JP2016167630A - 光電変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】活性層を配向させた有機光電変換装置を生産する方法を提供する。【解決手段】基板3と、陽極5と、配向層7と、p型層9と、n型層11と、バッファ層13と、陰極15とを備える光電変換装置を生産する方法であって、第1配向性有機物を用いて配向層7を形成する配向層形成ステップST002と、配向層を配向層と平行な面内における第1方向に摩擦する第1摩擦ステップST003と、配向層と平行な面内における第1方向とは異なる第2方向に配向層を摩擦する第2摩擦ステップST004と、活性層を形成する活性層形成ステップST005とを含む、光電変換装置を生産する方法。【選択図】図2

Description

本発明は、光電変換装置を生産する方法、光電変換装置及び光電変換装置の生産装置に関し、特に、第1配向性有機物を有する配向層と入射光を電気に変換する活性層とを有する光電変換装置を生産する方法等に関する。なお、本願において、「配向」とは、複数の分子が特定方向に遷移双極子モーメントをそろえて配列することを指す。
特許文献1には、簡便な方法であるラビング(摩擦)法により導電性高分子を配向させた有機薄膜を有する有機太陽電池が記載されている。
特開2008−078129号公報
特許文献1には、有機太陽電池に関し、ラビングすることにより配向させることの有効性は記載されている。しかしながら、有機光電変換装置の生産方法の選択肢を広げるためには、例えば、具体的な配向方法とエネルギー変換効率との関係を明らかにすることなど、より詳細な研究開発が期待されている。
ゆえに、本発明は、活性層が有する配向性有機物を配向させる新たな方法により有機光電変換装置を生産する方法等を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点は、第1配向性有機物を有する配向層と入射光を電気に変換する活性層とを有する光電変換装置を生産する方法であって、前記第1配向性有機物を用いて前記配向層を形成する配向層形成ステップと、前記配向層を前記配向層と平行な面内における第1方向に摩擦する第1摩擦ステップと、前記配向層と平行な面内における前記第1方向とは異なる第2方向に前記配向層を摩擦する第2摩擦ステップと、第2配向性有機物を用いて前記活性層を形成する活性層形成ステップとを含む、光電変換装置を生産する方法である。
本発明の第2の観点は、第1の観点に記載の光電変換装置を生産する方法であって、前記配向層は、前記第1方向及び前記第2方向を含めて互いに異なるn個の方向(nは2以上の自然数)に摩擦され、前記第1方向と前記第2方向がなす角のうち小さい方の角が180/n[°]である。
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点に記載の光電変換装置を生産する方法であって、前記第1摩擦ステップ及び/又は前記第2摩擦ステップにおいて、不活性ガス雰囲気下で、ダストフリーの布を用いて前記配向層を摩擦する。
本発明の第4の観点は、第1配向性有機物を有する配向層と入射光を電気に変換する活性層とを有する光電変換装置を生産する方法であって、前記第1配向性有機物を用いて前記配向層を形成する配向層形成ステップと、不活性ガス雰囲気下で前記配向層を摩擦する摩擦ステップと、第2配向性有機物を用いて前記活性層を形成する活性層形成ステップとを含む、光電変換装置を生産する方法である。
本発明の第5の観点は、入射光を電気に変換する活性層を有する光電変換装置であって、前記活性層は、前記活性層に平行な面内の第1方向及び前記第1方向とは異なる第2方向に配向している有機物を有することを特徴とする、光電変換装置である。
本発明の第6の観点は、第5の観点に記載の光電変換装置であって、前記配向性有機物は、前記第1方向及び前記第2方向を含めて互いに異なるn個の方向(nは2以上の自然数)に配向しており、前記第1方向と前記第2方向がなす角のうち小さい方の角が180/n[°]であることを特徴とする。
本発明の第7の観点は、入射光を電気に変換する活性層を有する光電変換装置であって、前記活性層は、配向性有機物を含むものであり、前記配向性有機物の吸収ピーク波長を有して前記活性層に垂直な方向から前記活性層に入射する偏光させた単色光に対する前記活性層の吸光度又は前記偏光させた単色光を入射したときの短絡電流密度、内部量子効率、外部量子効率、内部エネルギー変換効率若しくは外部エネルギー変換効率が、前記光の進行方向に対して垂直な面内で前記活性層を回転させたときの回転角度(0°以上360°未満)に対して第1方向及び前記第1方向とは異なる第2方向を含めて極大値を3つ以上有することを特徴とする、光電変換装置である。
