JP2016162265A - 補正値入力装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】工具の種類に対応した補正値を確実に入力することができる補正値入力装置を提供する。【解決手段】予め決められた複数種類の工具82でそれぞれ加工されるワークWの複数の加工部位と、複数の加工部位毎に付与された複数の名称と、複数の加工部位毎に予め設定された複数の補正値とを記憶する記憶部50と、複数の名称と複数の補正値とを対応つけて表示部10に表示する制御部31と、オペレータにより選択された名称に対応つけられた補正値を入力する入力部32とを備える。【選択図】図2
Description
本発明は、ワークの寸法計測値と設計値との差を補正する補正値を工作機械に入力可能な補正値入力装置に関する。
工作機械、例えば旋盤は、旋盤本体と、その旋盤本体を制御する制御部とを有する。その制御部は、ワークの各部が図面等に記述された要求されるワークの設計値となるように、ワークに対する工具(ツール)の相対移動量を制御してワークを加工するが、工具の摩耗や、機械の熱変位により、加工されたワークの寸法が変化する。そこで、オペレータ(作業者)が計測器によりワークの加工部位の寸法を計測し、補正値入力装置がワークの加工部位の寸法設計値と設計値との差に応じた補正値を上記移動量の補正値として入力する。工作機械は、補正値入力装置により入力された補正値に基づきワークの加工の補正を行う。
例えば特許文献1には、オペレータにより計測されたワークの加工部位の寸法計測値を入力した場合に、その寸法計測値に基づいて適正な補正値(オフセット値)を自動的に演算する補正値入力装置が開示されている。
工作機械では、ワークにおける複数の加工部位をそれぞれ異なる複数種類の工具を用いて加工する。そして、工具の種類に応じて適正な補正値が異なる。オペレータは、一般に、補正値入力装置に補正値を入力する際、現在、ワークの加工に用いている工具の種類(工具の用途)を工具番号で確認し、工具番号に対応する補正番号を対応表などで確認する。そして、オペレータは、補正値入力装置において補正番号を選択して工具の種類に応じた補正値を入力する。
しかしながら、対応表などで工具番号に対応する補正番号を確認する作業はオペレータにとって煩わしいものである。また、補正番号は工具番号と必ずしも一致しているわけではなく、オペレータが工具番号と補正番号とが一致していると勘違いして誤った補正番号を補正値入力装置に入力してしまうおそれもある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、対応表などを参照することなく、工具の種類に対応した補正値を確実に入力することができる補正値入力装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、ワークの寸法計測値と設計値との差を補正する補正値を工作機械に入力可能な補正値入力装置であって、予め決められた複数種類の工具でそれぞれ加工されるワークの複数の加工部位と、該複数の加工部位毎に付与された複数の名称と、複数の加工部位毎に予め設定された複数の補正値とを記憶する記憶部と、複数の名称と複数の補正値とを対応つけて表示部に表示する制御部と、オペレータにより選択された名称に対応つけられた補正値を入力する入力部と、を備えることを特徴とする。
また、複数の名称は、それぞれ対応する複数の加工部位を認識可能な名称であることが好ましい。また、記憶部は、複数の加工部位に対応する複数種類の工具に付与された工具番号を複数の加工部位毎に記憶し、制御部は、複数の名称に対応つけて工具番号を表示部に表示する構成でもよい。
また、記憶部は、複数の加工部位毎に予め設定された複数種類の工具の移動方向を記憶し、入力部は、オペレータにより選択された名称に対応つけられた補正値を、該名称に対応つけられた工具の移動方向の移動量の補正値として入力する構成でもよい。また、入力部は、オペレータの操作に応じて、入力した補正値を増減する構成でもよい。
