JP2016164556A - 変状測定装置及び変状測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクトな構成であるにもかかわらず、短時間で、且つ、精度高く、構造物Sの一辺S1に関係するXY変位量を測定することが可能な変状測定装置1を提供する。
【解決手段】レーザー照射部10は、構造物Sの一辺S1に沿ってレーザー光線Lを照射する。反射受光手段11は、複数の反射部15のうち、一の反射部15で前記レーザー光線Lを反射させて、当該反射部15に対して配置された受光板16に受光させる。接写手段12は、前記レーザー光線Lを受光した受光板16のカメラ17により、当該受光板16上のレーザー光線LのスポットCを接写する。算出手段13は、前記接写されたレーザー光線LのスポットCのXY座標値を算出する。測定手段14は、複数のスポットのXY座標値に基づいて、当該複数のスポット間のXY変位量を、前記構造物の一辺のXY変位量として測定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、変状測定装置及び変状測定方法に関し、詳しくは、コンパクトな構成であるにもかかわらず、短時間で、且つ、精度高く、構造物の一辺に関係するXY変位量を測定することが可能な変状測定装置及び変状測定方法に関する。
コンクリートの建物、自動車の高速道路、鉄道の線路等の長尺な構造物の変状や劣化を調査するために、当該構造物の一辺に関係する(例えば、一辺と垂直な方向の)XY変位量を長期間にわたって測定する変状計測が行われている。この変状計測の測定結果に基づいて、構造物に対する今後の方針を決定しており、特に、構造物の周辺で行われる山留掘削工事、シールド工事、切土・盛土工事による構造物への影響を図るために、この変状計測は重要である。従来より、レーザー光線の直進性を利用して、一般的な構造物、建築物、機器装置、地盤、道路、鉄道、水路等の変状(変位)を測定するための技術は多数存在する。
例えば、特開平5−213198号公報(特許公報1)には、鉄道車輌用のレールに所定距離を置いてレーザー発光器とレーザー受光目盛板とを配設し、レーザー発光器から照射されたレーザー光のスポットをレーザー受光目盛板で測定することにより、レールの直線部の狂いを測定するようにしたことを特徴とする軌道狂い測定方法が開示されている。これにより、曲線部及び直線部の軌道狂いを自動的且つ連続的に測定することが出来て、極めて高精度且つ効率の良い測定が可能であるとしている。又、新幹線等の高速車輌用の曲率の大きい軌道の狂いを正確に測定することが出来て、車輌のより一層の高速化を実現することが可能であるとしている。
又、実開平6−86012号公報(特許公報2)には、測定対象となる構築物の測定区間となる一端側に固定され、その構築物と平行にレーザー光を照射するレーザー光源と、構築物に沿って走行することができる台車と、この台車の走行距離を測定する測距手段と、この台車に搭載され上記レーザー光を受光する受光器とを備える構築物の歪測定装置が開示されている。この歪測定装置では、上記台車の移動と共に上記受光器が常時上記レーザー光を受光できるように上記受光器を上記レーザー光とほぼ垂直に交叉する面に沿って移動させる直交二軸駆動手段と、この直交二軸駆動手段の駆動量を検出する変位検出手段と、この変位検出手段の検出値から上記構築物の歪量を求める演算手段とを更に備える。これにより、レーザー光を基準線として利用し、この基準線を受光器で捕捉しながら軌道を台車で移動させ、受光器を基準線の位置に維持するための移動量を取込む構造としたから、受光器の移動量が軌道の基準線に対する通り狂い及び高低狂いとして取扱うことが出来て、構築物の歪量を直接測定することが出来るとしている。
又、特開平8−292026号公報(特許公報3)には、レーザー照準器より放射されるレーザー光線と、該レーザー光線を受光して作動する変位検出器を用いて、被測定体の変位量を測定し、適当な箇所に表示する手段を備えてなることを特徴とした交通システム走行路線形等自動点検装置が開示されている。これにより、構造物の沈下、変形時、特に構造物に被害をもたらす程でない地震発生直後のマグレブにおける車両の運転再開可否の判断時に、即自動的に地上コイルの位置が点検出来るので、従来の方法による場合のような時間と労力を要しないとしている。
又、特開2006−308304号公報(特許文献4)には、計測対象の軌道区間の一端に発光手段を配置し、他端には前記発光手段からの光を受光して受光信号を出力する受光手段を配置し、前記軌道区間の中点には軌道と直交する方向に出没駆動される光遮断片を出没駆動する送り装置を配置し、前記送り装置によって出没駆動される光遮断片が前記発光手段から受光手段までの光路を遮断するときの出没駆動量に基づいて、前記軌道区間の軌道通り狂いを計測するように構成された軌道通り狂い計測装置が開示されている。この軌道通り狂い計測装置では、前記送り装置のセット位置を、軌道位置から所定距離だけ変位した位置にシフトさせるガイド付きマウントを備えたことを特徴とする。これにより、直線区間でも、大きな曲率の区間でも、正負の軌道通り狂いを計測することが出来るとしている。
又、特開2011−7667号公報(特許公報5)には、対象物の変位を測定する変位測定装置が開示されている。この変位測定装置は、前記対象物に取り付けられるPSDと、該PSDの受光面に向けて照射光を照射する光源と、前記PSDの前記受光面における照射光の受光位置から前記対象物の変位測定値を算出する演算処理手段とを備えていることを特徴とする。これにより、光源からの照射光の直接光がPSDの受光面で受光されるため、反射光が受光される従来技術に比して、変位測定値の誤差が小さく、そのうえ、誤差を低減するための複雑な補正を行う必要がなく、装置全体が簡易な構造となるため、安価に実施することが出来るとしている。
特開平5−213198号公報 実開平6−86012号公報 特開平8−292026号公報 特開2006−308304号公報 特開2011−7667号公報
しかしながら、特許文献1−5に記載の技術では、後述のように、種々の問題があった。例えば、特許文献1、2に記載の技術では、軌道狂いや歪量を測定するために、レールや構築物に沿ってレーザー受光目盛板や受光器を走行させる必要があり、測定時間が掛かるという問題がある。
又、特許文献3に記載の技術では、変位検出器に、例えば、四分割光電素子等の特別な検知手段を採用する必要があり、コストが掛かるという問題がある。
又、特許文献4、5に記載の技術では、光遮断片、PSDの受光面の位置の変位のみを測定するため、例えば、直線状の複数の箇所の変位を測定する場合は、測定毎に光遮断片、PSDの受光面を移動させる必要があり、測定時間が掛かるという問題がある。
又、特許文献1−5に記載の技術では、特定の測定スペースが必要であり、測定対象の場所が限定されるという問題がある。
そこで、本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、コンパクトな構成であるにもかかわらず、短時間で、且つ、精度高く、構造物の一辺に関係するXY変位量を測定することが可能な変状測定装置及び変状測定方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、本発明に係る新規な変状測定装置及び変状測定方法を完成させた。即ち、本発明に係る変状測定装置は、構造物の変位を測定する変状測定装置であって、以下の構成を採用する。
本発明は、レーザー照射部と、反射受光手段と、接写手段と、算出手段と、測定手段とを備える。レーザー照射部は、構造物の一辺に沿ってレーザー光線を照射する。反射受光手段は、前記構造物の一辺に沿って直列に配置された複数の反射部のうち、一の反射部で前記レーザー光線を反射させて、当該反射部に対して配置された受光板に受光させる。接写手段は、各受光板毎に固定された複数のカメラのうち、前記レーザー光線を受光した受光板のカメラにより、当該受光板上のレーザー光線のスポットを接写する。算出手段は、前記受光板で受光した際のレーザー光線の進行方向に直角な面をXY平面とし、前記受光板の所定の位置をXY平面の基準点として、前記接写されたレーザー光線のスポットのXY座標値を算出する。測定手段は、各反射部毎にレーザー光線を反射させ、各受光板毎に受光させることで、各カメラ毎に算出される複数のスポットのXY座標値に基づいて、当該複数のスポット間のXY変位量を、前記構造物の一辺のXY変位量として測定する。
