JP2016163012A - 撮像ユニット、画像読取装置および画像形成装置 - Google Patents

撮像ユニット、画像読取装置および画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016163012A
JP2016163012A JP2015043566A JP2015043566A JP2016163012A JP 2016163012 A JP2016163012 A JP 2016163012A JP 2015043566 A JP2015043566 A JP 2015043566A JP 2015043566 A JP2015043566 A JP 2015043566A JP 2016163012 A JP2016163012 A JP 2016163012A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
imaging
imaging unit
straight line
fixing members
housing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015043566A
Other languages
English (en)
Inventor
麻人 田村
Asato Tamura
麻人 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2015043566A priority Critical patent/JP2016163012A/ja
Publication of JP2016163012A publication Critical patent/JP2016163012A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Facsimile Heads (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)
  • Studio Devices (AREA)
  • Solid State Image Pick-Up Elements (AREA)
  • Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)

Abstract

【課題】部材を追加することなく温度変化に起因する撮像素子の撓みによる光学的な影響を抑制することのできる撮像ユニットを提供する。
【解決手段】筐体14に撮像素子チップ15が収容されて構成された撮像素子11と、撮像素子11が取り付けられる保持部材(12)と、撮像素子11と保持部材とを固定する複数の固定部材18と、を備える撮像ユニット10である。撮像素子11では、撮像素子チップ15が形成する撮像面13の一辺が伸びる方向を伸長方向Dsとし、伸長方向Dsが3つ以上の固定部材18が整列する同一の直線(s1、s2)に対して傾斜する。
【選択図】図5

Description

本発明は、撮像ユニット、画像読取装置および画像形成装置に関する。
デジタルカメラやスキャナ等に使用される撮像ユニットでは、CCDやCMOSに代表される撮像素子や様々なICが、保持部材としての回路基板に固定部材で固定されて構成されるものが知られている。このような撮像ユニットは、通電されると発熱が生じる。
ここで、撮像ユニットでは、撮像素子と回路基板(保持部材)との線膨張係数が異なる場合が多く、例えば、撮像素子の膨張量が回路基板の膨張量よりも小さい等のように撮像素子と回路基板との間に膨張量の差異が生じる。この撮像ユニットでは、上記した発熱等による温度変化に起因して撮像素子と回路基板とが異なる膨張量で膨張すると、撮像素子に応力がかかり当該撮像素子が撓む虞がある。すると、撮像ユニットでは、撮像素子の撮像面が撓むので、例えば光路長の変化等により光学性能が劣化する等の光学的な影響が生じる虞がある。
このため、撮像ユニットでは、回路基板(保持部材)における撮像素子を実装した側とは反対側に熱膨張量の小さい低熱膨張部材を設けることが考えられている(例えば、特許文献1参照)。この撮像ユニットでは、撮像素子の実装のための加熱処理の際、回路基板の膨張量よりも低熱膨張部材の膨張量が小さいことにより、回路基板の熱膨張に起因する応力を低熱膨張部材で十分に吸収することができる。このため、撮像ユニットでは、温度変化に起因する回路基板の応力により撮像素子が撓むことを抑制することができる。
しかしながら、上記した従来の撮像ユニットでは、撮像素子の撓みを抑制するために低熱膨張部材を設ける必要があり、部材の追加に起因してコストの上昇を招いてしまう。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、部材を追加することなく温度変化に起因する撮像素子の撓みによる光学的な影響を抑制することのできる撮像ユニットを提供することを目的とする。
請求項1に記載の撮像ユニットは、筐体に撮像素子チップが収容されて構成された撮像素子と、前記撮像素子が取り付けられる保持部材と、前記撮像素子と前記保持部材とを固定する複数の固定部材と、を備え、前記撮像素子では、前記撮像素子チップが形成する撮像面の一辺が伸びる方向を伸長方向とし、前記伸長方向が3つ以上の前記固定部材が整列する同一の直線に対して傾斜することを特徴とする。
本発明に係る撮像ユニットでは、部材を追加することなく温度変化に起因する撮像素子の撓みによる光学的な影響を抑制することができる。
本発明の撮像ユニットの一実施形態に係る実施例1の撮像ユニット10を搭載した画像形成装置100の構成を模式的に示す説明図である。 画像形成装置100に搭載された画像読取部102を模式的な斜視図で示す説明図である。 画像読取部102の各構成を分解した模式的な斜視図で示す説明図である。 撮像ユニット10を模式的な斜視図で示す説明図である。 撮像ユニット10を、透光性部材17を省略して撮像面13側から見た様子で示す説明図である。 撮像ユニット10における撮像素子11(その筐体14)を、裏面14a側から見た様子で示す説明図である。 撮像ユニット10が撓む様子を説明するための説明図であり、図8のI−I線に沿って得られた断面に相当する。 撮像ユニット10が撓む様子の構造解析ソフトによる解析結果を示す説明図である。 撮像ユニット10が撓む様子を説明すべく図8のII−II線に沿って得られた断面で示す説明図である。 比較のための撮像ユニット50を示す図5と同様の説明図である。 撮像ユニット50の撮像素子51における撮像素子チップ55と、撮像ユニット10の撮像素子11における撮像素子チップ15と、の長手方向Dlで見た存在範囲の差異を説明するための説明図である。 撮像ユニット50の撮像素子51における撮像素子チップ55と、撮像ユニット10の撮像素子11における撮像素子チップ15と、の撓み量の差異を説明するための説明図である。 撮像素子チップ15が撓む様子を示すグラフであり、縦軸を撓み量δで示し、横軸を撮像素子チップ15の伸長方向Dsの長手方向Dlに対する傾斜角θで示す。 本発明の撮像ユニットの一実施形態に係る実施例2の撮像ユニット10Aを示す図6と同様の説明図である。 撮像素子チップ15Aが撓む様子を示すグラフであり、縦軸を撓み量δで示し、横軸を撮像素子チップ15Aの伸長方向Dsの長手方向Dlに対する傾斜角θで示す。
以下に、本発明に係る撮像ユニット、それを備える画像読取装置およびそれを備える画像形成装置の各実施例について図面を参照しつつ説明する。
本発明に係る撮像ユニットの一例としての実施例1の撮像ユニット10を、図1から図13を用いて説明する。併せて、その一例としての撮像ユニット10を備える画像読取装置の一例としての実施例1の画像読取部102、およびそれを備える画像形成装置の一例としての実施例1の画像形成装置100について説明する。
なお、図1では、画像形成装置100の構成の理解を容易なものとするために模式的に示す。また、図5、図10、図11、図12では、撮像ユニット10の構成の理解を容易なものとするために、透光性部材17を省略して示す。さらに、図6では、撮像ユニット10の構成の理解を容易なものとするために、回路基板12を二点鎖線で示す。図7では、撮像素子11における筐体14(その収容室16)内の構成を省略して示している。図11では、傾斜させることによる作用(存在範囲の差異等)の理解を容易なものとするために、筐体14および撮像素子チップ15を模式的に示すとともに傾斜角θを25°とする。図7、図9、図12では、理解を容易なものとするために撮像素子11の各構成を模式的に示すとともに、それらが撓む様子を強調して示す。図13では、縦軸において、撮像ユニット10の撮像素子11における撮像素子チップ15の撓みの量を基準として規格化した撓み量δで示す。