本発明によれば、予め決められた複数種類の工具でそれぞれ加工されるワークWの複数の加工部位と、複数の加工部位毎に付与された複数の名称と、複数の加工部位毎に予め設定された複数の補正値とを記憶する記憶部と、複数の名称と複数の補正値とを対応つけて表示部に表示する制御部と、オペレータにより選択された名称に対応つけられた補正値を入力する入力部とを備える。このような構成によれば、オペレータは名称を選択することにより補正値の入力を行うことができる。従って、対応表などを参照することなく、工具の種類に対応した補正値をミスなく確実に入力することができる。
また、複数の名称は、それぞれ対応する複数の加工部位を認識可能な名称であるので、オペレータは名称に基づいて加工部位(工具の種類、用途)を認識し、加工部位に対応した補正値の入力を行うことができる。よって、より補正値の入力ミスが防止される。また、記憶部は、複数の加工部位に対応する複数種類の工具に付与された工具番号を複数の加工部位毎に記憶し、制御部は、複数の名称に対応つけて工具番号を表示部に表示するので、オペレータは名称と工具番号に基づいて補正値を選択することができ、より一層、補正値の入力ミスをなくすことができる。
また、記憶部は、複数の加工部位毎に予め設定された複数種類の工具の移動方向を記憶し、入力部は、オペレータにより選択された名称に対応つけられた補正値を、名称に対応つけられた工具の移動方向の移動量の補正値として入力する。このような構成によれば、オペレータが工具による加工の軸方向を意識することなく補正値の入力を行うことができる。また、入力部は、オペレータの操作に応じて、入力した補正値を増減するので、オペレータによって補正値の微調整を行うことができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きく又は強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現する場合がある。
図1は、本実施形態に係る補正値入力装置1、複数台の工作機械2A〜2D、及びPC7(Personal Computer)の配置を示す図である。図1に示す本実施形態に係る補正値入力装置1は、オペレータ(作業者)が計測器3(測定器ともいう。)を用いて手動で計測(測定)したワークの寸法計測値に対する補正値(補正量やオフセット値ともいう。)を例えば旋盤のような工作機械2A〜2Dに入力する装置である。本実施形態において、「補正値」は、工作機械2A〜2Dにおいてワークの加工部位(例えば、内径、外径、端面(幅))の寸法をどの程度補正するかを示す寸法データ(例えばμm単位のデータ)で表される。また、「補正値」は、工作機械2A〜2Dにおいて補正値に基づき加工された補正後の加工済ワークの寸法が予め設定されたワークの加工部位の設計値(基準値)の公差(すなわち許容される加工最大誤差)内に収まるような補正値とされる。なお、ワークの加工部位の設計値は、図面等に記述されたワークの加工部位において要求される寸法の値である。
この補正値入力装置1は、工作機械2A〜2Dで加工された加工済のワークの寸法を計測する場所である計測ステーション5に設置されている。また、この補正値入力装置1は、工作機械2A〜2D及びPC7との間でデータ通信可能に構成されている。本実施形態においては、補正値入力装置1は、工作機械2A〜2D及びPC7との間で無線通信可能に構成されている。ただし、補正値入力装置1は、工作機械2A〜2D及びPC7との間においてLAN(Local Area Network)などのような有線でデータ通信可能に構成されてもよい。本実施形態では、補正値入力装置1は、PC7から送信される工作機械に関する工作機械情報及びワークに関するワーク情報を受信して登録する。また、補正値入力装置1は、オペレータの操作に応じて入力した補正値を示す補正値データを工作機械2A〜2Dに転送する。
