等にかかる制御を行う賞球制御基板4110と、を備えて構成されている。また、周辺基板4010のグループは、主制御基板4100からのコマンドに基いて遊技中の各種演出を制御する周辺制御基板4140と、周辺制御基板4140からのコマンドに基いてパネル側演出表示装置1900や枠側演出表示装置312での演出画像の表示を制御する液晶制御基板4150と、を備えている。
[3−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図15に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU4100aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート4100bと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路4100fと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路4100gと、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM4100e(以下、「主制御内蔵RAM4100e」とも記載する。)に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチ4100cと、を備えている。主制御MPU4100aは、その内蔵されたROM4100d(以下、「主制御内蔵ROM4100d」とも記載する。)や主制御内蔵RAM4100eのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、第一始動口2101へ受入れられた遊技球を検出する第一始動口センサ3022、第二始動口2102へ受入れられた遊技球を検出する第二始動口センサ2109、及び一部の一般入賞口センサ3020からの検出信号が夫々主制御I/Oポート4100bを介して入力されたり、ゲートセンサ2352、一般入賞口センサ3020、及びカウントセンサ2110からの検出信号が、遊技盤4に取付けられたパネル中継端子板及び主制御I/Oポート4100bを介して入力されたりするようになっている。
主制御MPU4100aは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポート4100bから主制御ソレノイド駆動回路4100gに制御信号を出力することにより、パネル中継端子板を介して始動口ソレノイド2105及びアタッカソレノイド2108に駆動信号を出力したり、主制御I/Oポート4100b、パネル中継端子板、及び機能表示基板を介して機能表示ユニット1180(第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第一特別図柄記憶表示器1184、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄表示器1189、普通図柄記憶表示器1188、遊技状態表示器1183、ラウンド表示器1190)に駆動信号を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ3022、第二始動口センサ2109、ゲートセンサ2352、及びカウントセンサ2110には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3020には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が第一始動口2101や第二始動口2102に頻繁に入球するし、ゲート部2350を頻繁に通過するため、第一始動口センサ3022、第二始動口センサ2109、及びゲートセンサ2352による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ3022、第二始動口センサ2109、及びゲートセンサ2352には、寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技者にとって有利となる大当り遊技状態が発生すると、大入賞口2103が開放されて遊技球が頻繁に入球するため、カウントセンサ2110による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、カウントセンサ2110にも、寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球が頻繁に入球しない一般入賞口2104,2201には、一般入賞口センサ3020による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3020には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU4100aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び賞球に関する各種コマンド等を賞球制御基板4110に送信したり、この賞球制御基板4110からのパチンコ機1の状態や遊技者の持ち球数に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPU4100aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態や遊技者の持ち球数に関する各種コマンドを、主制御I/Oポート4100bを介して後述する周辺基板4010の周辺制御基板4140に送信したりする(主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間は図示しないハーネスより電気的に接続されている)。なお、主制御MPU4100aは、その詳細な説明は後述するが、賞球制御基板4110からパチンコ機1の状態や遊技者の持ち球数に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御基板4140に送信する。
主制御基板4100には、詳細な説明は後述するが、電源基板から各種電圧が供給されている。この主制御基板4100に各種電圧を供給する電源基板は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)BC0を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAM4100eに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100cが操作されると、主制御内蔵RAM4100eから完全に消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ4100cの操作信号(検出信号)は、賞球制御基板4110にも出力されるようになっている。
また、主制御基板4100には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力するようになっている。この停電予告信号は、主制御I/Oポート4100bを介して主制御MPU4100aに入力される他に図示しないハーネスを介して賞球制御基板4110等にも伝達されている。
[3−2.賞球制御基板]
賞球制御基板4110は、図15に示すように、賞球に関する各種制御や、遊技球の循環状態にかかるチェックや、遊技球の発射にかかる各種制御などを行う部分である。すなわち、賞球制御基板4110は、図15に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである賞球制御MPU4111aと、I/Oデバイスとしての賞球制御I/Oポート4111bと、賞球制御MPU4111aが正常に動作しているか否かを監視するための外部ウォッチドックタイマ(図示略)と、球磨きモータ232aに駆動信号を出力するための球磨きモータ駆動回路4111dと、賞球に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される賞球制御入力回路4111eと、を備えている。賞球制御MPU4111aには、その内蔵されたROM(以下、「賞球制御内蔵ROM」と記載する。)やRAM(以下、「賞球制御内蔵RAM」と記載する。)のほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
賞球制御MPU4111aは、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び賞球に関する各種コマンドを賞球制御I/Oポート4111bを介してシリアル方式で受信したり、主制御基板4100からのRAMクリアスイッチ4100cの操作信号(検出信号)が賞球制御I/Oポート4111bを介して入力されたりする。
また、本体枠に対する扉枠5の開放を検出する扉枠開放スイッチ、及び外枠2に対する本体枠の開放を検出するた本体枠開放スイッチからの検出信号は、まず賞球制御入力回路4111eに入力され、賞球制御I/Oポート4111bを介して賞球制御MPU4111aに入力されている。
賞球制御MPU4111aは、パチンコ機1の状態を示すためのコマンドを、賞球制御I/Oポート4111bを介して主制御基板4100にシリアル方式で送信したり、遊技者の持ち球数として付与する遊技球の球数を賞球制御I/Oポート4111bを介して外部端子板に出力したりする。この外部端子板は、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が遊技者に対して付与する賞球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
また、球貸しボタン334が操作されたときの球貸しボタンセンサ334aからの遊技球の球貸要求信号や、返却/精算ボタン335が操作されたときの返却/精算ボタンセンサ335aからのプリペイドカードの返却要求信号は、当該賞球制御基板4110を介して台間機6に入力されるようになっている。台間機6は、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、賞球制御基板4110にシリアル方式で送信し、この信号が賞球制御I/Oポート4111bで受信されて賞球制御MPU4111aに入力されるようになっている。また台間機6は、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度をCR度数表示器342に表示するための信号を、賞球制御基板4110を介して残度数表示器365cに入力されるようになっている。
[3−2B.発射制御部]
また、この実施の形態にかかる賞球制御MPU4111aでは、賞球制御入力回路4111eを介して発射に関する各種検出スイッチからの検出信号についての入力も行うものとなっている。またさらに、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路4120bと、このクロック信号に基づいて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路4120cと、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド211に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路4120dと、発射基準パルスに基づいて球送りソレノイド231aに駆動信号を出力する球送りソレノイド駆動回路4120eと、を備えている。発射タイミング制御回路4120cは、発振回路4120bからのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路4120dに出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送りソレノイド駆動回路4120eに出力する。
また、ハンドル操作部322aに手のひらや指が触れているか否かを検出するタッチセンサ516、及び遊技者の意志によって遊技球の打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する発射停止スイッチ518からの検出信号についても、賞球制御入力回路4111eに入力され、発射タイミング制御回路4120cに入力されている。ハンドル操作部322aの回転位置に応じて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す強度を電気的に調節する回転位置検知センサ512からの信号は、主側中継端子板を介して発射ソレノイド駆動回路4120dに入力されている。
この発射ソレノイド駆動回路4120dは、回転位置検知センサ512からの信号に基づいて、ハンドル操作部322aの回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド211に出力するようになっている。これに対して、球送りソレノイド駆動回路4120eは、球送基準パルスが入力されたことを契機として、主側中継端子板を介して球送りソレノイド231aに一定電流を出力することにより球送りユニット231の球送部材が球循環通路230内にて回収されている遊技球を1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより球送部材が受入れた遊技球を打球発射装置210側へ送るようになっている。このように、発射ソレノイド駆動回路4120dから発射ソレノイド211に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送りソレノイド駆動回路4120eから球送りソレノイド231aに出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、賞球制御基板4110に各種電圧を供給する電源基板は、電源遮断時にでも所定時間、賞球制御基板4110に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタを備えている。このキャパシタにより賞球制御MPU4111aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を賞球制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100cが操作されると、賞球制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
また、この実施の形態にかかる賞球制御基板4110(賞球制御MPU4111a)では、タッチセンサ516や、発射停止スイッチ518、回転位置検知センサ512からの検出信号から、遊技球が打ち込まれていない状況にある旨判断されるときは、第一球容量確認センサ234と第二球容量確認センサ235とからの検出信号に基づいて、当該パチンコ機1内にある遊技球の総数をチェックする。例えば、第一球容量確認センサ234と第二球容量確認センサ235とのいずれもがON(遊技球検出)、若しくはいずれもがOFF(遊技球非検出)となっているときには、当該パチンコ機1内にある遊技球が過多、若しくは過少であるとしてエラー判定を行う。
また、この実施の形態にかかる賞球制御基板4110(賞球制御MPU4111a)では、第一発射待機球センサ236や第二発射待機球センサ237からの検出信号に基づいて、本体枠側の打球発射装置210に対して供給する遊技球があるか否かについての有無確認処理を行う。そしてこの結果、第一発射待機球センサ236や第二発射待機球センサ237がOFF(遊技球非検出)である旨判断される都度、球磨きモータ232aを駆動し、球磨きユニット232からの球送りによって球循環通路230内の遊技球をそれぞれの前方側へ供給することとなる。このことから明らかなように、この実施の形態にかかる球磨きモータ232aは、球循環通路230内の遊技球を磨くための駆動力を付与することはもとより、球循環通路230内の遊技球をそれぞれの前方側へ供給するように球送りする駆動力を付与する機能をも兼ねている。
また、この実施の形態にかかる賞球制御基板4110(賞球制御MPU4111a)では、発射球確認センサ216からの検出信号がOFF(非検出)であるときには、打ち込まれるべき遊技球がない旨判断し、エラー判定を行う。すなわち上述の通り、球送りユニット231の球送り部分の動作と打球槌212の回動とはリンクしており、正常であれば、打球槌212は常に遊技球が打ち込み可能な状態とされるかたちで供給されているはずだからである。