画像形成装置としては、例えば、複写機、ファクシミリ、印刷装置等が挙げられる。実施例1の画像形成装置100は、図1に示すように、画像形成部101と、用紙供給装置40と、原稿搬送読取ユニット104と、それらの各部の動作を制御する制御部と、を備える。その制御部は、画像形成装置100全体を制御するCPU(Central Processing Unit)、各種データや各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびHDD(Hard Disk Drive)等からなる記憶部等を備える。制御部では、CPUが記憶部に格納されたプログラムを読み出して実行することで、画像形成装置100における各種の処理を実行する。
原稿搬送読取ユニット104は、画像形成部101の上に固定された画像読取部102と、それに支持される原稿搬送装置としての自動原稿給送ユニット(Auto Document Feeder(以下では「ADF」という)103と、を有する。
用紙供給装置40は、ペーパーバンク41内に多段に設けられた2つの給紙カセット42、給紙カセット42から記録媒体としての用紙を送り出す送出ローラ43、および送り出された用紙を分離して第1給紙路44に供給する分離ローラ45等を有する。また、用紙供給装置40は、画像形成装置100の第2給紙路37に用紙を搬送する複数の搬送ローラ46等も有する。この用紙供給装置40は、給紙カセット42内の用紙を画像形成装置100内の第2給紙路37内に給紙する。
画像形成部101は、後述するように画像読取部102で読み取った画像情報または入力された画像情報に基づいて、記録媒体上に画像を形成する。この画像形成部101は、光書込装置2と、K、Y、M、C色のトナー像を形成する4つのプロセスユニット3K、3Y、3M、3Cと、を備える。また、画像形成部101は、中間転写ベルト25を有する転写ユニット24、紙搬送ユニット28、レジストローラ対33、定着装置34、排紙ローラ対35、スイッチバック装置36、第2給紙路37等を備える。この画像形成部101は、光書込装置2内に設けられたレーザダイオードやLED等の光源を駆動して、プロセスユニット3K、3Y、3M、3Cに設けられた感光体4K、4Y、4M、4Cに向けてレーザ光を照射する。その感光体4K、4Y、4M、4Cでは、レーザ光の照射により、ドラム状の表面に静電潜像が形成され、この静電潜像が所定の現像プロセスを経由することでトナー像に現像される。なお、この明細書および図面の中のK、Y、M、Cの記号は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンを示し、符号の後にK、Y、M、Cの記号を付した部材は、それぞれブラック、イエロー、マゼンタ、シアン用の仕様であることを示す。
この画像形成装置100では、各感光体4K、4Y、4M、4Cの表面に形成したトナー像を、図1を正面視して時計回り方向に切れ目なく回転移動する中間転写ベルト25に順次重ね合わせて1次転写する。中間転写ベルト25には、この1次転写により、4色が重ね合わせられたカラートナー像が形成される。また、画像形成装置100では、用紙供給装置40から供給した用紙を、レジストローラ対33により所定のタイミングで、紙搬送ユニット28と中間転写ベルト25との間で形成した2次転写ニップに送り出す。これにより、画像形成装置100では、中間転写ベルト25上のカラートナー像を用紙に、一括して2次転写する。画像形成装置100では、2次転写ニップを通過した用紙を、中間転写ベルト25から離間して定着装置34へ搬送する。そして、画像形成装置100では、定着装置34に搬送した用紙を、定着装置34内における加圧や加熱によりフルカラー画像を定着させた後、定着装置34から排紙ローラ対35に送り機外へと排出する。なお、画像形成部101は、図1に示すような電子写真方式の構成に限定されるものではなく、インクジェット記録方式等の構成であってもよい。
画像形成部101の上に設けた画像読取部102は、図2および図3に示すように、収容部(筐体)として、画像読取部102の上面を構成するスキャナカバー部201と、画像読取部102の側面および下面を構成するスキャナフレーム部202と、を備える。スキャナカバー部201には、原稿台すなわち原稿Maが載せられる個所または原稿Maが通過する個所を構成すべく、原稿Maに接触するように固定されてコンタクトガラス203が設けられる。
画像読取部102の内部には、図3に示すように、原稿Maに光を照射して反射光を読み取る一体型走査光学ユニット301と、この一体型走査光学ユニット301を副走査方向に移動するためのガイドロッド302およびレール303と、が設けられる。その一体型走査光学ユニット301は、図1に示すように、コンタクトガラス203の直下に、副走査方向(図1を正面視して左右方向)に移動可能に設けられる。一体型走査光学ユニット301は、光源、反射ミラー、結像レンズ、およびCCD等のイメージセンサを1つのユニットに一体化して構成し、コンタクトガラス203上の原稿Maの画像情報を読み取る。この一体型走査光学ユニット301では、光源が原稿Maに光を照射し、その原稿Maで反射された光を反射ミラーで反射し、その反射された光を結像レンズでイメージセンサに結像することにより、原稿Maを画像情報(データ)として読み取る。
この一体型走査光学ユニット301は、ADF103により搬送される原稿Maの画像を読み取る場合には、図1に符号Aで示す位置に移動して停止する。一体型走査光学ユニット301は、この状態で、ADF103により搬送される原稿Maがコンタクトガラス203上を通過する際に光源から光を発する。そして、一体型走査光学ユニット301は、その光を原稿Maで順次反射させながら、複数の反射ミラーや結像レンズを経由させて、撮像手段としてのイメージセンサで原稿Maを画像情報(データ)として読み取る。
また、一体型走査光学ユニット301は、後述するコンタクトガラス203上に載せられた原稿Maの画像を読み取る場合には、図1を正面視して符号Aで示す位置から右側(副走査方向)に移動される。一体型走査光学ユニット301は、副走査方向に移動しつつ光源からコンタクトガラス203上の原稿Maに向けて光を発する。そして、一体型走査光学ユニット301は、その光を原稿Maで反射させ、複数の反射ミラーや結像レンズを経由させて、撮像手段としてのイメージセンサで原稿Maを画像情報として読み取る。
このように、画像読取部102は、一体型走査光学ユニット301を用いて原稿Maを画像情報として読み取ることができ、本発明の一例としての画像読取装置として機能する。画像読取部102は、読み取った画像情報を画像形成部101に送る。その画像形成部101は、上述したように画像読取部102で読み取った画像情報に基づいて、記録媒体(用紙)上に画像を形成することができる。画像形成装置100では、画像読取部102の一体型走査光学ユニット301におけるイメージセンサ(撮像手段)として、本発明に係る撮像ユニットの一例としての実施例1の撮像ユニット10(図4および図5参照)を備える。
その撮像ユニット10は、図4および図5に示すように、撮像素子11を回路基板12に実装して構成される。その撮像素子11は、撮像面13(図5等参照)に結像された被写体像を電気信号(画像情報)に変換して出力する固体撮像素子であり、文書や図面等の情報が記載された原稿Ma(図1参照)の画像を読取可能とする。撮像素子11は、例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサを用いることができる。この撮像素子11は、実施例1では、撮像面13と平行な面に沿う長尺な板状(薄い直方体形状)を呈する。以下では、撮像素子11が伸びる方向を長手方向Dlとし、撮像面13に直交する方向を厚さ方向Dtとし、その長手方向Dlおよび厚さ方向Dtに直交する方向を幅方向Dwとする。撮像素子11は、図5に示すように、筐体14に撮像素子チップ15を収容する固体撮像素子パッケージとして構成されている。
その筐体14は、セラミック等で形成され、撮像素子チップ15の収容のための収容室16を形成する箱状を呈し、基本的に撮像素子11の外形形状を構成する。筐体14では、複数の電極が内側から外側に至るように壁部を通して設けられ、撮像面13が臨む面とは反対側の面である裏面14a(図7等参照)において各電極の一端が長手方向Dlに整列される。筐体14では、銀ペーストや接着剤等の接着部材により、収容室16の底部に撮像素子チップ15が設けられる。
その撮像素子チップ15は、半導体ウェハにフォトダイオード等の半導体素子や転送路や転送電極等が半導体集積回路技術により製造されて形成され、その上にマイクロレンズや保護膜が積層されて形成される。撮像素子チップ15は、実施例1では、複数の半導体素子(画素)が単一の直線上に並べられて形成されている。この撮像素子チップ15は、各半導体素子(画素)で受光領域を形成するため、各半導体素子(画素)が単一の直線上に並べられることにより、1次元の線状に複数の画素が並ぶ撮像面13を規定する。すなわち、撮像素子11では、筐体14(その収容室16)に収容された撮像素子チップ15により、所定の幅寸法を有する各画素が直線状に並べられた細長い長方形状の撮像面13が規定された1列のラインセンサとして構成される。以下では、その撮像素子チップ15の伸びる方向すなわち各半導体素子が並べられた方向を伸長方向Dsとする。このため、伸長方向Dsは、撓み変形のない撮像素子チップ15の撮像面13と平行な面に沿うものとなる。この伸長方向Dsは、実施例1では、撮像面13の一方の辺が伸びる方向と平行であり、かつ撮像素子チップ15の外周を規定する一方の辺が伸びる方向と平行である。撮像素子チップ15は、撮像面13に入射した光の強度(受光量)に応じた電気信号を出力する。