又、本発明は、構造物の変位を測定する変状測定方法として提供することが出来る。本発明は、照射ステップと、受光ステップと、接写ステップと、算出ステップと、測定ステップとを備える。照射ステップは、構造物の一辺に沿ってレーザー光線を照射する。反射受光ステップは、前記構造物の一辺に沿って直列に配置された複数の反射部のうち、一の反射部で前記レーザー光線を反射させて、当該反射部に対して配置された受光板に受光させる。接写ステップは、各受光板毎に固定された複数のカメラのうち、前記レーザー光線を受光した受光板のカメラにより、当該受光板上のレーザー光線のスポットを接写する。算出ステップは、前記受光板で受光した際のレーザー光線の進行方向に直角な面をXY平面とし、前記受光板の所定の位置をXY平面の基準点として、前記接写されたレーザー光線のスポットのXY座標値を算出する。測定ステップは、各反射部毎にレーザー光線を反射させ、各受光板毎に受光させることで、各カメラ毎に算出される複数のスポットのXY座標値に基づいて、当該複数のスポット間のXY変位量を、前記構造物の一辺のXY変位量として測定する。
又、本発明は、電気通信回線などを介して個別に流通する、コンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することができる。この場合、中央演算処理装置(CPU)が、本発明のプログラムに従ってCPU以外の各回路と協働して制御動作を実現する。又、前記プログラム及びCPUを用いて実現される各手段は、専用のハードウェアを用いて構成することもできる。又、当該プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通させることも可能である。
本発明に係る変状測定装置及び変状測定方法によれば、コンパクトな構成であるにもかかわらず、短時間で、且つ、精度高く、構造物の一辺に関係するXY変位量を測定することが可能となる。
本発明に係る変状測定装置の概略図及び機能ブロック図である。 本発明に係る円筒部の透光部がレーザー光線を透光した状態の一例を示す図(図2A)と、本発明に係る反射部がレーザー光線を反射し、受光板が当該レーザー光線を受光した状態の一例を示す図(図2B)とである。 本発明に係る反射部、受光板及びカメラの位置関係の一例を示す図(図3A)と、本発明に係る受光板の画像にあるスポットの一例を示す図(図3B)とである。 本発明に係るスポットを含む画像を示す図(図4A)と、スポットのエッジを抽出した際の画像を示す図(図4B)と、スポットのエッジから当該スポットの擬似的半径を算出した際の画像を示す図(図4C)とである。 本発明に係る反射部が時刻t1と時刻t2においてレーザー光線を反射した状態の一例を示す図(図5A)と、本発明に係る第一の反射部がレーザー光線を反射した状態の一例を示す図(図5B)と、本発明に係る第二の反射部がレーザー光線を反射した状態の一例を示す図(図5C)とである。 本発明に係る変状測定装置で構造物の一辺のXY変位量を測定している状態の概略図である。 本発明に係る変状測定方法の実行手順を示すためのフローチャートである。 時刻t1における構造物の一辺のXY座標値の一例を示す図(図8A)と、時刻t1及び時刻t2における構造物の一辺のXY座標値の一例を示す図(図8B)とである。 本発明に係る変状測定装置(反射装置、受光装置)で線路のレールのXY変位量を測定する場合の斜視図(図9A)と、反射装置でレーザー光線を透光及び反射した状態と、受光装置の位置を変更した状態の一例を示す図(図9B)とである。 本発明に係る反射部の別例を示す斜視図(図10A)と、固定部材の別例を示す斜視図(図10B)と、受光板及びカメラの別例を示す斜視図(図10C)とである。
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る変状測定装置及び変状測定方法の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
<変状測定装置>
図1は、本発明に係る変状測定装置の概略図及びブロック図である。本発明に係る変状測定装置は、構造物Sの変位を測定する変状測定装置1であって、図1に示すように、レーザー照射部10と、反射受光手段11と、接写手段12と、算出手段13と、測定手段14とを備える。レーザー照射部10は、構造物Sの一辺S1に沿ってレーザー光線Lを照射する。反射受光手段11は、前記構造物Sの一辺S1に沿って直列に配置された複数の反射部15(反射鏡)のうち、一の反射部15aで前記レーザー光線Lを反射させて、当該反射部15aに対して配置された受光板16aに受光させる。受光板16は、各反射部15毎に設けられる。レーザー光線Lは、反射部15aの反射点Rで反射される。接写手段12は、各受光板16毎に固定された複数のカメラ17のうち、前記レーザー光線Lを受光した受光板16aのカメラ17aにより、当該受光板16a上のレーザー光線LのスポットCを接写する。算出手段13は、前記受光板16aで受光した際のレーザー光線Lの進行方向(Z方向)に直角な面をXY平面とし、前記受光板11aの所定の位置をXY平面の基準点として、前記接写されたレーザー光線LのスポットCのXY座標値を算出する。測定手段14は、各反射部15毎にレーザー光線Lを反射させ、各受光板16毎に受光させることで、各カメラ17毎に算出される複数のスポットCのXY座標値に基づいて、当該複数のスポットC間のXY変位量を、前記構造物Sの一辺S1のXY変位量として測定する。
ここで、反射受光手段11、接写手段12、算出手段13、測定手段14は、例えば、図1に示すように、パーソナルコンピューター、ノートパソコン等の端末装置18、携帯端末装置が、各手段に対応するプログラムを実行することで当該各手段の機能を実現する。例えば、端末装置18のCPUが、例えば、RAMを作業領域として利用し、ROM、HDD、SSD等に記憶されているプログラムを実行し、各手段の処理を実行する。
これにより、コンパクトな構成であるにもかかわらず、短時間で、且つ、精度高く、構造物Sの一辺S1に関係するXY変位量(ここでは、構造物Sの一辺S1と直角な方向のXY変位量)を測定することが可能となる。
即ち、本発明では、入手し易い反射部15と受光板16とカメラ17を組み合わせ、当該カメラ17の画像によりスポットCのXY座標値を算出し、複数のスポットCのXY座標値から、構造物Sの一辺S1のXY変位量を計測する。そのため、特殊な部材を必要とせず、簡単で安価に構成することが可能となる。
又、本発明では、反射部15によるレーザー光線Lの反射と、受光板16によるレーザー光線Lの受光と、当該レーザー光線LのスポットCのXY座標値の算出と、複数のスポットC間のXY変位量の測定(算出)とにより、構造物Sの一辺S1のXY変位量を測定する。ここで、反射部15と受光板16とカメラ17とを一組として、複数の組を構造物Sの一辺S1に沿って予め直列に設ければ、これらの処理は数十秒で実行出来る。そのため、本発明では、従来技術と比較して、構造物Sの一辺S1のXY変位量を非常に短時間で測定することが可能となる。
ここで、異なる時刻で算出された2種類のスポットCのXY座標値を用いて、当該複数(2つ)のスポットC間のXY変位量を測定すれば、前記構造物Sの一辺S1の所定の位置における経時的なXY変位量を測定することが出来る。一方、所定のスポットC(例えば、レーザー照射部10に対して直近にある受光板16のスポット)を基準として、当該スポットCのXY座標値と、当該スポットCよりもZ方向に沿って前方にある他のスポットCのXY座標値とを用いて、スポットC間のXY変位量を測定すれば、前記構造物Sの一辺S1のZ方向におけるXY変位量を測定することが出来る。更に、各受光板16毎に異なる時刻でカメラ17で接写されて算出された2種類のスポットCのXY座標値を用いて、各受光板16毎におけるスポットCの経時的なXY変位量を測定すれば、前記構造物Sの一辺S1の経時的なXY変位量を測定することが出来る。
又、本発明では、反射部15でレーザー光線Lを反射させることで、レーザー光線LのスポットCを、変状計測の対象である構造物Sの一辺S1の近傍とは異なる箇所に形成させることが出来る。そのため、構造物Sの一辺S1の近傍に測定スペースを設ける必要が無く、任意の箇所に、受光板16及びカメラ17を設置して、反射部15で当該受光板16にレーザー光線LのスポットCを形成させるように当該反射部15を設置すれば、変状計測が可能となる。その結果、変状計測の省スペース化を実現することが可能となるとともに、変状計測の対象の環境に応じて、変状測定装置1を適用させることが可能となる。