また、この実施の形態にかかる賞球制御基板4110(賞球制御MPU4111a)では、タッチセンサ516や、発射停止スイッチ518、回転位置検知センサ512からの検出信号から、遊技球が打ち込まれている状況にある旨判断されるときは、遊技領域1100に打ち出されている遊技球の数をチェックする。例えば、発射球検出センサ217による遊技球の検出がある都度、遊技領域1100に打ち出されている遊技球の数を加算する一方で、戻り球検出センサ218による遊技球の検出、及び排出球検出センサ233による遊技球の検出がある都度、遊技領域1100に打ち出されている遊技球の数を減算することで、遊技領域1100に打ち出されている遊技球の数をチェックする。そして、こうした処理の結果、遊技領域1100に打ち出されている遊技球の数が予め定められた基準数を超えた場合には、遊技領域1100に異常な数の遊技球が存在しているとしてエラー判定を行う。
なお、賞球制御基板4110によるエラー判定が行われた場合、このエラー判定については主制御基板4100に送信することが望ましい。そして、このエラー判定の原因が改善されるまでの間は、遊技進行を中断するなどの処理を行うことが遊技者を保護する上でより望ましい。
また、この実施の形態にかかる賞球制御基板4110(賞球制御MPU4111a)では、遊技者の持ち球数に関する情報の管理にかかる制御を行う。例えば、球貸しボタン334の操作があったときや、遊技進行の結果、賞球の獲得があったときは、台間機6や主制御基板4100からそうした情報を受け取り、該情報に基づいて、遊技者が遊技球を打ち出すことのできる残り回数とも言うべき「持ち球数」を更新し、該更新した結果を持ち球数表示器343にて表示する(図15参照)。また、こうして更新された「持ち球数」に関する情報は、主制御基板4100を介して周辺制御基板4140に送信される。そして、周辺制御基板4140は、液晶制御基板4150による制御を通じて、上記更新された「持ち球数」に関する情報を、枠側演出表示装置312にも併せて表示されるようにしている。
[3−3.周辺制御基板]
周辺基板4010は、図15に示すように、主制御基板4100からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御基板4140と、この周辺制御基板4140からの制御データに基づいてパネル側演出表示装置1900及び枠側演出表示装置312の描画制御を行う液晶制御基板4150と、を備えている。
[3−3A.周辺制御基板]
周辺基板4010における演出制御を行う周辺制御基板4140は、図示は割愛するが、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPUと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROMと、高音質の演奏を行う音源ICと、この音源ICが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROMと、を備えている。
周辺制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板4100から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤4に設けられたパネル側ランプ1910(カラーLEDなど)への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データの送信によってパネル側ランプ1910の点灯制御を行ったり、枠側に設けられた枠ランプ102への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための枠側発光データの送信によって枠ランプ102の点灯制御を行ったり、スピーカ103の音響にかかる制御を行ったり、遊技盤4に設けられた役物用ソレノイド(各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源)1920への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データの送信によって各種可動体の作動にかかる制御を行ったり、パネル側演出表示装置1900に表示させる画面を示す制御データ(パネル側表示コマンド)を液晶制御基板4150に送信したり、枠側演出表示装置312に表示させる画面を示す制御データ(枠側表示コマンド)を液晶制御基板4150に送信したりするほかに、音ROMから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源ICに出力したりする。
また、周辺制御MPUは、遊技盤4に設けられた各種可動体の原位置を検出するための各種原位置検出センサからの検出信号を入力されている。そして、扉枠5に設けられた演出操作ボタン331の操作を検出する演出ボタンセンサ331aからの検出信号を監視しており、所定の許容期間内にて該検出信号の入力があった旨判断されたときは、該入力に応じた演出(パネル側演出表示装置1900での表示に変化を生じさせる演出や、枠側演出表示装置312での表示に変化を生じさせる演出や、可動体を作動させる演出など)にかかる制御を行う。
また、周辺制御MPUは、タッチパネル液晶310に対するタッチ操作を検出するタッチパネルセンサ311aからの検出信号を監視しており、同検出信号の入力があったときには、同タッチ操作による遊技者の指示通りの表示が枠側演出表示装置312にて現れるように、その旨の制御データ(枠側表示コマンド)を液晶制御基板4150に送信する。
また、周辺制御MPUは、扉枠5に設けられた第1エコモードボタン332の操作を検出する第1エコモードボタンセンサ332aからの検出信号を監視しており、同検出信号の入力があったときには、例えば、枠ランプ102の輝度と、パネル側演出表示装置1900にて用いられる液晶バックライトの輝度と、枠側演出表示装置312にて用いられる液晶バックライトの輝度と、スピーカ103の音量レベルとをそれぞれの所定のエコモード値(例えば、最小値)に一括設定する制御を行う。これにより、消費電力の低減が促進されるようになる。
また、このような第1エコモードボタンセンサ332aに対する操作は、遊技者が自由に行いうるものであることから、例えば、パネル側演出表示装置1900や枠側演出表示装置312において大当たりの抽選結果に応じた演出が行われている最中であっても、その演出途中の段階にてこれらの一括設定を通じて、枠ランプ102の輝度と、パネル側演出表示装置1900にて用いられる液晶バックライトの輝度と、枠側演出表示装置312にて用いられる液晶バックライトの輝度と、スピーカ103の音量レベルとをより弱い出力に可変させることができるようになる。例えば、大当たり期待度の高い演出が現れたときに、こうした操作を行うようにすれば、遊技者は、期待度の高い演出が行われていながらも、期待度の低い演出が行われている場合よりも周囲から目立たない演出状況を自ら作り出したもとでひっそりと演出結果を楽しむことも可能となる。また逆に、大当たり期待度の低い演出が現れたときに、こうした操作を行うようにすれば、遊技者は、ハズレになり易い演出に固執することなく消費電力の低減を積極的に図ろうとしている紳士としての態度を見せ付けることができるようになる。
また、周辺制御MPUは、遊技者側から遊技の最中に操作することのできない場所(例えば、扉枠5が開放されているときにのみホール側が操作可能とされる場所(周辺制御基板4140が設けられている遊技パネルの裏側部分など))に設けられている第2エコモードボタン(図示略)の操作を検出する第2エコボタンセンサ1930からの検出信号を監視しており、同検出信号の入力があったときには、エコオート機能を有効にするか否かについての処理を行うようにしている。そして、エコオート機能を有効にしているときには、扉枠5の前面にて設けられているエコオート表示のLEDを点灯させ、同機能が有効であることを遊技者が認識することができるようにしている。なおここでは、エコオート機能の無効時に第2エコボタンセンサ1930が操作されたとき、エコオート機能が有効化されるとともに、エコオート機能の有効時に第2エコボタンセンサ1930が操作されたとき、エコオート機能が無効化されるようにしている。
ここで、エコオート機能とは、遊技者による第1エコモードボタン332の操作(遊技中のエコ設定)だけでは設定され得ない部分(遊技が行われていない期間)における設定を可能とすることで、より積極的に消費電力の低減を図ることを狙いとしたものである。この実施の形態では、エコオート機能が有効にされている状態にあって、遊技の進行が停止されてから所定時間が経過した場合には、消費電力の低減を図るべく、枠ランプ102の輝度と、パネル側演出表示装置1900(図13参照)にて用いられる液晶バックライトの輝度と、枠側演出表示装置312にて用いられる液晶バックライトの輝度と、スピーカ103の音量レベルとがそれぞれのエコモード値(例えば、最小値)に自動的に一括設定されるようになっている。ただし、このエコオート機能については、例えば、枠ランプ102の輝度と、パネル側演出表示装置1900(図13参照)にて用いられる液晶バックライトの輝度と、枠側演出表示装置312にて用いられる液晶バックライトの輝度と、スピーカ103の音量レベルとの少なくともいずれか1つを所定のエコモード値(例えば、最小値)に自動的に設定するものであってもよい。また、遊技が行われていない期間における消費電力の低減を図るものであることから、それら出力レベルの少なくともいずれか1つを「0」にする制御(すなわち、出力しない)であってもよく、この場合であっても、遊技が停止されている状態でのことであるから、遊技の進行が妨げられるようなことはない。
なお、このエコオート機能については、各種の出力レベルがエコモード値に自動的に設定されているときに、タッチパネル操作があったり、ハンドル操作があったりすると、こうした設定を自動的に解除するものであることがより望ましい。すなわちこの場合、エコオート機能が有効化される契機は当該パチンコ機1の運営を行っているホール側の操作となる一方で、その解除契機は、まさに遊技を開始しようとする遊技者側の操作となり、消費電力を低減させる上で無駄のない制御を実現することができるようになる。
また周辺制御MPUは、液晶制御基板4150が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御基板4150から入力されており、この動作信号に基づいて液晶制御基板4150の動作を監視している。
音源ICは、周辺制御MPUからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROMから音情報を抽出し、周辺パネル中継端子板などを介して本体枠に設けられたスピーカから各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行うとともに、周辺パネル中継端子板などを介して扉枠5に設けられたスピーカ103から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行っている。
なお、周辺制御基板4140は、周辺制御MPUに内蔵されたウォッチドックタイマ(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)のほかに、図示しない、外部ウォッチドックタイマ(以下、「周辺制御外部WDT」と記載する。)も備えており、周辺制御MPUは、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
[3−4.液晶制御部]
次に、周辺制御基板4140におけるパネル側演出表示装置1900の描画制御を行う液晶制御基板4150は、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPUと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する液晶制御ROMと、上述したパネル側演出表示装置1900や枠側演出表示装置312を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)と、パネル側演出表示装置1900に表示される画面の各種データを記憶するキャラROMと、このキャラROMに記憶されている各種データが転送されてコピーされるキャラRAMと、を備えている。
この液晶制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御基板4140からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDPを制御してパネル側演出表示装置1900の描画制御を行っている。なお、液晶制御MPUは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御基板4140に出力する。また液晶制御MPUは、VDPから後述する実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
液晶制御ROMは、パネル側演出表示装置1900に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御基板4140からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、パネル側演出表示装置1900に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、キャラROMに記憶されている各種データをキャラRAMの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従ってパネル側演出表示装置1900に描画される画面データを、前もって、キャラROMからキャラRAMの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
液晶制御MPUは、周辺制御基板4140からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを液晶制御ROMから抽出してVDPに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを液晶制御ROMから抽出してVDPに出力する。このように、液晶制御MPUは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ液晶制御ROMから抽出してVDPに出力する。
VDPは、液晶制御MPUから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいてキャラRAMからスプライトデータを抽出してパネル側演出表示装置1900に表示する描画データを生成し、この生成した描画データをパネル側演出表示装置1900に出力する。またVDPは、液晶制御MPUからの画面データを受入れないときに、その旨を伝える実行中信号を液晶制御MPUに出力する。なお、VDPは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、パネル側演出表示装置1900の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データをパネル側演出表示装置1900に出力する方式である。
キャラROMには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。キャラROMの容量が大きくなると、つまりパネル側演出表示装置1900に描画するスプライトの数が多くなると、キャラROMのアクセス速度が無視できなくなり、パネル側演出表示装置1900に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速いキャラRAMに、キャラROMに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、このキャラRAMからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態でキャラROMに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、パネル側演出表示装置1900にまとまった単位として表示されるイメージである。例えば、パネル側演出表示装置1900に種々の人物を表示させる場合には夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、パネル側演出表示装置1900に複数人の人物を表示させる場合には複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されてパネル側演出表示装置1900に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「キャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のキャラクタを用いて表現することができる。このように、キャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