この撮像素子チップ15は、撮像面13を外側(厚さ方向Dtの上側(図5を正面視して手前側))に位置させつつ接着部材を介して収容室16の底面に接着されることで、筐体14に固定されて設けられる。撮像素子チップ15は、筐体14に設けられた各電極に電気的に接続される。この撮像素子チップ15と各電極との接続は、例えば、撮像素子チップ15に設けられたボンディングパッドと各電極とがボンディング線により接続されることにより行われる。その撮像素子チップ15は、後述するように、収容室16(筐体14)において、伸長方向Dsが各固定部材18の整列方向(長手方向Dl)に対して傾斜して設けられる。また、撮像素子チップ15は、実施例1では、伸長方向Dsで見た中心位置が、収容室16(筐体14)における長手方向Dlで見た中心位置に一致されて、収容室16(筐体14)に設けられる。このように構成された撮像素子11は、裏面14aが回路基板12に固定されて設けられる(図7等参照)。
その回路基板12は、撮像素子11を適宜駆動(画像の取得および読み取った画像情報の出力)させるための回路および素子や、撮像素子11へと電力を供給するためのコネクタ等が設けられる。回路基板12は、撮像素子11よりも面積が大きい直方体の平面を有する平板状を呈する。この回路基板12では、後述する固定部材18により撮像素子11が固定される。このため、回路基板12は、撮像素子11が取り付けられる保持部材として機能する。
透光性部材17は、筐体14(その収容室16)に設けられた撮像素子チップ15(その撮像面13)を覆うように当該筐体14に取り付けられる。その透光性部材17は、収容室16内への塵埃等の侵入を防止するものであり、撮像面13への塵埃等の付着に起因して画像情報として読み取る性能が劣化することを防止する。透光性部材17は、透過性を有する材料で形成された長尺な板状を呈し、実施例1では長尺な板状のガラス板を用いる。この透光性部材17は、例えば、封止樹脂が溶融されることにより、撮像素子チップ15が収容された収容室16を塞ぐように筐体14に設けられる。
固定部材18は、撮像素子11を回路基板12(保持部材)に固定するものであり、接着剤や半田やネジ部材等を用いることができる。その固定部材18は、実施例1では、一例として、撮像素子11の裏面14aの電極に設けた金属突起であるバンプが溶融されて形成され、形状と寸法とが互いに略等しくされる。固定部材18は、実施例1では、図6に示すように、幅方向Dwで見た縁部となる筐体14(撮像素子11)の両長辺に沿いつつ長手方向Dlで見た全長に渡って等しい間隔で20個ずつ設けている。この各固定部材18は、幅方向Dwに伸びる同一の直線上で対を為す位置関係としている。各固定部材18は、実施例1では、撮像素子11において筐体14に収容された撮像素子チップ15と、回路基板12(そこに設けられた回路)と、を電気的に接続しつつ撮像素子11を回路基板12に固定している。なお、各固定部材18は、撮像素子チップ15と回路基板12とを電気的に接続する機能を有することなく、撮像素子11(筐体14)を回路基板12に固定するものであってもよい。
図6を正面視して上側の筐体14(撮像素子11)の長辺に沿う20個の固定部材18は、長手方向Dlに伸びる同一の直線上で整列(幅方向Dwで見た位置が等しい)して設けられ、この直線(整列する位置)を第1直線s1とする。また、図6を正面視して下側の筐体14(撮像素子11)の長辺に沿う20個の固定部材18は、長手方向Dlに伸びる同一の直線上で整列して設けられ、この直線(整列する位置)を第2直線s2とする。なお、この同一の直線上で整列するとは、各固定部材18の中心位置が当該直線上に位置することのみならず、各固定部材18の一部が当該直線上に位置することも含むものである。このことから、撮像ユニット10では、撮像素子11(筐体14)において、第1直線s1上で3つ以上の固定部材18が長手方向Dlに沿って整列されるとともに、第2直線s2上で3つ以上の固定部材18が長手方向Dlに沿って整列される。また、撮像ユニット10では、撮像素子11(筐体14)において、長手方向Dlで見た20個所で第1直線s1の固定部材18と第2直線s2の固定部材18とが幅方向Dwに伸びる同一の直線上で整列(長手方向Dlで見た位置が等しい)して設けられている。
このため、撮像ユニット10では、3つ以上の固定部材18が整列される同一の直線として、長手方向Dlに伸びる第1直線s1と第2直線s2との2つが存在している。そして、撮像ユニット10では、幅方向Dwでは同一の直線上に2つの固定部材18が存在するのみであるので、2つの固定部材18を通る幅方向Dwに伸びる直線は3つ以上の固定部材18が整列される同一の直線に該当しない。また、撮像ユニット10では、第1直線s1の20個の固定部材18と、第2直線s2の20個の固定部材18と、を第1直線s1または第2直線s2以外の方向に伸びる直線で架け渡すことができるが、いずれも3つ以上の固定部材18が整列される同一の直線に該当しない。このように、実施例1の撮像ユニット10では、3つ以上の固定部材18が整列される同一の直線が第1直線s1および第2直線s2のみであり、いずれも長手方向Dlに伸びるものすなわち長手方向Dlと平行とされている。この第1直線s1および第2直線s2は、各固定部材18が筐体14(撮像素子11)の裏面14aに設けられることから、撓み変形のない撮像素子チップ15の撮像面13と平行な面に沿うものとされている。
撮像ユニット10では、図5に示すように、撮像素子11において、撮像素子チップ15の伸長方向Dsを長手方向Dlに対して傾斜させて、当該撮像素子チップ15を収容室16(筐体14)に設ける。このため、撮像ユニット10では、撓み変形のない撮像素子チップ15の撮像面13と平行な面上で見て、撮像素子チップ15の伸長方向Dsが、各固定部材18の整列方向(第1直線s1および第2直線s2(図6参照))に対して傾斜される。そして、実施例1では、各固定部材18が整列された長手方向Dlに対する撮像素子チップ15の伸長方向Dsが為す角度である傾斜角θを12°とする。このように、撮像ユニット10では、撮像素子11を製造する際の筐体14(収容室16)での撮像素子チップ15(伸長方向Ds)の配置と、撮像素子11を回路基板12に固定(実装)する際の各固定部材18の配置と、を相対的に設定する。このため、撮像ユニット10では、撮像素子11の製造工程と、撮像素子11を回路基板12に固定(実装)する工程と、において相互に関連させて設定を行う。特に、実施例1の撮像ユニット10では、各固定部材18が、撮像素子11の裏面14aの電極に設けたバンプを溶融して形成されて撮像素子11と回路基板12とを電気的に接続しつつ固定していることから、相互に関連させた設定がより重要となる。
ここで、撮像ユニット10では、撮像素子11(その筐体14)の線膨張係数と、回路基板12の線膨張係数とが異なることにより、撮像素子11(筐体14)と回路基板12とで熱に起因する膨張量に差異が生じる。このため、撮像ユニット10では、例えば、撮像素子11(筐体14)の膨張量(線膨張係数)が回路基板12の膨張量(線膨張係数)よりも小さい場合には、それらが異なる膨張量で膨張することにより、図7に示すように、撮像素子11に応力がかかり当該撮像素子11が撓む。その場合、撮像ユニット10では、その撮像素子11において筐体14(収容室16)に収容した撮像素子チップ15の撮像面13も同様に撓む。すると、撮像ユニット10では、撮像素子11の撮像素子チップ15の撮像面13上で像を結ぶように光学的に設計された状態で設けられることから、撓んだ撮像面13と像面との間でずれが生じるので、所望の光学性能が出なくなる虞がある。また、撮像ユニット10では、撮像素子11の撮像面13が撓むと、結像レンズから撮像面13における中心までと端部までとの距離が変化する等のように光路長が変化して光学性能の劣化が生じる虞がある。
ここで、撮像素子11では、上述したように、筐体14(その収容室16)に収容された撮像素子チップ15で撮像面13を規定することから、筐体14の撓みが直接的に光学性能を劣化させるのではなく、撮像素子チップ15の撓みが光学性能の劣化に繋がる。このため、本発明では、撮像素子11(筐体14)に撓みが生じた場合であっても、その筐体14(収容室16)に収容した撮像素子チップ15の撓みを抑制することにより、光学的な影響を抑制する。そして、本発明の一実施例としての撮像ユニット10では、撓み変形のない撮像素子チップ15の撮像面13と平行な面上で見て、各固定部材18が整列された長手方向Dlに対して撮像素子チップ15の伸長方向Dsを傾斜させる(図5参照)。このことについて、図8から図13を用いて説明する。