本発明の第8の観点は、入射光を電気に変換する活性層を有する光電変換装置であって、前記活性層は、配向性有機物を含むものであり、前記活性層が、第1方向にすじ状に延びたモルフォロジー及び前記第1方向とは異なる第2方向にすじ状に延びたモルフォロジーを有することを特徴とする、光電変換装置である。
本発明の第9の観点は、第5から第8の観点のいずれかに記載の光電変換装置であって、前記第1方向及び前記第2方向に配向している第1配向性有機物を有する配向層をさらに備え、前記配向層は、前記活性層に隣接することを特徴とする。
本発明の第10の観点は、入射光を電気に変換する光電変換装置の生産装置であって、前記光電変換装置が有する配向性有機層を前記配向性有機層と平行な面内の方向に摩擦する摩擦手段と、前記配向性有機層及び/又は前記摩擦手段を相対的に回転させる回転手段とを備える、光電変換装置の生産装置である。
本発明の第11の観点は、第10の観点に記載の光電変換装置の生産装置であって、前記摩擦手段が、ダストフリーの布と、不活性ガス雰囲気下で前記配向性有機層を摩擦するための不活性ガスを付与する不活性ガス付与手段とをさらに備える。
なお、配向層が有する第1配向性有機物と、活性層が有する第2配向性有機物とは、同じ物質であってもよい。
また、光電変換装置を生産する方法は、少なくとも、第1及び第2摩擦ステップの2つの方向に摩擦するものであればよい。例えば、第1摩擦ステップの前、第1摩擦ステップと第2摩擦ステップの間、又は、第2摩擦ステップの後に、他の1つ又は複数の摩擦する処理を含むものであってもよい。
本発明の各観点によれば、活性層の面内の複数の方向(多軸方向)に、第2配向性有機物を配向させることが可能となる。このため、自然光のように複数の方向に電場ベクトル成分を有する光を効率よく吸収し、ひいてはエネルギー変換効率が向上する有機光電変換装置を生産可能となる。
ここで、配向性有機物をあえて複数の方向に配向させることには阻害要因があった。すなわち、従来、一軸方向のみに配向させた場合には、活性層面内において、一定の配向度が得られることは知られている。しかしながら、複数の方向に配向させた場合、活性層面内の配向度が減少し、キャリア移動度(正孔移動度又は電子移動度)が低下するおそれがある。しかも、複数の方向に摩擦することは、従来配向させていた一軸方向の電場ベクトル成分の光の吸光度を低下させるおそれもある。そのため、エネルギー変換効率の観点から不利となるおそれがあった。よって、従来、摩擦を行う際の方向については、好ましくは一軸方向に揃えることがよいとされていた。
これに対し、本発明の発明者らは、一軸方向に配向させた有機物を有する有機光電変換装置と比較して、全体としてエネルギー変換効率を低下させることなく、複数方向に配向させた有機物を有する有機光電変換装置を生産可能であるとの知見を初めて見出したものである。しかも、有機物を配向させない有機光電変換装置と比較して、エネルギー変換効率及び耐久性が向上することを見出した。
上記のとおり、複数方向に配向させた有機物を有する有機光電変換装置は、自然光のように複数方向に偏光した光の吸収において、一軸方向に配向させた有機物を有する有機光電変換装置よりも有利である。そのため、配向性有機物を活性層に有する有機光電変換装置のエネルギー変換効率を向上させることが可能となる。
また、第2配向性有機物が配向する方向を分散させることにより、例えば自然光のように複数の方向の電場ベクトル成分を有する光を効率よく吸収し、エネルギー変換効率が向上する光電変換装置を生産することが容易となる。
さらに、不活性ガス雰囲気下で配向層を摩擦することにより、配向層と活性層の界面を酸素や水に曝すことなく摩擦することが可能となる。このため、エネルギー変換効率が向上する光電変換装置を生産可能となる。
すなわち、摩擦処理に伴って発生する静電気は、秤量の際に粉末を散乱させる等、実験操作の障害となる。また、不活性ガス雰囲気下では、大気中の酸素や水の濃度が低く保たれており、除電が困難であった。そのため、従来、不活性ガス雰囲気下で摩擦処理を行うことは避けられていた。
これに対し、本発明の発明者等は、摩擦処理に着目し、あえて不活性ガス雰囲気下で摩擦処理を行うことにより、有機光電変換装置のエネルギー変換効率が向上するとの知見を見出したものである。