計測ステーション5には、オペレータが加工済のワークの加工部位の寸法を計測するためのノギスなどの計測器3が置かれている。なお、図1では、計測ステーション5に置かれている計測器として1つの計測器3だけを示しているが、ワークの複数の加工部位を計測するための複数の計測器3が計測ステーション5に置かれる。この計測ステーション5は、例えば工作機械2A〜2Dが設けられている工場内であって、工作機械2A〜2Dが設けられている場所とは異なる場所に設けられている。
工作機械2A〜2Dは、加工設定値に基づいてワークを加工する機械である。ここで、「加工設定値」としては、ワークの加工を行うための加工プログラム及び各種パラメータを含む。また、「ワーク」とは、加工される対象物、すなわち被加工物のことをいう。工作機械2A〜2Dは、それぞれ、補正値入力装置1との間でデータ通信可能に構成されている。本実施形態においては、工作機械2A〜2Dは、それぞれ、補正値入力装置1との間で無線通信可能に構成されている。ただし、工作機械2A〜2Dは、それぞれ、補正値入力装置1との間においてLANなどのような有線でデータ通信可能に構成されてもよい。工作機械2A〜2Dは、それぞれ、補正値入力装置1から転送される補正値データを受信すると、受信した補正値データに基づいて加工設定値(例えばパラメータ)を変更することで、ワークの加工部位における寸法の補正(調整)を行う。なお、図1においては、工作機械として4台の工作機械2A〜2Dが設けられているが、4台未満の工作機械であっても、5台以上の工作機械であってもよい。
PC7は、例えば工場内に設けられている管理用端末である。このPC7は、工場内に設けられている工作機械2A〜2Dに関する工作機械情報と、各工作機械2A〜2Dが加工可能なワークに関するワーク情報とを不図示の記憶装置などに記憶している。そして、PC7は、管理者(この管理者は工作機械を操作するオペレータであってもよくオペレータでなくてもよい。以下同じ。)の操作に応じて、工作機械情報及びワーク情報を補正値入力装置1に送信する。
オペレータによる補正値の入力操作について図1を参照して簡単に説明する。工作機械(例えば工作機械2A)の稼働中に、オペレータ(例えば工作機械2Cのオペレータ)が所定個数毎(例えば100個毎)や所定時間毎(例えば1時間毎)に工作機械(例えば工作機械2A)で加工された加工済のワークを計測ステーション5に持っていく。そして、オペレータは、計測器3を用いて手動でワークの加工部位の寸法を計測する。次に、オペレータは、補正値入力装置1の操作部(図2に示すタッチパネル11や操作ボタン20)を操作して、現在、ワークの加工に用いている工具の種類(工具の用途;例えば、外径切削用、内径切削用、端面切削用)に応じた補正値を入力する。本実施形態では、後述するように、複数種類の工具とワークにおける複数の加工部位とがそれぞれ対応つけられている。また、複数の加工部位毎に、それぞれの加工部位(工具の種類)を認識可能な名称が付され、複数の加工部位毎に、加工部位(工具の種類)に応じた補正値が設定されている。従って、オペレータは、加工部位に応じた名称を選択することで、工具の種類に応じた補正値を入力することができる。
次に、オペレータは、補正値入力装置1の操作部を操作して、計測器3で計測したワークの加工部位の寸法(つまり寸法計測値)とワークの設計値との差分(差、誤差)に基づいて、補正値入力装置1に入力した補正値を増減する。補正値入力装置1は、オペレータによって入力された補正値を示す補正値データを工作機械(例えば工作機械2A)に転送する。その工作機械は、補正値入力装置1から転送された補正値データに基づきワークの加工部位における寸法の補正を行う。
次に、補正値入力装置1及び工作機械2A〜2Dの具体的な構成について説明する。図2は、図1に示す補正値入力装置1及び工作機械2A〜2Dの構成を示すブロック図である。図2に示すように、補正値入力装置1は、表示部10、操作ボタン20(操作部)、演算処理部30、通信部40、及び記憶部50を備えている。表示部10は、例えば液晶画面(表示画面)に画像を表示する表示装置で構成される。この表示部10の表示画面上にタッチパネル11(操作部)が配置されている。このタッチパネル11は、オペレータの表示画面のタッチ操作の位置又は領域を検出し、その位置又は領域に応じた検出信号を演算処理部30に出力する。このタッチパネル11が、表示部10で表示された情報のいずれかを入力するための操作部を構成する。操作ボタン20は、補正値入力装置1に設けられたボタン(スイッチ等でもよい。)であって、オペレータが操作可能な操作部を構成する。