先ず、各固定部材18により撮像素子11(筐体14)を回路基板12に固定した撮像ユニット10において、温度環境を変化させた下で回路基板12および撮像素子11が撓む様子を、構造解析ソフトを用いたシミュレーションにより解析する。その温度環境の変化量は、回路基板12に設けられた素子における発熱や、撮像ユニット10の近傍に配置される機器における発熱等の影響により、設置環境の温度が上昇し得る値に設定する。この実施例1では、構造解析ソフトとしてANSYS(登録商標)を用いており、その解析結果を図8に示す。この図8では、撮像ユニット10を示す平面図上において、撮像ユニット10における高さ位置(厚さ方向Dtで見た位置)の変化を濃淡で表しており、濃くなるに連れて高さ位置が高くなる(図8を正面視して奥側)ものとしている。すなわち、図8では、濃淡の差が大きいほど高さ位置が異なる、すなわち撓みが大きいことを意味する。この図8に示す撮像ユニット10では、撮像素子11の中心(その近傍)が最も低く(奥側に変位し)、回路基板12の4隅(その近傍)が最も高くなる(手前側に変位する)ように撓んでいる。
この撮像ユニット10では、詳細には、以下のように撓みが生じていることがわかる。筐体14(撮像素子11)では、長手方向Dlで見た位置が外側に向かうに連れて高さ位置が高くなっているのみであって、幅方向Dwで見た位置の差異に拘わらず等しい高さ位置となっている。すなわち、筐体14(撮像素子11)では、長手方向Dlに撓みが生じており、撓みの広がり方が直線的となっている。これに対して、回路基板12では、長手方向Dlで見た位置が外側に向かうに連れて高さ位置が高くなっているとともに、幅方向Dwで見た位置が外側に向かうに連れて高さ位置が高くなっている。すなわち、回路基板12では、中心位置から大略4隅に向かう方向で見た位置に応じて撓みが生じており、撓みの広がり方が波紋のように広がる曲線を描くものとされている。このような撓みの態様(撓みの分布)に差異が生じることは、構造解析ソフトを用いたシミュレーションによる解析を行わないと把握することは困難である。
このような撓みの態様(撓みの分布)に差異が生じた理由としては、以下のことが考えられる。先ず、上記した解析結果で得られた撮像ユニット10(撮像素子11および回路基板12)を、その中心を通り長手方向Dlおよび厚さ方向Dtを含む面に沿う断面で見た様子を図7に示す。撮像ユニット10に撓みが生じると、図7に示すように、筐体14(撮像素子11)と回路基板12とは長手方向Dlで見た全長に渡って互いに沿いつつ撓んでいる。このため、撮像ユニット10では、長手方向Dlで見た位置に拘わらず筐体14(撮像素子11)と回路基板12との間隔が等しいものとされている。これは、回路基板12では、筐体14(撮像素子11)の幅方向Dwで見た縁部となる両長辺に沿って20個ずつ等間隔に設けられた各固定部材18(図6参照)により、当該筐体14(撮像素子11)が固定されていることによるものと考えられる。すなわち、長手方向Dlで見ると、各固定部材18が全長に渡って等間隔に設けられていることから、筐体14(撮像素子11)と回路基板12とが全長に渡って等間隔で結合されている。このため、膨張量に差異に起因する応力が筐体14(撮像素子11)にかかり、筐体14(撮像素子11)が回路基板12に沿って撓むものと考えられる。
次に、上記した解析結果で得られた撮像ユニット10(撮像素子11および回路基板12)を、その中心を通り幅方向Dwおよび厚さ方向Dtを含む面に沿う断面で見た様子を図9に示す。撮像ユニット10に撓みが生じると、図9に示すように、回路基板12では撓みが生じているのに対して、筐体14(撮像素子11)では撓みが生じていない。そして、筐体14(撮像素子11)と回路基板12とは幅方向Dwで見た縁部となる両長辺に設けられた各固定部材18でのみ近接されており、幅方向Dwで見た位置により筐体14(撮像素子11)と回路基板12との間隔が変化している。これは、筐体14(撮像素子11)は、幅方向Dwで見た縁部となる両長辺の各固定部材18(図6参照)により回路基板12に固定されていることによるものと考えられる。すなわち、幅方向Dwで見ると、2つの固定部材18が撮像素子11(筐体14)の両端に設けられていることから、筐体14(撮像素子11)と回路基板12とが両端のみで結合されており、中間位置では結合されていない。このため、回路基板12が両固定部材18の間で撓むことができるので、膨張量に差異に起因する応力を逃がすことができるものと考えられる。
これらのことから、撮像ユニット10では、撮像素子11を回路基板12に固定する各固定部材18のうちの3つ以上が同一の直線上に整列される場合、その直線が伸びる方向に撮像素子11(筐体14)に撓みが生じる傾向があると考えられる。特に、撮像ユニット10では、当該直線上における各固定部材18の間隔が互いに等しい場合、各固定部材18間における応力の生じ方が等しくなるので、当該直線の伸びる方向に撮像素子11(筐体14)に撓みが生じる傾向が強くなると考えられる。加えて、撮像ユニット10では、隣り合う固定部材18の間で撮像素子11に対して回路基板12の撓みを許容する間隔よりも各固定部材18の間隔が小さい場合、当該直線の伸びる方向に撮像素子11(筐体14)に撓みが生じる傾向が強くなると考えられる。このような各固定部材18の間隔は、撮像素子11および回路基板12の膨張量(線膨張係数)や剛性等を勘案することで規定することができる。
本発明の撮像ユニット10では、これらの考えに基づき、3つ以上の各固定部材18が同一の直線上に整列される場合、その直線に対して撮像素子チップ15の伸長方向Dsを傾斜させて当該撮像素子チップ15を撮像素子11の筐体14に設けている(図6参照)。これは、以下のことによる。
先ず、比較のために、図10に示す従来の構成の撮像ユニット50を説明する。この撮像ユニット50は、撮像ユニット10と同様の回路基板52に撮像素子51を実装して構成される。その撮像素子51は、基本的に撮像素子11と同様の構成とされ、筐体54(その収容室56)に撮像面53を規定する撮像素子チップ55を収容する固体撮像素子パッケージとして構成されている。この撮像素子51では、幅方向Dwで見た縁部となる筐体54の両長辺に沿いつつ長手方向Dlで見た全長に渡って等しい間隔で20個ずつ設けた各固定部材58により、回路基板52に固定されている。このことから、撮像ユニット50では、撮像ユニット10と同様に、3つ以上の固定部材58が整列される同一の直線として、長手方向Dlに伸びる第1直線s1と第2直線s2との2つが存在している。そして、この撮像ユニット50では、撮像ユニット10(撮像素子11)とは異なり、撮像素子51の収容室56(筐体54)において、撮像素子チップ55の伸長方向Dsが長手方向Dlと平行とされて当該撮像素子チップ55が設けられる。このため、撮像ユニット50では、収容室56(筐体54)において、撮像素子チップ55が第1直線s1および第2直線s2で各固定部材58が整列された方向に対して傾斜されていない(傾斜角が0°である)。
この従来の撮像ユニット50における撮像素子チップ55と、本願発明の撮像ユニット10における撮像素子チップ15と、の長手方向Dlで見た存在範囲の差異を説明するための説明図を図11に示す。この図11では、撮像ユニット10における撮像素子チップ15(その伸長方向Ds)の長手方向Dlに対する傾斜角θを25°としている。また、図11では、正面視して上側に筐体54(撮像素子51)を示すとともに下側に筐体14(撮像素子11)を示している。上述したように、撮像素子チップ55と撮像素子チップ15とは互いに同じ構成であることから、それぞれの伸長方向Dsで見た大きさ寸法は互いに等しい。そして、撮像ユニット50では、撮像素子チップ55(その伸長方向Ds)を長手方向Dlと平行に設けているため、撮像素子チップ55の長手方向Dlで見た存在範囲が伸長方向Dsで見た大きさ寸法と等しい長さ寸法x1となる。これに対して、撮像ユニット10では、撮像素子チップ15(その伸長方向Ds)を長手方向Dlに対して傾斜させて設けているため、撮像素子チップ15の長手方向Dlで見た存在範囲が伸長方向Dsで見た大きさ寸法よりも小さい長さ寸法x2となる。このため、本発明の撮像ユニット10では、撮像ユニット50と比較して、撮像素子11(筐体14)における長手方向Dlすなわち各固定部材18の整列方向で見た存在範囲を小さなものとする(長さ寸法x1>長さ寸法x2)ことができる。
この撮像ユニット50の撮像素子51の筐体54および撮像ユニット10の撮像素子11の筐体14において、互いに等しい撓みが生じた様子を図12に示す。この図12では、幅方向Dwに直交する断面で示した説明図であり、正面視して左側に筐体54(撮像素子51)を示すとともに右側に筐体14(撮像素子11)を示し、それぞれにおいて撓みが生じていない様子を二点鎖線で示している。