本実施例に係る光電変換装置1の構造を示す模式図である。 図1の光電変換装置1の生産方法の一例を示すフロー図である。 配向層を摩擦する方向を示した図であり、(a)一軸方向にのみ摩擦する場合と、(b)複数の方向に摩擦する場合を示した図である。 光電変換装置1のモルフォロジーの一例を示す図である。 光電変換装置1の光電流密度―電圧特性の一例を示す図である。 活性層12の(a)第1及び第2イオン化ポテンシャル、(b)算出されたp/n界面のエネルギー準位図を示す図である。 光電変換装置1の光電流密度の入射光の偏光角依存性の一例を示す図である。 配向層の上に製膜した活性層の吸光度の偏光角依存性の一例を示す図である。 基板の入射方向に対する傾きを変化させたときの吸光度を示す図であり、(a)基板に垂直に光を入射した場合、(b)基板を(a)の場合から80°傾けた場合について示す図である。 図9における入射光の波長域をPTCBIの吸収波長域に対応する600-900nmとした図である。 光電変換装置1の(a)吸光率、(b)外部量子効率、及び、(c)短絡電流密度の波長依存性の一例を示す図である。 光電変換装置1の(a)活性層の分光蛍光スペクトルの一例と、(b)励起子拡散長を算出するためのフィッティングカーブを示す図である。 光電変換装置1の特性の経時変化の一例を示す図である。 異なる摩擦条件における光電変換装置の光電流密度―電圧特性の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本願発明の実施例について述べる。なお、本願発明の実施の形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
図1は、本実施例に係る光電変換装置1(本願請求項の「光電変換装置」の一例)の構造を示す模式図である。光電変換装置1は、基板3と、陽極5と、配向層7(本願請求項の「配向層」の一例)と、p型層9と、n型層11と、バッファ層13と、陰極15とを備える。p型層9及びn型層11は、全体として活性層12(本願請求項の「活性層」の一例)として機能する。基板3には、ガラス基板を用いた。陽極5には、ITO層150nmを用いた。配向層7には、配向性有機物であるα―6T(α―sexithiophene)(本願請求項の「第1配向性有機物」の一例)を用い、後に述べる摩擦ステップにより配向させた。p型層9には、α―6T層50nm(本願請求項の「第2配向性有機物」の一例)を用いた。n型層11には、別の配向性有機物であるPTCBI(ペリレン誘導体;3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシリックビス−ベンゾイミダゾール)層30nm(本願請求項の「第2配向性有機物」の一例)を用いた。バッファ層13には、BCP(Bathocuproine)層10nmを用いた。陰極15には、Ag(銀)電極層100nmを用いた。以下、このような層状構造を、glass/ITO(150nm)/α-6T(rub)/α-6T(50nm)/PTCBI(30nm)/BCP(10nm)/Ag(100nm)のように表記する。
光電変換装置1にガラス基板3側から光が入射されると、活性層12で光が吸収されて励起子が生成する。励起子は、p型層9とn型層11の界面(p/n界面)に拡散により移動し、p/n界面において正孔と電子に分離される。正孔は、p型層9を通って陽極5から取り出されると共に、電子は、n型層11及びバッファ層13を通って陰極15から取り出されて電流(光電流)となる。バッファ層13は、励起子が陰極15に到達してクエンチ(脱励起)されるのを防止する。
図2は、図1の光電変換装置1の生産方法(本願請求項の「光電変換装置を生産する方法」の一例)の一例を示すフロー図である。ステップST001において、ITO層5(150nm)が形成されたガラス基板3が用意される。ステップST002(本願請求項の「配向層形成ステップ」の一例)において、配向層7としてα―6T(15nm)が真空蒸着法にて形成される。ここでの蒸着速度は、0.1nm/sとした。
次に、摩擦ステップについて、図2で斜視図を用いて説明する。ステップST003(本願請求項の「第1摩擦ステップ」の一例)において、摩擦手段17(本願請求項の「摩擦手段」の一例)を用いて、配向層7と平行な面内における第1方向18(本願請求項の「第1方向」の一例)に配向層7を摩擦する。続いて、ステップST004(本願請求項の「第2摩擦ステップ」の一例)において、図示しない回転手段(本願請求項の「回転手段」の一例)が光電変換装置1及び/又は摩擦手段17を相対的に回転させて、摩擦手段17を用いて、配向層7と平行な面内における第1方向18とは異なる第2方向19(本願請求項の「第2方向」の一例)に配向層7を摩擦する。このように摩擦されることにより、配向層7のα―6Tは、分子平面が配向層7と平行な面内に横たわるように配向する。
光電変換装置1は、上記の摩擦ステップを含めて一度も空気に曝すことなく生産された。また、摩擦手段17としては、ダストフリーのナイロン布を用いた。摩擦する方向については、詳細を後に述べる。なお、ダストフリーとは、クリーンルーム内で洗浄されており、ほこり等の異物の付着量が極めて少ないことを指す。