演算処理部30は、補正値入力装置1の制御全般を司る処理部である。この演算処理部30は、制御部31、入力部32、及び転送部33を有している。なお、演算処理部30の構成(演算処理部30が備える各部の構成)は、CPU(Central Processing Unit )やマイクロコンピュータなどの演算装置が記憶部50に記憶されているプログラムに従って実行する制御や処理に相当する。
制御部31は、オペレータによる操作部の操作に応じて、表示部10の表示画面への各種情報を表示する制御を行う。本実施形態では、制御部31は、複数種類の工具に付された工具番号と、複数の加工部位を認識可能な複数の名称と、複数種類の工具に対応する複数の補正値と、複数種類の工具による加工が行われる際の軸方向(複数種類の工具の移動方向)とを表示部10の表示画面に表示する(後述する図7参照)。
入力部32は、オペレータによる操作部の操作により選択された名称に対応つけられた補正値を補正値入力装置1に入力して設定する。また、入力部32は、オペレータによる操作部の操作に応じて、入力した補正値を増減する。
転送部33は、補正値を工作機械に転送するための操作ボタン20(例えば操作ボタンのうちの転送実行ボタン)の操作に応じて、入力部32により入力された補正値を示す補正値データを通信部40を介して工作機械に転送する。
通信部40は、工作機械2A〜2D及びPC7とデータ通信を実行する処理部である。具体的には、通信部40は、PC7から送信される工作機械情報及びワーク情報を受信し、受信した工作機械情報及びワーク情報を演算処理部30に出力する。また、通信部40は、転送部33による転送処理に応じて補正値データを所定の工作機械に送信する。上述したように、本実施形態では、通信部40は、無線で工作機械2A〜2D及びPC7とデータ通信を実行する。
記憶部50は、上述したように、演算処理部30における各部の制御を実行させるためのプログラムを記憶する。また、記憶部50は、PC7から送信される工作機械情報及びワーク情報を記憶する。また、記憶部50は、図2に示すように、データベース51を備えている。データベース51は、工作機械毎に、工具番号と、補正番号と、工具の用途(種類)と、名称と、補正値と、加工の軸方向と、を対応つけて記憶する(後述する図5参照)。
図2に示すように、工作機械2Aは、通信部61、工作機械制御部62、及び旋盤本体63を有している。なお、工作機械2B〜2Dは、工作機械2Aの構成(通信部61、工作機械制御部62、及び旋盤本体63)と同一の構成であっても異なる構成であってもよい。
通信部61は、補正値入力装置1とデータ通信を実行する処理部である。本実施形態では、通信部61は、補正値入力装置1から送信される補正値データを受信する。上述したように、通信部61は、無線で補正値入力装置1とデータ通信を実行する。工作機械制御部62は、旋盤本体63を含む工作機械1の制御全般を司る処理部である。旋盤本体63は、ワークを回転させ、バイトと呼ばれる工具(ツール)でワークを削る機械である。
旋盤本体63の構造の一例について簡単に説明する。図3は、旋盤本体63の構造を示す断面図である。図3に示すように、旋盤本体63は、モータ(図示せず)の回転力を伝達する主軸71と、ワークWを保持(把持)するチャック72と、ワークWを削る工具82(ツール)とを有している。
主軸71は、モータの回転に伴って軸心Aを中心に回転する。チャック72は、軸心Aと同軸上に主軸71に固定されている。このチャック72は、図示しないチャック移動機構の動作に応じて、三方爪72aが径方向(図3に示す方向S)に移動することによりワークWを保持する。すなわち、円筒形状のワークWがチャック72の三方爪72aの間に挿入され、三方爪72aが径方向内側に移動することによりチャック72が閉まる。これにより、円筒形状のワークWがチャック72に保持(把握)される。この把握力は主軸71が回転した際にワークWをしっかり保持できる程度の大きな力とされる。この状態で主軸71が回転すると、チャック72も回転し、チャック72に保持されたワークWも回転する。