更に、本発明では、受光板16aでレーザー光線Lを受光し、当該受光板16aに写ったレーザー光線LのスポットCをカメラ17aで接写することで、スポットCの画像は高解像度の画像となる。高解像度の画像からスポットCのXY座標値を算出すれば、そのXY座標値の精度(測定限界)は0.数mmとなる。そのため、本発明では、構造物Sの一辺S1のXY変位量を非常に精度高く測定することが可能となるのである。
そして、レーザー光線LのスポットCの形成を制御する反射部15は、比較的小型で、且つ、軽量であることから、レーザー光線Lを反射させる際にブレが生じ難い。そのため、本発明では、算出されるスポットCのXY座標値にブレの誤差が生じ難く、測定結果の精度を更に向上させることが可能となる。更に、反射部15を設けることで、レーザー光線Lから離れた位置に受光板16及びカメラ17を設置することが可能となることから、装置の各部を小型化することが出来て、省スペース化を実現出来る。
<各構成>
ここで、レーザー照射部10の機能は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無く、単にレーザー光線Lを照射する機能のみであっても、レーザー光線Lの起点から当該レーザー光線Lの反射点までの間のZ方向の距離を測定する機能を更に有していても構わない。レーザー距離計のように、受光量に応じてZ方向の距離を測定可能とすれば、XYZ座標値の計測も可能となるため、構造物Sの一辺S1のXYZ変位量を測定することが可能となる。
又、レーザー照射部10のレーザー光線Lの進行距離範囲は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無いが、例えば、1m〜100mの範囲内であると好ましく、1m〜50mの範囲内であると更に好ましい。これにより、一辺が非常に長い構造物、建築物、機器装置、地盤、道路、鉄道、線路、水路等のXY変位量を幅広く測定することが可能となる。
又、レーザー照射部10のレーザー光線Lのスポット径(光径)は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無いが、例えば、0.1mm〜2.0mmの範囲内であると好ましく、0.1mm〜1.0mmの範囲内であると更に好ましい。レーザー光線Lのスポット径が小さい程、スポットCが理想的な点(ゼロ次元の点)に近づくため、当該複数のスポットC間のXY変位量、つまり、構造物Sの一辺S1のXY変位量を正確に測定することが可能となる。
又、レーザー光線Lは、進行距離が長くなる程、スポット径が広がる(拡散する)ため、例えば、レーザー照射部10と反射部15との間、又は、反射部15と受光板16との間に、レーザー光線Lのスポット径を一定とするレンズを更に設けても良い。これにより、進行距離が長距離(10m、20m、50m等)にわたってレーザー光線Lのスポット径を一定とすることで、長距離にわたって構造物Sの一辺S1のXY変位量を精度高く測定することが可能となる。
又、レーザー照射部10のレーザー光線Lの安全基準のクラスは、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無いが、例えば、波長が400nm〜700nmの範囲内である可視光で出力が1mW以下であるクラス2が好ましい。このクラスであると、例えば、構造物SのXY変位量を測定している際に、仮に、ユーザーの目にレーザー光線Lが一時的に照射しても、ユーザーが目の嫌悪反応を感じるだけで、目に危険性は無く、極めて安全である。
又、レーザー照射部10のレーザー光線Lの波長は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無いが、例えば、可視光で赤色を示す650nmであると好ましい。これにより、構造物SのXY変位量を測定している際に、ユーザーが一見してレーザー光線Lが照射しているか否かを確認することが可能となる。
又、レーザー照射部10のレーザー光線Lは、構造物Sの一辺S1に対して平行で、且つ、直線性を維持すると好ましい。そのため、例えば、レーザー照射部10に傾斜計を設けるとともに、レーザー照射部10の設置底面に水平調整可能な水平調整部を更に設けて、当該レーザー照射部10のレーザー光線Lの水平度を適宜調整出来るよう構成すると好ましい。
又、レーザー照射部10の設置位置は、反射部15が設置される構造物Sの一辺S1上の位置でも、当該構造物Sの一辺S1上の延長線上に存在する他の構造物の位置でも構わない。これは、例えば、構造物Sと、他の構造物とが別体の場合である。
又、反射部15の構成は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無く、例えば、透明性の部材で作製された三角プリズム、ペンタプリズム、反射鏡、反射板等が採用される。例えば、図1に示すように、反射部15は、透明性部材の直方体の一端部を、一端面から、対向する他端面に向かって45度の角度で切断された形状であり、当該切断面に反射鏡を設けることで、反射部15に当たったレーザー光線Lを直角に90度だけ反射させるように構成している。反射鏡は、例えば、反射強化アルミ膜等の反射強化金属膜が採用される。
尚、反射部15によるレーザー光線Lの反射角度は、例えば、90度が好ましいが、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無い。原理的には、反射部15と、受光板16と、カメラ17との位置関係が一義的に決定されれば、反射角度に依存せずに、反射されたレーザー光線LのスポットCのXY座標値(変位)は、反射部15におけるレーザー光線Lの反射点RのXY座標値(変位)に対応する。
又、複数の反射部15のサイズは、例えば、どの反射部15のサイズも同一のサイズであると好ましい。又、複数の反射部15がそれぞれ設置される高さは、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無いが、例えば、どの反射部15の高さも、前記構造物Sの一辺S1に対して同一の高さであると好ましい。
又、反射受光手段11がレーザー光線Lを反射部15で反射させる方法は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無いが、例えば、以下の構成を採用することが出来る。即ち、図1、図2に示すように、反射部15を円筒部11aの開口の半分に設置して当該半分でレーザー光線Lを反射させ、残りの半分を透光部11bとし、前記円筒部11aの中心軸とレーザー光線Lの軸(進行方向)とを平行にして、前記円筒部11aの透光部11bにレーザー光線Lを透過した状態で前記円筒部11aの中心軸を回転軸として前記円筒部11aを回転可能に支持する回転ステージ11cを設ける。更に、前記回転ステージ11cを構造物Sの一辺S1の所定の位置に固定する固定部材11d(固定治具)を設け、固定部材11dは、前記反射部15で反射したレーザー光線Lを受光する位置に受光板16を固定し、前記受光板16上のレーザー光線LのスポットCを接写する位置にカメラ17を固定している。端末装置18の反射受光手段11が、通信ケーブルを介して回転ステージ11cに通信可能に接続され、前記回転ステージ11cの円筒部11aを回転させることで、レーザー光線Lを反射部15で反射させたり透光部11bで透光したりする。
例えば、反射受光手段11が、前記回転ステージ11cの円筒部11aを所定の回転角度(基準となる回転角度、例えば、0度)で維持することで、図2Aに示すように、当該円筒部11aの透光部11bでレーザー光線Lを透光する(透過させる)。更に、反射受光手段11が、前記回転ステージ11cの円筒部11aを前記回転角度から180度、時計回りの方向(又は逆時計回りの方向)に回転することで、図2Bに示すように、当該円筒部11aの反射部15でレーザー光線Lを受光し、直角に反射して、反射方向に存在する(下方の)受光板16上にレーザー光線LのスポットCを形成させる。この状態で、接写手段12がカメラ17で前記スポットCを接写する。そして、反射受光手段11が、この状態から、更に、前記回転ステージ11cの円筒部11aを180度、時計回りの方向(又は逆時計回りの方向)回転することで、前記円筒部11aを元の回転角度(0度)に戻して、当該円筒部11aの透光部11bでレーザー光線Lを透光し、前記反射部15の反射を解除する。
このように、円筒部11aや回転ステージ11cを用いてレーザー光線Lを反射したり透光したりする方法を採用すると、円筒部11aや回転ステージ11cは安価であるため、全体として安価に構成することが出来る。又、構成が簡単で、且つ、コンパクトであることから、装置全体を小型化することが可能となる。更に、反射部15は軽量であるから、回転による位置ブレも生じ難く、180度の回転のみで反射と透光を切り替えることが出来るため、装置の制御が単純であり、装置の耐久性を挙げることが出来る。
