JP2016166833A - 原子炉格納容器、及び原子炉格納容器の施工方法 - Google Patents

原子炉格納容器、及び原子炉格納容器の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】重大な損傷の発生が抑制される原子炉格納容器を提供する。
【解決手段】原子炉格納容器は、原子炉容器の下方にキャビティ室を形成する底部及び壁部を有する構造物を備える。壁部は、キャビティ室に面する壁部鉄板と、キャビティ室に対して壁部鉄板の外側に設けられる壁部コンクリートと、キャビティ室に対して壁部コンクリートの外側に設けられる壁部ライナとを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、原子炉格納容器、及び原子炉格納容器の施工方法に関する。
原子力プラントにおいては、シビアアクシデントを想定した様々な対策が行われている。その対策の例として、ドレンサンプ表面を耐熱性のライナで被覆する技術が特許文献1に開示されている。
特公平08−027372号公報
シビアアクシデントとして、炉心溶融が生じ、溶融物が原子炉容器から流出する事故が想定される。溶融物が原子炉格納容器のキャビティ室に落下する場合、そのキャビティ室を形成する構造物に重大な損傷が発生すると、被害が拡大する可能性がある。そのため、原子炉格納容器の重大な損傷の発生が抑制されるように対策を行う必要がある。
本発明は、重大な損傷の発生が抑制される原子炉格納容器、及び原子炉格納容器の施工方法を提供することを目的とする。
本発明は、原子炉容器の下方にキャビティ室を形成する底部及び壁部を有する構造物を備え、前記壁部は、前記キャビティ室に面する壁部鉄板と、前記キャビティ室に対して前記壁部鉄板の外側に設けられる壁部コンクリートと、前記キャビティ室に対して前記壁部コンクリートの外側に設けられる壁部ライナとを有する、原子炉格納容器を提供する。
本発明によれば、原子炉容器から流出した溶融物は、原子炉容器の下方に設けられたキャビティ室で受け止められる。溶融物は、構造物の壁部で堰き止められるため、溶融物の拡散が抑制される。壁部コンクリート及び壁部鉄板が壁部ライナの内側に設けられており、壁部ライナは、壁部コンクリート及び壁部鉄板で保護される。壁部ライナは、キャビティ室の気密性を確保するための部材であり、壁部ライナの損傷は、被害の拡大をもたらす。壁部コンクリート及び壁部鉄板により、壁部ライナと溶融物との接触が抑制されるため、壁部ライナの損傷が抑制される。そのため、重大な損傷の発生が抑制される。
本発明において、前記壁部コンクリートの厚さは、少なくとも20[cm]であることが好ましい。これにより、溶融物との接触で壁部鉄板が溶融した場合でも、壁部コンクリートが犠牲材となり、壁部ライナを保護することができる。
本発明において、前記キャビティ室に対して前記壁部ライナの外側に設けられる外部コンクリートを有することが好ましい。これにより、壁部ライナが外部コンクリートに支持され、構造物の強度が向上する。
本発明において、前記底部は、前記壁部ライナと接続される底部ライナと、前記底部ライナの上方に設けられ、前記キャビティ室に面する底部コンクリートとを有することが好ましい。これにより、壁部ライナ及びその壁部ライナと接続された底部ライナにより、キャビティ室の気密性が十分に確保される。また、底部コンクリートにより、底部ライナと溶融物との接触が抑制されるため、底部ライナの損傷が抑制される。
本発明において、前記壁部コンクリートに埋められた形鋼を有することが好ましい。これにより、壁部コンクリートの強度が向上する。
本発明は、原子炉容器の下方にキャビティ室を形成する既設構造物を有する原子炉格納容器の施工方法であって、前記既設構造物は、前記キャビティ室を囲むように設けられ、前記キャビティ室に面する内面を有する壁部ライナを備え、前記壁部ライナの前記内面と間隙を介して対向するように壁部鉄板を配置する工程と、前記壁部ライナと前記壁部鉄板との間にコンクリートを入れて、前記壁部ライナ及び前記壁部鉄板に固定される壁部コンクリートを形成する工程と、を含む原子炉格納容器の施工方法を提供する。
本発明によれば、既設構造物においてキャビティ室に面するように壁部ライナが設けられている場合、壁部ライナと壁部鉄板との間にコンクリートを入れて壁部ライナ及び壁部鉄板に固定されるように壁部コンクリートを形成することによって、既設構造物を、壁部ライナが壁部コンクリート及び壁部鉄板で保護された構造に変更することができる。したがって、壁部ライナと溶融物との接触が抑制され、壁部ライナの損傷が抑制される。そのため、重大な損傷の発生が抑制される。
本発明において、前記間隙の寸法は、少なくとも20[cm]であることが好ましい。これにより、厚さが少なくとも20[cm]の壁部コンクリートを形成することができ、壁部ライナを保護することができる。