8角柱形状のタレット80の8つの面のそれぞれにホルダー81を介して8種類の工具82が取り付けられている。工具82は、回転しているワークWの周面を削るためのチップ82aが取り付けられている。旋盤加工用の工具(バイト)として、例えば、上外径切削用、中外径切削用、下外径切削用、上内径切削用、中内径切削用、下内径切削用、端面切削用など、用途に応じたものが設けられている。なお、図3に示す例では、中外径切削用の工具がワークWを削っている状態を示している。
ツールボックス90は、軸心Bを中心にタレット80を回転させる機構を備えている。ツールボックス90が加工設定値に基づいてタレット80を回転させることにより、ワークWの加工に用いる工具が自動的に切り替えられる。各工具には工具番号が付されている。
ツールボックス90は、図示しないガイドに沿って、図3に示すようなワークWに向かう方向T(X軸方向)や、軸心Aと平行な方向U(Z軸方向)に移動する機構を備えている。ツールボックス90が移動することにより、タレット80に取り付けられた工具82も方向Tや方向Uに移動する。なお、工具82の方向Tを切り込み方向という。また、工具82の切り込み方向Tの移動量を切り込み量という。また、工具82の方向Uを送り方向という。また、工具82の送り方向Uの移動量を送り量という。この工具82が切り込み方向Tに移動することにより、チップ82aがワークWの周面と接触する。これにより、円筒形状のワークWの周面が削られる。また、この工具82が送り方向Uに移動することにより、ワークWの周面が送り方向Uに向かって順に削られていく。
上記した「加工設定値」は、「ツールの軌跡」、「ツールの送り速度」、「送りの加減速」、及び「ツールの種類」のデータを含んでいる。これらのデータは、工具82の移動及び種類を制御するためのデータである。ここで、「ツールの軌跡」は、工具82の刃先(すなわちチップ82aにおけるワークWと接触する先端部)がどのような軌跡を描いて移動するかを示すデータである。つまり、「ツールの軌跡」は、工具82の刃先の切り込み量及び送り量がどのように変化するかを示すデータである。このデータは、例えば座標データ(x,y,z)で表される。
「ツールの送り速度」は、工具82の送り方向Uの移動速度に関するデータである。「送りの加減速」は、工具82の送り方向Uの加速度・減速度に関するデータである。「ツールの種類」は、工具82の種類(工具82のチップ82aがどのタイプであるか)を示すデータである。
これら工具82の移動及び種類を制御するためのデータに基づいて工具82(すなわちツールボックス90)が工作機械制御部62により制御される。なお、「ツールの軌跡」、「ツールの送り速度」、「送りの加減速」、及び「ツールの種類」のデータは、加工設定値の加工プログラムとして設定されてもよく、また、これらのデータは、加工プログラムによって参照されるパラメータとして設定されてもよい。
また、工作機械制御部62は、補正値入力装置1から転送される補正値データに基づいて、ワークWの加工部位における寸法の補正を行う。例えば、工作機械制御部62は、ワークWの外径の寸法を現在の寸法よりも5μm小さくすることを示す補正値データ(「−5」)を受け取ると、ワークWの外径の寸法が5μm小さくなるように、加工設定値における「ツールの軌跡」、「ツールの送り速度」、及び「送りの加減速」のデータを変更する。これにより、ワークWの外径の寸法が補正される。