又、前記円筒部11aは、内空の筒であればよく、円筒状でも、楕円筒状でも、多角筒状でも構わない。又、固定部材11dは、どのような構成でも良く、例えば、図1、図2に示すように、断面形状がL字状であり、一面に回転ステージ11cを固定し、他面に受光板16とカメラ17とを固定し、当該他面を構造物Sの一辺S1の表面に固定するよう構成される。
尚、反射受光手段11がレーザー光線Lを反射する方法は、他の方法として、例えば、単純に、レーザー光線Lの進行方向に直角な方向(X方向又はY方向)に対して反射部15を出し入れする方法でも構わない。
又、複数の反射部15を構造物Sの一辺S1に対して同一の高さで配置する方法は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無く、上述のように、円筒部11a、回転ステージ11c、固定部材11dを各反射部15毎に全て同一の構成にする方法を採用することが出来る。ここで、構造物Sの一辺S1に対する高さは、X方向の高さでもY方向の高さでもXY方向の高さでも構わない。又、複数の反射部15に対応して、複数の受光板16を同一の高さで配置する場合は、例えば、構造物Sの一辺S1の各設置箇所毎に平行に設置されることで、複数の受光板16は、同一の高さで配置される。
又、複数の反射部15を構造物Sの一辺S1に沿って直列に配置する方法は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無く、構造物Sの一辺S1の形状(角部、端部、表面)に対応して、(固定部材11dを用いて)反射部15を設置したり、構造物Sの一辺S1に巻尺やメジャー等の長尺部材を沿わせて、その長尺部材の各設置箇所毎に対応して反射部15を配置したりすることが出来る。
又、構造物Sの一辺S1の方向、つまり、レーザー光線Lの進行方向(Z方向)に対する各反射部15間の距離、又は各受光板16毎の距離は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無く、ユーザーがXY変位量の測定を所望する構造物Sの一辺S1の所定距離に適宜対応させれば良い。
例えば、構造物Sの一辺S1の経時的なXY変位量の測定に対応するのであれば、各反射部15間の距離は、数mに設定され、レーザー照射部10に最も近い反射部15から最も遠い反射部15までの距離は、20m、50m、100m等に設定される。又、構造物Sが鉄道の線路であり、当該構造物Sの一辺S1のXY変位量が軌道狂い(例えば、X変位量が高低狂い、Y変位量が通り狂いとする)の測定に対応するのであれば、各反射部15間の距離は、軌道狂いの規定に従って5m、10m等に適宜設定される。
又、受光板16のサイズは、レーザー光線Lを受光することが出来れば、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無いが、小型化を考慮すれば、例えば、長手方向のサイズが5cm〜10cmの範囲内で、短手方向のサイズが3cm〜8cmの範囲内とすることが出来る。
又、受光板16の形状は、レーザー光線Lを受光することが出来れば、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無く、例えば、四角形状、多角形状、円形状、楕円形状等を採用することが出来る。
又、複数の受光板16のサイズは、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無いが、例えば、どの受光板16のサイズも同一のサイズであると好ましい。又、複数の受光板16がそれぞれ設置される位置は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無いが、例えば、どの受光板16の位置も、前記構造物Sの一辺S1に対して近接した位置であっても良いし、前記構造物Sの環境に応じて当該構造物Sから離れた位置であっても良い。
又、レーザー光線Lを受光する受光板16の面(照射面)は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無いが、レーザー光線LのスポットCの位置の明確性を考慮すれば、例えば、レーザー光線Lの色に対応した色(同等の色)のシート材(紙等)が設けられると好ましい。具体的には、レーザー光線Lの色が赤色であれば、それに対応した赤色のシート材が受光板16の照射面に設けられる。これにより、レーザー光線Lが受光板16に照射されると、そのスポットSの輪郭(エッジ)が強調され、当該スポットCのXY座標値を算出し易くなり、構造物Sの一辺S1のXY変位量の測定精度を向上させることが可能となる。又、受光板16の面は、例えば、スポットCを明確にする白色板や白濁板であっても良い。
又、接写手段12がカメラ17により前記受光板16上のレーザー光線LのスポットCを接写する方法は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無いが、例えば、以下の構成を採用することが出来る。即ち、図1、図2、図3に示すように、受光板16を透明性又は半透明性の材質とし、当該受光板16に対してレーザー光線Lの進行方向と逆方向にカメラ17を設け、端末装置18の接写手段12が、通信ケーブルを介してカメラ17に通信可能に接続される。そして、反射受光手段11が、一の反射部15aを介して、複数の受光板16のうち、一の受光板16aでレーザー光線Lを受光すると、接写手段12が、当該一の受光板16aのカメラ17aを起動して、当該受光板16a上に写ったレーザー光線LのスポットCを、受光面と逆の背面側から接写する。
これにより、受光板16aの背面に写ったレーザー光線LのスポットCをぶれることなく、且つ、撮影角度が生じること無く接写することが出来るため、スポットCのXY座標値を更に精度高く算出することが可能となる。
又、接写手段12が受光板16a上に写ったレーザー光線LのスポットCを背面側から接写する方法は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無いが、例えば、以下の構成を採用することが出来る。即ち、図1、図2、図3に示すように、固定部材11dに、断面形状がコ状の外装11eの外側底面を固定し、当該外装11eの内側底面にカメラ17を設置し、当該外装11eの二つの側面の端部に受光板16の左右方向の両端部をそれぞれ固定する。ここで、図3Aに示すように、受光板16を外装11eに固定する際に、カメラ17が受光板16の背面をブレなく、且つ、撮影角度を生じさせること無く接写出来る最短撮影距離D(mm)を確保することが出来る。
最短撮影距離Dは、カメラ17の性能等によるものの、例えば、カメラ17の画素数が30万画素数であれば、当該カメラ17で接写可能な最短撮影距離Dは、1.0cm〜5.0mmの範囲内と設定される。これにより、前記接写されたレーザー光線LのスポットCの画像は高解像度画像として得ることが出来るとともに、全体として小型化することが出来る。
尚、カメラ17の画素数は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無いが、画像の解像度を考慮すると、例えば、30万画素数、100万画素数等を採用することが出来る。ここで、カメラ17の画素数を増加させれば、当該カメラ17で撮影された画像の解像度は増加するものの、通常、画像の解像度が高くなる程、当該画像内のレーザー光線LのスポットCのXY座標値の算出に要する時間が長くなるため、測定時間との兼ね合いでカメラ17の画素数は適宜設計される。
一方、測定時間を考慮しない場合であれば、カメラ17の画素数を増加させれば、画像の解像度が増加し、1ピクセル当たりの寸法が木目細かくなるため、測定精度が向上する。例えば、画像のサイズが50mm×50mmで、当該画像の解像度が12MBである場合、1ピクセル単位は1mm単位に換算されるため、測定精度は1mm単位となる。又、前記画像のサイズが50mm×50mmで、当該画像の解像度が25MBである場合、1ピクセル単位は0.5mm単位に換算されるため、測定精度は0.数mm単位と向上する。
又、画像のサイズは、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無いが、測定精度の向上を考慮すると、大きければ大きい程、好ましい。一方、画像のサイズを大きくする場合、受光板16とカメラ17との間の最短撮影距離Dを大きくする必要があるため、装置が大型化する場合がある。そのため、画像のサイズは、測定精度と小型化の両面を考慮して設定される。