続いて、ステップST005において、配向した配向層7に続いてα―6T層(50nm)がp型層9として製膜される。このときの蒸着速度は、p型層9の配向度を向上させるために、0.01nm/sとステップST002よりも遅い速度とした。ステップST006において、n型層11として、PTCBI層(30nm)が製膜される。このときの蒸着速度は、0.01nm/sとした。ステップST005及びST006は、全体として、本願請求項の「活性層形成ステップ」の一例である。ステップST007において、バッファ層13として、BCP層(10nm)が製膜される。最後に、ステップST008において、陰極層15として、Ag層(100nm)が製膜されて、光電変換装置1が生産される。さらに、測定対象の素子を作製段階から一度も大気に暴露させないまま、乾燥剤付きでガラスキャップと紫外線硬化樹脂を用いて、生産した光電変換装置1を、封止した。
続いて、ステップST003及びST004の摩擦ステップについて詳細に説明する。図3は、配向層7を摩擦する方向を示した図であり、(a)従来と同じく一軸方向にのみ摩擦する場合と、(b)複数の方向(多軸方向)に摩擦する場合を示した図である。図3は、配向層7を製膜した素子を配向層7側から見たものである。
図3(a)を参照して、一軸方向にのみ摩擦した場合のデバイス(以下、「一軸デバイス」と表記)について説明する。一軸デバイスにおいては、配向層7を製膜後、配向層7と平行な面内における同じ方向にのみ配向層7の全面を摩擦した。摩擦回数は、光電変換装置1の摩擦ステップと対比するために16回とした。摩擦方法以外の生産プロセスは、図2の生産プロセスと同様に生産した。なお、ダストフリーのナイロン布で摩擦後の配向層7の表面には、摩擦した方向に対応してすじ状の痕跡が見られた。
図3(b)を参照して、複数の方向に摩擦した光電変換装置1の摩擦方向について説明する。光電変換装置1においても、配向層7を製膜後、配向層7と平行な面内において16回摩擦を繰り返した。ただし、一軸デバイスとは異なり、摩擦の方向は全て異なる方向とした。具体的には、図3(b)に丸付き数字で示す順序とした。最初の1回目は、一軸デバイスと同じ方向に摩擦を行った。2回目は、1回目と直交する方向に摩擦を行った。3回目以降、それぞれ異なる方向に摩擦を行った。このようにして、光電変換装置1の配向層7もまんべんなく摩擦した。なお、ダストフリーのナイロン布で摩擦後の配向層7の表面には、摩擦した方向に対応してすじ状の痕跡が見られた。
図4を参照して、摩擦した配向層7の上に活性層9を積層した素子のモルフォロジー(表面形態)について述べる。図4は、光電変換装置1のモルフォロジーの一例を示す図であり、(a)摩擦なしデバイス、(b)一軸デバイス、(c)光電変換装置1のモルフォロジーを示す図である。それぞれの素子構成は、摩擦なしデバイス;石英ガラス/α-6T(50nm)、一軸デバイス及び光電変換装置1;石英ガラス/α-6T(rub)/α-6T(50nm)とした。測定装置は、原子間力顕微鏡(VN-8000, 株式会社キーエンス製)を用い、DFMモードで観察を行った。図中の表面粗さを示すグラフは、横軸がスケール[μm]を表し、縦軸が粗さ[nm]を表す。
図4(a)を参照して、摩擦なしデバイスにおいては、特筆すべきモルフォロジーは観察されなかった。一方、図4(b)を参照して、一軸デバイスにおいては、一方向21にすじ状に延びた跡を有するモルフォロジーが観察された。また、図4(c)を参照して、光電変換装置1においては、複数の方向(少なくとも第1方向23及び第2方向25)にすじ状に延びた跡を有するモルフォロジーが観察された。配向層7の膜が削れたすじ状部分の下部領域で分子配向が変化しているものと考えられる。光電変換装置におけるp/n界面に対応するα-6T(50nm)層の表面粗さは、摩擦なしデバイスと比較して増大していなかった。そのため、一軸デバイス、光電変換装置1ともに、摩擦なしデバイスと比較してエネルギー変換効率が増大した理由としては、p/n界面の接触表面積の増大ではなく、吸光度の増大等の他の理由に起因すると考えられる。
図5を参照して、生産された光電変換装置のエネルギー変換特性について述べる。図5は、光電変換装置1、一軸デバイス及び摩擦をしないデバイス(以下、「摩擦なしデバイス」と表記)の光電流密度―電圧特性の一例を示す図である。摩擦なしデバイスは、配向層7を製膜しない点以外は、図2の生産プロセスと同様に生産した。測定は、100[mW/cm2]、AM1.5の条件下で行われた。測定機器として、コンピューター制御したソースメーター(2400, Keithley社製)及び擬似太陽光照射装置(LHX-500E3, 光研工業株式会社)を用いた。図5のグラフにおいて、横軸は電圧[V]を表し、縦軸は電流密度[mA/cm2]を表す。