パネル側演出表示装置1900は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動されるようになっている。パネル側演出表示装置1900は、液晶制御基板4150から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査としてパネル側演出表示装置1900の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、パネル側演出表示装置1900は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査としてパネル側演出表示装置1900の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[3−7.主制御基板での制御処理]
次に、主制御基板4100(特に主制御MPU4100a)で実行される制御処理の例について、図16乃至図28を参照して説明する。図16は、主制御基板におけるメイン処理の一例を示すフローチャートである。図17は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。図18はタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。図19は、特別制御処理の一例を示すフローチャートである。図20は、始動口入賞処理を示すフローチャートである。図21は、変動開始処理を示すフローチャートである。図22は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図23は、変動中処理の一例を示すフローチャートである。
また、図24は、大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図25は、小当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図26は、大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。図27は、小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。なお、タイマ割込処理は、主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより所定のタイミング(本実施形態では、4ms毎)で実行される。図28は、特別図柄用乱数記憶手段におけるテーブル構成を示す説明図である。
メイン処理は、図16に示すように、パチンコ機1へ電力の供給が開始されると、主制御MPU4100aは、電源投入時処理を実行する(ステップS1)。この電源投入時処理では、RAM4100eに記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAM4100eに記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAM4100eをクリアしてCPU周辺のデバイス設定(通常の初期設定、割込タイミングの設定、等)を行う。
なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAM4100eに現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAM4100eに記憶されているバックアップデータのクリアを指示するRAMクリアスイッチ4100cがオンであれば、RAM4100eをクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理において、主制御基板4100のRAM4100eにバックアップデータが保存されていない場合には、RAM4100eをクリアし、通常の初期設定を行う。
また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行した時に周辺制御基板4140に、主制御基板4100が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板4100が起動したことを周辺制御基板4140に通知するものである。なお、パチンコ機1を設置する遊技ホールの閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAM4100eにバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始した時には電源投入時処理が実行される。
この電源投入時処理が終了すると、主制御MPU4100aは、遊技用の各処理を繰返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、主制御MPU4100aは、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判定する(ステップS2)。なお、この実施の形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板851によって生成する。すなわち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板851にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に供給している。しかして、停電が発生し、外部電源から電源基板851に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板851から主制御基板4100に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS2で主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS4)。
この電源断発生時処理は、停電後に電源基板851に供給される電源電圧(この実施の形態では、24V)が復旧した場合に(以下、復電と呼ぶ)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態をRAM4100eにバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ところで、ステップS2で停電予告信号が検知されていない場合、すなわち外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる各種乱数を更新する乱数更新処理2を行う(ステップS3)。なお、乱数更新処理2にて更新される乱数については後述する。
次に、電源断発生時処理は、図17に示すように、メイン処理において、停電予告信号が検出された時に実行される処理である。主制御MPU4100aは、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS4a)。そして、RAM4100eのチェックサムを算出し、RAM4100eの所定領域に保存する(ステップS4b)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM4100eの内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
続いて、主制御MPU4100aは、RAM4100eの所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS4c)。以上の処理を終えると、主制御MPU4100aは、RAM4100eへのアクセスを禁止し(ステップS4d)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることにより、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなる虞れがある。かかる弊害を回避するため、本実施例の主制御MPU4100aには、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入り、更新が行われなくなる。これにより、瞬停によって、電源断発生時処理に入り、無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスで主制御MPU4100aが起動するようになっている。
次に、タイマ割込処理は、メイン処理の実行中に主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより4ms毎にタイマ割込処理が実行されるものであり、図18に示すように、主制御MPU4100aは、レジスタの退避処理を実行した後(ステップS10)、ステップS11からステップS18の処理を実行する。ステップS11のスイッチ入力処理では、上述したスイッチ(ゲートスイッチ、始動口センサ、カウントセンサ、一般入賞スイッチ等)の検出信号を監視する処理を実行する。ステップS12の乱数更新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施の形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、上述した乱数更新処理2にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、乱数更新処理2にて更新される乱数を乱数更新処理1でも更新するようにしてもよい。ステップS13の賞球制御処理では、スイッチ入力処理(ステップS11)にて検出された信号に基づいて賞球制御基板4110に遊技者の持ち球数を増加させる処理を行う旨指示する賞球コマンドを設定する。
また、ステップS14の普通制御処理では、遊技の進行状態に基づいて、普通図柄を変動させると共に、普通電動役物(すなわち始動口ソレノイド2105によって第二始動口2102を開閉する可動片2106)を制御し、第二始動口2102の開閉状態を変化させる処理を実行する。ステップS15の特別制御処理では、遊技の進行状態に基づいて特別図柄表示器1185,1186で第一特別図柄及び第二特別図柄を変動表示させたり、特別電動役物(すなわちアタッカソレノイド2108によって大入賞口2103を開閉する開閉部材2107)を制御し、大入賞口2103の開閉状態を変化させたりする処理を実行する。
続くステップS16の出力データ設定処理では、パチンコ機1の外部(例えば、管理コンピュータ等)に遊技状態を示す状態信号を出力する処理、特図始動記憶表示器(図示せず)に駆動信号を出力する処理、等を実行する。ステップS17のコマンド送信処理では、演出コマンドを周辺制御基板4140に送信する処理を実行する。また、コマンド送信処理では、パチンコ機1への電力供給が開始された時に電源投入時処理(ステップS1)でセットされた電源投入コマンドを周辺制御基板4140に送信する処理も行われる。ステップS11からステップS17の処理を実行すると、レジスタの復帰処理(ステップS18)を実行して、処理を終了する。
ここで、上述した乱数更新処理1(ステップS12)および乱数更新処理2(ステップS3)で、主制御基板4100の主制御MPU4100aにより更新される各種乱数について説明する。この実施の形態では、遊技にて用いられる各種乱数として、大当り遊技状態(後述する「小当り」を含む)を発生させるか否かの判定(大当り判定)に用いられる大当り判定用乱数、大当り判定において大当り遊技状態を発生させると判定された時に確変大当りとするか否かの判定(確変判定)に用いられる大当り図柄用乱数、大当り判定において大当り遊技状態を発生させると判定された時に特別図柄の停止図柄を決定するために用いられる大当り図柄用乱数、大当り判定にて大当り遊技状態を発生させないと判定された時にリーチ態様を伴うハズレとするか否かの判定(リーチ判定)に用いられるリーチ判定乱数、特別図柄表示器1185,1186に表示されている特別図柄の変動表示パターン(変動時間)を決定するために用いられる変動表示パターン乱数(変動時間用乱数)、第二始動口2102を開閉する可動片2106を開放状態に制御するか否かの判定(普通抽選当り判定)に用いられる普通当り判定用乱数、等がある。
なお、本例では、大当り判定用乱数を用いて小当り遊技状態を発生させるか否かの抽選も行われる。また、大当り図柄用乱数を用いて確率変動大当り(特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定する)とするか否かの判定も行われる。なお、リーチ判定用乱数を用いて特別図柄の変動表示パターンを決定すると共に、パネル側演出表示装置1900にて表示制御される装飾図柄の変動表示パターンを決定するようにしても良い。
これらの乱数のうち、乱数更新処理1では、大当り遊技状態の発生に関わる大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、および可動片2106を開放状態に制御するか否かに関わる普通図柄当り判定用乱数の更新を行う。すなわち、大当り遊技状態の発生および可動片2106を開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は所定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数での所定期間における確率(大当り遊技状態を発生させると判定する確率、可動片2106を開放状態に制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者が不利な状態となることを防止することができる。一方、乱数更新処理2では、大当り遊技状態の発生、及び普通抽選に関わらないリーチ判定乱数、及び変動表示パターン乱数等の更新を行う。
次に、特別制御処理において主制御MPU4100aは、図19に示すように、ステップS20からステップS90の処理を実行する。ステップS20の始動口入賞処理では、第一始動口2101や第二始動口2102に遊技球が入賞したか否かを判別し、入賞した場合に抽選の保留状態を更新する処理を実行する。ステップS30の変動開始処理では、夫々の大当り抽選における記憶数(保留数)を確認し、保留数(合計の記憶数)が0でなければ、それに対応する特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。具体的には、大当り遊技状態(利益付与状態)を発生させるか否かの判定を行い(当落判定手段)、大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを夫々判定する。ステップS40の変動パターン設定処理では、各特別図柄および各装飾図柄の変動表示に関わる設定を行う。具体的には、夫々の特別図柄の変動表示パターンを決定し、当該変動表示パターンに対応して設定される変動時間(特別図柄表示器1185,1186にて特別図柄の変動表示を開始してから停止するまでの時間)をタイマにセットする。
ステップS50の変動中処理では、変動表示パターン設定処理(ステップS40)で変動時間が設定されたタイマを監視し、タイマがタイムアウトしたことに基づいて第一特別図柄表示器1185または第二特別図柄表示器1186(特別図柄表示器1185,1186に相当)における特別図柄の変動表示を停止させる処理を行う。この時、変動開始処理(ステップS30)にて何れか一方の大当り抽選で大当り遊技状態とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「3」に更新し、同抽選で小当り遊技状態とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「4」に更新し、大当りまたは小当り遊技状態とする判定がなされていなければ処理選択フラグを「0」に更新する。
ステップS60の大当り遊技開始処理(利益付与状態制御手段)では、大当り遊技状態を開始するための設定を行う。具体的には後述するが、大当りの種類に応じて開閉部材2107の開放回数や開放時間等の設定を行う。また、ステップS70の小当り遊技開始処理では、小当り遊技状態を開始するための設定を行う。具体的には後述するが、小当りにおける開閉部材2107の開放回数や開放時間等の設定を行う。ステップS80の大当り遊技処理では、大入賞口2103を開放させると共に、所定個数の遊技球が大入賞口2103に入賞した時、または、所定期間が経過した時に、開閉部材2107を閉塞状態にするための処理を行う。また、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達していなければ、再び、開閉部材2107を開放状態にするための処理を行い、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達した時には、処理選択フラグを「5」に更新する。また、ラウンド回数が所定回数に達した後、確率変動状態及び時短遊技状態を発生させる処理を実行する(特別遊技状態制御手段)。