又、カメラ17のサイズは、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無いが、例えば、小型であれば、装置全体の小型化を図れるため、好ましい。
又、受光板16の厚みは、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無いが、例えば、背面接写であれば、0.5mm〜2.0mmの範囲内であると、レーザー光線LのスポットCを背面側から正確に捉える(撮影する)ことが可能となる。尚、正面接写であれば、特に限定を設ける必要は無い。
尚、背面接写の代わりに、接写手段12がカメラ17により前記受光板16上のレーザー光線LのスポットCを接写する方法は、例えば、単純に、前記受光板16に対してレーザー光線Lの進行方向と逆方向にカメラ17を設けて、当該カメラ17により前記受光板16上に写ったレーザー光線LのスポットCを正面側から接写しても良い。
この場合、受光板16を不透明性の材質としても良いが、カメラ17を、レーザー光線Lの進行を阻害しないように、当該レーザー光線Lの進行方向に対して斜め方向に設置する必要があり、所定の撮影角度が反映された画像が得られる。そのため、得られた画像は、撮影角度に基づいて幾何学変換を行い、正面から撮影された画像に修正した後に、レーザー光線LのスポットCのXY座標値を算出することになる。このような幾何学変換は、受光板16に対して、背面側に所定の撮影角度でカメラ17が配置された場合であっても同様である。
ここで、図3Aに示すように、レーザー光線Lが反射部15の反射点Rで反射された場合、前記受光板16の面は、反射後のレーザー光線Lの進行方向に直角なXY平面に一致するように配置されている。この場合、前記受光板16の面のXY平面は、レーザー照射部10が照射したレーザー光線Lの進行方向に平行なXY平面に対応する。つまり、レーザー光線Lの反射点RのXY変位量は、受光板16のスポットCのXY変位量に対応するのである。そのため、受光板16の面上におけるスポットCのXY変位量を測定することで、構造物Sの一辺S1のXY変位量を測定することになる。
又、算出手段13が前記受光板16の所定の位置をXY平面の基準点Oとする方法は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無く、XY平面の基準点Oが、前記受光板16を介して構造物Sの一辺S1の所定の位置に関連していれば、どのような方法でも構わない。
例えば、図3Bに示すように、前記接写された画像Pのうち、受光板16の一隅部(背面側から見て左下側の隅部)をXY平面の原点O(基準点)とすることが出来る。ここで、例えば、原点Oから右方向をX方向とし、当該原点Oから上方向をY方向とすれば、この画像PのXY平面は、前記レーザー光線Lの進行方向に直角な面をXY平面とすることが出来る。又、この受光板16は、固定部材11dを介して構造物Sの一辺S1の所定の位置に設置されていることから、前記受光板16におけるXY平面の原点Oは、構造物Sの一辺S1の所定の位置に関係付けられることになる。
又、算出手段13が前記接写されたレーザー光線LのスポットCのXY座標値を算出する方法は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無い。例えば、前記画像PにあるスポットCの三色(RGB)の原色を利用し、当該三色の原色の大小からスポットCの中心点を前記スポットCのXY座標値として算出する方法、前記画像PにあるスポットCの面積を算出し、当該面積の中心点を前記スポットCのXY座標値として算出する方法等を採用することが出来る。
例えば、前記画像PにあるスポットCの三色(RGB)の原色を利用する方法は、以下のようになされる。図1、図2、図3に示すように、接写手段12が受光板16上に写ったレーザー光線LのスポットCを背面側から接写するように構成し、前記レーザー光線Lの色を赤色とし、当該レーザー光線Lが照射される前記受光板16の面に赤色の紙を配置する。そして、前記受光板16がレーザー光線Lを遮った際に、接写手段12がカメラ17で当該受光板16を背面接写すると、図4Aに示すように、レーザー光線LのスポットCが強調された画像Pを得ることが出来る。この画像PにあるスポットCの三色(RGB)の原色をグレースケールに変換し、当該変換したグレースケールからスポットCの外縁に対応するエッジを抽出し、円フィッティング、楕円フィッティング等の所定の算出式により当該抽出したエッジの形状の中心点を前記スポットCのXY座標値として算出する。
すると、図4Bに示すように、当該中心点のX座標値は、92.5mm、当該中心点のY座標値は、171.5mmと算出される。これにより、前記スポットCのXY座標値の精度は0.数mmであることが理解される。又、前記エッジの形状から所定の算出式により円又は楕円を逆算することで、図4Cに示すように、前記スポットCの疑似的半径も算出することが出来る。
又、測定手段14が複数のスポットC間のXY変位量を前記構造物Sの一辺S1のXY変位量として測定する方法は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無いが、例えば、以下の構成を採用することが出来る。
先ず、異なる時刻で算出された2種類のスポットCのXY座標値を用いて、2つのスポットC間のXY変位量を、前記構造物Sの一辺S1の所定の位置における経時的なXY変位量として測定する場合は、下記のようになる。即ち、図5Aに示すように、先ず、構造物Sの一辺S1の所定の位置Z1に、反射部15、受光板16、カメラ17(図示せず)を設置し、所定の時刻t1(設置時)において、レーザー光線Lを構造物Sの一辺S1に沿って進行させて、反射部15でレーザー光線Lを反射し、受光板16で当該レーザー光線Lを受光し、カメラ17で接写されたレーザー光線LのスポットCのXY座標値A1(第一のXY座標値、X1、Y1)を算出する。この第一のXY座標値A1が、時刻t1における基準座標値となる。
次に、時刻t1から所定期間経過後の時刻t2において、再度、レーザー光線Lを構造物Sの一辺S1に沿って進行させて、反射部15でレーザー光線Lを反射し、受光板16で当該レーザー光線Lを受光し、カメラ17で接写されたレーザー光線LのスポットCのXY座標値A2(第二のXY座標値、X2、Y2)を算出する。
ここで、レーザー光線Lの受光の際に、時刻t1及び時刻t2の反射部15は、前記構造物Sの一辺S1に対して同一の高さで配置されている。仮に、構造物Sの一辺S1が時刻t1から時刻t2までの間にXY方向で変位していれば、図3B、図5Aに示すように、第二のXY座標値A2(X2、Y2)と第一のXY座標値A1(X1、Y1)との間のXY変位量B1(X2−X1、Y2−Y1)が、構造物Sの一辺S1の所定の位置Z1における経時的なXY変位量を示すことになる。このXY変位量B1は、反射部15における反射点のXY座標値の変位量に対応し、受光板16におけるスポットCのXY座標値の変位量に対応する。
この場合、前記XY変位量B1は、第二のXY座標値A2(X2、Y2)から第一のXY座標値A1(X1、Y1)を減算した変位量(X2−X1、Y2−Y1)として算出される。
尚、第一のXY座標値A1は、構造物Sの一辺S1の所定の位置Z1に反射部15及び受光板16は固定されていることから、例えば、所定の位置Z1に対する反射部15及び受光板16のXYZ座標値を用いて、当該位置Z1のXYZ座標値に換算することが出来る。
次に、所定のスポットC(例えば、レーザー照射部10に対して直近にある反射部15、受光板16のスポット)を基準として、当該スポットCのXY座標値と、当該スポットCよりもZ方向に沿って前方にある他のスポットCのXY座標値とを用いて、スポットC間のXY変位量を、前記構造物Sの一辺S1のZ方向におけるXY変位量として測定する場合は、下記のようになる。
即ち、図5Bに示すように、先ず、構造物Sの一辺S1の所定の位置Z1に、第一の反射部151、第一の受光板161、第一のカメラ171(図示せず)を始点として設置し、当該位置Z1から距離ZだけZ方向に離れた所定の位置Z2に、第二の反射部152、第二の受光板162、第二のカメラ172(図示せず)を終点として設置する。この際、二つの反射部151、152は、前記構造物Sの一辺S1に対して同一の高さで、且つ、当該構造物Sの一辺S1に沿って直列に配置される。