表1に、これらのデバイスの特性を比較して示す。光電変換装置1の特性は、一軸デバイスと同程度のエネルギー変換効率その他の特性を示した。一因として、複数の方向に摩擦することにより、一軸方向の吸光度が減少した分を他の方向の吸光度増加分で補ったことが考えられる。また、光電変換装置1は、摩擦なしデバイスよりも優れたエネルギー変換効率その他の特性を示した。なお、表1には、同じ方法で生産された12個以上のデバイスの測定値の平均値を示す。一方、後に示すIPCEスペクトル(図11(b))及び太陽光スペクトルから短絡電流密度の波長依存性を算出し(図11(c))、短絡電流密度の波長依存性の面積から全波長領域(白色光)の短絡電流密度を計算した。算出された短絡電流密度は、光電変換素子1、一軸デバイス、摩擦デバイスについて、それぞれ、2.67、2.70、1.59[mA/cm2]であった。このことから、測定された短絡電流密度Jscは、IPCEスペクトルから得られた短絡電流密度とよい精度で一致したことが分かる。
ここで、図6を参照して、各デバイスに対応する活性層のエネルギー準位について述べる。図6は、光電変換素子1を含む各デバイスの活性層の(a)第1及び第2イオン化ポテンシャル、(b)算出されたp/n界面のエネルギー準位図を示す図である。AC-2(理研計器株式会社製)を用いて、エネルギー順位の測定を行った。光電変換装置1及び一軸デバイスについては、石英ガラス/α-6T(rub)/α-6T(50nm)/PTCBI(30nm)の素子を測定対象とした。摩擦なしデバイスについては、石英ガラス/α-6T(50nm)/PTCBI(30nm)の素子を測定対象とした。図6(a)に示すグラフにおいて、横軸は照射光エネルギー[eV]を表し、縦軸は光電子収率の平方根を表す。図6(b)中の数字は、エネルギー準位[eV]を表す。
図6(a)を参照して、光電変換素子1に対応する素子の第1イオン化ポテンシャル、第2イオン化ポテンシャルは、それぞれ5.24[eV]及び5.89[eV]であった。また、一軸デバイスに対応する素子の第1イオン化ポテンシャル、第2イオン化ポテンシャルは、それぞれ5.25[eV]、5.90[eV]であった。摩擦なしデバイスに対応する素子の第1イオン化ポテンシャル、第2イオン化ポテンシャルは、それぞれ4.96[eV]、5.81[eV]であった。この結果をふまえたエネルギー準位図は、図6(b)に表されるものとなる。したがって、光電変換素子1、一軸デバイス、摩擦なしデバイスのp型層とn型層の間のHOMO−LUMOギャップは、それぞれ、0.84[eV]、0.84[eV]、0.64[eV]となる。これらの値は、開放端電圧Vocと関連しており、表1に示されるように図5の測定結果から得られた開放端電圧の差異として表れている。
続いて、各デバイスの入射光の偏光角依存性について述べる。図7は、光電変換装置1の光電流密度の入射光偏光角依存性の一例を示す図である。光電変換装置1、一軸デバイス又は摩擦なしデバイスを生産した。生産したデバイスに偏光させた光を入射して、短絡電流密度を測定した。入射光は、偏光させる前は、100[mW/cm2](AM1.5)であり、偏光子を通した後の光強度は、33[mW/cm2]であった。測定機器として、コンピューター制御したソースメーター(2400, Keithley)及び擬似太陽光照射装置(LHX-500E3)を用いた。測定値は、小数点第3位を四捨五入した。図7中の目盛りは、短絡電流密度Jsc[mA/cm2]を表す。図7中の矢印は、一軸デバイスにおける摩擦方向、及び、光電変換装置1における1回目の摩擦方向を示す。
光電変換装置1の場合、偏光角に対して3つ以上の極大値を有した。一軸デバイスの場合、偏光角に対して2つの極大値を有した。それぞれ、活性層の配向性有機物が摩擦した方向に配向したことが反映されたものと考えられる。一方、摩擦なしデバイスの場合、偏光角に対して同じ光電流密度の値が得られ、入射光の偏光角に対する極大値を有さなかった。摩擦なしデバイスの活性層内の配向性有機物がランダムに配向しているため、入射光の偏光角に対する異方性が見られなかったものと考えられる。
また、光電変換装置1は、全ての偏光角において摩擦なしデバイスよりも短絡電流密度の値が上回った。一因として、分子平面が膜厚方向に立つように配向していた分子が分子平面を活性層面内に平行に向けるように配向することにより、分子の遷移双極子モーメントと光の電場ベクトルの方向が一致し、効果的に光吸収する分子数が増大したことが考えられる。