ステップS90の小当り遊技処理では、大入賞口2103を開放させると共に、所定個数の遊技球が大入賞口2103に入賞した時、または、所定期間が経過した時開閉部材2107を閉塞状態にするための処理を行う。なお、詳細は後述するが、小当り遊技処理における大入賞口2103の開放は、大当り遊技処理(ステップS80)に比べて、遊技者への利益が極めて低くなるように設定されている。次に、ステップS20〜ステップS90における具体的な処理について説明する。
次に、始動口入賞処理では、図20に示すように、まず、第二始動口センサ2109から検出信号が出力されたか否かを判別し、第二始動口センサ2109から検出信号が出力された場合には、第二始動口2102に遊技球が入賞したと判別し(ステップS201にてYES)、第二始動口センサ2109からの検出信号が出力されていなければ第二始動口2102に遊技球が入賞していない(ステップS201にてNO)と判別する。ステップS201にて第二始動口2102に遊技球が入賞したと判別した時には、第二大当り抽選用の各種乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、等)を取得し、RAM4100eに設けられている第二保留数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判別する(ステップS202)。そして、ステップS202で第二保留数カウンタが4未満であれば、第二始動保留記憶処理(ステップS203)、及び保留履歴更新処理(ステップS204)を実行する。なお、これらの処理については後述する。なお、ステップS202で第二保留数カウンタの値が4である場合には、第二始動保留記憶処理及び保留履歴更新処理を実行しない。
一方、ステップS201で第二始動口センサ2109から検出信号が出力されていない場合(ステップS201にてNO)、または、第二保留数カウンタの値が4である場合(ステップS202にてNO)には、第一始動口2101に遊技球が入賞したか否かを判別する(ステップS205)。具体的には、第一始動口センサ3022から検出信号が出力されたか否かを判別する。ステップS205にて第一始動口2101に遊技球が入賞したと判別した時には(YES)、第一大当り抽選用の各種乱数を取得し、RAM4100eに設けられている第一保留数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判別する(ステップS206)。そして、ステップS206で第一保留数カウンタが4未満であれば、第一始動保留記憶処理(ステップS207)、及び保留履歴更新処理(ステップS208)を実行する。なお、ステップS206で第一保留数カウンタの値が4である場合には、第一始動保留記憶処理及び保留履歴更新処理を実行しない。
続いて、変動開始処理では、図21に示すように、まず、処理フラグが「0」か否かを判別し、「0」である場合(ステップS301にてYES)には、ステップS302以降の処理を実行し、「0」でない場合(ステップS301にてNO)には、変動開始処理を終了する。ステップS302では、夫々の特別図柄表示器2390a,2390bに対応する二つの保留数カウンタの値(第一始動記憶数及び第二始動記憶数)がともに「0」であるか否かを判別する。二つの保留数カウンタにおける値の和は、始動記憶の保存領域(特別図柄用乱数記憶手段4515,2940(図28参照))に格納される乱数値の個数を示すものであるため、ステップS302において何れの保留数カウンタの値がともに「0」であれば(YES)、第一大当り抽選及び第二大当り抽選に関する始動条件が成立していないと判別されてステップS317に移行する。
一方、ステップS302で何れかの保留数カウンタの値が「0」でなければ(NO)、始動記憶移行処理を実行する(ステップS303〜ステップS311)。図28(a)に示すように、第一特別図柄用乱数記憶手段4515には、四つの記憶領域(記憶領域[1]4515a〜記憶領域[4]4515d)が設けられており、第一始動記憶数(「1」〜「4」)の値にそれぞれ対応付けられている。また、図28(b)に示すように、第二特別図柄用乱数記憶手段4532にも、四つの記憶領域(記憶領域[1]4532a〜記憶領域[4]4532d)が設けられており、第二始動記憶数(「1」〜「4」)の値にそれぞれ対応付けられている。各記憶領域4515a〜4515d,4532a〜4532dは、大当り判定用乱数が記憶される大当り判定用乱数記憶領域4580と、大当り図柄用乱数が記憶される大当り図柄用乱数記憶領域4581とを有している。
そして、始動記憶移行処理では、まず、第二特別図柄表示器1186に対応する保留数カウンタの値(第二始動記憶数)が「0」であるか否か、すなわち第二特別図柄用乱数記憶手段4532の記憶領域[1]4532aに乱数が記憶されていないかを判別し(ステップS303)、乱数が記憶されていれば(NO)、n番目(nは2以上の自然数)の各記憶領域(記憶領域[2]4532b〜記憶領域[4]4532d)に記憶される各種乱数を、n−1番目の記憶領域(記憶領域[1]4532a〜記憶領域[3]4532c)に夫々シフトする処理(ステップS304)と、記憶領域[1]4532aに記憶されていた第二特別図柄に関する乱数を取得する処理(ステップS305)とを実行する。また、特別図柄変動フラグに「1」をセットする(ステップS306)と共に、第二特別図柄に対応する保留数カウンタを「1」減算する処理(ステップS307)を実行する。
一方、第二特別図柄用乱数記憶手段4532の記憶領域[1]4532aに乱数が記憶されていない場合、すなわち第二特別図柄表示器1186に対応する保留数カウンタの値が「0」の場合には(ステップS303にてYES)、第一特別図柄用乱数記憶手段4515のn番目(nは2以上の自然数)の各記憶領域(記憶領域[2]4515b〜記憶領域[4]4515d)に記憶される各種乱数を、n−1番目の記憶領域(記憶領域[1]4515a〜記憶領域[3]4515c)に夫々シフトする処理(ステップS308)と、記憶領域[1]4515aに記憶されていた第一特別図柄に関する乱数を取得する処理(ステップS309)とを実行する。また、第一特別図柄に対応する保留数カウンタを「1」減算する処理(ステップS311)を実行する。
つまり、第一特別図柄に関して言えば、保留する際には、第二特別図柄の場合と同様に、保留数カウンタの値(第一始動記憶数)を「1」増やすと共に、抽出した乱数を、第一始動記憶数の値に対応した記憶領域に格納するが、第一特別図柄の変動を開始する際には第二始動記憶数が「0」である場合のみ、すなわち第一特別図柄による第一処理が待機中であり且つ第二特別図柄による第二処理が待機中でない場合に限り、第一特別図柄用乱数記憶手段4515の1番目の記憶領域「1」4515aから各乱数を読み出すようにしている。そして、この制御により第二処理を第一処理よりも優先的に行わせることを可能にしている。
その後、確率変動機能作動中か否か、すなわち高確率である確率変動状態か否かを判別し(ステップS312)、確率変動状態でない場合には(ステップS312にてNO)、確率変動未作動時の大当り判定テーブル、すなわち大当りとなる確率が低く設定されたテーブルを選択し、一方、確率変動状態の場合には(ステップS312にてYES)、確率変動作動時のテーブル、すなわち大当りとなる確率が高く設定されたテーブルを選択する。なお、本例では、確率変動未作動時(すなわち通常時)には、大当りとなる確率が6/499に設定され、確率変動作動時(すなわち高確率時)には、大当りとなる確率が60/499に設定されている。
ステップS313又はステップS314において、何れかのテーブルが選択された後、そのテーブルに基づき、ステップS305又はステップS309にて取得された、何れかの特別図柄に関する乱数が、大当りに相当する乱数(大当り値)であるか否かを判別する(ステップS315)。そして、大当り値である場合には(ステップS315にてYES)、大当りフラグを「ON」にし(ステップS316)、ステップS317に移行する。一方、取得した乱数が大当り値ではない場合には(ステップS315にてNO)、その乱数が小当りに相当する乱数(小当り値)であるか否かを判別する(ステップS318)。そして、小当り値である場合には(ステップS318にてYES)、小当りフラグを「ON」にして(ステップS319)、ステップS317に移行する。また、小当り値ではない場合には(ステップS318にてNO)、ステップS319を経由することなく、ステップS317に移行する。ステップS317では、処理フラグを「1」に更新し、変動開始処理を終了する。なお、大当りフラグおよび小当りフラグのON/OFF状態(セット状態、リセット状態)は、RAM4100eに記憶される。また、大当りフラグおよび小当りフラグのOFF状態(リセット状態)とは「0」の値がセットされることであり、大当りフラグおよび小当りフラグのON状態(セット状態)とは「1」の値がセットされることである。
次に、変動パターン設定処理では、図22に示すように、処理フラグが「1」か否かを判別し、ステップS317によって「1」となっている場合(ステップS401にてYES)には、ステップS402以降の処理を実行し、「1」でない場合(ステップS401にてNO)には、変動パターン設定処理を終了する。ステップS402では、大当りフラグが「ON」か否かを判別し、ステップS316によって「ON」となっている場合(ステップS402にてYES)には、取得された乱数を基に、確率変動大当りまたは通常大当りの何れの大当りであるのかを判別する(ステップS403)。そして、確率変動大当りである場合(ステップS403にてYES)には、特殊当りか否かを判別する(ステップS404)。詳しくは後述するが、何れの確率変動大当りも、「その後の抽選において、特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定した確率変動状態とし、且つ何れかの特別図柄表示器1185,1186で変動する特別図柄の変動時間を短縮させる(通常時よりも相対的に短くする)と共に、第二始動口2102への入賞のし易さを通常よりも増加させるようにした時短遊技状態を発生させる」ことは、共通しているが、特殊当りである確率変動大当りと、特殊当りでない一般の確率変動大当りとでは、遊技者に与える利益の程度が大きく異なるように設定されている。
つまり、一般の確率変動大当りでは、大入賞口2103を開閉する開閉部材2107の一回当りの開放時間が、複数個(例えば10個)の遊技球がゆとりを持って入賞できる程度の時間に設定されていると共に、開閉部材2107の開閉動作を、多くの利益を付与する回数(例えば7回)行うように制御される。これに対し、特殊当りである確率変動大当りでは、開閉部材2107の一回当りの開放時間が、数個(例えば一または二個)の遊技球が辛うじて入賞できる程度の時間に設定されていると共に、開閉部材2107の開閉動作を例えば二回行うように制御される。
ステップS404において、特殊当りでないと判別された場合、すなわち一般の確率変動大当りであると判別された場合には(NO)、確変大当り時変動表示パターンテーブルを選択し(ステップS405)、一方、特殊当りであると判別された場合には(ステップS404にてYES)、確変特殊当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS406)。なお、ステップS403において、確率変動大当りでないと判別された場合、すなわち通常大当りであると判別された場合には(YES)、通常大当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS407)。
一方、ステップS402において、大当りフラグが「ON」ではないと判別された場合には(NO)、小当りフラグが「ON」か否かを判別し(ステップS408)、ステップS319によって「ON」となっている場合には(ステップS408にてYES)、小当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS409)。また、小当りフラグが「ON」となっていない場合には(ステップS408にてNO)、取得されたリーチ判定用乱数がリーチに相当する乱数(リーチ値)か否かを判別し(ステップS410)、リーチ値である場合には(ステップS410にてYES)、ハズレリーチ時変動表示パターンテーブルを選択し(ステップ411)、リーチ値でない場合には(ステップS410にてNO)、ハズレ時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS412)。
このように、何れかのステップにおいて、変動表示パターンテーブルが選択されると、その変動表示パターンテーブル、及びステップS305またはステップS309の何れかにおいて取得された変動表示パターン乱数に基づいて、変動表示パターンを決定する(ステップS413)。次いで、ステップS413で決定した変動表示パターンを指定する演出コマンドとして選択値をセットし(ステップS414)、当該変動表示パターンに応じた変動時間を主制御基板4100のRAM4100eに設けられたタイマ(この実施の形態では、有効期間タイマ)にセットする(ステップS415)。ステップS415では、ステップS413で決定した変動表示パターンに設定されている変動時間を有効期間タイマにセットする。
なお、ステップS414でセットされた変動表示パターンコマンドは、コマンド伝送出力処理にて周辺制御基板4140に送信される。また、変動表示パターンコマンドをコマンド伝送出力処理で周辺制御基板4140に送信する時には、第一特別図柄表示器1185及び第二特別図柄表示器1186に駆動信号を出力し、特別図柄の変動表示を開始させる。その後、処理フラグを「2」に更新し(ステップS416)、変動パターン設定処理を終了する。
続いて、変動中処理では、図23に示すように、まず、処理フラグが「2」か否かを判別し(ステップS501)、ステップS416によって「2」となっている場合には(ステップS501にてYES)、ステップS502以降の処理を実行し、「2」でない場合(ステップS501にてNO)には、変動中処理を終了する。ステップS502では、第一特別図柄表示器1185または第二特別図柄表示器1186にて第一特別図柄または第二特別図柄が変動中か否かを判別し、変動中の場合には、第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間がタイムアップしたか否かを判別する(ステップS503)。そして、変動時間がタイムアップした際、すなわち、変動時間が終了した場合には(ステップS503にてYES)、その変動を停止させる(ステップS504)。
なお、何れの特別図柄も変動していない場合(ステップS502にてNO)、または変動時間が終了していない場合(ステップS503にてNO)には、特別図柄の変動を停止させることなく変動中処理を終了する。
ステップS504によって特別図柄の変動を停止させた後、大当りフラグが「ON」か否かを判別し(ステップS505)、大当りフラグが「ON」の場合には、処理フラグを「3」に更新する(ステップS506)。一方、大当りフラグが「ON」でない場合には(ステップS505にてNO)、小当りフラグが「ON」か否かを判別し(ステップS507)、「ON」の場合には処理フラグを「4」に更新し(ステップS508)、「ON」でない場合には処理フラグを「0」に更新する(ステップS509)。このように、ステップS506、ステップS508、またはステップS509の何れかにおいて処理フラグを更新した後、変動中処理を終了する。
次に、大当り遊技開始処理では、図24に示すように、まず、処理フラグが「3」か否かを判別し、ステップS506によって「3」となっている場合には(ステップS601にてYES)、ステップS602以降の処理を実行し、「3」でない場合には(ステップS601にてNO)、大当り遊技開始処理を終了する。ステップS602では、確率変動機能作動中か否か、すなわち確率変動状態か否かを判別し、確率変動状態である場合には(YES)、確率変動機能の作動を一端停止し、ステップS604に移行する。なお、確率変動状態ではない場合、すなわち通常の低確率状態である場合には(ステップS602にてNO)、ステップS603の処理を実行することなくステップS604に移行する。ステップS604では、時短機能作動中か否か、すなわち時短遊技状態か否かを判別し、時短遊技状態になっている場合には(YES)、時短機能の作動を停止させ(ステップS605)、ステップS606に移行する。一方、時短遊技状態でない場合には(ステップS604にてNO)、ステップS605の処理を実行させることなくステップS606の処理に移行する。