次に、レーザー光線Lを構造物Sの一辺S1に沿って進行させて、第一の反射部151でレーザー光線Lを反射し、第一の受光板161で当該レーザー光線Lを受光して、図5Bに示すように、第一のカメラ171で接写されたレーザー光線LのスポットCのXY座標値A3(第三のXY座標値、X3、Y3)を算出する。更に、第一の反射部151の反射を解除して、次に、第二の反射部152でレーザー光線Lを反射し、第二の受光板162で前記レーザー光線Lを受光して、図5Cに示すように、第二のカメラ172で接写されたレーザー光線LのスポットCのXY座標値A4(第四のXY座標値、X4、Y4)を算出する。
ここで、レーザー光線Lの反射、受光、接写の際に、第一の反射部151も第二の反射部152も、前記構造物Sの一辺S1に対して同一の高さで配置されているから、図5Cに示すように、第三のXY座標値A3(X3、Y3)と第四のXY座標値A4(X4、Y4)との間の相対的なXY変位量B2が、所定距離Zにおける構造物Sの一辺S1のXY変位量を示すことになる。このXY変位量B2は、第一の反射部151及び第二の反射部152における反射点のXY座標値の変位量に対応し、第一の受光板161及び第二の受光板162におけるスポットCのXY座標値の変位量に対応する。これにより、複数のスポットC間のXY変位量B2から、前記レーザー光線Lの進行方向に対する構造物Sの一辺S1のXY変位量を測定することが可能となる。
ここで、複数のスポットCのXY座標値のうち、任意の一のスポットCのXY座標値を基準とすることで、当該一のスポットCを写した受光板16及び反射部15を基準に、他の複数のスポットCを写す受光板16及び反射部15がどれだけXY方向に変位しているかを測定することが出来る。
例えば、上述であれば、第三のXY座標値A3(X3、Y3)を基準とすれば、前記XY変位量B2が、第四のXY座標値A4(X4、Y4)から第三のXY座標値A3(X3、Y3)を減算した変位量(X4−X3、Y4−Y3)として算出される。第四のXY座標値A4(X4、Y4)を基準としても同様である。
更に、前記構造物Sの一辺S1の所定の位置Z1における経時的なXY変位量と、当該位置Z1から所定の位置Z2までのZ方向に向かって所定距離Zおける構造物Sの一辺S1のXY変位量とを組み合わせることで、前記構造物Sの一辺S1の経時的なXY変位量を測定することが出来る。この場合、各反射部15、受光板16毎に異なる時刻t1、t2で2種類のスポットCのXY座標値を算出し、各反射部15、受光板16毎におけるスポットCの経時的なXY変位量を測定すればよい。
このような構造物Sの一辺S1の経時的なXY変位量の測定は、例えば、構造物Sの周辺で、当該構造物Sに影響を及ぼすような工事等が実施される場合に、その影響度を測る目的で実施される。
又、構造物Sは、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無いが、例えば、一般的な構造物、建築物、機器装置、地盤、道路、鉄道、線路、水路等の長尺の構造物を挙げることが出来る。又、構造物Sの一辺S1は、略直線状の辺を想定している。
ここで、構造物Sの一辺S1のXY変位量を測定する場合、前記固定部材11dに、前記回転ステージ11c又は円筒部11cを前記XY平面にスライド可能に保持する平面スライド部を更に設けると好ましい。例えば、XY変位量が非常に大きい場合、反射部15の位置がレーザー光線Lから外れてしまい(レンジオーバー)、レーザー光線Lが適切に反射されず、受光板16にレーザー光線LのスポットCが現れない可能性がある。その場合は、前記平面スライド部により、反射部15がレーザー光線Lを受光するように、前記回転ステージ11c又は円筒部11cを前記XY平面にスライドさせる。ここで、前記スライド後のスライド量を算出しておき、前記スライド後の反射部15によりレーザー光線LのスポットCのXY座標値を算出し、当該スライド後におけるレーザー光線LのスポットCのXY座標値に、当該スライド量を加算させれば、前記スライド前におけるレーザー光線LのスポットCのXY座標値を逆算することが可能となる。これにより、レンジオーバーによる経時的なXY変位量の計測不能を確実に防止することが出来る。受光板16は、反射部15のスライドに伴ってスライドさせても、固定した状態であっても構わない。
又、測定手段14は、前記構造物Sの一辺S1のXY変位量を出力する方法は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無く、例えば、前記XY変位量を端末装置18の液晶ディスプレイ等の表示手段を介して出力(表示)したり、予め登録されたメールアドレスに、ネットワーク等の通信手段を介して出力(送信)したりする方法を挙げることが出来る。
又、測定手段14は、予め登録された管理値を利用して、前記測定された構造物の一辺S1のXY変位量が前記管理値を超過するか否かを判定し、当該XY変位量が前記管理値を超過した場合に、表示手段を介して警告画面や警告メッセージを表示させたり、通信手段を介して警告メッセージを送信させたりしても良い。ここで、管理値は、例えば、基準としたXY座標値からのXY変位量であり、X方向とY方向とにそれぞれ登録され、例えば、3mm、5mm等と設定される。これにより、前記構造物Sの一辺S1の現状の可視化を進めることが可能となる。又、軌道狂いを計測する場合には、XY座標値、XY変位量の他に、弧を描いて高低狂い、通り狂いを示す変状図を表示しても良い。
<変状測定方法>
次に、図6、図7を参照しながら、構造物Sの一辺S1の経時的なXY変位量を測定する場合の本発明の実施形態に係る変状測定方法の実行手順について説明する。
先ず、ユーザーが、図6に示すように、XY変位量の測定対象となる構造物Sの一辺S1の延長線上に、レーザー照射部10を設置して、当該レーザー照射部10のレーザー光線Lが当該構造物Sの一辺S1に沿って照射することを確認する。
次に、ユーザーが、反射部15、受光板16、カメラ17、円筒部11a、回転ステージ11c、固定部材11d、外装11eを一体とした複数(例えば、5つ)の反射受光装置19を、構造物Sの一辺S1に沿って所定間隔Zで直列に配置する。ここで、ユーザーは、円筒部11aの透光部11bにレーザー光線Lが透過するとともに、当該円筒部11aが回転すると、反射部15がレーザー光線Lを反射するように配置する。
複数の反射受光装置19は、例えば、全て同一の構成であり、構造物Sの一辺S1の所定位置(端部)に設置することで、各反射受光装置19の反射部15は、前記構造物Sの一辺S1に対して同一の高さとなる。
そして、ユーザーが、レーザー照射部10と複数の反射受光装置19とを通信ケーブルを介して端末装置18に接続すれば、構造物Sの一辺S1のXY変位量の測定の準備が完了する。
ユーザーが、端末装置18を起動して、マウス、キーボード等を用いて測定スタートキーを入力すると、端末装置18が、所定の時刻t1において、通信ケーブルを介して、レーザー照射部10がレーザー光線Lを照射する(図7:S101)。
次に、端末装置18の反射受光手段11が、通信ケーブルを介して、複数の反射受光装置19のうち、所定の反射受光装置19の円筒部11aを回転ステージ11cで回転させることで、当該反射受光装置19の反射部15で前記レーザー光線Lを反射させ、当該反射受光装置19の受光板16で受光する(図7:S102)。
これに対応して、接写手段12が、通信ケーブルを介して、当該レーザー光線Lを遮った受光板16のカメラ17により、当該受光板16上のレーザー光線LのスポットCを接写する(図7:S103)。
更に、レーザー光線LのスポットCの画像が撮影されると、これに対応して、算出手段13が、前記受光板16で受光した際のレーザー光線Lの進行方向に直角な面をXY平面とし、前記受光板16の所定の位置をXY平面の基準点として、前記接写されたレーザー光線LのスポットCのXY座標値を算出する(図7:S104)。これにより、一のスポットCのXY座標値が算出される。このS102からS104までに要する時間は数十秒(例えば、30秒)である。
一のスポットCのXY座標値が算出されると、測定手段14が、全ての反射部15でレーザー光線Lが反射されたか否か、つまり、全ての受光板16でスポットCのXY座標値が算出されたか否かを判定する(図7:S105)。
現時点では、一のスポットCのXY座標値が算出されたのみであるため、測定手段14が、全ての反射部15でレーザー光線Lが反射されていない、又は、全ての受光板16でスポットCのXY座標値が算出されていないと判定し(図7:S105NO)、その旨を反射受光手段11に通知する。当該通知を受けた反射受光手段12が、先ほど回転させた円筒部11aを元に戻して反射部15の反射を解除し(図7:S106)、S102に戻って、他の反射受光装置19の円筒部11aを回転ステージ11cで同様に回転させて、当該他の反射受光装置19の反射部15で前記レーザー光線Lを反射し、当該他の反射受光装置19の受光板16で受光する(図7:S102)。