そこで、図8を参照して、各デバイスの吸光度の偏光角依存性について述べる。図8は、配向層7の上に製膜した活性層12の吸光度の偏光角依存性の一例を示す図であり、(a)デバイスへの偏光させた光の光入射方向、(b)α-6Tの吸収域に対応する360nmの単色光を入射した場合の偏光角依存性、(c)PTCBIの吸収域に対応する670nmの単色光を入射した場合の偏光角依存性について示す。図8(b)及び(c)中の目盛りは、それぞれ360nm、670nmにおける吸光度を表す。
図8(b)の測定は、光電変換装置1及び一軸デバイスについては、石英ガラス/α-6T(rub)/α-6T(50nm)の素子を測定対象とした。摩擦なしデバイスについては、石英ガラス/α-6T(50nm)の素子を測定対象とした。また、図8(c)の測定は、光電変換装置1及び一軸デバイスについては、石英ガラス/α-6T(rub)/α-6T(50nm)/PTCBI(30nm)の素子を測定対象とした。摩擦なしデバイスについては、石英ガラス/α-6T(50nm)/PTCBI(30nm)の素子を測定対象とした。それぞれ、蒸着速度は、図2の生産プロセスと同様とした。図8中の矢印は、一軸デバイスにおける摩擦方向、及び、光電変換装置1における1回目の摩擦方向を示す。測定機器として、紫外可視近赤外分光光度計(V-670, 日本分光株式会社)を用いた。
図8(b)を参照して、光電変換装置1は、摩擦なしデバイスに比べて、吸光度の増大が全方向に見られる。また、光電変換装置1は、一軸デバイスと比べて、複数方向へ吸光度が増大したことが伺われる。このことから、光電変換装置1の活性層12において、分子が活性層12の面に平行な平面内に配向したことが分かる。
さらに、図8(c)を参照しても、同様の結果が得られた。すなわち、p型層9を挟んで配向層7から離れて積層されたn型層11においても、配向層7の配向の影響が及んでいることが分かる。
次に、図9及び図10を参照して、膜厚方向の配向について述べる。図9は、基板の入射方向に対する傾きを変化させたときの吸光度を示す図であり、(a)基板に垂直に光を入射した場合、(b)基板を(a)の場合から80°傾けた場合について示す図である。光電変換装置1及び一軸デバイスについては、石英ガラス/α-6T(rub)/α-6T(50nm)の素子を測定対象とした。摩擦なしデバイスについては、石英ガラス/α-6T(50nm)の素子を測定対象とした。測定機器として、紫外可視近赤外分光光度計(V-670, 日本分光株式会社)を用いた。入射光の波長域は、α-6Tの吸収波長域に対応する300-600nmとした。図10は、図9における入射光の波長域をPTCBIの吸収波長域に対応する600-900nmとした図である。ただし、光電変換装置1及び一軸デバイスについては、石英ガラス/α-6T(rub)/α-6T(50nm)/PTCBI(30nm)の素子を測定対象とした。摩擦なしデバイスについては、石英ガラス/α-6T(50nm)/PTCBI(30nm)の素子を測定対象とした。図9及び図10内のグラフにおいて、横軸は入射光の波長[nm]を表し、縦軸は吸光度を表す。
図9及び図10ともに、垂直方向からの入射光に対する吸光度は、光電変換装置1及び一軸デバイスに対応する素子の方が、摩擦なしデバイスに対応する素子を上回った(図9(a)及び図10(a))。一方、80°傾けた場合は、その逆の結果となった(図9(b)及び図10(b))。光は、進行方向に対して垂直な電場ベクトルを有している。そのため、80°傾けた場合は、ほぼ素子の膜厚方向に配向している分子の吸光度を測定することになる。図9及び図10からは、光電変換素子1及び一軸デバイスともに、膜厚方向に配向した分子の吸光度が低下し、活性層に平行な方向に配向した分子の吸光度が増大したことが読み取れる。すなわち、分子平面が膜厚方向に立った向きに配向した分子が減少し、その分、分子平面が活性層平面に平行に配向した分子が増加していることが分かる。
図11は、光電変換装置1の(a)吸光率、(b)外部量子効率(IPCE;Incident Photon-to-current Conversion Efficiency)、及び、(c)短絡電流密度の波長依存性の一例を示す図である。図11の各図において、横軸は入射光の波長[nm]を表し、縦軸は(a)吸光率(1−透過率)、(b)IPCE、(c)短絡電流密度Jsc[mA/cm2 nm]を表す。
いずれも光電変換装置1の特性は、摩擦なしデバイスよりも特性が向上した。具体的には、吸光率は、400nmにおいて1.83倍、700nmにおいて1.45倍となった。IPCEは、400nmにおいて2.11倍、700nmにおいて1.55倍となった。また、一軸方向にのみ摩擦したデバイスと同程度の値を示した。エネルギー変換効率の向上に寄与した吸光度増大以外の要因として、励起子の拡散及び解離、並びに、電荷の輸送及び取り出しの効率が分子配向により増加したことが考えられる。