図4は、工具82のチップ82aの摩耗と補正値との関係を示す図である。工具82のチップ82aは、ワークWを加工する回数(ワークWの個数)に応じて摩耗していく。図4に示す例では、チップ82aが20μm摩耗している。例えば、チップ82aの刃先とワークWとの距離が100μmである場合、チップ82aが摩耗していなければ、工作機械制御部62は工具82をX軸方向(切り込み方向T)に100μm移動させればよいが、チップ82aが20μm摩耗していれば、工作機械制御部62は工具82をX軸方向に120μm移動させる必要がある。すなわち、工作機械制御部62は、20μmだけ余分に工具82をX軸方向に移動させる必要がある。この20μmがX軸方向の補正値に相当する。
図5は、記憶部50におけるデータベース51のデータ構造の一例を示す図である。図5に示すように、データベース51は、複数種類の工具82の工具番号(「1」〜「8」)と、複数種類の工具82に対応する補正番号(「014」「015」「016」「001」「002」「003」「007」「008」)と、複数種類の工具82の用途(種類;上外径切削用、中外径切削用、下外径切削用、上内径切削用、中内径切削用、下内径切削用、端面切削用)と、複数種類の工具82の用途(つまりワークWの加工部位)を認識可能な名称(上外径、中外径、下外径、上内径、中内径、下内径、端面1、端面2)と、複数種類の工具82(加工部位)毎の補正値と、複数種類の工具82の加工の軸方向とをそれぞれ対応つけて記憶している。
次に、上記の補正値入力装置1の動作について説明する。
本実施形態では、工作機械情報及びワーク情報は、上述したように、予め管理者によってPC7に記憶されているものとする。管理者は、工作機械情報として各工作機械2A〜2Dの名称などをPC7に記憶する。また、管理者は、加工対象のワークの設計図面などに基づいて、ワークの名称、ワークの加工部位の設計値、ワークの加工部位の設計値の公差などをPC7に記憶する。また、チップの硬さなどの情報に基づいて、工具に対応する補正値を決定し、決定した補正値をPC7に記憶する。
管理者は、PC7を操作して、PC7に記憶されている工作機械情報を読み出し、読み出した工作機械情報を補正値入力装置1に送信する。補正値入力装置1の通信部40は、PC7から送信された工作機械情報を受信し、受信した工作機械情報を演算処理部30に送る。演算処理部30(例えば制御部31)は、PC7から送信された工作機械情報を通信部40を介して受け取り、受け取った工作機械情報を記憶部50に登録する。
また、管理者は、PC7を操作して、PC7に記憶されているワーク情報(ワークの名称、ワークの加工部位の設計値、ワークの加工部位の設計値の公差、補正値など)を読み出し、読み出したワーク情報を補正値入力装置1に送信する。補正値入力装置1の通信部40は、PC7から送信されたワーク情報を受信し、受信したワーク情報を演算処理部30に送る。演算処理部30(例えば制御部31)は、PC7から送信されたワーク情報を通信部40を介して受け取り、受け取ったワーク情報を工作機械情報に対応付けて記憶部50に登録する。
図6は、補正値入力装置1による補正値入力処理の一例を示すフローチャートである。また、図7は、表示部10の表示画面10Aの例を示す図である。図6に示す処理において、補正値入力装置1の動作が開始されると、制御部31は、記憶部50に記憶されている工作機械情報に含まれる工作機械2A〜2Dの名称を読み出す。そして、制御部31は、図7に示す表示部10の表示画面10Aに、補正値データの転送先としての工作機械の名称を表示する(ステップS1)。
オペレータは、工作機械において所定個数(例えば100個)のワークが加工されるタイミングで、又は工作機械においてワークの加工が所定時間(例えば1時間)行われたタイミングで、加工済のワークを計測ステーション5に持っていく。そして、オペレータは、計測器3を用いて手動でワークの各加工部位の寸法を計測する。その後、オペレータは、補正値入力装置1のタッチパネル11又は操作ボタン20を操作することにより、補正値を入力する対象の工作機械を選択する。