本発明において、前記既設構造物は、前記壁部ライナと接続される底部ライナと、前記底部ライナの上方に設けられ、前記キャビティ室に面する底部コンクリートとを有し、前記底部コンクリートと接続されるように、前記壁部コンクリートを形成することが好ましい。
これにより、壁部コンクリートと底部コンクリートとの間に隙間がなくなり、壁部ライナ及び底部ライナは、壁部コンクリート及び底部コンクリートで十分に保護される。
本発明によれば、重大な損傷の発生が抑制される原子炉格納容器、及び原子炉格納容器の施工方法が提供される。
図1は、第1実施形態に係る原子炉格納容器が適用される原子力発電プラントを表す概略構成図である。 図2は、加圧水型原子炉の原子炉構造を表す断面図である。 図3は、第1実施形態に係る原子炉格納容器の概略構成図である。 図4は、第1実施形態に係る原子炉格納容器の一部を示す側断面図である。 図5は、図4の一部を拡大した図である。 図6は、第1実施形態に係る原子炉格納容器の施工方法の一例を説明するための図である。 図7は、第1実施形態に係る原子炉格納容器の施工方法の一例を説明するための図である。 図8は、第1実施形態に係る原子炉格納容器の施工方法の一例を説明するための図である。 図9は、第1実施形態に係る原子炉格納容器の一部を示す側断面図である。 図10は、第2実施形態に係る原子炉格納容器の一部を示す断面図である。 図11は、第3実施形態に係る原子炉格納容器の一部を示す側断面図である。 図12は、第4実施形態に係る原子炉格納容器の一部を示す平断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る原子炉格納容器が適用される原子力発電プラントを表す概略構成図、図2は、加圧水型原子炉の原子炉構造を表す断面図、図3は、本実施形態に係る原子炉格納容器の概略構成図である。
本実施形態の原子力発電プラントに適用された原子炉は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、一次系全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電する加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)である。
即ち、この加圧水型原子炉を有する原子力発電プラントにおいて、図1に示すように、原子炉格納容器11内には、加圧水型原子炉12及び蒸気発生器13が格納されており、この加圧水型原子炉12と蒸気発生器13とは冷却水配管14,15を介して連結されており、冷却水配管14に加圧器16が設けられ、冷却水配管15に冷却水ポンプ17が設けられている。この場合、減速材及び一次冷却水として軽水を用い、炉心部における一次冷却水の沸騰を抑制するために、一次冷却系統は加圧器16により160気圧程度の高圧状態を維持するように制御している。従って、加圧水型原子炉12にて、燃料として低濃縮ウランまたはMOXにより一次冷却水として軽水が加熱され、高温の一次冷却水が加圧器16により所定の高圧に維持した状態で冷却水配管14を通して蒸気発生器13に送られる。この蒸気発生器13では、高圧高温の一次冷却水と二次冷却水との間で熱交換が行われ、冷やされた一次冷却水は冷却水配管15を通して加圧水型原子炉12に戻される。
蒸気発生器13は、原子炉格納容器11の外部に設けられたタービン18及び復水器19と冷却水配管20,21を介して連結されており、冷却水配管21に給水ポンプ22が設けられている。また、タービン18には発電機23が接続され、復水器19には冷却水(例えば、海水)を給排する取水管24及び排水管25が連結されている。従って、蒸気発生器13にて、高圧高温の一次冷却水と熱交換を行って生成された蒸気は、冷却水配管20を通してタービン18に送られ、この蒸気によりタービン18を駆動して発電機23により発電を行う。タービン18を駆動した蒸気は、復水器19で冷却された後、冷却水配管21を通して蒸気発生器13に戻される。
また、加圧水型原子炉12において、図2に示すように、原子炉容器41は、その内部に炉内構造物が挿入できるように、原子炉容器本体42とその上部に装着される原子炉容器蓋(上鏡)43により構成されており、この原子炉容器本体42に対して原子炉容器蓋43が複数のスタッドボルト44及びナット45により開閉可能に固定されている。
この原子炉容器本体42は、原子炉容器蓋43を取り外すことで上部が開口可能であり、下部が球面状をなす下鏡46により閉塞された円筒形状をなしている。そして、原子炉容器本体42は、上部に一次冷却水としての軽水(冷却材)を供給する入口ノズル(入口管台)47と、軽水を排出する出口ノズル(出口管台)48が形成されている。また、原子炉容器本体42は、この入口ノズル47及び出口ノズル48とは別に、図示しない注水ノズル(注水管台)が形成されている。
原子炉容器本体42は、内部にて、入口ノズル47及び出口ノズル48より上方に上部炉心支持板49が固定される一方、下方の下鏡46の近傍に位置して下部炉心支持板50が固定されている。この上部炉心支持板49及び下部炉心支持板50は、円板形状をなして図示しない多数の連通孔が形成されている。そして、上部炉心支持板49は、複数の炉心支持ロッド51を介して下方に図示しない多数の連通孔が形成された上部炉心板52が連結されている。