そこで、図12を参照して、励起子拡散長について述べる。図12は、光電変換装置1の(a)活性層の分光蛍光スペクトルの一例と、(b)励起子拡散長を算出するためのフィッティングカーブを示す図である。分光蛍光光度計として、JASCO FP-6500(日本分光株式会社製)を用いた。励起光の波長は、420nmとした。図12(a)において、横軸は入射光の波長[nm]を表し、縦軸は蛍光強度を表す。また、図12(b)において、横軸はα-6T層の膜厚[nm]を表し、縦軸は、PL/PLの値を表す。ここで、分光蛍光分析は、光電変換装置1及び一軸デバイスについては、石英ガラス/α-6T(rub)/α-6T(20〜50nm)の素子、及び、α-6T層で生成した励起子をクエンチする層としてPTCBIをさらに積層した、石英ガラス/α-6T(rub)/α-6T(20〜50nm)/PTCBI(5nm)の素子を測定対象とした。摩擦なしデバイスについては、石英ガラス/α-6T(20〜50nm)の素子、及び、石英ガラス/α-6T(20〜50nm)/PTCBI(5nm)の素子を測定対象とした。また、α-6T層の膜厚を、20nm, 30nm, 40nm, 50nmとした素子を作製した。図12(a)において蛍光ピークが見られた約590nmの蛍光強度の値を用いて、式(1)により励起子拡散長Lを算出した(参考文献1参照)。
ここで、PL;クエンチ層ありの素子におけるα-6Tの蛍光ピーク強度、PL;クエンチ層なしの素子におけるα-6Tの蛍光ピーク強度、L;励起子拡散長[nm]、d;α-6Tの膜厚[nm]を表す。
算出した結果を表2に示す。光電変換装置1における励起子拡散長は、摩擦なしデバイスだけでなく一軸デバイスの励起子拡散長を上回った。励起子拡散長が長いことは、膜厚を増大させてp/n界面から離れた部分で生成する励起子が増加したとしても、励起子がp/n界面に到達する確率が増大することを意味する。このため、膜厚等の製造条件の最適化等により、光電変換装置1のエネルギー変換効率がさらに向上する可能性が期待される。
続いて、図13を参照して、光電変換装置1の耐久性について述べる。図13は、光電変換装置1の特性の経時変化の一例を示す図であり、(a)開放端電圧、(b)短絡電流密度、(c)FF、(d)エネルギー変換効率の経時変化を示す図である。図13の各グラフにおいて、横軸は経過時間[時間]を表し、縦軸は(a)規格化された開放端電圧、(b)短絡電流密度、(c)FF、(d)エネルギー変換効率を表す。
光電変換装置1の特性は、開放端電圧以外の特性は、摩擦なしデバイスよりも劣化速度が緩やかであった。特に、FFは、摩擦しないデバイスにおいて時間と共に顕著に低下したのに対し、光電変換装置1の場合は劣化が緩やかであった。結果として、光電変換装置1のエネルギー変換効率の劣化は、摩擦なしデバイスよりも緩やかであった。一軸デバイスと比較すると、経時変化の点ではほとんど差異は見られなかった。
続いて、図14を参照して、摩擦ステップにおける摩擦条件について述べる。光電変換装置1は、摩擦ステップを窒素雰囲気下で行い、摩擦ステップも含めて空気に曝されることなく窒素で満たされたグローブボックス内で生産された。また、摩擦ステップにおいて、ダストフリーのナイロン布を用いた。これに対し、比較のために、摩擦を空気中で行い、摩擦手段17として通常のナイロン布(本願請求項における「摩擦手段」の一例)を用いた光電変換装置31を作製した。それ以外の生産プロセスは、実施例1と同様とした。
図14は、それぞれの光電変換装置の光電流密度―電圧特性の一例を示す図である。測定から得られた特性値を表3に示す。光電変換装置1の特性の方が光電変換装置31よりも優れた値を示した。この結果から、摩擦ステップを不活性ガス雰囲気下で行い、摩擦手段17としてダストフリーのナイロン布を用いることで光電変換装置の特性が向上することが分かる。
なお、配向層の摩擦ステップにおける摩擦の力、速度、回数、方向、順序、摩擦手段等の詳細は、適宜変更してもよい。特に、摩擦手段として、ナイロン布の代わりに、他の材質の布等を用いてもよい。また、摩擦手段として布を用いる場合には、糸を織った布を用いてもよく、不織布を用いてもよい。
さらに、配向層と活性層とは、同じ材料を用いて形成してもよいし、異なる材料を用いて形成してもよい。また、それぞれ2種以上の材料を含む層であってもよい。さらに、活性層は、例えば、バルクヘテロ接合構造のように、p型層とn型層とを兼ねる1層であってもよい。