筐体54(撮像素子51)では、撮像素子チップ55が長手方向Dlで見て長さ寸法x1の範囲に存在しており、撓みが生じた際には中心位置と両端位置との間に高さ寸法y1の差異が生じる。また、筐体14(撮像素子11)では、撮像素子チップ15が長手方向Dlで見て長さ寸法x2の範囲に存在しており、撓みが生じた際には中心位置と両端位置との間に高さ寸法y2の差異が生じる。ここで、撮像素子チップ55の存在範囲である長さ寸法x1に対して、撮像素子チップ15の存在範囲である長さ寸法x2が小さいことから、撮像素子チップ55における高さ寸法y1よりも撮像素子チップ15における高さ寸法y2が小さくなる。これは、筐体14(撮像素子11)および筐体54(撮像素子51)は、長手方向Dlに撓みが生じることから、長手方向Dlで見た存在範囲が小さいほど撮像素子チップ15に及ぼす撓みの影響を低減できることによる。換言すると、撮像素子チップ15および撮像素子チップ55では、長手方向Dlで見た存在範囲が小さいほど、筐体14(撮像素子11)または筐体54(撮像素子51)における長手方向Dlの撓みを拾い難くなることによる。このため、撮像ユニット10では、各固定部材18の整列方向に対して撮像素子チップ15の伸長方向Dsを傾斜させることで、筐体14(撮像素子11)の長手方向Dlの撓み(その量)に対する撮像素子チップ15の撓み(その量)を低減することができる。
このことから、撮像ユニット10では、各固定部材18が整列する同一の直線に対して撮像素子チップ15(その伸長方向Ds)を傾斜させることで、撮像素子チップ15の撓みを減少することができる。ここで、撮像素子11(筐体14)では、撮像素子チップ15(伸長方向Ds)を傾斜させることにより幅方向Dwでの存在範囲が増加しているが、この幅方向Dwでの存在範囲の増加は撮像素子チップ15の撓みを招くことはない。これは、撮像素子11(筐体14)では、上述したように、各固定部材18の整列方向(長手方向Dl)に撓みが生じるが、整列方向との直交方向(幅方向Dw)では撓みはなく当該方向の位置の差異に拘わらず等しい高さ位置となることによる(図8参照)。
このように、本発明の撮像ユニット10では、3つ以上の各固定部材18が整列される同一の直線に対して伸長方向Dsを傾斜させて撮像素子チップ15を撮像素子11の筐体14(収容室16)に設けることで、撮像素子チップ15の撓みを減少させる。ここで、撮像ユニット10において、各固定部材18の整列方向(長手方向Dl)に対する撮像素子チップ15の伸長方向Dsの傾斜角θを変化させ、それぞれに対して温度環境を変化させた下での撮像素子チップ15の撓み量δを構造解析ソフトにより解析する。その温度環境の変化量は、回路基板12に設けられた素子における発熱や、撮像ユニット10の近傍に配置される機器における発熱等の影響により、設置環境の温度が上昇し得る値に設定する。この解析では、撮像素子チップ15の伸長方向Dsの傾斜角θを0°、3°、6°、9°、12°とした際の撮像ユニット10における撓みの態様をシミュレーションにより求めることで、その撮像素子11の撮像素子チップ15の撓み量δを求める。その解析で得た傾斜角θの変化に対する撓み量δを図13に示す。
この図13では、傾斜角θが0°であるときの撮像素子チップ15における撓み量を基準(数値で1)として規格化した撓み量δで示している。このため、図13からは、傾斜角θの大きさに拘わらず、各固定部材18の整列方向(長手方向Dl)に対して撮像素子チップ15の伸長方向Dsを傾斜させることで撓み量δが低減することがわかる。また、図13からは、傾斜角θを大きくするほど、撓み量δを低減できることがわかる。実施例1の撮像ユニット10では、各固定部材18の整列方向(長手方向Dl)に対する撮像素子チップ15の伸長方向Dsの傾斜角θが12°であることから、3.3%を超える撓み抑制の効果を得られることがわかる。
この本発明の撮像ユニット10では、撮像素子11(筐体14)に設けられた各固定部材18が整列する同一の直線に対して撮像素子チップ15(その伸長方向Ds)を傾斜させるものであることから、傾斜角θの最大値は90°となる。そして、構造解析ソフトによる解析結果(図8参照)から、傾斜角θを90°とすると撮像素子チップ15の撓みを殆どなくすことが可能できる。このため、撮像ユニット10では、傾斜角θが0°よりも大きく90°以下とする(0°<θ≦90°)ことで、撮像素子チップ15の撓み抑制の効果を得ることができる。
ここで、撮像素子11では、傾斜角θを0°から大きくするほど、撮像素子チップ15の撓み抑制の効果が大きくなる。これに対して、撮像素子11では、基本的に、長尺な撮像素子チップ15を筐体14(収容室16)に収容することから、撓み変形のない撮像素子チップ15の撮像面13と平行な面上で見た傾斜角θを大きくするほど筐体14(収容室16)の増大を招く。これらのことから、撮像素子11では、好適には、傾斜角θの最小値を5°とするとともに、傾斜角θの最大値を45°とする(5°≦θ≦45°)。これは、以下のことによる。図13に示すように、構造解析ソフトによる解析結果から、傾斜角θが5°を超えると、0.7%以上の撓み抑制の効果が得られる。このため、撮像ユニット10では、撮像素子11(筐体14)における撮像素子チップ15(伸長方向Ds)の傾斜角θの最小値を5°とすることで、撮像素子チップ15の撓みを効果的に抑制することができる。
また、撮像素子11(筐体14)では、各部材を等しいものとすると、一方の辺の大きさが各固定部材18の整列された領域の長さ寸法で決まり、他方の辺の大きさが大略撮像素子チップ15の長さ寸法にsinθを乗算した寸法で決まる。すると、例えば、傾斜角θを90°とすると、一方の辺の長さ寸法は各固定部材18が整列された範囲となり、かつ他方の辺の長さ寸法は撮像素子チップ15を全長に渡って収容することのできる大きさの寸法となる。このように、撮像素子11(筐体14)では、傾斜角θを大きくし過ぎると、撮像素子チップ15が形成する撮像面13の大きさに対してかなり大きな寸法となってしまう。そして、撮像素子11(筐体14)では、傾斜角θを45°とすると、当該他方の辺の大きさを撮像素子チップ15の長さ寸法の大略70%に抑えることができる。このため、撮像ユニット10では、撮像素子11(筐体14)における撮像素子チップ15(伸長方向Ds)の傾斜角θの最大値を45°とすることで、撮像素子チップ15の撓みを効果的に抑制しつつ撮像素子11(筐体14)の増大を抑制することができる。
これらのことを鑑みて、実施例1の撮像ユニット10では、図5に示すように、20個の固定部材18が設けられている第1直線s1および第2直線s2が伸びる方向に対して、伸長方向Dsを12°傾斜させて撮像素子チップ15を筐体14に設けている。この撮像ユニット10では、各固定部材18の整列方向に対して撮像素子チップ15を傾斜させることにより、筐体14(撮像素子11)の撓み方向における撮像素子チップ15の存在範囲を小さくしているので、撮像素子チップ15の撓みを低減することができる。すなわち、撮像ユニット10では、各固定部材18の整列方向に対して撮像素子チップ15を傾斜させることにより、撮像素子チップ15における筐体14の整列方向の撓みの影響を小さくすることで、撮像素子チップ15の撓みを低減することができる。
このように、本発明に係る撮像ユニットの実施例1の撮像ユニット10では、各固定部材18が整列する同一の直線に対して撮像素子チップ15(その伸長方向Ds)を傾斜させることで、温度変化に起因する撮像素子チップ15の撓みを低減することができる。このため、撮像ユニット10では、撮像素子11の筐体14(その収容室16)で各固定部材18の整列方向に対して撮像素子チップ15(伸長方向Ds)を傾斜させるだけであるので、何らの部材を追加することなく撮像面13の撓みを抑制することができる。
また、撮像ユニット10では、撮像素子11において、3つ以上の固定部材18が同一の直線上に整列されていると、当該直線に対して伸長方向Dsを傾斜させて筐体14(収容室16)に撮像素子チップ15を設けている。このため、撮像ユニット10では、撮像素子11における撮像面13(撮像素子チップ15)の撓みを抑制することができるので、例えば光路長の変化や像面がずれること等を抑制することができ、光学性能の劣化を抑制することができる。
さらに、撮像ユニット10では、各固定部材18の整列方向に対して伸長方向Dsを傾斜させて筐体14(収容室16)に撮像素子チップ15を設けることで、撮像素子チップ15における筐体14(収容室16)の撓みの影響を低減する。このため、撮像ユニット10では、筐体14(収容室16)における撮像素子チップ15の配置を変更するだけであるので、撮像素子11における他の構成の変更を最小限とすることができ、製造コストの上昇を最小限に留めつつ容易に実現することができる。