このように、各反射部15でレーザー光線Lを反射させ、各受光板16でスポットCのXY座標値が算出されるまで、S102からS104まで処理が繰り返される。
尚、レーザー光線Lを反射する反射部15の順番は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無く、例えば、レーザー照射部10に近い反射受光装置19の反射部15の順番に対応して、レーザー照射部10に近い反射部15から一番目とし、遠い反射部15の五番目まで順番に反射と透光とを繰り返したとする。
そして、一番遠い反射部15(レーザー照射部10から五番目の反射部15)で反射して、5つのスポットCのXY座標値が算出されると、測定手段14が、全ての反射部15でレーザー光線Lが反射された、又は、全ての受光板16でスポットCのXY座標値が算出されたと判定する(図7:S105YES)。そして、測定手段14は、複数のスポットCのXY座標値に基づいて、基準となる構造物Sの一辺S1のXY座標値を測定する。
ここで、例えば、時刻t1における、レーザー照射部10から一番近い反射部15の受光板16におけるスポットCのXY座標値A11(X11、Y11)から、A21(X21、Y21)、A31(X31、Y31)、A41(X41、Y41)、A51(X51、Y51)とし、一番近い反射部15の受光板16におけるスポットCのXY座標値A11を基準として、所定の間隔Zを空けて各スポットC毎のXY座標値A11、A21、A31、A41、A51をX方向(X軸)又はY方向(Y軸)のそれぞれに対してプロットすると、図8Aに示すように、基準となる構造物Sの一辺S1のX方向又はY方向の波形(形状)が現れる。
ここで、例えば、測定手段14が、A11(X11、Y11)を基準として、A21(X21、Y21)からA11(X11、Y11)を減算した変位量(BX21=X21−X11、BY21=Y21−Y11)を、1番目の反射部15から2番目の反射部15までの構造物Sの一辺S1のXY変位量B1として測定することが出来る(図7:S107)。これにより、構造物Sの一辺S1のX変位量とY変位量がZ方向に対してそれぞれ一見して理解することが可能となる。
次に、複数の反射受光装置19を設置した状態で、所定期間経過後に、ユーザーが、再度、測定スタートキーを入力すると、端末装置18が、所定の時刻t2(>t2)において、S101からS105までの処理を実行し、時刻t2における一番近い反射部15の受光板16におけるスポットCのXY座標値A12(X12、Y12)から、A22(X22、Y22)、A32(X32、Y32)、A42(X42、Y42)、A52(X52、Y52)を得ることが出来る。
この時刻t2における各スポットC毎のXY座標値A12、A22、A32、A42、A52を、時刻t1における各スポットC毎のXY座標値A11、A21、A31、A41、A51と重ね合わせて、X方向(X軸)又はY方向(Y軸)のそれぞれに対してプロットすると、図8Bに示すように、時刻t1から時刻t2までの間の構造物Sの一辺S1のX方向又はY方向の変位量が現れる。尚、時刻t2における各スポットC毎のXY座標値A12、A22、A32、A42、A52は実線で結び、時刻t1における各スポットC毎のXY座標値A11、A21、A31、A41、A51は破線で結んでいる。
ここで、例えば、測定手段14が、時刻t1のA11(X11、Y11)を基準として、時刻t2のA12(X12、Y12)からA11(X11、Y11)を減算した変位量(BX11=X12−X11、BY11=Y12−Y11)を、前記構造物Sの一辺S1の所定の位置における経時的なXY変位量として測定することが出来る(図7:S107)。そして、全ての各スポットC毎のXY座標値A11、A21、A31、A41、A51、A12、A22、A32、A42、A52に基づけば、時刻t1から時刻t2までの構造物Sの一辺S1の経時的なXY変位量が一気に測定することが出来る。
尚、時刻t1又は時刻t2における測定開始からこの測定結果を算出するまでに要する時間は約10分程度と考えられる。これと比較して、例えば、ターゲットシールを用いた3次元測量機で各反射部15(又はこれに対応する構造物Sの一辺S1の所定位置)のXY座標値を算出する場合、光軸設定等で、30分以上を要する場合がある。従って、本発明では、測定時間を飛躍的に短縮することが可能となる。
このように、本発明では、上述したレーザー照射部10と、反射受光手段11と、接写手段12と、算出手段13と、測定手段14とを備えることを特徴とする。これにより、コンパクトな構成であるにもかかわらず、短時間で、且つ、精度高く、構造物Sの一辺Sと直角な方向のXY変位量を測定することが可能となる。
本発明では、反射部15を小型化出来るとともに、原理的に、反射部15と受光板16とを別の位置に設置しても、スポットCのXY座標値を測定することが出来ることから、例えば、図9Aに示すように、測定スペースを確保し難い線路SのレールS1に適用して、軌道狂いを測定することも可能である。軌道狂いを測定する場合は、例えば、反射部15、円筒部11a、回転ステージ11c、固定部材11dを反射装置20とし、受光板16、カメラ17、外装11eを別体の受光装置21として構成する。反射装置20は、レールS1に沿って所定間隔Z=5mで直列に配置する。反射装置20を小型化することで、レールS1の近傍に設置しても邪魔にならずに済む。又、受光装置21は、反射装置20から離れた位置に配置することで、例えば、レールS1に電車が走行しても邪魔にならずに済む。
図9Bに示すように、反射装置20を、レールS1の底部の一部に接続した形で固定し、反射装置20から水平方向に少し離した位置に受光装置21を固定する。通常は、反射装置20の円筒部11aの透光部11bにレーザー光線Lが透過するようにし、測定時に、円筒部11aを180度回転させることで、反射部15にレーザー光線Lを反射させ、反射されたレーザー光線Lを受光装置21の受光板16に受光させる。受光装置21のカメラ17で受光板16上のレーザー光線LのスポットCを接写することで、上述のように、レーザー光線LのスポットCのXY座標値を算出する。
反射装置20と受光装置21を別体とすることで、反射装置20の反射部15によるレーザー光線Lの反射方向を変更することが可能であり、レールS1の周囲の環境に左右されずに、反射装置20はレールS1の近傍に設置し、受光装置21はレールS1の周囲の環境に応じて適宜設置することが可能である。例えば、図9Bに示すように、反射部15によるレーザー光線Lの反射方向αを水平方向に対して45度上方に設定し、受光装置21をレーザー光線Lの反射方向αに対応して設置すれば良い。反射方向αは、水平方向でも、45度下方でも、垂直方向でも良く、レールS1の周囲の環境に応じて任意に設定することが出来る。これにより、測定スペースを気にすることなく構造物Sの一辺S1のXY変位量を測定することが可能となる。
又、本発明では、反射部15の位置は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無く、図1に示すように、レーザー光線Lの進行方向と逆方向に向かって反射部15が円筒部11aに設けられても良いし、図10Aに示すように、レーザー光線Lの進行方向に沿って、反射部15が円筒部11aに設けられ、円筒部11aを通過したレーザー光線Lを反射するよう構成しても良い。この場合、反射部15による反射点に応じて、受光板16及びカメラ17が設置される。
又、反射部15及び円筒部11aを固定する固定部材11dの構成は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無く、図10Aに示すように、L字状の板金とコの字状の板金とを組み合わせた固定部材11dでも良いし、図10Bに示すように、L字状の板金に箱型の板金を着脱可能に備えて、箱内に受光板16及びカメラ17を設置する固定部材11dでも良い。これは、上述のように反射装置20と受光装置21とを別体として構成可能に想定している。又、受光板16及びカメラ17の構成は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定は無く、図10Bに示すように、四角状の受光板16の背面の直下にカメラ17を設置しても良いし、図10Cに示すように、円状の受光板16の背面に、所定の最短撮影距離Dを設けた上で、カメラ17を設置しても良い。