制御部31は、オペレータによって工作機械が選択されたか否かを判定する(ステップS2)。制御部31は、オペレータによって工作機械が選択されたと判定すると(ステップS2のYES)、選択された工作機械に対応した工具82の工具番号、名称、補正値、及び軸方向を表示部10の表示画面10Aに表示する(ステップS3)。図7(A)に示す例では、工具番号「1」〜「3」に対応する情報が表示画面10Aに表示されている。オペレータは例えば操作ボタン20を操作して画面をスクロールさせることができる。なお、工具番号「1」〜「8」のすべての情報を一度に表示画面10Aに表示してもよい。
オペレータは、名称の位置をタッチすること又は操作ボタン20を操作することで、表示画面10Aに表示されている複数の名称の中の所定の名称を選択する。入力部32は、オペレータによって名称が選択されたか否か判定する(ステップS4)。入力部32がオペレータによって名称が選択されたと判定した場合は(ステップS4のYES)、その選択された名称に対応する補正値を入力して設定する(ステップS5)。図7(A)及び(B)に示す例では、オペレータによって名称「中外径」が選択され、「中外径」の補正値が設定されている。
オペレータは、計測器3で計測したワークWの各部位の寸法計測値と設計値との差に基づいて、入力済みの補正値を増やした方が良いか減らした方が良いかを判断する。そして、オペレータは、操作ボタン20のうちの数値指定ボタンを操作することで、入力済みの補正値を増減する。図7(B)に示し例では、オペレータが数値指定ボタンを操作することで、プラスマイナス「1μm」ずつ補正値が増減される。入力部32は、オペレータによって数値指定ボタンが操作されたか否か判定する(ステップS6)。入力部32は数値指定ボタンが操作されたと判定した場合(ステップS6のYES)、数値指定ボタンの操作に応じて補正値を増減する(ステップS7)。
オペレータは補正値の入力が完了すると、操作ボタン20のうちの転送実行ボタンを操作して、補正値データの転送を実行させる。転送部33は、オペレータによって転送実行ボタンが選択されたか否か判定する(ステップS8)。転送部33は、オペレータによって転送実行ボタンが選択されたと判定した場合(ステップS8のYES)、入力部32で設定された補正値を示す補正値データを、ステップS2で選択された工作機械(例えば工作機械2C)に転送する(ステップS9)。
工作機械の通信部61は、補正値入力装置1から転送される補正値データを受信する。そして、工作機械制御部62は、補正値データに基づいて工具のワークWに対する相対移動量を制御することでワークWの加工部位における寸法の補正を行う。なお、工作機械制御部62は、補正値データを受け取ったときの次のワークの加工から、ワークWの加工部位における寸法の補正を行う。
以上に説明したように、本実施形態では、予め決められた複数種類の工具82でそれぞれ加工されるワークWの複数の加工部位と、複数の加工部位毎に付与された複数の名称と、複数の加工部位毎に予め設定された複数の補正値とを記憶する記憶部50と、複数の名称と複数の補正値とを対応つけて表示部10に表示する制御部31と、オペレータにより選択された名称に対応つけられた補正値を入力する入力部32とを備える。このような構成によれば、オペレータは名称を選択することにより補正値の入力を行うことができる。従って、対応表などを参照することなく、工具82の種類に対応した補正値をミスなく確実に入力することができる。
また、複数の名称は、それぞれ対応する複数の加工部位を認識可能な名称であるので、オペレータは名称に基づいて加工部位(工具の種類、用途)を認識し、加工部位に対応した補正値の入力を行うことができる。よって、補正値の入力ミスが防止される。また、記憶部50は、複数の加工部位に対応する複数種類の工具82に付与された工具番号を複数の加工部位毎に記憶し、制御部31は、複数の名称に対応つけて工具番号を表示部10に表示するので、オペレータは名称と工具番号に基づいて補正値を選択することができ、より一層、補正値の入力ミスをなくすことができる。
また、記憶部50は、複数の加工部位毎に予め設定された複数種類の工具82の移動方向を記憶し、入力部32は、オペレータにより選択された名称に対応つけられた補正値を、名称に対応つけられた工具82の移動方向の移動量の補正値として入力する。このような構成によれば、オペレータが工具による加工の軸方向を意識することなく補正値の入力を行うことができる。また、入力部32は、オペレータの操作に応じて、入力した補正値を増減するので、オペレータによって補正値の微調整を行うことができる。