撮像ユニット10では、撮像素子11の撮像素子チップ15が形成する撮像面13の一辺が伸びる方向が伸長方向Dsと平行であるので、この撮像面13の一辺が伸びる方向を3つ以上の固定部材18が整列する同一の直線に対して傾斜させている。このため、撮像ユニット10では、撮像面13の一辺が伸びる方向を基準として撮像素子チップ15の撓みを抑制することができるので、撮像面13の撓みをより適切に抑制することができる。
撮像ユニット10では、撮像素子11の撮像素子チップ15の外周を規定する一辺が伸びる方向が伸長方向Dsと平行であるので、この外周を規定する一辺が伸びる方向を、3つ以上の固定部材18が整列する同一の直線に対して傾斜させている。このため、撮像ユニット10では、各固定部材18の整列方向に対する撮像素子チップ15の配置を容易とすることができ、撮像面13の撓みをより適切に抑制することができる。
撮像ユニット10では、撮像素子11を駆動する回路を形成する回路基板12を保持部材として、その回路基板12に各固定部材18での固定により撮像素子11を取り付けている。このため、撮像ユニット10では、他の保持部材を用いることと比較して、簡易な構成で撮像素子11を回路基板12と一体化することができる。これにより、撮像ユニット10では、小型化を可能としつつ撮像素子11における撮像面13の撓みを抑制することができ、使い勝手を向上させつつ光学性能を確保することができる。
撮像ユニット10では、撮像素子11(筐体14)において、3つ以上の固定部材18が整列される同一の直線となる第1直線s1および第2直線s2を、互いに平行(実施例1では長手方向Dlに沿うもの)としている。このため、撮像ユニット10では、筐体14(撮像素子11)における撓み方向を、確実に第1直線s1および第2直線s2が伸びる方向とすることができる。これにより、撮像ユニット10では、各固定部材18の整列方向に対して撮像素子チップ15(その伸長方向Ds)を傾斜させることによる撮像面13(撮像素子チップ15)の撓み抑制の効果をより効果的なものとすることができる。
撮像ユニット10では、3つ以上の固定部材18が整列される同一の直線が、第1直線s1および第2直線s2のみであることから、撮像素子11(筐体14)における撓み方向を、より確実に第1直線s1および第2直線s2が伸びる方向とすることができる。このため、撮像ユニット10では、筐体14(撮像素子11)における第1直線s1および第2直線s2が伸びる方向と直交する方向での撓みを極めて小さなものとすることができる。これにより、撮像ユニット10では、各固定部材18の整列方向に対して撮像素子チップ15(その伸長方向Ds)を傾斜させることにより、撮像面13(撮像素子チップ15)の撓みをより効果的に抑制することができる。
撮像ユニット10では、撮像素子11において、筐体14に設けられた各固定部材18の配置を変更することなく、その筐体14(その収容室16)での撮像素子チップ15(その伸長方向Ds)の配置を変更する。このため、撮像ユニット10では、回路基板12における構成(信号線(配線)のレイアウト等)の変更を極めて少ないものとすることができるので、信号線(配線)のレイアウトの自由度の低下を抑制することができる。
撮像ユニット10では、各固定部材18の整列方向に対する撮像素子チップ15(その伸長方向Ds)の傾斜角θの最小値を5°としている。このため、撮像ユニット10では、撮像面13(撮像素子チップ15)の撓みを効果的に抑制することができる。
撮像ユニット10では、各固定部材18の整列方向に対する撮像素子チップ15(その伸長方向Ds)の傾斜角θの最大値を45°としている。このため、撮像ユニット10では、撮像素子11(筐体14)の寸法の増大を抑制しつつ、撮像面13(撮像素子チップ15)の撓みを効果的に抑制することができる。
撮像ユニット10では、各固定部材18が、撮像素子11の裏面14aの電極に設けたバンプを溶融して形成されて撮像素子11と回路基板12とを電気的に接続しつつ固定している。このため、撮像ユニット10では、撮像素子11および回路基板12における構成を最小限としつつ、撮像面13(撮像素子チップ15)の撓みを効果的に抑制することができる。
本発明に係る画像読取装置の実施例1の画像読取部102では、一体型走査光学ユニット301におけるイメージセンサ(撮像手段)として、本発明に係る撮像ユニットの実施例1の撮像ユニット10を備える。このため、画像読取部102では、撮像ユニット10の撮像素子11における撮像面13(撮像素子チップ15)の温度変化に起因する撓みが低減されているので、一体型走査光学ユニット301における光学性能を設計通りに発揮させることができる。これにより、画像読取部102では、環境温度の変化に拘わらず、原稿Maの画像を適切に読み取ることができる。
画像読取部102を備える画像形成装置100では、環境温度の変化に拘わらず原稿Maの画像を適切に読み取ることができるので、良好な画像を安定して出力することができる。
したがって、本発明に係る実施例1の撮像ユニット10では、部材を追加することなく温度変化に起因する撮像素子11の撓みによる光学的な影響を抑制することができる。
次に、本発明に係る撮像ユニットの一例としての実施例2の撮像ユニット10Aを、図14および図15を用いて説明する。この実施例2の撮像ユニット10Aは、撮像素子11Aにおける各固定部材18Aおよび撮像素子チップ15Aの配置が、実施例1の撮像ユニット10とは異なる例である。この実施例2の撮像ユニット10Aは、基本的な概念および構成は上記した実施例1の撮像ユニット10と同様であることから、等しい概念および構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
実施例2の撮像ユニット10Aでは、図14に示すように、撮像素子11Aの筐体14Aの裏面14aにおいて、実施例1の各固定部材18と同様の構成の各固定部材18Aが設けられ、各固定部材18Aにより撮像素子11Aが回路基板12に固定される。そして、撮像ユニット10Aでは、撮像素子11Aの筐体14Aにおける固定部材18Aの配置を、実施例1の撮像素子11とは異なるものとしている。この撮像素子11Aでは、20個の固定部材18Aが長手方向Dlに対して傾斜する同一の直線上で整列して設けられ、この直線(整列する位置)を第3直線s3とする。この第3直線s3は、実施例2では、長手方向Dlに対する傾斜角θを8.4°としている。また、撮像素子11Aでは、20個の固定部材18Aが第3直線s3とは異なる位置で当該第3直線s3と平行な同一の直線上で整列して設けられ、この直線(整列する位置)を第4直線s4とする。撮像素子11Aでは、第3直線s3の各固定部材18Aと第4直線s4の各固定部材18Aとが、長手方向Dlで見て互いに等しい位置とされており、幅方向Dwで対を為して設けられている。そして、撮像素子11Aでは、第3直線s3の各固定部材18Aと第4直線s4の各固定部材18Aとが、図14を正面視した左側から右側に向かうにしたがって、幅方向Dwで見た位置を上側から下側へと漸次的に変化して設けられている。
このため、撮像ユニット10Aでは、3つ以上の固定部材18Aが整列される同一の直線として、長手方向Dlに対して8.4°の傾斜角θとされた第3直線s3と第4直線s4との2つが存在している。そして、撮像ユニット10Aでは、幅方向Dwでは同一の直線上に2つの固定部材18Aが存在するのみであるので、2つの固定部材18Aを通る幅方向Dwに伸びる直線は3つ以上の固定部材18Aが整列される同一の直線に該当しない。また、撮像ユニット10Aでは、第3直線s3の20個の固定部材18Aと、第4直線s4の20個の固定部材18Aと、を第3直線s3または第4直線s4以外の方向に伸びる直線で架け渡すことができるが、いずれも3つ以上の固定部材18Aが整列される同一の直線に該当しない。このように、実施例1の撮像ユニット10では、3つ以上の固定部材18が整列される同一の直線が第3直線s3および第4直線s4のみであり、いずれも長手方向Dlに対して8.4°の傾斜角θで傾斜している。また、撮像ユニット10Aでは、各固定部材18Aの整列方向が長手方向Dlに対して傾斜していることに伴い、撮像素子11Aにおいて、伸長方向Dsが長手方向Dlと平行とされて撮像素子チップ15Aが筐体14A(その収容室16)に設けられている。
これらのことから、撮像ユニット10Aでは、撮像素子11Aの筐体14A(収容室16)において、撮像素子チップ15Aの伸長方向Dsを、第3直線s3および第4直線s4で各固定部材18Aが整列された方向に対して傾斜させている。ここで、撮像ユニット10Aにおいて、各固定部材18Aの整列方向(第3直線s3および第4直線s4)に対する撮像素子チップ15Aの伸長方向Ds(長手方向Dl)の傾斜角θを変化させ、それぞれに対して温度環境を変化させた下での撮像素子チップ15Aの撓み量δを構造解析ソフトにより解析する。その温度環境の変化量は、回路基板12に設けられた素子における発熱や、撮像ユニット10Aの近傍に配置される機器における発熱等の影響により、設置環境の温度が上昇し得る値に設定する。この解析では、撮像素子チップ15Aの伸長方向Dsの傾斜角θを0°、8.4°とした際の撮像ユニット10Aにおける撓みの態様をシミュレーションにより求めることで、その撮像素子11Aの撮像素子チップ15Aの撓み量δを求める。その解析で得た傾斜角θの変化に対する撓み量δを図15に示す。