原子炉容器本体42は、内部に円筒形状をなす炉心槽53が内壁面と所定の隙間をもって配置されており、この炉心槽53は、上部に上部炉心板52が連結され、下部に円板形状をなして図示しない多数の連通孔が形成された下部炉心板54が連結されている。そして、この下部炉心板54は、下部炉心支持板50に支持されている。
炉心55は、上部炉心板52と炉心槽53と下部炉心板54により形成されており、この炉心55は、内部に多数の燃料集合体56が配置されている。この燃料集合体56は、図示しないが、多数の燃料棒が支持格子により格子状に束ねられて構成され、上端部に上部ノズルが固定される一方、下端部に下部ノズルが固定されている。また、炉心55は、内部に多数の制御棒57が配置されている。この多数の制御棒57は、上端部がまとめられて制御棒クラスタ58となり、燃料集合体56内に挿入可能となっている。上部炉心支持板49は、この上部炉心支持板49を貫通して多数の制御棒クラスタ案内管59が固定されており、各制御棒クラスタ案内管59は、下端部が燃料集合体56内の制御棒クラスタ58まで延出されている。
原子炉容器41を構成する原子炉容器蓋43は、上部に磁気式ジャッキの制御棒駆動装置60が設けられており、原子炉容器蓋43と一体をなすハウジング61内に収容されている。多数の制御棒クラスタ案内管59は、上端部が制御棒駆動装置60まで延出され、この制御棒駆動装置60から延出された制御棒クラスタ駆動軸62が、制御棒クラスタ案内管59内を通って燃料集合体56まで延出され、制御棒クラスタ58を把持可能となっている。
この制御棒駆動装置60は、上下方向に延設されて制御棒クラスタ58に連結されると共に、その表面に複数の周溝を長手方向に等ピッチで配設してなる制御棒クラスタ駆動軸62を磁気式ジャッキで上下動させることで、原子炉の出力を制御している。
また、原子炉容器本体42は、下鏡46を貫通する多数の計装管台63が設けられ、この各計装管台63は、炉内側の上端部に炉内計装案内管64が固定される一方、炉外側の下端部にコンジットチューブ65が連結されている。各炉内計装案内管64は、上端部が下部炉心支持板50に連結されており、振動を抑制するための上下の連接板66,67が取り付けられている。シンブルチューブ68は、中性子束を計測可能な中性子束検出器(図示略)が装着されており、コンジットチューブ65から計装管台63及び炉内計装案内管64を通り、下部炉心板54を貫通して燃料集合体56まで挿入可能となっている。
従って、制御棒駆動装置60により制御棒クラスタ駆動軸62を移動して燃料集合体56に制御棒57を挿入することで、炉心55内での核分裂を制御し、発生した熱エネルギにより原子炉容器41内に充填された軽水が加熱され、高温の軽水が出口ノズル48から排出され、上述したように、蒸気発生器13に送られる。即ち、燃料集合体56を構成する原子燃料が核分裂することで中性子を放出し、減速材及び一次冷却水としての軽水が、放出された高速中性子の運動エネルギを低下させて熱中性子とし、新たな核分裂を起こしやすくすると共に、発生した熱を奪って冷却する。また、制御棒57を燃料集合体56に挿入することで、炉心55内で生成される中性子数を調整し、また、原子炉を緊急に停止するときに炉心55に急速に挿入される。
また、原子炉容器41は、炉心55に対して、その上方に出口ノズル48に連通する上部プレナム69が形成されると共に、下方に下部プレナム70が形成されている。そして、原子炉容器41と炉心槽53との間に入口ノズル47及び下部プレナム70に連通するダウンカマー部71が形成されている。従って、軽水は、入口ノズル47から原子炉容器本体42内に流入し、ダウンカマー部71を下向きに流れ落ちて下部プレナム70に至り、この下部プレナム70の球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、下部炉心支持板50及び下部炉心板54を通過した後、炉心55に流入する。この炉心55に流入した軽水は、炉心55を構成する燃料集合体56から発生する熱エネルギを吸収することで、この燃料集合体56を冷却する一方、高温となって上部炉心板52を通過して上部プレナム69まで上昇し、出口ノズル48を通って排出される。
上述した原子力発電プラントの原子炉格納容器11は、図3に示すように、岩盤等の堅固な地盤81上に立設され、鉄筋コンクリートなどにより内部に複数のコンパートメント、例えば、上部コンパートメント83及び蒸気発生器ループ室84が区画されている。原子炉格納容器11内の中央部に、蒸気発生器ループ室84を画成する筒形状をなす構造物100が形成されており、このコンクリートを含む構造物100により原子炉容器41が垂下して支持されている。そして、蒸気発生器ループ室84には蒸気発生器13が配置され、冷却水配管14,15により連結されている。