ステップS606では、大当りの種類が、一般の大当りであるか特殊当りであるかを判別し、一般の大当りである場合には(ステップS606にてNO)、開閉部材2107による大入賞口2103の開放条件、すなわち、大当り用開放回数、一回当りの開放時間、及び大入賞口2103への入賞制限個数を設定する(ステップS607)。一方、大当りが特殊当りである場合には(ステップS606にてYES)、大入賞口2103における特殊当り用開放回数、入賞制限個数、及び一回当りの開放時間を設定する(ステップS608)。その後、処理フラグを「5」に更新し(ステップS609)、大当り遊技開始処理を終了する。
一方、小当り遊技開始処理では、図25に示すように、まず、処理フラグが「4」か否かを判別し、ステップS508によって「4」となっている場合には(ステップS701にてYES)、ステップS702及びステップS703の処理を実行し、処理フラグが「4」でない場合には(ステップS701にてNO)、ステップS702及びステップS703の処理を実行することなく小当り遊技開始処理を終了する。ステップS702では、小当りの場合における大入賞口2103の開放条件、すなわち、開閉部材2107による大入賞口2103の小当り用開放回数、及び一回当りの開放時間が夫々設定される。なお、小当りにおける開放回数、入賞制限個数、及び開放時間は、特殊当りの場合に設定される条件(ステップS608)と同一になるように設定されている。すなわち、特殊当りと小当りとを、視覚的に判別することができないように設定されている。その後、処理フラグが「6」に更新され(ステップS703)、小当り遊技開始処理を終了する。
次に、大当り遊技処理では、図26に示すように、まず、処理フラグが「5」か否かを判別し、ステップS609によって「5」となっている場合には(ステップS801にてYES)、ステップS802以降の処理を実行し、「5」でない場合には(ステップS801にてNO)、大当り遊技処理を終了する。ステップS802では、大入賞口2103が開放中か否かを判別し、開放中の場合には(YES)、大入賞口2103の開放時間(開放した後の経過時間)が、予め設定した所定時間に達したか否かを判別し(ステップS803)、経過した場合には(ステップS803にてYES)、開閉部材2107を作動させて大入賞口2103を閉鎖する(ステップS805)。
なお、設定された開放時間まで経過していない場合でも(ステップS803にてNO)、大入賞口2103が開放された後に大入賞口2103に入賞した遊技球の個数が、ステップS607で設定された制限個数(例えば10個)を超えた場合には(ステップS804にてYES)、ステップS805に移行して大入賞口2103を閉鎖する。また、大入賞口2103の開放時間が設定時間に到達しておらず(ステップS803にてNO)、しかも遊技球の入賞個数が制限個数に達していない場合には(ステップS804にてNO)、大当り遊技処理を終了する。
一方、ステップS802において、大入賞口2103が開放中でない場合には(NO)、開閉部材2107による大入賞口2103の開放回数が、ステップS607で設定された大当り用開放回数、またはステップS608で設定された特殊当り用開放回数に、到達したか否かを判別する(ステップS806)。そして、到達していない場合には(ステップS806にてNO)、開閉部材2107を制御して大入賞口2103を開放し(ステップS807)、大当り遊技処理を終了する。これにより多量の遊技球を大入賞口2103に入賞させることが可能になる。
ステップS806において大入賞口2103の開放回数が設定された回数に達した場合(YES)、すなわち、大当り遊技状態が終了した場合には、ステップS808〜ステップS813の処理を実行し、その後の抽選に対しての遊技状態を設定する。具体的には、まず、大当りフラグを「OFF」とし(ステップS808)、今回の大当りが、確率変動機能を作動させる当選であるか否かを判別する(ステップS809)。つまり、特殊当りを含む確率変動大当りであるか、通常大当りであるかを判別する。確率変動大当りで当選した場合には(ステップS809にてYES)、確率変動機能の作動を開始し、高確率である確率変動状態とする(ステップS810)。すなわち、その後の抽選において大当りが当選する確率を通常時よりも高く設定すると共に、抽選による第一特別図柄または第二特別図柄の変動回数が所定回数(規定回数)になるまで時短機能を作動させる。
なお、大当りが特殊当りである場合には(ステップS811にてYES)、確率変動機能または時短機能の作動中の当りか否かを判別する(ステップS814)。そして、特殊当りでない場合、すなわち、一般の確率変動大当りである場合(ステップS810にてNO)、或いは、確率変動機能または時短機能が既に作動している場合に特殊当りが当選した場合には、時短機能の作動を開始し(ステップS812)、その後、処理フラグを「0」に更新する(ステップS813)。つまり、第一特別図柄表示器1185または第二特別図柄表示器1186で変動する第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間を短縮させると共に、可動片2106の開放作動によって第二始動口2102への入賞のし易さを通常よりも高くする。一方、確率変動機能及び時短機能の作動中ではない場合、すなわち、確率変動状態も時短遊技状態も発生していない状態で、特殊当りが当選した場合には(ステップS814にてNO)、時短機能を作動させることなくステップS813に移行する。
一方、ステップS809において確率変動機能を作動させる当選ではない場合、すなわち、通常大当りの場合には(NO)、時短機能の作動を開始すると共に、時短機能における作動の規定回数を設定し(ステップS815)、その後、ステップS813に移行する。つまり、抽選による第一特別図柄または第二特別図柄の変動回数が所定回数(規定回数)になるまで時短機能を作動させる。
次に、小当り遊技処理では、図27に示すように、まず、処理フラグが「6」か否かを判別し、ステップS703によって「6」となっている場合には(ステップS901にてYES)、ステップS902以降の処理を実行し、「6」でない場合には(ステップS901にてNO)、小当り遊技処理を終了する。ステップS902では、大入賞口2103に対する遊技球の入賞数が、予め設定された最大入賞数に達したか否かを判別し(ステップS902)、まだ最大入賞数に達していない場合には(NO)、大入賞口2103が開放中か否かを判別する(ステップS903)。そして、ステップS903において、大入賞口2103が開放中であると判別された場合には(YES)、大入賞口2103の開放時間(開放した後の経過時間)が、予め設定した所定時間に達したか否かを判別し(ステップS904)、経過した場合には(ステップS904にてYES)、開閉部材2107を作動させて大入賞口2103を閉鎖する(ステップS905)。その後、大入賞口2103の開放回数が予め定めた所定回数(例えば二回)に達したか否かを判別し(ステップS906)、その回数に達した場合には(YES)、処理フラグを「0」に更新し(ステップS907)、小当り遊技処理を終了する。
なお、ステップS904において大入賞口2103の開放時間が所定時間に達していない場合(NO)、またはステップS906において開放回数が所定回数に達していない場合には(NO)、ステップS907の処理を実行することなく、小当り遊技処理を終了する。また、ステップS903において、大入賞口2103が開放中でない場合には(NO)、大入賞口2103を開放し、遊技球の入賞を可能とする(ステップS908)。また、ステップS902において、大入賞口2103に対する遊技球の入賞数が、予め設定された最大入賞数に達した場合には(YES)、大入賞口2103が開放中か否かを判別し(ステップS909)、開放中の場合には(YES)、大入賞口2103を閉鎖し(ステップS910)、ステップS907に移行する。一方、大入賞口2103が開放中でない場合には(ステップS909にてNO)、ステップS910の処理を実行することなく、ステップS907に移行する。ステップS907では処理フラグを「0」に更新する。
[3−8.周辺制御部での制御処理]
次に、周辺制御基板4140に搭載される周辺制御MPUによって実行される処理について、図29乃至図33を参照して説明する。図29はサブメイン処理の一例を示すフローチャートであり、図30は16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。図31は、コマンド解析処理(ステップS1100)の一例を示すフローチャートである。図32は、演出制御処理(ステップS1200)の一例を示すフローチャートである。図33は、装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)の一例を示すフローチャートである。
サブメイン処理では、図29に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPUによって初期設定処理を行う(ステップS1001)。この初期設定処理では、周辺制御基板4140に搭載される周辺制御RAM4140eをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS1001)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS1002)。
本例では、周辺制御MPUは、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になった時、すなわち、16ms経過した時に16ms経過フラグTをセットすると共に、16ms経過監視カウンタをリセットする(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS1002で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)時には、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS1003)、16ms定常処理を行う(ステップS1004)。
この16ms定常処理では、主制御基板4100から受信した演出コマンドに基づいてパネル側演出表示装置1900や、枠側演出表示装置312、枠ランプ102、スピーカ103、パネル側ランプ1910、役物用ソレノイド1920等を制御する処理が実行される。16ms定常処理が終了すると、再びステップS1002に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS1003〜ステップS1004を繰返し行う。一方、ステップS1002で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)時には、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
次に、16ms定常処理では、サブ周辺制御MPUが、図30に示すように、ステップS1100〜ステップS1600の処理を実行する。ステップS1100のコマンド解析処理では、主制御基板4100から受信した演出コマンドを解析する。ステップS1200の演出制御処理では、変動表示パターンコマンドに基づいてパネル側演出表示装置1900や枠側演出表示装置312に関わる制御処理を実行する。具体的には、予告演出の設定、装飾図柄の停止図柄の決定、等を行う。
また、ステップS1300の音制御処理では、演出効果を促進させる効果音(例えばBGM)を発生させるための、スピーカ103に関わる制御処理を実行する。ステップS1400の発光装飾制御処理では、扉枠5や遊技盤4に備えられた発光装飾(枠ランプ、パネル側ランプ)に関わる制御処理を実行する。ステップS1500の情報出力処理では、ランプ駆動基板に演出コマンドを送信する。ステップS1600の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS1200)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS1100〜ステップS1600の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過した時に直ぐに16ms定常処理を最初から(後述するステップS1100のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過した時には、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS1002で16ms経過フラグがセットされていると判別された時に16ms定常処理を開始する。
また、本例では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS1600)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理の何れか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
次に、コマンド解析処理は、図31に示すように、まず、主制御基板4100から演出コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS1101)。この実施の形態では、主制御基板4100から演出コマンドを受信すると、16ms定常処理等の他の処理を中断してコマンド受信割込処理を発生させ、受信したコマンドを、周辺制御基板4140の周辺制御RAMにおける受信コマンド格納領域に保存する。なお、受信コマンド格納領域は、演出コマンドの受信順に対応して複数の領域が設けられ、コマンド受信割込処理では、演出コマンドの受信順に対応して各領域に保存する。ステップS1101では、受信コマンド格納領域の内容を確認し、演出コマンドが記憶されていれば、受信コマンド格納領域の受信順が先の演出コマンドを読み出す(ステップS1102)。
そして、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであるか判別し(ステップS1103)、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであれば(ステップS1103にてYES)、変動表示パターン受信フラグをセットすると共に、周辺制御基板4140に搭載される周辺制御RAMにおける変動表示パターン格納領域に格納する(ステップS1104)。
一方、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドでなければ(ステップS1103にてNO)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであるか判別し(ステップS1105)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであれば(ステップS1105にてYES)、確変大当りフラグをセットする(ステップS1106)。また、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドでなければ(ステップS1105にてNO)、受信した演出コマンドに対応したフラグをセットする(ステップS1107)。
続いて、演出制御処理は、図32に示すように、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS1210〜ステップS1230のうち何れかの処理を行う。
処理選択フラグが「0」の時に実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)では、変動表示パターンコマンドを受信していれば装飾図柄の変動表示を開始させるための設定を行う。具体的には、変動表示パターンコマンドおよび確変大当りコマンドに応じて装飾図柄の停止図柄を決定すると共に、予告演出等の設定を行う。
処理選択フラグが「1」の時に実行される装飾図柄変動処理(ステップS1220)では、変動停止コマンドを受信した時に液晶制御基板4150に表示コマンドを送信して装飾図柄の変動表示を停止させる制御を行う。
処理選択フラグが「2」の時に実行される大当り表示処理(ステップS1230)では、主制御基板4100から送信される大当り開始コマンドに応じてパネル側演出表示装置1900や枠側演出表示装置312に大当り遊技状態の開始を示す表示や大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)をさせる制御を行う。