さらに、配向層及びp型層に用いる材料は、α―6T以外の材料であってもよい。例えば、ペンタセン,ルブレン等の芳香族炭化水素、6P,8T等のオリゴマー、P3HT、MEH−PPV、MDMO−PPV、PFO、PFO−DMP等のポリマー、CuPc,ZnPc、CoPc、TiOPC、PbPc、NiPc、SbPc等のフタロシアニン誘導体、HTPP等のポルフィリン誘導体、α−NPD、TPD等のトリフェニルアミン誘導体等であってもよいし、これらの2種以上の混合物であってもよい。
さらに、n型層に用いる材料は、PTCBI以外の材料であってもよい。例えば、PDCDA、PenPTC、ADIDI、PTCDA、PTCDI、NTDA、MePTC、HepPTC等のペリレン誘導体、C(n=60,70,76,84等)、PCBM(C)(n=60,70,76,84等)等のフラーレン誘導体、F16CuPc等のフッ素置換化合物等であってもよいし、これらの2種以上の混合物であってもよい。
さらに、配向層7に隣接する活性層に用いる材料が配向性有機物であれば、それ以外の活性層に用いる材料は、配向性有機物でなくともよい。本実施例の例では、配向層7に隣接するp型層9のみが配向性有機物であれば、n型層11が配向性有機物以外の材料で製膜されてもよい。このような構造であっても、少なくともp型層における配向の効果が得られるためである。
さらに、光電変換装置1は、電極層と活性層、又は、電極層と配向層との間に、キャリアの取り出しを容易とするキャリア取出層を備えてもよい。
さらに、光電変換装置1は、バッファ層としてBCP以外の材料を用いてもよい。例えば、PBD、OXD−7、Bpy−OXD、BP−OXD−Bpy、Bpy−FOXD等のオキサジアゾール誘導体、TAZ、NTAZ等のトリアゾール誘導体、Bphen、NBphen、HNBphen等のフェナントロリン誘導体、Liq、BAlq等の金属錯体、POPy等のリン酸誘導体、mCP、TcTa、CBP,CDBP等のカルバゾール誘導体、MPT、DPT、TPT等のトリアジン誘導体、BPyB、TpyB、B4PyMPM等のピリジン誘導体等であってもよいし、これらの2種以上の混合物であってもよい。また、バッファ層を備えなくともよい。
さらに、ガラス基板以外の基板を用いてもよい。例えば、石英、サファイヤ、金属等の基板を用いてもよいし、PENなどのポリマー基板を用いてもよい。また、ITO電極、Ag電極の代わりにPt、Au、Al、In、Mg、Ca、Cs、Li、Ba、Na、IZO、AZO、カーボンナノチューブ等の材質の電極を用いてもよい。さらに、電極は、多層膜でもよいし、合金であってもよい。
さらに、製膜速度は、適宜変更してもよい。また、活性層形成ステップにおいて、基板温度を上げる加熱ステップを行うこととしてもよい。例えば、加熱手段が基板温度を上げることにより、活性層の配向度が向上することが期待される点で好ましい。
さらに、配向層及び活性層は、真空蒸着法以外の方法で製膜してもよい。例えば、他の乾式プロセスとして、化学気相成長法、レーザーアブレーション法等が挙げられる。また、湿式プロセスとして、スピンコーティング法、インクジェット法等が挙げられる。湿式プロセスを採用することにより、ポリマー材料の採用が容易となる、
[参考文献]
1. Peter Peumans, Aharon Yakimov, and Stephen R. Forrest “Small molecular weight organic thin-film photodetectors and solar cells” J.Appl.Phys., 93, 3693(2003).
1・・・光電変換装置、7・・・配向層、9・・・p型層、11・・・n型層、12・・・活性層、17・・・摩擦手段、18・・・第1方向、19・・・第2方向

Claims (3)

  1. 入射光を電気に変換する活性層を有する光電変換装置であって、
    前記活性層は、前記活性層に平行な面内の第1方向及び前記第1方向とは異なる第2方向に配向している有機物を有することを特徴とする、光電変換装置。
  2. 前記配向性有機物は、前記第1方向及び前記第2方向を含めて互いに異なるn個の方向(nは2以上の自然数)に配向しており、
    前記第1方向と前記第2方向がなす角のうち小さい方の角が180/n[°]であることを特徴とする、請求項1記載の光電変換装置。
  3. 入射光を電気に変換する活性層を有する光電変換装置であって、
    前記活性層は、配向性有機物を含むものであり、
    前記活性層が、第1方向にすじ状に延びたモルフォロジー及び前記第1方向とは異なる第2方向にすじ状に延びたモルフォロジーを有することを特徴とする、光電変換装置。
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