また、原子炉格納容器11内には、構造物100により原子炉容器41の下方に位置してキャビティ室150が画成されている。そして、原子炉格納容器11には、燃料取替用水ピット88が設けられ、非常時にこの燃料取替用水ピット88の冷却水を加圧水型原子炉12に供給して冷却する原子炉冷却経路(冷却水供給装置)89と、冷却水を原子炉格納容器11に散布して冷却する原子炉格納容器冷却経路(冷却水供給装置)90が設けられている。そして、原子炉格納容器11に散布された冷却水は、蒸気発生器ループ室84から構造物100に設けられているドレンライン(不図示)を介してキャビティ室150に貯留される。
なお、図示しないが、原子炉格納容器11には、キャビティ室150に冷却水を供給する消火水などの外部注入経路が設けられ、この外部注入経路は、基端部が原子炉格納容器11の外部に設置される消火水などの外部供給設備に連結される一方、先端部がキャビティ室150に連通している。
このように構成された原子炉格納容器11にて、本実施形態では、加圧水型原子炉12の原子炉容器41の下方に冷却水を供給可能なキャビティ室150が設けられる。
次に、本実施形態に係る原子炉格納容器11の構造物100について説明する。図4は、本実施形態に係る構造物100の一例を示す側断面図である。図5は、図4の一部を拡大した図である。
図3、図4、及び図5に示すように、原子炉格納容器11は、原子炉容器41の下方にキャビティ室150を形成する構造物100を備える。構造物100は、少なくとも一部が原子炉容器41の下部と対向する底部101と、壁部102とを有する。底部101及び壁部102によって、キャビティ室150が規定される。
壁部102は、キャビティ室150に面する壁部鉄板200と、キャビティ室150に対して壁部鉄板200の外側に設けられる壁部コンクリート301と、キャビティ室150に対して壁部コンクリート301の外側に設けられる壁部ライナ401とを有する。
底部101は、底部ライナ402と、底部ライナ402の上方に設けられ、キャビティ室150に面する底部コンクリート302とを有する。
壁部ライナ401は、底部ライナ402と接続される。壁部ライナ401と底部ライナ402とは、単一の部材でもよいし、溶接等により接続されてもよい。壁部ライナ401及び底部ライナ402はそれぞれ、鋼板製である。以下の説明においては、壁部ライナ401及び底部ライナ402を合わせて適宜、鋼板ライナ400、と称する。
壁部コンクリート301は、底部コンクリート302と接続される。壁部コンクリート301は、底部コンクリート302と一体化されている。以下の説明においては、壁部コンクリート301及び底部コンクリート302を合わせて適宜、内部コンクリート300、と称する。
壁部鉄板200及び壁部コンクリート301は、壁部102の下部に設けられる。図4に示すように、キャビティ室150を規定する壁部102のうち、底部101から所定高さの範囲の第1部分H1に壁部鉄板200及び壁部コンクリート301が配置される。壁部鉄板200及び壁部コンクリート301は、第1部分H1における壁部ライナ401を覆うように配置される。キャビティ室150を規定する壁部102のうち、第1部分H1と原子炉容器41の下端部との間の第2部分H2には、壁部鉄板200及び壁部コンクリート301が配置されず、壁部ライナ401がキャビティ室150に露出する。第1部分H1の高さ方向の寸法は、第2部分H2の高さ方向の寸法よりも小さい。
本実施形態において、原子炉容器41の周囲に、金属製の保温材95が設けられる。壁部ライナ401の少なくとも一部は、保温材95と対向する。
本実施形態において、壁部鉄板200及び壁部コンクリート301は、計装管台63の直下の空間(領域)SPの外側に配置される。
また、構造物100は、キャビティ室150に対して壁部ライナ401の外側に設けられる外部コンクリート500を有する。外部コンクリート500は、底部ライナ402の下方にも設けられる。
図4に示すように、本実施形態においては、キャビティ室150は、原子炉容器41の直下の第1空間150Aと、第1空間150Aの隣の第2空間150Bと、第2空間150Bの隣の第3空間150Cとを含む。底部101は、水平面とほぼ平行な底面101Fと、底面101Fの隣に配置される傾斜面101Sとを含む。傾斜面101Sは、底面101Fから離れるに従って上方に傾斜する。また、構造物100は、底部101と対向する天井部(天井面)103を有する。第1空間150Aは、原子炉容器41と底面101Fとの間の空間を含む。第2空間150Bは、天井面103と底面101Fとの間の空間を含む。第3空間150Cは、天井面103と傾斜面101Sとの間の空間を含む。
図5に示すように、壁部鉄板200は、キャビティ室150に面する内面200Aと、内面200Aの反対方向を向く外面200Bと、底部コンクリート302と接触する下面200Cと、下面200Cの反対方向を向く上面200Dとを有する。上面200Dは、キャビティ室150に露出する。内面200Aと外面200Bとは、実質的に平行である。下面200Cと上面200Dとは、実質的に平行である。内面200Aと外面200Bとの距離(壁部鉄板200の厚さ)Daは、下面200Cと上面200Dとの距離(壁部鉄板200の高さ)Haよりも小さい。