次に、装飾図柄変動開始処理は、図33に示すように、まず、変動表示パターン受信フラグがセットされているか判別する(ステップS1221)。変動表示パターン受信フラグは、上述したコマンド解析処理(ステップS1100)のステップS1104でセットされ、主制御基板4100から変動表示パターンコマンドを受信したことを示すフラグである。ステップS1221で変動表示パターン受信フラグがセットされていなければ(NO)、変動表示パターンコマンドを受信していないと判別して処理を終了する。
一方、変動表示パターン受信フラグがセットされていれば(ステップS1221にてYES)、変動表示パターン受信フラグをリセットし(ステップS1222)、受信した変動表示パターンコマンドに基づく変動表示パターンが大当りを発生させる変動表示パターンであるか(当りパターンであるか)判別する(ステップS1223a)。
変動表示パターンが当りパターンでなければ(ステップS1223aにてNO)、ハズレ図柄の停止図柄を決定する(ステップS1224)。また、変動表示パターンが当りパターンであれば(ステップS1223aにてYES)、確変大当りフラグがセットされているか判別し(ステップS1223b)、確変大当りフラグがセットされていれば(YES)、確変大当り図柄の停止図柄を決定し(ステップS1225)、確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS1223bにてNO)、非確変大当り図柄の停止図柄を決定する(ステップS1226)。また、確変大当りフラグは、大当り表示処理(ステップS1230)にて大当り遊技状態を開始する時にリセットされる。なお、確変大当りフラグがリセットされる時期はこれに限らず、例えば、装飾図柄変動処理(ステップS1220)で装飾図柄の変動表示を停止させる時、具体的には、変動停止コマンドを受信した時にリセットするようにしてもよいし、大当り表示処理(ステップS1230)で大当り遊技状態を終了する時にリセットするようにしてもよい。
なお、本実施形態では、第一特別図柄と1:1で対応する第一装飾図柄と、第二特別図柄と1:1で対応する第二装飾図柄と、第一装飾図柄及び第二装飾図柄の両方に関連付けられ第一特別図柄及び第二特別図柄に対応する共通の装飾図柄列(以下、「共通装飾図柄列」と称す)とが表示されるようになっている。第一装飾図柄及び第二装飾図柄は、マル、バツ、サンカク等の図形の組合せで構成されており、確変大当り図柄である組合せ、非確変大当り(通常大当り)である組合せ、小当りである組合せ、及びハズレである組合せ等が予め設定されている。つまり、変動表示パターンが当りパターンであれば、第一装飾図柄の確変大当り図柄として設定された複数の組合せ、または非確変大当り図柄として設定された複数の組合せ、のうち何れかの組合せ図柄を停止図柄として決定する。
続いて、周辺制御MPUは、予告判定乱数に基づいて予告演出を実行するか否かの判別を行う予告選択処理を実行した後(ステップS1227)、変動表示パターンと、予告種類格納領域に記憶される予告パターンと、ステップS1225,S1226,S1227で決定した共通装飾図柄列の停止図柄とに応じた表示コマンドをセットする(ステップS1228)。そして、処理選択フラグを「1」に更新して処理を終了する(ステップS1229)。なお、ステップS1228でセットされた表示コマンドは、情報出力処理(ステップS1500)にて液晶制御基板4150に送信され、液晶制御基板4150の液晶制御MPUにより当該表示コマンドを受信したことに基づいてパネル側演出表示装置1900にて装飾図柄の変動表示の実行を開始する。
また、ステップS1228で予告種類格納領域に記憶される予告パターンを読み出した時には、当該予告パターンを読み出した後、予告種類格納領域の内容をクリアする。これにより、次回の装飾図柄の変動表示にて誤って以前の装飾図柄の変動表示を開始する時に決定した予告パターンにもとづく予告演出が実行されることを防止できる。
[4−1.主制御基板での遊技に関する機能的構成]
続いて、主制御基板によって制御される特別図柄等の遊技に関する機能的な構成について、図34乃至図37を参照して説明する。図34は主制御基板での第一大当り抽選に関する機能的な構成を示すブロック図である。図35は主制御基板での第二大当り抽選に関する機能的な構成を示すブロック図である。図36は第一大当り抽選及び第二大当り抽選における抽選結果に応じて発生する有利遊技状態に関する機能的構成を示すブロック図である。図37は主制御基板での普通抽選に関する機能的な構成を示すブロック図である。
図34に示すように、主制御基板4100には、第一大当り抽選に関する構成として、第一当り判定用テーブル4501、第一当り図柄用テーブル4502、第一当り時変動時間設定用テーブル4503、及び第一ハズレ時変動時間設定用テーブル4504が予め記憶されており、これらのテーブル4501〜4504を基に、第一大当り抽選における抽選の当否、第一特別図柄表示器1185における停止図柄、及び変動時間が決定される。第一当り判定用テーブル4501は、大当り判定用乱数値と大当りまたは小当りの当否との関係を示すものであり、通常時と高確率時とで当選となる割合が異なっている。また、第一当り図柄用テーブル4502は、大当り図柄用乱数値と第一特別図柄表示器1185における停止図柄との関係を示すものであり、大当り図柄用乱数値を複数のグループに区分した夫々の範囲と二つのLED(第一特別図柄)の点灯状態との対応付けがなされている。
また、第一当り時変動時間設定用テーブル4503は、第一大当り抽選における当否の結果が大当りまたは小当りの場合に用いられ、抽出される第一変動時間用乱数と第一特別図柄表示器1185における第一特別図柄の変動時間との関係を示すものであり、第一ハズレ時変動時間設定用テーブル4504は、第一大当り抽選における当否の結果がハズレの場合に用いられ、抽出される第一変動時間用乱数と第一特別図柄表示器1185における第一特別図柄の変動時間との関係を示すものである。なお、通常時のテーブル及び高確率時のテーブルのうち、何れか一方のテーブルを遊技状態に基づいて選択する処理が第一抽選用確率選択手段4505によって行われる。また、図示していないが、第一当り図柄用テーブル4502には、確率変動大当り用のテーブル、特殊当り用のテーブル、通常大当り用のテーブル、及び小当り用のテーブルが夫々備えられており、後述する第一当否決定手段4506によって決定された当選の種別に対応したテーブルが選択されるようになっている。
また、主制御基板4100には、第一始動口センサ3022によって第一始動口2101への入賞が検出された時、ランダムカウンタ(乱数発生手段)から、大当り判定用乱数を抽出する第一当り判定用乱数抽出手段4507と、大当り図柄用乱数を抽出する第一当り図柄用乱数抽出手段4508とが設けられている。また、判定用乱数及び大当り図柄用乱数を基に変動時間用乱数を抽出する第一変動時間用乱数抽出手段4509が設けられている。また、第一当り判定用乱数抽出手段4507によって大当り判定用乱数が抽出されると、第一当り判定用テーブル4501を用いて大当りの当否を決定する第一当否決定手段4506、及び第一当り図柄用乱数抽出手段4508によって大当り図柄用乱数が抽出されると、第一当り図柄用テーブル4502を用いて第一特別図柄表示器1185における停止図柄を決定する第一停止図柄決定手段4510が設けられている。
更に、第一変動時間用乱数抽出手段4509によって変動時間用乱数が抽出され、且つ第一当否決定手段4506によって大当りであることが決定されると、第一当り時変動時間設定用テーブル4503を用いて第一特別図柄の変動時間を決定し、一方、変動時間用乱数が抽出され、且つ第一当否決定手段4506によってハズレであることが決定されると、第一ハズレ時変動時間設定用テーブル4504を用いて第一特別図柄の変動時間を決定する第一変動時間決定手段4511が設けられている。
また、主制御基板4100には、第一特別図柄表示器1185において第一特別図柄の変動を開始すると共に、第一変動時間決定手段4511によって決定された変動時間の経過後、第一停止図柄決定手段4510によって決定された停止図柄で変動停止させる特別図柄変動制御手段4512と、第一特別図柄の変動開始前に、第一当否決定手段4506によって決定された大当りの有無に関する当否コマンド、及び第一特別図柄の変動態様(時間)に対応する変動表示コマンドを含む制御コマンドを発信するコマンド発信手段4513が設けられている。
更に、主制御基板4100には、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第一始動口センサ3022によって第一始動口2101への入賞が検出された場合、一定球数(4回)を上限として第一始動記憶数をカウントし記憶すると共に、第一特別図柄の変動表示を始動記憶数分だけ繰返し行わせる第一保留消化手段4514が設けられている。換言すれば、第一始動口センサ3022による遊技球の検出に基づく第一処理の実行を待機させる第一保留消化手段4514が設けられている。第一保留消化手段4514について更に詳細に説明すると、第一保留消化手段4514には、第一保留制御手段4514a及び第一消化制御手段4514bが設けられており、第一保留制御手段4514aは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第一始動口センサ3022によって第一始動口2101への入賞が検出された場合、第一始動記憶数が上限値「4」に到達していなければ、第一始動記憶数の値を「1」増やすと共に、第一大当り判定用乱数及び第一大当り図柄用乱数を抽出し、抽出された各乱数を、第一特別図柄用乱数記憶手段4515(図38を参照)の中の、一番上位の記憶領域に格納する。
一方、第一消化制御手段4514bは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動が停止し、新たな第一特別図柄の変動が可能になった場合、第一特別図柄に関する始動記憶数が「0」でなければ、始動記憶数[1]に対応する記憶領域から第一大当り判定用乱数及び第一大当り図柄用乱数を読み出すと共に、第一始動記憶数の値を「1」減らし、且つ、各記憶領域nに記憶されている各乱数値を、n−1の記憶領域にシフトさせる。
また、主制御基板4100には、図35に示すように、第二大当り抽選に関する構成として、第二当り判定用テーブル4521、第二当り図柄用テーブル4522、第二当り時変動時間設定用テーブル4523、及び第二ハズレ時変動時間設定用テーブル4524が予め記憶されており、これらのテーブル4521〜4524を基に、第二大当り抽選における抽選の当否、第二特別図柄表示器1186における停止図柄、及び変動時間が決定される。なお、各テーブルの構成は、第一大当り抽選における各テーブルの構成と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、主制御基板4100には、第二始動口センサ2109によって第二始動口2102への入賞が検出された時に第二大当り抽選に関する大当り判定用乱数を抽出する第二当り判定用乱数抽出手段4525と、第二大当り抽選に関する大当り図柄用乱数を抽出する第二当り図柄用乱数抽出手段4526と、判定用乱数及び大当り図柄用乱数を基に変動時間用乱数を抽出する第二変動時間用乱数抽出手段4527とが設けられている。また、第二当り判定用乱数抽出手段4525によって大当り判定用乱数が抽出されると、第二当り判定用テーブル4521を用いて大当りの当否を決定する第二当否決定手段4528、及び第二当り図柄用乱数抽出手段4526によって大当り図柄用乱数が抽出されると、第二当り図柄用テーブル4522を用いて第二特別図柄表示器1186における停止図柄を決定する第二停止図柄決定手段4529が設けられている。
更に、第二変動時間用乱数抽出手段4527によって変動時間用乱数が抽出され、且つ第二当否決定手段4528によって大当りであることが決定されると、第二当り時変動時間設定用テーブル4523を用いて第二特別図柄の変動時間を決定し、一方、変動時間用乱数が抽出され、且つ第二当否決定手段4528によってハズレであることが決定されると、第二ハズレ時変動時間設定用テーブル4524を用いて第二特別図柄の変動時間を決定する第二変動時間決定手段4530が設けられている。なお、第二当否決定手段4528は、当選制限手段4528aを備えており、遊技者に特定の利益を付与しない大当りである「特殊大当り」については、発生しないように制限を加えている。
また、特別図柄変動制御手段4512は、第二特別図柄表示器1186において第二特別図柄の変動を開始すると共に、第二変動時間決定手段4530によって決定された変動時間の経過後、第二停止図柄決定手段4529によって決定された停止図柄で変動停止させる。更に、主制御基板4100には、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第二始動口センサ2109によって第二始動口2102への入賞が検出された場合、一定球数(4回)を上限として第二始動記憶数をカウントし記憶すると共に、第二特別図柄の変動表示を始動記憶数分だけ繰返し行わせる第二保留消化手段4531が設けられている。換言すれば、第二始動口センサ2109による遊技球の検出に基づく第二処理の実行を待機させる第二保留消化手段4531が設けられている。
この第二保留消化手段4531について更に詳細に説明すると、第二保留消化手段4531には、第二保留制御手段4531a及び第二消化制御手段4531bが設けられており、第二保留制御手段4531aは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第二始動口センサ2109によって第二始動口2102への入賞が検出された場合、第二始動記憶数が上限値「4」に到達していなければ、第二始動記憶数の値を「1」増やすと共に、第二大当り判定用乱数及び第二大当り図柄用乱数を抽出し、抽出された各乱数を、第二特別図柄用乱数記憶手段4532(図38を参照)の中の、一番上位の記憶領域に格納する。一方、第二消化制御手段4531bは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動が停止し、新たな第二特別図柄の変動が可能になった場合、第二特別図柄に関する始動記憶数が「0」でなければ、始動記憶数[1]に対応する記憶領域から第二大当り判定用乱数及び第二大当り図柄用乱数を読み出すと共に、第二始動記憶数の値を「1」減らし、且つ、各記憶領域nに記憶されている各乱数値を、n−1の記憶領域にシフトさせる。
また、主制御基板4100には、図36に示すように、第一当否決定手段4506または第二当否決定手段4528による抽選結果を基に、遊技者に有利な遊技状態を付与する五つの有利遊技状態制御手段を備えている。ここで、有利な遊技状態には、開閉部材2107を開放し、大入賞口2103に対して遊技球の入賞を可能とすることが含まれており、特定利益付与手段4540または所定利益付与手段4541の何れか一方によってアタッカユニット2100のアタッカソレノイド2108によって開閉部材2107が開放制御されるようになっている。
更に詳しく説明すると、所定利益付与手段4541は、開閉部材2107の一回当りの開放時間を、数個(例えば1〜2個)の遊技球が辛うじて入賞できる程度の第一所定時間とすると共に、開閉部材2107の開閉動作を少なくとも一回以上(本例では二回)行うことで、遊技者に所定の利益を付与するものである。これにより、所定数の遊技球を大入賞口2103に入賞させることが可能になるが、入賞可能な個数は極めて少ないため、遊技者が受ける利益は比較的少ないものとなる。一方、特定利益付与手段4540は、開閉部材2107の一回当りの開放時間を、複数個(例えば10個)の遊技球がゆとりを持って入賞できる程度の第二所定時間とすると共に、開閉部材2107の開閉動作を、所定の利益を付与する場合の開閉動作の回数よりも多い回数(本例では7回)行うことで、遊技者に特定の利益を付与するものである。これにより、多数の遊技球を大入賞口2103に入賞させることが可能になり、遊技者は大きな利益を得ることができる。
そして、主制御基板4100には、特定利益付与手段4540によって特定の利益を付与させる手段として、第一有利遊技状態制御手段4542及び第二有利遊技状態制御手段4543が設けられ、所定利益付与手段4541によって所定の利益を付与させる手段として、第三有利遊技状態制御手段4544、第四有利遊技状態制御手段4545、及び第五有利遊技状態制御手段4546が設けられている。