この図15では、傾斜角θが0°であるときの撮像素子チップ15Aにおける撓み量を基準(数値で1)として規格化した撓み量δで示している。このため、図15からは、各固定部材18Aの整列方向(長手方向Dl)に対して撮像素子チップ15Aの伸長方向Dsを傾斜させることで撓み量δが低減することがわかる。実施例2の撮像ユニット10A(撮像素子11A)では、各固定部材18Aの整列方向(長手方向Dl)に対する撮像素子チップ15Aの伸長方向Dsの傾斜角θを8.4°とすると、6.5%を超える撓み抑制の効果を得られることがわかる。
実施例2の撮像ユニット10Aでは、基本的に実施例1の撮像ユニット10と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例2の撮像ユニット10Aでは、撮像素子11Aの筐体14A(収容室16)において、撮像素子チップ15A(伸長方向Ds)を長手方向Dlに対して傾斜させることに変えて、各固定部材18Aの整列方向を長手方向Dlに対して傾斜させている。このため、撮像ユニット10Aでは、撮像素子11A(筐体14A)の外形形状における長手方向Dlに沿って撮像面13(撮像素子チップ15A(伸長方向Ds))を位置させることができる。これにより、撮像ユニット10Aでは、撮像面13(撮像素子チップ15A)の伸長方向Dsの位置の把握を容易とすることができ、光路上に適切に設置する等の取り扱いを容易なものとすることができる。
また、撮像ユニット10Aでは、従来の構成の撮像ユニット50と比較して、撮像素子11Aの筐体14Aを回路基板12に固定する各固定部材18Aの位置関係を変更するのみである。このため、撮像ユニット10Aでは、撮像素子チップ15Aの伸長方向Dsに対して各固定部材18Aの整列方向を傾斜させることを容易に実現することができる。
したがって、本発明に係る実施例2の撮像ユニット10Aでは、部材を追加することなく温度変化に起因する撮像素子11Aの撓みによる光学的な影響を抑制することができる。
なお、上記した各実施例では、本発明に係る撮像ユニットの一例としての撮像ユニット10、10Aについて説明したが、筐体に撮像素子チップが収容されて構成された撮像素子と、前記撮像素子が取り付けられる保持部材と、前記撮像素子と前記保持部材とを固定する複数の固定部材と、を備え、前記撮像素子では、前記撮像素子チップが形成する撮像面の一辺が伸びる方向を伸長方向とし、前記伸長方向が3つ以上の前記固定部材が整列する同一の直線に対して傾斜する撮像ユニット、あるいは、筐体に撮像素子チップが収容されて構成された撮像素子と、前記撮像素子が取り付けられる保持部材と、前記撮像素子と前記保持部材とを固定する複数の固定部材と、を備え、前記撮像素子では、前記撮像素子チップの外周を規定する一辺が伸びる方向を伸長方向とし、前記伸長方向が3つ以上の前記固定部材が整列する同一の直線に対して傾斜する撮像ユニット、あるいは、筐体に長尺な撮像素子チップが収容されて構成された撮像素子と、前記撮像素子を駆動する回路を形成する回路基板と、前記撮像素子と前記回路基板とを固定する複数の固定部材と、を備え、前記撮像素子では、撓み変形のない前記撮像素子チップの撮像面と平行な面上で見て、前記撮像素子チップの伸長方向が3つ以上の前記固定部材が整列する同一の直線に対して傾斜する撮像ユニットであればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
また、上記した各実施例では、撮像素子(11、11A)(その筐体(14、14A))において、撮像素子チップ(15、15A)(その伸長方向Ds)または各固定部材(18、18A)の整列方向の一方を、長手方向Dlに対して傾斜させている。しかしながら、各固定部材の整列方向に対して撮像素子チップ(その伸長方向)を傾斜させるものであれば、各固定部材および撮像素子チップの双方を長手方向に対して傾斜させてもよく、他の構成であってもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
さらに、上記した各実施例では、撮像面13とは反対側の面に設けた各固定部材18で撮像素子11を回路基板12に固定している。しかしながら、固定部材は、撮像面側に設けて撮像素子と回路基板とを固定するものであってもよく、他の構成であってもよく、上記した各実施例の構成に限定されるものではない。
上記した各実施例では、保持部材として回路基板12を用いているが、撮像素子(11、11A)が各固定部材(18、18A)により固定されるものであれば、他の構成であってもよく、上記した各実施例の構成に限定されるものではない。
上記した各実施例では、各固定部材(18、18A)として、撮像素子(11、11A)と回路基板12(そこ設けられた回路)とを電気的に接続しつつ撮像素子(11、11A)を回路基板12に固定する所謂接続ピンを用いている。しかしながら、固定部材は、撮像素子と回路基板とを固定するものであれば、例えば、電気的に接続する機能を有するものではなく補助的に固定する所謂捨てピンであってもよく、接着剤やネジ部材や半田等であってもよく、上記した各実施例の構成に限定されるものではない。
上記した各実施例では、3つ以上の固定部材(18、18A)が整列された同一の直線が2つ設けられ、それらが平行とされている。しかしながら、3つ以上の固定部材(18、18A)が整列された同一の直線は、1つのみ設けられていてもよく、3つ以上設けられていてもよく、上記した各実施例の構成に限定されるものではない。
上記した各実施例では、撮像素子(11、11A)における撮像素子チップ(15、15A)として、1次元の線状に画素が並べられて撮像面13を規定する1列のラインセンサを用いている。しかしながら、撮像素子における撮像素子チップは、各固定部材の整列方向に対して、撮像面の一方の辺あるいは撮像素子チップの外周を規定する一方の辺が伸びる方向を傾斜させることで、当該整列方向で見た撮像素子チップの長さ寸法を減少させることが可能な形状であれば、本願発明を適用することができる。その撮像素子チップは、上記した条件を満たすものであれば、複数列のラインセンサとして形成されるものであってもよく、2次元的に画素が並べられて2次元の撮像面を形成するものであってもよく、上記した各実施例の構成に限定されるものではない。この場合、各固定部材の整列方向に対して、撮像面の一方の辺あるいは撮像素子チップの外周を規定する一方の辺が伸びる方向を傾斜させることで、部材を追加することなく撮像素子チップにおける当該一方の辺が伸びる方向での撓みを抑制することができる。このように構成する場合、撮像面の他方の辺あるいは撮像素子チップの外周を規定する他方の辺が伸びる方向での撓みは、補強部材を用いたり他の構成を採用したりすることにより、抑制することが望ましい。このような構成とした場合であっても、一方の辺が伸びる方向での撓みに対しては部材を追加することなく抑制することができ、上記した各実施例と同様の効果を得ることができる。
上記した各実施例では、各直線(s1、s2、s3、s4)において20個の固定部材18を設けていたが、その数は適宜設定すればよく、上記した各実施例の構成に限定されるものではない。しかしながら、1つまたは2つの固定部材18が設けられた直線は、3つ以上の固定部材18が整列される同一の直線とはならないことから、撮像素子チップ(その伸長方向)を傾斜させる際の基準としなくてよい。
上記した各実施例では、長尺な板状(薄い直方体形状)を呈する撮像素子(11、11A)(筐体(14、14A))としていたが、例えばフリップチップ実装のように複数の固定部材で回路基板に固定されるものであれば、他の形状であってもよく、上記した各実施例の構成に限定されるものではない。
上記した各実施例では、フルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタとされた画像形成装置100としていた。しかしながら、原稿で反射された光を本発明に係る撮像ユニットに結像することで、原稿を画像情報として読み取る画像読取装置を備え、そこから出力される画像情報に基づいて画像を形成する画像形成装置であればよく、上記した各実施例の構成に限定されるものではない。
以上、本発明の撮像ユニット、それを備える画像読取装置およびそれを備える画像形成装置を各実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については各実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
10、10A 撮像ユニット
11、11A 撮像素子
12 (保持部材の一例としても機能する)回路基板
13 撮像面
14、14A 筐体
15、15A 撮像素子チップ
18、18A 固定部材
100 画像形成装置
102 (画像読取装置の一例としての)画像読取部