壁部コンクリート301は、壁部鉄板200の外面200Bと接触する内面301Aと、内面301Aの反対方向を向く外面301Bと、底部コンクリート302と接触する下面301Cと、下面301Cの反対方向を向く上面301Dとを有する。上面301Dは、キャビティ室150に露出する。内面301Aと外面301Bとは、実質的に平行である。下面301Cと上面301Dとは、実質的に平行である。内面301Aと外面301Bとの距離(壁部コンクリート301の厚さ)Dbは、下面301Cと上面301Dとの距離(壁部コンクリート301の高さ)Hbよりも小さい。
第1部分H1の壁部ライナ401は、壁部コンクリート301の外面301Bと接触する内面401Aと、内面401Aの反対方向を向き、外部コンクリート500と接触する外面401Bとを有する。内面401Aと外面401Bとは、実質的に平行である。
壁部コンクリート301の厚さDbは、壁部鉄板200の厚さDaよりも厚い。壁部コンクリート301の厚さDbは、内面401Aと外面401Bとの距離(壁部ライナ401の厚さ)Dcよりも厚い。壁部鉄板200の高さHaと壁部コンクリート301の高さHbとは、実質的に等しい。または、高さHaは高さHbよりも高い。
壁部コンクリート301の厚さDbは、少なくとも20[cm]である。本実施形態においては、厚さDbが20[cm]以上40[cm]以下になるように、壁部コンクリート301が形成される。
底部コンクリート302は、キャビティ室150に面する上面302Dと、上面302Dの反対方向を向く下面302Cとを有する。下面302Cと上面302Dとは、実質的に平行である。
底部ライナ402は、底部コンクリート302の下面302Cと接触する上面402Dと、上面402Dの反対方向を向く下面402Cとを有する。下面402Cと上面402Dとは、実質的に平行である。
上面302Dと下面302Cとの距離(底部コンクリート302の厚さ)Hcは、上面402Dと下面402Cとの距離(底部ライナ402の厚さ)Hdよりも大きい。
距離Dbと距離Hcとは実質的に等しい。距離Dcと距離Hdとは実質的に等しい。内面200Aと上面302Dとは直交する。なお、距離Hcが距離Dcよりも大きくてもよい。
壁部鉄板200及び壁部コンクリート301は、キャビティ室150の第1空間150A、第2空間150B、及び第3空間150Cのうち、少なくとも、第1空間150Aを規定する壁部102に設けられる。
次に、本実施形態に係る原子炉格納容器11の構造物100の施工方法の一例について説明する。図6、図7、及び図8は、本実施形態に係る構造物100の施工方法の一例を説明するための図である。本実施形態において、構造物100の施工方法は、既設構造物100Jを施工して、上述した構造物100を形成することを含む。
図6に示すように、既設構造物100Jは、原子炉容器41の下方にキャビティ室150Jを形成する。既設構造物100Jは、壁部ライナ401及び壁部ライナ401と接続される底部ライナ402を含む鋼板ライナ400と、底部ライナ402の上方に設けられ、キャビティ室150Jに面する底部コンクリート302と、外部コンクリート500とを有する。既設構造物100Jにおいては、壁部鉄板200及び壁部コンクリート301が設けられなく、第1部分H1及び第2部分H2のそれぞれにおいて、壁部ライナ401がキャビティ室150Jに露出する。既設構造物100Jの壁部ライナ401は、キャビティ室150Jを囲むように設けられ、キャビティ室150Jに面する内面401Aを有する。
図7に示すように、既設構造物100Jに対して、壁部ライナ401の内面401Aと間隙Gaを介して対向するように壁部鉄板200が配置される。間隙Gaの寸法は、少なくとも20[cm]である。本実施形態においては、間隙Gaの寸法が20[cm]以上40[cm]以下になるように、壁部鉄板200が配置される。
次に、図8に示すように、壁部ライナ401と壁部鉄板200との間にコンクリートが投入される。投入されたコンクリートが固化されることにより、壁部ライナ401及び壁部鉄板200に固定される壁部コンクリート301が形成される。壁部コンクリート301は、底部コンクリート302と接続されるように形成される。以上により、図5等に示したような構造物100が形成される。
以上説明したように、本実施形態によれば、炉心溶融を伴うシビアアクシデントにより、原子炉容器41の下部が破損され、原子炉容器41から溶融物が流出してしまった場合、原子炉容器41の下部から流出した溶融物は、原子炉容器41の下方に設けられた原子炉格納容器11のキャビティ室150に落下する。構造物100は、原子炉容器41の下部と対向する底部101を有するため、原子炉容器41の下部から流出した溶融物は、キャビティ室150の底部101で受け止められる。