又、変状計測では、屋内、屋外、日中、夜間等、計測環境の外光の強度が一定でないため、その外乱が、前記受光板11で受光されたレーザー光線Lのスポットに影響を及ぼす場合がある。レーザー光線Lのスポットが外乱により変動すれば、測定誤差が生じる。そこで、外光を防止するために、反射後のレーザー光線Lが受光板16に入る部分のみに開口部を設け、受光板16及びカメラ17を覆うケースを設けると好ましい。これにより、どのような計測環境であっても、精度高く変状計測を行うことが可能となる。ケースを設ける場合、例えば、内部の空気を換気する換気部、内部の結露を防止する吸湿部、内部の埃を排気する排気部など、外部環境による外乱の影響を防止する部材を適宜設けても良い。
又、本発明では、端末装置18が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを所定の端末装置18に読み出させ、当該端末装置18が前記各手段を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。更に、各手段が実行するステップを本発明の変状測定方法として提供することも可能である。
以上のように、本発明に係る変状測定装置及び変状測定方法は、一般的な構造物、建築物、機器装置、地盤、道路、鉄道、水路等の変状を測定する測定分野、土木技術分野、測量技術分野、計測技術分野等に有用であり、コンパクトな構成であるにもかかわらず、短時間で、且つ、精度高く、構造物の一辺に関係するXY変位量を測定することが可能な変状測定装置及び変状測定方法として有効である。
1 変状測定装置
10 レーザー照射部
11 反射受光手段
12 接写手段
13 算出手段
14 測定手段
15 反射部
16 受光板
17 カメラ
18 端末装置
本発明に係る変状測定装置は、レーザー照射部と、反射受光手段と、接写手段と、算出手段と、測定手段とを備える。レーザー照射部は、構造物の一辺に沿ってレーザー光線を照射する。反射受光手段は、前記構造物の一辺に沿って直列に配置された複数の反射部のうち、一の反射部で前記レーザー光線を反射させて、当該反射部に対して配置された受光板に受光させる。接写手段は、各受光板毎に固定された複数のカメラのうち、前記レーザー光線を受光した受光板のカメラにより、当該受光板上のレーザー光線のスポットを接写する。算出手段は、前記受光板で受光した際のレーザー光線の進行方向に直角な面をXY平面とし、前記受光板の所定の位置をXY平面の基準点として、前記接写されたレーザー光線のスポットのXY座標値を算出する。測定手段は、各反射部毎にレーザー光線を反射させ、各受光板毎に受光させることで、各カメラ毎に算出される複数のスポットのXY座標値に基づいて、当該複数のスポット間のXY変位量を、前記構造物の一辺のXY変位量として測定する。前記変状測定装置は、前記反射部を円筒部の開口の半分に設置して当該半分で前記レーザー光線を反射させ、残りの半分を透光部とし、前記円筒部の中心軸とレーザー光線の軸とを平行にして、前記円筒部の透光部にレーザー光線を透過した状態で前記円筒部の中心軸を回転軸として前記円筒部を回転可能に支持する回転ステージと、前記回転ステージを前記構造物の一辺の所定の位置に固定する固定部材と、を備える。前記反射受光手段は、前記回転ステージの円筒部を回転させることで、レーザー光線を反射部で反射させたり透光部で透光したりする。
又、本発明は、構造物の変位を測定する変状測定装置の変状測定方法として提供することが出来る。本発明に係る変状測定方法は、照射ステップと、受光ステップと、接写ステップと、算出ステップと、測定ステップとを備える。照射ステップは、構造物の一辺に沿ってレーザー光線を照射する。反射受光ステップは、前記構造物の一辺に沿って直列に配置された複数の反射部のうち、一の反射部で前記レーザー光線を反射させて、当該反射部に対して配置された受光板に受光させる。接写ステップは、各受光板毎に固定された複数のカメラのうち、前記レーザー光線を受光した受光板のカメラにより、当該受光板上のレーザー光線のスポットを接写する。算出ステップは、前記受光板で受光した際のレーザー光線の進行方向に直角な面をXY平面とし、前記受光板の所定の位置をXY平面の基準点として、前記接写されたレーザー光線のスポットのXY座標値を算出する。測定ステップは、各反射部毎にレーザー光線を反射させ、各受光板毎に受光させることで、各カメラ毎に算出される複数のスポットのXY座標値に基づいて、当該複数のスポット間のXY変位量を、前記構造物の一辺のXY変位量として測定する。前記変状測定装置は、前記反射部を円筒部の開口の半分に設置して当該半分で前記レーザー光線を反射させ、残りの半分を透光部とし、前記円筒部の中心軸とレーザー光線の軸とを平行にして、前記円筒部の透光部にレーザー光線を透過した状態で前記円筒部の中心軸を回転軸として前記円筒部を回転可能に支持する回転ステージと、前記回転ステージを前記構造物の一辺の所定の位置に固定する固定部材と、を備える。前記反射受光ステップは、前記回転ステージの円筒部を回転させることで、レーザー光線を反射部で反射させたり透光部で透光したりする。

Claims (4)

  1. 構造物の変位を測定する変状測定装置であって、
    構造物の一辺に沿ってレーザー光線を照射するレーザー照射部と、
    前記構造物の一辺に沿って直列に配置された複数の反射部のうち、一の反射部で前記レーザー光線を反射させて、当該反射部に対して配置された受光板に受光させる反射受光手段と、
    各受光板毎に固定された複数のカメラのうち、前記レーザー光線を受光した受光板のカメラにより、当該受光板上のレーザー光線のスポットを接写する接写手段と、
    前記受光板で受光した際のレーザー光線の進行方向に直角な面をXY平面とし、前記受光板の所定の位置をXY平面の基準点として、前記接写されたレーザー光線のスポットのXY座標値を算出する算出手段と、
    各反射部毎にレーザー光線を反射させ、各受光板毎に受光させることで、各カメラ毎に算出される複数のスポットのXY座標値に基づいて、当該複数のスポット間のXY変位量を、前記構造物の一辺のXY変位量として測定する測定手段と
    を備えることを特徴とする変状測定装置。
  2. 前記変状測定装置は、前記反射部を円筒部の開口の半分に設置して当該半分で前記レーザー光線を反射させ、残りの半分を透光部とし、前記円筒部の中心軸とレーザー光線の軸とを平行にして、前記円筒部の透光部にレーザー光線を透過した状態で前記円筒部の中心軸を回転軸として前記円筒部を回転可能に支持する回転ステージと、
    前記回転ステージを前記構造物の一辺の所定の位置に固定するとともに、前記反射部で反射したレーザー光線を受光する位置に受光板を固定し、前記受光板上のレーザー光線のスポットを接写する位置にカメラを固定する固定部材と、
    を備え、
    前記反射受光手段は、前記回転ステージの円筒部を回転させることで、レーザー光線を反射部で反射させたり透光部で透光したりする
    請求項1に記載の変状計測装置。
  3. 前記カメラは、前記受光板に対して前記レーザー光線の進行方向と逆方向に設けられ、
    前記接写手段は、前記受光板上に写ったレーザー光線のスポットを、受光面と逆の背面側から接写する
    請求項1又は2に記載の変状計測装置。
  4. 構造物の変位を測定する変状測定方法であって、
    構造物の一辺に沿ってレーザー光線を照射する照射ステップと、
    前記構造物の一辺に沿って直列に配置された複数の反射部のうち、一の反射部で前記レーザー光線を反射させて、当該反射部に対して配置された受光板に受光させる反射受光ステップと、
    各受光板毎に固定された複数のカメラのうち、前記レーザー光線を受光した受光板のカメラにより、当該受光板上のレーザー光線のスポットを接写する接写ステップと、
    前記受光板で受光した際のレーザー光線の進行方向に直角な面をXY平面とし、前記受光板の所定の位置をXY平面の基準点として、前記接写されたレーザー光線のスポットのXY座標値を算出する算出ステップと、
    各反射部毎にレーザー光線を反射させ、各受光板毎に受光させることで、各カメラ毎に算出される複数のスポットのXY座標値に基づいて、当該複数のスポット間のXY変位量を、前記構造物の一辺のXY変位量として測定する測定ステップと
    を備えることを特徴とする変状測定方法。
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