第一有利遊技状態制御手段4542によって発生する第一有利遊技状態は、所謂「確率変動大当り」であり、第一当否決定手段4506または第二当否決定手段4528の抽選結果が第一結果の場合に発生する。この当りになると、特定利益付与手段4540によって特定の利益を付与すると共に、高確率状態設定手段4547によって、その後の抽選で特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定する。つまり、高確率である確率変動状態とする。なお、本例では、高確率時の大当り判定テーブルでは、0〜498までの499個の大当り判定用乱数のうち、大当り遊技状態を発生させることが決定される大当り判定値が、60個設定され、大当りとなる確率である大当り確率が60/499となっている。一方、通常時の大当り判定テーブルでは、0〜498までの499個の大当り判定用乱数のうち大当り判定値が6個設定され、大当り確率が6/499となっている。
また、第一有利遊技状態では、第一時短状態設定手段4548によって、第一特別図柄表示器1185または第二特別図柄表示器1186で変動する第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間を短くすると共に、第一特別図柄または第二特別図柄の変動回数が所定回数に達するまで、第二始動口2102の可動片2106が開閉動作される頻度(すなわち普通抽選において当選となる確率)を高くすることによって第二始動口2102への入賞のし易さを通常時よりも増加させる。つまり、時短遊技状態とする。
第二有利遊技状態制御手段4543によって発生する第二有利遊技状態は、所謂「通常大当り」であり、第一当否決定手段4506または第二当否決定手段4528の抽選結果が第二結果の場合に発生する。この当りになると、特定利益付与手段4540によって特定の利益が付与される点は第一有利遊技状態と同様であるが、この当りの場合には、その後の抽選で特定の利益が付与される確率は低確率のままである。つまり、確率変動状態にはならず、通常時の確率が維持される。なお、この第二有利遊技状態においても、特定の利益を付与した後、第一特別図柄または第二特別図柄の変動回数が所定回数になるまでの間、第一時短状態設定手段4548によって時短遊技状態になり、第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間を短くすると共に、可動片2106が開閉動作される頻度(すなわち普通抽選において当選する確率)を高くすることによって遊技球の球持ちを抑制する。
第三有利遊技状態制御手段4544によって発生する第三有利遊技状態は、所謂「特殊大当り」であり、第一当否決定手段4506の抽選結果が第三結果の場合に発生する。この当りでは、まず、所定利益付与手段4541によって遊技者に所定の利益(特定の利益よりも有利性の低い利益)を付与する。そして、その後の抽選に対しては、特定の利益が付与される確率を高くする。すなわち、第一有利遊技状態と同様、確率変動状態とする。ただし、時短遊技状態については、この有利遊技状態を発生させる前の遊技状態が所定の条件を満足する場合に限って発生させるようにしている。つまり、確率変動状態ではなく、且つ時短遊技状態でもない場合に第三有利遊技状態が発生した場合には、時短遊技状態を発生させることなく、確率変動状態としている。一方、遊技状態が確率変動状態であるか、または時短遊技状態である場合に、第三有利遊技状態が発生すると、第二時短状態設定手段4549を作動させ、時短遊技状態を発生させるようにしている。
第四有利遊技状態制御手段4545によって発生する第四有利遊技状態は、第一当否決定手段4506の抽選結果が第四結果の場合に発生する。この当りでは、第三有利遊技状態と同様、所定利益付与手段4541によって遊技者に所定の利益を付与する。ただし、その後の抽選に対しては、新たに確率変動状態を発生させない。なお、時短遊技状態については、遊技状態に基づいて付加されるか否かが決定される。
第五有利遊技状態制御手段4546によって発生する第五有利遊技状態は、第一当否決定手段4506の抽選結果が第五結果の場合に発生する。この当りでは、所定利益付与手段4541によって遊技者に所定の利益を付与すること、及び高確率状態設定手段4547によって所定の利益を付与することは、第三有利遊技状態と同様であるが、この有利遊技状態では、時短遊技状態でない場合に第三有利遊技状態が発生した場合には、時短遊技状態を発生させることなく、確率変動状態としている。一方、遊技状態が時短遊技状態である場合に、第三有利遊技状態が発生すると、第二時短状態設定手段4549を作動させ、時短遊技状態を発生させるようにしている。
なお、本例では、夫々の大当りにおける当選の割合を、第一当否決定手段4506の場合と、第二当否決定手段4528とで、互いに異なるように振分けている。具体的には、第一当否決定手段4506の抽選結果では、第一有利遊技状態制御手段4542によって発生する第一大当り、すなわち確率変動状態及び一定回数の時短遊技状態が何れも付与される確率変動大当りを、大当り全体の22%に設定し、第二有利遊技状態制御手段4543によって発生する第二大当り、すなわち確率変動状態が付与されることなく一定回数の時短遊技状態が付与される通常大当りを45%に設定している。
また、第三有利遊技状態制御手段4544によって発生する第三大当り、すなわち確率変動状態と、条件付きの時短遊技状態が付与される特殊大当りを11%に設定し、第四有利遊技状態制御手段4545によって発生する第四大当り、すなわち確率変動状態が付与されることなく条件付きの時短遊技状態が付与される特殊大当りを11%に設定し、第五有利遊技状態制御手段4546によって発生する第五大当り、すなわち確率変動状態と、条件付きの時短遊技状態が付与される特殊大当りを11%に設定している。
一方、第二当否決定手段4528の抽選結果では、第一有利遊技状態制御手段4542によって発生する第一大当りを、大当り全体の44%に設定し、第二有利遊技状態制御手段4543によって発生する第二大当りを56%に設定している。そして、第二当否決定手段4528では、特殊大当り、すなわち第三大当り、第四大当り、及び第五大当りに関しては発生しないように設定されている。このため、特定の利益が付与されることなく確率変動状態が終了してしまうことを確実に防止でき、突然の降格によって遊技意欲が大幅に低下することを抑制できる。
また、第一大当り〜第五大当りのうち、特定の利益を付与する第一大当りまたは第二大当りとなる割合は、第二当否決定手段4528の方が高くなることから、主に通常時に行われる第一当否決定手段4506による大当り抽選では、アタッカユニット2100における開閉部材2107の開放を比較的頻繁に行わせながらも、特定の利益が付与される大当りの発生をある程度制限することが可能となる。一方、時短遊技状態の時に実質的に有効となる第二当否決定手段4528による大当り抽選では、特定の利益が付与される可能性が高くなるため、確率変動状態を有さない通常大当りであっても、遊技意欲の低下を抑制することができる。
ところで、主制御基板4100には、図37に示すように、普通抽選(第二始動口2102への入賞のし易さを高めるための抽選)に関する構成として、普通当り判定用乱数抽出手段4551、普通当り判定用テーブル4552、及び普通当否決定手段4553が設けられている。普通当り判定用乱数抽出手段4551は、ゲートセンサ2352によってゲート部2350への遊技球の通過が検出された時、ランダムカウンタ(乱数発生手段)から、普通当り判定用乱数を抽出するものである。また、普通当り判定用テーブル4552は、高確率時のテーブルと通常時のテーブルとに分かれており、高確率時の普通当り判定テーブルでは、0〜250までの251個の普通当り判定用乱数のうち、普通当りとなる判定値が250個設定され、普通当りとなる確率が250/251となっている。
一方、通常時の普通当り判定テーブルでは、0〜250までの251個の普通当り判定用乱数のうち、普通当りとなる判定値が1個設定され、普通当りとなる確率が1/251となっている。また、高確率時の普通当り抽選では、普通図柄の変動時間が13.56秒に設定され、始動口ソレノイド2105による可動片2106の開放時間が1180ms、開放回数が3回、開放間のインターバルが512msに設定されている。一方、通常時の普通当り抽選では、普通図柄の変動時間が平均13.6秒に設定され、可動片2106の開放時間が180ms、開放回数1回に設定されている。
また、普通当否決定手段4553は、普通当り判定用乱数抽出手段4551によって普通当り判定用の乱数が抽出されると、抽出された乱数と普通当り判定用テーブル4552に記憶された普通当り判定値とを比較して、一致している場合に普通当りであると決定する。なお、この際、遊技状態判定手段4554によって、遊技状態が特定の遊技状態、すなわち時短遊技状態か否かが判別され、時短遊技状態である場合には高確率時のテーブルが選択され、時短遊技状態でない場合には通常時のテーブルが選択される。このため、第一有利遊技状態制御手段4542によって発生する第一大当りの場合であっても、一定回数の時短遊技状態が終了すると、高確率時のテーブルから通常時のテーブルに切替えられるようになっている。
また、主制御基板4100には、普通当否決定手段4553によって普通抽選の当否が決定されると、普通図柄表示器1189に普通図柄を変動表示させると共に、変動時間(約14秒または約1秒)の経過後、当否の結果を表示させる普通図柄変動制御手段4555が設けられている。また、普通当否決定手段4553による判別の結果、普通当りが確定した場合、普通図柄の変動停止後、可動片2106を開放させ、遊技球を第二始動口2102に入賞し易くする開放制御手段4556が設けられている。
[4−1A.主基板による遊技内容]
次に、主制御基板4100や賞球制御基板4110等を備えた主基板4000による遊技内容について説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠5の右下に配置されたハンドル操作部322aを遊技者が回転操作することで、球循環通路230内にある遊技球が、遊技領域1100内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始されるようになっている。遊技領域1100内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2300の上側の左側或いは右側の遊技領域1100内を流下するようになっている。
なお、遊技球の打込強さは、ハンドル操作部322aの回転量を回転位置検知センサ512で検知した上で、回転位置検知センサ512からの検知信号に基いて打球発射装置210における発射ソレノイド211の駆動強さが制御されるようになっており、時計回りの方向へ回転させるほど強く打ち込むことができるようになっている。また、遊技領域1100内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル1150の前面に植設されており、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。
センター役物2300の上部へ打ち込まれた遊技球が、左右方向の略中央から左側を流下してセンター役物2300の上棚部2301へ到達すると、上棚部2301によってセンター役物2300の左側の領域へと誘導される。そして、センター役物2300の左側を流下する遊技球が、センター役物2300の左側に配置されたゲート部2350に進入してゲートセンサ2352により検出されると、普通抽選結果としての普通当り判定用乱数が抽出される。そして、その普通当り判定用乱数に基いて、機能表示ユニット1180における普通図柄表示器1189の普通図柄が変動表示(一つのLEDからなる普通図柄表示器1189が、赤色、緑色、橙色に交互に発光)され、所定時間(例えば、2秒〜30秒の間)経過後に抽出され普通当り判定用乱数(普通抽選結果)に基いた普通図柄が停止表示(普通図柄表示器1189が赤色又は緑色の何れかに発光)される。この普通図柄の変動表示は、普通当り判定用テーブル4552(普通図柄変動パターン選択テーブル)から選択された普通図柄変動パターンに基いて行われるようになっている。
詳しくは、抽選された普通乱数が「普通当り」乱数の場合、当りを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1189が緑色に発光)され、抽選された普通乱数が「普通ハズレ」乱数の場合、ハズレを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1189が赤色に発光)されるようになっている。そして、当りを示唆する普通図柄が停止表示されると、第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2106が所定開放時間(例えば、0.3秒〜3秒の間)拡開する動作を所定回数(例えば、1〜3回)繰返し、第二始動口2102へ遊技球が入賞できるようになっている。
なお、普通図柄の変動時間や第二始動口2102における可動片2106の拡開時間については、第一当り判定用乱数や第二当り判定用乱数(特別抽選結果)に応じて変化させるようになっており、特別抽選結果として、「時短当り(普通時短当り、高確率時短当り、等を含む)」が抽出された場合に、その変動時間や拡開時間を短い時間に変更するために、普通当り判定用テーブル4552を普通時のテーブルから高確率時のテーブルに差替えられるようになっている。
なお、本例のパチンコ機1では、センター役物2300の上側において、左右方向中央から左側には遊技球が流下可能な領域が備えられているものの、中央から右側は遊技領域1100の外周に沿って下方へ延びる円弧状の領域が備えられており、この領域に遊技球が進入するとゲート部2350やワープ入口2302へ遊技球が進入する機会を得ることなくセンター役物2300の下側へ送られてしまい、チャンスが少なくなると共に遊技球の動きがあまり楽しめなくなるようになっている。従って、遊技者は、遊技球がセンター役物2300の上側において左右方向中央から左側の領域を流下するように、ハンドル操作部322aの回転量を適宜調整して遊技することとなり、闇雲に遊技球を強く打ち込むような遊技操作を抑制して、パチンコ機1本来のハンドル操作部322aの操作による遊技を楽しませて興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
ところで、本例では、普通図柄表示器1189において普通図柄が変動表示中に、ゲートセンサ2352で遊技球の通過が検出されると、変動中の普通図柄停止して先に発生・抽出された普通乱数の結果が確定するまでの間、ゲートセンサ2352からの検出信号に基いて抽出された普通当り判定用乱数(普通図柄変動パターンを含む)を一時的に記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された普通当り判定用乱数の数(保留数とも言う)を、普通図柄記憶表示器1188で表示するようになっている。この普通図柄記憶表示器1188は、四つのLEDからなっており、点灯する各LEDの数によって記憶数を示唆するようになっており、本例では、四つまで記憶して保留数を表示するようになっている。なお、保留数が四つを越えた場合は、ゲートセンサ2352の検出信号に基いて抽出された普通当り判定用乱数が破棄されるようになっている。
また、遊技領域1100内へ打ち込まれセンター役物2300の左側を流下した遊技球は、サイド入賞口部材2200の棚部2202,2203,2204によってセンター役物2300の下側で遊技領域1100の中央側へ寄せられるようになっている。そして、センター役物2300の下方に配置された一般入賞口2104,2101に遊技球が入賞して、一般入賞口センサ3020に検出されると、その検出信号に基いて主制御基板4100では賞球制御基板4110に対して所定の賞球コマンドを送信し、その賞球コマンドに応じて賞球制御基板4110が遊技者の持ち球数を増加させるように処理する。
なお、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球が、一般入賞口2104,2101、第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103の何れにも入賞しなかった場合、遊技領域1100の左右方向中央下端に設けられたアウト口1151から遊技領域外に排出されて、遊技盤4の後側を通って球循環通路230により回収されるようになっている。また、遊技球が、一般入賞口2104,2101、第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103の何れに入賞しても、入賞した遊技球は、遊技領域1100内へ戻されること無く遊技盤4の後側を通って球循環通路230により回収されるようになっている。