また、構造物100は、壁部102を有するので、図9に示すように、底部101で受け止められた溶融物が底部101を流れても、壁部102で堰き止められる。これにより、溶融物の拡散が抑制される。
壁部102は、キャビティ室150に面する壁部鉄板200と、キャビティ室150に対して壁部鉄板200の外側に設けられる壁部コンクリート301と、キャビティ室150に対して壁部コンクリート301の外側に設けられる壁部ライナ401とを有する。そのため、壁部ライナ401は、壁部鉄板200及び壁部コンクリート301により、溶融物から保護される。壁部鉄板200及び壁部コンクリート301により、壁部ライナ401と溶融物との接触が抑制される。
壁部ライナ401は、キャビティ室150の気密性を確保するための部材であり、壁部ライナ401の損傷は、被害の拡大をもたらす。壁部ライナ401と溶融物とが接触すると、溶融物の熱により、壁部ライナ401が溶融したり、破損したりする可能性がある。
本実施形態によれば、壁部鉄板200及び壁部コンクリート301により、壁部ライナ401と溶融物との接触が抑制される。そのため、壁部ライナ401の損傷が抑制される。壁部鉄板200又は壁部ライナ401は、溶融物との接触により損傷する可能性はあるものの、壁部ライナ401の損傷は抑制される。すなわち、キャビティ室150を形成する構造物100の一部は損傷する可能性が有るものの、構造物100の重大な損傷(壁部ライナ401の損傷)の発生は抑制される。そのため、原子炉容器41から溶融物が流出してしまった場合でも、被害の拡大を抑制することができる。
また、本実施形態においては、壁部コンクリート301の厚さDbは、少なくとも20[cm]である。これにより、溶融物との接触で壁部鉄板200が溶融した場合でも、壁部コンクリート301が犠牲材となり、壁部ライナ401を保護することができる。
また、本実施形態によれば、キャビティ室150に対して壁部ライナ401の外側に外部コンクリート500が設けられる。これにより、壁部ライナ401が外部コンクリート500に支持され、構造物100の強度が向上する。また、外部コンクリート500は、底部ライナ402も支持する。これにより、構造物100の強度は、より向上する。
また、本実施形態によれば、壁部ライナ401と底部ライナ402とが接続され、一体化されているので、キャビティ室150の気密性は十分に確保される。また、底部ライナ402の上方に底部コンクリート302が設けられるので、その底部コンクリート302により、底部ライナ402と溶融物との接触が抑制され、溶融物の熱に起因する底部ライナ402の損傷が抑制される。
また、本実施形態においては、壁部鉄板200及び壁部コンクリート301は、計装管台63の直下の空間SPの外側に配置される。溶融物は、計装管台63を介して、原子炉容器41から流出する可能性が高い。空間SPの外側に壁部鉄板200及び壁部コンクリート301が配置されることにより、計装管台63を介して原子炉容器41から流出した溶融物が、壁部コンクリート301の上面301Dに落下することが抑制される。溶融物が壁部コンクリート301の上面301Dに落下すると、溶融物の熱による壁部コンクリート301の溶融が促進される可能性がある。その結果、壁部ライナ401は、溶融物から十分に保護されない可能性がある。本実施形態においては、空間SPの外側に壁部鉄板200及び壁部コンクリート301が配置されることにより、壁部コンクリート301の溶融が抑制される。したがって、壁部ライナ401は、壁部コンクリート301で十分に保護される。
壁部鉄板200及び壁部コンクリート301は、空間SPの外側に配置されるものの、原子炉容器41のエッジ(外周面)41Eの直下(図9参照)に配置される。すなわち、壁部鉄板200及び壁部コンクリート301は、空間SPの外側に配置されるものの、壁部鉄板200及び壁部コンクリート301と空間SPとの距離は短い。したがって、壁部鉄板200及び壁部コンクリート301は、計装管台63を介して底部101に落下した溶融物を直ちに堰き止めることができる。
また、本実施形態においては、壁部ライナ401は、原子炉容器41の直下の空間の外側(エッジ41Eの直下の位置よりも外側)に配置される。したがって、原子炉容器41から流出した溶融物が、壁部ライナ401に落下することが抑制され、溶融物と壁部ライナ401との接触が抑制される。
また、本実施形態によれば、壁部鉄板200及び壁部コンクリート301が設けられていない既設構造物100Jに対して、壁部鉄板200及び壁部コンクリート301を迅速に設けることができる。壁部ライナ401が露出している既設構造物100Jにおいては、原子炉容器41から流出した溶融物と壁部ライナ401とが接触する可能性が高い。溶融物が原子炉容器41から流出するシビアアクシデントに対する対策が十分に行われていない既設構造物100Jが存在していても、本実施形態に係る施工方法が実施されることにより、既設構造物100Jを、壁部ライナ401が壁部鉄板200及び壁部コンクリート301で保護された構造を有する構造物100に円滑に変更することができる。