Ds 伸長方向
Dl 長手方向
θ 傾斜角
Ma 原稿
s1 (直線の一例としての)第1直線
s2 (直線の一例としての)第2直線
s3 (直線の一例としての)第3直線
s4 (直線の一例としての)第4直線
特開2011−18747号公報

Claims (12)

  1. 筐体に撮像素子チップが収容されて構成された撮像素子と、
    前記撮像素子が取り付けられる保持部材と、
    前記撮像素子と前記保持部材とを固定する複数の固定部材と、を備え、
    前記撮像素子では、前記撮像素子チップが形成する撮像面の一辺が伸びる方向を伸長方向とし、前記伸長方向が3つ以上の前記固定部材が整列する同一の直線に対して傾斜することを特徴とする撮像ユニット。
  2. 筐体に撮像素子チップが収容されて構成された撮像素子と、
    前記撮像素子が取り付けられる保持部材と、
    前記撮像素子と前記保持部材とを固定する複数の固定部材と、を備え、
    前記撮像素子では、前記撮像素子チップの外周を規定する一辺が伸びる方向を伸長方向とし、前記伸長方向が3つ以上の前記固定部材が整列する同一の直線に対して傾斜することを特徴とする撮像ユニット。
  3. 筐体に長尺な撮像素子チップが収容されて構成された撮像素子と、
    前記撮像素子を駆動する回路を形成する回路基板と、
    前記撮像素子と前記回路基板とを固定する複数の固定部材と、を備え、
    前記撮像素子では、撓み変形のない前記撮像素子チップの撮像面と平行な面上で見て、前記撮像素子チップの伸長方向が3つ以上の前記固定部材が整列する同一の直線に対して傾斜することを特徴とする撮像ユニット。
  4. 前記保持部材は、前記撮像素子を駆動する回路を形成する回路基板であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像ユニット。
  5. 前記伸長方向に対する前記固定部材が整列する同一の直線が為す傾斜角を、5°以上とすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の撮像ユニット。
  6. 前記伸長方向に対する前記固定部材が整列する同一の直線が為す傾斜角を、45°以下とすることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の撮像ユニット。
  7. 前記筐体は、直方体形状を呈し、
    前記筐体では、前記筐体の長手方向と平行な同一の直線上に3つ以上の前記固定部材が整列して設けられ、かつ、前記長手方向に対して前記伸長方向を傾斜させて前記撮像素子チップが設けられることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の撮像ユニット。
  8. 前記筐体は、直方体形状を呈し、
    前記筐体では、前記筐体の長手方向に対して傾斜する同一の直線上に3つ以上の前記固定部材が整列して設けられ、かつ、前記長手方向に対して前記伸長方向を平行として前記撮像素子チップが設けられることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の撮像ユニット。
  9. 前記筐体は、直方体形状を呈し、
    前記筐体では、前記筐体の長手方向に対して傾斜する同一の直線上に3つ以上の前記固定部材が整列して設けられ、かつ、前記長手方向に対して前記伸長方向を傾斜させて前記撮像素子チップが設けられることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の撮像ユニット。
  10. 前記筐体では、少なくとも2つの同一の直線上のそれぞれで3つ以上の前記固定部材が整列して設けられ、前記各直線が互いに平行であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の撮像ユニット。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の撮像ユニットを備え、
    原稿で反射された光を前記撮像ユニットに結像することで、前記原稿を画像情報として読み取ることを特徴とする画像読取装置。
  12. 請求項11に記載の画像読取装置を備え、
    前記画像読取装置から出力される前記画像情報に基づいて画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
JP2015043566A 2015-03-05 2015-03-05 撮像ユニット、画像読取装置および画像形成装置 Pending JP2016163012A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015043566A JP2016163012A (ja) 2015-03-05 2015-03-05 撮像ユニット、画像読取装置および画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015043566A JP2016163012A (ja) 2015-03-05 2015-03-05 撮像ユニット、画像読取装置および画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016163012A true JP2016163012A (ja) 2016-09-05

Family

ID=56847341

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015043566A Pending JP2016163012A (ja) 2015-03-05 2015-03-05 撮像ユニット、画像読取装置および画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016163012A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7672024B2 (en) Contact image sensor module
US10069997B2 (en) Image reading unit and image reading device and image forming apparatus including the same
EP3550816B1 (en) Reading module, image reading device comprising same, and image forming device
JP2007043507A (ja) 画像読取ユニット、画像形成装置
JP4157880B2 (ja) 固体撮像素子の固定構造及び画像読取ユニット及び画像形成装置
JP2014053752A (ja) 原稿読取モジュール、一体型走査ユニット、原稿読取装置、自動原稿搬送装置、画像形成装置
JP5901471B2 (ja) 画像読取装置
JP5856994B2 (ja) 照明装置、およびこれを備えた画像読取装置、画像形成装置
JP2018014462A (ja) 光学センサー及びスキャナユニット、画像形成装置
JP6695845B2 (ja) 画像読取装置及び画像形成装置
JP2016163012A (ja) 撮像ユニット、画像読取装置および画像形成装置
JP2007251730A (ja) ラインセンサ及び画像情報読取装置
US9883068B2 (en) Imaging unit, image reading device, and image forming apparatus
JP2013191797A (ja) シールドケース、シールドケースユニット及び画像形成装置
JP2011048106A (ja) 集光装置、露光装置、画像形成装置
JP6372748B2 (ja) 撮像ユニット、画像読取装置および画像形成装置
JP6976204B2 (ja) ラインセンサ装置、読取装置および記録システム
JP5218448B2 (ja) 半導体装置と画像読取装置と画像形成装置
JP2009093061A (ja) 画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置
JP4613980B2 (ja) ラインセンサチップ、ラインセンサ、画像情報読取装置、ファクシミリ、スキャナ及び複写機
US10536604B2 (en) Line sensor apparatus, reading apparatus, and recording system
JP2018019334A (ja) 画像読取装置
JP2009278182A (ja) 画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置
US20110188893A1 (en) Optical writing device and image forming apparatus
JP5873787B2 (ja) 画像形成装置