一方、センター役物2300の左側を流下する遊技球が、センター役物2300の左側側面に開口するワープ入口2302へ進入すると、センター役物2300のステージ2310における後側の第一ステージへと供給されるようになっている。そして、第一ステージ上へ供給された遊技球は、第一ステージ上を左右方向へ転動して、前方へと放出されて第二ステージ上へと供給される。この第二ステージでも遊技球が左右方向へ転動してアタッカユニット2100の上方の遊技領域1100内へ放出される。このステージ2310へ供給された遊技球が、第一ステージにおける中央のチャンス入口2313へ進入すると、アタッカユニット2100における第一始動口2101の直上に配置されたチャンス出口2314から遊技領域1100内へ放出され、遊技球が高い確率で第一始動口2101へと受入れられるようになっている。そして、遊技球が第一始動口2101に受入れられて第一始動口センサ3022に検出されると、主制御基板4100では賞球制御基板4110に対して所定の賞球コマンドを送信し、その賞球コマンドに応じて賞球制御基板4110が遊技者の持ち球数を増加(例えば、3個増加)させるように処理する。
なお、本例のパチンコ機1では、第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103が、上下方向に並んで配置されているので、ステージ2310から放出される遊技球が、高い確率で第一始動口2101等に受入れられるようになっており、第二始動口2102や大入賞口2103が受入可能な時に、遊技球がステージ2310やチャンス出口2314から放出されると受入れられる可能性が高いので、第一始動口2101だけでなく第二始動口2102や大入賞口2103に対しても、遊技球の受入れに関する期待感を持たせて興趣を高めることができるようになっている。
ところで、遊技球がゲート部2350へ進入してゲートセンサ2352により検出されて普通抽選結果として「普通当り」が抽選されると、上述したように、第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2106が所定時間拡開して入賞可能となり、その入賞可能となった時に、遊技球が第二始動口2102へ受入れられて第二始動口センサ2109に検出されると、主制御基板4100では賞球制御基板4110に対して所定の賞球コマンドを送信し、その賞球コマンドに応じて賞球制御基板4110が遊技者の持ち球数を増加(例えば、4個増加)させるように処理する。
また、主制御基板4100では、これら第一始動口2101、第二始動口2102に遊技球が入賞して、第一始動口センサ3022、第二始動口センサ2109に検出されると、第一始動口2101では所定の第一当り判定用乱数の抽出が、第二始動口2102では所定の第二当り判定用乱数の抽出が、夫々行われる。そして、抽出された当り判定用乱数に基いて、機能表示ユニット1180の対応する第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186に表示された特別図柄の変動表示が開始された後に、抽出された当り判定用乱数と対応する特別図柄が特別抽選結果として停止表示されるようになっている。これら第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186において、「大当り」を示唆する態様で特別図柄が停止表示されると、アタッカユニット2100の開閉部材2107が、所定のパターンで開閉動作する特別有利遊技状態(例えば、大当り遊技)が発生し、その間に大入賞口2103へ遊技球を入賞させることで、より多くの遊技球を獲得できるようになっている。なお、一つの遊技球が大入賞口2103へ入賞すると、主制御基板4100では賞球制御基板4110に対して所定の賞球コマンドを送信し、その賞球コマンドに応じて賞球制御基板4110が遊技者の持ち球数を増加(例えば、13個増加)させるように処理する。
なお、これら第一始動口2101、第二始動口2102においても、ゲート部2350への遊技球の進入による普通図柄の変動表示と同様に、第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186において特別図柄が変動表示中、又は、特別有利遊技状態としての大当り遊技中等の特別図柄を変動表示さることができない時に、始動口2101,2102へ遊技球が入賞して第一始動口センサ3022、第二始動口センサ2109で検出されると、特別図柄の変動表示が可能となるまでの間、第一始動口センサ3022、第二始動口センサ2109からの検出信号に基いて抽出された第一当り判定用乱数や第二当り判定用乱数を記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された当り判定用乱数の保留数を、第一特別図柄記憶表示器1184や第二特別図柄記憶表示器1187において表示するようになっている。これら第一特別図柄記憶表示器1184や第二特別図柄記憶表示器1187は、夫々二つのLEDからなっており、消灯・点灯・点滅する各LEDの発光状態の組合せによって記憶数を示唆するようになっており、本例では、夫々四つまで記憶して表示するようになっている。なお、保留数が四つを越えた場合は、抽出された当り判定用乱数が破棄されるようになっている。
また、主制御基板4100では、第一始動口センサ3022、第二始動口センサ2109の検出に基いて抽出された第一当り判定用乱数や第二当り判定用乱数の当り判定用乱数を、予め決められた所定の当り判定用テーブル4501,4521(特別図柄変動パターンテーブルとも称す)と照合することで、その当り判定用乱数が、「ハズレ」、「小当り」、「大当り」の何れであるかが判別されると共に、「大当り」について、「2R大当り」、「15R大当り」の何れかであるかも判別されるようになっている。また、当り判定用テーブル4501,4521によって、「確変時短無し当り」「確変当り」、「時短当り」、「確変時短当り」等も判別されるようになっている。
そして、第一始動口2101、第二始動口2102への遊技球の始動入賞を契機として抽出(抽選)された第一当り判定用乱数や第二当り判定用乱数が(特別抽選結果が)、「小当り」の場合、主制御基板4100は、アタッカユニット2100の開閉部材2107を、所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間開状態として閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、2回)繰返すようになっている。
一方、抽出された第一当り判定用乱数や第二当り判定用乱数が、「大当り」の場合、主制御基板4100は、アタッカユニット2100の開閉部材2107を開状態とした後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口2103に入賞の何れかの条件が充足すると開閉部材2107を閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返すようになっており、「2R大当り」であれば2ラウンド、「15R大当り」であれば15ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させるようになっている。なお、所定ラウンド数の終了後に、「大当り」については、抽出された当り判定用乱数に応じて当り判定用テーブルを高確率のテーブルに変更するようになっている。また、当り判定用乱数に応じて、時短状態としたり時短状態を解除したりするために、変動時間設定用テーブル4503,4504,4523,4524を適宜変更するようになっている。
[4−2.周辺制御基板での遊技に関する機能的構成]
続いて、周辺制御基板4140での第一装飾図柄、第二装飾図柄、及び共通装飾図柄列を含む遊技に関する機能的な構成について、図38を参照して説明する。図38は周辺制御基板(主に周辺制御基板4140、液晶制御基板4150)での演出に関する機能的な構成を示すブロック図である。
本例の周辺制御基板4140には、図38に示すように、主制御基板4100から送信された制御情報コマンドがコマンド受信手段4560によって受信されると、これを基にパネル側演出表示装置1900を制御するための各種機能が備えられている。すなわち、第一大当り抽選に対応する演出用テーブルとして、第一当り時演出態様テーブル4561と、第一ハズレ時演出態様テーブル4562とが予め記憶されており、これらのテーブル4561,4562を基に、ステップ演出及び発展演出等における演出態様が決定されるようになっている。
まず、演出態様テーブル4561,4562について詳細に説明する。第一当り時演出態様テーブル4561は、大当り(又は小当り)の場合に用いられ、演出決定用乱数(後述する)と、演出態様(ここではステップ演出や発展演出における演出パターン)との関係を示すものである。また、第一ハズレ時演出態様テーブル4562は、ハズレの場合に用いられるテーブルであり、演出決定用乱数と演出パターンとの関係を示すものである。
この周辺制御基板4140には、ランダムカウンタ(図示しない)から演出決定用乱数を抽出する第一演出用乱数抽出手段4563と、演出パターンを決定する第一演出態様決定手段4564とが設けられている。第一演出態様決定手段4564は、コマンド受信手段4560を介して制御コマンドを受信すると、第一演出用乱数抽出手段4563によって演出用乱数を抽出すると共に、制御コマンドに含まれる当否コマンドが大当り(又は小当り)を示すものである場合には、第一演出用乱数抽出手段4563によって抽出された演出用乱数と、第一当り時演出態様テーブル4561とから演出パターンを決定し、一方、当否コマンドがハズレを示すものである場合には、第一演出用乱数抽出手段4563によって抽出された演出用乱数と、第一ハズレ時演出態様テーブル4562とから演出パターンを決定するものである。
この第一演出態様決定手段4564によって決定された演出パターンは、演出パターン記憶手段(図示しない)から抽出されると共に、第一演出表示制御手段4565に送られる。第一演出表示制御手段4565は、それらの演出の画像を画像記憶手段(キャラROM4150d)から読出しパネル側演出表示装置1900に導出する。
一方、第一装飾図柄の演出に関する機能的な構成として、第一装飾図柄変動制御手段4566が設けられている。第一装飾図柄変動制御手段4566は、コマンド受信手段4560によって受信された制御コマンドを基に、停止図柄を第一装飾図柄記憶手段(図示しない)から読み出し変動させると共に、その制御コマンドに含まれる変動時間及び当否コマンド等(すなわち抽選結果)に基づいて装飾図柄を停止させるものである。
なお、上記では、第一大当り抽選に関する演出について説明したが、周辺制御基板4140には、第二大当り抽選に関する演出を行うための機能的構成も備えられている。具体的には、第二大当り抽選に対応する演出用テーブルとして、第二当り時演出態様テーブル4567と、第二ハズレ時演出態様テーブル4568とが予め記憶されており、これらのテーブル4567,4568を基に、ステップ演出や発展演出における演出態様が決定されるようになっている。演出態様テーブル4567,4568は、第一大当り抽選に対応する演出態様テーブル4561,4562と同様の構成であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、周辺制御基板4140には、第二大当り抽選に対応して、第二演出用乱数抽出手段4569、第二演出態様決定手段4570、第二演出表示制御手段4571、及び第二装飾図柄変動制御手段4572が設けられているが、これらの構成も第一大当り抽選に対応する機能的構成と同様の機能を有することから、詳細な説明を省略する。
また、周辺制御基板4140には、装飾図柄列変動表示手段4573及び大当り表示手段4574が設けられている。装飾図柄列変動表示手段4573は、第一装飾図柄変動制御手段4566及び第二装飾図柄変動制御手段4572の出力を基に、或いは、コマンド受信手段4560によって受信された制御コマンドを基に、共通装飾図柄列を変動させると共に、その制御コマンドに含まれる変動時間及び当否コマンド等(すなわち抽選結果)に基づいて共通装飾図柄列を順に停止させるものである。特に、複数の共通装飾図柄列のうち最後に停止される最終停止図柄列が停止する前の段階で、有効ライン上で既に停止している装飾図柄(停止図柄)の組合せが、特定の装飾図柄の組合せを充足する場合、既に停止している装飾図柄をリーチ形成図柄として、リーチ状態を成立させる。
また、大当り表示手段4574は、第一大当り抽選または第二大当り抽選の抽選結果が第一大当りまたは第二大当りの場合、すなわち、「確変大当り」または「通常大当り」の場合に、その抽選に係る共通装飾図柄列の変動を停止させた後、「大当り」であることを表示させるものである。なお、第一大当り抽選または第二大当り抽選の抽選結果が第三大当り、第四大当り、または第五大当りである場合には、「当り」であることを表示させることなく、共通装飾図柄列の変動停止後、その抽選に係る演出を終了する。
図39は、枠側演出表示装置312の演出例を示す図である。
同図39に示されるように、この枠側演出表示装置312には、初期画面においては、従来の上皿を模して描写する第1の領域312aと、遊技者の持ち球数(図中は12345発)を表示する第2の領域312bと、遊技者の持ち球をドル箱に換算したときのドル箱の数を模して描写する第3の領域312cと、遊技の状態に応じた演出が行われる第4の領域312dと、タッチ操作によって画面切り替えを行う第5の領域312eと、タッチ操作により会社情報が表示されるロゴ表示が行われる第6の領域312fとに区分けされるかたちでの表示が現れている。
ここで、第1の領域312aでは、例えば、遊技球が打ち込まれる都度、描写されている上皿内の遊技球が減っていく様子が表示されることとなる。なお、この第1の領域312aでは、所定期間毎、若しくは描写されている上皿内の遊技球の数量が所定数を下回ったところで、所定数の遊技球が供給される様子が描写されるようになっている。したがって、第1の領域312a内における描写においても、遊技者が上皿に遊技球を供給すること無しで、遊技球を継続的に打ち込むことができるようになっている。
また、第2の領域312bでは、遊技球が打ち込まれる都度、遊技者の持ち球数が減算される様子が表示され、賞球が得られる都度、その得られた分だけ遊技者の持ち球数が増大される様子が表示される。
また、第3の領域312cでは、遊技者の持ち球数をドル箱に換算したときのドル箱の数が模して描写される。ここでは、遊技者の持ち球数が一定数量減算されたときに、それに応じてドル箱内の遊技球の数を減らす描写を行ったり、ドル箱を減らしたりする処理を行う。また逆に、遊技者の持ち球数が一定数量増大されたときに、それに応じてドル箱内の遊技球の数を増やす描写を行ったり、ドル箱を増やしたりする処理を行う。
また、第4の領域312dでは、所定のキャラクタなどが常に表示されており、このキャラクタに変化が起きるかどうか、といったような比較的ゆっくりとして穏やかな演出が行われる。これにより、パネル側演出表示装置1900における演出に注目させることができるようになる。
また、第5の領域312eでは、タッチ操作のあった場所に応じて、遊技説明が行われる画面や、履歴が表示される画面、各種の出力レベルを個別に設定することのできる画面、前回時の遊技のセーブデータを利用することのできる画面などに、画面が切り替えるようにする部分である。
このように、枠側演出表示装置312は、第4の領域312dを除いて、基本的には、遊技者に対して遊技に関する事実情報を伝達するように機能するものとなっている。ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、主制御基板4100からの大当たり抽選の結果に基づいて、こうした事実情報を、現在状況とは異なる偽情報としてあえて表示することによって、今後、こうして示された偽情報が現実となるように遊技が進行していくのではないか、といった演出性を実現するようにしている。
こうした演出としては、例えば、第1の領域312aにおいて描写されている上皿に対し、大量の遊技球が突然として流れ込むような表示を行うようにすれば、何らかの条件が満たされることによって賞球が付与されることを想起させることができるようになる。また、第4の領域312dに表示されているキャラクタが、第3の領域312cに移動してドル箱を1つ置いていくような描写が行われる演出を行うようにすれば、大当たり遊技が行われることを想起させることができるようになる。また逆に、いくつかのドル箱を溢してその数を減らすような演出を行うようにすれば、期待度の高い状態にないことを示唆することができるようになる。
このように、事実情報をあえて演出に用いるようにすることで、こうした情報に注目させることができるようになり、遊技球が循環されるパチンコ機1にあっても、遊技者に対して自身の遊技成果を定期的に意識する機会を付与することができるようになる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。