また、本実施形態によれば、壁部コンクリート301の型枠として使用される壁部鉄板200が構造物100の一部として使用されることにより、構造物100の施工が迅速に行われる。つまり、投入されたコンクリートが固化されて壁部コンクリート301が形成された後、型枠を撤去する工程が不要となるので、構造物100の施工が早期に終了する。また、壁部鉄板200の存在により、溶融物と壁部コンクリート301との接触が抑制され、壁部コンクリート301を長持ちさせることができる。
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図10は、本実施形態に係る構造物100Aの一例を示す断面図である。図10に示すように、構造物100Aは、壁部コンクリート301に埋められた形鋼600を有する。形鋼600は、H形鋼でもよいし、I形鋼でもよいし、T形鋼でもよいし、山形鋼でもよいし、平形鋼でもよいし、溝形鋼でもよいし、Z形鋼でもよい。
図10に示す例では、形鋼600は、壁部鉄板200を支持するように配置される。
形鋼600は、鉛直方向に延在するように設けられてもよいし、水平方向に延在するように設けられてもよい。
形鋼600が設けられることにより、壁部コンクリート301を含む構造物100Aの強度が向上する。強度が向上することにより、キャビティ室150において多量の水蒸気が発生し、圧力が上昇しても、その圧力に耐えることができる。
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図11は、本実施形態に係る構造物100Bの一例を示す側断面図である。上述の実施形態においては、壁部鉄板200及び壁部コンクリート301が設けられる第1部分H1の高さ方向の寸法が、壁部鉄板200及び壁部コンクリート301が設けられない第2部分H2の高さ方向の寸法よりも小さい例について説明した。図11に示すように、壁部鉄板200及び壁部コンクリート301が設けられる第1部分H1の高さ方向の寸法が、壁部鉄板200及び壁部コンクリート301が設けられない第2部分H2の高さ方向の寸法よりも大きくてもよい。
また、壁部鉄板200が、複数の鉄板を含んでもよい。図11に示す例では、壁部鉄板200が、鉛直方向に配置された複数の鉄板201、202、203、204、205、206を含む例を示す。壁部鉄板200は、水平方向に配置される複数の鉄板を含んでもよいし、鉛直方向及び水平方向のそれぞれに配置される複数の鉄板を含んでもよい。
鉛直方向に配置された複数の鉄板201、202、203、204、205、206を含む壁部鉄板200を使って構造物100Bを施工する場合、まず、既設構造物100Jの底部コンクリート302に鉄板201が設置され、その鉄板201と壁部ライナ401との間にコンクリートが投入される。投入したコンクリートが固化した後、鉄板201の上に鉄板202が設置され、その鉄板202と壁部ライナ401との間にコンクリートを投入する。鉄板201と鉄板202とは、溶接により接続されてもよい。鉄板201と鉄板202とが溶接により接続された後、鉄板202と壁部ライナ401との間にコンクリートが投入されてもよい。
以上の手順が繰り返されることにより、複数の鉄板201、202、203、204、205、206を含む壁部鉄板200と壁部ライナ401との間に壁部コンクリート301が設けられる。
複数の鉄板で壁部鉄板200が形成されることによって、施工の自由度が向上し、様々な形状のキャビティ室150が円滑に形成される。
また、壁部鉄板200の高さを高くして、第1部分H1の高さ方向の寸法を、第2部分H2の高さ方向の寸法よりも大きくすることにより、原子炉容器41から流出した溶融物が飛散しても、その溶融物と壁部ライナ401との接触が十分に抑制される。
なお、上述の第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせてもよい。すなわち、壁部鉄板200を構成する複数の鉄板を、壁部コンクリート301に埋められる形鋼で支持してもよい。これにより、耐震強度を確保することができる。
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図12は、本実施形態に係るキャビティ室150を含む構造物100Cの一例を示す平断面図である。上述のように、キャビティ室150は、第1空間150Aと、第2空間150Bと、第3空間150Cとを含む。
図12に示すように、壁部鉄板200及び壁部コンクリート301は、キャビティ室150の第1空間150Aのみならず、第2空間150Bを規定する壁部102にも設けられてよい。また、第1空間150A、第2空間150B、及び第3空間150Cのそれぞれを規定する壁部102に壁部鉄板200及び壁部コンクリート301が設けられてもよい。
本実施形態によれば、溶融物が拡散しても、壁部ライナ401と溶融物との接触を十分に抑制することができる。