以上の実施形態について説明したが、本発明は図示の構成等に限定されるものではなく、各構成の機能や用途などを逸脱しない範囲で変更は可能である。
例えば、上記した実施形態では、PC7が工作機械情報やワーク情報を管理していたが、工場内又は工場外の上位のコントローラが工作機械情報やワーク情報を管理してもよい。また、オペレータが補正値入力装置1の操作部などを操作して、直接、工作機械情報やワーク情報を補正値入力装置1に入力してもよい。
また、上記した実施形態では、ワークの寸法計測値に対する補正値として、工作機械2A〜2Dにおいてワークの加工部位の寸法をどの程度補正するかを示す寸法データ(例えばμm単位のデータ)で表していたが、工具のワークに対する相対移動量をどの程度補正するかを示すデータで表してもよい。
また、上記した実施形態では、表示画面10Aには、工具番号、名称、補正値、軸方向を表示していたが、少なくとも名称を表示すればよく、工具番号などを表示しなくてもよい。また、表示画面10Aには、補正番号を工具番号などに対応つけて表示してもよい。
また、上記した実施形態では、工具の用途(加工部位)に対応する名称として、「上外径」「中外径」「下外径」「上内径」「中内径」「下内径」などといった名称を付していたが、オペレータが認識可能な名称であればよく、例えば「外径1」「外径2」「外径3」・・といった名称や、「内径1」「内径2」「内径3」・・といった名称であってもよい。
1…補正値入力装置、2A〜2D…工作機械、10…表示部、11…タッチパネル(操作部)、20…操作ボタン(操作部)、30…演算処理部、31…制御部、32…入力部、33…転送部、40…通信部、50…記憶部、51…データベース、82…工具、82a…チップ、W…ワーク
Claims (5)
- ワークの寸法計測値と設計値との差を補正する補正値を工作機械に入力可能な補正値入力装置であって、
予め決められた複数種類の工具でそれぞれ加工される前記ワークの複数の加工部位と、該複数の加工部位毎に付与された複数の名称と、前記複数の加工部位毎に予め設定された複数の補正値とを記憶する記憶部と、
前記複数の名称と前記複数の補正値とを対応つけて表示部に表示する制御部と、
オペレータにより選択された名称に対応つけられた補正値を入力する入力部と、を備える補正値入力装置。 - 前記複数の名称は、それぞれ対応する前記複数の加工部位を認識可能な名称である請求項1に記載の補正値入力装置。
- 前記記憶部は、前記複数の加工部位に対応する前記複数種類の工具に付与された工具番号を前記複数の加工部位毎に記憶し、
前記制御部は、前記複数の名称に対応つけて前記工具番号を前記表示部に表示する請求項1または請求項2に記載の補正値入力装置。 - 前記記憶部は、前記複数の加工部位毎に予め設定された前記複数種類の工具の移動方向を記憶し、
前記入力部は、オペレータにより選択された名称に対応つけられた補正値を、該名称に対応つけられた工具の移動方向の移動量の補正値として入力する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の補正値入力装置。 - 前記入力部は、オペレータの操作に応じて、入力した前記補正値を増減する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の補正値入力装置。
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JP2018163541A (ja) * | 2017-03-27 | 2018-10-18 | 村田機械株式会社 | 工作機械の制御装置、工作機械の制御方法、及び工作機械の制御プログラム |
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