なお、上述の各実施形態においては、本発明の構造物が加圧水型原子炉に適用される例について説明したが、沸騰型原子炉(BWR:Boiling Water Reactor)に適用することもでき、軽水炉であれば、いずれの原子炉に適用してもよい。
11 原子炉格納容器
12 加圧水型原子炉
13 蒸気発生器
14 冷却水配管
15 冷却水配管
16 加圧器
17 冷却水ポンプ
18 タービン
19 復水器
20 冷却水配管
21 冷却水配管
22 給水ポンプ
23 発電機
24 取水管
25 排水管
41 原子炉容器
41E エッジ(外周面)
42 原子炉容器本体
43 原子炉容器蓋(上鏡)
44 スタッドボルト
45 ナット
46 下鏡
47 入口ノズル(入口管台)
48 出口ノズル(出口管台)
49 上部炉心支持板
50 下部炉心支持板
51 炉心支持ロッド
52 上部炉心板
53 炉心槽
54 下部炉心板
55 炉心
56 燃料集合体
57 制御棒
58 制御棒クラスタ
59 制御棒クラスタ案内管
60 制御棒駆動装置
61 ハウジング
62 制御棒クラスタ駆動軸
63 計装管台
64 炉内計装案内管
65 コンジットチューブ
66 連接板
67 連接板
68 シンブルチューブ
69 上部プレナム
70 下部プレナム
71 ダウンカマー部
81 地盤
83 上部コンパートメント
84 蒸気発生器ループ室
88 燃料取替用水ピット
89 原子炉冷却経路(冷却水供給装置)
90 原子炉格納容器冷却経路(冷却水供給装置)
95 保温材
100 構造物
100A 構造物
100B 構造物
100C 構造物
100J 既設構造物
101 底部
101F 底面
101S 傾斜面
102 壁部
103 天井部(天井面)
150 キャビティ室
150A 第1空間
150B 第2空間
150C 第3空間
150J キャビティ室
200 壁部鉄板
201 鉄板
202 鉄板
203 鉄板
204 鉄板
205 鉄板
206 鉄板
200A 内面
200B 外面
200C 下面
200D 上面
300 内部コンクリート
301 壁部コンクリート
301A 内面
301B 外面
301C 下面
301D 上面
302 底部コンクリート
302C 下面
302D 上面
400 鋼板ライナ
401 壁部ライナ
401A 内面
401B 外面
402 底部ライナ
402C 下面
402D 上面
500 外部コンクリート
600 形鋼
Da 距離
Db 距離
Dc 距離
Ga 間隙
H1 第1部分
H2 第2部分
Ha 距離
Hb 距離
Hc 距離
Hd 距離
SP 空間(領域)

Claims (8)

  1. 原子炉容器の下方にキャビティ室を形成する底部及び壁部を有する構造物を備え、
    前記壁部は、前記キャビティ室に面する壁部鉄板と、前記キャビティ室に対して前記壁部鉄板の外側に設けられる壁部コンクリートと、前記キャビティ室に対して前記壁部コンクリートの外側に設けられる壁部ライナとを有する、
    原子炉格納容器。
  2. 前記壁部コンクリートの厚さは、少なくとも20[cm]である、
    請求項1に記載の原子炉格納容器。
  3. 前記キャビティ室に対して前記壁部ライナの外側に設けられる外部コンクリートを有する、
    請求項1又は請求項2に記載の原子炉格納容器。
  4. 前記底部は、前記壁部ライナと接続される底部ライナと、前記底部ライナの上方に設けられ、前記キャビティ室に面する底部コンクリートとを有する、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の原子炉格納容器。
  5. 前記壁部コンクリートに埋められた形鋼を有する、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の原子炉格納容器。
  6. 原子炉容器の下方にキャビティ室を形成する既設構造物を有する原子炉格納容器の施工方法であって、
    前記既設構造物は、前記キャビティ室を囲むように設けられ、前記キャビティ室に面する内面を有する壁部ライナを備え、
    前記壁部ライナの前記内面と間隙を介して対向するように壁部鉄板を配置する工程と、
    前記壁部ライナと前記壁部鉄板との間にコンクリートを入れて、前記壁部ライナ及び前記壁部鉄板に固定される壁部コンクリートを形成する工程と、
    を含む原子炉格納容器の施工方法。
  7. 前記間隙の寸法は、少なくとも20[cm]である、
    請求項6に記載の原子炉格納容器の施工方法。
  8. 前記既設構造物は、前記壁部ライナと接続される底部ライナと、前記底部ライナの上方に設けられ、前記キャビティ室に面する底部コンクリートとを有し、
    前記底部コンクリートと接続されるように、前記壁部コンクリートを形成する、
    請求項6又は請求項7に記載の原子炉格納容器の施工方法。
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